JP2015077261A - キャスター付き家具の免震装置 - Google Patents
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Abstract
Description
家具、特に病院家具のキャスター付きオーバーベッドテーブルや床頭台やロッカーの防振対策としては、家具の底部の四隅に設けられたキャスターのロック及びロック解除操作を一括して同時に行う操作部を設けて、床に固定する装置が知られている。
また、キャスター付き家具の免震装置としては、特許文献1としてキャスターと家具の底面部との間にコイルバネを介在させて、家具への振動を緩和される装置が知られている。
また、特許文献2には、家具のキャスターと床との間に定位置保留手段を設け、一定以上の振動があると、キャスターが定位置保留手段から脱離するようにした免震装置が知られている。
更に、特許文献3には、家具及びキャスターの近傍にゴム部材の補助支持機構を設けて、振動を吸収するようにしたキャスター付き家具の免震装置が知られている。
この免震装置として、キャスターと家具の底面部との間にコイルバネを介在させる特許文献1の免震装置は、小さな振動でも家具は揺れるという不都合があり、また、家具のキャスターと床との間に定位置保留手段を設け、一定以上の振動があると、キャスターが定位置保留手段から脱離するようにした特許文献2の免震装置は、定位置保留手段を配置することが厄介であり、更に、家具及びキャスターの近傍にゴム部材の補助支持機構を設けて、振動を吸収するようにした特許文献3の免震装置も、補助支持機構を設置することが厄介であり、例えば、病院家具のキャスター付きオーバーベッドテーブルや床頭台やロッカーは、移動が頻繁であるので、その都度、キャスターが定位置保留手段やゴム部材の補助支持機構を配置することは厄介であるという問題点があった。
請求項2の発明は、請求項1に記載のキャスター付き家具の免震装置において、前記滑走部材は、ボールベアリングであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載のキャスター付き家具の免震装置において、前記滑走部材は、自己潤滑性のあるポリアセタールコーポリマー樹脂で制作されたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3に記載のキャスター付き家具の免震装置であって、前記キャスターは、双輪キャスターであって、前記家具の底部の四隅に設けられ、前記双輪キャスターのロック及びロック解除操作を一括して同時に行う操作部を設け、通常はキャスターをロックしておくことを特徴とする。
図1はロッカー1の斜視図、図2はその右側面図であるが、前面部11には扉111が設けられ、図3の底面図に示すように、底面部12には、4隅の近傍には双輪キャスター2が設けられ、この4個の双輪キャスター(単輪キャスターでも可)2は、同軸の操作ワイヤー21が接続され、この4本の操作ワイヤー21は分配器22を介して操作部及び操作レバー(図示せず)に接続されている。操作レバーを操作することによって、双輪キャスター2のロック及びロック解除操作を一括して同時に行うようになっている。なお、操作部及び操作レバーは図示していないが、ロッカー1の適所に設けてあり、本実施例では扉111を開けたロッカー内の操作しやすい箇所に配置されている。
なお、本発明での「キャスター」の意味するところは、ロッカー等の家具において、底部の縁部分より多少内側に位置し、家具を多少浮かして支持するキャスターやこれに類する固定支持部材(例えば、4隅に設けてネジで高さを調整の支持部材、或いは厚手の硬質ゴムブロック)を意味する。
また、「家具」の意味するところは、通常の家具のほか、床頭台、オーバーベッドテーブル、ベッドサイドテーブル等の病院家具も含むものである。
この免震装置3の詳細を図4(a)(b)に図1のZ−Z線での拡大断面図に示して説明する。このボールベアリング32の構造は、図4(a)に示すように、ボール321を枠体322に回転自在に嵌め込まれて、ボール321が接地すると滑走する構成である。このボールベアリング32はボール321の径を選択することによってどんな床面に対しても確実に滑走することができる。
図4(a)は、通常状態での前面部の拡大断面図であるが、図示されているように、滑走部材31のボールベアリング32の最下部位y1は、通常時にはロックされた双輪キャスター2の最下部位が接する床Fより若干高い位置h1に浮いた状態に配置されている。
なお、大きな地震の揺れる方向はまちまちで、この説明ではロッカー1の前面と背面方向の揺れで説明したが、左右の側面方向の揺れであれば、左右のどちらかに転倒することになり、ロッカー1(家具)の高さや形状によっても揺れ方向が異なるが、いずれにしても、ロッカー1(家具)の底面部12が固定状態にあるので、底面部12を中心にして揺れの大きな方向に転倒する危険性が大きくなる。
ロッカー1(家具)が図4(a)の状態にある場合に、小さな地震の揺れ(例えば、震度5以下の小さな地震)では、図5の場合と同様に、双輪キャスター2はロックされ防振装置を構成しているので、防振作用もより、ロッカー1は揺れるだけで移動もしない。しかし、想定外の巨大地震の大きなとなると(例えば、震度6以上)、図4(b)のように、ロッカー1は角度α以上傾くと、前面部11の下端部121に設けた滑走部材31のボールベアリング32の最下部位y1が床Fに接地し、このボールベアリングは滑走し易いので、図4(b)の矢印に示すように、揺れ方向に滑走し移動することになる。すなわち、所定以上の大きな震度での揺れでは、ロッカー1(家具)は転倒せずに前後左右の重心の移動方向に移動することになり、その結果で免震作用を有するものである。
ロッカー1は振動方向に移動はするが、転倒を免れることにより、ロッカー1(家具)の周囲にいる人にとって重大な怪我の危険性を減少させることができ、特に、病院家具の床頭台、オーバーベッドテーブル、ベッドサイドテーブル、ロッカー等に採用すれば、健常者や病人等にとっては勿論のこと、健常者にとって家具の転倒を防げるので、怪我等をする危険性を減少させることができる。
このコーナー固定部材33に使用されるポリアセタールコポリマー樹脂は、所謂ジュラコンと呼ばれるもので、自己潤滑性があり、軸受けなどに使用されているので、摩擦係数が低い素材である。
実施例2においても、滑走部材31のコーナー固定部材33の最下部位y2は、キャスター2よりも外側にx2だけ離れて、かつ、通常時にはロックされた双輪キャスター2により床Fより若干高い位置h2に浮いた状態に配置されている。なお、実施例2での角度αは図9からタンジェントTANα=h2/x2である。
したがって、実施例2の作動も実施例1と同じであるが、構造は実施例1のボールベアリング32とは異なり、可動部がないので、構成が簡単で、保守も簡単となる利点がある。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。例えば、キャスターは双輪キャスター以外の単輪キャスターを用いた家具に用もよく、また、キャスターでなくても、家具底部の縁部分より多少内側に位置し、家具を多少浮かして支持するキャスターに類する固定支持部材、例えば、4隅に設けてネジで高さを調整の支持部材、或いは厚手の硬質ゴムブロック等でもよいことは勿論である。
y2・・コーナー固定部材33の最下部位、y3・・従来の底面部の最下部位、
1・・ロッカー、11・・前面部、111・・扉、12・・底面部、
121・・下端部、
2・・双輪キャスター、21・・操作ワイヤー、22・・分配器、
3・・免震装置、31・・滑走部材、32・・ボールベアリング、
321・・ボール、322・・枠体、
33・・コーナー固定部材
Claims (4)
- キャスター付き家具において、家具の底部にはキャスターが設けられる位置より外側に滑る機能を有する滑走部材を設け、該滑り部材の最下部位は、通常時にはキャスターの最下部位が接する床より若干高い位置に浮いた状態に配置され、大きな揺れの場合には家具の前記滑走部材が床に接し、床を滑るように移動して免震することを特徴とするキャスター付き家具の免震装置。
- 前記滑走部材は、ボールベアリングであることを特徴とする請求項1に記載のキャスター付き家具の免震装置。
- 前記滑走部材は、自己潤滑性のあるポリアセタールコーポリマー樹脂で制作されたことを特徴とする請求項1に記載のキャスター付き家具の免震装置。
- 前記キャスターは双輪キャスターであって、前記家具の底部の四隅に設けられ、前記双輪キャスターのロック及びロック解除操作を一括して同時に行う操作部を設け、通常はキャスターをロックしておくことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のキャスター付き家具の免震装置。
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