JP2015088778A - ルーティング情報形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチホップ通信システムの通信経路を決定する処理を適切に行うことを目的とする。【解決手段】ルーティング情報形成装置としての制御装置10は、複数の無線機について、無線機の間を結ぶ経路としてノード間経路を形成する。ルーティング情報取得部12−1は、入出力ポート16を介して、各無線機からルーティング情報としてのルーティングテーブルを取得する。ルーティング情報拡張部12−2は、各無線機についてのルーティングテーブルに基づいて、複数の無線機のうちの少なくとも1つについてルーティングテーブルを変更し、通信経路を拡張する。ルーティング情報送信部12−3は、拡張後のルーティング情報を、入出力ポート16を介して各無線機に送信する。【選択図】図2
Description
本発明は、ルーティング情報形成装置に関し、特に、マルチホップ通信を行う複数の無線機間のルートを生成する処理の改善に関する。
複数の無線機によって構成されるマルチホップ通信システムが広く用いられている。マルチホップ通信システムの通信経路には、複数の無線機のうちいずれかを基幹ノードとし、その他の無線機を分岐ノードまたは末端ノードとするツリー形状のものがある。基幹ノードはツリー形状の根幹をなす。分岐ノードはツリー形状における分岐点または分岐のない中継点をなし、末端ノードはツリー形状における末端をなす。ツリー形状の通信経路を形成するマルチホップ通信システムには、通信経路を規定する情報が、基幹ノードの無線機に一括して記憶されるものがある。この場合、基幹ノードの無線機がパケットのルーティングに関する制御を行う。その他、通信経路上で隣接する無線機の識別符号を各無線機が記憶する等、通信経路を規定する情報が各無線機に記憶されるものがある。
また、マルチホップ通信システムの通信経路には、複数の無線機が網目状に結ばれたメッシュ形状のものがある。メッシュ形状の通信経路は、ツリー形状の通信経路に対し、分岐ノードまたは末端ノードを他のノードに接続する経路が追加されたものである。この場合においても、メッシュ形状の通信経路を規定する情報は、基幹ノードの無線機に一括して記憶されるか、各無線機に記憶される。
以下の特許文献1には、マルチホップ通信システムが記載されている。このシステムでは、通信経路を規定する経路情報が親ノードによって生成される。子ノード間の通信経路はメッシュ形状を有する。子ノードから親ノードに至る通信経路は複数通りあり、その中から通信状況が良好であるものが選択される。特許文献2には、親ノードおよび複数の子ノードを備える無線通信システムが記載されている。各ノードは、他のノードとの間で無線通信を行い、ノード間で情報を送受信するためのルーティングテーブルを生成する。
マルチホップ通信システムでは、通信経路を確立するための経路確立用パケットの送受信が複数の無線機の間で行われる。無線機の位置関係の変化、無線機を取り巻く環境の変化等の通信条件の変化があった場合には、経路確立用パケットの送受信を行うことで新たな通信経路が確立され、通信条件の変化に対処することができる。しかし、経路確立用パケットの送受信の頻度が高い場合には、本来の情報の送受信を目的とするパケット通信が妨げられることがある。
本発明は、マルチホップ通信システムの通信経路を決定する処理を適切に行うことを目的とする。
本発明は、マルチホップ通信を行う複数の無線機について、無線機の間を結ぶ経路を形成するルーティング情報形成装置において、複数の無線機のそれぞれから、ルーティング情報を取得するルーティング情報取得部と、各無線機についてのルーティング情報に基づいて、複数の無線機のうちの少なくとも1つについてルーティング情報を変更し、無線機の間を結ぶ経路を拡張するルーティング情報拡張部と、拡張後のルーティング情報を無線機に送信するルーティング情報送信部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るルーティング情報形成装置は、望ましくは、各無線機について取得されたルーティング情報に基づいて、無線機の間を結ぶ経路をユーザに示す表示部を備え、前記ルーティング情報拡張部は、各無線機について取得されたルーティング情報に加えて、ユーザの操作に基づいて、複数の無線機のうちの少なくとも1つについてルーティング情報を変更する。
また、本発明に係るルーティング情報形成装置においては、望ましくは、複数の無線機が、無線機の間を結ぶ経路を更新する経路更新通信を行い、ルーティング情報形成装置は、望ましくは、前記経路更新通信を停止させ、各無線機が有しているルーティング情報を確定する確定化パケットを、各無線機に送信する確定化パケット送信部を備える。
また、本発明は、マルチホップ通信を行う複数の無線機について、無線機の間を結ぶ経路を形成するルーティング情報形成装置において、ユーザの操作に基づいて、無線機の間を結ぶ経路を指定する操作部と、前記操作部によって指定されたルートに基づいて、各無線機についてルーティング情報を生成するルーティング情報生成部と、各無線機にルーティング情報を送信するルーティング情報送信部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るルーティング情報形成装置は、望ましくは、各無線機のルーティング情報は、宛先無線機と、その宛先無線機にパケットを送信する際のネクストホップ無線機とを対応付けた情報を含む。
本発明によれば、マルチホップ通信システムの通信経路を決定する処理を適切に行うことができる。
(1)マルチホップ通信システムの構成
図1には、本発明の実施形態に係るマルチホップ通信システムが示されている。マルチホップ通信システムは、制御装置10および無線機R1〜R5を備える。無線機の間を結ぶ線は、その線の両端の無線機の間でノード間経路が確立していることを概念的に示している。ここで、2つの無線機の間でノード間経路が確立しているとは、通信相手の識別符号を相互に認識していることをいう。各無線機はパケットを送受信するノードとして動作し、無線機R1〜R5は、メッシュ形状の通信経路を形成する。無線機R1は制御装置10に有線接続され、基幹ノードとして動作する。無線機R2〜R5は分岐ノードとして動作する。無線機R1は、制御装置10の制御に従って他の無線機との間のパケット通信を行い、無線機R1〜R5はマルチホップ通信を行う。図1には、メッシュ形状の通信経路が示されているが、無線機R1〜R5は、ツリー状の通信経路を形成する場合もある。
図1には、本発明の実施形態に係るマルチホップ通信システムが示されている。マルチホップ通信システムは、制御装置10および無線機R1〜R5を備える。無線機の間を結ぶ線は、その線の両端の無線機の間でノード間経路が確立していることを概念的に示している。ここで、2つの無線機の間でノード間経路が確立しているとは、通信相手の識別符号を相互に認識していることをいう。各無線機はパケットを送受信するノードとして動作し、無線機R1〜R5は、メッシュ形状の通信経路を形成する。無線機R1は制御装置10に有線接続され、基幹ノードとして動作する。無線機R2〜R5は分岐ノードとして動作する。無線機R1は、制御装置10の制御に従って他の無線機との間のパケット通信を行い、無線機R1〜R5はマルチホップ通信を行う。図1には、メッシュ形状の通信経路が示されているが、無線機R1〜R5は、ツリー状の通信経路を形成する場合もある。
図2には、制御装置10の構成が示されている。制御装置10は、例えば、パーソナルコンピュータによって構成され、制御部12、記憶部14、入出力ポート16、操作部18および表示部20を備える。
制御部12は、プロセッサ等の電子デバイスによって構成され、記憶部14に記憶されたプログラムに従って動作する。制御部12には、ルーティング情報取得部12−1、ルーティング情報拡張部12−2、ルーティング情報送信部12−3、確定化パケット送信部12−4、解除パケット送信部12−5、およびルーティング情報生成部12−6がプログラムの実行によって構成される。制御部12における各構成部については後述する。
記憶部14には、制御部12によって実行されるプログラムの他、プログラムの実行によって生成されたデータが記憶される。入出力ポート16は、制御部12と基幹ノードの無線機とを有線接続する。操作部18は、キーボード、マウス、タッチパネル等を備える。表示部20は、画像を表示するディスプレイ等を備える。表示部20は、タッチパネル付きのディスプレイ等、操作部18を含んだものであってもよい。
なお、本実施形態では、基幹ノードとして動作する無線機R1と制御装置10とを別体のものとしているが、制御装置10は無線機R1に組み込まれていてもよい。
(2)通信経路の確立
マルチホップ通信システムが通信経路を確立する処理について説明する。マルチホップ通信システムを構成する各無線機は、他の無線機による中継を介さず直接的に通信を行うネクストホップ無線機を決定する。各無線機は、ネクストホップ無線機を決定した後、ネクストホップ無線機の中継を介したその先の通信経路を確立する拡張処理を行う。
マルチホップ通信システムが通信経路を確立する処理について説明する。マルチホップ通信システムを構成する各無線機は、他の無線機による中継を介さず直接的に通信を行うネクストホップ無線機を決定する。各無線機は、ネクストホップ無線機を決定した後、ネクストホップ無線機の中継を介したその先の通信経路を確立する拡張処理を行う。
(2−1)ネクストホップ決定処理
各無線機が、ネクストホップ無線機を決定する処理について説明する。各無線機は、他の無線機との間で、送信元の識別符号が含まれる経路確立用パケットを送受信する。経路確立用パケットを受信した無線機は、受信信号レベルに基づいてネクストホップ無線機を決定する。例えば、複数の無線機から経路確立用パケットを受信した場合には、受信信号レベルが大きい方の無線機を優先的にネクストホップ無線機として決定する。ここでは、2つの無線機のうちの一方が他方をネクストホップ無線機として認識しているときには、その他方もまた一方をマルチホップ無線機として認識するものとする。すなわち、2つの無線機の間を結ぶノード間経路は双方向の通信経路である。各無線機は、ネクストホップ無線機を決定する際には、経路確立用パケットから取得した送信元の識別符号をネクストホップ無線機の識別符号として記憶する。
各無線機が、ネクストホップ無線機を決定する処理について説明する。各無線機は、他の無線機との間で、送信元の識別符号が含まれる経路確立用パケットを送受信する。経路確立用パケットを受信した無線機は、受信信号レベルに基づいてネクストホップ無線機を決定する。例えば、複数の無線機から経路確立用パケットを受信した場合には、受信信号レベルが大きい方の無線機を優先的にネクストホップ無線機として決定する。ここでは、2つの無線機のうちの一方が他方をネクストホップ無線機として認識しているときには、その他方もまた一方をマルチホップ無線機として認識するものとする。すなわち、2つの無線機の間を結ぶノード間経路は双方向の通信経路である。各無線機は、ネクストホップ無線機を決定する際には、経路確立用パケットから取得した送信元の識別符号をネクストホップ無線機の識別符号として記憶する。
また、各無線機は、複数の無線機をネクストホップ無線機として決定するときは、いずれか1つのネクストホップ無線機を基幹側ネクストホップ無線機とする。ここで、基幹側ネクストホップ無線機とは、基幹ノードに宛てて送信するパケットの送信先となり、基幹ノードから送信されたパケットの受信元となるネクストホップ無線機をいう。例えば、基幹ノードから末端ノードに向かって順に各無線機がネクストホップ無線機を決定していくという処理を採用した場合には、各無線機は、先にネクストホップ無線機として決定したものを基幹側ネクストホップ無線機として決定する。
このような処理によって、無線機R1〜R5は、それぞれ、図3(a)〜(e)に示されるようなルーティングテーブルT1〜T5を生成する。ルーティングテーブルは、宛先とする無線機の識別符号に対し、ネクストホップ識別符号Rtおよび中継回数Hpを対応付けたものである。ルーティングテーブルは、「宛先」の欄に挙げられている識別符号を有する無線機を宛先とする場合に、その宛先識別符号に対応付けられたネクストホップ識別符号Rtを有する無線機にパケットを送信することで、中継回数Hpで宛先の無線機にパケットが到達することを示す。宛先の無線機がネクストホップ無線機である場合には、そのネクストホップ無線機の識別符号がネクストホップ識別符号Rtとして対応付けられる。
ネクストホップ決定処理が実行されることにより、無線機R1〜R5のそれぞれは、ネクストホップ無線機を決定し、ネクストホップ識別符号を認識する。各無線機は、ネクストホップ無線機として決定した各無線機の識別符号を宛先識別符号とし、各宛先識別符号に対し、同一の識別符号をネクストホップ識別符号Rtとして対応付ける。
例えば、無線機R1は、無線機R2およびR3をネクストホップ無線機とする。そのため、無線機R1のルーティングテーブルT1では、宛先識別符号R2およびR3に対し、ネクストホップ識別符号Rtとして、それぞれ、R2およびR3が対応付けられる。また、無線機R2は、無線機R1、R3、R4およびR5をネクストホップ無線機とする。そのため、無線機R2のルーティングテーブルT2では、宛先識別符号R1、R3、R4およびR5に対し、ネクストホップ識別符号Rtとして、それぞれ、R1、R3、R4およびR5が対応付けられる。さらに、無線機R3は、無線機R1、R2、およびR4をネクストホップ無線機とする。そのため、無線機R3のルーティングテーブルT3では、宛先識別符号R1、R2、およびR4に対し、ネクストホップ識別符号Rtとして、それぞれ、R1、R2、およびR4が対応付けられる。同様に、無線機R4のルーティングテーブルT4では、宛先識別符号R2、R3、およびR5に対し、ネクストホップ識別符号Rtとして、それぞれ、R2、R3、およびR5が対応付けられ、無線機R5のルーティングテーブルT5では、宛先識別符号R2およびR4に対し、ネクストホップ識別符号Rtとして、それぞれ、R2およびR4が対応付けられる。
なお、ネクストホップ識別符号Rtのうち、「(r)」の符号が付されているものは、基幹側ネクストホップ無線機の識別符号であることを示す。例えば、無線機R4は、無線機R3を基幹側ネクストホップ無線機とするため、無線機R4のルーティングテーブルT4では、ネクストホップ識別符号R3に「(r)」の符号が付されている。無線機R5は、無線機R2を基幹側ネクストホップ無線機とするため、無線機R5のルーティングテーブルT5では、ネクストホップ識別符号R2に「(r)」の符号が付されている。
ネクストホップ識別符号Rtには、中継回数Hpが対応付けられている。中継回数Hpは、ネクストホップ識別符号Rtで識別される無線機をネクストホップ無線機とした場合において、宛先識別符号で識別される無線機にパケットが到達するまでに必要とされる中継回数を示す。ネクストホップ無線機を宛先とする場合には、中継回数Hpは0である。
ルーティングテーブルでは、「ネクストホップ無線機」の欄に加えて、「代替ネクストホップ無線機」の欄が設けられている。この欄には、ネクストホップ無線機との間の通信状況が良好でなくなった場合の代替のネクストホップ無線機に関する情報が記述される。ネクストホップ決定処理を実行した段階では、代替ネクストホップ無線機に関する情報は各無線機において生成されないため、この欄は空欄となっている。代替ネクストホップ無線機に関する情報は、次に説明する拡張処理によって生成される。
(2−2)拡張処理
無線機R2〜R5のそれぞれは、他の無線機の中継により、自らのルーティングテーブルを含む経路確立用パケットを基幹側ノードである無線機R1に送信する。この送信は、無線機R2〜R5のそれぞれが基幹側ネクストホップ無線機に経路確立用パケットを送信するマルチホップ通信によって行われる。無線機R2〜R5のそれぞれからルーティングテーブルを含む経路確立用パケットを受信した無線機R1は、自らのルーティングテーブルT1、および無線機R2〜R5のそれぞれのルーティングテーブルT2〜T5を制御装置10に送信する。制御装置10は、以下に説明するような処理によって、ルーティングテーブルT1〜T5に基づいて、各ルーティングテーブルを拡張する。
無線機R2〜R5のそれぞれは、他の無線機の中継により、自らのルーティングテーブルを含む経路確立用パケットを基幹側ノードである無線機R1に送信する。この送信は、無線機R2〜R5のそれぞれが基幹側ネクストホップ無線機に経路確立用パケットを送信するマルチホップ通信によって行われる。無線機R2〜R5のそれぞれからルーティングテーブルを含む経路確立用パケットを受信した無線機R1は、自らのルーティングテーブルT1、および無線機R2〜R5のそれぞれのルーティングテーブルT2〜T5を制御装置10に送信する。制御装置10は、以下に説明するような処理によって、ルーティングテーブルT1〜T5に基づいて、各ルーティングテーブルを拡張する。
(2−2−1)中継回数Hpが1である通信経路の確立
ここでは、ルーティングテーブルT1を拡張する処理について説明する。その他のルーティングテーブルT2〜T5についても、同様の処理によって拡張が行われる。制御装置10は、図3(a)のルーティングテーブルT1において、中継回数Hpが0であるネクストホップ識別符号に対応する宛先識別符号を抽出する。図3(a)に示されているように、このような宛先識別符号はR2およびR3である。そこで、制御装置10は、無線機R2のルーティングテーブルT2、および無線機R3のルーティングテーブルT3を参照する。
ここでは、ルーティングテーブルT1を拡張する処理について説明する。その他のルーティングテーブルT2〜T5についても、同様の処理によって拡張が行われる。制御装置10は、図3(a)のルーティングテーブルT1において、中継回数Hpが0であるネクストホップ識別符号に対応する宛先識別符号を抽出する。図3(a)に示されているように、このような宛先識別符号はR2およびR3である。そこで、制御装置10は、無線機R2のルーティングテーブルT2、および無線機R3のルーティングテーブルT3を参照する。
制御装置10は、ルーティングテーブルT2から、中継回数Hpが0であるネクストホップ識別符号に対応付けられた宛先識別符号のうち、識別符号R1を除いたものを抽出する。これによって抽出される識別符号は、無線機R1から無線機R2による1回の中継を介してパケットが到達する無線機の識別符号である。ここで、識別符号R1を除く理由は、無線機R1が無線機R1を宛先とすることはないからである。図3(b)に示されているように、このような宛先識別符号は、R3、R4およびR5である。
制御装置10は、識別符号R3、R4およびR5がルーティングテーブルT2から抽出されたことを受けて、ルーティングテーブルT1における宛先識別符号R3、R4およびR5に対し、識別符号R2をネクストホップ識別符号として対応付ける。このネクストホップ識別符号に対応する中継回数Hpは1である。
図4(a)には、その処理の様子が示されている。新たに追記がされた欄は太枠となっている。宛先識別符号R3に対しては、識別符号R3がネクストホップ識別符号として既に対応付けられている。そこで、宛先識別符号R3に対しては、代替ネクストホップ識別符号として、識別符号R2が対応付けられる。宛先識別符号R4およびR5に対しては、ネクストホップ識別符号が対応付けられていないため、ネクストホップ識別符号として識別符号R2が対応付けられる。
次に、制御装置10は、ルーティングテーブルT3から、中継回数Hpが0であるネクストホップ識別符号に対応付けられた宛先識別符号のうち、識別符号R1を除いたものを抽出する。ここで抽出される識別符号は、無線機R1から無線機R3による1回の中継を介してパケットが到達する無線機の識別符号である。図3(c)に示されているように、このような宛先識別符号はR2およびR4である。
制御装置10は、識別符号R2およびR4がルーティングテーブルT3から抽出されたことを受けて、ルーティングテーブルT1における宛先識別符号R2およびR4に対し、識別符号R3をネクストホップ識別符号として対応付ける。このネクストホップ識別符号に対応する中継回数Hpは1である。
図4(b)には、その処理の様子が示されている。図4(b)に示されているように、宛先識別符号R2およびR4に対しては、識別符号R2がネクストホップ識別符号として既に対応付けられている。そこで、宛先識別符号R2およびR4に対しては、代替ネクストホップ識別符号として、識別符号R3が対応付けられる。
(2−2−2)中継回数Hpが2である通信経路の確立
図4(b)に示されるルーティングテーブルT1では、宛先識別符号R5に対応する代替ネクストホップ識別符号が対応付けられていない。この代替ネクストホップ識別符号は、次のように中継回数Hpが2である通信経路を探索することで決定される。
図4(b)に示されるルーティングテーブルT1では、宛先識別符号R5に対応する代替ネクストホップ識別符号が対応付けられていない。この代替ネクストホップ識別符号は、次のように中継回数Hpが2である通信経路を探索することで決定される。
制御装置10は、図4(b)に示される現時点のルーティングテーブルT1を参照し、中継回数Hpが1である欄を含む行の宛先識別符号を抽出する。図4(b)に示されているように、このようなネクストホップ識別符号はR2〜R5である。
ネクストホップ識別符号R2〜R5が抽出されたことを受けて、制御装置10は、ルーティングテーブルT2〜T5のそれぞれを参照する。制御装置10は、ルーティングテーブルT2〜T5から、中継回数Hpが0であるネクストホップ識別符号に対応付けられた宛先識別符号のうち、第1回目の中継を行った無線機の識別符号を除く識別符号を抽出する。このような識別符号を除く理由は、第2回目の中継によって、第1回目の中継を行った無線機にパケットが返送されることを避けるためである。このようにして抽出される宛先識別符号は、無線機R1から2回の中継を介してパケットが到達する無線機の識別符号である。
制御装置10は、このようにして抽出された宛先識別符号として識別符号R5が抽出されたときは、ルーティングテーブルT1におけるネクストホップ識別符号R2〜R5のうち、宛先識別符号R5が抽出されたルーティングテーブルに対応するものを、中継回数Hpが2である代替ネクストホップ識別符号として、宛先識別符号R5に対応付ける。ただし、制御装置10は、ネクストホップ識別符号として既に決定されている識別符号と同一の識別符号R2は、代替ネクストホップ識別符号とはせず、別途探索された識別符号を代替ネクストホップ識別符号とする。図4(c)には、宛先識別符号R5に対応する代替ネクストホップ識別符号として、識別符号R3が対応付けられたことが示されている。
制御装置10は、他のルーティングテーブルT2〜T5についても同様の処理によって拡張を行う。図5(a)〜(e)には、このような処理によって拡張されたルーティングテーブルT1〜T5が示されている。
(2−2−3)拡張処理のまとめ
このように、制御装置10は、ルーティングテーブルT1〜T5に基づいて、各ルーティングテーブルにおける各宛先識別符号にネクストホップ識別符号および代替ネクストホップ識別符号を対応付けて、各ルーティングテーブルを拡張する。制御装置10が1つのルーティングテーブルTjについて実行する処理は次のようになる。
このように、制御装置10は、ルーティングテーブルT1〜T5に基づいて、各ルーティングテーブルにおける各宛先識別符号にネクストホップ識別符号および代替ネクストホップ識別符号を対応付けて、各ルーティングテーブルを拡張する。制御装置10が1つのルーティングテーブルTjについて実行する処理は次のようになる。
制御装置10は、ルーティングテーブルTjにおいて、中継回数Hpがnとされているネクストホップ識別符号Riに対応する宛先識別符号Rkを抽出する。ここで、nは0以上の整数である。制御装置10は、ルーティングテーブルTkを参照し、中継回数Hpが0であるネクストホップ識別符号に対応付けられた宛先識別符号のうち、パケットの返送を回避した識別符号をルーティングテーブルTkから抽出する。これによって抽出される識別符号Rmは、無線機Rjからn+1回の中継を介してパケットが到達する無線機の識別符号である。
次に、制御装置10は、ルーティングテーブルTjにおける宛先識別符号Rmに対して、上記ネクストホップ識別符号Riをネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号として対応付けることを試みる。この処理は、(i)ルーティングテーブルTjにおける宛先識別符号Rmに対してネクストホップ識別符号が未だ対応付けられていない場合、(ii)ルーティングテーブルTjにおける宛先識別符号Rmに対し、ネクストホップ識別符号が既に対応付けられているものの、代替ネクストホップ識別符号が未だ対応付けられていない場合、または、(iii)ルーティングテーブルTjにおける宛先識別符号Rmに対し、ネクストホップ識別符号および代替ネクストホップ識別符号のいずれもが既に対応付けられている場合に応じて異なった処理となる。
上記(i)の場合には、制御装置10は、宛先識別符号Rmに対し、識別符号Riをネクストホップ識別符号として対応付ける。このネクストホップ識別符号に対する中継回数Hpはn+1である。
上記(ii)の場合には、制御装置10は、宛先識別符号Rmに対し、識別符号Riを代替ネクストホップ識別符号として対応付ける。この代替ネクストホップ識別符号に対する中継回数Hpはn+1である。
上記(iii)の場合には、制御装置10は、宛先識別符号Rmに対し、ネクストホップ識別符号および代替ネクストホップ識別符号を新たに対応付ける処理を行わなくてもよい。
なお、制御装置10は、ネクストホップ識別符号と同一の識別符号は、代替ネクストホップ識別符号とはせず、別途探索された識別符号を代替ネクストホップ識別符号とする。制御装置10は、ルーティングテーブルTjに含まれる空欄の数が最小となるまで、nの値を1ずつ増加させながらこの処理を繰り返す。
(2−2−4)受信信号レベルに基づく通信経路の確立
ルーティングテーブルを拡張するために通信経路の探索を行った場合、1つの宛先に対応付けることが可能なネクストホップ無線機として複数のネクストホップ無線機が見い出され、複数通りの通信経路が見い出されることがある。すなわち、1つの宛先識別符号に対し、ネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号として対応付けることが可能な複数の識別符号が見い出されることがある。この場合、例えば、複数の識別符号のうち1つを予め定められた順位に基づき、またはランダムに選択し、ネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号とする。また、次に説明するように、通信状況が良好な無線機の識別符号をネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号としてもよい。
ルーティングテーブルを拡張するために通信経路の探索を行った場合、1つの宛先に対応付けることが可能なネクストホップ無線機として複数のネクストホップ無線機が見い出され、複数通りの通信経路が見い出されることがある。すなわち、1つの宛先識別符号に対し、ネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号として対応付けることが可能な複数の識別符号が見い出されることがある。この場合、例えば、複数の識別符号のうち1つを予め定められた順位に基づき、またはランダムに選択し、ネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号とする。また、次に説明するように、通信状況が良好な無線機の識別符号をネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号としてもよい。
図6(a)〜(e)には、通信状況に応じた通信経路探索を行うためのルーティングテーブルT1〜T5の例が示されている。これらのルーティングテーブルでは、ネクストホップ識別符号Rtに、中継回数Hpの他、受信信号レベルSgが対応付けられている。受信信号レベルSgは、ネクストホップ識別符号Rtで識別される無線機から送信される信号の受信信号レベルを示す。ここでは、受信信号レベルSgが1〜10の10段階で表されている。受信信号レベルSgは、上述のネクストホップ決定処理において、ネクストホップ無線機を決定する処理において測定される。
制御装置10は、1つの宛先に対応付けることが可能な複数のネクストホップ無線機が見い出された場合、受信信号レベルに基づいて1つのネクストホップ無線機を選択し、その宛先の無線機に対応付ける。具体的には、1つの宛先識別符号に対応付けるべきネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号の候補となっている複数のネクストホップ識別符号のうち、受信信号レベルSgが最も大きいものを宛先識別符号に対応付ける。受信信号レベルSgが同一である場合には、例えば、予め定められた順序に基づき、あるいはランダムに一つを選択して宛先識別符号に対応付ける。これによって、通信状況が良好な無線機の識別符号がネクストホップ識別符号または代替ネクストホップ識別符号となる。
(2−2−5)拡張処理のその他の例
図7には、マルチホップ通信システムにおいて確立される通信経路の第2の例が示されている。このマルチホップ通信システムは、7台の無線機R1〜R7を備えている。無線機R1は制御装置10に有線接続され、基幹ノードとして動作する。無線機R2〜R7は分岐ノードとして動作する。上述のネクストホップ決定処理によって、制御装置10は、各無線機からルーティングテーブルを取得する。図8Aおよび図8Bには、ネクストホップ決定処理によって生成された初期のルーティングテーブルT1〜T7が示されている。
図7には、マルチホップ通信システムにおいて確立される通信経路の第2の例が示されている。このマルチホップ通信システムは、7台の無線機R1〜R7を備えている。無線機R1は制御装置10に有線接続され、基幹ノードとして動作する。無線機R2〜R7は分岐ノードとして動作する。上述のネクストホップ決定処理によって、制御装置10は、各無線機からルーティングテーブルを取得する。図8Aおよび図8Bには、ネクストホップ決定処理によって生成された初期のルーティングテーブルT1〜T7が示されている。
図9A(a)〜(c)に示されるように、ルーティングテーブルT1では、上述の拡張処理によって、各宛先識別符号に対してネクストホップ識別符号が順に対応付けられる。図9A(a)には初期のルーティングテーブルT1が示されている。図9A(b)では、宛先識別符号R4およびR5に対し、識別符号R3およびR2がそれぞれ新たに対応付けられている。図9A(c)では、宛先識別符号R6およびR7に対し、識別符号R3およびR2がそれぞれ新たに対応付けられている。
図9Bに示されるように、ルーティングテーブルT1では、上述の拡張処理によって、各宛先識別符号に対して代替ネクストホップ識別符号が順に対応付けられる。図9B(d)では、宛先識別符号R5、R6およびR7に対し、識別符号R3、R2およびR3がそれぞれ新たに対応付けられている。図9B(e)では、宛先識別符号R2およびR4に対し、識別符号R3およびR2がそれぞれ新たに対応付けられている。図9B(f)では、宛先識別符号R3に対して識別符号R2が対応付けられている。
(2−3)拡張されたルーティングテーブルの送信
拡張された各ルーティングテーブルは、各無線機に送信される。例えば、図1に示されるマルチホップ通信システムの場合、拡張されたルーティングテーブルT1〜T5は、制御装置10から無線機R1に送信される。無線機R1は、拡張されたルーティングテーブルT1を、経路確立のための通信とは別の実体的なパケット通信を行うための通信用ルーティングテーブルとして記憶する。また、無線機R1は、拡張されたルーティングテーブルT2〜T5を、それぞれ無線機R2〜R5に宛てた経路確立用パケットによって送信する。このマルチホップ通信は、例えば、各無線機が自らに宛てられていないパケットを受信した場合に、末端側の総てのネクストホップ無線機に向けてそのパケットを中継することで行われる。各無線機は、自らに宛てられたパケットを受信した場合は、そのパケットに含まれる拡張されたルーティングテーブルを通信用ルーティングテーブルとして記憶する。
拡張された各ルーティングテーブルは、各無線機に送信される。例えば、図1に示されるマルチホップ通信システムの場合、拡張されたルーティングテーブルT1〜T5は、制御装置10から無線機R1に送信される。無線機R1は、拡張されたルーティングテーブルT1を、経路確立のための通信とは別の実体的なパケット通信を行うための通信用ルーティングテーブルとして記憶する。また、無線機R1は、拡張されたルーティングテーブルT2〜T5を、それぞれ無線機R2〜R5に宛てた経路確立用パケットによって送信する。このマルチホップ通信は、例えば、各無線機が自らに宛てられていないパケットを受信した場合に、末端側の総てのネクストホップ無線機に向けてそのパケットを中継することで行われる。各無線機は、自らに宛てられたパケットを受信した場合は、そのパケットに含まれる拡張されたルーティングテーブルを通信用ルーティングテーブルとして記憶する。
このように、本発明の実施形態に係るマルチホップ通信システムでは、ルーティング情報形成装置としての制御装置10が、複数の無線機について、無線機の間を結ぶ経路を形成する。具体的には、制御部12が備えるルーティング情報取得部12−1は、入出力ポート16を介して、各無線機からルーティング情報としてのルーティングテーブルを取得する。制御部12が備えるルーティング情報拡張部12−2は、各無線機についてのルーティングテーブルに基づいて、複数の無線機のうちの少なくとも1つについてルーティングテーブルを変更し、通信経路を拡張する。制御部12が備えるルーティング情報送信部12−3は、拡張されたルーティングテーブルを、入出力ポート16を介して各無線機に送信する。
(3)パケット通信
無線機が通信用ルーティングテーブル(拡張されたルーティングテーブル)を用いて、パケットを送受信する処理について説明する。図10には、無線機が送受信するパケットの構成が示されている。パケットは、通信経路に関する情報を含むヘッド部22、および、送信対象となる実質的な情報を含むペイロード部24を含む。
無線機が通信用ルーティングテーブル(拡張されたルーティングテーブル)を用いて、パケットを送受信する処理について説明する。図10には、無線機が送受信するパケットの構成が示されている。パケットは、通信経路に関する情報を含むヘッド部22、および、送信対象となる実質的な情報を含むペイロード部24を含む。
ヘッド部22は、宛先記述部26、ネクストホップ記述部28、および送信元記述部30を含む。宛先記述部26には、宛先となる無線機の識別符号が記述される。送信元記述部30には、パケットを最後に送信した送信元無線機の識別符号が記述される。すなわち、1回または複数回に亘ってパケットが中継された場合には、最後の中継をした無線機の識別符号が記述される。また、送信源である無線機からパケットが直接送信された場合には、その送信源の無線機の識別符号が記述される。ネクストホップ記述部28には、送信元無線機に対するネクストホップ無線機の識別符号が記述される。
パケットを受信した無線機は、ネクストホップ記述部28に記述されている識別符号を抽出し、その識別符号が自らの識別符号に一致しない場合には、そのパケットに対する処理を終了する。一方、ネクストホップ記述部28から抽出された識別符号が自らの識別符号に一致する場合には、宛先記述部26に記述されている宛先識別符号を抽出する。
無線機は、宛先記述部26から抽出された宛先識別符号が、自らの識別符号に一致する場合には、ペイロード部24に記述されている情報を取得し、その情報に対する処理を実行する。一方、無線機は、宛先記述部26から抽出された宛先識別符号が、自らの識別符号に一致しない場合には、次に説明する中継処理を実行する。
無線機は、自らの通信用ルーティングテーブルを参照し、宛先記述部26から抽出された宛先識別符号に対応付けられているネクストホップ識別符号を取得する。そして、受信したパケットのネクストホップ記述部28に、通信用ルーティングテーブルから取得したネクストホップ識別符号を上書きし、送信元記述部30に自らの識別符号を上書きした新たなパケットを生成し、その新たなパケットを送信する。
このパケットを受信した無線機は、このパケットの送信元無線機が実行した処理と同様の処理を実行する。このような処理によって、パケットは送信源の無線機から宛先の無線機へと到達する。
通信用ルーティングテーブルにおける代替ネクストホップ識別符号について説明する。マルチホップ通信システムにおいては、パケットを受信した無線機が、送信元無線機にアクノリッジパケットを送信する。この処理は、受信したパケットにおける送信元記述部30に記述されている識別符号を用いて行われる。アクノリッジパケットは、パケットが受信されたことを送信元無線機に認識させるためのパケットである。送信元無線機は、パケットを送信した後、アクノリッジパケットを受信しない場合には、送信済みのパケットのネクストホップ記述部28に代替ネクストホップ識別符号を上書きして再送用のパケットを生成し、そのパケットを送信する。このような処理によれば、ネクストホップ無線機との間の通信状況が良好でない場合に、代替ネクストホップ無線機を用いて宛先の無線機にパケットを送信することができる。
(4)経路確定処理および解除処理
マルチホップ通信システムにおいては、各無線機の通信用ルーティングテーブルを更新する通信が定期的に行われる。例えば、上述のネクストホップ決定処理および拡張処理は、所定の時間間隔で繰り返し実行される。これによって、無線機の配置が変更された場合や、無線機を取り巻く環境が変化した場合においても適切な通信経路が確立される。
マルチホップ通信システムにおいては、各無線機の通信用ルーティングテーブルを更新する通信が定期的に行われる。例えば、上述のネクストホップ決定処理および拡張処理は、所定の時間間隔で繰り返し実行される。これによって、無線機の配置が変更された場合や、無線機を取り巻く環境が変化した場合においても適切な通信経路が確立される。
しかし、各無線機の通信用ルーティングテーブルが更新される頻度が高い場合、各無線機における処理負荷が大きくなり、上記(3)で述べたパケット通信の実行が妨げられる。そこで、制御装置10は、ユーザの操作に応じて経路確定処理を実行する。この処理は、各無線機に対し、ネクストホップ決定処理およびルーティングテーブルを制御装置10に送信する処理(以下、これらを併せたものを経路更新処理とする。)の実行を禁止し、通信用ルーティングテーブルを確定させる処理である。
制御装置10は、経路確定処理を実行するための操作が操作部18において行われると、基幹ノードの無線機に確定化パケットを送信する。確定化パケットは、経路更新処理の実行停止の指令を各無線機に与えるパケットである。
確定化パケットは、基幹ノードの無線機から他の無線機に送信される。例えば、図1に示されるマルチホップ通信システムの場合、確定化パケットは制御装置10から無線機R1に送信され、無線機R1は、確定化パケットを無線機R2〜R5に送信する。この送信処理は、各無線機が、末端側の総てのネクストホップ無線機に向けて確定化パケットを中継することで行われる。確定化パケットを受信した無線機は、経路更新処理の実行を停止する。
また、制御装置10は、ユーザの操作に応じて解除処理を実行する。この処理は、経路更新処理が禁止されている各無線機に対し、経路更新処理を再開させる処理である。制御装置10は、解除処理を実行するための操作が操作部18において行われると、基幹ノードの無線機に解除パケットを送信する。解除パケットは、経路更新処理を再開すべきとの指令を各無線機に与えるパケットである。解除パケットは、確定化パケットと同様、制御装置10から各無線機に送信される。解除パケットを受信した無線機は、経路更新処理を再開する。
経路確定処理および解除処理は、複数の無線機が、各無線機のルーティングテーブルを自律分散的に生成する一般的なマルチホップ通信システムにおいて実行してもよい。すなわち、上述のネクストホップ決定処理および拡張処理の他、これらの処理によって得られる通信用ルーティングテーブルと同様のルーティングテーブルが生成される処理を実行するマルチホップ通信システムにおいて、通信経路確定処理および解除処理を実行してもよい。
このように、本発明の実施形態に係るマルチホップ通信システムでは、複数の無線機が、無線機の間を結ぶ経路としてのノード間経路を更新する経路更新処理を行う。制御部12が備える確定化パケット送信部12−4は、経路更新処理に基づく経路更新通信を停止させ、各無線機が有しているルーティング情報としてのルーティングテーブルを確定する確定化パケットを、入出力ポート16を介して各無線機に送信する。また、制御部12に構成される解除パケット送信部12−5は、経路更新処理を再開すべきとの指令を各無線機に与える解除パケットを、入出力ポート16を介して各無線機に送信する。
(5)ユーザによる経路確立
上述のネクストホップ決定処理では、各無線機は、他の無線機との間で経路確立用パケットを送受信し、ネクストホップ無線機が決定された初期のルーティングテーブルを生成する。各無線機は、初期のルーティングテーブルを制御装置10に送信する。制御装置10は、各無線機から送信された初期のルーティングテーブルに対して拡張処理を実行し、各無線機についてのルーティングテーブルを拡張する。
上述のネクストホップ決定処理では、各無線機は、他の無線機との間で経路確立用パケットを送受信し、ネクストホップ無線機が決定された初期のルーティングテーブルを生成する。各無線機は、初期のルーティングテーブルを制御装置10に送信する。制御装置10は、各無線機から送信された初期のルーティングテーブルに対して拡張処理を実行し、各無線機についてのルーティングテーブルを拡張する。
このように、各無線機の初期のルーティングテーブルを、ネクストホップ決定処理によって生成する代わりに、ユーザの操作によって生成してもよい。
この場合、制御部12は、ユーザの操作に基づき、初期のルーティングテーブルを生成する。この処理は、マルチホップ通信システムの通信経路を表示部20に描くユーザ操作と共に行われる。すなわち、ユーザは、制御部12が実行するグラフィックプログラムに従い、操作部18の操作によって表示部20に通信経路を描く。制御部12は、表示部20に描かれた通信経路に基づいて初期のルーティングテーブルを生成する。これによって、ユーザの操作に基づいて通信経路が指定され、各ノード間経路が指定される。
図11には、表示部20に描かれる通信経路の例が示されている。この通信経路は、図1に示される通信経路と同一である。図11では、無線機R1〜R5が丸印によって示されている。白丸印は基幹ノードとして動作する無線機であることを示し、黒丸印は末端ノードまたは分岐ノードとして動作する無線機であることを示す。また、図11では、ノード間経路が直線によって示されている。通信経路を表示部20に描く操作が行われることで、制御部12は、図3(a)〜(e)に示されるルーティングテーブルT1〜T5を初期のルーティングテーブルとして生成する。
制御部12は、各無線機について生成された初期のルーティングテーブルに対し、上述の拡張処理を施し、拡張されたルーティングテーブルを生成する。図11に示される通信経路がユーザによって指定された場合には、拡張処理によって、図5(a)〜(e)に示されるような拡張されたルーティングテーブルT1〜T5が生成される。制御部12は、拡張された各ルーティングテーブルを各無線機に送信する。
上述のネクストホップ決定処理によれば、初期のルーティングテーブルを迅速に生成することができる。しかし、頻繁に移動する無線機がある等、通信条件が頻繁に変化する場合には、ネクストホップ決定処理では適切な通信経路が確立されないことがある。例えば、頻繁に移動する無線機が分岐ノードとなった場合、その分岐ノードが介在するマルチホップ通信は、通信状況が良好とならないことがある。ユーザの操作によって通信経路を確立する処理によれば、より適切な通信経路を確立させることができる。例えば、頻繁に移動する無線機を末端ノードとすることで、マルチホップ通信の状況を良好にすることができる。
このように、本発明の実施形態に係るマルチホップ通信システムでは、ルーティング情報形成装置としての制御装置10が、複数の無線機について、無線機の間を結ぶ経路としてノード間経路を形成する。操作部18は、ユーザの操作に基づいて、無線機の間を結ぶ経路としてノード間経路を指定する。制御部12が備えるルーティング情報生成部12−6は、操作部18によって指定されたルートに基づいて、各無線機についてルーティング情報としてのルーティングテーブルを生成する。制御部12が備えるルーティング情報送信部12−3は、入出力ポート16を介して、各無線機にルーティングテーブルを送信する。
(6)ユーザによる経路変更
ユーザの操作によって各無線機の初期のルーティングテーブルを生成する代わりに、ネクストホップ決定処理によって生成された各無線機の初期のルーティングテーブルを、ユーザの操作によって変更する処理を実行してもよい。
ユーザの操作によって各無線機の初期のルーティングテーブルを生成する代わりに、ネクストホップ決定処理によって生成された各無線機の初期のルーティングテーブルを、ユーザの操作によって変更する処理を実行してもよい。
制御部12は、ネクストホップ決定処理によって各無線機から送信された初期のルーティングテーブルに基づいて、通信経路を示す画像データを生成し、その通信経路を表示部20に表示する。ユーザは、制御部12が実行するグラフィックプログラムに従い、表示部20に表示された通信経路を操作部18の操作によって変更する。
例えば、ネクストホップ決定処理によって生成された各無線機の初期のルーティングテーブルによって、図11に示されるような通信経路が表示部20に表示されているものとする。この場合、無線機R4を末端ノードとしたり、無線機R3と無線機R5との間を結ぶノード間経路を追加したりする等の変更が行われてもよい。
制御部12は、変更された通信経路に基づいて初期のルーティングテーブルを変更する。図12には、無線機R4と無線機R5との間を結ぶノード間経路、および、無線機R2と無線機R4との間を結ぶノード間経路を削除して無線機R4を末端ノードとし、無線機R3と無線機R5との間を結ぶ通信経路を追加した場合の通信経路が示されている。このような通信経路は、無線機R4が頻繁に移動する、無線信号を遮る物体の配置が変化する等の場合に適している。すなわち、無線機R4が末端ノードとなることで、通信状況が劣化することが回避される。この通信経路に対する初期のルーティングテーブルT1〜T5は、図3に示される内容から図13に示される内容に変更される。
制御部12は、通信網が変更された後の各無線機の初期のルーティングテーブルに対し、上述の拡張処理を施し、拡張されたルーティングテーブルを生成する。図14(a)〜(e)には、拡張されたルーティングテーブルT1〜T5が示されている。制御部12は、拡張された各ルーティングテーブルを各無線機に送信する。
このように、本発明の実施形態に係るマルチホップ通信システムでは、ルーティング情報形成装置としての制御装置10が表示部20を備える。表示部20は、各無線機について取得された初期のルーティング情報、すなわち、初期のルーティングテーブルに基づいて、無線機の間を結ぶ経路としてのノード間経路をユーザに示す。制御部12が備えるルーティング情報拡張部12−2は、各無線機について取得されたルーティングテーブルに加えて、ユーザの操作に基づいて、複数の無線機のうちの少なくとも1つについてルーティングテーブルを変更する。
ユーザの操作によって各無線機の初期のルーティングテーブルを生成する場合、無線機の数が多い場合には、通信経路を確立する処理に長時間が要されることがある。そこで、ネクストホップ決定処理にユーザ操作による処理を組み合わせることで、迅速かつ適切に通信経路を確立することができる。
なお、ユーザの操作によって通信経路を確立または変更する処理においては、図11および図12に示されるような図形を操作部18で指定する代わりに、図3および図13に示されるようなルーティングテーブルの内容を指定するものとしてもよい。
10 制御装置、12 制御部、12−1 ルーティング情報取得部、12−2 ルーティング情報拡張部、12−3 ルーティング情報送信部、12−4 確定化パケット送信部、12−5 解除パケット送信部、12−6 ルーティング情報生成部、14 記憶部、16 入出力ポート、18 操作部、20 表示部、22 ヘッド部、24 ペイロード部、26 宛先記述部、28 ネクストホップ記述部、30 送信元記述部。
Claims (5)
- マルチホップ通信を行う複数の無線機について、無線機の間を結ぶ経路を形成するルーティング情報形成装置において、
複数の無線機のそれぞれから、ルーティング情報を取得するルーティング情報取得部と、
各無線機についてのルーティング情報に基づいて、複数の無線機のうちの少なくとも1つについてルーティング情報を変更し、無線機の間を結ぶ経路を拡張するルーティング情報拡張部と、
拡張後のルーティング情報を無線機に送信するルーティング情報送信部と、
を備えることを特徴とするルーティング情報形成装置。 - 請求項1に記載のルーティング情報形成装置において、
各無線機について取得されたルーティング情報に基づいて、無線機の間を結ぶ経路をユーザに示す表示部を備え、
前記ルーティング情報拡張部は、
各無線機について取得されたルーティング情報に加えて、ユーザの操作に基づいて、複数の無線機のうちの少なくとも1つについてルーティング情報を変更することを特徴とするルーティング情報形成装置。 - 複数の無線機が、無線機の間を結ぶ経路を更新する経路更新通信を行う、請求項1または請求項2に記載のルーティング情報形成装置において、
前記経路更新通信を停止させ、各無線機が有しているルーティング情報を確定する確定化パケットを、各無線機に送信する確定化パケット送信部を備えることを特徴とするルーティング情報形成装置。 - マルチホップ通信を行う複数の無線機について、無線機の間を結ぶ経路を形成するルーティング情報形成装置において、
ユーザの操作に基づいて、無線機の間を結ぶ経路を指定する操作部と、
前記操作部によって指定されたルートに基づいて、各無線機についてルーティング情報を生成するルーティング情報生成部と、
各無線機にルーティング情報を送信するルーティング情報送信部と、を備えることを特徴とするルーティング情報形成装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のルーティング情報形成装置において、
各無線機のルーティング情報は、
宛先無線機と、その宛先無線機にパケットを送信する際のネクストホップ無線機とを対応付けた情報を含むことを特徴とするルーティング情報形成装置。
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