JP2015061562A - 生体挿入装置および穿刺方法 - Google Patents

生体挿入装置および穿刺方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015061562A
JP2015061562A JP2013196284A JP2013196284A JP2015061562A JP 2015061562 A JP2015061562 A JP 2015061562A JP 2013196284 A JP2013196284 A JP 2013196284A JP 2013196284 A JP2013196284 A JP 2013196284A JP 2015061562 A JP2015061562 A JP 2015061562A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
puncture
urethral
vaginal
vagina
urethra
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013196284A
Other languages
English (en)
Inventor
政克 川浦
Masakatsu Kawaura
政克 川浦
奈央 横井
Nao Yokoi
奈央 横井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2013196284A priority Critical patent/JP2015061562A/ja
Publication of JP2015061562A publication Critical patent/JP2015061562A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】尿道腔と膣腔との間に位置する生体組織に対して外科的処置を施す際、その処置を確実に行なうことができる生体挿入装置および穿刺方法を提供すること。【解決手段】生体挿入装置を適用した穿刺装置1は、膀胱1310内に到達するまで尿道1300に挿入される長尺状をなす尿道挿入部材4と、膣1400に挿入される長尺状をなす膣挿入部材5とを備える装置である。そして、バルーン42は、膀胱頸部1320に当接可能なバルーン42を有している。また、膣挿入部材5は、バルーン42が膀胱頸部1320に当接していることを検出する検出部として機能する突部11を有している。【選択図】図20

Description

本発明は、生体挿入装置および穿刺方法に関する。
尿失禁、特に、腹圧性尿失禁になると、通常の運動中や、笑い、咳、くしゃみ等により腹圧がかかることで、尿漏れが生じる。この原因は、例えば、出産等により、尿道を支える筋肉である骨盤底筋が緩むこと等が挙げられる。
尿失禁の治療には、外科的療法が有効であり、例えば、「スリング」と呼ばれるテープ状のインプラントを用い、スリングを体内に留置し、そのスリングで尿道を支持する(例えば、特許文献1参照)。本願出願人は、スリングを体内に留置する際、まず、例えば円弧状(「C」字状)に湾曲した穿刺針を用いて、例えば、体表から右側の閉鎖孔、尿道と膣の間の生体組織、左側の閉鎖孔、体表の順に穿刺して穿刺孔を形成し、この穿刺孔にスリングを挿通させて、留置する留置方法を提案している(特許文献2参照)。
ところで、尿道と膣の間の生体組織には、穿刺針で穿刺をするのに適した部分がある。この部分は、尿道と膣との間であり、中でも中部尿道の近傍が好ましい。しかしながら、この中部尿道の位置には、個人差があり、例えば、膀胱頸部が下垂して尿道口側に比較的寄っているために、中部尿道自体も尿道口側に寄って、中部尿道が短くなっている女性もいる。このような女性に対して前記外科的療法を施す場合、すなわち、穿刺針で中部尿道の近傍を穿刺しようとした場合、術者の技量によっては、穿刺針が中部尿道の近傍からずれてしまうことがあった。そして、その結果、スリングを留置するのが困難となるという問題が生じていた。
特開2010−99499号公報 特願2012−068400号公報
本発明の目的は、尿道腔と膣腔との間に位置する生体組織に対して外科的処置を施す際、その処置を確実に行なうことができる生体挿入装置および穿刺方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 膀胱内に到達するまで尿道腔に挿入される長尺状をなす尿道挿入具と、膣腔に挿入される長尺状をなす膣挿入具とを備える生体挿入装置であって、
前記尿道挿入具は、膀胱頸部に当接可能な当接部を有し、
前記膣挿入具は、前記当接部が前記膀胱頸部に当接していることを検出する検出部を有することを特徴とする生体挿入装置。
(2) 前記尿道腔と前記膣腔との間の生体組織に対して穿刺針を用いて穿刺を行なうに先立って、前記尿道挿入具は前記尿道腔に挿入され、前記膣挿入具は前記膣腔に挿入されるものであり、
前記検出部が前記穿刺針の穿刺経路に対して先端側に位置する上記(1)に記載の生体挿入装置。
(3) 前記検出部と前記当接部とが接近および/または離間可能である上記(1)または(2)に記載の生体挿入装置。
(4) 前記検出部は、前記当接部と生体組織を介して当接可能である上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
(5) 前記検出部の基端側であって前記穿刺経路から離間するように凹部が存在する上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
(6) 前記当接部が前記検出部側に拡張可能である上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
(7) 前記尿道挿入部と前記膣挿入部とは、並んで配置されており、前記検出部は、前記尿道挿入部側に向って突出した突部で構成される上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
(8) 尿道腔と膣腔との間の生体組織に対して穿刺針を用いて穿刺を行なう穿刺方法であって、
前記穿刺を行なうに先立って、想定される前記穿刺針の前記生体組織に対する穿刺経路が膀胱頸部よりも尿道口側に位置するのを検知してから、前記穿刺を行なうことを特徴とする穿刺方法。
本発明によれば、例えば尿道腔と膣腔との間に位置する生体組織を穿刺する等の外科的処置を施す際、その穿刺に先立って、穿刺経路が安全な経路を通る状態となっているのを把握することができる。これにより、外科的処置を安全かつ確実に行なうことができる。
図1は、本発明の生体挿入装置(第1実施形態)を適用した穿刺装置を示す斜視図である。 図2は、図1に示す穿刺装置の側面図であるである。 図3は、図1に示す穿刺装置が有する操作部材を示す平面図である。 図4は、図1に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す図であり、(a)が斜視図、(b)が(a)中のA−A線断面図である。 図5は、図4(a)に示す穿刺部材の断面図である。 図6は、図4(a)に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す図であり、(a)が上面図、(b)および(c)が断面図である。 。図7は、図3に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す部分拡大図であり、(a)および(b)がそれぞれ変形例を示す平面図、(c)が本実施形態を示す平面図である。 図8は、図1に示す穿刺装置が有する第2アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。 図9は、図1に示す穿刺装置が有する第1アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。 図10は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。 図11は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。 図12は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。 図13は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの固定部を示す平面図である。 図14は、図1に示す穿刺装置が有する挿入具の側面図である。 図15は、穿刺部材と閉鎖孔(骨盤)との位置関係を示す図であり、(a)が側面図、(b)が正面図である。 図16は、図14に示す挿入具が有する膣挿入部材の部分拡大図である。 図17は、(a)が膣壁の形状の一例を示す断面図、(b)が(a)に示す膣内に膣挿入部を挿入した状態を示す断面図である。 図18は、図1に示す穿刺装置と共に用いられるインプラントを示す図である。 図19は、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図20は、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図であり、(a)が操作が適正な場合の図、(b)が操作が不適正な場合の図である。 図21は、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図22(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図23は、図22(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。 図24(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図25は、図24(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。 図26は、図24(b)に示す状態の時の尿道に対する穿刺部材の姿勢を示す断面図である。 図27(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図28(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。 図29(a)および(b)は、本発明の生体挿入装置(第2実施形態)が有する膣挿入部材に対する操作方法を説明するための側面図である。 図30は、本発明の生体挿入装置(第3実施形態)が有する膣挿入部材の側面図であるである。 図31は、本発明の生体挿入装置(第4実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図32は、本発明の生体挿入装置(第4実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図33は、本発明の生体挿入装置(第4実施形態)の操作手順を説明するための図であり、(a)が操作が適正な場合の図、(b)が操作が不適正な場合の図である。 図34は、本発明の生体挿入装置(第5実施形態)が有する尿道挿入部材の側面図である。 図35は、図34中のB−B線断面図である。 図36は、本発明の生体挿入装置(第6実施形態)が有する尿道挿入部材の横断面図である。 図37は、本発明の生体挿入装置(第7実施形態)が有する尿道挿入部材の側面図である。 図38は、図37中のC−C線断面図である。 図39は、本発明の生体挿入装置(第8実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。 図40は、図39中のD−D線断面図である。 図41は、本発明の生体挿入装置(第9実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。 図42は、図41中のE−E線断面図である。 図43は、本発明の生体挿入装置(第10実施形態)が有する膣挿入部材の縦断面図である。 図44は、本発明の生体挿入装置(第11実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。 図45は、図44に示す膣挿入部材の操作手順を説明するための図である。 図46は、図44に示す膣挿入部材の操作手順を説明するための図である。 図47は、本発明の生体挿入装置(第12実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。 図48は、図47に示す膣挿入部材の縦断面図である。 図49は、本発明の生体挿入装置(第13実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。 図50は、図49中のF−F断面図である。 図51は、本発明の生体挿入装置(第14実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。 図52は、図51中のG−G断面図である。 図53は、本発明の生体挿入装置(第15実施形態)が有する膣挿入部材の突部の拡大図である。 図54は、本発明の生体挿入装置(第16実施形態)が有する膣挿入部材の突部の拡大図である。 図55は、本発明の生体挿入装置(第17実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図56は、本発明の生体挿入装置(第17実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図57は、本発明の生体挿入装置(第18実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図58は、本発明の生体挿入装置(第18実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図59は、図57中の二点鎖線で囲んだ領域[H]の拡大断面図である。 図60は、図58中の二点鎖線で囲んだ領域[I]の拡大断面図である。 図61は、本発明の生体挿入装置(第19実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図62は、本発明の生体挿入装置(第19実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図63は、本発明の生体挿入装置(第20実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図64は、本発明の生体挿入装置(第20実施形態)の操作手順を説明するための図である。 図65は、本発明の生体挿入装置(第20実施形態)の支持体の正面図である。 図66は、本発明の生体挿入装置(第21実施形態)の支持体の正面図である。 図67は、本発明の生体挿入装置(第22実施形態)の支持体の正面図である。 図68は、本発明の生体挿入装置(第23実施形態)の支持体の正面図である。 図69は、本発明の生体挿入装置(第24実施形態)の支持体の正面図である。 図70は、図69中の矢印J方向から見た図である。 図71は、本発明の生体挿入装置(第25実施形態)の側面図である。 図72は、本発明の生体挿入装置(第26実施形態)の側面図である。 図73は、本発明の生体挿入装置(第27実施形態)の側面図である。
以下、本発明の生体挿入装置および穿刺方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の生体挿入装置(第1実施形態)を適用した穿刺装置を示す斜視図である。図2は、図1に示す穿刺装置の側面図である。図3は、図1に示す穿刺装置が有する操作部材を示す平面図である。図4は、図1に示す穿刺装置が有する穿刺部材を示す図であり、(a)が斜視図、(b)が(a)中のA−A線断面図である。図5は、図4(a)に示す穿刺部材の断面図である。図6は、図4(a)に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す図であり、(a)が上面図、(b)および(c)が断面図である。図7は、図3に示す穿刺部材が有する状態維持機構を示す部分拡大図であり、(a)および(b)がそれぞれ変形例を示す平面図、(c)が本実施形態を示す平面図である。図8は、図1に示す穿刺装置が有する第2アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。図9は、図1に示す穿刺装置が有する第1アンカーを示す図であり、(a)が断面図、(b)が穿刺部材に係合した状態を示す断面図である。図10は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。図11は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。図12は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの案内部を示す断面図である。図13は、図1に示す穿刺装置が備えるフレームの固定部を示す平面図である。図14は、図1に示す穿刺装置が有する挿入具の側面図である。図15は、穿刺部材と閉鎖孔(骨盤)との位置関係を示す図であり、(a)が側面図、(b)が正面図である。図16は、図14に示す挿入具が有する膣挿入部材の部分拡大図である。図17は、(a)が膣壁の形状の一例を示す断面図、(b)が(a)に示す膣内に膣挿入部を挿入した状態を示す断面図である。図18は、図1に示す穿刺装置と共に用いられるインプラントを示す図である。図19は、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図20は、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図であり、(a)が操作が適正な場合の図、(b)が操作が不適正な場合の図である。図21は、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図22(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図23は、図22(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。図24(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図25は、図24(a)に示す状態の時の穿刺装置と骨盤との関係を示す側面図である。図26は、図24(b)に示す状態の時の尿道に対する穿刺部材の姿勢を示す断面図である。図27(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。図28(a)および(b)は、それぞれ、図1に示す穿刺装置の操作手順を説明するための図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図2中の左側を「先端」、右側を「基端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図2は、まだ使用されていない状態を示し、以下では、説明の便宜上、この状態を「初期状態」とも言う。また、図2に示す穿刺装置(挿入具)が患者に装着された状態を「装着状態」とも言う。また、図5および図6では、それぞれ、説明の便宜上、円弧状に延在している穿刺部材を直線的に伸ばして図示している。
1.穿刺装置
まず、穿刺装置1について説明する。
図1および図2に示す穿刺装置1は、女性の尿失禁の治療、すなわち、尿失禁の治療用の生体組織支持用留置物を生体内に埋設する際に用いる装置である。
この穿刺装置1は、フレーム(支持体)2、穿刺部材(穿刺針)3、尿道挿入部材(尿道挿入具)4、膣挿入部材(尿道挿入具)5、操作部材7およびアンカー81、82を備えており、フレーム2に、穿刺部材3、尿道挿入部材4、膣挿入部材5、操作部材7およびアンカー81、82がそれぞれ支持されている。また、穿刺装置1では、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とで挿入具(生体挿入装置)6を構成している。以下、これらについて順に説明する。
(操作部材)
操作部材7は、穿刺部材3を操作するための部材である。このような操作部材7は、図1ないし図3に示すように、挿入部71と、軸部73と、挿入部71および軸部73を連結する連結部72とを有している。これら挿入部71、連結部72および軸部73は、一体的に形成されていてもよいし、少なくとも1つの部位が他の部位に対して別体として形成されていてもよい。
挿入部71は、穿刺部材3に挿入される部位であり、穿刺部材3を内側から補強するスタイレットとして機能する。挿入部71を穿刺部材3に挿入することで、穿刺部材3が操作部材7に接続され、これにより、操作部材7による穿刺部材3の操作が可能となる。このような挿入部71は、穿刺部材3の形状に対応した円弧状をなしている。挿入部71の中心角は、穿刺部材3の中心角に合わせて設定される。また、挿入部71の先端部711は、先細りしている。先細りした先端部711を有することで、挿入部71への穿刺部材3の挿入を円滑に行うことができる。
軸部73は、挿入部71の中心Oと交わり、挿入部71を含む平面f1と直交する軸J1に沿って延在している。
連結部72は、挿入部71の基端部と軸部73の先端部とを連結している。また、連結部72は、途中でほぼ直角に屈曲したほぼL字状をなしている。連結部72は、操作部材7を操作する際に術者が把持する把持部としても機能する。
このような操作部材7は、穿刺部材3(本体31)よりも剛性が高くなるように構成されている。操作部材7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料等を用いることができる。
(穿刺部材)
穿刺部材3は、生体を穿刺するための部材である。このような穿刺部材3は、図4(a)に示すように、長尺なシース(医療用チューブ)30と、シース30の先端に設けられた針体35とを有している。また、シース30は、チューブ状の本体31と、状態維持機構34とを有している。
本体31は、長尺な管体(チューブ)で構成されており、先端と基端とがそれぞれ開口している。このような本体31は、インプラント本体91を挿入可能な内部空間を有している。また、本体31は、円弧状に湾曲した湾曲形状をなし、図4(b)に示すように、扁平形状の横断面形状を有している。特に、本体31の長手方向の中央部S4での横断面形状は、短軸J31と長軸J32とを含む扁平形状である。後述するように、本体31内には、インプラント本体91が配置される。そのため、本体31を扁平形状とすることで、インプラント本体91の本体31内での姿勢を制御することができる。
また、本体31の内部空間の幅(長軸J32方向の長さ)は、インプラント本体91の後述する本体部911の幅とほぼ同じに設計されている。これにより、インプラント本体91を移動させても本体31の内部空間との摩擦抵抗が低くなり、インプラント本体91に不要な力が掛からず、十分に展開した状態で本体部911を本体31内に配置することができる。ただし、本体31の内部空間の幅(長軸J32方向の長さ)は、本体部911の幅よりも短くてもよい。これにより、本体31の幅を抑えられるため、より低侵襲な穿刺部材3とすることができる。
なお、本体31の扁平形状としては、特に限定されず、例えば、楕円形、断面凸レンズ形状、角部が丸みを帯びたひし形、角部が丸みを帯びた長方形(平ら形状)、中央部が両端部よりも拡大した(拡径した)紡錘形とすることもできる。
以下では、説明の便宜上、図4(b)に示すように、長軸J32方向の内側(一端部)に位置する端部を「内周部A1」とも言い、外側(他端部)に位置する端部を「外周部A2」とも言い、上側に向く面を「表面A3」とも言い、下側に向く面を「裏面A4」とも言う。
図4(b)に示すように、中央部S4の円弧の中心点と本体31の長手方向に対する横断面形状の中心点の両方を含む面(本体31の中心軸を含む面)を平面f9とし、平面f9と中央部S4での短軸J31とのなす角を傾斜角θ1としたとき、傾斜角θ1は、鋭角であるのが好ましい。傾斜角θ1を鋭角とすることで、後述するインプラント9を生体管腔の1つである尿道(尿道腔)1300とほぼ平行に配置することができ、尿道1300をより効果的に支持することができる。この効果については、後に詳述する。
なお、傾斜角θ1としては、鋭角であれば特に限定されないが、20〜60°程度であるのが好ましく、30〜45°であるのがより好ましく、35〜40°程度であるのがさらに好ましい。これにより、上述した効果がより一層向上する。
傾斜角θ1は、本体31の延在方向全域で上記数値範囲を満足しているのが好ましいが、少なくとも、本体31の延在方向の中央部S4にて上記数値範囲を満足していれば、上記効果を発揮することができる。なお、前記「中央部S4」とは、少なくとも、穿刺部材3を生体に穿刺した状態(本体31を生体内に配置した状態)で、尿道1300と、尿道1300と同様に生体管腔の1つである膣(膣腔)1400との間に位置する部位を含む領域を言う。また、本実施形態では、後述するように穿刺部材3にアンカー81、82が係合された状態で、アンカー81、82間の中央部(中央およびその両側近傍)が中央部S4であるとも言える。
なお、本体31の両端部には、中央部S4から等しい位置であって、本体31が生体に配置された状態(図24の状態)で生体外へ突出している部分にマーカーが設けられていてもよい。これにより、両マーカーの位置を比べることによって、中央部S4の生体内での位置を確認することができる。
本体31の構成は、次のように言い換えることもできる。すなわち、本体31は、図4(b)に示すように、円弧の中心軸J5に対して長軸J32が傾斜するように形成されており、円弧の中心軸J5と長軸J32の延長線J32’が交点Pを有するように構成されているとも言える。この場合、中心軸J5と延長線J32’とのなす角θ5が傾斜角θ1と等しい。また、別の言い方をすれば、本体31は、図10に示すように、本体31の中心軸J5方向から見た平面視にて、その内周縁に位置し最少曲率半径r1を有する内周部A1と、外周縁に位置し最大曲率半径r2を有する外周部A2とを備え、図4(b)に示すように、内周部A1と外周部A2とが中心軸J5方向に離間して(ずれて)位置するように構成されているとも言える。
このような形状の本体31は、途中にて分割できるように、2つの分割片にて構成されている。すなわち、本体31は、先端分割片32と、基端分割片33とに分かれている。先端分割片32と基端分割片33とは、ほぼ同じ長さであり、これらの境界は、中央部S4に位置している。
図5に示すように、先端分割片32は、チューブ状をなし、先端側開口321と基端側開口322とを有している。また、基端分割片33も、チューブ状をなし、先端側開口331と基端側開口332とを有している。そして、基端分割片33の先端部が先端分割片32の基端部内へ挿入されており、これにより、先端分割片32と基端分割片33とが接続されている。このように、基端分割片33を先端分割片32内へ挿入することで、分割片32、33の境界に生じ得る段差が生体組織に引っ掛かり難くなり、穿刺部材3の生体への穿刺を円滑に行うことができる。ただし、本実施形態とは逆に、先端分割片32を基端分割片33内へ挿入することで、分割片32、33を接続してもよい。
これら分割片32、33が接続された接続状態は、状態維持機構34によって維持されている。図6(a)に示すように、状態維持機構34は、孔342a、342b、342cと、各孔342a、342b、342cに挿通された無端状の糸(連結部材)341と、糸341を露出させる露出孔(貫通孔)345、346と、露出孔345、346を繋ぐスリット347とを有している。
孔342aは、基端分割片33の基端部であって、表面A3の内周部A1寄りに設けられている。一方、孔342b、342cは、先端分割片32の基端部であって、表面A3と裏面A4の内周部A1寄りに対向して設けられている。
糸341は、本体31内に配置されており、孔342bと孔342cの間、孔342aと基端側開口332の間でそれぞれ本体31外に露出している。糸341をこのように引き回すことで、分割片32、33の接続状態を確実に維持することができる。また、糸341の本体31外への露出を抑えることができ、糸341が生体組織に引っ掛かり難くなる。また、後述するような糸341の切断を可能としつつ、糸341の全長をなるべく短くすることができる。そのため、インプラント本体91を本体31内に挿通する際に糸341がインプラント本体91に引っ掛かり難くなる。また、前述したように、孔342a、342b、342cがそれぞれ内周部A1寄りに配置されているため、糸341も内周部A1寄りに配置される。そのため、インプラント本体91を本体31内へ挿入する際に、糸341がインプラント本体91に引っ掛かり難くなる。
糸341は、例えば、有端の糸を用意し、その一端を、基端側開口332から本体31内に挿入し、孔342bから本体31外に引き出し、孔342cから本体31内に挿入し、孔342aから本体31外へ引き出し、最後に、基端側開口332付近で他端と結ぶことで得られる。ただし、結び目の位置は限定されない。
ここで、孔342aは、図6(c)に示すように、外側開口が内側開口よりも基端側へ位置するように軸が傾斜している。一方、孔342b、342cは、それぞれ、図6(b)に示すように、外側開口が内側開口よりも先端へ位置するように軸が傾斜している。これにより、各孔342a、342b、342cを糸341の経路に沿って延在させることができ、各孔342a、342b、342cに糸341が引っ掛かり難くなる。
露出孔345、346は、基端分割片33の基端部の表面A3と裏面A4に、対向して設けられている。露出孔345、346が設けられている部位は、本体31を生体内に配置した状態で、体表面Hから突出する。また、露出孔345、346は、糸341の経路上に位置している。そのため、露出孔345、346から糸341が本体31外へ露出する。また、これら露出孔345、346は、本体31の周方向に沿って内周部A1に設けられたスリット347によって繋がっている。
このような状態維持機構34では、糸341を切断することにより、先端分割片32と基端分割片33とが分離可能な状態となる。このような構成とすることで、先端分割片32と基端分割片33とを簡単な操作で分離可能な状態とすることができる。また、糸341の切断は、目視可能であるため、先端分割片32と基端分割片33とが分離可能な状態となったことを簡単に確認することができる。
本実施形態のように、露出孔345、346およびスリット347を設けることで、糸341を簡単に切断することができる。一例を挙げて説明すると、一対の刃(第1刃および第2刃)を有する鋏を用意し、第1刃を露出孔345、346に挿通し、一対の刃の間に糸341を位置させる。そして、鋏を閉操作すると、第1、第2刃の少なくとも一方がスリット347を通過し、第1、第2刃が互いに重なり合い、その過程で糸341が切断される。このように、露出孔345、346およびスリット347を設けることで、糸341を簡単に切断することができる。
このように、本実施形態では、スリット347を設け、このスリット347を刃の通過経路として用いている。これにより、糸341の張力による本体31の変形が防止される。具体的には、図7(a)に示すように、刃の通過経路をスリット347に替えて孔348で構成してもよい。しかしながら、この場合は、本体31の硬さ等によっては、図7(b)に示すように、糸341の張力によって孔348が座屈して潰れ、本体31が変形するおそれがある。これに対してスリット347では、スリット347を挟んだ部分347a、347bが当接して突っ張っているため、図7(c)に示すように、上記のような変形が起きず、本体31の変形が防止される。
また、図5に示すように、本体31の先端部には、アンカー81に係合する一対の係合孔315、316が設けられている。一方、本体31の基端部には、アンカー82に係合する一対の係合孔317、318が設けられている。これら4つの係合孔のうち、係合孔315、317は、内周部A1に設けられ、係合孔316、318は、外周部A2に設けられている。
前述したように、本体31は、扁平形状であり、長軸方向に潰れ難いため、内周部A1と外周部A2の離間距離が変化し難い。また、内周部A1および外周部A2は、表面A3および裏面A4に比べて曲率が大きく変形し難い。そのため、内周部A1に係合孔315、317を設け、外周部A2に係合孔316、318を設けることで、アンカー81、82と本体31との係合が解除され難くなる。
また、係合孔315、316と中央部S4との離間距離と、係合孔317、318と中央部S4との離間距離とがほぼ等しくなっている。これにより、アンカー81、82がマーカーの役目をなし、生体内での本体31の中央部S4の位置を簡単に把握することができる。
以上のような本体31の先端には、針体35が設けられている。図5に示すように、針体35は、先細りした針先351と、針先351の基端側に設けられた基端部352とを有している。そして、基端部352が本体31内に挿入され、これにより、針体35が本体31に着脱自在に保持されている。なお、基端部352は、針体35の本体31からの意図しない離脱を防止できる程度の力で本体31に嵌入されている。なお、針体35は、本体31と一体的に構成されていてもよい。
また、基端部352には、挿入部71の先端部711と係合する係合部353が設けられている。係合部353は、凹部で構成され、挿入部71に穿刺部材3を挿入した挿入状態では、係合部353内に先端部711が位置している。係合部353を設けることで、挿入部71に対する針体35の変位が抑制され、生体への穿刺部材3の穿刺をより円滑に行うことができる。
以上、穿刺部材3について説明した。穿刺部材3の中心角θ4は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、後述するように、針体35が、患者の一方の鼠蹊部から体内に入り、尿道1300と膣1400の間を通過して、他方の鼠蹊部から体外に突出することができるように設定される。具体的には、中心角θ4は、150〜270°であることが好ましく、170〜250°であることがより好ましく、190〜230°であることがさらに好ましい。
また、本体31および針体35の構成材料としては、体内に挿入された状態で形状や内部空間を維持するような硬質材料が好ましい。このような硬質材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレン等の各種樹脂材料やステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料等を用いることができる。なお、本体31および針体35の構成として硬質材料を採用する他に、硬質材料以外の材料を採用する場合は、壁を補強部材で補強することでも達成される。例えば、高強度の編組体を壁内に埋め込むことにより、体内に挿入された状態で形状や内部空間を維持することができる。また、補強部材の他の例としては、本体31の壁に螺旋状物を埋め込むことにより挿入物の摺動可能な程度に内部空間を保持しつつ可撓性を備えることが可能となる。
本体31は、光透過性を有しており、外部から内部が視認可能になっているのが好ましい。これにより、例えば、内部に挿入された挿入部71の先端部711が係合部353に係合しているか、糸341が切れていないか等を確認することができる。
以上説明した穿刺部材3(本体31)と、本体31に挿入される挿入部71とで、医療用チューブ組立体10が構成され、穿刺装置1では、これらが医療用チューブ組立体10の状態で使用が開始される。
なお、糸341を通す孔(342a、342b、342c)の数および配置は、糸341によって先端分割片32と基端分割片33との接続状態を維持できる限り、特に限定されない。また、糸341は、無端状である必要はなく、一端と他端とを有する有端状であってもよい。例えば、有端状の糸を用意し、その一端を孔342aおよび基端側開口332に通した輪っかとし、他端を孔342b、342cに通した輪っかとしてもよい。また、糸341には、糸341と同様に用いることができる紐や帯等も含まれる。
(アンカー)
図8(a)に示すように、アンカー(第2アンカー)81は、本体31を挿通する挿通孔812を有する基部811と、基部811から突出し、一対の係合孔315、316と係合する一対の爪部813、814とを有している。挿通孔812の横断面形状は、本体31の横断面形状に対応している。そのため、挿通孔812に穿刺部材3が挿通された状態では、穿刺部材3に対するアンカー81の回転が規制され、これらの位置関係が適切に維持される。挿通孔812に穿刺部材3を挿入し、穿刺部材3をアンカー81に対して押し進めると、図8(b)に示すように、爪部813、814が係合孔315、316に係合する。これにより、先端分割片32にアンカー81が係合する。係合した状態では、基部811が爪部813、814よりも基端側に位置している。前述したように、穿刺部材3を挿通孔812に挿通した状態では、穿刺部材3に対するアンカー81の回転が規制されるため、爪部813、814と係合孔315、316との係合を確実に発現させることができる。
同様に、図9(a)に示すように、アンカー(第1アンカー)82は、本体31を挿通する挿通孔822を有する基部821と、基部821から突出し、一対の係合孔317、318と係合する一対の爪部823、824とを有している。挿通孔822の横断面形状は、本体31の横断面形状に対応している。そのため、挿通孔822に穿刺部材3が挿通された状態では、穿刺部材3に対するアンカー82の回転が規制され、これらの位置関係が適切に維持される。挿通孔812に穿刺部材3を挿入し、穿刺部材3をアンカー82に対して押し進めると、図9(b)に示すように、爪部823、824が係合孔317、318に係合する。これにより、基端分割片33にアンカー82が係合する。係合した状態では、基部821が爪部823、824よりも先端側に位置している。前述したように、穿刺部材3を挿通孔822に挿通した状態では、穿刺部材3に対するアンカー82の回転が規制されるため、爪部823、824と係合孔317、318との係合を確実に発現させることができる。
アンカー81、82の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料を用いることができる。
(フレーム)
フレーム2は、穿刺部材3が装着された操作部材7を回動自在に保持し、また、挿入具6およびアンカー81、82を着脱自在に固定する。フレーム2は、穿刺部材3が生体組織を穿刺する際に、針体35の穿刺経路を定める機能を有している。具体的には、フレーム2は、穿刺部材3が生体組織を穿刺したとき、針体35が尿道挿入部材4と膣挿入部材5との間をこれらに衝突せずに通過するように、穿刺部材3、尿道挿入部材4および膣挿入部材5の位置関係を定めている。
図1および図2に示すように、フレーム2は、操作部材7の軸部73を軸受する軸受部21と、穿刺部材3を案内するとともに第1、第2アンカー81、82を着脱自在に保持する案内部(保持部)22と、軸受部21と案内部22とを連結する連結部23と、挿入具6が固定される固定部24とを有している。
軸受部21は、穿刺装置1の基端側に位置し、軸J1に対してほぼ直交する方向に延在している。軸受部21の軸J1上には、貫通孔211が形成されており、この貫通孔211に軸部73が回動自在に挿入されている。これにより、フレーム2に操作部材7が軸J1まわりに回動可能な状態で支持される。
案内部22は、穿刺装置1の先端側に位置し、軸受部21と対向配置されている。図10に示すように、案内部22には、穿刺部材3を収容し、穿刺部材3を案内する略C字状の案内溝221が形成されている。また、図11に示すように、案内溝221内に配置された状態では、穿刺部材3は、裏面A4を先端側が位置し、表面A3が基端側に位置している。
また、案内部22は、アンカー81、82を着脱自在に保持している。アンカー82は、挿通孔822が案内溝221と連続するように、先端側開口222と対向して保持されており、アンカー81は、挿通孔812が案内溝221と連続するように、案内溝221の基端側開口223と対向して保持されている。
初期状態では、アンカー82の挿通孔822に本体31が挿通され、かつ、案内部22から針体35が突出している。そして、操作部材7を回転操作すると、案内部22から穿刺部材3が徐々に突出し、最終的に、図12に示すように、針体35が基端側開口223から案内部22内に侵入する。この過程にて、穿刺部材3の先端側では、穿刺部材3がアンカー81の挿通孔812内を通過し、係合孔315、316に爪部813、814が係合する。一方、穿刺部材3の基端側では、係合孔317、318に爪部823、824が係合する。これにより、アンカー81、82が穿刺部材3に係合する。
連結部23は、軸受部21と案内部22とを連結している。また、連結部23は、軸J1とほぼ平行に延在する棒状をなしている。連結部23は、把持部としても機能し、術者は、連結部23を把持して穿刺装置1を使用することができる。
固定部24は、軸J1を介して連結部23と対向配置されている。図13に示すように、固定部24は、挿入具6の後述する支持部60を嵌め込む凹部243と、雄ネジ244とを有している。支持部60を凹部243へ嵌め込み、さらに、雄ネジ244を支持部60の雌ネジ(図示せず)に締め込むことにより、挿入具6を固定部24に固定することができる。
(挿入具)
図1および図14に示すように、挿入具6は、尿道1300に挿入される尿道挿入部(第2の挿入部)41と、膣1400に挿入される膣挿入部(第1の挿入部)51と、尿道挿入部41および膣挿入部51を並んだ状態で配置、支持する支持部60とを有している。前述したように、挿入具6は、2本の生体挿入具、すなわち、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とで構成され、尿道挿入部材4が尿道挿入部41を備え、膣挿入部材5が膣挿入部51を備えている。また、支持部60は、尿道挿入部材4が備え、尿道挿入部41を支持する支持部40と、膣挿入部材5が備え、膣挿入部51を支持する支持部50とを有している。挿入具6では、支持部40、50を介して、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とが着脱自在となっている。以下、尿道挿入部材4および膣挿入部材5について順に説明する。
−尿道挿入部材−
尿道挿入部材4は、途中まで尿道1300内に挿入される長尺状の尿道挿入部41と、尿道挿入部41を支持する支持部40とを有している。なお、以下では、説明の便宜上、装着状態にて尿道1300(膀胱1310を含む)内に位置する部位を「挿入部411」とも言い、装着状態にて尿道口から体外に露出している部分であって支持部40までの部分を「非挿入部412」とも言う。
尿道挿入部41は、先端が丸みを帯びた真っ直ぐな管状をなしている。また、挿入部411の先端部には、拡張・収縮自在なバルーン42と、尿排出部47とが設けられている。図19に示すように、バルーン42は、尿排出部47が膀胱1310内に到達するまで尿道挿入部41が尿道1300に挿入された状態で、拡張することにより膀胱頸部1320に当接して、尿道1300内における尿道挿入部材4の軸方向の位置を規制する規制部(または「当接部」と言うこともできる)として機能する。具体的には、穿刺装置1の使用時には、バルーン42を患者の膀胱1320内に挿入した後に拡張させる。そして、拡張させたバルーン42が膀胱頚部1320に引っ掛かることにより、膀胱1310および尿道1300に対する尿道挿入部材4の位置が固定される。一方、尿排出部47は、膀胱1310内の尿を排出する機能を有する他、膀胱1310内に水等の液体を供給する機能も有する。
バルーン42は、尿道挿入部41内を通ってその基端部に設けられたバルーンポート43に接続されている。バルーンポート43には、シリンジ等のバルーン拡張器具を接続することができる。バルーン拡張器具からバルーン42に作動流体(生理食塩水等のような液体、気体等)を供給するとバルーン42が拡張し、反対に、バルーン拡張器具によってバルーン42から作動流体を抜き取るとバルーン42が収縮する。なお、図14では、バルーン42が収縮した状態を二点鎖線で示し、バルーン42が拡張した状態を実線で示している。
一方、尿排出部47には、尿排出部47の内外を連通する排出孔471が設けられている。また、尿排出部47は、尿道挿入部41内を通ってその基端部に設けられた尿排出ポート48に接続されている。この尿排出ポート48に例えばシリンジ等の吸引器具を接続し、当該吸引器具を操作することにより、排出孔471から導入した尿を尿排出ポート48から排出することができる。また、例えば水が予め充填されたシリンジを尿排出ポート48に接続することもできる。この場合、シリンジのプランジャを押圧操作することにより、排出孔471から水を膀胱1310内に供給することができる。
これらバルーン42および尿排出部47は、例えば、ダブルルーメンによって構成することができる。
また、挿入部411の途中には、その外周面に開口した複数の吸引孔(吸引口)44が形成されている。複数の吸引孔44は、尿道挿入部41の周方向の全域にわたって配置されている。各吸引孔44は、尿道挿入部41を通って基端部に設けられた吸引ポート45に接続されている。吸引ポート45には、ポンプ等の吸引装置を接続することができる。そして、尿道挿入部41を尿道1300に挿入すると、尿道挿入部41の挿入部411の外周面が、尿道1300と膣1400との間の生体組織、すなわち、尿道壁に当接した(または接近した)状態となり、この状態で吸引装置を作動させると、尿道壁が挿入部411の外周面側に吸引される。これにより、尿道壁と、当該尿道壁に対する当接面である、挿入部411の外周面との密着性を高めることができる。この状態で、尿道挿入部41を先端側(体内)へ押し込むと、これとともに尿道1300も押し込まれ、例えば、膀胱1310を穿刺部材3の穿刺経路と重ならない位置にずらすことができ、穿刺部材3の穿刺経路を確保することができる。そのため、穿刺部材3の穿刺を正確かつ安全に行うことができる。
なお、吸引孔44の数は、特に限定されず、例えば、1つであってもよい。また、吸引孔44の配置は、特に限定されず、例えば、尿道挿入部41の周方向の一部にのみ形成されていてもよい。
また、穿刺装置1では、各吸引孔44から吸引ポート45を経てポンプ等の吸引装置までのラインを「吸引ライン49」と言うことがある。
図14に示すように、尿道挿入部41には、挿入部411と非挿入部412とを分けるリング部材46が装着されている。リング部材46は、尿道挿入部41の長手方向に沿って移動可能であり、その移動先で固定可能に支持されている。このリング部材46は、例えば、尿道挿入部41の尿道1300への挿入深さを確認するためのマーカーとして機能したり、尿道挿入部41が尿道1300に挿入された状態で尿道口を封止するキャップとしても機能する。
挿入部411の長さとしては、特に限定されず、患者の尿道1300の長さおよび膀胱1310の形状等によって適宜設定される。一般的な女性の尿道の長さが30〜50mm程度であるため、50〜100mm程度であるのがより好ましい。
非挿入部412の長さ(尿道口と支持部40の離間距離)としては、特に限定されないが、100mm以下程度であるのが好ましく、20〜50mm程度であるのがより好ましい。これにより、非挿入部412を適切な長さとすることができ、操作性が向上する。仮に、非挿入部412の長さが上記上限値を超えると、フレーム2の構成等によっては、穿刺装置1の重心が患者から大きく離れてしまい、装着状態での穿刺装置1の安定性が低下する場合がある。
尿道挿入部材4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料、各種樹脂材料を用いることができる。
ここで、尿道挿入部41の軸J2に直交する平面f2に対する平面f9(平面f1)の傾斜角θ2は、20〜60°程度であるの好ましく、30〜45°程度であるのがより好ましく、35〜40°程度であるのがさらに好ましい。言い換えると、本体31は、平面f9と尿道1300の軸に直交する平面とのなす角が20〜60°程度となるように体内に留置されるのが好ましく、30〜45°程度となるように体内に留置されるのがより好ましく、35〜40°程度となるように体内に留置されるのがさらに好ましい。これにより、穿刺部材3の穿刺を容易に行うことができるとともに、穿刺部材3による穿刺距離をより短くすることができる。
具体的に説明すると、傾斜角θ2を上記範囲内とすることによって、図15(a)に示すように、穿刺部材3が骨盤1100の左右の閉鎖孔1101、1102を平面的に広く捉えることができ、穿刺部材3の穿刺スペースを広く確保することができる。すなわち、患者を所定の体位(砕石位)にした状態で、閉鎖孔1101、1102に対して穿刺部材3を比較的垂直方向に穿刺することができる。そのため、穿刺部材3の穿刺を容易に行うことができる。加えて、閉鎖孔1101、1102に対して穿刺部材3を比較的垂直方向に穿刺することで、組織の浅い部分を通過するため、穿刺部材3の針体35が左右の閉鎖孔1101、1102の間をより短い距離で通過することができる。そのため、図15(b)に示すように、穿刺部材3を閉鎖孔1101、1102の恥骨結合1200寄り、好ましくはセーフティゾーンS5を通過させることができる。セーフティゾーンS5は、損傷を避けたい神経や血管が少ない部位であるため、穿刺部材3を安全に穿刺することができる。そのため、より低侵襲となり、患者の負担を小さく抑えることができる。このように、傾斜角θ2を上記範囲とすることによって、患者への穿刺部材3の穿刺をより適切に行うことができる。また、上述の角度にて穿刺することにより、尿道1300の長さ方向における中位部を指す中部尿道と膣1400の間の組織を目標にし易くなる。中部尿道と膣1400の間は、インプラント9を埋設して尿失禁の治療を行う部位として適した位置である。
これに対して、傾斜角θ2が上記下限値未満の場合または上記上限値を超える場合は、患者の個体差、手技中の姿勢等によっては、穿刺部材3が閉鎖孔1101、1102を平面的に広く捉えることができなかったり、穿刺経路を十分に短くすることができなかったりする場合がある。
より好ましくは、尿道1300または膣1400、尿道1300および膣1400の両方を体内側へ押し込むように位置をずらした状態で穿刺すると中部尿道と膣1400の間を穿刺し易い。尿道1300および膣1400のいずれか一方を体内側へ押し込む方法は、例えば、尿道挿入部材4および/または膣挿入部材5を適切な位置に挿入した状態にし、これらに備えられている後述する吸引孔44、59によって、尿道1300および/または膣1400を吸着させた後、尿道挿入部材4および/または膣挿入部材5をさらに所定の位置まで各々の軸線に沿って体内側へ移動させる方法とすることができる。このようにして尿道1300と膣1400の少なくとも一方を体内側へ押し込むように位置をずらした状態で、本体31を骨盤の左右の閉鎖孔1101、1102に対して垂直に穿刺することにより、インプラント9の留置に適した位置に通路を形成することができる。
本体31の軌道が骨盤の左右の閉鎖孔1101、1102のセーフティゾーンS5を通過するようにセットし、該軌道が中部尿道と膣1400の間に位置するように尿道1300と膣1400の少なくとも一方を体内側へずらし、本体31を軌道に沿って穿刺して通路を形成することが好ましい。
−膣挿入部材−
図1および図14に示すように、膣挿入部材5は、途中まで膣1300内に挿入される長尺状の膣挿入部(第1の挿入部)51と、膣挿入部51を支持する支持部50とを有している。なお、以下では、説明の便宜上、装着状態にて膣1400内に位置する部位を「挿入部511」とも言い、装着状態にて膣口から体外に露出している部分であって支持部50までの部分を「非挿入部512」とも言う。
挿入部511は、長尺状をなしている。また、挿入部511は、先端側が挿入部411から離間するように、挿入部411に対して傾斜して延在している。挿入部511を挿入部411に対して傾斜させることにより、傾斜していない場合と比較して、挿入部411、511の位置関係を尿道1300と膣1400の位置関係に近づけることができる。そのため、装着状態にて、穿刺装置1がより安定して患者に保持されるとともに、患者への負担が軽減される。挿入部511の挿入部411に対する傾斜角θ3としては、特に限定されないが、例えば、0〜45°程度であるのが好ましく、0〜30°程度であるのがより好ましい。これにより、上記効果をより顕著に発揮することができる。これに対して、傾斜角θ3が上記下限値未満の場合や上記上限値を超えた場合は、患者の個体差、手技中の姿勢等によっては、装着状態にて膣や尿道が不自然に変形し、穿刺装置1が安定して保持されない場合がある。
図16に示すように、挿入部511は、穿刺装置1の上下方向(尿道1300および膣1400の配列方向)に潰れた扁平形状をなしている。また、挿入部511は、その幅がほぼ一定な中央部と、丸みを帯びた先端部とを有している。挿入部511の長さL2としては、特に限定されないが、20〜100mm程度であるのが好ましく、30〜60mm程度であるのがより好ましい。また、挿入部511の幅W1としては、特に限定されないが、10〜50mm程度であるのが好ましく、20〜40mm程度であるのがより好ましい。また、挿入部511の厚みとしては、特に限定されないが、5〜25mm程度であるのが好ましく、10〜20mm程度であるのがより好ましい。このような長さ×幅×厚みとすることにとり、挿入部511が一般的な膣1400に適した形状、大きさとなる。そのため、装着状態における穿刺装置1の安定性が増すとともに、患者への負担が低減される。
また、挿入部511の上面(尿道挿入部41側の面)511aには、行列状に配置された複数の有底の凹部53が形成されている。なお、凹部53の数は、特に限定されず、例えば、1つであってもよい。また、各凹部53の底面には、1つの吸引孔59が設けられており、各吸引孔59は、挿入部511内を通ってその基端部に設けられた吸引ポート54に接続されている。吸引ポート54は、装着状態において生体外に位置するように設けられている。吸引ポート54には、ポンプ等の吸引装置を接続することができる。そして、膣挿入部51を膣1400に挿入すると、膣挿入部51の挿入部511の上面511aが、尿道1300と膣1400との間の生体組織、すなわち、膣壁に当接した(または接近した)状態となり、この状態で吸引装置を作動させると、膣壁が挿入部511の上面511a側に吸引される。これにより、膣壁と、当該膣壁に対する当接面である、挿入部511の上面511aとの密着性を高めることができる。この状態で、膣挿入部51を先端側(体内)へ押し込むと、これとともに膣壁を押し込むことができる。そのため、膣壁の配置や形状を整えることができ、穿刺部材3の穿刺経路を確保することができ、穿刺部材3の穿刺を正確かつ安全に行うことができる。
なお、吸引孔59は、本実施形態では1つの凹部53に1つ形成されているが、これに限定されず、1つの凹部53に複数形成されていてもよい。また、吸引孔59の総数は、複数であるのに限定されず、1つであってもよい。
また、穿刺装置1では、各吸引孔59から吸引ポート54を経てポンプ等の吸引装置までのラインを「吸引ライン58」と言うことがある。
図14に示すように、複数の凹部53が形成されている領域S2は、領域S1と対向配置されている。そして、これら領域S1、S2の間を穿刺部材3の針先351が通過する。前述したように、領域S1では尿道壁の下面である尿道1300が挿入部411に吸着され、領域S2では膣前壁が挿入部511に吸着されているため、領域S1、S2の間では尿道壁と膣壁とがより広く離間している。そのため、このような領域に穿刺部材3を通過させることによって、穿刺部材3をより安全に穿刺することができる。
領域S2は、上面511aの幅方向のほぼ全域にわたっている。領域S2の幅W2としては、特に限定されないが、9〜49mm程度であるのが好ましく、19〜39mm程度であるのがより好ましい。これにより、膣壁の形状にあまり影響を受けずに、膣前壁をより確実に挿入部511に吸着させることができる。特に、患者によっては、図17(a)に示すように、膣前壁1410の一部が膣1400内へ垂れ下がったような形状の膣1400を有している場合がある。このような場合でも、上記のような幅W2とすれば、図17(b)に示すように、垂れ下がった部分のみならず、垂れ下がった部分の両側の部分も確実に吸引することができる。そのため、膣1400の形状に影響を受けずに、より確実に膣前壁を尿道1300から離間させることができる。特に、本実施形態では、挿入部511が扁平形状をなしているため、膣前壁をより尿道1300から遠ざけるように吸着することができ、尿道壁と膣壁との間の生体組織をより広く広げることができる。
図14、図16に示すように、領域S2の先端側直近、すなわち、吸引口59よりも先端側(挿入方向前方)には、突部11が配置されている。突部11は、尿道挿入部材5側に向かって突出しており、当該尿道挿入部材5の拡張したバルーン11が膀胱頸部1320に当接しているか否かを検出する当接検出部として機能する。なお、突部11の頂部111は、丸みを帯びているのが好ましい。
ところで、尿道挿入部材5を尿道1300に挿入した状態で、バルーン42を拡張させ、尿道挿入部材5の位置決めのために当該バルーン42を膀胱頸部1320に当接させようとして、尿道挿入部材5を基端方向に引張ることがある。この場合、例えば高齢の女性で、膀胱頸部1320が比較的弱まっている患者に対しては、図20(b)に示すように、バルーン42が膀胱頸部1320を押し広げて、尿道1300にまで過剰に入り込んでしまう。この図20(b)に示す状態は、想定される穿刺部材3の生体組織に対する穿刺経路Mと、尿道1300(膀胱頸部1320)とが干渉した状態となっており、女性の尿失禁の治療には好ましくない。そして、このような状態は、術者にとっては把握しづらい。
そこで、突部11により、尿道挿入部材5の拡張したバルーン11が膀胱頸部1320に当接しているか否か、すなわち、尿道1300にまで過剰に入り込んでいないことを検出することができる。以下、これについて説明する。
まず、図19に示すように、尿道挿入部材5を尿道1300に挿入して、バルーン42を膀胱1310内で拡張する。次に、図20(a)に示すように、尿道挿入部材5を尿道1300に挿入し、膣挿入部材5を膣1400に挿入して、尿道挿入部材5を基端側に引張る。
なお、膣挿入部材5の膣1400への挿入深さとしては、マーカー57が尿道口から例えば15mm程度奥側に位置する深さとするのが好ましい。このとき、突部11は、膀胱頸部1320付近を尿道挿入部材5側に向かって押圧した状態となる。
そして、前述したように尿道挿入部材5を基端側に引張ると、突部11側に拡張したバルーン42が尿道1300にまで過剰に入り込まずに、膀胱頸部1320に軽く当接する程度であれば、その振動が膀胱頸部1320(生体組織)を介して突部11に伝わる。この突部11による検出結果により、術者は、バルーン42が膀胱頸部1320に当接しており、よって、穿刺経路Mが膀胱頸部1320よりも尿道口側に位置した状態となっている、すなわち、検出部としての突部11が穿刺部材3の穿刺経路Mに対して先端側に位置するのを判断、把握することができる。そして、この状態で穿刺を行なえば、穿刺部材3の針体35が尿道1300または膀胱1310を穿刺する、すなわち、誤穿刺が生じるのを確実に防止することができる。換言すれば、尿道1300と膣1400との間に位置する生体組織に対して、穿刺等の外科的処置を施す際、その処置を確実に行なうことができる。
また、図16に示すように、突部11は、膣挿入部材5の長手方向に対して直交する方向、すなわち、幅方向に沿って延在している。これにより、例えば突部11がピン状をなす場合に比べて、バルーン11が膀胱頸部1320に当接しているか否かを検出する面積を広く確保することができ、よって、その検知を確実に行なうことができる。
また、挿入部511には、穿刺装置1の穿刺ルートを確認することのできるマーカー(穿刺位置確認部)57が設けられている、つまり、マーカー57の存在する位置の上面に存在する膣壁と尿道壁の間を穿刺するように穿刺装置を固定することができる。そのため、挿入具6の操作性および安全性が向上する。マーカー57は、少なくとも、挿入部511の下面511bに設けられている。下面511bは、挿入状態にて、膣口側を向き、膣口を介して術者が視認できる面であるため、下面511bにマーカー57を設けることによって、より確実に、穿刺装置1の穿刺ルートを確認することができる。また、挿入部511の膣1400への挿入深さを確認することもできる。なお、マーカー57としては、外部から視認できれば良く、例えば、着色部、凹凸部等により構成することができる。
非挿入部512は、尿道挿入部41とほぼ平行に延在する細い棒状をなしている。非挿入部512と尿道挿入部41との離間距離Dとしては、特に限定されないが、一般的な女性における尿道口と膣口との離間距離に対応させて、5〜40mm程度であるのが好ましい。
非挿入部512の長さ(膣口と支持部50の離間距離)としては、特に限定されないが、100mm以下程度であるのが好ましく、20〜50mm程度であるのがより好ましい。これにより、非挿入部512を適切な長さとすることができ、操作性が向上する。仮に、非挿入部512の長さが上記上限値を超えると、フレーム2の構成等によっては、穿刺装置1の重心が患者から大きく離れてしまい、装着状態での穿刺装置1の安定性が低下する場合がある。
支持部50には、雄ネジ501が設けられており、この雄ネジ501を支持部40の雌ネジ(図示せず)に締め込むことにより、支持部40、50同士が固定される。
膣挿入部材5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、尿道挿入部材4と同様に、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような各種金属材料、各種樹脂材料を用いることができる。
また、支持部40は、尿道挿入部41をその長手方向に移動可能に支持しており、これにより、支持部40と支持部50とが連結された状態では、突部11とバルーン42とが接近・離間(接近および/または離間)可能である。
以上、穿刺装置1の構成について説明した。
なお、穿刺装置1では、挿入具6を構成する尿道挿入部材4と膣挿入部材5とが着脱自在に構成されていたが、これに限定されず、尿道挿入部材4と膣挿入部材5が着脱不可となっていてもよい。
また、穿刺装置1では、尿道挿入部41が支持部40に対して固定されているが、これに限定されず、尿道挿入部41が支持部40に対して固定される状態と、支持部40に対して軸方向にスライド可能な状態とを選択できるようになっていてもよい。具体的には、例えば、支持部40に設けられたネジを緩めれば、尿道挿入部41が支持部40に対してスライド可能な状態となり、ネジを締め込めば、尿道挿入部41が支持部40に固定された状態となる構成となっていてもよい。この構成によれば、非挿入部412の長さを調節することができるため、より使い勝手のよい挿入具6となる。このことは、膣挿入部51についても同様である。また、尿道挿入部41を尿道1300で前後に移動させることで、膀胱1310に当接したバルーン42が膣挿入部41の突部11に生体組織を介して接触し膀胱1310でのバルーン42の位置を確実に把握することができる。
また、穿刺装置1では、傾斜角θ2が一定となるように各部がフレーム2に固定されているが、これに限定されず、傾斜角θ2が可変となっていてもよい。これにより、患者に合わせて傾斜角θ2を調節することができるため、より使い勝手のよい穿刺装置1となる。
2.穿刺装置1の使用方法
次に、穿刺装置1の使用方法について説明するが、それに先立って、穿刺装置1と共に使用されるインプラント9について説明する。
図18に示すインプラント(生体組織支持用留置物)9は、女性の尿失禁の治療のための埋設可能な器具、すなわち、尿道を支持する器具、例えば、尿道が膣壁側に移動しようとしたときに、その尿道を膣壁から離間する方向への移動を規制するように支持する器具である。このインプラント9としては、例えば、可撓性を有する長尺物を用いることができる。
インプラント9は、インプラント本体(帯状長尺物)91と、インプラント本体91を収容する袋状の包材92とを有している。また、インプラント本体91は、本体部911と、本体部911の片端に連結された帯912とを有している。インプラント9が包材92を備えることによって、インプラント本体91の汚染を効果的に防止することができる。なお、帯912に替えて、ガイドワイヤ、紐、糸等を用いてもよい。
本体部911は、網状をなしており、その全体形状は、帯状をなしている。なお、本体部911は、例えば、線状体を交差させて網状に編んだもの、すなわち、網状の編組体で構成することができる。線状体としては、例えば、その横断面形状が円形のものや、横断面形状が扁平形状のもの、すなわち帯状のもの等が挙げられる。
本体部911、帯912および包材92の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等のような生体適合性を有する各種樹脂材料、繊維等を用いることができる。
なお、インプラント9としては、同様の効果を発揮することができれば、前記網状のものに限定されない。このようなインプラント9とシース30とで、本発明の骨盤内治療用キットが構成される。
次に、穿刺装置1の操作手順(穿刺方法)、すなわち、インプラント9を生体内に埋設する際の手順手について説明する。
まず、患者を手術台上で砕石位とし、図19に示すように、尿道挿入部材4の尿道挿入部41を患者の尿道1300内に挿入する。この際、予め所定の位置に配置されたリング部材46で挿入深さを確認し、バルーン42を膀胱1310内に配置する。尿道1300は、所定形状の尿道挿入部41によりその所定形状に矯正される。本実施形態の場合は、直線状の尿道挿入部41によって直線状に尿道が矯正されている。
次に、バルーン42を拡張させるとともに、必要に応じて排出孔471を介して膀胱1310内から尿を排出する。
次に、図20に示すように、膣挿入部材5の膣挿入部51を患者の膣1400内に挿入する。この際、マーカー57で穿刺位置を確認し、適切な深さまで挿入する。
そして、尿道挿入部材4を基端側に引張る。このとき、尿道挿入部材4は、図20(a)に示す状態か、または、図20(b)に示す状態となる。
図20(a)に示す状態では、前述したように、バルーン42が尿道1300にまで過剰に入り込まずに、膀胱頸部1320に軽く当接して、その振動が膀胱頸部1320を介して突部11に伝わる。これにより、術者は、バルーン42が膀胱頸部1320に当接しており、よって、穿刺経路Mが膀胱頸部1320よりも尿道口側に位置した状態、すなわち、穿刺に際し好ましい状態となっているのを把握することができる。
一方、図20(b)に示す状態では、振動が術者には伝わらず、当該術者は、バルーン42が尿道1300にまで過剰に入り込んでおり、穿刺に際し好ましくはない状態となっているのではないかと予想することができる。この場合、尿道挿入部材4を押したり、引いたりして、図20(a)の状態にする。
次に、図21に示すように、雄ネジ501を操作して、支持部40、50を固定する。これにより、患者への挿入具6の装着が完了する。この状態では、非挿入部412、512同士が離間し、さらに、支持部60が尿道口と膣口の間の体表と離間しており、前記体表が露出している。加えて、挿入部511と膣前壁とが離間し、これらの間に隙間(空間)が形成されている場合は、尿道口と膣口と間の体表から、尿道1300と膣1400との間の生体組織へ注射器(注入具)2000を穿刺するための空間S3が形成される。なお、注射器2000は、予め生理食塩水等や局所麻酔等の液体が充填されており、先端部に注射針2001が装着されたものである。
また、尿道挿入部材4のリング部材46を尿道口に密着させ、固定する。
次に、吸引ポート45、54に吸引装置を接続し、吸引装置を作動させ、尿道1300を尿道挿入部41に吸着させるとともに、膣前壁を膣挿入部51に吸着させる。例えば、尿道1300が尿道挿入部41にきちんと吸着されれば、吸引孔44が尿道壁によって塞がれるため、吸引ポート45からの吸引が停止または弱まる。同様に、膣前壁が膣挿入部51にきちんと吸着されれば、吸引孔59が膣壁によって塞がれるため、吸引ポート54からの吸引が停止または弱まる。そのため、術者は、吸引ポート45、54からの吸引具合(例えば、吸引により発生する音の大小)から、尿道1300、膣前壁が尿道挿入部41、膣挿入部51にきちんと吸着されているか否かを確認することができる。なお、挿入具6は、機械的に吸着状態を確認する確認機構を有していてもよい。確認機構としては、吸着状態を確認することができれば、特に限定されないが、例えば、吸引ポート54からの流量を測定する流量測定部(負圧計)と、この流量測定部からの測定結果に基づいて吸着がきちんと行われているか否かを判断する判断部とを有する構成とすることができる。
次に、液性剥離を行う。具体的には、図21に示すように、挿入部511と膣前壁1410との間の空間(空間S3)を介して注射器2000の注射針2001を基端側から膣前壁1410に穿刺し、尿道1300と膣1400との間(領域S1、S2の間)の生体組織へ、生理食塩水や局所麻酔等を注入する。これにより、領域S1、S2の間の生体組織が膨張し、尿道1300が尿道挿入部41に押し付けられ、膣前壁1410が膣挿入部51へ押し付けられる。
ここで、液性剥離中も吸引孔44、59からの吸引を継続して行うのが好ましい。液性剥離によって、尿道1300が尿道挿入部41に押し付けられると、尿道1300が尿道挿入部41にさらに吸着されるため、吸引ポート45からの吸引が停止または弱まる。同様に、膣前壁が膣挿入部51に押し付けられると、膣前壁が膣挿入部51にさらに吸着されるため、吸引ポート45からの吸引が停止または弱まる。したがって、術者は、吸引ポート45、54からの吸引具合から、きちんと液性剥離が行われたか否かを確認することができる。
液性剥離を行い、尿道1300と膣前壁とが十分に離間した状態とした後、図22に示すように、挿入具6にフレーム2を固定する。これにより、穿刺装置1が患者に装着された状態となる。この状態では、骨盤1100と穿刺装置1との位置関係が、図23に示すような状態となる。
次に、例えば、一方の手でフレーム2の連結部23を把持しつつ、他方の手で操作部材7の連結部72を把持し、図24(a)に示すように、操作部材7を反時計回りに回転させる。これにより、穿刺部材3の針体35は、注射針2001と異なる方向から、すなわち、患者の右側の鼠蹊部またはその近傍の部位(第1部位)の体表面Hを穿刺して体内に入り、一方の閉鎖孔1101、尿道1300と膣1400との間、他方の閉鎖孔1102を順に通過した後、左側の鼠蹊部またはその近傍の部位(第2部位)の体表面Hから体外に突出し、最終的に、案内部22内に退避する(図25参照)。
これにより、生体に穿刺部材3が配置されるとともに、前述した原理によって、本体31にアンカー81、82が係合する。そのため、アンカー82が体表面Hに当接することで、本体31の基端部のそれ以上の生体内への挿入が規制される。言い換えれば、本体31の基端が生体外へ露出した状態を確保することができる。
次に、操作部材7を図24(a)中時計回りに回転させる。この際、穿刺部材3も操作部材7とともに反時計回りに回転しようとするが、アンカー81が体表面Hに当接することによって、それ以上の回転(移動)が防止される。そのため、本体31の先端が生体外へ露出した状態が維持されつつ、挿入部71が穿刺部材3および生体から抜去される。次に、穿刺装置1(穿刺部材3以外の部材)を患者から取り外し、さらに、本体31から針体35を取り外す。これにより、図24(b)に示すように、本体31のみが生体内に配置された状態となる。本体31は、先端側開口および基端側開口が共に生体外に露出した状態で生体内に配置される。
次に、必要に応じて、本体31の位置を整える。具体的には、本体31を基端側または先端側へずらし、アンカー81、82の生体との位置を左右対称とする。これにより、本体31の中央部S4を、より確実に、尿道1300と膣1400との間に位置させることができる。この状態では、図26に示すように、中央部S4は、その幅方向(長軸J32方向)Wが尿道1300とほぼ平行に配置されている。すなわち、尿道挿入部材4が挿入されて矯正された尿道1300と中央部S4の幅方向Wは、実質的に平行に位置している。
次に、インプラント本体91を包材92から取り出しつつ本体31内に挿入し、図27(a)に示すように、帯912を本体31の基端側開口および先端側開口から突出させた状態とする。このように、本体31内に配設する直前まで、インプラント本体91を包材92に収容することで、インプラント本体91の汚染を防止することができる。なお、前述したように、本体31が扁平形状なしているため、この扁平形状に本体部911の姿勢が倣う。すなわち、図27(b)に示すように、本体部911は、その幅方向が本体31の幅方向と一致するように、本体31内に配置される。尿道1300との関係からは、インプラント本体91は矯正された尿道1300と平行に配置されている。
次に、図28(a)に示すように、露出孔345、346から露出する糸341を切断する。これにより、本体31を先端分割片32と基端分割片33とに分割できる状態となる。なお、露出孔345、346は、アンカー82よりも基端側に位置するため、確実に生体外へ露出するようになっている。そのため、糸341の切断を容易に行うことができる。
次に、尿道挿入部41による尿道1300の吸着と膣挿入部51による膣前壁1410の吸着を停止する。これにより、尿道1300と膣1400の位置や形状が元の自然状態に戻る。
次に、先端分割片32と基端分割片33の接続を解除し、先端分割片32を先端側へ向けて生体から引き抜くとともに、基端分割片33を基端側へ向けて生体から引き抜く。この際、先端分割片32と基端分割片33を反対方向にほぼ同時に移動させ、先端分割片32および基端分割片33をそれぞれその形状に沿うように円弧状に移動させる。これにより、本体31が生体からスムーズに取り除かれる。先端分割片32および基端分割片33を前述のようにして生体から取り除いていくと、本体31により押し広げられていた周囲の組織が元の位置に戻り、インプラント本体91の中央部から両端部に向けて徐々に組織がインプラント本体91に接触していく。前述のように、先端分割片32および基端分割片33をその形状に沿った方向に移動させていることと、本体31がインプラント本体91を十分に低摺動で移動可能な内部空間を備えることにより、インプラント本体91に不要な引張力が掛からずそのままの状態で留置することができる。これにより、インプラント本体91のテンションの調節が不要になる。以上によって、図28(b)に示すように、インプラント本体91が生体に埋設された状態となる。
インプラント本体91が生体に埋設された状態では、本体部911は、尿道1300と膣1400の間の領域にて、尿道1300とほぼ平行に配置される。そのため、インプラント本体91によって、尿道1300をより広域で支持することができる。
このように、本体31を分割して生体から取り除くことによって、本体31の生体からの抜去を容易に行うことができる。また、アンカー81、82を本体31から除去しなくても、本体31を生体から抜去することができるため、本体31の抜去を容易に行うことができる。また、このような抜去方法によれば、抜去中の分割片32、33が、尿道1300と膣1400の間の領域での本体部911の姿勢にほとんど影響を及ぼさない。
また、尿道挿入部材4が尿道1300に挿入された状態で分割片32、33を生体内から抜去するため、生体内に留置するインプラント本体91により、過度のテンションが尿道1300にかかることを防ぐことが出来る。
次に、尿道挿入部材4を尿道1300から抜去し、膣挿入部材5を膣1400から抜去する。尿道挿入部材4を抜去した後、尿道1300は、自然状態の形状に戻るが、本体部911は組織に埋め込まれているため、自然状態の尿道1300と本体部911と平行の状態を維持することができる。
その後、インプラント本体91の不要な部分を切除し、手技を終了する。
以上説明したように、穿刺装置1によれば、穿刺部材3による穿刺に先立って、穿刺経路Mが例えば尿道1300と干渉した状態となっているのを検出することができ、よって、その穿刺を安全に行なうことができる。また、インプラント9を留置する際、その穿刺部材3の穿刺等の低侵襲の手技のみで対応することができ、侵襲の大きい切開等を行わなくてよいので、患者の負担が少なく、また、患者の安全性も高い。また、インプラント本体91を尿道1300と平行に埋設することができるため、尿道1300をより広域で支持することができる。また、穿刺部材3により尿道1300および膣1400を避けて生体を穿刺することができ、穿刺部材3が尿道1300、膣1400を穿刺してしまうことを防止することができ、安全である。また、従来の膣を切開する場合のようにその切開により生じた傷口からインプラント9が膣内に露出してしまうことや、前記傷口から感染してしまう等の合併症が生じることを防止することができ、非常に安全であり、確実にインプラント9を埋設することができる。
<第2実施形態>
図29(a)および(b)は、本発明の生体挿入装置(第2実施形態)が有する膣挿入部材に対する操作方法を説明するための側面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図29に示すように、本実施形態では、膣挿入部材5の突部11は、板片で構成され、頂部111が膣挿入部51の上面511aに対して出没自在に支持されている。これにより、突部11は、尿道挿入部材4から退避した第1の状態(図29(a)参照)と、尿道挿入部材4側、すなわち、図29中の上側に向かって突出した第2の状態(図29(b)参照)とを取り得る。
膣挿入部材5を膣1400に挿入するときには、突部11を第1の状態とするのが好ましい。これにより、膣1400への挿入に際し、突部11が邪魔になるのを防止することができ、よって、その挿入が容易となる。また、挿入後に膣挿入部51の上面511aを膣壁に宛がいたい場合にも、突部11が邪魔になるのを防止することができる。
そして、第1の状態にある突部11を第2の状態に移行することができる。
なお、第1の状態では、突部11の頂部111と反対側の部分112が膣挿入部51の下面511bから突出している。この突出した部分112を押圧することにより、突部11を容易かつ確実に第2の状態とすることができる。
<第3実施形態>
図30は、本発明の生体挿入装置(第3実施形態)が有する膣挿入部材の側面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の形状が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図30に示すように、本実施形態では、膣挿入部51の上面511aには、凹部511cが形成されている。この凹部511cに対し穿刺経路Mが離間するように通過することができる。
また、凹部511cの縦断面形状は、くさび状をなす。このような凹部511cが形成されていることにより、凹部511cの先端側が突出した状態となり、当該突出した部分が突部11として機能する。
このような構成では、突部11の上面511aからの突出を抑制することができる。これにより、膣挿入部材5を膣1400に挿入する際に、突部11が邪魔になるのを防止することができ、よって、その挿入が容易となる。
<第4実施形態>
図31は、本発明の生体挿入装置(第4実施形態)の操作手順を説明するための図である。図32は、本発明の生体挿入装置(第4実施形態)の操作手順を説明するための図である。図33は、本発明の生体挿入装置(第4実施形態)の操作手順を説明するための図であり、(a)が操作が適正な場合の図、(b)が操作が不適正な場合の図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、尿道挿入部材の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図31〜図33に示すように、本実施形態では、尿道挿入部材4は、バルーン42が膀胱頸部1320に当接していることを検出する位置決め検出部として機能する少なくとも1本の検出用ルーメン(流路)12を有している。検出用ルーメン12は、尿道挿入部材4の尿道挿入部41の長手方向に沿って形成されている。そして、この検出結果(検出方法)により、バルーン42が膀胱頸部1320に当接して位置決めされた位置決め状態で、位置決め状態が正しいか否かを判断することができる。
また、検出用ルーメン12は、膀胱1310内の液体が流入可能な流入口121を有している。流入口121は、バルーン42よりも基端側直近で尿道挿入部41の外周面に設けられ、バルーン42が膀胱1310内に挿入、配置された状態で膀胱1310内に側方を向いて開口するように形成されている。また、流入口121は、バルーン42と吸引孔44との間に位置して形成されている。また、流入口121は、膀胱1310内に開口するよう配置されているが、これに限定されず、例えば、膀胱1310内および尿道1300の双方に開口してもよいし、尿道1300に開口してもよい。
なお、流入口121が複数形成されている場合、これら流入口121は、尿道挿入部41の周方向に沿って等間隔に配置されているのが好ましい。
前述したように、尿道挿入部材5を尿道1300に挿入した状態で、バルーン42を拡張させ、尿道挿入部材5の位置決めのために当該バルーン42を膀胱頸部1320に当接させようとして、尿道挿入部材5を基端方向に引張ることがある。この引張りが不十分であると、図33(b)に示すように、バルーン42が膀胱頸部1320に当接せずに位置決めがなされない状態となる。この図33(b)に示す状態も、穿刺経路Mと尿道1300(膀胱頸部1320)とが干渉した状態となっていることがあり、女性の尿失禁の治療には好ましくない。そして、このような状態は、術者にとっては把握しづらい。
そこで、検出用ルーメン12により、尿道挿入部材5の拡張したバルーン11が膀胱頸部1320を覆うように当接して位置決めがなさてるか否かを検出することができる。以下、これについて説明する。
まず、図31に示すように、尿道挿入部材5を尿道1300に挿入して、バルーン42を膀胱1310内で拡張する。その後、尿排出部47を介して膀胱1310内の尿が排出される(流出する)。
次に、図32に示すように、尿道挿入部材5を基端側に引張り、吸引孔44により尿道壁を吸引して、尿排出部47を介して水Nを供給する。これにより、膀胱1310内が水Nで一旦満される。
次に、尿道挿入部材5の引張りが適正であれば、図33(a)に示すように、バルーン11が膀胱頸部1320に当接する。一方、引張りが不適正、すなわち、引張が不十分であれば、図33(b)に示すように、バルーン11が膀胱頸部1320にまで当接せず、バルーン11と膀胱頸部1320との間に間隙1330が形成される。
そして、図33(a)に示すように、位置決め状態が正しい場合には、バルーン42が膀胱頸部1320に当接しており、その周辺を封止しているため、水Nの流入口121への阻止されている、すなわち、水Nが検出用ルーメン12を流下しない。また、図33(b)に示すように、位置決め状態が否の場合には、水Nは、間隙1330を経て流入口121に流入することとなる。これにより、水Nは、検出用ルーメン12を流下する。術者は、検出用ルーメン12を流下する水Nを確認する、すなわち、フラッシュバックを確認することができる。
このように尿道挿入部材5では、フラッシュバックの有無を確認する、すなわち、検出用ルーメン12による検出結果を確認することができる。これにより、術者は、位置決め状態が正しく、よって、穿刺経路Mが膀胱頸部1320よりも尿道口側に位置した状態となっているのを判断、把握することができる。
そして、穿刺部材3による穿刺(穿刺方法)を行なえば、その穿刺経路Mは、生体組織に対して目的とした部位を経るものとなり、よって、確実に安全な穿刺を行なうことができる。
また、尿道挿入部41の流入口121が配されている部分の太さは、吸引孔44が配されている部分の太さよりも細い縮径部413となっている。吸引孔44よる尿道壁の吸引が行なわれた場合、尿道壁が尿道挿入部41側に引張られて、尿道挿入部41の外周面に密着する。そして、この引張られた尿道壁は、流入口121の方まで及ぶことがあるが、縮径部413では密着するのが防止される。これにより、流入口121が尿道壁で塞がれるのが確実に防止され、よって、フラッシュバックの有無を確実に確認することができる。
<第5実施形態>
図34は、本発明の生体挿入装置(第5実施形態)が有する尿道挿入部材の側面図である。図35は、図34中のB−B線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、尿道挿入部材の構成が異なること以外は第4実施形態と同様である。
図34に示すように、本実施形態では、流入口121は、尿道挿入部41の縮径部413と、縮径部413よりも基端側の大径部414との境界部415に設けられており、先端方向を向いている。流入口121がこのような配置となっていることにより、吸引された尿道壁で流入口121が塞がれるのがより確実に防止され、よって、フラッシュバックの有無をより確実に確認することができる。
<第6実施形態>
図36は、本発明の生体挿入装置(第6実施形態)が有する尿道挿入部材の横断面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、尿道挿入部材の構成が異なること以外は第5実施形態と同様である。
図36に示すように、本実施形態では、流入口121は、縮径部413側に偏在している。尿道挿入部41が大径部414に縮径部413を挿入して組み立てられた構造である場合、流入口121を縮径部413側に偏在している配置にすれば、当該流入口121の形成を容易に行なうことができる。また、流入口121の大きさを、前記第6実施形態での流入口121の大きさよりも大きく設定することができる。
<第7実施形態>
図37は、本発明の生体挿入装置(第7実施形態)が有する尿道挿入部材の側面図である。図38は、図37中のC−C線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、尿道挿入部材の構成が異なること以外は第4実施形態と同様である。
図37、図38に示すように、本実施形態では、流入口121は、尿道挿入部41のバルーン42との境界部416に設けられており、先端方向を向いている。また、尿道挿入部41には、尿道挿入部41の外周面から流入口121に至る溝417が形成されている。これにより、膀胱1310内の液体は、位置決め状態が否の場合、溝417を介して流入口121に流入することができる。
<第8実施形態>
図39は、本発明の生体挿入装置(第8実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。図40は、図39中のD−D線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図39、図40に示すように、本実施形態では、膣挿入部材5は、尿道1300と膣1400との間の生体組織、すなわち、膣壁に当接し得る上面511aに凹没して形成された1つの凹部53を有している。この凹部53の底部531には、複数の吸引孔59が行列状に配置されている。
図40に示すように、この膣挿入部材5の凹部53には、膣壁が吸引された状態で当該膣壁が各吸引孔59に到達するのを阻止する阻止部13が設けられている。阻止部13は、少なくとも1部が線状をなす複数本の線状体131で構成されおり、これらの線状体131同士を交差させて格子状にしたものである。そして、各線状体は、それぞれ、凹部53の底部531から立設した互いに対向する側壁532間に架設されて、すなわち、繋ぐように設けられている。
なお、阻止部13の凹部53に対する配置箇所は、できる限り上方、すなわち、凹部53の底部531からできる限り離間した位置がより好ましい。
また、図39中の左右方向の線状体131同士の間隔と、上下方向の線状体131同士の間隔とは、それぞれ、例えば、5mm以上であるのが好ましい。
また、左右方向の線状体131同士の間隔と、上下方向の線状体131同士の間隔とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合、後者の方が前者よりも大きいのが好ましい。
また、阻止部13は、本実施形態では複数本の線状体131同士を交差させて格子状にしたものであるが、これに限定されず、例えば、複数本の線状体131同士が一方向に平行に配置されたものであってもよい。
また、各線状体131の横断面形状としては、特に限定されず、例えば、多角形状、円形状、楕円形状等が挙げられる。
また、各線状体131の線径は、吸引孔59の開口径よりも小さくてもよいし、同じであってもよいし、大きくてもよい。
また、線状体131の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種金属材料や各種樹脂材料を用いることができる。
ところで、膣壁に対する吸引力は、膣壁が実際に吸引されている面積(以下「吸引面積」と言う)に比例する。ここで、膣壁が凹部53の底部531に入り込んで各吸引孔59に直接接して当該吸引孔59を塞いでいる場合の吸引面積と、膣壁が凹部53の途中にまで入り込んでいるが、吸引孔59を塞いでいない場合の吸引面積とを比較してみる。前者の吸引面積は、後者の吸引面積よりも著しく小さい。このため、膣壁に対する吸引力は、前者の方が後者よりも低くなる。このため、膣壁に対する吸引力が不足して、膣挿入部材5の上面511aから膣壁が離間してしまう、すなわち、外れてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、図40に示すように、吸引状態であっても、阻止部13により、膣壁が吸引孔59を塞いでしまうのを確実に防止することができる。これ(吸引方法)により、吸引力の低下を確実に防止して、その吸引状態を維持することができる。よって、膣壁が膣挿入部材5の上面511aから外れてしまうのが防止される。
また、図40に示すように、膣壁は、各吸引孔59に到達する、すわわち、接触するのが阻止部13によって阻止された際、隣接する線状体131同士の間にめり込む。この状態で、膣挿入部材5を前後に動かすことにより、膣壁も膣挿入部材5の移動方向に追従することとなる。これにより、穿刺経路Mの位置調整を行なうことができる。
図39に示すように、上面511aの平面視で、各吸引孔59は、線状体131同士の交差部132と重なっている。すなわち、線状体131は、吸引孔59の吸引方向と重なっている。このような配置関係により、吸引された膣壁が凹部53の底部531付近にまで入り込んだとしても、当該膣壁で吸引孔59が塞がれるのを確実に防止することができる。
なお、阻止部13の構成は、膣挿入部材5の他に、尿道挿入部材4にも適用可能である。
<第9実施形態>
図41は、本発明の生体挿入装置(第9実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。図42は、図41中のE−E線断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第9実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第8実施形態と同様である。
図41、図42に示すように、本実施形態では、阻止部13を構成する各線状体131が帯状をなし、その幅方向が凹部53の深さ方向と一致するように配置されている。つまり各線状体131の底部が凹部53の底部と一致するように配置されている。
また、図42に示すように、阻止部13は、スペーサ133を介して凹部53の底部531に支持されている。これにより、阻止部13と底部531との間に隙間が存在し、連通する。そして、このように阻止部13が凹部53の底部531の近傍に配置されている場合、線状体131は、前述したように幅方向が凹部53の深さ方向と一致する帯状をなすものであるのが好ましい。これにより、吸引された膣壁が各吸引孔59に到達するのを阻止することができる。
また、阻止部13が凹部53の底部531の近傍に配置されている場合、膣壁は、前記第8実施形態よりも凹部53の奥側まで入り込むこととなる。そこで、凹部53の側壁532には、突部533が突出して形成されているのが好ましい。この突部533は、凹部53の奥側まで入り込んだ膣壁に噛み込むことができる。そして、この状態で、膣挿入部材5を前後に動かすことにより、膣壁も膣挿入部材5の移動方向に追従することとなる。これにより、穿刺経路Mの位置調整を行なうことができる。
<第10実施形態>
図43は、本発明の生体挿入装置(第10実施形態)が有する膣挿入部材の縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第10実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第9実施形態と同様である。
図43に示すように、本実施形態では、阻止部13を構成する複数本の線状体131のうちの少なくとも1本の線状体131に、底部531と反対側、すなわち、上方に向かって突出した突部134が形成されている。なお、突部134は、図43中の紙面奥側に向かって延在しているのが好ましい。このような突部134は、凹部53の突部533とともに、凹部53の奥側まで入り込んだ膣壁に噛み込むことができる。そして、この状態で、膣挿入部材5を前後に動かすことにより、膣壁も膣挿入部材5の移動方向に確実に追従することとなる。これにより、穿刺経路Mの位置調整を確実に行なうことができる。
<第11実施形態>
図44は、本発明の生体挿入装置(第11実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。図45は、図44に示す膣挿入部材の操作手順を説明するための図である。図46は、図44に示す膣挿入部材の操作手順を説明するための図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第11実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図44〜図46に示すように、本実施形態では、膣挿入部材5は、保持部52を有している。吸引状態では、被吸引部分1420が凹部53に入り込む。保持部52は、この凹部53に入り込んだ被吸引部分1420を保持する部分である。
保持部52は、凹部53の内側を上面511aの面方向、すなわち、膣挿入部材5の挿入方向前方と後方とに移動可能に支持された挟持片521で構成されている。挟持片521は、板片で構成され、基端部が一方向に2回折り曲げられた、すなわち、「U」字状に折り曲げられた折り曲げ部522を有している。この折り曲げ部522は、挟持片521を移動操作するときに押圧される押圧部として機能する。折り曲げ部522と反対側の部分は、挟持片521の移動先で被吸引部分1420を挟持する挟持部523として機能する。
このような挟持片521は、膣挿入部51の挿入部511に形成された溝511dに挿入されている。この溝511dは、上面511aと平行に形成され、凹部53の突部533の直下に開口している。これにより、挟持片521は、凹部53内に突出することができる。そして、この突出量は、挟持片521が移動することにより調整される。図45に示す第1の状態では、挟持片521が凹部53に対して最も退避しており、図46に示す第2の状態では、挟持片521が凹部53に対して最も突出している。なお、当然に、挟持片521は、移動途中で、第1の状態と第2の状態との間の中間の状態(第3の状態)も取り得る。
図45に示すように、吸引が開始されるまでは、挟持片521は第1の状態にある。この状態で、膣壁は、その一部が吸引力により凹部53内に向かって吸引されて、当該凹部53内に被吸引部分1420が入り込むこととなる。
その後、図46に示すように、折り曲げ部522を先端方向に向かって押圧することにより、挟持片521は第2の状態となる。この状態で、被吸引部分1420は、挟持部523と、挟持片521の移動方向前方に位置する側壁532の突部533との間で挟持される。
例えば膣挿入部材5の吸引ポート54に接続された吸引装置の不具合により吸引力が低下して、被吸引部分1420に対する吸引状態が解放される場合がる。また膣表面と吸引部の当接面がずれることで外れることがある。しかしながら、第2の状態にある挟持片521(吸引方法)により、このようにたとえ吸引状態が解放されたとしても、その吸引状態と同様の力、すなわち、被吸引部分1420を凹部54(膣挿入部材5)側に引張り力を、被吸引部分1420に確実に作用させ続けることができる。そして、その後の穿刺操作に迅速に移行することができる。
なお、挟持片521の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料や各種金属材料を用いることができる。
また、膣挿入部材5は、挟持片521の移動限界を規制する移動限界規制部55を有している。図46に示すように、第2の状態にある挟持片521の折り曲げ部522は、移動限界規制部55に当接することができ、これにより、先端方向への移動限界が規制される。これにより、被吸引部分1420に対して過剰な挟持力が作用するを防止することができる。
さらに、移動限界規制部55は、前述したように「U」字状に折り曲げられた折り曲げ部522に挿入され、係合することができる。この係合により、第2の状態を維持することができ、よって、挟持片521の折り曲げ部522に対する押圧力を解除しても、挟持片521は、被吸引部分1420を挟持し続けることができる。
なお、保持部52の構成は、膣挿入部材5の他に、尿道挿入部材4にも適用可能である。
<第12実施形態>
図47は、本発明の生体挿入装置(第12実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。図48は、図47に示す膣挿入部材の縦断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第12実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第11実施形態と同様である。
図47、図48に示すように、本実施形態では、挟持片521は、挟持部523が1回折り曲げられており、その折り曲げられた挟持部523に複数の凹凸524が形成されている。これにより、第2の状態で挟持された被吸引部分1420に凹凸524が噛み込むことができ、被吸引部分1420が凹部53から不本意に抜け出るのを確実に防止することができる。
図47に示すように、上面511aの平面視で、吸引孔59は、移動限界にある挟持片521、すなわち、第2の状態にある挟持片521と重ならない位置に配置されている。これにより、挟持片521には、吸引孔59の吸引方向が覆われない。一方、第2の状態にある挟持片521と重なる位置には、前記第12実施形態では、複数の吸引口59のうちの基端側に位置する吸引口59が配置されていた。
前記第12実施形態で述べたように、第1の状態で凹部53内に引き込まれた被吸引部分1420は、第2の状態で先端方向に向かって押圧される。この場合、被吸引部分1420は、前記基端側に位置する吸引口59による吸引力から多少なりとも解放される。このため、前記基端側に位置する吸引口59を省略してもよい。これにより、膣挿入部材5の構造の簡素化を図ることができる。
<第13実施形態>
図49は、本発明の生体挿入装置(第13実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。図50は、図49中のF−F断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第13実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図49、図50に示すように、本実施形態では、膣挿入部材5は、位置ズレ阻止部56を有している。位置ズレ阻止部56は、吸引状態で膣壁を穿刺部材3により穿刺した際に、膣壁が上面511aに対して穿刺部材3の穿刺方向(図中の白抜き矢印の方向)にズレる、すなわち、移動するのを阻止または抑制する部分である。
このような位置ズレ阻止部56は、凹部53の底部531から突出形成された複数本(本実施形態では3本)のリブ(第1の突部)561を有している。これら3本のリブ561のうちの1本は、膣挿入部材5の幅方向の中央部に配置され、残りの2本は、前記中央部のリブ561に対し等間隔に配置されている。
各リブ561は、膣挿入部材5の長手方向、すなわち、穿刺部材3の穿刺方向と直交する方向に延在している。また、各リブ561は、それぞれ、高さが同じであり、凹部53の側壁532の高さとも同じであってもよいが、側壁532よりも低いのが好ましい。
なお、リブ561の本数は、本実施形態では複数本であるが、これに限定されず、例えば、1本であってもよい。
穿刺部材3による穿刺を行なう際に、まず吸着状態として膣挿入部材5の上面511aと膣壁との密着性を高めて、そのまま、当該穿刺を行なうが、この穿刺により、膣壁も穿刺方向に引張られることなる。そして、この引張り力が過剰である場合、膣壁が膣挿入部材5の上面511aから外れて、吸引状態から解放されてしまう。
しかしながら、図50に示すように、膣挿入部材5では、吸着状態で凹部53内に入り込んだ被吸引部分1420に、各リブ561がめり込む。このようなリブ561(吸引方法)により、膣壁が穿刺方向に過剰に引張られたとしても、当該膣壁が穿刺方向にズレるのを確実に阻止または抑制することができる。これにより、穿刺中に膣壁が吸引状態から不本意に解放されてしまうのを確実に防止することができる。
<第14実施形態>
図51は、本発明の生体挿入装置(第14実施形態)が有する膣挿入部材の平面図である。図52は、図51中のG−G断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第14実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第13実施形態と同様である。
図51、図52に示すように、本実施形態では、阻止部53は、リブ561の他に、上面511aから突出形成された複数の小突起(第2の突部)562を有している。これらの小突起562は、凹部53を囲むように配置されている。これにより、膣挿入部材5では、穿刺方向に沿って、リブ561と小突起562とが合計3つ以上配置された状態となる。
また、各小突起562は、それぞれ、高さ、幅、長さが同じであるが、いずれもリブ561よりも小さい。なお、3本のリブ561のうちの中央に位置するリブ561は、その両側のリブ561よりも低い。
図52に示すように、阻止部53では、穿刺方向に沿って3つ以上配置されたリブ561と小突起562との頂部同士を結んだ仮想線563が、穿刺部材3の穿刺経路Mと同様に円弧状に湾曲した湾曲形状に沿う。
穿刺部材3が穿刺を行なっている最中、膣壁は、前述したように穿刺方向に過剰に引張られるが、それに伴って膣挿入部材5側にも押し付けられる。そして、仮想線563が円弧状に沿うようにリブ561と小突起562とが配置されていることにより、膣壁に対する押し付け力が均等となり好ましい。
なお、小突起562の形成数は、本実施形態では複数であるが、これに限定されず、例えば、1つであってもよい。
<第15実施形態>
図53は、本発明の生体挿入装置(第15実施形態)が有する膣挿入部材の突部の拡大図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第15実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第13実施形態と同様である。
図53に示すように、本実施形態では、小突起562は、穿刺方向に向かって傾斜している。これにより、吸引状態で被吸引部分1420(膣壁)が穿刺方向に引張られた際に、各小突起562が被吸引部分1420に確実にめり込み、よって、被吸引部分1420が吸引状態から不本意に解放されてしまうのをより確実に防止することができる。
<第16実施形態>
図54は、本発明の生体挿入装置(第16実施形態)が有する膣挿入部材の突部の拡大図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第16実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、膣挿入部材の構成が異なること以外は第13実施形態と同様である。
図54に示すように、本実施形態では、小突起562は、穿刺方向に向かって突出した爪564が形成されている。これにより、吸引状態で被吸引部分1420が穿刺方向に引張られた際に、各小突起562の爪564が被吸引部分1420に確実にめり込み、被吸引部分1420の移動を防ぐことで、被吸引部分1420が吸引状態から不本意に解放されてしまうのをより確実に防止することができる。
なお、小突起562の厚さは、根元側、すなわち、上面511a側に向かって厚くなっているのが好ましい。
<第17実施形態>
図55は、本発明の生体挿入装置(第17実施形態)の操作手順を説明するための図である。図56は、本発明の生体挿入装置(第17実施形態)の操作手順を説明するための図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第17実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図55、図56に示すように、本実施形態では、尿道挿入部材4(一方の生体挿入具)の吸引ライン49と、膣挿入部材5(他方の生体挿入具)の吸引ライン58とは、互いに途中で合流部61にて合流している。そして、この合流部61よりも下流側にライン62上に、伸縮自在なバルーン14で構成された報知部が配置されている。このバルーン14が伸縮することにより、次の2つの報知のうちの少なくとも一方の報知とみなすことができる。
第1の報知は、尿道挿入部材4が尿道壁(生体組織)を吸引した際、その吸引が所定の吸引状態である、具体的には成功したか否かの報知である。
第2の報知は、膣挿入部材5が膣壁(生体組織)を吸引した際、その吸引が所定の吸引状態である、具体的には成功したか否かの報知である。
バルーン14の構成としては、膜状をなし、伸縮自在の弾性体を袋状に形成にしたものであり、内部空間がライン62に連通している。なお、弾性膜の構成材料としては、特に限定されず、例えば、シリコーンゴムのような各種ゴム材料を用いることができる。
このようなバルーン14は、装着状態で生体からは露出している。これにより、バルーン14を確実に視認することができる。
また、バルーン14とライン62との境界部には、バルーン14とライン62との間の連通・遮断を行なうコックが設けられているのが好ましい。各挿入部材での吸引を行なうときには、コックを操作してバルーン14とライン62とを連通状態としておく。
図55に示すように、バルーン14は、初期状態、すなわち、尿道挿入部材4および膣挿入部材5での吸引が未だ行なわれていない状態では、弾性力によって拡張している。
そして、図56に示すように、尿道挿入部材4および膣挿入部材5での吸引を開始し、いずれの吸引が成功している場合、すなわち、尿道壁が尿道挿入部材4に吸着され、膣壁が膣挿入部材5に吸着された場合には、バルーン14内もライン62を介して吸引されることなり、当該バルーン14は、収縮して、大きさが著しく小さくなるのが認められる。
これに対し、尿道挿入部材4および膣挿入部材5での吸引のうちの一方または双方が失敗している場合には、バルーン14には変化はほとんど見られないか変化が小さく少しだけ小さくなる。そして、どちらの吸引が失敗しているのかを確認するには、合流部61よりも上流側の吸引ライン49または吸引ライン58に例えばクレンメを装着してその確認を行なうことができる。一例として、尿道挿入部材4での吸引が成功し、膣挿入部材5での吸引が失敗している場合、吸引ライン49にクレンメを装着してみてもバルーン14には変化はほとんど見られないが、吸引ライン58にクレンメを装着してみるとバルーン14が収縮していく。これにより、尿道挿入部材4での吸引が成功し、膣挿入部材5での吸引が失敗していることが分かる。なお、クレンメに代えて、合流部61に三方活栓を設置して、当該合流部61を開閉可能な部分としてもよい。
このようにバルーン14が吸引の成否を報知する機能を有していることにより、生体に対する吸引を行なった際に、バルーン14の状態を視認しさえすれば、吸引の成否を容易かつ確実に把握することができる。
以上のような構成によれば、穿刺部材3による穿刺(穿刺方法)を行なうに先立って、尿道1300と膣1400との間の生体組織を拡張する方向、すなわち、尿道1300と膣1400とが離間する方向に吸引しつつ、その吸引が成功したか否かを確認して、穿刺を行なうことができる。
また、バルーン14が設けられているライン62は、可撓性を有するチューブで構成されているのが好ましい。これにより、バルーン14を視認し易い位置や、手技の邪魔にならない位置に移動させることができる。
また、バルーン14は、吸引により収縮するものであるが、これに限定されず、膨張してもよいし、その他の変形でもよい。
なお、報知部は、本実施形態では袋状のバルーン14で構成されたものであるが、これに限定されず、例えば、枠体に弾性膜が張られたものであってもよい。その他、報知形態としては、音声による報知、発光による報知、内圧変化を知らせる圧力計による報知であってもよい。
<第18実施形態>
図57は、本発明の生体挿入装置(第18実施形態)の操作手順を説明するための図である。図58は、本発明の生体挿入装置(第18実施形態)の操作手順を説明するための図である。図59は、図57中の二点鎖線で囲んだ領域[H]の拡大断面図である。図60は、図58中の二点鎖線で囲んだ領域[I]の拡大断面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第18実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図57、図58に示すように、本実施形態では、挿入具6の支持部60(連結部)は、尿道挿入部材4と膣挿入部材5と接近・離間可能に連結するよう構成されている。具体的には、この支持部60は、前述したように尿道挿入部材4側の支持部40と、膣挿入部材5側の支持部50とを有しており、さらに、支持部40と支持部50とを回動可能に支持する回動支持部63を有している。回動支持部63の構成としては、特に限定されず、例えば、軸と軸受けとで構成された部分とすることができる。そして、この回動支持部63により、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とのうちの一方が他の方に対して所定方向に回動すると、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とが接近した図57に示す接近状態となり、前記と反対方向に回動すると、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とが離間した図58に示す離間状態となる。
また、図59、図60に示すように、支持部60は、接近状態を維持する第1のロック部64と、離間状態を維持する第2のロック部65とを有している。第1のロック部64は、支持部40の基端面に開口した凹部で構成された第1の係合部502を有している。第2のロック部65は、第1の係合部502と異なる位置で支持部40の基端面に開口した凹部で構成された第2の係合部503を有している。
また、第1のロック部64と第2のロック部65とは、共通の1つの係合部材66を有している。係合部材66は、支持部50に支持、固定されたアーム部661と、アーム部661の端部に設けられた係合片662とで構成されている。係合片662は、第1の係合部502と第2の係合部503とにそれぞれ異なるタイミングで係合することができる。図60に示すように、接近状態では、係合片662が第1の係合部502に係合することができ、この係合により接近状態が確実に維持される。図59に示すように、離間状態では、係合片662が第2の係合部503に係合することができ、この係合により離間状態が確実に維持される。
なお、係合片662の先端部には、傾斜面663が形成されている。傾斜面663により、接近状態から離間状態に移行するときの係合片662の第1の係合部502に対する乗り越えを容易に行なうことができる。
図57、図58に示すように、本実施形態では、膣挿入部材5の膣挿入部51は、支持部50に支持されてはおらず、尿道挿入部材4の尿道挿入部41の長手方向の途中に支持されている。この膣挿入部51に代えて支持部50に支持されているものは、膣挿入部材5が備え、膣挿入部51とともに膣1400に挿入される補助膣挿入部15である。補助膣挿入部15は、長尺状をなし、尿道挿入部材4から離間する方向に向かって、すなわち、膣挿入部51をまたぐように、全体的にアーチ状に湾曲した湾曲部となっている。また、補助膣挿入部15は、膣挿入部51よりも長いものであり、補助膣挿入部15の先端部151が膣挿入部51の511よりも先端側に位置する。先端部151には、尿道挿入部材4側かって突出し、丸みを帯びた突部152が形成されている。突部152は、接近状態で膀胱1310の直下を押圧することができる。これにより、後述する生体組織に対する挟持を確実に行なうことができる。
また、本実施形態では、尿道挿入部材4は、バルーン42が省略されており、それに代えて、尿道挿入部41の先端部に湾曲変形可能な変形部418と、変形部418を変形操作する操作ワイヤ419とを有している。変形部418は、外力を付与しない自然状態ではでは直線状をなし、変形状態では膣挿入部材5側に湾曲した湾曲形状をなす。操作ワイヤ419は、その先端部が変形部418の先端部に固定されており、基端部を把持して基端方向に向かって引張ることができる。この引張りにより、変形部418は、湾曲変形することとなり、よって、この変形状態で膀胱頸部1320に当接することができる。
以上のような構成の挿入具6では、まず、図57に示すように、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とを離間状態として、生体に対し装着する。なお、前述したように、離間状態は、第2のロック部65により確実に維持されている。これにより、生体に対する装着状態を容易に行なうことができる。
次に、図58に示すように、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とを接近状態とする。この接近状態も、前述したように、第1のロック部64により確実に維持される。そして、この接近状態では、尿道1300と膣1400との間の生体組織を挟持することができ、そのまま、先端方向に押し込めば、前記挟持された生体組織もその方向に動かすことができる。これにより、穿刺経路Mが形成されるべき位置を調整することができる。
このように、穿刺部材3による穿刺(穿刺方法)を行なうに先立って、尿道1300と膣1400との間の生体組織の前後に動かして位置を調整ことができ、その調整後に穿刺処置、すなわち、生体組織に対する外科的処置を正確かつ確実に行なうことができる。
<第19実施形態>
図61は、本発明の生体挿入装置(第19実施形態)の操作手順を説明するための図である。図62は、本発明の生体挿入装置(第19実施形態)の操作手順を説明するための図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第19実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第18実施形態と同様である。
図61、図62に示すように、本実施形態では、膣挿入部材5は、膣挿入部51が省略され、補助膣挿入部15を有する構成となっている。この場合、補助膣挿入部15が膣挿入部材5の本体部となり、膣挿入部材5を簡単な構造のものとすることができる。
また、膣挿入部51が省略された分、図61に示すように、補助膣挿入部15を膣1400に挿入するときに、膣壁の状態を容易に確認することができ、好ましい。
また、図62に示すように、接近状態で生体組織を挟持した際、補助膣挿入部15が膣1400がどの程度奥まで挿入され、生体組織に対してどの位置で挟持しているのかを確認することができる。
<第20実施形態>
図63は、本発明の生体挿入装置(第20実施形態)の操作手順を説明するための図である。図64は、本発明の生体挿入装置(第20実施形態)の操作手順を説明するための図である。図65は、本発明の生体挿入装置(第20実施形態)の支持体の正面図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第20実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第1実施形態と同様である。
図63、図64に示すように、本実施形態では、支持部60は、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とを接近・離間可能に支持するよう構成されている。具体的には、図65に示すように、支持部60は、支持部40および50の他に、さらに、枠体601と、接続部602と、位置規制部603とを有している。
枠体601は、その内側に図65中上側から順に支持部40と接続部602と支持部50とを支持するものである。支持部40と接続部602とは、枠体601に対し図65中上下方向に移動可能に支持されている。この移動機構としては、特に限定されず、例えば、溝と、溝に挿入され、当該溝に沿って移動する突部で構成することができる。また、支持部50は、枠体601に対し固定的に支持されている。
接続部602は、板状をなし、その長手方向の中央部に注射器2000が接続される接続口602aを有している。図64に示すように、接続口602aに注射器2000を接続した状態では、当該注射器2000に装着されている注射針2001が先端方向に向かって突出する。また、接続部602は、注射器2000を接続した状態で当該注射器2000を膣挿入部材5側から支持する円弧状をなす支持板602bを有している。これにより、注射器2000が接続部602に安定して接続される。
位置規制部603は、2本の第1のリンク603aと、2本の第2のリンク603bとで構成されたリンク機構である。各第1のリンク603aは、互いに交差しており、支持部40と接続部602とを連結しており、これらに対して回動可能な支持点で支持されている。また、各第2のリンク603bは、互いに交差しており、接続部602と支持部50とを連結しており、これらに対して回動可能な支持点で支持されている。このような構成の位置規制部603により、支持部40と接続部602とは、支持部50に対して連動して同方向に移動する、すなわち、接近・離間することができる。これにより、図65に示すように、接続部602に注射器2000が接続された状態で、接近・離間するに係わらず、注射針2001と尿道挿入部材4との距離Q1と、注射針2001と膣挿入部材5の距離Q2との比が一定となる。位置規制部603では、支持部40(尿道挿入部材4)と支持部50(膣挿入部材5)と接続部602とがこのような位置関係を維持するように規制している。
なお、枠体601には、支持部40と接続部602とが連動して移動した際、その移動先での再移動を一時的に規制するロック部材601aが設けられている。ロック部材601aは、支持部40と係合可能であり、この係合により再移動が規制され、係合を解除することにより再移動が可能となる。
図63、図64に示すように、尿道1300と膣1400との間の生体組織の厚さには、個人差があり、比較的厚い場合(図63参照)と、比較的薄い場合(図64参照)とがある。
図63に示すように、生体組織が比較的厚い患者に対しては、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とを離間させた状態で装着する。一方、図64に示すように、生体組織が比較的薄い患者に対しては、尿道挿入部材4と膣挿入部材5とを接近させた状態で装着する。そして、図63に示す状態および図64に示す状態のいずれの状態でも、前述した位置規制部603の作用により、注射針2001と尿道挿入部材4との距離Q1と、注射針2001と膣挿入部材5の距離Q2との比が確実に一定となる。これにより、注射針2001で生体組織を穿刺する際、その穿刺箇所Rを個人差を問わずに一定とする、すなわち、生体組織の厚さ方向のほぼ中央部とすることができる。この状態で穿刺し、液体を注入して液性剥離(注入方法)を行なえば、この場合も、個人差を問わずに、生体組織が尿道挿入部材4および膣挿入部材5にそれぞれ吸引される状態にまで迅速に膨張することができる。また、穿刺箇所Rを、生体組織の膣挿入部材5で実際に吸引される部分からズレた位置とすることもできる(図64参照)。これにより、折角液性剥離に供した液体が膣挿入部材5により生体組織から吸引されてしまうのを防止することができる。
また、前述したように、生体組織は、液性剥離により膨張する。図64に示すように、挿入具6では、接続部602が枠体601に対して回動自在に構成されているのが好ましく、この回動により、注射針2001が、膨張する生体組織の変化に追従することができる。これにより、注射針2001からの無理な力が生体組織に対して作用するのを防止することができる。
<第21実施形態>
図66は、本発明の生体挿入装置(第21実施形態)の支持体の正面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第21実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第20実施形態と同様である。
図66に示すように、本実施形態では、支持部60は、支持部40と支持部50とが枠体601に対し図中上下方向に移動可能に支持され、接続部602が枠体601に対し固定的に支持されている。
そして、位置規制部603により、支持部40と支持部50とは、接続部602に対して連動して反対方向に移動する、すなわち、接近・離間することができる。これにより、接近・離間した状態で、注射針2001(接続部602)と尿道挿入部材4との距離Q1と、注射針2001(接続部602)と膣挿入部材5の距離Q2との比が一定となる。よって、注射針2001で生体組織を穿刺する際、その穿刺箇所Rを個人差を問わずに一定とすることができる。
なお、枠体601には、支持部40と支持部50とが連動して移動した際、その移動先での再移動を一時的に規制するロック部材601aとロック部材601bとが設けられている。ロック部材601aは、支持部40と係合可能であり、この係合により再移動が規制され、係合を解除することにより再移動が可能となる。ロック部材601bは、支持部50と係合可能であり、この係合により再移動が規制され、係合を解除することにより再移動が可能となる。
<第22実施形態>
図67は、本発明の生体挿入装置(第22実施形態)の支持体の正面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第22実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第21実施形態と同様である。
図67に示すように、本実施形態では、支持部40と支持部50とが最も離間した位置で、支持部40は、ロック部材601aと係合する係合部401を有し、支持部50は、ロック部材601bと係合する係合部504を有している。
係合部401は、弾性変形可能であり、ロック部材601aと係合した状態で、当該ロック部材601aに押圧されて弾性変形する。これにより、係合部401とロック部材601aと係合した状態が確実に維持される。また、この係合状態からロック部材601aを引張ることにより、係合部401とロック部材601aと係合が解除される。
係合部504も、弾性変形可能であり、ロック部材601bと係合した状態で、当該ロック部材601bに押圧されて弾性変形する。これにより、係合部504とロック部材601bと係合した状態が確実に維持される。また、この係合状態からロック部材601bを引張ることにより、係合部504とロック部材601bと係合が解除される。
<第23実施形態>
図68は、本発明の生体挿入装置(第23実施形態)の支持体の正面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第23実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第21実施形態と同様である。
図68に示すように、本実施形態では、位置規制部603は、接続部602に回転可能に支持されたピニオンギア603cと、支持部40に固定的に支持されたラック603dと、支持部50に固定的に支持されたラック603eとで構成されている。ラック603dとラック603eとは、ピニオンギア603cを介して配置されており、当該ピニオンギア603cと噛み合っている。このような構成の位置規制部603により、注射針2001と尿道挿入部材4との距離Q1と、注射針2001と膣挿入部材5の距離Q2との比が一定となる。これにより、注射針2001で生体組織を穿刺する際、その穿刺箇所Rを個人差を問わずに一定とすることができる。
また、支持部40には、支持部50側に向かって突出したストッパ402が設けられており、支持部50には、支持部40側に向かって突出したストッパ505が設けられている。そして、支持部40と支持部50とが最接近したときには、ストッパ402とストッパ505とが当接し合って、最接近距離を規制することができる。
また、本実施形態では、接続口602aが図68中の左右方向に摺動可能に構成されてるのが好ましい。
<第24実施形態>
図69は、本発明の生体挿入装置(第24実施形態)の支持体の正面図である。図70は、図69中の矢印J方向から見た図である。
以下、これらの図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第24実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第21実施形態と同様である。
図69、図70に示すように、本実施形態では、筒状をなす2つの接続部602が設けられている。図70に示すように、2つの接続部602は、中心軸602c同士が先端方向に向かうに従って接近するように、枠体601を介して配置されている。このような配置により、接続部602同士では、注射器200の接続方向が互いに異なる。これにより、2つの接続部602を選択して用いれば、生体組織を異なる方向から穿刺して液体を注入することができ、よって、液性剥離に要する時間を短縮することができる。
<第25実施形態>
図71は、本発明の生体挿入装置(第25実施形態)の側面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第25実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第24実施形態と同様である。
図71に示すように、本実施形態では、複数の接続口602aが設けられている。これらの接続部602は、枠体601の長手方向に沿って、すなわち、図71中上下方向に沿って配置されている。また、これらの接続口602aは、所定の位置を中心に円軌道を描くように配置されている。ここでいう「所定の位置」とは、注射器2000の先端到達地点であり。膣挿入部51の先端に存在する突起部分上方に到達するように設定されている。ただ、これに限定されず、「所定の位置」は、尿道挿入部41や膣挿入部51が有するマーカー位置から判断しても良い。これにより、接続部602同士での注射器200の接続方向が互いに異なり、よって、生体組織を異なる方向から穿刺して液体を注入することができる。
このように、本実施形態では、支持部40、50のストッパーとして、支持部60の上下の枠や前記第22実施形態で記載したような係合部504であってもよい。
<第26実施形態>
図72は、本発明の生体挿入装置(第26実施形態)の側面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第26実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第20実施形態と同様である。
図72に示すように、本実施形態では、フレーム2と支持部60とが連結されており、この連結状態でのフレーム2が、尿道挿入部材4と膣挿入部材5と穿刺部材3との位置関係を規制する位置規制部としての機能を発揮している。具体的には、フレーム2は、針体35(針先351)が尿道挿入部材4と膣挿入部材5との間を通過する際、尿道挿入部材4と膣挿入部材5との接近・離間に係わらず、針体35と尿道挿入部材4との距離Q3と、針体35と膣挿入部材5との距離Q4との比が一定となるように位置決めを行なっている。これにより、針体35の生体組織に対する穿刺箇所を個人差を問わずに一定として、、穿刺部材3による穿刺(穿刺方法)を正確に行なうことができる。そして、距離Q3と距離Q4との比と、前述した距離Q1と距離Q2との比とは、同じとなっている。
女性の尿失禁の治療では、生体組織において、穿刺部材3で実際に穿刺される場所と、注射針2001で実際に穿刺される場所とは、同じとするのが好ましい。そこで、前述した2つの比同士が同じである構成は、有効である。
<第27実施形態>
図73は、本発明の生体挿入装置(第27実施形態)の側面図である。
以下、この図を参照して本発明の生体挿入装置および穿刺方法の第27実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、生体挿入装置の構成が異なること以外は第20実施形態と同様である。
図73に示すように、本実施形態では、接続部602(a)、支持板(b)が省略されており、その分、構成が簡単なものとなっている。
なお、本実施形態では、穿刺部材3による穿刺孔が挿入具6の長手方向に対して直交する方向に形成されるように、穿刺部材3が配置されている。
以上、本発明の生体挿入装置および穿刺方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、生体挿入装置および穿刺方法を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の生体挿入装置および穿刺方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、針体が本体に着脱自在に保持されているが、これに限定されず、例えば、本体と針体とが一体形成されている等、針体が本体に固定されていてもよい。この場合には、穿刺部材を生体に穿刺し、針体を生体外へ突出させた後、鋏等を用いて針体を切断することによって、本体の先端側開口を開放させることができる。
また、前記実施形態では、穿刺部材の本体を生体内に配置した後、本体内にインプラント本体を挿入する構成について説明したが、これに限定されず、インプラント本体が初めから穿刺部材(本体)内に収容されていてもよい。この場合、例えば、インプラント本体が有する2本の糸のうちの針先側に位置する糸を針先に固定しておくのが好ましい。これにより、本体から針先を取り外すと、それとともに、前記糸を本体外へ突出させることができる。そのため、その後のインプラント本体の配置の微調整等を円滑に行うことができる。
また、前記実施形態では、穿刺装置を女性の尿失禁の治療のための埋設可能なインプラントを生体内に埋設する際に用いる装置に適用した場合について説明したが、穿刺装置の用途は、それに限定されるものではない。
例えば、本発明は、骨盤底筋群の弱体化にともなう、排泄障害(尿意切迫感、頻尿、尿失禁、便失禁、尿閉、排尿困難など)、骨盤臓器脱、膀胱膣婁、尿道膣婁、骨盤痛などを含む骨盤底疾患が適用対象に含まれる。骨盤臓器脱には、膀胱瘤、小腸瘤、直腸瘤、子宮脱、などの疾患が含まれる。あるいは、脱している膣壁部位によって分類される呼び方である前方膣壁脱、後方膣壁脱、膣断端脱、膣円蓋部脱、などの疾患が含まれる。
また、過可動組織には、膀胱、膣、子宮、腸などが含まれる。微可動組織には、骨、筋肉、筋膜、靭帯などが含まれる。特に骨盤底疾患においては、閉鎖筋膜、尾骨筋膜、基靭帯、仙骨子宮靭帯、仙棘(せんきょく)靭帯、などが含まれる。
骨盤底疾患における、過可動組織を微可動組織に連結する手技には、恥骨後式スリング手術、経閉鎖孔スリング手術(transobturator sling surgery, transobturator tape; TOT)、経膣メッシュ手術(Tension-free Vaginal Mesh; TVM)、仙骨子宮靭帯を利用した挙上術(Uterosacral Ligament Suspension; USLS)、仙棘靭帯を利用した固定術(Sacrospinous Ligament Fixation; SSLF)、腸骨尾骨筋膜を利用した固定術、尾骨筋膜を利用した固定術、などが含まれる。
1 穿刺装置
10 医療用チューブ組立体
11 突部
111 頂部
12 ルーメン(流路)
121 流入口
13 阻止部
131 線状体
132 交差部
133 スペーサ
134 突部
14 バルーン
15 補助膣挿入部
151 先端部
152 突部
2 フレーム
21 軸受部
211 貫通孔
22 案内部
221 案内溝
222 先端側開口
223 基端側開口
23 連結部
24 固定部
243 凹部
244 雄ネジ
3 穿刺部材
30 シース
31 本体
315 係合孔
316 係合孔
317 係合孔
318 係合孔
319 テーパ部
32 先端分割片
321 先端側開口
322 基端側開口
33 基端分割片
331 先端側開口
332 基端側開口
34 状態維持機構
341 糸
342a 孔
342b 孔
342c 孔
345 露出孔
346 露出孔
347 スリット
347a 部分
347b 部分
348 孔
35 針体
351 針先
352 基端部
353 係合部
4 尿道挿入部材
40 支持部
401 係合部
402 ストッパ
41 尿道挿入部
411 挿入部
412 非挿入部
413 縮径部
414 大径部
415 境界部
416 境界部
417 溝
418 変形部
419 操作ワイヤ
42 バルーン
43 バルーンポート
44 吸引孔
45 吸引ポート
46 リング部材
47 尿排出部
471 排出孔
48 尿排出ポート
49 吸引ライン
5 膣挿入部材
50 支持部
501 雄ネジ
502 第1の係合部
503 第2の係合部
504 係合部
505 ストッパ
51 膣挿入部
511 挿入部
511a 上面
511b 下面
511c 凹部
511d 溝
512 非挿入部
52 保持部
521 挟持片
522 折り曲げ部
523 挟持部
524 凹凸
53 凹部
531 底部
532 側壁
533 突部
54 吸引ポート
55 移動限界規制部
56 位置ズレ阻止部
561 リブ(第1の突部)
562 小突起(第2の突部)
563 仮想線
564 爪
57 マーカー
58 吸引ライン
59 吸引孔
6 挿入具
60 支持部
601 枠体
601a ロック部材
601b ロック部材
602 接続部
602a 接続口
602b 支持板
602c 中心軸
603 位置規制部
603a 第1のリンク
603b 第2のリンク
603c ピニオンギア
603d ラック
603e ラック
61 合流部
62 ライン
63 回動支持部
64 第1のロック部
65 第2のロック部
66 係合部材
661 アーム部
662 係合片
663 傾斜面
7 操作部材
71 挿入部
711 先端部
712 針先
712a 面積漸増部
712b 面積漸減部
712c 境界部
72 連結部
73 軸部
81 アンカー(第2アンカー)
811 基部
812 挿通孔
813 爪部
814 爪部
82 アンカー(第1アンカー)
821 基部
822 挿通孔
823 爪部
824 爪部
9 インプラント
91 インプラント本体
911 本体部
912 帯
92 包材
1100 骨盤
1101 閉鎖孔
1102 閉鎖孔
1200 恥骨結合
1300 尿道
1310 膀胱
1320 膀胱頸部
1330 間隙
1400 膣
1410 膣前壁
1420 被吸引部分
2000 注射器
2001 注射針
A1 内周部
A2 外周部
A3 表面
A4 裏面
D 離間距離
H 体表面
J1 軸
J2 軸
J31 短軸
J32 長軸
J32’ 延長線
J5 中心軸
f1 平面
f2 平面
f9 平面
L2 長さ
M 穿刺経路
N 水
O 中心
P 交点
Q1 距離
Q2 距離
Q3 距離
Q4 距離
R 穿刺箇所
S1 領域
S2 領域
S3 空間
S4 中央部
S5 セーフティゾーン
r1 最少曲率半径
r2 最大曲率半径
W 幅
W1 幅
W2 幅
θ1 傾斜角
θ2 傾斜角
θ3 傾斜角
θ4 中心角
θ5 角

Claims (8)

  1. 膀胱内に到達するまで尿道腔に挿入される長尺状をなす尿道挿入具と、膣腔に挿入される長尺状をなす膣挿入具とを備える生体挿入装置であって、
    前記尿道挿入具は、膀胱頸部に当接可能な当接部を有し、
    前記膣挿入具は、前記当接部が前記膀胱頸部に当接していることを検出する検出部を有することを特徴とする生体挿入装置。
  2. 前記尿道腔と前記膣腔との間の生体組織に対して穿刺針を用いて穿刺を行なうに先立って、前記尿道挿入具は前記尿道腔に挿入され、前記膣挿入具は前記膣腔に挿入されるものであり、
    前記検出部が前記穿刺針の穿刺経路に対して先端側に位置する請求項1に記載の生体挿入装置。
  3. 前記検出部と前記当接部とが接近および/または離間可能である請求項1または2に記載の生体挿入装置。
  4. 前記検出部は、前記当接部と生体組織を介して当接可能である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
  5. 前記検出部の基端側であって前記穿刺経路から離間するように凹部が存在する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
  6. 前記当接部が前記検出部側に拡張可能である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
  7. 前記尿道挿入部と前記膣挿入部とは、並んで配置されており、前記検出部は、前記尿道挿入部側に向って突出した突部で構成される請求項1ないし6のいずれか1項に記載の生体挿入装置。
  8. 尿道腔と膣腔との間の生体組織に対して穿刺針を用いて穿刺を行なう穿刺方法であって、
    前記穿刺を行なうに先立って、想定される前記穿刺針の前記生体組織に対する穿刺経路が膀胱頸部よりも尿道口側に位置するのを検知してから、前記穿刺を行なうことを特徴とする穿刺方法。
JP2013196284A 2013-09-21 2013-09-21 生体挿入装置および穿刺方法 Pending JP2015061562A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013196284A JP2015061562A (ja) 2013-09-21 2013-09-21 生体挿入装置および穿刺方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013196284A JP2015061562A (ja) 2013-09-21 2013-09-21 生体挿入装置および穿刺方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015061562A true JP2015061562A (ja) 2015-04-02

Family

ID=52821198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013196284A Pending JP2015061562A (ja) 2013-09-21 2013-09-21 生体挿入装置および穿刺方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015061562A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117731370A (zh) * 2024-02-20 2024-03-22 四川大学华西医院 一种手术刀

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117731370A (zh) * 2024-02-20 2024-03-22 四川大学华西医院 一种手术刀
CN117731370B (zh) * 2024-02-20 2024-04-26 四川大学华西医院 一种手术刀

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6092367B2 (ja) 穿刺装置
WO2014162434A1 (ja) 穿刺装置
JP6092368B2 (ja) 医療用チューブおよび医療用チューブ組立体
JP2015058121A (ja) インプラントおよびインプラントの留置方法
WO2015041080A1 (ja) 生体挿入具および吸引方法
JP2015061568A (ja) 生体挿入装置
JP5989232B2 (ja) 医療用チューブ、医療用チューブ組立体および骨盤内治療用キット
JP2015061562A (ja) 生体挿入装置および穿刺方法
JP2015061553A (ja) 医療用チューブ
WO2015041170A1 (ja) 挿入具および挿入具の挿入方法
JP2015058073A (ja) 穿刺装置および穿刺方法
JP2015058074A (ja) 穿刺装置および穿刺方法
JP2015061567A (ja) 生体挿入装置および穿刺方法
JP2015061563A (ja) 尿道挿入具および検出方法
JP2015061566A (ja) 生体挿入装置および穿刺方法
JP2015061564A (ja) 生体挿入具および吸引方法
JP2015061565A (ja) 生体挿入具および吸引方法
WO2015137116A1 (ja) 穿刺部材
WO2015041140A1 (ja) 穿刺装置および穿刺方法
WO2015041145A1 (ja) 医療用チューブ組立体および穿刺装置
JP2015173755A (ja) 穿刺部材
WO2015041078A1 (ja) 医療用チューブ、医療用具セットおよびインプラント留置方法
JP2015058323A (ja) インプラントの留置方法
WO2015137115A1 (ja) 穿刺部材
JP2015061552A (ja) 医療用チューブ、医療用チューブ組立体および穿刺方法