JP2015057906A - 複合ループアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】プレーナ(両面)複合フィールドアンテナ及び印刷された(片面)複合フィールドアンテナを提供する。
【解決手段】面一の電界フィールドラジエーターと磁気ループを有する複合ループアンテナにおいて、電界は磁界に対して直角で、高い帯域幅(低いQ)、大きい放射強度/パワー/利得及び大きい効率を達成する。独立したカウンタポイズ複合フィールドアンテナにおいて、磁気ループ上に形成された遷移を含み、磁気ループの幅より大きい幅を有し、電界ラジエーターに対向又は隣接する磁気ループ上に形成されたカウンタポイズを実質的に分離する。
【選択図】図9A

Description

[関連する出願の相互参照]
本出願は2010年9月8日に提出された、米国出願第12/878,016号、12/878,018号および12/878,020号からの優先権を享受すると共に、これらの出願は2010年2月11日に出願された、米国仮出願第61/303,594号から優先権を享受する非仮出願である。
本発明の実施形態は、平面で(両側)、印刷された(片面)複合領域アンテナに関係するものであり、より詳しくは、排他的ではないが、複合ループアンテナに関するものであり、当該複合ループアンテナは、磁界に直角の電界を備えた、同一平面上の電界ラジエーターおよび磁気ループを有しており、より高い帯域幅(低いQ)への性能上の利点、より大きな線強度/能力/利得、並びにより大きな効率を達成する。
さらなる実施形態は、磁気ループ上で形成され、磁気ループの幅より大きな遷移幅を有している遷移を含む独立したカウンタポイズ(counterpoise)複合領域アンテナに関するものである。
遷移は、電界ラジエーターと反対か隣接している磁気ループ上で形成されたカウンターポイズを実質的に分離する。
現代の電気通信装置の、常に減少するサイズは、改善されたアンテナ設計のニーズを創生する。モバイル/携帯電話のようなデバイスにおける既知のアンテナは、性能での主な限定のうちの1つを提供し、ほとんど常に、いずれかの方法において妥協している。
アンテナの効率は、特にデバイスの性能に主な影響を及ぼすことができる。より効率的なアンテナは、送信機から供給されたエネルギーを高い比率で放射するだろう。同様に、アンテナの固有の相互作用により、より効率的なアンテナは受信機によって処理するためにもっと受信信号を電気エネルギーに変換するだろう。
トランシーバー(送信機と受信機の両方として動作するデバイス)とアンテナの間でエネルギー(伝達と受信モードの両方への)の最大の転送を保証するために、両方のインピーダンスは、大きさにおいて互いに一致するべきである。2つの間の任意の誤った組合せは次善の性能に結果として生じるだろう、そして送信する場合に、エネルギーは、アンテナから送信機に、後ろに反射される。受信機として動作する場合、アンテナ次善の性能は、さもないと可能である性能より低い受信電力に結果として生じる。
既知の単純なループアンテナは典型的には、現在供給されるデバイスである。それは磁気(H)領域を第一義的に生成する。そういうものとして、それらは、典型的には、送信機のように適切ではない。これは、小さなループアンテナ(すなわち、より小さいか、あるいは一波長未満の直径を有している)に特に該当する。対照的に、双極子のような電圧供給アンテナは、電気的(E)フィールドおよびHフィールドの両方を生成し、送信モード及び受信モードの両方において使用され得る。
ループアンテナによって受信されたか、あるいはループアンテナから送信されたエネルギーの量は、一部分、その部分によって測定される。典型的に、ループの部分が半分にされるごとに、受信され得る/送信され得るエネルギー量は、初期のサイズ、周波数などのアプリケーション・パラメーターに依存して、およそ3dB少なくされる。この物理的な拘束は、実施の際に非常に小さなループアンテナを使用することができないことを意味する傾向がある。
複合アンテナは、横電磁気(TMモード及び横電気(TE)モードが、より高い帯域幅(低いQ)、より大きな線強度/能力/利得並びにより大きな効率のようなより高い性能上の利点を達成するために起動されるものである。
1940年代の終わりに、ホイーラーとチューが、最初に電気的に短い(ELS)アンテナの特性を検討した。それらの仕事を通じて、いくつかの方程式が作成され、物理的サイズにおいて減少するとのアンテナの限界を記載した。ホイーラーおよびチューによって言及されたELSアンテナの限界のうちの1つ(それは特定に重要である)は、放射するよりも大きい時間平均エネルギーを格納するという点で、大きなラジエーション品質係数(radiation quality factor)Qを有することである。ホイーラーとチューによれば、ELSアンテナは高いラジエーションQを有し、アンテナまたはマッチングネットワークの最も小さな抵抗性の損害を結果として生じ、典型的には、1−50%の間で非常に低い放射効率につながる。その結果、1940年代以来、ELSアンテナに狭い帯域幅と貧弱なラジエーション効率があることが、一般に科学界に容認されている。ELSアンテナを利用する無線通信システムでの現代の業績の多くは、変調スキームの正確な実験と最適化から、および空気プロトコル上で起こった。しかし、今日、商業上利用されるELSアンテナは、まだ狭い帯域幅、低い効率を反映しており、ホイーラーとチューに帰着する。
1990年代の初めに、Dale M.GrimesおよびCraig A.Grimesは、ホイーラーとチューの理論によって確立された低い発光Qの限界を越えるELSアンテナ中で一緒に動作するTMモードとTEモードの数学上見出されるある組み合わせを有することを主張した。GrimesとGrimesは、1995年5月に電磁適合性部会のIEEEトランザクションで公表された「Bandwidth and Q of Antennas Radiating TE and TM Modes」と題するジャーナルに彼らの仕事について記載している。これらの要求は多くの討論の口火を切り、TMモードまたはTEモードのいずれかが単独で起動される場合、「単純なフィールドアンテナ」に対立するものとしてTMモードとTEモードの両方が起動される用語「複合フィールドアンテナ」につながった。複合領域アンテナの利点は、米国ナーバルウェアフェアセンターの武器ディビジョンによって雇用されたグループを含む数人の評判の高いRFエキスパートによって数学上証明された。彼らは、ホイーラー−チュー限界より低いラジエーションQの証拠、すなわち増加したラジエーション強度、指向性(利得)、放射された能力、および放射された効率を結論づけた(P.L.Overfelft、D.R. Bowling、D.J.White、「Colocated Magnetic Loop, Electric Dipole Array Antenna (Preliminary Results)」臨時のリポート、1994年9月)。
複合フィールドアンテナは、エレメント接続の望まれない効果と、電気ラジエーターと磁気ラジエーターを組み合わせるために低損失受動ネットワークを設計する際の関連する困難性により、複雑で、物理的にインプリメントするのが難しいことが分かった。
2寸法の非複合アンテナの多くの例があるが、それらは一般に回路基板上の金属の印刷されたストリップから成る。しかしながら、これらのアンテナは電圧供給式である。そのようなアンテナの一例は、平面の逆Fアンテナ(PIFA)である。類似のアンテナ設計の大多数は、また主として1/4波長(あるいは1/4波長の倍数)、電圧供給、双極子アンテナから成る。
プレーナアンテナも当該技術において知られている。例えば、ツァーンらに発行された特許文献1はアンテナが動作するために高価なテフロン(登録商標)基板、または同様の材料を必要とする。シガに発行された特許文献2はマイクロ波信号を受信することができるプレーナアンテナを教えるが送信しない。シガのアンテナはさらに高価な半導体基材を必要とする。Nalbandianに発行された特許文献3はプレーナアンテナに関するもので、1:3から1:1の透磁率に対して誘電率を有する基板を必要とし、H FおよびVH F周波数範囲(3〜30MHzおよび30〜300MHz)でのみ動作することができる。FR−4のような安価なガラス強化エポキシ積層シート上にいくつかの低い周波数デバイスを印刷することは知られているが、それは通常のプリント回路基板に一般に使用されるものであり、FR−4における誘電損失は高すぎると考えられ、誘電率はそのような基板がマイクロ波振動数で使用されるには充分にしっかりとコントロールされていないと考えられる。これらの理由で、アルミナ基板はより一般に使用される。加えて、これらのプレーナアンテナのどれもが複合ループアンテナではない。
複合フィールドアンテナの増加した性能の根拠は、帯域幅、効率、利得およびラジエーション強度によって、アンテナの近い領域に格納されたエネルギーの効果に由来する。RFアンテナ設計において、放射されたパワー中にアンテナに与えられたエネルギーが可能な限り移ることは望ましい。アンテナの近い領域で格納されたエネルギーは、歴史的に無効電力と呼ばれており、放射することができる能力の量を制限する役割を果たす。複雑な能力について議論する場合、現実の部分及び想像上の部分(しばしば、「無効の」という)部分が存在する。実電力はソースを残し、戻らない。しかし、想像上のパワーまたは無効電力は、ソースの固定された位置(半波長内)に関して振れる傾向があり、ソースと相互に作用する、それによって、アンテナの動作に影響する。多重ソースからの実電力の存在は直接付加的である。しかし、想像上の能力の多重ソースは付加的になりえるか、負(取り消すこと)になりえる。複合アンテナの利益は、エンジニアが単純なフィールドアンテナにおいて前に利用できなかった無効電力取り消しを利用する設計を作成することを可能にするか、TMソースおよびTEソースの両方によって運転されることで、アンテナの実電力伝送品質を改善することである。
複合アンテナにおいて無効電力を取り消すことができるために、電界および磁界は互いに直角に動作するべきである。磁界を生成するために必要な、電界ラジエーターの多くの構成、ならびに磁界を発生するために必要な磁気ループの多くの構成が提案されているが、そのようなすべての設計は必ず三寸法アンテナで解決されている。例えば、マクレーンに発行された特許文献4は1組の磁気ループを、当該磁気ループの組間に配された第3の平行な面上の電気双極子と平行な面内で必要とする。Grimesらに発行された特許文献5は、互いに物理的に直角に配列されることを2組の磁気ループおよび電気双極子に要求する。磁気双極子と電気双極子がまた直交平面にある場合、マクレーンによって出願された特許文献6(は配置を教える。
米国特許第5,061,938号明細書 米国特許第5,376,942号明細書 米国特許第6,677,901号明細書 米国特許第7,215,292号明細書 米国特許第6,437,750号明細書 米国特許出願公開第2007/0080878号公報
図1は、実施形態の平面の達成を示す。 図2は、4つの離散的なアンテナ素子を組み入れる実施形態の回路配置を示す。 図3Aは、図2のフェーズトラッカーを含まないアンテナ素子のうちの1つの詳細図を示す。 図3Bは、図2のフェーズトラッカーを含まないアンテナ素子のうちの1つの詳細図を示す。 図4Aは、小さな片面の複合アンテナの実施形態を示す。 図4Bは、磁気ループを備えた小さく片面の複合アンテナの実施形態を示し、当該磁気ループのコーナーがおよそ45度の角度で切断されている。 図4Cは、2つの対称な広‐狭‐広の遷移を有する磁気ループを備えた小さな片面の複合アンテナの実施形態を示す。 図5は、小さな両面の複合アンテナの実施形態を示す。 図6は、4つの複合アンテナ素子で構成された大きな複合アンテナアレイの実施形態を示す。 図7は、フェーズトラッカーの寸法がどのようにそのインダクタンスとキャパシタンスに影響するかを示す; 図8は、アンテナ実施形態の接地平面を示す。 図9Aは、独立の平衡不平衡変成器を備えたカウンタポイズ・アンテナアンテ実施形態を示す。 図9Bは、プルダウンされた平衡不平衡変成器を備えた図9Aのアンテナの代替の実施形態を示す。 図10Aは、電界ラジエーターのアレイと電界ラジエーター間の曲がったトレースを備えた独立のカウンタポイズ・アンテナの実施形態を示す。 図10Bは、電界ラジエーターのアレイを備えるが、曲がったトレースを備えない独立のカウンタポイズ・アンテナの実施形態を示す。 図11Aは、図9からのアンテナに対する2Dラジエーションパターンをほぼ示す。 図11Bは、図9からのアンテナに対する2Dラジエーションパターンをほぼ示す。 図11Cは、図9からのアンテナに対する2Dラジエーションパターンをほぼ示す。 図12Aは、図10Aからのアンテナに対する2Dラジエーションパターンをほぼ示す。 図12Bは、図10Aからのアンテナに対する2Dラジエーションパターンをほぼ示す。 図12Cは、図10Aからのアンテナに対する2Dラジエーションパターンをほぼ示す。 図13Aは、図9からのアンテナに対する電圧定在波比のプロットをほぼ示す; 図13Bは、図9からのアンテナに対して測定された反射減衰量のプロットをほぼ示す。 図14Aは、図10からのアンテナに対する電圧定在波比のプロットをほぼ示す; 図14Bは、図10からのアンテナに対して測定された反射減衰量のプロットをほぼ示す。 図15は、テーパー状の遷移をもつ独立のカウンタポイズ・アンテナの実施形態をほぼ示す。
実施形態は改善された平面の複合ループ(CPL)アンテナであって、送信モードと受信モードの両方で動作することができ、既知のループアンテナより大きな性能を可能にすることができる改善された平面の複合ループ(CPL)アンテナを提供する。CPLアンテナの2つの主成分は、磁界(H領域)、および電界(E領域)を放出する電界ラジエーターを生成する磁気ループである。
電界ラジエーターは、ループの内部、またはループの外部に物理的に配置され得る。例えば、図1は電気的なトレースによってつながれたループの内部に置かれた電界ラジエーターを備えた単一のCPLアンテナ素子の実施形態を示す一方で、図3Aおよび3Bは、ループの外部に置かれた電界ラジエーターを備えた単一のCPLアンテナ素子の2つの実施形態を示す。図3Aは、さらに以下に記載されるように、広帯域用途用のフェーズトラッカーを含んでおり、一方図3Bはフェーズトラッカーを含んでおらず、それほど広帯域でない適用により適している。図4A、4Bおよび4Cは、電界ラジエーターが磁気ループ内に配された小さな片面アンテナの他の実施形態を示す。これらの技術のいずれかを使用する内蔵アンテナの実施形態は、容易にモバイル装置又はハンドヘルド装置(例えば、電話、PDA、ラップトップ)に組み立てることができ、若しくは個別のアンテナとして組み立てることができる。図2および他の図は、マイクロストリップ構造の技術を使用するCPLアンテナアレイの実施形態を示す。そのような印刷技術は、コンパクトで一貫したアンテナが設計され、構築されることを可能にする。
図1に示されるアンテナ(100)は、プリント回路基板(101)のセクション上で配列され、印刷される。アンテナは磁気ループ(110)を含み、当該磁気ループ(110)は、この場合、一般的に開いたベース部をもつ本質的に長方形である。一般に開いたベース部の2つの末端は、既知の方法で駆動点において同軸ケーブル(130)から供給される。
ループ(110)の内部には、電界ラジエーターまたは直列共振回路(120)が配される。直列共振回路(120)は回路基板(101)上でJ字状のトレース(122)の形態をとり、誘導子として動作する屈曲したトレース(124)によってループ(100)に接続される。それは、インダクタンスまたは誘導リアクタンスを有していることを意味している。J字状のトレース(122)は、アンテナに使用された寸法と材料によって決定づけられた本質的に容量性リアクタンス・プロパティを有する。屈曲したトレース(124)と共にトレース(122)は直列共振回路として機能する。
アンテナ(100)は、理解の容易さのために本明細書に示される。実際の実施形態は、示されたアンテナに物理的に似ていないことがあり得る。この場合、同軸ケーブル(130)から供給されることが示され、すなわち、ループ(132)の一端はケーブル(130)の中心導体に接続され、ループ(134)の他端はケーブル(130)の外シースに接続される。ループアンテナ(100)は、ループ周辺のまわりの通路のループ(134)部に直列共振回路(120)が接続される点で既知のループアンテナと異なる。以下に述べられるように、この接続の部位はアンテナの動作上重要部分を果たす。
アンテナ(100)によって発生した/受信された磁気ループ(110)、EおよびH領域に対して、直列共振回路120および屈曲するトレース(124)を注意深く位置決めすることによって、磁気ループ(110)に直角の電界ラジエーターを物理的に配列する必要なしに、互いに直角になるように作ることができる。この直角の関係は、アンテナ(100)によって放出された電磁波が時間を通って有効に伝播することを可能にする効果がある。この結果、直列共振回路(120)および屈曲したトレース(124)を達成することは、磁気ループ(110)に沿ってほぼ90度またはほぼ270度の電気的な位置に配され。代替の実施形態では、屈曲したトレース(124)は、磁気ループ(110)に沿った点に配され得るのであり、そこでは磁気ループを通って流れる電流は反射する最小である。したがって、屈曲したトレース(124)は、ほぼ90または270度の電気的な点に置かれ得ること、あるいは置かれてはならないことがある。電流が反射する最小である、磁気ループ(110)に沿った点は、磁気ループ(110)の幾何学的な点に依存する。例えば、電流が反射する最小である点は、磁気ループの第1の領域であると最初に認識され得る。インピーダンス・マッチングを達成するために、磁気ループに金属を加えるか削除した後に、電流が反射する最小である点は第1の領域から第2の領域に変わることがある。
磁気ループ(110)は多くの異なる電気的・物理的な長さの任意のいずれかであり得る;
しかしながら、所望の周波数帯に関して、ある波長、1/4波長および1/8波長の倍数である電気的長さは、アンテナのより効率的な動作を提供する。磁気ループにインダクタンスを加えることは、磁気ループの電気的長さを増加させる。磁気ループにキャパシタンスを加えることには逆効果があり、磁気ループの電気的長さを減少させる。
H領域およびE領域の直角の関係は、駆動点から磁気ループのまわり90または270度のいずれかである物理位置に直列共振回路(120)および屈曲トレース(124)を置くことにより達成することができ、物理位置はそれをアンテナによって送信された信号/受信された信号の周波数によって異なる。注意したように、この位置は、磁気ループ(110)の駆動点から90または270度のいずれかでありえ、端末(132)および(134)によって、それぞれ決定される。従って、端末(132)がケーブル(130)の中心導体に接続される場合、図1に示されるように、屈曲したトレース124は90度の点で配され得るか、または270度の点で配され得る。
HフィールドとEフィールドの直角の関係も、直列共振回路(120)と屈曲したトレース(124)を、磁気ループを通って流れる電流が反射する最小になるある磁気ループのまわりの物理的な位置に設置することにより達成することができる。前に注意したように、電流が反射する最小になる位置は、磁気ループ(110)の幾何学的形状に依存する。
このように成分間に90度の位相関係があるように、回路素子を入れすることによって、EフィールドとHフィールドの間で直角の関係が創られ、この関係によってアンテナ(100)は受信及び送信の両方のアンテナとしてより有効に機能することができる。Hフィールドは単独でで(あるいは本質的に単独で)磁気ループ(110)によって生成される一方で、Eフィールドは直列共振回路(120)によって放出され、はるかに遠い距離の送信に適した形状のアンテナから送信されたエネルギーを与える。
直列共振回路(120)は誘導性(L)素子および容量性(C)素子を備えており、それらの値は、アンテナ(100)の動作の周波数で共振するように選択され、その結果、誘導リアクタンスは容量性リアクタンと一致する。これは、容量性素子のリアクタンスが誘導性のリアクタンスと等しい場合、共振が最も効率的に生じるからである。すなわち、XL=Xcの場合、LとCの値は、このように所望の動作範囲を与えるために選ぶことができる。水晶発振器を使用する直列共振回路の他の形態は、例えば、他の動作特性を与えるために使用することができる。水晶発振器が使用される場合、そのような回路のQ値は示された単純なL−C回路よりはるかに大きく、従って、アンテナの帯域幅点を制限するだろう。
前に注意したように、直列共振回路(120)は、Eフィールド・ラジエーターとして有効に動作している(これは、アンテナに固有な相互性によって、Eフィールド・レシーバーであることを意味する)。示されたとおり、直列共振回路(120)は1/4波長のアンテナであるが、直列共振回路は、また全波長の倍数、1/4波長の倍数または1/8波長の倍数のアンテナとして動作し得る。特別の制限が、トレース(122)として使用される材料の所望の波長を阻害する場合、電気的に等価な全波長、1/4波長、1/8波長の直列共振回路(120)を達成するために伝播遅延を増加させる手段として、屈曲したトレース(124)を利用することができる。それは理論上、だが一般にではなく、可能だろう、したがって、直列共振回路の代わりに所望の波長のロッドアンテナを単に使用することは、もしロッドアンテナが、90度/270度の点または磁気ループを通って流れる電流が反射する最小である点でループに物理的に接続され、かつXL=Xcの要件に適合される場合、理論上可能であるが、実際には一般的に不可能である。
前に注意したように、直列共振回路(120)の位置決めは重要である。すなわち、直列共振回路(120)は、EフィールドとHフィールドの間の位相差が、90度または270度のいずれかであるか、又は磁気ループを通って流れる電流が反射する最小である点で位置づけられ得るのであり、ループに接続され得るのである。本明細書から、直列共振回路(120)が磁気ループ(110)に接続される点は、「接続点」と呼ばれ、磁気ループに沿った90度または270度の電気的な点の接続点は、「90度/270度の接続点」と呼ばれ、流れが反射する最小である接続点は「反射する最小の接続点」と呼ばれる。
接続点の位置の変化量は、アンテナおよび磁気ループの幾何学的形状の意図された用途にある程度依存する。例えば、最適な接続は、90/270の接続点を使用するアンテナの性能と、反射する最小の接続点を使用するアンテナの性能を比較することにより見出され得る。ついで、アンテナの意図された用途のために最も高い効率を生じさせる接続点は選択され得る。90/270の接続点は反射する最小の接続点と異ならないことがある。例えば、アンテナの実施形態は、90度/270度の点の反射する最小で電流を有しすることができるか、または90度/270度の点に接近することができる。90度/270度の接続点を使用する場合、正確な90度/270度からの変化量はアンテナの意図された用途にある程度依存するが、90度/270度により接近して位置づけられると、それだけアンテナの性能は良好になる。EフィールドとHフィールドの大きさは、また、理想的には同一または実質的に類似しているべきである。
実施上、直列共振素子(120)がループ(110)に接続される点は、90度/270度の位置、または電流が反射する最小になる点を定義するEフィールド・プローブとHフィールド・フロー部の使用を通じて経験的に見出され得る。屈曲したトレース(124)がループ(110)に接続されるべき点は、所望の90度/270度の差が観察されるまで、トレース(124)を移動させることにより測定され得る。ループ(110)に沿った、90/270の接続点および反射する最小の接続点を測定するための他の方法は、電磁気ソフトウェア・シミュレーションプログラムで表面電流を視覚化することであり、ループ(110)に沿った最良の接続点が最小の表面電流の大きさの領域として映像化される。
したがって、たとえ素子の配置の基礎となる原理がよく理解されても、アンテナの最適な性能を保証するために、経験的な決定のレベルおよび試行錯誤のレベルが要求される。これは単にプリント回路の性質により、これは、所望の性能が達成される前に、しばしば「チューニング」の程度を必要とする。
知られた単純なループアンテナは非常に広い帯域幅(典型的には1オクターブ)を提示する一方で、双極子のような知られたアンテナは、はるかに狭い帯域幅−典型的には、動作周波数のはるかに小さい部分(動作の中心周波数の20%など)を有する。
プリント回路技術は周知であり、本明細書では詳細に説明しない。特定の誘電性の効果がある適切な基板上で銅トレースが配列され、印刷される(通常、エッチングまたはレーザー・トリミングを介する)と言うことで充分である。材料と寸法の注意深い選択によって、キャパシタンスとインダクタンスの特定の値は、独立した個別の素子を要することなく達成することができる。しかしながら、さらに以下に述べられるように、現在の実施形態の設計は、先のより高い周波数プレーナアンテナの基板の制限を緩和する。
注意したように、現在の実施形態は、最終設計がマニュアル較正の特定の量の結果として達する知られたマイクロストリップ技術を用いて配列され、製造され、それによって基板上の物理的なトレースが調節される。実施上、較正されたキャパシタンス・スティック(stick)が使用され、当該キャパシタンス・スティックは、公知のキャパシタンス素子(例えば、2ピコファラッド)を有する金属要素を含む。キャパシタンス・スティックは、例えば、アンテナの性能が測定されている間に、アンテナ・トレースの様々な部分に接して配置され得る。
当業者の管理下で、アンテナを構築するトレースが、キャパシタンス及び/又はインダクタンスを調節することと等価な寸法で調節されるべきであることを明らかにする。多数の繰り返しの後、所望の性能を有するアンテナが達成され得る。
直列共振素子とループの間の接続点は、経験的にEフィールド・プローブとHフィールド・プローブを使用して、再度決定される。一旦近似的な接続位置が決定されると、テスト装置との最も僅かな干渉でさえ大きな実際的な効果を有することがありえ、その場で、トレースをレーザー・トリミングすることによって、接続及び/又はL及びCの値の細密調整がなされ得る。一旦最終設計が確立されれば、良好な繰り返し可能性で再生することができる。代替的に、直列共振素子とループの間の接続の位置は、表面電流を視覚化する電磁気ソフトウェア・シミュレーション・プログラムを使用し、表面電流が最小になる領域を選択して決定され得る。
本明細書に述べられた実施形態にしたがって内蔵されたアンテナは、類似の容量の知られたアンテナを超える実質的な効率の利得を提示する。
さらなる実施形態では、複数個の離散的なアンテナ素子は単一の素子の使用によって達成することができるより大きな性能を提供するために組み合わせることができる。
図2は、既知の方法で回路基板(205)のセクション上で整配列され、印刷されるが、アンテナ(200)を示す。回路基板(205)は平面図で示されるが、回路基板を構築する基板についての特定の厚さの量が存在し、接地平面(図示せず)は、図6および8に示された、接地面領域(624)に類似した方法で回路基板(205)の後部に印刷される。図2において、アンテナ(200)は、二つのセットとして配列され、各セットが並行して駆動される4つの別個の、機能的に同一のアンテナ素子(210)を含む。
基礎的なアンテナ素子(210)の多数の段階を提供する効果は、アンテナ(200)の全性能を改善することである。アンテナの構造に関連した損失がなければ、理論上、基礎的なアンテナ素子(210)の多くの個々の段階を含むアンテナを構築することができるだろう、そしておのおのは、アンテナに3dBの利得を加える素子の数の2倍になる。しかしながら、実際上、損失(特に、誘電加熱効果)は、余分なエレメントを無制限に加えることができないことを意味する。4つのエレメント・アンテナの図2に示される実施例は、物理的に可能なことの範囲内で適切で、単一の素子から成るアンテナを超える6dBの利得(より少ない任意の誘電加熱損失)を加える。
図2のアンテナ(200)は、固定無線・インフラストラクチャーのマイクロセルラー基地局または他のアイテムで使用するのに適しているが、単一の素子(210)は、セルラーまたはモバイル・ハンドセット、ページャー、PDA若しくはラップトップ・コンピューターのようなモバイル・デバイスで使用するのに適している。唯一の実際の決定的な問題は寸法である。
素子(210)の部品および動作は、それぞれアンテナ(310)および(370)に関する図3Aおよび図3Bでさらに説明され、示される。
図3Aは、単一のアンテナ(310)(図2の要素210のうちの1つの実施形態)を示しており、以下に説明するように、フェーズトラッキング・アンテナ素子(330)を含むことにより1.5オクターブまでの、より大きな帯域幅を達成することができ、図1のより狭い帯域幅アンテナ(100)より大きな運用上の帯域幅(より広い帯域幅)を提供するのに特に適している。このより広い帯域幅は、とくに、長方形の電界ラジエーター(320)およびループエレメント(350)とフェーズトラッカー(330)との組み合わせによって達成される。長方形の電界ラジエーター(320)は、図1に示される直列共振回路(120)に取って代わる。しかしながら、以下にさらに説明されるように、長方形の電界ラジエーター(320)の動作帯域幅はフェーズトラッカー(330)の動作により、同調回路(120)の動作帯域幅より広い。
アンテナ(310)の代替的な実施形態は、アンテナ(370)として図3B内で示され、アンテナ(370)は、図3Aのアンテナ(310)と同じ長方形の電界ラジエーター(320)、ループエレメント(350)、及び駆動又は供給点(340)を有するが、フェーズトラッカー(330)を欠いており、したがって、アンテナ(310)より動作のより狭い帯域幅を有している。広い帯域幅実施を組み入れる別の方法は、図4AにおけるCPLアンテナ素子によって描かれており、さらに以下に述べられているように、多数の電界ラジエーター(404)および(408)を組み入れる。
同調回路(120)の場合、同調回路とループの間の接続点がアンテナ(100)の全性能を測決定することにおいて重要であった。図3Aおよび3Bから、アンテナ(310)および(370)における電界ラジエーター(320)の場合、ループ(350)の外部に置かれるが、正確な位置はそれほど重要ではない。なぜなら、中心周波数、または電流が反射する最小になる点でループ(350)のまわりで90度/270度の中間で一般的には配列されるが、接続点が電界ラジエーターの一辺の長さに沿って有効に分配されるからである。そのため、電界ラジエーター(320)のエッジがそのループ(350)に遭遇する終端点が、ループの寸法と共に、アンテナ(310)および(370)の動作周波数範囲を決定する。
また、ループ(350)の寸法は、アンテナ(310)および(370)の動作周波数を決定することにおいて重要である。前に言及したように、ループ(350)の全長は特に重要な寸法である。より広い動作周波数範囲を可能にするために、三角形のフェーズトラッカー素子(330)は、電界ラジエーター(320)(図2に示されるような2つの可能な位置のうちの1つ内での)に直接対向して提供される。フェーズトラッカー(330)は、自動可変長トラッキング装置として有効に作用し、供給または駆動点(340)供給されたRF信号の周波数に依存して、ループ(350)の電気的長さを延長するか、短くする。
フェーズトラッカー330は、無限に近い一連のL−C要素に等価であり、そのうちのいくつかだけが特定周波数で共振するであろう。それによってループの有効長さが自動的に交互に変わる。このように、そのようなフェーズトラッキング要素を有していない単純なループでよりも動作の広い帯域幅が達成され得る。
図2に示されるフェーズトラッカー(330)は2つの異なる可能な位置を有している。これらの位置は、隣接したアンテナ素子(210)間の相互妨害を最小限にするために、図2に示されるアンテナ素子(210)の群内で各アンテナ素子(210)のために選ばれる。電気的な展望から、2つの設定は機能的に同一である。
アンテナ(310)及び(370)のより大きな帯域幅(1*オクターブまで)が可能である。なぜなら、磁気ループ(350)が信号電流の完全ショート(complte short)であるからである。図3Aおよび3Bで示されるように、磁気ループは完全な短絡であるである。なぜなら、それが半波ショートだからである。しかし1/4波オープン、全波ショートで、完全ショートであり得る。アンテナのフェーズは寸法(360)によって決定される。寸法(360)は、電界ラジエーター(320)の長さ、および磁気ループ(350)の左側の長さに及ぶ。信号は、信号が180度位相外れの点で短絡される。最も大きな量を備えた磁界は磁気ループによって生成される。また、電界ラジエーターによって生成されたより小さな量の磁界が存在する。また、磁気ループは、非常に低い実インピーダンスをもつRFショートから非常に高い実インピーダンスをもつ近RFオープンまで長さが変化し得る。最も高い量の電界は、1つ以上の電界ラジエーター素子によって放出される。しかしながら、磁気ループは、また電界ラジエーターによって放出された電界より、量において低い小さな電界および反対の磁界を生成する。
アンテナの効率は、できるだけ高いHフィールドを生成するように、磁気ループ内での電流を最大にすることにより達成される。これは、図6においてさらに以下に記載しているように、電流がEフィールド・ラジエーターへ移動し、そして反対方向に反射して戻るように、アンテナを設計することにより達成される。最大化されたHフィールドは、アンテナから全方向に突き出ており、アンテナの効率を最大にする。なぜなら、より多くの電流が送信の目的のために利用され得るからである。磁気ループが完全なRFショートである場合、あるいは、磁気ループが非常に低い実インピーダンスを有している場合、生成することができる最大のH領域エネルギーが生じる。正常な状況の下では、しかしながら、1つの、RFショートは望ましくない、なぜなら、RFショートはアンテナを駆動するトランスミッターを消耗するからである。送信機は、セット・インピーダンスでエネルギーの設定金額を消す。電界のインピーダンス・マッチング・プロパティの利用によって、送信機を焼き尽くさずに、近いRFショートループを有していることは可能である。
磁気ループを通って流れる電流は、電界ラジエーターに流れ込む。その後、電流は、電界ラジエーターによって磁気ループの中に反対方向に沿って、反射して戻り、磁界に反射して、電界ラジエーターのショートを引き起こし、直角の電界と磁界を生成する。
寸法(365)は電界ラジエーター(320)の幅から成る。寸法(365)は、アンテナの効率に影響しない。しかし、その幅は、アンテナが狭帯域であるか、または広帯域であるか否かを決定する。寸法(365)は、図3Aに示されたアンテナ(310)の帯域を広げるためにのみ、より大きな幅を有している。
図3Aに示された磁気ループのすべてのトレース素子は、例えば、アンテナの性能や効率に影響せずに、非常に厚くなることができる。これらのループ素子トレースをより厚くすることは、しかしながら、より大きな入力電源を受け、さもないと、特定の周波数範囲内で動作するモバイル電話などの多くの異なるポータブル装置によって必要とされ得るような所望のスペースに適合するアンテナの物理的な寸法を修正することを可能にする。
単に一例にすぎない長方形の電界ラジエーター(320)と共に、図2、3Aおよび3Bに示される多数の素子構成でEフィールド・ラジエーターの任意の形状が使用されてもよいことは当業者には明らかであろう。同様に、単一の素子の実施形態は、長方形の電界ラジエーター、同調回路またはアンテナの他の適切な形状を使用することができる。図2に示される複数の素子バージョンは4つの個別の素子(210)を使用する。しかし、これは、素子(210)の上部の範囲に対するいくつかの限定について説明されるように、正確なシステムの要件と利用可能なスペースに依存して、上へ、または下へ変化し得る。
本開示の実施形態は、非常に増加した帯域幅を超えて動作可能であり、同様の寸法をもつ知られたアンテナと比較して、優れた性能特性を有し、単一または多数の素子アンテナのいずれかの使用を可能にする。更に、複雑な要素は必要とされないので、広範囲のRFデバイスに適用可能な廉価なデバイスを結果として生じる。本開示の実施形態は、モバイルの電気通信装置に特定の使用を見いだすが、効率的なアンテナが望まれる任意の装置で使用することができる。
一実施形態は、小さい、片面の複合アンテナ(「片面アンテナ」または「プリントアンテナ」)から構成される。「片面アンテナ」とは、所望である場合に、単一層または面上にアンテナ素子が置かれるか、印刷されることを意味する。本明細書で使用されているように、用語「プリントアンテナ」は、プリントアンテナの素子が印刷されるか、あるいはエッチング、デポジット(deposit)、スパッタリングなどのいくつかの他の方法で作られるか、または表面に金属層を適用するか、もしくは金属層のまわりに非金属材料を配置するいくつかの他の方法で作成されるかどうかにかかわらず、本明細書に記載された任意の片面アンテナに適用する。単一の側面のアンテナの多層は、より小さな物理的ボリュームにおけるより広い帯域幅を可能にするように、単一デバイスへ組み合わせることができる。しかし、手段の各々は、なお片面であろう。以下に述べられる片面アンテナは、後部側または下面上に接地面を有しておらず、それ自身に、本質的に短絡されたデバイスであり、アンテナ設計における新しい概念を表わす。片面アンテナは平衡を保たれる。しかし、重要な接地面が意図したアプリケーション装置に存在する場合、それは平衡線路または不平衡線路のいずれかで駆動され得る。前記アンテナの物理的な寸法はアンテナの性能特性にかなり依存して、変わる場合がある。しかし、図4Aに示されたアンテナ(400)は、およそ2cm×3cmである。より小さいかより大きな実施は可能である。
片面アンテナ(400)は、磁気ループの内部で物理的に位置した、2つの電界ラジエーターから成る。とくに図4Aに示されるように、片面アンテナ(400)は、磁気ループ(402)を備え、第1の電界ラジエーター(404)が当該磁気ループ(402)に第1の電気的トレース(406)と共に接続され、前記片面アンテナ(400)は、さらに第2の電界ラジエーター(408)を備え、当該第2の電界ラジエーター(408)は第2の電気的トレース(420)と共に前記磁気ループ(402)に接続される。電気的トレース(406)および(410)は、供給または駆動点に関して、対応する90度/270度の電気的な位置で、磁気ループ(402)に電界ラジエーター(404)および(408)を接続する。代替的に、電気的トレース(406)および(410)は、磁気ループを通って流れる電流が反射する最小になる部分で磁気ループに電界ラジエーター(404)および(408)を接続することができる。上述したように、トレース(406)及び(410)の異なる周波数、接続またはトレースの連結点は変わり、ラジエーター(404)が、特定の周波数で、ラジエーター(408)(それは異なる周波数にある)とは異なっている点でループ(402)に接続されることが示される理由を説明する。低い周波数では、波が90度/270度の点に到着するのにより長くかかる。従って、より高い周波数波と比較して、磁気ループに沿って90度/270度の点の物理的な位置はより高いであろう。より高い周波数では、90度/270度の点に到着するのにより少ない時間がかかり、低い周波数波と比較して、磁気ループに沿って低い90/270度の点の物理的位置において結果として生じる。同様に、電流が反射する最小になる磁気ループに沿った点は、また電界ラジエーターの周波数に依存し得る。最後に、アンテナ(400)の代替の実施形態は、電気的トレースのない磁気ループ(402)に直接接続された、1つ以上の電界ラジエーターから構成され得る。
電界ラジエーターが、それぞれ異なる周波数で波を放出するので、電界ラジエーター(404)は、また電界ラジエーター(408)とは異なる寸法を有している。より小さい電界ラジエーター(404)は、より小さい波長、従ってより高い周波数を有するであろう。より大きい電界ラジエーター(408)は、より長い波長および低い周波数を有するであろう。
電界ラジエーターの物理的構成は、磁気ループの内部に配された電界ラジエーターの物理的位置、および磁気ループが、互いの外側にある場合、他の実施形態と比較してアンテナ全体の寸法を小さくすることができる、一方、広帯域のデバイスを提供する。代替の施形態には、異なる数の電界ラジエーターがあり得、おのおのがループのまわりの別の位置で配列される。例えば、第1の実施形態は、1つの電界ラジエーターだけを有し得る一方で、2つの電界ラジエーターを備えた第2の実施形態は、磁気ループの内部の1つの電界ラジエーターと、磁気ループの外部の第2の電界ラジエーターを有し得る。代替的に、3つ以上の電界ラジエーターが、物理的に磁気ループの内部に配され得る。上述した他のアンテナのように、片面アンテナ(400)は、電界および磁界による変換器である。
注意したように、多数の電界ラジエーターの使用は、広帯域の機能性を可能にする。電界ラジエーターは、それぞれ、異なる周波数で波を放出するように構成することができ、広帯域の範囲をカバーする電界ラジエーターにおいて結果として生じる。例えば、片面アンテナ(400)は、2つの周波数範囲で構成された2つの電界ラジエーターの使用についての規格であるIEEE802.11b/gで規定された無線周波数範囲をカバーするように構成することができる。第1の電界ラジエーター(404)は、例えば、2.41GHzの周波数をカバーするように構成され得る一方で、第2の電界ラジエーター(408)は、例えば、2.485GHzの周波数をカバーするように構成され得る。これは、片面アンテナ(400)が2.41GHzから2.485GHzの周波数帯をカバーすることを可能にするだろう。それはIEEE802.11b/gで規定された規格に相当する。上述された物理的により大きいアンテナの実施形態に関して示されるように、2つ以上の電界ラジエーターの使用はフェーズトラッカー(図2および3に示されたように)の使用のない広帯域の動作を生み出す。代替の実施形態において、YAGIアンテナに類似した、ログ・スケールを使用して、多数の電界ラジエーターを先細りにすることによって、広帯域アンテナも達成することができる。
電界ラジエーターの長さは、一般にそれらがカバーする周波数を決定する。周波数は波長に反比例する。したがって、小さい電界ラジエーターは、より小さい波長を有し、より高い周波数波を結果として生じるであろう。他方では、大きな電界ラジエーターはより長い波長を有するだろう、結果として低い周波数を生じる数波。しかしながら、また、これらの総合は特定の実施である。
最適な効率については、電界ラジエーターは、それが生成する周波数で、ほぼ1波長、1/4波長または1/8波長の倍数の電気的長さを有するべきである。前述したように、利用可能な物理的空間の大きさが電界ラジエーターの電気的長さを所望の波長未満に制限する場合、屈曲したトレースは伝播遅延を加えて、かつ電気的に電界ラジエーターを長くするために使用されてもよい。
図4Aおよび4Bでは、電気的トレース(406)および(410)はインダクターであり、それぞれの長さ対それらの形態または他の特徴は、それらのインダクタンスを決定する。
最適な効率については、電気的トレースの誘導リアクタンスは、対応する電界ラジエーターの容量性リアクタンスと一致するべきである。電気的なトレース(406)および(410)はアンテナの外形寸法を少なくするために曲げられる。例えば、電気的トレース(406)の曲線は、電界ラジエーター(404)に接近している代わりに磁気ループ(402)に接近することができるか、あるいは、トレース(406)の曲線は上に面し得る代わりに、下に面し得るが、電気的トレース(410)に似ている。電気的なトレースは、それらの長さを拡張するために形作られ、形態がその文脈中以外の任意の特定の有効係数を有するものではない。例えば、直線の電気的トレースを有している代わりに、曲線はその長さを増加させて、かつ相応してその誘導リアクタンスを増加させるために電気的トレースに加えることができる。しかしながら、電気的トレース上の鋭いコーナーと、電気的トレースの正弦曲線形状は、アンテナの効率に否定的に影響する場合がある。正弦曲線の形態を備えた電気的トレースは、特に部分的に電界ラジエーターを外同期させる、小さい電界を放出する電気的トレースを結果として生じ、それにより、アンテナの効率を少なくする。したがって、アンテナの効率は、柔軟で優雅なカーブ、およびできるだけわずかの屈曲で形作られた電気的トレースの使用により改善される場合がある。
片面アンテナ(400)の素子間の間隔は、アンテナ全体にキャパシタンスを加える。例えば、電界ラジエーター(404)の頂部と磁気ループ(402)の間の間隔、2つの電界ラジエーター(404)と(408)の間の間隔、電界ラジエーター(404)および(408)の左側と磁気ループ(402)の間の間隔、電界ラジエーター(404)および(408)の右側と磁気ループ(402)の間の間隔、また電界ラジエーター(408)の下と磁気ループ(402)の間の間隔、すべては、アンテナ(400)のキャパシタンスに影響を及ぼす。アンテナ(400)が最適な効率で共振するために、前述したように、アンテナ全体の誘導リアクタンスおよび容量性リアクタンスは所望の周波数帯で一致するべきである。一旦誘導リアクタンスが決定されると、諸要素の間の距離は、アンテナの誘導リアクタンスの値と一致するために必要とされる容量性リアクタンスの値に基づいて決定され得る。
素子と、関連するエッジ・キャパシタンスの間の間隔を見つけるために1組の公式が与えられると、素子間の最適な間隔は、多目的な最適化を使用して決定され得る。素子間、または任意の隣接した2つのアンテナ素子間の最適な間隔は、線形計画法を使用して最適化することができる。代替的に、ジェネティック(genetic)アルゴリズムのような非線形計画法は間隔の値を最適化するために使用することができる。
前に注意したとおり、片面アンテナ(400)のサイズは、所望の周波数、狭帯域対広帯域の機能性、およびキャパシタンスとインダクタンスのチューニングを含む多くの因子に依存する。
図4Aにおけるアンテナ素子(400)の場合、磁気ループ(402)の長さが1つの波長(360度)であり、他の波長の倍数を使用することができるが、それは最適な効率のために設計されている。最適な効率のために設計された時、磁気ループの一部は、また電界ラジエーターとして働くだろう。また、電界ラジエーターはアンテナの指向性および効率を増して、小さい磁界を生成するだろう。磁気ループの長さは、また任意になりえる、あるいはほぼ1波長、1/4波長、1/8波長の倍数であり得、そのために特定の長さは他のもの以上に効率を増加させる。1つの波長は、電圧のための開放および電流のための短絡である。代替的に、磁気ループ(402)の長さは物理的に波長未満になりえる。しかし、余分なインダクタンスは伝播遅延を増加させることにより電気的ループを長くするために加えることができる。磁気ループ(402)の幅は、主としてそのキャパシタンスならびに磁気ループ(402)のインダクタンスに対して有する所望の影響に基づく。例えば、磁気ループ(402)を物理的により短くすることは、より高い周波数において結果として生じ、波長をより小さくするだろう。磁気ループ(402)の最適効率の設計では、インダクタンスとキャパシタンスはw=l/sqrt(LC)の因子を満たすべきであり、ここに、wはループ(402)の波長である。従って、磁気ループ(402)は電気的長さに影響するそのインダクタンスおよびキャパシタンスを変化させることにより調整することができる。磁気ループの幅を小さくすることはまたインダクタンスを加える。より薄い磁気ループでは、より多数の電子が遅延を加えて、小面積を通り抜けなければならない。
磁気ループ(402)の頂部(412)は、磁気ループ(402)の他のどの部分より薄い。これは、調節されることを磁気ループの寸法のために可能にする。それが90度/270度の接続点に最小の効果があるので、頂部(412)は小さくすることができる。加えて、磁気ループ(402)の頂部(412)を削ることは、磁気ループ(402)および増加インダクタンスの電気的長さを増加させ、インダクタンスがリアクタンス、アンテナの容量性リアクタンスの合計と一致するのを助けることができる。代替的に、頂部(412)の高さはキャパシタンス(あるいは、等価的に減少インダクタンス)を増加させるために増加され得る。前述したように、反射する最小の接続点は磁気ループの幾何学形状に依存する。頂部(412)を削るか、または頂部(412)を増加させること、もしくは磁気ループ任意の他の観点を変更することによってループの幾何学的形状を変更することは、ループ幾何学形状が修正された後に同定されるべき電流が反射する最小になる点に要求するであろう。
図4Aに示されるように、磁気ループ(402)は正方形である必要がない。実施形態では、磁気ループ(402)は長方形に形成されるか、または片方に(odd)形成され、2つの電界ラジエーター(404)および(408)は対応する90度/270度の接続点または反射する最小の接続点に置くことができる。最適な効率については、片方に形成されたループの電気的長さは、ほぼ1波長の倍数、または所望の周波数帯でのほぼ1/4波長もしくはほぼ1/8波長の倍数になるだろう。電界ラジエーターは片方に形成された磁気ループの内部または外部に配され得る。繰り返すが、要は、アンテナの効率を最大限にするループに沿った接続点を同定することである。接続点は、磁気ループに沿った90度/270度の電気的な点、または磁気ループを流れる電流が反射する最小になる点であり得る。
例えば、スマートフォンでは、片方に形成されたアンテナ設計は、モバイル・デバイスの後部カバーのように利用可能な片方に形成された空間に入れることができる。正方形に形成された磁気ループの代わりに、長方形に形成されるか、円形に形成されるか、楕円に形成されるか、実質的にE字状に形成されるか、実質的にS字状に形成されるかなどにされ得る。同様に、小さい片方に形成されたアンテナはラップトップ・コンピューターまたは他の携帯電子デバイス上で一様でない空間に入れることができる。
上述されるように、電界ラジエーターによって放出された電界が磁気ループによって生成された磁界に直角になるように、電気的トレースの位置は、磁気ループに沿ったほぼ90度/270度の電気的な点、または反射する最小の接続点になる点になり得る。90度/270の接続点および反射する最小の接続点は重要である。なぜなら、無効電力(想像上の能力)がアンテナから遠ざけて送信され、戻らないことをこれらの点が可能にするからである。無効電力は、フィールドの近くのアンテナのまわりで典型的に生成され格納される。無効電力はソースの近くの一定位置に関して振れ、アンテナの動作に影響を及ぼす。
図4Aに関して、破線(414)は、エッジ・キャパシタンスの現象の最上位部分がどこに生じるかを示す。磁気ループおよび電界ラジエーターなどのアンテナ内の2個の金属は、一定距離で別々に、エッジ・キャパシタンスのレベルを生成することができる。エッジ・キャパシタンスの使用を通じて、片面アンテナの実施形態は、安い誘電体材料を含むほとんど任意の形の適切な基板材料の一面上に印刷されることを、アンテナのすべてのエレメントのために可能にする。基板がガラスを含んでいるとともに使用することができる安い誘電材料の一例は、エポキシのラミネートFR−4を強化した。それは約4.7±0.2の誘電率を有する。片面アンテナ(400)では、例えば、裏側または接地面の必要はない。むしろ、リードは磁気ループの各終端に接地されているリードのうちの1つに接続する。前に注意したように、この全波長アンテナの設計は、最も効率的で、短絡した、複合ループアンテナを暗示する。実施上、片面アンテナは、アンテナがマウントされる対象によってカウンタポイズが提供される埋め込み式のアンテナ設計では一般的であるが、カウンタポイズ接地面の存在下で最適に性能を発揮する。
片面アンテナの実施形態の2Dデザインは、いくつかの長所を有する。適切な基板または誘電体基台(それは非常に薄くなりえる)の使用で、アンテナのトレースは、文字通りに複合ループアンテナとして表面上にスプレーされるか、印刷されることができ、複合ループアンテナとして機能し得る。加えて、2D設計は、非常に安い基板のようなマイクロ波装置に適切であると見なされずに、アンテナ材料の使用を典型的に可能にする。さらなる利点は、セル電話筐体カバー、などラップトップのエッジの後部のような片方に形成された表面にアンテナを設置することがきることである。片面アンテナの実施形態は、アンテナの後ろに置かれた接着剤と共に誘電性の表面上に印刷することができる。その後、アンテナは必要とされる電力と接地を提供するためにアンテナに接続されたリードと共に様々なコンピューティング装置上で付着させることができる。例えば、前に注意したように、この設計で、IEEE802.11b/gの無線・アンテナは、郵便切手のサイズで表面上に印刷することができる。ラップトップのカバー、デスクトップコンピューターの場合または携帯電話または他の携帯電子デバイスの後部カバーにアンテナに付着させることができることがある。
様々な誘電体材料は、片面アンテナの実施形態と共に使用することができる。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような他の誘電体材料上の基板としてのFR−4の利点は、それに低いコストがあるということである。より高い周波数アンテナ設計に典型的に使用された誘電体はFR−4より多くの低いロス・プロパティを有している。しかし、それらはFR−4以上に実質的にコストがかかり得る。
片面アンテナの実施形態も狭帯域のアプリケーションに使用することができる。狭帯域は、メッセージの帯域幅が経路の接続帯域幅を超過しない経路を指す。広帯域では、メッセージ帯域幅はかなり経路の接続帯域幅を超過する。狭帯域アンテナ・アプリケーションはWi−Fiと二地点間の長距離マイクロ波中継装置を含んでいる。前述の実施形態によれば、例えば狭帯域アンテナのアレイはスティック上に印刷され得るのであり、当該スティックは、その後、標準Wi−Fiアンテナと比較して、遠距離および良好な信号強度のWi−Fiアクセス用のラップトップに置くことができる。
図4Bは、片面アンテナ(420)の代替の実施形態をそのコーナーが45度の角度で切断される磁気ループ(422)で示す。特定の角度で磁気ループ(422)の角を切断することは、アンテナの効率を改善する。ほぼ90度の角度を形成するコーナーを備えた磁気ループを有することは、磁気ループを通って流れる電流のフローに影響する。磁気ループを通って流れる電流が90度の角度のコーナーに当たる場合、それは、メイン・カレント・フローに対して流れるか、渦プール(eddy pool)を形成する、反射された電流で、電流の跳ね返りを作る。90度のコーナーの結果としてのエネルギー損失は、否定的により小さいアンテナの実施形態の中で最も顕著にアンテナの性能に影響する場合がある。ほぼ45度の角度で磁気ループのコーナーを切断することは、磁気ループのコーナーの近くで電流のフローを改善する。したがって、それらが磁気ループを通って流れると、電流中の電子は、角度のついたコーナーによって妨害することができない。45度の角度でコーナーを切断することが好ましいが、代替の実施形態は、45度とは異なる角度で切断される代替の実施形態もまた可能である。
図4Cは、インダクタンスを加えるかまたは磁気ループ(442)にキャパシタンスを加えるために磁気ループ(442)の中で様々な幅の遷移を使用する、片面アンテナ(440)の代替の実施形態を示す。磁気ループ(442)のコーナーは、それが磁気ループ(442)の角の近くで流れて、それによって、アンテナの効率を増加させるとともに、電流のフローを改善するためにほぼ45度の角度で切断された。単一の電界ラジエーター(444)は、物理的に磁気ループ(442)の内部で位置する。電界ラジエーター(444)は、柔軟な曲線を描かれた形態を有する電気的トレース(446)と共に磁気ループ(442)に接続される。前述のとおり、正弦曲線に形成されておらず、トレースにおける屈曲の数を最小にする柔軟な曲線を備えた電気的トレース(446)を有していることは、アンテナの効率を改善する。
用語の変化は磁気ループの幅の変化を指すために使用される。図4Cにおいて、磁気ループ(442)は実質的に長方形に形成され、それは、左側の第1の遷移および右側の第2の遷移を含んでいる。図4Cに示された実施形態において、第1の遷移は第2の遷移と対称である。磁気ループ(442)の左側および右側の両方の遷移は、中間の狭いセクション(448)、または中間の狭い部分を含み、磁気ループ(442)の残りの部分より薄く、第1の広セクション(450)と第2の広セクション(452)の間に位置づけられ、かつ第1の広セクション(450)および第2の広セクション(452)に隣接し、第1の広セクション(450)および第2の広セクション(452)は、狭セクション(448)より大きい幅を有している。特に第1の広セクション(450)から中間の狭セクション(448)に遷移し、中間の狭セクション(448)は第2の広セクション(452)まで遷移する。磁気ループの広−狭−広の遷移は、純粋なインダクタンスを生成し、それにより、磁気ループの電気的長さを増加させる。
したがって、磁気ループ内での広−狭−広の遷移の使用は、磁気ループ(442)にインダクタンスを加えることにより磁気ループ(442)の電気的長さを増加させる方法である。磁気ループに所望のインダクタンスを加えるのに必要なときに、中央の狭セクション(448)の長さも増加されるか、あるいは減少する場合がある。例えば図4Cにおいて、中間の狭セクション(448)は、磁気ループ(442)の左側及び右側の約1/4に及んでいる。しかしながら、中間の狭セクション(448)は、磁気ループ(442)の左側及び右側の、約半分、または他のある比率に及ぶように増加される場合があり、それによって、磁気ループ(442)のインダクタンスを増加させる。
遷移は、磁気ループ(442)の残りの部分の幅より小さい幅を有するセクションまたは部分に限定されない。代替の遷移は中間の広セクション、あるいは中間の広い部分を含みうるが、それは磁気ループ(442)の残りの部分より広く、また、第1の狭セクションと第2の狭セクションの間に配され、かつ隣接しており、第1の狭セクションおよび第2の狭セクション、広セクションの幅より小さい幅を有している。とくに、そのような代替の実施形態中で、磁気ループは、第1の狭セクションから中間の広セクションまで遷移し、ついで中間の広セクションが第2の狭セクションに遷移する。磁気ループにおける狭−広−狭の遷移は、キャパシタンスを生成し、それによって、磁気ループの電気的長さを短くする。中間の広セクションの長さが増加または減少されることができ、磁気ループにキャパシタンスを加える。
磁気ループに遷移を使用すること、すなわち、磁気ループの1つ以上のセクションまたは部分に対して磁気ループの幅を変化させることは、インピーダンス・マッチングをチューニングする方法として役立つ。磁気ループにおける幅を変化させる遷移はテーパー状にすることもでき、さらにアンテナのすべての素子の応答的なインダクタンスおよび応答的なキャパシタンスが一致(matching)することを保証するために、インダクタンスまたはキャパシタンスを加える。例えば、広−狭−広の遷移において、第1の広セクションは、そのより大きな幅から中間の狭セクションのより小さな幅へとテーパー状になり得る。同様に、中間の狭セクションは、その狭い幅から第1の広セクションまたは第2の広セクションのいずれか、もしくはその両方のより大きな幅にテーパー状にすることができる。狭−広−狭の遷移のセクション、および広−狭−広の遷移のセクションは、互いに無関係にテーパー状にし得る。例えば、第1の狭−広−狭の遷移においては、中間の広セクションだけがテーパー状にされることができ、その一方で第2の狭−広−狭の遷移において、第1の狭セクションだけがテーパー状にされ得る。
テーパー状にすることは、直線状、段状、曲線状であり得る。
磁気ループの部分間の幅の実際の差はインダクタンスまたはキャパシタンスの量に依存し、当該インダクタンスまたはキャパシタンスの量は、アンテナの全応答的なキャパシタンスがアンテナの全応答的なインダクタンスと一致することを保証するために必要とされる。図4Cで示された実施形態は、2つの広−狭−広の遷移を示す。当該遷移は、互いに対向して配され、対称的である。しかしながら、代替の実施形態は、磁気ループ(442)の一方の側だけに遷移を有することができる。加えて、2以上の遷移が磁気ループの中で使用されると、これらの遷移は対称である必要がない。例えば、片方に形成された磁気ループは2つの遷移をもつことができ、当該遷移は、異なる長さおよび幅を有している。加えて、異なるタイプの遷移も単一の磁気ループに使用することができる。例えば、磁気ループには1つ以上の狭−広−狭の遷移と1つ以上の広−狭−広の遷移の両方をもつことができる。
図5は、小さい、両面または面状のプレーナアンテナ(500)の実施形態を示している。
プレーナアンテナ(500)は、破線(502)によって示された、チューニング可能な(tunable)パッチを含む後部側の第2の面を使用し、特定の周波数のための磁気ループ(504)の誘導リアクタンスと一致する容量性リアクタンスを生成する。チューニング可能な(tunable)パッチ(502)は実質的に正方形の金属片であり、アンテナ(500)の他の素子に対して柔軟な位置を有している。実施形態において、チューニング可能なパッチ(502)は、図5に示されるように、アンテナ(500)の左上のコーナーなどの、電流が反射する最小になる領域から離れている点に位置するべきである。電界ラジエーター(506)は両面のアンテナ(500)の外形寸法を少なくするために磁気ループ(504)の内部に位置する。最適な効率のために、電界ラジエーター(506)はその対応する動作周波数で4分の1波長とほぼ等しい電気的長さを有しているべきである。もし電界ラジエーターがより小さくなれば、それはより高い周波数でより小さな波長が結果として生じるだろう。電界ラジエーター(506)は磁気ループ(504)内部の全長に適合するために、実質的にJ字状に曲げられている。代替的に、電界ラジエーター(506)は伸ばされることができ、したがって、J字状に曲がっているというよりは、むしろ直線上にある。そのような実施形態が本明細書において予期されている一方で、そのような実施形態はアンテナをより広くし、アンテナの外形寸法を増加させる。
電気的なトレース(508)は、90/270の接続点、または最小の反射する接続点で磁気ループ(504)と電界ラジエーター(506)を接続する。磁気ループ(504)の反対側の面と比較して、磁気ループ(504)の頂部(510)はより小さい。これは、インダクタンスを増加させて、磁気ループ(504)の電気的長さを延長する意図に役立つ。小さい片面アンテナ(400)の場合があったように、誘導リアクタンスはさらにインダクタンスを増加させることによってアンテナ(500)の全容量性リアクタンスと一致することができ、上述されるように調節することができる。
チューニング可能なパッチ(502)も、磁気ループ(504)の頂部(510)に沿って、いかなる場所にも位置することができる。しかしながら、磁気ループ(504)が、チューニング可能なパッチ(502)を電界ラジエーター506に接続する点から遠ざけて有していることは、よりよい性能を産出する。チューニング可能なパッチ(502)の寸法もその深さ、長さおよび高さの変更により増加される場合がある。チューニング可能なパッチ(502)の深さを増加させることは、より多くの空間を占めるアンテナ設計を結果として生じるだろう。
代替的に、チューニング可能なパッチ(502)は非常に薄くすることができる。しかし、その長さと高さは、それに応じて調節することができる。アンテナ(500)の左上のコーナーをカバーするチューニング可能なパッチ(502)を有している代わりに、長さと高さはアンテナ(500)の左側半分をカバーするために増加されることがある。代替的に、チューニング可能なパッチ(502)の長さは、それがアンテナ(500)の上半分を拡張することを可能にして増加される場合がある。同様に、チューニング可能なパッチ(502)の高さは、それがアンテナ(500)の左側を拡張することを可能にして増加される場合がある。チューニング可能なパッチもより小さくすることができる。
片面アンテナに似ているので、様々な誘電体材料が、両面アンテナ(500)の実施形態と共に使用することができる。使用することができる誘電材料はFR−4、PTFE、架橋されたポリスチレンなどを含んでいる。
図6は大きなアンテナ(600)の実施形態を示し、1+1/2(1.5)オクターブもの帯域幅をもつ4つのアンテナ素子(602)のアレイから構成されている。アンテナ素子(602)は、それぞれ、TEモード(横方向電気)ラジエーター、磁気(Hフィールド)ラジエーター、または磁気ループ双極子(604)(破線によってラフに示され、磁気ループ(604)と呼ばれる)から構成され、TMモード(横方向磁気)ラジエーター、電気(Eフィールド)ラジエーター、または磁気ループ(604)の外の電界双極子(606)(ハッチングで影を付けた矩形状領域で示され、電界ラジエーター(606)と呼ばれ)。磁気ループ(604)は電気的に1波長でなければならず、それは短絡を作成する。磁気ループ(604)が物理的に1波長未満であり得る一方で、余分なインダクタンスを加えることが、以下に説明されるように、電気的に磁気ループ(604)を延長するだろう。また、磁気ループ(604)の物理的な幅は適切な磁気ループ(604)のインダクタンス/キャパシタンスを得るために調整可能であり、したがって、それは所望周波数で共振する。以下に注意するように、磁気ループ(604)の物理的なパラメーターは、アンテナ素子(602)に使用された誘電材料の質に依存しない。
前述したように、磁気ループ(604)は完全なショートであるので、磁気ループにおける電流の量を最大限にし、最も高いHフィールドを生成する。同時に、インピーダンスは、トランスミッターからリードまで適合され、ショートの結果トランスミッターが焼損するのを妨げる。
電流は、磁気ループ(604)から矢印(607)の方向に電界ラジエーター(606)へと動き、反対方向に(電界ラジエーター(606)から矢印(609)の方向に磁気ループ(604)に)に反射して戻る。
実施形態において、図6に示されるように、アンテナ素子(602)の各々は幅約4.45センチメートル、高さ約2.54センチメートルである。しかしながら、前述のとおり、すべての要素の寸法が動作の周波数と他の特徴によって決定される。例えば、磁気ループ(604)のトレースは、非常に厚く製造することができ、アンテナ素子(602)の利得を増加させて、アンテナ素子(602)の物理的な大きさを可能にし、ついで、アンテナ600の大きさを可能にし、さらなる共振が存在する任意の所望の物理的な空間に適合するために修正され、同時に同じ増加した利得のうちのいくつかを維持して、また同様のレベルの効率を維持するが、いずれも、先行技術の電圧供給アンテナでは不可能である。修正された設計が、(1)閉じた形態の表面電流を受け継ぐ磁気ループ、(2)Eフィールド・ラジエーターから磁気ループへのエネルギーの反射、および(3)要素の中で一致したインピーダンスを維持する限り、アンテナはほとんど任意のサイズに調節することができる。利得はアンテナに選ばれた特定の寸法および形態によって異なるが、同様のレベルの効率は達成することができる。
フェーズトラッカー(608)(三角形状に形成されたハッチングにより陰をつけた領域によって示された)は、アンテナ(600)を広帯域にし、狭帯域方式のために除去することができる。フェーズトラッカー(608)の頂部は、理想的には、磁気ループ(604)に沿って90度/270度の電気的な場所に配される。しかしながら、代替の実施形態において、フェーズトラッカーの頂部は最小の反射する接続位置に配され得る。電界ラジエーター(606)の寸法(610)は、実際にアンテナ素子(602)の全体の動作に重要ではない。寸法(610)だけが、アンテナ素子(602)を広帯域にするために幅を有している。また、アンテナ素子(602)が狭帯域デバイスであるように意図される場合、寸法(610)は少なくすることができる。示されているように、アンテナ素子(602)は広帯域になるように意図される。なぜなら、フェーズ・トラッカー(608)を含んでいるである。寸法(612)は、動作の中心周波数によって決定され、アンテナ素子(602)のフェーズを決定する。寸法(612)は、電界ラジエーター(606)の長さ、および磁気ループ(604)の左側の長さに及ぶ。寸法(612)は、基板として使用される誘電材料のために僅かに調節して、典型的には4分の1波長になるだろう。電界ラジエーター(606)は、関心のある周波数で波長の約4分の1を表す長さを有している。電界ラジエーター(606)の長さも関心のある周波数で4分の1波長の倍数になる大きさにされ得る。しかし、これらの変化は、アンテナの有効性を減じうる。
この違いが図6の図面において明白ではない可能性があるが、磁気ループ(604)の頂部(614)の幅は磁気ループ(604)の他のどの部分より小さくなるように意図される。この寸法の差は電気的長さを増加させて、かつインダクタンスを加えるために頂部(614)を削ることができる場合に、前述したより小さなアンテナ実施形態に似ている。それが90度/270度の電気的な位置に最小の影響を有するので、磁気ループ(604)の頂部(614)は削ることができる。頂部(614)を削ることによりインダクタンスを加えることは磁気ループ(604)に電気的により長く見せる。
磁気ループ(604)の寸法(616)、(617)および(618)はすべて、波長の大きさによって決定される。寸法(616)は磁気ループ(604)の幅から成る。寸法(617)は、磁気ループ(604)の下側の左の部分の長さから成る。すなわち、寸法(617)は、磁気ループ開口(619)左側の磁気ループ(604)の下側部分の長さから成る。寸法(618)は磁気ループ(604)の全長から成る。寸法(616)が寸法(618)と等しいと、正方形のループを結果として生じ、最良のアンテナ性能が達成される。しかしながら、長方形か、不規則に形成された磁気ループ(604)も使用することができる。
前に注意したように、フェーズトラッカー(608)はアンテナ(600)の広帯域の動作のために含まれている。また、フェーズトラッカー(608)の削除はアンテナ(600)をそれほど広帯域でなくする。アンテナ(600)は、代替的に、フェーズトラッカー(608)の物理的な垂直方向の寸法と、電界ラジエーター(606)の寸法を減じることにより狭帯域になり得る。フェーズトラッカー(608)、およびアンテナにおける広帯域の動作の当該フェーズトラッカー(608)の支援は、セル電話のような各種デバイスにおいて使用されるアンテナの総数を減らす可能性を有している。フェーズトラッカー(608)の寸法は、また図7に示されるように、そのインダクタンスおよびキャパシタンスに影響する。フェーズトラッカー(608)のキャパシタンスとインダクタンスの範囲は、フェーズトラッカー(608)の物理的な寸法の調節により調整することができる。フェーズトラッカー(608)のインダクタンス(L)はフェーズトラッカー(608)の高さに基づく。フェーズトラッカー(608)のキャパシタンス(C)はフェーズトラッカー(608)の幅に基づく。
アンテナ素子(602)およびアンテナ素子(602)の対は、それらの間でギャップのセットを形成する。アンテナ(600)の左側に配された2つのアンテナ素子(602)は、第1の組のアンテナ素子(602)を構成する。しかし、アンテナ(600)の右側に置かれた2つのアンテナ素子(602)は、第2の組のアンテナ素子(602)を構成する。各組のアンテナ素子(602)間には第1のギャップ(620)、およびアンテナ素子(602)の対の各セット間に第2のギャップ(622)が存在する。素子(602)の各対間の第1のギャップ(620)と、アンテナ素子(602)の各対間の第2のギャップ(622)は、最も効率的な方法でアンテナ素子(602)によって発生した遠距離フィールド(far−field)の放射パターンを整列するように設計され、その結果、遠距離フィールドの放射パターンは負であるというよりむしろ付加的である。周知のフェーズ処理されたアンテナアレイ技術が、多数のCPLアンテナ素子(602)間の最適な距離を決定するために使用されることができ、その結果、各エレメントの遠距離フィールド放射パターンは付加的である。
実施形態において、アンテナ素子(602)の異なる構成の関係に基づいて、遠距離フィールド放射パターンがコンピューター上でモデル化され得る。例えば、遠距離フィールド放射パターンの付加的な方向(orientation)および整列が達成されるまで、アンテナ素子(602)の寸法、アンテナ素子(602)間並びにアンテナ素子(602)の対間の間隔、および要素の関係が調節され得る。代替的に、遠距離フィールド放射パターンは、その根拠で調整された要素の関連と共に、電気機器を使用して測定することができる。
今、図6に戻って参照すると、アンテナ素子(602)は破線(624)によって表わされるマイクロストリップ・フィードラインによって供給される。破線(624)内のフィードラインは、インピーダンスを駆動するために、ネットワークと一致し、使用される誘電材料に依存する。また、フィードラインの対称性は、付加的になる代わりに負になるアンテナ素子によって生成された遠距離フィールド放射パターンを結果として生じる不必要な位相遅れを回避するのに重要である。
図6を参照して、実施形態は共通のコンバイナー/スプリッター(626)を使用して、流入する信号を二つに分割して、アンテナ素子(602)の2つのセットに供給し、かつ戻る信号を組わせる。第2及び第3のコンバイナー/スプリッター(628)は、その後、アンテナ素子(602)に供給し、かつ戻る信号を組み合わせるように、結果として生じる信号を二つに分割する。それらが広い周波数範囲にわたってフィードラインに沿ったほとんど完全なインピーダンスの一致を結果として生じて、パワーがフィードラインに沿って後ろに反射され、性能ロスを結果として生じるのを防ぐので、コンバイナー/スプリッター(626)および(628)は望ましい。
図8は、アンテナ(600)のボトム(bottom)層(800)を示しており、それは素子(802)、(812)、(814)および(816)を含み、当該素子のおのおのは、台形状素子(804)、チョーク接合領域(806)およびレイザー(raiser)(808)を含む。素子(812)および(814)はまたブリッジ・素子(820)のボトムへの信号(あるいはRFエネルギー)を反射して、アンテナ(600)の位相角をセットするが、素子(802)、(812)、(814)および(816)はコンデンサーとして働く。アンテナ(600)によって生成された結果パターンに対して球形状が望まれるなら、台形状素子(804)のボトムからブリッジ・素子(820)のボトムまでの距離(826)は、4分の1波長以上になり得ない。距離(826)の変更によって、のために、素子(802)、(812)、(814)および(816)のそれぞれに対する距離(826)を変更することによって、異なる形状に形成された放射パターンが生成され得る。最後に、カットアウト素子(822)および(824)は、トレース材料が素子(802)および(816)の反射を防ぐために、ブリッジ素子(820)の左下コーナーおよび右下コーナーから取り除かれるのを表しているが、これは順に、素子(812)および(814)によってセットされた位相角を変化させる。
台形状素子(804)は、各台形状素子(804)が寸法においてログ(log)駆動されるという事実によってチューニングにおいて各対応するアンテナ素子(602)の磁気ループ(604)を保持する。
各台形状素子(804)の傾斜(特に台形状素子(804)の頂部側の傾斜)は、アンテナ(600)に容量性リアクタンスに誘導リアクタンスを一致させるのを支援する、変化するインダクタンスおよびキャパシタンスを加えるために使用される。台形状素子(804)によってキャパシタンスを加えることによって、アンテナ(600)の反対側の個々の対応する磁気ループ(604)の電気的長さは調節することができる。台形状素子(804)は、アンテナ(600)の反対側の磁気ループ(604)の頂部・トレース(614)と位置を調整する。チョーク接合(806)は、接地から台形状素子(804)を分離し、かつその結果として複合信号の漏出を防ぐ役目をする。台形状素子(804)の側部(809)および(810)は、アンテナ(600)の反対側の電界ラジエーター(606)に対するカウンタポイズである。それは、極性形成をセットする根拠を必要とする。側部(809)は、台形状素子(804)の右側、およびチョーク接合(806)上に位置するレイザー(808)の右上部分から成る。
すなわち、サイド(809)は、チョーク接合(806)上に位置する各素子(802)、(812)、(814)および(816)の右側から成る。側部(810)は、台形状素子(804)の左側およびレイザー(808)の左側から成る。すなわち、側部(810)は、接地面素子(828)上に位置する各素子(802)、(812)、(814)および(816)の左側から成る。カウンタポイズ(809)および(810)は、アンテナ(600)の送信または受信効率を増加させる。接地面素子(828)はマイクロストリップアンテナ設計には標準であり、例えば、4.7の誘電体上の50オームのトレースは幅約100ミルである。
前に注意したように、台形状素子(804)は対応する磁気ループのキャパシタンスまたは変化インダクタンスを変更するために微細なチューニングをすることができる。微細なチューニングの手順は、台形状素子(804)のセクションを縮めるか拡大させることを含んでいる。例えば、追加の容量性リアクタンスが磁気ループの誘導リアクタンスと一致するために必要であることが決定される。したがって、台形状素子(804)はキャパシタンスを増加させるために拡大することがある。代替の微細なチューニング工程は台形状素子(804)の傾斜を変更することである。例えば、傾斜は15度の角度から30度の角度へ変更されることがある。代替的に、磁気ループ(604)が、その部分を増加させることによって、または磁気ループ(604)の頂部トレース(614)の幅を削ることによってのいずれかで修正される場合、修正済の磁気ループ(604)に対応する接地面上の金属は、調節されなければならない。例えば、台形状素子(804)の頂部側、または台形状素子(804)の全長は、磁気ループ(604)の頂部トレース(614)が削られたか増加されたかどうかに基づいて、削られることがあるし、増加されることがある。
TMラジエーターとTEラジエーターの同時の励磁は、本明細書に記載されているように、マイクロ波エネルギを分析するために使用されたとき、時間依存のポインティング定理によって予想されるような零の無効電力に結果として生じる。互いに電気的に直角のTEラジエーターとTMラジエーターを有している複合アンテナを構築する前の試みは、これらの素子の3次元構成に依存した。そのような設計は容易に商業化され得ない。加えて、前に提案した複合アンテナの設計は、各ループにおける2つ以上の位置で個別の電源により給電された。本明細書に開示されたとおりのアンテナの様々な実施形態において、磁気ループおよび電界ラジエーターは、同一面上で互いに90/270の電気的角度に位置づけられ、単一の位置から電力が給電される。これは、物理的配列の複雑さを少なくし、商業化を向上させ、2次元の配置を結果として生じる。代替的に、電界ラジエーターは磁気ループを通って流れる流れが反射する最小になる点で磁気ループに置くことができる。
本明細書に記載されたアンテナの実施形態は部分的に無効電力取り消しにより従来のアンテナより大きな効率を有している。加えて、実施形態は、それぞれの物理的な大きさのための大きなアンテナアパーチャを有しており。例えば、実施形態による全方向性のパターンを備えた半波長アンテナは、単純なフィールド・ダイポールアンテナの通常の2.11のdBiの利得よりかなり大きな利得を有するだろう。
しかし、別の実施形態は、電界ラジエーターのための内蔵のカウンターポイズを備えた片面アンテナから成る。図9Aは、片面の2300〜2700MHzのアンテナの実施形態を単一の電界ラジエーターおよび電界ラジエーターのための内蔵のカウンターポイズを示す。アンテナ(900)は、電気的トレースの利益のない磁気ループ(902)に直接接続された、電界ラジエーター(904)と共に磁気ループ(902)から成る。電界ラジエーター(904)は、磁気ループ(902)の内部に物理的に置かれる。他の実施形態のように、電界ラジエーター(904)は90/270の接続点、または磁気ループ902を通って流れる流れが反射する最小になる点で磁気ループ(902)に接続することができる。代替的な実施形態において、電界ラジエーター(904)は電気的トレースによって磁気ループ(902)に連結され得る。加えて、アンテナ(900)が1つの電界ラジエーターで示されている一方で、代替の実施形態は、1つ以上の電界ラジエーターを含み得る。代替の実施形態は、また磁気ループ(902)の外部に物理的に置かれた1つ以上の電界ラジエーターみ得る。
独立したアンテナの代替の実施形態は、また、第1の長さをもつ第1の電界ラジエーターと、第1の長さと異なる第2の長さをもつ第2の電界ラジエーターを含み得る。前に本明細書に記載されたアンテナの実施形態に類似した、異なる長さをもつ1つ以上の電界ラジエーターを使用して、広帯域アンテナが可能になる。
アンテナ(900)は遷移(906)および電界ラジエーター(904に対するカウンターポイズ(908)を含んでいる。遷移(906)は、磁気ループ(902)の幅より大きな幅を有している、磁気ループ(902)の一部から成る。遷移906は、電気的に内蔵されたカウンタポイズ(908)を分離する。内蔵されたカウンタポイズ(908)は、アンテナ(900)またはアンテナ(900)を使用する製品のシャーシが、任意の接地面に完全に依存しないことを可能にする。
カウンタポイズが磁気ループ(902)から形成されるので、カウンタポイズ(908)は内蔵されていると呼ばれる。注意されるように、内蔵のカウンタポイズ(908)はアンテナ(900)が製品の接地面から完全に独立していることを可能にする。図4A−4Cに示された片面アンテナの実施形態は、単一の段階上に単に印刷され、接地平を含んでいないが、接地面がアンテナを使用して、デバイスによって提供されることを必要とする。対照的に、独立のカウンタポイズ・アンテナは、接地面がアンテナを使用して、デバイスによって提供されることを必要としない。
上述された片面の実施形態では、アンテナを使用するデバイスは、アンテナのために、片面アンテナのための接地面として働くデバイスの接地面で、または接地面としてデバイスまたは他のあるメタルコンポーネントのシャーシを片面アンテナに使用することによって接地面を提供する。しかしながら、デバイスの回路、デバイスのシャーシ、またはデバイスの接地面への任意の修飾は、否定的にアンテナの性能に影響する場合がある。この現象は本明細書に開示された片面実施形態に特有ではない、しかし、その代りに、研究と商売の中で広く使用されるアンテナに適用する。したがって、接地面を必要とせず、およびアンテナを使用して、デバイスに行なわれた任意の変更によって影響されないアンテナを有することは望ましい。
接地面を必要としないことによって、アンテナ(900)はアンテナの外の接地面に依存しない。外部接地面から独立したアンテナ(900)のこの独立は、アンテナの性能がデバイスに行なわれた変化によって影響されないことを意味する。製造と設計の用語において、これは、特定周波数のために独立したアンテナを設計することができ、性能のレベルが、アンテナを組み入れて使用することをデバイスから独立することを意味することを示唆する。例えば、無線ルーター・メーカーは、1セットの要件に基づいた特定のアンテナを要求することができる。これらの要件は他の要件の中で、アンテナ、当該アンテナ用の周波数範囲、使用されるべき基板のために利用可能な空間を含み得る。その後、アンテナの設計および製品は、実際の無線ルーターの設計および製品から独立して行うことができる。加えて、アンテナが独立しており、ルーターの回路、ルーターの接地面またはルーターのシャーシへの変化によって影響されないので、無線ルーターへの任意の将来の変化は、アンテナの性能および効率に影響しない。
遷移(906)の長さはアンテナの動作の周波数に基づいてセットすることができる。より高い周波数アンテナのために、波長がより短いところで、より短い遷移が使用され得る。他方では、低い周波数アンテナのために、波長がより長いところで、より長い遷移(906)は使用され得る。遷移(906)はカウンタポイズ(908)と無関係に調節され得る。例えば、5.8GHzのアンテナのための遷移は、図9Aにおける遷移(906)の寸法の半分でしかないが、その一方でカウンタポイズ(908)は、磁気ループ(902)の全左側と同じくらいまだ長い。
所望のアンテナ性能を得るのに必要なときにカウンタポイズ(908)長さが調節され得る。しかしながら、できるだけ大きいカウンターポイズ(908)を有することが好ましい。例えば、代替の実施形態では、カウンタポイズ(908)は、磁気ループ(902)の左側の約80%に及ぶだけではなく、磁気ループ(902)の左側の全長に及び得る。しかしながら、前記したように、磁気ループ(902)のトレースの幅は磁気ループ(902)の電気的長さに影響する。薄いトレースを備えた磁気ループは、磁気ループのまわりにより広いトレースを備えた磁気ループより途中ずっと電気的に長いか、またはより広いトレースを備えた磁気ループの部分を有する。例えば、磁気ループ(902)は、遷移(906)、およびカウンタポイズ(908)のより広いトレースがある磁気ループの例である。したがって、可能な限り長いカウンタポイズを有することは望ましいが、カウンターポイズ(908)の長さは磁気ループ(902)の電気的長さに影響する。電気的により長い磁気ループは、周波数において低い。他方では、電気的により短い磁気ループは、周波数においてより高い。例えば、磁気ループの左側の全長に及ぶカウンタポイズの使用は、磁気ループの全幅を増加させ、それにより、電気的に磁気ループを短くし、望まれるより高い周波数をもつ磁気ループを結果として生じる。例えば、5.6GHzの目標周波数の代わりに5.8GHzの周波数を結果として生じる。
アンテナ(900)の実施形態は、所望の周波数に磁気ループの電気的長さを合わせるために、本明細書に先に記載したように、遷移とカウンタポイズに加えて、狭−広−狭の遷移及び/又は広−狭−広の遷移を含むことができる。加えて、独立したアンテナの実施形態は、また磁気ループのコーナーの近くで流れのフローを改善するために前述されるような角度で孤立した角を備えた磁気ループを含み得る。
先に述べたように、電界ラジエーター(904)に対するカウンタポイズ(908)が、接地面の代わりに使用される。電界ラジエーター(904)は、有効にモノポールアンテナである。
モノポールアンテナは、ダイポールアンテナの半分を、当該ダイポールアンテナの残りの半分に対して直角な接地面と取り替えることにより形成される。独立したアンテナの実施形態において、電界ラジエーターは、電界ラジエーターに電気的に接続される大きな金属片のように見えるが、それは接地面の代わりに使用することができる。図4Cから、片面アンテナ(440)においては、電界ラジエーター(444)は、アンテナ(440)に使用された接地面の位置に基づいて電界を放射する。この電界は電界ラジエーターの面に対して垂直に回転するが、磁界はその面と実質的に面一に回転する。この電界のパターンは自室的にドーナツ形状であり、それは、ほぼ完全な全方向性のパターンとも呼ばれる。前述したように、片面アンテナの実施形態は必ずしも自らの接地面を提供しない。従って、もしアンテナ(440)がデバイスの中で使用されていれば、デバイスはアンテナ(440)のための接地面として役立つだろう。また、電界ラジエーター(444)によって放出された放射パターンは、デバイス内に戻るように反射され得る。しかしながら、カウンタポイズを含む片面の独立したアンテナが接地面を含んでおれば、上述した放射パターンは有効に切り替わり、電界は、電界ラジエーターの面、又は電界ラジエーターの面と面一の1以上の面に関して回転し、および磁場は、当該面に垂直に回転する。
磁気ループ(902)の左上コーナーにカウンタポイズ(908)を置かないか機械加工する必要はない。代替の実施形態では、カウンタポイズは、磁気ループ(902)の左側に続いて置かれた、電界ラジエーター(904)と共に右上コーナーに置かれ得る。カウンタポイズ(908)および電界ラジエーター(904)(あるいは2以上であれば、複数のラジエーター)の物理位置にかかわらず、カウンタポイズと電界のラジエーターは180度位相外れである必要がある。さらの他の実施形態において、カウンタポイズの長さも必要に応じて調節され得る。カウンタポイズ(908)も、電界ラジエーター(904)の直下で、磁気ループ(902)の右側に沿って配されるか、或いは磁気ループ(902)のまわりの他の位置に配される。
アンテナ(900)は、さらにバラン(910)を含む。バランは、均衡を失わせる(シングルエンド)信号に、および逆に接地(差異)に関して平衡を保たれる電気的信号を変換することができる一種の電気変圧器である。具体的には、バランは共通モード信号にハイ・インピーダンスを与え、差分型信号に低インピーダンスを与える。バラン(910)は、同相モード電流を取り消す機能に役立つ。加えて、バラン(910)は所望入力インピーダンスにアンテナ(900)をチューニングし、全磁気ループ(902)のインピーダンスをチューニングする。バラン(910)は実質的に三角形状に形成され、中間のギャップ(912)で分割された2部から成る。
2つのバラン(910)は、磁気的及び電気的に連結される。バラン(910)におけるギャップ(912)は、送信機を介して戻り、アンテナ(900)を用いるデバイスへと流れるなどの一方向に流れることを磁気的に妨げることによって同相モード電流を除去する。どうそうモード電流により、送信機による電流フローの反映が同相モード電流により、アンテナ(900)の性能及びアンテナ(900)を使用するデバイスの性能に否定的に影響を及ぼすので、これは重要である。送信機による電流の反射は、特にアンテナを使用して、デバイスの回路への干渉を引き起こす。そのような負の性能またデバイスに、フェデラル・コミュニケーション・コミッション(FCC)の規則を履行できないようにし得る。バラン(910)におけるギャップ(912)は同相モード電流を取り消し、それにより、電流がアンテナ(900)のコネクターの後ろに反射されるのを防ぐ。
ギャップ(912)はアンテナ設計および寸法に基づいて調節することができる。実施形態において、電磁気シミュレーションはアンテナ(900)を介して流れる電流を視覚化するために使用することができる。その後、電流がもはや反映されておらず送信機を通って後ろに流れていることをシミュレーションが示すまで、ギャップ(912)は増加される場合 又は減少する場合がある。同相モード電流を取り消すことは、送信機に一方向で流れ込む電流が停止し、また反対方向で流れ始め、一方向でアンテナ(900)に流れ込み、第2の方向でアンテナ(900)から流出する点として映像にされ得る。
バラン(910)のテーパー状の側面(914)は、電気的に連結される目的に役立つ。テーパー状の側面(914)の角度はインピーダンスをアンテナ(900)と一致するように調節することができる。典型的には、個々のインダクターおよび個々のコンデンサーは、アンテナ(900)へのフィードライン(図示されず)に沿って置かれ、アンテナ(900)のインピーダンスまでアンテナに給電してデバイスのインピーダンスを一致させる。例えば、アンテナが50オームの入力を予期するが、デバイスの回路がアンテナに150オームを与えている場合、一連のインダクターおよびコンデンサーは、アンテナによって期待された、50オームまでアンテナに供給されている150オームを変換することにより、ミスマッチの問題を平衡させるために使用される。産業上の一般的なプラクティスとは対照的に、独立したアンテナ(900)の実施形態は、アンテナ(900)に給電する配線に沿った一連のインダクターおよびコンデンサーの使用によるなどの任意の外付部品によって一致したインピーダンスである必要がない。代わりに、バラン(910)はアンテナに給電するコネクターをアンテナ(900)のインピーダンスに一致させ、磁気ループ(902)のインピーダンスと一致させるために使用される。
バラン(910)の高さは、アンテナ(900)の動作周波数の関数である。したがって、より高いバラン(910)は低い周波数に必要とされる一方で、より短いバラン(910)はより高い周波数に必要とされる。アンテナにおいて高いバランを使用する場合、電界ラジエーターへのバラン(910)の接近は重要である。電界ラジエーター904に接近させすぎてバラン(910)の位置を決めることは、バラン(910)と電界ラジエーター(904)の間で容量性の結合を生成し得る。したがって、それは、容量性の結合がアンテナ(900)の性能に悪影響を及ぼすのを防ぐために、電界ラジエーター(904)から間隔を置かれるバラン(910)にとって重要である。適切に、インピーダンスをアンテナに一致させ、コモンモード(common mode)電流を取り消すために、特定のアンテナ設計がアンテナの動作周波数により高いバランの使用を必要とするならば、図9Bにおけるアンテナ(920)に示されるように、バランは下へ移動させることができる。代替の実施形態において、独立のカウンタポイズ・アンテナ(900)はバラン(910)を含んでいないことがある。
アンテナ(900)は独立のカウンタポイズ複フィールドアンテナの例である。アンテナ(900)の実施形態は、印刷されるか、さもなければ約1.6ミリメートルのFR−4基板上に堆積することができる。アンテナ(900)の特性および設計は、アンテナ(900)をフレキシブルプリント回路、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、およびマイクロ波振動数に適していると見られない材料などを含む他の材料に適合可能である。アンテナ900の動作周波数は、ほぼ2300〜2700MHzであり、携帯電話、アクセスポイント、PDA、ラップトップ、PCカード、センサーおよび自動車用のアプリケーションを含む様々な埋め込み式のアプリケーションに適している。アンテナ(900)の実施形態は、約94%のピーク効率及び約+3dBiのピーク利得を達成した。アンテナ(900)は約31ミリメートルの幅および約31ミリメートルの長さを有している。アンテナ(900)は直線分極および約50オームのインピーダンスを有する。アンテナ(900)は、また2:1未満(<2:1)の電圧定在波比を有している。アンテナ(900)のサイズおよび効率は、効率、サイズおよび利得が重要であるWi−Fiアプリケーションに適するようにする。
内蔵のカウンタポイズを備えた片面アンテナの代替実施形態は、図10Aにおいて示される。アンテナ(1000)は直線分極を備えたアンテナの例である。アンテナは内蔵のカウンタポイズにより接地面を必要としない。アンテナ(1000)は印刷されるか、さもなければ1.6ミリメートルの厚いFR−4基板に堆積させることができる。アンテナ(900)と同様に、アンテナ(1000)のプロパティおよび設計は、アンテナ(1000)をフレキシブルプリント回路、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)プラスチック、およびマイクロ波振動数に適していると見られない材料など含む他の材料に適応可能にする。アンテナ(1000)は、測定された約+3dBiのピーク利得と約92%の最大効率で、約882MHzから948MHzの周波数範囲で動作する。アンテナ(1000)は、約50オームのアンテナ・インピーダンスおよび2:1未満(<2:1)の電圧定在波比を有している。アンテナ(1000)は約76ミリメートルの幅および約76ミリメートルの高さを有している。
アンテナ(1000)は磁気ループ(1002)から成り、第1の電界ラジエーター(1004)が磁気ループ(1002)に直接結合され、第2の電界ラジエーター(1006)が磁気ループ(1002)に直接結合されている。電界ラジエーター(1004)及び電界ラジエーター(1006)の両方が、電気トレースの利益なしに、磁気ループ(1002)に結合される。電界ラジエーター(1004)および(1006)は、磁気ループ(1002)の内部に物理的に配される。2つの電界ラジエーターの使用は、図9のアンテナ(900)におけるようなものの代わりに、アンテナの利得を増加させる。2つの電界ラジエーター(1004)と(1006)を分離する曲線(1008)は、2つの電界ラジエーター(1004)と(1006)がそれらの遠距離フィールドパターンを追加的にするために、当該2つの電界ラジエーター(1004)と(1006)の間のフェーズを遅らせる機能を果たす。
曲線(1008)と共に2つの電界ラジエーター(1004)および(1006)は、位相遅れで電界ラジエーターアレイ(1010)を作成する。具体的には、曲線(1008)は、2つの電界ラジエーター(1004)および(1006)が互いに180度位相外れであることを保証する。曲線はスペースセービング(space saving)技術として使用することができる。例えば、小さなアンテナが必要で、寸法を最小限にする必要により、互いにより接近していることを2つの電界ラジエーターに強いる場合、曲線(1008)は電界ラジエーターが互いに180度まだ位相外れであることを保証するために使用することができる。
必要とされる遅延に基づいて必要なときに曲線(1008)のトレースの電気的長さは調節され得る。例えば、幅を一定に保ちながら、トレースはより長くしたり、より短くしたりすることができる。代替的に、トレースの幅をより広くしたり、より厚くしたりしても、トレースの長さは一定に保つことができる。上述されるように、トレースの電気的長さはその物理的な長さおよびその物理的な幅に依存する。図10Bは、曲線(1008)のない独立したアンテナ(1020)の代替的な実施形態を示す。
アンテナ(900)に関して述べたように、アンテナの遷移(1012)およびカウンタポイズ(1014)は多くの要因に基づいて調節することができる。遷移(1012)は動作の周波数に依存する。しかし、カウンタポイズ(1014)が電気的に分離されることを保証するためには、遷移は充分に長くなければならない。可能な限り大きいカウンターポイズ(1014)が好ましい。最後に、バラン(1016)は同相モード電流を取り消し、アンテナ1000に供給する送信機のインピーダンスにアンテナ(1000)のインピーダンスを一致させる。
アンテナ(1000)の代替の実施形態において、電界ラジエーターアレイ(1010)は、アンテナ(1000)の右側への配列の代わりにアンテナ(1000)の左側に配列することができる。そのような代替の実施形態では、カウンタポイズ(1014)は磁気ループ(1002)の右上側に配されるだろう。カウンタポイズ(1014)も、電界ラジエーター(1004)および(1006)の直下に、磁気ループ(1002)の右側に沿って位置づけることができる。
図11A−11Cは、図9からのアンテナ(900)用の2D放射パターンを示す。図11Aは、XZ平面(1100)上の2D放射パターンを示す。実線(1102)は実際のアンテナの放射パターンを表わし、破線(1104)は3dBのビーム幅を表わす。また、点線(1106)は、一方向に沿ったフィールドの最大の力を表わす。すなわち、点線(1106)は、示された2D放射パターンにおいて、最も強いフィールドが検知されたことを表している。
図11Bは、XY平面(1110)上のアンテナ(900)のための2D放射パターンを示す。また、図11Cは、YZ平面(1120)上のアンテナ(900)のための2D放射パターンを示す。
図12A−12Cは、図10Aからのアンテナ(1000)のための2D放射パターンを示す。図12Aは、XZ平面(1200)上の2D放射パターンを示す。実線(1202)は実際の放射パターンを表わし、破線(1204)は3dBのビーム幅を表わす。また、点線(1206)は、一方向に沿ったフィールドの最大の力を表わす。すなわち、点線(1206)は、示された2D放射パターンにおいて、最も強いフィールドが検知されたことを表している。図12Bは、XY平面(1210)上のアンテナ(1000)のための2D放射パターンを示す。また、図12Cは、YZ平面(1220)上のアンテナ(1000)のための2D放射パターンを示す。
図13Aはアンテナ(900)のための電圧定在波比(VSWR)を示す。VSWRプロットは、およそ2.34GHzからおよそ2.69GHzの周波数範囲については、アンテナ(900)が良好なインピーダンス・マッチであることを示す。すなわち、ほぼ2.34GHzを超えて2.69GHzまでの周波数範囲で、送信機に戻るように反射されるのではなく、アンテナ(900)に供給されたほとんどのエネルギーが放射されるだろう。2つの中央の垂直の実線の内側で、特に、アンテナ(900)のVSWRが2:1未満(<2:1)である周波数範囲を表わす。図13Bは、アンテナ(900)のための反射減衰量を示す。反射減衰量とVSWRは、図13B上の−10.0の反射減衰量が図13A上のVSWRにおける2.0に相当するように、数学的に関連づけられる。図13Bからの反射減衰量図は、1と2で表された点の間で、アンテナ(900)が良好なインピーダンス・マッチであることを示す。
図14Aは、図10Aからのアンテナ(1000)のための電圧定在波比(VSWR)を示す。VSWRプロットは、およそ884MHzから947MHzまでの周波数範囲については、アンテナ1000がよいインピーダンス一致であることを示す。すなわち、アンテナ(1000)に供給されるエネルギーの大部分である約884MHzから947MHzまでの周波数範囲は、送信機に反射されて戻るのではなく、アンテナ(1000)に供給されたほとんどのエネルギーは放射されるだろう。2つの中央の垂直の実線の内側は、特に、アンテナ(1000)のVSWRが2:1未満(<2:1)である場合の、周波数範囲を表わす。図14Bは、アンテナ(1000)のための反射減衰量を示す。前述したように、−10.0の反射減衰量がVSWRにおいて2.0に相当する。図14Bからの反射減衰量図は、1と2で示された点の間で、アンテナ(1000)が良好なインピーダンス・マッチであることを示す。
図15は、独立したアンテナ(1500)のさらに他の実施形態を示す。アンテナ(1500)は5.8GHzのアンテナの例である。アンテナ(1500)の特定の実施形態は、長さ約15ミリメートルおよび幅約15ミリメートルの寸法を有している。アンテナ(1500)は磁気ループ(1502)から成り、電界ラジエーター(1504)は磁気ループ(1502)に直接結合されている。独立したアンテナ(900)および(1000)とは対照的に、アンテナ(1500)は、2つのセクション(1508)および(1510)から構成されたテーパー状の遷移(1506)を含んでいる。第1の遷移セクション(1508)は、磁気ループの幅が小さな幅から大きな幅に変わるところで始まる。第1の遷移セクション(1508)は、磁気ループの幅が再び増加し、そこで第2の遷移セクションが始まる前に、小さい幅に向かって直線状に先細りする。第2の遷移セクションは、小さい幅からより大きな幅へ直線状に増加する。前述したように、磁気ループのトレースの幅の調節は、電気的長さのために調節されることを可能にする。加えて、使用される遷移の長さ、幅、および数は、カウンタポイズ(1512)を電気的に分離する。遷移(1506)は、カウンタポイズ(1512)を通って流れる電流が量において最小になるように、充分に長くなければならない。加えて、カウンタポイズ(1512)に対して遷移(1506)を先細りにすることは、インピーダンス・マッチにより、帯域幅を増加させる。バラン(1514)は同相モード電流を取り消す。また、バラン(1514)は、アンテナ(1500)のインピーダンスと一致する。アンテナ(1500)の代替の実施形態はバラン(1514)を含まなくてもよい。
片面アンテナの実施形態は、幅を有する磁気ループ、磁界を生成し、第1の誘導リアクタンスを有する面に配された磁気ループ、電界を発生し、第1の容量性リアクタンスを有する面に配された電界ラジエーターを備え、前記電界ラジエーターが磁気ループに直接結合され、ここで、電界は磁界に対して直角であり、電界ラジエーターと磁気ループの間の物理的配列が第2の容量性リアクタンスを結果として生じ、前記片面アンテナの実施形態は、さらに磁気ループ上で形成され、磁気ループの幅より大きな遷移幅を有する遷移と、前記電界フィールド・ラジエーターに対向するか、あるいは隣接する磁気ループに沿って配される、磁気ループ上に形成されたカウンタポイズをさらに備え、ここで、前記遷移は磁気ループからカウンタポイズを実質的に電気的に分離する。
本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された特徴は、明確にそうではことを述べない限り、それぞれ、同一、均等又は類似した目的に役立つ代替の特徴と置換され得る。したがって、そうではないことを明確に述べない限り、開示されたおのおのの特徴は、包括的な一連の均等若しくは類似の一例にすぎない。
本発明は、いくつかの代替的な用語により本明細書に記載されている一方で、本明細書に記載されている技術が多くの付加的使用および適用を有し得ることは理解されるべきである。従って、本発明の原理の例示的な実施形態、代替例、選択および適用を単に例証する、本明細書に含まれた単なる特定の記載、実施形態、および種々の図に限定されるべきではない。

Claims (23)

  1. 平面に位置づけられ、かつ磁界を生成するように構成された磁気ループ、
    前記平面に位置づけられ、かつ前記磁気ループの内部に置かれた少なくとも1つの電界ラジエーター、および
    前記少なくとも1つの電界ラジエーターを、は前記磁気ループを通って流れる電流が反射する最小であり、かつ前記少なくとも1つの電界ラジエーターが前記磁界に対して直角に電界を放出する点で前記磁気ループと結合する電気的トレース
    を備えてなることを特徴とする片面アンテナ。
  2. 前記電気的トレースが、実質的に滑らかな曲線と、前記電気的トレースにおける屈曲の数を最小にする形態とからなる群から選択された形態を有してなる請求項1に記載の片面アンテナ。
  3. 前記電気的トレースが、前記少なくとも1つの電界ラジエーターと前記磁気ループとを、前記磁気ループの駆動点から約90度または約270度の電気角度位置で結合する請求項1または2に記載の片面アンテナ。
  4. 前記少なくとも1つの電界ラジエーターが前記磁気ループに、前記磁気ループの駆動点から約90度または約270度の電気角度位置で直接結合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の片面アンテナ。
  5. 前記少なくとも1つの電界ラジエーターが前記磁気ループに直接結合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の片面アンテナ。
  6. 前記磁気ループは、1波長の倍数とほぼ等しい長さ、1/4波長の倍数とほぼ等しい長さ、および1/8波長の倍数とほぼ等しい長さからなる群から選択された電気的長さを有する請求項1〜5のいずれかに記載の片面アンテナ。
  7. 前記少なくとも1つの電界ラジエーターは、1波長の倍数とほぼ等しい長さ、1/4波長の倍数とほぼ等しい長さ、および1/8波長の倍数とほぼ等しい長さからなる群から選択された電気的長さを有する請求項1〜6のいずれかに記載の片面アンテナ。
  8. 前記磁気ループを通って流れる電流が少なくとも1つの電界ラジエーターに流れ込み、当該電流が、前記磁界内に反射する電界を結果として生じる前記磁気ループ内への反対方向に沿って反射され、前記磁界に対して直角の電界を結果として生じる請求項1〜7のいずれかに記載の片面アンテナ。
  9. 前記磁気ループが実質的に矩形形状を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の片面アンテナ。
  10. 前記磁気ループの前記実質的に矩形形状が、特定の角度でカットされた4つのコーナーを有してなる請求項9に記載の片面アンテナ。
  11. 前記磁気ループが、連続的に接続された複数個のセクションから形成され、前記複数個のセクションから少なくとも1つの部分が、第1の幅を有する第1の部分、中央の幅を有する中央の部分、および第2の幅を有する第2の部分によって形成され、前記第1の部分の第1の終端が前記中央の部分の第1の終端に接続され、かつ隣接し、前記中央の部分の第2の終端が前記第2の部分の第1の終端に接続され、かつ隣接し、前記第1の幅及び前記第2の幅が前記中央の幅と異なる請求項1〜10のいずれかに記載の片面アンテナ。
  12. 前記少なくとも1つの電界ラジエーターは電気的長さを有しており、動作の周波数で電界を放出するように構成され、
    前記少なくとも1つの電界ラジエーターは、前記平面上かつ前記磁気ループ内に配された第2の電界ラジエーターを含み、
    前記第2の電界ラジエーターは、前記磁気ループに結合され、
    前記第2の電界ラジエーターは、前記磁界に対して直角の第2の電界を放出するように構成され、
    前記第2の電界ラジエーターは、第2の電気的長さを有し、かつ動作の第2の周波数で第2の電界を放出するように構成されてなる、請求項1〜11のいずれかに記載の片面アンテナ。
  13. 前記磁気ループ上で形成された遷移であって、前記磁気ループの幅より大きい幅を有する遷移と、
    前記少なくとも1つの電界ラジエーターに対向又は隣接する前記磁気ループに沿って位置づけられた前記磁気ループ上で形成されたカウンタポイズと
    をさらに備え、
    前記遷移が、前記磁気ループからカウンタポイズを実質的に電気的に分離するように構成されてなる請求項1〜12のいずれかに記載の片面アンテナ。
  14. 前記カウンタポイズが前記磁気ループの幅より大きい幅を有している請求項13に記載の片面アンテナ。
  15. 同相モード電流を取り消し、かつ所望入力インピーダンスに前記片面アンテナをチューニングするように構成されたバランをさらに含む請求項1〜14のいずれかに記載の片面アンテナ。
  16. プレーナアンテナであって、
    前記プレーナアンテナが、第1の平面上に配され、かつ1つ以上の磁界を発生するように構成された1つ以上の磁気ループを備え、
    前記プレーナアンテナが、前記第1の平面上に配された1つ以上の電界ラジエーターを備え、前記1つ以上の磁界に対して直角の1つ以上の電界を発生し、当該1つ以上の電界ラジエーターのうちのおのおのの電界ラジエーターは、磁気ループを通って流れる電流が反射する最小である点で前記1つ以上の磁気ループのうちのおのおのの磁気ループに結合され、
    前記プレーナアンテナが、第2の平面上に配され、かつ接地面を生成するように構成された広帯域の素子を備え、
    前記広帯域の素子は、前記全誘導リアクタンスを増す第2の誘導リアクタンスと、前記全容量性リアクタンスを増す第3の容量性リアクタンスとを有し、
    前記広帯域の素子は、前記全誘導リアクタンスが前記広帯域の素子への1つ以上の物理的な調節に基づいて広帯域幅を超える前記全容量性リアクタンスと実質的に一致することを可能にするように構成されてなる
    ことを特徴とするプレーナアンテナ。
  17. 1つ以上のフェーズトラッカーをさらに備え、
    前記1つ以上のフェーズトラッカーのうちの各フェーズトラッカーが前記1つ以上の磁気ループのうちの各磁気ループに結合されてなる、請求項16に記載のプレーナアンテナ。
  18. 各フェーズトラッカーは物理的に個々の磁気ループの内部に位置づけられるか、または個々の磁気ループの外部で物理的に位置づけられてなる請求項17に記載のプレーナアンテ。
  19. 各フェーズトラッカーは実質的に三角形形状であり、
    前記各磁気ループはさらに駆動点を含み、
    前記実質的に三角形形状のフェーズトラッカーの先端が、駆動点からおよそ90度の電気角度位置、駆動点からおよそ270度の電気角度位置と位置調整されてなる
    ことを特徴とする請求項17又は18記載のプレーナアンテナ。
  20. 前記広帯域の素子が1つ以上の台形状素子を含んでなる、請求項16〜19のいずれかに記載のプレーナアンテナ。
  21. 前記1つ以上の物理的な調節は各台形状素子の頂部傾斜を変化させることを含む請求項20に記載のプレーナアンテナ。
  22. 前記広帯域の素子が、1つ以上のチョーク接合と、接地を含み、前記1つ以上のチョーク接合は前記1つ以上の台形状素子を前記接地素子から分離するように構成されてなる請求項20または21に記載のプレーナアンテナ。
  23. 前記1つ以上の磁気ループが、実質的に矩形形状である請求項16〜22に記載のプレーナアンテナ。
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