JP2015089616A - 射出成形金型用素形材 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型成形面における強度、剛性および耐摩耗性を十分に確保できる射出成形金型用素形材を提供する
【解決手段】本発明は、半製品に対して仕上げ加工および研磨加工を行って射出成形金型1を製作するに際して、半製品として用いられる射出成形金型用素形材を対象とする。本発明の射出成形金型用素形材は、アルミニウム合金によって構成されるとともに、射出成形金型1の成形面12における150℃の引張強度が355MPa以上となるようにしている。
【選択図】図1

Description

この発明は、樹脂の射出成形に使用される射出成形金型を製作する際に用いられる射出成形金型用素形材およびその関連技術に関する。
合成樹脂の射出成形を行うための射出成形金型は通常、可動側金型と固定側金型とがある。そして加熱されて型締めされた可動側金型および固定側金型間における閉塞空間(成形空間)に、ペースト状の樹脂、例えば熱可塑性樹脂の場合には、熱を加えて軟化させたペースト状の樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、溶媒に溶解させる等して軟化させた樹脂を圧力を加えて充填して、プラスチック成形品を成形するようにしている。このような射出成形に使用される金型は、樹脂注入時における高温、高圧下での閉塞空間の内周面(成形面)の形状を長期間精度良く維持するために、高強度、高剛性、高い耐摩耗性等の特性が要求される。このような特性を確保するために、従来、射出成形金型の材料としては一般的に、鋼材が用いられている。
しかしながら、鋼材製の射出成形金型は、高重量であるため、可動機構部の大型化および高重量化を来たし、成形機全体の高重量大型化を来してしまう。さらに鋼材は、切削加工性にも劣るため、金型の製作自体が困難になってしまうおそれがあった。
そこで近年においては、下記特許文献1,2に示すように、軽量で切削加工性にも優れたアルミニウム合金を、射出成形金型の材料として使用する技術が提案されている。
特開平4−325650号公報 特開2004−76042号公報
上記特許文献1,2に示す従来の射出成形金型は、アルミニウム合金製であるため、軽量化および切削加工性の向上を図ることは可能である。しかしながら、これらのアルミニウム合金製の射出成形金型は、射出成形用の金型として本来必要な上記の特性、つまり金型成形面における強度、剛性および耐磨耗性を十分に確保することが困難であるという課題があった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、射出成形金型の軽量化および切削加工性の向上を図りつつ、金型成形面における強度、剛性および耐摩耗性を十分に確保することができる射出成形金型用素形材およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]半製品に対して仕上げ加工および研磨加工を行って射出成形金型を製作するに際して、前記半製品として用いられる射出成形金型用素形材であって、
アルミニウム合金によって構成されるとともに、
前記射出成形金型の成形面における150℃の引張強度が355MPa以上となるようにしたことを特徴とする射出成形金型用素形材。
[2]Si粒を含有し、前記成形面におけるSi粒の面積占有率が5%〜25%となるようにした前項1に記載の射出成形金型用素形材。
[3]Si粒を含有し、前記成形面に存在するSi粒の平均粒径が1μm〜25μm、かつSi粒の粒径の標準偏差が3μm以下となるようにした前項1または2に記載の射出成形金型用素形材。
[4]前記成形面の表面粗さRaが0.01μm〜0.08μmとなるようにした前項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
[5]前記成形面の組成が、Si:8%〜18%、Cu:3.0%〜5.0%、Mg:0.3%〜1.5%、残部がAlと、添加成分および/または不可避成分であり、添加成分および不可避成分の各成分が0.5%以下でトータルが2%以下となるようにした前項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
[6]前記成形面の組成が、Si:13%未満、Mg:0.3%〜1.0%となるようにした前項5に記載の射出成形金型用素形材。
[7]前記成形面の組成が、Si:13%以上、Mg:0.3%〜1.0%となるようにした前項5に記載の射出成形金型用素形材。
[8]細径のアルミニウム合金連続鋳造棒を材料とする前項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
[9]アルミニウム合金鍛造品を材料とする前項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
[10]所定長さのアルミニウム合金連続鋳造棒を、その軸心に対し直交する方向に圧縮するように鍛造加工することによって得られるアルミニウム合金鍛造品を材料とする前項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
[11]前記成形面は、前記射出成形金型に形成されたキャビティの内周面によって構成される一方、
前記キャビティを鍛造加工によって形成するようにした前項10に記載の射出成形金型用素形材。
[12]前項1〜11のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材を製造するための方法であって、
所定長さのアルミニウム合金連続鋳造棒を粗加工して粗加工品を製作し、
前記粗加工品に対し熱処理を行って、射出成形金型用素形材を製作するようにしたことを特徴とする射出成形金型用素形材の製造方法。
[13]前項1〜11のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材に対し仕上げ加工および研磨加工を行って製作するようにしたことを特徴とする射出成形金型。
[14]前項1〜11のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材を得る工程と、
前記射出成形金型用素形材に対し仕上げ加工および研磨加工を行う工程とを含むことを特徴とする射出成形金型の製造方法。
発明[1]の射出成形金型用素形材によれば、アルミニウム合金によって構成されているため、軽量化および切削加工性の向上を図ることができる一方、射出成形時の温度域である150℃での成形面の引張強度が355MPa以上となるようにしているため、射出成形時の高温高圧下において、成形面の強度、剛性および耐摩耗性を十分に確保することができる。
発明[2]の射出成形金型用素形材によれば、硬質粒子であるSi粒が成形面に所定の面積占有率で配置されているため、強度、剛性および耐摩耗性を一層向上させることができる。さらにSi粒は、成形材料である樹脂に対し不活性で離型性に優れているため、樹脂の成形面への凝着を防止できるばかりか、Si粒は熱伝導率が低いため、成形面での断熱効果によって、樹脂の成形面からの抜熱を防止でき、成形途中の樹脂が硬化してしまうのを防止できて、成形不良の発生を防止することができる。
発明[3]の射出成形金型用素形材によれば、成形面における強度、剛性および耐摩耗性をより一層向上させることができる。
発明[4]の射出成形金型用素形材によれば、成形面を射出成形用として好適な鏡面に仕上げることができる。
発明[5]の射出成形金型用素形材によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[6]の射出成形金型用素形材によれば、成形面に細かいSi粒を分散させて配置することができるため、成形面をより好適な鏡面に仕上げることができる。
発明[7]の射出成形金型用素形材によれば、成形面に比較的大粒のSi粒を配置することができるため、成形面の耐摩耗性をより一層向上させることができる。
発明[8]の射出成形金型用素形材によれば、材料が細径の連鋳棒によって構成されているため、外周部から内周部にかけて均質な組織に形成できて、成形面における仕上げ加工時や研磨加工時の加工性を向上させることができる。
発明[9]の射出成形金型用素形材によれば、材料が塑性流動された鍛造品によって構成されているため、靱性を向上させることができ、割れの発生等を有効に防止することができる。
発明[10][11]の射出成形金型用素形材によれば、表面に均質かつ微細な組織を形成できて、成形面における仕上げ加工時や研磨加工時の加工性を一層向上させることができる。
発明[12]の射出成形金型用素形材の製造方法によれば、上記と同様に、同様の効果を奏する射出成形用素形材を製造することができる。
発明[13]の射出成形金型によれば、上記と同様に、同様の効果を奏する。
発明[14]の射出成形金型の製造方法によれば、上記と同様に、同様の効果を奏する射出成形金型を製造することができる。
図1はこの発明の実施形態の製法によって製作された射出成形金型を示す斜視図である。 図2は実施形態の射出成形金型が採用された射出成形機のダイセットを説明するための斜視図である。 図3Aは実施形態の射出成形金型によって製作されたプラスチック成形品を示す斜視図である。 図3Bは図3AのB−B線断面図である。 図4は実施形態における射出成形金型の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図5は実施形態の金型製法による中間品としての丸棒切断品を示す斜視図である。 図6Aは実施形態の金型製法による中間品としての粗加工品の一例を示す斜視図である。 図6Bは実施形態の金型製法による中間品としての粗加工品の他の例を示す斜視図である。 図7は実施形態における丸棒切断品の金属組織の状態を説明するための斜視図である。 図8Aは実施形態における一例の粗加工品の金属組織の状態を説明するための斜視図である。 図8Bは実施形態における他の例の粗加工品の金属組織の状態を説明するための斜視図であって、図(a)は全体斜視図、図(b)は断面斜視図である。 図9は良好な状態の成形面を有する射出成形金型の成形面周辺をイメージした断面図である。 図10は不良な状態の成形面を有する射出成形金型の成形面周辺をイメージした断面図である。
図1は実施形態の製法によって製作された射出成形金型1の一例を示す斜視図である。同図に示すように、この射出成形金型1は、アルミニウム(Al)合金製であり、板厚が厚い平面視矩形状ないし方形状を有している。この金型1における表面側(一面側)の中間部である成形部に平面視円形のキャビティ11が形成されるとともに、そのキャビティ11の内周面が成形面12として構成されている。
また金型1の表面側には、金型1の一端面からキャビティ11の一縁部にかけて樹脂注入溝(ランナー部)14が形成されている。
本実施形態において、射出成形金型1は、半製品であるニアネットシェイプのAl合金素形材を用いて製作されるものである。詳細は後に説明するが、概略的に説明しておくと、ニアネットシェイプの素形材における成形面12に対応する部分(成形部)と、必要に応じて他の部分とに対し切削加工等の仕上げ加工を行い、その後、成形部等を研磨加工して鏡面に仕上げる。これにより鏡面に仕上げられた成形面12を有する射出成形金型1を製作することができる。
なお、本実施形態の射出成形金型1においては、キャビティ11の底面に、金型1の裏面側(他面側)まで貫通するノックアウトピン孔13が形成されている。このノックアウトピン孔13は、型合わせされる2つの型のうち、一方の型のみ形成されるものであり、後述するように、固定側型板および可動側型板のうち、可動側型板の金型2にノックアウトピン孔13が形成され、固定側型板の金型2にはノックアウトピン孔13が形成されていない。
さらに図1の射出成形金型1においては、キャビティ11の底面にコーン状の突起15が形成されているが、この突起15は本実施形態に関連するものではない。この突起15は後述の実施例の射出成形金型に関連するものであり、後述の実施例において詳細に説明する。
図2は本実施形態によって製作された射出成形金型1が採用された射出成形機の要部(ダイセット)を説明するための斜視図である。同図に示すように、このダイセットは、可動側型板2aと、固定側型板2bとを備えている。可動側型板2aおよび固定側型板2bは、互いに対向して配置されており、可動側型板2aが固定側型板2bに対し接離方向に移動できるようになっている。そして、可動側型板2aおよび固定側型板2bは、図示しない型締めユニットの駆動によって、型閉じ(型締め)および型開きされるようになっている。
可動側型板2aおよび固定側型板2bは、それぞれ鋼材製のダイケース2を備え、両ダイケース2,2の対向面(内面)には、互いに対応して、それぞれ2つずつ金型固定凹部21が形成されている。各金型固定凹部21内には、上記の射出成形金型1がそれぞれ固定されている。なお、金型1のダイケース2への固定方法については後述する。
可動側型板2aおよび固定側型板2bのぞれぞれにおいて、2つの金型1,1は、互いの樹脂注入溝14,14を対向させるように配置されており、可動側型板2aおよび固定側型板2bにおける金型1,1間には、互いの樹脂注入溝14,14に連通接続する樹脂注入溝(ランナー部)24,24が形成されている。さらに固定側型板2bにおける樹脂注入溝24の中間には、スプルーの一端開口である樹脂注入口25が形成されている。スプルーの他端開口は、固定側型板2bにおける型合わせ面とは反対側の面で開放されている。そして可動側型板2aおよび固定側型板2bを型締めした状態で、スプルーの他端開口に、図示しない射出ユニットから射出されたペースト状の合成樹脂を注入できるようになっている。
可動側型板2aにおける金型固定凹部21の底部には、金型1のノックアウトピン孔13に対応してノックアウトピン23が突出可能に設けられている。
このダイセットは、可動側型板2aおよび固定側型板2bが型締めされた状態では、両型板2a,2b間において対応する射出成形金型1,1のキャビティ11,11によって、閉塞空間(成形空間)が形成される。
このダイセットにおいては、射出成形金型1,1が所定の射出成形温度に加熱されつつ型締めされる。そしてその状態で既述したように、スプルーにペースト状の合成樹脂が注入されると、その合成樹脂がスプルーブッシュおよび樹脂注入溝24,14を流通してキャビティ11,11内に注入されて、キャビティ11に対応した形状の合成樹脂の成形品(プラスチック成形品)が成形される。
さらに成形後、型開きされた後、ノックアウトピン23が突出することによって、プラスチック成形品が可動側型板2aにおける射出成形金型1のキャビティ11から突き出される。これにより成形品が射出成形金型1から離脱(脱落)されて回収されるようになっている。
図3Aは実施形態の射出成形金型1によって製造されたプラスチック成形品の一例を示す斜視図である。同図に示すように、このプラスチック成形品3は、金型1のキャビティ11において成形された円板状(円盤状)の本体31と、樹脂流入溝14において成形された線状突起32とが一体に形成されている。このプラスチック成形品3の線状突起32は、必要に応じて、一部または全部が切除される。
なお、図3Aに示す成形品3において、本体31の一面側には、コーン状の凹部35が形成されているが、その凹部35は、本実施形態に関連するものではない。この凹部35は、後述の実施例に関連するものであり、後述の実施例において詳細に説明する。
以下、本実施形態の特徴部についてさらに詳細に説明する。
本実施形態の射出成形金型1においては、成形面12の150℃での引張強度が355MPa以上に設定する必要があり、より好ましくは370MPa以上に設定するのが良い。
すなわち射出成形時において、金型1の温度は、ヒーター等を用いて、常時150℃程度に加熱保温される。さらに成形材料としての樹脂も良好な流動性を得るために150℃以上に加熱して、粘延性を持たせており、成形面12には樹脂からの熱も加わり、成形面12の温度は150℃以上となる。一方、金型1には、樹脂を充填させるための圧力に加えて、金型1の閉塞空間を維持させるための型締め圧力も加わり、成形面12は、高温下で高い圧力が作用する過酷な状態となる。このような過酷な状態の下で、成形面12の150℃における引張強度が355MPa未満であると、強度や剛性が不足して耐圧性が低下し、圧力に対して成形面12が変形して閉塞空間がゆがみ、成形品(樹脂製品)の寸法精度が低下してしまうおそれがある。その上さらに高温高圧下で成形材料が成形面12上を流動するため、成形面12の摩擦抵抗力が大きくなり、成形面12の摩耗が激しく、早期に劣化してしまい、十分な耐久性を得ることが困難になってしまう。
そこで、本実施形態においては、成形面12の150℃での引張強度が355MPa以上に設定しているため、高温高圧の過酷な状態であっても、成形面12の変形を極力抑えることができ、寸法精度が高い高品質の成形品を得ることができるとともに、成形面12の摩耗も軽減できて、十分な耐久性を得ることができる。
特に成形材料として、ガラスファイバーのような強化材が含まれる熱可塑性樹脂を使用する場合には、高温環境下で成形面12の摩擦抵抗力がさらに増大する。本実施形態の金型においては、このような摩擦抵抗力が大きい成形材料を用いる場合であっても、成形面12の変形や摩耗を抑制できて、寸法精度を向上できるとともに、十分な耐久性を得ることができる。
また本実施形態の射出成形金型1においては、その材料としてのAl合金にSi粒を含み、成形面12におけるSi粒の面積占有率を5%〜25%に設定するのが良く、より好ましくは、Si粒の面積占有率を10%〜21%に設定するのが良い。
すなわち、Si粒は硬質粒子であるため、Si粒の面積占有率が5%未満である場合には、強度や剛性が不足し、耐圧性や耐磨耗性が低下してしまう。さらにSi粒は、成形材料としての樹脂に対し不活性で離型性に優れているため、Si粒の面積占有率が低いと、樹脂との離型性が悪化し、樹脂の成形面12への凝着が起きやすくなってしまう。その上さらにSi粒は、熱伝導率が低くて断熱性が高いため、Si粒の面積占有率が5%未満と低くなると、成形面12での断熱性が低下し、樹脂が成形面12からの抜熱により冷却されて、成形途中の樹脂が硬化して、所望の形状の成形品が得られない等、成形不良が発生してしまう。
一方、Si粒の面積占有率が25%を超過する場合には、成形面12を形成する際の仕上げ加工や研磨加工が困難になるとともに、成形面12の脆化により、十分な耐久性が得られないことがある。
そこで本実施形態において、成形面12のSi粒の面積占有率を上記特定の範囲に設定することによって、高強度、高剛性を確保しつつ、樹脂との離型性や耐脆化性を向上させることができる。
また本実施形態の射出成形金型1においては、成形面12におけるSi粒の平均粒径を1μm〜25μmに設定し、かつSi粒の粒径の標準偏差を3μm以下に設定するのが良く、より好ましくは平均粒径を1.5μm〜5μmに設定し、かつ粒径の標準偏差を2μm以下に設定するのが良い。
すなわちSi粒の平均粒径が1μm未満であると、特に成形材料としてガラスファイバーを含む樹脂を使用した場合に、十分な耐摩耗性が得られず、成形面12が摩耗し易くなり、十分な耐久性を得ることが困難になってしまう。逆に平均粒径が25μmを超過すると、大きな初晶Si粒が存在することにより、成形面12の研磨加工が困難になるばかりか、繰り返し射出成形を行うことによって成形面12に応力が繰り返し作用すると、Si粒が疲労破壊の起点となってしまい、好ましくない。また平均粒径に限られず、Si粒の粒径の標準偏差が3μmを超えるほど分布が広がってしまうと、疲労破壊の起点となるような大きなSi粒が存在することになり、好ましくない。
ここで、平均粒径の測定方法について説明する。まず観察するAl合金製金属片(サンプル)を樹脂製の固定部材に埋め込んでサンプルの観察面を切削する。切削後、研磨加工を行って金属組織観察に適した鏡面に仕上げる。研磨後、観察面を50倍程度の倍率で顕微鏡写真を撮影する。撮影した金属組織写真を二値化して、初晶Si粒の粒径を画像処理装置によって測定する。続いて、同じ観察面を300倍程度の倍率で顕微鏡写真を撮影する。その撮影した金属組織写真を二値化して、初晶Si粒をマスキングして、共晶Si粒の粒径を画像処理装置によって測定する。各々測定した初晶Si粒の粒径、共晶Si粒の粒径を面積比に応じて平均した値をSi粒の平均粒径と定義する。
本実施形態の射出成形金型1においては、成形面12の表面粗さRaを0.01μm〜0.08μmに調整するのが良く、より好ましくは0.01μm〜0.04μmに調整するのが良い。すなわち表面粗さをこの範囲内に調整した場合には、成形面12が均一かつ微細な金属組織となり、成形面12を射出成形用として好適な鏡面に仕上げることができる。
本実施形態の射出成形金型1は、成形面12の組成が、Si:8%〜18%、Cu:3.0%〜5.0%、Mg:0.3%〜1.5%、残部がAlと、添加成分および/または不可避成分であって、添加成分および不可避成分の各成分が0.5%以下でトータルが2%以下に設定されている。なお本実施形態において、このような組成を有するAl合金を「合金A」と称する。
成形面12が合金Aの組成を有している場合、成形面12の硬さがHRB70以上と非常に硬く、マトリクス中の全面にSi粒が均一かつ微細に分布した鏡面に仕上げることが容易であり、金型1の耐圧性および耐久性を向上させることができる。
なお本実施形態において組成の含有率として用いられる「%」とは「質量%」である。
また本実施形態においては、射出成形金型1を構成するAl合金の組成と、その成形面12の組成とは実質的に同じ組成となる。さらに射出成形金型1の原材料となる後述のAl合金溶湯の組成と、射出成形金型1のAl合金組成とは実質的に同じとなるため、後述のAl合金溶湯の組成を調整することによって、成形面12の組成を調整することができる。
また射出成形金型1を構成するAl合金のSi含有率と、成形面12のSi粒の専有面積率とは比例関係にあるため、Al合金のSi含有率を調整することによって、成形面12のSi粒の専有面積率を調整することができる。参考までに、Al合金のSi含有率を上記合金Aの範囲に調整した場合には、成形面12のSi粒の面積占有率が上記特定の範囲(5%〜25%)に設定されることとなる。
また本実施形態においては、合金Aのうち、Si:13%未満、Cu:3.0%〜5.0%、Mg:0.3%〜1.0%の合金(「合金B」と称す)と、Si:13%以上、Cu:3.0%〜5.0%、Mg:0.3%〜1.0%の合金(「合金C」と称す)とに分けることができ、合金Bおよび合金Cとはそれぞれ異なる特性を有している。
すなわち合金B、中でもSi:10%〜12.5%、Cu:4.0%〜5.0%、Mg:0.5%〜0.8%の合金を採用した場合、20μmレベルの大きい粒径の初晶Si粒が存在せず、5μm以下の細かい粒径の共晶Si粒が均一に分散しているため、成形面12の鏡面仕上げを容易に行うことができる。
また合金C、中でもSi:14%〜17%、Cu:4.0%〜5.0%、Mg:0.5%〜0.8%の合金を採用する場合、初晶Si粒が存在しているため、合金Bよりも高い耐摩耗性を有しており、ガラス繊維強化プラスチックのような金型1の摩耗が起きやすい成形材料を用いた射出成形においても金型1(成形面12)の摩耗が少なく耐久性を向上させることができる。
なお、合金Bに対応する合金としては、A390合金を例示することができる。また合金Cに対応する合金としては、AHS(登録商標)合金を例示することができる。
図4はこの発明の実施形態である射出成形金型1の製造方法を説明するための工程図の一例である。同図に示すように、アルミニウム(Al)の地金、添加元素母合金および添加金属を、所望の成分比率(配合率)で溶解炉に投入し溶解してAl合金溶湯を得る。所望の成分比率(組成)とは、例えば上記の合金A、合金Bまたは合金Cの組成等を挙げることができる。
次に、Al合金溶湯が所望の組成になっていることを確認し、その後、Al合金溶湯を、φ20mm〜φ120mmの細径で連続鋳造して、細径丸棒状のAl合金連続鋳造棒を得る。ここで、本実施形態においては、細径で連続鋳造することにより、中心部が外径近傍部(外周部)と同様に急冷組織となり、外径近傍部と中心部との組織差が少なくなる。例えば外径近傍部と中心部とのSi粒の平均粒径が10μm以下かつ平均値の差が2μm以下となり、金属間化合物の分布も少なくなる。これにより、外径近傍部から中心部にかけて均質な組織のAl合金連続鋳造棒(Al合金連鋳棒)を得ることができ、成形面12を鏡面加工する際において、優れた加工性を得ることができる。
なお本発明においては、細径連続鋳造によって、均質な組織の連鋳棒を得るようにしているが、それだけに限られず、例えば電磁撹拌や超音波によるSi粒微細化による方法や、リン銅やSr、Na、Ca等の微細化剤による方法を用いて、均質な組織の鋳造棒を得るようにしても良い。もっとも、細径連続鋳造は、中心部においても本質的に急冷凝固となるため、本実施形態のように細径連続鋳造を採用するのが好ましい。
続いて、Al合金連鋳棒を必要に応じて均質化処理炉に投入して、所定の均質化処理を実施する。さらに必要に応じて、Al合金連鋳棒をロール矯正にて曲りを矯正してからピーリング(外径面削)を実施する。
その後図5に示すように、Al合金連鋳棒を鋸切断機にて切断して、所定の長さのAl合金連鋳棒であるAl合金丸棒切断品4を得る。この丸棒切断品4を粗加工して、素形材(半製品)の形状に対応する形状のAl合金粗加工品を得る。ここで粗加工としては、切削加工や鍛造加工等を例示することができる。
例えばAl合金丸棒切断品4を6面フライス加工にて直方体形状のフライス加工品を作製し、そのフライス加工品を粗加工品とする。
またAl合金丸棒切断品4を、鍛造加工によって粗加工する場合には、Al合金丸棒切断品4を加熱炉にて380〜440℃に加熱した後、その丸棒切断品4を鍛造用金型に投入し鍛造機にて鍛造品を成形し、その鍛造品を粗加工品とする。
鍛造加工においては例えば図6Aに示すように、丸棒切断品4を円柱軸(軸心)に対し直交する方向に圧縮させるように鍛造加工して、略直方体形状の鍛造品からなるAl合金粗加工品5を得る。さらに図6Bに示すように鍛造加工によって、外周形状を成形すると同時に、成形面を形成する予定の部分に凹部(キャビティ)11を成形するようにしても良い。この場合には、後述する仕上げ加工において、キャビティ11を切削加工等によて形成する必要がないため、その分、仕上げ加工、ひいては金型1の製作を容易に行うことができる。
ここで本実施形態においては、粗加工品5を鍛造加工によって成形するのが好ましい。すなわち、Al合金連鋳棒4を鍛造して成形された鍛造品(粗加工品5)は、材料が塑性流動することによってマトリクス部の靱性が向上するため、粗加工品5における特に成形部表面でのSi粒の保持力が増し、後述する切削加工等の仕上げ加工や、研磨加工等において、Si粒の脱落を有効に防止でき、所望のSi粒を含む滑らかな成形面12の射出成形金型1を得ることができる。
また鍛造工程を経ることによって得られた射出成形金型1は、材料自体の靱性が向上しているため、射出成形時の圧力による割れの発生、割れの進展を抑制でき、金型寿命を一層向上させることができる。
本実施形態において、鍛造加工により金型材料の靱性を確実に向上させるために、切断されたAl合金丸棒切断品4に対する鍛造品(粗加工品5)の鍛造による塑性加工率を30%以上に設定するのが良く、より好ましくは50%以上に設定するのが良い。
また本実施形態では、丸棒切断品4を軸心に対し直角方向(横方向)に圧縮するように鍛造しているため、より一層優れた射出成形金型1を得ることができる。すなわち図7に示すように、細径連続鋳造で得られた丸棒切断品4は、外周部(外径近傍部)4aと中心部4bの組織差は小さいものの、詳細に見ていくと、外周部4aは外周面から冷却されるため、外周部4aは内周部4bに比べて冷却速度が速く、この急冷により外周部4aはより微細な組織となっている。このため図8Aに示すように、この丸棒切断品4を横方向に鍛造した粗加工品5は、細かい組織の部分(外周部4a)を成形部とすることができ、その成形部に対し仕上げ加工および研磨加工(鏡面仕上げ加工)することにより、細かい多数のSi粒が存在する成形面12を形成することができる。従って、高強度および高剛性の成形面12を有する高品質の射出成形金型1を製作することができる。
特に本実施形態において図8Bに示すように、丸棒切断品4の鍛造加工によって鍛造品(粗加工品5)の成形部にキャビティ11を形成する場合には、丸棒切断品4の外周部4aが引き延ばされて、キャビティ11の内周面(成形面)を含めた外周面全域に、丸棒切断品4の微細組織を有する部分(外周部4a)が配置される。このため、成形面12に、より細かい多数のSi粒を配置させることができ、より一層高品質の射出成形金型1を製作することができる。その上さらに、鍛造加工によってキャビティ11を形成する場合には、鍛造加工における加工率が一層向上するため、より一層靱性を向上させることができる。
なお本発明において、丸棒切断品4を鍛造加工する場合には、切断品4を横方向に圧縮するだけでなく、据込鍛造によって軸心に沿って(縦方向に)圧縮するようにしても良い。このように縦方向に鍛造する場合であっても、鍛造加工によって材料の靱性を向上させることができるため、Si粒の保持力を向上させることができる。もっとも、本発明においては、既述した通り、丸棒切断品4を横方向に鍛造するのが好ましい。
また本実施形態では、射出成形金型1の材料としてのAl合金は、Siの含有量が多いため、Si含有量の増加に伴う材料の靱性低下が懸念されるところであるが、既述したように鍛造加工を採用することによって、材料の靱性低下を補うことができ、金型1の強度や剛性の低下等を防止することができ、十分な耐圧性および耐久性を確保することができる。
またサイズの大きい射出成形金型1を製造する場合であっても、細径のAl合金連鋳棒を鍛造加工で平板状に成形することにより、縦横に大きいサイズの金型用の素形材を形成することができる。つまり鍛造加工を採用することによって、金型サイズにかかわらず、細径連続鋳造を採用することができるため、大きいサイズの金型を製作する場合であっても、細径連続鋳造による上記の効果を確実に得ることができる。
一方、図4に示すように粗加工が完了した後、粗加工品5に対し熱処理を行う。この熱処理においては、例えば粗加工品5に対しT6炉での溶体化処理(480℃〜500℃で1〜6時間保持)と、水焼入れ処理(水温60℃以下)と、時効処理(180℃〜220℃で2時間〜12時間保持)とを連続して行うようにしている。
こうして熱処理されたAl合金粗加工品5が、半製品であるニアネットシェイプのAl合金素形材(射出成形金型用素形材)を構成している。
なおAl合金素形材の外観形状は、図6Aおよび図6B等に示す熱処理する前の粗加工品5の外観形状と実質的に同じである。
次にこのAl合金素形材をマシニングセンターにて仕上げ加工を行い、成形部と、必要に応じて他の部分とを切削する。
仕上げ加工した素形材に対して、研磨加工を行う。すなわち仕上げ加工後の素形材における成形部表面(キャビティ内周面)を研磨剤を使って研磨し、仕上げバフ磨きまで実施して鏡面に仕上げる。これにより射出成形金型1が完成する。
ここで研磨加工に際して、Si粒が成形面12から脱落したり突出したりしないように、つまりSi粒とアルミニウム部(マトリクス部)とで平滑な成形面12が形成されるように、粗研磨から時間をかけて均一な面(成形面)を作るように丁寧に研磨し、徐々に研磨の番手を上げて、細かく仕上げていく。そして最後にバフにて鏡面となるように仕上げを十分に行う。これにより図9の成形部断面のイメージ図に示すように、成形面12に存在するSi粒121と、マトリクス部122とによって面粗度Raが0.08μm以下の鏡面状の平坦面(平滑面)に仕上げられる。このように成形面12が平滑な鏡面に形成されるため、この成形面12を有する射出成形金型1を用いて、射出成形を行った場合、寸法精度の高い高品質の射出成形品を得ることができる。なお図9において、上側の図は成形面近傍の金属組織を説明するための断面図に相当し、下側の図は成形面の粗さを誇張して示す断面図に相当する(以下の図10においても同じ)。
参考までに、研磨加工を雑に行うと、所望の平滑な成形面12を得ることが困難になってしまう。例えば図10の成形部断面のイメージ図に示すように、成形面12において、マトリクス部122が、Si粒121に比べて多く研磨されてしまい、Si粒121が突出して配置されたり、場合によっては、Si粒121が成形面12から脱落してしまう。そうすると、成形面12における面粗度Raが0.08μmを大きく超えて、成形面12が粗面となり、高品質の射出成形金型を得ることが困難になってしまう。
本実施形態においては、製作された射出成形金型1を、射出成形機のダイセットの可動側型板2aおよび固定側型板2bに固定する場合には、焼嵌めによって固定する。すなわち図1および図2等に示すように、射出成形金型1の外径寸法を、可動側型板2aおよび固定側型板2bのダイケース2における金型固定凹部21の大きさよりも、常温において僅かに大きく形成しておく。具体的には、焼嵌め温度、収縮率、狙いの焼嵌め率等を考慮して、射出成形金型1の金型固定凹部21に対する大きさを決定する。
そしてダイケース2の金型固定凹部21に射出成形金型1を嵌める前に、ダイケース2を加熱して熱膨張により金型固定凹部21を広げておく。なお本実施形態では、ダイケース2の加熱温度を焼嵌め温度と称する。
その後、加熱したダイケース2の金型固定凹部21に、常温の射出成形金型1を嵌め込む。
続いて、放冷によりダイケース2を常温まで冷却して、金型固定凹部21を収縮させることにより、金型固定凹部21内で射出成形金型1に圧縮応力を加えて、射出成形金型1を固定する。
本実施形態においては、熱膨張率の大きいAl合金材料で製作した射出成形金型1を、熱膨張率の小さい鉄鋼材料製のダイケース2の金型固定凹部21に嵌合させて、射出成形用のダイセットを形成しているため、このダイセットを用いて射出成形した際に、射出成形金型1の温度が成形時の温度である150℃に達した際に、射出成形金型1の熱膨張により、常温における焼嵌め圧縮応力よりも大きな圧縮応力となる。このように射出成形時に射出成形金型1に高圧縮場を付与できるため、その高圧縮場の金型1と、射出成形時に金型1に作用する樹脂の高圧力とが相殺されて、金型寿命の向上を期待することができる。
特に本実施形態の射出成形金型1は、150℃での高温下で、引張強度が355MPa以上の高強度材を用いているため、圧力が高い過酷な圧力環境下においても金型1の変形等の不具合が生じることがなく、焼嵌めによる高い圧縮場を確実に維持できて、金型寿命をより確実に向上させることができる。
なお、150℃での引張強度が355MPa未満の金型材料では、金型寿命の向上が期待できる高圧縮場においては、ダイケース2からの焼嵌め圧縮応力により、射出成形金型1にゆがみ等の有害な変形が生じてしまうおそれがある。
本実施形態の射出成形金型1を用いて射出成形される成形材料は、特に限定されるものではなく、従来より周知の成形材料を用いることができるが、好適には、リゴラック「Rigolac」(登録商標)BMC、ポリカーボネート(PC)を好適に使用することができる。
リゴラック(登録商標)BMCは、特殊な不飽和ポリエステル樹脂(BMC・SMC)を主体とし、充填材とガラス繊維等を含む熱硬化性の成形材料である。この成形材料は、寸法精度、電気特性、耐熱性、難燃性、意匠性等に優れるとともに、射出成形が可能で高い量産性も備えている。なお、この成形材料は、ガラス繊維を含有するため、ガラス繊維による金型摩耗が進行し易く、射出成形において使用する場合には、金型として、本実施形態の金型1のように高い耐摩耗性が要求される。
またポリカーボネート(PC)製の成形材料は、剛性および強度が高く、耐衝撃性に優れた合成樹脂として周知である。なお、この成形材料を射出成形において使用する場合には、充填圧が高く、成形金型への負荷が大きくなり、金型として、本実施形態の金型1のように高剛性および高強度が要求される。
本実施形態の射出成形金型1においては、金型材料としてアルミニウム合金を使用しているため、切削加工性を向上できて、簡単かつ効率良く製作することができるとともに、軽量化を図ることができる。
さらに本実施形態の射出成形金型1は、成形面12における150℃の引張強度が355MPa以上に調整されているため、射出成形時における強度、剛性および耐摩耗性を十分に確保できて、高精度の成形を長期間安定して行うことができ、十分な耐久性を得ることができる。
以下、本発明に関連した実施例と、その効果を検証するための比較例等について詳細に説明する。
Figure 2015089616
Figure 2015089616
<実施例1>
表1に示すように、組成が上記合金Bの相当するAl合金溶湯、すなわち組成がSi:10%、Fe:0.18%、Cu:3.8%、Mg:0.6%、Cr:0.01%、Zn:0.02%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金溶湯を準備した。このAl合金溶湯を細径連続鋳造して、直径80mmのAl合金連続鋳造棒を製造し、そのAl合金連鋳棒に対し、均質化処理、ロール強制処理、ピーリング処理を行った後、長さ150mmに切断して、円柱状のAl合金丸棒切断品4(図5等参照)を得た。
このAl合金丸棒切断品4に対し6面フライス加工を行って、厚さ40mm、縦150mm、横67mmの板状(直方体形状)のAl合金粗加工品を得た。
次にAl粗加工品5に対し、上記実施形態と同様に、T6炉での溶体化処理、水焼き入れ処理および時効処理による熱処理を行って、射出成形金型用素形材(半製品)を得た。
次に、この射出成形用素形材の成形部等に、上記実施形態と同様に、切削加工による仕上げ加工および研磨加工を行って、一対の射出成形金型1を製作した。なお図1に示すように一対の射出成形金型1のうち一方の金型1の成形面12には、コーン状の突起15を形成した。
こうして得られた射出成形金型1において、上記実施形態に測定方法に従って、成形面12におけるSi粒の平均粒径、粒径の標準偏差、面積占有率を測定したところ、各測定値は、表2に示すようにそれぞれ1.67μm、0.43μm、6.56μmであった。さらに成形面12における150℃での引張強度および面粗さRaを測定したところ、引張強度は365MPa、面粗さは0.01μmであった。
<実施例2>
表1に示すように、組成が上記合金Bに相当するAl合金溶湯、すなわち組成がSi:11.5%、Fe:0.21%、Cu:4.5%、Mg:0.6%、Cr:0.01%、Zn:0.01%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金溶湯を用いて、上記実施例1と同様に、所定長さの円柱状のAl合金丸棒切断品4を得た。
このAl合金丸棒切断品4を軸方向(円柱軸方向)に対し直交する方向に圧縮するように鍛造加工を行って、厚さ50mm、縦150mm、横100mmの略板状(略直方体形状)のAl合金粗加工品5(図6A参照)を得た。なおこの鍛造加工における加工率は37.5%であった。
次にAl合金粗加工品5に対し、上記実施例1と同様に熱処理を行って、Al合金素形材を作製し、そのAl合金素形材に対し、上記実施例1と同様に仕上げ加工および研磨加工を行って、一対の射出成形金型1を作製した。
表2に示すように、こうして得られた射出成形金型1の成形面12におけるSi粒の平均粒径は1.71μm、粒径の標準偏差は0.51μm、面積占有率は10.5%、150℃での引張強度は375MPa、面粗さRaは0.02μmであった。
<実施例3>
表1に示すように、組成が上記合金Bの相当するAl合金溶湯、すなわち組成がSi:12.5%、Fe:0.22%、Cu:4.5%、Mg:0.6%、Cr:0.01%、Zn:0.03%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金溶湯を用いて、上記実施例1と同様に、所定長さの円柱状のAl合金連鋳棒4を得た。
このAl合金鋳造棒4に対し、上記実施例2と同様に横方向の鍛造加工を行って、上記実施例2と同サイズで、キャビティ11が凹陥形成された鍛造加工品としてのAl合金粗加工品5(図6B参照)を得た。なおこの鍛造加工時には、キャビティ11内にコーン状突起15に対応する突起部を形成しておいた。
次にAl合金粗加工品5に対し、上記実施例1と同様な処理を行って、一対の射出成形金型1を作製した。
表2に示すように、この射出成形金型1の成形面12におけるSi粒の平均粒径は1.77μm、粒径の標準偏差は0.59μm、面積占有率は13.1%、150℃での引張強度は375MPa、面粗さRaは0.01μmであった。
<実施例4>
表1に示すように、組成がSi:15%、Fe:0.2%、Cu:4.2%、Mg:0.6%、Cr:0.01%、Zn:0.08%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金材料(合金Cに相当)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、一対の射出成形金型1を作製した。
表2に示すように、この射出成形金型1の成形面12におけるSi粒の平均粒径は3.02μm、粒径の標準偏差は1.25μm、面積占有率は17.5%、150℃での引張強度は372MPa、面粗さRaは0.03μmであった。
<実施例5>
表1に示すように、組成がSi:16%、Fe:0.24%、Cu:4.5%、Mg:0.6%、Cr:0.01%、Zn:0.07%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金材料(合金Cに相当)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして、一対の射出成形金型1を作製した。
表2に示すように、この射出成形金型1の成形面12におけるSi粒の平均粒径は3.11μm、粒径の標準偏差は1.55μm、面積占有率は20.5%、150℃での引張強度は375MPa、面粗さRaは0.03μmであった。
<実施例6>
表1に示すように、組成がSi:17.5%、Fe:0.21%、Cu:4.7%、Mg:0.6%、Cr:0.01%、Zn:0.08%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金材料(合金Cに相当)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして、一対の射出成形金型1を作製した。
表2に示すように、この射出成形金型1の成形面12におけるSi粒の平均粒径は3.25μm、粒径の標準偏差は1.85μm、面積占有率は23.5%、150℃での引張強度は380MPa、面粗さRaは0.03μmであった。
<比較例1>
比較例1は、上記特許文献1(特開平4−325650号)に相当するものである。すなわち表1に示すように、組成がSi:0.15%、Fe:0.21%、Cu:1.8%、Mg:2.5%、Cr:0.22%、Zn:5.6%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金材料(A7075合金に相当)を用いて、特許文献1に開示された製法に準拠して、上記実施例と同様な形状の一対の射出成形金型1を作製した。
表2に示すように、この射出成形金型1の成形面12における150℃での引張強度は330MPa、面粗さRaは0.02μmであった。
<比較例2>
比較例2は、上記特許文献2(特開2004−76042号)に相当するものである。すなわち表1に示すように、組成がSi:0.15%、Fe:0.23%、Cu:0.02%、Mg:2.5%、Cr:0.22%、Zn:0.02%、残部がAlおよび不可避成分(各成分が0.5%以下でトータルが2%以下)のAl合金材料(A5052合金に相当)を用い、特許文献2に開示された製法に準拠して、上記実施例と同様な形状の一対の射出成形金型1を作製した。なおこの金型1における成形面の表面にはアルマイト処理が施されている。
表2に示すように、この射出成形金型1の成形面12における150℃での引張強度は250MPa、面粗さRaは0.01μmであった。
<耐久性評価試験>
実施例1の一対の金型モデル(サンプル)を、図2等に示すように上記実施形態と同様に焼嵌めによって一対のダイケース2にそれぞれ固定して、可動側型板2aおよび固定側型板2bを作製した。これらの型板2a,2bを備えたダイセットを射出成形機の型締めユニッに取り付けた。その射出成形機を用いて、リゴラック「Rigolac」(登録商標)BMCおよびポリカーボネート樹脂を成形材料とし、図3Aに示す略円盤状の成形品3をそれぞれ10000個ずつ成形した。成形条件としては、金型温度を150℃、成形材料の温度(樹脂温度)を230℃、射出成形圧力を100MPaとした。なお図3Aおよび図3Bに示すように、成形される成形品3の一面には、金型1のコーン状突起15によるコーン状凹部35が形成されている。
そして、割れの評価試験として、成形開始直後の成形品3と、成形終了間近の成形品3とを比較して、成形品3における底面外周縁のエッジ部の割れの有無を確認した。また摩耗評価試験として、成形開始直後の成形品3と、成形終了間近の成形品3とを比較して、成形品3のコーン状凹部35の底部の先鋭具合を確認するとともに、成形前後の金型1を比較して、金型1のコーン状突起の先鋭具合を確認して、摩耗の進行具合(有無)を確認した。その結果を表3に示す。
Figure 2015089616
実施例2〜6および比較例1,2の金型モデルに対しても、上記実施例1と同様に、射出成形機にセットして、同様に射出成形を行い、同様の評価を行った。各評価結果を表3に併せて示す。
表3から明らかなように、実施例1〜6の金型モデルは、割れの発生が無く、十分な強度、剛性および耐圧性を備えるとともに、摩耗の発生もなく、十分な耐久性を備えている。よって実施例の金型によれば、大量の成形品を安定して生産することができる。
これに対し、比較例1,2の金型モデルは、割れの発生が認められ、強度、剛性、耐圧性に劣るとともに、摩耗も発生しており、耐久性にも劣っている。
さらに比較例1の金型モデルは、特に耐摩耗性の面で劣っており、その上、焼嵌めによる変形等も認められた。つまり比較例1の金型は、成形品を大量に生産する大量生産には不向きであり、試作や少量生産用としての使用に限定されると思われる。
また比較例2の金型モデルは、成形面の強度が常温でも低く、研磨時に傷が付き易く、鏡面研磨が困難であった。さらにこの金型は、アルマイト処理に伴うコストの増大や金型製作時の作業効率低下が懸念されるばかりか、成形によりアルマイト処理膜の剥離が認められ、摩耗が多く進行していた。従って、比較例2の金型も比較例1と同様、耐久性不足により大量生産には不向きであると思われる。
<各種金型の特性対比>
Figure 2015089616
上記実施例1〜6および比較例1,2の金型の他に、参考例1,2の金型も加えて、各金型において主特性を対比した。
参考例1の金型は、特開平3−100137号公報に開示されたAl合金材料によって製作されたものである。この金型は、セラミクス粒子およびAl合金粉末を混合した混合粉末を基に形成されたAl合金材料によって構成されている。
参考例2の金型は、プリハードン鋼によって構成された周知の鋼材製金型である。
そして実施例1〜6、比較例1,2および参考例1,2において、耐摩耗性、熱伝導率、重量、焼嵌め効果、150℃(使用温度域)での引張強度、150℃(使用温度域)での離型性、金型自体の生産性(金型製作時の作業性)、靱性等の各特性を対比した。その結果を表4に示す。
実施例1〜6の金型は、比較例1,2の金型に対し、150℃での高温強度が高く、Si粒による耐摩耗性、離型性に優れている。特に比較例2は、既述した通り、アルマイト処理を行う必要があり、コスト的や金型生産性に関しても不利である。
実施例1〜6の金型は、参考例1の金型に対し、金型生産性や靱性に優れている。
実施例1〜6の金型は、参考例2の金型に対し、切削加工性、金型生産性および重量の面で優れている。
一方、各特性毎に見ていくと、耐摩耗性に関しては、実施例1〜6および参考例1,2は、比較例1,2に比べて優れている。
切削性および熱伝導率に関しては、実施例1〜6および比較例1,2は、参考例1,2に比べて良好である。なお参考例1の金型の切削性に関しては、高速加工は可能であるが、切削刃による加工は困難である。
重量に関しては、実施例1〜6、比較例1,2および参考例1は、参考例2に比べて良好である。
焼嵌め効果に関しては、実施例1〜3の金型は、ダイケースとの熱膨張率の差が10%と大きく高圧縮場が得られ、良好な焼嵌め効果を得ることができた。同様に、実施例4〜6の金型も、ダイケースとの熱膨張率の差が9%と大きく高圧縮場が得られ、良好な焼嵌め効果を得ることができた。一方、比較例1の金型は、ダイケースとの熱膨張率の差が13%と大きく、さらに比較例2の金型も、ダイケースとの熱膨張率の差は大きいものの、高温時の強度が不十分で、変形や亀裂が生じてしまい、十分な焼嵌め効果を得ることができなかった。また参考例1の金型は、ダイケースとの熱膨張率の差が大きく高圧縮場が得られた。さらに参考例2の金型は、ダイケースとの熱膨張率の差がなく、高圧縮場が得られなかった。
使用温度領域(150℃)での引張強度や離型性に関しては、実施例1〜6および参考例1,2は、比較例1,2に比べて優れている。
金型の生産性については、実施例1〜6および比較例1は、比較例2および参考例1,2に比べて優れている。なお参考例1は、粉末製造工程や押出加工を伴うもので、これらの工程等によって良好な生産性が得られないものである。
靱性に関しては、実施例1〜6、比較例1,2および参考例2は、参考例1に比べて優れている。つまり参考例1の金型は、割れ易いものである。
以上のように本発明の要旨を含む実施例1〜6の金型は、上記全ての特性に優れているのに対し、比較例1,2および参考例1,2は、いずれかの特性に劣っている。
なお、参考例1の金型のように粉末Al合金とセラミクス粒との混合粉末によって構成される金型は、一般的に、切削加工時に加工刃部の短寿命と金型材料の靱性低下というデメリットがある。すなわち、切削加工の困難さに伴う金型製造コストの増大や、金型材料の靱性低下による高負荷下の射出成形によって金型割れが生じ易く、短寿命になってしまうことが懸念される。
また参考例2の金型のように鋼材製の金型は、切削加工性が悪いという以外に、高重量のために、金型交換時の作業負担が大きくなるとともに、熱伝導性も低いため、成形準備段階の金型昇温時間も長くなり、生産性の低下を来すというデメリットもある。
この発明の射出成形金型用素形材は、合成樹脂の射出成形に使用される射出成形金型を製作する際に用いることができる。
1:射出成形金型
11:キャビティ
12:成形面
4:Al合金丸棒切断品(所定長さのAl合金連鋳棒)
5:Al合金粗加工品(鍛造品)

Claims (14)

  1. 半製品に対して仕上げ加工および研磨加工を行って射出成形金型を製作するに際して、前記半製品として用いられる射出成形金型用素形材であって、
    アルミニウム合金によって構成されるとともに、
    前記射出成形金型の成形面における150℃の引張強度が355MPa以上となるようにしたことを特徴とする射出成形金型用素形材。
  2. Si粒を含有し、前記成形面におけるSi粒の面積占有率が5%〜25%となるようにした請求項1に記載の射出成形金型用素形材。
  3. Si粒を含有し、前記成形面に存在するSi粒の平均粒径が1μm〜25μm、かつSi粒の粒径の標準偏差が3μm以下となるようにした請求項1または2に記載の射出成形金型用素形材。
  4. 前記成形面の表面粗さRaが0.01μm〜0.08μmとなるようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
  5. 前記成形面の組成が、Si:8%〜18%、Cu:3.0%〜5.0%、Mg:0.3%〜1.5%、残部がAlと、添加成分および/または不可避成分であり、添加成分および不可避成分の各成分が0.5%以下でトータルが2%以下となるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
  6. 前記成形面の組成が、Si:13%未満、Mg:0.3%〜1.0%となるようにした請求項5に記載の射出成形金型用素形材。
  7. 前記成形面の組成が、Si:13%以上、Mg:0.3%〜1.0%となるようにした請求項5に記載の射出成形金型用素形材。
  8. 細径のアルミニウム合金連続鋳造棒を材料とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
  9. アルミニウム合金鍛造品を材料とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
  10. 所定長さのアルミニウム合金連続鋳造棒を、その軸心に対し直交する方向に圧縮するように鍛造加工することによって得られるアルミニウム合金鍛造品を材料とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材。
  11. 前記成形面は、前記射出成形金型に形成されたキャビティの内周面によって構成される一方、
    前記キャビティを鍛造加工によって形成するようにした請求項10に記載の射出成形金型用素形材。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材を製造するための方法であって、
    所定長さのアルミニウム合金連続鋳造棒を粗加工して粗加工品を製作し、
    前記粗加工品に対し熱処理を行って、射出成形金型用素形材を製作するようにしたことを特徴とする射出成形金型用素形材の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材に対し仕上げ加工および研磨加工を行って製作するようにしたことを特徴とする射出成形金型。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の射出成形金型用素形材を得る工程と、
    前記射出成形金型用素形材に対し仕上げ加工および研磨加工を行う工程とを含むことを特徴とする射出成形金型の製造方法。
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