JP6107627B2 - 骨梁解析装置 - Google Patents
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Description
すなわち、従来装置では、骨梁解析の方法が最適化がされていない。
すなわち、本発明に係る骨梁解析装置は、生体の骨を写し込んだ二次元画像の一部に設けられた解析範囲を構成する各画素のうち所定の画素値の組み合わせを有する2つの画素のペアで画素同士が所定の距離だけ離間しているものが解析範囲において何回現れるかを各画素値の組み合わせごとに数えて同時生起行列を生成する同時生起行列生成手段と、同時生起行列に基づいてテクスチャ解析を行いテクスチャ解析指標を算出する指標算出手段と、テクスチャ解析指標と三次元解析により得られる骨梁の評価値との関連性に基づいて評価値の推定値を算出する評価値推定手段とを備えることを特徴とするものである。
生成された断層画像Dは、骨梁解析部14,15,16,17に送られる。この骨梁解析部14,15,16,17は、図3に示す背景処理部14,行列生成部15,テクスチャ解析指標算出部16および評価値推定部17をまとめ機能ブロックの一つとして表現したものとなっている。骨梁解析部14,15,16,17は、断層画像Dに種々の画像処理を施して骨梁解析を行う。行列生成部15は、本発明の同時生起行列生成手段に相当し、テクスチャ解析指標算出部16は、本発明の指標算出手段に相当する。
断層画像Dは、まず背景処理部14に送出される。背景処理部14は、断層画像Dにアンシャープネスマスキング処理などの背景処理を施し、背景処理がされた断層画像Daを生成する。このような背景処理により異なる断層画像D同士で見られる撮影条件の相違による被検体像の写り込みの違いを消去することができる。背景処理部14が行う背景処理は、アンシャープネスマスキング処理に限られず他の処理としてもよい。
テクスチャ解析を行う際に必要となる行列として同時生起行列(GLCM)がある。この行列は行列生成部15により生成される。背景処理部14が生成した断層画像Daは、行列生成部15に送出され、そこでGLCMに変換される。図5は、行列生成部15が断層画像Daに基づいてGLCMを生成する動作を説明している。図5の左側は、断層画像Daを画素値の2次元配列として表している。説明の簡単のため、断層画像Daを構成する各画素の画素値は、0から9までの10通りの値をとるものとする。
る。
GLCMは、テクスチャ解析指標算出部16に送出される。テクスチャ解析指標算出部16は、GLCMに種々の演算を実行することでテクスチャ解析指標t1,t2,t3……を算出することが可能である。テクスチャ解析指標算出部16が算出できるテクスチャ解析指標は、例えば次のようなものがある。式中のp(i,j)とは、GLCMにおけるi行j列目の要素の値、Σi,Σjは、それぞれi行、j列についての要素の合計、Ngは、断層画像Daの画素が取り得る画素値の数、μは平均値、μx,μyは、それぞれ行方向、列方向の平均値、σx,σyは、それぞれ行方向、列方向の標準偏差を表している。なお、これらテクスチャ解析指標ASM(Angular Second Moment:アングラーセカンドモーメント),CNT(Contrast:コントラスト),COR(Correlation:コリレーション),VAR(Variance:バリアンス),IDM(Inverse Difference Moment,インバースディファレンシャルモーメント),ENT(Entropy,エントロピー)の各々は、1973年にHarlickらが上述の非特許文献2で提唱した14種類のパラメータのうちの一部である。また、DISは非類似度またはディシミラレィティと呼ばれるテクスチャ解析指標で、HOMは、一様性またはホモジェネイティと呼ばれるテクスチャ解析指標である。
テクスチャ解析指標t1,t2,t3……は、評価値推定部17に送出される。評価値推定部17は、テクスチャ解析指標t1,t2,t3……を入力すると生体での実測が難しい評価値の推定値Pが出力される推定式に基づいて推定値Pを算出する。評価値推定部17が推定する評価値としては、BV/TV値、TBPf値、TSL値などがある。これらは、本来は骨を3次元解析しなければ得られない骨梁の評価値である。評価値推定部17は、断層画像Daを解析して得られた各テクスチャ解析指標t1,t2,t3……を用いて、この断層画像Daに写り込んでいる骨を3次元解析したとすれば得られるであろう評価値を推定するのである。3次元解析は、正確ではあるが生体に実施するのは相当難しい。本発明は、この様な事情に鑑みて断層画像Daから3次元解析の結果を推定するようにしている。
P=k1・t1+C ……(1)
ここで、Pは推定値、t1はテクスチャ解析指標、k1は係数、Cは定数を表している。このように、本発明によれば、テクスチャ解析指標t1,t2,t3……と各評価値との関連性は(1)式のような推定式によって表現されている。
評価値推定部17が動作に用いる推定式をどのように決定するのかについて説明する。推定式を完成させるには、数あるテクスチャ解析指標のうちどれを用いるのかと、各係数と定数の決定とを行わなければならない。このような推定式は、被検体Mの骨梁解析に先立って標本骨を用いて取得される。標本骨とは、生体より摘出した海綿骨のサンプルである。標本骨は、生体から取り出されたものなので、撮影視野が狭いCT装置や、X線量が非常に強いCT装置などにセットして骨梁がはっきり写り込んだ三次元画像が取得できる。
4 FPD(検出手段)
7a X線管移動機構(放射線源移動手段)
7b FPD移動機構(検出器移動手段)
8a X線管移動制御部(放射線源移動制御手段)
8b FPD移動制御部(検出器移動制御手段)
11 画像生成部(画像生成手段)
12 断層画像生成部(断層画像生成手段)
15 行列生成部(同時生起行列生成手段)
16 テクスチャ解析指標算出部(指標算出手段)
17 評価値推定部(評価値推定手段)
Claims (6)
- 生体の骨を写し込んだ二次元画像の一部に設けられた解析範囲を構成する各画素のうち所定の画素値の組み合わせを有する2つの画素のペアで画素同士が所定の距離だけ離間しているものが前記解析範囲において何回現れるかを各画素値の組み合わせごとに数えて同時生起行列を生成する同時生起行列生成手段と、
前記同時生起行列に基づいてテクスチャ解析を行いテクスチャ解析指標を算出する指標算出手段と、
前記テクスチャ解析指標と三次元解析により得られる骨梁の評価値との関連性に基づいて前記評価値の推定値を算出する評価値推定手段とを備えることを特徴とする骨梁解析装置。 - 請求項1に記載の骨梁解析装置において、
前記評価値推定手段が前記推定値の算出に用いる前記テクスチャ解析指標と評価値との関連性は、標本骨における標本解析範囲を解析して得られる前記評価値と前記テクスチャ解析指標とを前記標本骨における前記標本解析範囲を定める位置を変えながら次々と算出することで得られたものであることを特徴とする骨梁解析装置。 - 請求項2に記載の骨梁解析装置において、
前記評価値推定手段が前記推定値の算出に用いる前記テクスチャ解析指標と評価値との関連性は、前記標本骨から得られた結果を回帰分析することによって算出される回帰式である推定式として表されており、回帰分析をするときの目的変数は、前記標本解析範囲について三次元解析して得られる前記評価値であり、独立変数は、前記標本解析範囲に係る二次元画像を解析して得られる前記テクスチャ解析指標であることを特徴とする骨梁解析装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の骨梁解析装置において、
前記評価値推定手段が推定する評価値は、解析範囲内の骨成分の体積を示すBV/TV値、解析範囲内の骨のつまり具合を示すTBPf値、三次元解析により得られる骨梁総延長を表すTSL値、骨梁の幅を表すTbTh値、骨の強度を表す骨強度値のいずれかであることを特徴とする骨梁解析装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の骨梁解析装置において、
前記指標算出手段が算出するテクスチャ解析指標として、コリレーション、ディシミラレィティ、コントラスト、ホモジェネイティ、エントロピー、アングラーセカンドモーメント、バリアンス、インバースディファレンシャルモーメントのうちの1つまたは複数が選択されていることを特徴とする骨梁解析装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の骨梁解析装置において、
放射線を照射する放射線源と、
前記放射線源を被検体に対し移動させる放射線源移動手段と、
前記放射線源移動手段を制御する放射線源移動制御手段と、
被検体を透過した放射線を検出する検出手段と、
前記検出手段を被検体に対し移動させる検出器移動手段と、
前記検出器移動手段を制御する検出器移動制御手段と、
前記検出手段の出力を基に画像を生成する画像生成手段と、
前記放射線源および前記検出手段を被検体に対して移動させながら連写された画像を基に断層画像を生成する断層画像生成手段とを備え、
前記同時生起行列生成手段が解析する二次元画像は、断層画像であることを特徴とする骨梁解析装置。
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