JP2015067441A - 繊維機械の作業台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス時などにおいても逆転ローラの位置を保持できる構成の作業台車を提供する。【解決手段】糸継台車3は、逆転ローラ63と、エアシリンダ66と、ストッパ36と、を備えている。逆転ローラ63は、パッケージ45と接触して回転することにより、当該パッケージ45を回転駆動する。エアシリンダ66は、逆転ローラ63を、パッケージ45に接触可能な接触位置と、パッケージ45から退避した退避位置と、の間で移動させる。ストッパ36は、エアシリンダ66とは独立して設けられ、逆転ローラ63を、接触位置よりも退避位置寄りの保持位置で保持する。【選択図】図3

Description

本発明は、繊維機械が備える作業台車に関する。
従来から、繊維機械において、複数の糸処理ユニットの間を走行可能に構成された作業台車(糸継台車)が知られている。作業台車は、何らかの理由により糸の分断が生じたユニットまで走行し、分断された糸を接続(糸継)する。作業台車は、糸継作業の際にパッケージを逆回転させるための逆転ローラを備えている。この種の作業台車は、特許文献1に記載されている。
特許文献1は、逆転ローラを、パッケージに対して接近及び離間可能にした構成を開示している(0061段落)。特許文献1においては、空気アクチュエータのシリンダを進退させることにより、逆転ローラをパッケージに対して接近及び離間させることができる。なお、本願明細書では、空気アクチュエータ(エアシリンダ)によって逆転ローラをパッケージに接触させた状態を、当該逆転ローラの「接触位置」と呼び、空気アクチュエータ(エアシリンダ)によって逆転ローラをパッケージから離間させた状態(逆転ローラを作業台車に収容した状態)を、当該逆転ローラの「退避位置」と呼ぶ。
特開2013−67484号公報
作業台車が複数のユニット間を走行する際に、仮に逆転ローラがパッケージ側に飛び出た状態になっていると、当該逆転ローラが周囲の部材に接触して破損等の原因になり得る。従って、作業台車が複数のユニット間を走行する際には、逆転ローラを作業台車内に収容した状態としておく必要がある。そこで従来から、空気アクチュエータは、作業台車が糸継作業を行わないときには、逆転ローラを退避位置(収容した状態)に保持する。
ところで、作業台車のメンテナンスを行う場合などは、空気アクチュエータへの空気の供給を停止させる場合がある。この場合、当該空気アクチュエータのシリンダがフリー状態となるため、逆転ローラを退避位置に保持しておくことができない。この結果、逆転ローラの自重により、当該逆転ローラが退避位置よりも接触位置側(パッケージ側)に向けて出てきてしまうことが有り得る。この場合、作業台車を移動させるためには、自重で出てきた逆転ローラをオペレータが手で押し込めておく必要があり、メンテナンスの作業性が悪い。
以上のように、従来の作業台車においては、メンテナンスの際など空気アクチュエータへの空気の供給を停止した場合において、逆転ローラが勝手に(オペレータが意図せずに)移動してしまうため、メンテナンスの作業性が悪いという問題があった。
本発明の目的は、メンテナンス時などにおいても逆転ローラの位置を保持できる構成の作業台車を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本願発明の第1の観点によれば、作業台車は、駆動ローラと、第1駆動部と、保持部と、を備える。前記駆動ローラは、パッケージと接触して回転することにより、当該パッケージを回転駆動する。前記第1駆動部は、前記駆動ローラを、前記パッケージに接触可能な接触位置と、前記パッケージから退避した退避位置と、の間で移動させる。前記保持部は、前記第1駆動部とは独立して設けられ、前記駆動ローラを、前記パッケージから退避した保持位置で保持する。
このように、駆動ローラを保持位置に保持する保持部を、第1駆動部とは別に設けたことにより、第1駆動部への駆動力の供給が停止した場合においても、駆動ローラを保持位置に保持しておくことができる。なお、上記保持位置と退避位置は一致していても良いし、保持位置と退避位置が異なっていても良い。
上記の作業台車の構成は、前記第1駆動部がエアシリンダである作業台車に適用すれば特に好適である。
即ち、第1駆動部がエアシリンダの場合、当該エアシリンダへの空気の供給が停止した場合には、当該第1駆動部によって逆転ローラを退避位置に保持することができなくなる。そこで上記のように、第1駆動部(エアシリンダ)とは別に保持部を設けることで、第1駆動部への空気の供給が停止した場合においても、駆動ローラを保持位置に保持することができる。
上記の作業台車は、前記駆動ローラと機械的に連動して移動するように設けられた被接触部を備えることが好ましい。前記保持部は、前記被接触部に接触するストッパである。前記被接触部及び前記ストッパの少なくとも何れか一方は、他方に対して弾性的に接触する。
このように、ストッパと被接触部の少なくとも何れかを弾性的に接触する構成としたことで、ある程度の力を加えることによりストッパによる保持を外すことができる。
上記の作業台車においては、当該作業台車の非作動時に、前記保持部によって前記駆動ローラを前記保持位置に保持可能であることが好ましい。
なお、非作動時とは、メンテナンス時及び/又は電源オフ時など、作業台車が通常の動作を行わない状態を指す。上記の構成により、メンテナンス時などに、第1駆動部への駆動力の供給が停止した場合においても、駆動ローラを保持位置に保持しておくことができる。
上記の作業台車において、前記保持部は、前記第1駆動部が前記駆動ローラを移動させるときに、当該駆動ローラの保持を解除することが好ましい。
これにより、第1駆動部は、駆動ローラを移動させることができる。
上記の作業台車は、前記駆動ローラによって前記パッケージを回転駆動する際に、当該パッケージからの糸がトラバースガイドに接触することを回避するように当該糸を案内する糸案内部材を更に備えることが好ましい。前記保持部は、前記糸案内部材と連動するように構成されている。
このように、糸案内部材と保持部を連動させることにより、保持部を単独で駆動する場合に比べて部品点数を削減することができる。
上記の作業台車は、前記糸案内部材を、前記パッケージに巻き取られる糸から離間した待機位置と、当該パッケージからの糸がトラバースガイドに接触することを回避するように当該糸を案内する案内位置とに移動させる第2駆動部を更に備えることが好ましい。前記第2駆動部が前記糸案内部材を前記待機位置から前記案内位置へ移動させるとき、前記保持部による前記駆動ローラの保持が解除される。
即ち、糸案内部材を案内位置まで移動させて、パッケージからの糸がトラバースガイドによってトラバースされないようにすることで、当該パッケージを駆動ローラによって回転させることができる状態になる。そこで上記のように、保持部と糸案内部材を連動させることにより、駆動ローラを移動させる必要があるときに、保持部による保持を解除させることができる。
上記の作業台車は、前記駆動ローラを移動させるためのリンク機構と、当該リンク機構に設けられ、前記駆動ローラの移動に伴って所定の移動軌跡を描いて移動する被接触部と、を備えることが好ましい。前記保持部は、前記糸案内部材に設けられ、当該糸案内部材と連動して移動するストッパである。前記糸案内部材が前記待機位置に位置しているときの前記ストッパは、前記被接触部の前記移動軌跡に干渉する位置に配置される。前記糸案内部材が前記案内位置に位置しているときの前記ストッパは、前記被接触部の前記移動軌跡に干渉しない位置に配置されている。前記ストッパが前記被接触部に接触することにより、前記駆動ローラが前記保持位置に保持される。
このようにストッパ(保持部)を糸案内部材に設けることで、当該ストッパを糸案内部材と連動させて合理的に移動させることができる。
上記の糸継台車は、保持解除工程と、ローラ進出工程と、パッケージ駆動工程と、ローラ退避工程と、保持有効化工程と、をこの順で実行するように、前記糸案内部材と前記駆動ローラの動作を制御する制御部を備えることが好ましい。前記保持解除工程では、前記糸案内部材を前記待機位置から前記案内位置に移動させる。前記ローラ進出工程では、前記駆動ローラを前記接触位置まで移動させる。前記パッケージ駆動工程では、前記駆動ローラによって前記パッケージを回転駆動する。前記ローラ退避工程では、前記駆動ローラを前記接触位置から前記退避位置まで移動させる。前記保持有効化工程では、前記糸案内部材を前記案内位置から前記待機位置に移動させる。
即ち、駆動ローラによってパッケージを回転駆動する必要があるときに、糸案内部材を案内位置まで移動させて、パッケージからの糸がトラバースガイドに接触しないようにする。これに伴って、保持部(ストッパ)による駆動ローラの保持が解除されるので、当該駆動ローラを接触位置まで移動させてパッケージを回転駆動できる状態となる。このように、糸案内部材、ストッパ、及び駆動ローラを合理的に連動させることができる。
本願発明の別の観点によれば、上記の作業台車と、糸を巻き取ってパッケージを形成する複数の糸巻取ユニットと、を備える繊維機械が提供される。この繊維機械において、前記作業台車は、前記複数の糸巻取ユニットの全部又は一部を担当範囲としており、前記担当範囲のうちの何れかの糸巻取ユニットを作業対象として、当該作業対象の糸巻取ユニットに対して作業を行う。前記駆動ローラは、前記作業対象の糸巻取ユニットの前記パッケージを反巻取方向へ回転駆動する。
このように、作業台車の駆動ローラによってパッケージを反巻取方向に回転駆動する構成とすることで、パッケージを反巻取方向に駆動するための構成を各ユニットに設ける必要が無い。これにより、繊維機械全体の構成を簡素化できる。
上記の繊維機械において、前記作業台車は、前記作業対象の糸巻取ユニットに対して糸継作業を行う糸継装置を備えている。前記糸継装置が前記糸継作業を行う際に、前記第1駆動部が前記駆動ローラを前記接触位置に移動させる。
即ち、糸継作業を行う際には、パッケージの糸を引き出すために、当該パッケージを反巻取方向に回転させる必要がある。上記の構成によれば、作業台車の駆動ローラによって、必要なときにパッケージを反巻取方向に回転させることができる。
本発明の一実施形態に係る精紡機の全体的な構成を示す正面図。 紡績ユニット及び糸継台車の側面図。 ストッパによって逆転ローラが保持されている様子を示す側面図。 ストッパから逆転ローラが外れた状態を示す側面図。 ストッパによる逆転ローラの保持を解除した状態を示す側面図。 紡績ユニットにおいて糸切れが発生した様子を示す側面図。 保持解除工程を示す側面図。 ローラ進出工程及びパッケージ駆動工程を示す側面図。 糸端案内工程を示す側面図。 糸継工程を示す側面図。 ローラ退避工程を示す側面図。
次に、本発明の一実施形態に係る糸巻取機としての精紡機について、図面を参照して説明する。図1に示す精紡機(紡績機)1は、並設された多数の紡績ユニット(糸巻取ユニット)2と、糸継台車(作業台車)3と、ブロアボックス80と、原動機ボックス5と、を備えている。
ブロアボックス80内には、各紡績ユニット2に負圧を供給するための負圧源などが配置されている。また、原動機ボックス5内には、各紡績ユニット2に共通の駆動源が配置されている。
図2に示すように、各紡績ユニット2は、上流から下流へ向かって順に配置された、ドラフト装置7と、紡績装置(給糸部)9と、糸貯留装置12と、巻取装置13と、を主要な構成として備えている。各紡績ユニット2は、ドラフト装置7から送られてくる繊維束8を紡績装置9で紡績して紡績糸10を生成し、この紡績糸10を巻取装置13でボビン48に巻き取る。紡績糸10が巻き取られたボビン48を、パッケージ45と称する。なお、本明細書において「上流」及び「下流」とは、通常巻取時での繊維束8及び紡績糸10の走行方向における上流及び下流を意味するものとする。また、通常巻取時とは、紡績装置9と巻取装置13との間の紡績糸10が連続状態にあり、かつ、パッケージ45が略一定の周速で回転駆動されて紡績糸10が略一定速で巻き取られている状態を言うものとする。
ドラフト装置7は、上流側から順に、バックローラ16、サードローラ17、ゴム製のエプロンベルト18を装架したミドルローラ19、及びフロントローラ20の4つのドラフトローラを備える。各ドラフトローラは、所定の回転速度で回転駆動される。また、ドラフト装置7は、各ドラフトローラに対向するように配置された対向ローラを有している。ドラフト装置7は、繊維束8の原料であるスライバ15を、回転するドラフトローラと、これに対向する対向ローラとの間で挟み込んで搬送することにより、所定の幅となるまで引き伸ばして(ドラフトして)繊維束8とするように構成されている。
フロントローラ20のすぐ下流側には、紡績装置9が配置されている。ドラフト装置7でドラフトされた繊維束8は、紡績装置9に供給される。紡績装置9は、ドラフト装置7から供給された繊維束8に撚りを加えて、紡績糸10を生成する。なお、本実施形態の紡績装置9は、旋回気流を利用して繊維束8に撚りを与える空気式の紡績装置が採用されている。
図2に示すように、紡績装置9の下流側には巻取装置13が配置されている。巻取装置13は、クレードルアーム71と、巻取ドラム72と、トラバースガイド76と、を備えている。
前記巻取ドラム72は、一方向に一定の回転速度で回転駆動されている。前記クレードルアーム71は、紡績糸10を巻き取るためのボビン48を回転可能に支持することができる。また、このクレードルアーム71は、支軸73まわりに揺動可能に支持されている。クレードルアーム71は、前記ボビン48(又はパッケージ45)を支持した状態で支軸73まわりに揺動することにより、前記ボビン48(又はパッケージ45)の外周を、巻取ドラム72に対して接触又は離間させることができるように構成されている。前記ボビン48(又はパッケージ45)の外周を、回転駆動されている巻取ドラム72に接触させることにより、当該ボビン48(又はパッケージ45)を一方向に従動回転させて、当該ボビン48(又はパッケージ45)に紡績糸10を巻き取ることができる。以下の説明で、巻取ドラム72がパッケージ45を回転させる方向を、「巻取方向」と呼ぶ。なお、各紡績ユニット2の巻取装置13が備える巻取ドラム72は、複数の紡績ユニット2で共通の駆動源(図略)によって、一斉に回転駆動される。この駆動源は、前記原動機ボックス5内に設けられている。
トラバースガイド76は、紡績糸10に係合可能に構成されているとともに、図略の駆動手段によって、前記巻取ドラム72の軸方向と平行な方向に往復動される。なお、この駆動手段は、前記原動機ボックス5内に設けられている。この構成で、巻取ドラム72を回転駆動させながら、紡績糸10を係合させたトラバースガイド76を往復駆動することにより、紡績糸10を綾振り(トラバース)しつつパッケージ45に巻き取るようになっている。
紡績装置9と巻取装置13との間には、糸貯留装置12が設けられている。糸貯留装置12は、図2に示すように、糸貯留ローラ14と、当該糸貯留ローラ14を回転駆動する電動モータ25と、を備えている。
糸貯留ローラ14は、その外周面に一定量の紡績糸10を巻き付けて一時的に貯留することができるように構成されている。糸貯留ローラ14の外周面に紡績糸10を巻き付けた状態で当該糸貯留ローラ14を所定の回転速度で回転させることにより、紡績装置9から紡績糸10を所定の速度で引き出して下流側に搬送することができる。また、糸貯留装置12は、糸貯留ローラ14に紡績糸10を一時的に貯留できるので、紡績装置9と巻取装置13との間で一種のバッファとして機能する。これにより、紡績装置9における紡績速度と、巻取装置13における巻取速度と、が何らかの理由により一致しない場合の不具合(例えば紡績糸10のたるみなど)を解消することができる。
紡績装置9と糸貯留装置12との間の位置には、糸品質測定器59が設けられている。紡績装置9で紡出された紡績糸10は、糸貯留装置12で巻き取られる前に前記糸品質測定器59を通過するようになっている。糸品質測定器59は、走行する紡績糸10の太さを図略の静電容量式センサによって監視するように構成されている。糸品質測定器59は、紡績糸10の糸欠陥(紡績糸10の太さなどに異常がある箇所)を検出した場合に、糸欠陥検出信号を図示しないユニットコントローラへ送信するように構成されている。なお、糸品質測定器59は静電容量式のセンサに限らず、例えば光透過式のセンサで紡績糸10の太さを監視する構成であっても良い。また、糸品質測定器59は、紡績糸10に含まれる異物を糸欠陥として検出するように構成されていても良い。
糸品質測定器59の近傍には、当該糸品質測定器59で紡績糸10の糸欠陥が検出された際に、直ちに当該紡績糸10を切断するためのカッタ(図略)が配置されている。なお、紡績ユニット2は、このカッタの代わりに、紡績装置9への空気の供給を停止して、紡績糸10の生成を中断することにより当該紡績糸10を切断しても良い。
続いて、糸継台車(作業台車)3の構成について説明する。
図1に示すように、精紡機1のフレーム6には、紡績ユニット2が並ぶ方向に沿って、糸継台車走行レール41が配設されている。前記糸継台車3は、この糸継台車走行レール41の上を走行できるように構成されている。これにより、糸継台車3は、複数の紡績ユニット2の間を走行することができる。糸継台車3は、作業対象の紡績ユニット2の前まで走行すると、その位置で停止し、当該作業対象の紡績ユニット2に対して所定の作業(本実施形態の場合は糸継作業)を行う。なお、本実施形態の精紡機1は、糸継台車3を1台のみ有しており、当該糸継台車3によって何れの紡績ユニット2に対しても作業を行うことができるように構成している。言い換えると、本実施形態の糸継台車3は、精紡機1が備える複数の紡績ユニット2の全部を担当範囲としている。
糸継台車3は、図1及び図2に示すように、糸継装置43と、糸捕捉部(サクションパイプ44及びサクションマウス46)と、逆転駆動機構49と、ヤーンガイド(糸案内部材)75と、を主に備えている。また、糸継台車3は、当該糸継台車3の各構成を制御するための図略の台車制御部(制御部)を備えている。
前記サクションパイプ44とサクションマウス46は、それぞれ軸を中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションパイプ44は、その先端に吸引空気流を発生させることにより、紡績装置9から送出される紡績糸10を吸い込んで吸引捕捉できるように構成されている(図8参照)。サクションマウス46は、その先端に吸引空気流を発生させることにより、巻取装置13に支持されたパッケージ45から紡績糸10を吸い込んで吸引捕捉できるように構成されている(図8参照)。また、サクションパイプ44とサクションマウス46は、前記紡績糸10を吸引捕捉した状態で回動することにより、当該紡績糸10を、糸継装置43の正面側に対面する位置まで案内する(図9の状態)。なおサクションパイプ44及びサクションマウス46の動作は、前記台車制御部によって制御されている。
糸継装置43は、サクションパイプ44によって案内された紡績装置9からの紡績糸10と、サクションマウス46によって案内されたパッケージ45からの紡績糸10と、を糸継ぎ(接合)することができるように構成されている。この糸継装置43は、旋回空気流によって糸端同士に撚りを加えることにより継ぎ目を形成するスプライサ装置として構成されている。ただし、糸継装置43の構成はこれに限らず、例えば機械式のノッタであっても良い。この糸継装置43による糸継動作は、前記台車制御部によって制御されている。この糸継装置43は、糸継台車3が紡績ユニット2で停止したときに、紡績糸10の走行方向で巻取装置13と糸貯留装置12との間に位置している。
なお、本実施形態の糸継装置43は、通常巻取時の糸道(紡績糸10の走行経路)に対して接近又は離間する方向に移動できるように構成されている。糸継装置43は、通常巻取時の糸道に接近した位置(例えば図10に示す位置)において、糸継作業を行う。また糸継装置43は、糸継作業を行わないときには、通常巻取時の糸道から離間した位置(例えば図2に示す位置)に退避しておく。糸継台車3は、糸継装置43を上記のように移動させる移動手段30を備えている。
糸継装置43の下流側には、ヤーンガイド35が配置されている。ヤーンガイド35は、回転軸32まわりで回動することにより、「案内位置」と「待機位置」の間で移動できるように構成されている。ヤーンガイド35を「待機位置」に移動させた状態においては、当該ヤーンガイド35が紡績糸10に接触しないように構成されている(図2の状態)。一方、ヤーンガイド35を「案内位置」に移動させた状態においては、当該ヤーンガイド35が通常巻取時の紡績糸10の糸道に干渉する位置となる。これにより、ヤーンガイド35によって、紡績糸10をトラバースガイド76に接触しない位置まで案内できるように構成されている(図11の状態)。
糸継台車3は、ヤーンガイド35を「案内位置」と「待機位置」の間で移動させるために、カム33を含むカム機構(第2駆動部)を備えている。カム機構の詳細な図示は省略するが、図2等に示すように、カム33は、ヤーンガイド35の回転軸32と平行な軸を中心に回転駆動されるように構成されている。ヤーンガイド35は、カム33の周面に対して(直接的又は間接的に)接触可能に構成されている。この構成で、カム33を回転駆動することにより、ヤーンガイド35を回転軸32まわりで回動させて「案内位置」と「待機位置」の間で移動させることができる。なお、カム33の回転は、前述の台車制御部によって制御されている。
図2等に示すように、逆転駆動機構49は、第1リンク61及び第2リンク62と、逆転ローラ63と、前記逆転ローラ63の駆動源である逆転ローラ駆動モータ(図略)と、を備えている。
逆転ローラ63は、前記逆転ローラ駆動モータ(図略)からの駆動力によって回転駆動される。なお、逆転ローラ駆動モータの動作は、前記台車制御部によって制御されている。
前記第1リンク61の一端側は、糸継台車3の筐体本体に対して回転可能に取り付けられている。また、第1リンク61の他端側には、前記第2リンク62が回動可能に取り付けられている。第2リンク62の先端には、前記逆転ローラ63が回転可能に設けられている。糸継台車3は、第1リンク61及び第2リンク62を駆動するためのエアシリンダ(第1駆動部)66を備えている。エアシリンダ66のシリンダロッド64の先端は、第1リンク61に連結されている。
以上のように、第1リンク61、第2リンク62、及びシリンダロッド64によってリンク機構が構成されている。そして、前記エアシリンダ66を伸縮制御することによって、第2リンク62の先端の逆転ローラ63を、パッケージ45に接近又は離間させる方向に移動させることができる。これにより、エアシリンダ66は、逆転ローラ63を、パッケージ45に接触しない「退避位置」(例えば図2に示す位置)と、パッケージ45に接触可能な「接触位置」(例えば図8に示す位置)と、の間で移動させることができる。なお、エアシリンダ66の動作は、前記台車制御部によって制御されている。
続いて、本願発明の特徴的な構成について説明する。
糸継台車3のメンテナンス等を行う際、糸継台車3を「非作動」状態とすることがある。ここで、糸継台車3の「非作動」状態とは、当該糸継台車3が糸継作業を行っておらず、走行もしておらず、かつ何れの紡績ユニット2において糸切れ(糸の分断状態)が発生した場合であってもそれに応じて走行しない状態を言う。具体的には、糸継台車3の電源を切った状態及び/又は、糸継台車3が何らかの理由で緊急停止した状態などが、当該糸継台車3の「非作動」状態に該当する。
このような糸継台車3の非作動時においては、エアシリンダ66への空気の供給が停止する場合がある。このような場合においては、エアシリンダ66のシリンダロッド64がフリーの状態となってしまうため、当該エアシリンダ66によって逆転ローラ63を退避位置に保持しておくことができない。このため、逆転ローラ63の自重により、当該逆転ローラ63が、退避位置よりも接触位置側(パッケージ45側)に向けて飛び出してしまうことがある。既に説明したように、このように逆転ローラ63が勝手に(オペレータの意図に反して)出てきてしまうと、メンテナンス等の作業性が悪いという問題がある。
そこで本実施形態では、糸継台車3は、エアシリンダ66とは独立して、逆転ローラ63を所定の位置に保持するストッパ(保持部)36を備えている。このように、逆転ローラ63を保持するストッパ36を、エアシリンダ66とは独立して設けたことにより、エアシリンダ66への空気の供給が停止した場合においても、逆転ローラ63が勝手に(オペレータの意図に反して)接触位置側(パッケージ45側)に出てきてしまうことを防止できる。
ストッパ36が逆転ローラ63を保持している様子を、図3に示す。また、このようにストッパ36によって保持されているときの逆転ローラ63の位置を、「保持位置」と呼ぶ。なお、本実施形態のストッパ36は、逆転ローラ63を、退避位置とほぼ同じ位置で保持するように構成されている。即ち、本実施形態では、退避位置と保持位置は一致している。従って以下の説明では、ストッパ36が逆転ローラ63を「退避位置」に保持するものとして説明する場合がある。
次に、ストッパ36によって逆転ローラ63を保持する構成について、図3から図5を参照して詳しく説明する。なお、図3から図5においては、説明のうえで不要な構成の図示を適宜省略している。
ストッパ36は、糸継台車3の本体側に設けられている。ここで「本体側」とは、糸継台車3が備える構成のうち、逆転ローラ63の移動に機械的に連動しない構成を指す概念である。例えば、本実施形態のヤーンガイド35は、逆転ローラ63とは異なる駆動源(カム機構)によって駆動されるので、当該ヤーンガイド35と逆転ローラ63は機械的に連動しているとは言えない。従って、本実施形態のヤーンガイド35は、「本体側」の構成に含むものとする。本実施形態では、ストッパ36は、ヤーンガイド35に設けられている。より具体的には、本実施形態のストッパ36は、ヤーンガイド35に固定的に設けられた板バネである。
逆転ローラ63側には、ストッパ36に接触する被接触部37が設けられている。ここで、「逆転ローラ側に設けられる」とは、エアシリンダ66による逆転ローラ63の移動に機械的に連動して移動するように設けられていることを指す。具体的には、本実施形態の被接触部37は、第1リンク61に設けられている。これにより、被接触部37が、逆転ローラ63の移動に機械的に連動して移動するようになっている。なお、本実施形態の被接触部37は、逆転ローラ63の回転軸と平行な軸を中心に回転自在であるように、第1リンク61に支持されたローラ状の部材となっている。
図3から図5に示すように、第1リンク61に設けられた被接触部37は、当該第1リンク61の回転支軸61aから外れた位置に配置されている。従って、逆転ローラ63が退避位置と接触位置の間で移動する際に、被接触部37は、回転支軸61aを中心とした所定の円弧状の移動軌跡を描いて移動する。なお、被接触部37の移動軌跡を、図3等に符号38で示す。
前述のように、本実施形態のストッパ36は、板バネとして構成されている。この板バネは、図3から図5に示すように、逆転ローラ63の軸方向で見たときに「L」字状になるように折り曲げられた屈曲部を有しており、当該L字の屈曲部が、前記被接触部37の移動軌跡38に向けて突出するように配置されている。
ところで前述のように、ストッパ36は、ヤーンガイド35に固定的に設けられている。このヤーンガイド35は、回転軸32を中心に回動することにより、「待機位置」と「案内位置」の間で移動可能である。従って、ヤーンガイド35が回転軸32を中心に回動するのに伴って、ストッパ36も移動する。本実施形態のストッパ36は、ヤーンガイド35が「待機位置」に位置しているときには、前記L字の屈曲部が被接触部37の移動軌跡38に干渉する位置となるように配置されている。ヤーンガイド35が「待機位置」に位置しているときの様子を、図3及び図4に示す。
以上の構成により、ヤーンガイド35を「待機位置」に位置させることで、ストッパ36を被接触部37に接触させることができる。被接触部37がストッパ36に接触した状態を、図3に示す。このようにストッパ36を被接触部37に接触させることで、当該ストッパ36によって被接触部37を所定の位置に保持できる。ところで前述のように、被接触部37は逆転ローラ63と機械的に連動して移動するように構成されているので、当該被接触部37が所定の位置に保持されれば、逆転ローラ63も所定の位置に保持されることになる。以上のようにして、ストッパ36によって、逆転ローラ63を保持位置(本実施形態の場合は退避位置)に保持しておくことができる。
なお前述のように、本実施形態のストッパ36は、逆転ローラ63を「退避位置」に保持できるように構成されている。即ち、本実施形態のストッパ36は、エアシリンダ66が逆転ローラ63を「退避位置」に保持しているときの被接触部37に接触できるように配置されている(図3の状態)。
以上のように構成されたストッパ36により、逆転ローラ63を、保持位置(本実施形態の場合は退避位置)に保持できる。そして、このストッパ36は、エアシリンダ66とは分離独立して設けられている。従って、糸継台車3の非作動時などにエアシリンダ66への空気の供給が停止して、当該エアシリンダ66によって逆転ローラ63を退避位置に保持できなくなったとしても、当該逆転ローラ63をストッパ36によって退避位置に保持できる。このように、本実施形態の構成によれば、エアシリンダ66への空気の供給が停止した場合であっても、逆転ローラ63が自重によって接触位置側(パッケージ45側)に出て来てしまうことを、ストッパ36によって防止できる。
また、本実施形態のストッパ36は、ヤーンガイド35を「案内位置」に位置させたとき(図5の状態)には、被接触部37の移動軌跡38に干渉しないように配置されている。従って、ヤーンガイド35の位置を「案内位置」とした状態であれば、逆転ローラ63を自由に移動させることができる。このように、ヤーンガイド35を「案内位置」に位置させることにより、ストッパ36による逆転ローラ63の保持を解除できる。
なお前述のように、ストッパ36が設けられているヤーンガイド35は、カム機構によって駆動される構成となっている。このカム機構のカム33は、図略の電動モータによって回転駆動されるように構成されている。仮に、カム機構の前記電動モータへの電力の供給が停止したとしても、前記電動モータの軸の回転抵抗などがあるため、カム33が勝手に回転してしまうおそれはない。従って、カム機構への電力の供給が停止したとしても、ヤーンガイド35が勝手に(オペレータの意図に反して)「待機位置」から「案内位置」に移動してしまうことはない。従って、カム機構への電力の供給が停止したとしても、ストッパ36による逆転ローラ63の保持が勝手に解除されてしまうおそれはない。
このように、本実施形態の構成によれば、糸継台車3への電力の供給が停止した状況においても、ストッパ36による逆転ローラ63の保持を有効化した状態を維持できる。従って、この構成によれば、糸継台車3の非作動時(メンテナンス時及び/又は非常停止時など)において、エアシリンダ66(第1駆動部)への空気の供給、及びカム機構(第2駆動部)へ電力の供給をそれぞれ停止したとしても、逆転ローラ63を退避位置に保持しておくことができる。
また前述のように、本実施形態では、ストッパ36を板バネから構成しているので、当該ストッパ36は被接触部37に対して弾性的に接触していると言える。従って、ヤーンガイド35が「待機位置」に位置している状態(ストッパ36が被接触部37に接触する位置にある状態)であっても、被接触部37にある程度の力を加えれば、当該被接触部37がストッパ36を押し退けて(ストッパ36(板バネ)を弾性変形させて)移動することが可能である。
この構成によれば、オペレータは、ヤーンガイド35が「待機位置」に位置している状態(ストッパ36による逆転ローラ63の保持が有効化されている状態)であっても、逆転ローラ63にある程度の力を加えることにより、逆転ローラ63を移動させることができる。例えば、オペレータは、ストッパ36によって図3のように退避位置に保持されている状態の逆転ローラ63を、接触位置側に向けて(図3の左側に向けて)引っぱることができる。これにより、ストッパ36(板バネ)に力が加わって、当該ストッパ36が弾性変形する。この結果、被接触部37がストッパ36を押し退ける(被接触部37がストッパ36を乗り越える)ことができるので、逆転ローラ63を接触位置側に引き出すことができる(図4の状態)。
逆に、オペレータは、図4の状態から、逆転ローラ63を退避位置側に向けて(図4の右側に向けて)押し込むことができる。このように、逆転ローラ63を押し込んでいくと、ある時点で、被接触部37がストッパ36に接触する。オペレータがこの状態から更に逆転ローラ63を押し込むように力を加えることで、ストッパ36を弾性変形させて、被接触部37がストッパ36を押し退ける(被接触部37がストッパ36を乗り越える)ことができる。被接触部37がストッパ36を完全に乗り越えれば、当該ストッパ36によって逆転ローラ63を退避位置に保持した状態(図3の状態)とすることができる。
以上のように、本実施形態では、ストッパ36を板バネから構成しているので、当該ストッパ36による逆転ローラ63の保持が有効化されている状態(ヤーンガイド35が「待機位置」に位置している状態)であっても、オペレータが逆転ローラ63にある程度の力を加えることにより、当該逆転ローラ63を移動させることができる。これにより、オペレータは、メンテナンス時等において、ストッパ36に保持されている逆転ローラ63を簡単に引き出すことができるので、当該逆転ローラ63のメンテナンス等を容易に行うことができる。そして、オペレータは、逆転ローラ63のメンテナンスが終わった場合には、当該逆転ローラ63を押し込むことで、当該逆転ローラ63がストッパ36によって保持されている状態に戻すことができる。
更に、本実施形態においては、被接触部37を、回転可能なローラ部材としている。これにより、当該被接触部37がストッパ36を押し退ける(被接触部37がストッパ36を乗り越える)際の抵抗が少なくなっている。従って、オペレータは、より小さい力で、逆転ローラ63を引き出すことができる。
また前述のように、本実施形態において、ヤーンガイド35はカム機構のカム33によって駆動される構成となっており、当該ヤーンガイド35は、カム33の周面に対して(直接的又は間接的に)接触するように構成されている。このヤーンガイド35には、前記カム33の周面に接触した状態を維持できるように、所定の付勢力が加えられている。従って、上記付勢力に逆らうようにヤーンガイド35に力を加えることにより、当該ヤーンガイド35をカム33から離間させて、回転軸32を中心に回転させることが可能である。即ち、ヤーンガイド35に力を加えることで、カム機構とは無関係にヤーンガイド35を移動させることができる。例えばオペレータは、ヤーンガイド35が「待機位置」に位置している状態(図3の状態)で、ヤーンガイド35を押し下げるように力を加えることで、当該ヤーンガイド35を「案内位置」まで回動させてストッパ36による逆転ローラ63の保持を解除できる(図5の状態)。
なお、ヤーンガイド35を上記のように押し下げることをやめれば、当該ヤーンガイド35は、前述の付勢力によって元の「待機位置」まで戻る。従って、図5の状態から、ヤーンガイド35を押し下げることをやめることにより、ストッパ36による逆転ローラ63の保持を有効化した状態(図3の状態)に戻すことができる。
このように、本実施形態の構成によれば、ヤーンガイド35を押し下げるという簡単な操作により、ストッパ36による逆転ローラ63の保持を一時的に解除させることも可能である。従って、オペレータは、メンテナンス時などにおいて、必要に応じてヤーンガイド35を押し下げることにより、ストッパ36による逆転ローラ63の保持を自由に解除できる。
続いて、本実施形態において、ストッパ36をヤーンガイド35に設けたことの更なる利点について説明する。
上記のように、本実施形態のストッパ36によれば、糸継台車3の非作動時においても、逆転ローラ63を退避位置に保持しておくことができる。しかしながら、糸継台車3の通常の動作時には、エアシリンダ66によって逆転ローラ63を退避位置と接触位置の間で移動させる必要があるため、ストッパ36による逆転ローラ63の保持を解除する必要がある。
本実施形態の糸継台車3では、ヤーンガイド35にストッパ36を設けているので、ストッパ36による逆転ローラ63の保持の解除/有効化の切り換えを、ヤーンガイド35の回動によって実現できる。即ち、ストッパ36による保持の解除/有効化を切り換えるための構成を別途設ける必要が無い。これにより、糸継台車3をシンプルに構成することが可能である。
次に、ストッパ36による保持の解除/有効化を切り換えについて、糸継台車3による糸継作業の流れに沿って説明する。
糸継台車3による糸継作業は、ある紡績ユニット2において、紡績装置9とパッケージ45との間の紡績糸10が何らかの理由により分断状態となったときに行われる。ある紡績ユニット2において、例えば図6のように紡績装置9とパッケージ45との間の紡績糸10が分断状態になると、当該紡績ユニット2のユニットコントローラは、クレードルアーム71を揺動駆動して、巻取ドラム72からパッケージ45を離間させるように制御を行うとともに、巻取装置13に備えられた図示しないブレーキ機構を作動させる。これにより、パッケージ45は回転を停止する。
続いて、前記ユニットコントローラは、糸継台車3に対して制御信号を送信する。制御信号を受信した糸継台車3は、糸継台車走行レール41上を前記紡績ユニット2(作業対象の紡績ユニット)まで走行して停止する。糸継台車3が複数の紡績ユニット2の間を走行する際には、当該糸継台車3の台車制御部は、糸継装置43を糸道から離間させた位置まで退避させておくように移動手段30を制御する。また、台車制御部は、エアシリンダ66を制御することにより、逆転ローラ63を、退避位置に移動させておく。同様に、台車制御部は、カム機構を制御することにより、ヤーンガイド35を、待機位置に移動させておく。このように、糸継台車3を走行させる際に、各構成を、紡績糸10の糸道から離れた位置(糸継台車3内に収容された位置)に移動させておくことにより、当該各構成が糸継台車3の走行中に周囲の部材に衝突することを防止する。
なお、糸継台車3が作業対象の紡績ユニット2で停止した直後の状態においては、前述のようにヤーンガイド35が「待機位置」に位置しているので、ストッパ36は、被接触部37に接触可能な位置となっている。即ち、ストッパ36による逆転ローラ63の保持が有効化された状態となっている。
次に、台車制御部は、カム機構を制御することにより、図7に示すようにヤーンガイド35を案内位置まで移動させる。これに伴って、ストッパ36が、被接触部37の移動軌跡に干渉しない位置まで移動する。即ち、ストッパ36による逆転ローラ63の保持が解除される。そこで、上記のようにヤーンガイド35を案内位置まで移動させる処理を、「保持解除工程」と呼ぶ。なお、ここでは糸継台車3の通常時の動作について説明しているので、エアシリンダ66には通常どおり空気が供給されており、当該エアシリンダ66によって逆転ローラ63を退避位置に保持しておくことができる。従って、ストッパ36による保持が解除されたとしても、逆転ローラ63が勝手に接触位置側(パッケージ45側)に出てきてしまうことはない。
続いて、台車制御部は、図8に示すように、サクションパイプ44を、紡績装置9からの紡績糸10を吸引補捉できる位置まで回動させるとともに、サクションマウス46を、パッケージ45からの紡績糸10を吸引できる位置まで回動させる。これと前後して、台車制御部は、エアシリンダ66を制御して逆転ローラ63を接触位置まで進出させる(ローラ進出工程、図8の状態)。なお前述のように、この時点において、ストッパ36による逆転ローラ63の保持は解除されている。従って、エアシリンダ66は、逆転ローラ63を接触位置まで進出させることができる。
続いて、台車制御部は、逆転ローラ63を巻取ドラム72とは反対方向に回転駆動する。これにより、パッケージ45は、巻取方向とは逆方向(以下、反巻取方向)に回転駆動される(パッケージ駆動工程)。この状態で、パッケージ45表面の紡績糸10をサクションマウス46によって吸引することにより、当該紡績糸10がパッケージ45から引き出され、サクションマウス46に捕捉される。
続いて、台車制御部は、紡績糸10を捕捉した状態のサクションパイプ44及びサクションマウス46を回転させることで、前記捕捉した紡績糸10を、糸継装置43の正面側に対面する位置まで案内する(糸端案内工程、図9の状態)。
このとき、サクションマウス46によって案内されるパッケージ45からの紡績糸10は、トラバースガイド76の近傍を通過する(図9参照)。仮に、当該紡績糸10がトラバースガイド76に接触してしまうと、当該紡績糸10がトラバースガイド76によって振り回されてしまい、サクションマウス46による紡績糸10の案内が失敗する可能性がある。前述のように、ヤーンガイド35が「案内位置」に位置している(図9の状態)ので、仮にパッケージ45からの紡績糸10がトラバースガイド76に接触しそうになったとしても、ヤーンガイド35がそれを阻止する。このように、逆転ローラ63によってパッケージ45を回転駆動する際には、当該パッケージ45からの紡績糸10がトラバースガイド76に接触することを回避するために、当該紡績糸10をヤーンガイド35によって案内させる。
そして、サクションパイプ44及びサクションマウス46による紡績糸10の案内が終了すると、台車制御部は、逆転ローラ63の回転を停止させる。
次に、台車制御部は、移動手段30を駆動することにより、糸継装置43を糸道に近づける方向に移動させる。これにより、サクションパイプ44が捕捉している紡績装置9からの紡績糸10と、サクションマウス46が捕捉しているパッケージ45からの紡績糸10が、糸継装置43に導入される(図10の状態)。この状態で、台車制御部は、糸継装置43を作動させて、紡績装置9からの紡績糸10と、パッケージ45からの紡績糸10と、を接続する(作業工程)。
糸継装置43による糸継作業が終了すると、台車制御部は、移動手段30を駆動することにより、糸継装置43を糸道から離間する方向に移動させるとともに、エアシリンダ66を制御して、逆転ローラ63を退避位置まで移動させる(ローラ退避工程、図11の状態)。なお、この時点において、ストッパ36による逆転ローラ63の保持は解除されたままの状態である。従って、逆転ローラ63を退避位置まで移動させる際に、被接触部37がストッパ36に接触することはない。これにより、エアシリンダ66は、逆転ローラ63を退避位置まで退避させることができる。
これと前後して、紡績ユニット2のユニットコントローラは、クレードルアーム71を揺動させ、パッケージ45の外周面を、回転する巻取ドラム72に再び接触させる(図11の状態)。これにより、停止していたパッケージ45が巻取方向への回転を再開し、紡績糸10の巻き取りが再開される。なお、この状態では、ヤーンガイド35が「案内位置」に位置しているので、紡績糸10はトラバースガイド76に接触しない。
最後に、糸継台車3の台車制御部は、カム機構を駆動することにより、ヤーンガイド35を「待機位置」に移動させる。これにより、パッケージ45に巻き取られる紡績糸10が、トラバースガイド76に係合する。これにより、糸切れが発生する前の状態(図2の状態)に戻るので、通常の巻き取りを再開することができる。また、ヤーンガイド35を「待機位置」に移動させるのに伴って、ストッパ36が、被接触部37に接触可能な位置まで移動する。即ち、ストッパ36による逆転ローラ63の保持が有効化された状態となる(図2の状態)。そこで、上記のようにヤーンガイド35を待機位置まで移動させる処理を、「保持有効化工程」と呼ぶ。
以上のように、糸継台車3は、逆転ローラ63によってパッケージ45を反巻取方向に回転させる際には、紡績糸10がトラバースガイド76に接触することを回避するために、ヤーンガイド35を「案内位置」に位置させるように構成されている。そして、糸継装置43による糸継作業が終了した後は、逆転ローラ63を退避位置に退避させるとともに、ヤーンガイド35を「待機位置」に位置させる。このように、糸継台車3は、ヤーンガイド35と、逆転ローラ63の移動と、を連携させて動作させる構成となっている。
そして、本実施形態では、ヤーンガイド35にストッパ36を設けたので、逆転ローラ63の移動と連携して、ストッパ36を移動させることができる。即ち、逆転ローラ63をエアシリンダ66によって移動させる必要があるときには、ヤーンガイド35を「案内位置」に移動させるので、これに連動して、ストッパ36による逆転ローラ63の保持を解除させることができる。これにより、エアシリンダ66によって逆転ローラ63を移動させることができる状態となる。また、エアシリンダ66によって逆転ローラ63を退避位置に退避させた状態においては、ヤーンガイド35を「待機位置」に移動させるので、これに連動して、ストッパ36による保持を有効化できる。従って、この状態でエアシリンダ66への空気の供給が停止したとしても、ストッパ36によって逆転ローラ63を退避位置に保持できる。このように、本実施形態では、ストッパ36を、逆転ローラ63の移動と連携して動作するように構成されたヤーンガイド35に設けたので、当該ストッパ36と逆転ローラ63を連携させた合理的な動作を容易に実現することができる。
以上で説明したように、本実施形態の糸継台車3は、逆転ローラ63と、エアシリンダ66と、ストッパ36と、を備えている。逆転ローラ63は、パッケージ45と接触して回転することにより、当該パッケージ45を回転駆動する。エアシリンダ66は、逆転ローラ63を、パッケージ45に接触可能な接触位置と、パッケージ45から退避した退避位置と、の間で移動させる。ストッパ36は、エアシリンダ66とは独立して設けられ、逆転ローラ63を、パッケージ45から離間した保持位置で保持する。
このように、逆転ローラ63を保持位置に保持するストッパ36を、エアシリンダ66とは別に設けたことにより、エアシリンダ66への空気の供給が停止した場合においても、逆転ローラ63を保持位置に保持しておくことができる。
また、上記の糸継台車3は、逆転ローラ63と機械的に連動して移動するように設けられた被接触部37を備えている。ストッパ36は、被接触部37に接触する。ストッパ36は、被接触部37に対して弾性的に接触する。
このように、ストッパ36を弾性的に接触する構成としたことで、ある程度の力を加えることによりストッパ36による保持を外すことができる。
また、上記の糸継台車3においては、当該糸継台車3の非作動時に、ストッパ36によって逆転ローラ63を保持位置に保持可能である。
これにより、メンテナンス時などに、エアシリンダ66への空気の供給が停止した場合においても、逆転ローラ63を保持位置に保持しておくことができる。
また、上記の糸継台車3において、ストッパ36は、エアシリンダ66が逆転ローラ63を移動させるときに、当該逆転ローラ63の保持を解除している。
これにより、エアシリンダ66は、逆転ローラ63を移動させることができる。
また、上記の糸継台車3は、逆転ローラ63によってパッケージ45を回転駆動する際に、当該パッケージ45からの紡績糸10がトラバースガイド76に接触することを回避するように当該紡績糸10を案内するヤーンガイド35を備えている。ストッパ36は、ヤーンガイド35と連動するように構成されている。
このように、ヤーンガイド35とストッパ36を連動させることにより、ストッパ36を単独で駆動する場合に比べて部品点数を削減することができる。
また、上記の糸継台車3は、ヤーンガイド35を、パッケージ45に巻き取られる紡績糸10から離間した待機位置と、当該パッケージ45からの紡績糸10がトラバースガイド76に接触することを回避するように紡績糸10を案内する案内位置とに移動させるカム機構を備えている。カム機構がヤーンガイド35を待機位置から案内位置へ移動させるとき、ストッパ36による逆転ローラ63の保持が解除される。
即ち、ヤーンガイド35を案内位置まで移動させて、パッケージ45からの紡績糸10がトラバースガイド76によってトラバースされないようにすることで、当該パッケージ45を逆転ローラ63によって回転させることができる状態になる。そこで上記のように、ストッパ36とヤーンガイド35を連動させることにより、逆転ローラ63を移動させる必要があるときに、ストッパ36による保持を解除させることができる。
また本実施形態の糸継台車3は、逆転ローラ63を移動させるためのリンク機構と、当該リンク機構に設けられ、前記逆転ローラ63の移動に伴って移動軌跡38を描いて移動する被接触部37を備えている。ストッパ36は、ヤーンガイド35に設けられ、当該ヤーンガイド35と連動して移動する。ヤーンガイド35が待機位置に位置しているときのストッパ36は、被接触部37の移動軌跡38に干渉する位置に配置されている。ヤーンガイド35が案内位置に位置しているときのストッパ36は、被接触部37の移動軌跡38に干渉しない位置に配置されている。そして、ストッパ36が被接触部37に接触することにより、逆転ローラ63が保持位置に保持される。
このようにストッパ36をヤーンガイド35に設けることで、当該ストッパ36をヤーンガイド35と連動させて合理的に移動させることができる。
また本実施形態の糸継台車3の台車制御部は、保持解除工程と、ローラ進出工程と、パッケージ駆動工程と、ローラ退避工程と、保持有効化工程と、をこの順で実行している。保持解除工程では、ヤーンガイド35を待機位置から前記案内位置に移動させる。ローラ進出工程では、逆転ローラ63を接触位置まで移動させる。パッケージ駆動工程では、逆転ローラ63によってパッケージ45を回転駆動する。ローラ退避工程では、逆転ローラ63を接触位置から退避位置まで移動させる。保持有効化工程では、ヤーンガイド35を案内位置から待機位置に移動させる。
即ち、逆転ローラ63によってパッケージ45を回転駆動する必要があるときに、ヤーンガイド35を案内位置まで移動させて、パッケージ45からの紡績糸10がトラバースガイド76に接触しないようにする。これに伴って、ストッパ36による逆転ローラ63の保持が解除されるので、当該逆転ローラ63を接触位置まで移動させてパッケージ45を回転駆動できる状態となる。このように、ヤーンガイド35、ストッパ36、及び逆転ローラ63を合理的に連動させることができる。
また、本実施形態の精紡機1は、上記の糸継台車3と、紡績糸10を巻き取ってパッケージ45を形成する複数の紡績ユニット2と、を備えている。この精紡機1において、糸継台車3は、複数の紡績ユニット2の全部を担当範囲としており、当該担当範囲のうちの何れかの紡績ユニット2を作業対象として、当該作業対象の紡績ユニットに対して糸継作業を行う。逆転ローラ63は、前記作業対象の紡績ユニット2のパッケージ45を反巻取方向へ回転駆動する。
このように、糸継台車3の逆転ローラ63によってパッケージ45を反巻取方向に回転駆動する構成とすることで、パッケージ45を反巻取方向に駆動するための構成を各紡績ユニット2に設ける必要が無い。これにより、精紡機1全体の構成を簡素化できる。
また、本実施形態の精紡機1において、糸継台車3は、作業対象の紡績ユニット2に対して糸継作業を行う糸継装置43を備えている。糸継装置43が前記糸継作業を行う際に、エアシリンダ66が逆転ローラ63を接触位置に移動させる。
即ち、糸継作業を行う際には、パッケージ45の紡績糸10を引き出すために、当該パッケージ45を反巻取方向に回転させる必要がある。上記の構成によれば、糸継台車3の逆転ローラ63によって、必要なときにパッケージ45を反巻取方向に回転させることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
本願発明は、精紡機に限らず、作業台車(糸継台車)を備えた他の種類の繊維機械にも適用できる。
上記実施形態では、保持部(ストッパ)36を板バネとした。これにより、ストッパ36を、被接触部37に対して弾性的に接触させることができる。ただしこれに限らず、例えばストッパ36をトーションバネなどによって被接触部37に向けて付勢する構成であっても良い。また、上記のようにストッパ36を被接触部37に対して弾性的に接触させる構成に代え、或いはこれに加えて、被接触部37をストッパ36に対して弾性的に接触させる構成であっても良い。例えば、被接触部37を、圧縮コイルバネによってストッパ36に向けて付勢する構成とすることができる。
もっとも、保持部(ストッパ)36と被接触部37を弾性的に接触させる構成は、省略することもできる。
上記実施形態では、糸案内部材(ヤーンガイド)35にストッパ36を設ける構成としたが、これに限らず、糸案内部材35とは別途独立してストッパ36を設けても良い。この場合、糸案内部材を省略しても良い。
その他、ストッパ36の形状及び/又は配置位置などは、上記の説明及び図面に示したものに限定されず、適宜変形できる。
上記実施形態では、逆転ローラ63とは別に被接触部37を設けたが、逆転ローラ63が被接触部37を兼ねていても良い。即ち、逆転ローラ63がストッパ36に直接接触する構成であっても良い。
上記本実施形態では、ストッパ36が逆転ローラ63を保持する位置(保持位置)は、退避位置と一致しているものとした。しかし必ずしもこれに限らず、保持位置と退避位置は一致していなくても良い。ストッパ36が逆転ローラ63を保持する保持位置としては、当該逆転ローラ63がパッケージ45から退避した位置(接触位置よりも糸継台車3側の位置)であれば良い。
上記実施形態の精紡機1では、糸継台車3を1台のみ備える構成としたが、繊維機械は複数の作業台車を備えることもできる。この場合、複数の作業台車で、作業を行う糸巻取ユニットを分担して担当することができる。即ち、各作業台車は、繊維機械が備える複数の糸巻取ユニットのうちの一部のみを担当範囲としても良い。
1 精紡機(繊維機械)
3 糸継台車(作業台車)
35 ヤーンガイド(糸案内部材)
36 ストッパ(保持部)
37 被接触部
45 パッケージ
63 逆転ローラ(駆動ローラ)
66 エアシリンダ(第1駆動部)

Claims (11)

  1. パッケージと接触して回転することにより、当該パッケージを回転駆動する駆動ローラと、
    前記駆動ローラを、前記パッケージに接触可能な接触位置と、前記パッケージから退避した退避位置と、の間で移動させる第1駆動部と、
    前記第1駆動部とは独立して設けられ、前記駆動ローラを、前記パッケージから退避した保持位置で保持する保持部と、
    を備えることを特徴とする作業台車。
  2. 請求項1に記載の作業台車であって、
    前記第1駆動部は、エアシリンダであることを特徴とする作業台車。
  3. 請求項1又は2に記載の作業台車であって、
    前記駆動ローラと機械的に連動して移動するように設けられた被接触部を備え、
    前記保持部は、前記被接触部に接触するストッパであり、
    前記被接触部及び前記ストッパの少なくとも何れか一方は、他方に対して弾性的に接触することを特徴とする作業台車。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の作業台車であって、
    当該作業台車の非作動時に、前記保持部によって前記駆動ローラを前記保持位置に保持可能であることを特徴とする作業台車。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の作業台車であって、
    前記保持部は、前記第1駆動部が前記駆動ローラを前記接触位置に移動させるときに、当該駆動ローラの保持を解除することを特徴とする作業台車。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載の作業台車であって、
    前記駆動ローラによって前記パッケージを回転駆動する際に、当該パッケージからの糸がトラバースガイドに接触することを回避するように当該糸を案内する糸案内部材を更に備え、
    前記保持部は、前記糸案内部材と連動するように構成されていることを特徴とする作業台車。
  7. 請求項6に記載の作業台車であって、
    前記糸案内部材を、前記パッケージに巻き取られる糸から離間した待機位置と、当該パッケージからの糸がトラバースガイドに接触することを回避するように当該糸を案内する案内位置と、に移動させる第2駆動部を更に備え、
    前記第2駆動部が前記糸案内部材を前記待機位置から前記案内位置へ移動させるとき、前記保持部による前記駆動ローラの保持が解除されることを特徴とする作業台車。
  8. 請求項7に記載の作業台車であって、
    前記駆動ローラを移動させるためのリンク機構と、
    前記リンク機構に設けられ、前記駆動ローラの移動に伴って移動軌跡を描いて移動する被接触部を備え、
    前記保持部は、前記糸案内部材に設けられ、当該糸案内部材と連動して移動するストッパであり、
    前記糸案内部材が前記待機位置に位置しているときの前記ストッパは、前記被接触部の前記移動軌跡に干渉する位置に配置され、
    前記糸案内部材が前記案内位置に位置しているときの前記ストッパは、前記被接触部の前記移動軌跡に干渉しない位置に配置されており、
    前記ストッパが前記被接触部に接触することにより、前記駆動ローラが前記保持位置に保持されることを特徴とする作業台車。
  9. 請求項7又は8に記載の作業台車であって、
    前記糸案内部材と前記駆動ローラの動作を制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記糸案内部材を前記待機位置から前記案内位置に移動させる保持解除工程と、
    前記駆動ローラを前記接触位置まで移動させるローラ進出工程と、
    前記駆動ローラによって前記パッケージを回転駆動するパッケージ駆動工程と、
    前記駆動ローラを前記接触位置から前記退避位置まで移動させるローラ退避工程と、
    前記糸案内部材を前記案内位置から前記待機位置に移動させる保持有効化工程と、
    をこの順で実行するように制御することを特徴とする作業台車。
  10. 請求項1から9までの何れか一項に記載の作業台車と、
    糸を巻き取ってパッケージをそれぞれが形成する複数の糸巻取ユニットと、
    を備え、
    前記作業台車は、前記複数の糸巻取ユニットの全部又は一部を担当範囲としており、前記担当範囲のうちの何れかの糸巻取ユニットを作業対象として、当該作業対象の糸巻取ユニットに対して作業を行い、
    前記駆動ローラは、前記作業対象の糸巻取ユニットの前記パッケージを反巻取方向へ回転駆動することを特徴とする繊維機械。
  11. 請求項10に記載の繊維機械であって、
    前記作業台車は、前記作業対象の糸巻取ユニットに対して糸継作業を行う糸継装置を備えており、
    前記糸継装置が前記糸継作業を行う際に、前記第1駆動部が前記駆動ローラを前記接触位置に移動させることを特徴とする繊維機械。
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