JP2015062994A - ロボット装置およびロボット装置の制御方法 - Google Patents

ロボット装置およびロボット装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実作動時において基準となるセンサー検出データと比較し、その検出データの差分から確実な故障判断を行うロボット装置および制御方法を提供する。【解決手段】アクチュエーターを含む連結装置によりアームが回転もしくは直線移動可能に連結されたロボット装置であって、アームに取り付けられた慣性センサーと、アクチュエーターに備える角度センサーからの回転角度データから、アクチュエーターの角速度および角加速度を演算する第1演算部と、慣性センサーにより検出された出力より、アームの角速度または角加速度を演算する第2演算部と、第1演算部により演算された角速度または角加速度と、第2演算部により演算された角速度または角加速度とを比較する比較部と、比較部においてアクチュエーターとアームの角速度または角加速度との差の絶対値が、閾値より大きい場合に慣性センサーが故障と判定する。【選択図】図2

Description

本発明は、ロボット装置、およびロボット装置の制御方法に関する。
ICハンドラーや組立装置の一部として多く使われている多関節構造を有するロボット装置は、様々な作業現場の中で多用されてきている。それゆえに、ロボット装置には今まで以上に決められた位置にいかに早く且つ正確にアームを移動させることができるか、が重要な性能仕様、品質になってきている。
一般的にロボット装置のアームを高速且つ正確に移動させるには、アームに掛かる慣性力を低減し、アームを駆動するアクチュエーターへの負荷を大きくさせないことにある。アームに掛かる慣性力を小さくする手段の一つには、アームその物の軽量化が簡便且つ効果的な方法として用いられている。しかし、アームの軽量化によって、アームの剛性を低下させることになり、アーム停止時に発生するアームの撓みを原因とする振動の発生を増大させてしまい、アーム先端部を目標位置に停止させるように制御しても、アーム振動の振幅分の位置ずれを生じてしまい、振動が減衰する時間が、次の動作を開始するまでの待機時間になってしまい、高速動作への障害となっていた。
この問題に対して、アーム先端に加速度センサーを設置し、加速度信号を元にアームを作動させ、振動を抑制する方法(例えば、特許文献1)、アーム先端およびアームに角速度センサーを設置し、角速度信号を元にアーム動作を制御する方法(例えば、特許文献2)、アーム先端に設置した慣性センサーの信号に基づいて駆動体を駆動する方法(例えば、特許文献3)、などが開示されている。
しかし、これらの先行文献において、アーム制御の基準となる加速度センサーや角速度センサーなどの慣性センサーそのものが故障した場合には、得られるデータ信号が不良であっても、その不良信号に基づく制御が行われ、ロボット装置の暴走などによる危険の発生に繋がるものである。この、センサーその物の故障を検知する技術として、センサーの検出値に対する閾値を予め設定し、閾値と検出値との差が判定値を超えたときにセンサーが故障していると判断することが開示されている(特許文献4、5)。
特開平1−173116号公報 特開2005−242794号公報 特開平7−9374号公報 特開2009−8412号公報 特開2009−184035号公報
しかし、上述の特許文献に開示された技術は、予め使用するセンサーの正常作動時の検出値を基準として閾値を設定しているために、実際のロボット装置の様々な動作状態において、センサーが故障していても閾値を超えず正確な故障判定がされないこともあった。
そこで、実作動時において基準となるセンサー検出データと比較し、その検出データの差分から確実な故障判断を行うロボット装置およびロボット装置の制御方法を提供する。
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例によるロボット装置は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含むアーム連結装置と、複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、前記アームに取り付けられた慣性センサーと、前記角度センサーからの前記アクチュエーターの回転角度データから前記アクチュエーターの角速度および角加速度を演算する第1演算部と、前記慣性センサーにより検出された出力より、前記アームの角速度または角加速度を演算する第2演算部と、前記第1演算部により演算された前記アクチュエーターの角速度または角加速度と、前記第2演算部により演算された前記アームの角速度または角加速度とを比較する比較部と、前記比較部において前記アクチュエーターの角速度または角加速度と前記アームの角速度または角加速度との差の絶対値が、閾値Ωより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定し前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する故障判定部と、を備えることを特徴とする。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記閾値Ωは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記第1演算部により演算される角速度がωS、前記第2演算部により演算される角速度がωLの場合、ωSとωLの差の絶対値の最大値に対して、
Ω=2×(|ωS−ωL|)max
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、閾値を決める基準値を、一定値とせずに動作状態におけるアクチュエーターの動作データを基準値として慣性センサーの故障を検知するように構成した。この構成により、一定値を用いた閾値では、例えば、動作速度もしくは加速度が小さい場合などの故障を検知しない場合も発生したが、動作中の逐次情報に基づき、基準となるアクチュエーターの基準となる動作データも逐次書き換えられることで、例えば、微小動作であっても、様々な動作モードにおいても確実に慣性センサーの故障を検知することができる。
〔適用例3〕本適用例におけるロボット装置は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含むアーム連結装置と、複数のアームが前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、前記アームに取り付けられた少なくとも2個の慣性センサーと、前記慣性センサーの検出した複数の出力値を記憶し、平均値を演算する演算部と、前記演算部により演算された前記出力値の平均値を比較する比較部と、前記比較部において、2個の前記出力値の平均値の差の絶対値の中に、閾値Sより大きい前記差が在る場合に、前記慣性センサーのいずれか1個以上が故障と判定し、前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する故障判定部と、を備えることを特徴とする。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記閾値Sは、前記慣性センサーの白色雑音の標準偏差σであるとき、
S=6σ
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、閾値を決める基準値を、一定値とせずに動作状態における2個以上備えた慣性センサーの検出値の差を求め、正常であればホワイトノイズの標準偏差を基準値として慣性センサーの故障を検知するように構成した。この構成により、一定値を用いた閾値では、例えば、動作速度もしくは加速度が小さい場合などの故障を検知しない場合も発生したが、動作中の逐次情報に基づき、基準値と比較する慣性センサーの動作データも逐次書き換えられることで、例えば、微小動作であっても、様々な動作モードにおいても確実に慣性センサーの故障を検知することができる。
〔適用例5〕本適用例におけるロボット装置は、基体アクチュエーターと、前記基体アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記基体アクチュエーターの回転角度を検出する基体角度センサーと、アーム連結装置を備え、前記トルク伝達機構に連結され、前記アーム連結装置を直線往復駆動させるアーム駆動装置と、を含む基体と、前記基体の前記アーム連結装置に連結され、アームアクチュエーターと、前記アームアクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アームアクチュエーターの回転角度を検出するアーム角度センサーと、ワーク保持装置を備え、前記アーム連結装置に連結され、前記ワーク保持装置を直線往復駆動させるワーク保持装置駆動装置と、を含むアームと、前記ワーク保持装置に取り付けられた少なくとも加速度センサーを含む2以上の慣性センサーと、前記基体角度センサーからの前記基体アクチュエーターの回転角度データから前記アーム駆動装置の加速度と、前記アーム角度センサーからの前記アームアクチュエーターの回転角度データから前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、を演算する第1演算部と、前記慣性センサーにより検出された出力から、前記ワーク保持装置の加速度を演算する第2演算部と、前記第1演算部により演算された前記加速度と、前記第2演算部により演算された前記加速度とを比較する比較部と、前記第1演算部により演算された前記加速度と、前記第2演算部により演算された前記加速度との差の絶対値が、閾値Aより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定し前記基体アクチュエーターおよび前記アームアクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する故障判定部と、を備えることを特徴とする。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記閾値Aは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記第1演算部により演算される加速度がαS、前記第2演算部により演算される加速度がαLの場合、αSとαLの差の絶対値の最大値に対して、
A=2×(|αS−αL)|max
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、閾値を決める基準値を、一定値とせずに動作状態におけるアクチュエーターの動作データを基準値として慣性センサーの故障を検知するように構成した。この構成により、一定値を用いた閾値では、例えば、動作速度もしくは加速度が小さい場合などの故障を検知しない場合も発生したが、動作中の逐次情報に基づき、基準となるアクチュエーターの基準となる動作データも逐次書き換えられることで、例えば、微小動作であっても、様々な動作モードにおいても確実に慣性センサーの故障を検知することができる。
〔適用例7〕本適用例のロボット装置の制御方法は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含むアーム連結装置と、複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、を備えるロボット装置の制御方法であって、前記アームに取り付けられた慣性センサーと、前記角度センサーからの前記アクチュエーターの回転角度データから前記アクチュエーターの角速度および角加速度と、前記慣性センサーにより検出された出力より、前記アームの角速度または角加速度と、を演算する演算工程と、前記演算工程による演算された前記アクチュエーターの角速度または角加速度と、前記アームの角速度または角加速度とを比較する比較工程と、前記比較工程において前記アクチュエーターの角速度または角加速度と前記アームの角速度または角加速度との差の絶対値が、閾値Ωより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定する判定工程と、前記判定工程において故障と判断した場合に、前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する停止指示工程と、を備えることを特徴とする。
〔適用例8〕上述の適用例において、前記閾値Ωは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記演算工程において演算される前記アクチュエーターの角速度がωS、前記アームの角速度がωLの場合、ωSとωLの差の絶対値の最大値に対して、
Ω=2×(|ωS−ωL|)max
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、閾値を決める基準値を、一定値とせずに動作状態におけるアクチュエーターの動作データを基準値として慣性センサーの故障を検知するように構成した。この構成により、一定値を用いた閾値では、例えば、動作速度もしくは加速度が小さい場合などの故障を検知しない場合も発生したが、動作中の逐次情報に基づき、基準となるアクチュエーターの基準となる動作データも逐次書き換えられることで、例えば、微小動作であっても、様々な動作モードにおいても確実に慣性センサーの故障を検知することができ、確実にロボット装置の動作を停止させることができ、安全な作業を保障することができる。
〔適用例9〕本適用例のロボット装置の制御方法は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含むアーム連結装置と、複数のアームが前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、を備えるロボット装置の制御方法であって、前記アームに取り付けられた少なくとも2個の慣性センサーと、前記慣性センサーの検出した複数の出力値を記憶し、平均値を演算する演算工程と、前記演算工程により演算された前記出力値の平均値を比較する比較工程と、前記比較工程において、2個の前記出力値の平均値の差の絶対値の中に、閾値Sより大きい前記差が在る場合に、前記慣性センサーのいずれか1個以上が故障と判定する判定工程と、前記判定工程において故障と判定された場合に、前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する停止指示工程と、を備えることを特徴とする。
〔適用例10〕上述の適用例において、前記閾値Sは、前記慣性センサーの白色雑音の標準偏差σであるとき、
S=6σ
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、閾値を決める基準値を、一定値とせずに動作状態における2個以上備えた慣性センサーの検出値の差を求め、正常であればホワイトノイズの標準偏差を基準値として慣性センサーの故障を検知するように構成した。この構成により、一定値を用いた閾値では、例えば、動作速度もしくは加速度が小さい場合などの故障を検知しない場合も発生したが、動作中の逐次情報に基づき、基準値と比較する慣性センサーの動作データも逐次書き換えられることで、例えば、微小動作であっても、様々な動作モードにおいても確実に慣性センサーの故障を検知することができ、確実にロボット装置の動作を停止させることができ、安全な作業を保障することができる。
〔適用例11〕本適用例のロボット装置の制御方法は、基体アクチュエーターと、前記基体アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記基体アクチュエーターの回転角度を検出する基体角度センサーと、アーム連結装置を備え、前記トルク伝達機構に連結され、前記アーム連結装置を直線往復駆動させるアーム駆動装置と、を含む基体と、前記基体の前記アーム連結装置に連結され、アームアクチュエーターと、前記アームアクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アームアクチュエーターの回転角度を検出するアーム角度センサーと、ワーク保持装置を備え、前記アーム連結装置に連結され、前記ワーク保持装置を直線往復駆動させるワーク保持装置駆動装置と、を含むアームと、を備えるロボット装置の制御方法であって、前記基体角度センサーからの前記基体アクチュエーターの回転角度データから前記アーム駆動装置の加速度と、前記アーム角度センサーからの前記アームアクチュエーターの回転角度データから前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、前記ワーク保持装置に取り付けられた少なくとも加速度センサーを含む1以上の慣性センサーにより検出された出力から、前記ワーク保持装置の速度および加速度と、を演算する演算工程と、前記演算工程により演算された前記アーム駆動装置、前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、前記ワーク保持装置の加速度と、を比較する比較工程と、前記比較工程において、前記角度センサーの出力値より演算された前記アーム駆動装置、前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、前記慣性センサーの出力値より演算された前記ワーク保持装置の加速度との差の絶対値が、閾値Aより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定する判定工程と、前記判定工程において故障と判定された場合に、前記基体アクチュエーターおよび前記アームアクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する停止指示工程と、を備えることを特徴とする。
〔適用例12〕上述の適用例において、前記閾値Aは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記演算工程により演算される前記アーム駆動装置もしくは前記ワーク保持装置駆動装置の加速度がαS、前記ワーク保持装置の加速度がαLの場合、αSとαLの差の絶対値の最大値に対して、
A=2×(|αS−αL)|max
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、閾値を決める基準値を、一定値とせずに動作状態におけるアクチュエーターの動作データを基準値として慣性センサーの故障を検知するように構成した。この構成により、一定値を用いた閾値では、例えば、動作速度もしくは加速度が小さい場合などの故障を検知しない場合も発生したが、動作中の逐次情報に基づき、基準となるアクチュエーターの基準となる動作データも逐次書き換えられることで、例えば、微小動作であっても、様々な動作モードにおいても確実に慣性センサーの故障を検知することができ、確実にロボット装置の動作を停止させることができ、安全な作業を保障することができる。
第1実施形態に係るロボット装置の、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図。 第1実施形態に係るロボット装置の故障検出のブロック図。 第1実施形態に係るロボット装置の故障検出のフローチャート。 第2実施形態に係るロボット装置の、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図。 第2実施形態に係るロボット装置の故障検出のブロック図。 センサーのホワイトノイズの一例を示すグラフ。 第2実施形態に係るロボット装置の故障検出のフローチャート。 第3実施形態に係るロボット装置の概略平面図。 第3実施形態に係るロボット装置の概略斜視図。 第3実施形態に係るロボット装置の故障検出のブロック図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係るロボット装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。本実施形態のロボット装置は、水平方向に回転可能に3本のアームが連結された、いわゆる3軸水平多関節ロボット100(以下、ロボット装置100という)である。
ロボット装置100は、第1アーム11と第2アーム12とが第1アーム連結装置21、第2アーム12と第3アーム13とが第2アーム連結装置22によって回転可能に直列的に連結されて構成されるアーム体10を備えている。アーム体10は、更に基体連結装置30により、基盤に固定された基体40と回転可能に連結され、ロボット装置100を構成している。
第1アーム連結装置21は、アクチュエーター51と、アクチュエーター51のトルクを所定の減速比で伝達するトルク伝達装置61と、を含み、第2アーム連結装置22も同様にアクチュエーター52とトルク伝達装置62と、を含む。また、基体連結装置30は、アクチュエーター53と、アクチュエーター53のトルクを所定の減速比で伝達するトルク伝達装置63と、を含む。アーム体10の基体40とは反対の端部となる第3アーム13の端部には加工用ツールもしくは被加工物を保持するワーク保持装置70が備えられている。
第1アーム連結装置21に含まれるアクチュエーター51には回転角度を検出する角度センサー81が備えられ、同様に第2アーム連結装置にはアクチュエーター52に角度センサー82が備えられている。また、基体連結装置30にも、アクチュエーター53に角度センサー83が備えられている。更に、第1アーム11には慣性センサー91、第2アーム12には慣性センサー92、第3アーム13には慣性センサー93が備えられている。慣性センサー91、92、93は、少なくとも角速度センサーを含み、慣性センサー91は第1アーム11の、慣性センサー92は第2アーム12の、慣性センサー93は第3アーム13の各慣性センサー取り付け位置での角速度を検出可能としている。
図2は、本実施形態に係るブロック図である。角度センサー81、82、83によって検出されたアクチュエーター51、52、53の回転角度データは第1演算部1100において、回転角度換算され、この回転角度を時間で1回微分し、角速度を演算する。
第2演算部1200では、第1アーム11、第2アーム12、第3アーム13に備えられた慣性センサー91、92、93が検出したデータから第1アーム11の角速度ωa1、第2アームの角速度ωa2、第3アームの角速度ωa3を演算する。
比較部2000は、第1演算部1100および第2演算部1200において演算された角速度を比較する。角速度の比較手法は、各アクチュエーターの角速度と、当該アクチュエーターに連結されるアームに備える慣性センサーの角速度成分から当該アクチュエーターを備える連結装置の角速度成分を除いた実質角速度と、の差を求める演算を行う。
例として、第2アーム12によって説明する。第2アーム12が第1アーム11に連結される第1アーム連結装置21の角度センサー81の検出データから求められた角度をθ1、トルク伝達装置61の減速比をN1、とし、第1アーム11に備える慣性センサー91の検出値から求められる角速度がωa1、第2アーム12に備える慣性センサー92の検出値から求められる角速度がωa2であることから、比較部では比較結果として、絶対値の、
|(ωa2−ωa1)−dθ1/dt×1/N1)| (式1−1)
を求める。ここでtは時間。微分値dθ1/dtは第1演算部1100において演算され、演算された第1アーム連結装置21のアクチュエーター51の角速度をω1とすると、式1は、
|(ωa2−ωa1)−ω1×1/N1)| (式1−2)
と書き換えることができる。
比較部2000で求められた比較結果、例えば第2アーム12では(式1−1)の値から、対象となる慣性センサーが正常か故障かを判定部3000において判定する。判定部3000では、予め故障判定のための閾値(判断値)を図示しない記憶装置に格納し、閾値に対して比較結果の大小にて正常、故障の判断を行う。
上述に例示した第2アーム12以外のアームについても同様に、第1アーム11、第3アーム13についても(式1−1)に相当する比較結果となる絶対値は以下の通りである。
第1アーム11の場合、
|ωa1−ω3×1/N3| (式1−3)
ωa1は第1アーム11に備える慣性センサー91の検出値から求められる角速度、ω3は基体連結装置30のアクチュエーター53に備える角度センサー83の検出値から演算された角速度、N3は基体連結装置30のトルク伝達装置63の減速比である。
第3アーム13の場合、
|(ωa3−ωa2)−ω2×1/N2)| (式1−4)
ωa3は第3アーム13に備える慣性センサー93の検出値から求められる角速度、ωa2は第2アーム12に備える慣性センサー92の検出値から求められる角速度、ω2は第2アーム連結装置22のアクチュエーター52に備える角度センサー82の検出値から演算された角速度、N2は第2アーム連結装置22のトルク伝達装置62の減速比である。
ここで閾値について説明する。閾値は、基準となる第1アーム連結装置21、第2アーム連結装置22、基体連結装置30に備えるアクチュエーター51、52、53の角度センサー81、82、83が検出する角度データから算出される角速度を基準に設定される。
慣性センサー91の故障判断の閾値をΩ1、慣性センサー92の故障判断の閾値をΩ2、慣性センサー93の故障判断の閾値をΩ3とする。例えば、第1アーム11に備える慣性センサー91の故障判断の閾値Ω1を決定する場合を説明する。
ロボット装置100に対して最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の第1アーム11の許容加速度の120%によって第1アーム11を動作させる。動作開始からT時間後の、慣性センサー91の出力値から求められる角速度ωa1Aと、基体連結装置30のアクチュエーター53に備える角度センサー83の検出値から求められる角速度ωm1Aと、の差の絶対値の最大値に対して、閾値Ω1を、
Ω1=2×|ωa1A―ωm1Amax (式1−5)
とする。
同様に、ロボット装置100に対して最大負荷の120%の負荷を持たせ、第2アーム12の最大負荷時の許容加速度の120%によって第2アーム12を動作させる。動作開始からT時間後の、慣性センサー92の出力値から求められる角速度ωa2Aと、慣性センサー91の出力値から求められる角速度ωa1Aとの差による第2アーム12の角速度と、第1アーム連結装置21のアクチュエーター51に備える角度センサー81の検出値から求められる角速度ωm2Aと、の差の絶対値の最大値に対して、閾値Ω2を、
Ω2=2×|ωa2A―ωa1A−ωm2Amax (式1−6)
また、ロボット装置100に対して最大負荷の120%の負荷を持たせ、第3アーム13の最大負荷時の許容加速度の120%によって第3アーム13を動作させる。動作開始からT時間後の、慣性センサー93の出力値から求められる角速度ωa3Aと、慣性センサー92の出力値から求められる角速度ωa2Aとの差による第3アーム13の角速度と、第2アーム連結装置22のアクチュエーター52に備える角度センサー82の検出値から求められる角速度ωm3Aと、の差の絶対値の最大値に対して、閾値Ω3を、
Ω3=2×|ωa3A−ωa2A−ωm3Amax (式1−7)
とする閾値を得ることができる。
このように求めた閾値Ω1、Ω2、Ω3より、上述の(式1−1)(式1−2)(式1−3)と比較し、下記の条件の時、慣性センサーを故障と判断する。
慣性センサー91故障判断
|ωa1−ω3×1/N3)|>Ω1 (式1−8)
慣性センサー91、92故障判断
|(ωa2−ωa1)−ω1×1/N1)|>Ω2 (式1−9)
慣性センサー92、93故障判断
|(ωa3−ωa2)−ω2×1/N2)|>Ω3 (式1−10)
次に、第1実施形態に係る制御方法について説明する。図3は、第1実施形態に係る制御方法を説明するフローチャートである。
先ず、演算工程(S111、S112)において、角度センサー、慣性センサーの検出値を取得し角速度を求める演算を実行する。第1演算部1100の演算工程(S111)では、アーム連結装置21、22および基体連結装置30に備えるアクチュエーター51、52、53に備える角度センサー81、82、83の検出データを取得する。取得した検出データを角度データに変換し、変換された角度データを時間で微分し角速度を演算する。
第2演算部1200の演算工程(S112)では、第1アーム連結装置21および第2アーム連結装置22に備える慣性センサー91、92の検出データと、ワーク保持装置70に備える慣性センサー93の検出データと、を取得する。取得した検出データを角速度に変換する。
次に、演算工程S111、S112で演算されたアクチュエーターの角速度と、アームの角速度とを比較する比較工程(S120)に移行する。比較工程(S120)では、上述の(式1−2)、(式1−3)、(式1−4)の演算結果を次の判定工程(S130)に出力する。
判定工程(S130)では、予め図示しない記憶装置に格納された閾値Ω1、Ω2、Ω3に対して、比較工程(S120)から入力した演算結果が大きいか、を判定する。判定結果が「YES」である場合、すなわち比較工程(S120)からの演算結果が閾値より大きい場合、該当する慣性センサーが故障と判定する。
第1アーム11を例に説明する。第1アーム11では基体連結装置30に備える角度センサー83の検出値を基準として、第1アーム11に備える慣性センサー91の故障判定を実行する。演算工程(S111、S112)において角度センサー83の検出値から演算される第1アーム11の角速度ωa3/N3と、慣性センサー91から得られる第1アーム11の角速度ω1と、を比較工程(S120)において(式1−8)による比較結果を出力し、閾値Ω1より大きい値であるかを判定工程(S130)にて判定する。すなわち、判定結果が、
|ωa1−ω3×1/N3)|>Ω1 (式1−8)
となった場合に、慣性センサー91が故障していると判定される。
同様に、第2アーム12および第3アーム13においても判定結果が、第2アーム12の場合には、
|(ωa2−ωa1)−ω1×1/N1)|>Ω2 (式1−9)
となった場合に、慣性センサー91もしくは慣性センサー92のどちらか一方、もしくは両方が故障していると判定する。
第3アームの場合には、
|(ωa3−ωa2)−ω2×1/N2)|>Ω3 (式1−10)
となった場合に、慣性センサー92もしくは慣性センサー93のどちらか一方、もしくは両方が故障していると判定する。
判定工程(S130)において、故障していない(NO)と判定された場合には、再び演算工程(S111、S112)に戻り、慣性センサーの故障判定を繰り返す。
判定工程(S130)において、故障(YES)と判定されると、停止指示工程(S140)に移行する。停止指示工程(S140)では、制御部4000にアクチュエーター51、52、53の作動を停止させる指令が送出され、制御部4000よりアクチュエーター51、52、53に停止信号が送られ、動作停止となる。すなわちロボット装置100の作動が停止させられる。その後、故障判定された慣性センサーをロボット装置から取り外し、必要な修理またはセンサー交換が施される。
上述のように慣性センサーの故障の判定基準となるものは、各連結装置に備えるアクチュエーターの角度センサーの検出データから得られる角速度としているので、判定基準そのものもアーム体10の動作に連動し変動する値であって、より実動作を基準として故障判定されるので、正確な慣性センサーの故障判定が可能となる。これにより、ロボット装置の暴走による危険を確実に回避し、早期の正常化による安定したロボット装置可動を保証し、製品品質を高く維持することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態に対して慣性センサーの配置と、判定基準となる検出データとが異なる。従って、第1実施形態と共通な構成には同じ符号を付し、説明する。
図4は第2実施形態に係るロボット装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。本実施形態のロボット装置は、水平方向に回転可能に3本のアームが連結された、いわゆる3軸水平多関節ロボット200(以下、ロボット装置200という)である。
第2実施形態に係るロボット装置200は、第1実施形態に係るロボット装置100に対して、慣性センサーが各アームに2個備えられている点で異なる。第1アーム11には慣性センサー91aと91b、第2アーム12には慣性センサー92aと92b、第3アーム13には慣性センサー93aと93bが備えられている。これらの慣性センサーは、互いに近接するように配置され、更に規格性能の同等のものが用いられている。
図5は第2実施形態に係るブロック図である。演算部1300において、アーム体10に備えられた慣性センサー91a、91b、92a、92b、93a、93bから、t1〜tn時間毎に検出データを取得する。すなわち、
慣性センサー91aにおけるt1〜tn時間までのn個の検出データ
α1a1、α1a2、α1a3、α1an
慣性センサー91bにおけるt1〜tn時間までのn個の検出データ
α1b1、α1b2、α1b3、α1bn
慣性センサー92aにおけるt1〜tn時間までのn個の検出データ
α2a1、α2a2、α2a3、α2an
慣性センサー92bにおけるt1〜tn時間までのn個の検出データ
α2b1、α2b2、α2b3、α2bn
慣性センサー93aにおけるt1〜tn時間までのn個の検出データ
α3a1、α3a2、α3a3、α3an
慣性センサー93bにおけるt1〜tn時間までのn個の検出データ
α3ba1、α3b2、α3b3、α3bnを作成する。
取得された各慣性センサー91a、91b、92a、92b、93a、93bの各n個の検出データの平均値を計算する。すなわち、
慣性センサー91aの検出データ平均α1am
α1am=(α1a1+α1a2+α1a3+〜+α1an)/n
慣性センサー91bの検出データ平均α1bm
α1bm=(α1b1+α1b2+α1b3+〜+α1bn)/n
慣性センサー92aの検出データ平均α2am
α2am=(α2a1+α2a2+α2a3+〜+α2an)/n
慣性センサー92bの検出データ平均α2bm
α2bm=(α2b1+α2ba2+α2b3+〜+α2bn)/n
慣性センサー93aの検出データ平均α3am
α3am=(α3a1+α3a2+α3a3+〜+α3an)/n
慣性センサー93bの検出データ平均α3bm
α3bm=(α3b1+α3b2+α3b3+〜+α3bn)/n
となる。なお、データ数nは、100以上を取得することが好ましく、演算のCPUの性能などの条件から適宜、データ数nを決定すれば良い。
比較部2100では、得られた各検出データ平均値より、近接する慣性センサーの検出データ平均値の差の絶対値を求める。例えば、第1アーム11においては慣性センサー91aと91bが近接する慣性センサーであり、その検出データ平均値の差の絶対値α1d、すなわち、
|α1am―α1bm|=α1d (式2−1)
を求める。同様に第2アーム12、第3アーム13も近接する慣性センサーの検出データ平均値の差の絶対値α2d、α3dが、
|α2am―α2bm|=α2d (式2−2)
|α3am―α3bm|=α3d (式2−3)
と求められる。
次に、判定部3100において、比較部2100において求められた、比較結果としての各慣性センサーの検出データ平均値の差の絶対値α1d、α2d、α3dから、対象となる慣性センサーが正常か故障かを判定する。判定部3100では、予め故障判定のための閾値を図示しない記憶装置に格納し、閾値に対して比較結果の大小にて、正常、故障の判断を行う。
閾値について説明する。閾値は、各慣性センサーの特性から次のように決定される。すなわち、ロボット装置200に取付ける前の慣性センサー91a、91b、92a、92b、93a、93b、もしくは取り付ける慣性センサー91a、91b、92a、92b、93a、93bと同じ規格の未使用の慣性センサーを用いて、各慣性センサーのホワイトノイズ(白色雑音)を測定する。ホワイトノイズは、例えば、図6に示すように不規則に振動する波形を有している。測定される各慣性センサーのホワイトノイズの標準偏差を求める。
例えば、第1アーム11に備える慣性センサー91a、91bに対する閾値は、ロボット装置200に取り付ける前の慣性センサー91a、91b、もしくは慣性センサー91a、91bと同じ規格の未使用の慣性センサーを用いて計測されたホワイトノイズの値から、標準偏差σ1を求める。求められた標準偏差σ1を基準として、第1アーム11に備える慣性センサー91a、91bの故障判定の閾値S1を、
S1=6×σ1
に設定する。
同様に、第2アーム12に備える慣性センサー92a、92bのホワイトノイズの標準偏差σ2から閾値S2を、第3アーム13に備える慣性センサー93a、93bのホワイトノイズの標準偏差σ3から閾値S3を、
S2=6×σ2
S3=6×σ3
に設定する。
このように設定される閾値S1、S2、S3と比較部2100によって得られた(式2−1)(式2−2)(式2−3)で求められる、各慣性センサーの検出データ平均値の差の絶対値α1d、α2d、α3dの大小により故障判定する。すなわち、α1d>S1である場合には、慣性センサー91a、91bのどちらか一方もしくは両方が故障と判断し、α2d>S2である場合には、慣性センサー92a、92bのどちらか一方もしくは両方が故障と判断し、α3d>S3である場合には、慣性センサー93a、93bのどちらか一方もしくは両方が故障と判断する。
次に、第2実施形態に係る制御方法について説明する。図7は、第2実施形態に係る制御方法を説明するフローチャートである。先ず、演算工程(S210)において、慣性センサーからの検出データを取得し、検出データの平均値α1am、α1bm、α2am、α2bam、α3am、α3bmを演算する。
次に、比較工程(S220)に移行する。比較工程(S220)では、演算工程(S210)により演算された検出データの平均値α1am、α1bm、α2am、α2bam、α3am、α3bmより、比較値として、近接する慣性センサー91aと91bとの検出データの平均値α1amとα1bmとの差の絶対値α1dを演算する(式2−1)。同様に、近接する慣性センサー92aと92bとの検出データの平均値α2amとα2bmとの差の絶対値α2d(式2−2)、近接する慣性センサー93aと93bとの検出データの平均値α3amとα3bmとの差の絶対値α3d(式2−3)、とを比較値として演算する。
次に、判定工程(S230)に移行する。判定工程(S230)では、予め図示しない記憶装置に格納されている閾値S1、S2、S3に対して、比較工程(S220)からの演算結果が大きいか、を判定する。判定結果が「YES」である場合、すなわち比較工程(S220)からの演算結果が閾値より大きい場合、該当する慣性センサーが故障と判定する。
第1アーム11を例に説明する。第1アーム11では、慣性センサー91a、91bが判定の対象となり、検出データ平均値の差の絶対値α1dが閾値S1に対して、
α1d>S1
となった場合に、慣性センサー91a、91bのどちらか一方もしくは両方が故障していると判定される。
同様に、第2アーム12では、
α2d>S2
となった場合に、慣性センサー92a、92bのどちらか一方もしくは両方が故障していると判定され、第3アーム13では、
α3d>S3
となった場合に、慣性センサー93a、93bのどちらか一方もしくは両方が故障していると判定される。
判定工程(S230)において、故障していない「NO」と判定された場合には、再び演算工程(S210)に戻り、慣性センサーの故障判定を繰り返す。
判定工程(S230)において、故障(YES)と判定されると、停止指示工程(S240)に移行する。停止指示工程(S240)では、制御部4000にアクチュエーター51、52、53の作動を停止させる指令が送出され、制御部4000よりアクチュエーター51、52、53に停止信号が送られ、動作停止となる。すなわちロボット装置200の作動が停止させられる。その後、故障判定された慣性センサーをロボット装置から取り外し、必要な修理またはセンサー交換が施される。
上述のように慣性センサーの故障の判定基準となるものは、アームに少なくとも2以上の複数個の慣性センサーを備え、同じアームに備える慣性センサーの出力を比較し、センサーの持つホワイトノイズの標準偏差を判定基準にすることで、正確な慣性センサーの故障判定が可能となる。これにより、ロボット装置の暴走による危険を確実に回避し、早期の正常化による安定したロボット装置可動を保証し、製品品質を高く維持することができる。
(第3実施形態)
第1実施形態および第2実施形態では、いわゆる水平多関節ロボット装置によって説明したが、第3実施形態では、直動式ロボット装置におけるセンサーの故障判定を説明する。
図8は、第3実施形態に係るロボット装置1000の概略平面図である。また、図9は図8における矢印P方向からの矢視外観の概略図である。図8はロボット装置1000の構成を明確にするため、主要部を覆う筐体等の図示を省略してある。ロボット装置1000は、作業テーブルあるいは床などに固定される基体300と、基体300に対して移動可能に固定されたアーム400と、アーム400に対して移動可能に固定され加工用ツールもしくは被加工物を保持するワーク保持部520を備えるワーク保持装置500と、を備える。
基体300は、基体アクチュエーター320と、基体アクチュエーター320のトルクを所定の減速比で伝達する基体トルク伝達装置310と、基体トルク伝達装置310の回転軸に連結されるアーム駆動ベルト340と、アーム駆動ベルト340を引っ張り回転可能に固定する基体プーリー350と、を備える。また、基体アクチュエーター320には回転角度を検出する角度センサー330を備えている。
アーム400は、アームアクチュエーター420と、アームアクチュエーター420のトルクを所定の減速比で伝達するアームトルク伝達装置410と、アームトルク伝達装置410の回転軸に連結されるワーク保持装置駆動ベルト440と、ワーク保持装置駆動ベルト440を引っ張り回転可能に固定するアームプーリー450と、を備える。また、アームアクチュエーター420には回転角度を検出する角度センサー430を備えている。
アーム400に移動可能に固定されているワーク保持装置500には、少なくとも2個の加速度センサー530a、530bを備える慣性センサー530を備え、図示しない駆動装置によってワーク保持部520を駆動する。
また、アーム400には、基体300に備えるアーム駆動ベルト340に固定されるアーム固定装置460を備え、アーム駆動ベルト340の作動によってアーム400を動作させる。また、ワーク保持装置500には、アーム400に備えるワーク保持装置駆動ベルト440に固定されるワーク保持装置固定装置510を備えて、ワーク保持装置駆動ベルト440の作動によってワーク保持装置500を動作させる。
このように構成されたロボット装置1000は、図8および図9の矢印Q、Rで示す方向にアーム400およびワーク保持装置500を移動させ、所定の位置で作業させることができる。
図10は、第3実施形態に係るブロック図である。第1演算部1400では、角度センサー330、430によって検出された基体アクチュエーター320、アームアクチュエーター420の検出データを、基体アクチュエーター320の回転角度θa、アームアクチュエーターの回転角度θbに換算する。得られた回転角度θa、θbを時間で2回微分し、
2θa/dt2=ωa’ (式3−1)
2θb/dt2=ωb’ (式3−2)
の回転角加速度を演算する。
基体アクチュエーター320の回転角度を、基体トルク伝達装置310を介してアーム駆動ベルト340の移動長さに変換する変換係数をK1とした場合、アーム駆動ベルト340の移動加速度βaは、
βa=ωa’/K1 (式3−3)
により求められる。同様に、アームアクチュエーター420の回転角度を、アームトルク伝達装置410を介してワーク保持装置駆動ベルト440の移動長さに変換する変換係数をK2とした場合、ワーク保持装置駆動ベルト440の移動加速度βbは、
βb=ωb’/K2 (式3−4)
により求められる。
第2演算部1500では、ワーク保持装置500に備える慣性センサー530に含む加速度センサー530a、530bが検出したデータから加速度を演算する。ここで、加速度センサー530aが、例えば、図9に示すQ方向の加速度成分を検出する場合には、他の加速度センサー530bはR方向の加速度を検出する配置とする。もしくは3軸加速度センサーを用いて、直交する2軸方向の検出データを用いることでもよい。
加速度センサー530aのQ方向の検出データから換算された加速度αa、加速度センサー530bのR方向の検出データから換算された加速度αbを得る。
比較部2200では、第1演算部1400において得られた駆動ベルトの移動加速度βa、βbと、第2演算部1500において得られたワーク保持装置500の加速度αa、αbと、を比較する。比較部2200における比較とは、加速度差の絶対値を算出するもので、図8に示すQ方向は、
|αa−βa
となり、R方向は、
|αb−βb|となる。
判定部3200では、上述の比較部2200から出力される比較結果、すなわち加速度差の絶対値が閾値より大きい場合に対象となる慣性センサーが故障であると判定する。ここで、閾値について説明する。
先ず、加速度センサー530aの故障判断の閾値A1は次のように設定される。ロボット装置1000に対して最大負荷の120%の負荷を持たせ、ワーク保持装置の図8に示すQ方向への最大負荷時の許容加速度の120%の加速度によって、ワーク保持装置500をQ方向に動作させる。動作開始からT時間後の、加速度センサー530aの出力値から求められるワーク保持装置500の加速度αatと、ワーク保持装置500をQ方向に移動させる基体アクチュエーター320に備える角度センサー330の回転角度から演算されるアーム駆動ベルト340の移動加速度βatとの差を求める。このαatとβatとの差の絶対値の最大値の2倍が閾値A1となる。すなわち、
A1=2×(|αat−βat|)max (式3−5)
が、閾値A1として得られる。
同様に、加速度センサー530bの故障判断の閾値A2は、ロボット装置1000に対して最大負荷の120%の負荷を持たせ、ワーク保持装置の図8に示すR方向への最大負荷時の許容加速度の120%の加速度によって、ワーク保持装置500をR方向に動作させる。動作開始からT時間後の、加速度センサー530bの出力値から求められるワーク保持装置500の加速度αbtと、ワーク保持装置500をR方向に移動させるアームアクチュエーター420に備える角度センサー430の回転角度から演算されるワーク保持装置駆動ベルト440の移動加速度βbtとの差を求める。このαbtとβbtとの差の絶対値の最大値の2倍が閾値A2となる。すなわち、
A2=2×(|αbt−βbt|)max (式3−6)
が、閾値A2として得られる。
判定部3200は、(式3−5)、(式3−6)で求めた閾値A1、A2と、比較部2200から得られる比較結果と、を用いて故障判定を実行する。加速度センサー530aに対しては、
|αa−βa|>A1
となった時、加速度センサー530aが故障と判定する。同様に、加速度センサー530bに対しては、
|αb−βb|>A2
となった時に加速度センサー530bが故障と判定する。
判定部3200において、加速度センサー530aもしくは530bが故障と判定され場合には、制御部4000に対して基体アクチュエーター320もしくはアームアクチュエーター420の停止の指示が送られ、制御部4000は基体アクチュエーター320もしくはアームアクチュエーター420を停止させる。これにより、ロボット装置1000は安全に停止させることができる。
次に、第3実施形態に係る制御方法について説明する。第3実施形態に係る制御方法を示すフローチャートは、第1実施形態と同様であり、図3に示すフローチャートが適用できる。従って、第1実施形態と同じ部分の詳細説明は省略し、第1実施形態と異なる点を説明する。
第3実施形態に係る制御方法では、第1演算工程(S111)においては、基体アクチュエーター320に備えた角度センサー330からの回転角度データを演算し、アーム駆動ベルト340の移動加速度βaと、アームアクチュエーター420に備えた角度センサー430からの回転角度を演算し、ワーク保持装置駆動ベルト440の移動加速度βbと、を演算し、比較工程(S120)に移行する。
第2演算工程(S112)においては、ワーク保持装置500に備える慣性センサー530に含む加速度センサー530a、530bが検出したデータから加速度αa、αbを演算し、比較工程(S120)に移行する。
次に、比較工程(S120)に移行する。比較工程(S120)では、第1演算工程(S111)および第2演算工程(S112)において得られた加速度値を用いて、比較結果として、
|αa−βa
|αb−βb
の値を、判定工程(S130)へ出力、移行する。
次に、判定工程(S130)へ移行する。判定工程(S130)では、予め図示しない記憶装置に格納された閾値A1、A2に対して、比較工程(S120)から入力した比較結果が大きいか、を判定する。判定結果が「YES」である場合、すなわち比較工程(S120)からの比較結果が閾値より大きい場合、該当する加速度センサーが故障と判定する。
すなわち、
|αa−βa|>A1
もしくは、
|αb−βb|>A2
である時、加速度センサー530aもしくは530bは故障と判定する。
判定工程(S130)において、交渉判定すなわち「YES」と判定された場合、停止指示工程(S140)に移行する。停止指示工程(S140)では、制御部4000から基体アクチュエーター320、アームアクチュエーター420に対して動作を停止させる指示が出力され、ロボット装置1000は停止する。
上述のように慣性センサーの故障の判定基準となるものは、基体およびアームに備えるアクチュエーターの角度センサーの検出データから得られる駆動ベルトの移動加速度としているので、判定基準そのものもワーク保持装置500の動作に連動し変動する値であって、より実動作を基準として故障判定されるので、正確な加速度センサーの故障判定が可能となる。これにより、ロボット装置の暴走による危険を確実に回避し、早期の正常化による安定したロボット装置可動を保証し、製品品質を高く維持することができる。
11…第1アーム、12…第2アーム、13…第3アーム、40…基体、51,52,53…アクチュエーター、81,82,83…角度センサー、91,92,93…慣性センサー、1100…第1演算部、1200…第2演算部、2000…比較部、3000…判定部、4000…制御部。

Claims (12)

  1. アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含むアーム連結装置と、
    複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、
    前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、
    前記アームに取り付けられた慣性センサーと、
    前記角度センサーからの前記アクチュエーターの回転角度データから前記アクチュエーターの角速度および角加速度を演算する第1演算部と、
    前記慣性センサーにより検出された出力より、前記アームの角速度または角加速度を演算する第2演算部と、
    前記第1演算部により演算された前記アクチュエーターの角速度または角加速度と、前記第2演算部により演算された前記アームの角速度または角加速度とを比較する比較部と、
    前記比較部において前記アクチュエーターの角速度または角加速度と前記アームの角速度または角加速度との差の絶対値が、閾値Ωより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定し前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する故障判定部と、を備える、
    ことを特徴とするロボット装置。
  2. 前記閾値Ωは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記第1演算部により演算される角速度がωS、前記第2演算部により演算される角速度がωLの場合、ωSとωLの差の絶対値の最大値に対して、
    Ω=2×(|ωS−ωL|)max
    である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  3. アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含むアーム連結装置と、
    複数のアームが前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、
    前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、
    前記アームに取り付けられた少なくとも2個の慣性センサーと、
    前記慣性センサーの検出した複数の出力値を記憶し、平均値を演算する演算部と、
    前記演算部により演算された前記出力値の平均値を比較する比較部と、
    前記比較部において、2個の前記出力値の平均値の差の絶対値の中に、閾値Sより大きい前記差が在る場合に、前記慣性センサーのいずれか1個以上が故障と判定し、前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する故障判定部と、を備える、
    ことを特徴とするロボット装置。
  4. 前記閾値Sは、前記慣性センサーの白色雑音の標準偏差σであるとき、
    S=6σ
    であることを特徴とする請求項3に記載のロボット装置。
  5. 基体アクチュエーターと、前記基体アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記基体アクチュエーターの回転角度を検出する基体角度センサーと、
    アーム連結装置を備え、前記トルク伝達機構に連結され、前記アーム連結装置を直線往復駆動させるアーム駆動装置と、を含む基体と、
    前記基体の前記アーム連結装置に連結され、アームアクチュエーターと、前記アームアクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アームアクチュエーターの回転角度を検出するアーム角度センサーと、
    ワーク保持装置を備え、前記アーム連結装置に連結され、前記ワーク保持装置を直線往復駆動させるワーク保持装置駆動装置と、を含むアームと、
    前記ワーク保持装置に取り付けられた少なくとも加速度センサーを含む2以上の慣性センサーと、
    前記基体角度センサーからの前記基体アクチュエーターの回転角度データから前記アーム駆動装置の加速度と、前記アーム角度センサーからの前記アームアクチュエーターの回転角度データから前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、を演算する第1演算部と、
    前記慣性センサーにより検出された出力から、前記ワーク保持装置の加速度を演算する第2演算部と、
    前記第1演算部により演算された前記加速度と、前記第2演算部により演算された前記加速度とを比較する比較部と、
    前記第1演算部により演算された前記加速度と、前記第2演算部により演算された前記加速度との差の絶対値が、閾値Aより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定し前記基体アクチュエーターおよび前記アームアクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する故障判定部と、を備える、
    ことを特徴とするロボット装置。
  6. 前記閾値Aは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記第1演算部により演算される加速度がαS、前記第2演算部により演算される加速度がαLの場合、αSとαLの差の絶対値の最大値に対して、
    A=2×(|αS−αL)|max
    である、
    ことを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。
  7. アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含むアーム連結装置と、
    複数のアームが、前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、
    前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アクチュエーターの回転角度を検出する角度センサーと、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、を備えるロボット装置の制御方法であって、
    前記アームに取り付けられた慣性センサーと、
    前記角度センサーからの前記アクチュエーターの回転角度データから前記アクチュエーターの角速度および角加速度と、前記慣性センサーにより検出された出力より、前記アームの角速度または角加速度と、を演算する演算工程と、
    前記演算工程による演算された前記アクチュエーターの角速度または角加速度と、前記アームの角速度または角加速度とを比較する比較工程と、
    前記比較工程において前記アクチュエーターの角速度または角加速度と前記アームの角速度または角加速度との差の絶対値が、閾値Ωより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定する判定工程と、
    前記判定工程において故障と判断した場合に、前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する停止指示工程と、を備える、
    ことを特徴とするロボット装置の制御方法。
  8. 前記閾値Ωは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記演算工程において演算される前記アクチュエーターの角速度がωS、前記アームの角速度がωLの場合、ωSとωLの差の絶対値の最大値に対して、
    Ω=2×(|ωS−ωL|)max
    である、
    ことを特徴とする請求項7に記載のロボット装置の制御方法。
  9. アクチュエーターと、前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含むアーム連結装置と、
    複数のアームが前記アーム連結装置により直列且つ回転可能に連結されたアーム体と、
    前記アーム体の一方の端部に、前記アクチュエーターと前記アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、を含む基体連結装置が設けられ、前記基体連結装置により前記アーム体が回転可能に連結された基体と、を備えるロボット装置の制御方法であって、
    前記アームに取り付けられた少なくとも2個の慣性センサーと、
    前記慣性センサーの検出した複数の出力値を記憶し、平均値を演算する演算工程と、
    前記演算工程により演算された前記出力値の平均値を比較する比較工程と、
    前記比較工程において、2個の前記出力値の平均値の差の絶対値の中に、閾値Sより大きい前記差が在る場合に、前記慣性センサーのいずれか1個以上が故障と判定する判定工程と、
    前記判定工程において故障と判定された場合に、前記アクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する停止指示工程と、を備える、
    ことを特徴とするロボット装置の制御方法。
  10. 前記閾値Sは、前記慣性センサーの白色雑音の標準偏差σであるとき、
    S=6σ
    であることを特徴とする請求項9に記載のロボット装置の制御方法。
  11. 基体アクチュエーターと、前記基体アクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記基体アクチュエーターの回転角度を検出する基体角度センサーと、
    アーム連結装置を備え、前記トルク伝達機構に連結され、前記アーム連結装置を直線往復駆動させるアーム駆動装置と、を含む基体と、
    前記基体の前記アーム連結装置に連結され、アームアクチュエーターと、前記アームアクチュエーターのトルクが所定の減速比で伝達されるトルク伝達機構と、前記アームアクチュエーターの回転角度を検出するアーム角度センサーと、
    ワーク保持装置を備え、前記アーム連結装置に連結され、前記ワーク保持装置を直線往復駆動させるワーク保持装置駆動装置と、を含むアームと、を備えるロボット装置の制御方法であって、
    前記基体角度センサーからの前記基体アクチュエーターの回転角度データから前記アーム駆動装置の加速度と、前記アーム角度センサーからの前記アームアクチュエーターの回転角度データから前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、
    前記ワーク保持装置に取り付けられた少なくとも加速度センサーを含む1以上の慣性センサーにより検出された出力から、前記ワーク保持装置の速度および加速度と、を演算する演算工程と、
    前記演算工程により演算された前記アーム駆動装置、前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、前記ワーク保持装置の加速度と、を比較する比較工程と、
    前記比較工程において、前記角度センサーの出力値より演算された前記アーム駆動装置、前記ワーク保持装置駆動装置の加速度と、前記慣性センサーの出力値より演算された前記ワーク保持装置の加速度との差の絶対値が、閾値Aより大きい場合に前記慣性センサーが故障と判定する判定工程と、
    前記判定工程において故障と判定された場合に、前記基体アクチュエーターおよび前記アームアクチュエーターの動作を停止させる信号を出力する停止指示工程と、を備える、
    ことを特徴とするロボット装置の制御方法。
  12. 前記閾値Aは、前記ロボット装置の最大負荷の120%の負荷を持たせ、最大負荷時の許容加速度120%の加速度で動作させた場合に、前記演算工程により演算される前記アーム駆動装置もしくは前記ワーク保持装置駆動装置の加速度がαS、前記ワーク保持装置の加速度がαLの場合、αSとαLの差の絶対値の最大値に対して、
    A=2×(|αS−αL)|max
    である、
    ことを特徴とする請求項11に記載のロボット装置の制御方法。
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