JP2015074706A - 粘着性樹脂組成物及び粘着材 - Google Patents

粘着性樹脂組成物及び粘着材 Download PDF

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貴子 江尻
Takako Ejiri
貴子 江尻
増田 克之
Katsuyuki Masuda
克之 増田
詠逸 品田
Eiitsu Shinada
詠逸 品田
滋 鯉渕
Shigeru Koibuchi
滋 鯉渕
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Abstract

【課題】ガラス板に対する接着性あるいは粘着性に優れる、粘着性樹脂組成物及び粘着材を提供すること。【解決手段】本発明の粘着性樹脂組成物は、カルボキシル基を少なくとも2つ有するモノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物及びモノマー(A)の酸ハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマー、並びにアミノ基を少なくとも2つ有するモノマー(B)を含む重合性モノマー群を縮合重合して得られる構成単位を有する縮合系樹脂と、ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂と、を含有し、上記縮合系樹脂が、ポリオキシアルカンジイル基を有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着性樹脂組成物及び粘着材に関する。
粘着剤、塗料等の樹脂組成物には、主成分となるゴム又は樹脂以外に添加剤が用いられている。添加剤としては、充填剤、可塑剤、染顔料、流動調整剤、粘着付与剤等を挙げることができる。粘着性を付与するために、粘着付与剤を添加して樹脂組成物の粘着力を調整することが行われている。
粘着付与剤としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂等の炭化水素系樹脂が使用されている(例えば、特許文献1)。金属に対する密着性を改善するため、脂肪族系粘着付与剤とともにブタジエン系ゴムをオレフィン系熱可塑性樹脂に配合する技術が提案されている(特許文献2)。
特開平8−157794号公報 特公昭61−15094号公報
しかしながら、被着体の種類によっては、従来の粘着付与剤を添加した樹脂組成物では、接着性あるいは粘着性が十分でない場合があった。
本発明は、ガラス板に対する接着性あるいは粘着性に優れる、粘着性樹脂組成物及び粘着材を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、ポリオキシアルカンジイル基を有する縮合系樹脂が接着性あるいは粘着性に優れ、粘着付与剤として上記特定の縮合系樹脂を含有する樹脂組成物が優れた接着性あるいは粘着性を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の粘着性樹脂組成物は、カルボキシル基を少なくとも2つ有するモノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物及びモノマー(A)の酸ハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマー、並びにアミノ基を少なくとも2つ有するモノマー(B)を含む重合性モノマー群を縮合重合して得られる構成単位を有する縮合系樹脂と、ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂と、を含有し、上記縮合系樹脂が、ポリオキシアルカンジイル基を有することを特徴とする。
かかる粘着性樹脂組成物は、ガラス板に対する接着性あるいは粘着性に優れる。
縮合系樹脂が、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂が、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルゴム、ブタジエンゴム、及びアクリロニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。
縮合系樹脂の含有量が、粘着性樹脂組成物の固形分全量を基準として1〜99質量%であることが好ましい。縮合系樹脂の含有量をこのような範囲とすることで、高い粘着性を有しつつ、取扱い性にも優れたものとすることができる。
本発明の粘着材は、支持体と、該支持体上に設けられた上記本発明に係る粘着性樹脂組成物を含む粘着層と、を備えることを特徴とする。
かかる粘着材によれば、被着体上により簡便に粘着層を形成することが可能である。また、本発明に係る粘着性樹脂組成物が用いられていることで、接着性あるいは粘着性に優れる粘着層を被着体(特に、ガラス板)上に形成することができる。
本発明によれば、ガラス板に対する接着性あるいは粘着性に優れる、粘着性樹脂組成物及び粘着材を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(粘着性樹脂組成物)
本実施形態に係る粘着性樹脂組成物は、カルボキシル基を少なくとも2つ有するモノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物及びモノマー(A)の酸ハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマー、並びにアミノ基を少なくとも2つ有するモノマー(B)を含む重合性モノマー群を縮合重合して得られる構成単位を有する縮合系樹脂と、ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂と、を含有するものであり、上記縮合系樹脂はポリオキシアルカンジイル基を有する。
(縮合系樹脂)
本実施形態に係る縮合系樹脂は、カルボキシル基を少なくとも2つ有するモノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物及びモノマー(A)の酸ハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマー、並びにアミノ基を少なくとも2つ有するモノマー(B)を含む重合性モノマー群を縮合重合して得られる構造単位を有し、ポリオキシアルカンジイル基を有することを特長とする。
縮合系樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
縮合系樹脂に上記ポリオキシアルカンジイル基を導入する方法は特に制限されないが、例えば、ポリオキシアルカンジイル基を有するモノマーを縮合重合させる方法、上記構造単位を有する縮合系樹脂を変性してポリオキシアルカンジイル基を導入する方法などが挙げられる。
カルボキシル基を少なくとも2つ有するモノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物及びモノマー(A)の酸ハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマー、並びにアミノ基を少なくとも2つ有するモノマー(B)を含む重合性モノマー群を縮合重合して得られる構造単位がポリオキシアルカンジイル基を有していることが好ましい。すなわち、モノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物、モノマー(A)の酸ハロゲン化物及びモノマー(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種が、ポリオキシアルカンジイル基を有していることが好ましく、モノマー(B)に由来する構造にポリオキシアルカンジイル基が存在することがより好ましい。
なお、モノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物及びモノマー(A)の酸ハロゲン化物は単独で用いても複数種組み合わせて用いてもよい。また、モノマー(B)は単独で用いても複数種組み合わせて用いてもよい。
縮合系樹脂は、上記重合性モノマー群の縮合重合により形成され得る構造単位を有していればよく、必ずしも上記重合性モノマー群を縮合重合して製造されたものである必要はない。
このような構造単位としては、例えば、以下に示す一般式(1−1)、(1−2)又は(1−3)で表される構造単位を挙げることができる。
下記一般式(1−1)で表される構造単位は、下記一般式(A−1)で表されるモノマーと下記一般式(B−1)で表されるモノマーとを縮合重合して得られる構造単位ということができる。なお、式(1−1)、(A−1)及び(B−1)中、R及びRは二価の有機基を示す。
Figure 2015074706

Figure 2015074706

Figure 2015074706
ここで、式(1−1)で表される構造単位としては、R又はRのいずれか一方がポリオキシアルカンジイル基を有していてもよく、RとRの双方がポリオキシアルカンジイル基を有していてもよい。
下記一般式(1−2)で表される構造単位は、下記一般式(A−2)及び/又は(A−2’)で表されるモノマーと前記式(B−1)で表されるモノマーとを縮合重合して得られる構造単位ということができる。なお、式(1−2)、(A−2)及び(A−2’)中、Rは三価の有機基を示す。
Figure 2015074706

Figure 2015074706

Figure 2015074706
ここで、式(1−2)で表される構造単位としては、R又はRのいずれか一方がポリオキシアルカンジイル基を有していてもよく、RとRの双方がポリオキシアルカンジイル基を有していてもよい。
下記一般式(1−3)で表される構造単位は、下記一般式(A−3)及び/又は(A−3’)で表されるモノマーと前記一般式(B−1)で表されるモノマーとを縮合重合して得られる構造単位ということができる。なお、式(1−3)、(A−3)及び(A−3’)中、Rは四価の有機基を示す。
Figure 2015074706

Figure 2015074706

Figure 2015074706
ここで、式(1−3)で表される構造単位としては、R又はRのいずれか一方がポリオキシアルカンジイル基を有していてもよく、RとRの双方がポリオキシアルカンジイル基を有していてもよい。
モノマー(A)としては、カルボキシル基を2つ有するモノマー(一般式(A−1)で表されるモノマー)、カルボキシル基を3つ有するモノマー(一般式(A−2)で表されるモノマー)、カルボキシル基を4つ有するモノマー(一般式(A−3)で表されるモノマー)等が挙げられる。
カルボキシル基を2つ有するモノマーとしては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸等のアルキレンジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸等のアリーレンジカルボン酸;4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、2−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、2−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸、メチルノルボルナン−3,4−ジカルボン酸等のシクロヘキサン骨格を有するジカルボン酸などが挙げられる。
カルボキシル基を3つ有するモノマーとしては、例えば、トリメリット酸等の芳香族トリカルボン酸;シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸等の脂環式トリカルボン酸などが挙げられる。
カルボキシル基を4つ有するモノマーとしては、例えば、ピロメリット酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、4,4’−スルホニルジフタル酸、1−トリフルオロメチル−2,3,5,6−ベンゼンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、2,3,2’,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン、p−フェニレンビス(トリメリテート)、エチレンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−(4,4’イソプロピリデンジフェノキシ)−ビス(フタル酸)、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、ビス(エキソビシクロ(2,2,1)ヘプタン−2,3−ジカルボン酸)スルホン、1,2,4,5−テトラカルボキシシクロヘキサン、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3:5,6−テトラカルボン酸、5,5’−エンド−(ポリシロキサン−1,5−ジイル)−ビスビシクロ[2,2,1]ヘプタン−エキソ−2,3−ジカルボン酸等が挙げられる。
モノマー(B)としては、アミノ基を2つ有するモノマー(一般式(B−1)で表されるモノマー)が好ましく、このようなモノマーとしては、例えば、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,6,2’,6’−テトラメチル−4,4’−ジアミン、5,5’−ジメチル−2,2’−スルフォニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルスルホン、(4,4’−ジアミノ)ベンゾフェノン、(3,3’―ジアミノ)ベンゾフェノン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルメタン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(3,3’―ジアミノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン等のアルキレンジアミン;ポリエチレンオキサイドジアミン、ポリプロピレンオキサイドジアミン等のポリアルキレンオキサイドジアミン;(4,4’−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン、ビスアミノメチルノルボルネン等の脂肪族ジアミン;ポリジメチルシロキサンジアミン等のシロキサンジアミンなどが挙げられる。
これらのモノマー(B)のうち、ポリオキシアルカンジイル基を有するものは、ポリアルキレンオキサイドジアミンが挙げられ、例えば、ジェファーミンD−230(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンD−400(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンD−2000(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンD−4000(HUNTSMAN、商品名)等のポリプロピレンオキサイドジアミン;ジェフアミンED−600(HUNTSMAN、商品名)、ジェフアミンED−900(HUNTSMAN、商品名)等のポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドとの共重合体ジアミン;ジェファーミンEDR−148(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンEDR−176(HUNTSMAN、商品名)等のポリエチレンオキサイドジアミン;ジェファーミンT−403(HUNTSMAN、商品名)、ジェファーミンT−3000(HUNTSMAN、商品名)及びジェファーミンT−5000(HUNTSMAN、商品名)等のトリアミンなどを好適に用いることができ、これらのうち、下記式(B−2)で表されるジェファーミンD−2000(HUNTSMAN、商品名)をより好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
Figure 2015074706

上記式(B−2)中、xは33.1である。
縮合系樹脂はポリオキシアルカンジイル基を有する。このような基を有することで縮合系樹脂は、比較的低いガラス転移温度Tgを示し、低温で良好な粘着性を有するものとなる。
ここで、ポリオキシアルカンジイル基としては、下記一般式(2)で表される基が挙げられる。なお、式(2)中、nは2以上の整数を示し、Rはアルカンジイル基を示す。複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2015074706
上記Rにおけるアルカンジイル基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。Rにおけるアルカンジイル基としては、炭素数2〜4のアルカンジイル基が好ましく、炭素数2〜3のアルカンジイル基がより好ましい。Rにおけるアルカンジイル基としては、例えば、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基等が挙げられる。
一般式(2)におけるnは、2〜90であることが好ましく、3〜70であることがより好ましい。
一般式(2)で表されるポリオキシアルカンジイル基として、より具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイド共重合体、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール共重合体等のポリアルキレンオキサイドから誘導される基が好ましく、ポリオキシエチレン基、ポリオキシ−1,2−プロパンジイル基、がより好ましい。
重合性モノマー群を縮合重合して得られる構造単位がポリオキシアルカンジイル基を有している場合には、ポリオキシアルカンジイル基を有する重合性モノマーの配合量が、重合性モノマー群の総量に対して2〜100mol%であることが好ましく、2〜70mol%であることがより好ましく、5〜50mol%であることがさらに好ましい。このような重合性モノマーの配合量とすることにより、得られる縮合系樹脂が、被着体との接着性あるいは粘着性に優れることに加え、粘着耐熱性や強度といった他の特性の付与、及び縮合系樹脂とした場合の取扱い性を向上させることも可能となる。
また、本実施形態に係る縮合系樹脂を得るために用いる重合性モノマー群は、上記一般式(A−1)又は(B−1)で表されるモノマーに加えてジイソシアネート化合物等の他のモノマーを含有していてもよい。さらに、縮合系樹脂としては、ピペラジン基を有してもよい。ピペラジン基を有する縮合系樹脂によれば、耐熱性と粘着性のバランスに優れる耐熱粘着材組成物が得られる。
縮合重合の方法は特に制限されないが、例えば、上記重合性モノマー群を溶媒に溶解して、反応温度0〜200℃、反応時間1〜5時間程度で反応させる方法を採用することができる。
縮合重合に用いる溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルスクシイミド、ジメチルフラン、トルエン、N,N’−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチレンホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。この中で樹脂の溶解性の観点からN−メチルピロリドンが好ましい。
縮合重合においては、縮合反応を促進する目的で、触媒等の加速剤(反応促進剤)を用いることができる。加速剤の添加量は、重合性モノマー10mol当量に対して、0.1〜50mol当量とすることが好ましい。
加速剤としては、例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム、ロダンカルシウム等の無機塩;トリエチルアミン、ピリジン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩などが挙げられる。
縮合系樹脂は、縮合重合で得られた重合体をさらに変性したものであってもよい。縮合重合で得られた重合体としては、例えば、オレフィン変性ポリアミド、アルコキシシラン変性ポリアミド、シロキサン変性ポリイミド、エポキシ変性ポリアミド、ポリカーボネート変性ポリアミド、オレフィン変性ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、エポキシ変性ポリイミド、ポリカーボネート変性ポリイミド、シロキサン変性ポリイミド、オレフィン変性ポリアミドイミド、アルコキシシラン変性ポリアミドイミド、シロキサン変性ポリアミドイミド、エポキシ変性ポリアミドイミド、エポキシ変性ポリアミドイミド、ポリカーボネート変性ポリアミドイミド等が挙げられる。
本実施形態に係る粘着性樹脂組成物は、ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂を含有する。
ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルゴム、ブタジエンゴム、及びアクリロニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルゴム、ブタジエンゴム、及びアクリロニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことがより好ましい。
上記のような樹脂としては、フィルム成分として高分子量化合物を用いることも好ましく、アクリルゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等のゴム化合物、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などを用いることもできる。その他、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂等を用いることもできる。これらの樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて任意に用いることができる。
粘着性樹脂組成物を構成する成分は特に限定はされず、ポリオキシアルカンジイル基を有する縮合系樹脂と、ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂とに加えて、硬化促進剤、可塑剤、密着付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、消泡剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤、難燃剤、顔染料、希釈剤等の添加剤成分を更に含んでいてもよい。硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、過酸化物、光開始剤等を添加してもよい。
粘着性樹脂組成物におけるポリオキシアルカンジイル基を有する縮合系樹脂の含有量は、溶剤を除く樹脂組成物の全量基準で(すなわち、固形分全量を基準として)、1〜99質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。縮合系樹脂の含有量が上記範囲内であると、高い粘着性を有しつつ、例えば取扱い性や硬化性といった他の特性を有する添加剤を含有することができる。ただし、粘着性縮合系樹脂の含有量は、用途に応じて適宜前記の範囲外とすることもできる。
(粘着性樹脂組成物を含む粘着層を備える粘着材の製造及び使用方法)
粘着性樹脂組成物を含む粘着層を備える粘着材は、例えば、粘着性樹脂組成物をあらかじめ溶剤、希釈剤等と混合し調製した粘着性樹脂組成物溶液(ワニス)を、支持体の一面上に塗布、乾燥し、粘着層を形成させることにより、得ることができる。また、支持体の両面上に上記ワニスを塗布して乾燥させることにより両面に粘着層を備える粘着材とすることもできる。また、離型フィルム等のフィルム上に上記ワニスを塗布して乾燥させることにより形成された粘着層を支持体に転写して粘着材を作製することもできる。
粘着性樹脂組成物に用いられる溶媒は、特に制限されないが、粘着性樹脂組成物が良好な溶解性を示すことから、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、グリコールエステル系溶剤等が好ましい。
溶媒としてより具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。その他、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルスクシイミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等を用いることができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種類以上を混合させて用いてもよい。
支持体としては、特に制限されないが、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロース、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート等が挙げられる。また、無機材料を含む支持体を用いることもでき、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ガラス、シリコンウエハ及び合金から選択される少なくとも一つの無機材料を含むものを用いることができる。
上記粘着材は、被着体上に粘着層を形成するための使用に適する。例えば、粘着材の粘着層と被着体とが接するように貼合し、離型フィルムを剥離することで、被着体上に粘着層を形成することができる。また、粘着材の粘着層と第一の被着体とが接するように貼合し、離型フィルムを剥離して、さらに第二の被着体と貼合することもできる。このようなキャスティング法による作製方法は、平坦な粘着層が容易に得られることから好適である。なお、上記粘着性樹脂組成物溶液をスプレー、はけ等で直接被着体に塗布、乾燥させることで粘着層を被着体上に形成してもよい。
被着体としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合樹脂、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ガラス、銅、シリコンウエハなどが挙げられる。
粘着材が備える粘着層及び被着体上に形成される粘着層の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。粘着層の厚さは、縮合系樹脂を含有する粘着性樹脂組成物の濃度、又はワニスの塗布量によって、適宜調整することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
二塩化イソフタロイル4.1g、ポリプロピレングリコールジアミン(JEFFAMINE(登録商標)D−2000、HUNTSMAN社製)40.0g、及びトリエチルアミン4.5gを加え、N−メチルピロリドン中で縮合重合させた。反応終了後、反応混合液に3倍量のトルエンおよび水を加え、有機層のみを分取し、エバポレ―タにてトルエンを留去することによりポリアミド樹脂溶液(樹脂分3%)を得た。
(配合例1)
合成例1で得られたポリアミド樹脂溶液12.1gと、フェノキシ樹脂としてYP−70(新日鐵化学株式会社製)0.9gとを配合し、粘着性樹脂組成物溶液(粘着付与剤含有ワニス)を得た。
(配合例2)
フェノキシ樹脂としてYP−70(新日鐵化学株式会社製)2.0gをN−メチルピロリドン10.0gに溶解し、樹脂組成物溶液(ワニス)を得た。
(配合例3)
フェノキシ樹脂としてYP−70(新日鐵化学株式会社製)3.5gと、ポリプロピレングリコールジアミン(JEFFAMINE(登録商標)D−2000、HUNTSMAN社製)1.5gとを配合し、N−メチルピロリドン8.0gに溶解し、樹脂組成物溶液(ワニス)を得た。
(実施例1)
配合例1にて得られた粘着性樹脂組成物溶液(粘着付与剤含有ワニス)を、厚み25μmのポリイミドフィルムに、乾燥後の粘着層の厚みが15cm四方で35μmとなるようにアプリケータを用いて塗工し、160℃で30分加熱して乾燥させ、粘着材(粘着付与剤含有フィルム)を作製した。次いで、得られた粘着材を、厚み700μmの10cm×10cmガラス板上に配置し、15〜30℃の環境下、ロール圧0.3MPaのラミネータを0.8m/分の速度で通過させることで貼付けを行った。
(比較例1)
配合例2にて得られたワニスを用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着材を作製し、ガラス板への貼付けを行った。
(比較例2)
配合例3にて得られたワニスを用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着材を作製し、ガラス板への貼付けを行った。
(タック性の評価)
実施例1及び比較例1,2で得られた粘着材のタック性(粘着性)を評価した。
タック性の評価は、指を軽く押し当て、指に対する張り付きの程度で評価した。
タック有:指に対する張り付き有り。
タック無:指に対する張り付き無し。
結果を表1に示す。
(接着性の評価)
実施例1及び比較例1,2で得られた粘着材のガラス板への接着性(90度剥離力及び剥離モード)を評価した。
接着性の評価は、粘着材のポリイミドフィルムの端部を少し剥がして把持し、レオメータRE3305R(山電製)引っ張り試験機を用いて、幅10mmを90度、引張速度300mm/minで、ポリイミドフィルムを引きはがすのに要する最小の力(N/10mm)を測定することで行った。結果を表1に示す。
Figure 2015074706
表1に示すように、本発明に係る粘着性樹脂組成物は、粘着性及び接着性に優れる。

Claims (5)

  1. カルボキシル基を少なくとも2つ有するモノマー(A)、モノマー(A)の無水物、モノマー(A)のエステル化物及びモノマー(A)の酸ハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマー、並びにアミノ基を少なくとも2つ有するモノマー(B)を含む重合性モノマー群を縮合重合して得られる構成単位を有する縮合系樹脂と、
    ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂と、
    を含有し、
    前記縮合系樹脂が、ポリオキシアルカンジイル基を有する、粘着性樹脂組成物。
  2. 前記縮合系樹脂が、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の粘着性樹脂組成物。
  3. 前記ポリオキシアルカンジイル基を有する樹脂以外の樹脂が、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルゴム、ブタジエンゴム、及びアクリロニトリルブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の粘着性樹脂組成物。
  4. 前記縮合系樹脂の含有量が、粘着性樹脂組成物の固形分全量を基準として1〜99質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の粘着性樹脂組成物。
  5. 支持体と、該支持体上に設けられた請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着性樹脂組成物を含む粘着層と、を備える粘着材。
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