本発明の実施形態は、概して、基板の検査システムに関する。さらに詳細には、本発明はフラットパネルディスプレイの製造における大面積基板のための統合検査システムに関する。
関連技術の説明
フラットパネルディスプレイは、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ(LCD)と称されることもあるが、かつての陰極線管の代替品として、近年、世界的に普及しつつある。LCDはCRTより高画質、軽量、低電圧要件、低消費電力といった点を含め、幾つかの点で有利である。例を少し挙げると、ディスプレイはコンピュータのモニタ、携帯電話、テレビで多く応用されている。
アクティブマトリックスLCDの1つのタイプには、薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に挟み込むことでフラットパネル基板を形成する液晶材料が含まれる。一般的に、TFT基板は薄膜トランジスタのアレイを含み、薄膜トランジスタはそれぞれが画素電極に連結され、カラーフィルタ基板は異なるカラーフィルタ部と共通電極を含む。所定の電圧を画素電極に印加すると画素電極と共通電極との間に電場が発生して液晶材料が配向され、その特定の画素に向かって光が透過できるようになる。通常は大面積の基板を用い、多数の独立したフラットパネルディスプレイを大面積基板上に形成し、続いて最終製造工程で基板から分離する。
製造工程の一環として、大面積基板を検査して、各フラットパネルディスプレイにおける画素の動作性を測定することが必要である。電圧イメージング、電荷検出、光学イメージング、及び電子ビーム検査は、製造工程中に不具合をモニタし問題解決するために用いる工程の一部である。典型的な電子ビーム検査工程では、画素のTFT応答をモニタして欠陥情報を得る。電子ビーム検査の一例においては、所定の電圧をTFTに印加し、電子ビームを検査対象である個々の画素電極に指向する。画素電極領域から放出された二次電子を検出することで、TFT電圧を測定する。
一般的に、プローバアセンブリ等の検査装置を用いて、大面積基板上の導電性領域に接触させることで、TFTに電圧を印加又はTFTからの電圧を検知する。基板上の特定の構成のフラットパネルディスプレイを検査するために、プローバアセンブリの寸法はディスプレイに合わせ、又、適合されている。プローバアセンブリの面積は典型的には基板の寸法に等しい或いはそれより大きく作られており、プローバアセンブリのこの大面積が取り扱い、搬送、保管を困難なものにしている。また、プローバアセンブリは一般的に1つの特定の構成のフラットパネルディスプレイ又は製品を検査するために設計されたものであり、異なる製品の場合には異なるプローバアセンブリが必要となる。通常、製造業者は多くの異なる製品を製造していることから、これでは必要なプローバアセンブリの数が増大し、ここでも保管、搬送、取扱いが問題となる。
従って、上述の問題点に対処した、大面積基板の検査を行うためのプローバアセンブリが必要とされる。
本明細書に記載の実施形態は大面積基板上の電子デバイスの検査に関する。一実施形態において、プローバアセンブリについて記載する。プローバアセンブリはフレームと、フレームに移動可能に連結された複数のコンタクトヘッドを含み、各コンタクトヘッドはフレームに対して平行、直交、角度のついた、或いはその組み合わせの方向に独立して方向付けされている。
他の実施形態においては、プローバアセンブリについて記載する。プローバアセンブリはフレームと、フレームに移動可能に連結された複数のコンタクトヘッドアセンブリを有し、各コンタクトヘッドアセンブリは筐体と、その下面上に配置された複数のプローバピンを有するコンタクトヘッドを含み、各コンタクトヘッドアセンブリはフレーム長さに相対して独立して移動可能であり、各コンタクトヘッドは筐体に相対して移動可能である。
他の実施形態においては、矩形の大面積基板を検査するための検査システムについて記載する。検査システムは、複数の電子デバイスをその上に有する基板を受け止めるように寸法を合わせた検査テーブルと、基板上の電子デバイスに選択的に接触するように適合された複数のコンタクトヘッドを有するプローバアセンブリとを含み、プローバアセンブリは検査テーブルの長さに沿って移動可能である。
その幾つかは添付図面で図示されている実施形態を参照し上記で簡単に概要を述べた本発明の更に具体的な説明を得ることで、本発明の上述した特徴が詳細に理解可能である。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を図示するに過ぎず、本発明はその他の同等に効果的な実施形態も認め得るため、本発明の範囲を制限すると捉えられるものではないことに留意しなくてはならない。
検査システムの一実施形態の等角図である。
図1に図示の検査システムの部分側面図である。
図2Aに図示の検査テーブルの一部の等角図である。
基板と基板上方の2つのプローバの一実施形態の部分上面図である。
図3Aのプローバの検査位置の一実施形態の部分上面図である。
図3Aに図示のプローバの検査位置の他の実施形態の部分上面図である。
コンタクトヘッドアセンブリの一実施形態の等角図である。
コンタクトヘッドアセンブリの一実施形態の概略側面図である。
図4Bのコンタクトヘッドの等角図である。
プローバの他の実施形態の等角図である。
プローバの他の実施形態の部分等角図である。
コンタクトヘッドアセンブリの下部の等角図である。
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コンタクトヘッドの位置決めの様々な実施形態の概略図である。
図5Bに図示のフレームの一部の等角図である。
図5Bに図示のフレームの他の部分の等角図である。
理解し易くするために、可能な限り、図に共通する同一の要素は同一の参照番号を用いて表した。一実施形態で開示の要素は、特に記載することなく他の実施形態にて便宜上利用する場合がある。
詳細な説明
本願で用いる基板という用語は、概して、ガラス、重合体材料、又はその上に電子デバイスを形成するに適したその他の基板材料から成る大面積基板を指す。本願に記載の様々な実施形態は、TFT及びフラットパネルディスプレイ上に配置された画素等の電子デバイスの検査に関する。大面積基板上に配置、検査し得るその他の電子デバイスには太陽電池アレイ用の光電池、有機発光ダイオード(OLED)、及びその他のデバイスが含まれる。検査手順は電子ビーム又は荷電粒子エミッタを用いて模範的に説明するが、本願に記載の特定の実施形態は光学デバイス、荷電検出、又は真空条件下又は大気圧や大気圧に近い状態で大面積基板上の電子デバイスを検査するように構成されたその他の検査アプリケーションを用いても同様に効果的である。
本願に記載の実施形態は様々な駆動装置、モータ及びアクチュエータについて言及し、それらは以下の空気圧シリンダ、圧電モータ、水圧シリンダ、磁気ドライブ、ステッパ又はサーボモータ、スクリュー型アクチュエータ、垂直運動、水平運動、その組み合わせを行うその他のタイプの運動装置、或いは記載の運動の少なくとも一部を行うのに適したその他の装置の1つ又は組み合わせであってもよい。
本願に記載の様々な構成部品は水平及び垂直面に独立して移動可能であってもよい。垂直とは水平面に直交した動きと定義され、Z方向と称される。水平とは垂直面に直交した動きと定義され、X又はY方向と称される。X方向はY方向に直交した動きであり、Y方向はその逆である。X、Y及びZ方向については、読み手の理解のために必要に応じて図に方向を挿入することで更に定義する。
図1は大面積基板上に配置された電子デバイスの動作性を検査するように適合された検査システム100の一実施形態の等角図であり、例えば、大面積基板の寸法は約2200mmx約2600mmまで、又はそれを超える。検査システム100は検査チャンバ110、ロードロックチャンバ120、及び複数の検査カラム115(図1では7つを図示)を含み、これらの検査カラムは薄膜トランジスタ(TFT)等の大面積基板上に配置された電子デバイスを検査するように適合された電子ビームカラムとして模範的に描かれている。後方散乱電子を検出するための複数の検出装置(図示せず)は検査チャンバ110の内部容積内に検査カラム115に隣接して配置されている。検査システム100は、典型的にはクリーンルーム環境内に設置され、1つ以上の大面積基板105を検査システム100に、及び検査システムから輸送するロボット設備又はコンベヤシステム等の基板取扱設備を含む製造システムの一部であってもよい。一実施形態において、検査システム100は、基板を検査チャンバ110内に配置する際に大面積基板上の対象領域を観察するための、検査チャンバ110の上面に連結された顕微鏡アセンブリ160も含む。
検査チャンバ110の内部へは、少なくとも、ロードロックチャンバ120と検査チャンバ110との間のバルブ135を通してアクセス可能である。内部へは1つ以上の可動式側壁150によりアクセス可能であってもよく、各側壁は可動式側壁150単体或いはその組み合わせの開閉を促進するための少なくとも1つのアクチュエータ151を含む。可動式側壁150により、検査チャンバ110の内部に保守と点検のためのアクセスが可能となり、プローバアセンブリ(図示せず)等の1つ以上の検査デバイスの検査チャンバ110への又は検査チャンバからの搬送が促進される。可動式側壁150は、Oリング、ガスケットその他を使用して閉鎖した際に検査チャンバ110を真空密閉するように構成されている。他の実施形態においては(図示せず)、検査チャンバ110の上面を開閉式にすることで内部へのアクセスを可能としても、及び/又は1つ以上の検査デバイスの搬送を促進してもよい。検査チャンバ110の少なくとも上面を蝶着、上昇、下降、横方向に運動、又はその組み合わせをするように適合させてもよい。大面積基板を検査するための電子ビーム検査システムの様々な構成部品の一例は、2006年3月14日に出願され、2006年11月2日に米国特許出願公開第2006/0244467号として公開された米国特許出願第11/375625号、2005年7月27日に出願され2006年2月23日に米国特許出願公開第2006/0038554号として公開された米国特許出願第11/190320号、及び2004年12月21日発行の米国特許第6833717号「集積基板搬送モジュールを備えた電子ビームテストシステム」に記載されており、これらの出願は参照により本願に組み込まれる。
ロードロックチャンバ120は周囲環境から選択的に密閉可能であり、典型的には1つ以上の真空ポンプ122に連結されており、検査チャンバ110はロードロックチャンバ120の真空ポンプとは別の1つ以上の真空ポンプ122に連結されていてもよい。大面積基板を検査するための電子ビーム検査システムの様々な構成部品の例は、2006年3月14日出願の米国特許出願公開第2006/0244467号、及び2004年12月21日発行の米国特許第6833717号に記載されており、これらの出願は参照により本願に組み込まれる。
一実施形態において、ロードロックチャンバ120は搬入ポート130を通してクリーンルーム環境から大面積基板105を受け取り、バルブ135を通してロードロックチャンバ120から検査チャンバ110への基板の搬送を促進し、その反対の方法でクリーンルーム環境へと大面積基板を戻すように適合されている。他の実施形態において、大面積基板105は搬入ポート130を通って検査システム100に入り、次にロードロックチャンバ120からバルブ135を通って検査チャンバ110へと搬送され、大面積基板は検査チャンバ110の反対端部に連結されたポート136を通してクリーンルーム環境に戻される。或いは、1つ以上のロードロックチャンバを検査チャンバ110のY軸又はY方向に直交して連結して、U型処理システム又はZ型処理システム(図示せず)を形成してもよい。検査チャンバ110のその他の実施形態と基板搬入/搬出配置の様々な実施形態は、上で引用により本願に組み込んだ米国特許出願公開第2006/0244467号により十分に記載されている。
ロードロックチャンバ120は少なくとも2枚の大面積基板の搬送を促進するように構成されたデュアルスロットロードロックチャンバであってもよい。デュアルスロットロードロックチャンバの例は、上で引用により本願に組み込んだ米国特許第6833717号、2005年12月8日に出願の米国特許出願公開第2006/0273815号、2007年4月12日に出願の米国特許仮出願第60/911496号に記載されており、双方共に引用によって本願に組み込まれる。
本願に記載の実施形態は、上述の大面積基板上の電子デバイスの動作性を検査するための検査システム100での使用に適合させたものである。電子デバイスの検査を促進するために使用するプローバアセンブリは、複合大面積基板上の多様なディスプレイ割り付けに適合するように構成変更可能に適合されており、プローバアセンブリの検査チャンバ110への搬送が最小限に抑えられる。プローバ搬送を最小限にすることで、システムのスループットの向上が可能となる。検査システム100で使用し得る2つの模範プローバアセンブリをここで説明する。
図2Aは図1に図示の検査システム100の部分側面図である。検査チャンバ110はロードロックチャンバ120に連結されており、ロードロックチャンバの内部には基板105が配置されている。検査チャンバ110は内部容積200を含み、内部容積はフレーム214A(一辺のみが図示)に沿って配置され可動である検査テーブル210と、プローバ205A及びプローバ205B等の2つのプローバアセンブリを含む。プローバ205A、205Bは、検査テーブル210の対向する側面(この図では240Aのみ図示)上のプローバ支持体240と240Bによって少なくとも部分的に支持され、またこれらに沿って可動である。検査テーブル210はフレーム214Aと検査テーブル210との間に連結された駆動装置(図示せず)によって、フレーム214Aに沿って内部容積200内をその長さに沿って移動可能である。プローバ205A、205Bは、プローバ205A、205B及びプローバ支持体240A、240Bの一方又は双方に連結された複数の駆動装置224によって、プローバ支持体240の長さに沿って移動可能である。他の実施形態においては(図示せず)、内部容積200は2つ以上のプローバアセンブリを含むように適合されており、プローバアセンブリの少なくとも1つを検査シーケンスに使用又はそのために準備してもよく、もう一方のプローバアセンブリを内部容積200内に格納する。
一実施形態において、検査テーブル210は互いに積層された、3つの実質的に平面のステージを含む。一態様において、3つのステージのそれぞれは、X、Y、Z方向等の直交軸に沿って独立して移動する。上部ステージ212は、検査中に基板105を支持するように構成されており、エンドエフェクタ214の複数のフィンガー(図2Bに図示)を受けるためのスロットをその間に有する多数のパネルを含む。一実施形態において、上部ステージ212は少なくともZ方向に移動し、エンドエフェクタ214はそこから横方向(Y方向)に延び、基板をロードロックチャンバ120に又はロードロックチャンバから搬送する。エンドエフェクタと検査テーブルの詳細は、上で引用により本願に組み込んだ米国特許出願公開第2006/0244467号に記載されている。
一実施形態において、検査システム100は、その上に電子デバイスを有する大面積基板105を検査シーケンスにより図においてY方向と示された単一の方向軸に沿って搬送するように構成されている。具体的には、基板105を、基板上の複数の検査カラム115のアドレス可能領域によって形成された検査区域290を通過させて単一の方向軸に沿って移動させる。他の実施形態において、検査シーケンス及び/又は予備検査又は事後検査はX及びY軸に沿った組み合わせの運動を含んでいてもよい。例えば、基板105を上部ステージ212とエンドエフェクタ218の一方又は双方により動かすことで、検査前に基板位置のずれを修正してもよい。その他の実施形態において、検査シーケンスは検査カラム115と検査テーブル210の一方又は双方によるZ方向運動を含んでいてもよい。
基板105は、基板の幅又は基板の長さのいずれかに沿って検査システム100内へと導入してもよい。検査システム内での基板105のY方向運動により、検査システムの寸法は基板105の幅又は長さ寸法よりも若干大きくなる。また、単一方向軸に沿っての支持体テーブルの運動により、支持体テーブルをX方向に移動させるのに必要な駆動装置が不要になる又は最小限になる可能性がある。単一方向の移動とすることにより、ロードロックチャンバ120及び検査チャンバ110の高さを最小限にとどめることができる。検査システムの高さの低下と最狭幅とが相まって、ロードロックチャンバ120と検査チャンバ110の容積が低下する。この容積の低下により、ロードロックチャンバ120と検査チャンバ110におけるポンプダウン及び通気時間が短縮され、検査システム100のスループットが向上する。
検査チャンバ110は顕微鏡アセンブリ160を含み得る最上部222も含み、顕微鏡アセンブリは最上部222に形成されたビューポート159上方に可動式に位置された顕微鏡158を備える。ビューポート159はガラス、プラスチック、石英、その他の透明な材料から成る透明な条片であり、検査チャンバ110の内部容積200に選択的に存在する陰圧に耐えるように構成されている。一実施形態においては、顕微鏡158と顕微鏡アセンブリ160の一方又は双方が水平(X方向)に移動して、基板がビューポート159の下方に位置された際、基板の対象とする領域を観察する。特定の実施形態において、顕微鏡158は、被写界深度への調節を可能とするフォーカスモジュール(図示せず)を備える。
一実施形態においては、1つ以上の可動式側壁150(図1)を通してプローバ205A、205Bを検査テーブル210に供給する。プローバ205A、205Bは手動で検査テーブル210に搬送してもよく、或いはプローバを単体又はまとめて搬送するように適合させたプローバ搬送装置(図示せず)を用いてクリーンルーム環境から検査テーブル210へと搬送してもよい。一実施形態において、1つ又は2つ以上のプローバを検査チャンバ110に供給して検査手順に使用しても、或いは内部容積200内に格納してもよい。プローバ205A、205Bは検査テーブル210の対向する側面に沿ってプローバ支持体240によって少なくとも部分的に支持されている。プローバ205A、205Bはプローバ支持体240A、240Bの長さに沿って水平に(Y方向)移動し、基板105上に位置する電子デバイスを検査するように適合されている。
図2Bは、図2Aに図示の検査テーブル210の一部の等角図である。基板105が検査テーブル210の上部ステージ212上に配置されている。プローバ205A、205Bが基板105上方のプローバ支持体240の上面上に図示されている。プローバ205A、205Bは、プローバ支持体240A、240Bと各プローバ205A、205Bの対向面との間に連結された複数の駆動装置224によって、プローバ支持体240A、240Bの長さに沿って移動するように適合されている。一実施形態において、プローバ205A、205Bはそれぞれ2つの駆動装置224を含み(この図では1つのみを図示)、駆動装置は双方共にプローバ支持体240A、240Bに沿って移動するように適合されている。各プローバ205A、205Bのそれぞれに連結された駆動装置224は同期及び/又はモニタされており、実質的に等しい駆動力及び/又は実質的に等しい移動速度を供給してプローバ支持体240A、240Bの長さに沿って各プローバを移動する。他の実施形態において、駆動装置224はプローバ205A、205Bのそれぞれを水平(Y方向)のみならず垂直(Z方向)に移動させる。この実施形態において、プローバ205A、205Bはプローバ支持体240A、240Bの上面から間隔を置いて配置してもよい。
各駆動装置224を独立して作動させることで基板105間、基板105上のディスプレイ間(図示せず)、及び/又は基板105上のコンタクトパッド(図示せず)間での整列度を向上させてもよい。駆動装置により、プローバ205A、205Bに相対する基板105、及び/又はその上のディスプレイとコンタクトパッド、及び/又はプローバ205A、205B上に配置されたコンタクトヘッドアセンブリ318の整列度が向上し得る。プローバ205A、205Bは座標情報を駆動装置224に提供する制御装置に連結されている。制御装置は個々のコンタクトヘッドアセンブリ318にも座標情報を送り、コンタクトヘッドアセンブリ318の移動を促進する。また、制御装置は各プローバ205A、205Bに電気的に連結されており、コンタクトヘッドアセンブリ318上に配置された複数のプローバピン(図示せず)に信号を送信する、又はピンからの信号を検出する。制御装置と電源(図示せず)との間のワイヤ又はコネクタは、プローバ支持体240A、240B及び/又は検査テーブル210の長さに沿ってプローバ205A、205Bの動きを促進するケーブルトレイ342によって支持してもよい。
一実施形態においては、駆動装置224により、プローバ205A、205Bは、プローバ支持体240A、240B及び/又は検査テーブル210の長さに沿った休止位置、基板搬送位置、検査位置間での移動が可能となる。搬送位置の例として、プローバ205Aと205Bはプローバ支持体240Aと240Bに沿ったいずれの位置にあってもよく、駆動装置224のZ方向運動により、プローバ205A、205Bは持ち上げられ、プローバ205A、205Bと基板105及び/又は上部ステージ212との間に間隔が置かれ、これにより基板105の上昇と移動とが阻害されることなく行える。搬送位置の別の例において、プローバ205A、205Bはプローバ支持体240A、240Bの遠位端の休止位置へと移動させてもよい。例えば、プローバ205A、205Bに連結した駆動装置224を駆動し、1つ又は双方のプローバ205A、205Bを端部241に移動させ、基板105から取り除く。一旦、プローバ205A、205Bを基板105から離す及び/又は外したら、エンドエフェクタ214が上部ステージ212から基板105を持ち上げ、ロードロックチャンバ120(図2A)に移動し、別の検査対象基板を検査テーブル210に移動してもよい。
図3Aは基板105と、プローバ支持体部材240A、240Bにより基板105上方に支持された2つのプローバ205A、205Bの一実施形態の部分上面図である。基板105を、検査チャンバ110内に収容した検査テーブル210上に移動、位置させてもよく、或いは基板105は基板105を支持し、直線方向に移動するように適合させたいずれのステージ又は検査テーブル上に移動、位置させてもよい。一応用例において、検査テーブル210は、基板105を支持し、直線方向に移動可能ないずれのステージ又は支持体であってもよい。それに加えて或いは代わるものとして、検査テーブル210を定置式とし、基板105が検査テーブル210に相対して直線方向に動くように適合させてもよい。用途によっては、検査手順に真空状態を必要としないことから、検査チャンバ110及び/又はロードロックチャンバ120は任意であってよい。
概して、基板105は矩形で、典型的には、ディスプレイ330Nとして図示される1つ以上のフラットパネルデバイス又は液晶ディスプレイを形成するために大面積を有する。各ディスプレイ330Nは、典型的には、各ディスプレイ330Nの外周部に隣接して位置された、コンタクトパッド323及び/又は327等の複数の導電性領域を含む。コンタクトパッド323、327は単一の導電性接触点であっても、或いはパッドブロックとも称される複数の導電性接触点であってもよく、典型的には各ディスプレイ330Nの外縁と平行に配列される。コンタクトパッド323、327のその他の例としては、ディスプレイ330Nの外周部に隣接して設置する短絡バーを挙げることができる。
一般的に、コンタクトパッド323、327は隣接するディスプレイ330N上の電子デバイスと電気的に連通しており、各ディスプレイ330Nに隣接して形成又は配置される。各コンタクトパッド323、327は最終製造段階で細線接続用の連結点が得られるように構成されるが、各ディスプレイ330Nの動作性を検査するために使用してもよい。例えば、ディスプレイの検査中、コンタクトパッド323、327を、各プローバ205A、205Bに連結された複数のコンタクトヘッドアセンブリ318と選択的に電気的に連通するように適合させる。コンタクトパッド323、327はコンタクトヘッドアセンブリ318上に配置された複数のプローバピン425(図4B−4C)のインターフェースとなり、プローバピンは各ディスプレイ330N上のTFTに信号を印加又はTFTからの信号を検知する。信号は、ワイヤ又はケーブルで各プローバピン425に電気的に連結されたプローバ205A、205Bに連結された制御装置によって供給、又は制御装置に送信される。コンタクトパッドは、コンタクトパッド323、327のように、実質的に基板105のY軸、及び/又は実質的に基板105のX軸に沿ってそれぞれ設置してもよい。
一実施形態において、各ディスプレイ330Nは4つの縁部から構成される外周部を含み、各コンタクトパッド323、327はディスプレイ330Nの外周部に隣接した若干外側に配置される。コンタクトパッド323、327は外周部の縁部に実質的に平行であっても、或いはディスプレイ縁部と角度を成すものであってもよい。例えば、コンタクトパッドは列又は段状の複数の接触点であってもよく、又、コンタクトパッドの列/段がディスプレイの縁部と平行でない場合、列/段はディスプレイ330Nの縁部から角度を形成するものであってもよい。ディスプレイ330Nの上隅に沿ってコンタクトパッド323、327を図示しているが、コンタクトパッドはディスプレイ330Nのどの隅又は辺に配置してもよい。
一実施形態において、プローバ205A、205Bの一方又は双方は複数のコンタクトヘッドアセンブリ318を含み、基板105の幅(X方向)に沿った段の全てのディスプレイ330Nを同時に検査する。例えば、プローバ205A又は205Bはディスプレイ3301に隣接するコンタクトパッド327に接触するための4つのコンタクトヘッドアセンブリ318を含んでいてもよい。他の例において、プローバ205A、205Bはディスプレイ3301に隣接したコンタクトパッド323に接触するように適合された4つのコンタクトヘッドアセンブリ318を含んでいてもよい。他の例において、プローバ205A、205Bは段内全てのコンタクトパッド323、327、例えばディスプレイ3301に隣接するコンタクトパッド323、327に接触するように適合させた複数のコンタクトヘッドアセンブリ318を含んでいてもよい。この例において、プローバ205A、205Bは8つのコンタクトヘッドアセンブリ、又はコンタクトパッド323、327に接触するよう構成した形状の4つのコンタクトヘッドアセンブリ318を含んでいてもよい。他の実施形態において、プローバ205A、205Bは基板幅(X方向)の段内の各ディスプレイ330Nに連結された複数のコンタクトパッド323、327に接触する任意の数のコンタクトヘッドアセンブリを含む。例えば、プローバ205A、205Bのそれぞれが段内のディスプレイ330Nを検査するための8つのコンタクトヘッドアセンブリを含んでいてもよい。他の例において、各プローバ205A、205Bは一段が6つのディスプレイ330N及び/又は6つのコンタクトパッド位置を含む配列となっているディスプレイ330Nを検査する6つのコンタクトヘッドアセンブリ318を含んでいてもよい。
基板105はディスプレイと称し得る製品構造を幾つ、どんな構成で含んでいてもよく、製品はそれぞれのディスプレイについて、対応するいずれのコンタクトパッド構成を含んでいてもよい。この例において、基板105は40インチのディスプレイ3301、3302を8つ、23インチのディスプレイ3303、3304を8つ含む。各ディスプレイ330Nはコンタクトパッド323、327、又はその双方を有していてもよい。プローバ205A、205Bは、多様なディスプレイ及び/又はコンタクトパッド構成に適合可能であることにより、この製品構成及びその他の製品構成の検査に適合されている。
基板105のディスプレイ330Nの数とその割り付けは基板表面積を効率的に使用できるいずれのものであってもよい。例えば、製造者は様々なディスプレイとコンタクトパッド配列を有する複合基板105を製造してもよい。例として、基板105はあるサイズの図示のディスプレイ330Nを8つ、330Nを15つ、330Nを6つ、ディスプレイ330Nを8つ及び別のサイズのディスプレイ330Nを8つ、又はあるサイズの複数のディスプレイ330Nと1つ以上の異なるサイズのディスプレイ330Nを複数含んでいてもよい。
基板105の製品構成に関わらず、各ディスプレイ330Nはそれぞれに隣接するコンタクトパッド323、327を含んでいてもよい。ディスプレイ330N及び/又はコンタクトパッド323、327が、図3Aに図示されるようにX及びY軸方向で基板に整列していない場合がある。整列させる代わりに、基板表面積を効率的に使用するためにディスプレイ330Nを若干ずらして配置してもよい。一例は図3Aが準拠して図示し得る。
図示のように、段1、2(ディスプレイ3301及び3302)がX及びY軸に相対して実質的に整列され、実質的に整列されたコンタクトパッド323、327を有していてもよい。しかしながら、段3、4(ディスプレイ3303、3304)の間隔及び/又は配置は段1、2とY方向に相対して整列していなくてもよい。この変形配列に適合するために、プローバ205A、205Bは少なくともフレーム303の長さに沿って移動することで多様なディスプレイ330Nの配列に適応する可動式コンタクトヘッドアセンブリ318を含む。可動式コンタクトヘッドアセンブリ318により、異なるディスプレイ及びコンタクトパッド構成を有する基板間での調節も可能となる。本願に記載の実施形態は、複数のコンタクトヘッドアセンブリ318を有するプローバを設けることで同一又は異なる基板上の異なる構成に適合し、ある基板又は異なる基板の検査を促進する。プローバ205A、205Bの適合性により、典型的にはかなりの時間の検査チャンバの通気とポンプダウンを必要とするプローバ移動を最低限になる又は排除され、検査チャンバの稼動継続が可能となる。
各プローバ205A、205Bは、概して、プローバ支持体240Aと240Bとの間の領域にかかるフレーム303を少なくとも含む。フレーム303は一体構造であっても、締め具、ボルト、ネジ、溶接、又はその組み合わせによって連結された複数の構造材であってもよい。一実施形態において、フレームは管状の長手方向通路の断面の構造形状を構成するものであり、フレームの少なくとも一部が管状の長手方向通路を規定してもよい。フレーム303は金属、硬質又は半硬質プラスチック、又はその組み合わせ等の軽量材料から成るものであってもよい。一実施形態において、フレーム303はアルミニウム材料を含む。
一旦、コンタクトパッド323、327を介してコンタクトヘッドアセンブリ318をディスプレイ330Nに電気的に連結したら、制御装置を準備して信号を基板105上の電子デバイスに送信、又は電子デバイスから受信してもよい。検査テーブル210を駆動して、検査カラム(図示せず)の質的アドレス可能領域によって規定される検査区域290を上部ステージ212に通過させてもよく、検査カラムは電子ビームカラム、荷電粒子エミッタ、電荷検出装置、光学装置、電荷結合素子、カメラ、及び基板105上の電子デバイスの動作性を検査するように適合させたその他のデバイスであってもよい。検査区域290は、基板105上方に、検査区域290を基板が通過する際に基板105の長さと幅を検査するに十分な質的アドレス可能な領域を提供するように構成されている。一実施形態において、検査区域290はX方向に約1950mm〜約2250mm、Y方向に約240mm〜約290mmの面積を含む。他の実施形態において、検査区域290はX方向に約1920mm〜約2320mm、Y方向に約325mm〜約375mmである。検査カラムによって規定される検査領域についての更なる情報は、上で参照により本願に組み込んだ米国特許出願公開第2006/0244467号から得られる。
一段につきディスプレイ330Nが4つの場合の検査について検査作業を記載しているが、コンタクトヘッドアセンブリ318を新たに追加することで一段あたり任意の数のディスプレイ330Nを検査し得る。これに加え、より多くのコンタクトヘッドアセンブリ318を各プローバ205A、205Bに連結してもよく、検査に不要なコンタクトヘッドアセンブリ318はフレーム303の長さに沿って格納又は待機させてもよい。一例において、各プローバ205A、205Bはフレーム303の長さに沿って可動する6つのコンタクトヘッドアセンブリ318を含んでいてもよく、一段あたりのディスプレイ330Nの数が4つの場合、2つのコンタクトヘッドアセンブリ318をフレーム303に沿って待機させ、検査を妨げないようにしてもよい。6つのコンタクトヘッドアセンブリ318により一段あたり最大6つのディスプレイ330Nが検査可能となり、或いは不要なコンタクトヘッドアセンブリを格納又は待機させることでそれより少ない数のディスプレイの検査が可能となる。一段につきディスプレイ330N4つを検査する場合、検査シーケンスに不要なコンタクトヘッドアセンブリは検査対象のディスプレイ330Nの領域外に待機させてもよい。例えば、使用しないコンタクトヘッドアセンブリ318を段のディスプレイ330Nの外周部外に位置させてもよい。この位置は基板105の縁部に沿ったものであっても、或いはコンタクトヘッドアセンブリ318が段のディスプレイ330Nのアドレス可能領域の障害とならないいずれの位置でもあってもよい。
一実施形態において、プローバ205A、205Bは、可動式のコンタクトヘッドアセンブリを有することで異なる基板ディスプレイとコンタクトパッド配列に合わせて構成可能かつ適合可能である。例えば、プローバ205A及び/又はプローバ205Bは、図3Aに図示される第1基板105等の第1基板の検査に合わせて構成してもよい。一旦、第1基板105の検査を終えたら、製造者は第1基板105と実質的に同様のディスプレイ及びコンタクトパッド構成を有する1つ以上の基板をキューにいれてもよい。この場合、プローバ205A及び/又はプローバ205Bは、第1基板105と同様の各基板の検査中、再構成されることなく検査チャンバ110中に留まることができる。検査対象基板の配列に適合させるために、プローバ205A、205Bは若干の調節を要することがあるが、コンタクトヘッドアセンブリのピッチは実質的に同一のままである。
しかしながら、第1基板105と同様のディスプレイとコンタクトパッド構成を有する1つ以上の基板を検査した後、製造者は第1基板105の割り付けとは異なる、異なるディスプレイとコンタクトパッド構成を有する別の基板をキューに入れてもよい。この場合、制御装置から個々のコンタクトヘッドアセンブリ318への信号により、チャンバを真空下においたまま、コンタクトヘッドアセンブリ318を検査対象基板に合わせて構成してもよい。プローバ205A及び/又は205Bを検査チャンバ110内に留めてもよく、これにより通気、検査チャンバ110のクリーンルーム環境への開放、ポンプダウン時間が不要となる。
図3Bは、プローバ205A、205Bの検査位置の一実施形態の部分平面図である。図示のように、プローバ205Bは段4のディスプレイ3304を検査するための検査位置にあり、プローバ205Aは段3のディスプレイ3303を検査するための検査位置にある。段4のディスプレイ3304を検査するために、コンタクトパッド327とプローバ205Bのコンタクトヘッド318のプローバピン(図4B−4C)とを互いに接触させる。この接触は、検査テーブル210の上部ステージ212とコンタクトヘッド318の一方又は双方の垂直(Z方向)運動によって行われる。一実施形態においては、上部ステージ212の上面上に支持された基板105を垂直(Z方向)に移動させて、プローバ205Bのプローバピンとコンタクトパッド327との接触を促進する。
この例において、プローバ205Bに連結した駆動装置224をY方向に段4(ディスプレイ3304)に隣接した位置に駆動させることで、プローバ205Bを検査準備状態にしてもよい。同様に、プローバ205Aを段3(ディスプレイ3303)に隣接して位置させてもよい。プローバ205A、205Bがそれぞれ段3、4に隣接したら、各プローバ205A、205Bに連結された駆動装置224を停止してもよい。プローバ205A、205B及び基板105、又はディスプレイ3303−4間での整列のズレは、必要に応じて駆動装置224を駆動させることで補正してもよい。プローバ205Bが、プローバ205Bのどの部分もディスプレイ3304をカバーしていない段4に隣接した場所に位置され、基板105が検査区域290を通過する際にディスプレイ3304の検査を妨げる場合がある。適切な位置にある場合、プローバ205A、205Bのコンタクトヘッドアセンブリ318はそれぞれのフレーム303上を横方向(X方向)に移動し、基板105上のコンタクトパッド323及び/又は327に相対したコンタクトヘッドアセンブリ318のコンタクトヘッドの整列と位置決めを促進する。コンタクトヘッドアセンブリ318のコンタクトヘッドをプローバ205Bに倣ってフレーム303に平行な位置、或いはプローバ205Aに倣ってフレーム303に直交した位置に更に駆動させてもよい。一旦、コンタクトヘッドアセンブリ318のコンタクトヘッドが正しく配置されたら、コンタクトパッド323、327をコンタクトヘッドアセンブリ318のコンタクトヘッド上のプローバピンと接触させ、検査テーブル210と基板105を水平(Y方向)に移動させて検査区域290を通過させることで検査シーケンスを開始してもよい。
図3Cはプローバ205Aの検査位置の他の実施形態の部分上面図である。図示のように、段3、4に配置されたディスプレイ3303−4は検査区域290を通過し、段1、2上に配置されたディスプレイ3301−2が検査区域290を通過準備状態にある。図示はしていないが、プローバ205Bを用いて段1、2の一方又は双方上に配置されたディスプレイ330Nを検査してもよい。しかし、この例においては、段1及び2上に配置したディスプレイ3301−2を検査するためにプローバ205Bを使用しなくてもよい。この例においては、プローバ205Bを検査区域290外側に位置させ、続く検査の妨げとならないようにしてもよい。
段2のディスプレイ3302を検査に向けて準備するために、プローバ205Aのコンタクトヘッド318をコンタクトパッド327の上に位置させる。図示はしていないが、コンタクトヘッド318はコンタクトパッド323上方に位置させてもよく、或いはコンタクトヘッド318とコンタクトパッド323、327の組み合わせとが接触するようにプローバ205Aを位置、構成してもよい。段2のディスプレイ3302を検査するために、コンタクトパッド323とプローバ205Bのコンタクトヘッド318のプローバピンを互いに接触させる。この接触は、検査テーブル210の上部ステージ212とコンタクトヘッド318の一方又は双方の垂直(Z方向)運動によって行ってもよい。一実施形態においては、上部ステージ212の上面上に支持された基板105を垂直(Z方向)に移動させ、プローバ205Aに連結されたプローバピンとコンタクトパッド323との接触を促進する。コンタクトパッド323とプローバ205Aに連結されたプローバピンとの間に一旦、電気的連通が確立されたら、基板105を複数の検査カラム(図示せず)の下の検査区域290を通過させてもよい。段1のディスプレイ3301は、上述と同様にして検査に備えてもよく、簡潔にするため図示はしていない。
全ディスプレイ330Nの検査終了後、基板105を検査チャンバ110からロードロックチャンバ120に搬送してもよい。異なるディスプレイ及び/又はコンタクトパッドパターンを有する基板を検査に向けてキューにいれ、検査チャンバ110に搬送してもよい。基板搬送中、又は検査前に、検査チャンバ110を真空下にしたままでプローバアセンブリの一方又は双方を検査準備状態にしてもよい。
図4Aは、プローバ205Bのフレーム330に連結されたコンタクトヘッドアセンブリ318の一実施形態の等角図である。コンタクトヘッドアセンブリ318はフレーム303に相対して可動である筐体405を含み、筐体405は筐体405に相対して可動であるコンタクトヘッド402を含む。コンタクトヘッド402は、基板105上の複数のコンタクトパッド323及び/又は327に接触するための複数のプローバピン(図示せず)を含み、コンタクトヘッド402は枢支点408で筐体405に可動式に連結されている。筐体405は筐体405をフレーム303の一部であるインターフェース415を挟んで直線的に移動させるキャリッジ410にも連結されている。インターフェース415はコンタクトヘッドアセンブリ318がフレーム303を横方向に横断する際のガイドであってもよく、又、セラミック条片及び/又はエンコーダテープも備えていてもよい。
コンタクトヘッドアセンブリ318の横運動を促進するために、コンタクトヘッドアセンブリ318をベルト412Aに連結し、ベルトはフレーム303に連結されたアクチュエータ(この図では図示せず)に連結されている。その他のベルト412B、412Cも図示されており、この図では示されていないその他のコンタクトヘッドアセンブリ318に連結されている。コンタクトヘッドアセンブリ318に連結されたベルト412AはX方向に移動し、筐体405をフレーム303に相対して移動させる。フレームはケーブル411を支持するためのケーブルトレイ409も含み、ケーブル411は筐体405を介してコンタクトヘッド402に連結されている。ケーブル411は、コンタクトヘッド402上に配置された各プローバピン(図示せず)への細線接続を含むリボンケーブルであってもよく、プローバ205Bに使用したその他の電気接続も含んでいてもよい。
図4Bはコンタクトヘッドアセンブリ318の一実施形態の概略側面図である。コンタクトヘッド402は複数のプローバピン425を含む下面429を有する本体部を含む。複数のプローバピンは1つ以上のポゴピン、1つ以上の針状プローブ、及びその組み合わせであってもよい。複数のプローバピン425は、基板105上に設置された複数のコンタクトパッド323、327(図3A−3C)に接触させることで基板上に配置された電子デバイスの動作性を検査するように適合されている。
各プローバピン425は、各ディスプレイ330N上のデバイスに制御装置からの信号を送る、又は各ディスプレイ330Nからの信号を検知し、受け取った信号を制御装置に送るように適合されている。一実施形態においては、プローバピン425を選択的に互いに制御装置に電気的に結合させることで1つの信号を複数のプローバピン425のそれぞれに送信、或いは複数のプローバピンのそれぞれから受信することが可能となる。他の実施形態において、複数のプローバピン425のそれぞれは独立して制御装置に選択的に電気結合されてもよく、複数の信号が複数のプローバピン425に、或いはプローバピンから別々に通信される。選択的な結合と減結合は制御装置からの入力により行ってもよい。また、プローバピン425は、1つ以上の信号を選択的に送信及び受信するのみならず、静電気を放電するように構成してもよい。
一実施形態において、各プローバピン425はパッチボードアセンブリ450により、制御装置と連通しているパターン発生器出力に接続されていてもよい。個々のパッチボードを用いて、プローバピンへの出力の割り当てを制御してもよく、各パッチボードを特定の型のディスプレイに合わせて構成してもよい。従って、異なる型のディスプレイの検査には、検査対象となるディスプレイに合わせて構成した特定のパッチボードの選定が必要となる場合がある。
コンタクトヘッドアセンブリ318は、筐体405の下面から延びる可動部材420も含み、可動部材は筐体405とフレーム303(図4A)に相対したコンタクトヘッド402の動きを促進する。一実施形態において、可動部材420はコンタクトヘッド402に連結されており、コンタクトヘッドヘッド402のフレーム303に相対した回転運動を促進する。可動部材420は、図6及び7A−7Hに関連して記載するように、筐体405内に配置されたバイアス部材との接触によって少なくとも部分的に加えられる力に応答して、少なくとも矢印Dの方向に可動し得る。
一実施形態において、コンタクトヘッド402は図4Aに関連して上述したように筐体405に相対して可動してもよく、又、コンタクトヘッド402は筐体405に相対して垂直及び/又は回転運動可能であってもよい。一態様において、コンタクトヘッド402はモータ418(仮想線で図示)によって筐体405に連結される。モータ418は少なくとも矢印Aの方向への垂直運動を生じさせるが、コンタクトヘッド402を筐体405に相対して角度をつけて移動可能であってもよい。コンタクトヘッド402の垂直運動を用いて基板105上に配置されたコンタクトパッド323、327(図3A−3C)との接触を行ってもよく、角度のついた運動により、基板105及び/又はコンタクトパッド323、327に相対したコンタクトヘッド402の整列度を向上することができる。筐体405に相対したコンタクトヘッド402の角度のついた運動は枢支点408での回転運動又は半径方向運動であってもよく、筐体405及び/又はフレーム303(図4A)に相対して入射角を規定するものである。或いは又はそれに加え、コンタクトヘッド402の筐体405に対して角度のついた運動は矢印Bによって示される方向であってもよく、これにより、基板105の水平面に相対したコンタクトヘッド402の整列度が向上し得る。
図4Cは図4Bのコンタクトヘッド402の等角図である。コンタクトヘッド402は1つ以上の列のプローバピン425を有する下面429を含む。プローバピン425は図のように列状であっても、或いは下面429上にいずれの適切なパターンで配置されていてもよい。個々のプローバピン425又は列全体を選択してコンタクトパッド323、327(図3A−3C)へ信号を供給、又はコンタクトパッドからの信号を検出してもよい。或いは、下面429はプローバピン425を1列のみ含んでいてもよい。
図5Aはプローバ205Bの他の実施形態の等角図である。プローバ205Bはフレーム303と、6つのコンタクトヘッドアセンブリ318とを含む。プローバ205Bは、ベルトによってコンタクトヘッドアセンブリ318に連結された、フレーム303上に配置された複数のモータ305も含む。フレーム303は複数のステップ部分508A−508Bも含み、これらによりコンタクトヘッドアセンブリ318のコンタクトヘッドの、フレーム303に相対して平行な位置及び直交な位置間での方向切り替えが促進される。フレーム303は、フレーム303に沿った複数のコンタクトヘッドアセンブリ318の移動範囲を規定する長さL1を含む。また、フレームは大面積基板(図示せず)の長さ又は幅と同じ又は若干小さい長さL2を含む。一実施形態において、長さL1とL2との差である領域506が、コンタクトヘッドアセンブリ318の格納領域を規定する。この実施形態において、各コンタクトヘッドアセンブリ318を基板の長さ又は幅の外である領域506に位置させることで、基板の検査又は搬送を妨害しないようにしてもよい。
図5Bはプローバ205Bの他の実施形態の部分等角図である。プローバ205Bは第1部分515Aと第2部分515Bを有するフレーム303を含む。第1部分515Aはベルト412A−412C及びケーブルトレイ409を含み、第2部分515Bはコンタクトヘッドアセンブリ移動部分を含み、コンタクトヘッドアセンブリ移動部分はインターフェース415とステップ部分508A−508B(この図では508Aのみを図示)を含む。第1部分515Aはケーブルトレイ409とベルト412A−412Cを収容するカバー509も含んでいてもよい。
第2部分515Bは長さL1(図5A)に沿ってチャネル518も含む。チャネル518は、コンタクトヘッドアセンブリ318に連結された可動部材420の進路となるように構成されている。チャネル518はステップ部分508A、508Bに連結されており、ステップ部分508A内での可動部材420と複数の停止部520との接触を促進する。以下で説明するように、各停止部520はチャネル518の面から上方向に延び、コンタクトヘッド402の方向切り替えを促進するように適合されている。
図6はコンタクトヘッドアセンブリ318の下部の等角図である。コンタクトヘッドアセンブリ318は枢支点408で回転可能な切替延長部622に静的に連結されたコンタクトヘッド402を含む。切替延長部622は、図5Bに図示の1つ以上の停止部520に、又、フレーム303の長さに沿ったその他の停止部で接触するように適合された図4Bに図示の可動部材420を含む。コンタクトヘッド402は、実質的にフレーム303に平行な位置Aと、実質的にフレーム303に直交している位置B(仮想線で図示)との間を選択的に交互に切替され得る。位置A及びBは、切替延長部622とセンサ628との接触によってモニタしてもよい。
切替延長部622は、そこから延びる可動部材420を有する下面630を含む。また、切替延長部622はピン635を含み、その一部は図6Aに示され、ピン635は下面630の反対の上面から延びる。ピン635は、筐体405がフレーム303の長さに沿って移動するにつれバイアス部材620に接触するように適合されている。また、ピン635は、可動部材420が停止部520に接触する際に、コンタクトヘッド420の切り替えを促進するように適合されている。
図7A−7Hは、プローバ205A、205B上でのコンタクトヘッド位置決めの様々な実施形態の概略図である。コンタクトヘッド402は切替延長部622に連結され、切替延長部はそこから延び、バイアス部材620と接触しているピン630を有し、バイアス部材620はバネ又は張力を加えるように適合されたその他のデバイスであってもよい。フレーム303も図示されており、複数の停止部520を含む。停止部520はフレーム303の長さに沿ったどの所望の位置に配置してもよい。明確にするためこの図には示していないが、切替延長部622は停止部520に接触するように適合された可動部材420(図4B、5B、6)を含むが、概略図である性質上、また明確にするため、ピン630を停止部520に接触した図とし、切り替えを概念的に示すものとする。一実施形態において、停止部520はフレーム303の長さの中央又は中央に近接した位置、及びフレーム303の対向する端部等の中央から離れた位置に配置される。
筐体405はベルト(図4A及び5B)によりフレーム303に沿ってX方向に移動するように適合されており、コンタクトヘッド402はフレーム303に平行な位置、又はフレーム303に直交又はカンチレバー状となる位置との間を枢支点408で回転するように適合されている。X方向運動は、コンタクトヘッド402を移動させることでコンタクトヘッド402の方向をカンチレバー位置から平行位置へと、又、その逆に変更するように適合されている。コンタクトヘッド402の方向転換を検査チャンバ内で真空下で行い、プローバのセットアップにかかる通気及び/又はポンプダウン時間を最小限にしてもよい。例えば、図7Aに図示のカンチレバー位置からコンタクトヘッド502を移動させるためには、筐体405をX方向に駆動させ、延長部材522、特には可動部材420(図4B、5B、6)の端部を図7Bに図示されるように停止部520と接触させる。ピン630もバイアス部材620と接触しており、コンタクトヘッド402の移動を促進する。
筐体405のX方向運動は、バイアス部材622がピン630によって圧迫されるまで継続される。X方向運動は、バイアス部材620が反発し、コンタクトヘッド402が図7Dに示されるようにバイアス部材620によって平行位置に追いやられ、コンタクトヘッド402の再方向付けが完了するまで継続させる。
コンタクトヘッド402の位置決めを逆転させるためには、図7Fに示すように、筐体405を停止部520に向かってX方向に駆動させる。X方向への駆動は、図7Gに示されるように、バイアス部材620がピン630によって少なくとも部分的に圧迫されるまで継続する。駆動は、バイアス部材620が反発し、コンタクトヘッド402が図7Hに示されるようにバイアス部材620によってカンチレバー位置に追いやられ、コンタクトヘッド402の再方向付けが完了するまで継続される。
図8Aは図5Bに図示のフレーム303の一部の等角図である。フレーム303のステップ部分508Aが図示され、チャネル518の平面上方に延びる3つの停止部525A−525Cを有する。停止部525A−525Cは、可動部材420(図4B、5B、6)を急停止させることでコンタクトヘッド(この図では図示せず)の切り替えを促進する。各停止部525A−525Cをチャネル518上方に向かって異なる高さとすることで、特定のコンタクトヘッドアセンブリ318上の一部の可動部材420との接触を促進し、その一方、その他のコンタクトヘッドアセンブリ上のその他の可動部材420を停止部と接触させることなく通過させることが可能となる。
再度図5Aを参照するが、フレーム303は図5Aに図示されるように6つのコンタクトヘッドアセンブリ318を含んでいてもよく、そのうち3つのコンタクトヘッドアセンブリ318が長さL2の半分に沿って移動可能であってもよい。一実施形態において、コンタクトヘッドは部分506ではカンチレバー位置で待機させ、ステップ部分508Bで平行位置に切り替えてもよい。コンタクトヘッドを切り替えると、コンタクトヘッドアセンブリは、コンタクトヘッドアセンブリ318がステップ部分508Aに向かって駆動されるまで、平行位置でフレーム303に相対して移動可能である。例えば、図8Aを参照すると、最外部又は第1コンタクトヘッドアセンブリ318(この図では図示せず)はフレーム303に沿って+X方向に平行位置でステップ部分508Aに向かって移動してもよい。最外部コンタクトヘッドアセンブリ318の可動部材420(図4B、5B、6)は停止部525B及び525Cを横断する又は通過するように適合されている。しかしながら、停止部525Aの高さは、コンタクトヘッドアセンブリ318の筐体を図7E−7Hに関連して記載したように+X方向に継続的に推進した場合、最外部コンタクトヘッドアセンブリ318の可動部材420に接触し、平行位置からカンチレバーつまり直交位置へのコンタクトヘッドの切り替えを促進するようなものである。
同様に、第2(中央)及び第3(最内部)コンタクトヘッドアセンブリ318をコンタクトヘッドを平行位置にして+X方向に移動させ、ステップ部分508Aでカンチレバー方向へと選択的に切り替えてもよい。第2コンタクトヘッドアセンブリ318の可動部材420は停止部525Cは横断又は通過し、停止部525Bには接触し、更に+X方向に追い立てることで切り替えが促進されるように適合されており、第3コンタクトヘッドアセンブリ318の可動部材420は停止部525Cで接触し、更に+X方向に追い立てることで切り替えが促進されるように適合されている。フレーム303はステップ部分508Aに関して実質的に対称であり、図示してはいないものの、フレーム303が対向端部に2つのステップ部分508Aを含み、フレーム303の反対半分上に配置された3つのコンタクトヘッドアセンブリ318はこの図に示される−X方向に筐体405を駆動させることで切り替え可能なことに留意しなくてはならない。反対側のステップ部分508Aも停止部を対称的に含み、フレーム303の反対半分上に配置された最外部、中央、最内部コンタクトヘッドアセンブリ318の切替地点となるように適合されている。各停止部525A−525Cは、可動部材420がコンタクトヘッドの回転と方向切替を促進する際に十分な領域を可動部材420に与えるように適合された切り欠き領域550も含む。
図8Bは図5Bに図示のフレーム303の一部の等角図である。フレーム303はフレーム303の半分を規定する中央線540を含む。コンタクトヘッドアセンブリが6つの場合、3つのコンタクトヘッドアセンブリ318を中央線540の左側のフレーム303上に配置し、3つのコンタクトヘッドアセンブリ318を中央線540の右側上に配置する。フレーム303は、コンタクトヘッドアセンブリ318上に配置されたコンタクトヘッドの方向切替を促進するように適合されたステップ部分508Bも含む。
コンタクトヘッドアセンブリのコンタクトヘッドが図8Aに関連して上述した直交位置に切り替わったら、コンタクトヘッドアセンブリ318を、中央線540のどちら側にコンタクトヘッドアセンブリ318が配置されているかに応じて、ステップ部分508Bに向けて−X方向又は+X方向へと移動してもよい。図8Aで記載したように、停止部527Cは停止部525Aと同じ高さであってもよく、最内部コンタクトヘッドアセンブリ318を停止させ、コンタクトヘッドの平行位置への切替を促進するように適合されている。可動部材420は、停止部527A、527Bを横断又は通過し、コンタクトヘッドが停止部527Cまで移動可能となるように適合されている。停止部527A及び527Bは停止部525A及び525Bと同様にそれぞれ構成されており、それぞれ中央及び最外部コンタクトヘッドアセンブリ318を停止させる。X方向(コンタクトヘッドアセンブリが左右どちらに配置されているかに応じて+X又は−X)に筐体とコンタクトヘッドアセンブリ318を更に移動させることにより、図7A−7Dに関連して記載したように、コンタクトヘッドは直交位置から平行位置へと切り替えられる。
本願に記載の実施形態は、検査チャンバを典型的には大気圧又は大気圧に近いクリーンルーム環境に開放しながら検査チャンバ110における検査作業での使用のための、少なくとも2つのプローバ装填を提供する。本願に記載の様々な実施形態は、格納及び/又は検査作業における使用のために少なくとも2つのプローバを検査チャンバ110に設置することで通気及びポンプダウン時間を最小限にし、スループットを向上させる。検査チャンバ110が真空下にありながら、異なる基板ディスプレイ及び/又はコンタクトパッドの配置に対して、プローバを遠隔から構成することができる。
上記は本発明の実施形態についてのものであるが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく本発明のその他及び更に別の実施形態を考案することができ、本発明の範囲は以下の請求項によって規定されるものである。