JP2015076862A - 端末装置、情報端末装置、マルチホップ無線システムおよび通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信の基点となるノードが保持する経路情報を削減可能な端末装置を得ること。【解決手段】本発明は、マルチホップ無線システムを構成する端末装置であって、端末装置としてのノード10は、第1のノードが自身を介して第2のノードと通信する場合の経路情報を第1のノードから取得する経路情報取得手段(メッセージ受信部14,計算部15)と、第2のノードと取得した経路情報を対応付けて保持しておく情報保持手段(記憶部16)と、第2のノードまでの経路情報を含んでいない第2のノード宛のメッセージを受信した場合、受信したメッセージに対して第2のノードと対応付けられている経路情報を付加して転送する転送手段(計算部15,メッセージ送信部13)と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、端末装置、情報端末装置、マルチホップ無線システムおよび通信方法に関する。
一般的なマルチホップ無線システムにおいては、端末(ノード)間にて相互に通信を行うことによりデータを収集する。例えば、複数のノードとノードを収容する終端装置とによって形成されたマルチホップ無線システムにおいては、複数のノードをホッピングさせることによって、終端装置または終端装置の上位の装置が各ノードからデータを収集する。すなわち、ある装置がシステム内のノードで測定されたデータを収集することを目的としたマルチホップ無線システムは、終端装置の配下にツリー状にノードが収容されて形成されており、各ノードは、測定したデータを上位のノードに対して送信し、下位のノードからデータを受信したノードは、受信したデータをさらに上位のノードに送信することで、終端装置に対してデータを送信する。このような手順によって、終端装置または終端装置のさらに上位の装置は、各ノードで測定されたデータを収集する。
上述したようなマルチホップ無線システムでは、ノードの密度の低いシステム構築段階においては、終端装置との途中経路を確立できない場合がある。また、前記システムにおいては一般的に、終端装置からのホップ数には最大値が設けられており、前述のように特にシステム構築段階において、ホップ数の最大値を超えることに起因し、収容の出来ないノードが存在する可能性がある。さらに前記システムを例えばスマートメーター等の接続に適用する場合について述べる。スマートメーターは各家庭の軒先等に設置されることが想定される。スマートメーターは各家庭の使用電力量等の検針情報を、終端装置に送信する目的に用いられる。またマンション等の高層住宅では、各家庭向けの金属等で作られたメーターボックスに収納されることが多く、電波の届く方向は限定され、電波の強度が低下した状態となる恐れがあり、建物構造やノード等の配置に大きく依存するが、ネットワークの構成が難しくなる場合が想定される。
このような場合には、専門員が、無線通信機能を有する情報端末を保持し、所望のノード付近にまで移動し、情報端末を用いてノードに対し、無線通信にて制御コマンドの送信や情報収集を行うことが想定される。例えば、ノード密度が低く終端装置との間の途中経路が構築できない場合においては、ノードの設置が十分な量となるまでの期間、専門員による前述のオペレーションが想定される。また、終端装置を基点としたホップ数の最大値を超えたことに起因して収容できないノードについては、終端装置が更に設置されるまでの間、専門員による前述のオペレーションが想定される。また、終端装置を追加設置する場合に、当該終端装置周辺がルーラルエリアのため家庭の密度が少なく、終端装置設置のコストが見合わない場合においては、継続的な専門員による情報端末を用いた制御や検針情報の収集を継続的に行う選択肢を提供することが可能となる。
例えば、特許文献1に記載されたセンサネットワークシステムは、少なくともノード、情報端末から構成される構成となっている。また全てのノードは、自身からマルチホップ通信可能な全てのノードに対する経路情報を保持している。情報端末がある通信対象ノードに対して通信を行う場合には、情報端末が選択したノードを介して、通信対象ノードに対しマルチホップ通信を行う。すなわち、情報端末が選択したノードが保持する、通信対象ノードまでの経路情報を利用することで、情報端末は通信対象ノードとの通信を可能とするものである。
しかしながら、上記従来のマルチホップ通信システムでは、全てのノードが通信可能な全ての周辺ノードおよびマルチホップ通信により複数ホップ先のノードについて、事前に経路表を保持しているため、以下のような問題がある。
具体的に図14で説明すると、ノード#1は、ノード#1自身を基点として、他のノードに対する経路を表す経路情報を保持している。同様に、ノード#2はノード#2自身を基点とした経路情報を保持する。なお図14ではノード台数を6としたが、これに限らない。また図では未記載だが、ノード#3、ノード#4、ノード#5、ノード#6についても同様に、自身を基点とするノード情報を保持することとなるため、どのノードを経由した場合でも、情報端末は全てのノードに対して事前に構築した経路に基づいて通信を行うことが可能な構成である。しかし、全てのノードは、自ノードを基点とした経路情報に加えて、自ノードの周囲の他のノードが保持する経路情報を追加で保持する必要が生じ、追加の経路情報の保持に伴い所要メモリ量が増加する。結果として、自ノードを基点とした経路情報の量が圧迫されることになり、自ノードからホップ数の大きい位置に存在する他ノードの経路情報を保持できなくなり、通信可能となるノードが限定される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通信の基点となるノードが保持する経路情報を削減可能な端末装置、情報端末装置、マルチホップ無線システムおよび通信方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、マルチホップ無線システムを構成する端末装置であって、第1のノードが自身を介して第2のノードと通信する場合の経路情報を当該第1のノードから取得する経路情報取得手段と、前記第2のノードと前記取得した経路情報を対応付けて保持しておく情報保持手段と、前記第2のノードまでの経路情報を含んでいない前記第2のノード宛のメッセージを受信した場合、受信したメッセージに対して前記第2のノードと対応付けられている経路情報を付加して転送する転送手段と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる端末装置よれば、通信の基点となるノードが保持する通信経路情報が増大するのを防止できる、という効果を奏する。また、長いホップ数の位置に存在するノードとの通信を可能にするマルチホップ無線システムを実現できる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる端末装置、情報端末装置およびマルチホップ無線システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるマルチホップ無線システムの構成例を示す図である。本発明にかかるマルチホップ無線システムは、情報端末20と、複数の端末としてのノード10(ノード10a,10b,10c,10d,10e)とにより構成されている。なお、情報端末20とノード10の数は1台以上あればよく、図1に記載した台数には限定されない。各ノード10は同じ機能を有している。情報端末20とノード10はそれぞれ固有の識別情報を有している。情報端末20の識別情報を20_adr、ノード10a乃至10eそれぞれの識別情報を10a_adr乃至10e_adrとする。本実施の形態では、制御対象のノード10は識別情報10e_adrを有するノード10eであるとして説明を行う。
図1は、本発明にかかるマルチホップ無線システムの構成例を示す図である。本発明にかかるマルチホップ無線システムは、情報端末20と、複数の端末としてのノード10(ノード10a,10b,10c,10d,10e)とにより構成されている。なお、情報端末20とノード10の数は1台以上あればよく、図1に記載した台数には限定されない。各ノード10は同じ機能を有している。情報端末20とノード10はそれぞれ固有の識別情報を有している。情報端末20の識別情報を20_adr、ノード10a乃至10eそれぞれの識別情報を10a_adr乃至10e_adrとする。本実施の形態では、制御対象のノード10は識別情報10e_adrを有するノード10eであるとして説明を行う。
また、図1は、情報端末20から制御対象ノード(ノード10e)までの経路探索を行った結果、得られた経路を表している。すなわち、情報端末20から、複数台のノード10(ノード10a、10cおよび10d)を介して、ノード10eと通信を行うことが可能である様子を表している。
情報端末20は専門員が保持し、制御対象ノード付近に移動し、当該ノードと通信を行う際に用いる。制御対象ノードと直接通信することができない場合には、他のノードを解してマルチホップ通信を行う。
ノード10は、所定のセンシング機能を有するセンサノードであり、情報端末20から指示を受けた場合や予め規定されたタイミングなどにおいて、測定を行う。また、他のノード10や情報端末20から信号を受信した場合、転送する必要があるかどうかを確認し、転送が必要な場合には転送処理を行う。
ここで、本実施の形態で想定しているノード10および情報端末20によって形成されるマルチホップ無線システム、すなわち、センシングを行うノードとノードによるセンシング結果を収集する情報端末によって形成されたマルチホップ無線システムにおいては、主に、情報端末がシステム内の複数のノードの中から選択した通信相手(センシング結果を収集する相手)と通信する。例えば、情報端末は、選択したノードに対してセンシング結果の送信を要求し、要求を受けたノードはセンシング結果を返送する。センシングを行うノードが多数存在する場合、情報端末は複数の通信相手(ノード)に順番にアクセスしてデータ(センシング結果)を収集する。よって、システムの規模が大きくなると情報端末の通信相手が増大し、情報端末が保持する経路情報(通信相手までの経路情報)が増大する。一方、ノードの通信相手は主に情報端末となり、他のノードを通信使相手としてデータを送受信するケースは少ないため、保持する経路情報は情報端末よりも少ない。そのため、詳細については後述するが、本実施の形態のマルチホップ無線システムにおいては、従来は情報端末が保持していた経路情報の一部をノードが代わりに保持するようにして、情報端末が保持する経路情報を削減する。情報端末は、例えば、自身に代わって経路情報を保持しているノードを記憶しておき、あるノード宛に信号を送信する場合、最終的な宛先ノードまでの経路情報を保持しているノードへ送信し、信号を受信したノードが、保持している経路情報を付加して転送する。
図2は、ノード10の構成例を示す図である。図示したように、ノード10は、アンテナ11、無線通信部12、メッセージ送信部13、メッセージ受信部14、計算部15、記憶部16および計測部17を備えている。
無線通信部12は、アンテナ11を介して他の無線通信機器(情報端末20または他のノード10)との間で無線信号(フレーム)を送受信する。
メッセージ送信部13は、制御情報や測定データ等をメッセージ化して他の無線通信機器に送信する。
メッセージ受信部14は、他の無線通信機器から送信されたメッセージを受信する。受信するメッセージは、専門員が希望する制御対象ノードまでの経路を探索するために用いられる経路探索要求メッセージ、経路探索要求メッセージを制御対象ノードが受信した場合に、制御対象ノードと情報端末との間の経路を情報端末および途中経路を構成するノードに通知するための経路探索応答メッセージ、探索した経路の始点を情報端末から情報端末が選択したノードに変更するための経路確定メッセージ、などがある。それぞれのメッセージを送信および受信した場合の動作は後述する。
計算部15は、メッセージ受信部14で受信したメッセージの内容が通知されると、通知された情報に基づき処理を行う(詳細は後述する)。また、送信するメッセージ内容を決定し(同様に、詳細は後述する)、メッセージ送信部13に通知する。
記憶部16は、自身のMACアドレスやIPアドレス等の識別情報、ルーティングテーブル(経路情報)等の情報を保持する。計算部15の要求に応じ、情報の書き込み、読み出し、書き換え、削除等を行う。
計測部17は、情報端末20が収集する各種データ、例えば、温度や湿度、電力使用量等を得るための計測を行う。なお、図2では、ノード10に計測部17が含まれる構成としているが、ノード10の外部(別の装置)としても構わない。
図3は、情報端末20の構成例を示す図である。図示したように、情報端末20は、アンテナ21、無線通信部22、メッセージ送信部23、メッセージ受信部24、計算部25、記憶部26およびユーザインターフェース部27を備えている。
情報端末20とノード10を構成する各要素には同じ動作を行うものが含まれており、以下の通りに列挙する。すなわち、アンテナ21はアンテナ11と同様である。以下、無線通信部22と無線通信部12、メッセージ送信部23とメッセージ送信部13、メッセージ受信部24とメッセージ受信部14、記憶部26と記憶部16はそれぞれ同様の構成となるため説明を省略する。
ユーザインターフェース部27は、専門員(図示せず)または専門員を支援する業務システム等(図示せず)とのユーザインターフェースである。専門員などは、ユーザインターフェース部27より、制御対象のノードを当該ノードの機器固有番号等に基づき指定したり、制御制御コマンド等の送信を指示したり、また制御結果等の閲覧を可能とする。ユーザインターフェース部27からの入力は記憶部26で保存する。なお、図3では、情報端末20にユーザインターフェース部27が含まれる構成としているが、情報端末20の外部(別の装置)としても構わない。また、制御対象のノードの情報は、予め別の手段にて保持していても構わないものとする。以下では、ユーザインターフェース部27より専門員が制御対象のノードを指定したとして、説明を続ける。
制御対象のノードが指定された場合、計算部25は、メッセージ送信部23に対し、ユーザインターフェース部27より入力された制御対象ノードまでの経路探索を指示する。経路探索は従来からの手法を用いることができる。すなわち、計算部25は情報端末20のMACアドレスやIPアドレス等の機器固有番号を記憶部26から読み出し、また記憶部26より制御対象ノードの機器固有番号も合わせて読み出し、読み出した情報(機器固有番号)をメッセージ送信部23に通知する。メッセージ送信部23は、通知された機器固有番号を設定した経路探索要求メッセージを周囲のノードに向けて、例えばブロードキャストで送信する。経路探索要求メッセージを受信したノードは、経路探索要求メッセージに含まれる、制御対象ノードの機器固有番号が自身の機器固有番号とは異なる、すなわち自身に宛てられたものでないと判断した場合には、自身が途中経路であること(自身の機器固有番号)を経路探索要求メッセージに追加し、再度ブロードキャストにより転送を行う。このように転送を繰り返した結果、制御対象ノードは、経路探索要求メッセージを受信し、自身に宛てられたものである場合、経路探索要求メッセージに対する応答を情報端末20に返す。
経路探索要求メッセージとその転送手順について、図4を用いて具体的に説明を行う。経路探索要求メッセージは、ローカル宛先31、ローカル送信元32、グローバル宛先33、グローバル送信元34、メッセージ識別子35、経路36等から構成される。経路36は複数個のフィールドを有するとしてよい。
以下、図1の構成の場合、情報端末20が送信する経路探索要求メッセージ内容を説明する。グローバル宛先33は、経路探索要求メッセージの最終的な宛先とする装置のアドレスを示すフィールドであるため、制御対象ノード10eの識別情報(10e_adr)が設定される。グローバル送信元34は、メッセージを最初に送信した装置の識別情報を設定する。そのため、情報端末20の識別情報(20_adr)が設定されることになる。
ローカル宛先31は、経路探索要求メッセージの直接の送信先(次の送信先)を送信する。本構成では、直接の通信先として周囲のノード全てに対して通知する構成として、ブロードキャストアドレスとする。例えばIPv6を用いる場合にはマルチキャストアドレスを設定するとしても良い。さらに、ローカル送信元32は、経路探索要求メッセージを送信または転送するノード10もしくは情報端末20の識別情報が設定される。
メッセージ識別子35には、メッセージの識別情報が設定される。図4の(1)は情報端末20が送信する経路探索要求メッセージの構成を示している。
図4に示した(1)〜(4)から分かるように、経路探索要求メッセージにおいて、グローバル宛先33、グローバル送信元34およびローカル宛先31は不変である。メッセージ識別子35も当然、不変である。一方、ローカル送信元32は、経路探索要求メッセージが転送されるごとに更新される。また、経路36は転送される毎にフィールドが追加される。
続いて、経路探索要求メッセージを転送し、制御対象ノード(ノード10e)まで転送する際の経路探索要求メッセージの各フィールドの更新について説明する。既に説明したように、情報端末20は図4の(1)の経路探索要求メッセージを送信する。これをノード10a(識別情報:10a_adr)が受信し、ノード10aは、転送が必要か否か、すなわち、グローバル宛先に自身の識別情報が設定されているかどうか、確認する。図4の場合、ノード10aは、転送が必要と判断し、図4(2)に示すように、ローカル送信元32を自身の識別情報(10a_adr)に書き換えるとともに、経路36にはもともと転送されたフレーム(図4(1)に相当)のローカル送信元32に設定されていた識別情報(この場合、情報端末20の識別情報20_adr)を追記する。この結果、生成された経路探索要求メッセージは図4(2)に示すとおりとなり、当該メッセージをノード10aは送信する(図4の場合はブロードキャストする)。
ノード10aが送信した図4(2)の経路探索要求メッセージはノード10cによって受信される。ノード10は、受信した経路探索要求メッセージのグローバル宛先33を確認して転送が必要と判断し、上述したノード10aと同様の手順に従い、受信した経路探索要求メッセージのローカル送信元32を書き換えるとともに経路36を追記して図4(3)に示した経路探索要求メッセージを生成し、送信する。
ノード10cが送信した図4(3)の経路探索要求メッセージはノード10dによって受信される。ノード10dは、受信した経路探索要求メッセージのグローバル宛先33を確認して転送が必要と判断し、ローカル送信元32を書き換えるとともに経路36を追記し、その結果得られた図4(4)の経路探索要求メッセージを送信する。
ノード10dが送信した図4(4)の経路探索要求メッセージは制御対象ノードであるノード10eによって受信される。ノード10eは、受信した経路探索要求メッセージのグローバル宛先33を確認し、自身の識別情報が設定されているので、自身に宛てられたものと判断する。ノード10eは、受信した経路探索要求メッセージの経路36に書き込まれている経路情報(情報端末20またはノード10の識別情報)を確認することにより当該メッセージが送信されてきた経路を知ることができる。
ローカル宛先にブロードキャストアドレスを設定して経路探索要求メッセージを送信する場合、情報端末20から制御対象のノード10eへは、複数の経路を辿って経路探索要求メッセージが到達することが一般的には想定される。したがって、制御対象のノード10eが受信する経路探索要求メッセージは複数存在することになる。また、本発明では、制御対象ノードが送信する経路探索応答メッセージは複数あってもよいし、トラヒック量を所要量以上まで増大させないという観点から、ある一定数に送信を限定する等の構成としてもよい。以下では、制御対象のノード10eへ異なる経路を経由した経路探索要求メッセージが複数到達したとして説明を続ける。
ノード10eは、伝送経路が異なる複数の経路探索要求メッセージを受信すると、その中で経路の品質の良いものを選択する。品質の良い経路を選択する方法は、どのようなものでも構わない。品質の良い経路の選択方法としては、例えば、経路探索要求メッセージの経路36に設定された識別情報の数(すなわち、情報端末20からのホップ数)から品質を判断して選択する(例えば、ホップ数が少ない経路を選択する)。また、経路探索要求メッセージをホップする毎に、ホップするノード間の電界強度等や再送回数等から計算されるリンク品質等を積算し、積算値を経路探索要求に載せるフィールド(図示せず)を設け、当該フィールドの情報を用いて品質の判断を行うとしてもよい。
ノード10eは、経路の選択が完了すると、選択した経路を用いて、経路探索応答メッセージを情報端末20まで送信する。転送される経路は、既に受信した経路探索要求メッセージに付加されている経路情報を逆にたどる形で参照すれば、知ることが可能となる。すなわち、受信した経路探索要求メッセージの経路36に書き込まれている経路情報より計算することが可能である。
経路探索応答メッセージとその転送手順について、図5を用いて具体的に説明を行う。経路探索応答メッセージのフォーマットは、図4で示した経路探索要求メッセージに対して参照経路番号37を追加したものである。経路探索要求メッセージを受信したノード10eは、上記の経路選択が完了すると、受信した経路探索要求メッセージを参照するなどして、図5(1)に示した経路探索応答メッセージを生成する。参照経路番号37は、経路探索応答メッセージのローカル宛先31を決定する際に参照した経路36の位置に相当する番号(1つ以上存在する経路36のうち、どれをローカル宛先31に設定したかを示す番号)である。経路探索応答メッセージの経路36には、ノード10eが受信した経路探索要求メッセージに設定されている経路36に加えて、当該経路探索要求メッセージのローカル送信元(ノード10d)の識別情報を設定する経路36が含まれている。
経路探索応答メッセージにおいて、グローバル送信元34はメッセージを最初に送信する装置の識別情報を設定するフィールドであるため、このフィールドにはノード10eの識別情報(10e_adr)を設定する。グローバル宛先33は経路探索応答メッセージの最終的な宛先とする装置のアドレスを示すフィールドであるため、このフィールドには情報端末20の識別情報(20_adr)が設定される。これは、ノード10eが受信した図4(4)の経路探索要求メッセージのグローバル送信元34に設定されていた識別情報である。ローカル宛先31には、選択した経路上の次のノード(送信先)であるノード10dの識別情報(10d_adr)を設定する。これは、ノード10eが受信した図4(4)の経路探索要求メッセージのローカル送信元32に設定されていた識別情報を参照することによって決定する。なお、経路探索要求メッセージを異なる経路から複数受信した場合、上記の経路選択で選択した経路を送信されてきた経路探索要求メッセージのローカル送信元32を参照して決定する。ローカル送信元32には、経路探索応答メッセージを送信するノード10eの識別情報(10e_adr)を設定する。メッセージ識別子35には経路探索応答メッセージを示す情報を設定する。参照経路番号37には、経路36の末尾に相当する番号として1を設定する。ノード10eは、このようにして図5(1)の経路探索応答を生成し、送信する。なお、経路探索要求メッセージとは異なり経路が確定しているため、ローカル宛先アドレスには、ブロードキャストアドレスではなく特定のノード(ここでは情報端末20)の識別情報を設定できる。
ノード10eが送信した図5(1)の経路探索応答メッセージはローカル宛先31に設定された識別情報を有するノード10dによって受信される。ノード10dは、グローバル宛先33を確認し、自身宛ではないため、転送が必要と判断し、転送処理を実行する。具体的には、受信した経路探索応答メッセージのローカル送信元32を自身の識別情報(10d_adr)に書き換え、さらに、経路36および参照経路番号37の設定値に基づいてローカル宛先31を書き換える。図5の例では、参照経路番号37に1が設定されているため、次のローカル宛先31は経路36の末尾より1つオフセットした値(末尾から2番目の経路36フィールドに設定されている識別情報)を設定する必要があると判断する。よって、ローカル宛先31をノード10cの識別情報(10c_adr)に書き換える。また、参照経路番号37をインクリメントした値である2に設定し、得られた経路探索応答メッセージ(図5(2))を送信する。
ノード10dが送信した図5(2)の経路探索応答メッセージはノード10cによって受信され、ノード10cは、上記のノード10dと同様の手順で、経路探索応答メッセージを転送する。転送される経路探索応答メッセージは図5(3)に示したものとなる。
同様に、ノード10cが送信した図5(3)の経路探索応答メッセージはノード10aによって受信され、ローカル宛先31などが書き換えられ、図5(4)の経路探索応答メッセージとして転送される。
ノード10aが転送した図5(4)の経路探索応答メッセージは情報端末20によって受信され、この結果、情報端末20は、制御対象ノード(ノード10e)との間の経路を知ることが出来る。制御対象ノードまでの経路が探索されない可能性に備え、情報端末20は経路探索要求メッセージ送信時にタイマーを設定し、タイムアウト時点で探索を停止する等の構成としてもよい。なお、受信した経路探索応答メッセージ(図5(4))のグローバル宛先には情報端末20の識別情報(20_adr)が設定されているため、情報端末20は転送処理を実行しない。
以上のように、情報端末20が、選択した制御対象ノード(上記説明ではノード10eとしている)をグローバル宛先33に設定した経路探索要求メッセージをブロードキャスト送信し、制御対象ノード以外のノード10は、経路探索要求メッセージを受信した場合、経路情報36を付加して転送を行い、制御対象ノードは、経路探索要求メッセージを受信すると、情報端末20までの経路を選択し、当該経路を使用して経路探索応答メッセージを情報端末20へ返送する。この結果、情報端末20は、制御対象ノードまでの経路情報を得ることができるが、さらに、以下に示す処理を実行することにより、保持する経路情報の削減を実現する。
情報端末20は、経路探索応答メッセージを受信すると、受信した経路探索応答メッセージの経路情報から経路を構成するノードを選択し、当該ノードを探索済みの経路の新たな基点として選択しなおすとともに、基点として選択したノードに対して、経路確定メッセージを送信する。なお、基点として選択したノード(基点ノード)の識別情報と制御対象ノードの識別情報を対応付けて記憶しておく。
経路確定メッセージの構成例および経路確定メッセージの送受信に関係した情報端末20およびノード10の動作について、図6を用いて説明する。図6は、経路確定メッセージの構成例を示す図である。経路確定メッセージは、経路探索要求メッセージ(図4参照)に対して基点ノード38およびターゲットノード39の各フィールドを追加した構成となっている。なお、経路36のフィールドには、経路探索応答メッセージで受信した経路情報、すなわち、制御対象ノードまでの経路を構成している各ノードの識別情報が設定される。
基点ノード38は、探索済み経路の新たな基点とするノードの識別情報を設定するためのフィールドであり、ターゲットノード39は、探索済み経路の終点とするノードの識別情報を設定するためのフィールドである。
情報端末20は、自身宛の経路探索応答メッセージを受信した場合、受信した経路探索応答メッセージの経路36を参照し、自身から1ホップ目のノードを、探索済み経路の新たな基点として選択する。そして、この選択したノードの識別情報を経路確定メッセージの基点ノード38に設定する。また、制御対象ノードの識別情報を経路確定メッセージのターゲットノード39に設定する。本実施の形態で想定している図1の構成においては、ノード10aが基点ノード、ノード10eがターゲットノードとなる。そのため、図6の下段に示したように、経路確定メッセージの基点ノード38にはノード10aの識別情報(10a_adr)が設定され、ターゲットノード39にはノード10eの識別情報(10e_adr)が設定される。また、経路36には探索済みの経路情報(受信した経路探索応答メッセージの経路36に設定されていた情報)が設定される。ローカル宛先31およびグローバル宛先33にはノード10aの識別情報(10a_adr)が設定される。
情報端末20が送信した経路確定メッセージの宛先であるノード10aは、経路確定メッセージを受信すると、ターゲットノード39に設定されている識別情報および経路36に設定されている経路情報を保存する。保存した情報の使用方法については後述する。
図7は、経路探索の手順を示すフローチャートである。上述した経路探索動作をまとめると、図7に示したフローとなる。
情報端末20は、経路探索が必要な場合、制御対象となるノードまでの経路を探索するための経路探索要求メッセージを送信し(ステップS11)、その後、経路探索応答メッセージを受信すると(ステップS12:Yes)、更に、探索した経路から、当該経路の新たな基点となるノードを選択する(ステップS13)。そして、新たな基点となるノードを選択したことを通知する経路確定メッセージを、基点となるノードへ送信する(ステップS14)。これにより、本実施の形態のマルチホップ無線システムにおける経路探索が完了となる。なお、ステップS11を実行後、経路探索応答メッセージを所定時間内に受信できない場合、動作を終了する。動作終了後は、経路探索要求メッセージを再送するなどしてもよい。
以後、情報端末20は、制御対象ノード10eにアクセスする場合、新たな基点として選択したノード10a(経路探索後に送信した経路確定メッセージの宛先ノード)が保持している制御対象ノードの情報と経路情報を利用する。これにより、再度の経路探索が不要となるとともに、経路情報を情報端末20が保持しておく必要がなくなる。
次に、情報端末20が再度の経路探索なしに制御対象ノードにアクセスする動作、すなわち、過去に経路検索を実施済みの制御対象ノードにアクセスする場合の動作について説明する。ここでは、図1の構成を想定し、既に説明した手順により、新たな基点ノードとしてノード10aを選択済であり、かつ制御対象ノードをノード10eとした場合の動作について説明する。
図8は、情報端末20が制御対象ノードにアクセスする場合の動作例を示すフローチャートである。
情報端末20は、制御対象ノードへのアクセスが発生した場合、まず、制御対象ノードまでの経路情報を保持しているノード(基点ノード)を探索する。例えば、図9に示した構成の基点ノード探索要求メッセージを基点ノード宛に送信し(ステップS21)、応答メッセージを所定時間にわたって待つ(ステップS22)。基点ノード探索要求メッセージのローカル宛先31、グローバル宛先33および基点ノード40には、制御対象ノードと対応付けて記憶している基点ノードの識別情報を設定する。ローカル送信元32およびグローバル送信元34には自身の識別情報を設定する。ターゲットノード41には制御対象ノードの識別情報を設定する。送信された基点ノード探索要求メッセージの基点ノード40に設定された識別情報を有しているノード(基点ノード)は、ターゲットノード(制御対象ノード)までの経路情報を保持している場合、情報端末20に対して、経路情報を保持している旨の応答(基点ノード探索応答メッセージ)を送信する。情報端末20は、基点ノード探索応答メッセージを受信した場合(ステップS22:Yes)、図10に示した構成の基点経由ペイロード送信メッセージを送信する(ステップS23)。なお、基点ノード探索応答メッセージを所定時間内に受信できない場合、動作を終了する。動作終了後は、上述した手順で制御対象ノードまでの経路探索を実行し、経路情報が取得できた場合には上記のステップS21〜S23を再度実行してもよい。
図10に示したように、基点経由ペイロード送信メッセージは、基点ノード探索要求メッセージ(図9)に対してペイロード42のフィールドを追加し、メッセージ識別子として基点経由ペイロード送信メッセージを示す値を設定したものである。
基点経由ペイロード送信メッセージを受信した基点ノードは、基点経由ペイロード送信メッセージで受信した各種情報および記憶しているターゲットノードまでの経路情報に基づいて、図11に示した構成のペイロード送信メッセージを生成し、送信する。
ペイロード送信メッセージは、経路探索要求メッセージ(図4)に対してペイロード42のフィールドを追加したものである。なお、経路36には、基点ノードが記憶していた経路情報を設定する。グローバル送信元34には情報端末20の識別情報を設定し、グローバル宛先33にはターゲットノード(制御対象ノード)の識別情報を設定する。ローカル宛先31に設定する識別情報は、記憶していた経路情報に基づいて決定する。すなわち、基点ノードからターゲットノードに向けた経路上の次ホップノードの経路情報をローカル宛先31に設定する。ペイロード42には、受信した基点経由ペイロード送信メッセージのペイロード42に設定されていた内容(制御メッセージ等)をそのまま設定する。
ペイロード送信メッセージを受信したノード10は、メッセージに設定されている経路情報(経路36に設定されている情報)に従い、制御対象ノードに向けて転送する。この結果、情報端末20が基点経由ペイロード送信メッセージで送信したペイロードは、制御対象ノードに到達する。
このように、本実施の形態のマルチホップ無線システムにおいて、情報端末は、所定の制御対象ノードまでの経路探索を行った場合、取得した経路情報を基点ノード通知して記憶させるとともに、基点ノードと制御対象ノードを対応付けて記憶しておき、経路探索を実施済の制御対象ノードと通信する際には、基点ノード経由で、基点ノードが保持している経路情報を使用して通信を行うこととした。これにより、情報端末20が保持する経路情報を大幅に削減することができる。また、制御対象ノードとの通信開始時に経路探索を再度実行する必要が無くなるので、トラフィックが増大するのを防止できるとともに、通信開始までの所要時間を短縮でき、制御対象ノードからの情報収集を効率的に行うことができる。情報端末20が移動可能な端末であり、様々な場所でマルチホップ無線通信により制御対象ノードと通信することを想定した場合、情報端末20が経路情報を完全な形で保持する場合、情報量が膨大となり大容量のメモリが必要となるが、本実施の形態によれば、情報端末20は、必要最低限の経路情報(制御対象ノードまでの経路情報を保持している基点ノードの情報、および基点ノードまでの経路情報)を保持しておくだけで、経路探索を再度実行することなく、過去に通信したことのある制御対象ノードと通信することができる。
なお、本実施の形態では、情報端末が1ホップ目のノードの中から基点ノードを選択することとしたが、2ホップ目以上のノードの中から基点ノードを選択するようにしても構わない。
実施の形態2.
実施の形態2のマルチホップ無線システムを説明する。実施の形態1のマルチホップ無線システムにおいては、基点ノードが記憶した経路情報を更新することはしなかったが、本実施の形態では、基点ノード等が無線環境を監視し、必要に応じて経路情報を更新するマルチホップ無線システムを説明する。なお、実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。システム構成は実施の形態1と同様とする(図1参照)。実施の形態1と同様に、制御対象ノードをノード10eとする。
実施の形態2のマルチホップ無線システムを説明する。実施の形態1のマルチホップ無線システムにおいては、基点ノードが記憶した経路情報を更新することはしなかったが、本実施の形態では、基点ノード等が無線環境を監視し、必要に応じて経路情報を更新するマルチホップ無線システムを説明する。なお、実施の形態1と共通する部分については説明を省略する。システム構成は実施の形態1と同様とする(図1参照)。実施の形態1と同様に、制御対象ノードをノード10eとする。
本実施の形態のマルチホップ無線システムでは、経路情報を基点ノード以外のノードにも通知し、通知を受けたノードは、他のノードと連携し、基点ノードと制御対象ノードの間の通信経路の見直しを行い、通信経路の品質を維持する。
実施の形態1で説明した経路探索が終了し、情報端末20が上記図7のステップS13およびS14を実行して経路確定メッセージを基点として選択したノード10aへ送信すると、ノード10aは、経路確定メッセージで通知されたターゲットノードおよび経路情報を記憶する。このとき、基点ノードであるノード10aは、受信した経路確定メッセージを、ターゲットノードまでの経路上に位置している各ノード10へ転送する。
経路確定メッセージを受信したノード10は、経路確定メッセージに含まれる基点ノード38とターゲットノード39のそれぞれに設定されている識別情報を関連付けて記憶する。例えば、基点となるノード10aから送信された経路確定メッセージをノード10cが受信すると、ノード10cは経路確定メッセージをノード10dへ転送するとともに、基点ノード(ノード10a)およびターゲットノード(ノード10e)の識別情報を記憶する。経路確定メッセージの転送先は、受信した経路確定メッセージの経路36を参照して決定する。具体的には、ノード10aはノード10cへ転送し、ノード10cはノード10dへ転送し、ノード10dはノード10eへ転送する。制御対象ノード(ここではノード10e)が経路確定メッセージを受信した場合、更なる転送先が無いため、転送しない。
経路確定メッセージを受信したそれぞれのノードは、受信した経路確定メッセージに設定されているローカル送信元32の値(識別情報)を記憶する。また、転送する経路確定メッセージに設定したローカル宛先31の値(識別情報)もあわせて記憶する。
次に、経路確定メッセージを受信したそれぞれのノードは、所定のタイミングで死活監視メッセージを送信する。図12は、死活監視メッセージの構成例を表す図である。死活監視メッセージは、隣接ノード間での転送に必要となるローカル宛先31と、ローカル送信元32と、メッセージ識別子35と、基点ノード38と、ターゲットノード39と、死活監視メッセージの転送回数を表す最大ホップ数43と、リンク品質44とを含んでいる。最大ホップ数43の初期値は、システムパラメータとして規定し、例えば2(回)などと設定する。それぞれのノードは、死活監視メッセージの転送を1回実施するごとに、値を減少させる。ただし、最大ホップ数43が例えば0となった死活監視メッセージを受信した場合には、転送しない。具体的に図13のノード10cを用いて説明する。図13は、死活監視メッセージ送信動作の一例を示す図である。ノード10cは自身が送信する死活監視メッセージの最大ホップ数43を2として設定し、ブロードキャストで周囲のノードに対し送信を行う。次に、ノード10bが当該メッセージを受信すると、ノード10cと同様にブロードキャストにて死活監視メッセージの転送を行うが、このとき最大ホップ数43は1として転送する。同様の流れで、周囲のノードに対して転送を行うが、ノード10fは受信した死活監視メッセージの最大ホップ数43が0であったため、再度の転送は行わない。
このように転送回数を限定することで、不必要なネットワークの拡大を防ぐことが出来る。なお、最大ホップ数43は、経路を構成するノードが死活監視メッセージを送信することから、経路を構成するノードからあるホップ数までしか到達しないことになる。このような構成をとることにより、経路を構成するノードの親ノードとして複数の経路を選択することを可能としながら、不要なネットワーク拡大を防止することで、無線リソースの混雑を抑制し、無線信号の誤りや欠落も防止させる効果を生じさせる効果を奏する。
また、自ノードから1ホップだけ基点ノードに近いノード10のことを親ノードと呼ぶことにすると、各ノード10は、親ノードから死活監視メッセージを受信すると、親ノードとの間のリンクの品質情報を積算し、リンク品質44を更新した上で死活監視メッセージを転送する(最大ホップ数43が0ではない場合)。
また、死活監視メッセージを受信したノード10は、定期的に死活監視メッセージを送信する。この際、ノード10が送信する死活監視メッセージの最大ホップ数は、既に受信した死活監視メッセージの最大ホップ数43を適用することとする。つまり、図13のノード10bでは、最大ホップ数43に1を設定する。このようにすることによって、死活監視メッセージを定期的に送信した場合でも、ネットワークの不要な拡大を防止する。
以上のような定期的な死活監視メッセージの送受信により、ノード10は、親ノードとのリンク品質や、基点ノードと親ノード間のリンク品質に変化があれば、リンク品質の変化を検出することが可能となる。各ノード10は、死活監視メッセージのリンク品質44に基づいて、親ノードの選択を行うことによって、経路の見直しを行う。ここで、選択可能な親ノードは、死活監視メッセージを送信しているノードであり、なおかつ当該死活監視メッセージの基点ノード38とターゲットノード39の値の組が自ノードの送信可能な死活監視メッセージにおける基点ノード38とターゲットノード39の組と等しいという条件を満たす親ノードとする。また、親ノードの見直しを行ったノードは、見直しによって新たな親ノードとして選択した親ノードに対して、新たな親ノードとして選択した旨のメッセージを送信する。このメッセージを受信したノード(新たな親ノードとして選択されたノード)は、受信したメッセージを自身の親ノードに対して更に転送する。このような転送動作を繰り返すことにより、メッセージを基点ノードまで転送する。このメッセージには、基点ノードおよびターゲットノードの識別情報、および経路情報も含めて送信することとし、各ノードは、転送する毎に、経路となったノードの識別情報を追加する。基点ノードは、受信したメッセージに含まれる経路情報に基づき、自身とターゲットノード間の経路を更新する。
このように、本実施の形態のマルチホップ無線システムにおいて、基点ノードから制御対象ノードまでの経路を構成している各ノード10は、到達範囲を周辺のノードに限定した死活監視メッセージを使用して親ノード(情報端末側に位置しているノード)とのリンクの品質を監視し、品質が変化した場合には、親ノードを選択しなおして経路を変更することとした。これにより、制御対象ノードまでの通信経路における通信品質を良好に保つことができる。また、死活監視メッセージの到達範囲を限定したので、ネットワークの不要な拡大を防ぎ、無線リソースの逼迫を抑制することができる。
以上のように、本発明は、測定を行う端末と測定結果を収集する端末とによって形成されたマルチホップ無線システムに有用である。
10a〜10h ノード、11,21 アンテナ、12,22 無線通信部、13,23 メッセージ送信部、14,24 メッセージ受信部、15,25 計算部、16,26 記憶部、17 計測部、27 ユーザインターフェース部、31 ローカル宛先、32 ローカル送信元、33 グローバル宛先、34 グローバル送信元、35 メッセージ識別子、36 経路、37 参照経路番号、38 基点ノード、39 ターゲットノード、40 基点ノード、41 ターゲットノード、42 ペイロード、43 最大ホップ数、44 リンク品質。
Claims (8)
- マルチホップ無線システムを構成する端末装置であって、
第1のノードが自身を介して第2のノードと通信する場合の経路情報を当該第1のノードから取得する経路情報取得手段と、
前記第2のノードと前記取得した経路情報を対応付けて保持しておく情報保持手段と、
前記第2のノードまでの経路情報を含んでいない前記第2のノード宛のメッセージを受信した場合、受信したメッセージに対して前記第2のノードと対応付けられている経路情報を付加して転送する転送手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。 - 端末装置とともにマルチホップ無線システムを構成し、前記端末装置から情報を収集する情報端末装置であって、
情報収集対象の端末装置であるターゲット端末までの経路探索を実行して経路情報を取得する経路探索手段と、
前記経路探索手段が取得した経路情報、および前記ターゲット端末の識別情報を、当該経路情報が示す経路上の端末装置へ通知する情報通知手段と、
前記ターゲット端末と通信する場合、経路情報を含まない前記ターゲット端末宛の信号を生成し、前記ターゲット端末までの経路情報を保持している端末装置へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報端末装置。 - 前記情報通知手段は、前記経路情報および前記識別情報を、前記経路上の1ホップ目の端末装置へ通知することを特徴とする請求項2に記載の情報端末装置。
- 端末装置と、前記端末装置から情報を収集する情報端末装置と、を含んで構成されたマルチホップ無線システムであって、
前記情報端末装置は、
情報収集対象の端末装置であるターゲット端末までの経路探索を実行して経路情報を取得する経路探索手段と、
前記経路探索手段が経路情報を取得すると、当該経路情報が示す経路上の端末装置へ当該経路情報および前記ターゲット端末の識別情報を通知する情報通知手段と、
前記ターゲット端末と通信する場合、経路情報を含まない前記ターゲット端末宛の信号を生成し、前記ターゲット端末までの経路情報を保持している端末装置へ送信する送信手段と、
を備え、
前記端末装置は、
前記情報端末装置から通知された経路情報およびターゲット端末の識別情報を保持する記憶手段と、
前記記憶手段が保持している識別情報が示すターゲット端末宛の信号を受信した場合、前記ターゲット端末までの経路情報を受信信号に付加して転送する転送手段と、
を備えることを特徴とするマルチホップ無線システム。 - 前記情報通知手段は、前記経路情報および前記識別情報を、前記経路上の1ホップ目の端末装置へ通知することを特徴とする請求項4に記載のマルチホップ無線システム。
- 前記経路上の端末装置のうち、前記情報端末装置から1ホップ目以外の端末装置は、周囲の端末装置と連携し、前記情報端末装置側の隣接端末装置との通信品質に基づいて、前記情報端末装置から前記ターゲット端末までの経路を修正することを特徴とする請求項4または5に記載のマルチホップ無線システム。
- 前記経路上の端末装置のうち、前記情報端末装置から1ホップ目以外の端末装置は、前記経路上の1ホップ目の端末装置の識別情報および前記ターゲット端末の識別情報を含んだ死活監視メッセージを使用して周囲の端末装置と連携することを特徴とする請求項6に記載のマルチホップ無線システム。
- 端末装置と、前記端末装置から情報を収集する情報端末装置と、を含んで構成されたマルチホップ無線システムにおける通信方法であって、
前記情報端末装置が、情報収集対象の端末装置であるターゲット端末までの経路探索を実行して経路情報を取得するとともに、取得した経路情報および前記ターゲット端末の識別情報を当該経路情報が示す経路上の端末装置へ通知する経路探索ステップと、
前記情報端末装置が、経路情報を含まない前記ターゲット端末宛の信号を生成し、前記ターゲット端末までの経路情報を保持している端末装置へ送信する送信ステップと、
前記経路探索ステップで前記経路情報および前記識別情報を通知されていた端末装置が、前記送信ステップで送信された信号を受信し、前記通知されていた経路情報を受信信号に付加し、当該経路情報に従って転送する転送ステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
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JP2013214134A JP2015076862A (ja) | 2013-10-11 | 2013-10-11 | 端末装置、情報端末装置、マルチホップ無線システムおよび通信方法 |
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JP2013214134A Pending JP2015076862A (ja) | 2013-10-11 | 2013-10-11 | 端末装置、情報端末装置、マルチホップ無線システムおよび通信方法 |
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- 2013-10-11 JP JP2013214134A patent/JP2015076862A/ja active Pending
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