JP2015067464A - オゾン発生装置 - Google Patents

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永山 貴久
Takahisa Nagayama
貴久 永山
昇 和田
Noboru Wada
昇 和田
中谷 元
Hajime Nakatani
元 中谷
佳明 尾台
Yoshiaki Odai
佳明 尾台
大輔 高内
Daisuke Takauchi
大輔 高内
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Abstract

【課題】大容量化が容易なオゾン発生装置を提供する。
【解決手段】内面が金属で形成された円筒状の接地管と、外面と接地管の内面との間に間隙を有するように接地管の内側に同軸状に内包され、内面に導電性の高電圧電極が形成された円筒状の誘電体管と、接地管の開放端を閉鎖する絶縁体の栓と、栓を貫通し、接地管の内部に原料ガスを供給するように設けられた絶縁体のガス供給管と、ガス供給管の内部に挿入された給電線と、ガス供給管から供給された原料ガスが間隙に流入し、間隙を流れる間に接地管と高電圧電極の間に印加された高周波高電圧により形成される電界により放電してオゾン化ガスとなり、オゾン化ガスを接地管内部から外部に取り出すためのオゾン化ガス取り出し構造と、を備えるようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、水処理設備等に利用されるオゾン化ガスを工業的に生成するオゾン発生装置に関するものである。
所定濃度のオゾンを含むガスであるオゾン化ガスには、脱臭、殺菌作用があり、水処理設備等に使用されている。オゾン化ガスを工業的に生成する方法としては、酸素または酸素を含む原料ガスを微小空間に流通させ、微小空間に電界を加えて無声放電を発生させ、この放電エネルギーにより生成する方法が一般的である。
無声放電を発生させる微小空間は、ステンレスなどの金属管などで構成される接地電極の中に、内部に高電圧電極を有するガラスなどからなる誘電体放電管を挿入して、接地電極と誘電体放電管の間に形成される。高電圧電極は、誘電体放電管の内面にアルミやニッケルなどの金属をメッキや溶射などにより形成した薄膜である。
一般にオゾン発生装置はガス圧力を高くして動作させる場合に効率が高いため、接地電極と誘電体放電管で構成する放電管を複数用いてオゾンを生成する場合は、これら放電管は全て、接地電極と一体になった一つの高圧タンク内に収納され、この高圧タンクを通じて原料ガスを複数の放電管に供給する構造となっている(例えば、特許文献1、2)。また、一本の放電管にガスを供給する場合には、高電圧供給線とは独立にガス供給口が設けられていた(例えば特許文献3)。
特開2008−222495号公報 特開2009−102177号公報 特開2008−143729号公報
従来のオゾン発生装置は以上のように構成されていたため、複数の放電管を用いる場合には、高圧タンクを全ての放電管が収納できるサイズに設定する必要がある。このため、タンクにかかる圧力の総和が大きくなり、タンクを頑丈に作る必要があるため、高価になるという問題があった。また、接地管がタンクと一体になっているため、設置後に接地管に不具合が発生すると、オゾン発生装置全体を交換する必要があるという問題もあった。さらに、オゾン発生量に応じて高圧タンク内の放電管の配置を再設計する必要があるため、設計コストが発生するという問題もある。
また、一本の放電管を用いる場合には、放電管の開口部に、高電圧供給線とガス供給口が別々に設けられているため、開口部の口径が大きくなるとともに、開口部の構造が複雑になり、製作コストが上がるという問題があった。
さらに、冷却水系統が装置と一体になっているため、装置設置時に冷却容器も一緒に持ち運ぶ必要があり、大容量になるほど装置が重く大きくなり、設置コストが大きくなるという問題もある。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、大容量化が容易なオゾン発生装置を得ることを目的とする。
この発明は、少なくとも一端が開放し内面が金属で形成された円筒状の接地管と、外面と接地管の内面との間に放電ギャップを形成する間隙を有するように、接地管の内側に同軸状に内包され、内面に導電性の高電圧電極が形成された円筒状の誘電体管と、接地管の開放端を閉鎖する絶縁体の栓と、栓を貫通し、接地管の内部に原料ガスを供給するように設けられた絶縁体のガス供給管と、高電圧電極に外部から高周波高電圧を給電するように、ガス供給管の内部に挿入された給電線と、ガス供給管から供給された原料ガスが間隙の栓が設けられた側の開口から間隙に流入し、間隙を流れる間に接地管と高電圧電極の間に印加された高周波高電圧により形成される電界により放電してオゾン化ガスとなり、間隙の前記栓が設けられた側とは反対側の開口から流出する前記オゾン化ガスを接地管内部から外部に取り出すためのオゾン化ガス取り出し構造と、を備えるようにしたものである。
本発明にかかるオゾン発生装置は、以上のように構成されているため、発生容量に応じてユニットの個数を決めるだけで良く、大容量化が容易なオゾン発生装置が得られるという効果がある。
この発明の実施の形態1によるオゾン発生装置の構成を示す模式的な断面図である。 この発明の実施の形態1による放電管を複数備えたオゾン発生装置の構成を示す模式的な断面図である。 この発明の実施の形態2によるオゾン発生装置の構成を示す模式的な断面図である。 この発明の実施の形態2によるオゾン発生装置の別の構成を示す模式的な断面図である。 この発明の実施の形態2による放電管を複数備えたオゾン発生装置を示す模式的な断面図である。 この発明の実施の形態2によるオゾン発生装置を示す模式的な外観斜視図である。 この発明の実施の形態3によるオゾン発生装置の要部を拡大して示す模式的な拡大断面図である。 この発明の実施の形態4によるオゾン発生装置を示す模式的な断面図である。 この発明の実施の形態5によるオゾン発生装置を示す模式的な断面図である。
実施の形態1.
図1、2は本発明の実施の形態1によるオゾン発生装置の概略構造を示す断面模式図である。図1は、一本の放電管100を設置した場合の構成を示す断面模式図であり、図2は放電管100を複数設置する場合の構成を示す。放電管100は、開放端が絶縁体の栓10で密閉された金属製の円筒状の接地管2に、ガラス製の2重誘電体管3が内包されたもので構成されている。2重誘電体管3の外側の誘電体管の内面には導電性の高電圧電極1が形成されている。間隙4は、通常スペーサ32により保持されている。また接地管2の内面と2重誘電体管3の外面との間は、放電ギャップを構成する間隙4が形成されている。栓10には絶縁体のガス供給管9が貫通しており、ガス供給管9の内部には、さらに給電線を兼ねたSUSパイプ8が挿入されている。
ここでは、2重誘電体管3はガラス製としたが、ガラス製に限らずセラミック製でも良い。すなわち、2重誘電体管3は、内面に導電性の高電圧電極1が形成された円筒状の誘電体管の内側に、さらに円筒状の第二誘電体管が高電圧電極1を覆うように、外側の誘電体管の端部と内側の第二誘電体管の端部とを封着により一体化して構成されている。以降、2重誘電体管3はガラス製を例に説明するため、2重ガラス管3とも称する。栓10は絶縁体であれば良いが、耐酸素性の絶縁体、例えばフッ素樹脂製が好ましい。ガス供給管9も同様に、耐酸素性の絶縁体、例えばフッ素樹脂製が好ましい。放電管100は、接地管2、高電圧電極1が形成された2重ガラス管3、給電線を兼ねたSUSパイプ8、ガス供給管9、栓10で構成される。放電管100を固定するために、接地管2が、例えば、金属製の板である管板40に取り付けられる。
次に動作について説明する。2重ガラス管3の内部に形成された高電圧電極1には、高周波高電圧電源18から、SUSで構成されたオゾン配管12、上部配線16、SUSパイプ8、および2重ガラス管3を貫通し、ガラス用半田、もしくは、ガラス封着により封止された下部配線17を通じて高周波高電圧が印加される。上部配線16とSUSで構成されたオゾン配管12を電気的に接続するために配線用蓋15を設けている。上部配線16は、酸素雰囲気で十分な耐酸素性がある材料であればよい。下部配線17は、封止するためにガラス用半田を用いる場合は耐酸素性のある稠密な素材(SUS線、銅単線、スズメッキ銅単線など)であれば良い(耐オゾン性は要求されないのですか)。また、下部配線17が、2重ガラス管3の貫通部分でガラス封着により封着される場合は、下部配線17はガラスとの接合性に優れた材質(ジュメット線、酸化銅細線、モリブデン線など)が望ましい。
印加された高周波高電圧により、2重ガラス管3の外側のガラス管と接地管2との間に設けられた放電ギャップを構成する間隙4に高電界がかかる。間隙4には原料ガス13とオゾン化ガス14の差圧により、原料ガス配管11から、SUSパイプ8とガス供給管9の間のすき間を介して、間隙4の上部から下部に流れる原料ガスの流れがある。この原料ガスの流れに、高電界による無声放電が生じて原料ガスの一部がオゾン化する。オゾン化ガスは、2重ガラス管3と接地管2の下部隙間から、2重ガラス管3の内側、及びSUSパイプ8を通ってオゾン配管12に達する。このように、SUSパイプ8は給電線を兼ねたオゾン化ガス取り出し管、すなわちオゾン化ガス取り出し構造となっている。原料ガス13とオゾン化ガス14の差圧を保つため、2重ガラス管3の内面と接するように、隔壁6が設けられ、2重ガラス管3の内面と隔壁6の外周との気密を保つためにOリング7が装着されている。また、無声放電により発生する熱を除去するため、接地管2の周りに冷却水5を流している。このようにして生成されたオゾン化ガス14は、ここに図示していない配管を通じてオゾン消費施設に供給される。
ここで、接地管2の開放端に、大気と、原料ガスまたはオゾン化ガスとを隔離する栓10を設けている。従来、複数本の放電管を用いる場合は、接地管2の入口に大気と、原料ガスまたはオゾン化ガスとを隔離する栓10を設けておらず、ガスを多数の放電管に一括して供給していた。このため、多数の放電管を有する場合は、全ての放電管を覆う圧力容器が必要となり、装置が大型化すればするほど圧力容器の表面積が増大する。よって、大型の装置では、大面積にかかる圧力に耐えるために、圧力容器を頑丈に作る必要があった。また、一個の放電管で、かつ接地管の開放端に密閉栓を設けている場合においても、ガスの供給と高電圧の供給は、密閉栓、もしくは接地管に開けた穴から別々に行われており、穴の個数が増えること、及び高電圧給電線と接地電位の部材との間に絶縁シールドが必要なことから、オゾン発生器の構成を複雑にし、装置の低コスト化を妨げる要因の一つとなっていた。
一方、本発明のオゾン発生装置では、高電圧を絶縁体のガス供給管9の内部を通して供給しているため、ガス供給と高電圧給電のために栓10に設ける穴は1個で良く、構造が簡単になり製作コストを抑制することができる。また、絶縁体のガス供給管9により、給電線を兼ねたSUSパイプ8を絶縁シールドするため、給電線を別途シールドする必要がない。さらに、給電構造を同心形状に配置出来るため、電界の集中が起こりにくく、絶縁破壊に伴うトラブルの発生確率を小さくできるという効果もある。
また、本実施の形態1では、高電圧電極1を構成する導電膜(メッキ層や導電塗料など)を2重ガラス管3のガラスで覆われた内部に密封し、外部の酸素、もしくはオゾンから隔離している。この構成を取ることで、通常のメッキ膜(Ni等)のように耐酸素性は十分だが、耐オゾン性が十分ではない膜のみならず、耐酸素性も十分とは言えない膜であっても高電圧電極1として用いることができる。また、オゾンを2重ガラス管3の内側を通して戻すことができる。
2重管ではない単なる誘電体管の内面に、高電圧電極としてNiメッキのように耐オゾン性が十分ではない膜を有するような、従来用いられている構成では、誘電体管の内側にオゾン生成後のガスを通すことが出来ない。このため、原料ガスの方向は誘電体管の内部から外部に限定される。しかし、この流れの方向には2つの問題がある。
一つはオゾン生成効率の問題である。一般に、高濃度のオゾンは、温度が高いと分解し、オゾン濃度が低くなる。原料ガスが誘電体管の内部を通って、誘電体管の下部から放電ギャップを構成する間隙を通って外部に向かう流れでは、放電部のガス出口に近く、オゾン濃度が最も高い部分が装置の上部になる。一方、冷却水は、温度が低い入口を下部、出口を上部として、軽い高温の冷却水がスムーズに流れるように構成する。このため、高温の冷却水でオゾン濃度の高いところを冷却することになり、オゾンの分解による濃度の損失が大きくなる。
もう一つは、オゾンのフッ素樹脂透過の問題である。フッ素樹脂は、僅かではあるがオゾンを透過させる。このため、オゾンを流すフッ素樹脂配管をオゾンが透過しない(ということですか)カバーなどで覆うと、しみ出したオゾンが滞留し、異臭などの原因となる。ガスが誘電体管の内部から外部に流れると、接地管2の入口付近では、オゾンがフッ素樹脂製の配管の内部を通ることになる。
一方、本実施の形態のように、誘電体管を2重誘電体管3として、ガスを外部から内部に流す場合には、ガス供給管9をフッ素樹脂製とした場合でも、ガス供給管9内部には原料ガス(酸素、もしくは空気)が流れており、仮に僅かに透過したとしても、問題は発生しない。
図2に、複数本(図2では3本)の放電管100を1枚の管板40に固定し、オゾン発生量を増加させた場合の構成を示す。このように、数本〜20本程度の放電管100をまとめたユニットを、ユニット単位で製作する構成とし、100本以上の放電管を備えるような大容量のシステムにおいては、ユニットの個数を増減させることで、所望の容量を持つオゾン発生装置を簡単に実現できる。一方、従来の大容量のオゾン発生装置においては、一つの円筒型の圧力容器に多数の放電管を配置する構造が主流であり、この構成では容量に応じて圧力容器の直径を変え、放電管の本数を増減させる必要があった。大型のオゾン発生装置は、ほぼ受注生産になるため、受注後に最適な放電管本数と圧力容器の直径を計算する等、注文毎に再設計を行う必要がある。本発明に基づいたユニット型にすることで、この再設計の手間を大幅に削減できるばかりでなく、納期の短縮にもつながる。
さらに、本発明では、一つ一つの放電管100に独立にガスを供給しているため、ガス供給量を独立に制御できる。例えば、放電ギャップ4が一つの放電管だけ広く、そこにガスが集中してオゾンの発生効率が落ちている場合、当該放電管へのガス流路に一部樹脂を注入するなどの手法で圧力損失を調整してガスの流量を減らし、各放電管のガスの流量を均一化することで全体としての発生効率を向上させることができる。
また、従来型の圧力容器で構成する大型円筒オゾン発生器を超大型化する場合、封止面積が大きくなって圧力容器にかかる力の総和が大きくなるため、容器の壁を厚くして剛性を高める必要がある。これが、超大型の円筒オゾナイザの装置価格を引き上げる一因となっている。しかし、本発明によるユニット型のオゾン発生装置のガスは、配管と放電管の中に閉じこめられているため、大容量化するために放電管の本数を増やすには、単純にユニットを増やすだけでよい。
以上のように、本発明の実施の形態1によるオゾン発生装置によれば、放電管の本数に応じた圧力容器を設計して製作する必要が無いため、簡単に超大型のオゾン発生装置を製作することができる。
実施の形態2.
図3、4は、本発明の実施の形態2によるオゾン発生装置を示す断面模式図である。図3において、19は両側封止ガラス管、20はオゾン化ガス取り出し構造、21はオゾン配管、22は緩衝材、23は給電線である。また、図3に示す実施の形態においては、図1と異なり、オゾンはガラス管の内部を通って戻るのではなく、別に設けられたオゾン配管21を通って取り出される。オゾン化ガス取り出し構造20は、接地管2からオゾン配管21にオゾン化ガスが流れるように構成されていればどのような構成でも良い。すなわち、オゾン化ガス取り出し構造20は、栓10が設けられている側とは反対側である接地管2の下部に設けられた開口からオゾン配管21にオゾン化ガスが流れる構造であれば良い。本構成では、高周波高電圧は、ガス供給管9の内部の給電線23を通って内部に高電圧電極1を有する密閉型の両側封止ガラス管19に給電されている。また、両側封止ガラス管19が接地管2の底に当たって傷つかないように、接地管2の底には、フッ素樹脂製の緩衝材22が設けられている。ここでは、緩衝材22は管状のフッ素樹脂としている。
このような構成をとることで、実施の形態1で用いられていた2重ガラス管3を用いる必要がなくなり、構造が単純になるため、製作コストを削減することができる。また、図3では、両側封止ガラス管19を使用して放電管100を構成しているが、図4に示すように、片側封止ガラス管24の内面に形成した高電圧電極1に、ガス供給管9の内部に挿入された給電線23から接触子25を介して給電する従来型の構成の高電圧電極管を用いて放電管100を構成することもできる。
以上の誘電体管である両側封止ガラス管19および片側封止ガラス管24は、いずれもガラス製として説明したが、材料としてはセラミックなど他の誘電体を用いても良い。要は、両側あるいは片側が閉鎖された、内面に導電性の高電圧電極1が形成された誘電体管であれば良い。
図5に、図3に示した放電管100を複数本接続し、オゾン発生量を増加させた場合の構成の断面模式図を示す。また、図5の構成を基本として、1枚の管板40に接地管2、すなわち放電管を4本固定したサブユニット210を4個、1個の水タンク50に備えたユニット200の外観斜視図を図6に示す。図6では、一部のサブユニット210を取り出して示している。図6に示す構成では、オゾン化ガス取り出し構造として、サブユニット210の複数の放電管のそれぞれの接地管2の開口部を接続するマニホールド201を備えている。この構成でも、数本〜20本程度の放電管をまとめてユニットとすることで、実施の形態1と同様、放電管の本数を増やすには、単純にユニットを増やすだけでよい
ため、簡単に超大型の発生器を製作することができる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3によるオゾン発生装置を示す模式的な拡大断面図であり、図7(a)は図3の栓10が設けられている接地管2の開放端部分を、図7(b)は図4の栓10が設けられている接地管2の開放端部分を、それぞれ拡大した図に相当する。図において、26は絶縁管であり、27aは、両側封止管用ガラス管支持部材、27bは、片側封止管用ガラス管支持部材である。
本構成は、絶縁体のガス供給管9に給電線23を通す際、給電線23と接地管2との間の高電界により給電線23の周囲に生ずる放電プラズマから配管を守るために、給電線23の周囲に耐熱性の高いガラス製の絶縁管26を配置したものである。絶縁管26はガラス製に限らずセラミック製など、絶縁材料で構成されていれば良い。給電線23の周囲に放電が発生する条件は、給電線23の周囲の電界がある閾値を越える場合である。このため、電界強度がそれほど高くない場合は、絶縁管の代わりに、金属管を配置する、もしくは太い給電線を用いることで電界を緩和し、放電自体を抑制してもよい。このように構成することで、給電線23の周囲に発生する放電プラズマが直接ガス供給管9に接触することがないため、放電プラズマによるガス供給管9の劣化を防止出来、装置の信頼性が向上する。
図1に示す実施の形態1の場合は、給電線としてSUSパイプ8を用いており、給電線であるSUSパイプ8の周囲の電界が緩和される。このため、供給される高周波高電圧の電圧がそれほど高くなければ、SUSパイプ8の周囲にプラズマが形成されず、SUSパイプ8の周囲に絶縁管を配置する必要はない。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4によるオゾン発生装置を示す断面模式図である。図において、28は下面に底板281を備え、内部に空間を有する浮体としての容器である。接地管2を容器内に突き出すように底板281に水密状態で固定している。このように構成したオゾン発生装置は、図6に示した水タンク50を設けずに、接地管2を水流もしくは十分に広い貯水池など、自然界や産業界に存在する水60に直接浸すことで水冷が可能となる。このとき容器28が浮体となり、貯水池などに装置全体を浮かせて設置することができる。このような設置にすれば、水冷用の水タンクを必要とせず、また冷却水を配管する手間も省ける。このため、水冷用の水タンク、及び配管のコストが削減され、装置の低コスト化が可能となる。設置方法としては、上下水設備の沈殿池への設置や、配管の一部に組み込む方法などが考えられる。池や湖などに設置する場合、固定式でもよいが、浮体式にすると水位の変化に対応できる。尚、野外に設置する場合には、放電管100の表面に付着する汚れの除去がやりやすい構造(接地管2の表面への防汚処理、接地管2の間隔の拡大など)を取るのが望ましい。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5によるオゾン発生装置を示す断面模式図である。図において29は空冷フィンであり、通常はアルミ箔に穴を開け、接地管2と接触するように接地管2を通したものを多数積層して構成する。30は冷却風であり、紙面手前側から向こう側に向けて送風されていることを示す。このように空冷フィン29を空冷により冷却する構成にすることで、冷却水のない場所でも運転でき、設置可能場所の制限を緩和することができる。設置可能場所の制限が緩和されることで、冷却水を用意できない場所への設置が可能となるため、装置の利便性が向上する。また、オゾン発生出力が小さい場合には、空冷フィンなしでも運転可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、あるいはその構成要件を省略したりすることが可能である。
1 高電圧電極、2 接地管、3 2重誘電体管(2重ガラス管)、4 間隙、5 冷却水、6 隔壁、8、23 給電線、9 ガス供給管、10 栓、13 高周波高電圧電源、19 両側封止ガラス管、20 マニホールド、24 片側封止ガラス管、28 浮体、281 底板、29 空冷フィン、50 水タンク、100 放電管

Claims (11)

  1. 少なくとも一端が開放し内面が金属で形成された円筒状の接地管と、
    外面と前記接地管の内面との間に放電ギャップを形成する間隙を有するように、前記接地管の内側に同軸状に内包され、内面に導電性の高電圧電極が形成された円筒状の誘電体管と、
    前記接地管の開放端を閉鎖する絶縁体の栓と、
    前記栓を貫通し、前記接地管の内部に原料ガスを供給するように設けられた絶縁体のガス供給管と、
    前記高電圧電極に外部から高周波高電圧を給電するように、前記ガス供給管の内部に挿入された給電線と、
    前記ガス供給管から供給された原料ガスが前記間隙の前記栓が設けられた側の開口から前記間隙に流入し、前記間隙を流れる間に前記接地管と前記高電圧電極の間に印加された前記高周波高電圧により形成される電界により放電してオゾン化ガスとなり、前記間隙の前記栓が設けられた側とは反対側の開口から流出する前記オゾン化ガスを前記接地管内部から外部に取り出すためのオゾン化ガス取り出し構造と、
    を備えたことを特徴とするオゾン発生装置。
  2. 前記誘電体管の内側に、円筒状の第二誘電体管が前記高電圧電極を覆うように設けられ、前記誘電体管の端部と前記第二誘電体管の端部とを封着することにより前記誘電体管と前記第二誘電体管を一体化して2重誘電体管とし、この2重誘電体管の内側の両端部は開放されており、前記2重誘電体管の内側には隔壁を備え、
    前記ガス供給管の前記接地管内部の開放端が、前記隔壁よりも前記栓側となるよう配置され、オゾン化ガス取り出し構造は、前記ガス供給管の内側に前記ガス供給管と同軸状に、前記ガス供給管の内面とは原料ガス流入用のすき間を有するように、前記隔壁を貫通して配置された、前記給電線を兼ねる金属製のオゾン化ガス取り出し管であり、
    前記原料ガスは、前記間隙の前記栓が設けられた側の開口から流入し、前記間隙の他方の開口から流出するオゾン化ガスが、前記2重誘電体管の内側を通って、前記オゾン化ガス取り出し管から前記接地管の外部に取り出されることを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
  3. 前記誘電体管の、前記栓が設けられた側とは反対側の端部は閉鎖されており、前記オゾン化ガス取り出し構造は、前記接地管の前記栓が設けられた側とは反対側の端部近傍に設けられた開口部から前記オゾン化ガスを取り出すよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
  4. 前記栓はフッ素樹脂製であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  5. 前記ガス供給管はフッ素樹脂製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  6. 前記接地管の外面に冷却水が接するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  7. 前記接地管と、前記誘電体管と、前記栓と、前記ガス供給管と、前記給電線とで構成される放電管を複数備え、この複数の放電管が、前記接地管の外部を冷却する冷却水を流す冷却タンクに設置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  8. 前記接地管と、前記誘電体管と、前記栓と、前記ガス供給管と、前記給電線とで構成される放電管を複数備え、前記オゾン化ガス取り出し構造として、前記複数の放電管のそれぞれの前記接地管の前記開口部を接続するマニホールドを備えたことを特徴とする請求項3に記載のオゾン発生装置。
  9. 前記給電線は、前記ガス供給管の内側に設けられた絶縁管の内部に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
  10. 底板を備え、内部に空間を有する浮体の前記底板に、前記接地管を前記空間に突き出すように水密状態に固定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオゾン発生装置。
  11. 前記接地管の外面に空冷フィンを備えたことを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
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