JP2015054790A - 抗菌機能付き強化ガラス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオン交換性能、耐失透性、耐熱衝撃性が良好であり、KNO溶融塩による強化用ガラスの強化特性の低下が生じ難く、クラックレジスタンスが高いとともに、抗菌性能を有する強化ガラスを創案する。
【解決手段】 抗菌性金属イオンが拡散した圧縮応力層を表面に有する強化ガラスであって、ガラス組成として、モル%で、SiO 50〜80%、Al 5〜30%、LiO 0〜2%、NaO 5〜25%であり、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しないことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、強化ガラス、特に、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)、或いはディスプレイ、特にタッチパネルディスプレイのガラス基板に好適な強化ガラスに関する。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA、タッチパネルディスプレイ、大型テレビ、非接触給電等のデバイスは、益々普及する傾向にある。
これらの用途には、イオン交換処理等で強化処理した強化ガラスが用いられている(特許文献1、非特許文献1参照)。
また、近年では、デジタルサイネージ、マウス、スマートフォン等の外装部品に強化ガラスを使用することが増えてきた。
強化ガラスの主な要求特性として、(1)高い機械的強度、(2)高い耐傷性、(3)軽量、(4)低コスト が挙げられる。スマートフォンの用途では、軽量化、すなわち薄板化への要求が高まっている。その一方で、軽量化のために、従来の強化ガラスを薄型化すると、内部の引っ張り応力が過大になり、強化ガラスの破損時に破片が飛散したり、強化ガラスが自己破壊する虞がある。よって、圧縮応力層の圧縮応力値や厚みを増加させて、強化ガラスの機械的強度を高めることには限界がある。
そこで、強化ガラスに表面傷が付くことを可及的に抑制して、機械的強度の低下を抑制することが有効となる。
特開2006−83045号公報 特開2011−133800号公報
泉谷徹郎等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451−498
従来、傷が付き難い強化用ガラス、すなわちクラックレジスタンスが高い強化用ガラスとして、LiO高含有ガラスが提案されている。しかし、LiO高含有ガラスにおいて、高い液相粘度を得ることは困難である。また、KNO溶融塩を用いて、LiO高含有ガラスをイオン交換処理する場合、KNO溶融塩中にLiイオンが混入し易くなる。そのようなKNO溶融塩を用いると、強化用ガラスの強化特性が不十分になるという問題が生じる。
更に、LiOの含有量が多い程、強化用ガラスの熱膨張係数が高くなり易い。そして、イオン交換処理は、通常、高温(例えば300〜500℃)のKNO溶融塩中に強化用ガラスを浸漬することにより行われる。よって、高LiO含有ガラスをイオン交換処理すると、強化用ガラスを浸漬する際、又は強化ガラス板を取り出す際に、熱衝撃により破損し易くなるという問題がある。
この問題を解決するために、強化用ガラス板を浸漬する前に予熱するか、或いは強化ガラス板を取り出した後に徐冷するという方法が想定されるが、これらの方法は、長時間を要するため、強化ガラス板の製造コストが高騰する虞がある。
また例えば駅の券売機、銀行のATM、医療機関で使用される機器に使用されるタッチパネル等は、不特定多数の人に使用される。タッチパネルは人の手や指で直接画面に触れて操作するものであることから、タッチパネル表面は、様々な菌が付着し増殖し易い環境にある。それゆえタッチパネルを介して人から人へ菌が感染するおそれがあることから、タッチパネルの構成部材である強化ガラスに抗菌性能を付与して、菌の増殖や感染を抑制することが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、イオン交換性能、耐失透性、耐熱衝撃性が良好であり、KNO溶融塩による強化用ガラスの強化特性の低下が生じ難く、クラックレジスタンスが高いとともに、抗菌性能を有する強化ガラスを創案することである。
本発明者等は、種々の検討を行った結果、ガラス組成を厳密に規制することと、圧縮応力層に抗菌性金属イオンを拡散させることにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、抗菌性金属イオンが拡散した圧縮応力層を表面に有する強化ガラスであって、ガラス組成として、モル%で、SiO 50〜80%、Al 5〜30%、LiO 0〜2%、NaO 5〜25%であり、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しないことを特徴とする。ここで、「抗菌性金属イオンが拡散した圧縮応力層」とは、圧縮応力層の全体に亘って抗菌性金属イオンが拡散している場合のみならず、圧縮応力層の一部(例えば表面部分のみ)に抗菌性金属イオンが存在する場合も含む。「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にAsを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Asの含有量が0.1モル%未満であることを指す。「実質的にSbを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にSbを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Sbの含有量が0.1モル%未満であることを指す。「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にPbOを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、PbOの含有量が0.1モル%未満であることを指す。「実質的にFを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にFを添加しないものの、不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Fの含有量が0.1モル%未満であることを指す。
ガラス組成中にAlとアルカリ金属酸化物(特にNaO)を所定量導入することにより、イオン交換性能、耐失透性、耐熱衝撃性を高めることができる。なお、Bを所定量導入すれば、クラックレジスタンスを高めることができる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、抗菌性金属イオンがAgイオンであることが好ましい。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、密度が2.45g/cm以下であることが好ましい。ここで「密度」は周知のアルキメデス法で測定することができる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、強化処理前のクラックレジスタンスが300gf以上であることが好ましい。ここで、「クラックレジスタンス」とは、クラック発生率が50%となる荷重のことを指す。また、「クラック発生率」は、次のようにして測定した値を指す。まず湿度30%、温度25℃に保持された恒温恒湿槽内において、所定荷重に設定したビッカース圧子をガラス表面(光学研磨面)に15秒間打ち込み、その15秒後に圧痕の4隅から発生するクラックの数をカウント(1つの圧痕につき最大4とする)する。このようにして圧子を20回打ち込み、総クラック発生数を求めた後、総クラック発生数/80×100の式により求める。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、圧縮応力層の圧縮応力値が300MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みが10μm以上であることが好ましい。ここで、「圧縮応力層の圧縮応力値」および「圧縮応力層の厚み」は、表面応力計(例えば、株式会社東芝製FSM−6000)を用いて、試料を観察した際に、観察される干渉縞の本数とその間隔から算出される値を指す。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、液相温度が1200℃以下であることが好ましい。ここで、「液相温度」とは、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を指す。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、液相粘度が104.0dPa・s以上であることが好ましい。ここで、「液相粘度」とは、液相温度における粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、104.0dPa・sにおける温度が1300℃以下であることが好ましい。ここで、「104.0dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数が95×10−7/℃以下であることが好ましい。ここで、「30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数」は、ディラトメーターを用いて、平均熱膨張係数を測定した値を指す。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板は、上記の抗菌機能付き強化ガラスからなることを特徴とする。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板は、強化後スクライブ切断されてなることが好ましい。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板は、長さ寸法500mm以上、幅寸法300mm以上、厚み0.5〜2.0mmであり、圧縮応力層の圧縮応力値が300MPa以上、圧縮応力層の厚みが10μm以上であることが好ましい。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板は、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、耐熱性の成形体の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを成形体の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を製造する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の表面となるべき面は成形体の表面に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、未研磨で表面品位が良好なガラス板を安価に製造することができる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板は、タッチパネルディスプレイ、携帯電話のカバーガラス、又はディスプレイの保護部材に用いることが好ましい。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板の製造方法は、ガラス組成として、モル%で、SiO 50〜80%、Al 5〜30%、LiO 0〜2%、NaO 5〜25%であり、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しないガラス板を、KNO及びAgNOを含む溶融塩中に浸漬することにより、抗菌性金属イオンが拡散した圧縮応力層をガラス表面に形成することを特徴とする。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、抗菌性金属イオンが拡散した圧縮応力層をその表面に有する。表面に圧縮応力層を形成する方法として、物理強化法と化学強化法がある。本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、化学強化法により圧縮応力層が形成されてなることが好ましい。
化学強化法は、ガラスの歪点以下の温度でイオン交換処理によりガラスの表面にイオン半径が大きいアルカリイオンを導入する方法である。化学強化法で圧縮応力層を形成すれば、ガラスの厚みが小さい場合でも、圧縮応力層を適正に形成し得ると共に、圧縮応力層を形成した後に、強化ガラスを切断しても、風冷強化法等の物理強化法のように、強化ガラスが容易に破壊しない。また化学強化法の場合、強化液(KNOの溶融塩等)中に抗菌性金属イオンを含有させておくことによって、強化と同時に抗菌性金属イオンを圧縮応力層中に拡散させることができるという利点がある。
圧縮応力層中に拡散させる抗菌性金属イオンとしては特に限定はなく、例えばAgイオン、Cuイオン、Znイオン等を採用することができる。中でもAgイオンは高い抗菌効果が得られるため好適である。
圧縮応力層中の抗菌性金属イオンの含有量は0.0001〜200μg/cm、0.001〜150μg/cm、0.01〜100μg/cm、0.1〜50μg/cm、0.1〜25μg/cm、0.5〜10μg/cmであることが好ましい。抗菌性金属イオンの含有量が少なすぎると十分な抗菌性能を得ることができない。抗菌性金属イオンの含有量が多すぎると抗菌性物質に起因してガラスが着色してしまう。なお抗菌性金属イオンの含有量は蛍光X線分析にて測定することが可能である。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、特に断りがない限り、モル%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は50〜80%であり、好ましくは55〜77%、57〜75%、58〜74%、60〜73%、特に62〜72%である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。
Alは、イオン交換性能を高める成分であり、また歪点やヤング率を高める成分である。Alの含有量は5〜30%である。Alの含有量が少な過ぎると、イオン交換性能を十分に発揮できない虞が生じる。よって、Alの好適な下限範囲は5.5%以上、6%以上、6.5%以上、7%以上、8%以上、特に9%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等でガラス板を成形し難くなる。特に、アルミナの成形体を用いて、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形する場合、アルミナの成形体との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また耐酸性も低下し、酸処理工程に適用し難くなる。特に、カバーガラスにタッチセンサーを形成する方式では、ガラス板も同時に薬品処理を受ける。この場合、耐酸性が低いと、ITO等の膜のエッチング工程で問題が発生し易くなる。更には高温粘性が高くなり、溶融性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は25%以下、20%以下、18%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、12.5%以下、12%以下、11.5%以下、11%以下、10.5%以下、特に10%以下である。
LiOは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であると共に、ヤング率を高める成分である。更にLiOは、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値を高める効果が大きいが、NaOを7%以上含むガラス系において、LiOの含有量が極端に多くなると、かえって圧縮応力値が低下する傾向がある。また、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下して、ガラスが失透し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。更に、低温粘性が低下し過ぎて、応力緩和が起こり易くなり、かえって圧縮応力値が低下する場合がある。よって、LiOの好適な上限範囲2%以下であり、好ましくは1.7%以下、1.5%以下、1%以下、1.0%未満、0.5%以下、0.3%以下、0.2%以下、特に0.1%以下である。なお、LiOを添加する場合、好適な添加量は0.005%以上、0.01%以上、特に0.05%以上である。
NaOは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、耐失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低下したり、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、NaOの含有量は5%以上であり、好適な下限範囲は7%以上、7.0%超、8%以上、特に9%以上である。一方、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなったり、密度が高くなる傾向がある。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する場合がある。よって、NaOの含有量は25%以下であり、好適な上限範囲は23%以下、21%以下、19%以下、18.5%以下、17.5%以下、17%以下、16%以下、15.5%以下、14%以下、13.5%以下、特に13%以下である。
上記成分以外にも、例えば以下の成分を添加してもよい。
の含有量は0〜15%が好ましい。Bは、高温粘度や密度を低下させると共に、ガラスを安定化させて、結晶を析出させ難くし、液相温度を低下させる成分である。また、クラックレジスタンスを高めて、耐傷性を高める成分である。よって、Bの好適な下限範囲は0.01%以上、0.1%以上、0.5%以上、0.7%以上、1以上、2%以上、特に3%以上である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、イオン交換によって、ヤケと呼ばれるガラス表面の着色が発生したり、耐水性が低下したり、圧縮応力層の厚みが小さくなり易い。よって、Bの好適な上限範囲は14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10.5%未満、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に4.9%以下である。
モル比B/Alは0〜1、0.1〜0.6、0.12〜0.5、0.142〜0.37、0.15〜0.35、0.18〜0.32、特に0.2〜0.3が好ましい。このようにすれば、高温粘性を適正化しつつ、耐失透性とイオン交換性能を高いレベルで両立させることが可能になる。
モル比B/(NaO+Al)は0〜1、0.01〜0.5、0.02〜0.4、0.03〜0.3、0.03〜0.2、0.04〜0.18、0.05〜0.17、0.06〜0.16、特に0.07〜0.15が好ましい。このようにすれば、高温粘性を適正化しつつ、耐失透性とイオン交換性能を高いレベルで両立させることが可能になる。
Oは、イオン交換を促進する成分であり、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力層の厚みを大きくし易い成分である。また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。更には、耐失透性を改善する成分でもある。しかし、KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、KOの好適な上限範囲は10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2.5%以下、特に2%未満である。なお、KOを添加する場合、好適な添加量は0.1%以上、0.5%以上、特に1%以上である。また、KOの添加を可及的に避ける場合は、0〜1.9%、0〜1.35%、0〜1%、0〜1%未満、特に0〜0.05%が好ましい。
LiO+NaO+KOの含有量が少な過ぎると、イオン交換性能や溶融性が低下し易くなる。一方、LiO+NaO+KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなったり、密度が高くなる傾向がある。また歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、LiO+NaO+KOの好適な下限範囲は5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、特に12%以上であり、好適な上限範囲は30%以下、25%以下、20%以下、19%以下、18.5%以下、17.5%以下、16%以下、15.5%以下、15%以下、14.5%以下、特に14%以下である。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が大きい成分である。よって、MgOの好適な下限範囲は0%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2%以上、2.5%以上、3%以上、4%以上、特に4.5%以上である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり易く、またガラスが失透し易くなる傾向がある。特に、アルミナの成形体を用いて、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形する場合、アルミナの成形体との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。よって、MgOの好適な上限範囲は10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、特に5%以下である。
CaOは、他の成分と比較して、耐失透性の低下を伴うことなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める効果が大きい。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなり、またガラス組成の成分バランスを欠いて、かえってガラスが失透し易くなったり、イオン交換性能が低下したり、イオン交換溶液を劣化させ易くなる傾向がある。よって、CaOの好適な含有量は0〜6%、0〜5%、0〜4%、0〜3.5%、0〜3%、0〜2%、0〜1%、特に0〜0.5%である。
SrOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、イオン交換反応が阻害され易くなることに加えて、密度や熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。よって、SrOの好適な含有量は0〜1.5%、0〜1%、0〜0.5%、0〜0.1%、特に0〜0.1%未満である。
BaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分である。しかし、BaOの含有量が多過ぎると、イオン交換反応が阻害され易くなること加えて、密度や熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。よって、BaOの好適な含有量は0〜6%、0〜3%、0〜1.5%、0〜1%、0〜0.5%、0〜0.1%、特に0〜0.1%未満である。
MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透したり、イオン交換性能が低下する傾向がある。よって、MgO+CaO+SrO+BaOの好適な含有量は0〜9.9%、0〜8%、0〜7%、0〜6.5%、0〜6%、0〜5.5%、特に0〜5%である。
LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下し易くなる。よって、LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaOの好適な下限範囲は10%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、15.5%以上、16%以上、17%以上、特に17.5%以上である。一方、LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、密度や熱膨張係数が高くなったり、イオン交換性能が低下する傾向がある。よって、LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaOの好適な上限範囲は30%以下、28%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、特に20%以下である。
モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が小さくなると、クラックレジスタンスが低下したり、密度や熱膨張係数が上昇し易くなる。一方、モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が大きくなると、耐失透性が低下したり、ガラスが分相したり、イオン交換性能が低下し易くなる。よって、モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)の好適な範囲は0.001〜0.5、0.005〜0.45、0.01〜0.4、0.03〜0.35、特に0.06〜0.35である。
TiOは、イオン交換性能を高める成分であり、また高温粘度を低下させる成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラスが着色したり、失透し易くなる。よって、TiOの含有量は0〜4.5%、0〜1%、0〜0.5%、0〜0.3%、0〜0.1%、0〜0.05%、特に0〜0.01%が好ましい。
ZrOは、イオン交換性能を顕著に高める成分であると共に、液相粘度付近の粘性や歪点を高める成分である。よってZrOの好適な下限範囲は0.001%以上、0.005%以上、0.01%以上、特に0.05%以上である。しかし、ZrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が著しく低下すると共に、クラックレジスタンスが低下する虞があり、また密度が高くなり過ぎる虞もある。よって、ZrOの好適な上限範囲は5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.3%以下、特に0.1%以下である。
ZnOは、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力値を高める効果が大きい成分である。また低温粘性を低下させずに、高温粘性を低下させる成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐失透性が低下したり、密度が高くなったり、圧縮応力層の厚みが小さくなる傾向がある。よって、ZnOの含有量は0〜6%、0〜5%、0〜3%、特に0〜1%が好ましい。
は、イオン交換性能を高める成分であり、特に圧縮応力層の厚みを大きくする成分である。しかし、Pの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐水性が低下し易くなる。よって、Pの含有量は0〜10%、0〜3%、0〜1%、0〜0.5%、特に0〜0.1%が好ましい。
清澄剤として、Cl、SO、CeOの群(好ましくはCl、SOの群)から選択された一種又は二種以上を0〜3%添加してもよい。
SnOは、イオン交換性能を高める効果を有する。よって、SnOの含有量は0〜3%、0.01〜3%、0.05〜3%、特に0.1〜3%、特に0.2〜3%が好ましい。
清澄効果とイオン交換性能を高める効果を同時に享受する観点から、SnO+SO+Clの含有量は0.01〜3%、0.05〜3%、0.1〜3%、特に0.2〜3%が好ましい。なお、「SnO+SO+Cl」は、SnO、Cl、及びSOの合量である。
Feの含有量は1000ppm未満(0.1%未満)、800ppm未満、600ppm未満、400ppm未満、特に300ppm未満が好ましい。更に、Feの含有量を上記範囲に規制した上で、モル比Fe/(Fe+SnO)を0.8以上、0.9以上、特に0.95以上に規制することが好ましい。このようにすれば、板厚1mmにおける透過率(400〜770nm)が向上し易くなる(例えば90%以上)。
Nb、La等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に添加すると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の含有量は3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下が好ましい。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しない。また、環境的配慮から、実質的にBiを含有しないことも好ましい。「実質的にBiを含有しない」とは、ガラス成分として積極的にBiを添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、Biの含有量が0.05%未満であることを指す。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、各成分の好適な含有範囲を適宜選択し、好適なガラス組成範囲とすることが可能である。その中でも、特に好適なガラス組成範囲は以下の通りである。
(1)モル%で、SiO 50〜80%、Al 5〜30%、LiO 0〜1.7%、NaO 7.0超〜25%、P 0〜1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しない。
(2)モル%で、SiO 50〜80%、Al 6.5〜15%、LiO 0〜1.7%、NaO 7.0超〜15.5%、CaO 0〜2%、P 0〜1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しない。
(3)モル%で、SiO 50〜80%、Al 6.5〜15%、LiO 0〜1%、NaO 9〜15.5%、CaO 0〜2%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜6.5%、P 0〜0.1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しない。
(4)モル%で、SiO 50〜80%、Al 6.5〜15%、B 0.01〜15%、LiO 0〜1%、NaO 9〜15.5%、LiO+NaO+KO 9〜15.5%、CaO 0〜2%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜6.5%、P 0〜0.1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しない。
(5)モル%で、SiO 50〜77%、Al 6.5〜15%、B 0.01〜15%、LiO 0〜1%、NaO 9〜15.5%、LiO+NaO+KO 9〜15.5%、CaO 0〜2%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜6.5%、LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO 15.5〜22%、P 0〜0.1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しない。
(6)モル%で、SiO 50〜77%、Al 6.5〜15%、B 0.01〜10%、LiO 0〜1%、NaO 9.0〜15.5%、LiO+NaO+KO 9〜15.5%、CaO 0〜2%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜6.5%、LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO 15.5〜22%、P 0〜0.1%を含有し、モル比 B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が0.06〜0.35であり、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しない。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、例えば、下記の特性を有することが好ましい。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスは、表面に圧縮応力層を有している。圧縮応力層の圧縮応力値は、好ましくは300MPa以上、400MPa以上、500MPa以上、600MPa以上、特に900〜1500MPaである。圧縮応力値が大きい程、強化ガラスの機械的強度が高くなる。なお、ガラス組成中のAl、TiO、ZrO、MgO、ZnOの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。
圧縮応力層の厚みは、好ましくは10μm以上、15μm以上、20μm以上80μm未満、特に30μm以上60μm以下である。圧縮応力層の厚みが大きい程、強化ガラスに深い傷が付いても、強化ガラスが割れ難くなると共に、機械的強度のばらつきが小さくなる。一方、強化後切断を行う場合、圧縮応力層の厚みが大き過ぎると、ガラス基板に初期傷を付ける際に、初期傷が圧縮応力層を突き破って、内部領域に到達し難くなる。よって、この場合、圧縮応力層の厚みは、好ましくは100μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、50μm未満、45μm以下、40μm以下、特に30μm未満が好ましい。なお、ガラス組成中のKO、Pの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、圧縮応力層の厚みが大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を上げれば、圧縮応力層の厚みが大きくなる傾向がある。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、密度は2.6g/cm以下、2.55g/cm以下、2.50g/cm以下、2.48g/cm以下、特に2.45g/cm以下が好ましい。密度が小さい程、強化ガラスを軽量化することができる。なお、ガラス組成中のSiO、B、Pの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、ZrO、TiOの含有量を低減すれば、密度が低下し易くなる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数は100×10−7/℃以下、95×10−7/℃以下、93×10−7/℃以下、90×10−7/℃以下、88×10−7/℃以下、85×10−7/℃以下、83×10−7/℃以下、特に82×10−7/℃以下が好ましい。熱膨張係数を上記範囲に規制すれば、熱衝撃によって破損し難くなるため、強化処理前の予熱や強化処理後の除冷に要する時間を短縮することができる。結果として、強化ガラスの製造コストを低廉化することができる。また、金属、有機系接着剤等の部材の熱膨張係数に整合し易くなり、金属、有機系接着剤等の部材の剥離を防止し易くなる。なお、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を増加すれば、熱膨張係数が高くなり易く、逆にアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を低減すれば、熱膨張係数が低下し易くなる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、104.0dPa・sにおける温度は1300℃以下、1280℃以下、1250℃以下、1220℃以下、特に1200℃以下が好ましい。104.0dPa・sにおける温度が低い程、成形設備への負担が軽減されて、成形設備が長寿命化し、結果として、強化ガラスの製造コストを低廉化し易くなる。アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すれば、104.0dPa・sにおける温度が低下し易くなる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、102.5dPa・sにおける温度は1650℃以下、1600℃以下、1580℃以下、特に1550℃以下が好ましい。102.5dPa・sにおける温度が低い程、低温溶融が可能になり、溶融窯等のガラス製造設備への負担が軽減されると共に、泡品位を高め易くなる。すなわち、102.5dPa・sにおける温度が低い程、強化ガラスの製造コストを低廉化し易くなる。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、例えば、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当する。また、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すれば、102.5dPa・sにおける温度が低下し易くなる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、液相温度は1200℃以下、1150℃以下、1100℃以下、1080℃以下、1050℃以下、1020℃以下、特に1000℃以下が好ましい。なお、液相温度が低い程、耐失透性や成形性が向上する。なお、ガラス組成中のNaO、KO、Bの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減すれば、液相温度が低下し易くなる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、液相粘度は104.0dPa・s以上、104.4dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.3dPa・s以上、105.5dPa・s以上、105.7dPa・s以上、105.8dPa・s以上、特に106.0dPa・s以上が好ましい。なお、液相粘度が高い程、耐失透性や成形性が向上する。また、ガラス組成中のNaO、KOの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減すれば、液相粘度が高くなり易い。
本発明の抗菌機能付き強化ガラスにおいて、強化処理前のクラックレジスタンスは、100gf以上、200gf以上、300gf以上、400gf以上、500gf以上、600gf以上、700gf以上、800gf以上、900gf以上、特に1000gf以上が好ましい。クラックレジスタンスが高い程、強化ガラスに表面傷が付き難くなるため、強化ガラスの機械的強度が低下し難くなり、また機械的強度がばらつき難くなる。また、クラックレジスタンスが高いと、強化後切断、例えばスクライブ切断時にラテラルクラックが発生し難くなり、強化後スクライブ切断を適正に行い易くなる。結果として、デバイスの製造コストを低廉化し易くなる。
強化ガラスをスクライブ切断する場合、初期傷(スクライブ傷)の深さが圧縮応力層の厚みより大きく、且つ内部の引っ張り応力が100MPa以下、80MPa以下、70MPa以下、60PMa以下、40MPa以下、30MPa以下、25MPa以下、23MPa以下、特に20MPa以下であることが好ましい。また、強化ガラスの端から5mm以上離れた領域から、スクライブを開始することが好ましく、強化ガラスの端から5mm以上離れた領域で、スクライブを終了することが好ましい。更に、スクライブ後に折割工程を設けることが好ましい。このようにすれば、スクライブ時に意図しない割れが発生し難くなり、強化後スクライブ切断を適正に行い易くなる。なお、内部の引っ張り応力は下記の数式1で計算可能である。
強化ガラスを切断、特にスクライブ切断する場合、強化ガラスの厚みを0.7mm以下に規制しつつ、内部の引っ張り応力を低下させるために、圧縮応力層の圧縮応力値を900MPa未満又は圧縮応力値の厚みを30μm未満に規制することが好ましい。このようにすれば、切断時に意図しない割れが発生し難くなる。
強化後切断を行う場合、圧縮応力層の圧縮応力値に比べて、圧縮応力層の厚みを小さくし、切断時にラテラルクラックが発生し難くすることが好ましい。これらの観点を考慮して、強化後切断に好適なガラス組成範囲は、以下の通りである。
(1)モル%で、SiO 50〜80%、Al 5〜16%、B 0.5〜11%、LiO 0〜1.7%、NaO 7.0超〜21%、P 0〜3%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有せず、モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が0.001〜0.5。
(2)モル%で、SiO 50〜80%、Al 6.5〜14%、B 1〜8%、LiO 0〜1%、NaO 8〜15.5%、KO 0〜1.9%、P 0〜1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有せず、モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が0.005〜0.45。
(3)モル%で、SiO 50〜80%、Al 7〜13%、B 2〜8%、LiO 0〜1%、NaO 9〜14%、KO 0〜1.9%、P 0〜0.5%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有せず、モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が0.01〜0.4。
(4)モル%で、SiO 50〜80%、Al 7〜12.5%、B 3〜8%、LiO 0〜0.5%、NaO 9〜14%、KO 0〜1.35%、P 0〜0.5%、ZrO 0〜0.1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有せず、モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が0.03〜0.35。
(5)モル%で、SiO 50〜80%、Al 8〜11.5%、B 3〜6%、LiO 0.0001〜0.5%、NaO 9〜14%、KO 0〜1.35%、P 0〜0.5%、ZrO 0〜0.1%を含有し、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有せず、モル比B/(B+LiO+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO)が0.06〜0.35。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板は、上記の強化ガラスからなることを特徴とする。よって、本発明の抗菌機能付き強化ガラス板の技術的特徴(好適な特性、好適な成分範囲等)は、本発明の抗菌機能付き強化ガラスの技術的特徴と同様になる。ここでは、本発明の抗菌機能付き強化ガラス板の技術的特徴について、詳細な記載を省略する。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板において、表面傷が存在しないか、或いは表面傷が存在する場合、長さ10μm以上の表面傷が120個/cm以下、100個/cm以下、50個/cm以下、10個/cm以下、5個/cm以下、1個/cm以下、0.5個/cm以下、特に0.1個/cm以下が好ましい。表面傷が少ない程、強化ガラスの機械的強度が低下し難くなり、また機械的強度がばらつき難くなる。表面傷の長さ、個数は、例えば、電子顕微鏡で観察することにより算出することができる。なお、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し、更に表面を未研磨の状態にすれば、表面傷を可及的に低減することができる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板において、表面の平均表面粗さ(Ra)は、好ましくは10Å以下、8Å以下、6Å以下、4Å以下、3Å以下、特に2Å以下である。平均表面粗さ(Ra)が大きい程、強化ガラス板の機械的強度が低下する傾向がある。ここで、平均表面粗さ(Ra)は、SEMI D7−97「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定した値を指す。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板において、長さ寸法は500mm以上、700mm以上、1000mm以上、幅寸法は500mm以上、700mm以上、1000mm以上が好ましい。強化ガラス板を大型化すれば、大型TV等のディスプレイの表示部のカバーガラスとして好適に使用可能になる。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板において、板厚は2.0mm以下、1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下、0.45mm以下、0.4mm以下、特に0.35mm以下が好ましい。一方、板厚が薄過ぎると、所望の機械的強度を得難くなる。よって、板厚は0.1mm以上、0.2mm以上、特に0.3mm以上が好ましい。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス板は以下のようにして作製することができる。
まず上記のガラス組成になるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して、1500〜1600℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で板状等に成形し、徐冷することにより、強化用のガラス板を作製することができる。
ガラス板を成形する方法として、オーバーフローダウンドロー法を採用することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、大量に高品位なガラス板を作製できると共に、大型のガラス板も容易に作製できる方法であり、またガラス板の表面の傷を可及的に低減することができる。なお、オーバーフローダウンドロー法では、成形体として、アルミナやデンスジルコンが使用される。本発明の強化用ガラスは、アルミナやデンスジルコン、特に、アルミナとの適合性が良好である(成形体と反応して泡やブツ等を発生させ難い)。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の成形方法を採用することができる。例えば、フロート法、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、ロールアウト法、プレス法等の成形方法を採用することができる。
なお強化用ガラス板は必ずしも平板状である必要はなく、必要に応じて曲げ加工等を施してもよい。
次に、得られた強化用ガラス板に強化処理及び抗菌処理を施すことにより、抗菌性金属イオンが圧縮応力層に拡散した強化ガラスを作製することができる。
強化処理としては、化学強化法(イオン交換法)が好ましい。またその処理条件は特に限定されず、ガラスの粘度特性、用途、厚み、内部の引っ張り応力、寸法変化等を考慮して最適な条件を選択すればよい。例えば、400〜550℃のKNO溶融塩中に、ガラスを1〜8時間浸漬することで、強化処理を行うことができる。このようにしてKNO溶融塩中のKイオンをガラス中のNa成分とイオン交換すると、ガラスの表面に圧縮応力層を効率良く形成することができる。
また圧縮応力層中にAgイオン、Cuイオン、Znイオン等の抗菌性金属イオンを拡散させる。抗菌性金属イオンを圧縮応力層中に拡散させる方法として特に制限はないが、イオン交換に用いるKNO溶融塩中に、抗菌性金属イオンの前駆体物質を添加し、強化処理と同時に抗菌処理を行うことが経済性の面から好ましい。前駆体物質としては硝酸塩、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、硫化物、酸化物等が使用できる。なお抗菌性金属イオンにAgイオンを選択した場合、前駆体物質としてAgNOを選択することが好ましい。またAgNOを選択した場合、溶融塩中のAgNOの濃度は0.00001〜1.0質量%、0.0001〜0.5質量%、0.001〜0.2質量%、特に0.005〜0.1質量%とすることが好ましい。溶融塩中のAgNO濃度が低すぎるとガラスに十分な抗菌性能を付与することが難しくなる。AgNOの濃度が高すぎるとガラスに好ましくない着色が生じる。
なお上記方法に代えて、強化処理後に抗菌処理を行う方法を採用することも可能である。例えば強化処理後のガラスをAgNOの溶融塩に浸漬する方法、強化処理後のガラスの表面に銀膜を形成し、焼成する方法等を採用してもよい。
その後、表面を洗浄して溶融塩の残渣を取り除くことにより、本発明の抗菌機能付き強化ガラス板を得ることができる。
さらに強化ガラス板を所定寸法に切断する。なお強化ガラス板を所定寸法に切断する時期は、強化処理の前でもよいが、デバイスの製造効率の観点から、強化処理の後に行うことが好ましい。
強化ガラスが切断されると、その切断面には、圧縮応力層が形成されていない領域が発生し、その領域について、機械的強度が低下し易くなる。この場合、切断面を樹脂で被覆したり、切断面を面取りすることが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1〜16は、本発明に使用可能な強化ガラスの例(試料No.1〜93)を示している。なお、各例において、イオン交換に使用する溶融塩にAgNOを適量添加しておけば、強化ガラスに抗菌機能を付与することが可能となる。
次のようにして表中の各試料を作製した。まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で溶融した。試料No.1〜58では、溶融時間が8時間、試料No.59〜93では、溶融時間が21時間である。その後、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して、板状に成形した。得られたガラス板について、種々の特性を評価した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
熱膨張係数αは、ディラトメーターを用いて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を測定した値である。
クラックレジスタンスは、クラック発生率が50%となる荷重のことを指し、クラック発生率は、次のようにして測定した。まず湿度30%、温度25℃に保持された恒温恒湿槽内において、所定荷重に設定したビッカース圧子をガラス表面(光学研磨面)に15秒間打ち込み、その15秒後に圧痕の4隅から発生するクラックの数をカウント(1つの圧痕につき最大4とする)する。このようにして圧子を20回打ち込み、総クラック発生数を求めた後、総クラック発生数/80×100の式により求めた。
歪点Ps、徐冷点Taは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
軟化点Tsは、ASTM C338の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。
液相粘度logηTLは、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
表1〜16から明らかなように、各試料は、密度が2.45g/cm以下、熱膨張係数が69×10−7〜92×10−7/℃、クラックレジスタンスが500〜1500gfであり、強化ガラスの素材、つまり強化用ガラスとして好適であった。また液相粘度が104.0dPa・s以上であるため、オーバーフローダウンドロー法で板状に成形可能であり、しかも102.5dPa・sにおける温度が1658℃以下であるため、生産性が高く、大量のガラス板を安価に作製し得るものと考えられる。
なお、強化処理前後で、ガラスの表層におけるガラス組成が微視的に異なるものの、ガラス全体として見た場合は、ガラス組成が実質的に相違しない。
次に、各試料の両表面に光学研磨を施した後、試料No.1〜58については440℃のKNO溶融塩(使用履歴がないKNO溶融塩)中に6時間、試料No.59〜93については430℃のKNO溶融塩(Naイオン濃度が20000ppmとなるようにNaNOを添加したKNO溶融塩)中に4時間浸漬することにより、イオン交換処理を行った。イオン交換処理後に各試料の表面を洗浄した。続いて、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から表面の圧縮応力層の圧縮応力値(CS)と厚み(DOL)を算出した。算出に当たり、試料No.1〜58の屈折率を1.51、光学弾性定数を30[(nm/cm)/MPa]とし、試料No.59〜93の屈折率を1.50、光学弾性定数を31[(nm/cm)/MPa]とした。
表1〜16から明らかなように、各試料について、KNO溶融塩でイオン交換処理を行ったところ、その表面の圧縮応力層の圧縮応力値は531MPa以上、厚みは25μm以上であった。そして、クラックレジスタンスが高いため、表面に傷が付き難く、また強化後切断、特に強化後スクライブ切断に好適であると考えられる。
表5〜表7に記載の試料No.25〜39のガラス組成になるように、各ガラス原料を調合、溶融、清澄後に、得られた溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー法で板状に成形して、板厚0.7mmのガラス板を得た。得られたガラス板について、4000ルクスの光を照射して、表面傷の有無を目視にて観察した。その結果、得られたガラス板には、長さ10mm以上の表面傷が確認されなかった。
このガラス板を、AgNOを適量添加したKNO溶融塩に浸漬すれば、抗菌機能付き強化ガラス板を得ることができる。
試料No.93の組成を用いて抗菌機能付き強化ガラス板を作成した。
まず、実施例1と同様の方法を用いて試料No.93の組成を有するガラス板を用意した。次いで、表17に示す条件で強化処理と抗菌処理を同時に実施した。なお試料No.93−1及びNo.93−3は、KNO 99.984質量%、AgNO 0.016質量%の混合溶融塩、No.93−2及びNo.93−4は、KNO 99.984質量%(NaNOを添加なし)、AgNO 0.016質量%の混合溶融塩(Naイオン濃度が10000ppmとなるようにNaNOを添加したもの)を使用した。得られた試料(No.93−1〜No.93−4)について抗菌性試験、光透過率、圧縮応力値及び圧縮応力層の厚みを評価した。結果を表17に示す。
表17から明らかなように、試料No.93−1〜No.93−4は、圧縮応力値が761MPa以上、圧縮応力層の厚みが37μm以上であった。また各試料とも大腸菌及び黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値が2.0以上であり、抗菌機能を有することが確認された。さらに何れの試料も測定波長400nm及び550nmにおける光透過率が板厚0.7mmで90%以上であり、AgNO無添加のKNO溶融塩で処理した試料と同等であることを確認した。
なお圧縮応力層の圧縮応力値と厚みは、表面応力計(株式会社東芝製FSM−6000)にて測定した。
抗菌試験は、JIS Z 2801 2010に従い、大腸菌と黄色ぶどう球菌について試験した。抗菌活性値RはLog(無加工試験片の生菌数/各板ガラスの生菌数)として計算した。無加工試験片はポリエチレンフィルムを用いた。
光透過率は、UV3100PC(株式会社島津製作所製)を用い、スリット幅2.0nm、サンプリングピッチ0.1nm、スキャン−低速、試料板厚0.7mmの条件で測定した。
本発明の抗菌機能付き強化ガラス及び強化ガラス板は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA等のカバーガラス、或いはタッチパネルディスプレイ等のガラス基板として好適である。また、本発明の抗菌機能付き強化ガラス及び強化ガラス板は、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、太陽電池用カバーガラス、固体撮像素子用カバーガラス、食器への応用が期待できる。

Claims (16)

  1. 抗菌性金属イオンが拡散した圧縮応力層を表面に有する強化ガラスであって、ガラス組成として、モル%で、SiO 50〜80%、Al 5〜30%、LiO 0〜2%、NaO 5〜25%であり、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しないことを特徴とする抗菌機能付き強化ガラス。
  2. 抗菌性金属イオンがAgイオンであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  3. 密度が2.45g/cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  4. 強化処理前のクラックレジスタンスが300gf以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  5. 圧縮応力層の圧縮応力値が300MPa以上、且つ圧縮応力層の厚みが10μm以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  6. 液相温度が1200℃以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  7. 液相粘度が104.0dPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  8. 104.0dPa・sにおける温度が1300℃以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  9. 30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数が95×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の強化ガラスからなることを特徴とする抗菌機能付き強化ガラス板。
  11. 強化後スクライブ切断されてなることを特徴とする請求項10に記載の抗菌機能付き強化ガラス板。
  12. 長さ寸法が500mm以上、幅寸法が300mm以上、厚みが0.5〜2.0mmであり、圧縮応力層の圧縮応力値が300MPa以上、圧縮応力層の厚みが10μm以上であることを特徴とする請求項10又は11に記載の抗菌機能付き強化ガラス板。
  13. オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス板。
  14. 表面傷が存在しないか、或いは表面傷が存在する場合、長さ10μm以上の表面傷が120個/cm以下であることを特徴とする請求項10〜13の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス板。
  15. タッチパネルディスプレイ、携帯電話のカバーガラス、又はディスプレイの保護部材に用いることを特徴とする請求項10〜14の何れか一項に記載の抗菌機能付き強化ガラス板。
  16. ガラス組成として、モル%で、SiO 50〜80%、Al 5〜30%、LiO 0〜2%、NaO 5〜25%であり、実質的にAs、Sb、PbO、及びFを含有しないガラスからなるガラス板を、KNO及びAgNOを含む溶融塩中に浸漬することにより、抗菌性金属イオンが拡散した圧縮応力層をガラス表面に形成することを特徴とする抗菌機能付き強化ガラス板の製造方法。
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