JP2015076575A - 冷却器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、冷却効率のよい衝突噴流型の冷却器を提供する。
【解決手段】冷却器2は、ベースプレート3、仕切板5、ノズル6を備える。ベースプレート3のおもて面3aに冷却対象が取り付けられる。仕切板5は、筐体内空間をベースプレート3に面する空間とベースプレート3から離間する空間に二分する。前者の空間が冷媒排出路14を構成し、後者の空間が冷媒供給路12を構成する。冷媒供給路12は上流から下流に向けて狭くなっており、冷媒排出路14は上流から下流に向けて広くなっている。ノズル6は、仕切板5からベースプレート3に向かって伸びているとともに、冷媒の流れ方向に沿って長尺の開口を有しており、ベースプレート3に向かって冷媒を噴出させる。ノズル6の冷媒流れ方向の上流端と下流端の内側面6a、6bの少なくとも一方が、ベースプレート3に近い側の端部が遠い側の端部よりも冷媒流れ方向の下流に位置するように傾いている。
【選択図】図2
【解決手段】冷却器2は、ベースプレート3、仕切板5、ノズル6を備える。ベースプレート3のおもて面3aに冷却対象が取り付けられる。仕切板5は、筐体内空間をベースプレート3に面する空間とベースプレート3から離間する空間に二分する。前者の空間が冷媒排出路14を構成し、後者の空間が冷媒供給路12を構成する。冷媒供給路12は上流から下流に向けて狭くなっており、冷媒排出路14は上流から下流に向けて広くなっている。ノズル6は、仕切板5からベースプレート3に向かって伸びているとともに、冷媒の流れ方向に沿って長尺の開口を有しており、ベースプレート3に向かって冷媒を噴出させる。ノズル6の冷媒流れ方向の上流端と下流端の内側面6a、6bの少なくとも一方が、ベースプレート3に近い側の端部が遠い側の端部よりも冷媒流れ方向の下流に位置するように傾いている。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷却器に関する。特に、ベースプレートの一方の面に半導体チップなどの冷却対象を取り付け、ベースプレートの他方の面に冷媒を衝突させる衝突噴流型の冷却器に関する。
半導体チップや電子部品の冷却用に、一方の面に半導体チップなどの冷却対象を取り付け、他方の面に向けて冷媒を噴出させるタイプの冷却器が知られている。そのようなタイプの冷却器は、噴出させた冷媒を、冷却対象を取り付けた部材の裏面に衝突させることから、衝突噴流型の冷却器と呼ばれる。本明細書では、半導体チップなどの冷却対象を取り付ける部位を「ベースプレート」と称する。そして、説明の便宜上、冷却対象を取り付ける面(上記の「一方の面」)を、ベースプレートの「おもて面」と称し、反対側の面(上記の「他方の面」)を「裏面」と称する場合がある。
衝突噴流型の冷却器の例が、例えば特許文献1−3に記載されている。いずれの文献に記載された冷却器も、共通の特徴として次の構造を備える。冷却器の筐体の一つの側壁がベースプレートに相当する。ベースプレートと対向するように筐体内空間をベースプレートに面する空間とベースプレートから離間した空間に二分する仕切板を備える。ベースプレートから離間した空間に外部から冷媒が供給される。すなわち、その空間自体が冷媒供給路を構成する。なお、筐体に設けられた開口であって冷媒を供給する口を冷媒供給口と称する。仕切板からベースプレートの裏面に向けて冷媒を噴出させるノズルが設けられている。ノズルは、冷媒供給口に近い側から遠い側へと伸びる長尺な開口を有する。仕切板によって仕切られる空間のうち、ベースプレートに面する空間には、筐体の壁面に冷媒排出口が設けられている。冷媒排出口は、筐体の側壁のうち、冷媒供給口が設けられた側壁と対向する側壁に設けられている。ノズルから噴出された冷媒は、ベースプレートの裏面に衝突した後に冷媒排出口へ向かって流れる。即ち、仕切板とベースプレートの間の空間が冷媒排出路を構成する。なお、特許文献1と2に開示された冷却器には、ベースプレートの裏面に複数のフィンが設けられている。
ノズルは冷媒の流れ方向に長い開口を有しており、冷媒は、ノズルを通じて冷媒供給路から冷媒排出路へと移動する。それゆえ、冷媒供給路においては、上流から下流に進むにつれて冷媒流量が減り、一方、冷媒排出路では、上流から下流に進むにつれて冷媒流量が増える。
他方、特許文献1に開示された冷却器では、仕切板はベースプレートと平行であり、冷媒供給路と冷媒排出路の流路断面積(冷媒の流れ方向に直交する断面における流路面積)は、冷媒流れ方向に一定である。上流から下流に向かって流量が減少(冷媒排出路では増加)するのに流路断面積が一定であると、冷媒の圧力が下流で減少する(冷媒排出路では増加する)。冷媒の流れ方向に圧力分布が不均一であると、ベースプレートに衝突させる冷媒の圧力(あるいは流速)が不均一となり、ベースプレートに取り付けた冷却対象に対する冷却能力が不均一となる。
そこで、特許文献2に開示された冷却器では、下流における冷媒供給路の流路断面積が上流における流路断面積よりも小さくなるように平板状の仕切板がステップ状に構成されている。また、特許文献3に開示された冷却器では、下流にいくほど冷媒供給路の流路断面積が減少するように平板状の仕切板がベースプレートに対して傾斜している。より具体的には、平板状の仕切板は、冷媒流れ方向の上流ではベースプレートに近く、下流に向かうほどベースプレートから離れるように傾斜している。それゆえ、冷媒供給路は下流にいくほど先細りのテーパ状であり、逆に冷媒排出路は下流にいくほど拡がる逆テーパ状となる。特許文献2あるいは3に記載された冷却器では、冷媒供給路では下流に向かうにつれて流量が減少するとともに冷媒供給路の流路断面積が減少し、冷媒排出路では下流に向かうにつれて流量が増加するとともに流路断面積が増加するので、上流と下流における冷媒の圧力差を小さくすることができる。
冷媒供給路を下流に向かうにつれて狭くしたり、冷媒排出路を下流に向かうにつれて広くしたりすると、冷媒の流れがスムーズになり、冷却器を巨視的にみると冷媒の上流と下流における圧力差が小さくなる。しかしながら、長尺のノズル内空間の上流端と下流端では、冷媒の流れ方向がベースプレートに向けて急激に曲がるので乱流が発生し易く、乱流は圧力損失をもたらす。圧力損失は冷却性能の低下をもたらす。なお、「ノズル内空間の上流端と下流端」とは、冷媒供給路における冷媒流れを基準とした上流端/下流端であり、流れ方向に沿って長尺のノズルにおいて冷媒供給口に近い端部を上流端と称し、冷媒排出口に近い端部を下流端と称している。本明細書が開示する技術は、ノズル内空間の上流端と下流端での冷媒の流れをスムーズにして冷却効率をさらに向上させた冷却器を提供する。
本明細書が開示する冷却器は、いわゆる衝突噴流型であり、ベースプレートと冷媒供給路と冷媒排出路とノズルを備えている。ベースプレートは、一方の面(おもて面)に冷却対象を取り付ける部材である。冷媒供給路と冷媒排出路は、ベースプレートの他方の面(裏面)側に設けられており、それらはベースプレートに平行である。冷媒排出路は、ベースプレートに面しているとともに、冷媒供給路とベースプレートとの間に設けられている。冷媒排出路は、冷媒供給路における冷媒流れ方向と同じ方向に冷媒が流れる。ノズルは冷媒供給路に設けられている。そのノズルは、冷媒流れ方向に沿って長尺の開口を有しており、ベースプレートの裏面に向かって冷媒を噴出させる。そして、冷媒供給路は、その流路断面積が冷媒流れ方向の上流から下流に向かって連続的に漸減しており、冷媒排出路は、その流路断面積が冷媒流れの上流から下流に向かって連続的に漸増している。さらに、冷媒供給路における冷媒流れ方向にみたときのノズルの上流端と下流端における冷媒の流れをスムーズにするため、その上流端及び下流端の内側面の少なくとも一方を、ベースプレートに近い側の端部が遠い側の端部よりも冷媒流れ方向の下流に位置するように傾ける。なお、「傾ける」とは、ベースプレートの法線に対して傾けることを意味する。なお、ノズルの上流端あるいは下流端の内側面は平坦でなくともよく、湾曲していても、あるいは、段差状であってもよいが、上流端あるいは下流端の内側面を全体的にみれば、ベースプレートの法線に対して傾いており、その傾きの向きが、内側面のベースプレートに近い側の端部が遠い側の端部よりも冷媒流れ方向の下流に位置するような向きであればよい。なお、「冷媒供給路における冷媒流れ方向」とは、冷媒排出路における冷媒流れ方向に等しく、その方向は、ベースプレートの裏面と平行である。また、冷却器は複数のフィンを備えていてもよい。複数のフィンは、ベースプレートの他方の面(裏面)に取り付けられており、平面同士を対向させて平行に配列されている。
ノズルの上流端あるいは下流端の内側面を上記のごとく傾けたことの利点を概説する。冷媒供給口から供給される冷媒の流れは、最初はベースプレートに平行であるが、ノズルを通過するため、ベースプレートに向かって流れの向きが変わるが、ベースプレートに平行な方向への勢いがあるので、急角度には曲がれない。仮に従来のように、ノズルの上流端の内側面がベースプレートに垂直であると、冷媒の流れは内側面に沿うことができず内側面から剥離し、乱流となる。本明細書が開示する新規な冷却器では、ノズルの上流端の内側面が、ベースプレートに近い端部が遠い端部よりも下流側に位置するように傾斜しているので、冷媒の流れは内側面から剥離せずにスムーズに流れる。
また、ノズルの下流端における内側面では、仮に従来のようにベースプレートに垂直であると、冷媒供給路の流れ方向の成分を有する冷媒が内側面に衝突して乱流を生じる。他方、本明細書が開示する新規な冷却器では、ノズルの下流端の内側面も、ベースプレートに近い端部が遠い端部よりも下流側に位置するように傾斜しているので、冷媒の流れは、内側面に沿ってスムーズに曲がり、乱流を生じ難くなる。なお、ノズルの上流端と下流端の双方の内側面が上記のごとく傾斜していることが望ましいが、上流端と下流端のいずれか一方でも、内側面が上記のごとく傾斜していれば、従来の冷却器に比べて冷却効果を高める効果が得られる。
流れ方向に長尺なノズルを有する衝突噴流型の冷却器において、ノズル内空間の上流端と下流端での冷媒の流れをスムーズにして冷却効率をさらに向上させる技術を提供する。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
(第1実施例)図面を参照して第1実施例の冷却器を説明する。図1は、冷却器2の斜視図である。但し、図1では、冷却器2の内部構造が理解できるように、部品の一部はカットして描いてある。ハッチングが、カットした面を表している。図2は、冷却器2の三面図である。図2(A)は筐体7の天板7aを除いた平面図を示している。図2(B)は、図2(A)のB−B線に沿った断面(側面断面図)を示している。図2(B)は、長孔ノズル(後述)を短手方向に横断する縦断面に相当する。図2(C)は、図2(A)のC−C線に沿った断面(正面断面図)を示している。
冷却器2は、半導体チップなどの冷却対象92a、92b、92cを冷却するデバイスである。冷却対象92a〜92cは、ヒートスプレッダを兼ねる絶縁板91を介して、ベースプレート3のおもて面3aに取り付けられる。ベースプレート3は、筐体7の一つの側壁を構成する。ここで、「おもて面」とは、ベースプレート3の二つの平面を区別するための便宜上の表現であることに留意されたい。本明細書では、ベースプレート3において、冷却器2の外側を向く面を「おもて面3a」と称し、冷却器2の内部側を向く面を「裏面3b」と称する。冷却器2は、筐体内部、特に、ベースプレート3の裏面側に冷媒を通し、冷却対象を冷却する。冷媒は、典型的には水あるいは不凍液である。
ベースプレート3の裏面3bには、複数のフィン4が取り付けられている。複数のフィン4は、その平面を相互に対向させ、平行に配列されている。複数のフィン4の向きは、その平面が冷媒の流れ方向(後述)に直交する向きである。
冷却器2の筐体7は、ほぼ、直方体であり、フィン4を除く内部空間が冷媒の流路となっている。筐体7の内部には、内部空間をベースプレート3の裏面3bに面する空間と、ベースプレート3から離間する空間に二分する仕切板5が設けられている。仕切板5については後に詳しく説明する。
冷却器2の側壁には、仕切板5よりもベースプレート3から遠い空間に通じる冷媒供給口8が設けられているとともに、仕切板5よりもベースプレート3に近い空間に通じる冷媒排出口9が設けられている(図2(B)参照)。なお、図2(B)は、長孔のノズル6の長手方向に沿った断面であり、この断面では冷媒排出口は表れない。ノズル6を避けた断面において、図2(B)の右側の側壁に冷媒排出口9が設けられている。図2(B)では、そのため、冷媒排出口9は破線(かくれ線)で表されていることに留意されたい。
冷媒供給口8と冷媒排出口9は、ベースプレート3と交差する筐体7の側壁のうち、対向する二つの側壁の夫々に設けられている。図2(B)では、図の左側の側壁に冷媒供給口8が設けられており、図の右側の側壁に冷媒排出口9が設けられている。すなわち、冷媒は図中を左から右に流れる。別言すれば、図1、図2に示した座標系において、冷媒はX軸の正方向へと流れる。すなわち、X軸が冷媒流れの方向に相当し、X軸の正方向が、冷媒の流れの下流側に相当する。
また、仕切板5からは、3個のノズル6がベースプレート3に向かって伸びている。図2(A)によく示されているように、ノズル6は、冷媒の流れに沿って長尺な開口(流路)を有している。3個のノズルは、流れの方向に沿って平行に伸びている。冷媒供給口8から供給された冷媒は、仕切板5よりもベースプレート3から遠い空間を通り、次いでノズル6を通り、仕切板5よりもベースプレート3に近い空間に移動する。最後に、冷媒排出口9から排出される。仕切板5よりもベースプレート3から遠い空間が冷媒供給路12に相当し、仕切板5よりもベースプレート3に近い空間が冷媒排出路14に相当する。
図2(C)によく示されているように、冷媒排出路14は、断面がコの字状の溝にも相当し、コの字の開口側はフィン4に面している。すなわち、冷媒排出路14は、フィンの間の空間と通じている。また、ノズル6は、その先端6tが、フィン4の上端4aに接している(図2(C)を参照)。
さらに、長尺なノズル6の上流端側の内側面6aと下流端側の内側面6bが冷媒流れの方向に対して傾斜している。別の観点でみると、内側面6a、6bは、ベースプレート3の法線方向に対して傾斜している。内側面6a、6bは、図2(B)の断面(即ち、ノズル6をその長手方向に横断する縦断面)でみたときに、ベースプレートに近い側の端部P1(P3)が遠い側の端部P2(P4)よりも流れ方向下流側に位置するように傾斜している。別言すれば、流れ方向の上流端側の内側面6aは、冷媒排出路14が下流に向かって広くなるように傾斜しており、下流端側の内側面6bは、冷媒流路が下流に向かって狭くなるように傾斜している。
図1及び図2(B)を参照して、冷媒の流れを説明する。図1、図2(B)の矢印付きの太線が、冷媒の流れを示している。図2(B)の記号「Fin」は、冷却器2へ流入する冷媒を表しており、記号「Fout」は、冷却器2から排出される冷媒を表している。冷媒供給口8から供給された冷媒は、冷媒供給路12を下流へと流れる。冷媒は、冷媒供給路12を流れる間にノズル6の長尺な開口を通じ、ベースプレート3へ向かって流れの方向を変える。冷媒は、ノズル6からベースプレート3の裏面3bに向かって勢いよく噴出する。ベースプレート3の裏面3bに衝突した冷媒は跳ね返り、フィン4の間を通り、冷媒排出路14へと移動する。冷媒排出路14では、冷媒は、冷媒排出口9へ向かって流れる。最後に冷媒は、冷媒排出口9から排出される。なお、冷媒供給口8と冷媒排出口9には、不図示の冷媒パイプが接続されており、その冷媒パイプの先には不図示のタンクとポンプが接続されている。冷媒は、そのタンクとポンプと冷媒パイプにより、冷却器2に送られ、また、冷却器2から回収される。
上述したように、冷却器2は、冷却対象を取り付けたベースプレート3の裏面3bに冷媒を勢いよく噴きつけることにより冷却能力を高めている。また、ベースプレート3から跳ね返った冷媒は、フィン4の間を通るうちにもフィン4からも熱を奪い、ベースプレート3(即ち冷却対象)を冷却する。そのような構造の冷却器は、衝突噴流型の冷却器と呼ばれる。
冷媒供給口8から供給される冷媒は、下流に向けて流れていくうちにその一部はノズル6を通じてベースプレート3へと向かう。従って冷媒供給路12では下流に進むにつれて冷媒の量が減少する。逆に、冷媒排出路14では、下流に進むにつれて冷媒の量が増加する。冷却器2では、仕切板5が冷媒の流れ方向に対して傾斜しており(ベースプレート3に対して傾斜しており)、この流量の変化に合わせるように、冷媒の流路の断面積が流れ方向に沿って変化する。なお、ここで、(流路)断面積とは、冷媒の流れと直交する面での流路の面積のことである。
冷媒供給路12では、その断面積は、上流から下流に向かって連続的に漸減している。例えば、図2(B)の符号H1とH2は、それぞれ、冷媒供給路12の上流側と下流側の流路高さを示している。H1>H2であり、図2(A)に示されているように、流路の幅(Y軸方向の長さ)が上流と下流で同じであるので、下流側の流路断面積は上流側の流路断面積よりも小さいことが分かる。また、仕切板5は、ベースプレート3に対して一定の角度で傾斜しているので、冷媒供給路12における流路断面積は、上流から下流に向けて一定の割合で小さくなる。冷媒排出路14でも同様であり、その断面積は、上流から下流に向かうにつれて連続的に大きくなる。
前述したように、冷媒供給路12を流れる冷媒は、上流から下流にかけて、長尺のノズル6を通じて冷媒排出路14へと移動する。冷媒供給路12では、上流から下流に進むにつれて冷媒の流量が減少するとともに、これに応じて流路断面積も小さくなる。同様に、冷媒排出路14では、上流から下流に進むにつれて冷媒の流量が増加するとともに、これに応じて流路断面積が大きくなる。それゆえ、冷媒の圧力を上流から下流にわたってほぼ一定とすることができる。冷媒の圧力は冷却能力に影響するので、上流から下流にかけて冷媒の圧力がほぼ一定であることは、上流側に位置する冷却対象92aと下流側に位置する冷却対象92c(図2(B)参照)を均一に冷却することが可能であることを意味する。
また、流れの上流側では、冷媒供給口8から供給された冷媒の一部は、ただちにノズル6へ流入する。冷媒の流れは、図中のX軸の正方向から、ベースプレート3に向かってZ軸負方向にその方向を変えることになるが、流れの方向は急激にはかわらない。他方、ノズル6の上流端側の内側面6aが流れの方向に対して鋭角に傾斜しているので(内側面6aのベースプレート3に近い側の端部P1が遠い側の端部P2よりも流れ方向の下流に位置するように傾斜しているので)、冷媒はこの傾斜面に沿って流れる。図2(B)において符号F1が示す矢印線は、冷媒の流れの一部を示しているが、その流れは、内側面6aに沿って滑らかにカーブすることになる。仮に内側面6aが流れ方向に対して直角であると、冷媒の流れが内側面から剥離して乱流となる。しかし実施例の冷却器2では、上記の構造によりノズル6の上流端側の内側面6aで剥離が生じ難い。
同様に、流れの下流側でノズル6に流入する冷媒は内側面6bに向かうが、内側面6bが下流に向かって傾斜しているので(内側面6bのベースプレート3に近い側の端部P3が遠い側の端部P4よりも流れ方向の下流に位置するように傾斜しているので)、流れは内側面6bに沿ってスムーズに曲がる。図2(B)において符号F2が示す矢印線は冷媒の流れの別の一部を示しているが、その流れは、内側面6bに沿って滑らかにカーブすることになる。仮に内側面6bが流れ方向に垂直であると、冷媒は内側面6bに衝突して乱流となるが、実施例の内側面6bは上述したように傾斜しているので乱流になり難い。冷却器2では、このように流れの下流側でも剥離を生じ難い。剥離は圧力損失をもたらし、ひいては冷却能力を低下させる要因となるが、本実施例の冷却器は、ノズルの上流端と下流端の内側面6a、6bが剥離の生じ難いように傾斜しており、冷却能力の低下を招かない。
(第2実施例)図3を参照して第2実施例の冷却器2aを説明する。図3は、図2(B)に対応する側面断面図である。冷却器2aは、ノズル16の上流端側と下流端側の内側面16a、16bが平坦ではなく湾曲している点が第1実施例とは異なる。他の構造は第1実施例の冷却器2と同じである。
冷却器2aの内側面16a、16bは、図2(B)の側面視において湾曲しているが、全体的には、冷媒の流れ方向に対して傾斜している。その傾斜の向きは次のとおりである。内側面16a(16b)は、ベースプレート3に近い端部P11(P13)が、遠い端部P12(14)よりも流れの下流に位置するように傾斜している。このようにノズル6の内側面16a、16bが湾曲していても、先に示した第1実施例の冷却器2と同様の効果が得られる。
実施例で示した技術に関する留意点を述べる。実施例の冷却器は、仕切板が傾斜しており、冷媒供給路が下流に向かうにつれて狭くなり、冷媒排出路は下流に向かうにつれて広くなる。そのような構造により、巨視的には流れの上流と下流で冷媒圧力の差をなくし、冷却能力の均一化を図っている。また、ノズルの上流端と下流端においては、その内側面を、上記のごとく傾斜させることで、剥離が生じ難くし、流れの損失の増大を防いでいる。この点は、冷却能力低下抑止に寄与する。
実施例の冷却器2、2aは、いずれも、ノズルの上流端と下流端の双方で内側面が傾斜していた。ノズルの上流端と下流端の双方の内側面が傾斜していることが好ましいが、いずれか一方の内側面だけが傾斜していても、傾斜させた内側面付近では流れの剥離が抑えられるので、従来の冷却器よりも冷却性能が高まる。
実施例の冷却器2、2aは、いずれも、冷却供給路はその断面積が下流に向かうにつれて狭くなっており、冷却排出路はその断面積が下流に向かうにつれて広くなっている。冷却供給路と冷媒排出路のいずれか一方が上記のごとく流れ方向に沿って断面積が変化し、他方は流れ方向に対して断面積が一定であってもよい。なお、冷却供給路と冷媒排出路の双方において上記のごとく流れ方向に沿って断面積が変化しているのが好ましい。
第2実施例の冷却器2aでは、内側面は流れに交差する方向からみて湾曲している。ノズルの上流端と下流端の内側面は、全体的にみれば傾斜していればよく、微視的にみるとステップ状に変化している形状であってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、2a:冷却器
3:ベースプレート
3a:おもて面
3b:裏面
4:フィン
5:仕切板
6、16:ノズル
6a、6b、16a、16b:ノズル内側面
7:筐体
7a:天板
8:冷媒供給口
9:冷媒排出口
12:冷媒供給路
14:冷媒排出路
91:絶縁板
92a、92b、92c:半導体チップ(冷却対象)
3:ベースプレート
3a:おもて面
3b:裏面
4:フィン
5:仕切板
6、16:ノズル
6a、6b、16a、16b:ノズル内側面
7:筐体
7a:天板
8:冷媒供給口
9:冷媒排出口
12:冷媒供給路
14:冷媒排出路
91:絶縁板
92a、92b、92c:半導体チップ(冷却対象)
Claims (1)
- 一方の面に冷却対象が取り付けられるベースプレートと、
ベースプレートの他方の面側でベースプレートと平行に伸びている冷媒供給路と、
冷媒供給路とベースプレートとの間に設けられているとともにベースプレートに面しており、冷媒供給路における冷媒流れ方向と同じ方向に冷媒が流れる冷媒排出路と、
冷媒供給路に設けられており、冷媒流れ方向に沿って長尺の開口を有しており、ベースプレートの裏面に向かって冷媒を噴出させるノズルと、
を備えており、
冷媒供給路の流路断面積が前記冷媒流れ方向の上流から下流に向かって連続的に漸減している、あるいは、冷媒排出路の流路断面積が前記冷媒流れ方向の上流から下流に向かって連続的に漸増しており、
前記ノズルは、前記冷媒流れ方向の上流端と下流端の内側面の少なくとも一方が、ベースプレートに近い側の端部が遠い側の端部よりも冷媒流れ方向の下流に位置するように傾いている、ことを特徴とする冷却器。
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