JP2015055643A - 照明装置及び顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】照野において、強度分布は平坦にしつつ、十分な光量を得ることができる照明装置、及び、この照明装置を有する顕微鏡を提供する。【解決手段】レーザー光源L1,L2からの光を光ファイバー(マルチモードファイバー)12、照明光学系200を介して標本32に照射する照明装置(レーザーユニット100)は、レーザー光源L1,L2からの光を拡散する回転拡散板7と、この回転拡散板7と光ファイバー12の入射端面とが略共役となるように配置され、回転拡散板7を経た光を入射端面に導くカップリング光学系10と、を有し、光ファイバー12の光軸X2は、カップリング光学系10から出射される光束の中心軸X1に対して傾斜して配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置及び顕微鏡に関する。
レーザー光を光源として観察対象域を一様もしくは構造化して照明する顕微鏡としては、構造化照明顕微鏡がある。照明光の強度と空間コヒーレンスが必要なためにレーザー光源が使用される。構造化照明顕微鏡の場合、照明領域内(照野内)を縞パターンで照明するが、照野内では同等の強度、コントラストのパターンであることが要求される。またレーザー光で観察対象域の一部を光刺激して観察する顕微鏡は、視野共役に配置したDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)等を用いて複数のマイクロミラーを制御して、観察対象の所望の刺激領域に対応するマイクロミラーを選択し、選択されたマイクロミラーによって光を反射させ、所望の刺激領域を光刺激する。この場合マイクロデバイスの各マイクロミラーに起因して発生する回折光などが干渉して余計なパターンを形成しないようにする必要がある。
このようなレーザー光を光源にすると、スペックルノイズが発生したり、光学系を構成する複数のレンズの各レンズ面での複数回反射によるノイズ干渉縞が発生したり、あるいは光路に配置した規則性のある素子の構造に起因して回折したノイズ光が干渉して余計なパターンを形成することで、観察対象面に不要な強度分布が発生する。これは像の品質を悪化する要因となる。公知の解決策としては、レーザー光を顕微鏡に導入する際に、マルチモードの光ファイバー(以下、「マルチモードファイバー」と呼ぶ)を利用してファイバー伝送中の平均化効果を利用したり、レーザー光をファイバーに導入する前に、回転拡散板を配置してコヒーレンシーを下げたりしていた。例えば、パルス化されたレーザー光を用いてパルス数およびパルス幅を回転速度に同期させることにより、拡散板の粒度とレーザービーム断面における強度不均質を平均化する効果を得ることができる。さらには、回転拡散板を2枚配置し、互いに反対方向に回転すると有利である(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第6925225号明細書
しかしながら、回転拡散板を用いると、その回転拡散板で光量ロスが発生してしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、照野において、強度分布は平坦にしつつ、十分な光量を得ることができる照明装置、及び、この照明装置を有する顕微鏡を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、レーザー光源からの光を光ファイバー、照明光学系を介して標本に照射する照明装置であって、レーザー光源からの光を拡散する拡散部材と、拡散部材と光ファイバーの入射端面とが略共役となるように配置され、拡散部材を経た光を入射端面に導く光学系と、を有し、光ファイバーの光軸は、光学系から射出される光束の中心軸に対して傾斜して配置されていることを特徴とする。
このような照明装置において、光学系から射出される光束の中心軸は、光学系の光軸と略一致することが好ましい。
また、このような照明装置において、拡散部材で拡散された光の角度に対する強度分布の半値全幅を光学系の結像倍率で除した値は、光ファイバーの入射側の開口数よりも小さいことが好ましい。
また、このような照明装置は、次式の条件を満足することが好ましい。
0.5 < 0.85×FWd/(NAf×β) < 1
但し、
FWd:拡散部材で拡散された光の角度に対する強度分布の半値全幅
NAf:光ファイバーの入射側の開口数
β:光学系の結像倍率
また、このような照明装置は、次式の条件を満足することが好ましい。
0.3 < α/NAf < 0.6
但し、
α:光ファイバーの光軸と光学系から射出される光束の中心軸とがなす角度
NAf:光ファイバーの入射側の開口数
また、本発明に係る顕微鏡は、上述の照明装置のいずれかを有することを特徴とする。
本発明によると、照野において、強度分布は平坦にしつつ、十分な光量を得ることができる照明装置、及び、この照明装置を有する顕微鏡を提供することができる。
レーザーユニットの構成を説明するための説明図である。 構造化照明顕微鏡の構成を説明するための説明図である。 カップリング光学系から出射したレーザー光が、光ファイバーへ入射する状態を示す拡大図である。 レーザー光の強度分布を説明するための説明図であって、(a)は回転拡散板で拡散されたレーザー光の強度分布を示し、(b)は光ファイバーから射出するレーザー光の強度分布を示す。 レーザー光刺激顕微鏡の構成を説明するための説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を用いて顕微鏡の一例である構造化照明顕微鏡を構成するレーザーユニット100、照明光学系200及び結像光学系300について説明する。
図1は、レーザーユニット100の構成図である。この図1に示すように、レーザーユニット100には、第1レーザー光源L1、第2レーザー光源L2、第1シャッタS1、第2シャッタS2、ミラー3、光源用ダイクロイックミラー4、AOTF(音響光学可変波長フィルタ)5、第1集光レンズ6、回転拡散板7、第1リレーレンズ8及び第2リレーレンズ9からなるカップリング光学系10、並びに、入射端にFCコネクタ11が取り付けられた光ファイバー12が配置されている。なお、このようなレーザーユニット100において、第1レーザー光源L1及び第2レーザー光源L2の各々は、可干渉性の高いレーザー光を射出する光源であって、互いの出射波長は異なる。ここでは、第1レーザー光源L1から放射されるレーザー光の波長λ1は、第2レーザー光源L2から放射されるレーザー光の波長λ2よりも短いと仮定する(λ1<λ2)。
この第1レーザー光源L1から放射されたレーザー光は、第1シャッタS1を通過してミラー3に入射し、このミラー3で偏向されて光源用ダイクロイックミラー4に入射し、さらに、このダイクロイックミラー4で反射されてAOTF5に入射する。また、第2レーザー光源L2から放射されたレーザー光は、第2シャッタS2を通過して光源用ダイクロイックミラー4に入射し、このダイクロイックミラー4を透過してAOTF5に入射する。そして、これらのレーザー光は、AOTF5により波長ごとに強度変調を受け、第1集光レンズ6により回転拡散板7の拡散面に集光される。この回転拡散板7は図1に示すように、レーザーユニット100の光軸に対してその拡散面が略直交するように配置されており、その光軸に略平行に延びる軸13を回転軸として回転される。この軸13はモータ14に接続されており、軸13を中心に回転拡散板7を回転させることにより、この拡散面で拡散されたレーザー光の時間コヒーレンシーを下げるように構成されている。そして、この回転拡散板7を透過する過程で拡散されたレーザー光(以下「拡散光」と呼ぶ)は、カップリング光学系10の第1及び第2リレーレンズ8,9により適切な倍率関係で、FCコネクタ11が接続された光ファイバー12の入射端面に集光される。なお、第1レーザー光源L1、第2レーザー光源L2、第1シャッタS1、第2シャッタS2、AOTF7及び回転拡散板7のモータ14は、それぞれコントローラ15によって駆動される。また、光ファイバー12は、レーザーユニット100から射出したレーザー光を照明光学系200に導光するために、マルチモードファイバーによって構成されている。
図2は、構造化照明顕微鏡の構成図である。この図2に示すように、照明光学系200には、光ファイバー12の出射端側から順に、コレクタレンズ22、偏光板51、回折格子23、第2集光レンズ24、光束選択部材25、第3集光レンズ26、視野絞り27、フィールドレンズ28、励起フィルタ29、第1のダイクロイックミラー30、及び、対物レンズ31が配置されている。なお、回折格子23は、並進機構42と図2には図示しない回転機構とが備えられ、並進機構42、回転機構及び光束選択部材25の各々は、制御装置40によって駆動される。
結像光学系300には、標本32の側から順に、対物レンズ31、第1のダイクロイックミラー30、バリアフィルタ33、第2対物レンズ34、及び、第2のダイクロイックミラー35が配置され、この第2のダイクロイックミラー35の透過方向には標本像36を撮像する第1の撮像素子37が配置され、反射方向には標本像38を撮像する第2の撮像素子39が配置されている。
標本32は、例えば、平行平板状のガラス表面に滴下された培養液であって、その培養液におけるガラス界面の近傍には、蛍光性を有した細胞(蛍光色素で染色された細胞)が存在している。この細胞には、波長λ1の光によって励起される第1蛍光領域と、波長λ2の光によって励起される第2蛍光領域との双方が発現している。この標本32からの蛍光は対物レンズ31で集光され、第1のダイクロイックミラー30を透過し、バリアフィルタ33を透過し、第2対物レンズ34で集光作用を受けたのち、第2のダイクロイックミラー35で波長選択される。波長λ1の励起光で励起された物質の蛍光は、第2のダイクロイックミラー35で反射され、標本像38を形成し、第2の撮像素子39で撮像される。また、波長λ2の励起光で励起された物質の蛍光は、第2のダイクロイックミラー35を透過し、標本像36を形成し、第1の撮像素子37で撮像される。なお、バリアフィルタ33は、標本32等で反射したレーザー光を除去するものである。
構造化照明を利用して超解像画像を得る手法は公知の手段と同様だが、本実施例では、構造化照明の位相変調は並進機構42で行い、方向変換は、不図示の回転機構をもちいて回折格子23を回転することで行う。なお、上述した第1及び第2レーザー光源L1,L2、第1及び第2シャッタS1,S2、AOTF5及び回転拡散板7を駆動するモータ14の作動もコントローラ15を介して制御装置40により制御される。
以上のような構造化照明顕微鏡において、構造化照明(縞パターン)の実視野における、中心と周辺との励起光の強度比は少なくとも50%程度はあることが望ましい。より望ましくは80%程度がよい。その理由としては、1枚の画像だけであれば、中心と周辺の強度比が50%程度であっても、取得した画像において大きな問題は生じないが、スティッチングと呼ばれる、複数の画像を並べて取得・表示する場合には、隣り合う画像の周辺強度はなるべく変化のない状態がよいからである。
ケーラー照明を行う場合、光ファイバー12の射出端は、照明光学系200を介して、対物レンズ31の瞳と共役関係にあるので、光ファイバー12から射出されるレーザー光の射出角度の強度分布が照明領域(以下、単に「照野」という)の強度分布になる。例えばマルチモードファイバーの射出端面の直径(φ)を0.1mm、開口数(NA)を0.12とし、マルチモードファイバーの射出端面を対物レンズ31の瞳面へ投影する倍率(以下、単に「光源投影倍率」という)を4倍とすると、対物レンズ31の瞳面上にできるファイバーの射出端面像の直径(φ′)は、0.4mmとなる。また、NA×φ=NA′×φ′が成立するので、射出端面の像から射出する光の開口数(NA′)は0.03となる。NA′=n・sinθ′、n=1、照野の半径をh、対物レンズ31の倍率を100倍(焦点距離fは2mm)とすると、θは極めて小さいので、sinθ′=θ=h/f=0.03より、照野の半径hは、0.03×2=0.06、つまり60μmである。
ここで、光ファイバー12の射出側の開口数(NA)は、射出光の射出角度に対する強度分布の中心強度を1とした場合、強度が1/e2となる半角度で定義される。すなわち、照野の半径60μmの強度は、中心強度の13%程度に落ちるところであって、実用上は暗すぎて使えない。
照野の中心強度に対して、強度が50%になる照野の半径は、以下のようにして求められる。すなわち、NA0.12のマルチモードファイバー12の射出端から射出する光の射出角度δに対する射出強度I(δ)は、次式(a)で表される。
I(δ)=exp(−2×δ2/(0.12)2) (a)
この式(a)において、I(δ)=0.5となるδを求めると、次式(b)となる。
δ=sqrt(ln(0.5)×(0.12)2/(−2)) (b)
この式(b)より、δ=0.07となる。そして、この角度δに相当する照野は、上述した光源投影倍率(4倍)及び対物レンズ31の焦点距離(2mm)から、0.07/4×2=0.035となり、照野の中心強度に対して、強度が50%になる照野の半径は35μm(直径70μm)となる。1次像面に配置する第1の撮像素子37、第2の撮像素子39の撮像サイズを直径7mmとすると、対物レンズ31の倍率が100倍であることから、物体面上の実視野は直径0.07mmとなり、画面の対角に当たる部分の強度が50%ということになる。
光ファイバー12、対物レンズ31、第1の撮像素子37及び第2の撮像素子39は同じで、画角の対角の強度を中心の80%にしたい場合は、光源投影倍率を下げることになる。たとえば光源投影倍率を2.3倍に下げると、同じ光ファイバー12を用いて強度が80%となる実視野を直径70μmとすることができる。しかしながら光源投影倍率を下げると、対物レンズ31の瞳面上の射出端画像(光源像)のサイズが小さくなって瞳充足率が下がるため、暗くなってしまう。したがって、レーザー光を用いた一括照明の顕微鏡は明るさと照明均一性のトレードオフが厳しく、設計値は常にぎりぎりのところで決定され、あまり余裕がないのが現状である。
ここに、マルチモードファイバーの入射端面に入射する光の開口数が、このマルチモードファイバーの仕様入射側の開口数よりも小さく、マルチモードファイバーの射出端面からの射出光の開口数が仕様を満たさないことがあると、照野が設計値よりも小さくなってしまうため、撮像素子の対角の強度が、中心の80%より暗くなり、良好な画像が得られない可能性がある。したがって、マルチモードファイバーの入射端面に入射する光の開口数は、このマルチモードファイバーの仕様入射端面の開口数以上にして、多少の設置誤差があってもマルチモードファイバーの射出端面からの射出光が常に仕様の開口数を満たすようにしなければならない。
ここで、回転拡散板7の拡散角度X(回転拡散板7で拡散されたレーザー光の角度)は、回転拡散板7で拡散されたレーザー光(拡散光)の射出角度に対する強度分布の半値全幅(最大強度を1としたとき、その半分である0.5になる全角度)で定義され、半値全幅をFWdとすると、半値半幅はFWd/2となる。
一方、マルチモードファイバーの開口数は、前述したように、強度が1/e2となる半角度で定義されることから、半値半幅と強度1/e2の半幅との関係は、次式(c)で表される。また、回転拡散板7の拡散角度を強度が1/e2における値に換算すると、次式(d)となる。
(半値半幅)×1.7=強度1/e2の半幅 (c)
1.7×FWd/2=0.85×FWd (d)
さらに、カップリング光学系10の倍率(上述の結像倍率)をβ、マルチモードファイバー(光ファイバー12)の入射側の開口数をNAf(=射出側の開口数NA)とすると、次式(e)の関係を満たすとき、マルチモードファイバー12の入射端側の集光許容開口数と、回転拡散板7で拡散され、カップリング光学系10を経て供給される光の開口数とが一致することになる。
0.85×FWd/β=NAf (e)
従前の装置では、ほぼこの式(e)で示す状態となるように光学系を設定するが、多少の誤差を考慮して、回転拡散板7で拡散され、カップリング光学系10を経て供給される光の開口数を大きめにしておくのが通常である。その為、拡散した光束を全てマルチモードファイバーに導入できるわけではなく、光量ロスが発生していた。
そこで、本実施形態に係る構造化照明顕微鏡では、上述した光量ロスを抑えつつ、マルチモードファイバー(光ファイバー12)の射出端からの射出光の開口数が、常に仕様NAを満たすために、レーザーユニット100において、光ファイバー12の光軸は、カップリング光学系10から出射される光束の中心軸に対して傾斜して配置されている。また、光ファイバー12の光軸に対して第1及び第2レーザー光源L1,L2からカップリング光学系10までの光軸が傾斜して配置されている。ここで、光ファイバー12の光軸とは、図1に示すように、カップリング光学系10から出射したレーザー光が入射する光ファイバー12の端面(FCコネクタ11が取り付けられた入射端面)における光ファイバー12の中心軸(光軸)の延長線X2である。また、カップリング光学系10から出射される光束の中心軸とは、第1及び第2レーザー光源L1,L2から放射されて、カップリング光学系10の第2リレーレンズ9から出射される光の中心を通る軸X1である。
図3は、カップリング光学系10から出射したレーザー光が、光ファイバー12へ入射する状態を示す拡大図である。ここで、「光ファイバー12の光軸は、カップリング光学系10から出射される光束の中心軸に対して傾斜している」とは、図1、図3(a)に示すように、光ファイバー12の中心軸(光軸)の延長線X2と、カップリング光学系10から出射したレーザー光の中心軸が所定の角度をなすように、カップリング光学系10が配置される。光ファイバー12の中心軸(光軸)の延長線X2と、第1及び第2レーザー光源L1、L2からカップリング光学系10までの光軸X1とが所定の角度(図1ではα)をなすように配置することである。
実際には、図3(a)に示すように、回転拡散板7の拡散角度(回転拡散板7で拡散されたレーザー光の射出角度に対する強度分布の半値全幅)を、光ファイバー12の入射側の開口数NAfの角度に設定し、光ファイバー12の中心軸(光軸)X2とレーザーユニット100の光軸X1とのなす角度αを、光ファイバー12の入射側の開口数(NAf)の略半分になるように配置することが望ましい。
光ファイバー12の光軸に対してレーザーユニット100の光軸を以上のように配置すると、回転拡散板7の拡散角度を小さくしても、光ファイバー12の射出端からの射出光の開口数が小さくなることがなく(光ファイバー12の射出側の開口数(NA)と同じになる)、しかも回転拡散板7の拡散角度を小さくした効果で射出光量を向上させることができる。その理由は、図3(a)に示すように、光ファイバー12(マルチモードファイバー)の中を通過する過程で全反射を繰り返す間に反射方向や位相が混合され、射出する時には全体に広がって、光ファイバー12のコアとクラッドの屈折率差で決まる角度で射出されるからである。つまり、光ファイバー12から射出するレーザー光の開口数は、図3(b)に示すように、回転拡散板7の拡散角度を光ファイバー12の入射側の開口数の2倍の角度に設定して、光ファイバー12の中心軸と、カップリング光学系10から出射したレーザー光の中心を一致させて入射させたのと略同じにすることができる。
図4(a)は、回転拡散板7で拡散されたレーザー光(拡散光)がカップリング光学系10を経て供給されたときの、射出角度に対する強度分布の特性である。この図4において、θは光軸を中心(0°)とする射出角度を示し、Iはレーザー光(拡散光)の強度を示す。回転拡散板7の拡散角度の半値全幅をFwdとし、上述したように、強度が1/e2となる半角に換算するとともに、カップリング光学系10の結像倍率βで換算すると、0.85×Fwd/βであるので、次式(f)を満たすように配置することになる。
0.85×FWd/β=NAf/2 (f)
図4(b)は、光ファイバー12の射出端から射出するレーザー光の、射出角度に対する強度分布特性である。この図4(b)に示すように、光ファイバー12(マルチモードファイバー)の中を通過する過程において全反射を繰り返すことにより、入射時にAの強度分布であったものが、A+A′の強度分布まで拡張され、結果的にマルチモードファイバーの角度特性で規定されるNAまで伝播することができる。
以上の説明から、本実施形態に係る構造化照明顕微鏡において、レーザーユニット100の、第1及び第2レーザー光源L1,L2からカップリング光学系10までと、このレーザーユニット100からのレーザー光を照明光学系200に導く光ファイバー12との関係は、次式(g)の条件を満足することが望ましい。
NAf/2 < 0.85×FWd/β < NAf (g)
すなわち、本実施形態に係る構造化照明顕微鏡のレーザーユニット100は、式(g)をNAfで正規化した次式(1)の条件を満足することが望ましい。
0.5 < 0.85×FWd/(NAf×β) < 1 (1)
但し、
FWd:回転拡散板7の拡散角の半値全幅
NAf:光ファイバー12の入射端側の開口数
β:カップリング光学系10の結像倍率
条件式(1)の上限値は、従前の共軸構成(光ファイバー12の中心軸(光軸)の延長線X2と、第1レーザー光源L1及び第2レーザー光源L2からカップリング光学系10までの光軸X1とが一致する構成)のときの拡散角度であるから、この上限値を超えることは、光量ロスが多くなるので望ましくない。また、条件式(1)の下限値は、光ファイバー12の入射側の開口数(NAf)よりも拡散角度が小さいことになり、光ファイバー12から射出するレーザー光の射出側の開口数(NA)の角度の全てに対して、このレーザー光が満たされない可能性があり、射出するレーザー光がドーナツ状の角度分布になったり(以下、「中抜け状態」と呼ぶ)、射出するレーザー光の開口数が仕様NAに達しなかったりするので望ましくない。
また、本実施形態に係る構造化照明顕微鏡において、レーザーユニット100は、次式(2)の条件を満足することが望ましい。
0.3 < α/NAf < 0.6 (2)
但し、
α:光ファイバー12の光軸に対して、第1及び第2レーザー光源L1,L2からカップリング光学系10までの光軸がなす角度
NAf:光ファイバー12の入射側の開口数
条件式(2)は光ファイバー12の光軸と第1及び第2レーザー光源L1,L2からカップリング光学系10までの光軸とのなす角度αを規定するものである。この条件式(2)の下限値を下回ると、光ファイバー12の入射側の開口数(NAf)に対してαが小さすぎ、光ファイバー12の中を通過する過程で全反射を繰り返して合成される際、中間部の強度が低い、いわば中抜け状態になって照明ムラが生じてしまう。また、条件式(2)の上限値を上回ると、照明ムラは問題ないが、光ファイバー12の入射端で集光できなくて無駄になってしまう光量が増えるため、照明強度が弱くなってしまう。
なお、α/NAf=0.5のときは、光ファイバー12に対して入射するレーザー光の中央部の強度は0.5のため折り返して合成するとちょうど1となり、合成した強度分布(光ファイバー12の射出端から射出されるレーザー光の射出角度に対する強度分布)はほぼ平坦になるので最も望ましい。また、下限値として示すα/NAf=0.3のときは、中央部の強度は約0.14のため、折り返して合成すると0.28となり、かなり中央部が低くなる。その後の光学系の照明ムラは、口径食で周辺が減光する方向に働くので多少は相殺するがこのあたりが限度であるため条件式(2)の下限値以上にすることが望ましい。反対に、上限値として示すα/NAf=0.6のときは、光の利用効率は40%になり、レーザーユニット100からのレーザー光の60%を捨ててしまうことになる。これ以上のロスは避ける必要があるため、条件式(2)の上限値以下にすることが望ましい。
[顕微鏡の変形例]
図2では、レーザー光源を用いた一括照明の例として、構造化照明顕微鏡の照明光学系200を紹介したが、他の例としては、図5に示すような、DMDモジュールを用いた光刺激用照明光学系を有するレーザー光刺激顕微鏡がある。以下、図5を用いて光刺激用照明光学系200′の構成について説明する。なお、レーザーユニット100及び光ファイバー12の構成は、図1に示す通りである。また、図2と同一の構成要素については、同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
この図5において、照明光学系200′は、光ファイバー12(マルチモードファイバ−)から出た光をレンズ222で略平行にし、2枚のミラー223、224で偏向したのち、DMDモジュール225に照射する。このDMDモジュール225は複数のマイクロミラーが並列して2次元状に配置されたデバイスであり、コントローラ40によりマイクロミラーごとにオン/オフを制御できる。オフ時の正反射光は遮光部材228の方へ反射されて吸収される。一方、オン時にマイクロミラーの角度が偏向すると、信号光(レーザー光)は光軸AXの方向に反射する。レンズ226とレンズ25でDMDの像が視野絞り27の面に結像する。また227の位置に開口絞りを配置する。視野絞り27以降の構成は、図2の顕微鏡と同様である。この例では結像光学系300は1台のカメラのみの構成としているが、図2に示すように2台のカメラで構成してもよい。また、DMDモジュール225は、上述のコントローラ15を介して制御装置40により行われる。
DMDのようなマイクロデバイスの場合、マイクロミラーのエッジによる回折光がノイズとなる場合があるので、回折光が干渉しないように、光源のコヒーレンシーを下げるため、マルチモードファイバー(光ファイバー12)と回転拡散板7が用いられる。その場合も、上述した構成により、照野の強度分布はなるべく平坦になるようにしつつ、明るい照明光が得られれば、刺激する領域による明るさの変化が小さく、より強い刺激が可能な、光刺激装置を提供することができる。
100 レーザーユニット
L1 第1レーザー光源 L2 第2レーザー光源
7 回転拡散板 10 カップリング光学系
12 光ファイバー(マルチモードファイバー)
200,200′ 照明光学系 300 結像光学系

Claims (6)

  1. レーザー光源からの光を光ファイバー、照明光学系を介して標本に照射する照明装置であって、
    前記レーザー光源からの光を拡散する拡散部材と、
    前記拡散部材と前記光ファイバーの入射端面とが略共役となるように配置され、前記拡散部材を経た前記光を前記入射端面に導く光学系と、を有し、
    前記光ファイバーの光軸は、前記光学系から射出される光束の中心軸に対して傾斜して配置されていることを特徴とする照明装置。
  2. 前記光学系から射出される光束の中心軸は、前記光学系の光軸と略一致することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記拡散部材で拡散された前記光の角度に対する強度分布の半値全幅を前記光学系の結像倍率で除した値は、前記光ファイバーの入射側の開口数よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
  4. 次式の条件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明装置。
    0.5 < 0.85×FWd/(NAf×β) < 1
    但し、
    FWd:前記拡散部材で拡散された前記光の角度に対する強度分布の半値全幅
    NAf:前記光ファイバーの入射側の開口数
    β:前記光学系の結像倍率
  5. 次式の条件を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明装置。
    0.3 < α/NAf < 0.6
    但し、
    α:前記光ファイバーの光軸と前記光学系から射出される光束の中心軸とがなす角度
    NAf:前記光ファイバーの入射側の開口数
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明装置を有することを特徴とする顕微鏡。
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