JP2015069759A - 照明装置および表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明装置および表示装置において、高輝度の光を出射することができるとともに、光偏向要素の像やモアレが見えにくくなるようにする。
【解決手段】単位レンズ7dは隣接する単位レンズ7dの幅が互いに異なり、光偏向要素18は、一定の平均ピッチLで配置された単位列と、光入射面7Lから遠ざかるにつれて隣接間隔が減少するように配列された1以上の単位群とを構成し、かつ、光入射面7Lから遠ざかる方向に光偏向要素18の配置密度が漸次増大し、かつ、単位群内の単位列は、それぞれ、X方向の光偏向要素18の配置がY方向において近隣となる2列以上と、互いの配置が異なるように設けられ、かつ少なくとも光入射面7Lに近接する単位群において平均ピッチLと隔列隣接間隔Lが2a≦L≦4G,2a≦L≦4G,2S/L≧0.01を満たす導光体7を備えた照明装置3。
【選択図】図2

Description

本発明は、照明装置および表示装置に関する。
最近の大型液晶テレビやフラットディスプレイパネル等においては主に、直下型方式の照明装置と、エッジライト方式の照明装置とが採用されている。直下型方式の照明装置では、光源として複数のCCFL(冷陰極管)やLED(Light Emitting Diode)が、パネルの背面に規則的に配置される。液晶パネル等の画像表示素子と光源との間には、光散乱性の強い拡散板が用いられ、光源である冷陰極管やLEDが視認されないようにしている。
一方、エッジライト方式の照明装置は、複数の冷陰極管やLEDが、導光体と呼ばれる透光性の板の端面に配置される。一般的に、導光体の射出面の逆側の面(光偏向面)には、導光体の端面から入射する入射光を効率良く射出面へと導く光偏向要素が形成される。現在、光偏向面に形成される光偏向要素としては白色のインキがドット状に印刷されたものが一般的である(例えば特許文献1参照)。
また、近年では、さらに光取り出し効率を向上するため、マイクロレンズをインクジェット法によって導光体の光偏向面に形成する方法や、レーザーアブレーション法によって光偏向要素を形成する方法などが提案されている。また、導光体を射出成形法や押出成形法により成形し、光偏向要素を押出時にダイレクトに賦形する方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。
このような導光体に用いられる光偏向要素は、光取り出し効率を向上するとともに、導光体から出射される光の輝度分布を均一化する必要があるため、導光体の形状や光入射面の配置に応じて決まる特定のパターンに基づいて配置する必要がある。
このため、従来の光偏向要素は、規則的に配列された反射層や構造物で形成されており、例えば、光取り出し効率を向上するためのプリズムシートと併用された場合にモアレが見えたり、光偏向要素の像が視認されたりするといった問題がある。
このような問題を解決するため、特許文献3には、曲率半径と配列ピッチとを適宜調整した凸レンズ列を導光体に備えることが記載されている。
また、特許文献4には、このような直線状のプリズム列に起因する種々の輝度ムラを低減するため、プリズム列の形状や配置を種々設定することが記載されている。
特開平1−241590号公報 特開2000−89033号公報 特開2003−270447号公報 特開2004−6326号公報
しかしながら、上記のような従来の照明装置および表示装置には、以下のような問題があった。
特許文献3、4に記載された技術は、プリズムシートによって、光偏向要素による偏向光の集光度合いを変えることにより、光偏向要素の像が視認されにくいようにしているが、このような構成では、光偏向要素とプリズムとの配列が、ある程度、規則性を有していると、モアレが発生することは避けられないという問題がある。
特に、特許文献4には、プリズムの傾斜角度に度数分布を持たせることにより、輝度ムラや筋状の輝線を抑制しており、このようなプリズムの形状は、光取り出し効率が向上できる形状以外の形状も含むため、正面輝度が低下してしまうという問題がある。
この他に、例えば、導光体とプリズムシートとの間に、拡散フィルムを配置することも考えられるが、この場合には、光が拡散されてしまうため、正面方向の輝度が全体的に低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、高輝度の光を出射することができるとともに、光偏向要素の像やモアレが見えにくくなる照明装置および表示装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の照明装置は、光源と、透光性材料からなり、光源からの光を入射する光入射面と、該光入射面を挟む位置関係で互いに対向して配置された第1面および第2面と、光入射面と第1面および第2面と直交する2つの対向する側端面を有し、光入射面から入射された光を第1面および第2面の間で導光するとともに光の一部を第2面から出射する導光体と、該導光体の第2面に対向して配置される光拡散部材と、を有する照明装置であって、導光体は、第1面には、光を第2面に向けて偏向する複数の光偏向要素が設けられ、第2面には、光入射面に交差する第1の方向に沿って延在された単位レンズが第1の方向に直交する第2の方向に沿って複数配列され、単位レンズの幅は、隣接する前記単位レンズの幅と互いに異なっており、光偏向要素は、該光偏向要素が第2の方向に沿って、一定の平均ピッチLで配置された単位列と、光入射面から一定の距離の範囲で複数からなる単位列が第1の方向に沿って光入射面から遠ざかるにつれて隣接間隔が減少するように複数配列された1以上の単位群とを構成し、かつ、単位群内および単位群のすべてを通して、第1の方向に沿って光入射面から遠ざかる方向に、光偏向要素の配置密度が漸次増大し、かつ、一定の距離の範囲における単位群内の単位列は、それぞれ、第2の方向の光偏向要素の配置が第1の方向において近隣となる2列以上の配置と、互いに異なるように設けられ、かつ、次式(1)〜(6)で定義される変数をG、G、β、γ、θ、θとすると、導光体の単位群のうち、少なくとも光入射面に近接する単位群において、平均ピッチLと、第1の方向の互いに隣り合う隣接間隔の和である隔列隣接間隔Lとが、次式(7)〜(9)を満足する構成とする。
Figure 2015069759
ただし、Hは前記導光体の前記単位レンズを除いた厚さである。Nは前記導光体の屈折率である。Sは前記第2面側から見た時の前記光偏向要素の面積である。Pは、前記側端面のどちらかに最も近く配列される前記単位レンズから数えて、k番目の前記単位レンズの幅である。tは前記単位レンズの端部を0として前記第2の方向に測った変位である。f(t)は前記k番目の単位レンズを前記第2面に垂直かつ前記第2の方向に平行な面で切断したときの前記単位レンズのレンズ面の底部からの高さである。αは前記光拡散部材に垂直な方向にコリメート光を入射したときの射出光の角度分布において前記射出光の強度が最大強度の1/10になる角度である。aは前記光偏向要素の前記第2の方向の幅である。aは前記光偏向要素の前記第1の方向の幅である。
ここで、「近隣となる2列以上」とは、片側の近隣領域において2列以上を意味する。すなわち、第1の方向の両側において2列ずつの単位列が近隣に存在する場合は、少なくとも近隣の4列と配置が異なる。また、端部の単位列のように、一方の片側に1列以下の単位列しか存在しない場合には、一方の片側の1列以下と他方の片側の少なくとも2列と、互いの配置が異なる
また、「互いの配置が異なる」とは、単位列内の光偏向要素の位置が全体として異なることを意味する。ここで、「全体として」とは、すべての位置関係が一致しない場合と、
一部が一致する場合とを含む。一部が一致する場合には、一致している割合が、単位列を構成する光偏向要素の50%以下であるものとする。
上記照明装置では、前記単位列内の光偏向要素は、前記第2の方向における隣接間隔が前記第2の方向に沿って変化していることが好ましい。
上記照明装置では、前記単位列内の光偏向要素は、前記第2の方向における隣接間隔が前記第2の方向に沿って変化していることが好ましい。
0<CV≦1/6 ・・・(10)
上記照明装置では、前記第2の方向における隣接間隔は、前記第2の方向に沿って不規則に変化していることが好ましい。
上記照明装置では、前記f(t)は、tの4乗の項を含む多項式関数であることが好ましい。
上記照明装置では、前記f(t)は、円弧の一部、または楕円弧の一部を表す関数であることが好ましい。
上記照明装置では、さらに少なくとも一枚以上の集光シートが備えられていることが好ましい。
上記照明装置では、さらに反射型偏光分離シートを備えることが好ましい。
本発明の第2の態様の表示装置は、上記照明装置と、該照明装置からの照明光を照射することにより画像を表示する画像表示素子と、を備える構成とする。
本発明の照明装置および表示装置によれば、第1の方向に沿っては光入射面から離間するにつれて配置密度が増加するように、複数の単位群に分けて光偏向要素を配置するとともに、第2の方向に沿う光偏向要素の配置位置を近隣の2列以上の単位列と異なる配置とし、かつ単位レンズの幅が隣接する単位レンズ同士で異なり、かつ上記式(7)〜(9)を満足するため、高輝度の光を出射することができるとともに、光偏向要素の像やモアレを見えにくくすることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態の表示装置の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の一例を示す模式的な斜視図、およびそのA−A断面図、およびB−B断面図である。 本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体のX方向に沿う断面の部分拡大図である。 本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の光偏向要素の配置パターンの概要を示す模式図である。 本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の光偏向要素の配置パターンの詳細を示す模式図である。 本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の単位群の隣接部における光偏向要素の配置を示す模式図である。 本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体における光の伝播の様子を示す模式的に平面図、およびそのC視の模式図である。 単位レンズを有しない第1比較例の導光体における光の伝播の様子を示す模式的に平面図、およびそのD視の模式図である。 本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体における平面視の輝度分布と、単位レンズを有しない第1比較例の導光体における輝度分布とを示す模式図である。 単位レンズを通して見た光偏向要素の像の一例を示す模式図、および単位レンズおよび等方性光拡散部材を通して見た光偏向要素の像の一例を示す模式図である。 等方性光拡散部材における光散乱の様子を表す模式的な斜視図、およびその光強度の角度分布を表す模式的なグラフである。 本発明の実施形態に用いる導光体および等方性光拡散部材のX方向に沿う断面の模式的な光路図である。 本発明の実施形態に用いる導光体および等方性光拡散部材のY方向に沿う断面の模式的な光路図である。 光偏向要素の隣接間隔が広すぎる場合の単位レンズおよび等方性光拡散部材を通して見た光偏向要素の像の一例を示す模式図である。 平均ピッチLおよび隔列隣接間隔Lの好適な範囲を示すグラフである。 光偏向要素の配置パターンの第2比較例を示す模式図である。 光偏向要素の配置パターンの第3比較例を示す模式図である。 本発明の実施形態および第1変形例の照明装置に用いることができる集光シートの変形例を示す部分的な斜視図である。 実施例1〜7、比較例1〜5の評価における輝度低下率の測定位置を示す模式的な平面図である。
以下では、本発明の実施形態の照明装置および表示装置について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の表示装置の構成を示す模式的な断面図である。図2(a)は、本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の一例を示す模式的な斜視図である。図2(b)、(c)は、図2(a)におけるA−A断面図、およびB−B断面図である。図3は、本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体のX方向に沿う断面の部分拡大図である。図4は、本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の光偏向要素の配置パターンの概要を示す模式図である。図5は、本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の光偏向要素の配置パターンの詳細を示す模式図である。図6は、本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体の単位群の隣接部における光偏向要素の配置を示す模式図である。なお、各図面は、模式図のため、寸法、形状、個数等は、誇張したり省略したりされている(以下の図面も同様)。
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置1(表示装置)は、画像表示素子2と、この画像表示素子2の光入射側に臨ませて配置された照明装置3とを備える。
画像表示素子2は、液晶層9を2つの偏光板10、11で挟んで構成されている。
画像表示素子2は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する素子であることが好ましく、液晶表示素子であることがより好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子に比べて、画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
照明装置3は、拡散シート28、集光シート20、等方性光拡散部材8、および導光体7を画像表示素子2の方からこの順に配置した積層体21と、導光体7の側面に配置された光源6と、導光体7および光源6を囲む反射板5(反射部材)とを少なくとも含んで構成される。
この照明装置3は、拡散シート28を画像表示素子2に臨ませて配置される。
等方性光拡散部材8は、後述する導光体7から射出される光を等方的に拡散する機能を有する部材であり、導光体7に面して配置されている。
等方性光拡散部材8には、例えば、透明基材の表面に半球状のマイクロレンズが多数配列されたマイクロレンズシートを用いることができる。具体的には、例えば、透明樹脂中に球状粒子を分散させ、球状粒子の一部を表面から突出させたものを用いることができる。
集光シート20は、等方性光拡散部材8によって拡散された光を、視覚方向Fへと集光する機能を有する部材であり、例えば、基材23の表面に複数のプリズム24が形成されたプリズムシートを採用することができる。
拡散シート28は、集光シート20によって集光された光を拡散し、また集光シート20を保護する機能、および集光シート20に形成される周期構造と画像表示素子2の周期構造とによるモアレの発生を低減する機能を有する。
拡散シート28としては、例えば、拡散微粒子を表面に塗布、もしくは内部に分散させたシート部材を採用することができる。
また、拡散シート28は、集光シート20によって集光された光の偏光を分離する機能を有していてもよい。
このような偏光分離機能を有する拡散シート28としては、例えば、DBEF(登録商標)(スリーエム社製)に代表されるような、一方の偏光を透過し、もう一方の偏光を反射する反射型偏光分離シートを用いることができる。
反射板5(反射部材)は、導光体7から漏れる光を導光体7側に反射するもので、例えば、白色のポリエチレンテレフタレートフィルムのような反射シートなどによって構成される。本実施形態では、このような反射シートを、光源6の側方および後述する導光体7の光偏向面7aを囲む筐体の内面に配置した構成を採用している。
光源6は、導光体7が等方性光拡散部材8に向けて射出する光を、導光体7の側面から供給するものであり、点状、線状、または面状の光源を採用することができる。
光源6として好適な光源の例としては、例えば、LEDを挙げることができる。
LEDの種類としては、例えば、白色LEDや、光の3原色である赤色、緑色、青色のチップで構成されるRGB−LED等が挙げられる。
または光源6は、冷陰極蛍光管(CCFL)に代表される蛍光管であってもよい。
本実施形態の照明装置3における光源6は、後述する導光体7の互いに対向する2つの端面である光入射面7Lのそれぞれの近傍において複数のものが離間して配置された点状光源を採用している。
各光源6の光軸は、一例として、光入射面7Lに略直交する(直交する場合を含む)方向に配置されている。
導光体7は、光源6から入射された光を導光するとともに、この光を、等方性光拡散部材8に対向する面状領域である射出面7b(第2面)から等方性光拡散部材8に向けて射出する部材である。
本実施形態では、図2(a)に示すように、導光体7は、平面視矩形状の平板部7cの一方の板面に導光された光を内部反射する平面状の光偏向面7a(第1面)が形成され、光偏向面7aの反対側に射出面7bを構成する単位レンズ7dが複数形成されている。
本実施形態では、単位レンズ7dは、光偏向面7aに対向する矩形領域であるレンズ形成面部7b’を覆うように形成されている。
平板部7cの厚さHは、特に限定されないが、例えば、0.3mm以上5mm以下とすることが可能である。
導光体7の側面において互いに対向する一組の側面は、光源6から出射された光を導光体7の内部に入射させる光入射面7Lを構成している。以下では、光入射面7Lが互いに対向する方向をY方向(第1の方向)、光偏向面7aに平行な平面内において、Y方向と直交する方向をX方向(第2の方向)、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向と称する。
このため、Y方向は、光入射面7Lに直角をなして交差する第1の方向になっており、X方向は、Y方向に直交する第2の方向になっている。
本実施形態の光入射面7Lは、X方向に長辺、Z方向に短辺を有する矩形形状を有しており、このため、X方向は、光入射面7Lの長手方向に一致している。
図3に示すように、本実施形態では、単位レンズ7dは、少なくとも頂部7eにおいて外部側に凸のU字状の断面がY方向に延ばされたシリンドリカルレンズ形状を有し、その延在方向と直交する方向(X方向)に隙間なく配列されている。単位レンズ7dは、隣接する単位レンズ7d同士で異なる幅を有する。また、U字状の形状としては、例えば、円弧形状、楕円弧形状、あるいは四次関数で表される形状を採用することができる。
このため、レンズ形成面部7b’は、各単位レンズ7dの底部が整列する仮想的な平面になっており、単位レンズ7dの全体によって覆われている。
この結果、導光体7の射出面7bは、各単位レンズ7dの表面が連なった断面U字状の凹凸面になっている。
各単位レンズ7dは、丸みを帯びた頂部7eとその両側からレンズ形成面部7b’に向かう湾曲側面7fとが滑らかに接続された曲面形状に形成されている。
単位レンズ7dの頂点T1における接線角度は0度であり、頂点T1からレンズ形成面部7b’に至るにつれ、接線角度は次第に大きくなり、単位レンズ7dの端部E1において、接線角度は最大となる。
頂部7eの好ましい形状は、X方向に沿う断面が、円弧の一部または楕円弧の一部となる形状である。
このような単位レンズ7dの断面形状は、単位レンズの底部をなすレンズ形成面部7bにおける端部E1を原点とし、レンズ形成面部7b’に沿う距離をtとしたときの、レンズ形成面部7b’からの高さf(t)で表すことができる。ここで、f(t)は、どちらか一方の側端面7L’に最も近い位置に配列された単位レンズ7dから数えて、k番目の単位レンズ7dの高さを表す。
本実施形態では、f(t)は次式(11)で表される関数である。
Figure 2015069759
ここで、頂部7eにおけるf(t)は、上記式(11)において、係数a0kは正の実数、a1k=−1、a2k=0、r=1/2とした場合は円弧を表す。また、a0k、a1k、a2kは任意の実数、r=1とした場合は四次関数を表す。ここで、Pはk番目の単位レンズ7dの幅である。また、f(t)は楕円弧を表す関数をを採用することもできる。
このような構成により、光偏向面7a側に点光源を設置した場合、点光源から射出された斜め方向の光線Kが単位レンズ7dの表面での屈折により集光されて、Z方向に沿う視覚方向Fへ立ち上げられる。これにより、導光体7の射出面7b側から点光源を観察すると、点光源はY方向に延びる線状光源として視認される。
単位レンズ7dのレンズ形成面部7b’からの高さはh7d、各単位レンズ7dの底面のX方向の幅はP、単位レンズ7dのX方向の配列ピッチはP7dである。
高さh7dの好ましい範囲は、例えば、5μm以上50μm以下である。幅Pの好ましい範囲は、例えば、20μm以上200μm以下である。配列ピッチP7dの好ましい範囲は、例えば、20μm以上200μm以下である。
各単位レンズ7dは、隣接する単位レンズ7dと互いに異なる幅を有しているため、光偏向要素18や、集光シート20に規則的に形成されたプリズム24との干渉によるモアレを低減することができる。モアレをより効果的に低減するためには、単位レンズ7dの幅Pの種類を増やすことが好適である。つまり、配列される各々の単位レンズ7dの幅Pが多様であればあるほど、単位レンズ7dの配列ピッチP7dの規則性が消失するので、光偏向要素18や、集光シート20とのモアレを効果的に低減できる。
導光体7の光偏向面7aには、光源6からの入射光を射出面7b側へと偏向する光偏向要素18が形成されている。
光偏向要素18としては、例えば、印刷によりパターニングされた反射面や、ドット状の構造物の例を挙げることができる。ただし、光偏向要素18が印刷パターンからなる場合には、光入射面7Lから入射した光が印刷パターンで散乱される際に、指向性を持たずに四方八方に散乱されるため、単位レンズ7dにより散乱された光を効果的に集光することができないおそれもある。
このため、光偏向要素18は、ドット状の構造物であることがより好ましい。
光偏向要素18に好適なドット状の構造物としては、光入射面7Lから入射して導光体7内で内部反射して導光される光を、光偏向面7aに対する入射角より小さな角度となる方向に偏向できれば、特に限定されない。例えば凹型のマイクロレンズ形状、または凸型のマイクロレンズ形状や角錐形状、円錐形状等の構造物が挙げられる。この光偏向要素18による射出面7b側への光偏向量は、単位面積当りの光偏向要素18の占める面積が大きいほど多くなる。
ドット状の構造物からなる光偏向要素18は、凸部、凹部のいずれも選択することができ、凸部、凹部を混合して用いることも可能である。
光偏向要素18が光偏向面7aに形成した凹部からなる場合、光入射面7Lから入射した光が、導光体7内では凸面となる光偏向要素18の内面において全反射されて、指向性を持った光が、光偏向面7a側からその上方の射出面7bに向かって進む。このような偏向光は、単位レンズ7dによって、効率的に集光することが可能になる。
本実施形態では、光偏向要素18の一例として、凹型のマイクロレンズを採用している。具体的には、平面視(Z方向視)において長軸がX方向に向けられた楕円の範囲に形成された凹楕円面を採用している。
すなわち、本実施形態の光偏向要素18は、図2(b)、(c)に示すように、平面視の長径はa、短径はa、光偏向面7aからの深さはh18である。長径aの好ましい範囲は、例えば、20μm以上200μm以下である。短径aの好ましい範囲は、例えば、20μm以上200μm以下である。深さh18の好ましい範囲は、例えば、4μm以上30μm以下である。
このような光偏向要素18は、X方向の配置密度が、Y方向の各位置で略均一であり、かつ各光入射面7Lから導光体7のY方向の中心に向かって、Y方向に沿う配置密度が漸次増大するように配置されている。
このため、光偏向要素18の平均的な配置密度は、中心面S7に関して対称になっている。以下では、図2(c)に示すように各光入射面7L間の距離をdyとし、導光体7では、一方の光入射面7LからY方向の中心面S7までの距離dy/2の範囲の第1領域7A、他方の光入射面7Lから中心面S7までの距離dy/2の範囲の第2領域7Bと称する。
図4〜6を参照して、光偏向要素18の配置について第1領域7Aの場合の例で詳細に説明する。
光偏向要素18の配置パターンは、Y方向における複数の領域に分かれて形成されてい
る。図4では一例として、光入射面7L側から順に領域a、b、cの3領域に分割した場合を示している。ただし、領域の分割の仕方は、これに限らず分割数、分割領域の大きさは適宜選択することができる。
領域a、b、cでは、それぞれ、図5に模式的に示すように、光偏向要素18が、X方向にm個、Y方向にn個が配列されている。ただし、m、nの大きさは、各領域によって異なる。
以下では、各領域に共通する配置パターンについて説明し、必要に応じて、異なる点を説明する。その際、各領域a、b、cによって数値が異なることを明記する場合には、例えば、ma、na、mb、nb、mc、ncのように、領域名の添字を付して表す。また、特に断らない限り、他の変数、定数も同様に表す。
光偏向要素18は、X方向には、一直線上に配置されて単位列を構成し、Y方向には、これらの単位列が、間隔を変えて配列されている。領域a、b、cに配置されたna個、nb個、nc個の単位列は、それぞれ単位群を構成している。
各単位群の光偏向要素18を、E(i,j)と表す。ここで、iは、X方向の一端側(図示下端側)から他端側に向かって1番目からm番目まで配列された光偏向要素18に付された整数の符号である。jは、Y方向の光入射面7L側の端部(図示左側)から光入射面7Lと反対側の端部に向かって1番目からn番目まで配列された光偏向要素18に付された整数の符号である。
また、E(i,j)の位置座標を、(xij、yij)と表記する。
各単位列におけるX方向の平均ピッチLxjは、次式(12)に示すように、jによらず、一定の平均ピッチLに等しい。次式(12)の、Δxijは、E(i+1,j)とE(i,j)との隣接間隔(中心間距離)であり、次式(13)で表される。
平均ピッチLは、領域a、b、cごとに異なり、それぞれLxa、Lxb、Lxc(ただし、Lxa>Lxb>Lxc)である。
Figure 2015069759
また、各単位列は、近隣となる2列以上の他の単位列と、X方向の配置位置が互いに異なる。
ここで、「近隣となる2列以上」とは、片側の近隣領域において2列以上を意味する。すなわち、Y方向の両側において2列ずつの単位列が近隣に存在する場合は、少なくとも近隣の4列と配置が異なる。また、Y方向の端部の単位列のように、一方の片側に1列以下の単位列しか存在しない場合には、一方の片側の1列以下と他方の片側の少なくとも2列と配置が異なる。
また、「互いの配置が異なる」とは、単位列内の光偏向要素の位置が全体として異なることを意味する。ここで、「全体として」とは、すべての位置関係が一致しない場合と、一部が一致する場合とを含む。一部が一致する場合には、一致している割合が、単位列を構成する光偏向要素の50%以下であるものとする。
本実施形態では、一例として、高い確率で、すべてのjについて単位列の配置位置が互いに異なるようにしている。このような配置を実現するために、本実施形態では、各単位列における光偏向要素18のX方向の位置を隣接間隔ΔxijがX方向に変化するように設定している。
本実施形態における隣接間隔ΔxijのX方向の変化は、次式(14)、(15)を満足する。
Figure 2015069759
ここで、CVは、上記式(15)で定義されるように、各単位列における隣接間隔Δxijの標準偏差をその平均値Lxj(=L)で割ったものであり、隣接間隔Δxijの変動係数になっている。
正規分布では平均値の±3σの範囲に全体の約99.7%が含まれるため、上記式(14)は、Δxijの分布が正規分布の場合、その約99.7%が、平均ピッチL以下であることを意味する。
したがって、上記式(14)には、隣接する光偏向要素18が互いに重なる場合を含んでいる。しかし、光偏向要素18によってより効率的に光を偏向するには、光偏向要素18同士に重なりが生じないことが好ましい。
このため、このような重なりが生じる確率を低減するため、CVは、さらに、1/8以下、1/10以下等であることがより好ましい。
また、重なりを確実に防止するためには、上記式(14)、(15)に加えて,さらに、次式(16)を満足することがより好ましい。
Figure 2015069759
このような範囲で変化するΔxijは、近隣となる2列以上において互いの配置が異なっていれば、規則的に変化していてもよいし、規則性を有しないように変化していてもよい。規則性を有しない場合には、ランダムに変化していてもよいし、特定の確率密度分布に基づく変化をしていてもよい。
単位列の間のY方向の隣接間隔(中心間距離)Δyを次式(17)で表すと、単位群内において、Δyは、jが増大するにつれて減少している。これにより、光偏向要素18の配置密度(以下、単に、密度)Dは、単位群内においてY方向では、光入射面7Lから離れるにつれて単調増加する関数になっている。
ここで、密度Dは、光偏向面7aに占める単位面積当たりの光偏向要素18の投影面積の比である。
Figure 2015069759
ここで、密度Dの変化は、導光体7から射出される輝度分布を略均一化(均一である場合を含む)できるように設定され、本実施形態では、図4のグラフに示すように、領域a、b、cの全体を通して、光入射面7Lから離れるにつれて増加する単調増加関数(曲線100参照)を採用している。
ここで略均一という場合、輝度ムラが、導光体7の全体に均一に分布していてもよいし、輝度ムラが傾向を有する分布を有していてよい。
例えば、液晶表示装置1のような用途では、表示品質上、画面の周辺部に比べて画面の中心部の輝度が高い方が好ましいため、光入射面7Lの近傍よりも、中心面S7の近傍の方が高輝度になる分布になっていることがより好ましい。
密度Dの変化は、光入射面7LのY方向の座標値をY=0、中心面S7における座標値をY=dy/2としたとき、一例としては、Y=0で最低の密度D0であり、y座標が増大するにつれて略直線的に増加し、Y=0.6・dy/2からy=dy/2に到るまでの間で、急峻に増大し、Y=dy/2において、最大密度Dmax=10・D0になっているような変化を採用することができる。
なお、密度Dは、光偏向要素18の平均ピッチLが単位群ごとに一定であるため、図3に直線101として模式的に示すように、X方向には、略一定(一定の場合を含む)である。
密度Dが小さいと、光入射面7Lから入射した光が視覚方向Fに沿う方向に偏向される量が少なくなり、射出面7bから射出される光の輝度が低下する。
このため、密度D0は、0.01以上であることが必要である。
密度Dが0.01未満の場合、例えば、厚み3mmで40インチサイズ(500mm×900mm)の導光体7において、光入射面7L近傍の輝度低下率が30%以上と非常に大きくなる。
ここで定義している輝度低下率とは、導光体7の面内での輝度の最大値に対する低下率を指す。
輝度低下率が30%以上の場合、照明装置3を拡散シート28側から眺めたときに、光入射面7L付近と中央部での輝度差がはっきりと目で視認されるようになるため、液晶表示装置1の品質的な問題が生じる。導光体7の光入射面7L近傍の輝度低下が視認できないようにするためにも、密度Dは0.01以上とすることが求められる。
このような、密度Dの変化として好適な関数としては、光入射面7Lを原点とするY方向の位置座標をyとして、次式(18)に示す指数関数の例を挙げることができる。式(17)の係数Bで密度Dの位置座標yに対する変化率が決定される。
Figure 2015069759
このような配置が可能となるのは、単位群内のX方向の平均ピッチLxa、Lxb、Lxcを異なる大きさとするとともに、この順に減少するようにしているためである。
本実施形態では、さらに、光入射面7Lに面する領域aに関しては、次式(1)〜(9)を満足している。ここで、隔列隣接間隔Lは、Y方向の互いに隣り合う隣接間隔の和のすべてである。すなわち、Lは、Δy+Δy,Δy+Δy,…,Δyn−1+Δyである。
また、Nは導光体7の屈折率である。SはZ方向から見た時の光偏向要素18の面積である。αは等方性光拡散部材8に垂直な方向にコリメート光を入射したときの射出光の角度分布において射出光の強度が最大強度の1/10になる角度(後述する「散乱角」)である。
Figure 2015069759
次に、このように光偏向要素18を配置するための方法の一例について説明する。
本実施形態では、光偏向要素18の密度Dが、上記式(18)を満足するとともに、領域aでは、上記式(1)〜(9)を満足するように、光偏向要素18の規則的な基準配列域を決定する。
次に、この基準配列域の中心位置から、各光偏向要素18をX方向にランダムにずらすことにより、最終的な光偏向要素18の配列を決定する。
光偏向要素18の単位群内における基準配列域e(i,j)を、図5に破線で示す。
基準配列域e(i,j)は、E(i,j)と同様、m個のものがX方向に沿う単位列を形成し、この単位列が、Y方向に隣接間隔Δyで、n列配列される。
e(i,j)の位置座標は、(Xij,Yij)と表記する。
e(i,j)は、X方向には、光偏向要素18のX方向の平均ピッチLに等しい一定ピッチで等間隔に配列されている。
また、Y方向に隣り合う単位列同士は、X方向において、交互に平均ピッチLの1/2だけずらして配列されている。このため、基準配列域e(i,j)は、Y方向に沿って一列おきにX方向の位置が整列している。また、1つの基準配列域e(i,j)の周囲に
は、他の6つのe(i,j)と隣接して配置されている。
ここで、平均ピッチLは、上記と同様、領域a、b、cでは、それぞれ互いに異なるLxa、Lxb、Lxc(ただし、Lxa>Lxb>Lxc)である。
すなわち、平均ピッチLは、領域a、b、cの境界では不連続に変化するとともに、光入射面7Lから離間するにつれて減少する。
このため、例えば、領域a、bの境界において、基準配列域の密度Dを等しくするには、図6に示すように、X方向の隣接間隔が、Lxa>Lxbの関係にあるため、Y方向の隣接間隔であるΔyna、Δy1bをΔyna<Δy1bのような大小関係の適宜値に設定すればよい。
次に、E(i,j)の位置座標(xij、yij)を、次式(19)〜(23)によって設定する。
Figure 2015069759
ここで、係数kは、光偏向要素E(i,j)の基準配列域e(i,j)に対するX方向のズレ幅の最大値を規定する定数であり、0より大きく1未満の適宜値を採用することができる。
Rn(i,j)は、0以上1以下の数値範囲からランダムに選ばれた数値を発生するランダム関数である。このため、xijのXijからのズレ量がランダムに変化する。したがって、隣接間隔Δxijもランダムに変化する。
δ(j)は、上記式(23)に示すように、jが偶数の場合に1、奇数の場合に0となる関数である。
は、単位群において最も光入射面7L寄りの単位列のY方向の座標値であり、領域ごとに、Y1a、Y1b、Y1cの値を取る。
上記式(19)においてkが0になると、すべての光偏向要素E(i,j)が基準配列域e(i,j)と同様の規則的な配置になる。しかし、kは0より大きいため、kの大きさに応じて、規則性が低減し、隣接間隔Δxijは、一定のバラツキが生じる。
上記式(19)においてkが1以上になると、光偏向要素E(i,j)がX方向にずれて、隣接する光偏向要素E(i−1,j)またはE(i+1,j)と接したり、重なり合ったりする。しかし、kは1未満のため、隣接する光偏向要素E(i−1,j)およびE(i+1,j)との間には、確実に隙間が形成される。
このため、光偏向要素E(i,j)におけるX方向の隣接間隔Δxijは、上記式(14)を満足するバラツキを示す。
また、隣接間隔Δxijは、上記式(16)の範囲にあることが分かる。
kの値は小さいほど光偏向要素E(i,j)の配置の規則性が強くなるため、後述するモアレ抑制の効果が少なくなる。
また、kの値は大きいほど光偏向要素E(i,j)と、隣接する光偏向要素E(i−1,j)またはE(i+1,j)との間の距離のバラツキが大きくなり、偏向光のムラが生じやすくなる。
このため、kの範囲は、より狭いことが好ましく、例えば、下限値としては、0.2、0.4などがより好ましく、上限値としては、0.4、0.6などがより好ましい。
このように配置された光偏向要素E(i,j)の密度Dについて説明する。
図5に示すように、基準配列域e(i,j)は、規則的に配置されているため、その密度Deは、正確に算出できる。光偏向要素E(i,j)の密度Dの設計値についても同様に算出することができる。
また、適宜の大きさの測定エリアの面積をR、その内側に含まれる基準配列域e(i,
j)の面積をSaとすれば、面積Saを実測することにより、De=Sa/Rとして求めることができる。
例えば、e(i,j)の密度Deを求める算出エリアCは、例えば、図6に二点鎖線で示すように、X方向においてはL、Y方向においては隔列隣接間隔Lの大きさを有する長方形を採用することにより、この長方形にe(i,j)が2個含まれていることから、密度Deを算出することができる。
これに対して、光偏向要素E(i,j)は、X方向の配置位置が場所により変化する。このため、光偏向要素E(i,j)の密度Dを実測する場合には、例えば、このような算出エリアCを測定エリアとして、方向に測定位置を変えて繰り返し、その平均を取る。
本実施形態では、光偏向要素E(i,j)のX方向の位置は、基準配列域e(i,j)の位置からランダムにずらされているため、十分な数の測定を行えば、密度Dの平均値は基準配列域e(i,j)の密度Deに一致する。
以上、導光体7の構成について、第1領域7Aの場合の例で説明した。これと対称に配置された第2領域7Bの構成は、配置位置の相違を除いて同様であるため、詳しい説明は省略する。
このような構成の導光体7に好適な透光性材料の例としては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)に代表されるアクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)樹脂、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)樹脂等の透明樹脂を挙げることができる。
導光体7の製造方法としては、上記のような樹脂を用いて、押出成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって、光偏向要素18、及び単位レンズ7dを一体で成形することが可能である。または、上述した製法で板状部材を成形した後、光偏向要素18、および単位レンズ7dを、例えば、印刷法や、UV硬化樹脂、放射線硬化樹脂などを用いて形成することにより、導光体7を製造することも可能である。
導光体7は、上述した製法のうち、特に押出成形法を用いて、光偏向要素18と単位レンズ7dとを一体に成形することが望ましい。この場合、導光体7を作製するための工程数が減り、またロール・トゥ・ロールでの成形であるため、量産性を高めることができる。
次に、このような構成の本実施形態の液晶表示装置1、照明装置3の作用について、導光体7の作用を中心として説明する。
図7(a)は、本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体における光の伝播の様子を示す模式的に平面図である。図7(b)は、図7(a)におけるC視の模式図である。図8(a)は、単位レンズを有しない第1比較例の導光体における光の伝播の様子を示す模式的に平面図である。図8(b)は、図8(a)におけるD視の模式図である。図9(a)は、本発明の実施形態の照明装置に用いる導光体における平面視の輝度分布を示す模式図である。図9(b)は、単位レンズを有しない第1比較例の導光体における輝度分布を示す模式図である。
図7(a)、(b)に示すように、各光源6が点灯されると、光源6からの光は、拡散しつつ前方の光入射面7Lに入射する。
光入射面7Lに入射した光は、光偏向面7aと射出面7bとの間で反射を繰り返しながら中心面S7に向かって導光される。このとき、光偏向面7aによってX方向に広がる方向に反射される光は、図7(b)に示すように、単位レンズ7dにおける凸面(内面側からは凹面)に内部反射してX方向に位置を変えながら導光される。ところが、単位レンズ7dは外側に凸のU字状の断面を有するため、入射光が集光されて単位レンズ7dの下方
の光偏向面7aに向けて反射される。このため、図7(a)に示すように、単位レンズ7dの内部反射による反射光はX方向にあまり広がらずに、単位レンズ7dの延在方向であるY方向に沿って導光される。
このように、本実施形態では、射出面7bが単位レンズ7dで構成されるため、光源6から入射した光は、光源6の前方に位置する単位レンズ7dによって、その延在方向に沿って導光される。
図7(b)には、1個の光源6のみが記載されているが、光源6は、X方向に沿って複数配置されているため、その他の光源6からの光も同様にして中心面S7に向かって同様に導光される。
これに対して、図8(a)、(b)に示す第1比較例のように、本実施形態の導光体7から単位レンズ7dを削除した導光体70の場合、射出面70bは、光偏向面7aと平行な平面である。
このため、光源6から光偏向面7aおよび射出面70bに向かって斜め方向に放射される光は、図8(b)に示すように、内部反射してX方向に導光される。
平面視では、図8(a)に示すように、光源6から拡散する光束が、集光されることなく扇形に広がった状態で中心面S7に向かって導光される。
このように、第1比較例の導光体70では、光源6からの光がX方向の左右に拡散して導光されていくため、光源6の前方に進む光の輝度が、光入射面7Lから離れるにつれて低下していく。
したがって、導光体7によって導光される場合の光の輝度は、このような第1比較例に比べると、光入射面7Lから離れた位置でも、X方向への拡散が抑制されているため輝度低下が格段に少ない。
以上、導光体7内の導光経路について、1つの光源6から光入射面7Lに入射する場合の例で説明した。液晶表示装置1では、このような光源6が光入射面7Lの延在方向に沿って複数配置されているため、導光体7全体としては、各光源6からの光を重ね合わせた輝度分布になる。
導光体7では、光源6からの入射光は、上述のように光源6の前方の狭い範囲に導光されていく。このため、図9(a)に示すように、各光源6から入射した光を重ね合わせても輝度ムラは発生せず、後述する光偏向要素18の作用と相俟って、略均一な輝度分布が得られる。
一方、第1比較例の導光体70では、光源6からの入射光は、上述のように光源6の前方に扇形に広がって伝播する。このため、導光体7と同様の光偏向要素18を備えていたとしても、図9(b)に示すように、X方向の両端部において、光入射面7Lから中心面S7に向かって広がる三角形状の暗部Shが発生する。
次に、光偏向要素18の作用について説明する。
図10(a)は、単位レンズを通して見た光偏向要素の像の一例を示す模式図である。図10(b)は、単位レンズおよび等方性光拡散部材を通して見た光偏向要素の像の一例を示す模式図である。図11(a)は、等方性光拡散部材における光散乱の様子を表す模式的な斜視図である。図11(b)は、等方性光拡散部材による散乱光の光強度の角度分布を表す模式的なグラフである。図11(b)において、横軸は角度(deg)、縦軸はピーク強度で無次元化された光強度(%)である。図12は、本発明の実施形態に用いる導光体および等方性光拡散部材のX方向に沿う断面の模式的な光路図である。図13は、本発明の実施形態に用いる導光体および等方性光拡散部材のY方向に沿う断面の模式的な光路図である。図14(a)、(b)は、光偏向要素の隣接間隔が広すぎる場合の単位レンズおよび等方性光拡散部材を通して見た光偏向要素の像の一例を示す模式図である。図15は、平均ピッチLおよび隔列隣接間隔Lの好適な範囲を示すグラフである。図15の横軸は平均ピッチL、縦軸は隔列隣接間隔Lを表す。
導光体7には、光偏向面7aには、微小な光偏向要素18が多数形成されているため、光偏向要素18に到達した光は、光偏向要素18の面形状に応じて偏向される。具体的には、光偏向要素18によって散乱されるため、光偏向要素18の直上の射出面7bに向かって偏向される成分が増える。このため、各光偏向要素18は、光偏向面7a上に点状の光源が配置されているのと同等の効果がある。
図3に示すように、光偏向要素18による偏向成分は、光偏向面7aで全反射されて導光される反射光に比べると、射出面7bにおける入射角が小さくなるため、射出面7bを透過して外部に射出される。このとき、射出光は、単位レンズ7dのレンズ作用により集光されるため、X方向の広がりが抑制された光束として視覚方向Fに沿って射出される(図3における光線K参照)。
したがって、導光体7を射出面7b側から観察すると、光偏向要素18による偏向成分により、光偏向要素18の位置に線状光源が配置されているように視認される。
すなわち、導光体7を、単位レンズ7dを通して、射出面7b側から観察すると、図10(a)に実線で示すように光偏向要素18がX方向に線状に広がって見える。ただし、図10(a)は模式図のため、光偏向要素18はX方向にピッチPで、Y方向に隔列隣接間隔Pで繰り返し配列される場合を図示している。
実際には、導光体7の光偏向要素18はX方向にランダムに配置されるため、線状に広がった光偏向要素18の像もX方向にランダムにずれる。
射出面7bから射出された光は、等方性光拡散部材8に入射して等方的に拡散される。これにより、光偏向要素18の配置位置に応じた輝度分布のムラが均されるとともに、偏向光による光偏向要素18の像も、X方向およびY方向に広がって、ぼけた状態になる。
等方性光拡散部材8を透過した光は、集光シート20に入射することにより、視覚方向Fに向けて集光される。
集光シート20から出射された光は、拡散シート28に入射して拡散され、集光シート20の集光方向に起因する輝度ムラが均される。
このようにして、拡散シート28からは、輝度ムラが抑制された光が出射され、画像表示素子2が偏光板10の側から照明される。
この状態で、画像表示素子2が画像信号に応じて駆動されると、画像信号に応じた画像や映像が、画像表示素子2に表示され、外部から画像や映像を観察することが可能となる。
図10(b)に、等方性光拡散部材8を通して導光体7を観察した場合の光偏向要素18の像の見え方を模式的に示す。図10(b)に示すように、光偏向要素18の像は、等方性光拡散部材8によって、Y方向にも広がるため、X方向およびY方向に互いに重なった面状の光源のように視認される。これにより、光偏向要素18の点状の像や、光偏向要素18がX方向に連なった線状の像も視認されなくなる。
このような像の広がりを、光偏向要素18の中心からのX方向の距離である半幅G、同じくY方向の距離である半幅Gで表す。また、半幅G、Gの大きさは、以下のような手順で求められる。
図11(a)は、等方性光拡散部材8に、等方性光拡散部材8の法線方向qに沿ってコリメート光Gを入射した時の、散乱光25aを模式的に示している。また、図11(b)のグラフには、散乱光25aの角度分布25bを表している。このグラフの横軸の「角度」は、法線方向qに対してなす角度である。
等方性光拡散部材8は、コリメート光Gを等方的に散乱するため、法線方向qを含むいずれの断面の角度分布25bも同一の分布形状となる。図11(b)中の角度αは、散乱光が最大値の1/10になるような角度である。以下、角度αを「散乱角」と呼ぶ。
以下の説明では、等方性光拡散部材8にコリメート光Gを入射したときに、散乱角α以
内に散乱された光のみを考慮する。散乱角αを越えて散乱される光は、強度が微弱であり光偏向要素18の像の広がりへの影響は無視できるからである。
また、等方性光拡散部材8に散乱角αを越える入射角で入射する光も、散乱角の範囲に射出される割合が少なくなるため、光偏向要素18の像の広がりへの影響を無視できる光になる。
このため、光偏向要素18のX方向の像の広がりの半幅Gを求めるには、等方性光拡散部材8に光偏向要素18からX方向に離間する方向に偏向されて等方性光拡散部材8に入射角の大きさが散乱角に等しい角度αになる光線の光路を考察すればよい。
図12に、X方向に沿う断面において、導光体7から等方性光拡散部材8の法線に対して角度αだけ傾いた光が射出する場合の、導光体7中の光線の経路を示す。なお、図12では、分かりやすくするため、k番目の単位レンズ7dを1つだけ描いているが、実際には複数の単位レンズ7dが存在する。また、単位レンズ7dの縮尺を実際よりも大幅に拡大して描いている。
図12に示すθは、k番目の単位レンズ7d上において単位レンズ7dの端部近傍の点Qにおける平均傾斜角を表す。具体的には点Qは、単位レンズ7dの端部から、単位レンズ7dのX方向の幅Pの1/10だけ内側に入り込んだ点である。このため、角度θは、上記式(6)のように表される。単位レンズ7dの平均傾斜角θを、全ての(M本分の)単位レンズ7dで平均化したものが、式(5)で表される。
ここで、点Qをこのような単位レンズ7dの端部からX方向にP/10だけ内側の位置に選んでいる理由は、単位レンズ7dに入射する全光量をIとすると、単位レンズ7dの端部近傍で立ち上げられる光量が少なくとも(1/10)×I程度あれば、端部近傍で立ち上げられた光による光偏向要素18の広がりを目視することが可能だからである。
また、図12において、直線u1は点Qにおける単位レンズ7dの接線を、直線u2は点Qを通る単位レンズ7dの法線を、直線u3は点Qを通る光偏向面7aの法線をそれぞれ表す。
角度βは、光偏向要素18のX方向の端部で偏向されて点Qに到る光線K1と直線u2とのなす角であり、点Qにおける光線K1の入射角を表す。
点Qで屈折された光線K1aが直線u3とのなす角をαとすると、光線K1aの出射角は、θ−αである。スネルの法則より、αとβの間には、上記式(3)が成り立つ。また、光線Kと直線u3とのなす角は、θ−βとなる。
したがって、光偏向要素18から光偏向面7aの法線方向に対して角度(θ−β)をなして単位レンズ7dに入射する光線K1は、単位レンズ7dの端部近傍の領域で立ち上げられ、射出光K1aとして射出面7bから射出される。このため、射出光K1aは、等方性光拡散部材8に入射角αで入射し、等方性光拡散部材8によって等方的に拡散されて、散乱光K1bが射出され、この一部の光が視覚方向Fへ向かう。
前述したように、等方性光拡散部材8にコリメート光Gを入射したときの散乱角がαであるため、このような等方性光拡散部材8に斜め方向から光線K1aを入射させた場合、入射角がα以下であれば、視覚方向Fへ十分な量の光を散乱させることが可能である。ここでの「十分な量の光」とは、射出光が目で視認できるような最低限の光量という意味である。そのため、視覚方向Fから等方性光拡散部材8を眺めると、光線K1aによる散乱光K1bを目視することができる。
光偏向要素18を、導光体7に等方性光拡散部材8を載せて視覚方向Fから眺めた場合、個々の光偏向要素18は、図10(b)に示されるように、X方向とY方向とに伸びた像として観察される。X方向への伸び量は、単位レンズ7dによる光立ち上げ効果により、Y方向よりも大きくなる。
ここで、光偏向要素18の像の半幅Gは、図12に両矢印で示した長さに略等しい。すなわち、半幅Gは、点Qから光偏向面7aに下ろした垂線の足と光偏向要素18の中
心とのX方向における距離に略等しい。
正確には、図12に示すような導光体7と等方性光拡散部材8とがZ方向の距離が離れている場合には、この距離に応じた広がりも考慮する必要があるが、本実施形態の照明装置3の場合は、導光体7と等方性光拡散部材8とは接している。このため、Z方向の距離による像の広がりは微小になり無視することができる。また、本実施形態では、Hが0.3mm〜5mm程度であるのに対して、点Qのレンズ形成面部7b’から高さは、20μm程度と微小であるため、点Qの高さは無視することができる。
例えば、テレビに用いられる照明装置3において、導光体7の厚みは、およそ3mm〜4mm程度とする必要があるが、この場合、単位レンズ7dの高さは数十μm〜百μm程度でよいため、テレビ用の照明装置3においても上記式(1)は有効である。
また、例えば、ノートPCやタブレットPC向けのモニタ等の用途によっては、導光体7の厚みを1mm以下に設計する必要がある場合がある。この場合においても、単位レンズ7dの高さは導光体7の厚みと比べて十分小さく設計される。例えば、導光体7の厚みが0.5mmであれば、単位レンズ7dの高さは数μm〜30μm程度とするのが好ましい。よって、この場合にも単位レンズ7dの高さは微小量として無視できる。
すると、図12より、半幅Gは、上記式(1)のように求められる。ここで、式(1)では、半幅Gがθではなくθの関数として表記している。図12によると、Gの大きさはθに依存する関数として求められるが、単位レンズ7dの大きさは導光体7の厚みと比較して十分小さいため、式(1)では、図12のθを、M本の単位レンズ7dで平均化した角度θで置き換えて表記している。単位レンズ7dで立ち上げられる光は、多数のレンズで立ち上げられる光が混合しているので、複数の単位レンズ7dで平均化した角度θで置き換えて半幅Gを計算しても問題ない。
図13に、Y方向に沿う断面において、導光体7から等方性光拡散部材8の法線に対して角度αだけ傾いた光が射出する場合の、導光体7中の光線の経路を示す。なお、図13も図12と同様に誇張して描かれている。
光偏向要素18のY方向の端部で偏向されて点Qに到達する光線K2は、直線u3と角度γをなす場合に、射出光K2aとして、直線u3と角度αをなす方向に射出される。この射出光K2aとして、等方性光拡散部材8に入射角αで入射するものとする。
Y方向に沿う断面では、単位レンズ7dによる凹凸構造が存在しないので、光線K2と直線u3とのなす角γは、屈折率Nの媒質から屈折率1の空気中に光が射出する場合のスネルの法則に従う。このため、上記式(4)が成り立つ。
等方性光拡散部材8に入射した射出光K2aは、散乱角αの範囲内で散乱光K1bとして、等方性光拡散部材8から射出され、この一部の光が視覚方向Fへ向かう。
上記と同様、単位レンズ7dと等方性光拡散部材8との距離は無視できるため、半幅Gは、図13の両矢印で示した長さに略等しい。すなわち、半幅Gは、点Qから光偏向面7aに下ろした垂線の足と光偏向要素18の中心とY方向における距離に略等しい。
また、同様に、点Qのレンズ形成面部7b’からの高さは無視できるため、図13より、半幅Gは上記式(2)のように求められる。
次に、このような半幅G、Gから、光偏向要素18が視認されないようなピッチP、隔列隣接間隔Pの範囲を求める。
図14(a)、(b)には、ピッチP、隔列隣接間隔Pが広すぎる場合に、等方性光拡散部材8を通して視覚方向Fから眺めたときの光偏向要素18の像を表す。ただし、図14(a)、(b)は図10(b)と同様、光偏向要素18の位置がX方向に変化することおよび隔列隣接間隔がY方向に変化することは無視し、光偏向要素18がX方向にピッチPで、Y方向に隔列隣接間隔Pで繰り返し配列されるものとして描いている。
ピッチP、隔列隣接間隔Pが広すぎる場合、例えば、図14(a)に示すように、単位列の隣接間隔P/2が、半幅Gの2倍に比べて広すぎる場合、光偏向要素18の
像がX方向に沿って全く重ならない帯状領域Dx(斜線部)が存在し、この帯状領域Dxが暗部として観察される。逆に、光偏向要素18が近接して並ぶ領域(斜線部以外)は、明部として観察され、全体的に明暗の縞模様が視認される。
また、例えば、図14(b)に示すように、単位列内のピッチPが、半幅Gの4倍に比べて広すぎる場合、光偏向要素18の像がY方向に沿って全く重ならない帯状領域Dy(斜線部)が存在し、この帯状領域Dyが暗部として観察される。逆に、光偏向要素18が近接して並ぶ領域(斜線部以外)は、明部として観察され、全体的に明暗の縞模様が視認される。
このような明暗の縞模様は、液晶表示装置1の品位を低下させるため好ましくない。
本実施形態では、光偏向要素18は、X方向では、上記式(19)によって、隣接間隔がLを中心にランダムに変動するように配置される。このため、帯状領域Dyの幅は、場所によりランダムに変化する。これらの変化は、平均化するとゼロになるため、帯状領域Dyの平均的な幅は、図14(b)で説明したような規則的な配列における帯状領域Dyと等しくなる。
この規則的は配列における帯状領域Dyの幅は、(P−4G)/2で与えられる。
また、同様に、Y方向における帯状領域Dxの幅は、(P−4G)/2で与えられる。
したがって、暗部の領域Dx、Dyが発生しないP、Pの条件式は、それぞれ、P≦4G、P≦4Gで与えられる。
加えて、P、Pは、光偏向要素18同士が重なり合わないための条件として、P≧2a、P≧2aを満たす必要がある。
以上は、規則的な配列を用いた考察であるが、本実施形態では、光偏向要素18の位置を、X方向には、上記のような規則的な配列に相当する基準配列域からランダムにずらして配置し、Y方向には、単位列の位置を漸次変化させるため、上記、P、Pを、それぞれL、Lに置き換えることで、平均的には、規則的な配置の場合と同様な効果が得られる。
このようにして、光偏向要素18の配列に起因する帯状領域Dx、Dyが平均的に視認されず、さらに、平均的に光偏向要素18が互いに重なり合わないためのL、Lの条件が、上記式(7)、(8)として得られる。
本実施形態では、上記式(7)、(8)は、領域aにおいて満足するため、式(7)、(8)におけるL、LはそれぞれLxa、Lyaを意味する。
、Lが上記式(7)、(8)の範囲内にある場合でも、導光体7の射出光の輝度均一性の観点から問題が生じる場合がありうる。上述のように、密度Dが0.01を下回ると、輝度が低下して、液晶表示装置1の表示品位を著しく悪化させるおそれがある。
光偏向要素18を光偏向面7a側から眺めたときの面積をSとしたとき、X方向の長さがL、Y方向の長さがLの長方形の領域(図6の算出エリアC)に含まれる基準配置域の平均個数は、2個である。このため、密度Dの平均値は、単位群ごとに、2・S/(L・L)と求められる。このため、L、Lは、上記式(9)を満足する必要がある。
例えば、本実施形態の場合のように、光偏向要素18の平面視(Z方向視)形状が楕円の場合、上記式(9)は、楕円の面積の公式(円周率×長軸半径×短軸半径)より、次式(24)と同等である。
Figure 2015069759
したがって、以上の結果、照明装置3において光偏向要素18が視認されず、かつ、許容範囲に輝度低下を抑制できる平均ピッチLと隔列隣接間隔Lとが満たすべき条件は
、上記式(7)〜(9)をすべて満たす場合である。これは、横軸をL、縦軸をLとした座標系で示すと、図15の斜線領域で規定される範囲である。
次に、光偏向要素18の他の作用について説明する。
図16は、光偏向要素の配置パターンの第2比較例を示す模式図である。図17は、光偏向要素の配置パターンの第3比較例を示す模式図である。
導光体7では、第1領域7A、第2領域7Bのそれぞれにおいて、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから中心面S7に向かって単調増加している。
このため、光偏向要素18による視覚方向Fへの偏向成分は、密度Dに比例して増大する。
したがって、導光体7内のY方向への伝播の際の輝度低下分を相殺するように、光偏向要素18の密度Dを増大させることにより、射出面7bにおける射出光のY方向における輝度分布を均一化することができる。
また、X方向では、光偏向要素18の配置位置が互いに隣り合う他の光偏向要素18と隙間をあけた状態でランダムに配置位置が変化しているものの、図4における直線101に示すように、平均的にはX方向に略均一な密度で配置されているため、X方向の輝度ムラが抑制されている。
本実施形態の導光体7では、このような密度Dの配置を実現するために、第1領域7A、第2領域7BをそれぞれY方向において、例えば、領域a、b、cに応じて、光偏向要素18を、複数の単位群に分割し、単位群ごとに、X方向の平均ピッチをLxa、Lxb、Lxcのように変更している。これにより、各単位群内における各単位列のY方向の隣接間隔を光入射面7L側から中心面S7側に向かって漸減させる構成とし、かつ、単位群の境界における、X方向の平均ピッチと、Y方向の隣接間隔とが、不連続に変化する構成としている。
このように、X方向の隣接間隔と、Y方向の隣接間隔との組合せにより、単調減少する密度Dを形成しているため、Y方向の輝度分布を略均一化することができるとともに、Y方向における光偏向要素18の粗密の偏りを抑制することができる。これにより、光取り出し効率が向上するとともに、光偏向要素18の粗密の偏りに起因する輝度ムラを抑制することが可能となる。
これらの点について、導光体7の第2比較例、第3比較例を参照して説明する。
図16に示す第2比較例の導光体71は、導光体7の第1領域7A、第2領域7Bをそれぞれ、領域aと同様の単位群を構成するように、光偏向要素18を配置した場合の例である。
このため、各単位列において、X方向の平均ピッチはLxaとし、Y方向の単位列の列数はnaよりも大きいNaである。単位列のY方向の隣接間隔は、Δy1a、…、ΔyNaのような減少数列である。
このような配置では、中心面S7の近傍で光偏向要素18の密度Dを急峻に増加させるには、単位列の隣接間隔Δyjaを狭める必要がある。しかし、隣接間隔Δyjaを0に近付けても、X方向に隙間があるため、一定の限度以上には、密度Dを増加させることができない。このため、例えば、図16のグラフに曲線102として示すように、密度Dの最大値Dmax’をあまり大きくすることができない。
これにより、中心面S7の近傍において、光偏向要素18による視覚方向Fへの偏向成分が減少し、射出面7bからの射出光の輝度が低下してしまうため、本実施形態の導光体7に比べるとY方向の輝度分布の均一性が格段に低下する。
また、光偏向要素18によって偏向されなかった光は、そのまま導光体71内に導光されるため、例えば、反対側の光入射面7Lから多くの光が漏れ出て、射出面7bから取り出すことができない。したがって高輝度な照明装置3を得ることができない。
図17に示す第3比較例の導光体72は、導光体7の第1領域7A、第2領域7Bがそれぞれ1つの領域dとして1つの単位群が構成されるように光偏向要素18を配置した場合の例である。
ただし、第2比較例の導光体71とは異なり、X方向の平均ピッチLxd(ただし、Lxd<Lxa)は、中心面S7の近傍の光偏向要素18の密度Dが必要な最大密度Dmaxとなるように設定している。また、これに応じて、Y方向の単位列の列数をMdとし、単位列のY方向の隣接間隔は、Δy1d、…、ΔyMdのような単調減少数列としている。
ここで、Lxd<Lxaであるため、光入射面7Lの近傍のY方向の隣接間隔は、例えば、Δy1d>Δy1a等のように、対応する導光体7における隣接間隔よりも広げる必要がある。
このような配列によれば、密度Dの変化は、導光体7の場合と同等になる。このため、視覚方向Fへの偏向光の輝度は、中心面S7の近傍でも高輝度が保たれ、反対側の光入射面7Lから漏れ出る光も少なくなるため、全体として高輝度の照明装置3が得られる。
しかし、各単位列の平均ピッチLxdが小さいため、単位列が線状になって視認されやすくなる。特に光入射面7Lの近傍では、X方向の隣接間隔が詰まるとともにY方向の隣接間隔は逆に広がる結果、Y方向において単位列同士の間に隙間が生じることで、線状光として目立ちやすくなる。つまり、光源の均一性が低下して輝度ムラが生じ、線状に並んだ光源の像が視認されやすくなる。
本実施形態の導光体7の光偏向要素18の配列によれば、上記第2比較例、第3比較例における輝度低下、輝度ムラ、光源の視認性の増大、といった問題が抑制される。
次に、単位群ごとの光偏向要素18の配置の作用について説明する。
単位群内で、光偏向要素18がX方向に規則的に配列される場合、光偏向要素18が、X方向に配列された単位レンズ7dと、X方向およびY方向に一定の画素ピッチで配列された画素を有する画像表示素子2とに重なっているため、ピッチの周期的なずれによって、モアレが視認される場合がある。このようなモアレは、照明装置や液晶表示装置の照明品質、表示品質を損なうことになる。
本実施形態の照明装置3、液晶表示装置1では、本実施形態の導光体7を用いるため、X方向において、光偏向要素18の隣接間隔が不規則に変化しているため、モアレの要因となる隣接間隔の規則性を有していない。このため、モアレが抑制される。また、導光体7では、Y方向にも、隣接間隔が変化しているため、画像表示素子2の画素との間にもモアレは発生しない。
さらには、本実施形態の導光体7に形成される単位レンズ7dは、隣接する単位レンズ7dの幅が異なるように配置されるため、単位レンズ7dを規則的に配置した場合とくらべて光偏向要素18とのモアレが発生しにくい。また、集光シート20に規則的なピッチで形成されたプリズム24との干渉によるモアレも抑制されるため、照明装置や液晶表示装置の表示品位を向上できる。
このように、本実施形態の液晶表示装置1、照明装置3では、Y方向には光入射面7Lから離間するにつれて密度Dが増加するように、複数の単位群に分けて光偏向要素18を配置し、X方向には平均ピッチLが一定となるように光偏向要素18の隣接間隔を変化させた導光体7を備える。
このため、導光体7により、光源6から入射した光を射出面7bから効率よく取り出して、高輝度の光を出射することができる。また、X方向、Y方向に沿って輝度ムラを抑制することができる。しかも、光偏向要素18の配列が規則性を有さず、単位レンズ7dの幅が隣接する単位レンズ7dと互いに異なるため、光偏向要素の像やモアレを見えにくくすることができる。これにより、液晶表示装置1、照明装置3の表示品質、照明品質を向
上することができる。
また、本実施形態では、特に、光入射面7Lに隣接する領域aにおける光偏向要素18の配置に関して、上記式(1)〜(9)を満足する。
このため、照明装置3を構成する導光体7の光偏向要素18が視認されず、かつ、入射面7L近傍の輝度低下を抑制することができる。
照明装置3を、例えば、液晶ディスプレイ等のバックライトとして適用する場合、ある基準内の面内輝度均一性を保ちながら面中心輝度を高めることが望ましい。
本実施形態の導光体7における光偏向要素18の配置によれば、光入射面7Lに近いほど疎に、光入射面7Lから離れるほど密となる粗密分布を取っており、これにより、照明装置3の面内輝度均一性を犠牲にすることなく、面中心輝度を高めることが可能になっている。
なお、上記実施形態の説明では、照明装置3が液晶表示装置1に用いられた場合の例で説明したが、照明装置3は液晶表示装置1のみに適用されるものではない。例えば、広告看板や案内看板のような液晶表示装置以外の表示装置の照明装置として用いることも可能である。
また、表示装置と組み合わせることも必須ではなく、例えば、単独の照明装置として使用することが可能である。
上記実施形態および変形例の説明では、画像表示素子2と導光体との間に、拡散シート28、集光シート20を有する場合の例で説明したが、これは一例であって、他の構成も可能である。
例えば、等方性光拡散部材8のみによって、必要な拡散性能が得られる場合には、拡散シート28は削除することができる。
また、集光シート20としては、基材23上に一方向に延在するプリズム24が配列された場合の例で説明したが、例えば、図18(a)、(b)に示すようなその他の構成も可能である。
図18(a)、(b)は、本発明の実施形態および第1変形例の照明装置に用いることができる集光シートの変形例を示す部分的な斜視図である。
図18(a)に示す集光シート20Aは、基材23上に、一方向に延在する三角プリズム24aと、これに交差して延ばされた三角プリズム24bとを備える。
図18(b)に示す集光シート20Bは、基材23上に、一方向に延在する断面台形状の台形プリズム24cが設けられ、この台形プリズム24cの頂部に、台形プリズム24cの延在方向と直交する方向に三角形断面を有する小プリズム24dが多数隣接して形成されている。
上記実施形態および変形例の説明では、光偏向要素をX方向およびY方向に規則的な配列を有する基準配列領域からX方向にランダムにずらすことにより不規則に配列した場合の例で説明した。しかし、単位列上でモアレが発生しても、近隣の単位列によるモアレとの連続性が低減されることにより、モアレの視認性も低下する。
したがって、単位列ごとに規則的な配列であっても、これと直交する方向の近隣の単位列の配列が、異なっていれば、モアレを抑制することが可能である。
上記の説明では、光偏向要素を規則的な配列からX方向にランダムにずらすため、Y方向のすべての配置が高い確率で異なるものとなっている場合の例で説明したが、モアレの要因となる部材の繰り返しピッチの大きさなどによっては、少なくとも近隣の両側の2列と異なっていれば、良好にモアレが低減される場合がある。
上記実施形態および変形例の説明では、各単位列の光偏向要素は、X方向に整列しているものとして説明した。これは、光偏向要素は、Y方向には、隣接間隔が変化するため、モアレが発生しにくいためである。
Y方向の隣接間隔の影響により、モアレが目立つような場合には、光偏向要素をY方向に、規則的、または不規則にずらすことによりモアレの低減効果が向上する場合がある。このため、上記の構成において、光偏向要素を基準配列域からずらした構成が可能である。
上記実施形態および変形例の説明では、単位群のすべてにおいて、光偏向要素を基準配列域から一定の分散が得られるようにずらして配列した場合の例で説明したが、モアレの現れ方が場所によって異なる場合には、光偏向要素のずらし方を、単位群内の位置や、単位群同士の間で変更してもよい。具体的には、上記式(18)における係数kを定数ではなく、位置によって値が変わる変数として設定することが可能である。
上記実施形態および変形例の説明では、光偏向面7aに形成された光偏向要素が光入射面7Lから中心面S7までの間に3つの単位群を設けた場合の例で説明したが、dyが短い場合には、単位群が1つの構成とすることも可能である。
上記実施形態および変形例の説明では、導光体が互いに対向する一組の光入射面7Lを有する場合の例であるため、光入射面7Lが対向する方向が第1の方向になっている例で説明した。
しかし、導光体における第1の方向は、光入射面7Lに交差する方向であれば、光を導光させる必要に応じて適宜の方向を採用することができる。すなわち、第1の方向は、光入射面7Lと90°以外で交差する方向とすることが可能である。
上記実施形態および変形例の説明では、光偏向要素の配置のみで、好適な輝度分布を形成する場合の例で説明したが、光偏向要素の配置に加えて、複数の光源6の光量を調整したり、光偏向要素の大きさや形状を変えたりすることも可能である。この場合、より細かく輝度分布を修正することが可能である。
上記に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせを代えたり、削除したりして実施することができる。
次に、上記実施形態の実施例について、比較例とともに説明する。
[実施例1〜7]
実施例1〜7は、上記実施形態の照明装置3、液晶表示装置1である。
下記[表1]に、各実施例、各比較例の条件についてまとめて示す。
Figure 2015069759
各実施例の導光体7は、すべて平板部7cが平面視500mm×900mmの40インチサイズの直方体であり、平板部7cの厚さHは、3mmとした。
光入射面7Lは、導光体7の短辺(500mm側)を構成する2つの側面とした。
光源6は、LEDを採用し、光入射面7Lに面して6.8mmおきに、73個配置した。
光偏向要素18は、平面視形状の長径が、a=200(μm)、短径が、a=100(μm)の楕円形であり、深さが、h18=20(μm)である。光偏向要素18の曲面形状は、長径が290μm、短径が145μmの楕円を長軸周りに回転した回転楕円体の一部からなる形状とした。
光偏向要素18は、光偏向面7aを第1領域7A、第2領域7Bにおいてそれぞれ5つの領域に分け、光入射面7L側から中心面S7に向かって、第1領域7Aでは、領域a、b、c、d、e、第2領域7Bでは、領域a’、b’、c’、d’、e’とした。
領域a、b、c、d、eと、それぞれに対応する領域a’、b’、c’、d’、e’とは、大きさと、領域内の単位群の基準配列域e(i,j)の配置パターンが共通である。ただし、光偏向要素E(i,j)の配置は、上記式(19)に基づいてランダム化されているため、光偏向要素E(i,j)の配置パターンは高い確率で異なっているものの、各単位群の平均ピッチLxa、Lxb、Lxc、Lxd、Lxeと、平均ピッチLxa’、Lxb’、Lxc’、Lxd’、Lxe’とは、それぞれ等しいため、以下、単に、Lxa、Lxb、Lxc、Lxd、Lxeと表記する。
また、隔列隣接間隔Lに関しては、単位群内で変化し、単位群ごとに変化が異なるが、単位群ごとの変化は、領域a、b、c、d、eと、それぞれに対応する領域a’、b’、c’、d’、e’とは共通であり、以下、単に、Lya、Lyb、Lyc、Lyd、Lyeと表記する。
各光偏向要素18の配置位置は、光偏向要素18の密度Dをそれぞれ設定して、上記式(19)〜(23)に基づいて決定した。その際、領域a(a’)では、上記式(1)〜(9)を満足するようにした。
単位レンズ7dは、f(t)で表される断面形状を、[表1]に示すように、円弧、四次関数から選択した。
ここで、「円弧」は、上記式(11)において、a1k=−1、a2k=0、r=1/2とし、係数a0kをそれぞれ後述のように単位レンズ7dの幅に合わせて設定した。
「四次関数」は、上記式(11)において、r=1とし、係数a0k、a1k、a2kを後述のように単位レンズ7dの幅に合わせて設定した。
このような導光体7はアクリル樹脂(PMMA、屈折率1.49)の押し出し成型により、ロール金型に形成した光偏向要素18のパターンと、単位レンズ7dのパターンとをアクリル樹脂表面に転写することにより、一体で作製した。
等方性光拡散部材8は、透明基材の表面に半球状のマイクロレンズが多数配列されたマイクロレンズシートを用い、マイクロレンズシートにコリメート光を入射させたときの散乱角αが15°であるものを使用した。
集光シート20は、基材23上に配列されるプリズム24の延在方向が、導光体7の長辺方向(900mm側)と平行になるように配列されており、その配列ピッチは80μmとした。
拡散シート28は、偏光分離シート(DBEF(登録商標)(スリーエム社製))を使用した。
このような構成の照明装置3の視覚方向F側に画像表示素子2を配置し、液晶表示装置1を作製した。画像表示素子2の画素ピッチは、0.55mm(X方向)×0.45mm(Y方向)とした。
実施例1〜7の各導光体7の違いは、単位レンズ7dの断面形状と光偏向要素18の配置位置との違いである。
実施例1では、f(t)(k=1、2、・・、M)を上記の円弧とした。また、単位レンズ7dの幅P(k=1、2、・・、M)は、68.5(μm)、73.5(μm)、78.5(μm)、83.5(μm)、88.5(μm)のいずれかの値からランダムに選んで決定した。このとき、M=6370、単位レンズ7dの平均傾斜角θは、54(°)であった。また、このときの単位レンズ7dの平均的な高さh7dは20(μm)であった。なお、θを上記式(1)等に代入する場合には、ラジアンに変換して代入する(以下同様)。
光偏向要素18の配置については、k=0.4とした。
また、Lxa=1.0(mm)、Lxb=0.8(mm)、Lxc=0.7(mm)、Lxd=0.5(mm)、Lxe=0.35(mm)とした。[表1]におけるLは、Lxaを表す(以下同様)。
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、1.5mmから1.03mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは1.29mmから0.89mmまで、Lycは1.01mmから0.61mmまで、Lydは0.86mmから0.52mmまで、Lyeは0.74mmから0.45mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。[表1]におけるLは、領域a(a’)における光入射面7Lに最も近いLyaを表す(以下同様)。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから中心面S7までは、Y方向に沿って0.021から最大値0.2まで漸次増大する。
実施例2では、単位レンズ7dの断面形状は上記実施例1と同様とした。
光偏向要素18の配置については、k=0.4とした。
また、Lxa=2.0(mm)、Lxb=1.6(mm)、Lxc=1.4(mm)、Lxd=1.0(mm)、Lxe=0.6(mm)とした。
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、1.2mmから0.74mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは0.92mmから0.57mmまで、Lycは0.65mmから0.34mmまで、Lydは0.47mmから0.25mmまで、Lyeは0.41mmから0.21mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから中心面S7までは、Y方向に沿って0.013から最大値0.25まで漸次増大する。
実施例3では、単位レンズ7dの断面形状は上記実施例1と同様とした。
光偏向要素18の配置については、k=0.4とした。
また、Lxa=2.5(mm)、Lxb=2.0(mm)、Lxc=1.5(mm)、Lxd=0.8(mm)、Lxe=0.6(mm)とした。
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、1.0mmから0.61mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは0.77mmから0.47mmまで、Lycは0.63mmから0.33mmまで、Lydは0.62mmから0.32mmまで、Lyeは0.43mmから0.22mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから中心面S7までは、Y方向に沿って0.013から最大値0.24まで漸次増大する。
実施例4〜6は、f(t)(k=1、2、・・、M)を上記の四次関数とした。また、単位レンズ7dの幅P(k=1、2、・・、M)は、70(μm)、75(μm)、80(μm)、85(μm)、90(μm)のいずれかの値からランダムに選んで決定した。このとき、M=6250、単位レンズ7dの平均傾斜角θは、51(°)であった。また、このときの単位レンズ7dの平均的な高さh7dは13(μm)であった。
実施例7では、f(t)(k=1、2、・・、M)を上記の四次関数とした。また、単位レンズ7dの幅P(k=1、2、・・、M)は、70(μm)、75(μm)、80(μm)、85(μm)、90(μm)のいずれかの値からランダムに選んで決定した。このとき、M=6250、単位レンズ7dの平均傾斜角θは、45(°)であった。また、このときの単位レンズ7dの平均的な高さh7dは10(μm)であった。
光偏向要素18の配置については、k=0.4とした。
また、Lxa=1.2(mm)、Lxb=1.0(mm)、Lxc=0.8(mm)、Lxd=0.6(mm)、Lxe=0.4(mm)とした。
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、1.0mmから0.69mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは0.83mmから0.57mmまで、Lycは0.71mmから0.43mmまで、Lydは0.57mmから0.35mmまで、Lyeは0.52mmから0.32mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから中心面S7までは、Y方向に沿って0.027から最大値0.25まで漸次増大する。
[比較例1〜5]
比較例1〜4は、上記実施例1において、単位レンズ7dと光偏向要素の配置を変えたものである。
比較例1では、f(t)(k=1、2、・・、M)を上記の円弧とした。また、単位レンズ7dの幅P(k=1、2、・・、M)は、全て78.5(μm)とした。このとき、単位レンズ7dの平均傾斜角θは、54(°)であった。
比較例1は、k=0とし、Lxa=1.0(mm)、Lxb=0.8(mm)、Lxc=0.7(mm)、Lxd=0.5(mm)、Lxe=0.35(mm)とした、
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、2.5mmから1.59mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは1.99mmから1.27mmまで、Lycは1.45mmから0.8mmまで、Lydは1.12mmから0.61mmまで、Lyeは0.87mmから0.48mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから領域aと領域bの境界部まで、Y方向に沿って0.013〜0.02まで単調に増加するように設定されている。領域bから中心面S7までは、Y方向に沿って0.02から最大値0.19まで漸次増大する。
比較例2では、f(t)(k=1、2、・・、M)を上記の円弧とした。また、単位レンズ7dの幅P(k=1、2、・・、M)は、全て78.5(μm)とした。このとき、単位レンズ7dの平均傾斜角θは、54(°)であった。
比較例2は、k=0とし、Lxa=0.7(mm)、Lxb=0.6(mm)、Lxc=0.5(mm)、Lxd=0.4(mm)、Lxe=0.35(mm)とした、
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、4.0mmから2.46mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは2.87mmから1.76mmまで、Lycは2.11mmから1.1mmまで、Lydは1.38mmから0.72mmまで、Lyeは0.82mmから0.43mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから領域aと領域bの境界部まで、Y方向に沿って0.011〜0.019まで単調に増加するように設定されている。領域bから中心面S7までは、Y方向に沿って0.019から最大値0.21まで漸次増大する。
比較例3では、f(t)(k=1、2、・・、M)を上記の円弧とした。また、単位レンズ7dの幅P(k=1、2、・・、M)は、全て78.5(μm)とした。このとき、単位レンズ7dの平均傾斜角θは、54(°)であった。
比較例3は、k=0とし、Lxa=2.0(mm)、Lxb=1.6(mm)、Lxc=1.2(mm)、Lxd=0.8(mm)、Lxe=0.6(mm)とした、
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、2.0mmから1.18mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは1.48mmから0.87mmま
で、Lycは1.17mmから0.58mmまで、Lydは0.87mmから0.43mmまで、Lyeは0.58mmから0.29mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから領域aと領域bの境界部まで、Y方向に沿って0.008〜0.014まで単調に増加するように設定されている。領域bから中心面S7までは、Y方向に沿って0.014から最大値0.19まで漸次増大する。
比較例4では、f(t)(k=1、2、・・、M)を上記の円弧とした。また、単位レンズ7dの幅P(k=1、2、・・、M)は、全て78.5(μm)とした。このとき、単位レンズ7dの平均傾斜角θは、54(°)であった。
比較例4は、k=0とし、Lxa=2.0(mm)、Lxb=1.6(mm)、Lxc=1.2(mm)、Lxd=0.8(mm)、Lxe=0.6(mm)とした、
また、Lyaは、光入射面7L側から領域bに向かって、2.5mmから1.42mmまで単調に減少するように設定した。同様に、Lybは1.78mmから1.01mmまで、Lycは1.35mmから0.64mmまで、Lydは0.96mmから0.45mmまで、Lyeは0.6mmから0.29mmまで、それぞれ単調減少する設定とした。
これにより、光偏向要素18の密度Dは、光入射面7Lから領域aと領域bの境界部まで、Y方向に沿って0.006〜0.011まで単調に増加するように設定されている。領域bから中心面S7までは、Y方向に沿って0.011から最大値0.19まで漸次増大する。
比較例5は、光偏向要素を、実施例1の光偏向要素18と同様な配置とし、導光体7に代えて、導光体7から単位レンズ7dを除去した平板の導光体を備えた例である。
[表1]には、各実施例、各比較例について、上記式(6)、(7)、(8)、(13)について、条件式の範囲を満たす場合には「○」、条件式の範囲を満たさない場合には、「×」を記載した。
[評価方法]
評価としては、照明装置3を視覚方向Fから眺めたときの光偏向要素、暗部Shが視認されるか否かの評価と、光入射面7L近傍の輝度低下率の測定と、液晶表示装置1を視覚方向Fから眺めたときのモアレの視認性の評価とを、以下のようにして行った。
この評価結果を下記[表2]に示す。
Figure 2015069759
光偏向要素の視認性の評価は、照明装置3の最表面から視覚方向F側に距離50cm離れた位置に視点を置いて、照明装置3を眺めたときに光偏向要素18の像が視認されるか否かを目視で評価することにより行った。
[表2]に、この評価結果を、「○」(Good)、「×」(No good)として記載した。「○」は、像が視認されなかったことを表し、「×」は、像が視認されたことを表す。
輝度低下率の測定は、照明装置3の最表面から視覚方向F側に距離50cm離れた位置に、分光放射輝度計SR3(商品名;(株)トプコン製)を設置し、照明装置3の輝度を測定した。
図19は、実施例1〜7、比較例1〜5の評価における輝度低下率の測定位置を示す模式的な平面図である。
本測定では、図19に示すように、照明装置3の導光体Wの光入射面7Lから距離50
mm離れた領域SAの輝度LAと、照明装置3の中央部の領域SBの輝度LBを測定した。輝度低下率は、両者の比率LA/LBにより算出した。
ここで、図19に示した領域SBを中心に交差する点線は、導光体Wの長辺と短辺に直交する仮想的な直線である。
[表2]に、この評価結果を、「○」(Good)、「×」(No good)として記載した。「○」は、LA/LBが0.7以上であったことを表し、「×」は、LA/LBが0.7未満であったことを表す。
暗部Shの視認性の評価は、照明装置3の最表面から視覚方向F側に距離100cm離れた位置に視点を置いて、照明装置3を眺めたときに暗部Shが視認されるか否かを目視で評価した。
[表2]に、この評価結果を、「○」(good)、「△」(fair)、「×」(no good)として記載した。「○」は、暗部Shが視認されなかったことを表し、「△」は、暗部Shが薄く視認されるものの製品として許容範囲であることを表し、「×」は、暗部Shが許容できない程度に視認されたことを表す。
モアレの視認性の評価では、まず、モアレ評価用のリファレンス用導光体を作製した。リファレンス用導光体では、光偏向要素を、上記実施例1の基準配列域に配置した。つまり、上記式(19)において、k=0となる位置に配置した。
このため、リファレンス用導光体において、光偏向要素のX方向の配列ピッチは、単位群ごとに一定値を取り、上記実施例1の平均ピッチLと等しい。例えば、領域aでは、L=1.0(mm)である。また、リファレンス用導光体の光偏向要素のY方向の隔列隣接間隔Lも、上記実施例1のLと同様、例えば、領域aでは、光入射面7Lから離れるにつれて、1.5mmから1.03mmまで変化するように配列した。
このようなリファレンス用導光体を、導光体Wに代えて液晶表示装置1に組み込んで、目視判定のリファレンスとするモアレを観察した。
観察は、液晶表示装置1の最表面から視覚方向F側に距離20cm離れた位置に視点を置いて液晶表示装置1を眺めることにより行った。
このモアレと、液晶表示装置1に実施例の導光体Wを液晶表示装置1に組み込んだ場合のモアレと比較した。
[表2]に、この評価結果を、「○」(good)、「×」(no good)として記載した。「○」は、モアレがリファレンスのモアレよりも目立たなかったことを表し、「×」は、モアレがリファレンスのモアレと変わらないかまたは悪化したことを表す。
上記[表2]に示すように、実施例1〜7の導光体7を組み込んだ照明装置3の光偏向要素の視認性の評価結果、輝度低下率の評価結果、暗部Shの視認性の評価結果は、いずれも良好であった。また、これらの導光体を組み込んだ液晶表示装置1のモアレは、リファレンス用導光体を組み込んだ場合に観察されたモアレと比べて、全て改善されていた。
これに対して、比較例1〜5は、光偏向要素の視認性、輝度低下率のいずれかの評価結果が不良(×)となる結果であった。
1、31 液晶表示装置(表示装置)
2 画像表示素子
3、33 照明装置
5 反射板(反射部材)
6 光源
7、37 導光体
7a 光偏向面(第1面)
7b 射出面(第2面)
7d 単位レンズ
7e 頂部
7L 光入射面
8 等方性光拡散部材
9 液晶層
10、11 偏光板
18、38 光偏向要素
20、20A、20B 集光シート
28 拡散シート
D 密度
F 視覚方向
、Lxj、Lxa、Lxb、Lxc 平均ピッチ
、Lya、Lyb、Lyc 隔列隣接間隔
S7 中心面

Claims (9)

  1. 光源と、
    透光性材料からなり、前記光源からの光を入射する光入射面と、該光入射面を挟む位置関係で互いに対向して配置された第1面および第2面と、前記光入射面と前記第1面および前記第2面と直交する2つの対向する側端面を有し、前記光入射面から入射された光を前記第1面および第2面の間で導光するとともに前記光の一部を前記第2面から出射する導光体と、
    該導光体の前記第2面に対向して配置される光拡散部材と、を有する照明装置であって、
    前記導光体は、
    前記第1面には、
    前記光を前記第2面に向けて偏向する複数の光偏向要素が設けられ、
    前記第2面には、
    前記光入射面に交差する第1の方向に沿って延在された単位レンズが前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って複数配列され、
    前記単位レンズの幅は、隣接する前記単位レンズの幅と互いに異なっており、
    前記光偏向要素は、
    該光偏向要素が前記第2の方向に沿って、一定の平均ピッチLで配置された単位列と、前記光入射面から一定の距離の範囲で複数からなる前記単位列が前記第1の方向に沿って前記光入射面から遠ざかるにつれて隣接間隔が減少するように複数配列された1以上の単位群とを構成し、
    かつ、前記単位群内および前記単位群のすべてを通して、前記第1の方向に沿って前記光入射面から遠ざかる方向に、前記光偏向要素の配置密度が漸次増大し、
    かつ、前記一定の距離の範囲における前記単位群内の前記単位列は、それぞれ、前記第2の方向の前記光偏向要素の配置が前記第1の方向において近隣となる2列以上の配置と、互いに異なるように設けられ、
    かつ、次式(1)〜(6)で定義される変数をG、G、β、γ、θ、θとすると、前記導光体の前記単位群のうち、少なくとも前記光入射面に近接する単位群において、前記平均ピッチLと、前記第1の方向の互いに隣り合う隣接間隔の和である隔列隣接間隔Lとが、次式(7)〜(9)を満足する、照明装置。
    Figure 2015069759
    ただし、Hは前記導光体の前記単位レンズを除いた厚さである。Nは前記導光体の屈折率である。Sは前記第2面側から見た時の前記光偏向要素の面積である。Pは、前記側端面のどちらかに最も近く配列される前記単位レンズから数えて、k番目の前記単位レンズの幅である。tは前記単位レンズの端部を0として前記第2の方向に測った変位である。f(t)は前記k番目の単位レンズを前記第2面に垂直かつ前記第2の方向に平行な面で切断したときの前記単位レンズのレンズ面の底部からの高さである。αは前記光拡散部材に垂直な方向にコリメート光を入射したときの射出光の角度分布において前記射出光の強度が最大強度の1/10になる角度である。aは前記光偏向要素の前記第2の方向の幅である。aは前記光偏向要素の前記第1の方向の幅である。
  2. 前記単位列内の光偏向要素は、
    前記第2の方向における隣接間隔が前記第2の方向に沿って変化している
    ことを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第2の方向における隣接間隔は、前記単位列内の変動係数CVが、次式(10)を満足することを特徴とする、請求項2に記載の照明装置。
    0<CV≦1/6 ・・・(10)
  4. 前記第2の方向における隣接間隔は、前記第2の方向に沿って不規則に変化している
    ことを特徴とする、請求項2または3に記載の照明装置。
  5. 前記f(t)は、
    tの4乗の項を含む多項式関数である
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 前記f(t)は、
    円弧の一部、または楕円弧の一部を表す関数である
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. さらに少なくとも一枚以上の集光シートが備えられている
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. さらに反射型偏光分離シートを備える
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明装置
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の照明装置と、
    該照明装置からの照明光を照射することにより画像を表示する画像表示素子と、
    を備える、表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023153492A1 (ja) * 2022-02-10 2023-08-17 株式会社 潤工社 光透過拡散部材、及びそれを使用した光源ユニット

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