JP2015068946A - 顔料またはその塩、着色硬化性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、固体撮像素子ならびに画像表示装置 - Google Patents

顔料またはその塩、着色硬化性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、固体撮像素子ならびに画像表示装置 Download PDF

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慎也 林
Shinya Hayashi
慎也 林
藤田 明徳
Akinori Fujita
明徳 藤田
祐太朗 法月
Yutaro NORIZUKI
祐太朗 法月
神保 良弘
Yoshihiro Jinbo
良弘 神保
陽祐 村上
Yosuke Murakami
陽祐 村上
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Abstract

【課題】より色価に優れた着色硬化性組成物、上記着色硬化性組成物の製造等に用いることができる顔料またはその塩を提供する。【解決手段】一般式(1A)又はそれらの互変異性体から選択される少なくとも1種の顔料またはその塩と、重合性化合物と重合開始剤とを含む、着色硬化性組成物。一般式(1A)(一般式(1A)中、環Aは、窒素原子および炭素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、顔料またはその塩、着色硬化性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法、固体撮像素子ならびに画像表示装置に関する。
従来、携帯電話、モバイルゲーム機、PDA等小型の液晶表示装置、有機EL表示装置では、二次電池や乾電池等の電気容量制限のあるバックライト光源の使用が必須であったため、これらの表示装置に使用されるカラーフィルタの色材としては、輝度が高く、バックライトの輝線をよく透過させて色表示できる着色剤が有利に使用されてきた。 近年、液晶表示装置、有機EL表示装置の大型化が、パーソナルコンピュータの表示モニター、テレビ等の用途で進み、これらの表示装置では、色再現性が重視されている。また、屋外に設置することも想定され、耐熱性、耐光性についても重視されている。
カラーフィルタに用いられる着色剤には、染料および/または顔料を用いることが一般的である。例えば、特許文献1〜3に油溶性の染料が記載されている。
特開2013−11875号公報 特開2011−164564号公報 特開2001−316605号公報
本発明者らが検討したところ、特許文献1〜3に記載された染料よりも、より色価に優れた着色硬化性組成物が求められている。
本発明は、かかる課題を解決することを目的としたものであって、より色価に優れた着色硬化性組成物を提供することを目的とする。また、上記着色硬化性組成物の製造等に用いることができる顔料またはその塩を提供することを目的とする。
本発明者らが詳細に検討した結果、所定の非対称メチン顔料またはその塩を組成物中に配合することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<22>により、上記課題は解決された。
<1>一般式(1A)および一般式(1B)、ならびに、それらの互変異性体から選択される少なくとも1種の顔料またはその塩と、重合性化合物と重合開始剤とを含む、着色硬化性組成物。
一般式(1A)
Figure 2015068946
(一般式(1A)中、環Aは、窒素原子および炭素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(1B)
Figure 2015068946
(一般式(1B)中、環Aは、窒素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
<2>一般式(2A)〜(2D)のいずれか、ならびに、それらの互変異性体から選択される少なくとも1種の顔料またはその多価金属塩を含む、<1>に記載の着色硬化性組成物。
一般式(2A)
Figure 2015068946
(一般式(2A)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(2B)
Figure 2015068946
(一般式(2B)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(2C)
Figure 2015068946
(一般式(2C)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(2D)
Figure 2015068946
(一般式(2D)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
<3>G1およびG2が、それぞれ独立にA群から選ばれる基を表す、<1>または<2>に記載の着色硬化性組成物。
A群
Figure 2015068946
(A群中、R9〜R40は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、隣接した置換基と環を形成していても良い。)
<4>G1および/またはG2が、一般式(7)〜(10)のいずれかで表される、<3>に記載の着色硬化性組成物。
<5>G1および/またはG2が、一般式(7)または(9)で表される、<4>に記載の着色硬化性組成物。
<6>A群中、R9およびR10は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11とR12が互いに結合して、環を形成していてもよく、R13およびR14は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R13とR14が互いに結合して、環を形成していてもよく、R15およびR16は、それぞれ独立にアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基または複素環基を表し、R17は、アルキル基を表し、R18およびR19は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R20は、水素原子、アルキル基、アシル基またはアリール基を表し、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R22は、酸素原子または硫黄原子を表し、R24〜R29は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R30は、アルキル基またはアリール基を表し、R31は、水素原子または電子求引性基を表し、R32は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R33〜R36は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R37は、アルキル基またはアリール基を表し、R38は、水素原子または電子求引性基を表し、R39およびR40は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す、<3>に記載の着色硬化性組成物。
<7>G1および/またはG2が、一般式(12)または(13)で表される、<1>または<2>に記載の着色硬化性組成物。
Figure 2015068946
<8>R2が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表し、
7が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表す、<2>に記載の着色硬化性組成物。
<9>R2および/またはR7が水素原子である、<2>に記載の着色硬化性組成物。
<10><1>〜<9>のいずれかに記載の着色硬化性組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
<11><1>〜<9>のいずれかに記載の着色硬化性組成物を用いて支持体上に着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン状に露光する工程と、露光された着色組成物層の未露光部を現像する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
<12><10>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する固体撮像素子。
<13><10>に記載のカラーフィルタまたは<11>に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する画像表示装置。
<14>一般式(1A)および一般式(1B)、ならびに、それらの互変異性体から選択される顔料またはその塩。
一般式(1A)
Figure 2015068946
(一般式(1A)中、環Aは、窒素原子および炭素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(1B)
Figure 2015068946
(一般式(1B)中、環Aは、窒素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
<15>一般式(2A)〜(2D)のいずれか、ならびに、それらの互変異性体から選択される少なくとも1種の顔料またはその多価金属塩を含む、<14>に記載の顔料またはその塩。
一般式(2A)
Figure 2015068946
(一般式(2A)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(2B)
Figure 2015068946
(一般式(2B)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(2C)
Figure 2015068946
(一般式(2C)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
一般式(2D)
Figure 2015068946
(一般式(2D)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
<16>G1およびG2が、それぞれ独立にA群から選ばれる基を表す、<14>または<15>に記載の顔料またはその塩。
A群
Figure 2015068946
(A群中、R9〜R40は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、隣接した置換基と環を形成していても良い。)
<17>G1および/またはG2が、一般式(7)〜(10)のいずれかで表される、<16>に記載の顔料またはその塩。
<18>G1および/またはG2が、一般式(7)または(9)で表される、<17>に記載の顔料またはその塩。
<19>A群中、R9およびR10は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11とR12が互いに結合して、環を形成していてもよく、R13およびR14は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R13とR14が互いに結合して、環を形成していてもよく、R15およびR16は、それぞれ独立にアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基または複素環基を表し、R17は、アルキル基を表し、R18およびR19は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R20は、水素原子、アルキル基、アシル基またはアリール基を表し、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R22は、酸素原子または硫黄原子を表し、R24〜R29は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R30は、アルキル基またはアリール基を表し、R31は、水素原子または電子求引性基を表し、R32は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R33〜R36は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R37は、アルキル基またはアリール基を表し、R38は、水素原子または電子求引性基を表し、R39およびR40は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す、<16>に記載の顔料またはその塩。
<20>G1および/またはG2が、一般式(12)または(13)で表される、<14>または<15>に記載の顔料またはその塩。
Figure 2015068946
<21>R2が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表し、
7が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表す、<15>に記載の顔料またはその塩。
<22>R2および/またはR7が水素原子である<15>に記載の顔料またはその塩。
本発明によれば、より色価に優れた着色硬化性組成物を提供することが可能となった。また、上記着色硬化性組成物の製造等に用いることができる顔料またはその塩を提供することが可能となった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、全固形分とは、着色硬化性組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<顔料またはその塩>
本発明の顔料またはその塩は、一般式(1A)および一般式(1B)、ならびに、それらの互変異性体から選択される顔料またはその塩を含むことを特徴とする。
このような構成により、より色価に優れた着色硬化性組成物の製造等に用いることができる顔料またはその塩を提供することができる。また、色相および耐熱性にも優れた顔料またはその塩を提供することができる。
本発明の顔料は、酢酸エチルに対する溶解度が1g/100mL以下であることが好ましく、0.1g/100mL以下であることがさらに好ましい。ここで、溶解度は、25℃における溶解度とする。
本発明の顔料は、結晶中に溶媒を含有する、いわゆる溶媒和物であってもよい。溶媒和物を形成する溶媒としては、例えば、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、)、グリコール系(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール)ケトン系(例えば、アセトン、2−ブタノン)、エーテル系(例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン)、水などが挙げられる。
本発明の顔料の塩は、1価の塩でも、多価の塩でもよく、顔料の一部がアニオン部位を形成しており、対カチオンを有する態様が好ましい。また、多価の塩の場合、例えば、n価の金属とn価の顔料からなる塩であってもよいし、n価の金属とn個の1価の顔料からなる塩であってもよい。好ましくは、2価または3価の塩である。
一般式(1A)
Figure 2015068946
(一般式(1A)中、環Aは、窒素原子および炭素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(1A)中、環Aは、窒素原子および炭素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。5員環の芳香族複素環は、単環であっても多環であってもよい。5員環の芳香族複素環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される少なくとも1種が好ましく、窒素原子がより好ましい。5員環の芳香族複素環を構成するヘテロ原子の数は、2〜4が好ましく、2または3がより好ましい。
5員環の芳香族複素環の具体例としては、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環等が挙げられる。
5員環の芳香族複素環が有していてもよい置換基は、下記置換基群が挙げられる。
アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸、ハロゲン原子、およびこれらの塩等が挙げられる。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、さらに置換基を有していてもよい。これらの置換基はさらに置換されていてもよい。
1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。
5員環または6員環を含む環構造は、芳香族であっても非芳香族であってもよい。また、上記5員環または6員環は、環式炭化水素であってもヘテロ環であってもよい。5員環または6員環がヘテロ環である場合、ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される少なくとも1種が好ましく、窒素原子および酸素原子から選択される少なくとも1種がより好ましい。5員環または6員環がヘテロ環である場合、ヘテロ環を構成するヘテロ原子の数は、1〜3が好ましい。
上記5員環または6員環を含む環構造の具体例としては、ピラゾール環、ピロリジン環、ピロール環、チオラン環、チオフェン環、ピリダジン環等が挙げられる。
上記5員環または6員環を含む環構造は、さらに他の環を含んでいてもよい。この他の環は、1種または2種以上でもよく、単環であっても多環であってもよく、上記5員環または6員環と縮合していてもよい。また、他の環は、芳香族であっても非芳香族であってもよく、また、他の環は、環式炭化水素であってもヘテロ環であってもよい。具体例としては、5員環または6員環を含む環構造で説明したものが挙げられる。
5員環または6員環を含む環構造が有していてもよい置換基は、上記5員環の芳香族複素環が有していてもよい置換基と同様である。
1は、NRA1、酸素原子を表し、酸素原子が好ましい。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜4が好ましい。RA1は、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
1は、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表すことが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基またはアルコキシ基がより好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。また、アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよい。また、アルキル基は、無置換が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。アリール基は、無置換が好ましく、無置換のフェニル基がより好ましい。
複素環基は、芳香族であっても非芳香族であってもよいが、芳香族複素環が好ましい。複素環基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される少なくとも1種が好ましく、窒素原子がより好ましい。複素環基を構成するヘテロ原子の数は、1〜3が好ましい。複素環は、5〜7員環が好ましく、5または6員環がより好ましい。複素環の具体例としては、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、ピラン環、ピペリジン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環、テトラジン環、オキサジン環、オキサン環、ジオキサン環、チアン環、ジチアン環等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基の炭素数は、2〜5が好ましく、アセチル基、プロピオニル基、イソブチロイル基、ピバロイル基がより好ましい。
カルバモイル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
アルコキシ基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
2は、水素原子、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、または、直鎖または分岐状のアシル基が好ましく、水素原子がより好ましい。R2が水素原子を表すことにより、分子内水素結合を形成することができ、分子がより剛直になることで、色相(スペクトル)がシャープになり、色価をより良好にすることができる。また、分子がより剛直になることで、分子間相互作用が効果的に働き、耐熱性をより向上させることができるからである。
直鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。分岐状のアルキル基の炭素数は、3〜8が好ましく、3または4がより好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
直鎖状のアシル基の炭素数は、1〜8が好ましく、2〜5がより好ましい。分岐状のアシル基の炭素数は、3〜8が好ましく、3〜5がより好ましい。アシル基は、直鎖状が好ましい。
3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表すことが好ましく、ハロゲンまたは水素原子がより好ましい。
ハロゲン原子は、塩素原子が好ましい。
アルキル基は、上記一般式(1A)中のR1で説明したアルキル基と同義であり、メチル基が好ましい。
アリール基および複素環基は、上記一般式(1A)中のR1で説明したアリール基および複素環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(1B)
Figure 2015068946
(一般式(1B)中、環Aは、窒素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
環Aは、上記一般式(1A)中の環Aと同義であり、好ましい範囲も同様である。
2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。5員環または6員環を含む環構造は、上記一般式(1A)中のG1で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。RA3が置換基を表す場合、電子吸引性基が好ましく、特にハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基が好ましい。具体的には、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくは、シアノ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルキルスルホニル基、炭素数6〜8のアリールスルホニル基、または炭素数0〜9のスルファモイル基である。その中でも、シアノ基、−CONH2および−CO2Meが特に好ましい。
1〜R3は、上述した一般式(1A)中のR1〜R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料またはその塩は、一般式(2A)〜(2D)のいずれか、ならびに、それらの互変異性体から選択される顔料またはその塩を含むことが好ましい。
一般式(2A)
Figure 2015068946
(一般式(2A)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
1は、一般式(1A)中のG1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1は、上記一般式(1A)中のX1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1は、上記一般式(1A)中のR1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
4は、上記一般式(1A)中のR1と同義であり、アルキル基、アリール基または複素環基が好ましく、アルキル基(特にメチル基)がより好ましい。R4が有していてもよい置換基としては、複素環基、炭素数1〜6のカルバモイル基、炭素数1〜6のアルキル基、スルホニル基、アミノ基等が好ましい。これらの置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
4の式量は、1〜200が好ましく、1〜100がより好ましく、10以上60以下がさらに好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果をより効果的に達成することができる。
2は、上記一般式(1A)中のR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
3は、上記一般式(1A)中のR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料の塩を含む場合、アニオン部位は、一般式(2A)中のいずれかの部位に少なくとも1つ存在していればよく、G1が有していていもよい置換基の末端に存在することが好ましい。アニオン部位としては、SO2 -、CO2 -が好ましい。また、本発明の顔料の塩を含む場合、対カチオンは、多価金属のカチオンが好ましく、Be2+、Ca2+、Sr2+ Mn2+、Ba2+、Mg2+が好ましい。
一般式(2B)
Figure 2015068946
(一般式(2B)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
1は、一般式(1A)中のG1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1は、上記一般式(1A)中のX1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1は、上記一般式(1A)中のR1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
6は、上記一般式(1A)中のR1と同義であり、アルキル基またはカルバモイル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。また、アルキル基は、直鎖または分岐状が好ましく、無置換が好ましい。R6が有していても良い置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のカルバモイル基等が好ましい。これらの置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
6の式量は、1〜200が好ましく、1〜100がより好ましく、10以上60以下がさらに好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果をより効果的に達成することができる。
7は、上記一般式(1A)中のR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料の塩を含む場合のアニオン部位および対カチオンは、一般式(2A)で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2C)
Figure 2015068946
(一般式(2C)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
2は、上記一般式(1B)中G2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2は、上記一般式(1B)中X2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1およびR4は、上記一般式(2A)中のR1およびR4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2は、上記一般式(2A)中のR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
3は、上記一般式(2A)中のR3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料の塩を含む場合のアニオン部位および対カチオンは、一般式(2A)で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2D)
Figure 2015068946
(一般式(2D)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
2は、上記一般式(1B)中G2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2は、上記一般式(1B)中X2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1およびR6は、上記一般式(2B)中のR1およびR6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
7は、上記一般式(2B)中のR7と同義であり、好ましい範囲も同様である。
8は、上記一般式(2B)中のR8と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料の塩を含む場合のアニオン部位および対カチオンは、一般式(2A)で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記一般式中、G1および/またはG2は、それぞれ独立に下記A群から選ばれる基を表すことが好ましく、下記一般式(7)〜(10)のいずれかで表される基がより好ましく、下記一般式(7)または(9)で表される基がさらに好ましい。
A群
Figure 2015068946
(A群中、R9〜R40は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、隣接した置換基と環を形成していても良い。)
9およびR10は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表すことが好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
アルキル基およびアリール基は、無置換であることが好ましい。
11およびR12は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、アルキル基が好ましい。また、R11とR12が互いに結合して、環(好ましくは芳香環)を形成していてもよい。
アルキル基およびアリール基は、上記R9およびR10で説明したアルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
13およびR14は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、アルキル基が好ましい。また、R13とR14が互いに結合して、環(好ましくは芳香環)を形成していてもよい。
アルキル基およびアリール基は、上記R9およびR10で説明したアルキル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
15およびR16は、それぞれ独立にアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基または複素環基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
アルキルオキシカルボニル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
複素環基は、上記一般式(1A)中のR1で説明した複素環基と同義である。複素環基を構成するヘテロ原子は、窒素原子または硫黄原子が好ましい。
本発明の顔料の塩を構成する場合、R16は、上述したアニオン部位を有していてもよい。
17は、アルキル基が好ましい。アルキル基は、R15およびR16で説明したアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
18およびR19は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基または複素環基が好ましい。アルキル基、アリール基および複素環基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料の塩を構成する場合、R19は、上述したアニオン部位を有していてもよい。
20は、水素原子、アルキル基、アシル基またはアリール基が好ましく、水素原子、アルキル基またはアシル基がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状のアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
アシル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。
アリール基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
21およびR23は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましい。アルキル基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、メチル基が好ましい。アリール基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料の塩を構成する場合、R23は、上述したアニオン部位を有していてもよい。
22は、酸素原子または硫黄原子を表すことが好ましい。
24〜R29は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
アルキル基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、炭素数1〜4が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
アリール基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
ハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子が好ましい。
30は、アルキル基またはアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
アルキル基は、直鎖状または環状のアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
アリール基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
31は、水素原子または電子求引性基が好ましい。電子求引性基は、上記一般式(1B)中のRA3で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
32は、水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましい。アルキル基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、メチル基が好ましい。アリール基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の顔料の塩を構成する場合、R32は、上述したアニオン部位を有していてもよい。
33〜R36は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
アルキル基、アリール基およびハロゲン原子は、上記R24〜R29で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
37は、上記R30と同義であり、好ましい範囲も同様である。
38は、上記R31と同義であり、好ましい範囲も同様である。
39およびR40は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基が好ましく、アルキル基またはアリール基がより好ましい。アルキル基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、メチル基が好ましい。アリール基および複素環基は、R15およびR16で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
A群中のR9〜R40は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基群が挙げられる。
特に、上記一般式中のG1およびG2は、下記一般式(12)または(13)で表されることが好ましい。
Figure 2015068946
以下、本発明の顔料またはその塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記具体例中、Priは、イソプロピル基を表す。
Figure 2015068946
Figure 2015068946
Figure 2015068946
Figure 2015068946
上記例示化合物(1)に関しては、下記スキーム(1)のような互変異性体や、下記スキーム(2)のような幾何異性体も、本発明の範囲に含まれるものとする。他の例示化合物についても同様である。
スキーム(1)
Figure 2015068946
スキーム(2)
Figure 2015068946
<顔料分散液>
本発明の顔料分散液は、上記本発明の顔料またはその塩を少なくとも1種含むことを特徴とする。
本発明の顔料分散液に含まれる顔料の濃度は、全固形分の0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜20質量であることがより好ましい。
顔料分散液は、さらに、溶剤、顔料分散剤、顔料誘導体、上記本発明の顔料またはその塩以外の顔料等を含んでいてもよい。
<<溶剤>>
顔料分散液において顔料を分散する溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコール誘導体、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
顔料分散液における溶剤の含有量は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。溶剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<分散剤>>
顔料の分散性を向上させる観点から、さらに顔料分散剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる顔料分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
高分子分散剤は顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうる顔料分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
また、特開2011−070156号公報の段落番号0028〜0124に記載の分散剤や特開2007−277514号公報に記載の分散剤も好ましく用いられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
これらの顔料分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体を組み合わせて使用することが好ましい。
本発明の組成物における顔料分散剤の含有量としては、顔料100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、20〜100質量部がより好ましく、30〜70質量部であることが更に好ましい。
また、顔料誘導体を併用する場合、顔料誘導体の使用量としては、顔料100質量部に対し、質量換算で1〜30質量部の範囲にあることが好ましく3〜20質量部の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量部の範囲にあることが特に好ましい。
<<顔料誘導体>>
顔料に対する分散樹脂の吸着性を上げるため、更に、顔料誘導体を用いることが好ましい。顔料誘導体とは、有機顔料の一部分を、酸性基、塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物である。顔料誘導体としては、分散性及び分散安定性の観点から、酸性基又は塩基性基を有する顔料誘導体を含有することが好ましい。
顔料誘導体を構成するための有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
また、顔料誘導体が有する酸性基としては、スルホン酸、カルボン酸及びその4級アンモニウム塩が好ましく、カルボン酸基及びスルホン酸基がさらに好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、特に三級アミノ基が好ましい。
顔料誘導体としては、特に、キノリン系、ベンズイミダゾロン系及びイソインドリン系の顔料誘導体が好ましく、キノリン系及びベンズイミダゾロン系の顔料誘導体がさらに好ましい。特に、下記構造を有する顔料誘導体が好ましい。
Figure 2015068946
一般式(P)中、Aは、下記一般式(PA−1)〜(PA−3)から選ばれる部分構造を表す。Bは単結合、又は(t+1)価の連結基を表す。Cは、単結合、−NH−、−CONH−、−CO2−、−SO2NH−、−O−、−S−又は−SO2−を表す。Dは、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。Eは、−SO3H、−SO3M(Mはアルカリ金属原子を表す)、−CO2H又は−N(Rpa)(Rpb)を表す。Rpa及びRpbは、各々独立して、アルキル基又はアリール基を表し、Rpa及びRpbは互いに連結して環を形成してもよい。tは1〜5の整数を表す。
Figure 2015068946
一般式(PA−1)及び(PA−2)中、Rp1は、炭素数1〜5のアルキル基又はアリール基を表す。一般式(PA−3)中、Rp2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はヒドロキシル基を表す。sは、1〜4の整数を表す。sが2以上の場合、複数のRp2は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。一般式(PA−1)及び一般式(PA−3)中、Rp3は、単結合、−NH−、−CONH−、−CO2−、−SO2NH−、−O−、−S−又は−SO2−を表す。*はBとの連結部を表す。
一般式(P)中、Rp1は、特にメチル基又はフェニル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。一般式(PA−3)中、Rp2は、水素原子又はハロゲン原子が好ましく、水素原子又は塩素原子が最も好ましい。
一般式(P)中、Bで表される(t+1)価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基が挙げられる。これらのうちでも、特に、下記構造式(PA−4)〜(PA−9)で表される連結基が好ましい。
Figure 2015068946
構造式(PA−4)〜(PA−9)のうちでも、特にBとして、構造式(PA−5)又は(PA−8)で表される連結基を有する顔料誘導体が、分散性により優れることから好ましい。
一般式(P)中、Dで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基及びアリーレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、デシレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン、シクロデシレン、フェニレン、ナフチレン等が挙げられる。これらのうちでも、Dとしては、特にアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレンが最も好ましい。
一般式(P)中、Eが−N(Rpa)(Rpb)を表す場合に、Rpa及びRpbにおけるアルキル基及びアリール基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。Rpa及びRpbとしては、特にアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が最も好ましい。前記tは1又は2が好ましい。
以下に、顔料誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例中、Mは、アルカリ金属(Na,K等)を表す。
Figure 2015068946
Figure 2015068946
Figure 2015068946
Figure 2015068946
顔料分散液における顔料誘導体の含有量は、顔料の全質量に対し、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。顔料誘導体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<他の顔料>>
本発明の顔料分散液は、上記本発明の顔料またはその塩以外の他の顔料をさらに含んでいてもよい。
他の顔料は、有機顔料であることが好ましく、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等(以上、黄色顔料)、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等(以上、赤色顔料)、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58等(以上、緑色顔料)、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)、
C.I.Pigment Black 1,7等(以上、黒色顔料)
顔料分散液における他の顔料を含む場合の含有量は、顔料の全質量に対し、1〜200質量%が好ましく、5〜50質量%がさらに好ましい。他の顔料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製方法は、例えば、顔料と顔料分散剤等を予め混合して、ホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えば、GETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させることによって行うことができる。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、上記本発明の顔料またはその塩を少なくとも一種含有することを特徴とする。本発明の着色組成物は、インクジェット用インク、カラーフィルタ用着色組成物として使用可能な着色硬化性組成物などに好適に使用することができる。
本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性インクの場合には、顔料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
<着色硬化性組成物>
本発明の着色硬化性組成物は、上記本発明の顔料またはその塩と、重合性化合物と重合開始剤とを含むことを特徴とする。このような構成により、より色価に優れた着色硬化性組成物を提供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、さらに上記本発明の顔料またはその塩以外の他の着色剤、アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤、溶剤、重合禁止剤等を含んでいてもよい。
<重合性化合物>
重合性化合物として、具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、モノマー及びそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、上記重合性化合物としては、重合性モノマーとして、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
これらの重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)、M−460(東亞合成社製)などが挙げられる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418号公報、特開2010−129825号公報、特許第4364216号等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、特開2011−180307号公報の段落[0191]〜[0193]、特開2012−046712号公報の段落[0093]〜[0094]に記載の式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、上記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、NKエステルA−DPH−12E;新中村化学社製、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良い。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが必須である。
また、重合性モノマーとして、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましく、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、特開2012−003225号公報の段落[0155]〜[0162]に記載のカプロラクトン構造を有する多官能性単量体を使用することができる。
また、重合性モノマーとして、特開2010−085457号公報の段落[0029]〜[0040]に記載の一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択されるモノマーを好適に使用することができる。
また、重合性化合物としては、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適である。酸基を有するエチレン性不飽和化合物類は、上記多官能アルコールの一部のヒドロキシ基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシ基に酸無水物を付加反応させてカルボキシ基とするなどの方法で得られる。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
重合性化合物としては、同一分子内に2個以上のメルカプト(SH)基を有する多官能チオール化合物も好適である。多官能チオール化合物としては、特開2009−086563号公報の段落0038〜0040に記載されている多環能チオール化合物を使用することができる。
本発明の組成物中の重合性化合物の含有量は、組成物中の全固形分に対して1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がさらに好ましく、2〜25質量%が特に好ましい。
本発明の組成物は、重合性化合物を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、光重合開始剤は、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。
上記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤としては、特開2012−053243号公報の段落[0116]に記載の重合開始剤を使用することができる。
上記ケトン化合物としては、例えば、特開2012−053243号公報の段落[0117]に記載のケトン化合物を使用することができる。
光重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nmまたは405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム系化合物が挙げられる。オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号記載の化合物、特開2000−80068号記載の化合物、特開2006−342166号記載の化合物を用いることができる。
本発明で光重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。また、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−309、TRONLY TR−PBG−305(常州強力電子新材料有限公司社(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)などの市販品も使用できる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025公報および米国特許公開2009−292039記載の化合物、国際公開特許2009−131189公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくはさらに、特開2007−231000公報、及び、特開2007−322744公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985公報、特開2010−185072公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
特に好ましくは、特開2007−269779公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
具体的には、特開2012−032556号公報に記載のオキシム系光重合開始剤を使用することが好ましい。
本発明の組成物中の重合開始剤の含有量は、組成物の全固形分に対し0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜8質量%である。
本発明の組成物は、重合開始剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物がさらに含んでいてもよい他の着色剤としては、公知の無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料を挙げることができる。
有機顔料としては、例えば、上述した他の顔料で説明した有機顔料が挙げられる。
公知の染料としては、例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、ピロメテン系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系等の染料を使用できる。また、染料としては色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報に記載されている化合物が挙げられる。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明の着色硬化性組成物は、さらにアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、現像性・パターン形成性がより向上する。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
上記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性樹脂に酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマーおよび/または重合後に酸基を付与しうるモノマー(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合するようにすればよい。
なお、重合後に酸基を付与しうるモノマーを単量体成分として酸基を導入する場合には、重合後に例えば後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類およびその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
アルカリ可溶性樹脂として用いられる線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーとして、N―フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を含むことも好ましい。
Figure 2015068946
一般式(ED)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
これにより、本発明の着色硬化性組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。上記エーテルダイマーを示す上記一般式(1)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、tert−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
上記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(tert−ブチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(tert−アミル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(tert−ブチルシクロヘキシル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。上記一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他の単量体を共重合させてもよい。
上記の他、アルカリ可溶性樹脂に共重合させる単量体として下記式(X)で示されるエチレン性不飽和単量体(a)を含むことが好ましい。
式(X)
Figure 2015068946
(式(X)において、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。)
上記式(X)において、R2のアルキレン基の炭素数は、2〜3であることが好ましい。また、R3のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10であり、R3のアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。R3で表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
エチレン性不飽和単量体(a)としては、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEOまたはプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明における着色硬化性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基および重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002−229207号公報および特開2003−335814号公報に記載されるα位またはβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂を、塩基性処理することで得られる樹脂などが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に、(メタ)アクリル酸ベンジル/(メタ)アクリル酸共重合体や(メタ)アクリル酸ベンジル/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合した(メタ)アクリル酸ベンジル/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、特開平7−140654号公報に記載の2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられ、特に好ましくはメタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、特開2012−208494号公報段落0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0685]〜[0700])以降の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
さらに、特開2012−32767号公報に記載の段落番号0029〜0063に記載の共重合体(B)および実施例で用いられているアルカリ可溶性樹脂、特開2012−208474号公報の段落番号0088〜0098に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−137531号公報の段落番号0022〜0032に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2013−024934号公報の段落番号0132〜0143に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2011−242752号公報の段落番号0092〜0098および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−032770号公報の段落番号0030〜0072の記載のバインダー樹脂を用いること好ましい。これらの内容は本願明細書に組み込まれる。より具体的には、下記の樹脂が好ましい。下記繰返し単位における比はモル比である。
Figure 2015068946
Figure 2015068946
Figure 2015068946
Figure 2015068946
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gが好ましく、50〜150mgKOH/gがより好ましく、70〜120mgKOH/gが特に好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましく、7,000〜20,000が特に好ましい。
本発明における重量平均分子量は、特に述べない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したものをいう。GPCは、得られたポリマーについて、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈して、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)にて、TSKgel Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本直列につないだものをカラムとして測定することができる。条件は、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行うことができる。
着色硬化性組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量としては、着色硬化性組成物の全固形分に対して、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは、2〜12質量%であり、特に好ましくは、3〜10質量%である。
本発明の組成物は、アルカリ可溶性樹脂を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明の組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株))等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
本発明の組成物に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の添加量は、組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
本発明の組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<溶剤>
溶剤としては、上述した顔料分散液で挙げた溶剤を用いることができる。
溶剤の組成物中における含有量は、塗布性の観点から、組成物の全固形分濃度が10〜90質量%になる量とすることが好ましく、20〜80質量%がさらに好まし。
本発明の組成物は、溶剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<重合禁止剤>
本発明における組成物においては、組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。中でも、p−メトキシフェノールが好ましい。
重合禁止剤の添加量は、組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。本発明の組成物は、重合禁止剤を1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
<着色硬化性組成物の調製方法>
本発明の着色硬化性組成物は、前述の成分を混合することで調製される。
なお、着色硬化性組成物の調製に際しては、着色硬化性組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された着色硬化性組成物は、好ましくは、孔径0.01μm〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05μm〜0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、カラーフィルタの着色層形成用として好ましく用いられる。より具体的には、本発明の着色硬化性組成物は、耐熱性および色特性に優れた硬化膜を形成することができるため、カラーフィルタの着色パターン(着色層)を形成するために好適に用いられる。また、本発明の着色硬化性組成物は、固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)や、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置に用いられるカラーフィルタなどの着色パターン形成用として好適に用いることができる。さらに、印刷インキ、インクジェットインキおよび塗料などの作製用途としても好適に用いることができる。なかでも、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子用のカラーフィルタを作製用途として好適に用いることができる。
<硬化膜、パターン形成方法、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法>
次に、本発明における硬化膜、パターン形成方法およびカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明の硬化膜は、本発明の着色硬化性組成物を硬化してなる。かかる硬化膜はカラーフィルタに好ましく用いられる。
本発明のパターン形成方法は、本発明の着色硬化性組成物を用いて支持体上に着色組成物層を形成し、不要部分を除去して、着色パターンを形成する。
本発明のパターン形成方法は、カラーフィルタが有する着色パターン(画素)の形成に好適に適用することができる。
本発明の組成物は、いわゆるフォトリソグラフィ法でパターン形成によって、カラーフィルタを製造してもよいし、ドライエッチング法によってパターンを形成してもよい。
すなわち、本発明のカラーフィルタの第一の製造方法として、着色硬化性組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むカラーフィルタの製造方法が例示される。
また、本発明のカラーフィルタの第二の製造方法として、着色硬化性組成物を支持体上に適用して着色組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、およびレジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程を含む、カラーフィルタの製造方法が例示される。
本発明では、フォトリソグラフィ法で製造することがより好ましい。
以下これらの詳細を述べる。
以下、本発明のパターン形成方法における各工程については、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法を通じて詳細に説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。以下、固体撮像素子用カラーフィルタを単に「カラーフィルタ」ということがある。
<<着色組成物層を形成する工程>>
着色組成物層を形成する工程では、支持体上に、本発明の着色硬化性組成物を適用して着色組成物層形成工程を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、基板(例えば、シリコン基板)上にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用基板を用いることができる。
本発明における着色パターンは、固体撮像素子用基板の撮像素子形成面側(おもて面)に形成されてもよいし、撮像素子非形成面側(裏面)に形成されてもよい。
固体撮像素子における着色パターンの間や、固体撮像素子用基板の裏面には、遮光膜が設けられていてもよい。
また、支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。下塗り層には、溶剤、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、重合禁止剤、界面活性剤、光重合開始剤等を配合でき、これらの各成分は、上述の本発明の組成物に配合する成分から適宜選択されることが好ましい。
支持体上への本発明の着色硬化性組成物の付与方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
支持体上に塗布された着色組成物層の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行うことができる。
<フォトリソグラフィ法でパターン形成する工程>
<<露光する工程>>
露光工程では、着色組成物層形成工程において形成された着色組成物層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、所定のマスクパターンを有するマスクを介してパターン露光する。これにより、硬化膜が得られる。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は30mJ/cm2〜1500mJ/cm2が好ましく50mJ/cm2〜1000mJ/cm2がより好ましく、80mJ/cm2〜500mJ/cm2が特に好ましい。
硬化膜(着色膜)の膜厚は1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm〜0.9μmであることがより好ましく、0.2μm〜0.8μmであることがさらに好ましい。
膜厚を、1.0μm以下とすることにより、高解像性、高密着性を得られるため、好ましい。
また、本工程においては、0.7μm以下の薄い膜厚を有する硬化膜も好適に形成することができ、得られた硬化膜を、後述するパターン形成工程にて現像処理することで、薄膜でありながらも、現像性、表面荒れ抑制、およびパターン形状に優れた着色パターンを得ることができる。
<<現像工程>>
次いでアルカリ現像処理を行うことにより、露光工程における光未照射部分の着色組成物層がアルカリ水溶液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の撮像素子や回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は、従来20秒〜90秒であった。より残渣を除去するため、近年では120秒〜180秒実施する場合もある。さらには、より残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返す場合もある。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
なお、現像液には無機アルカリを用いてもよく、無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが好ましい。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
次いで、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。多色の着色パターンを形成するのであれば、色ごとに上記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルタが得られる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃、好ましくは200℃〜240℃の熱硬化処理を行う。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
ドライエッチング法でパターンを形成する場合の方法は、例えば特開2013−054080号公報の段落0287〜0356を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
なお、本発明の製造方法は、必要に応じ、上記以外の工程として、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法として公知の工程を有していてもよい。例えば、上述した、着色組成物層形成工程、露光工程およびパターン形成工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
また、本発明に係る着色硬化性組成物を用いる場合、例えば、塗布装置吐出部のノズルや配管部の目詰まりや塗布機内への着色硬化性組成物や顔料の付着・沈降・乾燥による汚染等が生じる場合がある。そこで、本発明の着色硬化性組成物によってもたらされた汚染を効率よく洗浄するためには、前掲の本組成物に関する溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も本発明に係る着色硬化性組成物の洗浄除去として好適に用いることができる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20である。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。なお、汚染物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には前掲の本組成物に関する界面活性剤を添加してもよい。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色硬化性組成物を用いているため、露光マージンに優れた露光ができる共に、形成された着色パターン(着色画素)は、パターン形状に優れ、パターン表面の荒れや現像部における残渣が抑制されていることから、色特性に優れたものとなる。
本発明のカラーフィルタは、CCD、CMOS等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCDやCMOS等に好適である。本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、例えば、CCDまたはCMOSを構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
なお、本発明のカラーフィルタにおける着色パターン(着色画素)の膜厚としては、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.7μm以下がさらに好ましい。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明におけるカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、上記フォトダイオードおよび上記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、上記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
さらに、上記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
<画像表示装置>
本発明のカラーフィルタは、上記固体撮像素子のみならず、液晶表示装置や有機EL表示装置などの、画像表示装置に用いることができ、特に液晶表示装置の用途に好適である。本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、カラーTFT方式の液晶表示装置に用いてもよい。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、およびR−OCB等にも適用できる。
また、本発明におけるカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率および剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、色相に優れた色素を用いることから、色純度、光透過性などが良好で着色パターン(画素)の色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
また、本発明では、マイクロオーレッド方式(マイクロOLED)のディスプレイにも好ましく用いることができる。これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、本発明におけるカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、さらに、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
後述する化合物(a)〜(q)は、下記化合物を使用した。
Figure 2015068946
中間体(2)
Figure 2015068946
化合物(a)5gをジメチルスルホキシド30mLに懸濁し、室温にてジメチルホルムアミドジメチルアセタール6.5gを滴下した。室温にて4時間撹拌し、イソプロパノール60mLを添加し、析出している固体を濾過し、イソプロパノール50mLでかけ洗いし、中間体(2)を5.2g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.44(3H, s), 2.56 (3H, s), 3.57 (3H, s), 3.69 (3H, s), 8.22 (1H, s)
中間体(3)
Figure 2015068946
化合物(c)5gをジメチルスルホキシド30mLに懸濁し、室温にてジメチルホルムアミドジメチルアセタール6.5gを滴下した。室温にて4時間撹拌し、イソプロパノール60mLを添加し、析出している固体を濾過し、イソプロパノール50mLでかけ洗いし、中間体(3)を4.8g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.32 (3H, s), 2.48 (3H, s), 2.77 (3H, s), 2.93 (3H, s), 5.63 (1H, s), 12.50-12.75 (1H, br)
中間体(4)
Figure 2015068946
化合物(a)5gをジメチルホルムアミド25mLに懸濁させ、氷冷下撹拌し、ここに15℃以下になるようにオキシ塩化リン8.4gを滴下し、その後室温まで昇温し2時間攪拌した。氷冷して内温を4℃にした後、水30mLを滴下した。別に水20mLに水酸化ナトリウム9gを溶解させ、イソプロパノール5mLを添加し、ここに、室温にて上記の反応液を添加した。1時間攪拌した後、85℃に昇温し、減圧下、イソプロパノールを留去し、水50mLを添加し、濃塩酸を加えてpHを1.0にして、析出している結晶を濾過、水で十分にかけ洗いして、乾燥し、中間体(4)を3.2g得た。
1H NMR(300MHz in CDCl3; δppm; J Hz) 2.60 (3H, s), 2.62 (3H, s), 4.82 (1H, br), 9.60 (1H, s)
中間体(5)
Figure 2015068946
中間体(4)の合成例で用いた化合物(a)を化合物(f)に変更した以外は同様にして合成し、中間体(5)を得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 1.41 (9H, s), 3.08 (3H, s), 7.56 (2H, d), 8.04 (2H, d), 9.97 (1H, s), 10.22 (1H, s)
顔料(1)
Figure 2015068946
中間体(2)3.0g、化合物(i)2.6gを酢酸12mL、メタノール12mLの混合溶液に懸濁し、昇温して還流下4時間攪拌した後、室温まで冷却し、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした。メタノール50mLに懸濁し、昇温して還流下2時間撹拌し、室温まで冷却し、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(1)を3.8g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.51 (3H, s), 2.56 (3H, s), 7.19 (2H, m), 7.58 (6H, m), 7.63 (2H, d), 7.79 (1H, s), 12.46 (1H, s)
顔料(3)
Figure 2015068946
中間体(4)2.3gと化合物(h)2.1gを酢酸24mL、メタノール14mLの混合溶媒に懸濁した後、昇温して還流下3時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いした。メタノール50mLに懸濁し、昇温して還流下2時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いしし、乾燥して顔料(3)を3.1g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.23 (3H, s), 2.25 (3H, s), 7.60 (1H, s), 7.83 (4H, m), 12.58 (1H, s)
顔料(4)
Figure 2015068946
化合物(a)0.94gと化合物(b)1.00gを混合し、メタノール4.7mLに懸濁し攪拌した。ここに酢酸4.7mLを添加し、昇温して外温を80度に昇温し、還流下6時間攪拌した。冷却して内温を室温にした後、メタノール20mLを添加し、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした後、水100mLに懸濁し、28%アンモニア水を用いてpHを6.0に調整した。析出している結晶を濾過し、水で十分にかけ洗いした。メタノール20mLに懸濁させ、還流下2時間撹拌し、室温まで冷却して、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした後、乾燥し、顔料(4)を1.3g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.41 (3H, s), 2.57 (3H, s), 7.26-7.36 (2H, m), 7.60 (1H, dd), 8.18 (1H, dd), 8.37 (1H, s), 9.84 (1H, s), 12.72 (1H, s)
中間体(8)
Figure 2015068946
化合物(p)15gジメチルスルホキシド50mLに懸濁し、室温にてジメチルホルムアミドジメチルアセタール15.2gを滴下した。室温にて4時間撹拌し、酢酸エチル100mLを添加し、析出している固体を濾過し、酢酸エチル50mLでかけ洗いし、中間体(8)を14.0g得た。
顔料(7)
Figure 2015068946
化合物(a)2.0g、中間体(8)1.1gを酢酸8mL、メタノール8mLの混合溶媒に懸濁し、昇温して還流下5時間攪拌した。冷却して室温にした後、メタノール20mLを添加し、析出している結晶を濾過、メタノール、水で十分にかけ洗いした後、水50mLに懸濁し、炭酸ナトリウムを添加してpHを6.0に調整した。析出している結晶を濾過、水で十分にかけ洗いした後、メタノール40mLに懸濁し、還流下3時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(7)を2.5g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.42 (3H, s), 2.54 (3H, s), 8.15 (1H, s), 12.23 (1H, s)
中間体(6)
Figure 2015068946
化合物(m)5gをジメチルスルホキシド30mLに懸濁し、室温にてジメチルホルムアミドジメチルアセタール6.2gを滴下した。室温にて4時間撹拌し、イソプロパノール60mLを添加し、析出している固体を濾過し、イソプロパノール50mLでかけ洗いし、中間体(2)を5.4g得た。
顔料(8)
Figure 2015068946
中間体(6)7.8g、化合物(a)4.1gを酢酸40mLに懸濁し、昇温して還流下5時間攪拌した。冷却して室温にした後、メタノール150mLを添加し、析出している結晶を濾過、メタノール、水で十分にかけ洗いした後、水200mLに懸濁し、炭酸ナトリウムを添加してpHを6.0に調整した。析出している結晶を濾過、水で十分にかけ洗いした後、メタノール40mLに懸濁し、還流下3時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(8)を6.4g得た。
MALDI−MSで確認したm/Zの値は290であった。
顔料(9)
Figure 2015068946
中間体(2)3.0g、化合物(l)2.6gを酢酸7.5mL、メタノール7.5mLの混合溶媒に懸濁し、昇温して還流下4時間攪拌した。冷却して室温にした後、析出している結晶を濾過、メタノール、水で十分にかけ洗いした後、メタノール40mLに懸濁し、還流下3時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(9)を3.8g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.55 (3H, s), 2.58 (3H, s), 7.83 (2H, dd), 8.40-8.70 (2H, br), 8.50 (1H, s), 12.59 (1H, s)
顔料(11)
Figure 2015068946
中間体(2)1gと化合物(d)0.7gを酢酸10mL、メタノール10mLに懸濁し、昇温して還流下2時間攪拌した。室温まで冷却し、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした。水30mLに懸濁させ、28%アンモニア水でpHを6.0に調整し、析出している結晶を濾過、水で十分にかけ洗いした後、メタノール20mLに懸濁させ、還流下2時間撹拌し、室温まで冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗い、乾燥して、顔料(11)を1.2g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.18 (3H,s), 2.37 (3H, s), 2.49 (3H, s), 7.24 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.57 (1H, s), 10.81 (1H, s), 12.04 (1H, s)
顔料(12)
Figure 2015068946
中間体(2)1gと化合物(q)0.6gを酢酸10mL、メタノール10mLに懸濁し、酢酸ナトリウム1.0gを添加し、昇温して還流下2時間攪拌した。室温まで冷却し、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした。メタノール20mLに懸濁させ、還流下2時間撹拌し、室温まで冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗い、乾燥して、顔料(12)を1.0g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.30 (3H, s), 2.42 (3H, s), 2.44 (3H, s), 5.80 (1H, s), 7.41 (1H, s), 10.72 (1H, s), 12.09 (1H, s)
中間体(7)
Figure 2015068946
化合物(o)13.3gをジメチルスルホキシド50mLに懸濁し、室温にてジメチルホルムアミドジメチルアセタール15.2gを滴下した。室温にて4時間撹拌し、酢酸エチル100mLを添加し、析出している固体を濾過し、酢酸エチル50mLでかけ洗いし、中間体(7)を7.9g得た。
顔料(13)
Figure 2015068946
化合物(a)2.0g、中間体(7)3.1gを酢酸10mLに懸濁し、昇温して還流下8時間攪拌した。冷却して室温にした後、メタノール30mLを添加し、析出している結晶を濾過、メタノール、水で十分にかけ洗いした後、水50mLに懸濁し、炭酸ナトリウムを添加してpHを6.0に調整した。析出している結晶を濾過、水で十分にかけ洗いした後、メタノール40mLに懸濁し、還流下3時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(13)を2.8g得た。
MALDI−MSで確認したm/Zの値は302であった。
中間体8
Figure 2015068946
中間体(2)2g、(e)2.23g、酢酸ナトリウム2.2gをメタノール20mL、酢酸20mLに懸濁させ、昇温して還流下2時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いして中間体(8)を3.5g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 1.92 (3H, s), 2.36 (3H, s), 2.54 (3H, s), 7.52 (1H, s), 7.61 (2H, d), 7.99 (2H, d), 11.96 (1H, s), 12.22 (1H, s),
顔料(14)
Figure 2015068946
中間体(8)0.6gを水600mLに溶解して攪拌した。ここに、飽和塩化カルシウム水溶液50mLを滴下し、2時間攪拌した後、析出している結晶を濾過、水で十分にかけ洗いして、顔料(14)を0.5g得た。
MALDI−MSで確認したm/Zの値は878であった。
顔料(15)
Figure 2015068946
顔料(14)の合成で用いた飽和塩化カルシウムを塩化バリウムに変更した以外は同様にして、顔料(15)を0.5g得た。
MALDI−MSで確認したm/Zの値は936であった。
顔料(16)
Figure 2015068946
顔料(14)の合成で用いた飽和塩化カルシウムを塩化ストロンチウムに変更した以外は同様にして、顔料(16)を0.5g得た。
MALDI−MSで確認したm/Zの値は886であった。
顔料(19)
Figure 2015068946
中間体(2)3.0g、化合物(g)2.2gを酢酸7.5mL、メタノール7.5mLの混合溶媒に懸濁させ、昇温して還流下5時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶をメタノールで十分にかけ洗いした。メタノール100mLに懸濁し、昇温して還流下4時間撹拌し、冷却して室温にした後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(19)を2.4g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.53 (3H, s), 2.56 (3H, s), 7.58 (2H, m), 7.74 (1H, dd), 7.88-8.06 (1H, br), 8.30-8.60 (1H, br), 12.70-12.90 (1H, br)
顔料(20)
Figure 2015068946
中間体(2)3.0g、化合物(k)1.3gを酢酸7.5mL、メタノール7.5mLの混合溶媒に懸濁し、昇温して還流下5時間攪拌した。冷却して室温にした後、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした。得られた結晶をメタノール50mLに懸濁させ、昇温して還流下3時間攪拌した。冷却して室温にした後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(20)を1.7g得た。
MALDI−MSで確認したm/Zの値は243であった。
顔料(21)
Figure 2015068946
化合物(p)2.0g、中間体(3)1.1gをN−メチルピロリドン10mL、酢酸2mLの混合溶媒に溶解し、昇温して外100℃にて24時間攪拌した。冷却して室温にした後、メタノール50mLを添加し、析出している結晶を濾過、メタノール、水で十分にかけ洗いした後、水50mLに懸濁し、炭酸水素ナトリウムを添加してpHを6.0に調整した。析出している結晶を濾過、水で十分にかけ洗いした後、メタノール50mLに懸濁し、還流下3時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(21)を0.8g得た。
MALDI−MSで確認したm/Zの値は274であった。
顔料(23)
Figure 2015068946
中間体(3)3gと化合物(h)1.9gを酢酸7.5mL、メタノール7.5mLの混合溶媒に懸濁した後、昇温して還流下6時間攪拌した。冷却して室温にした後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いした。得られた結晶をメタノール50mLに懸濁し、昇温して還流下3時間攪拌した。冷却して室温にした後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(23)を3.0g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.70 (3H, s), 2.75 (3H, s), 4.18 (1H, s), 7.40 (2H, dd), 7.46 (2H, dd), 12.82 (1H, s)
顔料(24)
Figure 2015068946
中間体(5)1.5g、化合物(l)2.0gを酢酸10mLに懸濁させ、昇温して内温110℃にて20時間攪拌した。冷却して室温にした後、メタノール20mLを加え、析出している固体を濾過、メタノールで十分にかけ洗いした。得られた個体をメタノール20mLに懸濁させ、昇温して還流下3時間攪拌した。室温に冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥することで、顔料(24)を1.6g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 1.41 (9H, s), 3.08 (3H, s), 5.69 (1H, s), 7.33 (2H, d), 7.75 (2H, dd), 7.88 (2H, d), 8.02 (2H, d), 8.28 (2H, br), 9.97 (1H, s)
顔料(25)
Figure 2015068946
中間体(5)1.0gと化合物(g)0.5gを酢酸3mL、メタノール3mLの混合溶媒に懸濁し、昇温して還流下2時間攪拌した。室温まで冷却した後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いした。メタノール20mLに懸濁し、昇温して還流下2時間加熱した後、室温まで冷却し、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした後、乾燥して顔料(25)を0.7g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 1.53 (9H, s), 3.14 (3H, s),7.25-7.44 (4H, m), 7.75 (1H, dd), 8.02 (3H, d), 10.31 (1H, s)
顔料(26)
Figure 2015068946
中間体(5)2.7g、化合物(h)1.0gをメタノール4mL,酢酸3mLの混合溶媒に懸濁させ、昇温して還流下24時間攪拌した。室温に冷却した後、イソプロパノール10mLを添加し、析出している結晶を濾過、イソプロパノールで十分にかけ洗いした。得られた結晶をメタノール10mLに懸濁し、昇温して還流下3時間攪拌した。室温に冷却し、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥することで、顔料(26)を0.9g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 1.46 (9H, s), 3.13 (3H, s), 7.39 (2H, d), 7.80-7.95 (4H, m), 7.98, (2H, d), 8.01 (1H, s), 10.24 (1H, s), 12.80 (1H, s)
顔料(27)
Figure 2015068946
中間体(5)2.0g、化合物(n)0.8gを無水酢酸5mLに懸濁し、昇温して還流下3時間攪拌した。冷却して室温にした後、イソプロパノール10mLを添加し、析出している結晶を濾過し、メタノールで十分にかけ洗いした。得られた結晶をメタノール20mLに懸濁させ、昇温して還流下3時間攪拌した。冷却して室温にした後、析出している結晶を濾過、メタノールで十分にかけ洗いし、乾燥して顔料(27)を2.3g得た。
1H NMR(300MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 1.41 (9H, s), 1.47 (9H, s), 3.13 (3H, s), 7.40 (2H, d), 8.00 (2H, d), 10.28 (1H, s), 12.81 (1H, s)
<色相の評価>
顔料(1)を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部を混合し、グリセリン5部と水42部の混合液を添加し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて、毎分300回転で、平均体積粒子径が200nm以下になるまで分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、顔料濃度5wt%の顔料分散液1を得た。
得られた顔料分散液1をNo.3のバーコーダーを用いて、セイコーエプソン(株)社製フォトマット紙<顔料専用>に塗布した。得られた塗布物の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて測定し、画像濃度(OD:Optical Density)が1.0になるように調整した。
また、顔料(1)で表される顔料の代わりに、上記本発明の顔料またはその塩の具体例として説明した(2)〜(87)で表される化合物を使用し顔料分散液(2)〜(87)を作製した。
目視にて、赤味と緑味が少ないものをA、赤味が若干あるものをB、赤味が少ないが緑味があるものをC、赤味があるものをDとして評価した。
<体積平均粒子径の評価>
上記顔料分散液の体積平均粒子径を、日機装(株)マイクロトラックUPA150を用いて測定した。結果を下記表に示す。下記表中「−」は、体積平均粒子径が測定できなかったことを意味する。
<耐熱性の評価>
上記顔料分散液をTG/DTAにて測定し、分解点が330℃以上のものをA、330℃未満300℃以上のものをB、300℃未満、270℃以上をC、270℃以下をDとして評価した。
<色価の評価>
上記顔料分散液を5000倍に希釈し、SHIMADZU社製UV−VIS スペクトロフォトメーターUV−2400PCを用いてモル吸光係数を測定した。(モル吸光係数/分子量)が140以上をA、140未満100以上をB、100未満80以上をC、80未満をDとして評価した。
Figure 2015068946
Figure 2015068946
Figure 2015068946
比較例として、P.Y.150、特開2013−11875号公報に記載の比較化合物(1)、特開2012−237996号公報に記載の比較化合物(2)を用いた。比較化合物(1)と(2)は酢酸エチルに溶解して測定した。
Figure 2015068946
<実施例101>
インク組成物の製造例
国際公開番号WO2006/064193号の22ページに記載されているDispersant Solution10で表されるメタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体を水酸化カリウム水溶液で中和した。得られた分散剤水溶液75質量部(固形分濃度20%)の中に、上記合成顔料(1)を30質量部およびイオン交換水95質量部を加えてディスパー翼にて混合・粗分散した。混合・粗分散した液にジルコニアビーズを600質量部入れて、これを分散機(サンドグラインダミル)で4時間分散した後、ビーズと分散液に分離した。得られた混合物を攪拌しながら、25℃でポリエチレングリコールジグリシジルエーテル2質量部をゆっくり加えて、50℃で6時間攪拌した。更に分画分子数300Kの限外濾過膜を使って不純物を除去し、これをポアサイズ5μmのフィルタ(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mLのシリンジでろ過し、粗大粒子を除去することにより固形分濃度10%の顔料分散液101(粒子径97nm)を得た。
得られた顔料分散液101を固形分で5質量%、グリセリン10質量%、2−ピロリドン5質量%、1,2−ヘキサンジオール2質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル2質量%、プロピレングリコール0.5質量%、イオン交換水75.5質量%になる様に各成分を加えて、得られた着色硬化性組成物をポアサイズ1μmのフィルタ(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mLのシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより顔料インクを得、以下の要領でインクジェット記録用インクとして用いた。
インクジェット記録用インクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−G800のカートリッジに装填してインクジェット記録用カートリッジとし、受像シートEPSON写真用紙<光沢>と写真用紙クリスピア<高光沢>に印字し、階段状に濃度が変化したイエロー単色画像を得た。得られた記録物に印画された画像は吐出性が優れ、耐オゾン性も優れていた。
<分散剤(C−1)の合成>
特開2007−277514号公報の段落番号0334の記載を参照して合成した。
分散剤(C−1):
Figure 2015068946
上記において、aは、2.0、bは4.0、酸価10mgKOH/g、Mw20000である。
また、a及びbは、それぞれ、括弧内で表される部分構造の数を表し、a+b=6を満たす。
<顔料分散液1の製造>
下記の組成の混合物を均一に攪拌混合した後、ビーズミルにより3時間混合・分散して顔料分散液1を調製した。
緑色顔料(C.I.ピグメントグリーン36) 8.00質量部
黄色顔料(上記顔料) 5.33質量部
下記顔料誘導体A 1.33質量部
上記分散剤(C−1) 5.33質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
80.00質量部
顔料誘導体A(富士フイルムファインケミカルズ(株)製):
Figure 2015068946
また、顔料分散液1の組成を下記表の組成に変えた以外は、上述の顔料分散組成物の製造と同様の方法で、顔料分散組成物2〜13、比較分散物1、2を調製した。下記表において、各記号は以下の化合物を意味する。
PG36:(C.I.ピグメントグリーン36)
PG58:(C.I.ピグメントグリーン58)
Figure 2015068946
<着色硬化性組成物の調製>
下記の組成の混合物を均一に攪拌混合して、着色硬化性組成物を調製した。
上記顔料分散液1 75.0質量部
樹脂バインダー(アルカリ可溶性樹脂)1 5.00質量部(40質量%樹脂溶液として)
重合開始剤(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベン ゾイルオキシム)](BASF社製、IRGACURE OXE01))
1.00質量部
重合性化合物(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのエチレンオキシド変性品(新中村化学工業株式会社製、NKエステル A−DPH−12E))
2.00質 量部
フッ素系界面活性剤(大日本インキ株式会社製、メガファックF−781F)
0.02質量部
p−メトキシフェノール 0.0003質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
17.00質量部
<樹脂バインダー1の合成>
セパラブル四口フラスコに、温度計、冷却管、窒素ガス導入管、攪拌装置を取り付けた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを入れ、反応容器に窒素ガスを導入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管よりベンジルメタクリレート123.3g、メタクリル酸25.8g、アゾビスイソブチロニトリル10.0gの混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
室温まで冷却した後、樹脂溶液を約3gサンプリングして180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40質量%となるようにプロピレングリコールアセテートを添加して、樹脂バインダー1の溶液を得た。
着色硬化性組成物1の組成を下記表の組成に変えた以外は、上述の着色硬化性組成物の調製と同様の方法で、実施例2〜13および比較例1、2の着色硬化性組成物を調製した。
<分光評価基板の作製>
7.5cm×7.5cmのガラス基板上にスピンコーターにて、上述の組成物を膜厚0.8μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用して100℃で2分間加熱乾燥し、次いで200℃で5分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行って着色塗膜を形成した。
<分光評価>
上記で得られた着色塗膜の分光透過率を分光測定装置(MCPD−3000:大塚電子(株)製)を用いて測定した。
<色価>
上記分光評価にて測定した透過スペクトルのイエロー部(460nm)の透過率を色価の指標とした。
〜判定基準〜
A:3%以下である。
B:3%より大きく、5%以下である。
C:5%より大きく、10%以下である。
D:10%より大きい。
<耐熱性の評価>
上記で得られた着色塗膜に対し、ホットプレートを使用して260℃で10分間加熱し、加熱前後でのカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を測定し、耐熱性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐熱性が良好であり、判断基準は以下の通りである。
〜判定基準〜
A:ΔE*ab値<1
B:1≦ΔE*ab値<3
C:3≦ΔE*ab値≦10
D:10<ΔE*ab値
<耐光性の評価>
上記で得られた着色塗膜に対し、キセノンランプを10万luxで20時間照射(200万lux・h相当)した。キセノンランプ照射の前後での単色のカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を測定し、耐光性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐光性が良好であり、判断基準は以下の通りである。結果を表4に示す。
〜判定基準〜
A:ΔE*ab値<1
B:1≦ΔE*ab値<3
C:3≦ΔE*ab値≦10
D:10<ΔE*ab値
Figure 2015068946
実施例では、より色価に優れた着色硬化性組成物を提供できることがわかった。また、実施例では、耐熱性および耐光性にも優れた着色硬化性組成物を提供できることがわかった。一方、比較例の組成物は、色価が劣っていることがわかった。

Claims (22)

  1. 一般式(1A)および一般式(1B)、ならびに、それらの互変異性体から選択される少なくとも1種の顔料またはその塩と、重合性化合物と重合開始剤とを含む、着色硬化性組成物。
    一般式(1A)
    Figure 2015068946
    (一般式(1A)中、環Aは、窒素原子および炭素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
    一般式(1B)
    Figure 2015068946
    (一般式(1B)中、環Aは、窒素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  2. 一般式(2A)〜(2D)のいずれか、ならびに、それらの互変異性体から選択される少なくとも1種の顔料またはその多価金属塩を含む、請求項1に記載の着色硬化性組成物。
    一般式(2A)
    Figure 2015068946
    (一般式(2A)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
    一般式(2B)
    Figure 2015068946
    (一般式(2B)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
    一般式(2C)
    Figure 2015068946
    (一般式(2C)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
    一般式(2D)
    Figure 2015068946
    (一般式(2D)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
  3. 前記G1およびG2が、それぞれ独立にA群から選ばれる基を表す、請求項1または2に記載の着色硬化性組成物。
    A群
    Figure 2015068946
    (A群中、R9〜R40は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、隣接した置換基と環を形成していても良い。)
  4. 前記G1および/またはG2が、前記一般式(7)〜(10)のいずれかで表される、請求項3に記載の着色硬化性組成物。
  5. 前記G1および/またはG2が、前記一般式(7)または(9)で表される、請求項4に記載の着色硬化性組成物。
  6. 前記A群中、R9およびR10は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11とR12が芳香環を介して互いに結合していても良く、R13およびR14は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R13とR14が芳香環を介して互いに結合していても良く、R15およびR16は、それぞれ独立にアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基または複素環基を表し、R17は、アルキル基を表し、R18およびR19は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R20は、水素原子、アルキル基、アシル基またはアリール基を表し、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R22は、酸素原子または硫黄原子を表し、R24〜R29は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R30は、アルキル基またはアリール基を表し、R31は、水素原子または電子求引性基を表し、R32は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R33〜R36は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R37は、アルキル基またはアリール基を表し、R38は、水素原子または電子求引性基を表し、R39およびR40は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す、請求項3に記載の着色硬化性組成物。
  7. 前記G1および/またはG2が、下記一般式(12)または(13)で表される、請求項1または2に記載の着色硬化性組成物。
    Figure 2015068946
  8. 前記R2が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表し、
    前記R7が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表す、請求項2に記載の着色硬化性組成物。
  9. 前記R2および/またはR7が水素原子である、請求項2に記載の着色硬化性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を用いて支持体上に着色組成物層を形成する工程と、前記着色組成物層をパターン状に露光する工程と、露光された着色組成物層の未露光部を現像する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項10に記載のカラーフィルタまたは請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する固体撮像素子。
  13. 請求項10に記載のカラーフィルタまたは請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタを有する画像表示装置。
  14. 一般式(1A)および一般式(1B)、ならびに、それらの互変異性体から選択される顔料またはその塩。
    一般式(1A)
    Figure 2015068946
    (一般式(1A)中、環Aは、窒素原子および炭素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
    一般式(1B)
    Figure 2015068946
    (一般式(1B)中、環Aは、窒素原子と共に形成された5員環の芳香族複素環を表す。G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1〜R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  15. 一般式(2A)〜(2D)のいずれか、ならびに、それらの互変異性体から選択される少なくとも1種の顔料またはその多価金属塩を含む、請求項14に記載の顔料またはその塩。
    一般式(2A)
    Figure 2015068946
    (一般式(2A)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、ハロゲン原子、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
    一般式(2B)
    Figure 2015068946
    (一般式(2B)中、G1は、炭素原子と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X1は、NRA1、酸素原子を表す。RA1は、水素原子またはアルキル基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
    一般式(2C)
    Figure 2015068946
    (一般式(2C)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R2は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
    一般式(2D)
    Figure 2015068946
    (一般式(2D)中、G2は、炭素原子およびX2と共に形成された5員環または6員環を含む環構造を表す。X2は、窒素原子またはCRA3を表す。RA3は、水素原子または置換基を表す。R1およびR6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、カルボキシル基、カルボン酸およびその塩を表す。R7は、水素原子、直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、直鎖または分岐鎖のアシル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。)
  16. 前記G1およびG2が、それぞれ独立にA群から選ばれる基を表す、請求項14または15に記載の顔料またはその塩。
    A群
    Figure 2015068946
    (A群中、R9〜R43は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、隣接した置換基と環を形成していても良い。)
  17. 前記G1および/またはG2が、前記一般式(7)〜(10)のいずれかで表される、請求項16に記載の顔料またはその塩。
  18. 前記G1および/またはG2が、前記一般式(7)または(9)で表される、請求項17に記載の顔料またはその塩。
  19. 前記A群中、R9およびR10は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R11とR12が互いに結合して、環を形成していてもよく、R13およびR14は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R13とR14が互いに結合して、環を形成していてもよく、R15およびR16は、それぞれ独立にアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基または複素環基を表し、R17は、アルキル基を表し、R18およびR19は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R20は、水素原子、アルキル基、アシル基またはアリール基を表し、R21およびR23は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R22は、酸素原子または硫黄原子を表し、R24〜R29は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R30は、アルキル基またはアリール基を表し、R31は、水素原子または電子求引性基を表し、R32は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、R33〜R36は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子またはニトロ基を表し、R37は、アルキル基またはアリール基を表し、R38は、水素原子または電子求引性基を表し、R39およびR40は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す、請求項16に記載の顔料またはその塩。
  20. 前記G1および/またはG2が、一般式(12)または(13)で表される、請求項14または15に記載の顔料またはその塩。
    Figure 2015068946
  21. 前記R2が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、アリール基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表し、
    前記R7が、水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、または、炭素数2〜5の直鎖または分岐鎖のアシル基を表す、請求項15に記載の顔料またはその塩。
  22. 前記R2および/またはR7が水素原子である、請求項15に記載の顔料またはその塩。
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