JP2015092906A - 骨梁解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次元画像を基にした骨梁解析をより正確に実行できる骨梁解析装置を提供する。
【解決手段】本発明の骨梁解析装置1によれば、断層画像Dを基にした骨梁解析でありながらも、骨梁の状態をより正確に把握できる。断層画像Dに画像解析を施すことで得られるパラメータは、骨梁の状態により変動するものの、骨梁の三次元構造の状態を盛り込んでいないから骨梁の状態を正確に表したものとはならない。そこで、本発明では、断層画像Dで得られた数値に基づいて、断層画像Dの被写体が仮に三次元解析されたとしたときに得られる評価値を推定するようにしている。そして、本発明に係る発明者は、骨梁解析に係る骨の部位によって数値と評価値の関連性を変えるようにすると評価値の推定がより正確に行える点に気が付き、本発明はこの発想を具現化したものとなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体の骨梁を解析する骨梁解析装置に関し、特に被検体の放射線透過画像を取得して放射線透過画像の解析を行うことで骨梁解析を実行する骨梁解析装置に関する。
骨梁とは、骨の内部の海綿質を構成する細長状の構造である。この骨梁が骨の内部で充実しているかを知ることで被検体Mの健康の診断や疾病の診断ができる。また、被検体Mの骨梁を解析すれば被検体Mの骨強度も知ることができる(例えば、非特許文献1,非特許文献2参照)。
従来の骨梁解析手法について説明する。従来の骨梁解析装置50は、図19に示すように、被検体Mを載置する天板52と、天板52の上側に設けられている放射線源53と、天板52の下側に設けられている検出器54とを備えている。骨梁解析を行うには、図19の様な装置を用いて、断層撮影を行い、取得された断層画像に骨梁解析が施される。
従来構成における骨梁解析の具体的手法について説明する。従来構成によれば、骨梁解析に先立って、放射線源53と検出器54とを被検体Mに対して移動させながら撮影を行うことにより、被検体Mの断層画像が取得が行われる。そして、取得された断層画像に写り込む骨梁の解析が実行される(例えば特許文献1参照)。
特開2013−027608号公報
Haralick RM. Statistical and structural approaches to texture. Proc IEEE 1979;67(5):786−804. Haralick RM. et al. Textural Features for Image Classification. IEEE Transactions on Systems Man and Cybernetics 1973;6:610−621.
しかしながら、上述のような従来構成によれば、次のような問題点がある。
すなわち、従来装置では、骨梁解析の方法が最適化がされていない。
従来方法における断層画像に基づいた骨梁解析によれば、被検体の骨の状態を必ずしも正確に表した指標が得られない。被検体の骨を形作る骨梁は、そもそも3次元的なネットワーク構造を有している。したがって本来ならば、被検体の骨梁の状態は、3次元構造を考慮して行わなければ正確に知ることができない。したがって、被検体の骨梁の状態を知ろうとすれば、骨梁の3次元構造を取得するような撮影を被検体に対して行わなければならない。
しかし、実際には、被検体の骨梁の三次元像を正確に取得することは難しい。骨梁は三次元像を撮影するにはあまりにも微細だからである。そこで、従来構成においては、骨梁の三次元像の代わりに骨の断層画像などの2次元画像を骨梁解析に用いるような構成としている。骨の断層画像のほうが骨梁の三次元像よりも撮影しやすいのである。
この様な事情があるので、断層画像を基にして実行される骨梁解析の結果は、被検体の骨の状態を必ずしも正確に表したものとならない。この骨梁解析は、骨梁の三次元構造を考慮せずになされたものであり、実際の骨梁が有する様々な情報のうち断層画像を解析することで分かる情報しか用いずに結果を導くものだからである。
したがって、従来の断層画像を基にして実行される骨梁解析においては、解析方法に改良の余地があるということになる。被検体の骨の状態をより正確に知るには、従来行われている方法よりも多角的な観点を盛り込んで骨梁解析を行う必要がある。しかし、それを具体的にどのように行えばよいのかは、十分に検討されてこなかった。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、断層画像を基にした骨梁解析をより正確に実行できる骨梁解析装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る骨梁解析装置は、生体の骨を写し込んだ二次元画像を解析して骨についてのパラメータを算出するパラメータ算出手段と、二次元画像由来のパラメータと生体での実測が難しい評価値との関連性に基づいて推定値を算出する評価値推定手段とを備え、評価値推定手段が推定値の算出に用いるパラメータと評価値との関連性は、骨梁解析を行う骨の部位ごとに複数用意され、評価値推定手段は、骨梁解析に係る骨の部位に対応する関連性を用いて動作することを特徴とするものである。
[作用・効果]発明の骨梁解析装置によれば、二次元画像を基にした骨梁解析でありながらも、骨梁の状態をより正確に把握できる。すなわち、本発明に係る骨梁解析装置は、二次元画像に画像解析を施すことで骨梁の大まかな状態を表す数値を取得する。このときの数値を本発明においてはパラメータと呼ぶことにする。このパラメータは、骨梁の状態により変動するものの、骨梁の三次元構造の状態を盛り込んでいないから骨梁の状態を正確に表したものとはならない。そこで、本発明では、この二次元画像で得られたパラメータに基づいて、二次元画像の被写体が仮に三次元解析されたとしたときに得られる評価値を推定するようにしている。評価値の推定は、パラメータと評価値との関連性に基づいて行われる。そこで、信頼性が高く的確に評価値を推定する関連性を如何に用意すればいいのかという問題が生じる。本発明に係る発明者は、骨梁解析に係る骨の部位によって関連性を変えるようにすると評価値の推定がより正確に行える点に気が付いた。本発明はこの発想を具現化したものとなっている。本発明によれば、二次元画像解析をするだけで三次元解析に裏付けられた推定値が算出可能となり、より骨梁の状態を正確に把握できる骨梁解析装置が提供できる。
また、上述の骨梁解析装置において、パラメータ算出手段として二次元画像の一部に設けられた解析範囲に写り込む骨梁の長さの合計である骨梁総延長をパラメータとして算出する骨梁総延長算出手段を備えればより望ましい。
また、上述の骨梁解析装置において、パラメータ算出手段として二次元画像の一部に設けられた解析範囲を構成する各画素のうち所定の画素値の組み合わせを有する2つの画素のペアで画素同士が所定の距離だけ離間しているものが解析範囲において何回現れるかを各画素値の組み合わせごとに数えて同時生起行列を生成する同時生起行列生成手段と、同時生起行列に基づいてテクスチャ解析を行いテクスチャ解析指標をパラメータとして算出する指標算出手段とを備えればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明の骨梁解析装置の具体的構成を表したものとなっている。本発明において評価値の推定に用いるパラメータは、骨梁総延長やテクスチャ解析指標を用いることができる。
また、上述の骨梁解析装置において、指標算出手段が算出するテクスチャ解析指標として、コリレーション、ディシミラレィティ、コントラスト、ホモジェネイティ、エントロピー、アングラーセカンドモーメント、バリアンス、インバースディファレンシャルモーメントのうちの1つまたは複数が選択されていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明の骨梁解析装置の具体的構成を表したものとなっている。上述のテクスチャ指標値は、既知のものであり、比較的容易に算出できる。従って、上述の構成によれば、本発明の骨梁解析装置をより確実に実現できる。
また、上述の骨梁解析装置において、評価値推定手段が推定値の算出に用いるテクスチャ解析指標と評価値との関連性は、標本骨における標本解析範囲を解析して得られる評価値と二次元画像由来のパラメータとを標本骨における標本解析範囲を定める位置を変えながら次々と算出し、得られた結果を回帰分析することによって算出される回帰式である推定式として表されており、回帰分析をするときの目的変数は、標本解析範囲について三次元解析して得られる評価値であり、独立変数は、標本解析範囲に係る二次元画像を解析して得られるパラメータであればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明の骨梁解析装置の具体的構成を表したものとなっている。推定式を回帰分析によって算出するようにすれば、推定式を確実に算出できる。なお、この場合の回帰分析は、独立変数を1個とする単回帰分析であってもよいし、複数とする重回帰分析でもよい。
また、上述の骨梁解析装置において、評価値推定手段が推定する評価値は、解析範囲内の骨成分の体積を示すBV/TV値、解析範囲内の骨のつまり具合を示すTBPf値、三次元解析により得られる骨梁総延長を表すTSL値、骨梁の幅を表すTbTh値、骨の強度を表す骨強度値のいずれかであればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明の骨梁解析装置の具体的構成を表したものとなっている。評価値推定手段が推定する評価値は、BV/TV値、TBPf値、TSL値、TbTh値、骨強度値のいずれかであれば、骨梁の評価をするときに必要な評価値が得られる骨梁解析装置が提供できる。
また、上述の骨梁解析装置において、放射線を照射する放射線源と、放射線源を被検体に対し移動させる放射線源移動手段と、放射線源移動手段を制御する放射線源移動制御手段と、被検体を透過した放射線を検出する検出手段と、検出手段を被検体に対し移動させる検出器移動手段と、検出器移動手段を制御する検出器移動制御手段と、検出手段の出力を基に画像を生成する画像生成手段と、放射線源および検出手段を被検体に対して移動させながら連写された画像を基に断層画像を生成する断層画像生成手段とを備え、パラメータ算出手段が解析する二次元画像は、断層画像であればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明の骨梁解析装置の具体的構成を表したものとなっている。本発明は、上述のようなデジタルトモシンセシス装置にも適用できる。
本発明の骨梁解析装置によれば、二次元画像を基にした骨梁解析でありながらも、骨梁の状態をより正確に把握できる。二次元画像に画像解析を施すことで得られるパラメータは、骨梁の状態により変動するものの、骨梁の三次元構造の状態を盛り込んでいないから骨梁の状態を正確に表したものとはならない。そこで、本発明では、二次元画像で得られた数値に基づいて、二次元画像の被写体が仮に三次元解析されたとしたときに得られる評価値を推定するようにしている。そして、本発明に係る発明者は、骨梁解析に係る骨の部位によって数値と評価値の関連性を変えるようにすると評価値の推定がより正確に行える点に気が付き、本発明はこの発想を具現化したものとなっている。
実施例1に係る骨梁解析装置の全体構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る断層画像の撮影原理を説明する模式図である。 実施例1に係る骨梁解析部の詳細を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る骨梁総延長の算出方法を説明する模式図である。 実施例1に係る同時生起行列の生成方法を説明する模式図である。 実施例1に係る同時生起行列が生成される様子を説明する模式図である。 実施例1に係るTBPf値を説明する模式図である。 実施例1に係る推定式について説明する模式図である。 実施例1に係る推定式について説明する模式図である。 実施例1に係る推定式について説明する模式図である。 実施例1に係る回帰式の選択について説明する模式図である。 実施例1に係る回帰式の選択について説明する模式図である。 実施例1に係る骨梁解析部の動作について説明する模式図である。 実施例2に係る断層画像の撮影原理を説明する模式図である。 実施例2に係る断層画像の撮影原理を説明する模式図である。 実施例2に係る断層画像の撮影原理を説明する模式図である。 実施例2に係る断層画像の撮影原理を説明する模式図である。 本発明の1変形例の構成を説明する模式図である。 従来構成の骨梁解析装置の構成を説明する模式図である。
次に、本発明に係る骨梁解析装置の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、実施例におけるX線は、本発明の構成の放射線に相当する。なお、FPDは、フラットパネル型X線検出器(フラット・パネル・ディテクタ)の略である。そして、断層画像Dは、本発明の二次元画像に相当する。
図1は、実施例1に係る骨梁解析装置の構成を説明する機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る骨梁解析装置1は、X線断層撮影の対象である被検体Mを載置する天板2と、天板2の上部(天板2の1面側)に設けられた被検体Mに対してコーン状のX線ビームを照射するX線管3と、天板2の下部(天板の他面側)に設けられ、被検体Mを透過したX線を検出するFPD4と、コーン状のX線ビームの中心軸とFPD4の中心点とが常に一致する状態でX線管3とFPD4との各々を被検体Mの関心部位を挟んで互いに反対方向に同期移動させる同期移動機構7と、これを制御する同期移動制御部8と、FPD4のX線を検出するX線検出面を覆うように設けられた散乱X線を吸収するX線グリッド5とを備えている。この様に、天板2は、X線管3とFPD4とに挟まれる位置に配置されている。X線管3は、本発明の放射線源に相当し、FPD4は、本発明の検出手段に相当する。
同期移動機構7は、X線管3を被検体Mに対して体軸方向Aに移動させるX線管移動機構7aと、FPD4を被検体Mに対して体軸方向Aに移動させるFPD移動機構7bとを備えている。また、同期移動制御部8は、X線管移動機構7aを制御するX線管移動制御部8aとFPD移動機構7bを制御するFPD移動制御部8bとを備えている。X線管移動機構7aは、本発明の放射線源移動手段に相当し、FPD移動機構7bは、本発明の検出器移動手段に相当する。また、X線管移動制御部8aは、本発明の放射線源移動制御手段に相当し、FPD移動制御部8bは、本発明の検出器移動制御手段に相当する。
X線管3は、X線管制御部6の制御にしたがってコーン状でパルス状のX線ビームを被検体Mに対して繰り返し照射する構成となっている。このX線管3には、X線ビームを角錐となっているコーン状にコリメートするコリメータが付属している。そして、このX線管3と、FPD4はX線透過画像を撮像する撮像系3,4を生成している。
同期移動機構7は、X線管3とFPD4とを同期させて移動させる構成となっている。この同期移動機構7は、同期移動制御部8の制御にしたがって被検体Mの体軸方向Aに平行な直線軌道(天板2の長手方向)に沿ってX線管3を直進移動させる。このX線管3とFPD4との移動方向は、天板2の長手方向に一致している。しかも、検査中、X線管3の照射するコーン状のX線ビームは、常に被検体Mの関心部位に向かって照射されるようになっており、このX線照射角度は、X線管3の角度を変更することによって、たとえば初期角度−20°から最終角度20°まで変更される。この様なX線照射角度の変更は、X線管傾斜機構9が行う。X線管傾斜制御部10は、X線管傾斜機構9を制御する目的で設けられている。
そして、さらに実施例1に係る骨梁解析装置1は、各制御部6,8,10を統括的に制御する主制御部25と、断層画像Dを表示する表示部27とを備えている。この主制御部25は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより各制御部6,8,10および後述の各部11,12,13,14,15,16,17を実現している。記憶部23は、各部の制御様式や、後述の評価値推定部17が参照する推定式などの骨梁解析に関するデータの一切を記憶する。操作卓26は、術者の骨梁解析装置1に対する各操作を入力させるものである。
また、同期移動機構7は、上述のX線管3の直進移動に同期して、天板2の下部に設けられたFPD4を被検体Mの体軸方向A(天板2の長手方向)に直進移動させる。そして、その移動方向は、X線管3の移動方向と反対方向となっている。つまり、X線管3が移動することによってX線管3の焦点の位置と照射方向が変化するコーン状のX線ビームは、常にFPD4のX線検出面の全面で受光される構成となっている。このように、一度の検査において、FPD4は、X線管3と互いに反対方向に同期して移動しながら、たとえば74枚の透視画像P0を取得するようになっている。具体的には、撮像系3,4は、実線の位置を初期位置として、破線で示した位置を介して、図1に示した一点鎖線で示す位置まで対向移動する。すなわち、X線管3とFPD4の位置を変化させながら複数のX線透過画像が撮影されることになる。ところで、コーン状のX線ビームは常にFPD4のX線検出面の全面で受光されるので、撮影中コーン状のX線ビームの中心軸は、常にFPD4の中心点と一致している。また、撮影中、FPD4の中心は、直進移動するが、この移動はX線管3の移動の反対方向となっている。つまり、体軸方向AにX線管3とFPD4とを同期的、かつ互いに反対方向に移動させる構成となっている。図1における符号Sは被検体Mの体側方向を表している。
すなわち、同期移動機構7は、X線管3を天板2の長手方向における一端側に向けて移動させるのに同期してFPD4を天板2の長手方向における他端側に向けて移動させるような動作をする。
また、FPD4の後段には、そこから出力される検出信号を基に透視画像P0を生成する画像生成部11が備えられており(図1参照),この画像生成部11の更に後段には、透視画像P0を合成して断層画像Dを生成する断層画像生成部12とを備えている。画像生成部11は、本発明の画像生成手段に相当し、断層画像生成部12は、本発明の断層画像生成手段に相当する。
続いて、実施例1に係る骨梁解析装置1の断層画像の取得原理について説明する。図2は、実施例1に係るX線撮影装置の断層画像の取得方法を説明する図である。例えば、天板2に平行な(鉛直方向に対して水平な)仮想平面(基準裁断面MA)について説明すると、図2に示すように、基準裁断面MAに位置する点P,Qが、常にFPD4のX線検出面の不動点p,qのそれぞれに投影されるように、X線管3によるコーン状のX線ビームBの照射方向に合わせてFPD4をX線管3の反対方向に同期移動させながら一連の透視画像P0が画像生成部11にて生成される。一連の透視画像P0には、被検体Mの投影像が位置を変えながら写り込んでいる。そして、この一連の透視画像P0を断層画像生成部12にて再構成すれば、基準裁断面MAに位置する像(たとえば、不動点p,q)が集積され、X線断層画像としてイメージングされることになる。一方、基準裁断面MAに位置しない点Iは、FPD4における投影位置を変化させながら一連の被検体画像に点iとして写り込んでいる。この様な点iは、不動点p,qとは異なり、断層画像生成部12でX線透過画像を重ね合わせる段階で像を結ばずにボケる。このように、一連の透視画像P0の重ね合わせを行うことにより、被検体Mの基準裁断面MAに位置する像のみが写り込んだX線断層画像が得られる。このように、透視画像P0を単純に重ね合わせると、基準裁断面MAにおける断層画像Dが得られる。
さらに、断層画像生成部12の設定を変更することにより、基準裁断面MAに水平な任意の裁断面においても、同様な断層画像を得ることができる。撮影中、FPD4において上記点iの投影位置は移動するが、投影前の点Iと基準裁断面MAとの離間距離が大きくなるにしたがって、この移動速度は増加する。これを利用して、取得された一連の被検体画像を所定のピッチで体軸方向Aにずらしながら再構成を行うようにすれば、基準裁断面MAに平行な裁断面における断層画像Dが得られる。このような一連の被検体画像の再構成は、断層画像生成部12が行う。このように、断層画像生成部12は、X線管3およびFPD4を被検体Mに対して移動させながら連写された画像を基に被検体Mを載置する天板に平行な断面に係る断層画像Dを生成する。
<骨梁解析部の構成>
生成された断層画像Dは、骨梁解析部13,14,15,16,17に送られる。この骨梁解析部13,14,15,16,17は、図3に示す二値化部13,骨梁総延長算出部14,行列生成部15,テクスチャ解析指標算出部16および評価値推定部17をまとめ機能ブロックの一つとして表現したものとなっている。骨梁解析部13,14,15,16,17は、断層画像Dに種々の画像処理を施して骨梁解析を行う。骨梁総延長算出部14,行列生成部15,テクスチャ解析指標算出部16は、本発明のパラメータ算出手段に相当し、評価値推定部17は、本発明の評価値推定手段に相当する。
本発明の最も特徴的な構成は、骨梁総延長GLとテクスチャ解析指標t1,t2,t3……とを用いて骨梁の状態を表す評価値を骨の部位ごとに推定する構成にある。すなわち、骨梁解析部13,14,15,16,17は、断層画像Dより骨梁総延長GLとテクスチャ解析指標t1,t2,t3……とを算出して、これらを用いて種々の推定値Pを骨の部位ごとに算出する。図3において推定される対象はTbTh値となっている。TbTh値とは骨梁の幅を表す骨梁を評価するときの評価値の一種である。術者はこのTbTh値の推定値Pを被検体Mの骨梁がどのような状態になっているかの判断材料とすることができる。
骨梁総延長GLとテクスチャ解析指標t1,t2,t3……とは、骨梁の状態を数値化したパラメータである。したがって、断層画像Dから得られたこれらパラメータで骨梁の状態の評価できるものと予想される。実際はこのような予想に反し、これらパラメータでは骨梁の状態を正確に把握することができない。これらのパラメータは、断層画像Dから取得されるものだからである。骨梁の状態を評価するには骨梁が3次元空間内にどのように張り巡らされているかを考慮する必要がある。骨梁総延長GLとテクスチャ解析指標t1,t2,t3……とは、断層画像Dから算出されるものであるので、骨梁の三次元構造に対して考慮がされていない。したがって、これらパラメータは、骨梁の状態を正確に知るには、力不足なのである。
一方TbTh値は、骨の海綿質の3Dデータを基に算出される骨梁の評価値であるが、生体での実測は困難である。このTbTh値は、本来ならば高分解能のCT装置により算出されるものであるので、本発明のような断層撮影装置では撮影することは原理上できない。したがって、本発明に係る装置は、実際にTbTh値を算出する代わりに断層画像D由来の各パラメータGL,t1,t2,t3……からTbTh値の推定を行うようにしている。この推定値Pの算出には、各パラメータGL,t1,t2,t3……のみならず実際CT撮影で得られるTbTh値も用いるようにしているので、本発明に係る装置は、生体での実測が難しいTbTh値の推定を正確に行うことができるようになっている。
続いて、骨梁解析部13,14,15,16,17を構成する各部の詳細について説明する。
<二値化部13,骨梁総延長算出部14>
断層画像Dは、まず二値化部13に送出される。二値化部13は、断層画像Dに二値化処理を施し、二値化された断層画像Dを生成する。この二値化された断層画像Dは、骨梁総延長算出部14に送出される。骨梁総延長算出部14は、断層画像Dの一部に設けられた解析範囲Rに写り込む骨梁の長さの合計である骨梁総延長GLを算出する。図4は、骨梁総延長算出部14の動作を説明する模式図である。図4の左側は断層画像Dに写り込んだ被検体Mの骨の断層像を表している。骨梁総延長算出部14は、骨の内部の海綿質の一部を解析範囲Rと認識する。
骨梁総延長算出部14には、図3に示すように術者が操作卓26を通じて入力した部位情報が送られてきている。この部位情報とは、これから行われる骨梁解析の対象となる骨の部位を示したものである。この部位情報により示される骨の部位としては、例えば、大腿骨の骨頸部や骨幹部などがある。骨梁総延長算出部14は、部位情報という形で術者が指定した骨の部位(図4においては骨頸部)に含まれるように解析範囲Rを決定して骨梁総延長の算出を行う。したがって、骨梁総延長算出部14は、骨の部分について骨梁総延長を算出するのであり、断層画像Dに写り込んでいる海綿組織全体について骨梁総延長を算出するわけではない。断層画像Dにおける解析範囲Rの指定は、術者が操作卓26を通じて行うこともできるし、骨の形状認識により骨梁総延長算出部14が自動で行うこともできる。また、骨梁総延長算出部14は、術者が指定した骨の部位の全域を解析範囲Rとして動作してもよい。
図4の右側は解析範囲Rの拡大図を表している。解析範囲Rには、複数の骨梁の断層像が写り込んでいる。この骨梁は、網目状海綿質を形成している。骨梁総延長算出部14は、解析範囲Rにおける骨梁の分岐点nを画像解析により取得し、この分岐点n同士をつなぐ線分Kを求める。骨梁総延長算出部14は、これら線分Kの長さを合計する。これにより得られる数値が解析範囲Rにおける骨梁の総延長である骨梁総延長GLである。この骨梁総延長が長いほど解析範囲Rに多くの骨梁が存在していることになり、断層画像Dに写り込んだ骨は骨折のしにくいものであることが分かる。
また、骨梁総延長算出部14は、求めた線分Kの本数を計数する。これにより得られる数値が解析範囲Rにおける骨梁の数である骨梁数である。この骨梁数が多いほど解析範囲Rに多くの骨梁が存在していることになり、断層画像Dに写り込んだ骨は骨折のしにくいものであることが分かる。とはいえ、断層画像Dから得られた骨梁総延長GLだけでは骨梁の状態を正確に知ることができない。
そこで、本発明によれば、骨梁総延長GLの他にテクスチャ解析で得られた各種数値を用いて骨梁の状態を正確に知るように構成されている。テクスチャ解析とは、同時生起行列GLCMに対して種々の演算を行うことで画像の傾向を表す数値を算出するという画像解析の一種である。ただし、テクスチャ解析で得られた各種数値は、骨梁の状態そのものを表しているものとして扱われるわけではなく、骨梁の状態を知るでの手がかりとして利用される。この構成の詳細については後述する。骨梁総延長算出部14は、断層画像Dに写り込んでいる骨の各部について骨梁総延長の算出を行う。骨の各部とは具体的には、骨頸部や骨幹部などである。
<行列生成部15>
テクスチャ解析を行う際に必要となる行列として同時生起行列(GLCM)がある。この行列は行列生成部15により生成される。断層画像生成部12が生成した断層画像Dは、行列生成部15に送出され、そこでGLCMに変換される。図5は、行列生成部15が断層画像Dに基づいてGLCMを生成する動作を説明している。図5の左側は、断層画像Dを画素値の2次元配列として表している。説明の簡単のため、断層画像Dを構成する各画素の画素値は、0から9までの10通りの値をとるものとする。
図5の右側に示すように、断層画像Dより生成されるGLCMの行数と列数は、いずれも画素の画素値がとりえる画素値の数と一致する。断層画像Dを構成する各画素は、10通りのうちのいずれかの画素値を有しているのであるから、断層画像Dより生成されるGLCMは10行10列の2次元行列となる。行列生成部15は、10×10行列となっているGLCMを構成する100個の要素に数値を代入してGLCMを完成させる。各要素にどのような数値を入れるかは、断層画像Dの画素値に基づいて判断される。
図5は、GLCMの各行のうち0を意味する行、各列のうち1を意味する行に位置する要素p(0,1)の数値を行列生成部15が決めようとしているところを示している。行列生成部15は、画素値0と画素値1とが隣り合って配列されている画素のペアが断層画像Dに何組あるかを数えて、そのカウント数をGLCMの要素p(0,1)とする。図5においては、画素値0と画素値1とが隣り合って配列されている画素のペアは2組あるので、要素p(0,1)の値は、2となる。このGLCMにおける任意の要素p(a,b)は要素p(b,a)に等しいので、GLCMの要素p(1,0)の値も2となる。
行列生成部15は、同様な動作をGLCMの全域に亘って行い、行列が有する要素の全てを断層画像Dに基づいて決定する。こうして行列生成部15は、断層画像Dに基づいてGLCMを完成させる。
行列生成部15には、図3に示すように術者が操作卓26を通じて入力した部位情報が送られてきている。この部位情報とは、これから行われる骨梁解析の対象となる骨の部位を示したものである。この部位情報により示される骨の部位としては、例えば、大腿骨の骨頸部や骨幹部などがある。行列生成部15は、部位情報により示される骨の部位(図6においては骨頸部)の海綿骨が存在する領域に含まれるように解析範囲を決定してGLCMを算出する。したがって、行列生成部15は、骨の部分についてGLCMを算出するのであり、断層画像Dに写り込んでいる海綿組織全体についてGLCMを算出するわけではない。断層画像Dにおける解析範囲の指定は、術者が操作卓26を通じて行うこともできるし、骨の形状認識により行列生成部15が自動で行うこともできる。また、行列生成部15は、術者が指定した骨の部位の全域を解析範囲として動作してもよい。なお、骨梁総延長算出部14の解析範囲Rは、行列生成部15の解析範囲に一致している。したがって、骨梁総延長GLは、骨の特定の部位について算出されることになる。
図6は、行列生成部15が断層画像Dに基づいてGLCMを生成する様子を示している。生成されるGLCMは、断層画像Dの画素が取り得る画素値の数が多くなるほど大きくなる。GLCMは、対称性を有する行列であり、図6の点線で示す対角線で2つ折りにすると、重なり合う要素同士の値が同じとなっているような行列である。
このように、行列生成部15は、断層画像Dの一部に設けられた解析範囲を構成する各画素のうち所定の画素値の組み合わせを有する2つの画素のペアで画素同士が所定の距離だけ離間しているものが解析範囲において何回現れるかを各画素値の組み合わせごとに数えてGLCM(同時生起行列)を生成する。行列生成部15は、断層画像Dに写り込んでいる骨の各部の海綿骨についてGLCMの生成を行う。骨の各部とは具体的には、骨頸部や骨幹部などである。図6では、骨頸部についてGLCMが生成される様子を表している。
<テクスチャ解析指標算出部16>
GLCMは、テクスチャ解析指標算出部16に送出される。テクスチャ解析指標算出部16は、GLCMに種々の演算を実行することでテクスチャ解析指標t1,t2,t3……を算出することが可能である。テクスチャ解析指標算出部16が算出できるテクスチャ解析指標は、例えば次のようなものがある。式中のp(i,j)とは、GLCMにおけるi行j列目の要素の値、Σ,Σは、それぞれi行、j列についての要素の合計、Nは、断層画像Dの画素が取り得る画素値の数、μは平均値、μ,μは、それぞれ行方向、列方向の平均値、σ,σは、それぞれ行方向、列方向の標準偏差を表している。なお、これらテクスチャ解析指標ASM(Angular Second Moment:アングラーセカンドモーメント),CNT(Contrast:コントラスト),COR(Correlation:コリレーション),VAR(Variance:バリアンス),IDM(Inverse Difference Moment,インバースディファレンシャルモーメント),ENT(Entropy,エントロピー)の各々は、1973年にHarlickらが上述の非特許文献2で提唱した14種類のパラメータのうちの一部である。また、DISは非類似度またはディシミラレィティと呼ばれるテクスチャ解析指標で、HOMは、一様性またはホモジェネイティと呼ばれるテクスチャ解析指標である。
Figure 2015092906
テクスチャ解析指標算出部16は、GLCMに上述の種々の演算を行ってテクスチャ解析指標t1,t2,t3……を算出する。テクスチャ解析指標算出部16が算出するテクスチャ指標の種類と数は、適宜変更することができる。テクスチャ解析指標の数は3つ以下でもよい。以上のように、テクスチャ解析指標算出部16は、GLCM(同時生起行列)に基づいてテクスチャ解析を行いテクスチャ解析指標t1,t2,t3……を算出する。このテクスチャ解析指標t1,t2,t3……は、特定の骨の部位についての値なのであり、断層画像Dに写り込んでいる海綿組織全体についてのものではない。
<評価値推定部17>
テクスチャ解析指標t1,t2,t3……は、評価値推定部17に送出される。この評価値推定部17には、骨梁総延長算出部14より、骨梁総延長GLも送出されている。評価値推定部17は、骨梁総延長GLおよびテクスチャ解析指標t1,t2,t3……を入力すると生体での実測が難しい評価値の推定値Pが出力される推定式に基づいて推定値Pを算出する。評価値推定部17が推定する評価値としては、TbTh値、BV/TV値、TBPf値、TSL値などがある。これらは、本来は骨を3次元解析しなければ得られない骨梁の評価値である。評価値推定部17は、断層画像Dを解析して得られた各値GL,t1,t2,t3……を用いて、この断層画像Dに写り込んでいる骨を3次元解析したとすれば得られるであろう評価値を推定するのである。3次元解析は、正確ではあるが生体に実施するのは相当難しい。本発明は、この様な事情に鑑みて断層画像Dから3次元解析の結果を推定するようにしている。
評価値の各々の意味について説明する。TbTh値とは骨の海綿組織をCT撮影して3次元解析をすることで得られるものである。TbTh値の意味は、骨梁の幅である。この値が高いほど、海綿組織がより骨の成分で満たされていることを示し、強い骨であることを表す。また、BV/TV値は、関心領域中における骨梁の部分と中空の部分との割合である。この値が高いほど、海綿組織がより骨の成分で満たされていることを示し、強い骨であることを表す。このBV/TV値もCT撮影による3次元解析で得られる値である。
TBPf値は、体積/表面積で算出される値で、BV/TV値と同じく海綿組織の詰まり具合を数値化するものである。このTBPf値もCT撮影による3次元解析で得られる値である。図7は、TBPf値の意味を説明している。図7の左側は、CT撮影で得られた3次元画像の一部(関心領域)であるとする。この立方体の形状をしている関心領域は周縁部が骨成分で構成されるものの、中心には球形の中空が包含されているものとする。この関心領域にグロー処理を施して、球形の中空を小さくしたとする。グロー処理とは、中空の周辺を骨成分に置換することにより、骨成分と中空との界面に骨成分の層を積層するような画像処理である。グロー処理後の関心領域は、図7の右側に示されている。
この様な画像処理を施すと、骨成分と中空との海面の表面積と関心領域に占める骨成分の体積とが変化するはずである。それぞれの変化量をΔS,ΔVとすると、TBPf値は、ΔS/ΔVで表される値である。骨梁解析においては、一概には言えないが、値が低いほど骨が強いものであることを表す場合が多い。
TSL値は、海綿骨をCT撮影して得られた3次元画像を基にした骨梁総延長である。なお、骨梁総延長算出部14が算出する骨梁総延長GLは、断層画像Dを解析することで得られたものであり、TSLとは異なる指標である。TSL値は大きいほど骨が強いものであることを示す。
評価値推定部17の動作についてより詳細に説明する。評価値推定部17には、図3に示すように術者が操作卓26を通じて入力した部位情報が送られてきている。この部位情報とは、これから行われる骨梁解析の対象となる骨の部位を示したものである。この部位情報により示される骨の部位としては、例えば、大腿骨の骨頸部や骨幹部などがある。
評価値推定部17は、記憶部23に記憶されているテーブルTを参照して、部位情報が示す骨の部位に対応する推定式を読み出し、これを用いて例えば骨頸部におけるTbTh値などの評価値を推定する。このときの数式は次のようなものである。
P=kGL・GL(骨頸部)+C ……(1)
ここで、Pは推定値、GL(骨頸部)は骨頸部における骨梁総延長、kGLは係数、Cは定数を表している。なお、テーブルTは、下のように、骨の部位と推定式とが関連したテーブルとなっている。表中のkは、定数、COR(骨幹部)は、骨幹部におけるテクスチャ解析指標のうちの一つCOR値を表している。ある部位における評価値を算出するには、その部位について断層画像解析をして得られた値を推定式に代入することで得られる。
Figure 2015092906
<本発明の特徴的な構成>
表1を参照すると、骨頸部におけるTbTh値を推定する式と骨幹部におけるTbTh値を推定する式との間で、定数や係数のみならず、右項における変数の種類も異なっていることが分かる。このように、本発明は、骨の部位に応じて互いに異なる推定式を用いてTbTh値などの評価値を推定することに特徴がある。この様なテーブルTを如何に作成するかについては後述のものとする。なお、評価値推定部17がTbTh値以外の評価値を推定するときは、上述の表1に示されたものとは別の推定式がテーブルTより読み出される。すなわち、テーブルTは、骨の部位と評価値との組み合わせの各々について対応する推定式を格納し、評価値推定部17は、推定に係る骨の部位と評価値の組み合わせに対応した推定式をテーブルTより読み出して動作する。
なお、上述の1式は、推定値Pを1つの変数から求めていたが、本発明はこれに限らず、推定値Pの算出に用いる変数の個数を適宜増減することができる。以降、1つの変数から推定値Pを求めるものとして説明する。
<推定式の決定>
評価値推定部17が動作に用いる推定式をどのように決定するのかについて説明する。推定式を完成させるには、数あるテクスチャ解析指標のうちどれを用いるのかと、各係数と定数の決定とを骨の部位ごとに行わなければならない。このような推定式は、被検体Mの骨梁解析に先立って標本骨を用いて取得される。標本骨とは、ウシ大腿骨の標本である。標本骨は死んだ骨であり生体ではないので、撮影視野が狭いCT装置や、X線量が非常に強いCT装置などにセットして骨梁がはっきり写り込んだ三次元画像が取得できる。
標本骨を用いて推定式を決定するには、同じ標本骨にCT撮影と断層画像撮影との両方を行って、それぞれの解析結果を得る必要がある。以下の表は、ウシ大腿骨頸部の標本骨の骨頸部と骨幹部についてμCT撮影と本発明に係る装置を用いて断層撮影を行った時の解析結果を示す。μCT撮影では、各部におけるTbTh値、BV/TV値、TSL値が算出される。断層撮影では、各部における骨梁総延長GLと各テクスチャ解析指標、COR値、CNT値の各々が算出される。同じ断層画像Dの解析結果でも骨梁総延長GLは、骨の各部で同じとは限らない。この様な事情は、各テクスチャ解析指標においても同じである。
推定式の決定を骨の部位ごとに行う必要性について説明する。本発明に係る発明者は、標本骨の解析を通じて、断層画像で得られるパラメータとμCT撮影で得られる評価値との相関性が骨の各部で異なることに気が付いた。本発明はこの着想を基に、推定式の決定を骨の部位ごとに決定する構成となっている。つまり、評価値推定部17が推定値の算出に用いる推定式は、骨梁解析を行う骨の部位ごとに複数用意され、評価値推定部17は、骨梁解析に係る骨の部位に対応する推定式を用いて動作するわけである。表2では、μCT撮影で得られる値と断層撮影で得られる値との相関性(R値)が表されている。値が1に近づくほど相関が大きい。
Figure 2015092906
このような値同士の相関性をどのように得ているのかについて説明する。例えば、TbTh値とGL値(断層画像解析で得られた骨梁総延長)の相関性を得るには、次のような操作が行われる。まず、標本骨の関心領域を変えながらμCTを行う。こうして、例えば標本骨の骨頸部または骨幹部のそれぞれにおける5カ所についてそれぞれ5通りのTbTh値が得られる。続いて、μCTで設定した関心領域の各々について断層撮影を行う。こうして断層画像上においてμCTの骨頸部についての関心領域に対応する部分のGL値が5通りと、μCTの骨幹部についての関心領域に対応する部分のGL値が5通りとが得られる。これで、骨頸部または骨幹部のそれぞれにおける5通りのTbTh値のそれぞれには、対応するGL値が用意されたことになる。このTbTh値とGL値とのペアのそれぞれを、2次元座標上でプロットしてみる。図8は、その結果である。図8では、縦軸が3次元解析由来のTbTh値、横軸が断層像由来のGL値となっている。
図8におけるプロットを基に、回帰分析行うことができる。図9は、回帰分析により近似式(一次近似式)を求めた結果である。このとき相関性を示す相関係数の2乗値、R値が算出できる。図9におけるR値は、0.54である。
この様な要領で他の値同士についてR値を算出することができる。表2は、算出されたR値をテーブル化したものである。この表2を見ると気が付くことがある。μCTで得られるTbTh値と有意な相関があるパラメータは、骨の部位によって異なるということである。例えば、骨のある部分についての回帰分析において、ENT値とTbTh値についてのR値が0.99であったとすると、図10に示すように、TbTh値とENT値とは非常に高い相関を有している。このことは、ENT値さえ求めれば、TbTh値を求めなくても、TbTh値を高い信頼性のうちに推定できるということを意味している。例えば、ある被検体Mに断層撮影を行い、この結果、図10のaというENT値が得られたとすると、このときのTbTh値は、実際に測定してみなくても近似曲線からbという値になっていることが容易に予想できる。しかし、骨の別の部分についての回帰分析では、ENT値とTbTh値についてのR値が0.03となったとすれば、このとき得られる回帰式では、高い信頼性ではTbTh値の推定を行うことができないことが明らかとなる。
この様な原理に基づいて、各評価値を推定するのには、どのような回帰式が有効であるかを決定することができる。例えば、図11に示すように骨頸部のTbTh値を推定するには、R値が0.54と他の変数に比べて高いGL値に係る回帰式を用いるとより高い信頼が得られる。また、骨幹部のTbTh値を推定するには、図12に示すようにR値が0.86と他の変数に比べて高いCOR値に係る回帰式を用いるとより高い信頼が得られる。テーブルTは、TbTh値を目的変数とした回帰分析より得られる各回帰式のうち、信頼性が高いものが選ばれてリストアップされている。なお、R値が0.5以上であれば、回帰分析で得られた回帰式は、実測が難しいTbTh値を予想する上で有効であるものとされる。これは、他の評価値についても言える。
なお、図11、図12に示すRは、推定式の決定に係る骨梁解析を標本骨に対して行うときの関心領域を示している。図11においては、骨頸部に含まれるような関心領域を複数設け、それぞれの関心領域についてのμCTに係る解析と断層画像に係る解析が行われる。骨頸部に設けられる関心領域の個数は例えば、10カ所である。図12においては、骨幹部に含まれるような関心領域を複数設け、それぞれの関心領域についてのμCTに係る解析と断層画像に係る解析が行われる。骨頸部に設けられる関心領域の個数は例えば、10カ所である。
本発明では、同様の手法によりBV/TV値、TSL値についてもR値の比較を行い、複数の回帰式のうち最もR値が高いものをテーブルTにリストアップする。すなわち、テーブルTは、ある評価値を目的変数とし断層画像の解析で得られる数値を独立変数とした回帰分析を断層画像の解析で得られる数値ごとに行い、得られた回帰式のうち最もR値が高かったものをリストアップして生成される。このリストアップ動作は、骨の部位ごとに独立して行われる。
したがって、テーブルTには、評価値と骨の部位の組み合わせごとに推定式が用意されている。仮にテーブルTが3種類の評価値と2種類の骨の部位について推定式をリストアップしたものであるとすると、テーブルTが有する推定式は6つあることになる。推定する評価値の種類と骨の部位が変われば推定式も変わるので、評価値推定部17は、推定する評価値と骨の部位の組み合わせに対応する推定式を記憶部23から読み出して動作する。
図13は、本発明の概要をまとめたものとなっている。本発明に係る骨梁解析の下準備として、まず標本骨に対してμCT撮影および断層画像撮影が行われ、得られたμCT像および断層画像の画像解析が行われる。画像解析結果のうち、断層画像由来のパラメータを独立変数とし、μCT像由来のパラメータを目的変数として回帰分析を行い、推定式を算出する。この推定式は、独立変数を変えて算出された数ある推定式のうちから最も信頼性が高い(R値が高い)ものとなっている。本発明においては、この様な推定式の決定を標本骨の部位ごとに行う。図13の場合は、骨頸部についての推定式が算出される様子を示している。
下準備により用意された推定式は、テーブル化されて記憶部23に記憶される。被検体Mの骨梁解析を行うときは、まず、断層画像Dが撮影される。この断層画像Dは骨梁解析およびテクスチャ解析がなされ、解析目的の骨の部位について骨梁総延長GLおよびテクスチャ解析指標CORが算出される。評価値推定部17は術者が指定した解析目的の骨の部位に係るTbTh値の推定値Pは記憶部23に記憶されている推定式に断層画像Dより実際に算出された解析目的の骨の部位に係るGL値またはCOR値を代入することで求められる。
以上のように、発明の骨梁解析装置1によれば、断層画像Dを基にした骨梁解析でありながらも、骨梁の状態をより正確に把握できる。すなわち、本発明に係る骨梁解析装置1は、断層画像Dに画像解析を施すことで骨梁の大まかな状態を表す数値を取得する。このときの数値を本発明においてはパラメータと呼ぶことにする。このパラメータは、骨梁の状態により変動するものの、骨梁の三次元構造の状態を盛り込んでいないから骨梁の状態を正確に表したものとはならない。
そこで、本発明では、この断層画像Dで得られたパラメータに基づいて、断層画像Dの被写体が仮に三次元解析されたとしたときに得られる評価値を推定するようにしている。評価値の推定は、パラメータを入力すると評価値の推定値が出力される推定式により行われる。そこで、信頼性が高く的確に評価値を推定する推定式を如何に用意すればいいのかという問題が生じる。本発明に係る発明者は、骨梁解析に係る骨の部位によって推定式を変えるようにすると評価値の推定がより正確に行える点に気が付いた。本発明はこの発想を具現化したものとなっている。本発明によれば、断層画像解析をするだけで三次元解析に裏付けられた推定値が算出可能となり、より骨梁の状態を正確に把握できる骨梁解析装置1が提供できる。
続いて、実施例2に係る骨梁解析装置について説明する。実施例2の構成は、図14に示すように、X線管3とFPD4とが互いの位置関係を保った状態で被検体Mの体軸方向Aに移動されながら断層画像を撮影することができる構成である。すなわち、同期移動機構7は、X線管3を天板2の長手方向における一端側に向けて移動させるのに同期してFPD4を天板2の長手方向における一端側に向けて移動させるような動作をする。
実施例2に係るX線撮影装置の構成は図1における機能ブロック図と同様である。図1に関して実施例2の構成が実施例1と異なる点は、FPD4がX線管3に追従して移動すること(図14参照),X線管3が傾斜しないことである。したがって、実施例2においては図1におけるX線管傾斜機構9,X線管傾斜制御部10は必ずしも必要とされない。
実施例2に係る断層画像の撮影の原理について説明する。まず、図14に示すように撮像系3,4が相対位置を保った状態で被検体Mに対して移動しながら間歇的にX線を照射する。つまり一度の照射が終了する毎にX線管3は被検体Mの体軸方向Aに移動し、再びX線の照射を行う。こうして複数枚の透過画像が取得され、透過画像の加工画像(後述の長尺透過画像)がフィルタバックプロジェクション法により断層画像に再構成される。完成した断層画像は、被検体Mをある裁断面で裁断したときの断層像が写りこんだ画像となっている。
断層画像を生成するには、異なる方向から被検体Mを透視したときの画像が必要となる。実施例2に係る骨梁解析装置は、得られた透過画像を分割してつなぎ合わせてこの画像を生成するようにしている。この動作について説明する。図15は、X線管3のX線を照射する焦点がd1の位置にあるときのFPD4の位置を表している。この撮影において、被検体Mの体軸方向AにおけるFPD4の1/5の幅だけX線管3およびFPD4が天板2に対してこの方向に移動する度に透過画像の撮影が行われるものとする。
X線はX線管3から放射状に広がってFPD4に到達するので、生成された透過画像を被検体Mの体軸方向Aに5分割すると、FPD4に対するX線の入射角度は、矢印に示すように、その分割区の間で互いに異なっている。そのうちのあるの1つの方向kに注目する。この方向kに進んできたX線は、被検体Mの斜線の部分を通過してFPD4に写り込んでいるので、方向kのX線が入射したFPD4の分割区には、被検体Mの斜線部が写り込んでいる。透過画像において、この分割区に相当する部分を断片R1とする。
図16は、X線管3のX線を照射する焦点がd1からFPD4の1/5の幅だけ移動したd2の位置にあるときのFPD4の位置を表している。X線管3とFPD4の位置関係は変化しないので、このときの撮影においてもFPD4には、方向kに進んできたX線が写り込んでいる分割区があるはずであり、方向kのX線が入射したFPD4の分割区には、被検体Mの斜線部が写り込んでいる。透過画像において、この分割区に相当する部分を断片R2とする。
断片R1と断片R2とを比較すると、撮像系3,4に対する被検体Mの位置が異なるので、両断片R1,R2に写り込んでいる被検体Mの部分は互いに異なっている。X線管3をFPD4の1/5の幅だけずらすことにより、焦点d1〜d9において9回の撮影を行ったとして、そのときの方向kのX線が入射したFPD4の分割区における透過画像の各断片R1〜R9には、それぞれ異なる被検体Mの位置が写り込んでいる。そこで、図17に示すように透過画像の各断片R1〜R9をこの順に被検体Mの体軸方向Aにつなぎ合わせれば、ある方向kで被検体Mの全身にX線を照射したときに撮影される画像を得ることができる。この画像を長尺透過画像と呼ぶことにする。
実施例2に係る骨梁解析装置は、断層画像生成部12において方向k以外の方向についても長尺透過画像を生成する。そして、断層画像生成部12は、被検体Mを投影した方向が異なる複数の長尺透過画像を基に被検体Mを所定の裁断位置で裁断したときの断層画像Dを生成するのである。
実施例2における断層画像Dについて行われる解析は、実施例1と同様であり、最終的に骨梁の評価値の推定値Pが算出される。
以上のように、実施例2の構成によれば、スロット撮影を仮想的に行うことにより取得された長尺画像を撮影しこれらから断層画像Dを撮影する構成となっている。この様な撮影を行うようにすれば、広範囲に亘って撮影された断層画像を取得できる放射線撮影装置を提供できる。
本発明は、上述の構成に限られず、下記のように変形実施することが可能である。
(1)上述の実施例では、表2に示すような2種類のテクスチャ解析指標が用いられていたが、本発明はこの構成に限られない。本発明に同時生起行列より導き出せる他のテクスチャ解析指標を用いることもできる。また、本発明においては、非特許文献2で提唱されている以外のテクスチャ解析指標を用いることもできる。
(2)上述の実施例における評価値推定部17が推定値の算出に用いる骨梁総延長またはテクスチャ解析指標と評価値との関連性は、推定式により表されていたが、本発明はこの構成に限られない。本発明を骨梁総延長またはテクスチャ解析指標と評価値の推定値とが関連したテーブルとして関連性を表す構成としてもよい。
(3)上述の実施例の回帰分析は、1次近似法によって行っていたが、本発明はこの構成に限られない。回帰分析を2次近似法によって行うようにしてもよい。また、回帰分析をより高次の近似法により行うようにしてもよい。
(4)上述の実施例では、独立変数と目的変数とが1対1となっている単回帰分析により推定式を算出していたが、本発明はこれに代えて、複数の独立変数を用いた重回帰分析により推定式を算出するようにしてもよい。この場合、独立変数としては、断層画像Dで得られた骨梁総延長(GL値)および各テクスチャ解析指標のうちから選んで使用することができる。この場合においても、様々な独立変数の組み合わせで回帰式を算出してみてR値が最も高いものを探索することで推定式を決定することができる。
(5)上述の実施例では、骨梁の評価値は、BV/TV値、TBPf値、TSL値、TbTh値であるとしていたが、本発明はこの構成に限られない。本発明は、骨梁数や異方性などの他の骨梁の評価値についても適用できる。
(6)上述の実施例の行列生成部15は、断層画像Dにおいて互いに隣り合った画素のペアの個数を数えるように動作していたが、本発明はこの構成に限られない。すなわち、図16に示すように、所定の距離だけ離間した画素のペアの個数を数えて同時生起行列を生成するようにしてもよい。図18の例では、両方の画素値が4になっている1画素の幅だけ離間した画素のペアを行列生成部15がカウントしている様子を表している。
(7)上述した実施例では、被検体Mに既に骨梁解析が行われていることが前提となっていたが本発明はこの構成に限られない。すなわち、本発明の骨梁解析装置は、以前に骨梁解析が行われていない被検体Mに対しても推定値Pを算出するような動作をしてもよい。このときの断層画像Dは、過去または、別の装置により撮影されたものである。この様な構成とすることで、術者が所望する裁断面における断層像を用いて骨梁解析ができるようになり、解析の自由度が向上した装置が提供できる。
(8)本発明に関する骨の部位は、骨頸部、骨幹部に限られない。骨頭部、転子部などの他の部位についても本発明を適用できる。
(9)上述した実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
(10)上述した実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適応できる。
3 X線管(放射線源)
4 FPD(検出手段)
7a X線管移動機構(放射線源移動手段)
7b FPD移動機構(検出器移動手段)
8a X線管移動制御部(放射線源移動制御手段)
8b FPD移動制御部(検出器移動制御手段)
11 画像生成部(画像生成手段)
12 断層画像生成部(断層画像生成手段)
14 骨梁総延長算出部(パラメータ算出手段)
15 行列生成部(パラメータ算出手段)
16 テクスチャ解析指標算出部(パラメータ算出手段)
17 評価値推定部(評価値推定手段)

Claims (7)

  1. 生体の骨を写し込んだ二次元画像を解析して骨についてのパラメータを算出するパラメータ算出手段と、
    前記二次元画像由来の前記パラメータと生体での実測が難しい評価値との関連性に基づいて推定値を算出する評価値推定手段とを備え、
    前記評価値推定手段が前記推定値の算出に用いる前記パラメータと評価値との関連性は、骨梁解析を行う骨の部位ごとに複数用意され、前記評価値推定手段は、骨梁解析に係る骨の部位に対応する前記関連性を用いて動作することを特徴とする骨梁解析装置。
  2. 請求項1に記載の骨梁解析装置において、
    前記パラメータ算出手段として前記二次元画像の一部に設けられた解析範囲に写り込む骨梁の長さの合計である骨梁総延長を前記パラメータとして算出する骨梁総延長算出手段を備えることを特徴とする骨梁解析装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の骨梁解析装置において、
    前記パラメータ算出手段として前記二次元画像の一部に設けられた解析範囲を構成する各画素のうち所定の画素値の組み合わせを有する2つの画素のペアで画素同士が所定の距離だけ離間しているものが解析範囲において何回現れるかを各画素値の組み合わせごとに数えて同時生起行列を生成する同時生起行列生成手段と、
    同時生起行列に基づいてテクスチャ解析を行いテクスチャ解析指標を前記パラメータとして算出する指標算出手段とを備えることを特徴とする骨梁解析装置。
  4. 請求項3に記載の骨梁解析装置において、
    前記指標算出手段が算出するテクスチャ解析指標として、コリレーション、ディシミラレィティ、コントラスト、ホモジェネイティ、エントロピー、アングラーセカンドモーメント、バリアンス、インバースディファレンシャルモーメントのうちの1つまたは複数が選択されていることを特徴とする骨梁解析装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の骨梁解析装置において、
    前記評価値推定手段が前記推定値の算出に用いる前記テクスチャ解析指標と評価値との関連性は、標本骨における標本解析範囲を解析して得られる評価値と前記二次元画像由来の前記パラメータとを標本骨における標本解析範囲を定める位置を変えながら次々と算出し、得られた結果を回帰分析することによって算出される回帰式である推定式として表されており、回帰分析をするときの目的変数は、標本解析範囲について三次元解析して得られる評価値であり、独立変数は、標本解析範囲に係る二次元画像を解析して得られる前記パラメータであることを特徴とする骨梁解析装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の骨梁解析装置において、
    前記評価値推定手段が推定する評価値は、解析範囲内の骨成分の体積を示すBV/TV値、解析範囲内の骨のつまり具合を示すTBPf値、三次元解析により得られる骨梁総延長を表すTSL値、骨梁の幅を表すTbTh値、骨の強度を表す骨強度値のいずれかであることを特徴とする骨梁解析装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の骨梁解析装置において、
    放射線を照射する放射線源と、
    前記放射線源を被検体に対し移動させる放射線源移動手段と、
    前記放射線源移動手段を制御する放射線源移動制御手段と、
    被検体を透過した放射線を検出する検出手段と、
    前記検出手段を被検体に対し移動させる検出器移動手段と、
    前記検出器移動手段を制御する検出器移動制御手段と、
    前記検出手段の出力を基に画像を生成する画像生成手段と、
    前記放射線源および前記検出手段を被検体に対して移動させながら連写された画像を基に断層画像を生成する断層画像生成手段とを備え、
    前記パラメータ算出手段が解析する二次元画像は、前記断層画像であることを特徴とする骨梁解析装置。
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