JP2015067719A - 塩素化ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

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Isamu Ono
勇 小野
貴夫 吉元
Takao Yoshimoto
貴夫 吉元
関口 俊司
Shunji Sekiguchi
俊司 関口
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Abstract

【課題】本発明は、トルエンに代わる溶剤を含み、超低温(例えば、−20℃)での流動性に優れる塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】塩素化ポリオレフィン樹脂と溶剤とを含み、溶剤は少なくともメチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルを含み、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルの質量比がメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=50〜80/15〜40/1〜15である、塩素化ポリオレフィン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は塩素化ポリオレフィン樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂は、熱により変形する性質を利用して、シート、フィルムなど平面形状のみならず、球状、円筒状、箱状など一定の形状に成形して各種形態の商品として利用されている。しかし、熱可塑性樹脂は基本的に透明で、比較的柔らかく、傷が付きやすいので、保護や美観の改善を目的として、その表面に印刷や塗装が行われる。
熱可塑性樹脂には、極性を有する樹脂と非極性の樹脂とがある。非極性樹脂の中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価で成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性、安全性など多くの優れた性質を有するため、近年広く採用されている。しかし、ポリオレフィン系樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の極性樹脂とは異なり、非極性でかつ結晶性のため、その表面にインキ、塗料、あるいは接着剤を強固に付着させることが困難である。
こうしたポリオレフィン系樹脂を用いた非極性樹脂基材に対して、付着性を有する樹脂として、塩素化ポリオレフィン樹脂が提案されている。この塩素化ポリオレフィン樹脂は、芳香族以外の溶剤への溶解性が低いため、通常、トルエン等の芳香族溶剤に溶解して使用されている。
しかしながら、近年、環境問題の観点から、トルエン等の芳香族溶剤を含有しない溶剤を用いた塩素化ポリオレフィン樹脂組成物が要求されるようになっている。この要求に対しては、炭素数が5〜9個の脂環式炭化水素(メチルシクロヘキサン/酢酸エチルの混合溶剤など)を溶剤に使用した塩素化ポリオレフィン樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−249628号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている塩素化ポリオレフィン樹脂組成物は、超低温(例えば、−20℃)での流動性の改善が求められていた。
そこで、本発明は、トルエンに代わる溶剤を含み、超低温(例えば、−20℃)での流動性に優れる塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]塩素化ポリオレフィン樹脂と溶剤とを含み、溶剤は少なくともメチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルを含み、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルの質量比がメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=50〜80/15〜40/1〜15である、塩素化ポリオレフィン樹脂組成物。
[2]塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率が20〜30重量%である上記[1]に記載の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物。
[3]溶剤に対する、前記塩素化ポリオレフィン樹脂の固形分濃度が10〜30重量%である上記[1]又は[2]に記載の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を有効成分とする塗料、インキ、接着剤又はプライマー。
本発明によれば、超低温(例えば、−20℃)での流動性に優れる塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を提供することができる。本発明のインキ、接着剤、プライマーは、超低温での流動性に優れるので、寒冷地なども含め使用場所を問わずに使用できる。
本発明は、塩素化ポリオレフィン樹脂と溶剤とを含む塩素化ポリオレフィン樹脂組成物に関する。溶剤は少なくともメチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルを含み、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルの質量比がメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=50〜80/15〜40/1〜15である。
本発明において、塩素化ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂を塩素化することで得ることができる。
塩素化ポリオレフィン樹脂の原料であるポリオレフィン樹脂は、特に制限されないが、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物などを例示することができる。前記プロピレン−α−オレフィン共重合物は、主体としてのプロピレンとα−オレフィンとが共重合して得られる樹脂である。共重合物の形態に特に制限はなく、ブロック共重合物及びランダム共重合物などを例示することができる。α−オレフィン成分としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができる。なお、プロピレン−α−オレフィン共重合物を原料として用いた場合、プロピレン成分の含有量は50モル%以上であることがポリオレフィン樹脂に対する接着性の点から好ましい。前記エチレン−酢酸ビニル共重合物は、エチレンと酢酸ビニルモノマーを共重合して得られる樹脂である。エチレン−酢酸ビニル共重合物のエチレンと酢酸ビニルとのモル比は特に限定されないが、酢酸ビニル成分が5〜45モル%であることが、極性物質との接着性、塗膜強度の点から好ましい。
塩素化ポリオレフィン樹脂の原料であるポリオレフィン樹脂は、減成などの前処理が施されていてもよく、また、1種類単独であってもよいし、2種類以上の組み合わせであってもよい。
塩素化ポリオレフィン樹脂の原料であるポリオレフィン樹脂の融点は、100〜180℃であることが好ましく、120〜170℃であることがより好ましい。
本発明において、塩素化ポリオレフィン樹脂は、塩素化ポリオレフィン樹脂に、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を導入した酸変性した塩素化ポリオレフィン樹脂(以下、「酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂」という)を使用することも、酸変性していない塩素化ポリオレフィン樹脂(以下、「酸無変性塩素化ポリオレフィン樹脂」という)を使用することも出来る。
自動車のバンパー等ポリオレフィン基材への上塗り塗装時のプライマーとしては、上塗り塗料との付着性も求められるため、酸変性塩素化樹脂が一般的に用いられる。一方、インキやワンコート塗装用塗料には、酸無変性塩素化樹脂が一般的に用いられる。
酸無変性塩素化ポリオレフィン樹脂の製造方法としては例えば、ポリオレフィン樹脂ををクロロホルムなどの塩素系溶媒に溶解した後に塩素ガスを吹き込み、塩素を導入する製造方法が挙げられる。
塩素化反応は、通常の反応方法で実施することができる。例えば、上記ポリオレフィン樹脂を水又は四塩化炭素、クロロホルム等の媒体に分散又は溶解し、触媒の存在下あるいは紫外線の照射下において加圧又は常圧下に50〜140℃の温度範囲で塩素ガスを吹き込むことにより行われる。
得られた塩素化ポリオレフィン樹脂の製造で使用された塩素系溶媒は、通常、減圧などにより留去、あるいは有機溶剤で置換される。
酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂の製造方法としては例えば、ポリオレフィン樹脂を酸変性して酸変性ポリオレフィン樹脂を得て、酸変性ポリオレフィン樹脂をクロロホルムなどの塩素系溶媒に溶解した後に塩素ガスを吹き込み、酸変性ポリオレフィン樹脂に塩素を導入する製造方法が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の酸変性の方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂にα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体をグラフト共重合によって導入する方法が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。中でも、ポリオレフィンへのグラフト性を考慮すると、無水マレイン酸が好ましい。α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量は、酸変性前の原料ポリオレフィン樹脂に対して0〜20重量%であることが好ましく、0〜10重量%であることがより好ましい。20重量%以下であることにより、未反応物の発生を抑制することができる。
酸変性の際には、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を用いればよく、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種類であってもよいし、2種類以上の組み合わせであってもよい。すなわち、α,β−不飽和カルボン酸を1種類以上であってもよいし、α,β−不飽和カルボン酸の誘導体を1種類以上であってもよいし、α,β−不飽和カルボン酸を1種類以上とα,β−不飽和カルボン酸の誘導体を1種類以上との組み合わせであってもよい。
グラフト共重合の際の条件は特に限定はなく、溶融法、溶液法などの公知の方法に従って行えばよい。溶融法による場合、操作が簡単である上、短時間で反応できるという利点がある。溶液法による場合、副反応が少なく均一なグラフト重合物を得ることができる。
溶融法による場合には、ラジカル反応開始剤の存在下でポリオレフィンを加熱融解(加熱溶融)して反応させる。加熱融解の温度は、融点以上であればよく、融点以上300℃以下であることが好ましい。加熱融解の際には、バンバリーミキサー、ニーダー、押し出し機などの機器を使用することができる。
溶液法による場合には、ポリオレフィン樹脂を有機溶剤に溶解させた後、ラジカル反応開始剤の存在下に加熱撹拌して反応させる。有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤を用いることが好ましい。反応の際の温度は、100〜180℃であることがこのましい。
溶融法及び溶液法の際用いるラジカル反応開始剤としては、有機過酸化物系化合物又はアゾニトリル類を使用してもよい。有機過酸化物系化合物としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエートなどが挙げられる。アゾニトリル類としては、例えば、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などが挙げられる。
次に酸変性ポリオレフィン樹脂をクロロホルムなどの塩素系溶媒に溶解した後に塩素ガスを吹き込み、酸変性ポリオレフィンに塩素を導入する。
塩素ガスの吹き込みは、紫外線の照射下で行うことができ、ラジカル反応開始剤の存在下及び不存在下のいずれにおいても行うことができる。塩素ガスの吹き込みを行う際の圧力は制限されず、常圧であってもよいし、加圧下であってもよい。塩素ガスの吹き込みを行う際の温度は特に制限されないが、通常は、50〜140℃である。ラジカル反応開始剤としては、上述の有機過酸化物系化合物又はアゾニトリル類を使用することができる。
酸変性ポリオレフィン樹脂への塩素導入が終了した後に酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂を得ることができる。系内の塩素系溶媒は、通常、減圧などにより留去されるか、或いは、有機溶剤で置換される。
本発明において、塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率は特に限定されないが、好ましくは20〜30重量%である。これにより、超低温(−20℃)における流動性に優れる塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を得ることができる。尚、塩素含有率はJIS−K7229に準じて測定した値である。
本発明において、塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、10,000〜150,000であることがポリオレフィン基材への付着の点から好ましい。
尚、塩素化ポリオレフィンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されたポリスチレン樹脂を標準とした値である。
本発明の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物は、塩素化ポリオレフィン樹脂を1種類含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
本発明の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物は溶剤を含む。溶媒は、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノンと酢酸プロピルとを含む。メチルシクロヘキサン含有量、シクロヘキサノン含有量および酢酸プロピルの質量比は、塩素化ポリオレフィン樹脂組成物に含まれるメチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルの質量の合計を100とした場合に、メチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=50〜80/15〜40/1〜15であることが好ましい。メチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピルの質量比が前記範囲内であることにより、超低温(−20℃)での塩素化ポリオレフィン樹脂組成物の流動性を保つことができる。
本発明の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物における、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルの合計量に対する塩素化ポリオレフィン樹脂の固形分濃度は、10〜30重量%であることが好ましい。10重量%以上であることにより、使用の際に必要な粘度を得ることができる。30重量%以下であることにより、溶液性状の低下、特に低温流動性の低下を防止することができる。
本発明において、効果を阻害しない範囲で、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピル以外の溶剤を使用することが可能である。かかる溶剤としては以下のものが例示される:
シクロペンタン,メチルシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,エチルシクロペンタン,ジメチルシクロペンタン,シクロヘプタン,エチルシクロヘキサン,ジメチルシクロヘキサン,メチルエチルシクロペンタン,トリメチルシクロペンタン,シクロオクタン,シクロノナン;
ギ酸プロピル,ギ酸ブチル,ギ酸ペンチル,酢酸エチル、酢酸イソプロピル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,酢酸sec−ブチル,酢酸ペンチル,酢酸イソペンチル,3−メトキシブチルアセテート,酢酸sec−ヘキシル,2−エチルブチルアセテート,2−エチルヘキシルアセテート,酢酸シクロヘキシル,酢酸ベンジル;
プロピオン酸エチル,プロピオン酸ブチル,プロピオン酸イソペンチル,2−メトキシエチルアセテート,2−エトキシエチルアセテート,2−ブトキシエチルアセテート,2−フェノキシエチルアセテート,ジエチレングリコールモノブチルアセテート,プロピレングリコールメチルエーテルアセテート,3−メチル−3−メトキシブチルアセテート,プロピレングリコールエチルエーテルアセテート;及び
メチルエチルケトン,2−ペンタノン,3−ペンタノン,2−ヘキサノン,メチルイソブチルケトン,2−ヘプタノン,4−ヘプタノン,ジイソブチルケトン,アセトニルアセトン,イソホロン,シクロヘキサノン,メチルシクロヘキサノン。
本発明の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物中の溶剤は、環境問題の観点から、トルエンなどの芳香族化合物は含まないことが好ましい。
本発明の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂を乾固した後溶剤に溶解する方法、ポリオレフィン樹脂の塩素化反応が終了した後、クロロホルム等の塩素化反応溶媒を留去し、溶剤と置換する方法、ポリオレフィン樹脂の塩素化反応が終了した時点で、スクリューシャフト部に脱溶剤用吸引部を備えたベント付き押出機に供給して固形化した後、該溶媒に溶解する方法が挙げられる。
本発明の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、アルキッド樹脂,アクリル樹脂,ポリアクリルポリオール,ポリエステル樹脂,ポリエステルポリオール,ポリエーテル樹脂,ポリエーテルポリオール,ポリウレタン樹脂等の樹脂が例示される。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
メタロセン触媒を重合触媒として製造したエチレン含有量約3モル%のエチレン−プロピレン共重合体(融点:120℃)100重量部に対し、無水マレイン酸5重量部、ジクミルパーオキサイド2重量部を混合し、L/D=60、φ=40mmの二軸押出機に定量フィーダを用いて供給した。滞留時間は15分、バレル温度は180℃(第3バレル〜第7バレル)として反応し、第9バレルにて減圧により未反応の無水マレイン酸を除去することにより、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合物(無水マレイン酸のグラフト量:3重量%)を得た。
次に、この生成物3.0kgをグラスライニングされた反応釜に投入し、20L(リットル、以下同)のクロロホルムを加え、0.2MPaの圧力の下、温度97℃で充分に溶解させた後、2,2−アゾビスイソブチロニトリル3.0gを加え、上記釜内圧力を0.2MPaに制御しながら塩素ガスを吹き込み、塩素含有率22重量%の塩素化ポリオレフィン樹脂を得た。次にエポキシ化合物を安定剤として加え、反応溶媒を減圧留去するためのベント口を設置したベント付2軸押出機でクロロホルムを除去し、塩素化ポリオレフィン組成物をストランド状に押出して水で冷却した。その後、水冷式ペレタイザーでペレット化し、塩素化酸変性エチレン−プロピレン共重合物の固形物を得た。得られた塩素化酸変性エチレン−プロピレン共重合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;HLC8320GPC、東ソー(株)製)による分析を行った結果、重量平均分子量(Mw)が80,000であった。
<製造例2>
塩素吹き込み時間(吹き込み量)を製造例1より短縮した以外は製造例1と同様にして塩素含有率20重量%の反応液を得た。次にエポキシ化合物を安定剤として加え、反応溶媒を減圧留去するためのベント口を設置したベント付2軸押出機でクロロホルムを除去し、塩素化ポリオレフィン組成物をストランド状に押出して水で冷却した。その後、水冷式ペレタイザーでペレット化し、塩素化酸変性エチレン−プロピレン共重合物の固形物を得た。得られた塩素化酸変性エチレン−プロピレン共重合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;HLC8320GPC、東ソー(株)製)による分析を行った結果、重量平均分子量(Mw)が80,000であった。
<製造例3>
塩素吹き込み時間(吹き込み量)を製造例1より短縮した以外は製造例1と同様にして塩素含有率18重量%の反応液を得た。次にエポキシ化合物を安定剤として加え、反応溶媒を減圧留去するためのベント口を設置したベント付2軸押出機でクロロホルムを除去し、塩素化ポリオレフィン組成物をストランド状に押出して水で冷却した。その後、水冷式ペレタイザーでペレット化し、塩素化酸変性エチレン−プロピレン共重合物の固形物を得た。得られた塩素化酸変性エチレン−プロピレン共重合物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;HLC8320GPC、東ソー(株)製)による分析を行った結果、重量平均分子量(Mw)が80,000であった。
(実施例1)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂20gをメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=60/30/10の混合溶剤80gに溶解し、塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られた塩素化ポリオレフィン樹脂組成物5gを10ml容ガラス瓶に入れ密封し、−20℃の雰囲気中に静置し、1週間後の溶液状態を目視にて観察し以下に示す基準で評価した。
(低温流動性試験(安定性試験)の基準)
○:増粘が認められず、元の流動性を保っている状態
△:著しい増粘が認められる状態
×:溶液状態を保持しておらず、プリン状に固化したりゾロ状となっている状態
(実施例2)
溶剤組成をメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=75/20/5に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
(比較例1)
溶剤組成をメチルシクロヘキサン/シクロヘキサン=50/50に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
(比較例2)
溶剤組成を酢酸プロピル/シクロヘキサン=50/50に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
(比較例3)
溶剤組成をメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=30/60/10に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
(比較例4)
溶剤組成をメチルシクロヘキサンのみに変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
(比較例5)
溶剤組成をメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=95/4/1に変更した以外は実施例1と同様にして評価した。
(実施例3)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例4)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、実施例2と同様にして評価した。
(比較例6)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、比較例1と同様にして評価した。
(比較例7)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、比較例2と同様にして評価した。
(比較例8)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、比較例3と同様にして評価した。
(比較例9)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、比較例4と同様にして評価した。
(比較例10)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、比較例5と同様にして評価した。
(比較例11)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例3で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(比較例12)
製造例1で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂を製造例3で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂に変更した以外は、実施例2と同様にして評価した。





































Figure 2015067719

Claims (4)

  1. 塩素化ポリオレフィン樹脂と溶剤とを含み、
    溶剤は少なくともメチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルを含み、
    メチルシクロヘキサン、シクロヘキサノン及び酢酸プロピルの質量比がメチルシクロヘキサン/シクロヘキサノン/酢酸プロピル=50〜80/15〜40/1〜15である、
    塩素化ポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率が20〜30重量%である請求項1に記載の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 溶剤に対する塩素化ポリオレフィン樹脂の固形分濃度が10〜30重量%である請求項1又は2に記載の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塩素化ポリオレフィン樹脂組成物を有効成分とする塗料、インキ、接着剤又はプライマー。
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JP2018095680A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 石原ケミカル株式会社 プライマー組成物

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