JP2015070628A - 車両用電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの充電に伴う配線長を容易に短縮することが可能な車両用電源装置を提供する。
【解決手段】バッテリ出力端子Vo1,Vo2と、複数の蓄電モジュール10a,10bと、スイッチSW1,SW2と、充電用ノードVc1,Vc2と、を備える。複数の蓄電モジュール10a,10bは、直列に接続して使用され、バッテリ出力端子Vo1,Vo2を介してインバータ11に電源を供給する。スイッチSW1は、バッテリ出力端子Vo1とVo2に接続される。スイッチSW2は、複数の蓄電モジュール10a,10bとスイッチSW1とによって形成される閉回路12上に挿入される。充電用ノードVc1,Vc2は、スイッチSW2の両端に設けられ、スイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフの状態で複数の蓄電モジュール10a,10bを直列に充電するためのノードである。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用電源装置に関し、例えば、分散して配置されたバッテリを持つ電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の車両用電源装置に関する。
特許文献1には、メインバッテリと、当該メインバッテリの両端のノードから電源が供給される三相インバータ(PCU)と、接続切換回路とを備えた電動車両が示されている。メインバッテリは、直列接続された複数のバッテリ群からなり、接続切換回路は、その複数のバッテリ群内の各ノードの中からいずれかのノードを選択して分割充電を行う。最大充電電流が最適充電電流以上である場合には、メインバッテリの両端のノードが接続切換回路によって選択され、メインバッテリ全体が充電される。
特許文献2には、直列および並列に接続された多数のセルからなる電池モジュールと、当該電池モジュールに対してそれぞれ並列に接続された負荷および充電装置とを備えた大型二次電池の充電システムが示されている。
特開2009−296820号公報 特開2011−72084号公報
近年、モータとエンジンを動力源とするプラグインハイブリッド自動車や、モータを動力源とする電気自動車を代表に、大型のバッテリ(二次電池)を搭載した車両の普及が進んでいる。このような車両では、必要な電力および電力量を得るため、数V程度の電圧を発生する電池セル(例えば、ニッケル水素電池セルやリチウムイオン電池セル)が多数搭載される。また、これらの電池セルは、通常、電流による損失を低減する目的などから直列接続で使用される場合が多く、全体で百V程度から数百V程度の電圧を発生する。
図9(a)は、本発明の前提として検討した車両用電源装置の概略的な回路構成例を示すブロック図であり、図9(b)は、図9(a)の概略的なレイアウト構成例を示す平面図である。図9(a)に示す車両用電源装置は、バッテリ出力端子Vo1,Vo2の間に直列に接続される2個の蓄電モジュール10a,10bと、バッテリ出力端子Vo1,Vo2からスイッチSW3を介して電源が供給されるインバータ(INV)11と、外部からの交流電源を直流電源に変換するAC/DC変換部(車載充電器)20とを備える。AC/DC変換部20は、特許文献1および2に示されるように、2個の蓄電モジュール10a,10bを直列に充電するため、バッテリ出力端子Vo1,Vo2に接続される。
実際の実装上の観点では、AC/DC変換部20は、図示しないその他の部品を含めて1個の部品ユニット(充電ユニット50と呼ぶ)に搭載される。また、蓄電モジュール10aも、図示しないその他の部品を含めて1個の部品ユニット(電池パック[1]51と呼ぶ)に搭載され、同様に、蓄電モジュール10bも、電池パック[2]52に搭載される。この場合、充電ユニット50および電池パック51,52は、車両上で、例えば図9(b)のような箇所に配置される。
図9(b)の例では、エンジンルーム(またはモータルーム)41a内にインバータ11およびモータ(M)40が配置され、車室外の床下42cに電池パック[1]51が配置され、車室内の荷室43cに電池パック[2]52が配置される。車両に搭載すべき電池セルの数が多くなると、電池セルを1個の電池パックに収納して1箇所に配置することが困難となり、このように、複数(ここでは2個)の電池パックに分散して収納し、空いたスペースに分割して配置する必要性が生じる場合がある。
ここで、充電ユニット50は、最短の配線でバッテリ出力端子Vo1,Vo2に接続するためには、エンジンルーム(またはモータルーム)41a内に配置されることが望ましい。しかしながら、エンジンルーム(またはモータルーム)41a内では、空きスペースを確保することが比較的困難であることや、発熱が大きい環境下であるため充電ユニット50を水冷する仕組み等が必要とされるなどの各種制約が生じ得る。そこで、図9(b)のように、例えば、充電ユニット50を空きスペースを確保し易い車室内の荷室43cに配置し、充電ユニット50の発熱を空冷によって抑制することが考えられる。
しかしながら、この場合、バッテリ出力端子Vo1,Vo2と充電ユニット50との間に長い外部配線53が必要となり、これに伴うコストや重量、更には配線スペースの増大に加えて、配線長に伴う電力損失も懸念される。このように、図9(a)のような車両用電源装置では、蓄電モジュール10a,10bの充電に伴う配線長を短縮することが容易でなく、その結果、効率的な充電を行うことが困難となる場合がある。
本発明は、このようなことを鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、バッテリの充電に伴う配線長を容易に短縮することが可能な車両用電源装置を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本発明の車両用電源装置は、第1および第2端子と、複数の蓄電モジュールと、第1および第2スイッチと、第1および第2充電用ノードと、を有する。複数の蓄電モジュールは、直列に接続して使用され、第1および第2端子を介してインバータに電源を供給する。第1スイッチは、第1端子と第2端子に接続される。第2スイッチは、複数の蓄電モジュールと第1スイッチとによって形成される閉回路上に挿入される。第1および第2充電用ノードは、第2スイッチの両端に設けられ、第1スイッチをオン、第2スイッチをオフの状態で複数の蓄電モジュールを直列に充電するためのノードである。
本発明によれば、バッテリの充電用ノードを自由に定めることができ、バッテリの充電に伴う配線長を容易に短縮することが可能になる。
(a)は、本発明の実施の形態1による車両用電源装置において、その主要部の概略的な回路構成例を示すブロック図であり、(b)は、(a)を変形した回路構成例を示すブロック図である。 (a)および(b)は、図1(a)の車両用電源装置の動作例を示す図であり、(a)は充電モード時の動作例を示す説明図、(b)は電源供給モード時の動作例を示す説明図である。 図1(a)の車両用電源装置において、その充電用ノード周りを含めた概略構成例を示すブロック図である。 図3とは異なる概略構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による車両用電源装置において、その主要部の実装形態の一例を示す図である。 図5の車両用電源装置において、その車両上の概略的なレイアウト構成例を示す平面図である。 図5の車両用電源装置において、その車両上の図6とは異なる概略的なレイアウト構成例を示す平面図である。 本発明の実施の形態3による車両用電源装置において、その主要部の概略的な回路構成例を示すブロック図である。 (a)は、本発明の前提として検討した車両用電源装置の概略的な回路構成例を示すブロック図であり、(b)は、(a)の概略的なレイアウト構成例を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《車両用電源装置(主要部)の概略回路構成》
図1(a)は、本発明の実施の形態1による車両用電源装置において、その主要部の概略的な回路構成例を示すブロック図であり、図1(b)は、図1(a)を変形した回路構成例を示すブロック図である。図1(a)に示す車両用電源装置は、バッテリ出力端子(第1および第2端子)Vo1,Vo2と、複数(ここでは2個)の蓄電モジュール10a,10bと、インバータ(INV)11と、複数のスイッチSW1〜SW3とを備える。スイッチSW1〜SW3のそれぞれは、例えば、電磁石を用いたリレーで構成される。
スイッチ(第1スイッチ)SW1は、バッテリ出力端子Vo1とVo2に接続される。複数の蓄電モジュール10a,10bは、直列に接続して使用され、バッテリ出力端子Vo1,Vo2を介してインバータ(INV)11に電源を供給する。なお、ここでは、特に限定はされないが、バッテリ出力端子Vo1とインバータ(INV)11の間にスイッチSW3が設けられ、バッテリ出力端子Vo1から当該スイッチSW3を介してインバータ(INV)11に電源が供給される。
蓄電モジュール10a,10bのそれぞれは、直列接続された複数の電池セル(例えば、数V程度の電圧を発生するニッケル水素電池セルやリチウムイオン電池セル)によって構成される。バッテリ出力端子Vo1とVo2の間には、特に限定はされないが、百V程度から数百V程度の電圧が生成される。インバータ(INV)11は、主に、バッテリ出力端子Vo1,Vo2に生成された直流電源から三相交流電源を生成し、これによって図示しないモータを駆動する。
蓄電モジュール(第1蓄電モジュール)10aは、一端がバッテリ出力端子(第1端子)Vo1に接続され、蓄電モジュール(第2蓄電モジュール)10bは、一端がバッテリ出力端子(第2端子)Vo2に接続される。スイッチ(第2スイッチ)SW2は、複数の蓄電モジュール10a,10bとスイッチSW1とによって形成される閉回路12上に挿入され、ここでは、蓄電モジュール10aの他端と蓄電モジュール10bの他端との間の経路上に挿入される。当該スイッチSW2の両端には、充電用ノードVc1,Vc2が設けられる。
一方、図1(b)の車両用電源装置は、図1(a)と比較して、スイッチ(第2スイッチ)SW2の位置が異なっている。図1(b)におけるスイッチSW2は、図1(a)の場合と同様に、複数の蓄電モジュール10a,10bとスイッチSW1とによって形成される閉回路12上に挿入される。ただし、スイッチSW2は、ここでは、蓄電モジュール10bの一端とバッテリ出力端子(第2端子)Vo2との間の経路上に挿入される。当該スイッチSW2の両端には、充電用ノードVc1,Vc2が設けられる。なお、図示は省略するが、同様にして、蓄電モジュール10aの一端側(バッテリ出力端子Vo1側)にスイッチSW2を挿入し、その両端に充電用ノードを設けることも可能である。
《車両用電源装置(主要部)の概略動作》
図2(a)および図2(b)は、図1(a)の車両用電源装置の動作例を示す図であり、図2(a)は充電モード時の動作例を示す説明図、図2(b)は電源供給モード時の動作例を示す説明図である。充電モード時には、図2(a)に示すように、スイッチ(第1スイッチ)SW1がオン、スイッチ(第2スイッチ)SW2およびスイッチSW3がオフの状態で、充電用ノードVc1,Vc2に所定の直流電源が供給される。これにより、スイッチSW1を介する経路で充電電流15が流れ、複数の蓄電モジュール10a,10bが直列に充電される。
一方、電源供給モード時には、図2(b)に示すように、スイッチ(第1スイッチ)SW1がオフ、スイッチ(第2スイッチ)SW2およびスイッチSW3がオンにそれぞれ制御される。これにより、複数の蓄電モジュール10a,10bからインバータ(INV)11に向けてバッテリ出力端子Vo1,Vo2およびスイッチSW3を介して電源が供給され、インバータ(INV)11を介する経路で動作電流16が流れる。なお、ここでは、図1(a)の場合を例としたが、図1(b)の場合も同様の動作となる。
《充電用ノード周りの構成》
図3および図4のそれぞれは、図1(a)の車両用電源装置において、その充電用ノード周りを含めた概略構成例を示すブロック図である。図3に示す車両用電源装置は、図1(a)に示した構成例に加えて、スイッチSW4a,SW4bと、AC/DC変換部(車載充電器)20と、普通充電用プラグ21と、スイッチ制御部22とを備え、これらが車両17内に搭載された構成となってる。普通充電用プラグ21は、例えば、家庭用の100V又は200Vの交流電源に接続されるプラグである。
AC/DC変換部(車載充電器)20は、充電ユニットの主要部となり、家庭用の交流電源を直流電源に変換する。スイッチSW4a,SW4bは、AC/DC変換部20によって生成された直流電源を充電用ノードVc1,Vc2にそれぞれ印加する。スイッチ制御部22は、図2(a)および図2(b)に示したように、充電モードまたは電源供給モードに応じてスイッチSW1〜SW3,SW4a,SW4bのオン・オフを制御する。なお、スイッチSW4a,SW4bは、充電モード時にはオンに制御され、電源供給モード時にはオフに制御される。
図4に示す車両用電源装置は、図1(a)に示した構成例に加えて、急速充電用プラグ23と、スイッチ制御部24とを備え、これらが車両17内に搭載された構成となってる。急速充電用プラグ23は、例えば、所定の直流電源を生成する急速充電器に接続されるプラグであり、充電用ノードVc1,Vc2に接続される。急速充電器は、車両17の外部に設置される。スイッチ制御部24は、図2(a)および図2(b)に示したように、充電モードまたは電源供給モードに応じてスイッチSW1〜SW3のオン・オフを制御する。
《車両用電源装置の主な効果》
以上、本実施の形態1の車両用電源装置を用いることで、図9(a)では、充電用ノードが固定的(すなわちバッテリ出力端子Vo1,Vo2)であったのに対して、図1(a)および図1(b)に示したように、閉回路12内の任意の箇所に充電用ノードVc1,Vc2を設けることが可能になる。これにより、充電ユニット(AC/DC変換部20)や急速充電用プラグ23の配置に応じて、これらとの間の配線長が短くなる箇所に充電用ノードVc1,Vc2を設けることが可能になる。例えば、充電ユニットを蓄電モジュール10aの近くに配置したい場合には、その近くに充電用ノードVc1,Vc2を設ければよく、蓄電モジュール10bの近くに配置したい場合には、その近くに充電用ノードVc1,Vc2を設ければよい。
その結果、充電ユニットや急速充電用プラグの配置に関わらず、蓄電モジュール10a,10bの充電に伴う配線長を容易に短縮することができ、配線コスト、配線重量、配線スペース、および電力損失等の観点から充電を効率的に行うことが可能になる。また、言い換えれば、蓄電モジュール10a,10bの充電に伴う配線長を短くすることを前提として、充電ユニットや急速充電用プラグの配置を自由に定めることができる。
なお、図3では普通充電用プラグ21を、図4では急速充電用プラグ23をそれぞれ示したが、この両方のプラグを備えている電気自動車やプラグインハイブリッド自動車も存在する。この場合、本実施の形態の車両用電源装置を用いることで、この両方のプラグの位置を個別に自由に定めることができ、かつ、各プラグとそれぞれに対応する充電用ノードとの配線長を短くすることができる。なお、この際には、勿論、急速充電用プラグ23に対応する充電用ノードを従来と同様にバッテリ出力端子Vo1,Vo2とし、普通充電用プラグ21に対応する充電用ノードを図3に示した箇所(Vc1,Vc2)等に定めてもよい。
(実施の形態2)
《車両用電源装置(主要部)の実装形態》
図5は、本発明の実施の形態2による車両用電源装置において、その主要部の実装形態の一例を示す図である。図5には、前述した図3の構成例の詳細な実装形態の一例が示されている。図5の車両用電源装置は、インバータ(INV)11と、電池パック[1]30と、充電ユニット31と、電池パック[2]32と、スイッチ制御部34とを備え、これらが車両17内に搭載された構成となっている。
インバータ(INV)11は、外部端子Pi1,Pi2を備える。電池パック[1]30は、外部端子Pb11〜Pb14を備えた部品ユニットであり、図3に示した蓄電モジュール10aおよびスイッチSW1,SW3を内部に含んでいる。外部端子Pb11は、スイッチSW3を介して蓄電モジュール10aの正極側ノード(すなわち図3のバッテリ出力端子Vo1に該当)に接続される。外部端子Pb13は、蓄電モジュール10aの負極側ノードに接続される。外部端子Pb12,Pb14は、内部で共通に接続され、当該共通ノードは図3のバッテリ出力端子Vo2に該当するノードとなる。
充電ユニット31は、外部端子Pc11〜Pc15を備えた部品ユニットであり、図3に示したスイッチSW2,SW4a,SW4bおよびAC/DC変換部(車載充電器)20を内部に含んでいる。外部端子Pc11は、図3の充電用ノードVc2に接続され、外部端子Pc13は、図3の充電用ノードVc1に接続される。ここでは、充電用ノードVc1は、AC/DC変換部20の正極側出力ノードとなり、充電用ノードVc2は、AC/DC変換部20の負極側出力ノードとなる。外部端子Pc12,Pc14は、内部で共通に接続される。外部端子Pc15は、AC/DC変換部20のAC入力ノードに接続される。
電池パック[2]32は、外部端子Pb21,Pb22を備えた部品ユニットであり、図3に示した蓄電モジュール10bに加えて、ここでは、スイッチSW5、メインスイッチSWm、プリチャージリレー回路33、およびサービスプラグSPを内部に含んでいる。外部端子Pb21は、スイッチSW5の一端に接続され、スイッチSW5の他端は、蓄電モジュール10bの正極側ノードに接続される。外部端子Pb22は、メインスイッチSWmまたはプリチャージリレー回路33の一端に接続される。サービスプラグSPは、メインスイッチSWmまたはプリチャージリレー回路33の他端と蓄電モジュール10bの負極側ノードとの間に接続される。
プリチャージリレー回路33は、プリチャージ用スイッチSWpと抵抗Rpからなる直列回路であり、メインスイッチSWmに並列に接続された構成となっている。例えば、蓄電モジュール10a,10bからインバータ(INV)11に向けた電源供給を開始するためメインスイッチSWmをオフからオンに制御した場合、瞬間的にメインスイッチSWmの接点に大電流が流れ、破損するような場合がある。そこで、プリチャージリレー回路33は、始めにプリチャージ用スイッチSWpをオンに制御することで、まず直列に接続された抵抗Rpを介して回路に通電し、瞬間的な大電流を抑制し、その後に、メインスイッチSWmをオフからオンに制御する。
また、車両用電源装置内には、例えば、各スイッチのいずれかが破損(例えばオンに固着)したような場合でも安全性を保てるように、通常、様々な箇所にスイッチが設けられる。その一例として、図5では、スイッチSW5が設けられる。また、スイッチSW2(第2スイッチ)も、このような安全性の観点から設けられる場合があり、この場合には、この安全性の観点から設けられたスイッチSW2を流用して、充電用ノードVc1,Vc2を設けることも可能である。なお、スイッチSW4a,SW4bは、安全性の観点に加えてAC/DC変換部(車載充電器)20の着脱を制御するために設けられ、スイッチSW3は、安全性の観点に加えてインバータ(INV)11の着脱を制御するために設けられる。
サービスプラグSPは、整備作業者等が車両用電源装置のメンテナンス等を行う際に、手動で開放されるプラグ(スイッチ)である。サービスプラグSPを開放する際には、自動的に内部の各スイッチSW1〜SW3,SW4a,SW4b,SW5,SWm,SWpも開放状態となり、安全性が確保される。なお、各スイッチSW1〜SW3,SW4a,SW4b,SW5,SWm,SWpは、例えば、電磁石を用いたリレーで構成される。また、蓄電モジュール10a,10bのそれぞれは、実施の形態1でも述べたように、直列接続された複数の電池セルによって構成される。
図5の車両用電源装置は、前述した各部品ユニット(すなわちインバータ(INV)11、電池パック[1]30、充電ユニット31および電池パック[2]32)を外部配線によって適宜接続することで組み立てられる。具体的には、インバータ(INV)11の外部端子Pi1,Pi2は、電池パック[1]30の外部端子Pb11,Pb12にそれぞれ接続される。電池パック[1]30の外部端子Pb13,Pb14は、充電ユニット31の外部端子Pc11,Pc12にそれぞれ接続される。充電ユニット31の外部端子Pc13,Pc14は、電池パック[2]32の外部端子Pb21,Pb22にそれぞれ接続される。また、充電ユニット31の外部端子Pc15は、普通充電用プラグ21に接続される。
スイッチ制御部34は、図3の場合と同様に、図2で述べた充電モードまたは電源供給モードに応じて、各スイッチSW1〜SW3,SW4a,SW4b,SW5,SWm,SWpのオン・オフを制御する。スイッチ制御部34は、例えば、1個の部品で構成したり、あるいは、電池パック30,32および充電ユニット31毎の内部部品として複数の部品ユニットに分割して構成してもよい。分割して構成する場合、例えば、電池パック[1]30内のスイッチ制御部は、スイッチSW1,SW3のオン・オフを制御する。
図示は省略しているが、実際には、電池パック30,32および充電ユニット31のそれぞれは、前述した電源用の外部端子の他に制御信号用の外部端子を備えている。例えば、スイッチ制御部34を1個の部品で構成する場合、当該スイッチ制御部は、制御信号用の外部端子を介して電池パック30,32および充電ユニット31内の各スイッチを制御する。一方、スイッチ制御部34を分割して構成する場合、各部品ユニット内のスイッチ制御部は、制御信号用の外部端子を介して充電モードや電源供給モード等を示す命令を受け、各命令に応じて対応するスイッチを制御する。
《車両用電源装置(主要部)のレイアウト構成》
図6は、図5の車両用電源装置において、その車両上の概略的なレイアウト構成例を示す平面図である。図6において、車両17上の前方部に位置するエンジンルーム(またはモータルーム)41a内には、インバータ(INV)11および当該インバータ(INV)11によって駆動されるモータ(M)40が配置される。車両17上の後方部に位置する車室内の荷室43aには、充電ユニット31と電池パック[2]32が配置される。また、前方部と後方部の間の中間部に位置する車室外の床下42aには、電池パック[1]30が配置される。
この例では、電池パック[1]30は、安全性の観点から、車室内ではなく、車室外の床下42aに配置されている。充電ユニット31は、空きスペースを確保し易く、空冷によって温度を抑制することが可能な車室内の荷室43aに配置されている。また、充電ユニット31を車室内の荷室43aに配置することで、例えば、従来のガソリン給油口と同様な位置に普通充電用プラグ21を配置した場合に、充電ユニット31と普通充電用プラグ21を短い配線で接続することができる。
図6から判るように、本実施の形態による車両用電源装置を用いることで、前述した図9(b)の場合と異なり、充電ユニット31と充電用ノードとの間を接続する長い外部配線が不要となり、実施の形態1で述べたような各種有益な効果が得られる。なお、図6の例では、電池パック[1]30は、電池パック[2]32に比べて、多くの電池セルを搭載している。
図7は、図5の車両用電源装置において、その車両上の図6とは異なる概略的なレイアウト構成例を示す平面図である。図7では、図6の場合と異なり、車室外の床下42bに電池パック[1]30と充電ユニット31が配置され、車室内の荷室43bに電池パック[2]32が配置されている。車両の種類によっては、車室外の床下42bに空きスペースを確保し易く、また十分な空冷を行える場合がある。このような場合には、図7のような配置を用いてもよい。
図6および図7のいずれの配置を用いる場合でも、本実施の形態による車両用電源装置を用いることで充電用ノードの位置が自由に定められるため、図6および図7から判るように、充電ユニット31と充電用ノード(ここでは充電ユニット31内に設けられる)との間の配線長を短縮することが可能になる。
(実施の形態3)
《車両用電源装置(主要部)の概略回路構成(変形例)》
図8は、本発明の実施の形態3による車両用電源装置において、その主要部の概略的な回路構成例を示すブロック図である。図8に示す車両用電源装置は、図1(a)の構成例と比較して、更に、蓄電モジュール10aと直列に蓄電モジュール10cが接続された構成となっている。特に限定はされないが、蓄電モジュール10cは、例えば図6のエンジンルーム(またはモータルーム)41a内に配置される。
このように、直列に接続して使用される3以上の蓄電モジュール10a〜10cが車両内に搭載される場合であっても、実施の形態1の場合と同様にして、充電用ノードVc1,Vc2の位置を自由に定めることができる。すなわち、複数(ここでは3個)の蓄電モジュール10a〜10cとスイッチ(第1スイッチ)SW1とによって形成される閉回路50上にスイッチ(第2スイッチ)SW2を挿入し、充電用ノードVc1,Vc2を当該スイッチSW2の両端に設ければよい。ここでは、その一例として、蓄電モジュール10aと蓄電モジュール10bとの間の経路にスイッチSW2が挿入されている。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、図5では、各部品ユニットの実装形態の一例を示したが、メインスイッチSWmまたはプリチャージリレー回路33を電池パック[2]32の代わりに充電ユニット31内に設けたり、または、充電ユニット31の外部端子Pc12,Pc14間に安全性を向上するためのスイッチを別途設けたり等、必要に応じて適宜変更することが可能である。また、ここでは、主に、蓄電モジュール10a,10bが離れた箇所に分散して配置される場合を有益な適用例として説明を行ったが、必ずしもこのような状況に限定されるものではない。場合によっては、直列接続された多数の電池セルが1箇所に配置され、その多数の電池セルの合間の位置に充電用ノードを設けたいような場合にも適用できる。
10a,10b,10c 蓄電モジュール
11 インバータ
12,50 閉回路
15 充電電流
17 車両
20 AC/DC変換部(車載充電器)
21 普通充電用プラグ
23 急速充電用プラグ
41a エンジンルーム(モータルーム)
42a,42b,42c 車室外の床下
43a,43b,43c 車室内の荷室
SW1,SW2 スイッチ
Vc1,Vc2 充電用ノード
Vo1,Vo2 バッテリ出力端子

Claims (5)

  1. 第1および第2端子と、
    直列に接続して使用され、前記第1および第2端子を介してインバータに電源を供給する複数の蓄電モジュールと、
    前記第1端子と前記第2端子に接続される第1スイッチと、
    前記複数の蓄電モジュールと前記第1スイッチとによって形成される閉回路上に挿入される第2スイッチと、
    前記第2スイッチの両端に設けられ、前記第1スイッチをオン、前記第2スイッチをオフの状態で前記複数の蓄電モジュールを直列に充電するための第1および第2充電用ノードと、
    を有する車両用電源装置。
  2. 請求項1記載の車両用電源装置において、
    さらに、前記第1および第2充電用ノードに接続され、外部からの交流電源を直流電源に変換する車載充電器を有する、車両用電源装置。
  3. 請求項2記載の車両用電源装置において、
    前記複数の蓄電モジュールは、
    前記第1端子に一端が接続される第1の蓄電モジュールと、
    前記第2端子に一端が接続される第2蓄電モジュールと、を備え、
    前記第2スイッチは、前記第1蓄電モジュールの他端と前記第2蓄電モジュールの他端との間の経路上に挿入される、車両用電源装置。
  4. 請求項3記載の車両用電源装置において、
    前記インバータは、車両上の前方部に配置され、
    前記第2蓄電モジュールは、前記車両上の後方部に配置され、
    前記第1蓄電モジュールは、前記前方部と前記後方部の間の中間部に配置され、
    前記車載充電器は、前記後方部に配置される、車両用電源装置。
  5. 請求項1記載の車両用電源装置において、
    前記第1および第2充電用ノードは、外部の充電器に接続するためのプラグに接続される、車両用電源装置。
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