JP2015073593A - ボウリングゲーム支援システム - Google Patents

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宮本 和佳
Kazuyoshi Miyamoto
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Abstract

【課題】ボウリングゲームの投球動作中に投球支援をする支援システムの提供。【解決手段】ボウリングゲームの支援システム2は、センサー装置が内蔵されたボール4と、レーン10上のボール4の予測投球軌道を求める制御部6と、ボールの予測投球軌道をレーン10上に投影する投影機8とを備えている。このセンサー装置は、ボール4の加速度、角速度及び位置を計測している。この制御部6は、計測されたボール4の加速度、角速度及び位置に基づいて、ボール4の予測投球軌道を求めている。制御部6は、投球動作中に逐次ボール4の予測投球軌道を更新している。この投影機8は、ボール4の予測投球軌道の映像をレーン10上に投影している。投影機8は、投球動作中にボール4の予測投球軌道の映像を更新して投影している。【選択図】図1

Description

本発明は、ボウリングゲームにおける投球を支援するシステムに関する。
ボウリングゲームでは、投球者がレーンに配置されたピンに向かってボールを投球する。投球されたボールが、ピンに向かってレーン上を転がり、ピンを倒す。このボウリングゲームの投球を支援するものとして、種々のシステムが提案されている。
特開2008−73244公報には、投球者に応援メッセージやアドバイス等を表示するボウリングシステムが提案されている。このシステムは、投球者に対して、スパット、ボールの軌道、ピン等の狙い目を示している。
特表2003−501228公報には、レーンに発光体からなるガイドマークを配置したシステムが提案されている。このシステムは、この発光体を発光させることで、投球者に対して、投球方向を示している。
特開平4−303482公報には、投球フォーム再生装置が提案されている。投球フォーム再生装置により、投球者は投球後に投球フォームを確認することができる。投球者は、投球フォームを確認することで、投球動作を修正しうる。
特開2008−73244公報 特表2003−501228公報 特開平4−303482公報
アプローチでの投球者の立ち位置や投球動作によって、レーン上を転がるボールの軌道は変わる。従来の支援システムでは、狙い目や投球方向が示されているに過ぎない。投球者は、その狙い目や投球方向に対して、立ち位置や投球動作にずれがないか認識することが出来ない。このため、この投球動作中に、投球者がその投球動作を修正することは困難である。
本発明の目的は、ボウリングゲームの投球動作中にも投球支援をする支援システムの提供にある。
本発明に係るボウリングゲームの支援システムは、センサー装置が内蔵されたボールと、レーン上のボールの予測投球軌道を求める制御部と、ボールの予測投球軌道をレーン上に投影する出力部とを備えている。このセンサー装置は、ボールの加速度、角速度及び位置を計測している。この制御部は、計測されたボールの加速度、角速度及び位置に基づいてボールの予測投球軌道を求めている。制御部は、投球動作中に逐次ボールの予測投球軌道を更新している。この出力部は、ボールの予測投球軌道の映像をレーン上に投影している。出力部は、投球動作中にボールの予測投球軌道の映像を更新して投影している。
好ましくは、上記制御部は記憶部を備えている。この記憶部は、ボールの目標投球軌道を記憶している。上記出力部は、投球動作中にボールの目標投球軌道の映像をレーン上に投影している。
好ましくは、上記制御部は記憶部を備えている。上記記憶部は、目標立ち位置を記憶している。上記出力部は、目標立ち位置の映像をアプローチ上に投影している。
好ましくは、上記制御部は、リリース後からピンデッキに至るまでのボールの実投球軌道を計測している。上記記憶部は、ボールの加速度及び角速度とボールの実投球軌道とを記憶している。この制御部は、記憶されたボールの加速度、角速度及び位置とボールの実投球軌道とに基づいて関係式を求めている。この制御部は、この関係式に計測されたボールの加速度、角速度及び位置を適用して、ボールの予測投球軌道を求めている。
好ましくは、上記投球動作中は、プッシュアウェイでボールが前方に差し出された位置から、ボールがリリースされるまでの投球動作である。好ましくは、上記投球動作中は、バックスイングでボールが後方に振り上げられた位置から、ボールがリリースされるまでの投球動作である。好ましくは、上記投球動作中に、アドレスが含まれる。
本発明に係るボウリングゲームの支援システムでは、投球動作中にボールの予測投球軌道の映像をレーン上に投影している。投球者は、レーン上に投影された予測投球軌道に基づいて、投球動作を修正しうる。この支援システムでは、投球者は、その狙い目や投球方向に対する投球動作のずれを投球動作中に確認できる。投球者は、その投球動作を修正することが容易にできる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる支援システムがレーン、アプローチ及びピンと共に示された説明図である。 図2は、図1の説明図に示されたレーン、アプローチがピンと共に示された平面図である。 図3は、図1の支援システムのボールが示された断面図である。 図4は、図3のボールの説明図である。 図5は、図1の支援システムの支援方法が示されたフローチャートである。 図6は、図1の支援システムの使用状態が示された説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示すボウリングシステム2は、ボウリングゲームの支援システムである。このボウリングシステム2は、ボール4と、制御部6と、出力部としての投影機8とを備えている。図1では、このボウリングシステム2が投球者P、スコアーボードB、レーン10、アプローチ12及びピン14とともに示されている。このボウリングシステム2の投影機8は、レーン10の上方に設置されている。図1の矢印Yは、アプローチ12に立つ投球者Pの前向きを示している。矢印Zは、レーン10及びアプローチ12の鉛直方向上向きを示している。
図2には、ピン14が並べられたレーン10及びアプローチ12の平面図が示されている。図2の矢印Xは、アプローチ12に立つ投球者Pの右向きを示している。この矢印Xの方向はレーン10の巾方向であり、矢印Yの方向はレーン10の長手方向である。矢印Xの方向と矢印Yの方向と矢印Zの方向とは、互いに直交する3軸方向を示している。
レーン10は、ピン14が並べられるピンデッキ10aと、ピンデッキ10aとアプローチ12との間の中間領域10bと、ピンデッキ10a及び中間領域10bの巾方向両端に位置する一対のガーター10cとを備えている。アプローチ12は、レーン10の手前に位置している。アプローチ12は、滑らかで水平な面であり、レーン10に連続している。このレーン10の、アプローチ12に連続する縁にはファールラインFLが印示されている。ピン14は、ピンデッキ10aに並べられて配置されている。
図3に示されるように、ボール4には、センサー装置16が埋め込まれている。このセンサー装置16は、ボール4の中心に埋め込まれている。このセンサー装置16は、図示されないが、加速度センサー、角速度センサー及び地磁気センサーを備えている。このセンサー装置16は、位置センサーを備えている。このセンサー装置16は、発信器を備えている。このセンサー装置16は、例えば、MEMS(マイクロ エレクトロ メカニカル システム)である。このセンサー装置16として、市販の小型多機能センサが使用されてもよい。
このセンサー装置16は、x軸方向の加速度axと、y軸方向の加速度ayと、z軸方向の加速度azと、x軸周りの角速度ωxと、y軸周りの角速度ωyと、Z軸周りの角速度ωzとを計測しうる(図4参照)。このセンサー装置16は、3軸方向の加速度(ax、ay及びaz)と3軸周りの角速度(ωx、ωy及びωz)とを計測しうる。このセンサー装置16は、更に位置(x、y及びzの座標)を計測しうる。センサー装置16は、計測した加速度データ(ax、ay及びaz)と、角速度データ(ωx、ωy及びωz)と、位置データ(x、y及びz)とを、計測データとして、無線発信しうる。
図1の制御部6は、受信器18、制御装置20及び情報処理装置22を備えている。
受信器18は、センサー装置16から計測データを受信しうる。受信器18は、ボール4から計測データを受信可能な位置に配置されている。受信器18は、計測データを制御装置20に出力しうる。
制御装置20は、受信器18に対して、計測データの受信の開始信号と終了信号とを送信しうる。制御装置20は、受信器18から入力された計測データを情報処理装置22に出力しうる。
情報処理装置22は、手動入力部としてのキーボード及びマウスと、データ入出力部としてのインターフェースボードと、メモリと、CPUと、ハードディスクと、各種の情報を表示するディスプレイとを備えている。メモリは、書き換え可能なメモリである。ハードディスクは、プログラムやデータ等を記憶しうる。
インターフェースボードから、投影機8及び制御装置20それぞれに開始信号、終了信号等の制御信号が送信されうる。インターフェースボードには、制御装置20から計測データが入力されうる。
ハードディスクは、計測データを記憶している。計測データの位置データから得られる実際の立ち位置を実立ち位置と称し、実際の投球軌道を実投球軌道と称する。実立ち位置は、計測データから実際の立ち位置の位置データとして特定される。実投球軌道は、リリース後からピンデッキに至るまでの実際の位置データにより特定される。ハードディスクは、実立ち位置と実投球軌道とからなる実表示データをも記憶している。実表示データは、投球者毎に識別して記憶されている。ハードディスクは、計測データと対応させて、実表示データを記憶している。この投球者毎の識別には、例えば投球者識別コードを用いてもよい。
ハードディスクは、投球者毎に、目標表示データを予め記憶している。この目標表示データは、投球者の目標立ち位置と目標投球軌道との表示データである。目標立ち位置は、投球者の理想的な立ち位置であり、目標投球軌道は投球者の理想的な投球軌道である。この目標表示データは、情報処理装置22が算出して求めた表示データである。
この目標投球軌道は、例えば、記憶された計測データと実投球軌道とから求められる。この例では、具体的には、ボール4の軌道は、記憶された実投球軌道の平均値として求められる。目標投球軌道は、レーン10上に求められたボール4の軌道が理想的な位置に設定されて求められる。目標立ち位置は、レーン10上に設定された目標投球軌道に合うように、投球動作の測定データから、求められる。
ハードディスクには、標準表示データが記録されている。この標準表示データは、予め設定された標準的な立ち位置と標準的な投球軌道とを示すデータである。この標準表示データには、右投げ用と左投げ用との2種類の表示データである。
メモリは、ハードディスクから読み出されたプログラムやデータ等の格納領域や作業領域等を構成す。
CPUは、ハードディスクに記憶されているプログラムを読み出しうる。CPUは、そのプログラムをメモリの作業領域に展開しうる。CPUは、ハードディスクに記憶されたデータを読み出しうる。CPUは、そのプログラムに従って各種の処理を実行しうる。CPUは、投影機8及び制御装置20の制御信号の出力を指示しうる。この情報処理装置22として、汎用のコンピューターが用いられてもよい。
CPUは、投球者毎に、計測データとその計測データに対応する実投球軌道との関係式を求めている。CPUは、この関係式とリアルタイムに得られる計測データとに基づいて、予測投球軌道を算出しうる。
投影機8は、目標立ち位置及び目標投球軌道の映像を出力し、又は標準立ち位置及び標準投球軌道の映像を出力しうる。更に、投影機8は、予測投球軌道の映像を投影しうる。投影機8は、これらの立ち位置の映像をアプローチ12に投影しうる。投影機8は、これらの投球軌道の映像をレーン10に投影しうる。
図示されないが、ボウリングゲームの投球動作は、一般に、アドレスから始まり、プッシュアウェイ、ダウンスイング、バックスイング、フォワードスイング、リリース及びフォロースイングを順に経て、フィニッシュで終了する。このアドレスでは、投球者Pは、ボール4を胸の前に持って構える。次に、投球者Pは、ピン18に向かって助走を開始する。プッシュアウェイではボール4が前方に差し出されていく。ダウンスイングでは、前方に差し出したボール4が後方に振り降ろされていく。バックスイングでは、ボール4が後方に振り上げられていく。フォワードスイングでは、後方に振り上げられたボール4が、前方に向かって振り降ろされていく。助走の最後に踏み出された一方の足が前方にスライドさせられながら、このフォワードスイングがされる。ボール4が最下点を通過する。リリースでは、ボール4が最下点を通過して手から離される。このリリースの直後に一方の足のスライドが止まる。フォロースイングでは、ボールが離れた手が更に前方に振り上げる。フィニッシュで、この一連の投球動作が終了する。
この投球動作では、プッシュアウェイでボール4が前方に差し出された後、ダウンスイング、バックスイング、フォアードスイングを順に経てリリースされるまで、ボール4は、肩を中心にした振り子運動をする。
図1、図5及び図6を参照しつつ、このボウリングシステム2を用いた投球支援方法が説明される。図6の二点鎖線Sは、目標表示データに基づく投球者Pの目標立ち位置を示している。二点鎖線Taは、目標表示データに基づく投球者Pのボール4の目標投球軌道を示している。実線Trは、予測投球軌道を示している。
図5に示されるように、この投球支援方法では、投球者が確認される(STEP1)。このSTEP1では、投球者Pの投球順番になると、図1のスコアーボードBに投球者Pの投球指示が表示される。ここでは、予めゲームの登録時に、投球者Pの識別コードが名前と共に入力されている。スコアーボードBに投球者Pの投球指示が表示されると、情報処理装置22は、投球者Pの識別コードを受信する。
情報処理装置22は、受信した投球者Pの識別データを基に、投球者Pのデータの有無を確認する。情報処理装置22は、既にデータが記憶されていることを確認すると、データをハードディスクからメモリに読み出す。
情報処理装置22は、目標表示データを基に、投影機8に映像を投影させる。投球者Pの目標立ち位置Sと目標投球軌道Taとが表示される(STEP2)。
投球者Pが、立ち位置Sを目印して、ボール4を持ってアプローチ12に立つ。ボール4のセンサー装置16は、加速度ax、ay及びazと、角速度ωx、ωy及びωzと、x、y及びzの位置とを計測する。ボール4は、この様にして得られた計測データを無線発信している。
投球者Pがアプローチ12に立つと、制御部6がボール4の計測データを受信する(STEP3)。受信器18が計測データを受信する。この計測データは、制御装置20を介して情報処理装置22に送信される。
情報処理装置22は、計測データに基づき、ボール4の予測投球軌道Trを算出する(STEP4)。図6に示すように、投影機8は、予測投球軌道Trをレーン上に投影する。この図6では、目標投球軌道Taと、予測投球軌道Trとが共に投影されている。例えば、目標投球軌道Taを緑色で投影し、予測投球軌道Trを赤色で投影する等、表示色を変えて、目標投球軌道Taと予測投球軌道Trとが識別容易に表示される。
情報処理装置22は、逐次入力される計測データに基づき、ボール4の予測投球軌道Trを算出し、更新する。情報処理装置22は、予測投球軌道Trの算出及び更新を所定時間毎に繰り返す。この所定時間は、例えば、100ms以上300ms以下である。投影機8は、予測投球軌道Trが更新されると、投影する予測投球軌道Trの映像を更新する。レーン10に、更新された予測投球軌道Trが投影される。
情報処理装置22は、ボール4の計測データに基づき、ボール4がリリースされたか否かを判断する。ボール4がリリースされるまで、情報処理装置22は予測投球軌道Trの算出及び更新を繰り返す。ボール4がリリースされると、投影機8は、予測投球軌道Trの映像の更新を終了する(STEP5)。
情報処理装置22は、リリース後も、計測データを取得する。計測データの位置データから実投球軌道データを取得する(STEP6)。情報処理装置22は、ボール4がピンデッキ10aに至るまで、計測データを取得する。情報処理装置22は、計測データの位置データから、ボール4がリリースされてからピンデッキ10aに至るまでの実投球軌道Tを求める。情報処理装置22は、ハードディスクに、投球者Pが投球して得られた計測データと、この計測データと対応させて、立ち位置と実投球軌道Tとのデータを記憶する。情報処理装置22は、ボール4がリリースされた後も、予測投球軌道Trの算出を続けている。
ボール4がピンデッキ10aを通過してピッドに至ると、投影機8は、立ち位置S、目標投球軌道Ta及び予測投球軌道Trの投影を終了する(STEP7)。
過去の計測データ、実表示データ及び目標表示データが記憶されていない他の投球者について、この投球支援方法の説明がされる。スコアーボードBに、他の投球者が表示される。
この投球支援方法では、情報処理装置22がデータが記憶されていないことを確認すると、他の投球者が右投げか左投げかが確認される。この右投げ又は左投げの情報は、例えば、予めゲームの登録時に名前とと共に入力されている。
他の投球者が右投げの場合、情報処理装置22は、右投げ用の標準立ち位置と標準投球軌道とのデータを読み出す。情報処理装置22は、投影機8に、右投げ用の標準立ち位置と標準投球軌道の映像を出力する様に指示する。投影機8は、アプローチ12に右投げ用の標準立ち位置の映像を投影する。投影機8は、レーン10に右投げ用の標準投球軌道の映像を投影する。
他の投球者がアプローチ12の標準立ち位置にボール4を持って立つ。他の投球者がボール4を投球する。受信器18は、他の投球者の立ち位置からピンデッキ10aに至るまでのボール4の計測データを受信する。情報処理装置22は、受信器18から得られた計測データを、他の投球者情報と共に記憶する。この計測データは、情報処理装置22のハードディスクに記憶される。
情報処理装置22が目標立ち位置Sと目標投球軌道Taとを求めるのに十分な計測データを取得するまで、投影機8は右投げ用の標準立ち位置と標準投球軌道の映像を投影する。十分な計測データが得られた後は、前述の投球者Pと同様に、他の投球者にも投球支援が開始される。十分な計測データが得られたとは、例えば、予め設定された投球回数に達したときでもよいし、予測投球軌道Trと実投球軌道Tとの差が予め設定した差より小さくなったときとしてもよい。
ここでは、右投げを例に説明がされたが、他の投球者が左投げの場合、情報処理装置22は、左投げ用の標準立ち位置と標準投球軌道との表示データを読み出す。情報処理装置22は、投影機8に、左投げ用の標準立ち位置と標準投球軌道の映像を出力する様に指示する。投影機8は、アプローチ12に左投げ用の標準立ち位置の映像を投影する。投影機8は、レーン10に左投げ用の標準投球軌道の映像を投影する。その他は、他の投球者が右投げの場合と同様にされる。
ここでは、投影機8は標準立ち位置と標準投球軌道の映像を投影したが、この投球支援方法では、情報処理装置22が目標立ち位置Sと目標投球軌道Taとを求めるのに十分な計測データを取得するまで、立ち位置や投球軌道等を表示しなくてもよい。
ここで、予測投球軌道Trを算出する方法の例が説明される。この情報処理装置22は、投球動作中からボール4がピンデッキ10aに至るまで、予測投球軌道Trを算出している。
投球動作中のリリース位置(x及びy座標)は、例えば、以下のようにして予測される。投球者Pがアドレスにあるボール4の位置からリリースのボール4の位置までの距離Lが算出されている。この距離Lは、投球者Pの記憶された計測データから例えば平均値として算出される。投球動作中の、プッシュアウェイからリリースまで、ボール4の加速度ax及びayからボール4の移動方向が逐次算出される。逐次算出された移動方向と距離Lとからリリース位置(x及びy座標)が予測される。逐次算出された移動方向に基づき、リリース位置(x及びy座標)からのボール4の移動方向が算出される。
この予測されたリリース位置(x及びy座標)とリリース位置(x及びy座標)からのボール4の移動方向とに合わせて、投球者Pの目標投球軌道Taが設定される。このようにして、予測されたリリース位置(x及びy座標)と、リリース位置からのボール4の移動方向と、目標投球軌道Taとから、投球動作中の予測投球軌道Trが算出される。
ここでは、プッシュアウェイからリリースまでの加速度ax及びayからボール4の移動方向が逐次算出されたが、バックスイングでボール4が後方に振り上げられた位置からリリースまでの加速度ax及びayからボール4の移動方向が逐次算出されてもよい。
リリース後においては、リリース位置(x及びy座標)は、リリース直後のボール4の位置データ(x及びyの座標)が実測値として求められている。リリース後の速度Vxと、速度Vyと、角速度ωxと、角速度ωyとは、リリース直後の計測データから算出される。
レーン10上での速度Vxは、以下の関係式で求められる。
Vx>(R・ωy)の場合
ax=(dx/dt)=−μ(x、y)・g
(dωy/dt)=(M/I)・μ(x、y)・R・g
Vx<(R・ωy)の場合
ax=(dx/dt)=μ(x、y)・g
(dωy/dt)=−(M/I)・μ(x、y)・R・g
Vx=(R・ωy)の場合
dx/dt=R・ωy
このとき
μ(x、y):座標(x、y)における動摩擦係数
g:重力加速度
I:ボール4の慣性モーメント
M:ボール4の質量
R:ボール4の半径
t:時間
同様にして、レーン10上での速度Vyは、以下の関係式で求められる。
Vy>(R・ωx)の場合
ay=(dy/dt)=−μ(x、y)・g
(dωx/dt)=(M/I)・μ(x、y)・R・g
Vy<(R・ωx)の場合
ax=(dy/dt)=μ(x、y)・g
(dωx/dt)=−(M/I)・μ(x、y)・R・g
Vy=(R・ωx)の場合
dy/dt=R・ωx
この動摩擦係数μ(x、y)は、例えば、ワックスの塗布量との関係が求められている。この関係とレーン10のワックスの塗布量とから、初期摩擦係数μ(x、y)が算出される。この初期摩擦係数μ(x、y)が、そのまま動摩擦係数μ(x、y)として用いられてもよい。
更には、この初期摩擦係数μ(x、y)を用いて、前述の関係式の速度Vx及び速度Vyが求められる。この速度Vx及び速度Vyから予測投球軌道Trが算出される。この予測投球軌道Trと実際に計測された実投球軌道Tとの差が最小になるように、初期摩擦係数μ(x、y)から摩擦係数μ(x、y)の値を変更する。この差が最小になったときの値を摩擦係数μ(x、y)とする。この様にして、摩擦係数μ(x、y)が求められてもよい。
情報処理装置22は、このリリース位置(x及びy座標)と、速度Vxと、速度Vyと、角速度ωxと、角速度ωyと、速度Vxと、速度Vyとから、リリース後の予測投球軌道Trを算出している。
情報処理装置22は、リリース後の実投球軌道Tを計測データの位置データから算出している。この情報処理装置22は、予測投球軌道Trと実投球軌道Tとの差が最小になるように、摩擦係数μ(x、y)の値を変更する。投球者Pの次の投球では、変更した摩擦係数μ(x、y)を用いて予測投球軌道Trが算出される。
このボウリングシステム2では、投球動作中にボール4の予測投球軌道Trの映像をレーン10上に投影していので、投球者Pは投球動作中に投球動作を視覚的に修正しうる。投球者Pは、容易にその投球動作を修正しうる。
このボウリングシステム2では、レーン10に目標投球軌道Taが投影されているので、予測投球軌道Trを目標投球軌道Taに一致させることで、投球動作のずれを修正しうる。このボウリングシステム2では、投球動作の修正がより容易にしうる。
このボウリングシステム2では、目標立ち位置Sがアプローチ12上に投影されているので、投球者Pは適切な立ち位置を容易に確認出来る。更に、この目標立ち位置Sに投球者Pが立つことで、予測投球軌道Trの予測精度が向上しうる。
このボウリングシステム2では、制御部6がリリース後からピンデッキ12に至るまでのボール4の実投球軌道Tを計測し記憶している。得られた計測データとボール4の実投球軌道Tとに基づいて、予測投球軌道Trを求めているので、より高精度に予測投球軌道Trを算出しうる。
更に、STEP4では、投球者Pが立ち位置Sに立つと、予測投球軌道Trがレーン10に投影されてもよい。投球者Pがアドレスにあるとき、予測投球軌道Trが投影されてもよい。このSTEP4では、既にSTEP2で、アプローチ12に立ち位置Sが投影され、レーン10に目標投球軌道Taが投影されている。投球者Pが立ち位置Sに立ちアドレスにあるときに、目標投球軌道Taと同じ予測投球軌道Trが投影されてもよい。投球者Pが立ち位置Sから位置をX軸方向にx1、Y軸方向y1だけずらした位置に立つと、目標投球軌道TaをX軸方向にx1、Y軸方向y1だけずらした位置に、目標投球軌道Taと同じ予測投球軌道Trが投影されてもよい。この様に、予測投球軌道Trがレーン10に投影されて、予測投球軌道Trと目標投球軌道Taが重ねられることで、投球者Pの実際のアドレス位置(実立ち位置)と目標アドレス位置(立ち位置S)とずれが視覚的に容易に認識されうる。
ここでは、情報処理装置22は、プッシュアウェイでボール4が前方に差し出された後からボール4がリリースされるまでの間の計測データから加速度ax、加速度ay及び位置データ(x、y)を抽出する方法が説明されたが、バックスイングでボール4が後方に振り上げられた後からボール4がリリースされるまでの間の計測データから加速度ax、加速度ay及び位置データ(x、y)を抽出してもよい。リリース前のフォワードスイングでの計測データはXY平面上で一方向向きの運動として把握されるので、高精度に速度Vxと速度Vyとが予測されうる。
ここでは、10本のピン14が並ばれた一投目の投球を例に説明がされたが、ボウリングシステム2は、二投目の投球をも投球支援しうる。残ったピン14の本数及び配置と対応して、ボウリングシステム2は、目標立ち位置S及び目標投球軌道Taを算出し、アプローチ12及びレーン10に投影しうる。
このボウリングシステムの出力部に、更に、音声ガイド装置を備えてもよい。音声ガイド装置が、目標投球軌道Taと予測投球軌道Trとのずれに基づいて、投球動作中の投球者Pに、音声でアドバスをしてもよい。
以上説明されたシステムは、ボウリングゲームの投球支援として広く適用されうる。
2・・・ボウリングシステム
4・・・ボール
6・・・制御部
8・・・投影機
10・・・レーン
12・・・アプローチ
14・・・ピン
16・・・センサー装置
18・・・受信器
20・・・制御装置
22・・・情報処理装置

Claims (7)

  1. センサー装置が内蔵されたボールと、レーン上のボールの予測投球軌道を求める制御部と、ボールの予測投球軌道をレーン上に投影する出力部とを備えており、
    このセンサー装置がボールの加速度、角速度及び位置を計測しており、
    この制御部が計測されたボールの加速度、角速度及び位置に基づいてボールの予測投球軌道を求めており、投球動作中に逐次ボールの予測投球軌道を更新しており、
    この出力部が投球動作中にボールの予測投球軌道の映像をレーン上に投影しており、投球動作中にボールの予測投球軌道の映像を更新して投影しているボウリングゲームの支援システム。
  2. 上記制御部が記憶部を備えており、
    この記憶部がボールの目標投球軌道を記憶しており、
    上記出力部が投球動作中にボールの目標投球軌道の映像をレーン上に投影している請求項1に記載の支援システム。
  3. 上記制御部が記憶部を備えており、
    上記記憶部が目標立ち位置を記憶しており、
    上記出力部が目標立ち位置の映像をアプローチ上に投影している請求項1又は2に記載の支援システム。
  4. 上記制御部がリリース後からピンデッキに至るまでのボールの実投球軌道を計測しており、
    この記憶部がボールの加速度及び角速度とボールの実投球軌道とを記憶しており、
    この制御部が、記憶されたボールの加速度、角速度及び位置とボールの実投球軌道とに基づいて関係式を求めており、この関係式に計測されたボールの加速度、角速度及び位置を適用して、ボールの予測投球軌道を求めている請求項1から3のいずれかに記載の支援システム。
  5. 上記投球動作中が、プッシュアウェイでボールが前方に差し出された位置から、ボールがリリースされるまでの投球動作である請求項1から4のいずれかに記載の支援システム。
  6. 上記投球動作中が、バックスイングでボールが後方に振り上げられた位置から、ボールがリリースされるまでの投球動作である請求項1から4のいずれかに記載の支援システム。
  7. 上記投球動作中に、アドレスが含まれる請求項1から4のいずれかに記載の支援システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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