以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。以下、本実施の形態では可変表示を変動表示と表現する場合があるが、可変表示と変動表示は同義である。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、1つの特別図柄表示器のみを備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄)の可変表示が行われる。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9の表示画面には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)になる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示が使用されるが、演出表示装置9で行われる演出は、演出図柄の変動表示に限られず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面下部には、図1及び図33に示すように、第1保留記憶に対応する保留表示と第2保留記憶に対応する保留表示とを、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14への始動入賞順に表示する保留記憶表示エリア18Cが設けられている。また、演出表示装置9の表示画面における保留記憶表示エリア18Cの左方には、実行中の変動表示に対応する保留表示を消費保留表示として表示する消費保留アクティブ表示エリア9Fの表示領域がある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターン指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。よって、変動パターン指定コマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、同期して実行される。同期するとは、変更開始タイミングおよび変動終了タイミングが略同じであることを意味する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域7には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態:通常状態と比較して大当りとなる確率が高められた遊技状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8や演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる。)ように制御された遊技状態である高ベース状態(高頻度状態)に移行する。高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータは、遊技の進行状態を示すデータに相当する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新する乱数発生機能を有する。そして、読出される数値データが乱数値として使用される。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。また、単方向性回路は、各信号に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作を説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り決定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り決定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り決定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、CPU56は、乱数を用いた変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図3に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り決定用乱数等の各決定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(決定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1:大当りの種類(確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別決定用)。(2)ランダム2:変動パターンの(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)。(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り決定用)。(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)。
図3に示されたタイマ割込処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(3)の普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが決定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り決定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り決定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り決定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または通常大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図5(B),(C)は、突然確変判定テーブルを示す説明図である。突然確変判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される突然確変判定値が設定されているテーブルである。突然確変判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる突然確変判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる突然確変判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。突然確変判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、突然確変判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),(C)に記載されている数値が突然確変判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),(C)に示すいずれかの突然確変判定値に一致すると、突然確変にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),(C)に示す「確率」は、突然確変になる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、突然確変にするか否か決定するということは、大当り遊技状態となり易い(大当り図柄が表示され易い)ことで遊技者にとって有利な確変状態(高確低ベース状態)に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を、突然確変に対応するノーマルリーチはずれの図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、本例では、突然確変にすることに決定する乱数として、大当り判定用乱数(ランダムR)を用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら大当り判定用乱数(ランダムR)とは異なる、突然確変判定用の専用の乱数を用いるようにしても良い。
ここで「突然確変」とは、「確変大当り」や「通常大当り」とは異なり、大入賞口の開放制御が実行されることなく確変状態に移行するものである。すなわち、「突然確変」となった場合には、一般的な大当りや小当りにおいて実行される大入賞口が複数回開放されるラウンド制御が実行されることなく確変状態に移行される。そして、移行した確変状態は、次の大当りが発生するまで維持されるが、「確変大当り」後の確変状態とは異なり、時短状態には移行しないために、遊技者からは、通常状態である低確低ベース状態と区別がつかない高確低ベース状態となるので、確変状態であるのか否かが遊技者からは不明ないわゆる潜伏状態となる。
なお、この実施の形態では、図5(B),(C)に示すように、突然確変判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で突然確変と決定されるのに対して、突然確変判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には450分の1の割合で突然確変と決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変と決定される割合が高い。
また、本例では、「突然確変」に割り当てられている突然確変判定値が、大当り判定値と重複しないように設定されているので、大当りと突然確変とが同時に決定されることはないが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、突然確変と通常大当りとが同時に決定された場合には、確変大当りとする等のようにしても良い。
図5(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
「通常大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を非確変状態(低確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、特別図柄の可変表示(変動)が100回実行されるまで継続する。「確変大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、次に大当りが発生するまで継続する。
なお、この実施の形態では、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」があるが、他の大当り種別があってもよい。
図6(A)及び図6(B)は、ROM54に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図6(A)には、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されており、図6(B)には、変動パターンごとの変動時間、変動パターンの内容及び後述する変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータが示されている。図6(A)に示すように、例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6(A)の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの80%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図6(A)に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図6(A)に示すように、例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6(A)の「はずれ」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、例えば、時短状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6(A)の「はずれ(時短時)」フィールド)においては、「はずれ」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」(図6(A)における非リーチはずれ(通常変動))と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」(図6(A)における非リーチはずれ(時短時通常変動))と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。尚、図6(B)に示すように、「非リーチはずれ(通常変動)」の変動パターンの変動時間は12秒であるのに対して、「非リーチはずれ(時短時通常変動)」の変動パターンの変動時間は4秒となっているため、このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、可変表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合(図6(A)の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、変動パターンのうち、「スーパーリーチ当り」と判定される割合が95%、「ノーマルリーチ当り」と判定される割合が5%と鳴るように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、ノーマルリーチよりもスーパーリーチを伴う変動パターンが選択されやすい。従って、リーチ演出は、ノーマルリーチよりもスーパーリーチが実行される方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。
また、図6(A)に示す例では、「突然確変」にする旨の判定がなされている場合(図6(A)の「突然確変」フィールド)においては、変動パターンは一義的に「ノーマルリーチはずれ」と判定される。
図7、図8及び図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7、図8及び図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターン指定コマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6(A)に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターン指定コマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、突然確変とするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動表示)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図13参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて大当りとなるか否かを判定するとともに、その始動入賞にもとづく可変表示の変動パターンを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
尚、コマンド9501(H)は、入賞時に非リーチはずれと判定したことを指定する入賞時判定結果1指定コマンドである。コマンド9502(H)は、入賞時にノーマルリーチはずれと判定したことを指定する入賞時判定結果2指定コマンドである。コマンド9503(H)は、入賞時にスーパーリーチはずれと判定したことを指定する入賞時判定結果3指定コマンドである。コマンド9504(H)は、入賞時にノーマルリーチ大当りと判定したことを指定する入賞時判定結果4指定コマンドである。コマンド9505(H)は、入賞時にスーパーリーチ大当りと判定したことを指定する入賞時判定結果5指定コマンドである。コマンド9505(H)は、入賞時に突然確変によるノーマルはずれと特定したことを指定する入賞時判定結果6指定コマンドである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。具体的には、後述する確変フラグも時短フラグもセットされていない通常状態に移行したときには通常状態指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信され、確変フラグがセットされて確変状態に移行したときには確変状態指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信され、時短フラグがセットされて時短状態に移行したときには時短状態指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。よって、前述した突然確変となって潜伏状態となるときには、確変状態指定コマンドだけが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されて、時短状態指定コマンドは送信されないことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、潜伏状態であることを特定できるようになっている。
なお、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド、および通常状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数がXXで示す数になったことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。
また、この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、本実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図12(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図12(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図12(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図12(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図12(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図12(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図12(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S1218)。
なお、S1218の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図12(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時判定処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時判定処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時判定処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図12(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S1229)。
なお、S1229の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
図13は、S218A,S218Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、S215A,S215Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S221)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして大当りに対応するデータ(「04」または「05」:図9参照)を設定する(S225)。そして、S231に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、始動入賞にもとづいて開始される変動(変動表示)の開始時の遊技状態が確変状態になるか否か、すなわち、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S222)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値(図5(A)参照)と位置するか否かを判定する(S223)。大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値に一致する場合は、S225の処理を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)が突然確変の判定値と一致するか否かを確認する(S223a)。大当り判定用乱数(ランダムR)が突然確変の判定値と一致する場合は、CPU56は、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして入賞時に突然確変によるノーマルリーチはずれに対応するデータ(「06」:図9参照)を設定する(S223b)。そして、S231に移行する。大当り判定用乱数(ランダムR)が突然確変の判定値と一致しない場合は、S1216,S1227の処理で抽出され保留記憶バッファに格納された変動パターン決定用乱数と変動パターン判定テーブル(図6参照)とを用いて、変動パターンがリーチ演出を伴うリーチ変動パターンになるか否か判定する(S226,S227)。また、合算保留記憶数が多い場合に平均的な変動時間を短縮するように構成され、変動パターン判定テーブルにおいて合算保留記憶数の多寡に関わらず特定のリーチ変動パターン(例えば、スーパーリーチ)には共通の判定(変動パターン決定用乱数の値と比較される)が割り当てられている場合に、CPU56は、いずれの合算保留記憶数であっても、変動パターン決定用乱数の値が判定値と一致したときには特定のリーチ変動パターンになると判定できる。
変動パターンがリーチ変動パターンになる場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、リーチの種類に応じたリーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンであるが、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「02」または「03」:図9参照)を設定する(S228)。そして、S231に移行する。
変動パターンがリーチ変動パターンにならない場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、非リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンではなく、かつ、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「01」:図9参照)を設定する(S229)。そして、S231に移行する。
S231では、CPU56は、S223b,S225,S228,S229の処理でEXTデータが設定された入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、図12(A)に示す保留特定領域の最初の領域にセットされているデータが第1始動入賞口13への始動入賞を示す「第1」のデータであるか否かを判定する(S52)。保留特定領域の最初の領域にセットされているデータが「第1」のデータである場合は(S52;Y)CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(S53)。
保留特定領域の最初の領域にセットされているデータが「第2」のデータである場合は(S52;N)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(S54)。
本実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した順に実行される。なお、本実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とへの遊技球の入賞順に実行されるが、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるようにしてもよく、また、第1特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図5(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(S61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS216Aや第2始動口スイッチ通過処理のS216Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かを確認することによって判定される。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、CPU56は、突然確変判定テーブル(図5(B),(C)参照)を使用して突然確変の判定の処理を行う(S62)。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(B),(C)に示すいずれかの突然確変判定値に一致すると、突然確変とすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す突然確変判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて突然確変とするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す突然確変判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて突然確変とするか否かを決定する。そして、突然確変とすることに決定した場合には(S62のY)、CPU56は、突然確変であることを示す突然確変フラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および突然確変判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、CPU56は、大当り種別判定テーブル(図5(D)参照)を選択し(S72)、該大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、突然確変フラグがセットされている場合には、突然確変図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
尚、本実施の形態では、S75において特別図柄の停止図柄を決定する際、突然確変フラグがセットされている場合には、突然確変図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突然確変フラグがセットされている場合には、はずれである場合と同様に、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定し、変動表示結果が突然確変に対応するノーマルリーチはずれであるのか、通常(突然確変ではない)のノーマルリーチはずれであるのかを、遊技者が特別図柄の停止図柄から判別できないようにしても良い。
なお、本実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定するが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、本実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図15は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(S92)。そして、S101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(S93)。突然確変フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「突然確変」フィールドを選択する(S94)。そして、S101に移行する。
突然確変フラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(S95のY)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する(S96)。そして、S101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する(S97)。そして、S101に移行する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数(ランダム2)を読み出すとともに、S92、S94、S96またはS97のいずれかの処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、演出図柄の変動パターンを決定する(S101)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが演出表示装置9で実行される演出図柄の変動パターンと決定される。なお、本実施の形態では、変動パターン決定用乱数は始動入賞発生時に抽出され乱数格納バッファに格納されているが、CPU56は、変動パターン決定用乱数を、特別図柄の変動開始時に抽出(例えば、変動パターン設定処理において抽出)し、抽出した乱数にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンド)を送信する制御を行い(S102)、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)を送信する制御を行う(S103)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(S104)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に応じた値に更新する(S105)。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
また、S133で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S140)。セットされている場合には、S146aに移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。セットされていない場合には、時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、時短フラグをリセットする(S145)。また、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S146)。
S140において確変フラグがセットされている場合、S141において時短フラグがセットされていない場合、S144において時短回数カウンタが0でない場合またはS146の実行後、CPU56は、突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(S146a)。突然確変フラグがセットされていない場合はS147へ移行し、突然確変フラグがセットされている場合は、突然確変フラグをリセットし(S146b)、確変フラグがセットされているか否かを確認する(S146c)。確変フラグがセットされている場合はS147へ移行し、確変フラグがセットされていない場合は、確変フラグをセットし(S146d)、確変状態指定コマンドの送信設定を実行する(S146e)。
そして、S147では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する。
図17は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(S162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(S166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には、S172に移行する。
確変大当りである場合には、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(S171)。そして、S174に移行する。
S170,S171の処理が実行されることによって、本実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときに、遊技状態が確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。
なお、本実施の形態では、S173の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
S172では、CPU56は、時短回数(時短状態における変動可能回数)をカウントするための時短回数カウンタに所定数(例えば、100)をセットする(S172)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(S173)。そして、S174に移行する。
S174では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、または確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御(送信設定)を行う。S174の処理で、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグと時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンド及び時短状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変状態であることを示す確変フラグがセットされておらず時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態指定コマンドのみを送信する制御を行う。
なお、本実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S175)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図18は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。さらに、演出図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図7〜図9参照)であるのか解析する。
図19は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。以上の処理によって、1つの演出制御コマンド(2バイトのコマンド)が取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターン指定コマンドを、RAMに形成されている変動パターン指定コマンド格納領域に格納する(S622)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU101は、受信した図柄確定指定コマンドに対応する図柄確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXT値を入賞時判定結果記憶バッファの開いている最初の格納領域に格納する(S665)。
そして、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドでれば、演出制御用CPU101は、受信したコマンドに対応するフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。例えば、その他のコマンドとして受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであればサブ側確変フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであればサブ側確変フラグをセットし、受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば、セットされているサブ側確変フラグとサブ側時短フラグ(いずれか一方の場合もある)をリセット(クリア)する。
図20は、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファの構成例を示す説明図である。図20(A)に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。
各々の格納領域には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータを格納する領域と、保留記憶表示エリア18C及び消費保留アクティブ表示エリア9Fにおける保留表示の表示変化態様を示す保留予告パターンを格納する領域と、保留記憶表示エリア18C及び消費保留アクティブ表示エリア9Fにおける保留表示の表示態様を示す表示態様フラグを格納する領域と、保留表示の表示態様を通常の「青」にて表示することを示す通常態様フラグを格納する領域と、が設けられている。
また、図20(C)に示すように、アクティブ表示記憶バッファは、変動表示が実行される保留記憶が、消費保留記憶として格納されるバッファである。アクティブ表示記憶バッファには、1の消費保留記憶に対応した領域(格納領域0)が確保されている。この格納領域0には、入賞時判定結果記憶バッファと同様に、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータを格納する領域と、保留予告パターンを格納する領域と、表示態様フラグを格納する領域と、通常態様フラグを格納する領域と、が設けられている。
尚、本実施の形態における表示態様フラグとしては、「0」を含む「0」〜「4」の自然数のいずれかがセットされるようになっており、表示態様フラグに「0」がセットされている場合は保留表示が「青」で表示され、表示態様フラグに「1」がセットされている場合は保留表示が「黄」で表示され、表示態様フラグに「2」がセットされている場合は保留表示が「赤」で表示され、表示態様フラグに「3」がセットされている場合は保留表示が「黒」で表示され、表示態様フラグに「4」がセットされている場合は保留表示が「金」で表示されるようになっている。
図21は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図21に示すように、本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、保留予告演出決定用乱数SR2、通常予告演出決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の変動表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の変動表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
保留予告演出決定用乱数SR2は、先読み予告演出としての保留予告(メモリ予告)及び消費保留アクティブ表示エリアにて表示される消費保留表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。
通常予告演出決定用乱数SR3は、通常予告演出(実行中の変動表示の表示結果が大当り図柄になる可能性(信頼度)を報知するための演出)を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。なお、通常予告演出は、1回の変動表示中に実行される予告演出である。
図22は、保留表示の変化例を示す説明図である。図22には、始動入賞にもとづく演出図柄の変動表示(変動)が開始される前に保留表示の態様(表示態様)が変化する変動開始前態様変化の例が示されている。なお、図22には、変動表示(変動)が開始される前の時点として、始動入賞が生じたときが例示されている。
図22に示す例では、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の変動表示が実行されているときに(図22(A)参照)、新たな始動入賞が発生すると、保留記憶表示エリア18Cにおける通常保留表示の数が1増えるが、新たな始動入賞に対応する通常保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示されることがある(図22(B)参照)。
その後、保留表示Aにもとづく変動表示を開始可能な状態になると(図22(C)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、変動表示を開始するときに、保留表示Aを消費保留アクティブ表示エリア9Fの内部に表示する(図22(D,E)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶表示エリア18Cから保留表示Aを消去する。
図23は、保留表示の変化の他の例を示す説明図である。図23左側(A)〜図23左側(E)には、演出図柄の変動表示(変動)が開始された後であってリーチになる前に消費保留表示の態様が変化するリーチ前態様変化の例が示されている。
図23左側(A)〜図23左側(E)に示す例では、変動表示を開始可能な状態になると(図23左側(A)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、変動表示を開始するときに、開始される変動表示に対応する保留表示(保留表示Bとする。)を消費保留アクティブ表示エリア9Fの内部に表示する(図23左側(B)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶表示エリア18Cから保留表示Bを消去する。
その後、リーチになる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、消費保留アクティブ表示エリア9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図23左側(C)参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、消費保留アクティブ表示エリア9Fの内部で消費保留表示の態様を変化させる(図23左側(C)参照)。
そして、リーチになった後、最終停止図柄が導出表示される(図23左側(D),(E)参照)。
図23右側(A)〜図23右側(E)に示す例では、変動表示を開始可能な状態になると(図23右側(A)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、変動表示を開始するときに、開始される変動表示に対応する保留表示(保留表示Cとする。)を消費保留アクティブ表示エリア9Fの内部に表示する(図23右側(B)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留記憶表示エリア18Cから保留表示Cを消去する。
その後、リーチになる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、消費保留アクティブ表示エリア9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図23右側(C)参照)。この時点では、消費保留アクティブ表示エリア9Fの内部で消費保留表示の態様は変化しない。
そして、リーチになった後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、消費保留アクティブ表示エリア9Fの内部で保留表示の態様を変化させる(図23右側(D),(E)参照)。
なお、変動表示開始時を起点として、図23右側(C)においてキャラクタ画像9aの表示が開始される時点は、図23左側(C)においてキャラクタ画像9aの表示が開始される時点と同じである。
また、本実施の形態では、キャラクタ画像9aのみが使用されるが、複数種類のキャラクタ画像から選択して使用するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになる場合に、はずれになる場合に比べて、特定のャラクタ画像を高い割合で選択する。また、キャラクタ画像の違いに応じて、保留表示の態様を変化させる割合を異ならせてもよい。
また、本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aを表示した場合に、リーチになる前またはリーチになった後に消費保留表示の態様が必ず変化するように制御するが、すなわち、消費保留表示の態様を変化させない場合(図27におけるパターン1,4,5参照)にはキャラクタ画像9aを表示しないが、リーチになる前およびリーチになった後に消費保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示するようにしてもよい。
図24は、メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、保留予告処理を実行した後(S800A)、消費保留アクティブ表示エリア9F及び保留記憶表示エリア18Cにおける保留表示の表示を更新する保留表示更新処理を実行する(S800B)。
保留表示更新処理の実行後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する
図25は、保留予告処理(S800A)を示すフローチャートである。保留予告処理において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファを参照し、保留予告パターンがセットされていないエントリ(格納領域)が有るか否かを判定する(S6001)。保留予告パターンがセットされていないエントリが無い場合は(S6001;N)保留予告処理を終了し、保留予告パターンがセットされていないエントリが有る場合は(S6001;Y)、該保留予告パターンがセットされていないエントリに格納されている入賞時判定結果指定コマンドが「非リーチはずれ」を示しているか否かを判定する(S6002)。
入賞時判定結果指定コマンドが「非リーチはずれ」を示している場合は(S6002;Y)、入賞時判定結果記憶バッファの保留予告パターンの格納領域に、保留予告パターンが保留予告パターン1であることを示す「1」をセットし(S6017)、入賞時判定結果指定コマンドが「非リーチはずれ」を示していない場合は(S6002;N)、入賞時判定結果指定コマンドは「突然確変」または「ノーマルリーチはずれ」を示しているか否か、つまり、入賞時判定結果指定コマンドは、入賞時判定結果6指定コマンドまたは入賞時判定結果2指定コマンドであるか否かを判定する(6003)。入賞時判定結果指定コマンドが「突然確変」または「ノーマルリーチはずれ」を示している場合は(S6003;Y)、S6021に移行する。
入賞時判定結果指定コマンドが突然確変を示していない場合は(S6003;N)、演出制御用CPU101は、保留予告演出決定用乱数SR2を抽出し、該保留予告演出決定用乱数SR2と、入賞時判定結果指定コマンドとにもとづいて、保留予告演出決定用テーブル(大当り・スーパーリーチはずれ用)を用いて実行する保留予告演出の保留予告パターンを決定する(S6006)。
図27は、ステップS6006の処理で使用される保留予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。図27に示すように、決定する保留予告パターンとして保留予告パターン1〜保留予告パターン9が用意されている。これら保留予告パターンには、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、およびリーチ後の消費保留表示としての態様と、判定値数(%)とが、対応して設定されている。
保留予告パターン1は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の保留表示の態様、リーチ後の保留表示の態様が、「青」、「青」、「青」であり、保留予告を実行しないことに対応するパターンである。「青」は、保留表示の通常態様だからである。保留予告パターン2は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「青」、「黄」であり、リーチ演出中(リーチ後)にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン3は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「黄」、「黄」であり、リーチ演出前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。
保留予告パターン4は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「黄」、「黄」、「黄」であり、始動入賞時にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン5は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「赤」、「赤」、「赤」であり、始動入賞時にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン6は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「黄」、「赤」、「赤」であり、始動入賞時とリーチ演出前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。
保留予告パターン7は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「赤」、「赤」であり、リーチ演出前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン8は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「黄」、「黄」、「赤」であり、始動入賞時とリーチ演出中(リーチ後)にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン9は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「黄」、「赤」であり、始動入賞時とリーチ演出前、リーチ演出中(リーチ後)に保留予告を実行することに対応するパターンである。
なお、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドが大当りを示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)に使用されると、入賞時判定結果指定コマンドがスーパーリーチ(はずれ)を示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)とがある。
また、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、始動入賞時に保留表示の表示態様が「赤」になるパターン(パターン5)に多くの判定値が割り合てられている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前に特定表示結果になると判定した場合と特定表示結果にならないと判定した場合とで、異なる割合で特定態様で保留表示を表示する。
また、「赤」の態様に着目すると、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、遅いタイミング(この例では、「リーチ演出中」)で「赤」の態様に変化するパターン(パターン8,9)に、早いタイミング(この例では、「始動入賞時」および「リーチ前)で「赤」の態様に変化するパターン(パターン6,7)に比べて、多くの判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が高い)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様に変化させるかの割合を異ならせる。
また、「赤」の態様に着目すると、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、始動入賞時に「赤」の態様に変化するパターン(パターン5)に、可変表示開始中(具体的には、「リーチ前」および「リーチ演出中」)に「赤」の態様に変化するパターン(パターン6,7,8,9)に比べて、少ない判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が低い)。すなわち、可変表示中に保留表示の態様が特定態様に変化するときと、可変表示開始前に保留表示の態様が特定態様に変化するときとで、可変表示の表示結果が特定表示結果になる割合が異なる。
また、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでも保留予告演出決定テーブルでも、可変表示開始後(具体的には、「リーチ前」および「リーチ演出中」)に着目すると、可変表示開始前の保留表示の態様が「黄」である場合に比べて、「青」である場合の方が、高い割合で、可変表示開始後に、保留表示の態様が変化する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前の保留表示の態様に応じて、保留表示の態様を変化させる割合を異ならせる。
なお、図27に示す保留予告演出決定テーブルにおける判定値の割り当て方は一例であり、他の例を用いてもよい。その場合、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、最終的に「赤」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が高く、最終的に「黄」の態様になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が中程度であり、最終的に「青」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が最も低いことが好ましい。
また、可変表示開始前では、保留表示の態様を「赤」の態様(特定態様)にしないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示開始前に(一例として、始動入賞時に)、全ての時期(始動入賞時、リーチ前、リーチ後)における保留表示の態様を決定するが、入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて可変表示が開始されるまでの態様を可変表示開始前に決定し、可変表示開始時に、例えば表示結果指定コマンドにもとづいて可変表示中(リーチ前、リーチ後)の態様を決定するようにしてもよい。
始動入賞時と可変表示開始前との各々において、あらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定する場合には、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。さらに、可変表示開始前に、リーチ前の態様とリーチ後の態様とをあらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定するようにしてもよい。その場合にも、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。
尚、本実施の形態では、S6006にて決定する保留予告パターンにより始動入賞時における表示態様の変化、変動表示中のリーチ前のタイミングにおける表示態様の変化、変動表示中のリーチ演出中のタイミングにおける表示態様の変化のうちのいずれかまたは複数が実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S6006にて決定する保留予告パターンとしては、変動表示中に表示態様が変化するもののみを決定するようにしても良い。このように保留予告パターンとして変動表示中に表示態様が変化するもののみを決定する場合は、変形例として、演出制御用CPU101は、始動入賞時のタイミングで保留予告パターンを決定するのではなく、変動開始時に、実行する変動パターンや入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数に応じて保留予告パターンを決定するようにしても良い。
S6006の実行後、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの保留予告パターンの格納領域に、S6006にて決定した保留予告パターンに応じた値、つまり、S6006にて決定した保留予告パターンが保留予告パターン1である場合は「1」、S6006にて決定した保留予告パターンが保留予告パターン2である場合は「2」等をセットする(S6007)。
そして、演出制御用CPU101は、S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン1であるか否かを判定する(S6008)。S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン1である場合は(S6008;Y)、S6018に移行し、入賞時判定結果記憶バッファの表示態様フラグに保留表示の「青」の表示態様を示す「0」をセットし(S6018)、保留予告処理を終了する。S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン1でない場合は(S6008;N)、保留予告開始制限フラグがセットされているか否かを判定する(S6009)。
保留予告開始制限フラグがセットされている場合は(S6009;Y)、入賞時判定結果記憶バッファの通常態様フラグの格納領域に「1」をセットする。つまり、通常態様フラグをセットし(S6015)、S6016に移行する。保留予告開始制限フラグがセットされていない場合は(S6009;N)、演出制御用CPU101は、S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン2,3,7,9のいずれかであるか否かを判定する(S6010)。S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン2,3,7,9のいずれかである場合は(S6010;Y)、入賞時判定結果記憶バッファの表示態様フラグに保留表示の「青」の表示態様を示す「0」をセットし(S6016)、保留予告処理を終了する。S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン2,3,7,9のいずれでもない場合は(S6010;N)、S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン4,6,8のいずれかであるか否かを判定する(S6011)。
S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン4,6,8のいずれかである場合は(S6011;Y)、入賞時判定結果記憶バッファの表示態様フラグに保留表示の「黄」の表示態様を示す「1」をセットし(S6012)、保留予告処理を終了する。S6006において決定した保留予告パターンが保留予告パターン4,6,8のいずれでもない場合は(S6011;N)、入賞時判定結果記憶バッファの表示態様フラグに保留表示の「赤」の表示態様を示す「2」をセットし(S6013)、保留予告処理を終了する。
一方、S6021においては、演出制御用CPU101は、保留予告演出決定用乱数SR2を抽出し、該保留予告演出決定用乱数SR2と、入賞時判定結果指定コマンドとにもとづいて、保留予告演出決定用テーブル(突然確変・ノーマルリーチはずれ用)を用いて実行する保留予告演出の保留予告パターンを決定する(S6021)。
図28は、ステップS6021の処理で使用される保留予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。図28に示すように、決定する保留予告パターンとして保留予告パターン1、保留予告パターン12〜保留予告パターン19が用意されている。これら保留予告パターンには、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、およびリーチ後の消費保留表示としての態様と、判定値数(%)とが、対応して設定されている。
保留予告パターン1は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の保留表示の態様、リーチ後の保留表示の態様が、「青」、「青」、「青」であり、保留予告を実行しないことに対応するパターンである。「青」は、保留表示の通常態様だからである。保留予告パターン12は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「青」、「黒」であり、リーチ演出中(リーチ後)にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン13は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「黒」、「黒」であり、リーチ演出前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。
保留予告パターン14は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「黒」、「黒」、「黒」であり、始動入賞時にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン15は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「金」、「金」、「金」であり、始動入賞時にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン16は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「黒」、「金」、「金」であり、始動入賞時とリーチ演出前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。
保留予告パターン17は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「金」、「金」であり、リーチ演出前にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン18は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「黒」、「黒」、「金」であり、始動入賞時とリーチ演出中(リーチ後)にのみ保留予告を実行することに対応するパターンである。保留予告パターン19は、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の消費保留表示としての態様、リーチ後の消費保留表示としての態様が、「青」、「黒」、「金」であり、始動入賞時とリーチ演出前、リーチ演出中(リーチ後)に保留予告を実行することに対応するパターンである。
なお、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドが突然確変を示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(突然確変によるノーマルリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)と、入賞時判定結果指定コマンドがノーマルリーチ(はずれ)を示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(突然確変ではない通常のノーマルリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)とがある。
また、突然確変の場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、ノーマルリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、始動入賞時に保留表示の表示態様が「金」になるパターン(パターン15)に多くの判定値が割り合てられている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前に特定表示結果になると判定した場合と特定表示結果にならないと判定した場合とで、異なる割合で特定態様で保留表示を表示する。
また、「金」の態様に着目すると、突然確変の場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、ノーマルリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、遅いタイミング(この例では、「リーチ演出中」)で「金」の態様に変化するパターン(パターン18,19)に、早いタイミング(この例では、「始動入賞時」および「リーチ前)で「金」の態様に変化するパターン(パターン6,7)に比べて、多くの判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が高い)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様に変化させるかの割合を異ならせている。
また、「金」の態様に着目すると、突然確変の場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、ノーマルリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、始動入賞時に「金」の態様に変化するパターン(パターン5)に、可変表示開始中(具体的には、「リーチ前」および「リーチ演出中」)に「金」の態様に変化するパターン(パターン6,7,8,9)に比べて、少ない判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が低い)。すなわち、可変表示中に保留表示の態様が特定態様に変化するときと、可変表示開始前に保留表示の態様が特定態様に変化するときとで、可変表示の表示結果が特定表示結果になる割合が異なる。
また、突然確変の場合に使用される保留予告演出決定テーブルでも、可変表示開始後(具体的には、「リーチ前」および「リーチ演出中」)に着目すると、可変表示開始前の保留表示の態様が「黒」である場合に比べて、「青」である場合の方が、高い割合で、可変表示開始後に、保留表示の態様が変化する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前の保留表示の態様に応じて、保留表示の態様を変化させる割合が異なる。
具体的には、図28に示すように、入賞時判定結果指定コマンドが突然確変を示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、保留予告パターン1が1%、保留予告パターン12が2%、保留予告パターン13が5%、保留予告パターン14が7%、保留予告パターン15が8%、保留予告パターン16が10%、保留予告パターン17が18%、保留予告パターン18が24%、保留予告パターン19が25%の割合でそれぞれ実行が決定されるように設定されている。一方、入賞時判定結果指定コマンドがノーマルリーチはずれを示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、保留予告パターン1が50%、保留予告パターン12が20%、保留予告パターン13が8%、保留予告パターン14が7%、保留予告パターン15が5%、保留予告パターン16が4%、保留予告パターン17が3%、保留予告パターン18が2%、保留予告パターン19が1%の割合でそれぞれ実行が決定されるように設定されている。
なお、図28に示す保留予告演出決定テーブルにおける判定値の割り当て方は一例であり、他の例を用いてもよい。特に、入賞時判定結果指定コマンドがノーマルリーチはずれを示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブルにおいては、保留予告パターン1の実行が決定される割合を更に高める一方で、保留予告パターン12〜保留予告パターン19の実行が決定される割合を更に低く設定するようにしても良い。その場合、突然確変の場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、ノーマルリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、最終的に「金」の態様になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が高く、最終的に「黒」の態様になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が中程度であり、最終的に「青」の態様になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が最も低いことが好ましい。
また、可変表示開始前では、保留表示の態様を「金」の態様(特定態様)にしないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示開始前に(一例として、始動入賞時に)、全ての時期(始動入賞時、リーチ前、リーチ後)における保留表示の態様を決定するが、入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて可変表示が開始されるまでの態様を可変表示開始前に決定し、可変表示開始時に、例えば表示結果指定コマンドにもとづいて可変表示中(リーチ前、リーチ後)の態様を決定するようにしてもよい。
始動入賞時と可変表示開始前との各々において、あらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定する場合には、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。さらに、可変表示開始前に、リーチ前の態様とリーチ後の態様とをあらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定するようにしてもよい。その場合にも、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。
尚、本実施の形態では、S6021にて決定する保留予告パターンにより始動入賞時における表示態様の変化、変動表示中のリーチ前のタイミングにおける表示態様の変化、変動表示中のリーチ演出中のタイミングにおける表示態様の変化のうちのいずれかまたは複数が実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S6021にて決定する保留予告パターンとしては、変動表示中に表示態様が変化するもののみを決定するようにしても良い。
S6021の実行後、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの保留予告パターンの格納領域に、S6021にて決定した保留予告パターンに応じた値、つまり、S6021にて決定した保留予告パターンが保留予告パターン1である場合は「1」、S6021にて決定した保留予告パターンが保留予告パターン12である場合は「12」等をセットする(S6022)。
そして、演出制御用CPU101は、S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン1であるか否かを判定する(S6023)。S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン1である場合は(S6023;Y)、S6018を実行して保留予告処理を終了し、S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン1でない場合は(S6023;N)、保留予告開始制限フラグがセットされているか否かを判定する(S6024)。
保留予告開始制限フラグがセットされている場合は(S6024;Y)、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの通常態様フラグの格納領域に「1」をセットする。つまり、通常態様フラグをセットし(S6025)、S6016を実行して保留予告処理を終了する。保留予告開始制限フラグがセットされていない場合は(S6024;N)、演出制御用CPU101は、S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン12、13、17、19のいずれかであるか否かを判定する(S6026)。
S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン12,13,17,19のいずれかである場合は(S6026;Y)、S6016を実行して保留予告処理を終了し、S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン12,13,17,19のいずれでもない場合は(S6026;N)、演出制御用CPU101は、S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン14,16,18のいずれかであるか否かを判定する(S6027)。
S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン14,16,18のいずれかである場合は(S6027;Y)、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの表示態様フラグに保留表示の「黒」の表示態様を示す「3」をセットし(S6028)、保留予告処理を終了する。S6021において決定した保留予告パターンが保留予告パターン14,16,18のいずれでもない場合は(S6027;N)、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの表示態様フラグに保留表示の「金」の表示態様を示す「4」をセットし(S6029)、保留予告処理を終了する。
図29は、保留表示更新処理(S800B)を示すフローチャートである。保留表示更新処理において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数を特定し(S261)、該特定した保留記憶数と現在の保留記憶表示エリア18Cの保留表示数とが一致しているか否かを判定する(S262)。S261において特定した保留記憶数と現在の保留記憶表示エリア18Cの保留表示数が一致している場合は(S262;Y)、保留表示更新処理を終了し、S261において特定した保留記憶数と現在の保留記憶表示エリア18Cの保留表示数が一致していない場合は、入賞時判定結果記憶バッファに格納された各保留記憶の表示態様フラグ・通常態様フラグにもとづいて、保留記憶表示エリア18Cの保留表示を更新し(S268)、保留表示更新処理を終了する。
図30は、演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、アクティブ表示記憶バッファに記憶されているコマンドがあれば削除し(S810)、入賞時判定結果記憶バッファのNo.1のエントリ(先頭のエントリ)の内容をアクティブ表示記憶バッファ(No.0のエントリ)に消費保留記憶としてシフトする(S811)。そして、該アクティブ表示記憶バッファにセットされた消費保留記憶に通常態様フラグがセットされているか否かを判定する(S812)。アクティブ表示記憶バッファにセットされた消費保留記憶に通常態様フラグがセットされていない場合は(S812;N)、S814に移行し、アクティブ表示記憶バッファにセットされた消費保留記憶に通常態様フラグがセットされている場合は(S812;Y)、アクティブ表示記憶バッファにセットされた消費保留記憶の通常態様フラグをリセットし(S812a)、消費保留アクティブ表示エリア9Fにおける消費保留表示を、消費保留記憶にセットされている保留予告パターンに応じた表示態様に変更する(S813)。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファに保留予告パターンの値が「2」〜「9」または「12」〜「19」のいずれかの保留記憶(消費保留記憶)が存在するか否かを判定する(S814)。入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファに保留予告パターンの値が「2」〜「9」または「12」〜「19」のいずれかの保留記憶が存在する場合は(S814;Y)、S821に移行し、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファに保留予告パターンの値が「2」〜「9」または「12」〜「19」のいずれの保留記憶も存在しない場合は(S814;N)、保留予告制限フラグがセットされていればリセットする(S815)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S821)。
また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S822)。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
大当り図柄を決定する際に、演出制御用CPU101は、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
また、演出制御用CPU101は、通常予告演出の実行・非実行及び通常予告演出にて表示するキャラクタを決定する通常予告演出決定処理を実行する(S823)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルを選択する(S824)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S825)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S826)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。尚、これらVDP109に指令を出力する際において、サブ側確変フラグとサブ側時短フラグの双方がセットされている場合には、演出表示装置9に表示させる背景画像として、確変状態であることを報知する背景画像(例えば、夜の画像)を表示させる指示を行うとともに、行う。尚、サブ側確変フラグがセットされているがサブ側時短フラグがセットされていない場合には、通常状態の場合と同じ背景画像である昼の背景画像を表示させる指示を行うことで、内部的に確変状態になっている場合(潜伏状態)である場合には、確変状態であることを報知しないようにする。
尚、サブ側確変フラグとサブ側時短フラグとは、上記したように、コマンド解析処理において確変状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、通常状態指定コマンドの受信において更新されることにより、主基板31側において確変フラグや時短フラグがセットされているときと同期するように更新される。つまり、サブ側確変フラグがセットされているということは、主基板31側において確変フラグがセットされている高確状態(確変状態)であることを示すとともに、サブ側時短フラグがセットされているということは、主基板31側において時短フラグがセットされている高ベース状態であることを示し、サブ側確変フラグもサブ側時短フラグもセットされていないということは通常状態であることを示し、サブ側確変フラグがセットされているがサブ側時短フラグはセットされていないということは潜伏状態であることを示す。
また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S827)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)を示す値に更新する(S829)。
また、本実施の形態では、変動開始時にアクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリに記憶されているコマンド等の削除を行い、該アクティブ表示記憶バッファの内容をシフトしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらアクティブ表示記憶バッファの内容をシフトするタイミングは、変動表示の終了時であっても良い。
図31及び図32は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(S840A,S840B)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(S841)。タイムアウトしていない場合には、S844aに移行する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S843)。
また、アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリ、つまり、変動表示中の消費保留記憶として記憶されている保留予告パターンの値が3,6,7,9,13,16,17,19のいずれかであるか否かを判定する(S844a)。アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリに記憶されている保留予告パターンの値が3,6,7,9,13,16,17,19のいずれでもない場合は(S844a;N)、S845aに移行し、アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリに記憶されている保留予告パターンの値が3,6,7,9,13,16,17,19のいずれかである場合は(S844a;Y)、演出制御用CPU101は、アクティブ表示変化演出としてリーチ前の消費保留表示の態様の変更タイミング(例えば、変動開始から4秒後)になったか否かを判定する(S844b)。なお、リーチ前の消費保留表示の態様の変更タイミングになったか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
リーチ前の消費保留表示の態様の変更タイミングでない場合には(S844b;N)、S845aに移行し、リーチ前の消費保留表示の態様の変更タイミングになった場合には(S844b;Y)、演出制御用CPU101は、アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリに記憶されている保留予告パターンに従って表示態様フラグを更新するとともに、該更新した表示態様フラグに応じて消費保留アクティブ表示エリアに表示されている消費保留表示の態様を変更する(S844c)。なお、演出制御用CPU101は、リーチ前の消費保留表示の態様の変更タイミングになる直前(例えば、2秒前)に、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aを表示する制御を開始する(図23参照)。また、演出制御用CPU101は、キャラクタ画像9aが表示されているときには、キャラクタ画像9aが動くような表示制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、保留予告パターンが1,2,4,5,8,12,14,15,18(変動表示中に消費保留表示の態様が変化しないパターン)である場合においても、リーチ前の消費保留表示の態様の変更タイミングになる直前(例えば、2秒前)に、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aを表示する制御を開始する(図23参照)。また、演出制御用CPU101は、キャラクタ画像9aが表示されているときには、キャラクタ画像9aが動くような表示制御を行う。
そして、S844cの処理で消費保留表示の態様が変化したときに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像9aを消去する。ただし、リーチ前とリーチ演出中(リーチ後)の双方において消費保留表示の態様を変化させる場合(保留予告パターン9の場合)には、後述するS845cの処理で消費保留表示の態様が変化したときに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像9aを消去する。なお、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aを表示する制御を開始した場合に、いずれの保留予告パターンが使用されているときでも、後述するS845aで「Y」になったときに演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像9aを消去するようにしてもよい。そのような制御を行う場合には、リーチ前に「青」から「黄」に変化した後(保留予告パターン3,9が使用されている場合)に、キャラクタ画像9aの表示が継続することによって、リーチ演出中に「赤」に変化することへの期待感を遊技者に持続させることができる。
S845aにおいて、演出制御用CPU101は、アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリ、つまり、変動表示中の消費保留記憶として記憶されている保留予告パターンの値が2,8,9,12,18,19のいずれかであるか否かを判定する(S845a)。
アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリに記憶されている保留予告パターンの値が2,8,9,12,18,19のいずれかでもない場合は(S845a;N)、S851に移行し、アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリに記憶されている保留予告パターンの値が2,8,9,12,18,19のいずれかである場合は(S845a;Y)、演出制御用CPU101は、アクティブ表示変化演出としてリーチ演出中の消費保留表示の態様の変更タイミング(例えば、変動開始から13秒後)になったか否かを判定する(S845b)。なお、リーチ前の消費保留表示の態様の変更タイミングになったか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
リーチ演出中の消費保留表示の態様の変更タイミングでない場合は(S845b;N)、S851に移行し、リーチ演出中の消費保留表示の態様の変更タイミングになった場合には(S845b;Y)、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、アクティブ表示記憶バッファのNo.0のエントリに記憶されている保留予告パターンに従って表示態様フラグを更新するとともに、該更新した表示態様フラグに応じて消費保留アクティブ表示エリアに表示されている消費保留表示の態様を変更する(S845c)。
S851において、演出制御用CPU101は、演出図柄変動開始処理のS823において通常予告演出の実行が決定されているか否かを判定する(S851)。通常予告演出の実行が決定されていない場合は(S851;N)S855に移行し、通常予告演出の実行が決定されている場合は(S851;Y)、更に通常予告演出の実行期間中であるか否かを判定する(S852)。なお、通常予告演出の実行期間中であるか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
通常予告演出の実行期間中でない場合は(S852;N)、S854に移行し、通常予告演出の実行期間中である場合は(S852;Y)、通常予告演出決定処理おいて決定した通常予告演出のデータにもとづいて、通常予告演出を実行する(S853)。
なお、複数種類の通常予告演出がある場合には、大当りにするときに高い割合で実行される予告演出を対象にして、S852の処理を実行するようにしてもよい。
そして、S854において、演出制御用CPU101は、通常予告演出の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S854)。なお、通常予告演出の実行開始タイミングであるか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
通常予告演出の実行開始タイミングでない場合(S854;N)、演出制御用CPU101は、スーパーリーチの開始タイミングであるか否かを判定する(S855)。なお、スーパーリーチの開始タイミングであるか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
スーパーリーチの開始タイミングである場合(S855;Y)または通常予告演出の実行開始タイミングである場合は(S854;Y)、保留予告開始制限フラグをセットする(S856)。
スーパーリーチの開始タイミングでない場合(S855;N)またはS856の実行後は、演出制御用CPU101は、演出図柄変動開始処理のS823において通常予告演出の実行が決定されているか否かを判定する(S857)。通常予告演出の実行が決定されていない場合は(S857;N)、S859に移行し、通常予告演出の実行が決定されている場合は(S857;Y)、通常予告演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S858)。なお、通常予告演出の終了タイミングであるか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
通常予告演出の終了タイミングである場合は(S858;Y)、S860に移行し、通常予告演出の終了タイミングではない場合(S858;N)、演出制御用CPU101は、スーパーリーチの終了タイミングであるか否かを判定する(S859)。なお、スーパーリーチの終了タイミングであるか否かは、例えば、変動時間タイマの値で確認される。
スーパーリーチの終了タイミングでない場合は(S859;N)、S861に移行し、スーパーリーチの終了タイミングである場合は(S859;Y)、保留予告開始制限フラグをリセットする(S860)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(S861)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S863)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S862)、演出制御用CPU101は、S863の処理を実行する。
次に、本実施の形態における消費保留表示の表示態様の変化及び突然確変の態様の表示例について説明する。
図33(A)は、合計保留記憶数が4つであり、1つ目の留表示が、始動入賞時に決定される保留予告パターンが保留予告パターン19であったことで「青」表示となっている例を示している。
この図33(B)に示す状態において演出図柄の変動表示が終了すると、図33(B)に示すように、保留予告パターンが保留予告パターン19である保留表示が保留記憶表示エリア18Cから消費保留アクティブ表示エリア9Fに移動し、該消費保留アクティブ表示エリアF内部に表示される。そして、該消費保留アクティブ表示エリア9Fにて表示されている消費保留表示に対応する演出図柄の変動表示が開始される。
その後、図33(C)に示すように、リーチになる前のタイミングにおいて、演出表示装置9の消費保留アクティブ表示エリア9Fの近傍にて所定のキャラクタ画像9aが表示され、該消費保留アクティブ表示エリア9F内に表示されている消費保留表示の表示態様が「青」から保留予告パターン19に対応した「黒」に変化する。
更に、図33(D)に示すように、演出表示装置9における「左」及び「右」の図柄表示エリア9L,9Rにおいて同一の演出図柄が停止することでノーマルリーチのリーチ演出が開始されると、再び消費保留アクティブ表示エリア9F内に表示されている消費保留表示の表示態様が「黒」から「金」に変化する。その後、演出表示装置9における「中」の図柄表示エリア9Cにおいて図柄表示エリア9L,9Rとは異る演出図柄が停止することで、演出表示装置9において演出図柄がはずれの組み合わせで導出表示される。
尚、消費保留アクティブ表示エリア9F内に表示されている消費保留表示が突然確変によるノーマルリーチはずれの保留記憶に対応した消費保留表示である場合は、遊技状態が確変状態に制御され、突然確変ではない通常のノーマルリーチはずれの保留記憶に対応した消費保留表示である場合は、遊技状態が維持される。つまり、遊技状態が通常状態であれば通常状態が維持され、遊技状態が確変状態であれば確変状態が維持される。
以降は、図33(F)に示すように、消費保留アクティブ表示エリア9Fに新たな保留表示が消費保留表示として表示され、該新たに消費保留アクティブ表示エリア9Fに表示された消費保留表示に対応した演出図柄の変動表示が演出表示装置9において実行される。なお、このとき、遊技状態が確変状態と通常状態のいずれであっても、演出表示装置9にて表示される背景画像は変化しないことで、遊技者には遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかが判別不可能となっている。尚、本実施の形態では、突然確変となる場合と突然確変とならないノーマルリーチはずれとの双方で演出図柄をはずれを示す組み合わせで導出表示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突然確変となる場合と突然確変とならないノーマルリーチはずれとにおいて、演出図柄を通常とは異なる特殊図柄(例えば、「チャンス」表示)にて導出表示するようにし、遊技者に該特殊図柄が導出表示されたことによって遊技状態が確変状態となったことを示唆するようにしても良い。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、演出図柄の可変表示中に表示される実行中の可変表示に対応する消費保留表示に遊技者をより注目させて、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、大当りを経由することなく高確状態(確変状態)に制御されていることが報知されないため、高確状態に制御されていることを遊技者に知覚されることがないので、遊技興趣を向上できる。
また、突然確変の成立のしやすさが、遊技球が第1始動入賞口13と第2始動入賞口14のいずれを通過したかにより異なるので、遊技興趣を向上できる。
また、突然確変となる可能性を、突然確変となる可変表示の開始前に示唆できるので、遊技興趣を向上できる。
また、消費保留表示が「黒」や「金」の表示態様に変化するか否かによって、確変状態に制御されることが示唆されるようになるので、遊技興趣を向上できる。
また、消費保留アクティブ表示エリア9Fに表示されている消費保留表示に遊技者をより注目させて、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、可変表示が開始される前においても保留表示に遊技者を注目させることができる。
また、キャラクタ画像9aが表示されることによって遊技者の期待感を高めることができるとともに、実行中の可変表示に対応する消費保留表示の態様を変化させるタイミングがキャラクタ画像9aによって容易に把握されることが防止される。
また、通常予告演出やスーパーリーチ演出が把握されづらくなることが防止され、通常予告演出やスーパーリーチ演出の効果を阻害しないようにすることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、「可変表示が開始される前」として始動入賞時を例にしたが、「可変表示が開始される前」は、始動入賞にもとづく変動表示が開始される前であれば、始動入賞時に限られない。例えば、当該始動入賞よりも前に生じた始動入賞にもとづいて変動表示が開始されるときや、保留記憶表示エリア18Cにおいて保留表示がシフトされるときであってもよい。
また、保留表示の態様の変化のタイミングに応じて、確変状態に移行する割合や時短回数が異なるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、保留記憶表示エリア18Cおよび消費保留アクティブ表示エリア9Fが、演出表示装置9の表示画面に表示されたが、保留記憶表示エリア18Cは、消費保留アクティブ表示エリア9Fとは異なる表示装置で実現されてもよい。例えば、消費保留アクティブ表示エリア9Fは演出表示装置9の表示画面に表示されるが、保留記憶表示エリア18Cは他の表示装置(例えば、各々の保留表示についてのLEDの集合)で実現されてもよい。また、保留記憶表示エリア18Cは演出表示装置9の表示画面に表示されるが、消費保留アクティブ表示エリア9Fは他の表示装置で実現されてもよい。
また、消費保留アクティブ表示エリア9Fは、複数種類の態様から選択可能であるようにしてもよい。その場合、消費保留アクティブ表示エリア9Fの態様に応じて、保留表示の態様が、変動表示が開始される前に変化するのか変動表示中に変化するのかの割合を異ならせてもよい。
また、上記の実施の形態では、5種類の保留表示の態様(「青」、「黄」、「赤」、「黒」、「金」)が用いられたが、保留表示の態様は4種類でもよく、6種類以上であってもよい。
また、上記の実施の形態では、保留表示の態様の相違として、色の違い(「青」、「黄」、「赤」、「黒」、「金」)を例にしたが、保留表示の態様の例は色に限られない。例えば、保留表示の形状(「◇」や「△」等)の違いや、保留表示の大きさ、保留表示内に表示される文字(例えば、突然確変を示唆する保留表示であれば保留表示内に「突」、大当りを示唆する保留表示であれば保留表示内に「当」等)により保留表示の態様の相違を実現してもよい。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、本発明の特別遊技状態を確変状態である潜伏状態とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特別遊技状態としては、例えば、始動入賞がし易くなるとともに、単位時間において実行される可変表示(変動表示)回数が増えることにより、大当り図柄が停止表示される可能性が通常状態よりも高まる時短状態としても良く、この場合には、突然確変ではなく突然時短とするか否かをS62において決定すれば良い。つまり、本発明における特別遊技状態としては、通常状態よりも特定表示結果である大当り図柄が導出表示されやすい遊技状態であれば良い。
また、上記の実施の形態では、保留表示及び消費保留表示の表示態様を「黄」や「赤」とすることで大当りとなることを示唆するとともに、保留表示及び消費保留表示の表示態様を「黒」や「金」とすることで潜伏状態となることを示唆しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例として示すように、潜伏状態となることの示唆を大当りとなることの示唆と同様に、保留表示及び消費保留表示の表示態様を「黄」や「赤」として実行するようにしても良い。このように、大当りとなることの示唆と潜伏状態となることの示唆の双方を保留表示及び消費保留表示の同一の表示態様にて示唆する場合は、保留表示及び消費保留表示の表示態様が変化するタイミングを、大当りとなることを示唆する場合と潜伏状態となることを示唆する場合とで異ならせるようにする他、変動中におけるリーチ前のタイミングにおいて消費保留表示の表示態様を潜伏状態となることを示唆する態様として変化させ、リーチ演出中のタイミングにおいて消費保留表示の表示態様を大当りとなることを示唆する態様として変化させても良い。
また、上記の実施の形態では、保留表示及び消費保留表示の表示態様を「黄」や「赤」とすることで大当りとなることを示唆するとともに、保留表示及び消費保留表示の表示態様を「黒」や「金」とすることで潜伏状態となることを示唆しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、消費保留表示は、大当りとなることを示唆せずに潜伏状態となることのみを示唆するようにしても良く、また、変動中におけるリーチ前のタイミングにおいて消費保留表示の表示態様を大当りとなることを示唆する態様として変化させ、リーチ演出中のタイミングにおいて消費保留表示の表示態様を潜伏状態となることを示唆する態様として変化させても良い。
また、上記の実施の形態では、潜伏状態であるか否かに関係なく保留表示の表示態様を変化させるパターンとして、保留予告パターン1〜保留予告パターン9及び保留予告パターン12〜保留予告パターン19から決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留表示の表示態様を消費保留表示の表示態様が変動表示中に変化する保留予告パターン2,3,6,7,8,9,12,13,16,17,18,19のいずれかに決定するか否かを、潜伏状態である場合と潜伏状態でない場合とで異なる割合で決定することで、保留表示が保留予告パターン2,3,6,7,8,9,12,13,16,17,18,19のいずれかで表示される頻度によって潜伏状態であるか否か、つまり確変状態になっているか否かを示唆するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、保留表示の保留予告パターンを保留予告パターン12〜保留予告パターン19のいずれかに決定することで、該保留予告パターンによる保留表示及び消費保留表示の表示態様により潜伏状態となることを示唆しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留予告パターンによる保留表示及び消費保留表示の表示態様により既に潜伏状態に制御されていることを示唆するようにしても良い。
また、同様に、消費保留表示の表示態様を変化させるタイミングとして、潜伏状態である場合と潜伏状態でない場合とで、例えば、潜伏状態である場合にはリーチ前のタイミングを決定し、潜伏状態でない場合にはリーチ演出中のタイミングを決定する等のように、異なるタイミングを決定するようにして、消費保留表示の表示態様が変化するタイミングによって、潜伏状態であるか否か、つまり確変状態になっているか否かを示唆するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、ノーマルリーチはずれと突然確変の双方において保留表示及び消化保留表示の表示態様を「黒」や「金」に変化させることで、当該保留表示の保留記憶における変動表示後に潜伏状態となることを示唆しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノーマルリーチはずれと突然確変の変動が終了するタイミングにおいて、消費保留アクティブ表示エリア9Fに表示されている消費保留表示を、潜伏状態となることを示唆する表示態様に変化させるようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、ランダムRの値が突然確変判定値と一致するか否かに応じて、保留表示の保留予告パターンを保留予告パターン12〜保留予告パターン19から決定することで、潜伏状態となることを示唆しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ランダムRの値が突然確変判定値と一致する場合においても、保留表示の保留予告パターンを変動表示結果が大当りとなることを示唆する保留予告パターン2〜保留予告パターン9から決定することや、一義的に保留予告パターン1に決定することで、潜伏状態となることを示唆しないようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、遊技球の第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞後、該始動入賞に基づく変動表示の実行時に突然確変とするか否かを決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら突然確変とするか否かの決定を、始動入賞による変動表示に関係なく、例えば、始動入賞時や始動入賞時から該始動入賞による変動表示が開始されるまでの期間内において実行する、つまり、始動入賞による変動表示に関係なく、始動入賞に基づいて突然確変とするか否かを決定するようにしても良い。尚、このようにした場合には、保留記憶数が上限数に達しているときの無効な始動入賞についても、突然確変とするか否かを決定できるようになり、保留記憶数が上限数に達しているときに遊技球の発射を停止する止め打ち等を防ぐこともできる。
また、上記の実施の形態では、突然確変とするか否かの決定を、1の判定で実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、突然確変とするか否かの権利を付与するか否か(権利をストックするか否か)を決定するとともに、決定した権利に基づいて確変とする制御を実行するか否か(権利の放出)を決定するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、突然確変判定値に始動入賞時に抽出したランダムRが一致したことを所定条件の成立としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変制御の終了条件が成立すること(確変制御が所定変動回数実行されたときなど)、大当り終了後から変動表示が所定の上限回数(例えば、1000回)実行されること、スーパーリーチハズレの変動パターンが選択されることなど、これら複数のうちいずれか1つまたは複数の決定条件が成立したこと等としても良い。尚、上記のように、権利のストックと、ストックした権利の放出とを決定する場合には、それぞれの決定を行う所定条件の成立を異なる条件としても良い。
また、上記の実施の形態では、遊技球が第1始動入賞口13へ始動入賞したことに基づいて第1特別図柄の変動表示が開始され、遊技球が第2始動入賞口14へ始動入賞したことに基づいて第2特別図柄の変動表示が開始されるようになっていたが、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したかに関わらず、該始動入賞に基づいて1つの特別図柄の変動表示が開始されるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、突然確変に決定したことを遊技機から外部に出力しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら突然確変に決定したことを示す情報(信号)を外部装置において特定可能に出力するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、突然確変となる可能性の示唆と、大当りとなる可能性を示唆を、先読み演出として保留表示の表示態様を変化させることで実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら突然確変となる可能性を示唆する先読み演出として、大当りとなる可能性を示唆する保留表示を変化させる演出とは異なる演出、例えば、複数の変動表示に亘って背景やキャラクタが表示される連続演出等により実行するようにしても良く、このように、突然確変となる可能性を示唆する突然確変先読み演出を、大当りとなる可能性を示唆する保留表示演出とは個別に実行する場合にあっては、例えば、一方の演出の実行中においては、他方の演出を実行しないようにしたり、同時に演出の実行した場合には、大当りとなる可能性を示唆する演出を優先する等のように、いずれか一方の演出を優先するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、高ベース状態においては、短縮非リーチはずれの変動パターンが決定されやすくなることにより、変動時間が短縮されるものの、保留記憶数が増えた場合に、通常の非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮変動パターンの決定割合を増やして変動時間を短くすることを行っていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1保留記憶数が所定数以上となったときや、第2保留記憶数が所定数以上となったとき、或いは、合計保留記憶数が規定数以上となったときに短縮変動パターンに決定される割合を高めることにより、保留記憶数が増えたときには変動時間が短くなって、単位時間において消化される保留記憶数が多くなるようにしても良い。尚、このように、保留記憶数が増えたときには変動時間の短い短縮変動パターンの決定割合を増やすことで、他のノーマルリーチ等の変動パターンの決定割合が変化する場合においては、入賞時判定処理において、保留記憶数が変化しても変動パターンが変化しない共通の判定値等に基づいて変動パターンのカテゴリ(非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)に基づいて、先読み演出の実行・非実行や、先読み演出の演出パターンを決定するようにすれば良い。
また、上記の実施の形態では、第1始動入賞と第2始動入賞を区別せずに、入賞した順に変動表示を実行することから、保留記憶表示エリア18Cに、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別することなく表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留記憶表示エリア18Cにおいて、例えば、第1保留記憶は青色、第2保留記憶は赤色等のように、色や形状、或いは、表示位置の違い等によって、第1保留記憶と第2保留記憶とを識別可能に表示するようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、上記の実施の形態では、突然確変に対応する変動パターンを、ノーマルリーチはずれとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら然確変に対応する変動表示パターンをノーマルリーチはずれ以外のはずれ変動パターンとしても良いし、はずれにおいて決定されることのない突然確変に対応する専用の変動パターンを設けるようにしても良い。尚、これら突然確変に対応する専用の変動パターンを設ける場合には、突然確変を決定したときに該突然確変用の変動パターンを実行すると、突然確変であることが報知されてしまうので、突然確変を決定しない場合においても所定確率で突然確変用の変動パターンを実行するようにすれば良い。
また、上記の実施の形態では、大当りとなる保留記憶が既に記憶されているいか否かに関係なく突然確変を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りとなる保留記憶が既に記憶されているときに突然確変を決定してしまうと、決定された突然確変が無駄になってしまい遊技興趣が低下してしまうので、大当りとなる保留記憶が既に記憶されている場合には、突然確変を決定しないようにしても良い。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU101に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU101に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU101の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、突然確変に決定したときには、確変状態であることを報知しない潜伏状態とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、突然確変に決定したときには、全て、確変状態であることを背景の種別(モード)等により報知する非潜伏状態とするようにしても良いし、確変状態であることを報知しないことで潜伏状態とする突然確変Aと、確変状態であることを報知することで非潜伏状態とする突然確変Bとのいずれかを決定するようにしても良い。尚、突然確変Aと突然確変Bのいずれかに決定する場合にあっては、非潜伏状態とする突然確変Bに決定されると始動入賞時に判定したときには先読み演出の実行を決定する場合があるが、突然確変A(潜伏状態)に決定されると始動入賞時に判定したときには先読み演出の実行を決定しないようにしても良い。
また、上記の実施の形態では、突然確変が決定された変動表示が、第1特別図柄の変動表示であるか第2特別図柄の変動表示であるかによって、突然確変とする割合を変えた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかによって突然確変とする割合を変える、つまり、遊技状態によって突然確変とする割合を変えるようにしても良い。具体的には、例えば、確変状態となっていることを遊技者が知覚できない潜伏状態(高確低ベース状態)において突然確変となった場合には、時短フラグをセットして時短状態に移行させる仕様の遊技機であれば、これら潜伏状態(高確低ベース状態)においては、突然確変とする割合を高めることで時短状態に移行し易くしても良いし、確変状態が、所定回数の変動表示が実行されることで終了する回数切り確変仕様の遊技機(いわゆるST機)の場合であれば、回数切り確変状態中においては突然確変とする割合を高めることで、突然確変となることにより、確変状態が所定回数の変動表示が実行されても終了しないようにして、遊技興趣を向上できるようにしても良いし、
また、上記の実施の形態では、突然確変として、特別可変入賞球装置20が開放される大当り遊技状態を経由せずに確変状態に制御する突然確変のみを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら大当り遊技状態を経由せずに確変状態に制御する突然確変以外に、大当り遊技状態を経由して確変状態に制御する突然確変大当りを設けても良い。
また、上記の実施の形態では、変動開示時に突然確変とするか否かを判定して突然確変フラグをセットしておき、変動表示を終了するための特別図柄停止処理において突然確変フラグがセットされているか否かを判定し、突然確変フラグがセットされている場合には確変フラグをセットして確変状態に移行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動開示時に突然確変とするか否かを判定したときに、直ぐに確変フラグをセットして確変状態に制御しても良いし、変動表示の実行中において確変状態に制御しても良いし、突然確変とすると判定した変動表示において確変状態に制御せずに、当該変動表示終了後の任意のタイミングにおいて確変状態に制御しても良い。