JP2015054987A - 銅または銅合金の表面処理剤およびその利用 - Google Patents

銅または銅合金の表面処理剤およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】銅又は銅合金の表面に、耐酸化性及び耐腐食性に優れた化成被膜の形成を可能とするとともに、使用時の安定性や化成被膜の撥水性を高めることができる表面処理剤及び表面処理方法の提供。また、前記の表面処理剤を接触させることにより、銅又は銅合金の表面に化成被膜を形成した電子部品とプリント配線板及び、このプリント配線板と絶縁体層を透明粘着剤で貼合した透明電極基板、そして、この透明電極基板を備えるタッチパネルを提供する。【解決手段】テトラゾール化合物及び/又はその塩と、pH緩衝剤及びアンモニアとを含有する銅又は銅合金の表面処理剤を用いる。前記テトラゾール化合物及びその塩に対する前記アンモニアの含有割合が等倍モルよりも大きい表面処理剤。【選択図】なし

Description

本発明は、銅または銅合金を、酸化および腐食から保護するために使用される表面処理剤ならびにその利用に関するものである。
タッチパネルは、直感的な操作を可能とする入力機能と表示機能を備えたデバイスであるところから、情報通信用端末に多く採用されている。特に、静電容量方式のタッチパネルは多点検出が可能であり、タブレット等携帯端末の分野で急速に普及している。
この方式のタッチパネルにおいては、画像表示層の上に電極パターン(透明電極)が並んだ透明電極層が配置され、透明電極層の上には保護カバーとしてガラスやプラスチック等の絶縁体層が設けられている。そして、静電容量の変化を利用して指が触れた位置を検出している。
透明電極層は、フィルム基板またはガラス基板上に形成されたITO膜(Indium Tin Oxide)で構成される透明電極と、この透明電極からの信号を制御IC(Integrated circuit)へ伝えるための回路を有している。この回路を形成するための導電性材料としては、銀ペーストが主に用いられている。また、この回路と、制御ICを接続するフレキシブルプリント基板との接合(接着)には、接着剤として一般に異方導電性フィルムが用いられ、150〜200℃程度の加熱プレス処理による融着が行われている。そして、透明電極層と絶縁体層は、アクリル樹脂系等の透明粘着剤によって貼合されて透明電極基板を形成している。
ところで、前記の導電性材料としては、銀ペーストに匹敵する低い抵抗値を持ち、比較的安価である銅または銅合金(例えば、銅箔、銅メッキ)の利用が期待される。しかしながら、大気暴露下での酸化、透明粘着剤に含まれる粘着剤成分による腐食、そして、異方導電性フィルムの加熱プレス時等の過酷な使用環境(例えば、加熱による酸化促進)に耐える銅または銅合金の表面処理技術が求められている。また、作業工程内における汗等の液滴付着を防ぐため、銅または銅合金の表面に撥水性を付与する表面処理技術も求められている。
一方、アゾール化合物を有効成分とする表面処理剤を使用して、銅または銅合金の表面に化成被膜を形成させて、銅または銅合金の表面を保護する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、5−メチル−1H−テトラゾールまたはこのアンモニウム塩を含有する水溶性金属防食剤が開示されている。
また、特許文献2には、5位に置換基を有するフェニル基が結合したテトラゾール化合物を含有する防錆剤が開示され、この防錆剤のpHを7〜10程度に調整しておくことにより、顕著な防錆効果が発現される点も開示されている。
特開平7−145491号公報 特開平6−184771号公報
本発明は、銅または銅合金の表面に、耐酸化性および耐腐食性に優れた化成被膜の形成を可能とするとともに、使用時の安定性や化成被膜の撥水性を高めることができる表面処理剤、およびこの表面処理剤を用いて銅または銅合金の表面を処理する方法を提供することを目的とする。
また、前記の表面処理剤を接触させることにより、銅または銅合金の表面に化成被膜を形成した電子部品とプリント配線板および、このプリント配線板と絶縁体層を透明粘着剤で貼合した透明電極基板、そして、この透明電極基板を備えるタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記化学式(I)で示されるテトラゾール化合物またはその塩とアンモニアを含有する溶液に、pH緩衝剤および特定のテトラゾール化合物の少なくとも一方を含有させることにより、所期の目的を達成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は以下の(1)〜(10)によって達成される。
(1)下記化学式(I)で示される第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と、アンモニアを含有する水溶液であって、該水溶液がpH緩衝剤を含有し、前記第1のテトラゾール化合物および/またはその塩に対する前記アンモニアの含有割合が等倍モルよりも大きいことを特徴とする銅または銅合金の表面処理剤。
Figure 2015054987
(式(I)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
(2)下記化学式(I)で示される第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と、アンモニアを含有する水溶液であって、該水溶液が下記化学式(II)で示される第2のテトラゾール化合物および/またはその塩を含有し、前記第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と前記第2のテトラゾール化合物および/またはその塩の合計量に対する前記アンモニアの含有割合が等倍モルよりも大きいことを特徴とする銅または銅合金の表面処理剤。
Figure 2015054987
(式(I)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
Figure 2015054987
(式(II)中、Rは、炭素数5〜20の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
(3)下記式(II)で示される第2のテトラゾール化合物および/またはその塩を含有し、前記第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と前記第2のテトラゾール化合物および/またはその塩の合計量に対するアンモニアの含有割合が等倍モルよりも大きいことを特徴とする前記(1)に記載の銅または銅合金の表面処理剤。
Figure 2015054987
(式(II)中、Rは、炭素数5〜20の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
(4)界面活性剤を含むことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の銅または銅合金の表面処理剤。
(5)銅または銅合金の表面に、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の表面処理剤を接触させることを特徴とする銅または銅合金の表面処理方法。
(6)電極を構成する銅または銅合金の表面に、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の表面処理剤を接触させることにより、当該銅または銅合金の表面に化成被膜を形成したことを特徴とする電子部品。
(7)回路を構成する銅または銅合金の表面に、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の表面処理剤を接触させることにより、当該銅または銅合金の表面に化成被膜を形成したことを特徴とするプリント配線板。
(8)フィルム基板またはガラス基板上に形成された透明電極と、化成被膜が形成された銅または銅合金から構成される回路とを有する透明電極層を備えたことを特徴とする前記(7)に記載のプリント配線板。
(9)前記(7)または(8)に記載のプリント配線板と絶縁体層を透明粘着剤で貼合したことを特徴とする透明電極基板。
(10)前記(9)に記載の透明電極基板を備えることを特徴とするタッチパネル。
本発明の表面処理剤および表面処理方法は、フィルム基板またはガラス基板上に回路を構成する銅または銅合金の表面に、耐酸化性および耐腐食性に優れた化成被膜を形成させることができる。
この結果、プリント配線板と絶縁体層を透明粘着剤で貼合した場合でも、透明粘着剤に含まれる粘着剤成分による銅または銅合金の腐食を防止することができる。さらに、表面処理剤の使用時の安定性や化成被膜の撥水性を高めることができる。
本発明によれば、フィルム基板またはガラス基板上に回路を形成するための導電性材料として、安価な銅または銅合金が使用可能となり、回路形成のコストを低減することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明に係る銅合金としては、銅を含む合金であれば特に制限されず、例えば、Cu−Ag系、Cu−Te系、Cu−Mg系、Cu−Sn系、Cu−Si系、Cu−Mn系、Cu−Be−Co系、Cu−Ti系、Cu−Ni−Si系、Cu−Cr系、Cu−Zr系、Cu−Fe系、Cu−Al系、Cu−Zn系、Cu−Co系等の合金を挙げることができる。本発明の説明においては、便宜上銅および銅合金を総称して銅と云う。
本発明の表面処理剤は、下記式(I)で示される第1のテトラゾール化合物および/またはその塩とアンモニアを含有し、pH緩衝剤および下記式(II)で示される第2のテトラゾール化合物および/またはその塩のうちの少なくとも一方を含む水溶液である。
Figure 2015054987
(式(I)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
Figure 2015054987
(式(II)中、Rは、炭素数5〜20の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
本発明の実施において使用する第1のテトラゾール化合物は、
5−メチル−1H−テトラゾール、
5−エチル−1H−テトラゾール、
5−プロピル−1H−テトラゾール、
5−イソプロピル−1H−テトラゾールおよび
5−シクロプロピル−1H−テトラゾールである。
また、該テトラゾール化合物の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
なお、これらの第1のテトラゾール化合物またはその塩を、組み合わせて使用してもよい。
本発明の表面処理剤中における第1のテトラゾール化合物および/またはその塩(以下、両者を合わせて第1のテトラゾール化合物と云う)の濃度は、0.003〜0.3mol/Lの範囲が好ましく、0.005〜0.1mol/Lの範囲がより好ましい。
第1のテトラゾール化合物の濃度が0.003mol/L未満の場合、銅の表面に形成される化成被膜の膜厚が薄くなり過ぎ、銅の表面の酸化および腐食を十分に防止することができない虞がある。また、第1のテトラゾール化合物の濃度が0.3mol/Lを超える場合には、処理ムラが生じる虞がある。
第1のテトラゾール化合物に対するアンモニアの含有割合は、等倍モルよりも大きくし、50倍モル未満とすることが好ましく、1.1〜40倍モルとすることがより好ましく、1.5〜10倍モルとすることが更に好ましい。
アンモニアの含有割合が第1のテトラゾール化合物に対して等倍モル以下であると、銅の表面の酸化および腐食を十分に防止することができない虞がある。また、アンモニアの含有割合が第1のテトラゾール化合物に対して50倍モル以上の場合には、処理ムラが生じて銅表面の酸化および腐食を十分に防止することができない虞がある。
本発明の実施において、pH緩衝剤は、使用に伴う表面処理剤のpHの変動を抑制するために、pH8〜11の範囲で緩衝作用を有するものが好ましく用いられ、表面処理剤としての安定性を向上させることができる。pH緩衝剤として機能する薬剤の種類には特に制限はなく、公知のものを使用することができる。pH緩衝剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。
これらのpH緩衝剤を、組み合わせて使用してもよい。
本発明の実施において使用されるpH緩衝剤の添加量は0.001〜1mol/Lの範囲が好ましい。
本発明の実施において使用する第2のテトラゾール化合物および/またはその塩は、処理後の銅表面に撥水性を付与するために用いられる。
この第2のテトラゾール化合物としては、例えば、
5−ペンチル−1H−テトラゾール、
5−ヘキシル−1H−テトラゾール、
5−シクロヘキシル−1H−テトラゾール、
5−ヘプチル−1H−テトラゾール、
5−オクチル−1H−テトラゾール、
5−ノニル−1H−テトラゾール、
5−デシル−1H−テトラゾールおよび
5−ウンデシル−1H−テトラゾール等が挙げられる。
また、該テトラゾール化合物の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
なお、これらの第2のテトラゾール化合物またはその塩を、組み合わせて使用してもよい。
本発明の表面処理剤中における第2のテトラゾール化合物および/またはその塩(以下、両者を合わせて第2のテトラゾール化合物と云う)の濃度は、0.0001〜0.01mol/Lの範囲に設定することが好ましい。
第2のテトラゾール化合物の濃度が0.0001mol/L未満の場合、銅の表面に形成される化成被膜の撥水性が十分に得られない虞がある。また、第2のテトラゾール化合物の濃度が0.01mol/Lを超える場合、銅の表面に形成される化成被膜の耐酸化性が低下する虞がある。
本発明の処理剤中における第1のテトラゾール化合物に対する第2のテトラゾール化合物の割合は、0.01〜1倍モルの範囲が好ましい。
また、第1のテトラゾール化合物と第2のテトラゾール化合物の合計量に対するアンモニアの含有割合は、等倍モルよりも大きくし、50倍モル未満とすることが好ましく、1.1〜40倍モルとすることがより好ましく、1.5〜10倍モルとすることが更に好ましい。
アンモニアの含有割合が第1のテトラゾール化合物と第2のテトラゾール化合物の合計量に対して等モル以下であると、銅の表面の酸化および腐食を十分に防止することができない虞がある。また、アンモニアの含有割合が第1のテトラゾール化合物と第2のテトラゾール化合物の合計量に対して50倍モル以上の場合には、処理ムラが生じて銅表面の酸化および腐食を十分に防止することができない虞がある。
本発明の表面処理剤は、第1のテトラゾール化合物と、pH緩衝剤および第2のテトラゾール化合物の少なくとも一方とを、アンモニア水と共に、水に溶解させることにより調製される。
本発明の表面処理剤には、銅表面を均一に処理するために、本発明の効果を損なわない範囲において界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の種類には特に制限はなく、公知のものを使用することができるが、非イオン性の界面活性剤を好ましく使用することができる。このような界面活性剤としてはエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル、ジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル等が挙げられる。
表面処理剤中における界面活性剤の濃度は0.001〜1重量%の範囲が好ましく、0.01〜0.1重量%の範囲がより好ましい。
本発明の表面処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて公知の添加剤、助剤等を加えてもよい。
本発明の表面処理剤を用いて銅の表面を処理する際の条件としては、表面処理剤の液温を15〜35℃の範囲に設定し、接触時間を10秒〜1分の範囲に設定することが好ましい。銅の表面を処理するための、銅と表面処理剤の接触方法としては、浸漬、噴霧、塗布等の手段が挙げられ、銅と表面処理剤を接触させた後、銅を水洗して乾燥すればよい。
上記の表面処理により銅の表面に化成被膜を形成することができる。
本発明の実施において使用するプリント配線板としては、硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルム基板、ガラス基板等が挙げられる。
本発明の実施において使用する透明なフィルム基板としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド等の材質のフィルムを用いることができる。
本発明の実施において使用するガラス基板としては、タッチパネルに通常使用されるものであればよい。
本発明の実施において使用する透明粘着剤としては、タッチパネルに通常使用されるものであればよい。すなわち、透明粘着剤としては透明性を有し、かつ電気的に絶縁性を有するものが使用され、アクリル樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系、ポリ塩化ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系等の粘着剤が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例で使用したアゾール化合物は、以下のとおりである。
[アゾール化合物]
・5−メチル−1H−テトラゾール(増田化学工業社製)
・5−プロピル−1H−テトラゾール(同上)
・5−シクロプロピル−1H−テトラゾール(同上)
・ベンゾトリアゾール(和光純薬工業社製)
・2−メルカプトベンゾチアゾール(同上)
・5−アミノ−1H−テトラゾール(増田化学工業社製)
・1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール(同上)
・5−フェニル−1H−テトラゾール(同上)
・1H−テトラゾール(同上)
・5−ブチル−1H−テトラゾール(「Synthesis,2009(13),2175」に記載された方法に準拠して合成した。)
・5−ヘキシル−1H−テトラゾール(同上)
・5−ヘプチル−1H−テトラゾール(同上)
・5−オクチル−1H−テトラゾール(同上)
・5−ノニル−1H−テトラゾール(同上)
・5−ベンジル−1H−テトラゾール(同上)
・1H−テトラゾール−5−酢酸エチル(増田化学工業社製)
・5−(2−アミノエチル)−1H−テトラゾール(同上)
・5−(2−ヒドロキシエチル)−1H−テトラゾール(同上)
・5−クロロメチル−1H−テトラゾール(同上)
・5−メルカプト−1H−テトラゾール(同上)
・1H−テトラゾール−5−酢酸(同上)
また、実施例および比較例で採用した評価試験方法は、以下のとおりである。
[試験片]
40mm×40mmの銅張積層板(基材:FR4、電解銅箔厚み:18μm)をソフトエッチング、水洗、エアーブローによる水切りを行った後、液温25℃の表面処理剤に30秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥して、銅表面に化成被膜が形成された試験片を作製した。
[加湿試験]
試験片を温度85℃、相対湿度85%の雰囲気中に144時間放置した後、銅表面の外観の変色度合を目視観察した。
銅表面の耐湿性を下記評価基準で評価した。変色の度合が低い程、化成被膜の耐湿性、即ち、銅表面の耐湿性が優れていると判定される。
<評価基準>
○:変色がない
△:少し変色している
×:変色している
[腐食試験]
試験片に、アクリル系の透明粘着テープ(住友スリーエム社製、製品名「Scotch313」)を貼合し、温度85℃、相対湿度85%の雰囲気中に144時間放置した後、透明粘着テープ貼合部(銅表面)の外観の変色度合を目視観察した。
銅表面の耐腐食性を下記評価基準で評価した。変色の度合が低い程、化成被膜の耐腐食性、即ち、銅表面の耐腐食性が優れていると判定される。
<評価基準>
○:変色がない
△:少し変色している
×:変色している
[加熱試験]
試験片を温度150℃の循環オーブンで1時間加熱した後、酸化銅の発生量を測定した。酸化銅の発生量は、赤外線吸収スペクトルにおける640cm−1付近の酸化銅(I)に由来するピークの吸光度を指標とした。赤外線吸収スペクトル測定は、フーリエ変換赤外分光光度計(パーキンエルマージャパン社製、製品名「Spectrum One」)を用い、RAS法により、測定面積13mmφ、入射角80度、積算回数32回の条件で行った。
銅表面の耐熱性を下記評価基準で評価した。吸光度が低い程、化成被膜の耐熱性、即ち、銅表面の耐熱性が優れていると判定される。
<評価基準>
A:吸光度が1.5×10−3未満
B:吸光度が1.5×10−3以上、3.0×10−3未満
C:吸光度が3.0×10−3以上、4.5×10−3未満
D:吸光度が4.5×10−3以上
[エアレーション試験]
表面処理剤にガラスフィルター付きのガラス管を挿入し、エアーポンプを用いて空気を送り込み、25℃で3時間曝気を行った。曝気後に表面処理剤のpHを測定し、初期pHに対する変動幅を確認した。
表面処理剤の安定性を下記評価基準で評価した。pH変動が小さいほど、表面処理剤の安定性が優れていると判定される。
<評価基準>
○:pH変動が±0.1未満
×:pH変動が±0.1以上
[撥水性試験]
水平に置いた試験片表面に一滴のイオン交換水を滴下したのち試験片を垂直に立て、試験片表面の濡れ具合を確認した。
撥水性の良否を下記評価基準で評価した。水滴が早く流れ落ちる程、化成被膜の撥水性が優れていると判定される。
<評価基準>
○:5秒未満で水滴が流れ落ちる
×:5秒以上経過しても、滴下した部分に水滴が残る
〔実施例1〕
イオン交換水に、25%アンモニア水と5−メチル−1H−テトラゾールおよび炭酸水素アンモニウムを、表1記載の組成となるように溶解させて表面処理剤を調製し、pHを測定した。次いで、この表面処理剤を用いて、加湿試験、腐食試験、加熱試験、エアレーション試験および撥水性試験を行った。表面処理剤のpHとこれらの試験結果は表1に示したとおりであった。
〔実施例2〜13〕
実施例1と同様にして、表1〜2記載の組成を有する表面処理剤を調製し、pHを測定した。次いで、この表面処理剤を用いて、加湿試験、腐食試験、加熱試験、エアレーション試験および撥水性試験を行った。表面処理剤のpHとこれらの試験結果は表1〜2に示したとおりであった。
Figure 2015054987
Figure 2015054987
〔比較例1〜30〕
実施例1と同様にして、表3〜7記載の組成を有する表面処理剤を調製し、pHを測定した。次いで、この表面処理剤を用いて、加湿試験、腐食試験、加熱試験、エアレーション試験および撥水性試験を行った。
なお、比較例10および11において調製した表面処理剤については、0.1M水酸化ナトリウム水溶液を使用して、pH調整を行った。
表面処理剤のpHと、これらの試験結果は表3〜7に示したとおりであった。
Figure 2015054987
Figure 2015054987
Figure 2015054987
Figure 2015054987
Figure 2015054987
表1〜7に示した試験結果によれば、第1のテトラゾール化合物とアンモニアおよびpH緩衝剤を適正な濃度で含有する表面処理剤を用いることにより、銅の表面に、耐酸化性および耐腐食性に優れた化成被膜を形成することができ、pH変動が小さく表面処理剤の安定性が向上することが認められる。
また、第1のテトラゾール化合物とアンモニアおよび第2のテトラゾール化合物を適正な濃度で含有する表面処理剤を用いることにより、銅の表面に、耐酸化性と耐腐食性および撥水性に優れた化成被膜を形成することが認められる。
さらに、当該表面処理剤にpH緩衝剤と第2のテトラゾール化合物を添加することにより、表面処理剤の安定性と化成被膜の撥水性が向上することが認められる。
〔実施例14〕
試験片として、内径0.80mmの銅スルホールを300穴有する120mm(縦)×150mm(横)×1.6mm(厚み)のガラスエポキシ樹脂製のプリント配線板を使用した。この試験片を脱脂、ソフトエッチング、水洗およびエアーブローによる水切りを行った後、実施例5において調製した表面処理剤に液温25℃で30秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥して銅表面に化成被膜を形成させた。この上に市販のポストフラックスを塗布し、フローはんだ付け装置を用いて通常のはんだ付け操作を行ったところ、問題なくはんだ付けすることができた。
〔実施例15〕
試験片として、厚さ0.2μmの銅膜をスパッタリングにより形成した40mm(縦)×40mm(横)×125μm(厚み)のPET樹脂製のフィルムを2枚使用した。これらの試験片を実施例5で使用した表面処理剤に液温25℃で30秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥して銅表面に化成被膜を形成させた。続いて、この2枚を銅表面が向かい合うように重ね、間に市販の異方性導電フィルム(ACF)を挟んで通常の圧着操作を行ったところ、問題無く接合され、導通を確保することができた。
本発明の表面処理剤および表面処理方法によれば、銅の表面に耐酸化性と耐腐食性に優れた防錆被膜を形成することが可能であり、タッチパネル用部材だけでなく、その他のプリント配線板や電子部品、銅箔、電線など、銅表面の酸化および腐食からの保護が必要とされる様々な分野への利用が期待される。

Claims (10)

  1. 下記化学式(I)で示される第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と、アンモニアを含有する水溶液であって、該水溶液がpH緩衝剤を含有し、前記第1のテトラゾール化合物および/またはその塩に対する前記アンモニアの含有割合が等倍モルよりも大きいことを特徴とする銅または銅合金の表面処理剤。
    Figure 2015054987
    (式(I)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
  2. 下記化学式(I)で示される第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と、アンモニアを含有する水溶液であって、該水溶液が下記化学式(II)で示される第2のテトラゾール化合物および/またはその塩を含有し、前記第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と前記第2のテトラゾール化合物および/またはその塩の合計量に対する前記アンモニアの含有割合が等倍モルよりも大きいことを特徴とする銅または銅合金の表面処理剤。
    Figure 2015054987
    (式(I)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
    Figure 2015054987
    (式(II)中、Rは、炭素数5〜20の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
  3. 下記化学式(II)で示される第2のテトラゾール化合物および/またはその塩を含有し、前記第1のテトラゾール化合物および/またはその塩と前記第2のテトラゾール化合物および/またはその塩の合計量に対するアンモニアの含有割合が等倍モルよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の銅または銅合金の表面処理剤。
    Figure 2015054987
    (式(II)中、Rは、炭素数5〜20の直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す。)
  4. 界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の銅または銅合金の表面処理剤。
  5. 銅または銅合金の表面に、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の表面処理剤を接触させることを特徴とする銅または銅合金の表面処理方法。
  6. 電極を構成する銅または銅合金の表面に、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の表面処理剤を接触させることにより、当該銅または銅合金の表面に化成被膜を形成したことを特徴とする電子部品。
  7. 回路を構成する銅または銅合金の表面に、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の表面処理剤を接触させることにより、当該銅または銅合金の表面に化成被膜を形成したことを特徴とするプリント配線板。
  8. フィルム基板またはガラス基板上に形成された透明電極と、化成被膜が形成された銅または銅合金から構成される回路とを有する透明電極層を備えたことを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
  9. 請求項7または請求項8に記載のプリント配線板と絶縁体層を透明粘着剤で貼合したことを特徴とする透明電極基板。
  10. 請求項9に記載の透明電極基板を備えることを特徴とするタッチパネル。
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