JP2015089292A - 負荷駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下の各アームに二重化されたスイッチング素子を有するインバータ回路において、各スイッチング素子の短絡故障を初期診断できるようにするとともに、回路構成を簡略化する。【解決手段】インバータ回路3には、上下一対のアームが電源BとグランドGとの間に相数だけ設けられている。上アームa1、b1、c1と下アームa2、b2、c2のそれぞれは、2個の直列接続されたスイッチング素子を有している。第1スイッチング素子Q1、Q3、Q5…は、モータMの駆動中に常時オンとなるスイッチング素子であって、電源Bに対して逆方向となるようにダイオードD1、D3、D5…が並列接続されている。第2スイッチング素子Q2、Q4、Q6…は、モータMの駆動中にオン・オフするスイッチング素子であって、電源Bに対して逆方向となるようにダイオードD2、D4、D6…が並列接続されている。【選択図】図1
Description
本発明は、モータなどの負荷を駆動する装置に関し、特に、スイッチング動作によって負荷へ電流を供給するインバータ回路を備えた負荷駆動装置に関する。
たとえば、車両に搭載される電動パワーステアリング装置においては、ハンドルの操舵トルクに応じた操舵補助力をステアリング機構に与えるために、3相ブラシレスモータなどの電動式モータが設けられる。このモータを駆動する装置として、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御方式によるモータ駆動装置が知られている。
一般に、PWM制御方式のモータ駆動装置は、所定のデューティを持ったPWM信号により駆動されるインバータ回路を備えている。インバータ回路は、上アームと下アームにそれぞれスイッチング素子を有する上下一対のアームが相の数だけ設けられた、ブリッジ回路から構成されている。そして、PWM信号に基づく各スイッチング素子のオン・オフ動作により、電源からインバータ回路を通ってモータへ電流が供給され、モータが駆動される。特許文献1〜6には、このようなインバータ回路を備えたモータ駆動装置が記載されている。
特許文献1のモータ駆動装置では、インバータ回路の各相の上アームと下アームにそれぞれ1個のスイッチング素子が設けられている。また、インバータ回路とモータとの間には、スイッチング素子を有する電流遮断回路(フェールセーフ回路)が設けられている。インバータ回路のスイッチング素子が短絡した場合、電流遮断回路のスイッチング素子をオフにして、モータとインバータ回路とを電気的に切り離す。これにより、インバータ回路に回生電流が流れなくなり、回生電流によってモータに制動がかかるのが回避される。
特許文献2および特許文献6のモータ駆動装置では、3段階の電圧を出力する3レベルインバータ回路が用いられている。インバータ回路の各相の上アームと下アームには、それぞれ2個のスイッチング素子が直列に設けられている。2個のスイッチング素子にそれぞれ並列接続されたダイオードの向きは同じであり、いずれも電源に対して逆方向となっている。
特許文献3のモータ駆動装置においても、インバータ回路の各相の上アームと下アームにそれぞれ2個のスイッチング素子が直列に設けられている。しかし、一方のスイッチング素子に並列接続されたダイオードの向きは、電源に対して順方向であるのに対し、他方のスイッチング素子に並列接続されたダイオードの向きは、電源に対して逆方向となっている。順方向のダイオードが接続されたスイッチング素子は常時オン状態であり、逆方向のダイオードが接続されたスイッチング素子はPWM信号によりオン・オフする。特許文献4および特許文献5にも、特許文献3と同様の回路が記載されている。
一般に、インバータ回路を備えたモータ駆動装置においては、スイッチング素子がオン状態に固定されオフしなくなる短絡故障や、スイッチング素子がオフ状態に固定されオンしなくなる断線故障の有無を診断する機能が備わっている。この診断には、モータが駆動される前に行われる初期診断と、モータが駆動された後に行われる動作中診断とがある。特許文献3には、動作中診断により、インバータ回路のスイッチング素子の短絡故障および断線故障を検出する方法が記載されている。
動作中診断は、モータに電流を流した状態で行われるのに対し、初期診断は、モータに電流を流さない状態で行われる。したがって、動作中診断の方法をそのまま初期診断に用いることはできない。また、上下の各アームに2個の直列接続されたスイッチング素子(以下「二重化されたスイッチング素子」ともいう。)が設けられたインバータ回路において、各スイッチング素子の短絡故障を初期診断する方法に関しては、これまでに知られていない。
本発明は、上下の各アームに二重化されたスイッチング素子を有するインバータ回路を備えた負荷駆動装置において、インバータ回路の各スイッチング素子の短絡故障を初期診断できるようにすることを課題とする。
本発明の他の課題は、インバータ回路と負荷との間に設けられる電流遮断回路を不要にして、回路構成を簡略化することにある。
本発明に係る負荷駆動装置は、スイッチング素子のオン・オフに基づいて負荷に電流を供給するインバータ回路と、このインバータ回路を制御する制御部とを備えている。インバータ回路には、上下一対のアームが電源とグランドとの間に相数だけ設けられている。上アームと下アームのそれぞれは、2個の直列接続されたスイッチング素子を有している。そして、この2個の直列接続されたスイッチング素子は、電源に対して逆方向となるようにダイオードが並列接続され、負荷の駆動中に常時オンとなる第1スイッチング素子と、電源に対して逆方向となるようにダイオードが並列接続され、負荷の駆動中にオン・オフする第2スイッチング素子とからなる。
第1スイッチング素子と第2スイッチング素子をこのように接続すると、初期診断時に、上下アームの4個のスイッチング素子を順次オンさせてゆくことで、各素子毎に個別に短絡故障の有無を診断することができ、短絡故障した素子の特定が可能となる。このため、PWM駆動用の第2スイッチング素子が短絡故障した場合に、これと対をなす常時オン用の第1スイッチング素子をオフにすることで、短絡故障の発生したアームにモータから回生電流が流れないようにすることができる。したがって、インバータ回路とモータとの間に電流遮断回路を設ける必要がなくなり、当該電流遮断回路のスイッチング素子を、インバータ回路のスイッチング素子で兼用することができる。この結果、スイッチング素子の二重化による高い信頼性を維持しつつ、回路構成を簡略化することができる。
本発明において、電源が直流電源である場合は、インバータ回路に対して電源が逆極性に接続されたときに、インバータ回路に過電流が流れないようにするための逆接保護回路を、インバータ回路と電源との間に設けるのが好ましい。
本発明において、制御部は、初期診断時に、次のようにして短絡故障の有無を診断することができる。各相毎に、上下アームに設けられた各スイッチング素子を、タイミングをずらせて一定時間だけ順次オンさせ、各スイッチング素子のオン区間で、負荷の端子電圧をそれぞれ測定する。そして、この端子電圧に基づいて、各スイッチング素子の短絡故障の有無を診断する。
本発明において、制御部は、初期診断時に、さらに断線故障の有無を診断してもよい。断線故障の診断は、たとえば次のように行われる。各相毎に、上アームの第1スイッチング素子と第2スイッチング素子を、各素子が同時に一定時間だけオンするように駆動するとともに、これと異なるタイミングで、下アームの第1スイッチング素子と第2スイッチング素子を、各素子が同時に一定時間だけオンするように駆動する。上アームの各スイッチング素子の同時オン区間と、下アームの各スイッチング素子の同時オン区間で、負荷の端子電圧をそれぞれ測定する。そして、この端子電圧に基づいて、上アームと下アームの断線故障の有無を診断する。
本発明によれば、上下の各アームに二重化されたスイッチング素子を有するインバータ回路を備えた負荷駆動装置において、インバータ回路の各スイッチング素子の短絡故障を初期診断できるとともに、インバータ回路と負荷との間に設けられる電流遮断回路を不要にして、回路構成を簡略化することができる。
本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。図面において、同一の部分または対応する部分には同一符号を付してある。以下では、負荷駆動装置として、車両の電動パワーステアリング装置に用いられるモータ駆動装置を例に挙げる。
最初に、モータ駆動装置の構成を、図1を参照しながら説明する。図1において、モータ駆動装置100は、CPU1、ドライバ2、インバータ回路3、電流検出回路4、電圧検出回路5、および逆接保護回路6を備えている。CPU1とドライバ2により、制御部10が構成される。モータ駆動装置100によって駆動されるモータMは、操舵補助力を与えるための直流モータであって、たとえば3相ブラシレスモータからなる。モータMに電力を供給する電源Bは、車載用のバッテリからなる直流電源である。
インバータ回路3は、電源BとグランドGとの間に上下一対のアームがA相、B相、C相に対応して3本設けられた、3相ブリッジ回路から構成される。A相の上アームa1は、2個の直列接続されたスイッチング素子Q1、Q2を有しており、A相の下アームa2は、2個の直列接続されたスイッチング素子Q3、Q4を有している。B相の上アームb1は、2個の直列接続されたスイッチング素子Q5、Q6を有しており、B相の下アームb2は、2個の直列接続されたスイッチング素子Q7、Q8を有している。C相の上アームc1は、2個の直列接続されたスイッチング素子Q9、Q10を有しており、C相の下アームc2は、2個の直列接続されたスイッチング素子Q11、Q12を有している。インバータ回路3は、これらのスイッチング素子Q1〜Q12のオン・オフに基づいて、負荷であるモータMに電流を供給する。
このように、各相の上アームと下アームのそれぞれにおいて2個のスイッチング素子を直列接続し、回路を二重化するのは、スイッチング素子の一方が故障した場合に、他方でバックアップすることで信頼性を高めるためである。したがって、後述するように、通常は、直列接続された2個のスイッチング素子の一方を常時オン状態とし、他方をPWM信号でオン・オフさせる。この場合、インバータ回路3は、6個のスイッチング素子を有する一般の3相ブリッジ回路として動作する。
、
スイッチング素子Q1〜Q12は、ここではnチャンネル型のMOS−FETからなる。A相において、スイッチング素子Q1のドレインdは、逆接保護回路6を介して電源Bに接続されている。スイッチング素子Q1のソースsは、スイッチング素子Q2のドレインdに接続されている。スイッチング素子Q2のソースsは、スイッチング素子Q3のドレインdに接続されている。スイッチング素子Q3のソースsは、スイッチング素子Q4のドレインdに接続されている。スイッチング素子Q4のソースsは、シャント抵抗Rsを介してグランドGに接続されている。また、スイッチング素子Q1〜Q4の各ゲートgは、抵抗R1〜R4を介して、ドライバ2の出力端子T1〜T4に接続されている。さらに、スイッチング素子Q1〜Q4には、電源Bに対して逆方向となるように、ダイオードD1〜D4が並列接続されている。これらのダイオードD1〜D4は、ドレイン・ソース間の寄生ダイオードである。
スイッチング素子Q1〜Q12は、ここではnチャンネル型のMOS−FETからなる。A相において、スイッチング素子Q1のドレインdは、逆接保護回路6を介して電源Bに接続されている。スイッチング素子Q1のソースsは、スイッチング素子Q2のドレインdに接続されている。スイッチング素子Q2のソースsは、スイッチング素子Q3のドレインdに接続されている。スイッチング素子Q3のソースsは、スイッチング素子Q4のドレインdに接続されている。スイッチング素子Q4のソースsは、シャント抵抗Rsを介してグランドGに接続されている。また、スイッチング素子Q1〜Q4の各ゲートgは、抵抗R1〜R4を介して、ドライバ2の出力端子T1〜T4に接続されている。さらに、スイッチング素子Q1〜Q4には、電源Bに対して逆方向となるように、ダイオードD1〜D4が並列接続されている。これらのダイオードD1〜D4は、ドレイン・ソース間の寄生ダイオードである。
B相において、スイッチング素子Q5〜Q8は、A相のスイッチング素子Q1〜Q4と対応している。これらのスイッチング素子Q5〜Q8の接続関係は、スイッチング素子Q1〜Q4と同様であるので、説明を省略する。スイッチング素子Q5〜Q8には、電源Bに対して逆方向となるように、ダイオードD5〜D8(寄生ダイオード)が並列接続されている。また、図示は省略しているが、スイッチング素子Q5〜Q8の各ゲートは、抵抗を介してドライバ2の出力端子に接続される。
C相において、スイッチング素子Q9〜Q12は、A相のスイッチング素子Q1〜Q4と対応している。これらのスイッチング素子Q9〜Q12の接続関係は、スイッチング素子Q1〜Q4と同様であるので、説明を省略する。スイッチング素子Q9〜Q12には、電源Bに対して逆方向となるように、ダイオードD9〜D12(寄生ダイオード)が並列接続されている。また、図示は省略しているが、スイッチング素子Q9〜Q12の各ゲートは、抵抗を介してドライバ2の出力端子に接続される。
A相の下アームa2とグランドGとの間には、電流検出回路4が設けられている。電流検出回路4は、シャント抵抗Rsと増幅器Kとを有している。シャント抵抗Rsの一端は、スイッチング素子Q4のソースsに接続されている。シャント抵抗Rsの他端は、グランドGに接地されている。増幅器Kの入力側は、シャント抵抗Rsの両端に接続されている。増幅器Kの出力側は、抵抗R8およびコンデンサC1からなるフィルタ回路を介して、CPU1に接続されている。また、図示は省略するが、B相とC相においても、A相の電流検出回路4と同様の電流検出回路が設けられている。
A相の上下アームa1、a2の接続点と、B相の上下アームb1、b2の接続点と、C相の上下アームc1、c2の接続点は、それぞれラインLa、Lb、Lcを介して、モータMの端子に接続されている。ラインLaには、抵抗R5の一端が接続されている。抵抗R5の他端は、逆接保護回路6を介して、電源Bに接続されている。抵抗R5は、プルアップ抵抗として機能し、その抵抗値は、モータMの内部抵抗値に比べて、十分大きな値となっている。また、図示は省略するが、ラインLb、Lcにも、抵抗R5と同様の抵抗が接続されている。
ラインLaとグランドGとの間には、電圧検出回路5が設けられている。電圧検出回路5は、直列接続された抵抗R6および抵抗R7を有している。抵抗R6、R7は、プルダウン抵抗として機能し、その抵抗値は、モータMの内部抵抗値に比べて、十分大きな値となっている。抵抗R6の一端は、ラインLaに接続されている。抵抗R6の他端は、抵抗R7の一端に接続されている。抵抗R7の他端は、グランドGに接地されている。抵抗R6と抵抗R7との接続点は、抵抗R9およびコンデンサC2からなるフィルタ回路を介して、CPU1に接続されている。また、図示は省略するが、ラインLb、LcとグランドGとの間にも、電圧検出回路5と同様の電圧検出回路が設けられている。
逆接保護回路6は、リレーなどの開閉素子から構成され、インバータ回路3と電源Bとの間に設けられる。開閉素子のオン・オフは、CPU1によって制御される。この逆接保護回路6は、インバータ回路3に対して電源Bが逆極性(正極と負極が逆)に接続されたときに、ダイオードD1〜D12を通ってインバータ回路3に過電流が流れるのを阻止する。
CPU1は、モータ駆動装置100の動作を制御する。CPU1には、故障診断部11、モータ電流算出部12、およびモータ端子電圧算出部13が備わっている。故障診断部11は、後述する初期診断および動作中診断を実行し、インバータ回路3の短絡故障や断線故障を検出する。モータ電流算出部12は、電流検出回路4の出力に基づいて、モータMの各相に流れる電流の値を算出する。モータ端子電圧算出部13は、電圧検出回路5の出力に基づいて、モータMの各相の端子電圧の値を算出する。
CPU1には、図示しないトルクセンサから、操舵トルクが入力される。CPU1は、この操舵トルクに基づいて、モータMに流すべき電流の目標値を設定する。そして、設定された目標値と、モータ電流算出部12で算出されたモータ電流値とを比較し、その偏差に基づいて、インバータ回路3のスイッチング素子を駆動するためのPWM信号のデューティを演算する。また、CPU1の故障診断部11は、モータ端子電圧算出部13で算出されたモータMの端子電圧に基づいて、インバータ回路3における短絡故障や断線故障の有無を診断する(詳細は後述)。
ドライバ2は、CPU1から与えられるデューティの情報に基づいて、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q12を駆動するための、所定のデューティを持ったPWM信号を生成する。A相のスイッチング素子を駆動するためのPWM信号は、端子T1〜T4、および抵抗R1〜R4を介して、スイッチング素子Q1〜Q4の各ゲートgに与えられる。B相、C相のスイッチング素子を駆動するためのPWM信号も、同様に、図示しない端子および抵抗を介して、スイッチング素子Q5〜Q12の各ゲートに与えられる。スイッチング素子Q1〜Q12は、ドライバ2から与えられるPWM信号に基づいて、オン・オフ動作を行う。すなわち、PWM信号の「H」(High)レベルの区間では、スイッチング素子Q1〜Q12はオンし、PWM信号の「L」(Low)レベルの区間では、スイッチング素子Q1〜Q12はオフする。
次に、上述したモータ駆動装置100の動作について説明する。逆接保護回路6の開閉素子を閉状態(オン状態)にし、ドライバ2から出力される駆動信号によりインバータ回路3を駆動すると、電源Bから逆接保護回路6およびインバータ回路3を経てモータMに電流が流れ、モータMが駆動される。ここで、モータMの駆動中は、各相の上下アームに設けられている2個の直列接続されたスイッチング素子の一方が常時オンとなり、他方がオン・オフ動作を行う。
詳しくは、図2(a)に示したように、スイッチング素子Q1、Q3、Q5、Q7、Q9、Q11(第1スイッチング素子)は、ドライバ2から与えられる連続したHレベル信号により、常時オンした状態となる。一方、これらのスイッチング素子と対をなすスイッチング素子Q2、Q4、Q6、Q8、Q10、Q12(第2スイッチング素子)は、ドライバ2から与えられるPWM信号により、オン・オフ動作を行う。このため、たとえばスイッチング素子Q2、Q12がオンの区間では、図中の破線矢印で示す経路でモータMに電流が流れる。図2(b)は、各スイッチング素子のオン・オフ動作を示したタイミングチャートである。斜線の区間が、図2(a)の破線で示した電流が流れる区間である。
図2に示した動作は一例であるが、2個の直列接続されたスイッチング素子の一方が常時オンしている場合のインバータ回路3の動作は、前記のとおり、一般の3相ブリッジ回路の動作と同じである。したがって、ここではインバータ回路3のさらに詳細な動作の説明を省略する。
次に、モータ駆動装置100における初期診断について、図3を参照しながら説明する。初期診断は、モータMが駆動される前に行われる診断であり、モータMに電流を流さない状態で実施される。以下では、A相の初期診断を例に挙げるが、B相とC相についても、同様の方法で初期診断が行われる。
図3において、(a)はスイッチング素子Q1〜Q4のゲートgに印加される診断用信号、(b)はスイッチング素子Q1〜Q4の動作、(c)はモータMの端子電圧をそれぞれ表している。初期診断においては、逆接保護回路6をオンにした状態で、最初に短絡(ショート)故障診断を実施し、その後、断線(オープン)故障診断を実施する。この順序は逆であってもよい。
短絡故障診断は、時刻Tx〜Tzの間で行われる。時刻Txで診断が開始されると、上下アームの各スイッチング素子を順次、タイミングをずらせて一定時間だけオンさせる。詳しくは、図3(a)のように、スイッチング素子Q2→Q1→Q4→Q3の順に、各スイッチング素子にゲート信号(パルス信号)を印加してゆく。すると、図3(b)のように、ゲート信号のHレベルの区間で、スイッチング素子Q2→Q1→Q4→Q3の順に、各スイッチング素子が一定時間だけ順次オンとなる。そこで、スイッチング素子Q1〜Q4のそれぞれのオン区間で、モータMの端子電圧を測定し、これに基づいて短絡故障を検出する。以下、さらに詳しく説明する。
図3(c)は、モータMのA相の端子電圧Vm(ラインLaの電圧)を示している。実線は、スイッチング素子Q1〜Q4に故障が発生していない場合のモータ端子電圧、破線は、スイッチング素子Q1〜Q4に故障が発生した場合のモータ端子電圧である。Vbは電源Bの電圧、VgはグランドGの電圧を表している。
上アームa1のスイッチング素子Q2がオンの区間では、本来、スイッチング素子Q1はオフであり、ダイオードD1も電源Bに対して逆方向となっている。したがって、モータ端子電圧Vmは、電源電圧Vbを抵抗R5と抵抗R6+R7とで分圧した電圧値Vo(正常値)となるはずである。しかるに、スイッチング素子Q1が短絡故障していると、スイッチング素子Q1、Q2が共にオン状態となる結果、ラインLaが、スイッチング素子Q1、Q2および逆接保護回路6を介して、電源Bと電気的に接続される。その結果、スイッチング素子Q2のオン区間で、図3(c)の破線(1)で示すように、モータ端子電圧Vmは正常値Voより高くなって、電源電圧Vbまで上昇する(実際には、スイッチング素子Q1、Q2や逆接保護回路6での電圧降下により、VmはVbより若干小さくなるが、ここでは簡単のためVm=Vbとする(以下同様))。このモータ端子電圧Vmは、電圧検出回路5で検出され、CPU1へ入力される。CPU1は、モータ端子電圧算出部13での算出結果に基づき、スイッチング素子Q2のオン区間においてVm=Vbである場合に、スイッチング素子Q1に短絡故障が発生したと診断する。
同様に、スイッチング素子Q2が短絡故障している場合も、ラインLaが電源Bと電気的に接続されるため、スイッチング素子Q1のオン区間で、図3(c)の破線(2)で示すように、モータ端子電圧Vmは正常値Voより高くなって、電源電圧Vbまで上昇する。これにより、CPU1は、スイッチング素子Q2に短絡故障が発生したと診断する。
また、下アームa2のスイッチング素子Q4がオンの区間では、本来、スイッチング素子Q3はオフであり、ダイオードD3も電源Bに対して逆方向となっている。したがって、この場合も、モータ端子電圧VmはVo(正常値)となるはずである。しかるに、スイッチング素子Q3が短絡故障していると、スイッチング素子Q3、Q4が共にオン状態となる結果、ラインLaが、スイッチング素子Q3、Q4およびシャント抵抗Rsを介して、グランドGと電気的に接続される。その結果、スイッチング素子Q4のオン区間で、図3(c)の破線(3)で示すように、モータ端子電圧Vmは正常値Voより低くなって、グランド電圧Vgまで低下する(実際には、シャント抵抗Rsでの電圧降下により、VmはVgより若干大きくなるが、ここでは簡単のためVm=Vgとする(以下同様))。このモータ端子電圧Vmは、電圧検出回路5で検出され、CPU1へ入力される。CPU1は、モータ端子電圧算出部13での算出結果に基づき、スイッチング素子Q4のオン区間においてVm=Vgである場合に、スイッチング素子Q3に短絡故障が発生したと診断する。
同様に、スイッチング素子Q4が短絡故障している場合も、ラインLaがグランドGと電気的に接続されるため、スイッチング素子Q3のオン区間で、図3(c)の破線(4)で示すように、モータ端子電圧Vmは正常値Voより低くなって、グランド電圧Vgまで低下する。これにより、CPU1は、スイッチング素子Q4に短絡故障が発生したと診断する。
このように、初期診断においては、各スイッチング素子Q1〜Q4を順次オンさせてゆき、各素子のオン区間においてモータ端子電圧Vmを測定することにより、スイッチング素子の短絡故障の有無を診断することができる。そして、この短絡故障診断では、どのスイッチング素子が短絡故障しているかを特定することができる。B相とC相についても、A相と同じ手順で短絡故障診断が行われる。
短絡故障診断が終了すると、続いて、時刻Ty〜Tzの間で断線故障診断が行われる。断線故障診断の手順は、短絡故障診断の手順とは異なっている。詳しくは、図3(a)のように、上アームのスイッチング素子Q1、Q2に同時にゲート信号(パルス信号)を印加するとともに、これと異なるタイミングで、下アームのスイッチング素子Q3、Q4に同時にゲート信号(パルス信号)を印加する。すると、図3(b)のように、ゲート信号のHレベルの区間で、スイッチング素子Q1、Q2が同時に一定時間だけオンし、これと異なるタイミングで、下アームのスイッチング素子Q3、Q4が同時に一定時間だけオンする。そこで、各スイッチング素子の同時オン区間で、モータ端子電圧Vmを測定し、これに基づいて断線故障を検出する。以下、さらに詳しく説明する。
上アームa1のスイッチング素子Q1、Q2が同時にオンする区間では、本来、ラインLaが電源Bと電気的に接続されるため、モータ端子電圧Vmは、電源電圧Vb(正常値)まで上昇するはずである。しかるに、スイッチング素子Q1、Q2の一方または両方が断線故障していると、ラインLaが電源Bから電気的に切り離された状態となる。このため、スイッチング素子Q1、Q2の同時オン区間で、図3(c)の破線(5)で示すように、モータ端子電圧Vmは正常値Vbより低くなって、Voのままとなる。そこで、CPU1は、モータ端子電圧算出部13での算出結果に基づき、スイッチング素子Q1、Q2の同時オン区間においてVm=Voである場合は、スイッチング素子Q1、Q2の一方または両方が断線故障したと診断する。
また、下アームa2のスイッチング素子Q3、Q4が同時にオンしている区間では、本来、ラインLaがグランドGと電気的に接続されるため、モータ端子電圧Vmは、グランド電圧Vg(正常値)まで低下するはずである。しかるに、スイッチング素子Q3、Q4の一方または両方が断線故障していると、ラインLaがグランドGから電気的に切り離された状態となる。このため、スイッチング素子Q3、Q4の同時オン区間で、図3(c)の破線(6)で示すように、モータ端子電圧Vmは正常値Vgより高くなって、Voのままとなる。そこで、CPU1は、モータ端子電圧算出部13での算出結果に基づき、スイッチング素子Q3、Q4の同時オン区間においてVm=Voである場合は、スイッチング素子Q3、Q4の一方または両方が断線故障したと診断する。
このように、上アームa1のスイッチング素子Q1、Q2を同時にオン駆動し、これと異なるタイミングで、下アームa2のスイッチング素子Q3、Q4を同時にオン駆動し、それぞれの同時オン区間でモータ端子電圧Vmを測定することによって、断線故障の有無を診断することができる。B相とC相についても、A相と同じ手順で断線故障診断が行われる。なお、断線故障診断では、上段(上アーム)と下段(下アーム)のいずれに断線故障が発生したかは判別できるが、断線故障したスイッチング素子を特定することはできない。しかるに、各アームのいずれのスイッチング素子が断線故障しようとも、結果的に当該アームに流れる電流が遮断されることに変わりはないので、断線故障の場合は、故障した素子を特定できなくても問題はない。
図4は、上述した初期診断と、当該診断結果に基づく処理の手順を表したフローチャートである。本フローチャートの各ステップは、CPU1によって実行される。
ステップS1では、車両のイグニッションスイッチ(図示省略)が操作されたことに基づいて、イグニッションオン信号がCPU1に入力される。CPU1は、この信号が入力されると、ステップS2で初期診断のプログラムを起動し、初期診断を開始する。初期診断では、まずステップS3において、図3で説明した要領に従い、短絡(ショート)故障診断を実行する。そして、ステップS4で、短絡故障の有無を判定し、短絡故障がなければ(ステップS4;NO)、ステップS5へ進み、短絡故障があれば(ステップS4;YES)、ステップS11へ進む。
ステップS5では、図3で説明した要領に従い、断線(オープン)故障診断を実行する。そして、ステップS6で、断線故障の有無を判定し、断線故障がなければ(ステップS6;NO)、ステップS7へ進み、断線故障があれば(ステップS6;YES)、ステップS8へ進む。
ステップS7では、短絡故障も断線故障も発生していないことから、通常モードによるモータ駆動を開始する。通常モードでは、図2(a)に示したように、各相の上下アームに設けられている2個の直列接続されたスイッチング素子の一方(Q1、Q3、Q5…)を常時オン状態とし、他方(Q2、Q4、Q6…)をPWM信号でオン・オフさせる。これにより、電源Bからインバータ回路3を通ってモータMへ電流が供給され、モータMが3相で駆動される。
短絡故障が発生している場合は、ステップS11において、図3で説明した要領に従い、短絡故障したスイッチング素子を特定する。そして、ステップS12で、短絡故障したスイッチング素子が、常時オン用の第1スイッチング素子(以下「サブFET」という。)Q1、Q3、Q5…か、それともPWM駆動用の第2スイッチング素子(以下「メインFET」という。)Q2、Q4、Q6…かを判定する。判定の結果、短絡故障したスイッチング素子がサブFETであれば、ステップS13へ進み、短絡故障したスイッチング素子がメインFETであれば、ステップS15へ進む。
ステップS13では、短絡故障の発生および短絡故障したサブFETを報知するための警報を出力する。この警報に基づいて、たとえば警報ランプ(図示省略)が点灯する。その後、ステップS14へ進んで、ステップS7と同様の通常モードによるモータ駆動を開始する。この場合、サブFETに短絡故障が発生していても、サブFETはもともと常時オン用の素子であるので、インバータ回路3は正常に動作し、モータ駆動に支障は生じない。また、警報ランプの点灯により、短絡故障したサブFETの交換を促すことができる。
一方、ステップS15では、短絡故障の発生および短絡故障したメインFETを報知するための警報を出力する。この警報に基づいて、たとえば警報ランプ(図示省略)が点灯する。次に、ステップS16aにおいて、短絡故障したメインFETと対をなすサブFETをオフ状態にする。その後、ステップS17aへ進んで、縮退モードによるモータ駆動を開始する。この縮退モードには、短絡故障が発生した異常相における異常箇所だけを切り離すモード(以下「部分縮退モード」という。)と、異常相全体を切り離すモード(以下「全縮退モード」という。)の2種類がある。
部分縮退モードでは、異常相の上下アームのうち、短絡故障が発生した側のアームのみを電気的に切り離し、短絡故障が発生していない側のアームと、残りの2相の上下アームとを用いてモータを駆動する。たとえば、図14(a)に示すように、C相の上アームc1のスイッチング素子Q10(メインFET)に短絡(ショート)故障が発生した場合、スイッチング素子Q9(サブFET)がステップS16aでオフとなることで、異常箇所である上アームc1だけが電気的に切り離される。C相の下アームc2のスイッチング素子Q11、Q12は、通常どおり駆動される。また、A相の上下アームa1、a2の各スイッチング素子Q1〜Q4と、B相の上下アームb1、b2の各スイッチング素子Q5〜Q8も、通常どおり駆動される。
一方、全縮退モードでは、異常相の短絡故障が発生した側のアームだけでなく、異常相の短絡故障が発生していない側のアームも電気的に切り離され、残りの2相の上下アームを用いてモータを駆動する。たとえば、図14(b)に示すように、C相の上アームc1のスイッチング素子Q10(メインFET)に短絡(ショート)故障が発生した場合、スイッチング素子Q9(サブFET)がオフとなることに加えて、下アームc2のスイッチング素子Q12(メインFET)、Q11(サブFET)もオフとなる。これにより、異常相であるC相全体(上アームc1と下アームc2)が電気的に切り離される。一方、A相の上下アームa1、a2のスイッチング素子Q1〜Q4と、B相の上下アームb1、b2のスイッチング素子Q5〜Q8は、通常どおり駆動される。
このように、縮退モードには2種類あるが、図4のステップS17aにおいては、部分縮退モードと全縮退モードのいずれを採用してもよい。縮退モードでは、短絡故障が発生した異常相または異常箇所を切り離し、残りのスイッチング素子を通常モードの場合と同様に動作させることによって、モータMを2相で駆動することができる。
ステップS6で断線故障が検出された場合は、ステップS8において、断線故障の発生および断線故障した相または箇所を報知するための警報を出力する。この警報に基づいて、たとえば警報ランプ(図示省略)が点灯する。次に、ステップS9において、断線故障が発生した異常相の上下アームのスイッチング素子を全てオフにするか、あるいは、断線故障が発生した異常箇所(上アームまたは下アーム)のスイッチング素子だけをオフにする処理が行われる。その後、ステップS10へ進んで、縮退モードによるモータ駆動を開始する。この縮退モードにも、断線故障が発生した異常相における異常箇所だけを切り離す「部分縮退モード」と、異常相全体を切り離す「全縮退モード」の2種類がある。
ステップS9で、断線故障が発生した異常箇所のスイッチング素子だけをオフにした場合は、ステップS10で部分縮退モードが実行される。たとえば、A相の上アームa1(スイッチング素子Q1、Q2の一方または両方)に断線故障が発生した場合、スイッチング素子Q1、Q2をオフにすることで、異常箇所である上アームa1だけが電気的に切り離される。下アームa2のスイッチング素子Q3、Q4は、通常どおり駆動される。また、B相の上下アームb1、b2の各スイッチング素子Q5〜Q8と、C相の上下アームc1、c2の各スイッチング素子Q9〜Q12も、通常どおり駆動される。
一方、ステップS9で、断線故障が発生した異常相のスイッチング素子を全てオフにした場合は、ステップS10で全縮退モードが実行される。たとえば、A相の上アームa1(スイッチング素子Q1、Q2の一方または両方)に断線故障が発生した場合、上アームa1のスイッチング素子Q1、Q2がオフとなることに加えて、下アームa2のスイッチング素子Q3、Q4もオフとなる。これにより、異常相であるA相全体(上アームa1と下アームa2)が、電気的に切り離される。一方、B相の上下アームb1、b2のスイッチング素子Q5〜Q8と、C相の上下アームc1、c2のスイッチング素子Q9〜Q12は、通常どおり駆動される。
このように、断線故障が発生した異常相または異常箇所を切り離し、残りのスイッチング素子を通常モードの場合と同様に動作させることによって、モータMを2相で駆動することができる。
図5は、初期診断結果に基づく処理手順の他の例を示すフローチャートである。図5において、図4と同じ処理を行うステップには、同一符号を付してある。図5では、図4のステップS16a、S17aが、ステップS16b、S17b
に置き換わっている。
に置き換わっている。
短絡故障したスイッチング素子がメインFET(PWM駆動用のスイッチング素子)である場合、ステップS16bにおいて、メインFETの駆動を、PWM駆動から常時オン駆動へ切り替える。すなわち、メインFETのゲートに連続したHレベル信号を印加することにより、メインFETを常時オンの状態にする。その後、ステップS17bへ進んで、代替モードによるモータ駆動を開始する。
代替モードでは、通常モードにおけるメインFETとサブFETの動作が入れ替わる。つまり、短絡故障したメインFETは、常時オンの状態となり、短絡故障していないサブFETは、PWM信号でオン・オフする。たとえば、図15に示すように、C相の上アームc1のスイッチング素子Q10(メインFET)に短絡(ショート)故障が発生した場合、スイッチング素子Q9(サブFET)をPWM信号によりオン・オフさせる。スイッチング素子Q10は、常時オンの状態に固定される。C相の下アームc2のスイッチング素子Q11、Q12と、A相の上下アームa1、a2のスイッチング素子Q1〜Q4と、B相の上下アームb1、b2のスイッチング素子Q5〜Q8は、いずれも通常どおり駆動される。
このように、短絡故障が発生したアームのメインFETとサブFETの動作が入れ替わっても、2個の直列接続されたスイッチング素子の一方が常時オンとなり、他方がオン・オフすることに変わりはないので、インバータ回路3は正常に動作し、モータ駆動に支障は生じない。この場合、モータMは、通常モードと同様に3相で駆動される。また、警報ランプの点灯により、短絡故障したメインFETの交換を促すことができる。
次に、モータ駆動装置100における動作中診断について、図6〜図11を参照しながら説明する。動作中診断は、モータMが駆動された後に行われる診断であり、モータMに電流が流れている状態で実施される。動作中診断においても、スイッチング素子の短絡故障と断線故障が検出されるが、その検出原理は初期診断の場合と異なる。以下では、A相の動作中診断を例に挙げるが、B相とC相についても、同様の方法で動作中診断が行われる。
図6(a)は、上下アームa1、a2のスイッチング素子Q1〜Q4に短絡故障も断線故障も発生していない状態(正常状態)を示している。この場合は、前述のとおり、スイッチング素子Q1、Q3は常時オンしており、スイッチング素子Q2、Q4はPWM信号によりオン・オフ動作を行う。
図6(b)は、各スイッチング素子のゲートに印加される信号、および正常状態におけるA相のモータ端子電圧Vmを示している。スイッチング素子Q1、Q3のゲート信号(以下「Q1ゲート信号」、「Q3ゲート信号」と表記)は、連続したHレベル信号(=デューティが100%のPWM信号)であり、この信号によってスイッチング素子Q1、Q3は常時オン状態となる。スイッチング素子Q2、Q4のゲート信号(以下「Q2ゲート信号」、「Q4ゲート信号」と表記)は、所定のデューティを持ったPWM信号であり、この信号のHレベル区間でスイッチング素子Q2、Q4はオンとなり、Lレベル区間でスイッチング素子Q2、Q4はオフとなる。Q4ゲート信号は、Q2ゲート信号を反転した信号となっている(厳密には、両者の間にデッドタイム期間が存在するが、ここでは省略してある)。
スイッチング素子Q2がオンで、スイッチング素子Q4がオフの区間では、モータ端子電圧Vmは、電源電圧Vbとなる。一方、スイッチング素子Q4がオンで、スイッチング素子Q2がオフの区間では、モータ端子電圧Vmは、グランド電圧Vgとなる。
このように、スイッチング素子Q1〜Q4に故障が発生していない場合は、スイッチング素子Q2、Q4のオン・オフに応じて、モータ端子電圧Vmは、電源電圧Vbまたはグランド電圧Vgとなる。このモータ端子電圧Vmは、電圧検出回路5で検出され、CPU1へ入力される。CPU1は、モータ端子電圧算出部13で算出されたモータ端子電圧Vmが、Q2ゲート信号のHレベル区間で電源電圧Vbであり、Lレベル区間でグランド電圧Vgである場合は、スイッチング素子Q1〜Q4に短絡故障も断線故障も発生していないと診断する。
図7(a)は、上アームa1のスイッチング素子Q2に短絡(ショート)故障が発生した状態(上段短絡状態)を示している。この場合は、スイッチング素子Q1、Q3は常時オンしており、スイッチング素子Q4はPWM信号によりオン・オフ動作を行う。スイッチング素子Q2はオン状態に固定される。
図7(b)は、各スイッチング素子のゲートに印加される信号、および上段短絡状態におけるA相のモータ端子電圧Vmを示している。各ゲート信号に関しては、図6(b)の場合と同じである。Q2ゲート信号がHレベルの区間では、スイッチング素子Q2がもともと短絡故障によりオン状態にあるので、モータ端子電圧Vmは電源電圧Vbとなる。一方、Q2ゲート信号がLレベルの区間では、スイッチング素子Q2がオフしないため、モータ端子電圧Vmはグランド電圧Vgまで低下せず、グランド電圧Vgより高く電源電圧Vbより低い閾値Vth1を超える電圧となる。このモータ端子電圧Vmは、電圧検出回路5で検出され、CPU1へ入力される。CPU1は、モータ端子電圧算出部13で算出されたモータ端子電圧Vmが、Q2ゲート信号のLレベル区間で、Vb>Vm>Vth1>Vgの関係を満たす場合は、スイッチング素子Q2に短絡故障が発生したと診断する。なお、スイッチング素子Q1は常時オン状態にあるため、動作中診断において当該素子の短絡故障を検出することはできないが、スイッチング素子Q1は短絡故障しても常時オン状態を維持するので、問題はない。
図8(a)は、下アームa2のスイッチング素子Q4に短絡(ショート)故障が発生した状態(下段短絡状態)を示している。この場合は、スイッチング素子Q1、Q3は常時オンしており、スイッチング素子Q2はPWM信号によりオン・オフ動作を行う。スイッチング素子Q4はオン状態に固定される。
図8(b)は、各スイッチング素子のゲートに印加される信号、および下段短絡状態におけるA相のモータ端子電圧Vmを示している。各ゲート信号に関しては、図6(b)の場合と同じである。Q4ゲート信号がHレベルの区間では、スイッチング素子Q4がもともと短絡故障によりオン状態にあるので、モータ端子電圧Vmはグランド電圧Vgとなる。一方、Q4ゲート信号がLレベルの区間では、スイッチング素子Q4がオフしないため、モータ端子電圧Vmは電源電圧Vbまで上昇せず、電源電圧Vbより低くグランド電圧Vgより高い閾値Vth2を下回る電圧となる。このモータ端子電圧Vmは、電圧検出回路5で検出され、CPU1へ入力される。CPU1は、モータ端子電圧算出部13で算出されたモータ端子電圧Vmが、Q4ゲート信号のLレベル区間で、Vb>Vth2>Vm>Vgの関係を満たす場合は、スイッチング素子Q4に短絡故障が発生したと診断する。なお、スイッチング素子Q3は常時オン状態にあるため、動作中診断において当該素子の短絡故障を検出することはできないが、スイッチング素子Q3は短絡故障しても常時オン状態を維持するので、問題はない。
図9(a)は、上アームa1のスイッチング素子Q2に断線(オープン)故障が発生した状態(上段断線状態)を示している。この場合は、スイッチング素子Q1、Q3は常時オンしており、スイッチング素子Q4はPWM信号によりオン・オフ動作を行う。スイッチング素子Q2はオフ状態に固定される。
図9(b)は、各スイッチング素子のゲートに印加される信号、および上段断線状態におけるA相のモータ端子電圧Vmを示している。各ゲート信号に関しては、図6(b)の場合と同じである。Q2ゲート信号がLレベルの区間では、スイッチング素子Q2がもともと断線故障によりオフ状態にあるので、モータ端子電圧Vmはグランド電圧Vgとなる。一方、Q2ゲート信号がHレベルの区間では、スイッチング素子Q2がオンしないために、モータ端子電圧Vmは電源電圧Vbまで上昇せず、電源電圧Vbよりも低くグランド電圧Vgよりも高い閾値Vth3を下回る電圧となる。なお、スイッチング素子Q2は正常でスイッチング素子Q1に断線故障が発生した場合、および、スイッチング素子Q1、Q2の双方に断線故障が発生した場合も、モータ端子電圧Vmは閾値Vth3を下回る。このモータ端子電圧Vmは、電圧検出回路5で検出され、CPU1へ入力される。CPU1は、モータ端子電圧算出部13で算出されたモータ端子電圧Vmが、Q2ゲート信号のHレベル区間で、Vb>Vth3>Vm>Vgの関係を満たす場合は、上段のスイッチング素子Q1、Q2の一方または両方に断線故障が発生したと診断する(断線故障したスイッチング素子を特定することはできない)。
図10(a)は、下アームa2のスイッチング素子Q4に断線(オープン)故障が発生した状態(下段断線状態)を示している。この場合は、スイッチング素子Q1、Q3は常時オンしており、スイッチング素子Q2はPWM信号によりオン・オフ動作を行う。スイッチング素子Q4はオフ状態に固定される。
図10(b)は、各スイッチング素子のゲートに印加される信号、および下段断線状態におけるA相のモータ端子電圧Vmを示している。各ゲート信号に関しては、図6(b)の場合と同じである。Q4ゲート信号がLレベルの区間では、スイッチング素子Q4がもともと断線故障によりオフ状態にあるので、モータ端子電圧Vmは電源電圧Vbとなる。一方、Q4ゲート信号がHレベルの区間では、スイッチング素子Q4がオンしないため、モータ端子電圧Vmはグランド電圧Vgまで低下せず、グランド電圧Vgより高く電源電圧Vbより低い閾値Vth4を超える電圧となる。なお、スイッチング素子Q4は正常でスイッチング素子Q3に断線故障が発生した場合、および、スイッチング素子Q3、Q4の双方に断線故障が発生した場合も、モータ端子電圧Vmは閾値Vth4を超える。このモータ端子電圧Vmは、電圧検出回路5で検出され、CPU1へ入力される。CPU1は、モータ端子電圧算出部13で算出されたモータ端子電圧Vmが、Q4ゲート信号のHレベル区間で、Vb>Vm>Vth4>Vgの関係を満たす場合は、下段のスイッチング素子Q3、Q4の一方または両方に断線故障が発生したと診断する(断線故障したスイッチング素子を特定することはできない)。
このように、動作中診断においては、モータ端子電圧Vmを監視し、Q2ゲート信号またはQ4ゲート信号のHレベル区間またはLレベル区間における、モータ端子電圧Vmと閾値Vth1〜Vth4との比較結果に基づいて、上段短絡故障(図7)、下段短絡故障(図8)、上段断線故障(図9)、および下段断線故障(図10)の4種類の故障を診断することができる。B相とC相についても、A相と同じ手順で動作中診断が行われる。
図11は、上述した動作中診断と、当該診断結果に基づく処理の手順を表したフローチャートである。本フローチャートの各ステップは、CPU1によって実行される。
ステップS21では、図2(a)に示した通常モードで、モータ駆動装置100の動作を開始する。通常モードでは、モータMが3相で駆動される。この後、ステップS22で、図7および図8で説明した要領に従い、短絡(ショート)故障が検出されたか否かを判定する。判定の結果、短絡故障が検出されなければ(ステップS22;NO)、ステップS23へ進み、短絡故障が検出されれば(ステップS22;YES)、ステップS28へ進む。
ステップS23では、図9および図10で説明した要領に従い、断線(オープン)故障が検出されたか否かを判定する。判定の結果、断線故障が検出されなければ(ステップS23;NO)、ステップS24へ進み、断線故障が検出されれば(ステップS23;YES)、ステップS25へ進む。
ステップS24では、短絡故障も断線故障も発生していないことから、通常モードによるモータ駆動を継続する。
短絡故障が発生している場合は、ステップS28で、短絡故障の発生および短絡故障したスイッチング素子(メインFET)を報知するための警報を出力する。この警報に基づいて、たとえば警報ランプ(図示省略)が点灯する。次に、ステップS29aにおいて、短絡故障したメインFETと対をなすサブFETをオフ状態にする。その後、ステップS30aへ進んで、縮退モードによるモータ駆動を開始する。この縮退モードにも、部分縮退モードと全縮退モードがある。これらについては、図4のステップS17aで説明したので、ここでは説明を省略する。ステップS30aでは、部分縮退モードと全縮退モードのいずれを採用してもよい。
縮退モードでは、前述のとおり、短絡故障が発生した異常相または異常箇所を切り離し、残りのスイッチング素子を通常モードの場合と同様に動作させることによって、モータMを2相で駆動することができる。
断線故障が発生している場合は、ステップS25において、断線故障の発生および断線故障した相または箇所を報知するための警報を出力する。この警報に基づいて、たとえば警報ランプ(図示省略)が点灯する。その後、ステップS26に進んで、図4のステップS9と同様の処理を行った後、ステップS27で、図4のステップS10と同様の縮退モードによるモータ駆動を開始する。
図12は、動作中診断結果に基づく処理手順の他の例を示すフローチャートである。図12において、図11と同じ処理を行うステップには、同一符号を付してある。図12では、図11のステップS29a、S30aが、ステップS29b、S30bに置き換わっている。
短絡故障が発生した場合、ステップS29bにおいて、メインFETの駆動を、PWM駆動から常時オン駆動へ切り替える。すなわち、メインFETのゲートに連続したHレベル信号を印加することにより、メインFETを常時オンの状態にする。その後、ステップS30bへ進んで、代替モードによるモータ駆動を開始する。代替モードでは、図5のステップS17bの場合と同様に、短絡故障したメインFETが常時オン状態となり、短絡故障していないサブFETがPWM信号でオン・オフすることで、モータMは3相で駆動される。
図13は、モータMの駆動状態で短絡故障が発生した場合の、インバータ回路3の動作の一例を示したタイミングチャートである。時刻t1〜t2の間は、通常モードによる動作が行われている。そして、時刻t2において、図13(b)に示すように、ある相の上段(上アーム)のメインFETに短絡(ショート)故障が発生したとする。この場合、短絡故障したFETは、図13(b)に示すように、PWM信号によるオン・オフ動作から、オンに固定された状態へ切り替わる。
一方、短絡故障が検出されたことに基づいて、図13(d)、(f)、(h)に示すように、異常相の上段サブFET、下段メインFET、および下段サブFETが、時刻t3でオフになる(t2〜t3間の時間τは、CPU1の処理に要する時間である)。これにより、異常相が切り離され、時刻t3〜t4の間は、全縮退モード(たとえば図14(b))の動作となる。
その後、時刻t4でイグニッションスイッチ(図示省略)がオフされると、図13(a)、(c)〜(h)に示すように、短絡故障している異常相の上段メインFETを除く、全てのメインFETおよびサブFETがオフとなる。その後、時刻t5で、上位装置(図示省略)からCPU1へ再始動の指令が与えられると、CPU1は、他に異常がないか否かについて、時刻t5〜t6の間で詳細な診断を行う。この診断は、初期診断と同様の手順に従って行われる。そして、診断の結果、他に異常がないと判断すれば、時刻t6で代替モード(たとえば図15)によるモータ駆動を開始する。
時刻t6以降の代替モードでは、正常相の全てのメインFETおよびサブFETと、異常相の下段のメインFETおよびサブFETについては、図13(a)、(c)、(e)〜(h)に示すように、短絡故障発生前と同じ動作が再開される。一方、異常相の上段のメインFETおよびサブFETについては、図13(b)、(d)に示すように、短絡故障発生前と動作が入れ替わる。
以上述べたように、本実施形態では、上アームと下アームのそれぞれにおいて、常時オン状態となる第1スイッチング素子Q1、Q3、Q5…(サブFET)と、PWM信号によりオン・オフする第2スイッチング素子Q2、Q4、Q6…(メインFET)とを、各素子のダイオードDn(n=1、3、5…)、Dm(m=2、4、6…)が電源Bに対して共に逆方向となるように、直列に接続している。
第1スイッチング素子Q1、Q3、Q5…と第2スイッチング素子Q2、Q4、Q6…を上記のように接続すると、初期診断時に、上下アームの4個のスイッチング素子を順次オンさせてゆくことで、各素子毎に個別に短絡故障の有無を診断することができ、短絡故障した素子の特定が可能となる(図3参照)。このため、PWM駆動用の第2スイッチング素子Q2、Q4、Q6…が短絡故障した場合に、これと対をなす常時オン用の第1スイッチング素子Q1、Q3、Q5…をオフにすることで、短絡故障の発生したアームにモータMから回生電流が流れないようにすることができる。したがって、インバータ回路3とモータMとの間に、特許文献1のような電流遮断回路(フェールセーフ回路)を設ける必要がなくなり、当該電流遮断回路のスイッチング素子を、インバータ回路3のスイッチング素子で兼用することができる。この結果、スイッチング素子の二重化による高い信頼性を維持しつつ、回路構成を簡略化することができる。
本発明では、上述した実施形態以外にも、以下のような種々の実施形態を採用することができる。
前記実施形態では、図13において、短絡故障が検出された後に、異常相を切り離す全縮退モードへ移行したが、これに代えて、異常箇所だけを切り離す部分縮退モードへ移行してもよい。また、図13では、短絡故障が検出された後に、縮退モードを経て全てのスイッチング素子を一旦オフにし、その後、代替モードで動作を再開したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、短絡故障が検出された後、縮退モードやスイッチング素子のオフを省略して、すみやかに代替モードへ移行してもよい。さらに、代替モードで動作を再開するのではなく、縮退モードで動作を再開してもよい。
前記実施形態では、インバータ回路3とグランドGとの間に、各相ごとのシャント抵抗Rsを設けたが、図16に示すモータ駆動装置200のように、インバータ回路3とグランドGとの間に、単一のシャント抵抗Rsを設けてもよい。
前記実施形態では、CPU1に故障検出機能を持たせたが、ドライバ2に故障検出機能を持たせてもよい。たとえば、図17に示すモータ駆動装置300のように、ドライバ2’に、上段の短絡故障および断線故障を検出する上段故障検出回路21と、下段の短絡故障および断線故障を検出する下段故障検出回路22とを設けてもよい。
前記実施形態では、インバータ回路3のスイッチング素子として、寄生ダイオードを有するFETを用いたが、FETに代えてトランジスタを用い、各トランジスタに、電源に対して逆方向となるダイオードを並列接続してもよい。また、スイッチング素子として、FETやトランジスタ以外に、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などを用いることも可能である。
前記実施形態では、インバータ回路3のスイッチング素子としてnチャンネル型のMOS−FETを用いたが、これに代えて、pチャンネル型のMOS−FETを用いてもよい。この場合は、上段のFETのゲートに高い電圧を印加するための昇圧回路(図示省略)が不要となる。
前記実施形態では、逆接保護回路6の開閉素子としてリレーを例に挙げたが、リレーに代えてFETやトランジスタを用いてもよい。また、開閉素子に代えて、ダイオードを用いることも可能である。
前記実施形態では、モータMとして3相モータを例に挙げたが、本発明は、2相モータや4相以上の多相モータを駆動する装置にも適用することができる。また、前記実施形態では、モータMとして直流モータを例に挙げたが、本発明は、交流モータを駆動する装置にも適用することができる。
前記実施形態では、車両の電動パワーステアリング装置に用いられるモータ駆動装置に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、車両用以外のモータ駆動装置にも適用することができる。さらに、前記実施形態では、負荷としてモータMを例に挙げたが、本発明は、モータ以外の負荷を駆動する装置にも適用することができる。
1 CPU
2 ドライバ
3 インバータ回路
4 電流検出回路
5 電圧検出回路
6 逆接保護回路
10 制御部
11 故障診断部
12 モータ電流算出部
13 モータ端子電圧算出部
100、200、300 モータ駆動装置(負荷駆動装置)
a1、b1、c1 上アーム
a2、b2、c2 下アーム
D1〜D12 ダイオード
Q1〜Q12 スイッチング素子
B 電源
G グランド
M モータ(負荷)
2 ドライバ
3 インバータ回路
4 電流検出回路
5 電圧検出回路
6 逆接保護回路
10 制御部
11 故障診断部
12 モータ電流算出部
13 モータ端子電圧算出部
100、200、300 モータ駆動装置(負荷駆動装置)
a1、b1、c1 上アーム
a2、b2、c2 下アーム
D1〜D12 ダイオード
Q1〜Q12 スイッチング素子
B 電源
G グランド
M モータ(負荷)
Claims (4)
- 電源とグランドとの間に上下一対のアームが相数だけ設けられ、各相の上アームと下アームのそれぞれに2個の直列接続されたスイッチング素子を有し、各スイッチング素子のオン・オフに基づいて負荷に電流を供給するインバータ回路と、
前記インバータ回路の各スイッチング素子のオン・オフを制御する制御部と、を備えた負荷駆動装置において、
前記2個の直列接続されたスイッチング素子は、
前記電源に対して逆方向となるようにダイオードが並列接続され、負荷の駆動中に常時オンとなる第1スイッチング素子と、
前記電源に対して逆方向となるようにダイオードが並列接続され、負荷の駆動中にオン・オフする第2スイッチング素子と、からなることを特徴とする負荷駆動装置。 - 請求項1に記載の負荷駆動装置において、
前記電源は直流電源であり、
前記インバータ回路に対して前記電源が逆極性に接続されたときに、前記インバータ回路に過電流が流れないようにするための逆接保護回路を、前記インバータ回路と前記電源との間に設けた、ことを特徴とする負荷駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載の負荷駆動装置において、
前記制御部は、
前記負荷が駆動される前の初期診断時に、各相毎に、前記上下アームに設けられた各スイッチング素子を、タイミングをずらせて一定時間だけ順次オンさせ、
前記各スイッチング素子のオン区間で、前記負荷の端子電圧をそれぞれ測定し、
前記端子電圧に基づいて、各スイッチング素子の短絡故障の有無を診断する、ことを特徴とする負荷駆動装置。 - 請求項3に記載の負荷駆動装置において、
前記制御部は、さらに、
前記初期診断時に、各相毎に、前記上アームの第1スイッチング素子と第2スイッチング素子を、各素子が同時に一定時間だけオンするように駆動するとともに、これと異なるタイミングで、前記下アームの第1スイッチング素子と第2スイッチング素子を、各素子が同時に一定時間だけオンするように駆動し、
前記上アームの各スイッチング素子の同時オン区間と、前記下アームの各スイッチング素子の同時オン区間で、前記負荷の端子電圧をそれぞれ測定し、
前記端子電圧に基づいて、上アームと下アームの断線故障の有無を診断する、ことを特徴とする負荷駆動装置。
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