JP2015075166A - 制振装置及び方法 - Google Patents

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和 渡邉
片山 洋
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Abstract

【課題】制振対象物をその熱変形を許容して支持できると共に、地震等による振動に対して制振して支持でき、更に、制振対象物をその固有振動数を調整して共振を抑制し確実に制振できること。
【解決手段】作動流体19が充填されるシリンダ21と、シリンダ内に収容されてシリンダ内をシリンダ室22、23に画成するピストン24と、ピストンに結合されるピストンロッド25と、シリンダの外部に配置され、両シリンダ室を連通するバイパス管26A、26Bとを有し、ピストンロッドの端部とシリンダの端部の一方に制振対象物1が、他方に支持構造体2が連結されて、制振対象物を制振する制振サポート11を備えた制振装置10であって、制振対象物の振動に関する情報を取得する振動センサ15、16、17と、この振動センサからの情報に基づきバイパス管の形状を変化させて制振対象物の固有振動数を調整するよう制御する制御装置18と、を有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、プラントにおける配管や機器などの制振対象物を制振して支持する制振装置及び方法に関する。
一般に、発電用プラントなど温度変化の大きい運転条件や環境で使用されている機器や配管などの制振対象物は、温度変化による熱変形を緩和するように柔に支持されている。一方、このような柔支持構造では耐震性が問題になるため、地震時にはこれらの制振対象物を剛に支持することで、制振対象物に発生する応力を抑制する制振装置が提案されている。このような制振装置には、メカニカルスナッバや流体(液体)の慣性抵抗を利用したものがある。
流体(液体)の慣性抵抗を利用した配管などの制振装置として、多重の筒状構造物の間に流体を閉じ込めることで環状流路を形成し、地震時には、対向する筒状構造物を法線方向に相対変位させ、その相対加速度に対する流体の慣性抵抗に基づく流体付加質量効果を得ることで、その相対変位を抑制して配管などを剛に支持し、また、配管などの熱変形による変位変動に対しては、その変位変動を環状流路の流体を介して伝達させることで、熱伸縮など変形速度の遅い変位変動を許容して柔に支持するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような流体(液体)の慣性抵抗を利用した配管などの制振装置として、流体を封入したシリンダ内の両端部を結ぶようにバイパス管を設置してシリンダの外側からピストンの前後の流体を連通し、シリンダ内のピストンの動きにより、バイパス管内の流体が高加速度で移動することを利用して、流体の慣性抵抗に基づく制振効果を得ると共に、バイパス管内での粘性抵抗により振動減衰効果を得るもの提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、特許文献2と同様にシリンダにバイパス管を設け、作動流体に磁性流体を使用し、バイパス管の周囲に磁場を加えることで粘性抵抗を制御して、振動を減衰させる制振装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−43201号公報 特開平11−108099号公報 特開2011−158015号公報
図10は、シリンダ101にバイパス管103を設けた制振装置(制振サポート100)を示す。シリンダ101内に配設されたピストン102に作用する流体の慣性抵抗は、加速度に比例する荷重となるため、制振サポート100が取り付けられた制振対象物に質量が付加されたと同様な効果を生ずる。この付加される質量は流体慣性質量と称される。Lをバイパス管103の長さ、Apをシリンダ101の断面積、Abをバイパス管103の断面積とおくと、制振サポート100が取り付けられた制振対象物に付加される流体慣性質量mは、式(1)で示される。但し、ρは流体の密度である。
Figure 2015075166
図11は、図10の制振サポート100を制振対象物105(1自由度の振動系)に取り付けた状態を模式的に示している。ここで、mを制振対象物105の質量、kを制振対象物105の剛性とおくと、制振サポート100が取り付けられた制振対象物105の固有振動数fは式(2)で示される。
Figure 2015075166
式(1)より、バイパス管103の長さLが長く、バイパス管103の断面積Abが小さいほど、制振対象物105に付加される流体慣性質量mが大きくなる。また、式(2)より、制振対象物105の質量mに流体慣性質量mが付加されることで、制振対象物105の固有振動数fが低下する。つまり、バイパス管103の形状を変化させることにより、制振対象物105に付加される流体慣性質量mを変化させて、制振対象物105の固有振動数fを調整することが可能になる。しかしながら、特許文献1〜3に記載のいずれの制振装置も、バイパス管の形状を変化させる機能は有していない。
本発明における実施形態の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、制振対象物の振動特性に応じて制振対象物の固有振動数を調整して共振を抑制できる制振装置及び方法を提供することにある。
本発明の実施形態における制振装置は、作動流体が充填されるシリンダと、このシリンダ内に摺動自在に収容されて前記シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、このピストンに結合されて前記シリンダを貫通するピストンロッドと、前記シリンダの外部に配設されて前記両シリンダ室を連通するバイパス管とを有し、前記ピストンロッドの端部と前記シリンダの端部の一方に制振対象物が、他方に支持構造体がそれぞれ連結されて、前記制振対象物を制振して支持する制振装置であって、前記制振対象物の振動に関する情報を取得する振動センサと、この振動センサからの情報に基づき前記バイパス管の形状を変化させて前記制振対象物の固有振動数を調整するよう制御する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明の実施形態における制振方法は、シリンダ内にピストンが摺動自在に収容されると共に作動流体が充填され、前記シリンダには、前記ピストンにより画成された両シリンダ室を連通するバイパス管が配設され、前記ピストンに結合されたピストンロッドの端部と前記シリンダの端部の一方が制振対象物に、他方が支持構造体にそれぞれ連結された制振装置を用意し、前記制振対象物の制振に関する情報を取得する振動センサからの情報に基づいて前記制振装置の前記バイパス管の形状を変化させ、前記制振対象物の固有振動数を調整して前記制振対象物を制振することを特徴とするものである。
上述の如く説明した本発明の各実施形態によれば、制振対象物の振動特性に応じて制振対象物の固有振動数を調整して共振を抑制できる。
第1実施形態に係る制振装置を示す構成図。 図1の制振サポートの取付状況を示し、(A)が配管に取り付けられた場合を、(B)が機器に取り付けられた場合をそれぞれ示す側面図。 図1の制振サポートを示す構成図。 図1のセンサ信号処理部が処理した周波数分析結果と制振対象物の固有振動数との関係を示すグラフ。 第2実施形態に係る制振装置の制振サポートにおける一方の作動状況を示す、図3に対応する構成図。 図5の制振サポートにおける他方の作動状況を示す構成図。 第3実施形態に係る制振装置の制振サポートを示す、図3に対応する構成図。 図7のバイパス管における断面形状の変化を示し、(A)が断面積の大きな場合を、(B)が断面積の小さな場合をそれぞれ示す断面図。 図7の他のバイパス管における断面形状の変化を示し、(A)が断面積の大きな場合を、(B)が断面積の小さな場合をそれぞれ示す断面図。 従来の制振サポート示す断面図。 図10の制振サポートを制振対象物(1自由度振動系)に取り付けた状態を示す模式図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図4)
図1は、本発明に係る制振装置の第1実施形態を示す構成図である。この図1に示す制振装置10は、制振対象物1を支持構造体2に連結して支持する制振サポート11と、制振対象物1の振動に関する情報を取得する振動センサ(第1加速度センサ15、第2加速度センサ16及び変位センサ17)と、この振動センサからの情報に基づき、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1の固有振動数を調整するように制御する制御手段としての制御装置18(センサ信号処理部12及び制御部13)と、を有して構成される。
ここで、制振対象物1は、例えば図2に示す配管1Aや機器1Bなどである。また、支持構造体2は、例えば基礎2Aや床(不図示)、天井2B、側壁2Cなどである。
制振サポート11は、図3に示すように、作動流体19(例えば水やオイル等の液体)が充填されるシリンダ21と、このシリンダ21内に摺動自在に収容されてシリンダ21内を2つのシリンダ室22、23に画成するピストン24と、このピストン24に結合されてシリンダ21の一端21Aを貫通して外方へ延びるピストンロッド25と、両端がシリンダ21に接続されてシリンダ21の外部に配設され、両シリンダ室22、23を連結するバイパス管26と、を有して構成される。
ピストンロッド25の端部に回転自在なクレビス27が設置される。また、シリンダ21の他端21B側には連結部材28が結合され、この連結部材28に回転自在なクレビス29が設置される。クレビス27と29の一方に制振対象物1が、他方に支持構造体2がそれぞれ連結されることで、制振対象物1が制振サポート11を介して支持構造体2に連結されて、制振対象物1は、後述の如く制振サポート11により制振して支持される。
前記バイパス管26は、少なくとも2種類の長さの異なるバイパス管が並列に配設されて構成される。本第1実施形態ではバイパス管26は、長さの短いバイパス管26Aと、長さの長いバイパス管26Bにて構成される。これらの各バイパス管26A、26Bに作動流体19の流れを許容または遮断する弁30A、30Bがそれぞれ配設される。一方のシリンダ室22、23内の作動流体19は、弁30A、30Bが開操作されたバイパス管26A、26Bを通って他方のシリンダ室22、23へ流れる。
図1に示すように、振動センサとしての第1加速度センサ15は、制振対象物1が据え付けられた基礎2Aに、または図示しない振動源もしくはその近傍に(本第1実施形態では基礎2Aに)設置され、制振対象物1に入力される振動の加速度を計測する。また、振動センサとしての第2加速度センサ16は、制振対象物1に設置され、この制振対象物1の振動に伴う加速度を計測する。更に、振動センサとしての変位センサ17は、支持構造体2(例えば側壁2C)に設置され、制振対象物1の振動に伴う制振サポート11のピストン24の移動量(変位量)δを計測する。振動センサは、これらの第1加速度センサ15、第2加速度センサ16、変位センサ17の少なくとも一つである。
図1に示す制御装置18は、第1加速度センサ15、第2加速度センサ16、変位センサ17からの制振対象物1の振動に関する情報に基づき弁30A、30Bの開閉を制御して、作動流体19が流れる長さの異なるバイパス管26(バイパス管26A、26Bのいずれか一方)を選択することで、バイパス管26の形状、即ちバイパス管26の長さを変化させ、前述の式(1)及び式(2)により、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1に付加される流体慣性質量を変化させて、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1の固有振動数を調整するよう制御する。
例えば、制御装置18のセンサ信号処理部12は、制振対象物1の振動に関する情報を、つまり制振対象物1に入力される基礎2Aに生じた振動の加速度を第1加速度センサ15から取り込み、周波数分析して、この基礎2Aに据え付けられた構造物(本第1実施形態では制振対象物1)の振動特性としての加速度応答スペクトル特性を算出する。図4には、基礎2Aに振動Aが生じた場合の加速度応答スペクトル特性を実線Pで示し、基礎2Aに振動Bが生じた場合の加速度応答スペクトル特性を破線Pで示す。
制御装置18の制御部13は、第1加速度センサ15が計測した基礎2Aの振動の加速度が周波数分析されることで得られた制振対象物1の加速度応答スペクトル特性に基づき、制振対象物1の固有振動数を、制振対象物1の加速度応答スペクトル特性が卓越する卓越振動数域W1、W2、W3から外すように、長さの異なるバイパス管26を選択して、制振対象物1に付加される流体慣性質量を変化させ、制振対象物1の固有振動数を調整して、制振対象物1の共振を抑制する。
つまり、制振対象物1の元の固有振動数がfで、基礎2Aに振動Aが生じて制振対象物1の加速度応答スペクトル特性がPで示される場合には、制御部13は、弁30Aを開操作し、弁30Bを閉操作することで短いバイパス管26Aを選択し、この短いバイパス管26Aにシリンダ21内の作動流体19を流動させる。これにより、制振サポート19が取り付けられた制振対象物1の固有振動数はfに調整されて、実線Pで示される制振対象物1の加速度応答スペクトル特性の卓越振動数域W1及びW2から外れた帯域に設定されることになり、この制振対象物1の共振が抑制される。
また、制振対象物1の元の固有振動数がfで、基礎2Aに振動Bが生じて制振対象物1の加速度応答スペクトル特性が破線Pで示される場合には、制御部13は、弁30Bを開操作し、弁30Aを閉操作することで長いバイパス管26Bを選択し、この長いバイパス管26Bにシリンダ21内の作動流体19を流動させる。これにより、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1の固有振動数はfに調整されて、破線Pで示される制振対象物1の加速度応答スペクトル特性の卓越振動数域W3から外れた帯域に設定されることになり、制振対象物1の共振が抑制される。
尚、図1に示す制御装置18のセンサ信号処理部12は、制振対象物1の振動に関する情報として、第2加速度センサ16が計測した制振対象物1の振動に伴う加速度、または変位センサ17が計測した制振対象物1の振動に伴う制振サポート11のピストン24の移動量(変位量)をそれぞれ周波数分析して、制振対象物1の振動特性としての加速度スペクトル特性、変位スペクトル特性をそれぞれ算出してもよい。この場合、制御装置18の制御部13は、センサ信号処理部12が求めた加速度スペクトル特性または変位スペクトル特性に基づき、制振対象物1の固有振動数を、制振対象物1の加速度スペクトル特性または変位スペクトル特性が卓越する卓越周波数域から外すように、長さの異なるバイパス管26(バイパス管26Aまたは26B)を選択して、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1に付加される流体慣性質量を変化させ、この制振対象物1の固有振動数を調整して、制振対象物1の共振を抑制するようにしてもよい。
また、図1に示すように、制御装置18のセンサ信号処理部12は、制振対象物1の振動に関する情報、つまり第2加速度センサ16にて計測された制振対象物1の振動に伴う加速度、または変位センサ17にて計測された制振対象物1の振動に伴う制振サポート11のピストン24の移動量(変位量)を、周波数分析することなく、それぞれの所定の閾値と比較してもよい。
この場合、制御装置18の制御部13は、上述の制振対象物1の振動に伴う加速度またはピストン24の移動量(変位量)が所定の閾値を超えたときに制振対象物1が共振し始めたと判断し、制振サポート11において現在閉操作されている弁30A、30Bを開操作し、現在開操作されている弁30A、30Bを閉操作して、作動流体19が流れるバイパス管26を短いバイパス管26Aから長いバイパス管26Bへと、または長いバイパス管26Bから短いバイパス管26Aへと、それぞれ切り換えて選択する。これにより、制振サポート11が取り付けられた制御対象物11に付加される流体慣性質量が変化して、制振サポート11が取り付けられた制振対象物11の固有振動数が調整されて、この制振対象物1の共振が抑制される。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の作用効果(1)〜(3)を奏する。
(1)図3に示すように、制振装置10は、制振対象物1の熱変形などの長周期の変位変動に対しては、制振サポート11のピストン24が軸方向に緩やかに往復移動し、一方のシリンダ室22または23の作動流体19をバイパス管26(短いバイパス管26Aまたは長いバイパス管26B)を経て他方のシリンダ室23または22へスムーズに流動させるので、制振対象物1の熱変形等による変位変動を吸収し許容してこの制振対象物1を支持できる。
(2)地震や振動源による制振対象物1の短周期の変位変動に対しては、制振装置10の制振サポート11におけるピストン24に作動流体の慣性抵抗に基づく荷重が作用して、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1に流体慣性質量が付加されることになる。このため、制振装置10の制振サポート11は、ピストン24、シリンダ21間の相対加速度と上記流体慣性質量とに基づく高い支持反力によって、地震等による制振対象物1の変位変動による振動を抑制できる。
(3)図1及び図3に示すように、制振対象物1の短周期の変位変動に対して、制振装置10の制御装置18は、振動センサ(第1加速度センサ15、第2加速度センサ16、変位センサ17の少なくとも1つ)からの制振対象物1の振動に関する情報(第1加速度センサ15が計測し制振対象物1に入力される例えば基礎2Aの振動の加速度、第2加速度センサ16が計測した制振対象物1の振動に伴う加速度、変位センサ17が計測した制振対象物1の振動に伴う制振サポート11のピストン24の移動量(変位量))に基づき、作動流体19が流れる長さの異なるバイパス管26A、26Bを選択して、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1に付加される流体慣性質量を変化させ、これにより、制振サポート11が取り付けられた制振対象物1の固有振動数を調整するよう制御している。従って、制振対象物1の固有振動数を、例えば、制振対象物1の振動特性(加速度応答スペクトル特性、加速度スペクトル特性、変位スペクトル特性)が卓越する卓越振動数域から外すように調整して設定することで、制振対象物1の共振を抑制して、この制振対象物1の振動を確実に低減できる。
[B]第2実施形態(図5、図6)
図5は、本発明に係る制振装置の第2実施形態における制振サポートの一方の作動状況を示す、図3に対応する構成図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態の制振装置40が第1実施形態と異なる点は、制振サポート41のバイパス管42が、シリンダ21に並列配設された長さの異なる2種類のバイパス管(即ち長さの短いバイパス管42Aと長さの長いバイパス管42B)にて構成され、バイパス管42Aに弁30Aが、バイパス管42Bに弁30Bがそれぞれ配設され、更に、制御手段としての制御装置43が、制振対象物1の振動に伴う制振サポート41のピストン24の移動方向に応じて、弁30A、30Bの開閉を制御する点である。
つまり、制御装置43のセンサ信号処理部44は、変位センサ17から制振サポート41におけるピストン24の移動量(変位量)信号を取り込む。制御装置43の制御部45は、センサ信号処理部44からのピストン24の移動量(変位量)信号を入力してピストン24の移動方向を判定し、ピストン24の移動方向に応じて弁30A、30Bの開閉を制御し、ピストン24の移動方向に応じて、作動流体19が流れる長さの異なるバイパス管42A、42Bを選択することで、バイパス管42の形状、即ちバイパス管42の長さを変化させる。
例えば、図5に示すように、制振サポート41のピストン24が右方向Mに移動したときには、制御部45は弁30Aを開操作し、弁30Bを閉操作して、シリンダ21のシリンダ室22内の作動流体19をバイパス管42Aを経てシリンダ室23内へ流動させる。また、図6に示すように、制振サポート41のピストン24が左方向Nに移動したときには、制御部45は弁30Bを開操作し、弁30Aを閉操作して、シリンダ21のシリンダ室23内の作動流体19をバイパス管42Bを経てシリンダ室22内へ流動させる。
尚、制御部45によるピストン24の移動方向の判定は、センサ信号処理部44が第2加速度センサ16からの制振対象物1の振動に伴う加速度を取り込み、この加速度が最大になったときに制振サポート41のピストン24の移動方向が変化したと判断することで、ピストン24の移動方向の変化を判定してもよい。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様の効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
(4)制振対象物1の振動に伴う制振サポート41のピストン24の移動方向に応じて、作動流体19が流れる長さの異なるバイパス管42(長さの短いバイパス管42Aまたは長さの長いバイパス管42B)が選択されるので、制振対象物1の振動の半周期毎に、制振サポート41が取り付けられた制振対象物1に付加される流体慣性質量が変化し、この制振サポート41が取り付けられた制振対象物1の固有振動数が調整される。この結果、振動対象物1に振動エネルギーが蓄積され難くなって、制振対象物1の共振を抑制でき、この制振対象物1の振動を低減できる。
[C]第3実施形態(図7〜図9)
図7は、本発明に係る制振装置の第3実施形態における制振サポートを示す、図3に対応する構成図である。この第3実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第3実施形態の制御装置50が第1実施形態と異なる点は、制振サポート51のバイパス管52(つまり、図8のバイパス管52A、図9のバイパス管52B)が、その略全長に亘って断面積が変更可能に構成され、制御装置18が、振動センサ(第1加速度センサ15、第2加速度センサ16、変位センサ17の少なくとも1つ)からの制振対象物1の振動に関する情報に基づいて、断面積変更機構54(図8の圧縮機構55、図9のスライド機構56)を制御してバイパス管52の断面積を変化させ、これによりバイパス管52の形状を変化させて、制振サポート51が取り付けられた制振対象物1の固有振動数を調整するよう制御する点である。
例えば、図8に示すように、バイパス管52は、弾性変形可能な柔軟な素材にて構成され、圧縮機構55がバイパス管52Aの周囲に配置されている。制御装置18は、第1加速度センサ15が計測し制振対象物1に入力される基礎2Aの振動の加速度、第2加速度センサ16が計測した制振対象物1の振動に伴う加速度、変位センサ17が計測した制振サポート51のピストン24の移動量(変位量)の少なくとも1つに基づいて圧縮機構55を制御し、バイパス管52Aの断面積を大きく(図8(A))、または小さく(図8(B))変化させる。
また、図9に示すように、バイパス管52Bは、横断面L字形状の一対のL型部材57が、互いに接離可能に対向配置され、それぞれのL型部材57が、スライド機構56により接近(図9(B))、または離反(図9(A))される。ここで、これらのL型部材57が接触する箇所にはシール材58が配設されている。制御装置18は、第1加速度センサ15が計測し制振対象物1に入力される基礎2Aの振動の加速度、第2加速度センサ16が計測した制振対象物1の振動に伴う加速度、変位センサ17が計測した制振サポート51のピストン24の移動量(変位量)の少なくとも1つに基づいてスライド機構56を制御し、バイパス管52Bの断面積を大きく(図9(A))、または小さく(図9(B))変化させる。
従って、本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)制振装置50の制御装置18は、第1加速度センサ15、第2加速度センサ16、変位センサ17の少なくとも一つからの制振対象物1の振動に関する情報に基づき断面積変更機構54(圧縮機構55、スライド機構56)を制御して、制振サポート51のバイパス管52(バイパス管52A、バイパス管52B)の断面積を変更し、制振サポート51が取り付けられた制振対象物1に付加される流体慣性質量を変化させ、これにより制振サポート51が取り付けられた制振対象物1の固有振動数を調整している。この結果、制振対象物1の共振が抑制されて、制振対象物1の振動を低減できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1及び第2実施形態では、制振サポート11または41の弁30A、30Bは、いずれか一方が開操作され、他方が閉操作されるものを述べたが、いずれか一方が開操作され、他方が途中開度(例えば半開開度)であってもよく、または両弁ともに開操作されてもよい。このような弁30A、30Bの開閉操作によっても、制振サポート11または41が取り付けられた制振対象物1の固有振動数を調整することができる。
1 制振対象物
2 支持構造体
2A 基礎
10 制振装置
11 制振サポート
15 第1加速度センサ(振動センサ)
16 第2加速度センサ(振動センサ)
17 変位センサ(振動センサ)
18 制御装置(制御手段)
19 作動流体
21 シリンダ
22、23 シリンダ室
24 ピストン
26、26A、26B バイパス管
30A、30B 弁
40 制振装置
41 制振サポート
42、42A、42B バイパス管
43 制御装置(制御手段)
50 制振装置
51 制振サポート
52、52A、52B バイパス管
54 断面積変更機構
55 圧縮機構
56 スライド機構
57 L型部材
W1、W2、W3 卓越振動数域
、f、f 固有振動数

Claims (9)

  1. 作動流体が充填されるシリンダと、
    このシリンダ内に摺動自在に収容されて前記シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、
    このピストンに結合されて前記シリンダを貫通するピストンロッドと、
    前記シリンダの外部に配設されて前記両シリンダ室を連通するバイパス管とを有し、
    前記ピストンロッドの端部と前記シリンダの端部の一方に制振対象物が、他方に支持構造体がそれぞれ連結されて、前記制振対象物を制振して支持する制振装置であって、
    前記制振対象物の振動に関する情報を取得する振動センサと、
    この振動センサからの情報に基づき前記バイパス管の形状を変化させて前記制振対象物の固有振動数を調整するよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする制振装置。
  2. 前記バイパス管は、少なくとも2種類の長さの異なるバイパス管が並列に配設されて構成され、これらの各バイパス管には、作動流体の流れを許容または遮断する弁が設置され、
    制御手段は、振動センサからの制振対象物の振動に関する情報に基づき前記弁の開閉を制御することで、前記バイパス管の形状を変化させることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記バイパス管は、長さの異なる2種類のバイパス管が並列に配設されて構成され、これらの各バイパス管には、作動流体の流れを許容または遮断する弁が設置され、
    制御手段は、制振対象物の振動に伴うピストンの移動に応じて前記弁の開閉を制御して、前記ピストンの移動方向に応じて、前記作動流体が流れる長さの異なる前記バイパス管を選択することで、前記バイパス管の形状を変化させることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  4. 前記バイパス管は、柔軟な素材により構成され、周囲に配置された圧縮機構により断面積が変更可能に設けられ、
    制御手段は、振動センサからの制振対象物の振動に関する情報に基づき前記圧縮機構を作動させて前記バイパス管の断面積を変更することで、前記バイパス管の形状を変化させることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  5. 前記バイパス管は、横断面L字形状の一対のL型部材が互いに接離可能に対向配置されて構成され、
    制御手段は、振動センサからの制振対象物の振動に関する情報に基づき前記L型部材を接離させて前記バイパス管の断面積を変更することで、前記バイパス管の形状を変化させることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  6. 前記制御手段は、振動センサからの制振対象物の振動に関する情報に基づき、前記制御対象物の固有振動数を、前記制御対象物の振動特性が卓越する卓越振動数域から外すように、長さの異なるバイパス管を選択し、またはバイパス管の断面積を変更することを特徴とする請求項2、4及び5のいずれか1項に記載の制振装置。
  7. 前記制御手段は、振動センサからの制振対象物の振動に関する情報に基づき、前記制御対象物が共振を開始したと判断したときに、長さの異なるバイパス管を選択し、またはバイパス管の断面積を変更することを特徴とする請求項2、4及び5のいずれか1項に記載の制振装置。
  8. 前記振動センサは、制御対象物が据え付けられた基礎に、または振動源若しくはその近傍に設置され、前記制振対象物に入力される振動の加速度を計測する第1加速度センサと、
    前記制御対象物に設置され、この制振対象物の振動に伴う加速度を計測する第2加速度センサと、
    支持構造体に設置され、前記制振対象物の振動に伴うピストンの移動量を計測する変位センサとのうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制振装置。
  9. シリンダ内にピストンが摺動自在に収容されると共に作動流体が充填され、前記シリンダには、前記ピストンにより画成された両シリンダ室を連通するバイパス管が配設され、前記ピストンに結合されたピストンロッドの端部と前記シリンダの端部の一方が制振対象物に、他方が支持構造体にそれぞれ連結された制振装置を用意し、
    前記制振対象物の制振に関する情報を取得する振動センサからの情報に基づいて前記制振装置の前記バイパス管の形状を変化させ、前記制振対象物の固有振動数を調整して前記制振対象物を制振することを特徴とする制振方法。
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