JP2006050291A - 広帯域アンテナ素子、および室内装飾を兼ねた広帯域アンテナ - Google Patents

広帯域アンテナ素子、および室内装飾を兼ねた広帯域アンテナ Download PDF

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Abstract

【課題】 1つのアンテナ素子で広帯域に亘る周波数の電波を受信する広帯域アンテナ素子の改良した電極構造と、装飾的電極構造を透明体で支持して、室内装飾を兼ねた広帯域アンテナを提供する。
【解決手段】 方形の導体板2のほぼ中央に、導体板2の上部外側辺2aとほぼ平行をなす上方内側辺3cと、この上方内側辺3cの両端から、ほぼ垂直に延びる左右の上方内側辺3a、3bと、これら左右の上方内側辺3a、3bの下端から、内側下方へ向かって傾斜する下方内側辺3dと、左右の下方内側辺3dの下端から導体板2の下縁2dへ向かって垂下する狭幅の連通溝孔5を有する切り抜き孔3を設け、また、広帯域アンテナ素子1の導電板2を不透明として、導電板2を支持する部材を透明体で構成し、導電体2に設けた切り抜き孔3を装飾模様として表示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、1つの扁平なアンテナ素子によって、13CH〜62CHのテレビ電波帯域をカバーしうるようにしたする広帯域アンテナ素子、および室内装飾を兼ねた広帯域アンテナに関する。
薄い導電板に、所要の形状および寸度の開口部を設けたスロット式もしくはノッチ式の偏平アンテナは知られている。
この扁平アンテナにおいては、導電板の外形と、それに設けられた開口部の形状および寸法と、導電板の各辺の寸法によって、アンテナの同調周波数が定まる。
特許文献1には、同調を要する電波の波長をλとすると、導電板におけるスロットの長さは、λ/2やλ/4などに設定されるべきと旨が記載されている。
また特許文献2の図7には、薄い導電板の中央部に、細長い開口部や、菱形及び略菱形のノッチ開口部を設けたものが開示され、同じく、図8には、それらの形状に対する周波数特性が示されている。
しかし、この特許文献2には、開示されている各開口部の形状によって、広帯域特性が得られる旨を示す広帯域周波数特性図は記載されていない。
特許文献3には、本願出願人の出願による発明が記載されている。
特許文献3は、図19に示されているように、この発明の広帯域アンテナ素子(01)は、導電性の四辺形の導体板(02)と、この導体板(02)のほぼ中央に位置し、四辺形の中心線(03)を挟んで、互いに対向する辺縁部同士の距離が、四辺形の中央に向けて漸増するとともに、軸線方向の長さが互いに異なる2つの楔形状(04)(05)、およびその両楔形状(04)(05)の拡幅部が向き合った部分を平行に連結する平行部(06)、ならびに軸線方向の長さが長い方の楔形状(05)の狭幅部において、軸線と直交して角部を截頭した辺部(07)からなる切り抜き孔(08)と、軸線方向の長さが短い方の楔形状(04)の狭幅部において、軸線と直交して角部を截頭し、その截頭した辺部の両端を、中心線(03)に沿って、前記導体板(02)の一辺(09)へ到達するまで平行に延出した連通孔(010)と、それぞれこの連通孔(010)を挟む近傍に位置する1対の給電点(011)を備えている。
上記広帯域アンテナ素子素子(01)は、四辺形の導電板(02)に設けた開口部、すなわち切り抜き孔(08)の形状を略菱形とし、細長いノッチ形切込を、連通孔(010)として略菱形の開口部に連結して、広帯域特性の扁平型アンテナを形成し、13CH〜62CHのテレビ電波帯域をカバーするようになっている。
特開平11−186836号公報 特開2002−246821号公報 特許第3575012号(特願2003−200094号)
同調周波数を特定しない広帯域特性のアンテナにおいては、同調電波の波長λと開口部の形状や寸法を、明確な対応関係をもって、数式で表すことができないため、最良な形状や寸法を、試行錯誤的に求めているのが現状である。
そのため、所望の広帯域特性を有するアンテナを得たりする場合における、その形状および寸法の決定は、試行錯誤的に行われることとなり、周波数特性を変化させる多数のパラメータの中のいずれを調整すればよいのか、またいずれのものと組み合わせて調整すればよいのか等、各パラメータの選択と組み合わせを行うことが容易ではない。
本発明は、上記特許文献3に示されているアンテナ素子がカバーしうる、13CH〜62CHのテレビ電波帯域において、電圧定在波比を向上させた広帯域アンテナ素子の周波数特性を改良することを目的とするとともに、従来の技術が有する上述のような問題点を解消することを目的とするもので、従来のアンテナ素子に比べて、簡単な構造で、広帯域に亘る周波数の電波を受信しうる広帯域アンテナ素子を提供し、かつ、同調周波数帯域と開口部の形状変更の相関性を明瞭に区分して、所望の広帯域周波数特性を有するアンテナ素子を得ることを目的としている。
ところで、地上波のデジタル放送の開始に伴い、テレビ受信機は、大小の扁平パネル型モニタ画面を用いた受信機、ハードデスクを内蔵した録画用の受信機、およびデスクトップ型やノート型のパソコンにテレビチューナを内蔵した受信機等、形態が多様化し、かつ、受信機の設置場所も、室内の固定された場所以外に、机やテーブルの上、ラック棚の上、室内装飾用の棚や台の上、あるいは壁面等、テレビ受信機自体を室内装飾用として利用されるようになっている。
そのため、これらの受信機に使用される室内アンテナには、受信機の様式に合わせて、アンテナ自体を装飾品として積極的に見せるようにしたものと、受信機の背面に隠して、見せないようにしたものとが現出している。
本発明は、前記特許文献3のアンテナ素子よりも、広帯域周波数特性を向上させ、かつ、アンテナ素子として機能させる電極の形状を、装飾体として現実に耐えうるものとして、室内装飾を兼ねた広帯域アンテナを提供し、かつテレビ受信機やモニタ画面の背面に接近して設置する場合においても、広帯域周波数特性を所要の基準範囲に収めるべく、調整を容易としたアンテナ素子を提供することを目的とする。
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1) 方形の導体板のほぼ中央に、導体板の上部外側辺とほぼ平行をなす上方内側辺と、この上方内側辺の両端から、ほぼ垂直に延びる左右の上方内側辺と、これら左右の上方内側辺の下端から、内側下方へ向かって傾斜する下方内側辺と、左右の下方内側辺の下端から導体板の下縁へ向かって垂下する狭幅の連通溝孔を有する切り抜き孔を設けたことにより。
(2)上記(1)項において、切り抜き孔の上方内側辺が直線状である。
(3)上記(2)項において、切り抜き孔が、ホームベース形をなしている。
(4)上記(1)項において、切り抜き孔の上方内側辺を、V字状に下方へ突出させて、凹入辺部を形状してなる。
(5)上記(4)項において、切り抜き孔が、矢羽根形をなしている。
(6)上記(1)項において、切り抜き孔に、V字状に下方へ突出する凹入辺部を複数設けてなる。
(7)上記(6)項において、切り抜き孔が、チューリップ形をなしている。
(8)上記(1)項において切り抜き孔が、許容される広帯域周波数特性内において、各辺部のいずれか1つまたは複数を、複数の直線もしくは曲線またはそれらの組み合わせによって、各辺部を構成し、切り抜き孔を装飾してある
(9)上記(1)〜(8)項いずれかの広帯域アンテナ素子を、四辺形の導電板を不透明として、導電板を支持する基板を透明体で構成し、導電体に設けた切り抜き孔を装飾模様として表示するようにした。
請求項1記載の発明によると、薄い導電体に設けた切り抜き孔を、導電版の外形辺と平行する辺の多い単純な形とするとともに、傾斜する下方内側辺と導体板の下縁に連通孔を設ることにより、従来の略菱形の切り抜き孔を設けたアンテナ素子よりも、広帯域特性を向上することができ、しかも切り抜き孔の形を単純化することにより、その形を形成する構成要素の各寸法をパラメータにして、広帯域周波数特性の調整に際して、周波数特性の変化の予測可能性を高めて、広帯域周波数特性の調整を容易にすることができる。
請求項2〜7記載の発明によると、切り抜き孔を単純で綺麗な形として、スケルトン状にした室内アンテナに、装飾的効果を発揮させるとともに、従来の同様広帯域アンテナよりも、広帯域の周波数において定在波比特性を良好にした、広帯域アンテナ素子を提供できる。
請求項8記載の発明によると、広帯域周波数特性を損なわない範囲において、切り抜き孔の形を装飾的にすることができ、スケルトン状にした室内アンテナに装飾的効果を発揮させることができる。
請求項9記載の発明によると、扁平な導電板に設けた、電気的に広帯域周波数特性を得るための機能的形状を、審美的装飾的機能を発揮させるようにしたことにより、アンテナとしての電気的作用と、室内装飾的作用の両方を兼ねるさせることができる。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示すものである。
アンテナ素子(1)は、外形を四辺形、例えばほぼ正方形とした導電性の導体板(2)を備えている。
導体板(2)のほぼ中央には、左右方向の中心線Y−Yを共有する切り抜き孔(3)が設けられている。
切り抜き孔(3)は、導電板(2)の各外側辺(2a)〜(2d)にそれぞれ近接する内側辺(3a)〜(3d)を備えている。
切り抜き孔(3)における内側辺(3a)〜(3d)の少なくとも1つ、例えば下方内側辺(3d)は、狭幅部(4)を導電板(2)の下方の外側辺(2d)の方に向けた漏斗状をなしている。
切り抜き孔(3)における左右の内側辺(3a)(3b)は、それぞれ導電板(2)の左右の外側辺(2a)(2b)と、平行をなし、かつそれらに比較的に近接して設けられている。
切り抜き孔(3)における上方の内側辺(3c)は、導電板(2)の上方の外側辺(2c)と、平行をなし、かつそれに比較的に近接して設けられている。
切り抜き孔(3)における前記の狭幅部(4)と、導電板(2)の下方の外側辺(2d)との間には、前記中心線Y−Yに沿って、等幅で細長い連通溝孔(5)が設けられている。
上記アンテナ素子(1)における導電板(2)は、厚さが、例えば0.1mm程度の薄膜状のものであり、そのため、形状を維持するために、基板(7)上に適宜重着されている。
基板(7)に重着されたアンテナ素子(1)は、プリント配線基板と同様に、電極部分をマスク材により覆って、不要部分を除去して作ることもできるし、また、シルク印刷により、導電性印刷材を塗布して作ることもできる。
基板(7)の材料としては、電気絶縁性のフイルム材から、電気絶縁性の数mm厚さの板材まで、使用目的に応じて適宜に選択される。
また、導電板(2)を不透明とし、基板(7)をガラスや透明な合成樹脂材製とし、かつ最終製品となる室内アンテナの外側の保護材を透明として、中のアンテナ素子(1)が透けて見えるようにした、スケルトン状の室内アンテナを作成し、アンテナ素子(1)を、装飾的目的に利用することもできる。
図2、図3は、図1における中央縦断面図と中央横断面図を示す。
なお、それぞれ導電板(2)の厚さは、基板(7)に比較して、きわめて薄いため、誇張して示してある。
図においては、基板(7)の外形は、アンテナ素子(1)の外寸よりも若干大きめの相似形としてあるが、この形状および大きさは、後述するアンテナにおける広帯域周波数特性に影響を与えることはないので、適宜定めることができる。
図1中には、放送用電波のテレビチャンネルにおける13CH〜62CH(470MHz〜770MHz)のテレビ電波帯域をカバーする広帯域周波数特性を得るための、具体的寸法の一例を加入してある。なお各図に示す寸法の単位はmmである。
図1に示すアンテナ素子(1)において、図4は、各部の寸法を図1中に記入した値としたアンテナ素子(1)の広帯域周波数特性図を示すもので、後述する他の実施例における寸法形状のアンテナ素子(1)、並びに、前記した従来のアンテナ素子(01)等と比較するために、それらの周波数特性曲線を重ねて示してある。
図4の(a)は、図1に示すアンテナ素子(1)の電極パターンで、切り抜き孔(3)の形状からホームベース形と呼ぶこととする。
同じく図4の(b)は、図11に示すアンテナ素子(1A)の電極パターンで、切り抜き孔(3)の形状から、矢羽根形と呼ぶこととする。
同じく図4の(c)は、図14に示すアンテナ素子(1B)の電極パターンで、切り抜き孔(3)の形状から、チューリップ形と呼ぶこととする。
同じく(d)は、図19に示す従来のアンテナ素子(01)の電極パターンで、切り抜き孔(08)の形状から、ダイヤ形と呼ぶこととする。
図4の(a)〜(d)に示す電極パターンの下方に示す線種は、広帯域周波数特性図における対応する電極パターンで得られる周波数特性曲線の線種を示している。
また、各電極パターンで得られる特性曲線には、電極パターンに付した記号を付してある。
図4には、本発明によるホームベース形(a)、及び後述する本発明の矢羽根形(b)とチューリップ形(c)のいずれもが、帯域全般に亘って総合的に判断すると、従来のダイヤ形(d)の広帯域周波数特性に対して、電圧定在波比が明らかに改良されていることが示されている。
図1に示す本発明に係るホームベース形の切り抜き孔(3)とした図4の(a)のものは、従来のダイヤ形とした図4の(d)のものに比べて、形状的に簡素化されている。
切り抜き孔(3)の形は、広帯域周波数特性を変化させるので、その各内側辺の形状寸度は、広帯域周波数特性を定めるパラメータをなしている。
本発明においては、図1に示すホームベース形を標準とし、そのホームベース形を各内側辺に、広帯域周波数設定用パラメータX1〜X6を設定してある。
すなわち、導電板(2)の外形が縦横200mmの正方形であることを基準として、次のパラメータX1〜X6を定めてある。
パラメータX1は、連通溝孔(5)の長さである。
パラメータX2は、連通溝孔(5)の幅である。
パラメータX3は、左右の内側辺(3a)(3b)の下端と、狭幅部(4)の上端までの距離である。
パラメータX4は、切り抜き孔(3)の上方内側辺(3c)と導電板(2)の上方外側辺(2c)との距離である。
パラメータX5は、切り抜き孔(3)の左右内側辺(3a)(3b)と、導電板(2)の外側辺(2a)(2b)との距離である。
パラメータX6は、導電板(2)の幅である。
図5〜図10は、上記パラメータX1〜X6に対応する広帯域周波数特性図である。
図5は、パラメータX1を、標準の長さ40mmから順次短くして、長さを0mmとするまでの広帯域周波数特性図である。ただし、長さを0mmとしたものは、本発明の実施例には属さない。
なお、後述する各広帯域周波数特性図において、各パラメータを変化させたときの切り抜き孔(3)の形状に付した記号と同じ記号を、周波数特性曲線に付してある。
また、切り抜き孔(3)の形状のいずれかに、二重丸の記号を付したものは、図1に示す標準のパラメータに関するもので、その周波数特性曲線は、実線で示してある。
図5において、連通溝孔(5)の長さであるパラメータX1を変化させた場合には、連通溝孔(5)の長さが短くなるに従って、広帯域周波数特性が劣化する傾向があり、長さが零になると、広帯域特性を全く得ることができなくなるため、連通溝孔(5)の存在自体が、広帯域周波数特性を得るのに必須であることを示している。また、連通溝孔(5)の長さが、広帯域周波数特性を向上させるのに機能していることが、この広帯域周波数特性図から分かる。
パラメータX1の変化に対する定在波比の変化の度合いは、中域において大きく、高域がそれに続き、低域においては、比較的変化の度合いが小さくなっている。
また、低域において、変化の方向性の逆転現象が生じ、パラメータX1を標準の40mmより大きくすると定在波比が増大して、特性が劣化する傾向がある。
図5の(a)に示す二重丸を付けた標準のものは、左端の13CH付近の低域、中央の38CH付近の中域、及び右端の62CH付近の高域、それぞれにおける定在波比が、ほぼ1.4程度になるように、後述する各パラメータを含めて定めてある。
図6は、連通溝孔(5)の幅であるパラメータX2を、標準の幅8mmに対して変化させたときの広帯域周波数特性図である。
この特性図によれば、連通溝孔(5)の幅を大とすれば、高域が良くなり、小とすれば低域が良くなり、中域においては、幅の大小に対して、あまり変化はなく、しかもパラメータX2の変化の方向に対して、定在波比の値の変化の方向が反転する反転部が形成されていることが分かる。
このように、パラメータX2による周波数特性の変化は、中域を中心として、低域と高域が、互いに逆相に変化する。
図7は、下方内側辺(3d)の高さであるパラメータX3を、標準値の50mmから順次短くして、高さを0mmとするまでの広帯域周波数特性図である。ただし、長さを0mmとしたものは、本発明の実施例には属さない。
このパラメータX3は、高さを大きくすると、中域の特性が良くなる傾向を示す。 低域の13CH近くにおいて、不動点を形成するとともに、高域の62CH近くにおいても、比較的変化の少ない特性を示す。かくしてこのパラメータX3は、広帯域周波数特性の中域の変動に大きく寄与している。
図8は、切り抜き孔(3)における上方内側辺(3c)と、導体板(2)の上方外側辺(2c)との間隔であるパラメータX4を、図8の(c)の標準値の25mmに対して変化させたときの広帯域周波数特性図である。
このパラメータX4は、高域においては変化が小さいが、中域と低域においては、18CH〜22CHを境にして、広帯域周波数特性が互いに逆相に変化する。
すなわち、パラメータX4の値を大きくすると、中域の定在波比は良くなり、低域の定在波比は悪くなる。またパラメータX4の値を小さくすると、中域の定在波比が悪くなり、低域の定在波比は良くなる。高域においては、いずれの場合も、あまり変動がない。
図9は、切り抜き孔(3)の左右の内側辺(3a)(3c)と、導体板(2)の左右の外側辺(2a)(2c)との間隔であるパラメータX5を、図9の(c)の標準値の35mmから前後に変化させたときのとの広帯域周波数特性図である。
このパラメータX5は、低域の20CH近くにおいて、不動点を形成して、低域への変化の度合い小さいが、高域に対しては、値が小さいほど変化の度合いは大きく、その値がある値に達すると、変化の度合いは収斂して変化はなくなる。なお、中域の変化は比較的小さい。
図10は、導体板(2)の幅であるパラメータX6を、図10の(b)の標準値の200mmから、前後に変化させたときの広帯域周波数特性図である。
このパラメータX6は、高域の58CH近くに不動点を形成して、高域への変化の度合いが小さいが、中域から低域にかけて、変化の度合いは大きくなっている。
特に、低域においては、パラメータX6の値が、標準値に近い値より小さいときと、大きいときとでは、変化の方向が逆相となる特性を示している。
本発明においては、上記各パラメータX1〜X6を適宜選択して、前述の如く、左端の13CH付近の低域、中央の38CH付近の中域、及び右端の62CH付近の高域、それぞれにおける定在波比が、所要の値、例えば1.5以下となるようにして標準値を選択してある。
図11は、他の実施態様を示すもので、この例のアンテナ素子(1A)は、図1に示すホームベース形の切り抜き孔(3)の上方内側辺(3c)を、下方内側辺(3d)とほぼ平行をなすように、V形に折曲して、導電板(2)の上方外側辺(2c)と対向する凹入辺部(8)を形成したものである。
この実施例における切り抜き孔(3)の形状は、矢羽根状をなしていることから矢羽根形と呼ぶ。
図12は、ホームベース形から矢羽根形へ切り抜き孔(3)の形状を変化させる過程における広帯域周波数特性図である。
図12においては、上方の凹入辺部(8)の高さを、パラメータX7とし、そのパラメータX7を、順次0mm〜50mmまで変化させてある。
図12の(a)は、ホームベース形の標準形を示し、図12の(b)〜(e)に示すように、パラメータX7を順次大きくすると、標準形のものより低域の特性が悪くなっていく。
この変化の傾向は、高域では不動点を形成して、ほとんど変化がなく、中域では若干の変動はあるものの、所要の基準内にある。
図12の(b)〜(e)の矢羽根形の中で、最も形が整った美しいのは、図12の(e)の形であるが、広帯域周波数特性は、低域において最も悪くなっている。
そこで、前述の各パラメータX1〜X6の中で、低域の定在波比が良好なものは、X2、X4、X6ということになる。
しかし、パラメータX2は、低域において良くすれば、高域において悪くなり、パラメータX6は、導電板(2)の外形が、正方形ではなくなるので、美的バランスが悪くなる。
図13は、図12の(e)を基準にして、パラメータX4に相当する凹入辺部(8)の広幅部と、導電板(2)の上方の外側辺(2c)との間隔を、パラメータX4'とし、その値を10mm〜45mmとして、定在波比を計測した広帯域周波数特性図である。
この広帯域周波数特性図によると、図13の(a)に示すパラメータX4'が、10mmのときの特性が最も良く、前記ホームベース形の標準形の特性に近くなっている。
なお、図4の(b)に示す矢羽根形は、図13の(a)に相当するもので、その広帯域周波数特性曲線も同じである。
図14は、別の実施態様を示すもので、この例のアンテナ素子(1B)は、図1に示すホームベース形の切り抜き孔(3)の上方内側辺(3c)を、審美的目的をもって、上向きに拡幅して、左右に並ぶ2つの凹入辺部(9)(9)としたものである。
この実施例における切り抜き孔(3)の形状は、上端をチューリップを擬した形にして、審美性を高めたもので、以下チューリップ形と呼ぶ。
図15は、2つの凹入辺部(9)(9)の上端と導電板(2)の上方の辺部(2c)との間隔を、パラメータX4'とし、その値を5mm〜60mmに設定して、定在波比を計測した広帯域周波数特性図である。
この広帯域周波数特性図によると、図15の(b)に示す、パラメータX4'が10mmのときの特性が最も良く、前記ホームベース形の標準形の特性に近くなっている。
なお、図4図の(c)に示すチューリップ形は、図15の(b)に相当するもので、その広帯域周波数特性曲線も同じである。
図16は、本発明の別の実施態様を示すもので、審美的目的を持たせて切り抜き孔(3)を設けたアンテナ素子(1A)(1B)を、装飾目的に使用する例である。
アンテナ素子(1B)は、透明の基板(7)に止着されて、その外側を透明な外被材(10)で覆われ、板状をなす装飾を兼ねた室内アンテナ(11)を構成している。
この室内アンテナ(11)は、支持台(12)に保持されて、自立し得るようになっている。
また室内アンテナ(11)は、スケルトン仕様で作成されており、内部のアンテナ素子(1B)が透けて見え、本来電気的機能を持たせた切り抜き孔(3)の形状が、チューリップ形の花模様に見えて、審美的な装飾的効果が発揮される。
また、切り抜き孔(3)がホームベース形であっても、矢羽根形であっても、同様に、スケルトン仕様で室内アンテナ(11)を作ることにより、アンテナ素子(1)の電極構造を、審美的目的に利用することができる。
さらに、広帯域周波数特性を損なわない範囲で、導電板(2)の外周辺に曲がりを付けたり、切り抜き孔(3)の辺部に曲がりを付けたりして、審美性を高めることもできる。
図17は、本発明によるアンテナ素子(1)で作られた室内アンテナ(13)を、扁平なモニタ画面(14)の裏面(15)に設置して、正面からは、見えないようにした例である。
モニタ画面(14)は、大型テレビを例として示してあるが、パソコン用のモニタ画面や、ノート形のパソコンのモニタ画面であってもよい。
モニタ画面(14)の様な電気製品に室内アンテナ(13)を接近させて設けると、広帯域周波数特性が劣化してしまう。
そこで、本発明においては、接近して使用する近接間隔(D)を、予め決めておき、この接近間隔(D)をパラメータDとして、前記パラメータX1〜X6を含めて、広帯域周波数特性を求め、使用状況に応じた最適な室内アンテナ(13)を提供するようにしている。
図18は、室内アンテナ(13)に内蔵したアンテナ素子(1)と、モニタ画面(14)の背面(15)との間隔(D)をパラメータDとし、かつ図1に示すホームベース型を基準として、その基準となるアンテナ素子(1)を、モニタ画面(14)の背面(15)に、間隔(D)を60mm、80mm、100mmとして接近配置したときの広帯域周波数特性と、その広帯域周波数特性曲線から、周波数特性の特徴部分を選択して、パラメータX2、X6を調整して、広帯域周波数特性を、所要の定在波比の値内に納めるようにした、広帯域周波数特性図を示すものである。
図18の(a)(b)(c)に示す如く、アンテナ素子(1)をモニター画面(14)の裏面(15)に接近させると、低域から中域の定在波比の値が大幅に悪くなる。
しかし、高域においては、不動点を形成していて、劣化は小さい。
そこで、中域と低域の劣化を、前記パラメータX1〜X6のいずれかを選択して、改善することが考えられている。
実施例では、図18の(d)(e)(f)により、低域をパラメータX2でもって、また中域をパラメータX6をもって、近接距離を100mmにおいて最適になるように、改善する過程を示している。
図18の(d)では、パラメータX6を180mmにしても、中域の改善が不十分である。
図18の(f)では、パラメータX6を160mmにして、中域を改善してあるが、低域において、定在波比の値が2.0を越えているので、その改善は不十分である。
図18の(e)は、パラメータX2を15mmにして、低域を改善するとともに、パラメータX6を160mmにして、帯域全体の定在波比を、ほぼ1.8以下にすることができたことを示している。
このように、本発明のアンテナ素子(1)においては、各パラメータX1〜X6を変化させて関連する形状を変えることにより、使用環境に応じた適正の定在波比の室内アンテナを提供することができる。
本発明の第1の実施形態によるホームベース形アンテナ素子の正面図である。 図1の中央縦断右側面図である。 図1の中央横断平面図である。 本発明の各実施例のアンテナ素子と従来のアンテナ素子との広帯域周波数特性を比較する広帯域周波数特性図である。 図1に示すホームベース形アンテナ素子におけるパラメータX1の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 図1に示すホームベース形アンテナ素子におけるパラメータX2の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 図1に示すホームベース形アンテナ素子におけるパラメータX3の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 図1に示すホームベース形アンテナ素子におけるパラメータX4の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 図1に示すホームベース形アンテナ素子におけるパラメータX5の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 図1に示すホームベース形アンテナ素子におけるパラメータX6の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 第2の実施形態による矢羽根形アンテナ素子の正面図である。 図11に示す矢羽根形アンテナ素子におけるパラメータX7の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 図11に示す矢羽根形アンテナ素子におけるパラメータX4'の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 第3の実施形態によるチューリップ形アンテナ素子の正面図である。 図14に示すチューリップ形アンテナ素子におけるパラメータX4'の変化に応じた広帯域周波数特性図である。 第4の実施形態を示す室内アンテナの斜視図である。 第5の実施形態を示すモニタ画面の斜視図である。 モニタ画面の背面に接近して設けたアンテナ素子の近接距離に対応した、広帯域周波数特性図である。 従来のダイヤ形アンテナ素子の正面図である。
符号の説明
(1) アンテナ素子
(2) 導体板
(2a)(2b)(2c)(2d) 外側辺
(3) 切り抜き孔
(3a) 左方内側辺
(3b) 右方内側辺
(3c) 上方内側辺
(3d) 下方内側辺
(4) 狭幅部
(5) 連通溝孔
(6) 給電端
(7) 基板
(8) 凹入辺部
(9) 凹入辺部
(10) 外被材
(11) 室内アンテナ
(12) 支持台
(13) 室内アンテナ
(14) モニタ画面
(15) 裏面
(D) 間隔
X1〜X7 パラメータ

Claims (9)

  1. 方形の導体板のほぼ中央に、導体板の上部外側辺とほぼ平行をなす上方内側辺と、この上方内側辺の両端から、ほぼ垂直に延びる左右の上方内側辺と、これら左右の上方内側辺の下端から、内側下方へ向かって傾斜する下方内側辺と、左右の下方内側辺の下端から導体板の下縁へ向かって垂下する狭幅の連通溝孔を有する切り抜き孔を設けたことを特徴とする広帯域アンテナ素子。
  2. 切り抜き孔の上方内側辺が直線状である請求項1に記載の広帯域アンテナ素子。
  3. 切り抜き孔が、ホームベース形をなしている請求項2に記載の広帯域アンテナ素子。
  4. 切り抜き孔の上方内側辺を、V字状に下方へ突出させて、凹入辺部を形状してなる請求項1記載の広帯域アンテナ素子。
  5. 切り抜き孔が、矢羽根形をなしている請求項4に記載の広帯域アンテナ素子。
  6. 切り抜き孔に、V字状に下方へ突出する凹入辺部を複数設けてなる請求項1に記載の広帯域アンテナ素子。
  7. 切り抜き孔が、チューリップ形をなしている請求項6に記載の広帯域アンテナ素子。
  8. 切り抜き孔が、許容される広帯域周波数特性内において、各辺のいずれか1つまたは複数を、複数の直線もしくは曲線またはそれらの組み合わせによって、各辺を構成し、切り抜き孔を装飾してある、請求項1に記載の広帯域アンテナ素子。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載の広帯域アンテナ素子を、導電板を不透明として、導電板を支持する基板を透明体で構成し、導電体に設けた切り抜き孔を装飾模様として表示するようにした、室内装飾を兼ねた広帯域アンテナ。
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