まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、複数種類の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、複数種類の記号を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、複数種類の記号を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、複数種類の記号を可変表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、0〜9、00〜99等の数字やアルファベット等の文字を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施例では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
装飾LED25(向かって右側)の下方位置には、起動時(停電復旧時)において後述する確変フラグがセットされている高確状態であるときに点灯されることで高確状態であることを報知する高確報知LED24が設けられている。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作部50が設けられている。図1(b)に示すように、操作部50には、遊技者が押圧操作することが可能とされ、内部にLED50bを内在することで点灯可能な透明樹脂部材から成る押圧操作部49が設けられている。なお、押圧操作部49の下方には、押圧操作部49の押圧操作を検出するための操作スイッチ50aが設けられている(図3参照)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタや確変フラグの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータ(進行状態データ)と定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報や、確変状態や時短状態等の遊技状態の発生を示す情報や、高確報知LED24が点灯されているときに出力され、起動時(停電復旧時)において高確状態であることを示す情報(起動高確情報)等の情報出力信号をホールコンピュータや、パチンコ遊技機1の上方位置にパチンコ遊技機1に対応して設置されている呼び出しランプ(図示略)等の外部装置に対して出力する情報出力回路53も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25や、高確報知LED24に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPU101は、入出力ポート106を介して操作部50に接続されており、該入出力ポート106を介して操作部50内のLED50bを駆動する信号を出力するとともに、操作部50内の操作スイッチ50aから遊技者の押圧操作に応じて出力される操作信号が入力される。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
尚、CPU56は、これら電力供給停止前の遊技状態を示すデータのうち、確変フラグがセットされているか否かを判定し、確変フラグがセットされている場合には、高確報知LED24を点灯させるための高確報知フラグをセットする高確報知フラグ設定処理を実施する(ステップS42+)。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、高確報知LED24の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行し、高確報知LED24については、高確報知フラグがセットされているときに高確報知LED24を点灯する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、起動高確情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。尚、起動高確情報は、高確報知フラグがセットされていることに応じて情報出力回路53から、パチンコ遊技機1の上方位置に設けられている図示しない呼び出しランプに対して出力される。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、図7(b)に示すように、後述する確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.1秒間の開放を15回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、確変大当りBとは、図7(b)に示すように、確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.1秒間の開放を15回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(但し、大当り遊技後の遊技状態は時短状態にはならない、つまり、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立しにくい状況となり、始動条件の成立状況は通常状態と共通であるため、見た目上は通常状態と変わらない)。つまり、この実施例では、確変大当りBと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が15回行われると、確変状態に移行する確変大当りBであるか、確変状態に移行しない小当りであるかを識別できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施例では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合にも、再変動が3回行われる。
また、図6に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図6に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合にも、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図6に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施例では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、確変大当りBや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
ここで、非リーチPA1−3および特殊PG1−2にもとづく変動演出の具体例を、図52を用いて説明する。なお、図52では、紙面左上から紙面右下に、(A)、(B)、(C)、(D)…の順に、演出表示装置9の表示画面が遷移する。
図52は、非リーチPA1−3および特殊PG1−2にもとづく変動演出態様を示している。まず、図52(A)に示すように、可変表示が開始された後、左図柄である例えば「3」が左表示エリアに停止され(図52(B)参照)、次いで右図柄である例えば「4」が右表示エリアに仮停止表示(例えば図柄が揺れている状態等)された後(図52(C)参照)、右図柄が再度変動を開始して(所謂「滑り」)(図52(D)参照)、右表示エリアに右図柄である例えば「4」が再度仮停止表示される(図52(E)参照)。そして中図柄である例えば「3」が中表示エリアに停止表示される(図52(F)参照)。
そして、この状態で、全ての図柄が画面右上に縮小表示されるとともに、戦闘機が画面右上から左下に向けて通過する(図52(G1)参照)。次いで、今度は戦闘機が画面左上から右下に向けて通過し(図52(G2)参照)、さらに2機の戦闘機が同時に画面左上および右上から斜め下方に向けて通過する(図52(G3)参照)。そして、最後は図柄が縮小表示されたまま画面中央に「?」が表示され、確変大当りB、小当り、はずれのいずれかが発生した旨が示唆される。
このように、非リーチPA1−3および特殊PG1−2にもとづく変動演出態様は図52(A)〜(G4)に示すように同じであるが、詳しくは、非リーチPA1−3においては、図52(A)〜(G4)までが一連の変動パターンであって、この一連の特図変動時間は17.75秒(図6参照)とされているのに対し、特殊PG1−2においては、図52(A)〜(F)までが一連の変動パターンであり、この一連の特図変動時間が11.75秒(図6参照)とされ、図52(G1)〜(G4)は、大当り遊技状態または小当り遊技状態(大入賞口開放制御中)において行われる大当りまたは小当り演出であり、この大入賞口開放制御時間が約6秒間とされている。すなわち、非リーチPA1−3における特図変動時間T1と、特殊PG1−2における特図変動時間T2と大入賞口開放制御時間T3とを合算した時間と、が同じとされている{T1(17.75秒)=T2(11.75秒)+T3(6秒)}。
具体的には、非リーチPA1−3においては、図52(G1)〜(G3)の間は右図柄である「4」は仮停止表示状態であり、最終的に図52(G4)において停止表示されるのに対し、特殊PG1−2においては、図52(G1)以降は右図柄である「4」は停止表示されている、つまり図52(G1)の時点で変動表示は停止されているが、図柄が縮小表示されているとともに、戦闘機が通過する動きがあることにより、遊技者に対して見た目上同じ演出が行われているように見せることができる。
次に、非リーチPA1−4および特殊PG1−3にもとづく変動演出の具体例を、図53を用いて説明する。
図53は、非リーチPA1−4および特殊PG1−3にもとづく変動演出態様を示している。まず、図53(A)に示すように、可変表示が開始された後、左図柄である例えば「3」が左表示エリアに停止され(図53(B)参照)、次いで右図柄である例えば「5」が右表示エリアに停止表示された後(図53(C)参照)、中図柄である例えば「5」が中表示エリアに停止表示されると同時に、左・中・右図柄が仮停止表示状態(例えば図柄が揺れている状態等)となる(図53(D)参照)。
そして、左・中・右図柄が再度変動を開始し(所謂「擬似連」)、図53(A)〜(D)と同様の変動を繰り返して仮停止表示された後(図53(E)(F)参照、擬似連1回目)、再度変動を開始し、図53(A)〜(D)と同様の変動を繰り返して仮停止表示される(図53(G)(H)参照、擬似連2回目)。
そして、この状態で、全ての図柄が画面右上に縮小表示されるとともに、戦闘機が画面右上から左下に向けて通過する(図53(I1)参照)。次いで、今度は3機の戦闘機が画面右上から左下に向けて通過し(図53(I2)参照)、さらに7機の戦闘機が画面右上から左下に向けて通過する(図53(I3)参照)。そして、最後は図柄が縮小表示されたまま画面中央に「?」が表示され、確変大当りB、小当り、はずれのいずれかが発生した旨が示唆される。
このように、非リーチPA1−4および特殊PG1−3にもとづく変動演出態様は図53(A)〜(I4)に示すように同じであるが、詳しくは、非リーチPA1−4においては、図53(A)〜(I4)までが一連の変動パターンであって、この一連の特図変動時間は21.50秒(図6参照)とされているのに対し、特殊PG1−3においては、図53(A)〜(H)までが一連の変動パターンであり、この一連の特図変動時間が15.50秒(図6参照)とされ、図53(I1)〜(I4)は、大当り遊技状態または小当り遊技状態(大入賞口開放制御中)において行われる大当りまたは小当り演出であって、この大入賞口開放制御時間が約6秒間とされている。すなわち、非リーチPA1−4における特図変動時間T1と、特殊PG1−3における特図変動時間T2と大入賞口開放制御時間T3とを合算した時間と、が同じとされている{T1(21.50秒)=T2(15.50秒)+T3(6秒)}。
具体的には、非リーチPA1−4においては、図53(I1)〜(I3)の間は左・中・右図柄は全て仮停止表示状態であり、最終的に図53(I4)において停止表示されるのに対し、特殊PG1−3においては、図53(I1)以降は全ての図柄は停止表示されている、つまり図53(I1)の時点で変動表示は停止されているが、図柄が縮小表示されているとともに、戦闘機が通過する動きがあることにより、遊技者に対して見た目上同じ演出が行われているように見せることができる。
このように本実施例では、確変大当りBまたは小当りの当選時に選択される複数の変動パターン(特殊PG1−1〜3、2−1〜2)のうちの2つの変動パターン(特殊PG1−2,1−3)の演出態様および確変大当りB遊技状態/小当り遊技状態において実行される演出態様からなる一連の演出態様が、はずれの時に選択される複数の変動パターンのいずれか(非リーチPA1−3,4)の演出態様と同じとされているため、図52、図53に示す変動が行われた場合、非リーチPA1−3,4または特殊PG1−2,3のいずれの変動パターンにもとづく演出態様であるかを特定することを困難とすることができる。言い換えると、非リーチPA1−3,4、特殊PG1−2,3にもとづく変動パターンは、確変大当りB、小当り、はずれのいずれの場合にも選択される変動パターンであるため、確変大当りBや小当りが発生した場合でも、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者に悟られ難くでき、その結果、確変大当りBや小当りのみを発生させる場合に比較して、確変大当りBが発生に伴って遊技状態が確変状態に移行していることを、より一層、遊技者に悟られ難くできるようになっている。
なお、この実施例では、非リーチPA1−3および特殊PG1−2、非リーチPA1−4および特殊PG1−3のみが変動演出態様が同じ変動パターンとされていたが、他の変動パターンにおいても、はずれ時と確変大当りBまたは小当り時とで同じ変動パターンを設定してもよい。
また、この実施例では、はずれ時において、確変大当りBまたは小当り時に選択される複数の変動パターンのうち、いずれかと同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしていたが、必ずしも同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしなくてもよい。すなわち、はずれ時において確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンと同じ演出態様の変動パターンが選択されなくても、特殊PG1−1〜3、2−1〜2を、確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンとしていることで、特殊PG1−1〜3、2−1〜2のいずれかの変動パターンが選択された場合、少なくとも遊技者が確変大当りBの発生を特定することは困難となるため、確変大当りBが発生してその後の遊技状態が確変状態に移行することを遊技者に悟られないようにすることができる。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
(6)ランダム6(MR6):確変大当りBまたは小当りの種類(種別)を決定する(当り種別判定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−0と、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数および(6)の当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図8(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図8(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図8(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
つまり、第1特別図柄表示器8aの変動表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示器8bの変動表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1330(低確時)、1/133(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図8(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して28個の判定値が割り当てられ(40分の28の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して12個の判定値が割り当てられている(40分の12の割合で確変大当りBと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りB」となる確率は「確変大当りA」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図8(d)に示すように、第2特定遊技状態としての15ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、ラウンド数が多い第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、図7(b)に示すように、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を78回終了するまで(始動回数が78回となるまで)確変状態が継続する。ただし、時短状態は、大当り終了後、変動表示を70回終了したとき(始動回数が70回となってとき)に終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を78回終了するまで(始動回数が78回となるまで)継続される。従って、この実施例では、大当り終了後、70回目の変動表示を終了してから78回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみとされ、高ベース状態とはならない(高確低ベース状態である)。
「確変大当りB」とは、図7(b)に示すように、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短い15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を所定回数(本実施例では78回)終了するまで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を78回終了するまで継続される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、78回目の変動表示を終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く(高速開放)、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、図7(b)に示すように、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ15回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の15回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
大当り種別判定テーブル131aには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当りA」、「確変大当りB」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8(e)は、ROM54に記憶されている確変大当りB種別判定テーブル131bを示す説明図である。確変大当りB種別判定テーブル131bは、大当り種別判定テーブル131aを用いた判定で、大当りの種別が確変大当りBに決定され、その時点の遊技状態が低確状態である場合において、確変大当りBの種別を確変大当りB1、確変大当りB2、確変大当りB3のいずれかに決定するために用いられるテーブルである。
具体的には、確変大当りB種別判定テーブル131bには、確変大当りB1、確変大当りB2、確変大当りB3のそれぞれに対応して、ランダム6(MR6)の判定値が記憶されており、大当りの種別が確変大当りBに決定された際に抽出されたランダム6(MR6)の値が該当する種別に決定される。
尚、この実施例では、「確変大当りB1」に対して10個の判定値が割り当てられ(100分の10の割合で確変大当りB1と決定される)、「確変大当りB2」に対して35個の判定値が割り当てられている(100分の35の割合で確変大当りB2と決定される)、「確変大当りB3」に対して55個の判定値が割り当てられており(100分の55の割合で確変大当りB3と決定される)、「確変大当りB3」>「確変大当りB2」>「確変大当りB1」の順で多く決定されるようになっている。
尚、図7(b)に示すように、確変大当りB1は、大当り状態の終了後においてはずれの変動パターンの種別決定に使用するテーブルを変更する使用テーブル変更始動回数が10回とされる確変大当りBであり、確変大当りB2は使用テーブル変更始動回数が20回とされる確変大当りBであり、確変大当りB3は使用テーブル変更始動回数が30回とされる確変大当りBであり、確変大当りB1、確変大当りB2、確変大当りB3は、使用テーブル変更始動回数が異なるのみで、該使用テーブル変更始動回数以外の内容は全て同一とされている。
よって、確変大当りBとなる場合には、使用テーブル変更始動回数の多い確変大当りB3が決定され易く、使用テーブル変更始動回数の少ない確変大当りB1が決定され難くなっており、各種別に対する割り当て比率(10/100,35/100,55/100)と使用テーブル変更始動回数(10,20,30)とのそれぞれの積を合計することで得られる使用テーブル変更始動回数の期待値としては、確変大当りBでは24.5回である。
また、高確状態において確変大当りBが決定された場合には、時短状態に移行して、該時短状態に対応した短縮の変動パターン種別を決定可能とされた変動パターン種別判定テーブルが使用されるので、確変大当りBの種別の決定は行わないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変大当りBの種別の決定を低確状態と同様に実施するものの、これら決定された種別に対応する使用テーブル変更始動回数にかかわらずに、時短状態に対応した短縮の変動パターン種別を決定可能とされた変動パターン種別判定テーブルを使用するようにしても良い。
図8(f)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブル131cを示す説明図である。小当り種別判定テーブル131cは、小当り判定テーブル130b,130cを用いた判定で、小当りに決定され、その時点の遊技状態が低確状態である場合において、小当りの種別を小当りA、小当りB、小当りCのいずれかに決定するために用いられるテーブルである。
具体的には、小当り種別判定テーブル131cには、小当りA、小当りB、小当りCのそれぞれに対応して、ランダム6(MR6)の判定値が記憶されており、小当りに決定された際に抽出されたランダム6(MR6)の値が該当する種別に決定される。
尚、この実施例では、「小当りA」に対して65個の判定値が割り当てられ(100分の65の割合で小当りAと決定される)、「小当りB」に対して30個の判定値が割り当てられている(100分の30の割合で小当りBと決定される)、「小当りC」に対して5個の判定値が割り当てられており(100分の5の割合で小当りCと決定される)、「小当りA」>「小当りB」>「小当りC」」の順で多く決定されるようになっている。
尚、図7(b)に示すように、「小当りA」は、小当り状態の終了後においてはずれの変動パターンの種別決定に使用するテーブルを変更する使用テーブル変更始動回数が10回とされる小当りであり、「小当りB」は使用テーブル変更始動回数が20回とされる小当りであり、「小当りC」は使用テーブル変更始動回数が30回とされる小当りであり、小当りA、小当りB、小当りCは、使用テーブル変更始動回数が異なるのみで、該使用テーブル変更始動回数以外の内容は全て同一とされている。
よって、小当りとなる場合には、使用テーブル変更始動回数の少ない小当りAが決定され易く、使用テーブル変更始動回数の多い小当りCが決定され難くなっており、各種別に対する割り当て比率(65/100,30/100,5/100)と使用テーブル変更始動回数(10,20,30)とのそれぞれの積を合計することで得られる使用テーブル変更始動回数の期待値としては、小当りでは14.0回である。
尚、高確状態において小当りに決定された場合には、遊技状態が変化せずに高確状態を維持するとともに、該高確状態に移行する契機となった確変大当りAまたは確変大当りBにおいて決定された確変回数や使用テーブル変更始動回数が既に存在するので、小当りの種別の決定は行わないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら小当りの種別の決定を低確状態と同様に実施するものの、これら決定された種別に対応する使用テーブル変更始動回数を無効として、該高確状態に移行する契機となった確変大当りBにおいて決定された使用テーブル変更始動回数を優先させる(有効とする)ようにしても良い。
また、この実施例では、確変大当りBとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の多い種別が決定され易く、小当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない種別が決定され易くしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、確変大当りBとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない種別が決定され易く、小当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の多い種別が決定され易くしても良い。
また、この実施例では、確変大当りBと小当りとで異なる確変大当りB種別判定テーブル131bと小当り種別判定テーブル131cとを使用することにより、確変大当りBとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の多い種別が決定され易く、小当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない種別が決定され易くすることで、これら使用テーブル変更始動回数の違いにより、確変大当りBや小当りの発生直後の遊技状態が、高確(確変)状態であるか否かを遊技者が推定し易くしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変大当りBと小当りとで、例えば、各使用テーブル変更始動回数に判定値がほぼ均等に割り当てられた同一の種別判定テーブルを用いるようにして、確変大当りBであるか小当りであるかの当りの種別にかかわらずに、使用テーブル変更始動回数を複数種類の使用テーブル変更始動回数(10回、20回、30回)のうちから決定するようにしても良く、このようにすることにより、確変大当りBや小当りの発生直後の遊技状態が、高確(確変)状態であるか否かを遊技者が推定し難くすることにより、遊技機の興趣を向上させるようにしても良い。
また、この実施例では、確変大当りBや小当りの種別を決定することにより、付与する使用テーブル変更始動回数を決定するようにしているが、これら確変大当りBや小当りの種別を決定せずに、付与する使用テーブル変更始動回数を、例えば、確変大当りBで決定可能な使用テーブル変更始動回数範囲である21〜30の範囲内から抽出して決定する一方、例えば、小当りで決定可能な使用テーブル変更始動回数範囲である11〜20の範囲内から抽出して決定するようにしても良い。
図9(a)は、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
これら判定値の数としては、図9(a)に示すように、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、確変大当りAとなる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図9(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図9(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組み合わせ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組み合わせ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
図10(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Dを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
このうち、図10(a)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aを示している。また、図10(b)は、遊技状態が時短状態であるか或いは合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bを示している。また、図10(c)は、確変大当りB或いは小当りが発生した後、変動回数(始動回数)が該発生した確変大当りBまたは小当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において、合算保留記憶数にかかわらずに用いられる、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cを示している。また、図10(d)は、確変大当りBが発生した後、変動回数(始動回数)が、該発生した確変大当りBの種別に応じた使用テーブル変更始動回数となってから確変回数である78回となるまでの期間において、合算保留記憶数にかかわらずに用いられる、はずれ用変動パターン種別判定テーブルD135dを示している。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Dには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−0〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(a)〜(d)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(a)示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
また、図10(c)示す使用テーブル変更始動回数までの期間用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cにおいては、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、スーパーCA2−8に対して割り当てられている判定値は、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135aと同一であるが、変動時間の長いスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含むスーパーCA2−7に対して割り当てられている判定値が、110〜250(通常用では230〜250)とされ、通常用よりも多く設定されているとともに、スーパーリーチに比較して変動時間の短い各種ノーマルリーチの演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5に対して割り当てられている判定値が、100〜104(通常用では100〜169)、105〜109(通常用では170〜229)とされ、通常用よりも少なく設定されていることで、変動時間の長いスーパーリーチが多く発生し、変動時間の平均時間が通常よりも長くなる。
尚、変動時間の平均時間は、それぞれの変動パターン種別に含まれる各変動パターンの変動時間に図12に示す判定値の割り当て数に基づく決定比率(例えば、非リーチPA1−0であれば750/997、非リーチPA2−1であれば997/997等)を乗じた値を合算した各変動パターン種別毎の平均変動時間に、各変動パターン種別のランダム2の判定値の割り当て数に基づく決定比率(例えばスーパーCA2−7であれば141/251)乗じた値を合算した値が平均変動時間であり、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCとはずれ用変動パターン種別判定テーブルAでは、それぞれのテーブルに含まれる変動パターン種別が同一であるので、各種別毎の平均変動時間が同一であるため、それぞれのテーブルにおけるランダム2の判定値の割り当ての違いのみ、つまりノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−7の判定値の割り当ての違いにより平均変動時間の違いが生じることになり、それぞれの変動パターン種別の平均変動時間は、ノーマルCA2−4<ノーマルCA2−5<スーパーCA2−7であるので、平均変動時間の長いスーパーCA2−7に対して判定値の割り当て数が多く、平均変動時間の短いスーパーCA2−4やノーマルCA2−5に対して判定値の割り当て数が少ないはずれ用変動パターン種別判定テーブルCの方が、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAよりも変動時間が長くなる。また、当然ながら、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAよりも変動時間が短いはずれ用変動パターン種別判定テーブルBよりも、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCの方が変動時間が長くなる。
このように、はずれのスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含むスーパーCA2−7に対して割り当てられている判定値を通常よりも高めることで、確変大当りBが発生することによる高確状態においてスーパーリーチの信頼度が非常に高くなってしまい、興趣が低下してしまうことを防止できる。
つまり、確変大当りBが発生した場合には、大当りと判定される確率が、1/399から1/40に約10倍に高められ、これら大当りと判定された場合には、スーパーリーチの変動パターンが多く決定されるので、当りのスーパーリーチの発生確率が、低確状態の場合に比較して非常に高くなる、つまりは、スーパーリーチが発生した場合に、大当りとなる確率(信頼度)が非常に高くなってしまい、遊技者は、これらスーパーリーチが発生したときにはほぼ確実に大当りとなると解ってしまうことになり、興趣が低下してしまうのに対し、この実施例のように、確変大当りBの発生後において、はずれのスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含むスーパーCA2−7に対して割り当てられている判定値を多くしたはずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cを用いることで、スーパーリーチの信頼度が非常に高くなってしまうことを回避できるので、これらスーパーリーチの信頼度が非常に高くなることによる興趣の低下を防止できる。
尚、この実施例では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cにおいては、スーパーリーチCの演出を伴わない演出パターンを含むスーパーCA2−7に対する判定値を多くする一方、スーパーリーチCの演出を伴う演出パターンを含むスーパーCA2−8に対する判定値を、通常と同一とすることで、スーパーリーチCの信頼度が、通常の場合と同じ、高い信頼度に維持されるようになっている。
つまり、この実施例では、スーパーリーチCは、確変大当りAに決定されたときにおいては、後述する図11(a)の当り変動パターン判定テーブル137aに示すように、901〜997の範囲の判定値が割り当てられていることにより、1/399(大当り決定割合)×172/251(スーパーCA3−3が決定される割合)×97/997(スーパーリーチCに決定される割合)の確率にて発生する一方、はずれの場合においては、398/399(はずれの決定割合)×1/251(スーパーCA2−8が決定される割合)×1/997(スーパーリーチCに決定される割合)の確率にて発生する。すなわち、当りの場合のスーパーリーチCは、はずれの場合のスーパーリーチCに比較して42.3倍も発生し易く、スーパーリーチCの信頼度(当りのスーパーリーチCの発生確率/(当りのスーパーリーチCの発生確率+はずれのスーパーリーチCの発生確率))は、97、7%である。
また、スーパーリーチAは、確変大当りAに決定されたときにおいては、1/399(大当り決定割合)×172/251(スーパーCA3−3が決定される割合)×408/997(スーパーリーチAに決定される割合)の確率にて発生する一方、はずれの場合においては、398/399(はずれの決定確率)×22/251(スーパーCA2−7とスーパーCA2−8が決定される確率)×608/997(スーパーリーチあに決定される確率)の確率にて発生するので、スーパーリーチAの信頼度は、1.3%である。
また、スーパーリーチBは、確変大当りAに決定されたときにおいては、1/399(大当り決定割合)×172/251(スーパーCA3−3が決定される割合)×492/997(スーパーリーチBに決定される割合)の確率にて発生する一方、はずれの場合においては、398/399(はずれの決定割合)×22/251(スーパーCA2−7とスーパーCA2−8が決定される割合)×389/997(スーパーリーチBに決定される確率)の確率にて発生するので、スーパーリーチBの信頼度は、2.4%である。
このように、スーパーリーチCのはずれの発生確率にかかわるスーパーCA2−8に対する判定値が変化せず、スーパーリーチCよりも信頼度の低いスーパーリーチAやスーパーリーチBのはずれの発生確率にかかわるスーパーCA2−7に対する判定値を増加させることは、スーパーリーチCの高信頼度を維持しつつ、はずれのスーパーリーチA、Bの発生頻度を増加させることにより、当りのスーパーリーチの信頼度が非常に高くなってしまうことを防止できるが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーCA2−8に対する判定値の割り当てを、例えば、確変において大当りと判定される確率の増加分である10倍程度増加させて、はずれにおけるスーパーリーチCの発生頻度を増加させることで、高確時において、スーパーリーチCの信頼度を低確時とほぼ同様となるようにしても良い。
また、この実施例では、使用テーブル変更始動回数までの期間用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cにおいては、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5に対する判定値を減少して、スーパーCA2−7に対する判定値の割り当てを増加するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5に対する判定値を減少させずに、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2に対する判定値の割り当てを減少させるようにしたり、或いは、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5のそれぞれの判定値をほぼ均等に減少させるようにしても良い。
尚、この実施例では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cにおいては、非リーチCA2−0に対して判定値を割り当てていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動時間の平均が、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA135a(通常用)の変動時間の平均よりも短くならない範囲で非リーチCA2−0に対して判定値を割り当てることで、これらはずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cが使用される使用テーブル変更始動回数までの期間においても、超短縮の変動パターンや短縮の変動パターンが実施されるようにしても良い。
また、図10(d)示す使用テーブル変更始動回数以降から確変回数までの期間用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルD135dにおいては、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、スーパーCA2−8に対して割り当てられている判定値が、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bと同一とされているが、該短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルD135bにおいては、非リーチCA2−3に代えて、非リーチCA2−0に対して同一の判定値が割り当てられている。
つまり、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bにおける非リーチCA2−3では、図12に示すように、超短縮(1.25秒)の変動パターンである非リーチPA1−0に対して「1〜500」の判定値が割り当てられ、短縮(2.5秒)の変動パターンである非リーチPA1−2に対して「501〜997」の判定値が割り当てられているのに対し、はずれ用変動パターン種別判定テーブルD135dにおける非リーチCA2−0では、超短縮(1.25秒)の変動パターンである非リーチPA1−0に対して「1〜750」の判定値が割り当てられ、短縮(2.5秒)の変動パターンである非リーチPA1−2に対して「751〜997」の判定値が割り当てられている。すなわち、はずれ用変動パターン種別判定テーブルD135dでは、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bよりも、超短縮(1.25秒)の変動パターンが決定され易くなっており、変動時間の平均時間が、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bの変動時間の平均時間よりも短縮される。
よって、後述するように、確変大当りBが発生した場合には、確変大当りBの種別に応じた使用テーブル変更始動回数まで、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cが使用されることで、変動時間の短い超短縮の変動パターンが全く発生せずに変動時間の長いスーパーリーチが発生し易く、変動時間の平均時間が通常の変動時間よりも長くなるとともに、使用テーブル変更始動回数から確変回数(78回)までの期間では、保留記憶数にかかわらずに、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルBよりも平均変動時間の短いはずれ用変動パターン種別判定テーブルD135dが使用されることで、変動時間の短い超短縮の変動パターンが通常よりも発生し易く、変動時間の長いスーパーリーチが通常と同じ頻度となることで、変動時間の平均時間が通常の変動時間よりも短くなるので、使用テーブル変更始動回数の前後で変動時間の長さが大きく変化する(図55(a)参照)。
また、後述するように、小当りが発生した場合には、小当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数まで、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cが使用されることで、変動時間の短い超短縮の変動パターンが全く発生せずに変動時間の長いスーパーリーチが発生し易く、変動時間の平均時間が通常の変動時間よりも長くなるとともに、使用テーブル変更始動回数以降においては、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA135a或いは、保留記憶数が3以上であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bが使用されることで、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cによる変動時間よりも変動時間の平均時間が短くなるので、使用テーブル変更始動回数の前後で変動時間の長さが大きく変化する(図55(b)参照)。
尚、この実施例では、確変大当りBおよび小当りの発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間、つまり使用テーブル変更始動回数となる前において、変動時間の平均時間を長くし、使用テーブル変更始動回数の後において使用テーブル変更始動回数前よりも変動時間の平均時間を短くするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、確変大当りBおよび小当りの発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において、例えば、超短縮の変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを多くしたり、変動時間の長いスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを少なくする等により変動時間の平均時間を短くし、使用テーブル変更始動回数の後において、超短縮の変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを少なくしたり(或いは通常に戻す)、変動時間の長いスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを多くする(或いは通常に戻す)等により、該使用テーブル変更始動回数前の変動時間の平均時間よりも、変動時間の平均時間を長くするようにしても良い。
なお、図10に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施例では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルA135aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルB135bとの2種類のテーブルを用いた例を示しているが、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施例では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
なお、この実施例では、図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよいし、更には、小当り後に使用テーブル変更始動回数となってから所定回数(例えば30回)の変動表示が実施されるまでは、合算保留記憶数の閾値を1とすることで、該所定回数となるまでの期間については、図10(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが使用されるようにしても良い。
図11(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(b)において、擬似連の演出有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
尚、この実施例のはずれ変動パターン判定テーブル138aでは、前述したように、非リーチCA2−0と非リーチCA2−1とで、非リーチPA1−0(超短縮)と非リーチPA1−02(短縮)との判定値の割り当てが異なっている。
また、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C08(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別や小当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C08(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C08(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施例では、後述する入賞時判定処理(図19参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターン種別となるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターン種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。例えば、この実施例では、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターン種別が非リーチCA2−1となる(非リーチはずれとなる)と判定した場合には、EXTデータに「00(H)」を設定した入賞時判定結果1指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターン種別がスーパーCA2−7およびスーパーCA2−8となる(スーパーリーチはずれとなる)と判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果2指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターン種別がスーパーCA3−3となる(スーパーリーチ大当りとなる)と判定した場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した入賞時判定結果3指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターン種別が非リーチCA2−1となる(非リーチはずれとなる)と判定した場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した入賞時判定結果4指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターン種別がスーパーCA2−7およびスーパーCA2−8となる(スーパーリーチはずれとなる)と判定した場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した入賞時判定結果5指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターン種別がスーパーCA3−3となる(スーパーリーチ大当りとなる)と判定した場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した入賞時判定結果6指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時に変動パターン種別が特殊CA4−2となる(擬似連で確変大当りBまたは小当りとなる)と判定した場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した入賞時判定結果7指定コマンドが送信される。また、例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターン種別が特殊CA4−2となる(擬似連で確変大当りBまたは小当りとなる)と判定した場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した入賞時判定結果8指定コマンドが送信される。さらに、その他、判定した変動パターン種別に応じてEXTデータの値が設定され、入賞判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り開始画面(ファンファーレ画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(確変大当りA開始指定コマンド:ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、大当り遊技の開始を指定するものであるが、大当り遊技であることを特定しにくい大当り開始画面(図52(G1〜G4)、図53(I1〜I4)参照)を表示することを指定する演出制御コマンド(確変大当りB開始指定コマンド:ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、小当り遊技の開始を指定するものであるが、小当り遊技であることを特定しにくい小当り開始画面(図52(G1〜G4)、図53(I1〜I4)参照)を表示することを指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド:ファンファーレ3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りAであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りBであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定するとともに、小当りであったことを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するように構成してもよい。
なお、本実施例では、上記コマンドA002(H)にて指定する大当り開始画面とコマンドA003(H)にて指定する小当り開始画面とは同一の開始画面であり、また、コマンドA302(H)にて指定する大当り終了画面とコマンドA303(H)にて指定する小当り終了画面とは同一画面である。詳しくは、これら大当り/小当り開始画面および大当り/小当り終了画面は、前述した非リーチPA1−3,4の後半において表示される画面(図52(G1)〜(G4)、図53(I1)〜(I4)参照)と同じ態様の表示画面とされており、確変大当りBまたは小当りのいずれが発生したかの特定を困難とするとともに、確変大当りBが発生して遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行した可能性があることを示唆する画面とされている。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変(高確)状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、時短状態が終了したことを通知する演出制御コマンド(時短終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
コマンドB2XX(H)は、確変状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで確変状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(確変回数指定コマンド)である。コマンドB2XX(H)における「XX」が、確変状態の残り回数を示す。
コマンドB3XX(H)は、確変大当りBまたは小当りの種別に対応する使用テーブル変更始動回数(使用テーブル変更始動回数の残り回数)を指定する演出制御コマンド(テーブル変更回数指定コマンド)である。コマンドB3XX(H)における「XX」が、使用テーブル変更始動回数の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生して保留記憶が実施されるごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図13に示す図柄指定コマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かを予告する後述する保留予告を実行する。なお、本実施例では、確変大当りBおよび小当りについての保留予告は実行しない、つまり確変大当りAについての保留予告のみを実行するようになっているので、確変大当りBおよび小当りの発生が保留予告により遊技者に把握され易くなってしまうことを回避できる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取り込みを指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15および図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図17(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図17(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図17(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図18(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図18(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図18(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図18(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図18(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)、および後述するスーパーリーチフラグが記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(ステップS216A)。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御(入賞時判定結果指定コマンドの送信セット)を行うとともに、入賞時判定結果指定コマンドに次いで第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御(第1保留記憶数指定コマンドの送信セット)を行う(ステップS217A)。
次に、図17(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS214B)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図18(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。なお、ステップS214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(ステップS216B)。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時判定結果指定コマンドに次いで第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217B)。
図19は、ステップS216A,S216Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(a)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施例では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別や小当りの種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターン種別となるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、スーパーリーチとなることを予告する保留予告を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のNo)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(a)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(b),(c)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図17(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216A参照)を実行する場合)には、図8(b)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図17(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216B参照)を実行する場合)には、図8(c)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のNo)、CPU56は、その始動入賞に対応する変動表示が実施されるときの遊技状態を判定する処理を行う(ステップS224)。この実施例では、CPU56は、ステップS224において、その始動入賞に対応する変動表示が実施される時点において、時短回数が存在するか否か、確変回数が存在するか否か、使用テーブル変更始動回数が存在するか否かを、その時点の時短回数や確変回数や使用テーブル変更始動回数から、当該始動入賞に対応する変動表示が実施されるまでに実施される変動回数(始動回数)を減算することで判定する。
そして、CPU56は、ステップS224の判定結果に応じて、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを設定する(ステップS225)。具体的には、CPU56は、第1に、時短回数が存在するか否かを判定し、時短回数が存在していない場合には使用テーブル変更始動回数が存在するか否かを判定し、該使用テーブル変更始動回数が存在しない場合には確変回数が存在するか否かを判定する。そして、時短回数が存在すると判定した場合には、図10(b)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(短縮用)135bを設定する。また、使用テーブル変更始動回数が存在すると判定した場合には、図10(c)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cを設定する。また、確変回数が存在すると判定した場合には、図10(d)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルD135dを設定する。また、確変回数も存在しない場合には、図10(a)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルA(通常用)135aを設定する。なお、遊技状態に応じていずれのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135dを用いるかを区別するのではなく、遊技状態等に関係なく、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aを選択して設定するようにしてもよい。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるのではなく、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムを組み込んでおき、閾値より大きいか否かを判定することにより、後述するステップS229で変動パターン種別を判定するようにしてもよい。例えば、この実施例では、図9(a)に示すように、スーパーリーチ大当りとなるスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して80〜251の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値80以上であるか否かを判定し、80以上であればスーパーCA3−4の変動パターン種別となると判定してもよい。また、例えば、この実施例では、図10(a)〜(d)に示すように、スーパーリーチはずれとなるスーパーCA2−7、スーパーCA2−8の変動パターン種別に対して少なくとも230〜251の共通の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値230以上であるか否かを判定し、230以上であればスーパーCA2−7、スーパーCA2−8の変動パターン種別となると判定してもよい。さらに、例えば、この実施例では、図10(a)〜(d)に示すように、非リーチはずれとなる非リーチCA2−1の変動パターン種別に対して1〜79の共通の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値79以下であるか否かを判定し、79以下であれば非リーチCA2−1の変動パターン種別となると判定してもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のYes)、CPU56は、図9(b)に示す確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを設定する(ステップS226)。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図17(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216A参照)を実行する場合)および第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図17(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216B参照)を実行する場合)において、図8(d)に示す大当り種別判定テーブル131を用いて大当り種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」のいずれとなるかを判定する。そして、CPU56は、判定した大当り種別が「確変大当りA」であるか否かを判断する。判定した大当り種別が「確変大当りA」ではない場合、つまり、判定した大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ステップS226に進んで、図9(b)に示す確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを設定する一方、判定した大当り種別が「確変大当りA」である場合には、図9(a)に示す確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aを設定する(ステップS228)。
次いで、CPU56は、ステップS225,S226,S228で設定した変動パターン種別判定テーブルと、ステップS215A,S215Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別を判定する(ステップS229)。
そして、CPU56は、判定した変動パターン種別を入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図17(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS217A参照)を実行する場合)には、ステップS229で「非リーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「00(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「01(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチ大当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「確変大当りB/または小当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「06(H)」を設定する処理を行う。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図17(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS217B参照)を実行する場合)には、ステップS229で「非リーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「03(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「04(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチ大当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「05(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「確変大当りB/または小当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「07(H)」を設定する処理を行う。その他、CPU56は、判定した変動パターン種別に応じた値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図18(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)した後、保留特定領域(図18(A)参照)に設定されている1番目のデータを削除して、2番目以降の各データの順序を1つづつ繰り上げてシフトして(2番目→1番目、3番目→2番目、4番目→3番目…)保留特定領域のデータを更新する(ステップS55−)。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図19に示した入賞時判定処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(低確状態または通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなる(10倍)ように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(a)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(a)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のNo)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(b),(c)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(b)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(c)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(ステップS63)。
次に、当り種別判定用乱数であるランダム6を抽出し、図8(f)に示する小当り種別判定テーブル131cを用いて、該抽出したランダム6の値と一致する値に対応した種別(小当りA」、「小当りB」、「小当りC」)を、小当りの種別として決定する(ステップS64)。
そして、CPU56は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM55における小当り種別バッファに設定した後(ステップS65)、ステップS75に移行する。これら小当り種別バッファには、例えば、小当り種別が「小当りA」の場合には小当り種別を示すデータとして「06」が設定され、小当り種別が「小当りB」の場合には小当り種別を示すデータとして「07」が設定され、小当り種別が「小当りC」の場合には小当り種別を示すデータとして「08」が設定される。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のNo)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当りA」または「確変大当りB」)を大当りの種別に決定する。この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。但し、該決定において「確変大当りB」の種別に決定された場合には、更に、当り種別判定用乱数であるランダム6を抽出し、該抽出したランダム6の値と一致する値に対応した種別(「確変大当りB1」、「確変大当りB2」、「確変大当りB3」)を、確変大当りBの種別として決定する(ステップS73)。
そして、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「確変大当りB1」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「確変大当りB2」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が「確変大当りB3」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別に応じて、種別毎に異なる大当り図柄となる所定の大当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別バッファの設定値から特定される小当り種別に応じて、種別毎に異なる所定の小当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。このように、大当り図柄を複数種類の大当り記号のうちから決定するとともに、小当り図柄を複数種類の小当り記号のうちから決定することで、遊技者に大当りであるか小当りであるかを特別図柄によって特定しにくくすることができる。
なお、本実施例では、遊技球の入賞時において実施される入賞時判定処理(ステップS216A,S216B)において変動パターン種別の決定を行い、特別図柄の変動表示の開始時において大当りか否かの判定および変動パターンの決定を行うが、遊技球の入賞時において大当りか否かの判定を行い、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの決定を行うようにしてもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合にCPU56は、更に、大当り種別バッファに記憶されているデータにより、大当りが確変大当りAであるか否かを判定する(ステップS91’)。
大当りが確変大当りAである場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132a(図9(a)参照)を選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
一方、大当りが確変大当りAでない場合、つまり、確変大当りBである場合には、ステップS94に進んで、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132b(図9(b)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
また、大当りフラグがセットされていない場合にCPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132b(図9(b)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合にCPU56は、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在するか否かを判定する(ステップS95)。使用テーブル変更始動回数に残回数が存在する場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC135cを選択した後(ステップS96)、ステップS102に移行する。
使用テーブル変更始動回数に残回数が存在しない場合には、ステップS97に進んで、遊技状態が、時短フラグがセットされていない低ベース状態であって、確変回数の残回数が存在するか否かを判定する。確変回数の残回数が存在する場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルD135dを選択した後(ステップS986)、ステップS102に移行する。
確変回数の残回数が存在しない場合には、ステップS99aに進んで、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS99aのYes)、CPU56は、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS99aのNo)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS99b)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS99bのNo)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA135a(図10(a)参照)を選択する(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS99aのYes)または合算保留記憶数が3以上である場合(ステップSS99bのYes)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルB135b(図10(b)参照)を選択した後(ステップS100)、ステップS102に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S96,S98,S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137a、137b(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138a(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S101の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
図23は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果8指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りAであるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りAであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が確変大当りAではない、つまり確変大当りBであるときには、確変大当りBの種別に対応して表示結果3指定コマンド(確変大当りB1)、表示結果4指定コマンド(確変大当りB2)、表示結果5指定コマンド(確変大当りB3)、を送信する制御を行う(ステップS114)。なお、確変大当りBであるか否か並びに確変大当りBの種別は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であれば「確変大当りB1」、「04」であれば「確変大当りB2」、「05」であれば「確変大当りB3」であると判定できる。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当りの種別に対応して表示結果6指定コマンド(小当りA)、表示結果7指定コマンド(小当りB)、表示結果8指定コマンド(小当りC)、を送信する制御を行う(ステップS117)。なお、小当りの種別は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で小当り種別バッファに設定されたデータが「06」であれば「小当りA」、「07」であれば「小当りB」、「08」であれば「小当りC」であると判定できる。また、小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS133a)、セットされている場合には、大当り遊技状態において遊技状態を一旦通常状態に移行させるが、後述する大当り終了処理において大当り遊技状態の終了後の遊技状態を決定する際に、大当り前の遊技状態が確変状態であったか否かが判るようにするために、大当り前の遊技状態が確変状態であったことを示す大当り前確変フラグをセットする(ステップS133b)。
次いで、確変フラグや時短フラグや高確報知フラグがあった場合にはそれらをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りAである場合には確変大当りA開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りBである場合には確変大当りB開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りA、確変大当りBのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)および大当り種別に応じた開放時間をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS140では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされている場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値を−1する(ステップS153)。そして、CPU56は、減算後の確変回数カウンタの値にもとづいて確変回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS154)。次いで、CPU56は、減算後の確変回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS155)、確変フラグをリセットするとともに、高確報知フラグがセットされている場合には該高確報知フラグをリセットする(ステップS156)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS157)。
ステップS155において減算後の確変回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合(すなわち、確変・時短状態に制御されている場合)には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値にもとづいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行った後(ステップS143)、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
ステップS145にて時短フラグをリセットした場合、またはステップS140のNo,S141のNo,S144のNoの場合、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば15回)および小当りに対応した開放時間(確変大当りBと同じ開放時間)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、CPU56は、RAM55の所定領域に記憶されている使用テーブル変更始動回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS192)。使用テーブル変更始動回数カウンタの値が0である場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS195)。
一方、使用テーブル変更始動回数カウンタの値が0でない場合には、使用テーブル変更始動回数カウンタの値を1減算する(ステップS193)。そして、CPU56は、減算後の使用テーブル変更始動回数カウンタの値にもとづいてテーブル変更回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行った後(ステップS194)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS195)。
図26は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS157)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットするともに(ステップS158)、終了した大当りの種別が確変大当りBである場合には、確変大当りBの種別に応じた使用テーブル変更始動回数を使用テーブル変更始動回数カウンタにセットするとともに(ステップS160)、該使用テーブル変更始動回数カウンタにセットした値にもとづいてテーブル変更回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS161)。
そして、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、確変大当りAであった場合には確変大当りA終了指定コマンドを送信し、確変大当りBであった場合には小当り/確変大当りB終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りAであるか否かを確認する(ステップS166A)。具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りAであれば、CPU56は、ステップS167に進んで、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットするとともに、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば70回)をセットし(ステップS168)、使用テーブル変更始動回数が使用テーブル変更始動回数カウンタに存在する場合には、該使用テーブル変更始動回数カウンタをリセットした後(ステップS168+)、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS169)。
次いで、CPU56は、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグをセットするとともに(ステップS170)、確変回数をカウントするための確変回数カウンタに所定回数(例えば78回)をセットし(ステップS171)、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
尚、この遊技状態を確変状態に移行させる段階、つまり、起動時以外の遊技中において確変(高確)状態に移行する場合には、起動時において電力供給停止前に確変フラグがセットされている場合と異なり、高確報知フラグをセットしないので、高確報知LED24が点灯されて確変(高確)状態であることが報知されてしまうことがないとともに、起動高確情報が情報出力回路53から出力されて呼び出しランプにより確変(高確)状態であることが報知されてしまうこともない。
また、ステップS166Aにおいて確変大当りBであればステップS166Bに進んで、大当り前確変フラグがセットされているか否かを確認する。大当り前確変フラグがセットされていなければ、ステップS170に進んでステップS170〜173の処理を行う。一方、大当り前確変フラグがセットされていれば、ステップS166Cに進んで、大当り前確変フラグをリセットしてからステップS167〜173の処理を行う。
すなわち、通常状態(低確低ベース状態)において確変大当りBが発生した場合は、使用テーブル変更始動回数と確変回数が更新(セット)され、確変状態(高確低ベース状態)または確変・時短状態(高確高ベース状態)において確変大当りBが発生した場合は、使用テーブル変更始動回数はセットされずに、時短回数および確変回数が更新(セット)される。
なお、この実施例では、ステップS167でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
図27は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS187に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットするともに(ステップS181)、確変フラグがセットされているか否か、つまり、高確(確変)中において発生した小当りであるか否かを判定する。
確変フラグがセットされていない場合には、ステップS183に進んで、小当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数を使用テーブル変更始動回数カウンタにセットするとともに(ステップS183)、該使用テーブル変更始動回数カウンタにセットした値にもとづいてテーブル変更回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS184)。
一方、確変フラグがセットされている場合には、ステップS183、ステップS184を経由することなくステップS185に進む。
つまり、確変フラグがセットされている場合には、該小当りの発生以前に既に確変大当りAまたは確変大当りBが発生したことによる確変回数が既にセットされている状態であるので、これら確変回数が既にセットされている状態を保持することで、確変大当りAまたは確変大当りBから確変回数が終了するまでの確変状態の遊技性を小当りの発生により損なうことがないようにされている。
そして、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS185)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS186)、処理を終了する。
ステップS187では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS188)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS188のY)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS189)。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図29は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。
図30は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図30に示すように、この実施例では、予告演出決定用乱数SR1、予告演出種別決定用乱数SR2、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
予告演出決定用乱数SR1は、大当りとならない場合において予告演出を実施するか否かを決定する、つまり、大当りとならないのに予告演出を実施することを決定する(いわゆるがせ)ための乱数である。
予告演出種別決定用乱数SR2は、予告演出の種別(キャラクタA〜C)を決定するために用いられる乱数である。
ステージ(モード)種別決定用乱数SR3は、大当りまたは小当りとなったときにステージ(モード)を決定するため、及び、変動表示が実施される毎にステージ(モード)を変更するか否か(変更なし、昇格、降格)を決定するために用いられる乱数である。
尚、これらSR1〜SR3の各乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図28に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図30に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図30に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図31に示す図柄変動制御パターンテーブル180を初めとする、各種の予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)が記憶されている。図31に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
なお、図柄変動制御パターン、予告演出制御パターン、各種演出制御パターン各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
これら演出制御パターンは、例えばプロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部発光制御実行データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU101における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU101において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、スピーカ27L、27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
演出制御用CPU101は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様でスピーカ27L、27Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
また、予告演出制御パターンテーブルには、予告演出を実施する際に、予告演出が開始されてから予告演出が終了するまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータ(予告演出制御パターン)が、複数種類の予告パターンのそれぞれに対応して格納されている。各予告演出制御パターンには、図柄変動制御パターンと同じく、予告プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データといった予告演出の演出動作を制御するための複数の制御データ(予告プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
具体的には、キャラクタAのアニメーション画像が表示される予告演出Aに対応付けて、これらキャラクタAのアニメーション画像を表示する時系列データを含むCPY1−1の予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)が記憶され、キャラクタBのアニメーション画像が表示される予告演出Bに対応付けて、これらキャラクタBのアニメーション画像を表示する時系列データを含むCPY1−2の予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)が記憶され、キャラクタCのアニメーション画像が表示される予告演出Cに対応付けて、これらキャラクタCのアニメーション画像を表示する時系列データを含むCPY1−3の予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)が記憶されている。
尚、これら予告演出制御パターンは、変動開示後に予告演出を開始するまでの予告演出開始待ち時間を特定可能とされており、これら特定される予告演出開始待ち時間に基づいて、後述する予告演出開始待ちタイマがセットされるようになっている。
また、本実施例の予告プロセステーブルも、前述した演出図柄の変動演出やリーチ演出を実施するためのプロセステーブルと同じく、予告プロセスタイマ設定値と、各予告プロセスタイマ設定値に対応付けられた各種の予告演出の演出制御の内容を実施するための予告演出制御実行データとから成る予告プロセスデータが、時系列に配列されたものであれば良い。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図32(b)に示す、確変大当りB或いは小当りが発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において使用される予告演出決定テーブルB181bや、図32(c)に示す、確変大当りBが発生した後、変動回数(始動回数)が、使用テーブル変更始動回数となってから確変回数である78回となるまでの期間において使用される予告演出決定テーブルC181cや、図32(a)に示す、上記した期間以外において使用される予告演出決定テーブルA181aや、確変大当りBの終了時においてモード(ステージ)を決定する際に使用される図33(a)に示すモード種別決定用テーブルA182aや、小当りの終了時においてモード(ステージ)を決定する際に使用される図33(b)に示すモード種別決定用テーブルB182bや、確変大当りBが発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図34(a)に示すモード変化決定用テーブルA183aや、確変大当りBが発生して使用テーブル変更始動回数となってから確変回数である78回となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図34(b)に示すモード変化決定用テーブルB183bや、小当りが発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図34(c)に示すモード変化決定用テーブルC183cや、小当りが発生して使用テーブル変更始動回数となってから確変相当回数である78回となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図34(d)に示すモード変化決定用テーブルD183dや、上記したモード変化決定用テーブルA〜Dが使用される期間以外において使用される図34(e)に示すモード変化決定用テーブルE183eが記憶されている。
予告演出決定テーブルA〜Cには、図32に示すように、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値が、演出種別決定用乱数SR2の乱数値範囲である1〜60の内、図32(a)〜(c)に示す判定値数となるように、キャラクタAのアニメーションが演出表示装置9に表示される予告演出A、キャラクタBのアニメーションが演出表示装置9に表示される予告演出B、キャラクタCのアニメーションが演出表示装置9に表示される予告演出Cのそれぞれに対応して、演出表示装置9の表示結果が、最終的に大当りとなる場合とリーチはずれとなる場合とスーパーリーチはずれとなる場合とで個別に設定されている。
尚、この実施例では、図32(a)に示すように、キャラクタAのアニメーションが演出表示装置9に表示される予告演出Aについては、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にリーチはずれとなるリーチはずれ時(30)>スーパーリーチはずれ時(15)>当り時(5)とされていることで、はずれとなる場合には予告演出Aが発生し易いのに対し、キャラクタCのアニメーションが演出表示装置9に表示される予告演出Cについては、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にリーチはずれとなるリーチはずれ時(10)<スーパーリーチはずれ時(25)<当り時(45)とされていることで、当りとなる場合には予告演出Cが発生し易くなっており、これら予告演出Cが発生した場合には、最終的に当りとなる可能性が、予告演出Aや予告演出Bが発生した場合に比較して高いものとなるので、最終的に当りとなる遊技者の期待感を高めることができる。
また、確変大当りB或いは小当りが発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において使用される予告演出決定テーブルB181bにおいては、図32(b)に示すように、リーチはずれ時における判定値数の割り当ては予告演出決定テーブルA181aと同一とされているものの、予告演出Cについてのスーパーリーチはずれ時並びに当り時における判定値の割り当てが多くなっており、スーパーリーチはずれ時並びに当り時には予告演出Cが多く決定されるようになっている。
つまり、確変大当りB或いは小当りが発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間では、前述したようにリーチはずれの発生頻度が少なくなる一方、スーパーリーチはずれの発生頻度が高くなるので予告演出Cが多く発生するようになる。
また、確変大当りB或いは小当りが発生してから使用テーブル変更始動回数となってから確変回数または確変相当回数(小当りの場合)である78回となるまでの期間において使用される予告演出決定テーブルC181cにおいては、図32(c)に示すように、当り時における判定値数の割り当ては予告演出決定テーブルB181bと同一とされているものの、予告演出Bについてのリーチはずれ時とスーパーリーチはずれ時における判定値の割り当てが多くなっており、はずれ時には予告演出Bが多く決定されるようになっている。
つまり、使用テーブル変更始動回数から確変回数または確変相当回数までの期間においては、使用テーブル変更始動回数前に比較して予告演出Bが高頻度で発生する。
よって、確変大当りB或いは小当りが発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間においては、予告演出Cが発生し易く予告演出Bが発生し難いのに対し、使用テーブル変更始動回数となってから確変回数または確変相当回数までの期間においては、使用テーブル変更始動回数前に比較して予告演出Cが発生し難く予告演出Bが発生し易くなり、使用テーブル変更始動回数の前後において予告演出Cや予告演出Bの発生状況が大きく変化するようになっている。
尚、確変相当回数とは、確変状態に移行しない小当りが発生したときに設定(セット)される回数であり、確変大当りBが発生した場合に設定(セット)される確変回数に相当する期間を特定可能とするための回数である。
モード種別決定用テーブルA182aやモード種別決定用テーブルB182bには、図33に示すように、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3と比較される判定値が、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の乱数値範囲である1〜100の内、図33(a)、(b)に示す判定値数となるように、明るい昼状態の背景(昼ステージ)が演出表示装置9における背景画像として表示されるモードである昼モードと、やや暗い夕暮れ状態の背景(昼ステージ)が演出表示装置9における背景画像として表示されるモードである夕暮れモードと、暗い夜状態の背景(夜ステージ)が演出表示装置9における背景画像として表示されるモードである夜モードのそれぞれに対応して、確変大当りB或いは小当りの種別毎に個別に設定されている。なお、図33における各数値は、判定値の数を示している。
モード種別決定用テーブルA182aは、確変大当りBである場合に使用されて確変大当りBの遊技状態終了後のモードが昼モード、夕暮れモード、夜モードのいずれかに決定される一方、モード種別決定用テーブルB182bは、小当りである場合に使用されて小当りの遊技状態終了後のモードが昼モード、夕暮れモード、夜モードのいずれかに決定される。
この実施例のモード種別決定用テーブルA182aは、図33(a)に示すように、確変大当りB1〜B3のいずれにおいても、判定値数が昼モード<夕暮れモード<夜モードの順とされており、夜モードに決定される場合が最も多く、次いで夕暮れモードに決定される場合が多くなるように設定されているとともに、最も決定され易い夜モードに対して割り当てられている判定値数が、確変大当りB1(50)<確変大当りB2(60)<確変大当りB3(70)とされ、昼モードに対して割り当てられている判定値数が、確変大当りB1(20)>確変大当りB2(10)>確変大当りB3(0)とされており、付与される使用テーブル変更始動回数の多い順に、夜モードに決定される場合が多くなる一方、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない順に、昼モードに決定される場合が多くなるように設定されており、夜モードとなった場合には、付与されている使用テーブル変更始動回数が多い可能性が高く、昼モードとなった場合には、付与されている使用テーブル変更始動回数が少ない可能性が高くなるようになっている。
一方、モード種別決定用テーブルB182bは、図33(b)に示すように、小当りA〜Cのいずれにおいても、判定値数が夕暮れモード>夜モード>昼モードの順とされており、夕暮れモードに決定される場合が最も多く、次いで夜モードに決定される場合が多くなるように設定されているとともに、最も決定され易い夕暮れモードに対して割り当てられている判定値数が、小当りA(70)>小当りB(60)<小当りC(50)とされ、昼モードに対して割り当てられている判定値数が、確変大当りB1(20)>確変大当りB2(10)>確変大当りB3(0)とされており、付与される使用テーブル変更始動回数の多い順に、夕暮れモードに決定される場合が多くなる一方、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない順に、昼モードに決定される場合が多くなるように設定されており、夕暮れモードとなった場合には、付与されている使用テーブル変更始動回数が多い可能性が高く、昼モードとなった場合には、付与されている使用テーブル変更始動回数が少ない可能性が高くなるようになっている。
つまり、高確状態への移行を伴う確変大当りBが発生した場合には夜モードに決定される割合が高く、高確状態への移行を伴わない小当りが発生した場合には夕暮れモードに決定される割合が高くなるので、夜モードに決定されることで高確状態への移行を伴う確変大当りBが発生したのではないかという期待感を遊技者に持たせることができるようになっている。
よって、確変大当りBや小当りが発生する場合における変動パターンとしては、前述したように、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが小当りのときにおいて多く決定され、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが決定されたときには夕暮れモードに多く決定されるようになるとともに、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが確変大当りBのときにおいて多く決定され、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定されたときには夜モードに多く決定されるようになる。
尚、この実施例では、確変大当りBであるか小当りであるかに応じて変動パターンの種別やモードの種別を個別に決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、主基板31においてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが決定されているときにはモード種別決定用テーブルBを用いてモードを決定し、主基板31においてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定されているときにはモード種別決定用テーブルAを用いてモードを決定するようにしても良い。
つまり、主基板31においてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが決定されたときとノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定されたときとで、異なるモード種別決定用テーブルを用いて異なる種類のモードを決定するようにしても良い。
また、確変大当りBまたは小当りのいずれが発生した場合でも、付与される使用テーブル変更始動回数が多い場合には夜モードまたは夕暮れモードに決定される割合が高く、付与される使用テーブル変更始動回数が少ない場合には昼モードに決定される割合が高くなるので、これら決定されるモードの種別により、付与される使用テーブル変更始動回数が多い可能性が高いか、付与される使用テーブル変更始動回数が少ない可能性が高いかを遊技者が推定することができる。
尚、この実施例では、小当りの場合には、遊技状態にかかわらずモード種別決定用テーブルB182bを使用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変フラグがセットされている高確(確変)状態においては、モード種別決定用テーブルB182bに代えてモード種別決定用テーブルA182aを使用するようにしたり、或いは、モード種別決定用テーブルB182bよりも夜モードが決定され易いものとされたモード種別決定用テーブルB182b’を使用するようにして、高確(確変)状態において小当りが発生した場合に、モード(ステージ)が急に夕暮れモードに転落してしまう事態が発生し難いようにすることで、これらモード(ステージ)の急激な変化による違和感を遊技者に与えないようにしても良い。
また、この実施例では、確変大当りBと小当りとで異なるモード種別決定用テーブルを使用することで、確変大当りBと小当りとでモードに移行態様を異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変大当りBと小当りとで同一のモード種別決定用テーブルAを使用することで、確変大当りBと小当りとでモードに移行態様を同一となるようにしても良い。
また、モード変化決定用テーブルA〜Eには、図34に示すように、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3と比較される判定値が、「変化なし」、「転落」、「昇格」のそれぞれに対応して個別に設定されている。なお、図34における各数値も、図33と同様に判定値の数を示している。尚、各モードの格付けとしては、確変大当りBである場合において移行する割合が、前述したように、夜モード>夕暮れモード>昼モードであることを踏まえ、夜モードが最も格付けが高く、次いで夕暮れモード、昼モードの順とされており、「昇格」の場合には、1つ上位のモード(昼モード→夕暮れモード、夕暮れモード→夜モード)に移行し、「転落」の合には、1つ下位(夜モード→夕暮れモード、夕暮れモード→昼モード)に移行し、夜モードでの「昇格」や、昼モードでの「転落」は無く、この場合には、夜モードまたは昼モードが維持(継続)される。
図34(a)に示すモード変化決定用テーブルA183aは、確変大当りBの発生後に使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、60個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、5個の判定値数が「転落」に割り当てられ、35個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、確変大当りBの発生後に使用テーブル変更始動回数となるまでの期間においては、「変化なし」或いは「昇格」が「転落」よりも決定され易いので、確変大当りBの発生時に多く決定される夜モードが使用テーブル変更始動回数となるまでの期間においては維持され易くなるとともに、昼モードや夕暮れモードが夜モードに昇格され易くなるので、夜モードとなる可能性が高くなる。
図34(b)に示すモード変化決定用テーブルB183bは、確変大当りBの発生後に変動(始動)回数が使用テーブル変更始動回数となった後から確変回数となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、50個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、25個の判定値数が「転落」に割り当てられ、25個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、確変大当りBの発生後に変動(始動)回数が使用テーブル変更始動回数となった後から確変回数となるまでの期間においては、使用テーブル変更始動回数前のモード変化決定用テーブルAに比較して「昇格」に対する判定値数の割り当てが少なく、且つ、「転落」に対する判定値数の割り当てが多いモード変化決定用テーブルBが使用されるので、使用テーブル変更始動回数前において移行する可能性の高い夜モードが、夕暮れモードや昼モードに移行され易くなる。
すなわち、確変大当りBが発生した場合には、使用テーブル変更始動回数となるまでは夜モードとなり易く、使用テーブル変更始動回数の経過後においては通常よりは夜モードとなり易いものの、夕暮れモードや昼モードに移行され易くなる。
図34(c)に示すモード変化決定用テーブルC183cは、小当りの発生後に使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、60個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、10個の判定値数が「転落」に割り当てられ、30個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、図34(a)に示すモード変化決定用テーブルA183aと同様に、小当りの発生後に使用テーブル変更始動回数となるまでの期間においては、「変化なし」或いは「昇格」が「転落」よりも決定され易いので、使用テーブル変更始動回数となるまでの期間においては、小当りの発生時に多く決定される夕暮れモードが夜モードに昇格されて維持され易くなる。
図34(d)に示すモード変化決定用テーブルD183dは、小当りの発生後に変動(始動)回数が使用テーブル変更始動回数となった後から確変相当回数となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、50個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、35個の判定値数が「転落」に割り当てられ、15個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、小当りの発生後に変動(始動)回数が使用テーブル変更始動回数となった後から確変相当回数となるまでの期間においては、使用テーブル変更始動回数前のモード変化決定用テーブルCに比較して「昇格」に対する判定値数の割り当てが少なく、且つ、「転落」に対する判定値数の割り当てが多いので、使用テーブル変更始動回数前において移行する可能性の高い夜モードが、夕暮れモードや昼モードに移行され易くなり、その移行され易さの度合いが、確変大当りBの場合よりも大きい。
図34(e)に示すモード変化決定用テーブルE183eは、上記したモード変化決定用テーブルA〜Dが使用される期間以外において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、30個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、65個の判定値数が「転落」に割り当てられ、5個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、確変大当りBや小当りの発生後から確変回数または確変相当回数となるまでの期間以外の通常期間においては、「変化なし」或いは「転落」が決定され易く、「昇格」が殆ど決定されないので、確変大当りBや小当りの発生後から確変回数または確変相当回数となるまでの期間において移行した夜モードや夕暮れモードが、昼モードに移行していくことになる。
すなわち、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBが発生した場合において該確変大当りBの発生後から確変回数である78回となるまでに使用されるモード変化決定用テーブルA、Bと、高確状態に移行しない小当りが発生した場合において該小当りの発生後から確変相当回数である78回となるまでに使用されるモード変化決定用テーブルC、Dとで、「昇格」や「転落」に対する判定値数の割り当て異なり、確変大当りBである場合において使用されるモード変化決定用テーブルA、Bにおいては、小当りである場合に使用されるモード変化決定用テーブルC、Dに比較して「夜モード」に移行され易くなるので、夜モードとなることにより、高確状態となっているのではないかとの期待感を遊技者に与えることができる。
また、使用テーブル変更始動回数となった以降に使用されるモード変化決定用テーブルBとモード変化決定用テーブルDでは、高確状態に移行する確変大当りBである場合に使用されるモード変化決定用テーブルBにおける「昇格」に対する判定値数の割り当てが小当りである場合に使用されるモード変化決定用テーブルDよりも多く、且つ、「転落」に対する判定値数の割り当てが少ないため、変動(始動)回数が確変回数に近づいても尚、夜モードが維持されている場合には高確状態となっているのではないかとの期待感を遊技者に与えることができる。
尚、この実施例では、モード変化決定用テーブルBとモード変化決定用テーブルDにおいても、確変回数または確変相当回数である78回以降において使用されるモード変化決定用テーブルE183eよりも、「昇格」に対する判定値数の割り当てが多く、且つ、「転落」に対する判定値数の割り当てが少ないので、これら確変回数または確変相当回数である78回までの期間においては、該期間以外よりも夜モードや夕暮れモードとなり易いので、これら確変回数または確変相当回数である78回までの期間においては、高確状態となっているのではないかとの期待感を遊技者に与えることができる。
また、この実施例では、モード変化決定用テーブルA〜Dを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、モード変化決定用テーブルBを用いずに、確変大当りBの発生から確変回数となるまでの期間においてモード変化決定用テーブルAのみを用いることで、高確に移行しない小当りの場合のみ、確変相当回数である78回となるまでの期間中において使用されるテーブルが、モード変化決定用テーブルCからモード変化決定用テーブルDに変更されることによってモードの移行状況が変化するようにしても良く、このようにすることで、これらモードの移行状況が、変動(始動)回数が78回となるまでの間において変化するか否かにより、確変大当りBが発生したのか(モードの移行状況の変化なし)或いは小当りが発生したのか(モードの移行状況の変化あり)、すなわち、高確状態となっているか否かを遊技者が推定できるようにしても良い。
尚、この場合にあっては、モード変化決定用テーブルAとモード変化決定用テーブルCとを同一とすることで、確変大当りB或いは小当りの発生後の初期段階(使用テーブル変更始動回数となるまで)ではモードの移行状態を同一としても良いし、逆に、モード変化決定用テーブルAとモード変化決定用テーブルDとを同一とすることで、使用テーブル変更始動回数後から確変回数(確変相当回数)までの期間のモードの移行状態が、確変大当りBと小当りとで同一となるようにしても良い。
更には、モード変化決定用テーブルA〜Dのうち、モード変化決定用テーブルCを用いずに、小当りの発生から確変相当回数となるまでの期間においてモード変化決定用テーブルDのみを用いることで、高確(確変)状態に移行する確変大当りBの場合のみ、確変回数である78回となるまでの期間中において使用されるテーブルが、モード変化決定用テーブルAからモード変化決定用テーブルBに変更されることによってモードの移行状況が変化するようにしても良く、このようにすることで、これらモードの移行状況が、変動(始動)回数が78回となるまでの間において変化するか否かにより、確変大当りBが発生したのか(モードの移行状況の変化あり)或いは小当りが発生したのか(モードの移行状況の変化なし)、すなわち、高確状態となっているか否かを遊技者が推定できるようにしても良い。
尚、この場合にあっては、モード変化決定用テーブルDとモード変化決定用テーブルBとを同一とすることで、使用テーブル変更始動回数後から確変回数(確変相当回数)までの期間のモードの移行状態が、確変大当りBと小当りとで同一となるようにしても良いし、逆に、モード変化決定用テーブルDとモード変化決定用テーブルAとを同一とすることで、確変大当りB或いは小当りの発生後の初期段階ではモードの移行状態を同一としても良い。
図35〜図38は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)単位にて読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、ここでは特別図柄の変動表示が1回行われるものとして、後述する周期演出用カウンタ(図示略)のカウンタ値を1減算するとともに、確変大当りAの終了後からの変動回数を計数するハマリ変動回数カウンタ(図45参照)のカウンタ値を1加算する(ステップS615’)。変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果8指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りA開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグがセットされているか否かを確認し、確変状態フラグがセットされていれば、確変大当りA開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りB開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、確変大当りB開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS625)、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドがテーブル変更回数指定コマンドであれば(ステップS636)、演出制御用CPU101は、そのテーブル変更回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をテーブル変更回数保存領域に格納する(ステップS637)。すなわち、演出制御用CPU101は、テーブル変更回数指定コマンドで示される使用テーブル変更始動回数の残り回数(テーブル変更回数)を保存する。
受信した演出制御コマンドが時短終了指定コマンドであれば(ステップS638)、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットするとともに(ステップS639)、時短後所定回数(この実施例では「8」)を時短後所定回数保存領域に格納(セット)する(ステップS640)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りA終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、確変大当りA終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りB終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、確変大当りB終了指定コマンドをセットする(ステップS644)。そして、受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドで示される第1保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する、図39に示す第1保留記憶数表示更新処理を実施する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数保存領域に格納する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドで示される第2保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する、図39に示す第2保留記憶数表示更新処理を実施する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS658)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS660)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(ステップS663A)、演出制御用CPU101は、その時短回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を時短回数保存領域に格納する(ステップS663B)。すなわち、演出制御用CPU101は、時短回数指定コマンドで示される時短状態の残り回数を保存する。
受信した演出制御コマンドが確変回数指定コマンドであれば(ステップS664A)、演出制御用CPU101は、その確変回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を確変回数保存領域に格納する(ステップS664B)。すなわち、演出制御用CPU101は、確変回数指定コマンドで示される確変状態の残り回数を保存する。
次いで、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じたフラグをセットする。
例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果1指定コマンドであれば(ステップS665)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「00(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時に「非リーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果1フラグをセットする(ステップS666)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果2指定コマンドであれば(ステップS667)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「01(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時に「スーパーリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果2フラグをセットする(ステップS668)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果3指定コマンドであれば(ステップS669)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「02(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時に「スーパーリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞判定結果3フラグをセットする(ステップS670)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果4指定コマンドであれば(ステップS671)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「03(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への始動入賞時に「非リーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果4フラグをセットする(ステップS672)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果5指定コマンドであれば(ステップS673)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「04(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への始動入賞時に「スーパーリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果5フラグをセットする(ステップS674)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果6指定コマンドであれば(ステップS675)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「05(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への始動入賞時に「スーパーリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞判定結果6フラグをセットする(ステップS676)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果7指定コマンドであれば(ステップS677)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「06(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時に「確変大当りBまたは小当り」となると判定したことを示す入賞判定結果7フラグをセットする(ステップS678)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果8指定コマンドであれば(ステップS679)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「07(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への始動入賞時に「確変大当りBまたは小当り」となると判定したことを示す入賞判定結果8フラグをセットする(ステップS680)。
その他、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞判定結果フラグをセットする。なお、この実施例では、後述するように入賞時の判定結果が「スーパーリーチはずれ」または「スーパーリーチ大当り」である場合に保留予告を実行するように構成しているので、上記に示した入賞時判定結果2指定コマンド〜入賞時判定結果6指定コマンドについてのみ受信したか否かを確認し、フラグをセットするようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS681)。そして、ステップS611に移行する。
ここで、ステップS653およびステップS656で実施される第1保留記憶数表示更新処理および第2保留記憶数表示更新処理について以下に説明する。なお、処理の内容は、図39に示すように、第1保留記憶と第2保留記憶で同様であるので、第2についての内容を括弧書きにて記載することで省略する。
なお、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMには、図40に示す、第1保留記憶表示部18c並びに第2保留記憶表示部18dの表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファとが設けられている。図40に示すように、第1保留表示バッファと第2保留表示バッファには、各第1(第2)保留記憶数の順位(表示の向かって左が上位に対応し、表示の向かって右が下位に対応する)に対応した保存領域が確保されており、入賞の有無や保留予告の対象となるスーパーリーチとなる演出が実施されるか否かや、スーパーリーチで大当りとなるか否かを特定可能な数値データが格納できるように構成されている。
第1(第2)保留記憶数表示更新処理において演出制御用CPU101は、まず、受信した第1(第2)保留記憶数指定コマンドで示される第1(第2)保留記憶数が増加であるか否かを判定する(ステップS901)。
ステップS901において保留記憶数が増加である場合、スーパーリーチはずれを示す入賞時判定結果2(5)指定コマンドの受信による入賞時判定結果2(5)フラグや、スーパーリーチ当りを示す入賞時判定結果3(6)指定コマンドの受信による入賞時判定結果3(6)フラグがセットされているか否か、つまり、新たに加算された保留記憶数が該当する保留記憶に対応する演出図柄変動においてスーパーリーチが発生するか否かを判定する(ステップS903)。
入賞時判定結果2、3(5、6)フラグがセットされていない場合には(ステップS903でNo)、ステップS909に進み、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして入賞したことを示す入賞データ「1」を格納した後、ステップS910に進む。
入賞時判定結果2、3(5、6)フラグがセットされている場合には(ステップS903でYes)、スーパーリーチ当りを示す入賞時判定結果3(6)指定コマンドの受信による入賞時判定結果3(6)フラグがセットされているか否か、つまり、当該スーパーリーチで当りとなるか否かを判定する(ステップS906)。そして、入賞時判定結果3(6)フラグがセットされていれば、ステップS907に進んで、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして予告対象であることとともに、当該対象のスーパーリーチで当りとなることを示す予告対象当りデータ「3」を格納した後、ステップS910に進む。
一方、入賞時判定結果3(6)フラグがセットされていなければ、ステップS908に進んで、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして予告対象であることとともに、当該対象のスーパーリーチではずれとなることを示す予告対象はずれデータ「2」を格納した後、ステップS910に進む。
ステップS910では、セットされている全ての入賞時判定結果フラグをクリアする。そして、第1(第2)保留表示バッファに基づいて、第1(第2)保留記憶表示部18c(18d)の表示を更新する。
具体的には、第1(第2)保留表示バッファに入賞ありを示す「1」、予告対象はずれデータ「2」、予告対象当りデータ「3」が格納されている順位に対応する保留表示については、保留有りを示す「●」の表示を行う一方、入賞なしを示す「0」が格納されている順位については、保留有りを示す「●」の表示を行わないことで、図40に示すように、第1特別図柄保留記憶表示器18a(第2特別図柄保留記憶表示器18b)の表示態様と同じように表示される。
なお、この実施例では、第1(第2)保留表示バッファに予告対象はずれデータ「2」、予告対象当りデータ「3」が格納されている順位の表示を、他の入賞有りデータ「1」の表示と同一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1(第2)保留表示バッファに予告対象はずれデータ「2」、予告対象当りデータ「3」が格納されている順位の表示を、例えば「★」状としたり、色を変化させたりすることで、他の入賞有りデータ「1」の表示と異なるようにして、遊技者に特定の演出であるスーパーリーチが当該保留記憶に対応する演出図柄変動において実施されることを遊技者に報知する(保留予告する)ようにしても良い。
また、図40には、保留予告における第1(第2)保留記憶表示部18c(18d)の表示態様の一例として、予告対象当りデータ「3」が格納された第1保留表示バッファに対応する第1保留記憶表示部18cに第1表示態様(例えば「★」)を表示し、予告対象はずれデータ「2」が格納された第2保留表示バッファに対応する第2保留記憶表示部18dに第2表示態様(例えば「◇」)を表示する例が示されているが、例えば第1(第2)保留表示バッファに予告対象当りデータ「3」が格納された場合に、予告対象はずれデータ「2」が格納された場合よりも高い割合で第2表示態様よりも第1表示態様を選択して表示するようにしてもよく、この場合、遊技者は第1表示態様にて表示されることを期待するようになる。
また、例えば第1(第2)保留表示バッファに予告対象当りデータ「3」が格納された場合に第1表示態様または第2表示態様のいずれかを選択して表示し、予告対象はずれデータ「2」が格納された場合には第2表示態様のみを表示するようにしてもよい。この場合、第1表示態様にて表示された場合には必ず大当りとなり、第2表示態様にて表示された場合には大当りになる可能性があることになるため、遊技者は、第2表示態様にて表示された場合でも大当りになることを期待することができる。
また、第1(第2)保留記憶数が増加でない場合(ステップS901でNo)、つまり、第1(第2)保留記憶数が減少した場合にはステップS912に進み、第1(第2)保留表示バッファにおける最上位(1位)の保存領域のデータをクリアするとともに、各保存領域の内容を1つ上位の順位にシフトして更新する。つまり、第1(第2)保留表示バッファにおいて順位1のデータを削除するとともに、順位2,3,4に対応する保存領域に格納されているデータを、順位1,2,3に対応する保存領域に格納し、順位4には、入賞なしを示す「0」を格納した後、ステップS911に進んで保留表示が更新される。
このように本実施例では、保留予告の対象は、入賞時判定結果2,3(5,6)フラグがセットされているとき、つまり、スーパーリーチ当りかスーパーリーチはずれの場合のみであり、確変大当りBまたは小当りは保留予告の対象データとされていない。すなわち、確変大当りBまたは小当りの場合は保留予告が実行されることがないので、確変大当りBとなる保留予告の実行により確変(高確)状態に制御される可能性があることを遊技者が予測しやすくなってしまうことを回避できる。
また、本実施例における保留予告は、第1特別図柄保留記憶表示器18a(第2特別図柄保留記憶表示器18b)の表示態様を変化させることにより、スーパーリーチ当りかスーパーリーチはずれを予告するものであったが、保留予告の態様はこのように保留表示態様を変化させるものだけでなく、例えば確変大当りAとなる権利にもとづく変動表示が実行されるまでの変動表示において、複数の変動表示にわたり連続する連続予告等を実行することにより、スーパーリーチ当りかスーパーリーチはずれになることを予告するようにしてもよいし、あるいは保留表示とは別個の演出装置にて予告演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施例における保留予告は、遊技状態に関係なく、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合に実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBや小当りが発生してからの確変回数または確変相当回数となるまでの期間は、前述したようにはずれのスーパーリーチとなる可能性が高くなるので、該期間中においては、保留予告が頻繁に実施されてしまうことになることから、これら保留予告が頻繁に実施されてしまうことを回避するために、確変大当りBや小当りが発生してからの確変回数または確変相当回数となるまでの期間については、保留予告を実施しないようにしても良い。
図41は、図28に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理(例えば、図52(G1)〜(G4)、図53(I1)〜(I4)を表示する処理)を実施する。
図42は、図41に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次に、演出表示装置9における背景画像を更新する背景画像更新処理を実施する。この実施例の背景画像更新処理においては、具体的には、時短状態フラグがセットされている場合には、図54(a)に示すように、背景画像として戦闘機による戦闘シーンである「戦闘演出モードA」に設定する。この背景画像には、その時点の確変回数XXから特定される「残りXX機!」なる文字が表示され、高確状態が残りXX回継続することが示唆され、1回の変動表示が終了するごとに確変回数XXが減算されることに応じて残り回数が1づつ減算されていく。また、高確高ベース状態(時短状態)において、確変大当りAまたは確変大当りBのいずれも発生せずに、確変大当りA終了後から変動表示を70回終了したとき、つまり高ベース状態が終了して時短後回数がセットされているときには、図54(b)に示すように、演出表示装置9の背景画像を「戦闘演出モードA」とは異なる敵ボス機との最終戦闘シーンである「戦闘演出モードB」に設定する。この背景画像には、「残りY機!」なる文字が表示され、高ベース状態が残りY回継続することが示唆され、1回の変動表示が終了するごとに時短後回数Yが減算されることに応じて残り回数が1づつ減算されていく。
尚、演出制御用CPU101は、高確高ベース状態において確変大当りBが発生した場合には、その時点から再度78回の確変状態および70回の時短状態に移行するが、確変大当りAの終了後からの変動表示を70回終了するまで、つまり確変大当りAが終了してからの時短状態が終了するまでの期間は戦闘演出モードAに制御し、次の71回転目の変動が開始するときに、図54(c)に示すように、演出表示装置9の背景画像を戦闘演出モードA,Bとは異なる戦闘シーンである「戦闘演出モードC」に設定する。背景画像には、「継続!残り○○機!」なる文字が表示され、確変大当りBの終了後から変動表示を78回終了するまでの残り変動回数が示唆される。
また、これら戦闘演出モードA〜Cのそれぞれの背景画像については、昼の戦闘演出モードA〜C、夕暮れの戦闘演出モードA〜C、夜の戦闘演出モードA〜Cの背景画像が予め記憶されており、確変大当りAや確変大当りBや小当りの発生時において決定されたステージ(モード)の種別や、各可変(変動)表示の終了時におけるモード移行処理にて決定されたステージ(モード)の種別(夜、夕暮れ、昼)の戦闘演出モードA〜Cの背景画像が設定される。
次いで、演出制御用CPU101は、図43に示す予告演出選択処理を実施して、当該図柄変動について予告演出を実施するか否かや、どの種類のどのパターンの予告演出を実施するのかを決定する(S823)。
具体的に、本実施例の予告演出選択処理では、図43に示すように、演出制御用CPU101は、まず、ステップS821にて読み出した変動パターンコマンドが、当りとなる変動パターンコマンドであるか否か、つまり、最終的に当りとなるか否かを特定する(ステップS830)。
そして、当りとなる場合にはステップS833に進み、予告演出実行フラグをセットする一方、当りとならない場合、すなわちはずれである場合には、ステップS831に進み、予告演出決定用乱数SR1を抽出する。
次に、該抽出した予告演出決定用乱数SR1の値が偶数であるか否かを判定し、偶数である場合には、ステップS833に進んで予告演出実行フラグをセットする一方、奇数である場合には、当該予告演出選択処理を終了する。
つまり、この実施例では、最終的に当りとなる場合には全て、予告演出実行フラグがセットされて、いずれかの予告演出が実施されるようになっているとともに、最終的にはずれとなる場合においては、50%の確率で予告演出が実施されるようになっている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、最終的に当りとなる場合にも予告演出決定用乱数SR1を抽出して、予告演出の実施・非実施を抽選することで、当りとなる場合において予告演出が実施されないようにしても良いし、はずれの場合における抽選にて予告演出を実施する確率を、50%より高く、或いは50%より低くしても良い。
これら予告演出実行フラグをセットした後、演出制御用CPU101は、予告演出種別決定用乱数SR2を抽出するとともに(ステップS834)、該抽出した予告演出種別決定用乱数SR2と対比する予告演出決定用テーブルを予告演出決定用テーブルA〜Cのうちから選択し、選択した予告演出決定用テーブルA〜Cにおいて抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する予告演出の種別(予告演出A〜C)として決定する。
具体的には、まず、高ベース中であるか否かを時短状態フラグがセットされているか否かに基づいて判定する(ステップS835)。高ベース中である場合には予告演出決定用テーブルAを選択して、該予告演出決定用テーブルAにおいてステップS834において抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を実施する予告演出の種別(予告演出A〜C)として決定する(ステップS841)。
一方、高ベース中でない場合には、更に、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在するか否かをテーブル変更回数保存領域のデータに基づいて判定する(ステップS836)。使用テーブル変更始動回数に残回数が存在する場合には、予告演出決定用テーブルBを選択して、該予告演出決定用テーブルBにおいてステップS834において抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する予告演出の種別(予告演出A〜C)として決定する(ステップS837)。
一方、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在しない場合には、更に、確変回数または確変相当回数の残回数が存在するか否かを、確変回数保存領域または確変相当回数保存領域のデータに基づいて判定する(ステップS839)。
確変回数または確変相当回数の残回数が存在する場合には、予告演出決定用テーブルCを選択して、該予告演出決定用テーブルCにおいてステップS834において抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する予告演出の種別(予告演出A〜C)として決定する(ステップS840)。
また、確変回数また確変相当回数の残回数が存在しない場合には、ステップS841に進んで予告演出決定用テーブルAを選択し、該予告演出決定用テーブルAにおいてステップS834において抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を実施する予告演出の種別(予告演出A〜C)として決定する。
そして、演出制御用CPU101は、これら決定した予告種別(予告演出A〜C)を記憶する(ステップS838)。
図42に戻り、ステップS823の予告選択処理の後に演出制御用CPU101は、予告演出があるか否か、具体的には、予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS824)。
そして、演出制御用CPU101は、予告実行決定フラグがセットされている場合には、記憶されている予告種別(予告演出A〜C)に対応する予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)に基づいて、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後(ステップS825+)、ステップS825に進む。
一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
そして演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L、操作部50)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU101は、予告演出を行うことに決定されているか、または予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、図45に示す予告演出処理を実行する(ステップS842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、予告実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告実行決定フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842の予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP109は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。演出図柄の変動制御(演出図柄の変動に関連するキャラクタ画像や背景を表示させる制御を含む。)は、あくまでも変動期間経過時(最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトした時点に相当)に終了するのであるが、予告演出の制御は、図46に示されたステップS533,S534の処理によって終了する。尚、この実施例では、ステップS533,S534の処理が終了する時点(予告演出タイマがタイムアウトする時点)は演出図柄の変動期間が経過する時点よりも前である。
図45〜図46は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU101は、予告演出が開始されている場合には(ステップS501でYes)、ステップS530(図46)に移行する。予告演出が開始されているか否かは、予告演出の開始時にセットされる予告実行中フラグによって確認される。
予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS502)。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる(図42におけるステップS825+参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS503)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告実行決定フラグをリセットして(ステップS504)、ステップS511に移行する。
ステップS511では、演出制御用CPU101は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、記憶されている予告種別(予告演出A〜C)の種別並びにパターンを特定し(ステップS512)、特定した予告種別やパターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(ステップS513)。
次いで、演出制御用CPU101は、記憶されている予告種別に対応する予告演出制御パターンを、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択した後(ステップS515)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(ステップS517)。
そして演出制御用CPU101は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を開始する(ステップS518)。
予告演出が開始された後において実施されるステップS530では、演出制御用CPU101は、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS531でYes)、演出表示装置9に表示されている予告演出に関する画像(キャラクタA〜Cの画像)を消去する制御を行い(ステップS532)、予告実行中フラグをリセットする(ステップS533)とともに、記憶されている予告種別等のデータを消去する(ステップS534)。
予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU101は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS535)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(ステップS536)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS538)。
予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS535〜ステップS538を経由することなく処理を終了する。
図47は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行うとともに(ステップS863)、存在する場合には、確変相当回数並びに時短後回数を1減算更新する(ステップS864)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS865)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施例では、演出図柄表示結果格納領域に格納されている停止図柄のデータによっても、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS866)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、図48に示すモード移行処理を実施した後(ステップS867)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS868)。
なお、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(可変表示)を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
ここで、ステップS867にて実施されるモード移行処理の内容を図48に基づいて説明する。
まず、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か(ステップS701)、時短後回数の残回数が存在するか否かを判定する(ステップS702)。
時短状態フラグがセットされているか、または時短後回数の残回数が存在する場合、すなわち、確変大当りAとなってから78回の変動が終了して確変状態が終了するまでは、ステップS708に進んで、夜モードに決定した後、ステップS720に進んで、該決定したモード(夜モード)の背景画像に設定を更新するとともに、モードフラグを決定したモード(夜モード)に対応する値(夜モードは03、夕暮れモードは02、昼モードは01)に更新する。
時短状態フラグがセットされておらず、且つ時短後回数の残回数も存在しない場合には、ステップS703に進んで、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を抽出した後、確変状態フラグがセットされている否かを判定する(ステップS704)。
確変状態フラグがセットされている場合には、更に、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在するか否かをテーブル変更回数保存領域のデータに基づいて判定する(ステップS705)。
使用テーブル変更始動回数に残回数が存在する場合には、図34(a)に示すモード変化決定用テーブルAを選択して、該モード変化決定用テーブルAにおいてステップS703において抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定した後(ステップS707)、前述したステップS720に進む。
一方、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在しない場合には、図34(b)に示すモード変化決定用テーブルBを選択して、該モード変化決定用テーブルBにおいてステップS703において抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定した後(ステップS706)、前述したステップS720に進む。
また、ステップS704において確変状態フラグがセットされていない場合には、更に、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在するか否かをテーブル変更回数保存領域のデータに基づいて判定する(ステップS710)。
使用テーブル変更始動回数に残回数が存在する場合には、図34(c)に示すモード変化決定用テーブルCを選択して、該モード変化決定用テーブルCにおいてステップS703において抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定した後(ステップS712)、前述したステップS720に進む。
一方、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在しない場合には、更に、確変相当回数の残回数が存在するか否かを、確変相当回数保存領域のデータに基づいて判定する(ステップS711)。
該判定において、確変相当回数の残回数が存在する場合には、図34(d)に示すモード変化決定用テーブルDを選択して、該モード変化決定用テーブルDにおいてステップS703において抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定した後(ステップS713)、前述したステップS720に進む。
また、ステップS711の判定において、確変相当回数の残回数が存在しない場合には、図34(e)に示すモード変化決定用テーブルEを選択して、該モード変化決定用テーブルEにおいてステップS703において抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定した後(ステップS714)、前述したステップS720に進む。
このようにすることにより、演出図柄の停止時において、大当り或いは小当りとならない場合には、上述したモード移行処理が実施されることで、「変化なし」、「昇格」、「転落」のいずれかが変化種別として決定される。
そして、確変大当りBが発生してから使用テーブル変更始動回数までの期間においては、図34(a)に示すモード変化決定用テーブルAに基づいて変化種別が決定され、使用テーブル変更始動回数となってから確変回数となるまでの期間においては、図34(b)に示すモード変化決定用テーブルBに基づいて変化種別が決定され、確変回数以降においては、図34(e)に示すモード変化決定用テーブルEに基づいて変化種別が決定される。
また、小当りが発生してから使用テーブル変更始動回数までの期間においては、図34(c)に示すモード変化決定用テーブルCに基づいて変化種別が決定され、使用テーブル変更始動回数となってから確変相当回数となるまでの期間においては、図34(d)に示すモード変化決定用テーブルDに基づいて変化種別が決定され、確変相当回数以降においては、図34(e)に示すモード変化決定用テーブルEに基づいて変化種別が決定される。
このように、モード変化決定用テーブルA〜Eを用いてモードの変化種別を決定することで、高確状態に移行する確変大当りBが発生した場合において該確変大当りBの発生後から確変回数である78回となるまでに使用されるモード変化決定用テーブルA、Bと、高確状態に移行しない小当りが発生した場合において該小当りの発生後から確変相当回数である78回となるまでに使用されるモード変化決定用テーブルC、Dとで、「昇格」や「転落」に対する判定値数の割り当て異なり、確変大当りBである場合において使用されるモード変化決定用テーブルA、Bにおいては、小当りである場合に使用されるモード変化決定用テーブルC、Dに比較して「夜モード」に移行され易くなるので、夜モードとなることにより、高確状態となっているのではないかとの期待感を遊技者に与えることができる。
更には、使用テーブル変更始動回数となった以降に使用されるモード変化決定用テーブルBとモード変化決定用テーブルDでは、高確状態に移行する確変大当りBである場合に使用されるモード変化決定用テーブルBにおける「昇格」に対する判定値数の割り当てが小当りである場合に使用されるモード変化決定用テーブルDよりも多く、且つ、「転落」に対する判定値数の割り当てが少ないため、変動(始動)回数が確変回数に近づいても尚、夜モードが維持されている場合には高確状態となっているのではないかとの期待感を遊技者に与えることもできる。
図49は、演出制御プロセス処理における当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。当り表示処理において、演出制御用CPU101は、確変大当りA開始指定コマンドを受信したことを示す確変大当りA開始指定コマンド受信フラグ、確変大当りB指定コマンドを受信したことを示す確変大当りB開始指定コマンド受信フラグ、または小当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否か確認する(ステップS871)。いずれかの当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(確変大当りA開始指定コマンド受信フラグ、確変大当りB開始指定コマンド受信フラグ、小当り開始指定コマンド受信フラグ)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
なお、ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り遊技や小当りの遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図50は、演出制御プロセス処理における当り終了演出処理(ステップS806)を示すフローチャートである。当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS891に移行する。大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されていない場合には、確変大当りA終了指定コマンドを受信したことを示す確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンドを受信したことを示す確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、または小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否か確認する(ステップS881)。
確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされている場合には、セットされている当り終了指定コマンド受信フラグに応じて、当り終了演出タイマに大当り終了表示時間或いは小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)或いは、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。
そして、図51に示すモード抽選処理を実施して、大当りまたは小当り後のモード(ステージ)の種別を決定した後(ステップS885)、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS886)。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、更に、確変状態フラグがセットされているか否か、つまり、当該小当りが確変状態中に発生したものであるか否かを判定し(ステップS887)、確変状態フラグがセットされていない場合には、ステップS888に進んで、確変相当回数として78回を、確変相当回数保存領域に格納(セット)した後、ステップS889に進み、確変状態フラグがセットされている場合にはステップS888を経由することなくステップS889に進む。このようにすることにより、確変状態中に小当りが発生しても確変相当回数はセットされず、低確状態において小当りが発生した場合においてのみ、確変相当回数がセットされる。
一方、ステップS886の判定において小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、ステップS890に進み、時短後回数の残回数が存在する場合には、該時短後回数をリセットした後、ステップS889に進む。
ステップS889においては、セットされている確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかをリセットして処理を終了する。
ステップS891では、大当り(小当り)終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り(小当り)終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り(小当り)終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS892)。経過していなければ処理を終了する。大当り(小当り)終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS893)。
ここで、ステップS885において実施されるモード抽選処理について、図51に基づいて説明する。
まず、モード抽選処理において演出制御用CPU101は、確変大当りA終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し、確変大当りA終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS740に進んで、夜モードに決定した後、ステップS741に進んで、該決定したモード(夜モード)の背景画像に設定を更新するとともに、モードフラグを決定したモード(夜モード)に対応する値(03)に更新する。
一方、確変大当りA終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、ステップS731に進んで、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を抽出した後、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS732)。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合、つまり終了した当りが小当りである場合には、終了した小当りの種別をテーブル変更回数保存領域のデータに基づいて特定する(ステップS733)。つまり、テーブル変更回数保存領域のデータから特定される使用テーブル変更始動回数が10回の場合には小当りAと特定し、20回の場合には小当りBと特定し、30回の場合には小当りCと特定できる。
そして、図33(b)に示すモード種別決定用テーブルB182bを選択して、該モード種別決定用テーブルBにおいて、ステップS733にて特定した小当り種別並びにステップS731において抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値に該当する判定値が対応しているモード種別(昼モード、夕暮れモード、夜モード)を、当該小当り後のモード種別として決定した後、前述したステップS741に進む。
一方、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合、つまり、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、終了した確変大当りBの種別をテーブル変更回数保存領域のデータに基づいて特定する(ステップS735)。つまり、テーブル変更回数保存領域のデータから特定される使用テーブル変更始動回数が10回の場合には確変大当りB1と特定し、20回の場合には確変大当りB2と特定し、30回の場合には確変大当りB3と特定できる。
そして、図33(a)に示すモード種別決定用テーブルA182aを選択して、該モード種別決定用テーブルAにおいて、ステップS735にて特定した確変大当りBの種別並びにステップS731において抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値に該当する判定値が対応しているモード種別(昼モード、夕暮れモード、夜モード)を、当該確変大当りB後のモード種別として決定した後、前述したステップS741に進む。
このように確変大当りBの場合には、夜モードに対して判定値の割り当てが多いモード種別決定用テーブルAに基づいてステージ(モード)種別が決定されることで、確変大当りBが終了した際には、夜モードに移行し易くなる一方、小当りの場合には、夕暮れモードに対して判定値の割り当てが多いモード種別決定用テーブルBに基づいてステージ(モード)種別が決定されることで、小当りが終了した際には、夕暮れモードに移行し易くなる。
また、これらモード種別決定用テーブルA並びにモード種別決定用テーブルBにおいては、使用テーブル変更始動回数が多い種別おいて、夜モードや夕暮れモードに対する判定値の割り当てが多く設定される一方、使用テーブル変更始動回数が少ない種別おいては、昼モードに対する判定値の割り当てが多く設定されているので、夜モードや夕暮れモードが発生した場合には、使用テーブル変更始動回数が多い可能性が高く、昼モードが発生した場合には、使用テーブル変更始動回数が少ない可能性が高くなる。
次に、この実施例のパチンコ遊技機1の遊技性について図55に基づいて説明する。
この実施例のパチンコ遊技機1では、通常状態または確変状態において確変大当りAが発生した場合、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行し、大当り終了後、変動(可変)表示を78回終了するまで確変(高確)状態が継続する。ただし、時短(高ベース)状態は、確変大当りA終了後、変動表示を70回終了したときに終了して低ベース状態に移行し、高確率状態のみ(高確低ベース状態)が、変動表示回数(始動回数)が78回となるまで継続される。
通常状態(低確低ベース状態)において確変大当りBが発生した場合、その確変大当りBの遊技状態の終了後に確変状態に移行し、確変大当りBの終了後、変動表示回数(始動回数)が78回となるまで確変状態が継続する。
また、高確低ベース状態(潜伏確変状態、時短後の高確状態を含む)において確変大当りBが発生した場合、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態に移行し、大当り終了後、変動表示回数(始動回数)が78回となるまで確変状態が継続する。ただし、時短状態は、確変大当りBの終了後、変動表示を70回終了したときに終了して低ベース状態に移行し、高確率状態のみ(高確低ベース状態)が、変動表示回数(始動回数)が78回となるまで継続される。
尚、小当りが発生した場合には、遊技状態は変化せず、小当りの発生前の遊技状態が維持される。つまり、小当りの発生前の遊技状態が低確低ベース(通常状態)であれば低確低ベース(通常状態)が維持され、小当りの発生前の遊技状態が高確低ベース(潜伏状態)であれば高確低ベース(潜伏状態)が維持され、小当りの発生前の遊技状態が高確高ベース(時短状態)であれば高確高ベース(時短状態)が維持される。
確変大当りBの種別としては、付与される使用テーブル変更始動回数が異なる確変大当りB1、確変大当りB2、確変大当りB3の3種類の確変大当りBがランダム6の値により決定可能とされているとともに、小当りの種別としても、付与される使用テーブル変更始動回数が異なる小当りA、小当りB、小当りCの3種類の小当りがランダム6の値により決定可能とされている。すなわち、確変大当りBや小当りの場合には、付与される使用テーブル変更始動回数が10回、20回、30回のいずれかに対応する種別にランダム6の値により決定されるので、確変大当りBや小当りが発生する都度毎に、使用テーブル変更始動回数が逐次変化することになるとともに、確変大当りBでは、使用テーブル変更始動回数が多い順(B3(30回)>B2(20回)>B1(10回))に種別が決定され易く、小当りでは、使用テーブル変更始動回数が少ない順(A(10回)>B(20回)>C(30回))に種別が決定され易く設定されている。
また、この実施例のパチンコ遊技機1は、前述したように、確変大当りBと小当りの発生時において、演出表示装置9において同様の変動表示演出(変動表示パターン)が実施されるので、発生した当りが、高確(確変)状態に移行する確変大当りBであるか、高確(確変)状態に移行しない小当りであるかを、遊技者は判別することが不可能とされている。
そして、この実施例のパチンコ遊技機1は、図55に示すように、確変大当りBの発生時と小当りの発生時とで、上述したように、逐次変化する使用テーブル変更始動回数の前後において、演出表示装置9における演出の内容が異なるようになっている。
具体的には、各種の演出の決定に使用されるテーブルや、予告演出の種別等が異なる。つまり、はずれと判定された場合において変動パターンの種別決定に使用されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルの種別や、モードの変化態様の決定に使用されるモード変化決定用テーブルの種別が異なるとともに、予告演出の種別(キャラクタ)などが異なる。
つまり、確変大当りBの場合には、図55(a)に示すように、使用テーブル変更始動回数となる前の期間(期間1と呼称する)においては、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC及びモード変化決定用テーブルAが使用され、使用テーブル変更始動回数後から変動回数が確変終了回数である78回となるまでの期間(期間2と呼称する)では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルD及びモード変化決定用テーブルBが使用される一方、小当りの場合には、図55(b)に示すように、使用テーブル変更始動回数となる前の期間1においては、はずれ用変動パターン種別判定テーブルC及びモード変化決定用テーブルCが使用され、使用テーブル変更始動回数後から変動回数が確変相当回数である78回となるまでの期間では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA(B)及びモード変化決定用テーブルDが使用される。
よって、確変大当りBの場合には、高確状態となることで、全てのスーパーリーチの発生頻度が高くなるとともに、スーパーリーチA、Bに対する判定値の割り当ての多い、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCが期間1において使用されるため、期間1においては変動時間の長いスーパーリーチの発生頻度が非常に高くなり、よって、平均変動時間が長くなる。そして、その後の期間2においては、当りとなるスーパーリーチの発生頻度は期間1と同様に高い状態に維持されるものの、超短縮の変動パターンに対する判定値の割り当てが多く、且つ、スーパーリーチA、Bに対する判定値の割り当てが通常時と同じく少ない、はずれ用変動パターン種別判定テーブルDが使用されるため、期間2においては、スーパーリーチの発生頻度としては、期間1よりも低いものの通常よりも高い状態となるとともに、変動時間の非常に短い超短縮の変動パターンが発生することで平均変動時間が期間1に比較して短くなる。
また、期間1では夜モードに非常に移行し易いモード変化決定用テーブルAが使用され、期間2ではモード変化決定用テーブルAに比較して転落が決定され易いモード変化決定用テーブルBが使用されるので、使用テーブル変更始動回数を境界としてモード変化状況が変化する。
また、予告演出においては、期間1においてはキャラクタCが決定され易く、期間2においてはキャラクタBが決定され易いので、予告演出において多く出現するキャラクタが使用テーブル変更始動回数を境界として変化する。
一方、小当りの場合には、高確状態とならないので、期間1におけるスーパーリーチの発生頻度は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCにおいてスーパーリーチA、Bに対する判定値数の割り当てが多くなることに伴って、確変大当りBの場合よりは低いものの、通常の場合に比較して高くなることとなり、よって、平均変動時間が通常の場合よりも長くなる。そして、その後の期間2以降においては、スーパーリーチA、Bに対する判定値の割り当てがはずれ用変動パターン種別判定テーブルCよりも少ない、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルAまたはBが使用されるため、当りとなるスーパーリーチの発生頻度が通常の場合と同じく低くなるとともに、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCにおいては判定値の割り当てがない、つまり、発生することのない超短縮の変動パターンが発生し得るようになるので、平均変動時間が期間1に比較して短くなる。
また、小当りの場合でも、期間1では夜モードに移行し易いモード変化決定用テーブルCが使用され、期間2ではモード変化決定用テーブルCに比較して転落が決定され易いモード変化決定用テーブルDが使用されるので、使用テーブル変更始動回数を境界としてモード変化状況が変化する。
また、小当りの場合でも、予告演出においては、期間1においてはキャラクタCが決定され易く、期間2においてはキャラクタBが決定され易いので、予告演出において多く出現するキャラクタが使用テーブル変更始動回数を境界として変化する。
すなわち、期間1と期間2では、確変大当りBでも小当りであっても、使用テーブル変更始動回数を境界として、特定の変動パターンとなるスーパーリーチや超短縮の変動パターンの発生頻度が異なるようになるので、遊技者は、これらスーパーリーチや超短縮の変動パターンの発生頻度が変化したタイミングや、長い変動時間が短い変動時間に変化したタイミングがどのような変動(始動)回数であるかを注視することにより、これらの変化したタイミングの変動(始動)回数が多い場合には、使用テーブル変更始動回数が多い順に種別が決定され易い確変大当りBである可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に付与することができるようになる。
また、期間1と期間2では、確変大当りBでも小当りであっても、使用テーブル変更始動回数を境界として、モード変化状況が変化するようになるので、これらモード変化状況が変化したタイミングがどのような変動(始動)回数であるかを注視することによっても、これらの変化したタイミングの変動(始動)回数が多い場合には、使用テーブル変更始動回数が多い順に種別が決定され易い確変大当りBである可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に付与することができるようになる。
また、予告演出においては、確変大当りBでも小当りであっても、使用テーブル変更始動回数を境界として、多く出現するキャラクタが変化するので、これら多く出現するキャラクタが変化したタイミングの変動(始動)回数が多い場合には、使用テーブル変更始動回数が多い順に種別が決定され易い確変大当りBである可能性が高いのではないかという期待感を遊技者に付与することができるようになる。
また、高確状態に移行する確変大当りBが発生した場合には、該確変大当りBの発生後、使用テーブル変更始動回数となるまでの期間1において、はずれ時においてスーパーリーチA、スーパーリーチBの演出を伴う変動パターン種別が決定される割合が高められるので、高確状態となることによって当りとなる確率が高まる(10倍)ことによりスーパーリーチの信頼度が非常に高くなってしまうことを回避できるようになるので、高確状態においてスーパーリーチが発生することで殆ど当りとなることによる興趣の低下を防止することができるようになるとともに、通常においても信頼度の高く、出現頻度の少ないスーパーリーチCについては、期間1においても、はずれ時において決定される割合を高めないようにすることで、スーパーリーチCの貴重度が低下してしまうことも防止することができる。
以上説明したように、前記実施例のパチンコ遊技機1にあっては、確変状態(高確低ベース状態)での始動条件の成立状況は通常状態(低確低ベース状態)と共通である、つまり時短状態ではない低ベース状態であるため、確変大当りBが終了した後に確変状態に制御されているか否かを特定しにくい。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、保留予告が実行されることで、遊技に対する興趣を向上させることができるばかりか、確変大当りAとなる権利にもとづく保留予告の実行により確変状態に制御される可能性があることを遊技者が予測しやすくなり、周期演出の実行による遊技者の期待感が減衰してしまうことを回避できる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、潜伏条件の成立となる確変大当りBや小当りが発生してから演出図柄の可変表示の実行回数が使用テーブル変更始動回数に到達する前と後とで、特定可変表示パターンとなるスーパーリーチA、Bや超短縮の変動パターンの出現状況が変化するようになるとともに、これらの変動パターンの出現状況が変化するタイミングとなる使用テーブル変更始動回数が、高確(確変)状態に移行する確変大当りBである場合と、高確(確変)状態に移行しない小当りである場合とで異なるので、遊技者は、これら確変大当りBや小当りの発生直後の遊技状態が低確状態である通常遊技状態であるのか、或いは高確状態である高確低ベース状態であるのかを判断するために、これらスーパーリーチA、Bや超短縮の変動パターンの出現状況が変化するタイミングに注目して遊技を行うようになるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、使用テーブル変更始動回数の前後において、平均変動時間が異なるはずれ用変動パターン種別判定テーブルが使用されることで可変表示の変動時間(可変表示時間)も変化するようになるので、遊技者は、特定可変表示パターンとなるスーパーリーチA、Bや超短縮の変動パターンの出現状況が変化するタイミングだけでなく、変動時間(可変表示時間)が変化するタイミングにも注目して遊技を行うようになるため、遊技の興趣を向上させることができるとともに、これら変化するタイミングを変動時間(可変表示時間)の変化によっても認識できるので、これら変化するタイミングを遊技者が特定し易くなる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、潜伏条件の成立となる確変大当りBや小当りが発生した際に、高確(確変)状態に移行する確変大当りBである場合と、高確(確変)状態に移行しない小当りである場合とで異なるモードが多く決定されるので、これら決定されたモードの種類によって、遊技状態が高確状態に移行したことに対する遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、使用テーブル変更始動回数の前後において、予告演出パターンの出現状況(出現する予告演出の種別)が変化するようになるので、これら予告演出パターンの出現状況が変化するタイミングに注目して遊技を行うようになるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、高確(確変)状態に移行する確変大当りBである場合と、高確(確変)状態に移行しない小当りである場合とでモードの移行状況が変わるため、モードの移行状況の違いにより遊技者の高確状態への期待感を煽ることができる。また、高確(確変)状態に移行しない小当りである場合であっても、小当り発生後の変動回数(始動回数)が高確状態の終了回数に相当する確変相当回数である78回以下の予め定められた所定回数となる使用テーブル変更始動回数に到達する前の期間において、モード変化決定用テーブルCを使用することで、高確(確変)状態に移行する確変大当りBが発生した場合において使用されるモード変化決定用テーブルAにおける「昇格」の割合である35/100(第3の割合)と同様の割合となる30/100の割合にてモードを移行させて遊技者の高確状態への期待感を煽ることが可能となる。
また、高確(確変)状態に移行する確変大当りBある場合において、確変大当りBの発生後、高確状態の終了回数である78回以下の予め定められた所定回数となる使用テーブル変更始動回数に到達した後の期間において、モード変化決定用テーブルBを使用することで、高確(確変)状態に移行しない小当りが発生した場合において使用されるモード変化決定用テーブルDにおける「昇格」の割合である15/100(第2の割合)と同様の割合となる25/100の割合にてモードを移行させることにより、モード変化決定用テーブルDよりも「昇格」の割合の高いモード変化決定用テーブルCにおける「昇格」の割合である30/100(第3の割合)によるモードの移行状況の発生により、遊技者の高確状態への期待感を煽ることが可能となる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、高確(確変)状態に移行する確変大当りBが発生した場合において、「当り」と決定される確率が高まることで、遊技の結果が「当り」となる場合において所定確率で決定されるスーパーリーチ(特殊可変表示パターン)が出現したときの信頼度が著しく高まってしまうことにより、これらスーパーリーチが出現した場合には「当り」となることがほぼ確実となってしまい興趣が低下してしまうが、遊技の結果が「当り」とならない場合において使用されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして、スーパーリーチに対する決定確率が高い確率とされたはずれ用変動パターン種別判定テーブルC(第2決定用テーブル)が選択されて変動パターンが決定されるので、遊技の結果が「当り」にならないと決定された場合においても、スーパーリーチが出現しやすくなる。よって、高確(確変)状態に移行する確変大当りBの発生後においてスーパーリーチが出現したときの信頼度を適度に抑制することができるため、遊技の興趣低下を回避できる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、遊技の結果が「当り」となるときにスーパーリーチ(特殊可変表示パターン)よりも出現頻度が低く、遊技の結果が「当り」とならないときにスーパーリーチ(特殊可変表示パターン)よりも出現頻度が低いことで、スーパーリーチよりも出現時の信頼度が低いノーマルリーチ(特別可変表示パターン)の出現頻度が、スーパーリーチと同様に、遊技の結果が「当り」とならないときに高まることがないので、これら出現時の信頼度が低いノーマルリーチが多く出現してしまうことによる興趣の低下を防止でき、よって、高確(確変)状態に移行する確変大当りBが発生した後における遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、はずれにおけるスーパーリーチの決定確率の高確率化が、出現時の信頼度が高いスーパーリーチC(第1特殊可変表示パターン)のはずれにおける決定確率を高めずに、出現時の信頼度が高いスーパーリーチCよりも低いスーパーリーチA、B(第2特殊可変表示パターン)のはずれにおける決定確率を高めることにより実施されているので、スーパーリーチC(第1特殊可変表示パターン)の信頼度が著しく低下してしまうことを防止できる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、電源投入時にのみ起動高確情報(起動高確信号)が出力されるとともに高確報知LED24が点灯されるので、これら起動高確情報(起動高確信号)に基づいて起動時の遊技状態が高確状態であるか否かを容易に確認することができるため、例えば遊技店が営業を開始するときに高確状態であることに対する適切な処理、具体的には、高確状態をリセットして通常遊技状態に移行させる処理等を簡便に行うことができるばかりか、電源投入時以外は高確状態である旨の起動高確情報(起動高確信号)が出力されてしまうことがないので、確変大当りBや小当りが発生した直後の遊技状態が高確状態であるか否かが遊技者に察知されてしまうことを防止できる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1によれば、変動表示の表示結果として所定の小当り表示結果を導出可能とし、確変大当りBによる大当り遊技状態と小当り遊技状態とで、大入賞口の開閉制御態様(開放時間が0.1秒で開放回数が15回)を共通化することで、確変大当りBまたは小当りのいずれに移行したかを特定しにくくするだけでなく、はずれ、確変大当りB、小当りの場合に選択される複数の変動パターンのうち、一部の変動パターンの変動演出態様を共通化し、はずれ、確変大当りB、小当りのいずれであったのかを分かりにくくしているため、確変大当りBが発生したこと、および該確変大当りBが発生して遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したこと(確変状態の潜伏)を遊技者に悟られないようにすることができる。よって、確変大当りBの発生に関係なく周期演出を周期的に実行することで、遊技状態が確変状態であることに対する遊技者の期待感を高めることができるため、確変大当りAの終了後に移行した確変状態が終了した後でも、周期演出が開始されるまで遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
なお、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bでは、前述したように特別図柄として複数種類の記号を可変表示させて表示結果を導出表示するようになっていることで、特別図柄の表示結果が確変大当りA,確変大当りB、小当りのいずれの表示結果であるかを遊技者が特定することを困難としているため、確変大当りBが発生したことおよび遊技状態が確変状態に移行したこと(確変状態の潜伏)をより遊技者に悟られにくくなる。
また、前記実施例では、遊技制御用CPU56は、確変大当りAを契機とする大当り遊技が終了したとき、確変大当りBを契機とする大当り遊技が終了したとき、確変大当りAを契機とする大当り遊技の終了後に移行させた確変状態が所定回数(78回)の変動表示の実行により終了したときに、所定の潜伏条件が成立したとして遊技状態を通常状態または確変状態のいずれかに移行させていたが、前記所定の潜伏条件は上記のものに限定されるものではなく、例えば大当り遊技の終了後等に遊技状態を確変状態に移行するか否かの移行抽選を実施するものにおいて、該移行抽選に当選したときに前記所定の潜伏条件が成立したとして遊技状態を確変状態に移行するようにしてもよい。すなわち、前記所定の潜伏条件とは、遊技状態の移行条件であって、大当り遊技が終了することだけでなく、大当り遊技の終了後に移行した遊技状態が所定回数の可変表示の実行により終了することや、移行抽選に当選したこと等により成立するものであってもよい。
また、前記実施例では、確変大当りA、Bを契機とする大当り遊技状態および小当りを契機とする小当り遊技状態において特別可変入賞球装置20の大入賞口が開放されるようになっていたが、例えば特別可変入賞球装置20とは別個に第2特別可変入賞球装置を設け、確変大当りAを契機とする大当り遊技状態においては特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する制御を行い、確変大当りBを契機とする大当り遊技状態および小当りを契機とする小当り遊技状態においては第2特別可変入賞球装置の大入賞口を開放する制御を行うようにしてもよい。
この場合、例えば第2特別可変入賞球装置に対し、本実施例の特別可変入賞球装置20のように水平軸周りに回動可能に設けられた開閉扉により大入賞口を開閉可能とする構造を採用せずに、例えば大入賞口内に遊技領域に向けて出退可能に設けた球受片をスライド移動させることで大入賞口を開閉可能とする構造を採用し、大入賞口を高速で開閉させることができるようにするとともに、さらにこれを小型化すること等により、確変大当りBの大当り遊技状態や小当りの小当り遊技状態の開放制御期間を極力短くすることができ、これにより大入賞口の開放制御が行われていることが遊技者はわかりにくくなるため、確変大当りBが発生したことを悟られずに遊技状態を高確低ベース状態に移行(潜伏)させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パチンコ遊技機などの遊技機に適用可能であり、特に、可変表示装置における識別情報の表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技機に好適に適用される。
また、前記実施例では、図55(b)に示すように、使用テーブル変更始動回数となる前の期間1においては、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCを使用した後、使用テーブル変更始動回数後においては、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA(B)を使用するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図56に示すように、これら確変大当りBの場合と同様に、使用テーブル変更始動回数後から変動回数が確変相当回数である78回となるまでの期間2については、はずれ用変動パターン種別判定テーブルDを使用することで、超短縮の変動パターンの出現頻度を高くして、通常遊技状態における平均変動時間よりも短い平均変動時間となるようにしても良い。
また、前記実施例では、使用テーブル変更始動回数の前後において使用するモード変化決定用テーブルを変更するタイミングを変更するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらモード変化決定用テーブルを変更するタイミングを、潜伏条件の成立時となる通常遊技状態において確変大当りBや小当りの発生時から、予め定められた所定の変動回数、例えば、35回等のように変化しない一定の変動回数としても良い。また、この場合には、通常遊技状態において確変大当りBが発生した場合には35回(または20回)、通常遊技状態において小当りが発生した場合には20回(35回)のように、潜伏条件の成立直後の遊技状態が確変(高確)状態であるか否かに応じて所定の変動回数を異なるものとしても良い。
また、前記実施例では、はずれのスーパーリーチの発生頻度が高められたはずれ用変動パターン種別判定テーブルCの使用を終了するタイミングである使用テーブル変更始動回数が変化するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら使用テーブル変更始動回数が変化しないものであっても良い。例えば、確変(高確)状態が終了する変動回数である78回(確変相当回数)において、はずれのスーパーリーチの発生頻度が高められたはずれ用変動パターン種別判定テーブルの使用を終了するようにしても良い。