JP2015080147A - 磁性体装荷アンテナおよびアンテナ装置 - Google Patents

磁性体装荷アンテナおよびアンテナ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】確実に小型化が可能であり、金属体からの距離に対して利得の変化が少ない磁性体装荷アンテナを提供する。
【解決手段】磁性体装荷アンテナ(10)は、第1フェライト層(12)と、第1フェライト層(12)の上に設けられた第1絶縁・誘電体層(13)と、第1絶縁・誘電体層(13)の上に設けられたアンテナコイル(14)とを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は磁性体装荷アンテナおよびアンテナ装置に関し、特に、小型の磁性体装荷アンテナおよびアンテナ装置に関する。
携帯無線端末等の通信端末の小型化に伴い、それらに実装される送受信用のアンテナを小型化するニーズが近年増加している。ここで、「小型アンテナ」は、λ(波長)/2π=0.154λ以下のアンテナを言う。例えば、310MHzの電波であれば、λは約0.97mである。すなわち、小型アンテナとは、取り扱う周波数の波長に比べ十分に小さいアンテナをいう。また、一般に、小型アンテナは、絶対利得-20dBiより十分大きければ良好な小型アンテナと言われている。
従来の小型化が可能なアンテナの一例としての磁性体装荷アンテナが、たとえば、特開2006−222873号公報(特許文献1)に開示されている。同公報によれば、磁性体装荷アンテナは、給電素子と、この給電素子に対して所定の間隔で配置された金属板からなる無給電素子と、この無給電素子のうち少なくとも給電素子側を指向する面部に積層される磁性体とを含み、それによって、波長短縮効果を高めつつ良好なアンテナ性能を維持することができる磁性体装荷アンテナを提供している。
また、他の例として、通信カードに適用した例も示している。この例では、通信カードは金属板を含むカード用無給電素子上にカード用磁性体及び回路基板積層し、さらに、その端部付近にカード用誘電体を配置し、そのカード用誘電体に内蔵アンテナを設けたものである。使用時には、カード端部をパーソナルコンピュータ、PDA等のカードスロットに挿入している。
特開2006−222873号公報
従来の小型化が可能な磁性体装荷アンテナは上記のように構成されていた。給電素子と、この給電素子に対して所定の間隔で配置された金属板からなる無給電素子と、この無給電素子のうち少なくとも給電素子側を指向する面部に積層される磁性体とを含み、磁性体の一部に、一対のアンテナコイルを設けている。
しかしながら、特許文献1では、絶対利得についての記載はなく、小型化率が70%程度であり、また、金属導体はアンテナの一部で切り離せない構成となっている。
したがって、このような構成であれば、必ずしも小型アンテナになるというわけではなく、アンテナとして大型化する可能性があり、コストがかかるという問題があった。
また、特に、波長が1m近辺の322MHz以下用のアンテナでは日本の法律で電波が非常に弱く、他の周波数に影響を及ぼさない製品であれば多くの自由な設計が許される微弱無線やその信号の数千倍の強度の信号を一定の条件付きで認可される特定小電力などが許されている。
特に微弱無線は通信方式による規制がないため近距離通信として多種多様な機器が設計されている。車のキーレスエントリーやTPMS(Tire Pressure Monitoring Systems)なども含まれる。
このような背景のもとで、波長が1mの近傍にある電波を効率よく送受信可能な小型アンテナの設計条件に対するニーズもあった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、確実に小型化が可能であり、金属体からの距離に対して利得の変化が少ない磁性体装荷アンテナ、および、アンテナ装置を提供することを目的とする。
この発明に係る磁性体装荷アンテナは、第1フェライト層と、第1フェライト層の上に設けられた絶縁体層と、絶縁体層の上に設けられたアンテナコイルとを含む。磁性体装荷アンテナは、外部に設けられた金属体と所定の距離離れて位置する。
好ましくは、アンテナコイルの上に設けられた第2絶縁層と、第2絶縁層の上に設けられた第2フェライト層とをさらに含む。
アンテナコイルは隣接四角形態に配置されてもよいし、隣接∞形態に配置されてもよい。
この発明の他の局面においては、磁性体装荷アンテナは、310MHzを中心とする磁性体装荷アンテナである。磁性体装荷アンテナは、フェライト層と、フェライト層の上に設けられたアンテナコイルを含み、アンテナコイルの巻き付け形態が隣接四角形態または隣接∞形態であり、アンテナコイルは外部に設けられた金属体から所定の距離だけ離れて位置する。
金属体と前記アンテナコイルとの間隔は、密着するか、または、所定の距離だけ離れて位置するのが好ましい。
アンテナコイルの巻き付け形態が隣接四角形態のとき、所定の距離は50〜100mmであるのが好ましい。また、アンテナコイルの巻き付け形態が隣接∞形態のとき、所定の距離は70〜100mmであるのが好ましい。
この発明のさらに他の局面においては、アンテナ装置は、周囲に巻き付けられたコイルを有する第1磁性体と、第1磁性体の上に間隔を開けて設けられた第2磁性体と、第2磁性体の上に設けられたアンテナコイルとを含む。
この発明によれば、磁性体装荷アンテナは、金属体の上に、それより小さい面積のフェライト層と、絶縁体層とを設け、その上にアンテナコイルを設けたため、アンテナコイルとフェライト層とを一定の間隔を開けて配置できる。
その結果、アンテナが小型化可能であり、かつ、金属に密接できるためアンテナを接続する通信装置と一体が可能となり、アンテナ設置工事が不要となり、装置がコンパクトになるとともに、コストダウンが可能な送受信装置を提供できる。
この発明の一実施の形態に係る磁性体装荷アンテナを示す図である。 図1に示した磁性体装荷アンテナの全体構成を示す斜視図である。 他の実施の形態に係る磁性体装荷アンテナを示す図である。 巻き付け形態Bの磁性体装荷アンテナにおけるアンテナコイルの配置を示す図である 巻き付け形態Aの磁性体とアンテナコイル間の距離による周波数特性およびアンテナゲインを示す図である。 磁性体とアンテナコイル間の距離による周波数特性およびアンテナゲインの他の例を示す図である。 巻き付け形態Bのアンテナと金属体との距離による周波数特性およびアンテナゲインのさらに他の例を示す図である。 巻き付け形態Aのアンテナと金属体との距離による周波数特性およびアンテナゲインのさらに他の例を示す図である。 金属体とフェライトとの位置関係と磁気抵抗との関係を示す図である。 フェライトがサンドイッチ状の場合の磁気回路のイメージ図である。 磁性体装荷アンテナを高周波磁界通信アンテナとしても一体化し同時に利用する場合の構成を示す図である。
以下、図面を参照して、この発明の一実施の形態に係る磁性体装荷アンテナについて説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る磁性体装荷アンテナ(以下、「アンテナ」という)を示す図である。図1(A)は外部に設けられた金属体の上に所定の距離離れて位置するアンテナ10の全体の構成を示す断面図であり、図1(B)は、図1(A)で示したアンテナ10の詳細を示す断面図であり、図1(C)〜図1Eは、図1(A)において、矢印IC−IC、ID−ID,IE-IEで示す部分の矢視図(平面図)である。
図1(A)〜(E)を参照して、アンテナ10は、全体として直方体であり、所定の面積を有する上平面を有する、外部に設けられた金属体11と所定のスペースdだけ離れて位置する。ここで、アンテナ10の平面の面積は金属体11よりも小さい。アンテナ10は、第1フェライト層12と、第1フェライト層12の上に形成された第1絶縁・誘電体層13と、第1絶縁・誘電体層13の上に形成されたアンテナコイル14と、アンテナコイル14の上に形成された第2絶縁・誘電体層15と、第2絶縁・誘電体層15の上に形成された第2フェライト層16とを含む。なお、ここでは、スペースdを空間として示しているが、これは、他の誘電体であってもよい。
また、ここで、アンテナ10全体の3辺の寸法は、それぞれ、λ/2π×λ/2π×λ/10π以下であり、いわゆる小型アンテナの規定を満たす。ここで、例えば、この実施の形態において、使用を意図している322MHz以下の周波数を考えると、λ=0.93mとなり、縦×横×高さは、それぞれ、150mm×150mm×30mmとなり、十分にロープロファイルでコンパクトである。
アンテナコイル14は、一対の接続端子21a,21bと、それぞれの端子に接続された一対の第1アンテナコイル21c、および、第2アンテナコイル21dとを含み、第1アンテナコイル21cは、一方の接続端子21aから延在して、左方向に複数回巻き付けられた後、右方向に隣接して右方向に複数回巻き付けられた第2アンテナコイル21dを経て端子21bに接続される。
図2は、図1に示したアンテナ10を、周波数310MHz用に最適化し、接続部22を介して送受信器23と接続したアンテナ装置20の全体構成を示す斜視図である。
この場合、フェライトの特性は、比透磁率μ’=16、透磁率の損失成分μ‘’=6程度で厚み1mm(第2フェライト層16)、および5mm(第1フェライト層12)である。
絶縁・誘電体の比電率は1.5程度で、第2絶縁・誘電体13の寸法は0.3〜1.8mmであり、このスペースdの比誘電率は1とする。
ここで、図に示したアンテナ10のa,b,cの寸法は、それぞれ、a=65mm〜180mm、b=30〜180mm、c=5.6〜10mm程度である。
図1および図2を参照して、この実施の形態に係るアンテナ10は、コンパクトであり、確実に小型化が可能であり、金属体からの距離に対して利得の変化が少ない。これは後に説明する表1〜表3に示す。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図3は、この発明の他の実施の形態に係るアンテナ10aを示す要部断面図(A)と、アンテナ装置20aとを示す図であり、それぞれ、図1(B)と図2とに対応する。
図3に示す実施の形態においては、先の実施の形態に対して、第2絶縁・誘電体層15および第2フェライト層16とが設けられていない。
ここで、第2絶縁・誘電体層15および第2フェライト層16は短縮のみに寄与している。第2絶縁・誘電体層15を薄くするとアンテナを取り巻く磁性体の割合が多くなり比透磁率が高くなり電磁波の伝送速度が遅くなり結果としてアンテナが短くても良くなる。このためアンテナ短縮の効果は促進される。
その結果、この実施の形態に係るアンテナであっても、先の実施の形態と同様の効果を奏する。なお、後の図10で示す第2フェライト層16に生じる打消しとなる磁界が強くなりアンテナ利得が低減する。
次に、アンテナコイルの配置方法について説明する。図4は、アンテナ10におけるアンテナコイルの配置を示す図である。図4(A)はアンテナコイルを、隣接する一対のコイルから形成し、隣接する一対の端子の一方の端子から左方向に外側から内側へ複数回巻き付けた後、それに対して右側において、内側から外側に、左方向に複数回巻き付けられた第2アンテナコイルを経てもう一方の端子に接続される構成である。このアンテナコイルは一対の四角形状のコイルが隣接した形態であるので、この巻き付け形態をコイルの巻き付け形態A(または、隣接四角形態)という。
図4(B)はアンテナコイルを、隣接する一対の端子の一方の端子から左方向に外側から内側へ複数回巻き付けた後、それに対して右側において、外側から内側に、右方向に複数回巻き付けた第2アンテナコイルを経てもう一方の端子に接続される構成である。このアンテナコイルは一対のコイルが無限(∞)状に隣接した形態であるので、この巻き付け形態をコイルの巻き付け形態B(または、隣接∞形態)という。これは、図1(C)と同様の配置である。
図4(C)は図4(A)の配置を下方向に長手の矩形状にしたものである。図4(D)は図4(A)のコイル(巻き付け形態A)における巻き付け回数を2回としたものである。図4(E)は図4(B)のコイル(巻き付け形態B)における巻き付け回数を2回としたものである。
ここで、図4(C)の場合に、縦×横の寸法が例えば、100mm×100mm(隣接するそれぞれのアンテナコイルの寸法は、100mm×50mm)であれば、コイル100mm角という。
次に、図4に示したアンテナコイルを用いて、特定の周波数に適用する場合のアンテナの性能(設計条件例)について説明する。ここでは、例えば、周波数として310MHzの場合について説明する。
まず、アンテナの性能を比較するための基準アンテナとして、半波長ダイポールアンテナにおける、自由空間整合のダイポールが完全金属平面上に配置されたときのシミュレーション例(シュミレーションフリーソフトMMANAを使用した計算例)を表1に示す。ここで、周波数は310MHzであり、1/4λは約0.25mである。この場合の、VSWR(電波定在波比)およびアンテナ利得、ならびに、同調して利得を回復した時(金属板の上に密着したとき)の帯域幅と回路Qの変化の、金属壁面からの距離に応じた値を示す。ここで、同調して回復した時の利得は9dBiがすべて得られる。また、ここには、金属面から離れた自由空間で整合する場合の値も示している。
なお、ここで、自由空間整合のダイポールとは次のことをいう。アンテナは周りの空間にある物体の影響を強く受ける。シミュレーションにおいては、アンテナ周辺に無限遠まで空気しかないとして計算している。すなわち、完全金属平面上はアンテナの下に無限に広がる金属の壁があるというイメージである。
Figure 2015080147
表1に示すように、金属面から1cmの距離では半波長のダイポールでも40dB程度の減衰となる。整合できれば特定方向で9dBi得られるが、3dB帯域幅は270kHz程度と非常に狭い。±2.5MHzのオフセットで40dB程度減衰し、非常に急峻である。帯域が狭く、周辺空間に動態が存在するなどの場合、変動を受けやすく、複数のチャンネルに対応することが出来ず実用的ではない。ダイポールは自由空間ではVSWR1.5、アンテナ利得2.13dBiが得られている。
通常、モノポールのアンテナはコイル状にアンテナを巻くかフェライトを纏う、又はフェライトに巻きついてアンテナを短縮する。一方、ダイポールのようなアンテナは金属との間に高誘電率の誘電体を挟み、等価的にアンテナ長さの短縮を実現している。このように安定な広帯域で低損失なアンテナは金属体などに装備するときはアンテナ全体を金属面から離すか、金属面から突き出すことが重要であり、感度を上げるには、このような方法がとられてきた。
次に、この実施の形態におけるアンテナの設計例について説明する。ここでは、縦×横=100×50mmの2種類のアンテナコイルについてシミュレーションしている。一方は、巻き付け形態Bのコイルによる、縦×横=100×50mm、7ターン、0.2mmφ電線のコイル形状アンテナである。この場合のシミュレーション結果を表2に示す。
もう一方は、巻き付け形態Aのコイルによる、縦×横=100×50mm、7ターン、0.2mmφ電線のコイル形状アンテナである。この場合のシミュレーション結果を表3に示す。
それぞれにおいて、本発明の金属面からの距離が2mmの場合の値も最右列に記載している。
なお、ここで、簡易同調したときとは、アンテナコイルをフェライトとの距離を狭めて配置(接合)する場合をいう。この場合、アンテナコイルとフェライトとの相互の位置関係によってアンテナ特性が改善される。
Figure 2015080147
Figure 2015080147
表2および表3に示すように、このサイズのアンテナでは、金属面からの距離が10mmであっても、帯域幅が極端に狭く、実用に耐えない。一方、この実施の形態においては金属面からの距離が2mm程度でも、帯域幅が30〜40MHzで、約-20dBi程度の利得が得られ、有効なアンテナが得られる。
発明者は、周波数が310MHzの近傍であれば、この、磁性体に巻き付け形態A、またはBの巻き付け式のアンテナコイルを有する構成を用いれば、磁性体装荷アンテナとして有効に利用できるということを確認した。そこで、図1に示した第1フェライト12のような磁性体とアンテナコイル14間の距離(絶縁・誘電体層13の厚さ)の変化による周波数ごとのアンテナゲインについて実測した。その結果を以下に説明する。
図5(A)は、巻き付け形態Bの場合の、図1に示した、磁性体である第1フェライト12とアンテナコイル14間の距離の変化による周波数ごとのアンテナゲインを示すグラフであり、図5(B)は巻き付け形態Bの場合の特定の周波数について、磁性体とアンテナコイル14間の距離とアンテナゲインとの関係を示すグラフである。磁性体とアンテナコイル14間の距離の違いは図5(A)に示すとおりである。グラフに示す山のピークが磁性体とアンテナコイル14間の距離の違いにより低い周波数から高い周波数へと移動している。距離が80mmではこの周波数帯でアンテナとして働いていないことが分かる。
図5(A)を参照して、両者の間に誘電体でスペースを作ると回路のQが高くなり通信帯域が狭くなり、アンテナコイルの待つ高い周波数にピークが生じ始める。更にスペースを広げるとアンテナコイルの特性が強く出始める。アンテナは高い周波数にチューニングされているが単独では不整合により大きく減衰してくる。
図5(A)から、同調する周波数(dBiのピーク周波数)と、絶縁・誘電体の厚さとの関係を抜き出したものを表4に示す。表4から、同調周波数と絶縁・誘電体の厚さは比例関係にあることが分かる。
Figure 2015080147
また、図5(B)から、中心周波数を310MHzとし、その前後10MHzの範囲、すなわち、300〜320MHzの帯域を-20dBi以上で受信できるようなアンテナゲインを得るには、磁性体とアンテナコイルとの間隔は、0.3〜1.8mmとすればよいことがわかる。
図6(A)は、アンテナコイルが巻き付け形態Aであるときの、磁性体である第1フェライト12とアンテナコイル14間の距離の変化による周波数ごとのアンテナゲインを示すグラフであり、図6(B)はアンテナコイルが巻き付け形態Aであるときの特定の周波数について、磁性体とアンテナコイル14間の距離とアンテナゲインとの関係を示すグラフである。図6(A)から、同調する周波数(dBiのピーク周波数)と、絶縁・誘電体の厚さとの関係を抜き出したものを表4に示す。この例でも、山のピークがスペースの違いにより低い周波数から高い周波数へと移動している。
図6(B)から、最適値は0.5mmから1mmの間にあることがわかる。いずれも受信利得が-15dBi程度あるので良好である。
Figure 2015080147
次に、図1(A)のdで示した、金属体11とアンテナ(フェライト12と、絶縁・誘電体13と、アンテナコイル14との和)のスペースdとの関係について説明する。
図7(A)は、アンテナコイルの巻き付け形態Bの場合の金属体11とアンテナのスペースdとの関係を示すグラフであり、図7(B)は特定の周波数について、金属体とアンテナコイル14間の距離とアンテナゲインとの関係を示すグラフである。
図7(A)から、同調する周波数(dBiのピーク周波数)と、スペースdとの関係を抜き出したものを表6に示す。
この実施の形態ではアンテナが金属体11に接しているときと自由空間にある時に粗、アンテナの利得が中心周波数310MHzとなるようにギャップを設定することができる。また、他のアンテナで示したような大きな利得に変動がない。その結果の例を示す。
Figure 2015080147
Figure 2015080147
図7(A)および図7(B)を参照して、金属体とアンテナ(巻き付け形態B)の距離が中心周波数を310MHzとしたとき、スペースdが7mm〜52mmの間でも小型アンテナとして有効な、−20dBiのゲインが得られるが金属体密着もしくは自由空間に置ければ、有効なアンテナとして作動することが分かる。
また、図7(A),(B)に明示していないが、スペースdが1500mm程度で、周波数300MHz、310MHz,320MHzにおいて、-12dBi程度のゲインが得られた。
図8(A)は、アンテナコイルの巻き付け形態がAの場合の金属体とアンテナのスペースdとの関係を示すグラフであり、図8(B)は特定の周波数について、金属体とアンテナコイル14間の距離とアンテナゲインとの関係を示すグラフである。
図8(A)から、同調する周波数(dBiのピーク周波数)と、スペースdとの関係を抜き出したものを表8に示す。
Figure 2015080147
図8(A)を参照して、中心周波数を310MHzとしたとき、スペースCが2mm〜100mm程度(自由空間)であれば、アンテナとして有効な、−20dBiのゲインが得られることが分かる。
ここでは、金属体とアンテナ(巻き付け形態A)との間隔が、密着するか、または、70〜100mm離れた場合に、−20dBiのゲインが得られること、すなわち、有効なアンテナとして作動することが分かる。
また、図8(B)の具体的なデータを表9に示す。
Figure 2015080147
また、図8(A),(B)に明示していないが、スペースdが1500mm程度で、周波数300MHz、310MHz,320MHzにおいて、-10dBi程度のゲインが得られた。
図7(B)および図8(B)から、二種類のアンテナとも金属に密着するときに利得が回復しているのが読み取れる。数十ミリで一度低下し、短縮アンテナとしてアンテナ利得が改善している。
この点について、以下に説明する。図9は、金属体とフェライトとの位置関係と磁気抵抗との関係を示す図である。図9(A)は金属体11とフェライトとが密着している場合である。この場合、金属体内部での電界の打ち消すための電流が磁界を作り、アンテナの磁気回路が効率よく流れ、磁気回路に接するアンテナコイルへの誘導が生じ、アンテナの受信信号を生成すると考えられる。すなわち、磁気抵抗B>磁気抵抗Aである。
一方、逆にアンテナが金属体から離れると磁気回路の抵抗が急速に高くなり磁束の減少に転じる。更にアンテナが離れると磁性体が電波の位相速度を減じ、短縮アンテナとして機能し利得を回復し始める。この場合の磁気抵抗の大きさを図9(B)に示す。ここに示すように、磁気抵抗B<磁気抵抗Aである。
次に、図3(A)で示した、金属体11にフェライトによる磁性体12が一層の場合と、図1(A)で示した、金属体11にフェライトによる磁性体12が二層の場合とについて図10(A)および図10(B)を参照して説明する。
図10を参照して、コイル14に発生する電流はフェライト12のコイル周辺の磁束密度と反対側の磁束密度の差により生じる。図10(A)に示すような、磁性体12一層の場合は、反対側に磁束が生じないため、それなりの磁束密度が得られる。
一方、図10(B)に示すような磁性体12が二層構造の場合は、磁束密度の差が小さくなるのでコイルの生じる電流は小さくなるので大きな信号が得られにくい。しかし、全体としてのコイルを取り囲む透磁率が大きくなり透磁率による短縮率が増大するので自由空間でのアンテナ利得を改善できる。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、磁性体装荷アンテナを低周波磁界発生用フェライトアンテナと組み合わせる。
自動車や住宅の玄関ドアのキーレスエントリーの固定局磁界送受信アンテナやセミアクティブタグにおいて、タグの起動と通信に用いられるトリガー装置では、100kHz近辺の周波数をRFIDタグへの送信媒体として使われている。この仕組みの送信アンテナは大口径のコイルであったり、フェライトに巻かれたコイルである場合が多い。特にフェライトコイルは強い磁界を空間に作れるので多く用いられている。
同様に、上記した実施の形態に用いられるフェライト部分は同様の素材にすることが可能である。そこで、板状のフェライトに適当な線径の銅線を巻き高周波通信磁界アンテナを構成し、その片面にフェライト層を作り絶縁層とアンテナコイル層を重ねる。これにより高周波通信磁界アンテナと磁性体装荷アンテナとを一体にすることが出来る。このアンテナ装置は高周波磁界で励起され、タグ(RFID)が高周波磁界のデータを受け取って処理し、例えばエリアIDを受け取り自己のIDと連結し、310MHz帯の無線信号として返す仕組み等に最適である。
図11は磁性体装荷アンテナと高周波磁界通信アンテナとを組み合わせたアンテナ装置30の構成を示す図である。図11(A)はアンテナ装置30の分解斜視図であり、図11(B)は図1(A)に示した磁性体装荷アンテナ10がアンテナ装置30との関連を示す図であり、図10(C)はアンテナ装置10の模式的断面図である。
図11(A)を参照して、この実施の形態に係るアンテナ装置30について説明する。アンテナ装置30は、上部層31と、上部層31の下部に設けられた下部層41とを含む。上部層31は、フェライト32と、フェライト32の上に設けられた、絶縁層33と、絶縁層33の上に設けられたアンテナコイル34とを含む。
下部層41は、直方体状のフェライト42と、フェライト42の中央部に複数回巻き付けた高周波通信コイル44と、フェライト42の上面に設けられ、高周波通信コイル44を挟むように設けられた、フェライトで形成されたスペーサ43a、43bと、フェライト42の下面に設けられ、高周波通信コイル44を挟むように設けられた、フェライトで形成されたスペーサ45a、45bとを含む。高周波通信コイル44は一対の端子46a、46bに接続されている。
図11(A)および(B)を参照して、上部層31を構成する、フェライト32と、絶縁層33と、アンテナコイル34とは、図1(A)で示したフェライト12と、絶縁層13と、アンテナコイル14とに対応する。また、スペーサ43a、43bによって距離dだけ間隔をあけて設けられたフェライト42は金属体11に対応する。したがって、上部層31と、下部層41のフェライト42は、図1で説明した受信アンテナとして作動する。
一方、下部層41を構成する高周波通信コイル44が巻き付けられたフェライト42は高周波磁界通信アンテナとして作動する。
これらの具体的な構成の模式的断面図を図11(C)に示す。
アンテナ装置30をこのように構成することによって、コンパクトな構成の送受信装置が提供できる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明によれば、アンテナが小型化可能であり、かつ、金属に密接できるためアンテナを接続する通信装置と一体が可能となり、アンテナ設置工事が不要となり、装置がコンパクトになるとともに、コストダウンが可能な送受信装置として利用できるため、磁性体装荷アンテナや送受信装置として有利に使用される。
10 アンテナ、11 金属体、12 第1フェライト層、13 第1絶縁・誘電体層、14 アンテナコイル、15 第2絶縁・誘電体層、16 第2フェライト層、20 アンテナ装置、21a,21b 接続端子、21c 第1アンテナコイル、21d 第2アンテナコイル、23 送受信器、30 アンテナ装置、31 上部層、32 フェライト、33 絶縁層、34 アンテナコイル、41 下部層、42 フェライト、43a,43b,45a,45b スペーサ、44 高周波通信コイル、46a,46b 端子

Claims (9)

  1. 第1フェライト層と、
    前記第1フェライト層の上に設けられた絶縁体層と、
    前記絶縁体層の上に設けられたアンテナコイルとを含む磁性体装荷アンテナであって、
    外部に設けられた金属体と所定の距離離れて位置する、磁性体装荷アンテナ。
  2. 前記アンテナコイルの上に設けられた第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層の上に設けられた第2フェライト層とをさらに含む、請求項1に記載の磁性体装荷アンテナ。
  3. 前記アンテナコイルは隣接四角形態に配置される、請求項1または2に記載の磁性体装荷アンテナ。
  4. 前記アンテナコイルは隣接∞形態に配置される、請求項1または2に記載の磁性体装荷アンテナ。
  5. 310MHzを中心とする磁性体装荷アンテナであって、
    フェライト層と
    前記フェライト層の上に設けられたアンテナコイルを含み、
    前記アンテナコイルの巻き付け形態が隣接四角形態または隣接∞形態であり、
    前記アンテナコイルは外部に設けられた金属体から所定の距離だけ離れて位置する、磁性体装荷アンテナ。
  6. 請求項5に記載の磁性体装荷アンテナであって、
    前記金属体と前記アンテナコイルとの間隔は、密着するか、または、所定の距離だけ離れて位置する、磁性体装荷アンテナ。
  7. 前記アンテナコイルの巻き付け形態が隣接四角形態のとき、前記所定の距離は50〜100mmである、請求項6に記載の磁性体装荷アンテナ。
  8. 前記アンテナコイルの巻き付け形態が隣接∞形態のとき、前記所定の距離は70〜100mmである、請求項6に記載の磁性体装荷アンテナ。
  9. 周囲に巻き付けられたコイルを有する第1磁性体と、
    前記第1磁性体の上に間隔を開けて設けられた第2磁性体と、
    前記第2磁性体の上に設けられたアンテナコイルとを含む、アンテナ装置。
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