以下、本実施形態の電力表示装置10について、図1ないし図3に基づいて説明する。なお、図1および図2において同じ部材に対しては、同じ番号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態の電力表示装置10は、電力表示装置10と電力量測定装置20とにより電力監視システムを構築している。以下では、電力監視システムを、戸建て住宅に用いられる場合を例として説明する。電力監視システムは、戸建て住宅に用いられる場合だけに限らず、たとえば、集合住宅の各住戸、事務所や店舗などに用いてもよい。
電力監視システムでは、図1に示すように、分電盤30における複数の分岐回路32aごとに負荷機器40が接続される。また、電力監視システムは、各負荷機器40での電力量を測定する電力量測定装置20と、電力量測定装置20により測定された電力量を表示する電力表示装置10を備えている。電力量測定装置20は、測定した電力量を無線などにより電力表示装置10に通信可能な通信機能を有している。
負荷機器40は、住宅で使用される各種の家電機器や設備機器などが挙げられる。図1の例では、負荷機器40は、エアコンディショナなどの空調装置41、照明器具42、各種の電気機器43、電磁調理器44や電気給湯器45としている。以下では、空調装置41、照明器具42、電気機器43、電磁調理器44や電気給湯器45の各々を特に区別しない場合、負荷機器40と称する。
負荷機器40では、少なくとも、負荷機器40が所定の稼働状態になるなど消費する電力量が比較的に大きい状態と、負荷機器40の待機状態など電力消費量が比較的に小さい状態とをとる場合がある。ここでは、負荷機器40の待機状態など電力量が所定の稼働状態の電力量と比較して小さい状態の電力を待機時消費電力という。待機時消費電力は、分岐回路32aに接続された負荷機器40が負荷機器40の主電源の切れている状態で負荷機器40の使用を円滑にするための待機状態において消費する電力が挙げられる。待機時消費電力は、たとえば、分岐回路32aに接続され負荷機器40を使用していない間にも、時刻表示や起動時間短縮などのために常に消費されている電力が挙げられる。また、待機時消費電力は、たとえば、リモートコントローラによる入力等の操作に備えて待機する負荷機器40が消費する電力など挙げられる。待機時消費電力は、分岐回路32aに接続された負荷機器40が、主電源の切れている状態で負荷機器40の使用を円滑にするための待機状態において消費する電力だけに限られない。待機時消費電力は、たとえば、電話機、警報機などの負荷機器40やタイマ予約時の負荷機器40など、ユーザが実際に使用していなくても、負荷機器40を使用するために必要な電力を含んでいてもよい。
電力量測定装置20は、たとえば、商用電源などの電源50から住戸内に供給される電力量を測定する。電力量測定装置20は、無線信号送受信部26により、測定した電力のデータを電力量測定装置20のアンテナ部26bから電力表示装置10側に送信する。電力表示装置10は、電力量測定装置20から送信された電力のデータを、アンテナ6aを介して通信部6で受信できるように好適に構成している。
本実施形態の電力表示装置10は、電源50から供給される電力を測定する電力量測定装置20により測定された電力量を表示する表示器1を備えている。電力表示装置10は、電源50に接続された主幹回路31aから分岐した複数の分岐回路32aごとに接続される負荷機器40の待機時消費電力の値を記憶させる記憶部5を有している。電力表示装置10は、記憶部5に記憶された分岐回路32aの待機時消費電力の値と、電力量測定装置20により測定された分岐回路32aに対応する現在の電力の測定値と、を比較する比較部4aを有している。電力表示装置10は、比較部4aの比較結果に基づき、現在の電力の測定値が記憶部5の待機時消費電力の値より大きい間において点灯する点灯部8を有している。
本実施形態の電力表示装置10は、現在の分岐回路32aごとの電力量が、各分岐回路32aと電気的に接続された負荷機器40における待機時消費電力よりも大きい間において点灯部8が点灯することにより、ユーザにより節電を促すことが可能になる。
最初に、電力量測定装置20について詳述する。
電力量測定装置20は、図1に示すように、電源50から住戸に供給される出力電流と出力電圧とを、分電盤30に接続された測定部21で検出する。分電盤30には、主幹回路31aの引込線が接続される主幹ブレーカ31と、主幹ブレーカ31の二次側から分岐する複数の分岐回路32aごとに設けられる分岐ブレーカ32とが収納されている。図1では、複数の分岐回路32aを5個で図示しているが、分岐回路32aの数は5個に限られるものではなく、2個以上とすることができる。
電力量測定装置20は、測定部21で検出した出力電流および出力電圧に基づいて宅内の負荷機器40による電力量や積算電力量などの値を演算可能な演算部22を備えている。また、電力量測定装置20は、時刻を計時する時計部23と、複数の分岐回路32aごとの電力量や積算電力量の値などを記憶するデータ記憶部25とを備えている。さらに、電力量測定装置20は、出力電流および出力電圧を検出した時刻と、各時刻ごとの電力量や積算電力量などを記憶するようにデータ記憶部25を制御する制御処理部24を備えている。電力量測定装置20は、測定した主幹回路31aおよび分岐回路32aごとの電力量をデータ記憶部25に記憶し、記憶した電力量を所定の時間間隔で更新することができる。電力量測定装置20は、所定の時間間隔として、たとえば、3秒間隔で記憶した電力量を更新することができる。また、電力量測定装置20は、無線信号送受信部26および無線信号送受信部26に接続されたアンテナ部26bを備えている。電力量測定装置20の制御処理部24は、無線信号送受信部26を制御してアンテナ部26bから電力量や積算電力量などのデータを電力表示装置10側に送信することが可能に構成している。制御処理部24は、無線信号送受信部26を介して、電力表示装置10の表示器1で表示する電力量を表す伝送データを規定の電波で電力表示装置10側に送信する機能を持つ。無線信号送受信部26は、たとえば、電気信号を電波に変換器で変換してアンテナ部26bから送信することができる。電力量測定装置20は、アンテナ部26bを介して受信した電波を電気信号に変換器で変換して取り込む構成とすればよい。
電力量測定装置20は、測定部21により、分電盤30の主幹回路31aや分岐回路32aそれぞれに流れる電流値と、屋内配線の電圧値とを測定する。電力量測定装置20は、主幹回路31aおよび各分岐回路32aに設けられた測定部21により、負荷機器40に供給される電力を検出することができる。言い換えれば、電力量測定装置20は、主幹回路31aおよび各分岐回路32aのそれぞれについて、負荷機器40での電力量を測定する機能を持つ。電力量測定装置20は、電流量の積算処理を行うことで、積算電力量を算出する機能も有している。なお、電力量測定装置20は、主幹回路31a並びに各分岐回路32aに流れる電流値を、カレントトランス(Current Transformer)を用いて測定することができる。カレントトランスは、分電盤30内において主幹回路31aおよび各分岐回路32aのそれぞれに取り付けられ、主幹回路31aや各分岐回路32aに流れる電流に対応した出力を生じさせる。
電力量測定装置20は、たとえば、マイクロコンピュータを主構成として構成することができる。電力量測定装置20は、図示していない記憶装置に記憶されている所定のプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが演算部22、時計部23、制御処理部24などの機能を実現することができるように構成している。なお、電力量測定装置20では、測定部21のカレントトランスで検出されたアナログ信号である出力電流を、電流-電圧変換およびアナログ-デジタル変換して、演算部22に入力させればよい。演算部22は、測定部21から出力される出力電圧および出力電流に基づいて電力量の演算、電力量を積算することにより積算電力量を演算して制御処理部24に電力量として出力する。データ記憶部25は、電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリからなり、電力量を記憶する。制御処理部24をマイクロコンピュータなどにより構成する場合、データ記憶部25は、測定した電力量を記憶させるだけでなく、制御処理部24を駆動させるプログラムを記憶しておいてもよい。電力量測定装置20は、負荷機器40が消費した電力量を測定する機能や電力表示装置10との通信機能を図示していない筐体内に有している。電力量測定装置20は、分電盤30に並べて設置することができる。電力量測定装置20は、分電盤30に並べて設置する構成だけに限らず、分電盤30の内部に収納するように構成してもよい。
電力量測定装置20の測定部21が接続する分電盤30は、たとえば、電源50として、単相3線の商用電源と接続され、電力会社とユーザとの間で契約した契約電流値以下に出力電流を制限する図示していない電流制限器を備えた構成とすることができる。分電盤30は、主幹回路31aが接続される主幹ブレーカ31を備えている。分電盤30は、主幹ブレーカ31からの電圧線と中性線との間に、分岐回路32aを構成するための複数個の分岐ブレーカ32を備えている。分電盤30は、複数の分岐ブレーカ32を介して、分岐回路32aと接続された負荷機器40へ電力を供給する。
分電盤30では、主幹回路31aから分岐された複数の分岐回路32aのうち、たとえば、特定の負荷機器40が単独で接続される専用の分岐回路32aとして、第1分岐回路32a1を備えている。第1分岐回路32a1と接続される第1コンセント装置33b1には、たとえば、空調装置41を電気的に接続することができる。電力量測定装置20は、測定部21のうち、第1分岐回路32a1における電力の値を測定する第1測定部21b1を備えている。また、分電盤30では、主幹回路31aから分岐された複数の分岐回路32aのうち、第2分岐回路32a2に設けられた第2コンセント装置33b2には、たとえば、住戸の子供部屋の天井に備え付けた照明器具42を接続することができる。電力量測定装置20は、測定部21のうち、第2分岐回路32a2における電力の値を測定する第2測定部21b2を備えている。分電盤30では、主幹回路31aから分岐された複数の分岐回路32aのうち、第3分岐回路32a3に設けられた第3コンセント装置33b3には、たとえば、住戸の寝室などに設けられた任意の種類の電気機器43の電源コードのプラグが着脱自在に接続される。この種の電気機器43としては、たとえば、テレビやオーディオビジュアル機器のように寝室などに設置されて使用されるものが挙げられる。また、電気機器43は、たとえば、掃除機やドライヤのように使用時のみ第3コンセント装置33b3に接続されて使用されるものでもよい。電力量測定装置20は、測定部21のうち、第3分岐回路32a3における電力の値を測定する第3測定部21b3を備えている。分電盤30では、主幹回路31aから分岐された複数の分岐回路32aのうち、第4分岐回路32a4に設けられた第4コンセント装置33b4には、たとえば、電磁調理器44を接続することができる。電力量測定装置20は、測定部21のうち、第4分岐回路32a3における電力の値を測定する第4測定部21b4を備えている。また、分電盤30では、主幹回路31aから分岐された複数の分岐回路32aのうち、第5分岐回路32a5に設けられた第5コンセント装置33b5には、たとえば、電気給湯器45を接続することができる。電力量測定装置20は、測定部21のうち、第5分岐回路32a5における電力の値を測定する第5測定部21b5を備えている。電力監視システムでは、分岐回路32aの数や使用される負荷機器40の種類および台数が限定されるものではなく、適宜変更が可能である。電力監視システムでは、節電を促したい用途に応じて本実施形態の電力表示装置10の点灯部8で点灯させる分岐回路32aに接続させる負荷機器40を適宜に選択できるように、電力量測定装置20の測定部21を分岐回路32aに接続させればよい。電力監視システムでは、たとえば、照明器具42と電気機器43とを同じ分岐回路32aに接続させ、分岐回路32aそれぞれを子供部屋や寝室ごとに分けるように電気配線設計や施工を行うこともできる。
なお、電力量測定装置20は、図示していないが、電源50だけでなく、直流発電設備である太陽電池からの直流電力を、所定の交流電力に変換する電力変換器と電気的に接続させてもよい。同様に、電力量測定装置20は、図示していないが、直流発電設備である家庭用燃料電池システムからの直流電力を、所定の交流電力に変換する電力変換器と電気的に接続させてもよい。電力変換器は、DC/DCコンバータと、DC/ACコンバータとを備えた構成とすることができる。電力変換器のDC/DCコンバータは、太陽電池などからの直流電力を昇圧や降圧などして所定の直流電力に変換することができる。電力変換器のDC/ACコンバータは、DC/DCコンバータからの直流出力を、外部の電源50などと系統連系が可能な所定の交流電力に変換することができる。
これにより、電力変換器は、分電盤30を介して太陽電池などからの直流電力が変換された交流電力を負荷機器40に供給するだけでなく、負荷機器40などで消費されない余剰電力を電力会社側に売電することが可能となる。すなわち、電力変換器は、太陽電池などからの直流電力を、電源50の交流電圧と略同一の周波数および電圧で位相を同期させた交流電力に変換して電源50側に逆潮流させることを可能に構成している。
電力量測定装置20では、たとえば、電力変換器から出力される交流電力を測定部21で測定し演算部22で演算することにより、太陽電池や家庭用燃料電池システムの発電電力量を測定することもできる。また、電力量測定装置20は、太陽電池の発電電力量だけでなく、系統連系により電力会社に売電する売電電力量を測定することもできる。
主幹回路31aでの電力量は、主幹回路31aに設けた主幹測定部21aによって、所定の時間間隔で測定され、電力量測定装置20の演算部22に出力することができる。また、各分岐回路32aでの電力量は、複数の分岐回路32aごとに設けられた第1測定部21b1ないし第5測定部21b5によって、所定の時間間隔でそれぞれ測定され、各測定部21から電力量測定装置20の演算部22に出力される。電力量測定装置20は、所定の時間間隔として、たとえば、3分間隔ごとに各分岐回路32aでの電力量を測定してもよい。
電力量測定装置20は、無線信号送受信部26を用いて、データ記憶部25から各分岐回路32aの電力量を、電力表示装置10側に定期的に送信できるように構成している。無線信号送受信部26は、電力表示装置10と直接通信する構成だけに限らず、図示しない中継器を介して、電力表示装置10と通信する構成であってもよい。なお、電力量測定装置20で測定された電力量は、電力量測定装置20から無線信号送受信部26により電力表示装置10側に随時に送信し、電力表示装置10の記憶部5に逐一に記憶させてもよい。また、電力量測定装置20で測定された電力量は、電力表示装置10が表示器1に表示を行う時間帯に、無線信号送受信部26によりアンテナ部26bを介して電力表示装置10側に纏めて送信し電力表示装置10の記憶部5に記憶させておいてもよい。電力量測定装置20と電力表示装置10とは、無線を利用して接続させるだけでなく、有線で接続してもよい。また、電力量測定装置20と電力表示装置10とは、有線で接続する場合、電力線を通信線として利用する電力線搬送通信(PLC:Power Line Communications)を利用して構成することもできる。
続いて、本実施形態の電力表示装置10について詳述する。本実施形態の電力表示装置10は、表示器1と、操作入力部2と、計時部3と、制御部4と、記憶部5と、通信部6と、点灯部8とを備えている。
ここで、電力監視システムは、電力量測定装置20が、空調装置41が単独で接続された第1分岐回路32a1の電力の値を測定している。また、電力量測定装置20は、子供部屋における照明器具42に給電する第2分岐回路32a2の電力の値を測定している。電力量測定装置20は、寝室における複数の電気機器43に給電する第3分岐回路32a3の電力の値を測定している。電力量測定装置20は、電磁調理器44が単独で接続された第4分岐回路32a4の電力の値を測定している。電力量測定装置20は、ヒートポンプ式の電気給湯器45が単独で接続された第5分岐回路32a5の電力の値を測定している。電力量測定装置20は、電力表示装置10に主幹回路31aおよび各分岐回路32aそれぞれの測定した電力を電力表示装置10に送信する。
電力表示装置10は、電力量測定装置20から送信された各分岐回路32aそれぞれの電力の測定値を通信部6で受信すると、受信した電力の値を記憶部5に記憶させる。制御部4は、通信部6が電力量測定装置20から受信した電力量の測定値を、主幹回路31aや各分岐回路32aのそれぞれごとに記憶部5に記憶する。記憶部5は、電力量測定装置20からの電力の測定値のデータを記憶する際、主幹回路31aおよび各分岐回路32aでの電力量の値を、主幹回路31aと分岐回路32aとの別、複数の分岐回路32aごとに測定時刻に対応付けて記憶できるように構成している。電力表示装置10では、電力量測定装置20から送信される各分岐回路32aそれぞれの電力の測定値を、現在の電力の値として随時に更新して記憶部5に記憶させている。ここで、現在とは、電力量測定装置20による測定時刻と、電力表示装置10による現在とが時間軸において一致している場合だけに限らない。電力表示装置10は、電力量測定装置20からのデータを現在の測定値として扱っているため、所定の時間間隔ごとに更新されるタイムラグがある場合も含む。
電力表示装置10では、ユーザが操作入力部2を操作することにより、電力量測定装置20から送信された各分岐回路32aの電力量を、制御部4で作成された表示画面データに基づいて表示器1で表示することができる。また、電力表示装置10は、制御部4が各分岐回路32aごとの稼働状況に応じて点灯部8を点灯させる。電力表示装置10は、たとえば、比較部4aにより、電力量測定装置20から伝送された第1分岐回路32a1における現在の電力の測定値と、記憶部5に記憶された空調装置41の待機時消費電力の値とを比較する。電力表示装置10は、第1分岐回路32a1における現在の電力の測定値が待機時消費電力の値よりも大きければ、空調装置41が稼働中であるとして第1分岐回路32a1に対応する点灯部8を点灯させる。電力表示装置10では、比較部4aにより、電力量測定装置20から伝送された第2分岐回路32a2における現在の電力の測定値と、予め記憶部5に記憶させた照明器具42の待機時消費電力の値とを比較する。電力表示装置10は、第1分岐回路32a1における現在の電力の測定値が待機時消費電力の値よりも大きければ、照明器具42が稼働中であるとして第2分岐回路32a2に対応する点灯部8を点灯させる。
また、電力表示装置10では、比較部4aにより、電力量測定装置20から伝送された第3分岐回路32a3における現在の電力の測定値と、予め記憶部5に記憶させた複数の電気機器43全てを合わせた待機時消費電力の値とを比較する。電力表示装置10は、第3分岐回路32a3における現在の電力の測定値が複数の電気機器43全てを合わせた待機時消費電力の値よりも大きければ、電気機器43の何れかが稼働中であるとして第3分岐回路32a3に対応する点灯部8を点灯させる。電力表示装置10では、比較部4aにより、電力量測定装置20から伝送された第4分岐回路32a4における現在の電力の測定値と、予め記憶部5に記憶させた電磁調理器44の待機時消費電力の値とを比較する。電力表示装置10は、第4分岐回路32a4における現在の電力の測定値が電磁調理器44の待機時消費電力の値よりも大きければ、電磁調理器44が稼働中であるとして第4分岐回路32a4に対応する点灯部8を点灯させる。電力表示装置10では、比較部4aにより、電力量測定装置20から伝送された第5分岐回路32a5における現在の電力の測定値と、予め記憶部5に記憶させたヒートポンプ式の電気給湯器45の待機時消費電力の値とを比較する。電力表示装置10は、第4分岐回路32a4における現在の電力の測定値が電気給湯器45の待機時消費電力の値よりも大きければ、電気給湯器45が稼働中であるとして第4分岐回路32a4に対応する点灯部8を点灯させる。なお、ヒートポンプ式の電気給湯器45は、電気料金の安い深夜に湯を沸かして貯湯タンクに貯めておき、昼間の時間帯は貯湯タンクに貯めておいた湯を使用可能なものである。また、電気給湯器45は、入浴などで湯を多量に使用する場合、貯湯タンクの湯が足りなくなれば追い炊きを行うことができるように構成されている。
分岐回路32aの中には特定の種類の負荷機器40が単独で接続されている回路もあり、電力表示装置10は、分岐回路32aごとの待機時消費電力の値を記憶させておくことで、より正確に待機時消費電力を測定することができる。なお、電力監視システムでは、電力量測定装置20に、電力量の測定値を記憶するデータ記憶部25を備えているが、電力量測定装置20は、電力量の測定値を電力表示装置10に逐次送信し、電力表示装置10側の記憶部5だけに電力量の値を記憶させてもよい。
電力表示装置10では、通信部6は、たとえば、電気信号を電波に変換器で変換してアンテナ6aから送信することができる。また、電力表示装置10では、通信部6は、アンテナ6aを介して受信した電波を電気信号に変換器で変換して取り込む構成とすることができる。通信部6は、電力量測定装置20側から送信された電力量のデータなどの無線信号を受信することができる。また、通信部6は、ユーザが操作入力部2を操作して設定した各種の設定内容のデータを、通信部6によりアンテナ6aを介して電力量測定装置20側に送信することができるように構成してもよい。
電力表示装置10は、たとえば、人から発せられる熱線を検知する焦電素子を備えた人検知センサ部を備えた構成とすることができる。電力表示装置10は、人検知センサ部の検知エリアで人を検知したときに表示器1を自動的に点灯するように構成することができる。電力表示装置10は、制御部4が随時に計時部3の時刻を監視する。
電力表示装置10に表示される表示情報は、電力表示装置10の操作によって切替可能であり、ユーザは、戸建て住宅全体の消費電力と分岐回路32aごとの消費電力とを切り替えて表示させたり、瞬時電力と積算電力とを切り替えて表示させたりすることができる。
電力表示装置10は、ユーザが操作入力部2を操作することで、複数の分岐回路32aのうち、特定の分岐回路32aだけを点灯部8で点灯するように構成することもできる。これにより、電力表示装置10は、複数の分岐回路32aの全てに対応する数の点灯部8を備える必要はない。電力表示装置10は、複数の分岐回路32aの数よりも少ない数の点灯部8を備えて構成してもよい。したがって、電力表示装置10は、たとえば、第1分岐回路32a1から第5分岐回路32a5のうち、いずれか3つの分岐回路32aと対応するように、図2に示すように、第1点灯部8a、第2点灯部8b、第3点灯部8cを備えた構成としてもよい。点灯部8は、たとえば、第1分岐回路32a1を第1点灯部8aと対応付けさせておけば、空調装置41の稼働中の間、常に第1点灯部8aが点灯する。同様に、点灯部8は、たとえば、第2分岐回路32a2を第2点灯部8bと対応付けさせておけば、子供部屋の照明器具42が稼働中の間、常に第2点灯部8bが点灯する。点灯部8は、たとえば、第3分岐回路32a3を第3点灯部8cと対応付けさせておけば、寝室における複数の電気機器43の何れか1つが稼働中の間、常に第2点灯部8bが点灯する。
本実施形態の電力表示装置10では、点灯部8の数が分岐回路32aの数よりも少ない場合、点灯部8で待機時消費電力かどうかを表示させたい分岐回路32aに対応するものだけ、点灯するように設定している。すなわち、電力表示装置10では、分岐回路32aに優先順位を設けることができる。
電力表示装置10では、操作入力部2を操作することで、現在の電力の値と待機時消費電力の値とを表示器1に表示することもできる。特に、本実施形態の電力表示装置10は、分岐回路32aに接続された負荷機器40の待機時消費電力を設定しておけば、操作入力部2を別途に操作することなく、現在の電力量が設定値である待機時消費電力の値よりも大きい間において点灯部8が点灯する。本実施形態の電力表示装置10では、ユーザが点灯部8を見ることで、各分岐回路32aにおける現在の電力の測定値が予め設定した負荷機器40における待機時消費電力の値より大きいか否かを一目で判別することが可能となる。電力表示装置10は、たとえば、分岐回路32aごとに空調装置41、子供部屋の照明器具42や寝室の電気機器43などが接続された所定の部屋において、負荷機器40が稼働したまま放置状態になっていないかを点灯部8で一目で判別することができる。これにより、電力表示装置10は、表示器1の表示に伴う電力の消費を抑制することが可能となる。
なお、電力表示装置10には、図示していない電池を内蔵して電源として駆動するように構成している。電力表示装置10は、内蔵した電池の電力により駆動するだけでなく、外部から供給される電力により駆動する構造としてもよい。
電力表示装置10は、図2に示すように、薄型の直方体状に形成された箱体40aを備えている。電力表示装置10は、たとえば、リビングの壁など、ユーザの視界に入りやすい宅内の適宜な位置に配置することができる。箱体40aの前面には、タッチセンサ機能を有する液晶表示装置で構成する表示器1を備えている。液晶表示装置のタッチスイッチが操作入力部2として機能する。また、箱体40aの前面には、表示器1の側方に、強制的に電力表示装置10の電源の入力および測定した電力量の表示などを開始するための開始スイッチ41aを設けている。さらに、箱体40aの前面には、表示器1への測定した電力量の表示を強制的に終了させるための終了スイッチ42aを設けている。なお、電力表示装置10は、設定項目の変更や表示器1の表示内の切替などを液晶表示装置のタッチセンサで行えるようにしている。
電力表示装置10は、特定の分岐回路32aに対応して点灯する点灯部8を、表示器1の側方に並んで3個設けている。電力表示装置10は、点灯部8により、予め登録した分岐回路32aの現在の電力量の測定値が、各分岐回路32aに接続された負荷機器40ごとの待機時消費電力の値よりも大きいことを表示することができる。電力表示装置10は、箱体40aの側面にアンテナ6aを備えている。電力表示装置10のアンテナ6aは、箱体40aの側面に沿って回転させることで箱体40aの側面側から上方に立設させたり、側面側に当接させたりすることができるように回転自在に構成している。
以下、本実施形態の電力表示装置10の各構成について詳述する。
表示器1は、電源50から供給される電力を測定する電力量測定装置20により測定された電力量を表示可能なものである。表示器1は、電力量測定装置20が測定する電源50から供給される電力を、商用電源だけでなく、太陽電池や家庭用燃料電池などが発電した電力とし、太陽電池や家庭用燃料電池などの電力量を表示してもよい。表示器1は、たとえば、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置により構成することができる。本実施形態の電力表示装置10の表示器1は、タッチセンサ機能を有する液晶表示装置で構成しており、電力量などを表示させる表示機能と、表示器1への表示内容の選択や各種の設定を行うための操作入力部2の操作入力機能とを合わせ持たせている。表示器1は、たとえば、図示していない矩形板状の導光部材と、導光部材の背面側の反射層と、導光部材の前面側の液晶装置とを備えて構成することができる。導光部材は、導光部材の一端側に発光ダイオードを設けてバックライトとして機能するように構成することができる。液晶装置には、多数の画素を縦横にマトリクス状に配列したマトリクス表示型のものを用い画素の組み合わせによって文字や図形などを表示する。これにより、液晶装置は、電源50から住戸に供給される電力量の監視に必要な情報を表示することができる。また、操作入力部2は、液晶装置の前面に配置している。操作入力部2は、透明なシート状部材に透明電極からなる接点部を多数個配列し、シート状部材に指などが触れた際にどの部位に触れたのかを出力する抵抗感圧方式のタッチスイッチで構成することができる。なお、操作入力部2は、タッチセンサ機能を有する液晶表示装置で構成するだけではなく、押釦により構成してもよい。
制御部4は、記憶部5に記憶された分岐回路32aの待機時消費電力の値と、電力量測定装置20により測定された分岐回路32aに対応する現在の電力の測定値とを比較する比較部4aを内蔵した構成とすることができる。また、制御部4は、制御部4が随時に時刻を監視できるように計時部3と接続させることができる。制御部4は、表示器1における液晶装置の駆動やバックライトとなる発光ダイオードの点灯を制御することができる。同様に、制御部4は、点灯部8の点灯を制御することもできる。制御部4は、主としてマイクロコンピュータなどにより構成することができる。なお、電力表示装置10では、電力表示装置10の駆動する上で、表示器1に用いられるバックライトの消費電力が点灯部8の消費電力と比較して比較的大きくなる傾向にある。そのため、電力表示装置10では、ユーザが測定した電力量の表示などを開始する開始スイッチ41aを押した後、たとえば、30秒など所定時間の間だけ点灯させる。これに対し、電力表示装置10は、比較部4aの比較結果に基づき現在の電力の測定値が記憶部5の待機時消費電力の値より大きい間において常時に点灯部8を点灯させることができる。これにより、電力表示装置10は、電力表示装置10に内蔵する電池の消耗を抑制しつつ、分岐回路32aごとの負荷機器40の使用状況をユーザに知らせることが可能となる。
比較部4aは、測定部21で測定されて一定時間間隔で更新される分岐回路32aごとの電力の値を記憶部5に記憶された待機時消費電力の値と比較する。比較部4aは、予め設定した何れかの分岐回路32aにおける電力の値として、予め記憶させた記憶部5の待機時消費電力の値より大きい間において制御部4により制御された点灯部8が点灯する。ユーザは、たとえば、電力表示装置10における点灯部8の点灯により、照明器具42が稼働中であり、子供部屋に人が居ないにも関わらず、照明器具42が点灯しまま放置された状態であるかを判断することができる。したがって、電力表示装置10は、点灯部8の点灯により負荷機器40での稼働状態をユーザに把握させることができ、より節電をユーザに促すことが可能となる。
記憶部5は、電源50に接続された主幹回路31aから分岐した複数の分岐回路32aごとに接続される負荷機器40の待機時消費電力の値を記憶させることが可能なものである。また、記憶部5は、過去の測定した電力量、年間のカレンダー情報などや制御部4を駆動させるプログラムを記憶させておいてもよい。記憶部5は、電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリを用いて構成してもよいし、メモリカードなどの外部記録媒体を利用してもよい。記憶部5は、半導体メモリとして、たとえば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを用いることができる。外部記録媒体を用いる場合、電力表示装置10は、図示していないメモリカードなどの外部記録媒体を装着するためのソケットやソケットと制御部4との間に介在するインタフェースを設けてもよい。メモリカードは、パーソナルコンピュータなどの外部装置で過去の測定した電力量を確認できるように、たとえば、過去の測定した電力量を時間帯ごとに記憶させておけばよい。
本実施形態の電力表示装置10において記憶部5に分岐回路32aごとに接続された負荷機器40の待機時消費電力の値を記憶させることについて、詳述する。電力表示装置10では、表示器1のタッチセンサ機能を利用して分岐回路32aごとの負荷機器40における待機時消費電力の値を入力させることができる。また、電力表示装置10では、記憶部5は、分岐回路32aごとに接続された負荷機器40の待機時消費電力の値として、電力量測定装置20により測定された所定の時点における分岐回路32aの電力の測定値を分岐回路32aごとに対応付けて記憶させてもよい。たとえば、電力表示装置10は、予め全ての負荷機器40を分岐回路32aに接続させて負荷機器40を使用していない待機状態とする。電力表示装置10は、表示器1のタッチセンサ機能を利用して、分岐回路32aごとの負荷機器40における電力の値を待機時消費電力の値として、分岐回路32aごとに記憶部5に記憶させる。本実施形態の電力表示装置10は、各分岐回路32aの待機時消費電力を一括で登録する機能を備えることで、基準となる待機時消費電力を個別の数値として入力する手間を省くことが可能となる。
また、電力表示装置10は、全ての負荷機器40を使用していない待機状態とした上で、負荷機器40の電力の値を待機時消費電力の値として記憶部5に記憶させるものだけに限られない。電力表示装置10は、任意の使用していない負荷機器40の電力の値を待機時消費電力の値として記憶部5に記憶させてもよい。また、電力表示装置10は、全負荷機器40の電力の値を待機時消費電力の値として記憶部5に記憶させた後、表示器1のタッチセンサ機能を利用して、待機時消費電力の表示が不要な分岐回路32aの値だけを記憶部5から削除してもよい。
点灯部8は、比較部4aの比較結果に基づき現在の電力の測定値が記憶部5の待機時消費電力の値より大きい間において点灯可能なものである。点灯部8は、たとえば、発光ダイオードなどにより構成することができる。電力表示装置10は、表示器1の側方に並んで複数個の点灯部8を設けることができる。電力表示装置10は、所定の分岐回路32aの負荷機器40が使用されて、負荷機器40における待機時消費電力の値よりも大きな電力が測定された場合に点灯する。電力表示装置10は、所定の分岐回路32aの負荷機器40が使用されておらず、待機時消費電力の値よりも以下の場合に消灯させる。これにより、電力表示装置10では、所定の分岐回路32aの負荷機器40が待機時消費電力の状態であるか、使用されていて待機時消費電力の値よりも大きな電力を使用しているかをユーザに知らせることが可能となる。なお、点灯部8では、ユーザに負荷機器40における現在の電力の値が待機時消費電力の値よりも大きいことを認識させればよい。電力表示装置10では、常時に点灯部8を点灯させているものだけに限られず、所定の間隔で点灯部8を点灯させるものでもよい。したがって、比較部4aの比較結果に基づき現在の電力の測定値が記憶部5の待機時消費電力の値より大きい間において点灯するとは、点灯部8が常時に点灯することも所定の間隔で点滅することも両方含む概念である。
以下、本実施形態の電力表示装置10の動作について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
電力表示装置10は、開始スイッチ41aを押し圧することで、動作を開始する(ステップS1を参照)。電力表示装置10は、電力量測定装置20の無線信号送受信部26からの信号を通信部6で受信する。これにより、電力表示装置10は、所定時間毎に複数の分岐回路32aごとの電力の測定値を取得する(ステップS2を参照)。電力表示装置10の制御部4は、予め記憶部5に記憶された待機時消費電力の値と、通信部6で受信した分岐回路32aごとの待機時消費電力の値と、を比較部4aで比較する(ステップS3を参照)。電力表示装置10は、取得した現在の測定値が記憶部5に記憶された分岐回路32aに接続された負荷機器40における待機時消費電力の値よりも大きい場合、制御部4が点灯部8を点灯させる(ステップS5を参照)。次に、電力表示装置10では、電力の測定値が更新されるまで、点灯部8の点灯が維持される。また、電力表示装置10は、現在の測定値が記憶部5に記憶された分岐回路32aに接続された負荷機器40における待機時消費電力の値よりも小さい場合、点灯部8を点灯させることなく、次に、電力の測定値が更新されるまで点灯部8の消灯を維持する。
制御部4は、開始スイッチ41aが押し圧された場合、点灯部8の制御を行いつつ、予め設定された表示時間の間において表示器1に測定した電力量の表示を継続させるように構成することができる。電力表示装置10は、所定の表示時間として、たとえば、3分間を経過すると表示器1の表示を終了するように構成することができる。