JP2015077655A - 真空吸着パッド - Google Patents
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Abstract
Description
被吸着面の凹凸切替わり部に鋭角な落ち込みがある凹凸面では、真空漏れは一層大きく、吸着力維持が困難であった。
特に、数リットルから十数リットル程度の少流量真空ポンプの場合、凹凸の隙間を塞ぎ、吸着力を維持する接面シール構造を持つ真空吸着パッドは見当たらず、吸着力を発揮する吸着パッドの出現が待たれていた。
そのため、様々な接面シール材や形状の考案が試みられてきた。
特開2010−201536号広報では、蛇腹状のスカート部の一端部に、このスカート部内を真空にする真空装置からのパイプが接続された基部が気密的に設けられ、蛇腹状のスカート部内の大径部に、少なくとも一つ以上の貫通穴が形成された円板状の固定板が設けられ、蛇腹状のスカート部の大径部からなる他端部に、他端部と当接するとともに、少なくとも一つ以上の貫通穴が形成された軟質ゴムよりなる円板状のエッジホルダが設けられ、エッジホルダと固定板とが一体的に形成されるとともに、エッジホルダの外装面には、エッジホルダよりも軟らかい軟質ゴムより形成されて平面上のワークの板面に当接する環状のエッジ部が気密的に設けられている。
特開2008−238306号広報では、真空吸着パッドにおいて、上記シール部材は、高分子ゲルで形成されるとともに、被吸着面側先端に向かって先細りとし、断面形状において、上記先端の角度が鋭角であり、かつ、この先端を、パッド基板に固定したシール部材固定部の幅方向中心よりも外側に位置させた。
吸着する時に被吸着面への付勢力を高める為に、接面シールの硬度を上げれば、その反力で凹凸面の隙間を塞ぎきれず、真空漏れが多いとの課題があった。
特に、凹凸面の凹凸切替わり部に鋭角な落ち込みがある場合には、この傾向は一層顕著であり、少流量真空ポンプでは吸着が困難との課題があった。
該内シール壁内の真空度の高まりにより、被吸着面逆側の前記吸着パッド基板から付勢された中硬度の該外シール壁も凹凸面に付勢され、面で接面することにより凹凸面の隙間を塞ぎ、少ない真空流入によっても凹凸面に吸着する。
該外シール壁は弾性反発力が高く、圧縮されて被吸着面と前記吸着パッド基板との間を反発力と真空付勢力が均衡する所定高に保ち、低硬度で柔らかい前記内シール壁にかかる過剰な力を防ぐことが出来る。また、前記外シール壁は前記内シール壁の外周に該内シール壁を囲んでリング状に設けられ、低硬度の該内シール壁を外側から保護することが出来る。
性質と構造が異なるこの二重シール構造は、前記内シール壁を前記外シール壁が保護しながら、隙間を塞ぎ真空漏れを2重に防ぐことができる。
安定した接面姿勢は、接面においての吸着力を高めることができる。
シール壁は真空室側では該内シール壁と該外シール壁が重なり合った2層構造を備え、また外側方向には該内シール壁に接して該外シール壁を備える2重構造のシール壁として設けられ、面の凹凸切替わり部の鋭角な落ち込み部の隙間も塞ぐ該内シール壁の役割と、面で接面し凹凸面の隙間を塞ぐ2重の構造により真空漏れ防ぐことができる。
図1は、本発明の請求項を説明するために図示された真空吸着パッド例の側面外観図である。また、図2から8は、図1の略中央部分での側面断面図である。
図1に例示する真空吸着パッドは、真空生成源に連通する真空継手1と、真空継手が螺設される基板支持棒2と、基板2−1の接面側周縁部に設けられた内シール壁3、及び外シール壁4とから構成される。
図2において、基板支持棒2に穿設された真空連通孔2−2を備える基板2−1の接面側周縁部には、真空室8を囲んで、シール保持具6、シール保持・高さストッパー7と基板2−1との間に内シール壁4が挾着される。内シール壁4は硬度5〜30度程度の低硬度軟質弾性体であり、内シール壁4を囲んで設けられる外シール壁3は硬度35〜50度程度の中硬度軟質弾性体で設けられる。
また、図2に示す様に、内シール壁4の壁高は外シール壁3の壁高より0.5から2.5mm程度高く設けられている。真空連通孔2−2からの真空引きにより、接面した内シール壁4は、接面反発力が低いため容易に凹凸面にも真空吸着することができる。内シール壁4の吸着により真空室8が形成され接面方向に付勢された前記基板2−1は、外シール壁3を背面から凹凸面に付勢し吸着させるべく作用する。シール壁4と外シール壁3は真空吸着により圧縮され、前記基板2−1は吸着力と反力とが均衡するストッパー7の所定高まで沈み込み吸着姿勢を維持する。
中硬度の前記外シール壁3は、低硬度の前記内シール壁4を外周側から保護し、また極端な圧縮力が該内シール壁4にかかることをストッパー7と共同で防ぎ、また接面平坦部の面全体が凹凸面に接することで真空漏れを防ぐ働きをしている。柔らかく凹凸に沿い易い前記内シール壁4と強靭な前記外シール壁3とが隣接し備えられ、各々の特徴を生かした働きをする構成に設けられている。
図4において、前記内シール壁4の接面周縁部が傘状に外側に広がって設けられていることを除き、実施例1と同一構造に設けられている。前記内シール壁4は接面周縁部が傘状に広がって設けられているため、被吸着面に対し傾いて接面した場合にも該内シール壁4の接面周縁部は内側に巻き込まれることが無く、安定した形状で吸着することができる。
また、前記外シール壁3の接面平坦部は、前記内シール壁4の傘状に広がった接面周縁部の接面逆方向の背面に当接し設けられているため、接面吸着時には該外シール壁3の接面平坦部が該内シール壁4の接面周縁部を背面から付勢し、凹凸面での密着性を高めることが出来る。
また、前記内シール壁4の側面に外接する前記外シール壁3の外径は、前記内シール壁4の広がった周縁部の外径より所定長大きく設けられ、接面吸着時には、該外シール壁3は該内シール壁4の接面側に広がった傘状の周縁部を接面付勢するとともに、自らの接面平坦部をも接面付勢される構造に設けられている。
尚、前記内シール壁4の傘状に開いた周縁部の先端が鋭角であれば、0.5mm以下程度の微細な隙間による流入空気流であっても、内シール壁4の周縁部先端の鋭角膜は流入空気流に吸引付勢され、凹凸面の凹凸切替わり部の鋭角な落ち込みの隙間を塞ぐことができ、吸着力を高めることが出来る。
また、前記外シール壁3の接面平坦部は、前記内シール壁4の傘状に開いた接面反対方向の背面に当接し設けられているため、接面吸着時には該外シール壁3の接面平坦部が該内シール壁4の接面周縁部を背面から付勢し、凹凸面での密着性を高める様に設けられている。
また、前記内シール壁4の側面に外接する前記外シール壁3の外径は、前記内シール壁4の広がった接面周縁部の外径より大きいため、接面吸着時には、該外シール壁3は該内シール壁4の接面側に広がった傘状の周縁部を接面付勢するとともに、自らの接面平坦部をも接面付勢される構造に設けられている。
この構造により凹凸面の凹凸切替わり部の鋭角な落ち込みの隙間を塞ぎ、吸着力を高めることが出来る。
この切り欠きは基板2−1方向への高さを変更することにより、接面吸着時に前記外シール壁3の平坦部が前記内シール壁4の傘状に広がった接面周縁部を付勢する接面押し付け力を調整することができる。
この付勢力を調整することにより、接面時の密着性を維持しながら前記内シール壁4の接面角度を調整できる。
また、前記内シール壁4の傘状に広がった周縁部の先端が鋭角であれば、0.5mm以下程度の微細な隙間による流入空気流であっても、内シール壁4の周縁部先端の鋭角膜は流入空気流に吸引付勢され隙間を塞ぐことができる。
前記内シール壁4の外側側面と前記外シール壁3との間に、所定幅、所定高の水等の流動液体を含水できるリング状の保水弾性体5を備える。
前記外シール壁3の側面内側や内シール壁4の外側側面に、所定の切り欠きを設け、切り欠きに前記保水弾性体5を挿着しても良い。
また、前記内シール壁4の外側側面と前記外シール壁3の内側側面とは、所定幅の隙間を保ち設けられ、前記保水弾性体5と前記パッド基板2−1に至る迄のリング状の隙間を液体流入溝5-2とし、前記保水弾性体5と前記外シール壁3の接面平坦部に至る迄のリング状の隙間を液体流出孔5−3として設けられる。
更に、液体を供給する手段として設けられた前記液体流入溝5−2と、前記パッド基板2−1の該液体流入溝5−2が当接する位置には、所定個数の液体供給孔5−1が穿設された構造を備えて設けられる。
また、前記内シール壁4及び前記外シール壁3は不透液性の弾性体であり、前記保水弾性体5は透水性且つ保水性の弾性素材であり、前記液体供給孔5−1から注入された液体は前記液体流入溝5−2を流れ、前記保水弾性体5で吸水され保水される。
排出された液体は、前記液体流出溝5−3を伝わり前記内シール壁4及び前記外シール壁3接する被吸着面上に達し、真空漏れを塞ぐ液体からなるシール壁を形成することができる。
液体の真空シール壁は、液体自体が凹凸面の不連続な凹凸形状に沿うため、弾性体のシール壁が塞ぎきれない凹凸切替わり部の鋭角な落ち込みの0.5mm以下程度の微細な隙間を塞ぎ真空漏れを防ぐことができる。
前記保水弾性体5の収縮後の膨張による圧力低下と毛細管作用を利用した連続的な給排水の作用は、連続的に液体シール壁を形成する機能として作用している。
図8において、前記内シール壁4が傘状に外側に広がって設けられていることを除き、実施例6と同一構造に設けられている。
前記内シール壁4はその接面周縁部が傘状に広がって設けられているため、被吸着面に傾いて接面した場合にも該内シール壁4の接面周縁部は内側に巻き込まれることが無く、被吸着面との間に隙間を生じることなく、安定した形状で吸着することができる。
また、接面吸着時には前記内シール壁4の周縁部の傘状に開いた壁膜の上部を伝った液体シールは、凹凸面の0.5mm以下程度の微細な隙間に流入空気流により入り込み、0.5mm以下程度の微細な隙間を塞ぎ真空漏れを防ぐことができる。
また、前記内シール壁4の傘状に開いた周縁部の先端が鋭角であれば、0.5mm以下程度の微細な隙間による流入空気流であっても、内シール壁4の周縁部先端の鋭角膜は流入空気流に吸引付勢され隙間を塞ぐことができる。
図8の実施例においては、上記の前記周縁部の先端鋭角膜の遮蔽作用と、前記液体シールの遮蔽作用の2種の真空漏れ遮蔽作用により0.5mm以下程度の微細な隙間も塞ぐことができ、少流量真空ポンプであっても真空吸着力を高めることができる。
2 基板支持棒
2-1 パッド基板
2-2 真空連通孔
3 外シール壁
3-1 外シール切り欠き
4 内シール壁
5 保水弾性体
5-1 液体供給孔
5-2 液体流入溝
5-3 液体流出孔
6 シール保持具
7 シール保持・高さストッパー
Claims (7)
- パッド基板の内側に真空源に連通する真空引き孔と、該パッド基板の周縁部に真空室形成のため設けられたシール壁とを備え、接面時に被吸着面に吸着する吸着パッドにおいて、前記シール壁が低硬度軟性弾性体で接面先端部断面が鋭角の内シール壁と、該内シール壁を取り囲み、該内シール壁の外側側面に、該内シール壁よりも壁高が数ミリ低く、接面部が平坦に設けられた中硬度軟質弾性体の外シール壁とを備えた事を特徴とする真空吸着パッド。
- 前記内シール壁は前記基板から所定高で被吸着面方向へ傘状に広げ設けられたことを特徴とする請求項1に記載の真空吸着パッド。
- 前記外シール壁の接面側平坦部は、吸着時に、前記内シール壁の傘状に広がった接面周縁部の背面を接面側に付勢する所定高に設けられた事を特徴とする請求項2に記載の真空吸着パッド。
- 前記内シール壁の外側側面に備えられた前記外シール壁の外径は、該内シール壁の接面周縁部の外径より所定長大きく設けられた事を特徴とする請求項3に記載の真空吸着パッド。
- 前記外シール壁は、前記内シール壁の傘の開いた部分に当接する該外シール内壁接面側の一部を切り欠き、他残余の接面部は平坦に設けられている事を特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の真空吸着パッド。
- 前記内シール壁と前記外シール壁の間に、該内シール壁を取り囲み設けられたリング状の保水弾性体を設け、保水弾性体からの液体が該内シール壁と該外シール壁との間を通り、被吸着凹凸面に流入する事を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の真空吸着パッド。
- 前記保水弾性体に連通する液体供給手段を設け、連続液体供給とした事を特徴とする請求項6に記載の真空吸着パッド。
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JP2018039056A (ja) * | 2016-09-05 | 2018-03-15 | 学校法人 名城大学 | 吸着パッド |
CN109227591A (zh) * | 2018-09-14 | 2019-01-18 | 合肥安信瑞德精密制造有限公司 | 一种手持式便于抓取阀片的工具 |
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JPS60238292A (ja) * | 1984-05-09 | 1985-11-27 | 三菱重工業株式会社 | 吸着盤 |
JP2012110981A (ja) * | 2010-11-21 | 2012-06-14 | Kenji Hayashi | 真空吸着パッド |
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2013
- 2013-10-17 JP JP2013216032A patent/JP2015077655A/ja active Pending
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