JP2015050953A - 海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法 - Google Patents

海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザーによって切り抜かれる形状の精度を向上させながら加工時間の短縮化が図られる海苔レーザー加工装置を提供する。【解決手段】一枚の海苔シートにレーザーを照射して所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工装置は、レーザーの出力値を16.8Wを超える値に設定するとともに、レーザー照射ポイントの移動速度を、下限値と上限値とを有する所定の速度範囲内に設定して、海苔シートにレーザーを照射し、下限値を、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値とし、上限値を、200mm/秒を最低値としながら、レーザーの出力値の増加に応じて最低値よりも速い速度に変移する値とする構成としてある。【選択図】図3

Description

本発明は、シート状の海苔シートをレーザー加工により所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法に関し、特に、加工時間の短縮化を図りながら正確に切り抜き加工可能な海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法に関する。
近年、レーザー加工によりシート状の海苔シートを絵柄、図形等の表される所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工装置が提案されている(例えば、特許文献1)。このような海苔レーザー加工装置では、レーザーの照射ポイントの軌跡を示す移動データに従ってレーザーを移動させることにより、その軌跡上にある海苔を焼失させて、海苔シートを微細な形状の絵柄等に切り抜くことができるようになっている。
特開2001−178424号公報
このような海苔レーザー加工装置は、通常、海苔シート専用のレーザー加工装置ではなく、金属、樹脂などを加工対象物とする汎用的なレーザー加工装置を海苔シート加工用に転用したものである。
ところが、海苔シートは、金属、樹脂などとは異なり、厚さ1mmにも満たない食品であり、凹凸面を有するとともに、燃え易いという性質を有していることから、レーザー加工に適した加工対象物とはいえない。
例えば、海苔レーザー加工装置では、レーザーの照射熱で海苔シートの一部を焼失させることにより所望する形状に切り抜くようになっているものの、この照射熱は単にレーザーの照射ポイントに留まらず照射ポイントの周りにも伝達されることから、意図しない範囲まで焼失してしまい、思い(移動データ)通りの形状に切り抜けないことがあった。
また、複数枚の海苔シートを重ねて加工すると、加工後に海苔シート同士を離間させるときに切り抜いた絵柄等が破壊されることがあるため、海苔シートを一枚ずつ加工する必要があり、歩留まりが悪く、量産に不向きな加工対象物でもある。
そこで、海苔シート一枚あたりの加工時間を短縮しようとして、例えば、レーザーの照射ポイントの移動速度を速くすると、焼失部と非焼失部とが点在する点線となってしまい、思い(移動データ)通りの形状に切り抜けないこともある。
このような性質を有する海苔シートをレーザーにより切り抜き加工するために、海苔レーザー加工装置は、切り抜かれた形状が移動データ通りの形状になること、一枚あたりの加工時間(タクトタイム)を短いこと、それぞれの要件を満たす必要がある。
レーザー加工装置は、通常、レーザーの出力値とレーザー照射ポイントの移動速度とをそれぞれ個別に設定可能に構成されている。
そこで、発明者らは、レーザーによって切り抜かれる形状の精度を向上させるとともに加工時間の短縮化を図ることができる、海苔シートにとって最適なレーザーの出力値とレーザー照射ポイントの移動速度との関係を見出し、これを加工条件とする海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法の発明に至ったものである。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、レーザー加工により一枚の海苔シートを所定の形状に切り抜くときに、レーザーの出力値に対するレーザー照射ポイントの移動速度を最適な値に設定することにより、海苔シートを効率的かつ精密に切り抜き加工可能な海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の海苔レーザー加工装置は、一枚の海苔シートにレーザーを照射して所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工装置であって、前記レーザーの出力値を16.8Wを超える値に設定するとともに、レーザー照射ポイントの移動速度を、下限値と上限値とを有する所定の速度範囲内に設定して、海苔シートにレーザーを照射し、前記下限値を、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値とし、前記上限値を、200mm/秒を最低値としながら、前記レーザーの出力値の増加に応じて前記最低値よりも速い速度に変移する値とする構成としてある。
また、本発明の海苔レーザー加工方法は、一枚の海苔シートにレーザーを照射して所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工方法であって、前記レーザーの出力値を16.8Wを超える値に設定するとともに、レーザー照射ポイントの移動速度を、下限値と上限値とを有する所定の速度範囲内に設定して、海苔シートにレーザーを照射し、前記下限値を、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値とし、前記上限値を、200mm/秒を最低値としながら、前記レーザーの出力値の増加に応じて前記最低値よりも速い速度に変移する値とする方法としてある。
本発明の海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法によれば、レーザーによって切り抜かれる形状の精度を向上させながら加工時間の短縮化を図ることができる。
本実施形態に係る海苔レーザー加工装置の図であり(a)は正面図、(b)は右側面図である。 本実施形態に係る海苔レーザー加工装置を模式的に示した断面図であり、(a)は図1(b)のA−A断面図、(b)は図1(b)のB−B断面図である。 本実施形態に係る海苔レーザー加工装置による加工条件を示す図表である。
以下、本発明に係る海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法の好ましい実施形態について図1〜図3を参照しながら説明する。
本実施形態に係る海苔レーザー加工装置1は、図1に示すように、本体フレーム2、レーザー装置3、レーザー加工室4、風洞室5、消火室6、制御部7、図示しない集塵室、吸気装置などを備えている。
本体フレーム2は、L型鋼などで形成され、上記各室等3〜7の取り付けられるベース部材となっている。
レーザー装置3は、レーザー加工室4の上部に取り付けられ、炭酸ガスレーザーを出射する。
レーザー装置3は、電力量22.2Wを最大出力値として出力値を選択可能に構成され、例えば、7.0W〜22.2Wの範囲内において、段階的に出力値を選択できるようになっている。
また、レーザー装置3は、例えば、入射されたレーザーを伝播可能に反射するXYZ軸方向それぞれに回転する複数(3つ)のミラーを有する3軸同時スキャニング方式レーザー装置であって、それぞれのミラーの回転角度を変更することにより、図2(a)に示すように、レーザーRの照射方向(例えば、R1〜R3)を制御して、照射可能領域内の任意の照射ポイント(例えば、P1〜P3)に焦点を合わせてピンポイントで照射可能に構成されている。複数(3つ)のミラーはそれぞれ独立して制御可能なモータ等に接続され、これにより、海苔シートS上の任意のX−Y座標点に焦点を合わせてレーザーを照射することができるようになっている。
また、レーザー装置3は、ミラーの回転速度を調整することにより、照射ポイントの移動速度を選択可能に構成され、例えば、50〜600mm/秒の範囲において、段階的に移動速度を選択できるようになっている。
なお、照射ポイントの移動速度とは、例えば、海苔シートS(X−Y平面)上の一の照射ポイントから他の照射ポイントまでレーザーを照射したときの照射ポイントの移動速度をいい、海苔シートS以外の部分を照射しているときの速度は含まない。
レーザー加工室4は、前面に開閉可能に形成された扉41を備える筐体構造を有し、筐体(閉空間)内に設置される海苔シートSに対してレーザー照射を行う。
風洞室5は、レーザー加工室4に連通し、レーザー加工室4内の空気を外部に排出可能な風洞51を備えている。
ここで、レーザー加工室4と風洞室5について、図2(a)を参照しながら説明する。
レーザー加工室4は、両側面に開口された吸気孔42と、海苔シートSの載置される載置面となる金網43と、を備え、金網43の下部は、風洞室5に連通可能に開口されている。
金網43は、ステンレス製のメッシュ構造物であり、例えば、5mm×5mm以上の開口目合いを有するとともに、レーザー加工室4に対して着脱可能に形成されている。
海苔シートSの載置面をこのような金網43とすることにより、海苔シートSは金網43と点又は線接触することから、金網43から海苔シートSへの伝熱が抑制され、海苔シートSの焦げ等が防止される。
また、金網43の下部には、所定の空間容量を有する風洞51が形成されている。この風洞51は、例えば、すり鉢形状を有している。
このような構成により、金網43に載置された海苔シートSは、上面のみならず下面側においても空気に曝された状態にあることから、レーザーによる照射熱が効率的に放熱されることになる。
風洞51は、連結ホース6a,6b及び消化室6などを介して吸気装置(不図示)と接続され、風洞51内の空気が下方に向かって排気される。さらに、風洞51内の空気の排気により吸気孔42を介してレーザー加工室4内に外気が流入する。
この外気により、海苔シートSが冷却されるとともに、切り抜かれた海苔片が金網43を通じて下方の風洞51に誘導される。
このような構成により、海苔シートSは下方に吸い寄せられて金網43に密着することから、凹凸のない平らな形状となるため、加工精度を向上させることができる。
また、載置された海苔シートSが外気により冷却されつつ、切り抜かれた海苔片が金網43を介して風洞51内に誘導されることから、海苔片が長い時間に亘って海苔シートS上に留まることによる影響を抑制することができる。すなわち、切り抜かれた海苔片は未だ燃焼中であり、これが海苔シートS上に長く滞在すると焼失範囲を無用に増大させることになるが、排気により海苔片を風洞51内にすばやく誘導することにより、焼失範囲の増大を抑制することができる。
消火室6は、筐体構造を有するとともに、筐体内に燃焼物(海苔片)の衝突する迷路状の金属通路61を備え、連結ホース6aを介して風洞51から流入する海苔片を消火させる。
図2(b)に示すように、消火室6は、吸気装置により吸気される空気の流路でありながら、連結ホース6aと連結ホース6bとをつなぐ中継バッファー室となっている。
金属通路61は、連結ホース6aと連結ホース6bとの間の空間を仕切るように配置され、例えば、断面コの字状のステンレス製レールが交互に対向配置された格子状部材で構成されている。
このような構成により、連結ホース6aを介して消火室6内に流入する海苔片は断面コの字状のレールの内側面に衝突する。これにより、海苔片から熱が奪われて燃焼中の海苔片が消火されることになる。
さらに、消火された海苔片は、金属通路61を通り抜けて消火室6から流出し、連結ホース6bを介して図示しない集塵室に導かれるようになっている。
このように吸気装置により吸気される空気の流路に迷路状の金属通路61を設けることにより、例えば、海苔片が集塵室に流入して捕集されるときには、既に消火された状態にあることから、集塵室からの出火(例えば、フィルター等の燃焼)が防止される。
集塵室は、海苔片を捕集するとともに、レーザー加工により発生した臭気を脱臭するフィルターを備え、さらに吸気装置(吸気手段)として排風機(排気ファン)が設けられている。
フィルターは活性炭を有するとともに積層タイプの多段式(例えば、6段)で構成され、脱臭が図られるようになっている。
また、集塵室は、下部から吸い上げた空気が多段式フィルターを通って上方へ向けて流通する吸気流路を備え、自重を利用して海苔片を捕集できるようになっている。
吸気流量は、例えば、1〜15m/分の範囲で調整可能であり、吸気により切り抜き形状が破壊されることなく海苔片を迅速に回収するためには、10〜15m/分の範囲での使用が好ましい。
以上のように構成された海苔レーザー加工装置1により、海苔シートSに対してレーザー装置3による切り抜き加工が行われる。
例えば、図2(a)に示すように、金網43の上に載置された一枚の海苔シートSにレーザーRを照射する。レーザー装置3は、出力をオンオフさせることなくある出力値を維持したままミラーの回転角度を連続的に変更することにより、レーザーRの照射方向を、例えば、R1からR3まで連続的に変化させる。これにより、焦点となる照射ポイントは、例えば、海苔シートS上のP1からP3までに連続して移動する。このような制御により、例えば、海苔シートSにはP1からP3までに亘るスリット状の切り抜き孔が形成されることになる。
このような切り抜き孔は、海苔の焼失範囲により特定される形状であり、レーザーの照射ポイントの軌跡を示す移動データに従って形成されることになる。焼失範囲が上記のようなスリット形状であれば、外観上、直線性が担保されることが好ましいが、過剰なレーザー照射により、焼失範囲が広がると、焼失範囲の周縁部が滑らかな直線とならず、ギザギザになってしまい外観上好ましくない。
焼失範囲は、レーザーの出力値が大きいほど広くなり、レーザーの出力値が小さいほど狭くなる傾向がある。また、レーザーの出力値が同じであっても照射ポイント間の移動速度が速いほど狭くなり、遅いほど広くなる傾向がある。
また、レーザーの出力値がある値以下のときは、照射ポイント間の移動速度が遅いほど広くなる傾向はあるが、加工時間が長くなるという弊害も生じる。
このような傾向を踏まえつつ、海苔の切り抜き加工に最適なレーザーの出力値と照射ポイントの移動速度との組合せを導き出した。
具体的には、図3に示すように、レーザーの出力値と照射ポイントの移動速度の組合せからなる複数の加工条件を設定し、それぞれ異なる一枚の海苔シートSに対して各加工条件でレーザーによる切り抜き加工を行った。
レーザーの出力値は、14.0W〜22.2Wの範囲内において段階的に6通り設定し、これに対して照射ポイントの移動速度は、100mm/秒〜400mm/秒の範囲内において50mm/秒単位で段階的に7通り設定し、これらを組合せて同一の移動データに基づいて切り抜き加工を行った。
組合せの良否の判断にあたり、焼失の成否と加工時間の長短を判断基準とした。
焼失の成否は、切り抜き加工の正確さ(切り抜かれているか否か)を左右する重要な判断基準であり、例えば、レーザーを連続照射しながら移動させたときには、焼失ラインが連続線となる方が好ましく、焼失部と非焼失部とが点在する点線となってしまう場合には、レーザー照射量の不足する量産に不向きな加工条件であると判断し、図中「△2」をマークした。
一方、加工時間の長短は、量産性の適否を左右する重要な判断基準であり、加工時間が短い方が好ましく、加工時間が長い場合には、焼失ラインが連続線となったとしても、量産に不向きな加工条件であると判断し、図中「△1」をマークした。図中「△1」をマークしたときの海苔シート一枚あたりの加工時間は、例えば、1分以上であった。この時間は移動データのデータ量に左右されるものの、量産前提の移動データを用いて加工したため、実用上好ましくないと判断した。
図中「〇」は、加工時間が短く、かつ、焼失ラインが連続線となる良好な加工条件の組合せを示している。
なお、「−」は、切り抜き加工を行っていない組合せを示している。
以上のような判断基準に基づき、加工時間が短く、かつ、焼失ラインが連続線となる良好な加工条件の組合せである「〇」は、図3に示すように、「△1」と「△2」とに囲まれる範囲内の値であり、レーザーの出力値が19.0Wのときでは、照射ポイントの移動速度が150mm/秒、200mm/秒のときであり、レーザーの出力値が21.0Wのときでは、照射ポイントの移動速度が150mm/秒、200mm/秒、250mm/秒のときであり、レーザーの出力値が22.1Wのときでは、照射ポイントの移動速度が150mm/秒、200mm/秒、250mm/秒、300mm/秒のときであり、レーザーの出力値が22.2Wのときでは、照射ポイントの移動速度が150mm/秒、200mm/秒、250mm/秒、300mm/秒のときである。
この結果から、レーザーの出力値が増加するほど、照射ポイントの移動速度を速くしても焼失ラインが連続線となる傾向が見られる。
ただし、本実施形態の加工条件では、各数値を段階的に設定していることから、「〇」と「△」との間の値においても「〇」がマークされる可能性がある。
そこで、明らかに「△1」又は「△2」のマークされている組合せ以外を、加工時間が短く、かつ、焼失ラインが連続線となる良好な加工条件の組合せ、すなわち「〇」とみなすことにする。
そうすると、良好な加工条件の組合せは、レーザーの出力値が16.8Wを超える値であるとともに、レーザー照射ポイントの移動速度が下限値と上限値とを有する所定の速度範囲内の値となる。
このときの下限値は、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値となり、上限値は、200mm/秒を最低値としながら、レーザーの出力値の増加に応じて最低値よりも速い速度に変移する値となる。
このような結果から以下のようなことが確認される。
第一に、照射ポイントの移動速度が100mm/秒以下では、焼失ラインが連続線となったとしても、タクトタイムが長く生産効率が悪いことから、レーザーの出力値の大小にかかわらず、加工条件としては採用に至らないこと。
第二に、照射ポイントの移動速度を100mm/秒を超える値に設定したときでは、レーザーの出力値を少なくとも16.8Wを超える値に設定する必要があること。
第三に、レーザーの出力値を少なくとも16.8Wを超える値に設定したときでは、レーザーの出力値ごとに異なる所定の照射ポイントの移動速度を超えると、レーザーの移動軌跡において焼失部と非焼失部とが点在する点線となることから、レーザーの出力値に応じて照射ポイントの移動速度の上限値があること。つまり、加工条件となる照射ポイントの移動速度にはレーザーの出力値に応じた上限値があり、その上限値はレーザーの出力値の増加に応じて徐々に速い速度に変移すること。なお、このことから22.2Wを超えるレーザー出力値でも22.2W以下と同様な傾向を有しているものと推測され、レーザーの出力値が22.2Wを超える場合においても上限値はレーザーの出力値の増加に応じて徐々に速い速度に変移することが予測される。
以上のことから、レーザーによる海苔シートSの切り抜き加工にあたり、レーザーの出力値を16.8Wを超える値に設定するとともに、レーザー照射ポイントの移動速度を下限値と上限値とを有する所定の速度範囲内の値に設定して、海苔シートSにレーザーを照射することが好ましく、下限値を、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値とし、上限値を、200mm/秒を最低値としながら、レーザーの出力値の増加に応じて最低値よりも速い速度に変移する値とすることが好ましい。
本実施形態の海苔レーザー加工装置1には、このような好ましい加工条件が予め設定され、この加工条件に基づいてレーザー装置3が制御される。
例えば、海苔レーザー加工装置1は、レーザー装置3を制御可能な制御部7(コンピュータ)を有し、この制御部7のハードディスク等の記憶手段に、移動データとともに上記の好ましい加工条件がデータとして記憶され、このデータに基づいてレーザー装置3(例えば、出力値制御用インバータ、ミラー制御用モータ)が制御されるようになっている。
その結果、レーザー装置3は、レーザーの出力値を16.8Wを超える値としながら、レーザー照射ポイントの移動速度を上記の下限値と上限値とを有する速度範囲内の値に設定して、海苔シートSにレーザーを照射するという海苔レーザー加工方法を実行する。
これにより、加工時間が短く、かつ、焼失ラインが連続線となる海苔シートSを製造することができる。
以上説明したように、本実施形態の海苔レーザー加工装置1及び海苔レーザー加工方法によれば、レーザーによって切り抜かれる形状の精度を向上させながら加工時間の短縮化を図ることができる。
以上、本発明の海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態のレーザー装置3はミラーの回転によりレーザーの照射方向を制御し、照射ポイントを移動させたが、例えば、レーザーの照射方向を一定にして、レーザー装置3及び/又は載置面(金網43)をX−Y方向に移動させることにより、照射ポイントを移動させることもできる。この場合の照射ポイントの移動速度は、海苔シートSを照射中における、レーザー装置3及び/又は載置面(金網43)の移動速度である。
また、照射ポイントの移動速度には、実速度のみならず平均速度を含むこともできる。
また、本実施形態では、加工条件の組合せの良否の判断にあたり、加工時間の長短と焼失の成否を判断基準としたが、焼失範囲の安定性を判断基準に加えることもできる。焼失範囲の安定性とは、切り抜き形状が移動データ通りに形成されることであり、例えば、焼失範囲がスリット形状であれば、直線的な矩形状に切り抜けることが好ましく、スリット幅にムラができることは外観上好ましくない。
このようにスリット幅にムラができるのは、レーザーの照射熱が単にレーザーの照射ポイントに留まらず照射ポイントの周りに急速に伝達されることで起こる現象である。このような現象の発生は、単位面積あたりのレーザー照射量の多少に左右され、現象の発生を回避するためには、レーザー出力値と照射ポイントの移動速度とのバランスが重要となる。
特に、レーザー出力値が高く、照射ポイントの移動速度が遅いほど焼失範囲の安定性が損なわれるものと考えられることから、焼失範囲の安定性を、加工条件の組合せの良否の判断基準に加えた場合、例えば、図3中において、「○」の範囲は、レーザー出力値が増加するほど照射ポイントの移動速度が速い方へシフトしていくものと予想される。
つまり、加工条件の組合せの良否の判断にあたり、加工時間の長短と焼失の成否を判断基準としたときには、照射ポイントの移動速度の下限値を、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値としたが、判断基準に焼失範囲の安定性を加えた場合では、下限値は、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値を最低値としながら、レーザーの出力値の増加に応じてこの最低値よりも速い速度に変移する値となることが予測され、これを加工条件として加えることもできる。
本発明は、レーザー加工により海苔シートを所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工装置及び海苔レーザー加工方法に広く利用することができる。
1 海苔レーザー加工装置
2 本体フレーム
3 レーザー装置
4 レーザー加工室
41 扉
42 吸気孔
43 金網
5 風洞室
6 消火室
61 金属通路
7 制御部

Claims (4)

  1. 一枚の海苔シートにレーザーを照射して所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工装置であって、
    前記レーザーの出力値を16.8Wを超える値に設定するとともに、
    レーザー照射ポイントの移動速度を、下限値と上限値とを有する所定の速度範囲内に設定して、海苔シートにレーザーを照射し、
    前記下限値を、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値とし、
    前記上限値を、200mm/秒を最低値としながら、前記レーザーの出力値の増加に応じて前記最低値よりも速い速度に変移する値とする
    ことを特徴とする海苔レーザー加工装置。
  2. 前記海苔シートの載置される網状の載置面と、
    前記載置面の下部側に所定の空間を有して形成される風洞と、
    前記風洞内を吸気する吸気手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の海苔レーザー加工装置。
  3. 前記吸気手段により吸気された空気の流路に、
    燃焼物の衝突する迷路状の金属通路を設けた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の海苔レーザー加工装置。
  4. 一枚の海苔シートにレーザーを照射して所定の形状に切り抜く海苔レーザー加工方法であって、
    前記レーザーの出力値を16.8Wを超える値に設定するとともに、
    レーザー照射ポイントの移動速度を、下限値と上限値とを有する所定の速度範囲内に設定して、海苔シートにレーザーを照射し、
    前記下限値を、100mm/秒を超え150mm/秒以下の値とし、
    前記上限値を、200mm/秒を最低値としながら、前記レーザーの出力値の増加に応じて前記最低値よりも速い速度に変移する値とする
    ことを特徴とする海苔レーザー加工方法。
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