添付の図面を参照して、布材を保持する保持構造に関する様々な実施形態が以下に説明される。保持構造は、以下の説明によって、明確に理解可能である。「上」、「下」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とする。したがって、これらの用語は、限定的に解釈されるべきものではない。
<第1実施形態>
第1実施形態に関連して、保持構造の概略的な設計原理が説明される。
図1は、第1実施形態の保持構造100の設計原理を表す概念的なブロック図である。図1を参照して、保持構造100が説明される。尚、図1に示される実線矢印は、運動或いは力の伝達を表す。
保持構造100は、駆動機構200と、受動機構300と、を備える。駆動機構200は、第1運動を行う。受動機構300は、第1運動に応じて第2運動を行う。第1運動は、回転運動であってもよく、他の運動であってもよい。本実施形態の原理は、第1運動によって、何ら限定されない。
受動機構300は、変換部310と、保持部320と、を含む。変換部310は、第1運動を第2運動へ変換する。保持部320は、布材を保持する。保持部320は、変換部310によって得られた第2運動を実行する。布材は、衣類、タオルや他の布片であってもよい。布材は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図2A及び図2Bは、保持構造100によって作り出される第2運動の概略図である。図1乃至図2Bを参照して、第2運動が説明される。
図2A及び図2Bは、鉛直軸VAと、鉛直軸VAを原点とするXY座標と、保持部320によって保持された布材FBと、を示す。図2Aのセクション(a)に示される布材FBは、Y軸上に位置している。駆動機構200が第1運動を行うと、変換部310は、第1運動を第2運動へ変換する。保持部320は、布材FBを、第2運動として、鉛直軸VA周りに時計回りに所定角度だけ回転させる。この結果、図2Aのセクション(b)に示される如く、布材FBは、XY座標の第1象限と第3象限とに位置することとなる。その後、保持部320は、布材FBを、第2運動として、鉛直軸VA周りに反時計回りに所定角度だけ回転させる。この結果、図2Bのセクション(a)に示される如く、布材FBは、Y軸上に位置することになる。保持部320は、布材FBを鉛直軸VA周りに反時計回りに所定角度だけ更に回転させる。この結果、図2Bのセクション(b)に示される如く、布材FBは、XY座標の第2象限と第4象限とに位置することとなる。その後、保持部320は、布材FBを鉛直軸VA周りに時計回りに回転させる。この結果、布材FBは、図2Aのセクション(a)に示される位置に戻る。本実施形態において、布材FBに作用する重力の作用方向に延びる鉛直軸は、第1軸として例示される。「鉛直軸」との用語は、数学的に厳密な鉛直な軸を表すものではない。本実施形態の原理が妨げられない程度に地面から傾斜して立設された軸も、鉛直軸に含まれる。
上述の如く、保持部320は、布材FBに鉛直軸VA周りに往復回転運動をさせる。本実施形態において、時計回りの方向は、第1回転方向として例示されてもよい。反時計回りの方向は、第2回転方向として例示されてもよい。
布材FBを時計回りに回転させる受動機構300の動作は、以下の説明において、「第1回転動作」と称される。布材FBを反時計回りに回転させる受動機構300の動作は、以下の説明において、「第2回転動作」と称される。受動機構300は、第1回転動作と第2回転動作とを交互に繰り返し、布材FBを適切に揺動することができる。
<第2実施形態>
駆動機構は、2つの受動機構に運動を伝達してもよい。第2実施形態において、2つの受動機構を含む保持構造が説明される。
図3は、第2実施形態の保持構造100Aの概略的なブロック図である。図1及び図3を参照して、保持構造100Aが説明される。図1及び図3の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1と同様に、図3に示される実線矢印は、運動或いは力の伝達を表す。
第1実施形態と同様に、保持構造100Aは、駆動機構200を備える。保持構造100Aは、第1受動機構301と、第2受動機構302と、を更に備える。第2受動機構302は、第1受動機構301の隣に配置される。
図1を参照して説明された受動機構300と同様に、第1受動機構301は、変換部310と、保持部320と、を含む。第1受動機構301と同様に、第2受動機構302も、変換部310と、保持部320と、を含む。
図4は、保持構造100Aによって作り出される第2運動の概略図である。図3及び図4を参照して、第2運動が説明される。
第1実施形態と同様に、保持構造100Aによって作り出される第2運動は、XY座標上で鉛直軸VA周りに回転される布材FBを用いて説明される。図4の左列は、第1受動機構301によってもたらされる第2運動を表す。図4の右列は、第2受動機構302によってもたらされる第2運動を表す。
図4のセクション(a)に示される如く、第1受動機構301が、第2回転動作を実行している間、第2受動機構302は、第1回転動作を実行してもよい。
図4のセクション(b)に示される如く、第1受動機構301が、第2回転動作を第1回転動作に切り換えるとき、第2受動機構302は、第1回転動作を第2回転動作に切り換えてもよい。
図4のセクション(c)に示される如く、第1受動機構301が、第1回転動作を実行している間、第2受動機構302は、第2回転動作を実行してもよい。
図4のセクション(d)に示される如く、第1受動機構301が、第1回転動作を第2回転動作に切り換えるとき、第2受動機構302は、第2回転動作を第1回転動作に切り換えてもよい。
図4のセクション(e)に示される如く、第1受動機構301は、第2回転動作を再度実行してもよい。第2受動機構302は、第1回転動作を再度実行してもよい。
<第3実施形態>
駆動機構は、2を超える数の受動機構に運動を伝達してもよい。第3実施形態において、3つの受動機構を含む保持構造が説明される。
図5は、第3実施形態の保持構造100Bの概略的なブロック図である。図5を参照して、保持構造100Bが説明される。図3及び図5の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第2実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図3と同様に、図5に示される実線矢印は、運動或いは力の伝達を表す。
第2実施形態と同様に、保持構造100Bは、駆動機構200と、第1受動機構301と、第2受動機構302と、を備える。保持構造100Bは、第3受動機構303を更に備える。第1受動機構301と同様に、第3受動機構303も、変換部310と、保持部320と、を含む。
第3受動機構303は、第2受動機構302の隣に配置される。第2受動機構302は、第1受動機構301と第3受動機構303の間に配置される。
図6は、保持構造100Bによって作り出される第2運動の概略図である。図5及び図6を参照して、第2運動が説明される。
第2実施形態と同様に、保持構造100Bによって作り出される第2運動は、XY座標上で鉛直軸VA周りに回転される布材FBを用いて説明される。図6の左列は、第1受動機構301及び第3受動機構303によってもたらされる第2運動を表す。図6の右列は、第2受動機構302によってもたらされる第2運動を表す。
図6のセクション(a)に示される如く、第1受動機構301が、第2回転動作を実行している間、第2受動機構302は、第1回転動作を実行してもよい。この間、第3受動機構303は、第1受動機構301と同様に、第2回転動作を実行してもよい。
図6のセクション(b)に示される如く、第1受動機構301が、第2回転動作を第1回転動作に切り換えるとき、第2受動機構302は、第1回転動作を第2回転動作に切り換えてもよい。このとき、第3受動機構303は、第1受動機構301と同様に、第2回転動作を第1回転動作に切り換えてもよい。
図6のセクション(c)に示される如く、第1受動機構301が、第1回転動作を実行している間、第2受動機構302は、第2回転動作を実行してもよい。この間、第3受動機構303は、第1受動機構301と同様に、第1回転動作を実行してもよい。
図6のセクション(d)に示される如く、第1受動機構301が、第1回転動作を第2回転動作に切り換えるとき、第2受動機構302は、第2回転動作を第1回転動作に切り換えてもよい。このとき、第3受動機構303は、第1受動機構301と同様に、第1回転動作を第2回転動作に切り換えてもよい。
図6のセクション(e)に示される如く、第1受動機構301は、第2回転動作を再度実行してもよい。第2受動機構302は、第1回転動作を再度実行してもよい。第3受動機構303は、第1受動機構301と同様に、第2回転動作を再度実行してもよい。
<第4実施形態>
第1実施形態乃至第3実施形態の原理は、衣類を時計回り及び反時計回りに揺動させる第2運動を可能にする。この結果、保持構造は、衣類を直線的に往復させる従来技術よりも小さな振動の下で、衣類を運動させることができる。第2運動を生じさせる第1運動に起因する振動が小さいならば、保護構造は、振動をほとんど生じさせることなく、衣類を運動させることができる。第4実施形態において、低い振動レベルを達成するための第1運動が説明される。
図7は、第4実施形態の保持構造100Cの概略的なブロック図である。図7を参照して、保持構造100Cが説明される。図1及び図7の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図1と同様に、図7に示される実線矢印は、運動或いは力の伝達を表す。
第1実施形態と同様に、保持構造100Cは、受動機構300を備える。保持構造100Cは、駆動機構200Cを更に備える。
図8は、駆動機構200Cが実行する第1運動の概略図である。図7及び図8を参照して、駆動機構200Cの第1運動が説明される。
図8は、鉛直軸VAと鉛直軸VA周りで時計回り及び反時計回りに回転する布材FBを示す。図8は、鉛直軸VAに対して直角に延びる水平軸HAを更に示す。駆動機構200Cは、第1運動として、水平軸HA周りの回転運動を作り出す。本実施形態において、水平方向に沿って延びる水平軸HAは、鉛直軸VAとは異なる方向に延びる第2軸として例示される。尚、「水平」との用語は、数学的に厳密な「水平」を意味するものではない。本実施形態の原理が妨げられない程度に、傾斜した軸も水平軸に含まれる。
第1運動は、水平軸HA周りの回転であるので、第1運動に起因する振動は、非常に小さい。したがって、保持構造100Cは、小さな振動下で、布材FBを運動させることができる。本実施形態の原理は、駆動機構200Cの構造に何ら限定されない。駆動機構200Cとして、水平軸HA周りの回転を生じさせることができる様々な構造が採用される。
<第5実施形態>
第4実施形態に関連して説明された第1運動をもたらすための構造は、簡便に構築可能である。第5実施形態において、第1運動をもたらす駆動機構の構造が説明される。
図9は、第5実施形態の保持構造100Dの概略的なブロック図である。図9を参照して、保持構造100Dが説明される。図7及び図9の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図7と同様に、図9に示される実線矢印は、運動或いは力の伝達を表す。
第4実施形態と同様に、保持構造100Dは、受動機構300を備える。保持構造100Dは、駆動機構200Dを更に備える。第1実施形態乃至第4実施形態と同様に、受動機構300は、第1運動に応じて、第2運動を行う。
駆動機構200Dは、第1プーリ210と、第2プーリ220と、モータ230と、伝達ベルト240と、回転シャフト250と、を含む。第1プーリ210は、モータ230に取り付けられる。第2プーリ220は、回転シャフト250に取り付けられる。伝達ベルト240は、第1プーリ210及び第2プーリ220に巻き付けられる。回転シャフト250は、第4実施形態に関連して説明された水平軸HAに沿って延びる。
モータ230は、駆動力を発生させ、第1プーリ210を回転させる。伝達ベルト240は、第1プーリ210の回転を第2プーリ220に伝達するので、第2プーリ220が取り付けられた回転シャフト250は、水平軸HA周りに回転することができる。本実施形態において、第1プーリ210、第2プーリ220、モータ230及び伝達ベルト240は、駆動部として例示される。
回転シャフト250の回転は、変換部310に伝達される。変換部310は、回転シャフト250の回転を第2運動に変換する。この結果、保持部320は、第2運動を行うことができる。
<第6実施形態>
保持構造は、布材として例示される衣類を保持するために用いられてもよい。保持構造が、衣類を保持するために利用されるならば、保持構造は、一般的なハンガー部材とともに利用されることが好ましい。第6実施形態において、ハンガー部材とともに好適に利用可能な様々な保持部が説明される。
図10は、一般的なハンガー部材HMの概略図である。図10を参照して、ハンガー部材HMが説明される。
ハンガー部材HMは、略C型のフック部FKと、衣類を支持する略三角形状の支持部SPと、を含む。尚、ハンガー部材HMの形状は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図11A及び図11Bは、図1を参照して説明された保持部320として例示される保持片330の概略的な正面図である。図1、図11A及び図11Bを参照して、保持片330が説明される。
保持片330は、第1筒331と、第2筒332と、第3筒333と、を含む。第2筒332は、第1筒331と第3筒333との間に配置される。第2筒332は、第1筒331及び第3筒333と同軸である。第2筒332は、第1筒331及び第3筒333よりも細い。したがって、第1筒331、第2筒332及び第3筒333は、溝部334を規定する。
図11A及び図11Bは、保持片330に加えて、ハンガー部材HMと、鉛直軸VAと、水平軸HAと、を示す。フック部FKは、溝部334に嵌め込まれる。保持片330が、鉛直軸VA周りに時計回りと反時計回りに交互に回転するならば、保持片330は、ハンガー部材HM及びハンガー部材HMに掛けられた衣類へ、第2運動を伝達することができる。代替的に、保持片330は、鉛直軸VAと水平軸HAとの交点周りに左右に傾斜してもよい。この場合も、保持片330は、ハンガー部材HM及びハンガー部材HMに掛けられた衣類へ、第2運動を伝達することができる。本実施形態において、溝部334は、接続部として例示される。保持片330は、保持ローラとして例示される。
図12A及び図12Bは、図11A及び図11Bを参照して説明された保持片330に代えて利用可能な保持片340の概略的な正面図である。図11A乃至図12Bを参照して、保持片340が説明される。
保持片340は、筒部341と、角突部342と、を含む。筒部341は、フック部FKに接触する外周面343を含む。角突部342は、外周面343から上方へ突出する。フック部FKには、角突部342と相補的な凹部RCが形成される。角突部342は、凹部RCに嵌め込まれる。
保持片340が、鉛直軸VA周りに時計回りと反時計回りに交互に回転するならば、保持片340は、ハンガー部材HM及びハンガー部材HMに掛けられた衣類へ、第2運動を伝達することができる。代替的に、保持片340は、鉛直軸VAと水平軸HAとの交点周りに左右に傾斜してもよい。この場合も、保持片340は、ハンガー部材HM及びハンガー部材HMに掛けられた衣類へ、第2運動を伝達することができる。本実施形態において、角突部342は、接続部として例示される。
<第7実施形態>
第6実施形態に関連して説明された如く、保持構造に対して、様々な保持部が適用可能である。第4実施形態及び第5実施形態に関連して説明された第1運動が第2運動に変換されるならば、保持構造は、振動をほとんど生じさせることなく、布材を揺動させることができる。第7実施形態において、第4実施形態及び第5実施形態に関連して説明された第1運動の下で、第2運動を行う保持構造が説明される。
図13は、図9に示される受動機構300として例示されるローラ機構400の概略的な断面図である。図9、図10及び図13を参照してローラ機構400が説明される。
ローラ機構400は、ベアリング部材410と、保持ローラ420と、を備える。ベアリング部材410は、略円筒形状である。回転シャフト250は、ベアリング部材410に嵌入される。ベアリング部材410は、回転シャフト250に適切に固定される。保持ローラ420は、ベアリング部材410を取り囲む。したがって、ベアリング部材410は、回転シャフト250と保持ローラ420との間に配置される。ハンガー部材HMのフック部FKは、保持ローラ420に嵌め込まれる。ベアリング部材410は、図9に示される変換部310に対応する。保持ローラ420は、図9に示される保持部320に対応する。
ベアリング部材410は、内筒部411と、ベアリング412と、を含む。内筒部411は、内壁面413と、外壁面414と、を含む。内壁面413は、水平軸HAと同軸の略円筒状の空間を規定する。したがって、水平軸HA周りに回転する回転シャフト250は、内壁面413によって規定される空間内に挿入可能である。内壁面413とは反対側の外壁面414には、溝部415が形成される。ベアリング412は、溝部415に嵌入される。ベアリング412及び溝部415は、水平軸HAから角度θだけ傾斜した傾斜軸IAを規定する。保持ローラ420は、傾斜軸IA周りに回転する。角度θは、所定の角度として例示される。
保持ローラ420は、ベアリング412に取り付けられる。したがって、ベアリング部材410は、回転シャフト250とともに、保持ローラ420に対して、相対的に回転することができる。
保持ローラ420は、第1ローラ421と、第2ローラ422と、を含む。ベアリング412は、第1ローラ421と第2ローラ422とによって挟まれる。
第1ローラ421は、ローラ部423と、凸リング424と、フックリング425と、を含む。ローラ部423は、外周面426と、対向面427と、内周面428と、を含む。外周面426は、ハンガー部材HMが嵌め込まれる溝部429を規定する。対向面427は、第2ローラ422に対向する。凸リング424は、外周面426とは反対側の内周面428から内方に突出し、ベアリング412に隣接する。対向面427から突出するフックリング425は、第2ローラ422と係合する。
第2ローラ422は、押筒431と係合筒432とを含む。係合筒432は、押筒431を取り囲む。押筒431は、基礎リング439と、外凸リング433と、内凸リング434と、を含む。外凸リング433及び内凸リング434はともに、基礎リング439から第1ローラ421に向けて突出する。フックリング425は、外凸リング433と係合筒432との間に挿入される。内凸リング434は、外凸リング433よりも大きく突出する。内凸リング434は、凸リング424と協働して、ベアリング412を挟む。係合筒432は、テーパローラ435と、凸リング436と、を含む。テーパローラ435は、溝部429に向かって狭まる。凸リング436は、フックリング425と噛み合う。この結果、第2ローラ422は、第1ローラ421に連結される。
図14は、ローラ機構400の概略的な断面図である。図9、図10、図13及び図14を参照して、ローラ機構400が更に説明される。
以下の説明において、図13に示される第1ローラ421の回転位置は、「第1回転位置」と称される。図14に示される第1ローラ421の回転位置は、「第2回転位置」と称される。第1回転位置と第2回転位置との間での第1ローラ421の回転角度は、180°である。
図13及び図14は、溝部429を幅方向に2等分する直線BSが示されている。図13に示される直線BSは、鉛直軸VAに対して、角度θだけ反時計回りに傾斜している。図14に示される直線BSは、鉛直軸VAに対して、角度θだけ時計回りに傾斜している。第1ローラ421の回転に応じて、鉛直軸VAに対する直線BSの角度が±θの範囲で、時計回り及び反時計回りに変化するので、ローラ機構400は、衣類に第2運動を適切に与えることができる。尚、角度θが、3°以上15°以下の範囲に設定されることが好ましい。
保持ローラ420は、ベアリング412に取り付けられるので、保持ローラ420は、ベアリング部材410及び回転シャフト250よりもゆっくりと回転する。したがって、保持ローラ420とハンガー部材HMとの間の摩擦に起因する摩耗は生じにくくなる。
<第8実施形態>
第1実施形態乃至第7実施形態に関連して説明された保持構造の原理は、布材に所定の処理を施与する布材処理装置に適用されてもよい。第8実施形態において、保持構造が組み込まれた布材処理装置が説明される。
図15は、第8実施形態の布材処理装置500の概念図である。図15を参照して、布材処理装置500が説明される。第1実施形態乃至第7実施形態で用いられた符号と共通する符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態乃至第7実施形態で説明された要素と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態乃至第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。図15に示される実線矢印は、運動或いは力の伝達を表す。図15に示される点線矢印は、信号の伝達を表す。
布材処理装置500は、保持構造100Eと、筐体600と、処理システム700と、を備える。筐体600は、布材FBが収容される収容空間SRを規定する。保持構造100Eは、収容空間SR内で布材FBを保持する。処理システム700は、霧化液を収容空間SRへ供給する供給処理と、布材FBから臭気成分を除去する脱臭処理と、収容空間SRから排気し、且つ、布材FBを乾燥させる排気処理と、を順次実行する。保持構造100Eは、これらの処理の間、布材FBに第2運動をさせる。
第5実施形態と同様に、保持構造100Eは、第1プーリ210と、第2プーリ220と、モータ230と、伝達ベルト240と、回転シャフト250と、を備える。第3実施形態と同様に、保持構造100Eは、第1受動機構301と、第2受動機構302と、第3受動機構303と、を更に備える。
回転シャフト250は、収容空間SR内で水平軸HAに沿って延びる。第5実施形態に関連して説明された如く、モータ230が発生させた駆動力に応じて、回転シャフト250は、収容空間SR内で回転する。第1受動機構301、第2受動機構302及び第3受動機構303は、収容空間SR内で、回転シャフト250に接続される。第1受動機構301、第2受動機構302及び第3受動機構303は、回転シャフト250の回転運動に応じて、布材FBに第2運動をさせる。
処理システム700は、霧化部710と、制御部730と、気流生成システム750と、を含む。制御部730は、霧化部710と、気流生成システム750と、モータ230と、を制御する。霧化部710は、制御部730の制御下で、霧化液を発生させる。気流生成システム750は、制御部730の制御下で、空気の流れパターンを変更する。
霧化部710は、貯水槽711と、ポンプ712と、発生槽713と、液位センサ714と、超音波素子715と、を備える。使用者は、貯水槽711に水を供給することができる。ポンプ712は、貯水槽711に蓄えられた水を発生槽713に送る。液位センサ714は、発生槽713内の液位を検出する。ポンプ712は、液位センサ714の出力を用いたフィードバック制御下で、発生槽713内の液位を略一定に保ってもよい。超音波素子715は、発生槽713内で、水を超音波に曝す。この結果、発生槽713内で霧化液が生成される。
気流生成システム750は、第1案内管810と、第2案内管820と、第1設定部751と、第2設定部752と、清浄化部760と、送風部770と、加熱部780と、を備える。第1案内管810は、流入口811と、導気口812と、を規定する。流入口811は、収容空間SRに向けて開口する。導気口812は、収容空間SRの外の外部空間に向けて開口する。第1案内管810は、流入口811及び導気口812から送風部770までの区間の気流を案内する。以下の説明において、流入口811からの空気の流入によって作り出された気流は、「第1気流」と称される。導気口812からの空気の流入によって作り出された気流は、「第2気流」と称される。
第1設定部751は、制御部730の制御下で、第1気流及び第2気流の流量を設定する。処理システム700が、供給処理及び脱臭処理を行っている間、第1設定部751は、第2気流の流量を「0」に設定してもよい。処理システム700が、排気処理を行っている間、第1設定部751は、第1気流の流量を「0」に設定してもよい。
清浄化部760は、第1設定部751を通過した第1気流及び第2気流を清浄化する。清浄化部760は、除塵部761と、脱臭部762と、を含む。除塵部761は、第1気流及び第2気流から塵埃を除去する。脱臭部762は、第1気流及び第2気流から臭気成分を除去する。清浄化部760によって清浄化された第1気流及び第2気流が収容空間SRに流入するので、布材FBは、清浄化された第1気流及び第2気流に曝されることとなる。
送風部770は、第1案内管810内の空気を吸引する。第1設定部751が第2気流の流量を「0」に設定している間、流入口811から空気が吸引される。この結果、第1気流が生成される。第1設定部751が第1気流の流量を「0」に設定している間、導気口812から空気が吸引される。この結果、第2気流が生成される。送風部770によって吸引された空気は、第2案内管820へ送り出される。
第2案内管820は、第1副管821と、第2副管822と、主管829と、を含む。主管829は、送風部770と第2設定部752との間で延びる。加熱部780は、主管829内で熱エネルギを放出する。この結果、送風部770によって送り出された空気は加熱される。
第2設定部752は、第1気流の経路を設定する。処理システム700が、供給処理を実行している間、第2設定部752は、主管829から第2副管822へ向かう経路を閉じる。この間、第1気流は、第1副管821へ流入する。処理システム700が、脱臭処理及び排気処理を実行している間、第2設定部752は、主管829から第1副管821へ向かう経路を閉じる。この間、加熱された空気は、第2副管822へ流入する。
第1副管821は、第1吹出口831を規定する。第1副管821は、発生槽713に連なる接続部823を含む。発生槽713内で生成された霧化液は、接続部823に流入する。供給工程において、第1気流は、第1副管821に流入する。接続部823において、霧化液は、第1気流に供給される。霧化液を含む第1気流は、第1吹出口831から収容空間SRへ吹き出される。この結果、霧化液は、布材FBに付着する。霧化液によって、布材FBの皺や臭気成分は適切に除去される。本実施形態において、霧化部710は、供給部として例示される。
第2副管822は、第2吹出口832を規定する。乾燥工程において、第1気流は、第2副管822に流入する。第1気流は、その後、第2吹出口832から収容空間SRへ吹き出される。第2吹出口832から吹き出される第1気流は、霧化液をほとんど含まず、且つ、加熱部780によって加熱されているので、収容空間SR内の布材FBは、適切に乾燥される。
筐体600は、排気部610を備える。処理システム700が排気処理を実行している間、第1設定部751は、流入口811から送風部770への空気の流動経路を閉じる一方で、第1設定部751は、外部空間内の外部空気が第1案内管810へ流入することを許容する。この結果、気流生成システム750は、第2気流を生成することができる。第2気流は、第2吹出口832を通じて、収容空間SRへ吹き出される。この結果、収容空間SR内の気圧は上昇する。排気部610は、収容空間SR内の気圧の上昇に伴って、収容空間SRと外部空間とを連通させる。この間、収容空間SR内の空気は、収容空間SRから外部空間へ放出される。
制御部730は、霧化制御部731と、選択制御部732と、循環動作制御部733と、駆動制御部734と、を含む。処理システム700が供給処理を行っている間、霧化制御部731は、霧化制御部731に霧化液を生成させる。選択制御部732は、第1設定部751を制御し、気流生成システム750に、第1気流と第2気流のうちいずれか一方の生成を選択させる。処理システム700が供給処理及び脱臭処理を行っている間、選択制御部732は、第1設定部751を制御し、気流生成システム750に第1気流を生成させる。処理システム700が排気処理を行っている間、選択制御部732は、第1設定部751を制御し、気流生成システム750に第2気流を生成させる。循環動作制御部733は、第2設定部752を制御し、第1気流の循環パターンを設定する。処理システム700が供給処理を行っている間、循環動作制御部733は、第2設定部752を制御し、流入口811と第1吹出口831との間での循環パターンを規定する。処理システム700が脱臭処理を行っている間、循環動作制御部733は、第2設定部752を制御し、流入口811と第2吹出口832との間での循環パターンを規定する。
図16は、布材処理装置500の例示的な動作を表すタイミングチャートである。図15及び図16を参照して、布材処理装置500の動作が説明される。
処理システム700は、供給処理、脱臭処理及び排気処理を順次実行する。送風部770は、供給処理の開始時に起動し、排気処理の完了時に停止する。この結果、供給処理の開始から排気処理の完了までの間、気流生成システム750は、気流を生成することができる。
選択制御部732は、供給処理の開始時及び排気処理の開始時に第1設定部751を制御する。供給処理の開始時において、第1設定部751は、導気口812から送風部770へ向かう空気の流動経路を閉じ、且つ、流入口811から送風部770へ向かう空気の流動経路を開く。排気処理の開始時において、第1設定部751は、導気口812から送風部770へ向かう空気の流動経路を開き、且つ、流入口811から送風部770へ向かう空気の流動経路を閉じる。この結果、供給処理及び脱臭処理の間、気流生成システム750は、第1気流を生成することができる。排気処理の間、気流生成システム750は、第2気流を生成することができる。
循環動作制御部733は、供給処理の開始時及び排気処理の開始時に第2設定部752を制御する。供給処理の開始時において、第2設定部752は、送風部770から第1吹出口831へ向かう空気の流動経路を開き、且つ、送風部770から第2吹出口832へ向かう空気の流動経路を閉じる。この結果、供給処理の間、第1気流は、第1吹出口831から収容空間SRへ流入する。脱臭処理の間、第1気流は、第2吹出口832から収容空間SRへ流入する。排気処理の間、第2気流は、第2吹出口832から収容空間SRへ流入する。
加熱部780は、脱臭処理の開始時に起動し、排気処理の終了時に停止する。脱臭処理の間、加熱部780が放出した熱エネルギは、布材FBに付着した霧化液を蒸発させる。霧化液の蒸発は、布材FBからの臭気成分の分離を引き起こす。臭気成分は、その後、脱臭部762によって捕捉される。したがって、脱臭処理の間、布材FBは、効率的に脱臭される。排気処理の間、加熱部780が放出した熱エネルギは、布材FBの乾燥を促進する。
霧化部710は、供給処理の開始時に起動され、且つ、脱臭処理の開始時に停止される。したがって、霧化部710は、供給処理の間、霧化液を生成する。霧化液は、接続部823を通じて、第1気流に供給される。その後、霧化液は、第1気流とともに第1吹出口831から収容空間SRへ放出される。
モータ230は、供給処理の開始時に起動され、且つ、排気処理の終了時に停止される。供給処理の間の布材FBの揺動によって、霧化液は、効率的に、布材FBに供給される。脱臭処理の間の布材FBの揺動によって、加熱された第1気流は、布材FBから臭気成分を効率的に除去することができる。排気処理の間の布材FBの揺動によって、加熱された第2気流は、布材FBを効率的に乾燥することができる。
<第9実施形態>
図17は、第8実施形態に関連して説明された設計原理に従って設計された衣類処理装置500Fの概略的な斜視図である。図15及び図17を参照して、衣類処理装置500Fが説明される。尚、衣類処理装置500Fは、布材処理装置として例示される。
衣類処理装置500Fは、筐体600Fを備える。筐体600Fは、衣類が収容される収容空間SR(図15を参照)を規定する。筐体600Fは、図15に示される筐体600に対応する。
筐体600Fは、扉板620を含む。使用者は、扉板620を開き、衣類を筐体600F内に収容することができる。
図18は、衣類処理装置500Fの概略的な斜視図である。図17及び図18を参照して、衣類処理装置500Fが更に説明される。
図17を参照して説明された扉板620は、図18に示される衣類処理装置500Fから除去されている。筐体600Fは、後壁630と、右壁640と、左壁650と、天壁660と、を含む。後壁630は、扉板620に対向する。右壁640は、後壁630と扉板620との間で立設される。左壁650は、右壁640に対向する。天壁660は、扉板620、後壁630、右壁640及び左壁650の上縁に接続される。
筐体600Fは、中板670を更に含む。衣類が収容される収容空間SRは、中板670、天壁660、後壁630、扉板620、右壁640及び左壁650に取り囲まれる。
図19は、衣類処理装置500Fの概略的な断面図である。図13、図15及び図19を参照して、衣類処理装置500Fが更に説明される。
衣類処理装置500Fは、回転シャフト250Fと、第1ローラ機構401と、第2ローラ機構402と、第3ローラ機構403と、を含む。回転シャフト250Fは、右壁640と左壁650との間で、略水平に延びる。回転シャフト250Fは、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403を貫く。第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403それぞれは、図13を参照して説明されたローラ機構400と構造的に同一であってもよい。第1ローラ機構401は、図15に示される第1受動機構301に対応する。第2ローラ機構402は、図15に示される第2受動機構302に対応する。第3ローラ機構403は、図15に示される第3受動機構303に対応する。
図20は、衣類処理装置500Fに組み込まれる保持構造100Fの概略的な斜視図である。図15、図19及び図20を参照して、保持構造100Fが説明される。
保持構造100Fは、回転シャフト250Fと、第1ローラ機構401と、第2ローラ機構402と、第3ローラ機構403と、を備える。図20に示される如く、使用者は、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403にハンガー部材HMを掛けることができる。
保持構造100Fは、第1プーリ210F、第2プーリ220F、モータ230F、伝達ベルト240Fと、を更に含む。第1プーリ210Fは、図15に示される第1プーリ210に対応する。第2プーリ220Fは、図15に示される第2プーリ220に対応する。モータ230Fは、図15に示されるモータ230に対応する。伝達ベルト240Fは、図15に示される伝達ベルト240に対応する。
保持構造100Fは、取付部材110を更に含む。取付部材110は、支持板120と、隆起部130と、を含む。支持板120は、モータ230Fを支持する。支持板120から隆起する隆起部130は、左壁部131と、右壁部132と、天壁部133と、を含む。回転シャフト250Fの左端は、左壁部131を貫き、第2プーリ220Fと接続される。回転シャフト250Fの右端は、右壁部132によって支持される。天壁部133は、回転シャフト250F上で横たわる。
図19に示される如く、取付部材110は、筐体600Fの天壁660と後壁630とによって形成される角隅部を覆うように、筐体600Fに取り付けられる。
図21は、回転シャフト250Fの概略的な平面図である。図21を参照して、回転シャフト250Fに対する第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403の取付が説明される。
図21は、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403にそれぞれ掛けられた3つのハンガー部材HMが示されている。回転シャフト250Fに対する3つのハンガー部材HMの傾斜角度は互いに相違している。このことは、回転シャフト250Fに対する第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403の取付角度が互いに相違していることを意味する。本実施形態において、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403は、約120°ずつずらされた回転位置で、回転シャフト250Fに取り付けられる。この結果、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403によって作り出される衣類の揺動の位相は互いに相違することになる。尚、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403によって作り出される衣類の揺動の周期は、互いに略等しくてもよい。
ローラ機構間の取付角度の差異は、回転シャフトに取り付けられるローラ機構の数に依存してもよい。例えば、ローラ機構間の取付角度の差異は、以下の数式によって決定されてもよい。
ローラ機構間の取付角度の差異の決定は、ローラ機構の数以外の因子に依存してもよい。本実施形態の原理は、ローラ機構間の取付角度の差異によって何ら限定されない。
図22は、処理システム700Fの概略的な斜視図である。図15、図18及び図22を参照して、処理システム700Fが説明される。
処理システム700Fは、筐体600Fの中板670の下方に配置される。処理システム700Fは、図15を参照して説明された霧化部710及び気流生成システム750に対応する。
処理システム700Fは、第1ダクト810Fを備える。第1ダクト810Fは、収容空間SRから空気を吸引するための流入口811Fを規定する。第1ダクト810Fは、図15に示される第1案内管810に相当する。
処理システム700Fは、図15を参照して説明された清浄化部760に対応する清浄化ユニット760Fを含む。清浄化ユニット760Fは、第1気流及び第2気流から、塵埃及び臭気成分を除去することができる。
図23は、清浄化ユニット760Fの展開斜視図である。図15及び図23を参照して、清浄化ユニット760Fが説明される。
清浄化ユニット760Fは、メッシュシート761Fと、脱臭板762Fと、支持部材763と、を備える。メッシュシート761F、脱臭板762F及び支持部材763は、通気可能に形成される。したがって、第1気流及び第2気流は、清浄化ユニット760Fを通過することができる。
メッシュシート761Fは、第1気流及び第2気流から塵埃を除去する。脱臭板762Fは、活性炭からなる成型板であってもよい。脱臭板762Fは、第1気流及び第2気流から臭気成分を除去する。メッシュシート761Fは、図15に示される除塵部761に対応する。脱臭板762Fは、図15に示される脱臭部762に対応する。
支持部材763は、メッシュシート761F及び脱臭板762Fを保持することができる。したがって、清浄化ユニット760Fは、単一の部材として取り扱われる。この結果、清浄化ユニット760Fの設計は、簡素化される。
支持部材763は、把持部764と、支持枠765と、を含む。使用者は、把持部764を握持し、第1ダクト810Fから清浄化ユニット760Fを取り出すことができる。必要に応じて、使用者は、メッシュシート761F及び/又は脱臭板762Fを交換してもよい。その後、使用者は、清浄化ユニット760Fを第1ダクト810Fに組み込むことができる。
支持枠765は、矩形枠766と、格子部767と、を含む。格子部767は、矩形枠766中に形成される。メッシュシート761Fは、格子部767上に据え付けられる。脱臭板762Fは、矩形枠766に嵌め込まれる。この結果、メッシュシート761F、脱臭板762F及び支持部材763は、一体化される。
図24A及び図24Bは、第1ダクト810Fの概略的な断面図である。図15、図16、図22、図24A及び図24Bを参照して、処理システム700Fが説明される。
第1ダクト810Fは、流入口811Fだけでなく導気口812Fを規定する。処理システム700Fは、弁板753と、駆動モータ754と、を更に備える。駆動モータ754は、弁板753を、第1ダクト810F内で上下に回動させる。図24Aは、供給処理又は脱臭処理の間の弁板753を示す。供給処理及び脱臭処理の間、弁板753は、導気口812Fを閉じ、且つ、流入口811Fを開く。図24Bは、排気処理の間の弁板753を示す。排気処理の間、弁板753は、導気口812Fを開き、且つ、流入口811Fを閉じる。
図22に示される如く、処理システム700Fは、上殻813と、下殻814と、を含む。第1ダクト810Fは、上殻813から上方に立設される。上殻813と下殻814との間には、空隙が形成される。第1ダクト810Fが規定する流路は、上殻813と下殻814との間の空隙に連なる。流入口811Fから流入した空気は、第1気流として、清浄化ユニット760Fを通過し、上殻813と下殻814との間の空隙に流入する。導気口812Fから流入した空気は、第2気流として、清浄化ユニット760Fを通過し、上殻813と下殻814との間の空隙に流入する。
図22に示される如く、処理システム700Fは、上殻813から立設された第2ダクト822Fを含む。第2ダクト822Fは、第2吹出口832Fを規定する。第2吹出口832Fは、図22に示される第2吹出口832に相当する。上殻813と下殻814との間の空隙に流入した第1気流及び第2気流は、第2ダクト822Fに向かう。
図25A及び図25Bは、第2ダクト822Fの概略的な断面図である。図15、図22、図25A及び図25Bを参照して、処理システム700Fが説明される。
処理システム700Fは、送風ファン770Fと、ヒータ780Fと、を含む。送風ファン770F及びヒータ780Fは、上殻813と下殻814との間の空隙に配置される。送風ファン770Fは、第1気流及び第2気流を作り出す。ヒータ780Fは、送風ファン770Fによって送り出された第1気流及び第2気流を加熱する。したがって、送風ファン770Fは、図15に示される送風部770に対応する。ヒータ780Fは、図15に示される加熱部780に対応する。
第2ダクト822Fは、周壁部824と、突出筒825と、を含む。周壁部824は、ヒータ780Fによって加熱された第1気流及び第2気流の流路を規定する。突出筒825は、周壁部824から外方に突出する。周壁部824には、開口部826が形成される。突出筒825は、開口部826と同軸に形成される。
図22に示される如く、処理システム700Fは、駆動モータ755を含む。図25A及び図25Bに示される如く、処理システム700Fは、弁板756を含む。駆動モータ755は、弁板756を、第2ダクト822F内で上下に回動する。図25Aに示される弁板756は、水平に延び、送風ファン770Fから第2吹出口832Fへ延びる流路を遮蔽する。図25Bに示される弁板756は、鉛直に延び、開口部826を遮蔽する。駆動モータ755及び弁板756は、図15に示される第2設定部752に対応する。図25Aは、供給処理の実行期間の弁板756を示す。図25Bは、脱臭処理の実行期間の弁板756を示す。
図22に示される如く、処理システム700Fは、送気管820Fと、第3ダクト821Fと、チャンバ823Fと、を含む。第3ダクト821Fは、第1吹出口831Fを規定する。第3ダクト821Fは、図15に示される第1副管821に対応する。
供給処理の間において、第1気流は、開口部826を通過し、送気管820Fに流入する。その後、第1気流は、チャンバ823F内で、霧化液を受け取る。霧化液を含有する第1気流は、第3ダクト821Fに流入し、その後、第1吹出口831Fから吹き出される。チャンバ823Fは、図15に示される接続部823に対応する。
処理システム700Fは、貯水タンク711Fと、水ポンプ712Fと、中継タンク716と、給水パイプ717と、を含む。使用者は、貯水タンク711Fに水を供給することができる。水ポンプ712Fは、水を、給水パイプ717を通じて中継タンク716へ送る。水は、中継タンク716からチャンバ823Fへ送り込まれる。霧化液は、チャンバ823F内で生成される。
図26は、チャンバ823Fの概略的な断面図である。図15、図18、図22、図23及び図26を参照して、チャンバ823Fが説明される。
チャンバ823Fは、上壁827と、下壁727と、を含む。上壁827は、上方に尖った上部空間USを規定する。送気管820Fは、上部空間USに第1気流を流入させる。
下壁727は、上部空間USの下方の下部空間LSを規定する。下壁727は、超音波素子715(図15を参照)を固定するための開口部718を規定する。チャンバ823Fは、開口部718に対向する金属板719を含む。超音波素子715が超音波を発生すると、金属板719が高い周波数で振動する。金属板719の振動は、水ポンプ712Fによってチャンバ823F内に供給された水に伝達される。この結果、上部空間US内において、水面から水柱が立ち上がる。上部空間US内に流入した第1気流は、水柱の周囲で漂う霧化液を受け取り、第3ダクト821Fに流入する。霧化液を包含した第1気流は、第1吹出口831Fから流出する。下部空間LSを規定する下壁727は、図15に示される発生槽713に対応する。
図18に示される如く、中板670には、前開口部671及び後開口部672が形成される。図22に示される貯水タンク711Fは、前開口部671から露出する。図23に示される把持部764は、後開口部672から露出する。したがって、使用者は、貯水タンク711F及び清浄化ユニット760Fを容易に取り出すことができる。
中板670は、前メッシュ領域674と、後メッシュ領域675と、を含む。前メッシュ領域674は、図22に示される第1吹出口831Fを覆う。後メッシュ領域675は、流入口811F及び第2吹出口832Fを覆う。処理システム700Fが、供給処理を実行している間、霧化液を含む気流は、前メッシュ領域674を通じて、収容空間SR内に吹き出される。処理システム700Fが、脱臭処理を実行している間、加熱された処理空気は、後メッシュ領域675を通じて、収容空間SR内に吹き出される。処理システム700Fが、供給処理及び脱臭処理を実行している間、収容空間SR内の空気は、後メッシュ領域675を通じて、処理システム700Fに吸引される。
天壁660は、調圧部910を含む。調圧部910は、収容空間SR内の気圧を調整するために用いられる。
図27は、調圧部910周りにおける天壁660の概略的な断面図である。図22及び図27を参照して、天壁660が説明される。
天壁660は、下壁661と、上壁662と、を含む。下壁661は、収容空間SRを規定する。上壁662は、外部空間との境界を形成する。下壁661は、開口領域663を含む。
調圧部910は、上片911と、前開口片912と、後開口片913と、を含む。上片911は、開口領域663の上方に配置される。前開口片912及び後開口片913は、上片911と上壁662との間で立設される。前開口片912及び後開口片913は、通気可能に形成される。後開口片913は、前開口片912の反対側に配置される。
調圧部910は、上片911と下壁661との間に配置された仕切板914を更に含む。仕切板914は、下仕切板915と、上仕切板916と、を含む。下仕切板915は、開口領域663の後縁から立設される。上仕切板916は、下仕切板915に向けて下方に延びる。
仕切板914、上片911、前開口片912及び開口領域663に囲まれた空間は、外部空間に連通する。以下の説明において、仕切板914、上片911、前開口片912及び開口領域663に囲まれた空間は、「連通空間」と称される。
調圧部910は、レバー弁920を備える。レバー弁920は、シャフト921と、弁板922と、カウンタ板923と、を含む。シャフト921は、下仕切板915と上仕切板916とによって挟持される。弁板922は、シャフト921から連通空間へ突出する。カウンタ板923は、弁板922とは反対方向にシャフト921から延びる。処理システム700Fが供給処理及び脱臭処理を実行している間、弁板922は、自重により水平姿勢を維持する。水平な弁板922は、外部空間と収容空間SRとの間の連通空間を閉じる。処理システム700Fが排気処理を実行している間、収容空間SR内の気圧が上昇するので、弁板922は、シャフト921周りに上方に回動する。この結果、収容空間SR内の空気は、連通空間を通じて、外部空間へ放出される。本実施形態において、調圧部910は、図15に示される排気部610に対応する。
図28は、中板670より下の衣類処理装置500Fの概略的な断面図である。図27及び図28を参照して、衣類処理装置500Fが更に説明される。
処理システム700Fが排気処理を実行している間、導気口812Fは開かれる。この結果、中板670より下方の空間には、負圧が生ずる。
右壁640は、外壁641と内壁642とを含む。外壁641は、外部空間との境界を形成する。内壁642は、外壁641の近くで立設される。内壁642には、外壁641に向けて開口した開口部643が形成される。
左壁650は、外壁651と内壁652とを含む。外壁651は、外部空間との境界を形成する。内壁652は、外壁651の近くで立設される。内壁652には、外壁651に向けて開口した開口部653が形成される。
内壁642,652と、外壁641,651と、の間には空隙が形成される。中板670より下方の空間の負圧の結果、内壁642,652と外壁641,651との間の空隙内の空気は、開口部643,653を通じて吸引され、導気口812Fに流入する。
内壁642,652と外壁641,651との間の空隙は、天壁660まで連なる。図27に示される如く、下壁661と上壁662との間にも空隙が存在する。内壁642,652と外壁641,651との間の空隙は、下壁661と上壁662との間の空隙に連なる。したがって、下壁661と上壁662との間の空隙内の空気も、開口部643,653を通じて吸引され、導気口812Fに流入する。
図27を参照して説明された如く、後開口片913は、通気可能に形成される。したがって、下壁661と上壁662との間の空隙内の空気が吸引されると、後開口片913から下壁661と上壁662との間の空隙に外部空気が流入する。
<第10実施形態>
第9実施形態に関連して説明された衣類処理装置は、閉塞された空間内で衣類を処理する。しかしながら、保持構造は、開放された空間(例えば、屋外空間)で布材を処理する装置に適用されてもよい。第10実施形態において、吊り下げられた衣類を乾燥させる乾燥装置が説明される。
図29は、第10実施形態の乾燥装置500Gの概略的な正面図である。図29を参照して、乾燥装置500Gが説明される。
第9実施形態と同様に、乾燥装置500Gは、回転シャフト250Fと、第1ローラ機構401と、第2ローラ機構402と、第3ローラ機構403と、第1プーリ210Fと、第2プーリ220Fと、モータ230Fと、伝達ベルト240Fと、を備える。乾燥装置500Gは、左ポール930と、右ポール940と、を更に備える。左ポール930は、回転シャフト250Fの左端を保持する。右ポール940は、回転シャフト250Fの右端を保持する。左ポール930は、地面又は床面に設置される左接地部931と、左接地部931から立設された左支柱932と、を含む。右ポール940は、地面又は床面に設置される右接地部941と、右接地部941から立設された右支柱942と、を含む。したがって、使用者は、乾燥装置500Gを屋外又は屋内に配置し、衣類を吊すことができる。
左支柱941は、第1プーリ210Fと、第2プーリ220Fと、モータ230Fと、伝達ベルト240Fと、を収容するためのハウジングとして利用される。モータ230Fが作動すると、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403は、衣類を揺動させ、衣類の周囲に気流を生じさせる。この結果、衣類は、効果的に乾燥される。加えて、衣類の揺動の結果、衣類の皺は少なくなる。
<第11実施形態>
第10実施形態に関連して説明された乾燥装置は、衣類の揺動に起因する気流を利用して、衣類を効率的に乾燥させる。第9実施形態の衣類処理装置と同様に、衣類に向かう気流が強制的に作り出されるならば、衣類の乾燥は、効率化される。第11実施形態において、気流を強制的に作り出す設備を有する乾燥装置が説明される。
図30は、第11実施形態の乾燥装置500Hの概略的な正面図である。図29を参照して、乾燥装置500Hが説明される。
第10実施形態と同様に、乾燥装置500Hは、回転シャフト250Fと、第1ローラ機構401と、第2ローラ機構402と、第3ローラ機構403と、第1プーリ210Fと、第2プーリ220Fと、モータ230Fと、伝達ベルト240Fと、左ポール930と、右ポール940と、を備える。乾燥装置500Hは、左ファン933と、右ファン934と、を更に備える。左ファン933は、左支柱932に取り付けられる。右ファン943は、右支柱942に取り付けられる。左ファン933は、右方に向かう気流を作り出す。右ファン943は、左方に向かう気流を作り出す。この結果、第1ローラ機構401、第2ローラ機構402及び第3ローラ機構403から吊り下げられた衣類は、左ファン933と右ファン943とによって作り出された気流に曝される。この結果、衣類は、効果的に乾燥される。