JP2015068948A - 光学積層体及びその製造方法、偏光板、並びに、画像表示装置 - Google Patents

光学積層体及びその製造方法、偏光板、並びに、画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アクリル樹脂基材を用いた場合であっても位相差ムラや光軸ずれのない位相差フィルムを提供すること。
【解決手段】アクリル樹脂基材上に配向層と位相差層とをこの順に有する位相差フィルムであって、前記アクリル樹脂基材の平均の厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満であることを特徴とする、位相差フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体及びその製造方法、偏光板、並びに、画像表示装置に関するものである。
従来より液晶表示装置においては、視角依存性の問題を改善するために、様々な技術が開発されており、その1つとして、複屈折性を示す位相差層を有する位相差フィルムが液晶セルと偏光板との間に配置された液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1〜2)。
上記位相差層を有する位相差フィルムとしては、樹脂基材上に、液晶性化合物を一定方向に配列させる配向規制力を有する配向層と、当該配向層上に形成され、一定方向に配列された液晶性化合物を含有する位相差層とを有するものが用いられている。
また、フラットパネルディスプレイとしては、従来、2次元表示のものが主流であったが、近年においては3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集め始めている。そして、今後のフラットパネルディスプレイにおいては3次元表示可能であることが、その性能として当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、視聴者に対して何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示することが必要とされる。右目用の映像と左目用の映像とを別個に表示する方法としては、例えば、パッシブ方式というものが知られている。このようなパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図9はパッシブ方式で3次元映像を表示可能な液晶表示装置の一例を示す概略図である。図9に示すように、この方式では、まず、フラットパネルディスプレイを構成する画素を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の画素に分類し、ディスプレイ表示領域に右目用の画素と左目用の画素が隣接し合うようなパターン状に配列する。一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。また、直線偏光板と当該画素の配列パターンに対応した、パターン状の位相差層が形成されたパターン位相差フィルム(以下、単にパターン位相差フィルムということがある。)とを用い、右目用の映像と、左目用の映像とをそれぞれ円偏光に変換する。さらに、視聴者には右目用レンズと左目用レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにする。このようにして右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることによって3次元表示が可能となる。
このようなパッシブ方式では、上記パターン位相差フィルムと、対応する円偏光メガネとを用いることにより容易に3次元表示が可能なものにできるという利点がある。
上記パターン位相差フィルムとして、例えば、特許文献3には、ガラス基板上に配向規制力がパターン状に制御された光配向層と、当該光配向層上に形成され、液晶性化合物の配列が上記光配向層のパターンに対応するようにパターニングされた位相差層(液晶層)とを有するパターン位相差板が開示されている。
このような位相差フィルムに用いられる樹脂基材としては、光学的等方性等の点からトリアセチルセルロース(TAC)基材が主流であった(特許文献4〜6)。
位相差フィルムやパターン位相差フィルムは、いずれも液晶性化合物が配向層によって一定方向に配列され、フィルム全体で、或いはフィルム中の各パターン内で、光軸が一定であることが求められる。
特開平3−67219号公報 特開平4−322223号公報 特開2005−49865号公報 特開2008−122918号公報 特開2002−122733号公報 特開2010−85802号公報
従来、位相差フィルムに用いられる樹脂基材としては、トリアセチルセルロース(TAC)基材が主流であった。
本発明者は、位相差フィルムの光学性能を更に向上させるために、上記TAC基材よりも膜厚方向の位相差が小さいアクリル樹脂基材を用いることを検討した。
しかしながら、アクリル樹脂基材を用いた場合には、位相差フィルムに、TAC基材を用いた場合には生じなかった位相差ムラや光軸ずれが生じる場合があるとの知見を得た。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、アクリル樹脂基材を用いた場合であっても位相差ムラや光軸ずれのない位相差フィルム及びその製造方法、光漏れのない偏光板、及び表示品質に優れた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る位相差フィルムは、アクリル樹脂基材上に配向層と位相差層とをこの順に有する位相差フィルムであって、前記アクリル樹脂基材の平均の厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満であることを特徴とする。
本発明に係る位相差フィルムの製造方法は、長尺状のアクリル樹脂基材上に配向層と位相差層とをこの順に有する位相差フィルムの製造方法であって、
平均の厚みが50μm以下で、且つ、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満である長尺状のアクリル樹脂基材を準備する工程と、
前記長尺状のアクリル樹脂基材の一面側に配向層形成用組成物を塗工して、配向層を連続的に形成する配向層形成工程と、
前記配向層上に位相差層形成用組成物を塗工して、位相差層を連続的に形成する位相差層形成工程とを有することを特徴とする。
本発明は、偏光子の少なくとも一方の面に、前記本発明に係る位相差フィルムを備える偏光板を提供することができる。
また本発明は、前記本発明に係る位相差フィルムを備える画像表示装置を提供することができる。
本発明によれば、アクリル樹脂基材を用いた場合であっても位相差ムラや光軸ずれのない位相差フィルム及びその製造方法、光漏れのない偏光板、及び表示品質に優れた画像表示装置を提供することができる。
図1は、位相差フィルムの一例を示す模式断面図である。 図2は、位相差フィルムの別の一例を示す模式断面図である。 図3は、アクリル樹脂基材の厚みの測定方法の説明の用に供する模式断面図である。 図4は、偏光板の一例を示す模式断面図である。 図5は、偏光板の別の一例を示す模式断面図である。 図6は、実施例1のアクリル樹脂基材の短尺方向の厚みの測定結果である。 図7は、比較例1のアクリル樹脂基材の短尺方向の厚みの測定結果である。 図8は、比較例2のアクリル樹脂基材の短尺方向の厚みの測定結果である。 図9は、パッシブ方式で3次元映像を表示可能な液晶表示装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る位相差フィルム、及びその製造方法、偏光板、並びに画像表示装置について順に説明する。
なお、本発明において、光軸とは、遅相軸を意味する。
本発明において、配向規制力とは、位相差層中の液晶性化合物を特定方向に配列させる相互作用を意味する。
本発明において、位相差フィルムとは、特に断りがない限りパターン位相差フィルムをも含むものである。
本発明において、硬化性とは、化学反応を経て硬くなる性質をいう。
また、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
[位相差フィルム]
本発明に係る位相差フィルムは、アクリル樹脂基材上に配向層と位相差層とをこの順に有する位相差フィルムであって、前記アクリル樹脂基材の平均の厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満であることを特徴とする。
本発明に係る位相差フィルムを、図を参照して説明する。図1及び図2は、本発明に係る位相差フィルムの一例を示す模式断面図である。
本発明の位相差フィルム10は、図1に例示されるように、平均の厚みが50μm以下で、且つ長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満のアクリル樹脂基材1の少なくとも一面側に、配向層2と位相差層3とがこの順に設けられたものである。
また、本発明の位相差フィルムは、図2に例示されるように、アクリル樹脂基材1の一面側に、配向層2として、第一配向領域4Aと、第一配向領域4Aとは異なる配向性を有する第二配向領域4Bを有するパターン配向層4を有し、位相差層3として、第一位相差領域5Aと第一位相差領域とは異なる方向に液晶化合物が配列された第二位相差領域5Bを有するパターン位相差層5を有するパターン位相差フィルム20であってもよい。
本発明の位相差フィルムは、平均厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満であるアクリル樹脂基材を選択して用いることにより、配向ムラのない位相差層を形成することができ、位相差ムラや光軸ずれがない位相差フィルムを得ることができる。
本発明者は、位相差フィルムの光学性能をより向上させるために、上記TAC基材よりも膜厚方向の位相差が小さいアクリル樹脂基材を用いて位相差フィルムを製造することを検討した。ところが、本発明者は、アクリル樹脂基材を用いた場合には、位相差フィルムに、TAC基材を用いた場合には生じなかった位相差ムラや光軸ずれが生じる場合があるとの知見を得た。鋭意検討の結果、本発明者は、アクリル樹脂基材を用いた場合に生じる位相差ムラや光軸ずれの原因が、アクリル樹脂基材の変形に起因するとの知見を得た。TAC基材を用いた場合に位相差ムラや光軸ずれが生じず、アクリル樹脂基材を用いた場合に位相差ムラや光軸ずれが生じる原因については未解明ではあるが厚みのばらつきによる基材の変形によるものと推定される。
また、本発明者は、アクリル樹脂基材の厚みが薄いほど、上記アクリル樹脂基材における位相差ムラや光軸ずれが生じやすいとの知見を得た。位相差層形成用組成物に含まれる液晶性化合物は、加熱によって相転移して、配向層が有する配向規制力に従って一定方向に配列される。アクリル樹脂基材の厚みが薄い部分や、変形によりロールに対して凸になる部分は、基材側からの熱の影響を受けやすいものと推定される。アクリル樹脂基材の厚みのばらつきが大きい場合には、その厚みのばらつきに応じて、変形ができやすく、その変形部で位相差層の加熱ムラが生じやすいものと推定される。このようなことから、アクリル樹脂基材の厚みのばらつきが大きいほど、変形に起因した位相差ムラや光軸ずれが生じやすいものと推定される。一方で、画像表示装置の薄型化等の要請から、位相差フィルムの薄膜化が求められている。
これらの知見を基に、本発明者が更なる検討を進めた結果、平均の厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満のアクリル樹脂基材を用いた場合には、位相差ムラや光軸ずれが生じないことが明らかとなった。長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差を比較して、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満であれば、基材全体の厚みの相対標準偏差も1.3%未満となる。基材全体として厚みのばらつきが小さいことから、変形が起きにくく、熱ムラが生じにくく、位相差ムラや光軸ずれが生じにくい。
以上のように、本発明の位相差フィルムは、平均の厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満のアクリル樹脂基材を用いることにより、位相差ムラや光軸ずれのない位相差フィルムを得ることができる。
本発明の位相差フィルムは、少なくともアクリル樹脂基材と、配向層と、位相差層とを有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて更に他の層を有していてもよいものである。以下、このような本発明の位相差フィルムの構成について説明する。
<アクリル樹脂基材>
本発明においては、平均の厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満のアクリル樹脂基材が用いられる。本発明は基材として、平均の厚みが薄く、且つ、当該厚みのばらつきが小さいアクリル樹脂基材を用いることにより、透明性が高く、位相差ムラや光軸ずれのない、高品質の位相差フィルムを得ることができる。
アクリル樹脂基材の材質としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸又はその誘導体等の単量体を重合して得られるアクリル樹脂から形成される基材が挙げられる。これらの中で、透明性及び耐候性の点で、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル単位を主構成成分とする共重合体、又はスチレン−メタクリル酸メチル共重合体の基材が好ましい。
アクリル樹脂基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、長尺透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、アクリル樹脂基材はレターデーションが低いものであることが好ましい。より具体的には、アクリル樹脂基材の面内レターデーション値(Re値)が、0nm〜10nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜5nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜3nmの範囲内であることがさらに好ましい。
アクリル樹脂基材の厚みは、平均の厚みが50μm以下であればよく、位相差フィルムの用途等に応じて、当該位相差フィルムに必要な自己支持性を付与できる範囲内で適宜設定することができる。25μm〜50μmの範囲内が好ましく、中でも30μm〜40μmの範囲内がより好ましい。上記下限値以上であれば、位相差ムラや光軸ずれのない位相差フィルムが得られやすく、位相差フィルムの自己支持性に優れている。また、上記上限値以下であれば、可視光透過率が高く、面内リタデーションの低い位相差フィルムが得られるとともに、裁断等の加工が容易である。
(アクリル樹脂基材の厚みの測定方法)
本発明における、アクリル樹脂基材の厚みの測定方法について、図を参照して説明する。図3は、アクリル樹脂基材の厚みの測定方法の説明の用に供する模式断面図である。図3におけるアクリル樹脂基材1の断面は、長尺状のアクリル樹脂基材の短尺方向(以下、幅方向ということがある。)の一例の断面図である。
アクリル樹脂基材として長尺状のアクリル樹脂基材を用いる場合は、アクリル樹脂基材の平均厚み及び当該厚みの相対標準偏差は、前記長尺状のアクリル樹脂基材の短尺方向、即ち長尺状基材の流れ方向に対して垂直方向に沿って厚みを測定する。本発明において、厚みの測定は、厚み測定器(例えば、明産株式会社製、ロータリーキャリパー計 RC−1)を用いて測定することができる。
長尺状のアクリル樹脂基材の短尺方向端部21には、巻き取り時における基材同士の貼りつき等を防止するため、ナーリング加工等、微細凹凸形状が付されている場合がある。このように微細凹凸形状が付された短尺方向端部21は、通常、位相差フィルムの光学機能を期待されていない部分であることから、本発明においては、本発明のアクリル樹脂基材の厚みの平均及び相対標準偏差の算出において、当該微細凹凸形状が付された短尺方向端部21の部分の厚みは算入しないものとする。従って、図3の例では、微細凹凸形状が付された短尺方向端部21よりも短尺方向中央部側を厚みの測定範囲22とする。
厚みの測定範囲22が決定したら、当該測定範囲内で等間隔に厚みを測定し、例えば、n個の測定値h〜hから、下記式に従って厚みの平均及び相対標準偏差が算出される。測定間隔としては、微細なばらつきを検出する点から、1mm以下とすることが好ましく、0.5mm以下とすることがより好ましい。
なお、長尺状のアクリル樹脂基材は、一般に、溶融押出成型法により長尺方向に沿って製造され、ロール状に巻き取られて保管される。溶融押出成型法により製造されたアクリル樹脂基材は、長尺方向のある点における短尺方向断面と、長尺方向の別の点における短尺方向断面とが、ほぼ同一の断面形状となっているため、ロール状に巻き取られた状態では、短尺方向で、比較的厚い部分同士が重なり合い、また、比較的薄い部分同士が重なり合う傾向にある。そのため、ロール状に巻き取られたアクリル樹脂基材は、短尺方向の厚みのばらつきが増幅される傾向にあり、その結果、基材にシワ等の変形を生じやすい。そのため、本発明において、長尺状のアクリル樹脂基材は、長尺方向の任意の一点を代表として短尺方向のばらつきを測定することにより、当該アクリル樹脂基材の平坦性を評価することができる。
一方、長尺状のアクリル樹脂基材が枚葉化されて用いられている場合には、当該枚葉化されたアクリル樹脂基材のいずれの方向が、長尺状のアクリル樹脂基材における長尺方向に対応するかが不明となる場合がある。この場合、枚葉化されたアクリル樹脂基材における、長尺方向の厚みと、長尺方向と垂直な方向の厚みをそれぞれ測定し、ばらつきが大きい方が、長尺状のアクリル樹脂基材における短尺方向であったと推定される。
(上記式(1)〜(3)中、nは測定点の個数を、hはk個目の測定点における厚みを、μは厚みの平均値を、sは厚みの標準偏差を、RSDは厚みの相対標準偏差(%)をそれぞれ表す。)
本発明においてアクリル樹脂基材は、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満であればよく、より位相差ムラや光軸ずれが生じにくい点から、中でも、厚みの相対標準偏差が1.25%以下であることが好ましく、1.2%以下であることがより好ましい。
また、本発明のアクリル樹脂基材において、短尺方向の厚みの標準偏差は、上記相対標準偏差の範囲を満たすものであれば特に限定されない。例えば、平均厚みが40μmのアクリル樹脂基材においては、標準偏差が0.5μm以下であることが好ましく、0.48μm以下であることがより好ましい。
本発明においてアクリル樹脂基材の製造方法は、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満とすることが可能な方法であればよく、例えば、特開2006−301570号公報等を参考に製造することができる。また、市販品を上記測定方法により評価して、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満のものを選択して用いてもよい。
<配向層>
配向層は、上記アルカリ樹脂基材上に形成されるものであり、後述する位相差層に含まれる液晶性化合物一定方向に配列させるための層である。本発明において配向層は、配向層形成用組成物、又はその硬化物からなる。なお、本発明において、硬化性とは、化学反応を経て硬くなる性質をいう。
配向層形成用組成物は、従来公知のものから適宜選択して用いることができる。当該配向層形成用インキの組成は、特に限定されず、配向規制力を付与する手段との組み合わせにより適宜選択される。
配向層に配向規制力を付与する手段は、従来公知のものとすることができ、例えば、ラビング法、光配向法、賦形法などが挙げられる。
本発明は、配向層形成用組成物として後述する光配向性材料を含有する光配向性組成物を用いることが好ましい。本発明によれば、光配向法により形成される配向層をムラのないものとすることができるからである。
配向層を光配向法により形成する場合、配向層形成用組成物として、偏光を照射することにより配向規制力を発現する光配向性材料を含有する光配向性組成物が用いられる。当該光配向性材料としては、光二量化型材料であっても、光異性化型材料であってもよい。具体的には、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、または、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等が挙げられ、中でも、シンナメート、または、クマリンの少なくとも一方を有するポリマー、シンナメートおよびクマリンを有するポリマー、並びにこれらの誘導体が好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例として、例えば、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報、および、WO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
光配向性組成物は、必要に応じて光配向性材料以外の化合物を含むものであっても良い。このような化合物としては、配向層の配向規制力を損なわないものであればよく、例えば、重合性基を有するモノマー又はオリゴマー(以下単に、重合性モノマー、重合性オリゴマーという場合がある。)が好適に用いられる。
本発明に用いられる上記重合性モノマー又は重合性オリゴマーとしては、例えば、(メタ)アクリレート基を1つ有する単官能モノマー(例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン)及び(メタ)アクリレート基を2つ以上有する多官能モノマー(例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ポリ(メタ)アクリレート(例えば、イソシアヌル酸EOジアクリレート等))や、ビスフェノールフルオレン誘導体(例えば、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキシ(メタ)アクリレート)等が挙げられ、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、配向層形成用組成物は、通常、溶媒を含有する。配向層形成用組成物に用いられる溶媒としては、組成物中の各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散できる溶媒の中から適宜選択して用いることができる。配向層形成用組成物に用いられる溶媒の具体例としては、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられるが、これらに限られるものではない。なお溶媒は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の溶媒の混合溶媒としてもよい。
配向層形成用組成物は、必要に応じて、重合開始剤、重合禁止剤、酸素に対する変化を抑制するための酸化防止剤、光に対する変化を抑制するための光安定化剤、紫外性を吸収する紫外線吸収剤、粘度を調整するための粘度調節剤、屈折率を調整するための屈折率調整剤、賦型性を向上させるためのフッ素系またはシリコン系潤滑剤等を含むものであっても良い。これらは従来公知の材料を適宜選択して用いればよい。
配向層の厚さは、後述する位相差層における液晶性化合物を一定方向に配列できればよく、適宜設定すればよい。配向層の厚さは、通常、1nm〜1000nmの範囲内であり、60nm〜300nmの範囲内が好ましい。
<位相差層>
本発明において位相差層は、前記配向層が有する配向規制力により、液晶性化合物が規則的に配列し、位相差性が付与された層である。本発明において位相差層は、通常、位相差層形成用組成物又はその硬化物からなる。
位相差層形成用組成物は、通常、液晶性化合物を含有するものであり、通常、更に溶媒を含有する。また、液晶性化合物の配向を阻害しない範囲で、更に他の成分を含むものであってもよい。
液晶性化合物は、一般に、屈折率異方性が大きいため、位相差フィルムに所望の位相差性を付与しやすい。
液晶性化合物としては、例えば、ネマチック液晶性化合物、コレステリック液晶性化合物、カイラルネマチック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、ディスコチック液晶性化合物を挙げることができる。また、液晶分子内に重合性官能基を有するものが好適に用いられる。重合性官能基を有するものであれば、光の照射によって光重合開始剤から発生したラジカル、または電子線等の作用により、液晶性化合物を架橋することができるため位相差フィルムの安定性が向上する。
本発明においては、位相差ムラや光軸ずれのない位相差層を形成しやすい点から、相転移温度が40〜115℃の液晶性化合物を用いることが好ましく、60〜90℃の液晶性化合物を用いることがより好ましい。なお本発明において液晶性化合物の相転移温度とは、液晶化合物が光学的異方性有するいわゆる液晶相から光学的異方性を有しない等方相へ変化する温度をいう。
本発明に用いられる液晶性化合物の具体例としては、下記式(1)〜(17)で表される化合物を例示することができる。
なお、本発明において上記液晶性化合物は、1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
位相差層形成用組成物は、通常、溶媒を含有する。位相差層形成用組成物に用いられる溶媒は、位相差層形成組成物に用いられる各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散できる溶媒の中から適宜選択して用いることができる。具体的には、前記配向層形成用組成物において用いられる溶媒と同様のものとすることができる。
また、位相差層形成用組成物は、必要に応じて、更に他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤等を挙げることができる。
位相差層形成用組成物中の前記液晶性化合物の含有量は、塗布性を損なわない範囲で適宜調整すればよい。中でも、上記位相差層形成用組成物全体に対する液晶性化合物の含有割合が、5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、10質量%〜30質量%の範囲内であることがより好ましい。
位相差層の厚さは、所望の面内リタデーション値が得られるように、前記液晶性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよい。中でも、0.5μm〜4μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜2μmの範囲内であることがさらに好ましい。
<位相差フィルムの製造方法>
本発明の位相差フィルムを製造する方法としては、長尺状のアクリル樹脂基材上に配向層と位相差層とをこの順に有する位相差フィルムの製造方法であって、
平均の厚みが50μm以下で、且つ、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満である長尺状のアクリル樹脂基材を準備する工程と、
前記長尺状のアクリル樹脂基材の一面側に配向層形成用組成物を塗工して、配向層を連続的に形成する配向層形成工程と、
前記配向層上に位相差層形成用組成物を塗工して、位相差層を連続的に形成する位相差層形成工程とを有することを特徴とする。
本発明の位相差フィルムの製造方法によれば、アクリル樹脂基材を用いた場合であっても位相差ムラや光軸ずれがない位相差フィルムを得ることができる。
本発明の位相差フィルムの製造方法においては、まず、平均の厚みが50μm以下で、且つ、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満である長尺状のアクリル樹脂基材を準備する。
上記特定のアクリル樹脂基材は、アクリル樹脂基材を、前記アクリル樹脂基材の厚みの測定方法に従って、平均の厚みと、厚みの相対標準偏差を求め、その結果、平均の厚みが50μm以下で、且つ、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満のものを選択することによって準備すればよい。
アクリル樹脂基材の厚みは、位相差フィルムの製造直前に測定してもよく、また、長尺状のアクリル樹脂基材の製造時に測定されたものであってもよい。
(配向層形成工程)
本発明の配向層形成工程は、長尺透明基材の一面側に配向層形成用組成物を塗工して、配向層を連続的に形成する工程である。
配向層形成工程は、長尺透明基材上に配向層形成用組成物を塗工する工程の他、必要に応じて、配向層形成用組成物の塗膜を乾燥する工程や、配向層形成用組成物を硬化する工程等、その他の工程を有していてもよい。
配向層形成用組成物の塗工方法は、長尺透明基材上に配向層形成用組成物を均一に塗布できるものであればよく、所望の膜厚等に応じて、従来公知の塗工機構の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などに用いられる各種塗工機構が挙げられる。
本発明においては、通常、前記塗工機構に前記長尺透明樹脂基材を連続的に搬送することにより、前記配向層形成用組成物を連続的に塗工する。
前記長尺状透明基材の搬送方法は、長尺状の基材を連続的に搬送することができる従来公知の方法を適宜選択して用いればよい。具体的には、例えば、ロール状にした長尺透明基材を連続的に供給する巻き出し機、及び、長尺透明基材を巻き取る巻き取り機等を用いるロールトゥロール方式において、ベルトコンベア、搬送用ロールや、エアの吐出と吸引とを行うことにより長尺透明基材を浮上させた状態で搬送する浮上式搬送台等の各種搬送装置を組み合わせて用いる方法等が挙げられる。
配向層形成工程は、更に、溶媒を除去するための乾燥工程を有していてもよい。
塗膜の乾燥工程は、加熱乾燥機構、減圧乾燥機構、ギャップ乾燥機構等、公知の乾燥機構を用いて乾燥すればよく、それぞれの乾燥機構に合わせ、乾燥温度、乾燥時間、乾燥ゾーンの溶媒雰囲気濃度等を適宜調整すればよい。塗膜を連続的に均一に乾燥する点からは、上記搬送機構と組み合わせて用いることが好ましい。
配向層形成用組成物として上記光配向性組成物を用いる場合には、配向規制力を発現するために、通常、偏光を露光する偏光露光工程を有する。当該偏光露光工程は、通常、乾燥工程後に行われる。また、パターン化された配向層を形成する場合には、例えば、光配向性材料を含有する配向層形成用インキの塗膜に、第一の偏光紫外線を所望のパターンを有するマスクを介して照射し、次いで、第一の偏光紫外線の偏光軸と異なる偏光軸を有する第二の偏光紫外線をマスクを介さずに照射して、パターン状に配向規制力を付与した配向層を形成する偏光露光工程としてもよい。このような偏光露光工程として、例えば、特開2012−14064号公報等に記載の方法を用いることができる。偏光露光工程に用いられる偏光露光装置としては、従来公知のものを適宜選択して用いればよく、パターン化された配向層を形成する場合には、例えば、上記特開2012−14064号に記載の装置を用いることができる。
上記偏光露光工程は、上記搬送機構と組み合わせて用いることが好ましい。
(位相差層形成工程)
位相差層形成工程は、前記配向層形成工程により形成された配向層上に上述した位相差層形成用組成物を塗工して、位相差層を連続的に形成する工程である。
位相差層形成用組成物を塗布する方法は、所望の厚みの配向層を精度良く塗布できる方法であればよく、前記配向層形成用樹脂組成物を塗布する方法と同様の方法とすることができる。
次いで、位相差層形成用組成物中の液晶性化合物を特定方向に配列させながら溶媒を除去するために、通常、乾燥工程を有する。
乾燥工程は、位相差層形成用塗膜中の液晶性化合物を配向させる点から、加熱乾燥であることが好ましい。加熱温度は、用いる液晶性化合物によっても異なるが、液晶性化合物の相転移温度より0〜10℃高いことが好ましい。
光重合性官能基を有する液晶性化合物を含有する位相差層形成用インキを用いる場合には、当該位相層形成用塗膜に紫外線等を照射する露光工程を有していてもよい。当該露光工程は、通常、乾燥工程後に行われる。当該露光工程により、液晶性化合物を架橋することができるため位相差フィルムの安定性が向上する。上記露光工程に用いられる露光装置としては従来公知の露光装置を適宜選択して用いればよく、例えば、紫外線照射装置等が挙げられる。
[偏光板]
本発明に係る偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面に、前記本発明に係る位相差フィルムを備えることを特徴とする。
本発明の偏光板について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、本発明の偏光フィルム30の一例を示す模式断面図である。図4及び図5の例に示されるように、本発明の偏光フィルム30は、偏光子6の少なくとも一面側に、前記本発明の位相差フィルム10を有している。図4の例に示されるように、位相差フィルム10の基材1側表面と、偏光子6とが接するものであってもよく、図5の例に示されるように位相差フィルム10の位相差層3側表面と偏光子6とが接するものであってもよい。また、図示はしないが、偏光子6と位相差フィルム10との間に粘着層等を有していてもよい。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一面側に、位相差ムラや光軸ずれのない前記本発明に係る位相差フィルムを光学補償フィルムとして有するため、光漏れのない偏光板とすることができる。
本発明において偏光子は、従来公知の偏光子の中から適宜選択して用いることができる。例えば、沃素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置は、前記本発明に係る位相差フィルムを備えることを特徴とする。
本発明の画像表示装置としては、(1)従来公知の液晶表示装置において用いられる偏光板に代えて、前記本発明に係る位相差フィルムを備える偏光板を用いたもの、(2)従来公知のパッシブ方式の3次元表示方式の画像表示において用いられるパターン位相差フィルムに代えて、本発明に係る位相差フィルムをパターン位相差フィルムとして用いたもの、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
上記(1)の画像表示装置は、位相差ムラや光軸ずれのない位相差フィルムを備えた偏光板を用いることにより、光漏れを抑制し、表示品質に優れた画像表示装置とすることができる。また、上記(2)の画像表示装置は、位相差ムラや光軸ずれのないパターン位相差フィルムを用いることにより、右目用の映像が左目用のレンズを透過することや、左目用の映像が右目用のレンズを透過すること(いわゆるクロストーク)を抑制することができ、表示品質に優れた画像表示装置とすることができる。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
(試験例)
幅(短尺方向長さ)1330mm×長尺方向長さ50mの3種類の長尺状アクリル樹脂基材A〜Cを準備し、微細凹凸形状が付与されていない短尺方向中央部(短尺方向両端部の30mmを除いた範囲)を短尺方向に沿って、0.5mm間隔で厚みを測定した。アクリル樹脂基材A及びBの結果を代表として図6、及び図7に示す。また、当該結果から求めたアクリル樹脂基材の平均厚み、及び厚みの相対標準偏差等の結果を表1に示す。
表1の結果から、アクリル樹脂基材A〜Cは、いずれも平均厚みが40μmであったが、アクリル樹脂基材Aの厚みの相対標準偏差が1.1%とばらつきが小さかったのに対し、アクリル樹脂基材Bは厚みの相対標準偏差が1.3%、アクリル樹脂基材Cは、相対標準偏差が2.1%と、ばらつきが大きかった。
(実施例1)
上記相対標準偏差が1.3%未満であったアクリル樹脂基材Aの一面側に、光配向材料として光二量化反応型の光配向材料を含有する配向層用硬化性組成物を塗布し、100℃で乾燥させて乾燥後の膜厚が250nmの塗膜とした。当該塗膜に、偏光紫外線を照射して配向層を形成した。
次いで、配向層上に、重合性液晶化合物とメチルイソブチルケトンを含む位相差層用硬化性組成物を塗布し、紫外線を照射することにより硬化させて、膜厚が1μmの位相差層を形成し、位相差フィルム1を得た。
(比較例1)
実施例1において、アクリル樹脂基材Aの代わりに、厚みの相対標準偏差が1.3%のアクリル樹脂基材Bを用いた以外は、実施例1と同様にして位相差フィルム2を得た。
(比較例2)
実施例1において、アクリル樹脂基材Aの代わりに、厚みの相対標準偏差が2.1%のアクリル樹脂基材Bを用いた以外は、実施例1と同様にして位相差フィルム3を得た。
<配向性及び位相差の評価>
2枚の偏光板をクロスニコルに配置し、実施例1及び比較例1〜2で得られた位相差フィルム1〜3をそれぞれ、2枚の偏光板の間に入れて回転させ、目視により配向不良を観察した。
その結果、実施例1の位相差フィルム1では、配向不良が観察されなかった。一方、比較例1〜2の位相差フィルム2及び3では、配向不良が観察された。
位相差測定装置(Axostep、AXOMETRICS社製)にて、位相差フィルム2及び3で観察された配向不良部を測定したところ、正常な部分と比較して、位相差が±2〜4nm異なっており、位相差ムラが観察された。
1 アクリル樹脂基材
2 配向層
3 位相差層
4 パターン配向層
4A 第一配向領域
4B 第二配向領域
5 パターン位相差層
5A 第一位相差領域
5B 第二位相差領域
6 偏光子
10 位相差フィルム
20 パターン位相差フィルム
21 微細凹凸形状が付与された短尺方向端部
22 厚みの測定範囲
30 偏光板

Claims (4)

  1. アクリル樹脂基材上に配向層と位相差層とをこの順に有する位相差フィルムであって、前記アクリル樹脂基材の平均の厚みが50μm以下で、且つ、長尺方向の厚みの相対標準偏差と、長尺方向と垂直な方向の厚みの相対標準偏差のうち、大きい方の厚みの相対標準偏差が1.3%未満であることを特徴とする、位相差フィルム。
  2. 長尺状のアクリル樹脂基材上に配向層と位相差層とをこの順に有する位相差フィルムの製造方法であって、
    平均の厚みが50μm以下で、且つ、短尺方向の厚みの相対標準偏差が1.3%未満である長尺状のアクリル樹脂基材を準備する工程と、
    前記長尺状のアクリル樹脂基材の一面側に配向層形成用組成物を塗工して、配向層を連続的に形成する配向層形成工程と、
    前記配向層上に位相差層形成用組成物を塗工して、位相差層を連続的に形成する位相差層形成工程とを有する、位相差フィルムの製造方法。
  3. 偏光子の少なくとも一方の面に、請求項1に記載の位相差フィルムを備える、偏光板。
  4. 請求項1に記載の位相差フィルムを備える、画像表示装置。
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