JP2015069966A - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電槽に挿入されたスペーサの裏面に電解液が停留することを抑制する鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】正負の極板31A、31Bを、セパレータを介して積層した極板群30と、前記極板群30を収容する電槽20と、前記極板の並び方向において、前記電槽20の内側面と前記極板群30との間に介挿される板状のスペーサ70とを備え、前記スペーサ70は、板面を貫通する貫通孔72を有する有孔のスペーサである。電解液Qが貫通孔72を通じて、スペーサ70の裏面側から表面側に移動できるので、スペーサ70の裏面側に電解液が停留することを抑制できる。
【選択図】図5
【解決手段】正負の極板31A、31Bを、セパレータを介して積層した極板群30と、前記極板群30を収容する電槽20と、前記極板の並び方向において、前記電槽20の内側面と前記極板群30との間に介挿される板状のスペーサ70とを備え、前記スペーサ70は、板面を貫通する貫通孔72を有する有孔のスペーサである。電解液Qが貫通孔72を通じて、スペーサ70の裏面側から表面側に移動できるので、スペーサ70の裏面側に電解液が停留することを抑制できる。
【選択図】図5
Description
本発明は、鉛蓄電池に関する。
密閉式鉛蓄電池には、電解液の保持の仕方が種々あり、いわゆるリテーナ式では、希硫酸等の電解液を、ガラス繊維などのマットセパレータに保持する構造となっている。リテーナ式の密閉式鉛蓄電池は、極板が、電解液を保持したセパレータと接触した状態となるように、極板群を両側から圧迫しておく必要がある。
ところで、電池を低コスト化するには極板の枚数を削減することが好ましいが、電槽のサイズを変えずに極板の枚数を削減すると、極板群を圧迫する力が小さくなってしまい、電池性能に影響を及ぼす。そこで、電槽の内側面と極板群との間にスペーサを挿して極板群を圧迫する力を調整することが考えられる(下記特許文献1参照)。
ところで、電槽の内側面とスペーサとの間には、寸法誤差を考慮しつつ確実にスペーサを電槽内に収容するために、少なからず隙間が形成される。
そして、密閉式鉛蓄電池は、充放電反応により酸素ガスが発生することに伴って、電解液の一部が、マットセパレータの保持を外れてフリーになる。そのため、電槽内にスペーサを挿入すると、フリーになった電解液がスペーサの裏側に回り込んで停留することにより、充放電反応に使用可能な電解液が減少するという問題があった。
また、液式鉛蓄電池でも、極板の振動を抑えることを目的に、電槽と極板の隙間をスペーサで埋めることが考えられる。しかし、電槽と極板との間にスペーサを挿入すると、スペーサの裏面側では、電解液の流れが悪くなり、電解液が停留し易くなる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、スペーサの裏面に電解液が停留することを抑制することである。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、スペーサの裏面に電解液が停留することを抑制することである。
本明細書によって開示される鉛蓄電池は、正負の極板を含む極板群と、前記極板群を収容する電槽と、前記極板の並び方向において、前記電槽の内側面と前記極板群との間に介挿されるスペーサとを備え、前記スペーサは、板面を貫通する貫通孔を有する有孔のスペーサである。
本明細書によって開示される鉛蓄電池によれば、電槽に挿入されたスペーサの裏面に電解液が停留することを抑制することが出来る。
(本実施形態の概要)
初めに、本実施形態の鉛蓄電池の概要について説明する。本鉛蓄電池は、正負の極板を、セパレータを介して積層した極板群と、前記極板群を収容する電槽と、前記極板の並び方向において、前記電槽の内側面と前記極板群との間に介挿される板状のスペーサとを備え、前記スペーサは、板面を貫通する貫通孔を有する有孔のスペーサである。この構成では、電解液が貫通孔を通じてスペーサの裏面側(電槽側)から表面側(極板群側)に移動できるので、スペーサの裏面に電解液が停留することを抑制できる。
初めに、本実施形態の鉛蓄電池の概要について説明する。本鉛蓄電池は、正負の極板を、セパレータを介して積層した極板群と、前記極板群を収容する電槽と、前記極板の並び方向において、前記電槽の内側面と前記極板群との間に介挿される板状のスペーサとを備え、前記スペーサは、板面を貫通する貫通孔を有する有孔のスペーサである。この構成では、電解液が貫通孔を通じてスペーサの裏面側(電槽側)から表面側(極板群側)に移動できるので、スペーサの裏面に電解液が停留することを抑制できる。
本鉛蓄電池では、前記スペーサは、前記極板群の前記並び方向の両側に対向する一対の対向壁と、前記一対の対向壁を連結する底面壁とを有する。このようにすれば、電槽に収容した時、スペーサが倒れないから、極板群を挿入する作業が行い易く、組み立て作業性がよい。
本鉛蓄電池では、前記貫通孔を、前記対向壁と前記連結壁の双方に形成する。このようにすれば、連結壁の裏面(電槽側)に電解液が停留することも抑制できる。
本鉛蓄電池では、前記連結壁は、前記一対の対向壁の下端を連結する。このようにすれば、電槽への極板群の挿入時に、連結壁に接触して、極板群が破損するのを抑制することができる。
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
1.鉛蓄電池1
鉛蓄電池1は、例えば二輪自動車等に搭載される密閉式鉛蓄電池であり、図1〜図3に示すように、電槽20と、極板群30と、蓋部材60を備え、更にスペーサ70を備える。尚、以下の説明において、電槽20の横幅方向をX方向とし、電槽20の奥行方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
実施形態1を図1ないし図7によって説明する。
1.鉛蓄電池1
鉛蓄電池1は、例えば二輪自動車等に搭載される密閉式鉛蓄電池であり、図1〜図3に示すように、電槽20と、極板群30と、蓋部材60を備え、更にスペーサ70を備える。尚、以下の説明において、電槽20の横幅方向をX方向とし、電槽20の奥行方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
電槽20は上面が開放した箱型をなす。電槽20は例えば合成樹脂製であり、槽内は、X方向に並ぶ5枚の隔壁21により、6つのセル室25に仕切られている。各セル室25には、極板群30と、スペーサ70が配置されている。極板群30は、図3〜図5に示すように、正極板31Aと、負極板31Bと、セパレータ33から構成されており、電槽20の横幅方向(X方向)に沿って配列されている。各極板31A、31Bは、格子体に活物質が充填されて構成されており、セパレータ33を介して積層されている。極板群30は、ストラップ40により一体に連結されている。
セパレータ33はガラス繊維製のマットセパレータであり、内部に含浸させることにより、電解液Qを保持することが出来る。セパレータ33は、各極板31A、31Bよりも大きく、両極板31A、31B間に配置されている。セパレータ33は電解液Qの保持と共に、両極板31A、31Bを仕切る機能を果たす。
また、各極板31A、31Bの上部には、図4に示すようにストラップ40を接続するための耳部32が設けられている。尚、極板31A、31Bに対する耳部32の形成位置は極性によって変えてあり、図4の例では、正極板31Aは図4の左側に耳部32を設け、負極板31Bは、図4の右側に耳部32を設けている。
ストラップ40は、図4に示すように上下方向(Z方向)において、極板群30の上方に位置している。ストラップ40は極性ごとに設けられており、正極用のストラップ40は、耳部32を介して極板群30の正極板31Aを連結し、負極用のストラップ40は、耳部32を介して極板群30の負極板31Bを連結する構造となっている。
各セル室25に収容された各極板群30は、隣接する極板群30との間で、異極性のストラップ同士を連結することにより、直列に接続されている。そして、電槽20の横幅方向の一方端に位置する正極用のストラップ40と、電槽20横幅方向の他方端に位置する負極用のストラップ40にはそれぞれ極柱45が溶接等により取り付けられている。正極側の極柱45と負極側の極柱45には、蓋部材60を上下に貫通する正極端子65Aと、負極端子65Bがそれぞれ取り付けられている。
蓋部材60は樹脂製であって、電槽20を閉止可能な大きさとされ、電槽20の上面を閉止する。蓋部材60は、電槽20に対して振動溶接等により、全周を溶着される。蓋部材60のX方向両側には端子挿通孔63A、63Bが開口しており、各端子挿通孔63A、63Bには、正極端子65Aと負極端子65Bが蓋部材60を上下に貫通して組み付けられている。
スペーサ70は、各セル室25内において、隔壁21の内面21Aと極板群30との間に介挿され、極板群30をX方向の両側から圧迫する機能を果たす。すなわち、例えば、電槽20のサイズを変えずに、極板群30を構成する極板31の枚数を減らした場合、極板群30を圧迫する力が小さくなってしまい、電池性能に影響を及ぼす。そこで、隔壁21の内面21Aと極板群30との間にスペーサ70を挿入して、極板群30を圧迫する力を調整することにより、極板31A、31Bが、電解液Qを保持したセパレータ33と接触した状態を保つようにしている。尚、隔壁21の内面21Aが、本発明の「前記電槽の内側面」の一例である。
スペーサ70は例えばポリプロピレン等の合成樹脂製の板状部材である。スペーサ70は、図6に示すように、一対の側壁71A、71Bと底面壁73とから構成され、断面がコの字型をなす。両側壁71A、71Bは、極板31A、31Bよりも一回り大きく、X方向に向かい合っている。そして、両側壁71A、71B間の距離(X方向の距離)は極板群30を圧迫できるように、極板群30のX方向の幅よりも狭くなっている。係るスペーサ70は、底面壁73を下に向けた状態で、各セル室25の内側に収容され、各側壁71A、71Bが、極板群30のX方向の両側に、位置する構造となっている。尚、側壁71が本発明の「対向壁」の一例であり、底面壁73が本発明の「連結壁」の一例である。
また、図6に示すように、スペーサ70の各側壁71A、71Bには、貫通孔72が形成されている。貫通孔72は、側壁71A、71Bの板面を貫通しており、上下方向に長い縦長な形状をしている。貫通孔72は側壁全面に一定の間隔で均等に設けられている。本例では、横方向は5列、縦方向は3段となっており、各側壁71A、71Bに対して、貫通孔72を15個形成している。この貫通孔72を設けることで以下のメリットがある。
密閉式鉛蓄電池1は、充放電反応により酸素ガスが発生することに伴って、電解液Qの一部がセパレータ33の保持を外れる。すると、保持を外れてフリーになった電解液Q(流動液)が、図7に示すように、側壁71と隔壁21との間の隙間Dに回り込む。しかし、貫通孔72を設けておけば、図7中のF矢印で示すように、電解液Qが貫通孔72を通じて、側壁71の裏面側(隔壁21側)から表面側(極板群30側)に移動できるので、側壁71の裏面側に電解液Qが停留することを抑制できる。しかも、貫通孔72は、側壁71に対して均等に設けられていることから、側壁71の裏面側に電解液Qが貯まり易い場所が出来ない。
また、スペーサ70は、側壁71A、71Bに加え、底面壁73にも、同様の貫通孔74を形成している。そのため、電解液Qが貫通孔74を通じて、底面壁73の裏面(電槽20側の底面)側から表面側(極板群30側)に移動できるので、底面壁73の裏面側に電解液が停留することを抑制することが出来る。また、スペーサ70に底面壁73を設けておけば、電槽20への極板群30の挿入時に、極板群30が電槽10の底面に当たって破損するのを抑制することができる。具体的な一例としては、セパレータ33が破損して、正極板31Aと負極板31Bが短絡するのを抑制することができる。
<効果>
密閉式鉛蓄電池1は、スペーサ70の側壁71や底面壁73の裏面に電解液Qが停留することを抑制できる。そのため、充放電反応に使用可能な電解液Qの減少を抑えることが可能となる。また、スペーサ70は、断面がU字型をしている。そのため、電槽20に収容した時、スペーサ70が倒れないから、極板群30を挿入する作業が行い易く、組み立て作業性がよい。
密閉式鉛蓄電池1は、スペーサ70の側壁71や底面壁73の裏面に電解液Qが停留することを抑制できる。そのため、充放電反応に使用可能な電解液Qの減少を抑えることが可能となる。また、スペーサ70は、断面がU字型をしている。そのため、電槽20に収容した時、スペーサ70が倒れないから、極板群30を挿入する作業が行い易く、組み立て作業性がよい。
<実施形態2>
次に、実施形態2を図8、図9によって説明する。
実施形態1では、スペーサ70を断面U字型としたが、実施形態2では、図8に示すようにスペーサ170を平板形状とした点が、実施形態1と相違している。スペーサ170は、図9に示すように、各セル室25について2枚ずつ使用され、隔壁21の内面21Aと極板群30との間にそれぞれ介挿される。2枚のスペーサ170は、極板群30を収容する空間を小さくすることで、極板群30をX方向の両側から圧迫する機能を果たす。
次に、実施形態2を図8、図9によって説明する。
実施形態1では、スペーサ70を断面U字型としたが、実施形態2では、図8に示すようにスペーサ170を平板形状とした点が、実施形態1と相違している。スペーサ170は、図9に示すように、各セル室25について2枚ずつ使用され、隔壁21の内面21Aと極板群30との間にそれぞれ介挿される。2枚のスペーサ170は、極板群30を収容する空間を小さくすることで、極板群30をX方向の両側から圧迫する機能を果たす。
そして、各スペーサ170には、実施形態1のスペーサ70と同様に、貫通孔172が形成されている。そのため、実施形態1と同様に、電解液Qが貫通孔172を通じて、スペーサ170の裏面側(隔壁21側)から表面側(極板群30側)に移動できるので、スペーサ170の裏面側に電解液Qが停留することを抑制できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1、2では、密閉式鉛蓄電池1を例示したが、本発明は、液式鉛蓄電池に適用することも可能である。すなわち、液式鉛蓄電池では、隔壁21と極板群30との間に隙間があると、電槽20内にて極板群30が振動する。従って、その隙間をスペーサ70で埋めることにより、極板群30の振動を防止することが出来る。
そして、スペーサ70に貫通孔72を形成しておくことにより、スペーサ70の裏面に停留する電解液Qが、貫通孔72を通じて、スペーサ70の裏面から表面側に移動出来る。従って、電槽20内における希硫酸の濃度を均一化することが可能となる。また、例えば、各極板31A、31Bの格子体に充填された活物質が脱落した際に、脱落した活物質が、側壁71や底面壁73の裏面側に移動できるため、正極板31Aと負極板31Bとの間を短絡させるのを抑制することができる。
(2)実施形態1、2では、貫通孔72、172の形状を長方形にしたが、貫通孔72、172の形状は、円形など、それ以外の形状であってもよい。
(3)実施形態2では、スペーサ170を、セル室25のX方向両側に挿入した例を示したが、板厚を2倍にして、どちらか一方にだけ、挿入する構成にしてもよい。
(4)実施形態1、2では、スペーサ70を、一対の側壁71A、71Bとこれらの下端を連結する底面壁73で構成した例を示したが、下端に限らず、両端のいずれかを連結してもよい。
(5)実施形態1、2の電槽20のX方向両側の内壁面と隔壁21の両面とには、面から突出したリブが形成されていてもよい。これによると、密閉式鉛蓄電池においては、フリーになった電解液の流動性を高めることができ、且つ、組立時の電解液の注液効率を高めることができる。また、液式鉛蓄電池においては、電槽20(隔壁21)とスペーサ70との間の電解液の流動性を高めることができ、電槽20内における希硫酸の濃度をより均一化することができる。
1...鉛蓄電池
20...電槽
21...隔壁
30...極板群
31A、31B...極板
33...セパレータ
70...スペーサ
71A、71B...側壁(対向壁)
73...底面壁(連結壁)
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31A、31B...極板
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70...スペーサ
71A、71B...側壁(対向壁)
73...底面壁(連結壁)
Claims (4)
- 正負の極板を、セパレータを介して積層した極板群と、
前記極板群を収容する電槽と、
前記極板の並び方向において、前記電槽の内側面と前記極板群との間に介挿される板状のスペーサとを備え、
前記スペーサは、板面を貫通する貫通孔を有する有孔のスペーサである、鉛蓄電池。 - 前記スペーサは、
前記極板群の前記並び方向の両側に対向する一対の対向壁と、
前記一対の対向壁を連結する連結壁とを有する、請求項1に記載の鉛蓄電池。 - 前記貫通孔を、前記対向壁と前記連結壁の双方に形成する、請求項2に記載の鉛蓄電池。
- 前記連結壁は、前記一対の対向壁の下端を連結する、請求項2または3に記載の鉛蓄電池。
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Publication Number | Publication Date |
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- 2013-10-01 JP JP2013206414A patent/JP2015069966A/ja active Pending
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