JP2015058296A - 電気刺激装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者自身が容易に適正な位置に電極を配置できるように構成された電気刺激装置を提供する。【解決手段】本発明の電気刺激装置は、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体の特定部位の表面に配置固定され、該発振器が発振した電気刺激用電流を生体に伝える電極とを備え、前記電極は、フィルム状の基材と、該基材の生体表面接触面側に固定された導電部と、前記基材の生体表面接触面に配された粘着部材とを有し、前記基材の形状が、生体表面の凹凸を指標として電極の配置固定位置を決定可能な形状である、ことを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、生体に電気刺激用電流を与えるための電気刺激装置に関し、特に、生体表面上での電極配置位置の特定が容易な電気刺激装置に関する。
生体の表面から電気刺激を与え、生体内の神経や筋肉を刺激するための電気刺激装置が各種知られている。このような電気刺激装置としては、例えば、脳血管障害や脳性麻痺などの脳性疾患、または脊髄性疾患等により身体機能に障害を有する患者に対して、治療及びリハビリテーションを目的として使用され、あるいは、健常者に対して、身体機能を向上させて健康を増進させることを目的として使用されている。
電気刺激装置の治療対象疾患としては、特に、脳梗塞等により、咽喉頭領域における感覚刺激の反射が鈍くなることに起因する嚥下機能障害や睡眠時無呼吸症候群等の咽喉頭機能障害が挙げられる。このような咽喉頭機能障害を有する患者の治療方法として、特許文献1のように、患者の咽喉頭領域に電気刺激を与える方法が知られている。この方法によれば、電気刺激により感覚神経を賦活させ、鋭敏にしたり、関連筋の収縮訓練を通じて、患者の嚥下反射、運動能力を促進することができる。
米国特許第7039468号明細書
従来技術において、このような電気刺激装置の電極貼付の位置決めは、解剖学を熟知した医療従事者によって行われることが必須であり、貼付位置を間違えると、喉頭挙上を目的としているにも関わらず下垂を生じる、頸動脈洞への電気刺激が生じて患者の循環器機能に悪影響を与えてしまう、等の現象を引き起こす可能性があった。そのため、患者自身が電極を配置し、電気刺激装置を使用するのが困難である、という問題があった。
そこで、本発明は、患者自身が容易に適正な位置に電極を配置できるように構成された電気刺激装置を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
本発明の電気刺激装置は、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体の特定部位の表面に配置固定され、該発振器が発振した電気刺激用電流を生体に伝える電極とを備え、前記電極は、フィルム状の基材と、該基材の生体表面接触面側に固定された導電部と、前記基材の生体表面接触面に配された粘着部材とを有し、前記基材の形状が、生体表面の凹凸を指標として電極の配置固定位置を決定可能な形状である、ことを特徴とする。
電気刺激装置の電極の生体表面接触面側に粘着部材を配し、該電極の形状を、患者自身の生体表面の凹凸を手掛かりとして配置固定位置を決定できる形状とすることで、位置ずれ等を起こすことなく、患者自身が適正な位置に電極を配置固定できる構成とした。
本発明の電気刺激装置の第1態様は、前記基材の形状が略半円形の切欠部分を有し、前記電極は、前記切欠部分が甲状軟骨突起に隣接するように配置固定され、前記導電部が甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部の特定部位、または甲状軟骨突起から輪状軟骨の間の前頸部の特定部位に配置されるよう構成される。
電気刺激装置の電極を顎下部または前頸部に配置する場合、生体表面の近接する突起部分である、甲状軟骨突起を手掛かりとして電極を配置することが好ましい。貼付する電極の基材の少なくとも一端に略半円形の切欠部分を設け、該切欠部分が甲状軟骨突起の上端または下端に接するように配置することで、電極貼付位置の位置決めを容易になし得る。この場合、電極は、嚥下時等に動きの激しい甲状軟骨突起相当位置に基材が直接貼付されない構造であるため、嚥下時等に、剥がれ、たるみ、しわ等が生じにくい、という利点も有する。
前記切欠部分が甲状軟骨の上端に接するように電極を配置固定した場合、導電部は、甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部に配置される。この部分に電気刺激を与えることにより、喉頭挙上の反射運動を生じることができる。
一方、切欠部分が甲状軟骨の下端に接するように電極を配置固定した場合、導電部は、甲状軟骨突起から輪状軟骨の間の顎下部に配置される。この部分に電気刺激を与えることにより、咽頭壁への電気刺激が可能となる。
本発明の電気刺激装置の第1態様において、前記基材が、最小径5mm〜50mmの孔を少なくとも1つ有する、ことが好ましい。
生体表面の電極貼付部分において、筋肉の動きの激しい部分が存在する場合、基材の該部分に相当する位置に孔を設けることで、基材が直接該部分に触れることがないため、筋肉の動きによる基材の剥がれ、たるみ、しわ等が生じにくい、という利点を有する。
本発明において「最小径」とは、ここでいう「最小径」とは、孔の重心を通る直線が孔の外縁と2点で交わる場合において、前記外縁の2点間の直線長さが最も短くなる時の、該長さを指すものとする。
本発明の電気刺激装置の第1態様において、前記導電部が甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部の特定部位に配置される場合、前記孔は、舌骨相当位置に配置されることが好ましい。
電極を甲状軟骨の上から顎下にかけて配置する場合、嚥下時等に最も筋肉の動きが激しくなるのは舌骨相当位置である。舌骨相当位置に孔を設け、当該位置に基材が接触しない構成とすることで、嚥下時等に、剥がれ、たるみ、しわ等を生じにくくすることができる。
本発明の電気刺激装置の第1態様においては、前記導電部が、前記切欠部分の略対称軸に対して対称に2つ配されることが好ましい。
顎下部の電気刺激の好適位置は、甲状軟骨の上部からオトガイにかけての線、または甲状軟骨の下部から輪状軟骨にかけての線に対して左右対称に存在する。したがって、電極の生体表面接触面側に配置する導電部は、該好適位置に当接するように配設することが好ましい。
本発明の電気刺激装置の第2態様は、前記基材の形状が、略多角形の主部と、該主部の互いに隣接する二辺よりそれぞれ主部の外側に延在する貼り代部とを有する形状であり、前記基材は前記主部と前記貼り代部の境界線に沿って生体表面接触面側に折り曲げ可能であり、前記導電部は前記主部に固定され、前記電極は、前記主部の貼り代部を有する二辺の為す角が下顎角に当接するように配置され、下顎骨の形状に合わせて前記貼り代部を折り曲げることで固定されるように構成される。
電気刺激装置の電極を頬部に貼付する場合、頬部の電気刺激の適正な位置に近接する生体表面の突起部分である下顎角と下顎骨に沿って、貼り代部を折り曲げて顎下、耳下にそれぞれ貼付する構成とした。これにより、下顎角と下顎骨を手掛かりとして、容易に頬部の適正な位置に導電部を接触できる。
本発明の電気刺激装置において、前記基材が伸縮可能であることが好ましい。基材を伸縮可能とすることで、貼付部位及びその周辺の筋肉の動きによる基材の剥がれ、たるみ、しわ等の発生を抑えることができる。
本発明の電気刺激装置によれば、患者自身が容易に適正な位置に電極を配置できるように構成された電気刺激装置を提供することができる。
人体の顎下部及び前頸部を含む胸部から頭部までの局所解剖図の正面図である。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の電極の例について、生体表面接触面側から見た平面図である。(A)は、導電部が顎下部の左右に配置される形態の電極であり、(B)はa−a断面図である。(C)は、導電部が顎下部の上下に配置される形態の電極であり、(D)はb−b断面図、(E)はc−c断面図である。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の電極の他の例について、生体表面接触面側から見た平面図である。(A)は、導電部が前頸部の左右に配置される形態の電極であり、(B)はa’−a’断面図である。(C)は、導電部が前頸部の上下に配置される形態の電極であり、(D)はb’−b’断面図、(E)はc’−c’断面図である。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の電極の顎下部への貼付例である。(A)は、電極貼付位置周辺の甲状軟骨突起の位置と舌骨当接位置とを示す概略図であり、(B)は、本発明の電気刺激装置の第1実施形態の顎下部の電極貼付位置の例を示す図である。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の電極の前頸部への貼付例である。(A)は、電極貼付位置周辺の甲状軟骨突起の位置と輪状軟骨当接位置とを示す概略図であり、(B)は、本発明の電気刺激装置の第1実施形態の前頸部の電極貼付位置の例を示す図である。 人体の頬部への電極貼付位置を示す、側方からみた頭蓋骨を示す図である。 本発明の電気刺激装置の第2実施形態の電極の例を示す平面図である。(A)は、生体表面接触側とは反対側から見た平面図であり、(B)は、生体表面接触側からみた平面図であり、(C)はd−d断面図である。 本発明の電気刺激装置の第2実施形態の電極の頬部への貼付例である。(A)は、貼り代部を折り曲げる前の電極の貼付位置を示す図であり、(B)は、実際に電極を貼り付けて貼り代部を折り畳み、電極を貼付した状態を示す図である。
(電気刺激装置)
本発明の電気刺激装置は、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体の特定部位の表面に配置固定され、該発振器が発振した電気刺激用電流を生体に伝える電極とを備え、前記電極は、フィルム状の基材と、該基材の生体表面接触面側に固定された導電部と、前記基材の生体表面接触面に配された粘着部材とを有し、前記基材の形状が、生体表面の凹凸を指標として電極の配置固定位置を決定可能な形状である、ことを特徴とする。
本明細書においては、電気刺激装置として、嚥下機能障害の治療及びリハビリテーションのために、図3に示すように患者の顎下部及び前頸部に、または図6に示すように頬部に電極を貼付して、咽喉頭領域または口腔領域を刺激する電気刺激装置について例示的に記載するが、本発明の電気刺激装置は、電気刺激治療を要するあらゆる疾患に適用可能であり、生体のいかなる部位にも使用可能である。したがって、電気刺激装置の電極貼付位置は特に限定されるものではないが、嚥下機能障害の治療においては、顎下部若しくは前頸部、または頬部への貼付が高い効果が得られるため好ましい。
なお、本明細書において、「上方」とは、人体の足側から頭側に向かう方向を指し、下方」とは、人体の頭側から足側に向かう方向を指す。また、生体の「前面」とは、生体(人体)が普通に起立した状態で、その両目が視認できる方向から見た面をいう。
<第1実施形態>
本発明の電気刺激装置の第1実施形態(以降、「第1電気刺激装置」とも称する)においては、顎下部または前頸部に電極が配置されるよう構成された電気刺激装置であり、記基材の形状が略半円形の切欠部分を有し、前記電極は、前記切欠部分が甲状軟骨突起に隣接するように配置固定され、前記導電部が甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部の特定部位、または甲状軟骨突起から輪状軟骨の間の前頸部の特定部位に配置されるよう構成される。
本発明の第1電気刺激装置の電極が貼付される、人体の顎下部及び前頸部周辺、特に喉頭を中心とした局所解剖図を図1に示す。喉頭とは、咽頭から前下方に続く器官であり、上気道の一部を形成する。喉頭の骨組みは軟骨からなり、前面に甲状軟骨12、輪状軟骨13を有し、さらに後上方に喉頭蓋軟骨15を有する。喉頭の輪状軟骨13の下には、気管軟骨14が続く。喉頭の前面及び左右両側にかけて甲状腺16が存在する。さらに、喉頭の上端側には、舌根を支持する舌骨11が存在する。これらの組織のうち、甲状軟骨12は、前方に突起した状態で存在する。本発明の第1電気刺激装置は、甲状軟骨12の上端とオトガイ17との間の領域、または甲状軟骨12と輪状軟骨13の間の領域に電極を適用するように構成される。
第1電気刺激装置の電極の一例の構造を図2に示す。図2(A)は、顎下部から咽喉頭領域の両側部に電気刺激を与えるよう構成された電極の構造を示し、図2(B)は、図2(A)のa−a断面図を示す。また、図2(C)は、顎下部から咽喉頭領域の上下に電気刺激を与えるよう構成された電極の構造を示す、図2(D)(E)は、それぞれ図2(C)のb−b断面図、c−c断面図である。
第1電気刺激装置の電極の他の例の構造を図3に示す。図3(A)は、前頸部から咽頭壁の両側部に電気刺激を与えるよう構成された電極の構造を示し、図3(B)は、図3(A)のa’−a’断面図を示す。また、図3(C)は、前頸部から咽頭壁の上下に電気刺激を与えるよう構成された電極の構造を示す、図3(D)(E)は、それぞれ図3(C)のb’−b’断面図、c’−c’断面図である。
電極21、31は、それぞれフィルム状の基材22、32と、該基材22、32の生体表面接触面側に固定された導電部23、33と、前記基材22、32の生体表面接触面に配された粘着部材24、34とを備え、導線25、35を介して発振器(図示せず)で発振された電気刺激用電流を受け、前記導電部23、33を介して生体表面に該電気刺激用電流を供給する。
図2の例において、基材22は略四角形の形状であり、上端を上方に湾曲した構造とし、顎周辺の形状に沿った貼付を可能としている。また、基材22の両側端を中央方向に湾曲させることで、頭部の動きによる頸部側方の筋肉の動きにより、剥がれ、たるみ、しわ等が生じにくい構成としている。また、嚥下時の剥がれやすさを低減するため、後述する舌骨当接位置に孔Hを設けている。さらに、基材22は、下端中央部に略半円形の切欠部分Cを有する。
図3の例において、基材32は略四角形の形状であり、下端を上方に湾曲した構造とし、頸前面の丸みに沿った貼付を可能としている。また、基材32の両側端を中央方向に湾曲させることで、頭部の動きによる頸部側方の筋肉の動きにより、剥がれ、たるみ、しわ等が生じにくい構成としている。さらに、基材32は、上端中央部に略半円形の切欠部分Cを有する。
しかし、本発明の第1電気刺激装置の電極の形状は、図2及び図3に例示されるこれらの形状に限定されるものではない。
基材22、32の切欠部分Cの下端中央部の幅W1は、1mm〜30mmとすることが好ましく、3mm〜10mmとすることがより好ましい。幅W1を、前記の好ましい範囲、より好ましい範囲とすることで、後述のように、電極配置の位置合わせが適切に行いやすい、という利点を有する。
基材22に設けられた孔Hの形状は、特に限定されないが、全体形状に対してシンメトリーであることが好ましく、特に、筋肉の動きに沿いやすい形状とするため、円形または楕円形とすることが好ましい。孔Hの最小径W2は、3mm〜50mmとすることが好ましく、5mm〜30mmとすることがより好ましい。最小径W2を、前記の好ましい範囲、より好ましい範囲とすることで、嚥下時の電極配置の位置合わせが適切に行いやすい、という利点を有する。
なお、ここでいう「最小径」とは、孔の重心を通る直線が孔の外縁と2点で交わる場合において、前記外縁の2点間の直線長さが最も短くなる時の、該長さを指すものとする。また、図2では鉛直方向に長い楕円形状を示してあるが、これに限られるものではなく、水平方向に長い楕円形状であってもかまわない。
基材22、32の素材としては、特に限定されないが、粘着部材24、34の剥がしやすさ等の観点から、布地、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマー、各種発泡樹脂等の可撓性シートを使用することが好ましい。また、貼付しやすさ、頸部の動きによる剥がれ防止の観点から、糸状弾性体を配した布地等の伸縮性シートを使用し、伸縮可能としてもよい。また、通気性を持たせる観点から、多孔性シートを使用してもよい。
図2(A)及び図3(A)の例において、導電部23、33は、基材22、32の切欠部分Cの略対称軸に対して対称に2つ配置されており、舌骨筋の両側に電気刺激を与えることが可能である。図2(C)及び図3(C)の例において、導電部23、33は、基材22、32の切欠部分Cの略対象軸に垂直に、かつその重心が前記略対称軸に重なるように、2つが平行に配置されており、主に舌骨筋の中央部分に電気刺激を与えることが可能である。いずれの構成であっても、該導電部23、33は、後述のように、電極が適切な位置合わせにより生体表面に配置されることで、電気刺激を行うのに最も効果的な生体表面位置に接するように設計される。
なお、電気刺激による嚥下反射促進効果の観点から、図2(A)及び図3(A)に示すように、舌骨筋の両側部に電気刺激を与える構成とすることがより好ましい。
図4に、第1電気刺激装置の下顎部の電極貼付位置を示す。図4(A)の点線囲み部Iは、甲状軟骨突起に相当する位置を示す。また、点線囲み部IIは、舌骨相当位置を示す。図4(B)に示すように、電極21は、甲状軟骨突起(点線囲み部I)を手掛かりとして、該突起の上端に下端中央部の切欠部分Cが接するように位置合わせをすることで、導電部23が生体表面上の最適な位置に接するように配置することができる。
甲状軟骨突起周辺の筋肉は嚥下時に大きく動くため、甲状軟骨突起当接部位を切欠部分Cとして直接電極を貼付しない構成とすることで、嚥下時の動きによる電極の剥がれやすさを低減することができる。
図4の例においては、電極を上記の通りに位置合わせすることで、舌骨当接位置(図4(A)の点線囲み部II)と孔Hの位置が一致する。図1に示す通り、舌骨11は喉頭蓋軟骨15に隣接しており、喉頭蓋軟骨15は周囲の舌骨筋等の動きにより、嚥下時に喉頭上部の閉塞するように働くため、隣接する舌骨11の動きも大きくなる。このような舌骨当接位置を孔Hとして、直接電極を貼付しない構成とすることで、嚥下時の動きによる電極の剥がれ、たるみ、しわ等を低減することができる。
図5に、第1電気刺激装置の前頸部の電極貼付位置を示す。図5(A)の点線囲み部Iは、甲状軟骨突起に相当する位置を示す。また、点線囲み部IIIは、輪状軟骨位置を示す。図5(B)に示すように、電極31は、甲状軟骨突起(点線囲み部I)を手掛かりとして、該突起の下端に上端中央部の切欠部分Cが接するように位置合わせをすることで、導電部33が生体表面上の最適な位置に接するように配置することができる。
甲状軟骨突起から舌骨または輪状軟骨までの距離、電気刺激の最適位置は、患者によって異なる。該電極は、個々の患者に合わせてオーダーメードで製造してもよいが、既製品として、全体の大きさ、2つの導電部間の距離、切欠部分C及び孔Hの大きさ等の異なる複数のパターン(例えば3〜5パターン)の電極を製造してもよい。この場合、医療従事者から患者に対する使用方法等についての初回指導時に、医療従事者が患者に最適なパターンの電極を選択することができる。このように、多数の患者に適用可能な、複数パターンの既製品の形態で製造することにより、製造コストを抑えることが可能である。
<第2実施形態>
本発明の電気刺激装置の第2実施形態(以降、「第2電気刺激装置」とも称する)においては、前記基材の形状が、略多角形の主部と、該主部の互いに隣接する二辺よりそれぞれ主部の外側に延在する貼り代部とを有する形状であり、前記基材は前記主部と前記貼り代部の境界線に沿って生体表面接触面側に折り曲げ可能であり、前記導電部は前記主部に固定され、前記電極は、前記主部の貼り代部を有する二辺の為す角が下顎角に当接するように配置され、下顎骨の形状に合わせて前記貼り代部を折り曲げることで固定されるように構成される。
本発明の第2電気刺激装置の電極が貼付される、人体の頬部を含む骨格構造を図4に示す。発明者は、図6に示す通り、頬部を、鼻翼下端から耳珠中心線にかけて延びる直線A、唇端から外耳下端にかけて延びる直線B、下顎先端から顎骨に沿って延びる直線Cに沿って、それぞれ4分割し、計12の領域に分け、それぞれの領域に電気刺激を与え、最も電気刺激効果の高い領域を探索した。具体的には、3人の被験者に対して、頬部の上記領域のそれぞれ左右両側に電極を貼付して電気刺激を与え、口腔内に生じる電位を測定した。その結果、図6中の領域7、領域11、領域12、領域6の順に、該当部分への電気刺激により口腔内に生じる電位が高くなることが分かった。発明者は、これらの領域がいずれも下顎骨IV、特に下顎角Vに近接する領域であることに着目し、第2電気刺激装置を発明するに至った。
図7に、本発明の第2電気刺激装置の電極の例の構造を示す。図7(A)は、電極を生体表面接触側とは反対側(外側)から見た平面図であり、図7(B)は、電極を生体表面接触側からみた平面図である。図7(C)は、図7(B)のd−d断面図である。
電極71は、フィルム状の基材72と、該基材72の生体表面接触面側に固定された導電部73と、前記基材72の生体表面接触面に配された粘着部材74とを備え、導線75を介して発振器(図示せず)で発振された電気刺激用電流を受け、前記導電部73を介して生体表面に該電気刺激用電流を供給する。
図示例において、基材72は、略四角形の主部72aと、主部を構成する略四角形の互いに隣接する2辺からそれぞれ延在する貼り代部72b及び72cからなる。粘着部材74は、主部72aのみでなく、貼り代部72b及び72cの生体表面接触面にも配置される。主部72aを構成する略多角形は、該隣接する2辺の形成する角が貼付する頬部近傍の下顎角の角度(具体的には110〜160度程度)に一致または近似する限り、特に制限されず、例えば、略三角形、略五角形等とすることができるが、製造容易性、包装容易性等の観点から、略四角形とすることが好ましい。主部72aと貼り代部72b及び72cとの境界線には、貼り代部72b、72cの折り曲げを容易とするため、ミシン目線、溝(外側)等を設けることが好ましい。
基材72の素材としては、特に限定されないが、粘着部材74の剥がしやすさ等の観点から、布地、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマー、各種発泡樹脂等の可撓性シートを使用することが好ましい。また、貼付しやすさ、頬部の動きによる剥がれ防止の観点から、糸状弾性体を配した布地等の伸縮性シートを使用し、伸縮可能としてもよい。また、通気性を持たせる観点から、多孔性シートを使用してもよい。
導電部73の形状、大きさ及び固定箇所は、頬部の所定位置に電極を貼付した時に、図6における領域7、領域11、領域12及び領域6の少なくとも1つに接する形状、大きさ及び固定箇所であれば、特に限定されるものではないが、領域7及び/または領域11に接するように固定配置されることが好ましい。
図8に、第2電気刺激装置の電極貼付位置を示す。図8(A)は、貼り代部を折り曲げる前の電極71の頬部への貼付位置を示す。図示例の電極の貼付にあたっては、下顎角Vの立体形状を手掛かりとして、基材72の主部72aの貼り代部72b、72cと接する2辺の頂点が、下顎角Vに一致または近接するように電極71を貼付する。次いで、下顎骨の下顎の先端から下顎角IVにかけての線Dに沿って貼り代部72bを顎下側に折り曲げて貼付し、下顎骨の下顎角IVから耳下にかけての線Eに沿って主部72aと貼り代部72cとの境界線を折り曲げて耳下に貼付する。
図示例においては、電極を上記の通りに位置合わせすることで、頬部の適切な領域に導電部73が接するよう構成される。加えて、電極が、頬部の一面だけではなく、顎下部、耳下部においても粘着部材によって固定されるため、顎の動き等による剥がれ、たるみ、しわ等が生じにくい、という利点を有する。
下顎角Vの角度、頬部の大きさ、電気刺激の最適位置は、患者によって異なる。該電極は、個々の患者に合わせてオーダーメードで製造してもよいが、既製品として、全体の大きさ、導電部73の形状、大きさ、固定位置、主部を構成する多角形の下顎角に当接する角の角度等の異なる複数のパターン(例えば3〜5パターン)の電極を製造してもよい。この場合、医療従事者から患者に対する使用方法等についての初回指導時に、医療従事者が患者に最適なパターンの電極を選択することができる。このように、多数の患者に適用可能な、複数パターンの既製品の形態で製造することにより、製造コストを抑えることが可能である。
(電気刺激装置を用いた治療方法)
本発明の電気刺激装置により提供される治療方法としては、電気刺激用電流を発振する発振器と、該発振器が発振した電気刺激用電流を生体に伝える電極であって、フィルム状の基材と、該基材の生体表面接触面側に固定された導電部と、前記基材の生体表面接触面に配された粘着部材とを有する電極と、を備えた電気刺激装置を用いて、前記基材の形状を生体表面の凹凸を指標として電極を配置固定する、ことを特徴とする電気刺激方法が挙げられる。
また、本発明の第1電気刺激装置により提供される治療方法(以下、「第1治療方法」とも称する)としては、前記基材の形状が略半円形の切欠部分を有し、前記電極を、前記切欠部分が甲状軟骨突起の上側または下側に隣接するように配置固定し、前記導電部を甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部の特定部位、または甲状軟骨突起から輪状軟骨の間の前頸部の特定部位に配置する電気刺激方法が挙げられる。当該方法により、顎下部または前頸部の特定位置の電気刺激が可能となる。
前記第1治療方法は、前記基材が、最小径5mm〜50mmの孔を少なくとも1つ有することが好ましい。特に、前記導電部が甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部の特定部位に配置される場合、前記孔を舌骨相当位置に配置することが好ましい。
前記第1治療方法は、前記導電部が、前記切欠部分の略対称軸に対して対称に2つ配されることが好ましい。
本発明の第2電気刺激装置により提供される治療方法(以下「第2治療方法」とも称する)としては、前記基材の形状が、略多角形の主部と、該主部の互いに隣接する二辺よりそれぞれ主部の外側に延在する貼り代部とを有する形状であり、前記基材は前記主部と前記貼り代部の境界線に沿って生体表面接触面側に折り曲げ可能であり、前記導電部は前記主部に固定され、前記電極を、前記主部の貼り代部を有する二辺の為す角が下顎角に当接するように配置し、下顎骨の形状に合わせて前記貼り代部を折り曲げることで固定する電気刺激方法が挙げられる。当該方法により、頬部の特定位置の電気刺激が可能となる。
本発明の電気刺激装置により提供される治療方法において、前記基材が伸縮可能であることが好ましい。
本発明の電気刺激装置は、嚥下機能障害の治療及びリハビリテーション等の、医療分野で利用可能である。
11…舌骨
12…甲状軟骨
13…輪状軟骨
14…気管軟骨
15…喉頭蓋軟骨
16…甲状腺
17…オトガイ
21、31、71…電極
22、32、72…基材
23、33、73…導電部
24、34、74…粘着部材
25、35、75…導線
72a…主部
72b、72c…貼り代部
C…切欠部分
H…孔
W1…切欠部分の幅
W2…孔の最小径
I…甲状軟骨突起位置
II…舌骨相当位置
III…輪状軟骨位置
IV…下顎骨
V…下顎角

Claims (7)

  1. 電気刺激用電流を発振する発振器と、
    生体の特定部位の表面に配置固定され、該発振器が発振した電気刺激用電流を生体に伝える電極とを備え、
    前記電極は、フィルム状の基材と、該基材の生体表面接触面側に固定された導電部と、前記基材の生体表面接触面に配された粘着部材とを有し、
    前記基材の形状が、生体表面の凹凸を指標として電極の配置固定位置を決定可能な形状である、
    ことを特徴とする電気刺激装置。
  2. 前記基材の形状が略半円形の切欠部分を有し、
    前記電極は、前記切欠部分が甲状軟骨突起の上側または下側に隣接するように配置固定され、前記導電部が甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部の特定部位、または甲状軟骨突起から輪状軟骨の間の前頸部の特定部位に配置されるよう構成された、請求項1に記載の電気刺激装置。
  3. 前記基材が、最小径5mm〜50mmの孔を少なくとも1つ有する、請求項2に記載の電気刺激装置。
  4. 前記導電部が甲状軟骨突起からオトガイの間の顎下部の特定部位に配置され、前記孔が舌骨相当位置に配置されるよう構成された、請求項3に記載の電気刺激装置。
  5. 前記導電部が、前記切欠部分の略対称軸に対して対称に2つ配された、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
  6. 前記基材の形状が、略多角形の主部と、該主部の互いに隣接する二辺よりそれぞれ主部の外側に延在する貼り代部とを有する形状であり、
    前記基材は前記主部と前記貼り代部の境界線に沿って生体表面接触面側に折り曲げ可能であり、前記導電部は前記主部に固定され、
    前記電極は、前記主部の貼り代部を有する二辺の為す角が下顎角に当接するように配置され、下顎骨の形状に合わせて前記貼り代部を折り曲げることで固定されるように構成された、請求項1に記載の電気刺激装置。
  7. 前記基材が伸縮可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
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