JP2015050214A - 光源装置および該光源装置を備える光断層画像撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振器を構成する一方のミラーである回転円盤上のスリット鏡を用いて波長掃引する際に、2波長で発振し、あるいは短波長側/長波長側の波長間で不安定に波長がジャンプするのを抑制でき、高速な波長掃引が可能な光源装置を提供する。【解決手段】共振器を構成する一方のミラーが、回転可能な円盤の円周上に一定の幅で一定のピッチにより形成されたスリット鏡によって構成され、共振器内の光増幅媒体からの光を分散素子により波長分散させた分散光を、集光光学系により円盤のスリット鏡が形成された面上に結像させて該スリット鏡により波長選択を行い、波長選択された波長を円盤を回転させて波長掃引する光源装置であって、スリット鏡の前記一定の幅をdとし、一定のピッチをpとするとき、スリット鏡における(p−d)の値が、集光光学系により円盤上に結像させた分散光像の前記円盤の円周に沿った幅以上の値である。【選択図】 図1
Description
本発明は、光源装置および該光源装置を備える光断層画像撮像装置(オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ装置)に関し、特に発振波長を掃引することが可能な光源装置および該光源装置を備える光断層画像撮像装置に関する。
光源、特にレーザー光源については、発振波長を可変とするものが通信ネットワーク分野や検査装置の分野で種々利用されてきている。
通信ネットワーク分野では、高速な波長切替、また、検査装置の分野では高速で広範な波長掃引が、要望されている。
検査装置における波長可変(掃引)光源の用途として、レーザー分光器、分散測定器、膜厚測定器、波長掃引型光トモグラフィー(Swept SourceOptical Coherence Tomography、以下、これをSS−OCTと記す。)装置がある。
SS−OCTは、低コヒーレンス光干渉を用いて検体の断層像を撮像するものである。ミクロンオーダーの空間分解能が得られることや無侵襲性等の理由から医用分野における研究が近年、盛んになってきている撮像技術である。
通信ネットワーク分野では、高速な波長切替、また、検査装置の分野では高速で広範な波長掃引が、要望されている。
検査装置における波長可変(掃引)光源の用途として、レーザー分光器、分散測定器、膜厚測定器、波長掃引型光トモグラフィー(Swept SourceOptical Coherence Tomography、以下、これをSS−OCTと記す。)装置がある。
SS−OCTは、低コヒーレンス光干渉を用いて検体の断層像を撮像するものである。ミクロンオーダーの空間分解能が得られることや無侵襲性等の理由から医用分野における研究が近年、盛んになってきている撮像技術である。
現在、OCTは、深さ方向の解像度を数ミクロンとし、且つ数mmの深さまで断層像を得ることができ、眼科撮影、歯科撮影等に用いられている。
中でも、SS−OCTは、光源の発振波長(周波数)を時間的に掃引するもので、フーリエ領域(FD)OCTの範疇に入る。
同じくFDOCTの範疇に入るスペクトル領域(スペクトルドメイン:SD)OCTが干渉光を分光する分光器を必用とするのに対し、このSS−OCTでは分光器を用いないことから、光量のロスが少なく高SN比の像取得も期待されている。
中でも、SS−OCTは、光源の発振波長(周波数)を時間的に掃引するもので、フーリエ領域(FD)OCTの範疇に入る。
同じくFDOCTの範疇に入るスペクトル領域(スペクトルドメイン:SD)OCTが干渉光を分光する分光器を必用とするのに対し、このSS−OCTでは分光器を用いないことから、光量のロスが少なく高SN比の像取得も期待されている。
上記SS−OCT技術を適用した医用画像撮像装置を構成する場合には、掃引速度が速いほど画像取得時間を短縮でき、また、波長掃引幅が広いほど断層像の深さ空間解像度を高めることが可能なためこれらのパラメータは重要である。
具体的には波長掃引幅Δλ、発振波長λ0、検体の屈折率をnとするとき、深さ分解能δLは、
δL=2ln2/π×λo2/nΔλ(式1)
で表される。
したがって、深さ分解能を高めるためには波長掃引幅の拡大が必要であり、広帯域な波長掃引光源が求められている。
一方、SS−OCT装置においては検体の奥深い構造まで検出できること、すなわち長い可干渉距離を実現できることが望まれる。このため、SS−OCT装置の光源の性能としては、発振スペクトル線幅がより狭いほうが望ましい。
具体的には発振スペクトル線幅δλ、発振波長λ0、検体の屈折率をnとするとき、可干渉距離(コヒーレンス長)Lは、
L=λo2/nδλ(式2)
で表わされる。
したがって、検体の奥行き方向の測定範囲を広げるためには発振スペクトル線幅の狭小化
が必要であり、狭い線幅の波長掃引光源が求められている。
こうした中、早い波長掃引速度と長い可干渉距離と広い波長掃引幅を高い次元で並立可能な波長掃引光源装置として、回転円盤に設けたスリット鏡を用いて波長掃引する回転円盤方式の波長掃引光源が特許文献1に開示されている。
図4に特許文献1に記載の回転円盤方式の波長掃引光源を示す。図4において、32は光線を生成する光増幅媒体でその一方の端面にはエンドリフレクタ31が形成されている。33はコリメートビームを形成する光学系、34は分散素子、35は分散素子で分散した光線をスリット鏡面に集光するための光学系、36はスリット鏡を形成した円板、37は前記円板を回転するためのモーターである。光増幅媒体32で生成された光線は光学系33でコリメートビームに変換されて分散素子34に入射する。分散素子34に入射したコリメートビームは、波長により異なる回折角に分散され、それらの分散光線は集光光学系35で集光され、スリット鏡を形成した円板36上の波長に応じて異なる位置に集光される。波長により異なる位置に集光された分散光像の一部分を、円板上に形成されたスリット鏡が反射することで、分散素子34、集光光学系35、スリット鏡を形成した円板36の組み合わせが、波長選択機構として機能する。スリット鏡を形成した円板36をモーター37で高速に回転する事により、高速な波長掃引が可能となる。
具体的には波長掃引幅Δλ、発振波長λ0、検体の屈折率をnとするとき、深さ分解能δLは、
δL=2ln2/π×λo2/nΔλ(式1)
で表される。
したがって、深さ分解能を高めるためには波長掃引幅の拡大が必要であり、広帯域な波長掃引光源が求められている。
一方、SS−OCT装置においては検体の奥深い構造まで検出できること、すなわち長い可干渉距離を実現できることが望まれる。このため、SS−OCT装置の光源の性能としては、発振スペクトル線幅がより狭いほうが望ましい。
具体的には発振スペクトル線幅δλ、発振波長λ0、検体の屈折率をnとするとき、可干渉距離(コヒーレンス長)Lは、
L=λo2/nδλ(式2)
で表わされる。
したがって、検体の奥行き方向の測定範囲を広げるためには発振スペクトル線幅の狭小化
が必要であり、狭い線幅の波長掃引光源が求められている。
こうした中、早い波長掃引速度と長い可干渉距離と広い波長掃引幅を高い次元で並立可能な波長掃引光源装置として、回転円盤に設けたスリット鏡を用いて波長掃引する回転円盤方式の波長掃引光源が特許文献1に開示されている。
図4に特許文献1に記載の回転円盤方式の波長掃引光源を示す。図4において、32は光線を生成する光増幅媒体でその一方の端面にはエンドリフレクタ31が形成されている。33はコリメートビームを形成する光学系、34は分散素子、35は分散素子で分散した光線をスリット鏡面に集光するための光学系、36はスリット鏡を形成した円板、37は前記円板を回転するためのモーターである。光増幅媒体32で生成された光線は光学系33でコリメートビームに変換されて分散素子34に入射する。分散素子34に入射したコリメートビームは、波長により異なる回折角に分散され、それらの分散光線は集光光学系35で集光され、スリット鏡を形成した円板36上の波長に応じて異なる位置に集光される。波長により異なる位置に集光された分散光像の一部分を、円板上に形成されたスリット鏡が反射することで、分散素子34、集光光学系35、スリット鏡を形成した円板36の組み合わせが、波長選択機構として機能する。スリット鏡を形成した円板36をモーター37で高速に回転する事により、高速な波長掃引が可能となる。
波長掃引光源を用いて医用画像撮像装置を構成する場合には、波長掃引速度が速いほど短い時間で撮像ができて好ましいことについては、[背景技術]のところで述べた。
しかし、波長掃引光源は単位時間当たりの波長掃引速度(nm/s)を大きくするとコヒーレンシーが悪化するため、医用画像撮像装置に必要なコヒーレント長を保ったまま波長掃引速度を高速化することは非常に難しい。特許文献1に開示された回転円盤方式の波長掃引光源は、速い波長掃引速度と長い可干渉距離と広い波長掃引幅を高い次元で並立可能である。しかし、この波長掃引光源を実際に医用画像撮像装置に用いる波長掃引光源として利用しようとすると、つぎのような課題を有している。
回転円盤方式の波長掃引光源は、分散素子で分散した分散光ビームのビーム径と、分散素子である回折格子の線数と、集光光学系のNAと、スリット鏡の幅によって可干渉距離が決まる。
また、回折格子の線数と、集光光学系のNAと、スリット鏡の間隔によって掃引可能な波長幅が決まり、スリット鏡の間隔とスリット鏡の移動速度で波長掃引速度が決まる。
ここで、一般に半導体光増幅媒体のゲイン帯域の広さはばらつきが大きい。メーカーから同一型番の半導体光増幅媒体を購入しても、そのゲイン帯域の広さは、ゲイン帯域の広い個体とゲイン帯域の狭い個体では、そのゲイン帯域幅が1.5倍以上異なることも珍しくない。
このため、必要な可干渉距離および波長掃引幅に合わせて波長選択機構部を設計すると、必要以上に広いゲイン帯域を有した半導体光増幅器が組み込まれた場合、回転円板上の分散光像が隣り合う2つのスリット鏡で反射される場合が生じる。
このようなことが起きると、2波長で発振したり、短波長側/長波長側の波長間で不安定に波長がジャンプしたりするという問題が生じるという課題があった。
しかし、波長掃引光源は単位時間当たりの波長掃引速度(nm/s)を大きくするとコヒーレンシーが悪化するため、医用画像撮像装置に必要なコヒーレント長を保ったまま波長掃引速度を高速化することは非常に難しい。特許文献1に開示された回転円盤方式の波長掃引光源は、速い波長掃引速度と長い可干渉距離と広い波長掃引幅を高い次元で並立可能である。しかし、この波長掃引光源を実際に医用画像撮像装置に用いる波長掃引光源として利用しようとすると、つぎのような課題を有している。
回転円盤方式の波長掃引光源は、分散素子で分散した分散光ビームのビーム径と、分散素子である回折格子の線数と、集光光学系のNAと、スリット鏡の幅によって可干渉距離が決まる。
また、回折格子の線数と、集光光学系のNAと、スリット鏡の間隔によって掃引可能な波長幅が決まり、スリット鏡の間隔とスリット鏡の移動速度で波長掃引速度が決まる。
ここで、一般に半導体光増幅媒体のゲイン帯域の広さはばらつきが大きい。メーカーから同一型番の半導体光増幅媒体を購入しても、そのゲイン帯域の広さは、ゲイン帯域の広い個体とゲイン帯域の狭い個体では、そのゲイン帯域幅が1.5倍以上異なることも珍しくない。
このため、必要な可干渉距離および波長掃引幅に合わせて波長選択機構部を設計すると、必要以上に広いゲイン帯域を有した半導体光増幅器が組み込まれた場合、回転円板上の分散光像が隣り合う2つのスリット鏡で反射される場合が生じる。
このようなことが起きると、2波長で発振したり、短波長側/長波長側の波長間で不安定に波長がジャンプしたりするという問題が生じるという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、共振器を構成する一方のミラーである回転可能な円盤上のスリット鏡を用いて波長掃引する際に、2波長で発振し、あるいは短波長側/長波長側の波長間で不安定に波長がジャンプするのを抑制することができ、高速な波長掃引が可能な光源装置、および該光源装置を備える高分解能、高深達、且つ、高速画像取得が可能な光
断層画像撮像装置の提供を目的とする。
断層画像撮像装置の提供を目的とする。
本発明の光源装置は、共振器を構成する一方のミラーが、回転可能な円盤の円周上に一定の幅で一定のピッチにより形成されたスリット鏡によって構成され、
前記共振器内の光増幅媒体からの光を分散素子により波長分散させた分散光を、集光光学系により前記円盤のスリット鏡が形成された面上に結像させて該スリット鏡により波長選択を行い、前記波長選択された波長を前記円盤を回転させて波長掃引する光源装置であって、
前記スリット鏡の前記一定の幅をdとし、一定のピッチをpとするとき、
前記スリット鏡における(p−d)の値が、前記集光光学系により前記円盤上に結像させた分散光像の前記円盤の円周に沿った幅以上の値であることを特徴とする。
また、本発明の光断層画像撮像装置は、
光源と、
前記光源から出力された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、
前記測定光を被検体に照射して得られる反射光と前記参照光とを干渉させて干渉信号を生成する干渉計と、
前記干渉計からの光信号を電気信号に変換して出力する信号処理装置と、
を備え、
前記光源が、上記した光源で構成されていることを特徴とする。
前記共振器内の光増幅媒体からの光を分散素子により波長分散させた分散光を、集光光学系により前記円盤のスリット鏡が形成された面上に結像させて該スリット鏡により波長選択を行い、前記波長選択された波長を前記円盤を回転させて波長掃引する光源装置であって、
前記スリット鏡の前記一定の幅をdとし、一定のピッチをpとするとき、
前記スリット鏡における(p−d)の値が、前記集光光学系により前記円盤上に結像させた分散光像の前記円盤の円周に沿った幅以上の値であることを特徴とする。
また、本発明の光断層画像撮像装置は、
光源と、
前記光源から出力された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、
前記測定光を被検体に照射して得られる反射光と前記参照光とを干渉させて干渉信号を生成する干渉計と、
前記干渉計からの光信号を電気信号に変換して出力する信号処理装置と、
を備え、
前記光源が、上記した光源で構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、共振器を構成する一方のミラーである回転可能な円盤上のスリット鏡を用いて波長掃引する際に、2波長で発振し、あるいは短波長側/長波長側の波長間で不安定に波長がジャンプするのを抑制することができ、高速な波長掃引が可能な光源装置、および該光源装置を備える高分解能、高深達、且つ、高速画像取得が可能な光断層画像撮像装置を実現することができる。
以下に、本発明の実施形態における光源装置の構成例について説明する。
(実施形態1)
実施形態1として、本発明を適用した波長掃引光源装置の構成例について説明する。
本実施形態の波長掃引光源装置は、一対のミラーからなる共振器における一方のミラーが、回転可能な円盤の円周上に一定の幅で一定のピッチにより形成されたスリット鏡によって構成されている。
そして、前記共振器内の光増幅媒体からの光を分散素子により波長分散させ、該分散光を集光光学系により前記円盤のスリット鏡が形成された面上に結像させて波長選択を行い、前記波長選択された波長を前記円盤を回転させて波長掃引するように構成されている。
具体的な構成については、以下に図1を用いて説明する。
図1において、102は半導体光増幅媒体で、一方の端面には共振器を構成するエンドリフレクタ101として部分反射膜が成膜されている。
103はコリメートレンズ、105は分散素子、106は集光光学系、107は円盤の円周に沿った方向の幅がdであるスリット鏡をピッチpで形成した円板、108は円盤107を回転させるためのモーターである。
110は波長掃引光を出力する出力ファイバー、109はエンドリフレクタ101から出力された光出力を出力ファイバー110にカップリングするためのカップリングレンズである。
半導体光増幅媒体102から分散素子の配置してある方向へ出射された光線は、コリメートレンズ103でコリメートビームに変換される。
コリメートビームは、分散素子105で分散される。
この分散光を集光光学系106で集光し、円盤107上に結像させる。円盤上に結像した分散光(112)の一部をスリット鏡で反射することで波長選択を行い、選択波長を掃引するように円盤を回転させてスリット鏡を動かすことで波長掃引ができる。
これを可能にするため、円盤の接線方向と平行な方向にコリメートビームが回折する向きであって、かつ、掃引する波長範囲の中心波長λ0の分散光が円盤面にほぼ垂直に入射する向きに分散素子105を配置する。
(実施形態1)
実施形態1として、本発明を適用した波長掃引光源装置の構成例について説明する。
本実施形態の波長掃引光源装置は、一対のミラーからなる共振器における一方のミラーが、回転可能な円盤の円周上に一定の幅で一定のピッチにより形成されたスリット鏡によって構成されている。
そして、前記共振器内の光増幅媒体からの光を分散素子により波長分散させ、該分散光を集光光学系により前記円盤のスリット鏡が形成された面上に結像させて波長選択を行い、前記波長選択された波長を前記円盤を回転させて波長掃引するように構成されている。
具体的な構成については、以下に図1を用いて説明する。
図1において、102は半導体光増幅媒体で、一方の端面には共振器を構成するエンドリフレクタ101として部分反射膜が成膜されている。
103はコリメートレンズ、105は分散素子、106は集光光学系、107は円盤の円周に沿った方向の幅がdであるスリット鏡をピッチpで形成した円板、108は円盤107を回転させるためのモーターである。
110は波長掃引光を出力する出力ファイバー、109はエンドリフレクタ101から出力された光出力を出力ファイバー110にカップリングするためのカップリングレンズである。
半導体光増幅媒体102から分散素子の配置してある方向へ出射された光線は、コリメートレンズ103でコリメートビームに変換される。
コリメートビームは、分散素子105で分散される。
この分散光を集光光学系106で集光し、円盤107上に結像させる。円盤上に結像した分散光(112)の一部をスリット鏡で反射することで波長選択を行い、選択波長を掃引するように円盤を回転させてスリット鏡を動かすことで波長掃引ができる。
これを可能にするため、円盤の接線方向と平行な方向にコリメートビームが回折する向きであって、かつ、掃引する波長範囲の中心波長λ0の分散光が円盤面にほぼ垂直に入射する向きに分散素子105を配置する。
前述したように、半導体光増幅媒体102にはゲイン帯域の広さにばらつきがある。
円盤107に設けるスリット鏡の幅dやピッチpを、波長掃引速度のみを考慮して決定してしまうと、スリット鏡の(p−d)の値が、円盤上の分散光像の円盤の円周に沿った幅よりも狭くなる場合がある。
このような場合、分散光像が隣り合う2つのスリット鏡で反射され、2波長で発振したり、短波長側/長波長側の波長間で不安定に波長がジャンプしたりという問題が生じる。
そこで、本発明では円盤上のスリット鏡の(p−d)の値を、分散光像の円盤の円周に沿った幅以上とする。
このような構成によれば、分散光像が同時に2本以上スリット鏡にかかることがないため、同時に複数の波長で発振することがない。従って1つの特定波長で安定して発振させることができる。
例えば、半導体光増幅媒体102のゲイン帯域のばらつきが、短波長端λ(min)がλaからλb(λa<λb)、長波長端λ(max)がλcからλd(λc<λd)の範囲であるとする。
このような場合は、半導体光増幅媒体102のゲイン帯域として短波長端λ(min)をλa、長波長端λ(max)をλdとする。そして、λaからλdの波長範囲の光が分散素子で分散されて円盤上に結像する時の分散光像の円盤の円周に沿った幅を算出し、(p−d)がその値以上に大きくなるピッチでスリット鏡を設ければよい。
円盤107上のスリット鏡で反射した波長選択された光線は、集光光学系106、分散素子105、コリメートレンズ103を通って、半導体増幅媒体102に戻る。こうして波長選択された光は、エンドリフレクタ101とスリット鏡で構成される共振器内を何度も往復して増幅され、エンドリフレクタ101から出力される。
円盤107に設けるスリット鏡の幅dやピッチpを、波長掃引速度のみを考慮して決定してしまうと、スリット鏡の(p−d)の値が、円盤上の分散光像の円盤の円周に沿った幅よりも狭くなる場合がある。
このような場合、分散光像が隣り合う2つのスリット鏡で反射され、2波長で発振したり、短波長側/長波長側の波長間で不安定に波長がジャンプしたりという問題が生じる。
そこで、本発明では円盤上のスリット鏡の(p−d)の値を、分散光像の円盤の円周に沿った幅以上とする。
このような構成によれば、分散光像が同時に2本以上スリット鏡にかかることがないため、同時に複数の波長で発振することがない。従って1つの特定波長で安定して発振させることができる。
例えば、半導体光増幅媒体102のゲイン帯域のばらつきが、短波長端λ(min)がλaからλb(λa<λb)、長波長端λ(max)がλcからλd(λc<λd)の範囲であるとする。
このような場合は、半導体光増幅媒体102のゲイン帯域として短波長端λ(min)をλa、長波長端λ(max)をλdとする。そして、λaからλdの波長範囲の光が分散素子で分散されて円盤上に結像する時の分散光像の円盤の円周に沿った幅を算出し、(p−d)がその値以上に大きくなるピッチでスリット鏡を設ければよい。
円盤107上のスリット鏡で反射した波長選択された光線は、集光光学系106、分散素子105、コリメートレンズ103を通って、半導体増幅媒体102に戻る。こうして波長選択された光は、エンドリフレクタ101とスリット鏡で構成される共振器内を何度も往復して増幅され、エンドリフレクタ101から出力される。
(第2の実施形態)
実施形態2として、実施形態1と異なる形態の波長掃引光源装置の構成例について説明する。
実施形態1のように、常に半導体光増幅媒体102のゲイン帯域の最大ばらつきを考慮すると、スリット鏡の幅やピッチが大きくなるため、波長掃引速度が制限されてしまう。
そこで、波長掃引速度をより高速化したい場合は、エンドリフレクタ101とスリット鏡とからなる共振器内に、分散光の波長幅を半導体光増幅媒体102のゲイン帯域よりも狭い波長幅に制限する機構(波長幅制限手段)を設けると良い。分散光の波長幅を一定となるように制限することで、円盤状に結像する分散光像の円盤の円周に沿った幅を一定に制
限することができ、半導体光増幅媒体102のゲイン帯域のばらつきを考慮する必要がなくなる。
実施形態2として、実施形態1と異なる形態の波長掃引光源装置の構成例について説明する。
実施形態1のように、常に半導体光増幅媒体102のゲイン帯域の最大ばらつきを考慮すると、スリット鏡の幅やピッチが大きくなるため、波長掃引速度が制限されてしまう。
そこで、波長掃引速度をより高速化したい場合は、エンドリフレクタ101とスリット鏡とからなる共振器内に、分散光の波長幅を半導体光増幅媒体102のゲイン帯域よりも狭い波長幅に制限する機構(波長幅制限手段)を設けると良い。分散光の波長幅を一定となるように制限することで、円盤状に結像する分散光像の円盤の円周に沿った幅を一定に制
限することができ、半導体光増幅媒体102のゲイン帯域のばらつきを考慮する必要がなくなる。
図2に本実施形態における波長掃引光源装置の構成例を示す。
図2は、分散光の波長幅を半導体光増幅媒体102のゲイン帯域よりも狭い波長幅に制限する機構として、コリメートレンズ103と分散素子105との間に光学バンドパスフィルタ104を設けた例である。
実施形態1と同様の半導体光増幅媒体102を用いた場合は、通過する光を、
λb<λ1<λ2<λcの関係を満たす波長λ1からλ2の波長域に制限する光学バンドパスフィルタ104を用いる。
コリメートレンズ103で変換されたコリメートビームは、光学バンドパスフィルタ104を透過することで、波長λ1から波長λ2の範囲以外の波長は減衰する。光学バンドパスフィルタ104は、波長λ1以下および波長λ2以上の光の透過率を31%以下にするのが良い。
これは、波長λ1から波長λ2の範囲以外の波長で発振を起こさせないために、光学バンドパスフィルタ104をコリメートビームが1往復した時に、1/10以下に減衰させるためである。
また、光学バンドパスフィルタ104で反射された反射光がなるべく半導体光増幅媒体102に戻らないよう、光学バンドパスフィルタ104を配置する位置と角度を選ぶ。光学バンドパスフィルタ104は、波長λ1から波長λ2の光の透過率を出来るだけ高くする事が望ましい。
コリメートビームは光学バンドパスフィルタ104によって波長λ1からλ2までの波長成分だけが選択されているため、円盤上に結像した分散光には不要な波長λ1以下および波長λ2以上の光は含まれない。このため、スリット鏡の(p−d)の値が円盤上に結像した波長λ1から波長λ2の分散光像の長さに相当する間隔でスリット鏡を細密配置することができ、より高速な波長掃引が可能となる。
図2は、分散光の波長幅を半導体光増幅媒体102のゲイン帯域よりも狭い波長幅に制限する機構として、コリメートレンズ103と分散素子105との間に光学バンドパスフィルタ104を設けた例である。
実施形態1と同様の半導体光増幅媒体102を用いた場合は、通過する光を、
λb<λ1<λ2<λcの関係を満たす波長λ1からλ2の波長域に制限する光学バンドパスフィルタ104を用いる。
コリメートレンズ103で変換されたコリメートビームは、光学バンドパスフィルタ104を透過することで、波長λ1から波長λ2の範囲以外の波長は減衰する。光学バンドパスフィルタ104は、波長λ1以下および波長λ2以上の光の透過率を31%以下にするのが良い。
これは、波長λ1から波長λ2の範囲以外の波長で発振を起こさせないために、光学バンドパスフィルタ104をコリメートビームが1往復した時に、1/10以下に減衰させるためである。
また、光学バンドパスフィルタ104で反射された反射光がなるべく半導体光増幅媒体102に戻らないよう、光学バンドパスフィルタ104を配置する位置と角度を選ぶ。光学バンドパスフィルタ104は、波長λ1から波長λ2の光の透過率を出来るだけ高くする事が望ましい。
コリメートビームは光学バンドパスフィルタ104によって波長λ1からλ2までの波長成分だけが選択されているため、円盤上に結像した分散光には不要な波長λ1以下および波長λ2以上の光は含まれない。このため、スリット鏡の(p−d)の値が円盤上に結像した波長λ1から波長λ2の分散光像の長さに相当する間隔でスリット鏡を細密配置することができ、より高速な波長掃引が可能となる。
本実施形態では、分散光の波長幅を半導体光増幅媒体102のゲイン帯域よりも狭い波長幅に制限する機構として、光学バンドパスフィルタ104を用いたが、波長幅を制限できるものであれば、これに限定されるものではない。
例えば、共振器内に中間結像光学系を設け、該中間結像光学系を中間結像面に配されたスリットによって構成するようにしてもよい。これについては、後の実施例2において詳しく説明する。
また、半導体光増幅媒体内部での非線形光学効果により、短波長から長波長に波長掃引する方が、長波長から短波長に波長掃引するよりも大きな光出力が得られる。このため、短波長から長波長に波長掃引するように円盤の回転方向を設定するのが好ましい。
波長掃引光源装置111の主な用途の1つである生体用のオプティカル・コヒーレント・トモグラフィ装置では、10μm程度の深さ分解能が必要とされている。
これを実現するために、(λ2−λ1)≧λ0×λ0×32000を満たすようにλ1、λ2を設定すると良い。ここで、λ0=(λ1+λ2)/2である。
例えば、共振器内に中間結像光学系を設け、該中間結像光学系を中間結像面に配されたスリットによって構成するようにしてもよい。これについては、後の実施例2において詳しく説明する。
また、半導体光増幅媒体内部での非線形光学効果により、短波長から長波長に波長掃引する方が、長波長から短波長に波長掃引するよりも大きな光出力が得られる。このため、短波長から長波長に波長掃引するように円盤の回転方向を設定するのが好ましい。
波長掃引光源装置111の主な用途の1つである生体用のオプティカル・コヒーレント・トモグラフィ装置では、10μm程度の深さ分解能が必要とされている。
これを実現するために、(λ2−λ1)≧λ0×λ0×32000を満たすようにλ1、λ2を設定すると良い。ここで、λ0=(λ1+λ2)/2である。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した波長掃引光源装置の構成例について、図3を用いて説明する。
本実施例では、中心波長845nmで波長掃引する波長掃引光源装置が構成される。
202は半導体光増幅媒体で、CマウントにマウントしたSOAベアチップを使用した。使用したSOAのゲイン帯域は、短波長端が805〜820nm、長波長端が870〜875nmである。
尚、ここでのゲイン帯域は、レーザー共振器を構成した時に発振可能な波長帯域のことで、ゲインが−15dBとなる波長帯域とした。
203はコリメートレンズで、焦点距離4.5mm、NA0.55のレンズを使用した。205は分散素子で1850本/mmの透過型回折格子を使用し、コリメートビームの回折格子への入射角が51.4度、中心波長845nmの光ビームの出射角が51.4度となるように配置した。206は集光レンズで、焦点距離9mmとした。
209はエンドリフレクタ側のコリメートレンズで焦点距離1.45mmのレンズを使用した。201はエンドリフレクタで、エンドリフレクタ側から出力光を取りだすために、反射率10%、透過率90%の部分反射ミラーとした。
210は出力ファイバー211に出力光を入射させるためのカップリングレンズで、焦点距離4.5mmのレンズを使用した。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した波長掃引光源装置の構成例について、図3を用いて説明する。
本実施例では、中心波長845nmで波長掃引する波長掃引光源装置が構成される。
202は半導体光増幅媒体で、CマウントにマウントしたSOAベアチップを使用した。使用したSOAのゲイン帯域は、短波長端が805〜820nm、長波長端が870〜875nmである。
尚、ここでのゲイン帯域は、レーザー共振器を構成した時に発振可能な波長帯域のことで、ゲインが−15dBとなる波長帯域とした。
203はコリメートレンズで、焦点距離4.5mm、NA0.55のレンズを使用した。205は分散素子で1850本/mmの透過型回折格子を使用し、コリメートビームの回折格子への入射角が51.4度、中心波長845nmの光ビームの出射角が51.4度となるように配置した。206は集光レンズで、焦点距離9mmとした。
209はエンドリフレクタ側のコリメートレンズで焦点距離1.45mmのレンズを使用した。201はエンドリフレクタで、エンドリフレクタ側から出力光を取りだすために、反射率10%、透過率90%の部分反射ミラーとした。
210は出力ファイバー211に出力光を入射させるためのカップリングレンズで、焦点距離4.5mmのレンズを使用した。
204は光学バンドパスフィルタで、一方の面に光学ハイパスフィルタ、他方の面に光学ローパスフィルタを形成してバンドパスフィルタとしたものを用いた。
光学ハイパスフィルタは、波長820nmで透過率30%、825nmで透過率70%とし、光学ローパスフィルタは、波長865nmで透過率70%、波長870nmで透過率30%とした。光学バンドパスフィルタ204は、反射光が半導体光増幅媒体202に戻らないよう、コリメートレンズ203でコリメートされたコリメートビームに対して15度傾けて配置した。
207はスリット鏡を形成した直径3インチ、厚さ5mmのアルミ製円盤である。アルミ製円盤表面を鏡面加工し、反射防止膜としてクロムを200nm、酸化チタンを67nm成膜した上に、厚さ200nmの金薄膜のスリット鏡を形成した。
スリット鏡の形状は幅2μm、長さ400μmとし、円盤の半径36mmの円周上に2.156deg間隔で166本が等間隔に並ぶようにリソグラフィによって形成した。
213はスリット鏡、212は円盤207上に結像した分散光像を示す。この様に構成することで、前記分散光像の長さは1.354mmで、半径36mmでの前記スリット鏡の間隔1.361mmより小さくなる。
光学ハイパスフィルタは、波長820nmで透過率30%、825nmで透過率70%とし、光学ローパスフィルタは、波長865nmで透過率70%、波長870nmで透過率30%とした。光学バンドパスフィルタ204は、反射光が半導体光増幅媒体202に戻らないよう、コリメートレンズ203でコリメートされたコリメートビームに対して15度傾けて配置した。
207はスリット鏡を形成した直径3インチ、厚さ5mmのアルミ製円盤である。アルミ製円盤表面を鏡面加工し、反射防止膜としてクロムを200nm、酸化チタンを67nm成膜した上に、厚さ200nmの金薄膜のスリット鏡を形成した。
スリット鏡の形状は幅2μm、長さ400μmとし、円盤の半径36mmの円周上に2.156deg間隔で166本が等間隔に並ぶようにリソグラフィによって形成した。
213はスリット鏡、212は円盤207上に結像した分散光像を示す。この様に構成することで、前記分散光像の長さは1.354mmで、半径36mmでの前記スリット鏡の間隔1.361mmより小さくなる。
この円板207をモーター208で54200rpmで回転させ、半導体光増幅媒体202を駆動し、820nmから870nmの波長範囲を150kHzで波長掃引出来る事を確認した。波長掃引の始端、終端近傍で波長が不安定にジャンプしたり、2波長で発振したりすることなく、安定に波長掃引する光源が出来た。
さらに、本発明の効果を確認するために、ゲイン帯域が810nmから872nmと、ゲイン帯域の広いSOAを選別し、この帯域の広いSOAを組み込んで光源の波長掃引特性を調べた。
結果、820nmから870nmの波長範囲を150kHzで安定に波長掃引出来る事を確認し、本発明の効果が確かめられた。
また、150kHzで波長掃引中のコヒーレント長は4.2mmで、医用画像撮像装置に必要な長さを持っていた。
さらに、本発明の効果を確認するために、ゲイン帯域が810nmから872nmと、ゲイン帯域の広いSOAを選別し、この帯域の広いSOAを組み込んで光源の波長掃引特性を調べた。
結果、820nmから870nmの波長範囲を150kHzで安定に波長掃引出来る事を確認し、本発明の効果が確かめられた。
また、150kHzで波長掃引中のコヒーレント長は4.2mmで、医用画像撮像装置に必要な長さを持っていた。
[実施例2]
実施例2として、実施例1とは異なる形態の波長掃引光源装置の構成例について、図5を用いて説明する。
本実施例では、中心波長1310nmで波長掃引する波長掃引光源装置が構成される。
402は半導体光増幅媒体で、片面にエンドリフレクタ401として反射率10%の反射膜を設けた半導体光増幅器を使用した。使用した半導体光増幅器のゲイン帯域(−15dB帯域)は、短波長端が1235〜1260nm、長波長端が1360〜1380nmである。
403はコリメートレンズで、焦点距離4.5mm、NA0.55のレンズを使用した。404は分散素子で800本/mmの透過型回折格子を使用し、コリメートビームの回折
格子への入射角が31.6度、中心波長1310nmの光ビームの出射角が31.6度となるように配置した。
405は集光レンズで、焦点距離9mmとした。406は分散素子404で分散された光ビームの分散光像から、波長1260nmから波長1360nmの範囲の波長成分だけを選択して通すためのスリットで、集光レンズ405の焦点面に配置した。
407はリレー光学系で等倍の光学系を用いた。スリット406で短波長側及び長波長側の不要な波長成分がカットされた、スリット位置の空中像を、リレー光学系407でリレーした結像面に、スリット鏡を形成した円盤408を配置した。この様に構成することで、分散光像の長さは0.9091mmとなる。
実施例2として、実施例1とは異なる形態の波長掃引光源装置の構成例について、図5を用いて説明する。
本実施例では、中心波長1310nmで波長掃引する波長掃引光源装置が構成される。
402は半導体光増幅媒体で、片面にエンドリフレクタ401として反射率10%の反射膜を設けた半導体光増幅器を使用した。使用した半導体光増幅器のゲイン帯域(−15dB帯域)は、短波長端が1235〜1260nm、長波長端が1360〜1380nmである。
403はコリメートレンズで、焦点距離4.5mm、NA0.55のレンズを使用した。404は分散素子で800本/mmの透過型回折格子を使用し、コリメートビームの回折
格子への入射角が31.6度、中心波長1310nmの光ビームの出射角が31.6度となるように配置した。
405は集光レンズで、焦点距離9mmとした。406は分散素子404で分散された光ビームの分散光像から、波長1260nmから波長1360nmの範囲の波長成分だけを選択して通すためのスリットで、集光レンズ405の焦点面に配置した。
407はリレー光学系で等倍の光学系を用いた。スリット406で短波長側及び長波長側の不要な波長成分がカットされた、スリット位置の空中像を、リレー光学系407でリレーした結像面に、スリット鏡を形成した円盤408を配置した。この様に構成することで、分散光像の長さは0.9091mmとなる。
413はスリット鏡、412は円盤408上に結像した分散光像を示す。
408はスリット鏡を形成した直径3インチ厚さ5mmのアルミ製円盤で、アルミ製円盤表面を鏡面加工し反射防止膜としてクロムを200nm酸化チタンを108nm成膜した上に、厚さ200nmの金薄膜のスリット鏡を形成した。スリット鏡の形状は幅2μm、長さ400μmとし、円盤の半径36.5mmの円周上に0.9173mm間隔で250本が等間隔で並ぶようにリソグラフィによって形成した。
410は出力ファイバー411に出力光を入射させるためのカップリングレンズで、半導体光増幅媒体側が焦点距離4.5mm、NA0.55で、ファイバー側が焦点距離11mm、NA0.25のペアレンズを使用した。411は波長掃引光を出力するための出力ファイバーである。
スリット鏡を形成した円板408をモーター409で60000rpmで回転させ、半導体光増幅媒体402を駆動し、1260nmから1360nmの波長範囲を250kHzで波長掃引出来る事を確認した。波長掃引の始端、終端近傍で波長が不安定にジャンプしたり、2波長で発振したりすることなく、安定に波長掃引する光源が出来た。また、250kHzで波長掃引中のコヒーレント長は3mmで、医用画像撮像装置に必要なコヒーレンス長を有していた。
また、実施例2の波長掃引光源において、スリット406のスリット幅、スリット位置を調整可能に構成すれば、波長掃引波長や波長掃引幅を調整可能な波長掃引光源とすることができる。
408はスリット鏡を形成した直径3インチ厚さ5mmのアルミ製円盤で、アルミ製円盤表面を鏡面加工し反射防止膜としてクロムを200nm酸化チタンを108nm成膜した上に、厚さ200nmの金薄膜のスリット鏡を形成した。スリット鏡の形状は幅2μm、長さ400μmとし、円盤の半径36.5mmの円周上に0.9173mm間隔で250本が等間隔で並ぶようにリソグラフィによって形成した。
410は出力ファイバー411に出力光を入射させるためのカップリングレンズで、半導体光増幅媒体側が焦点距離4.5mm、NA0.55で、ファイバー側が焦点距離11mm、NA0.25のペアレンズを使用した。411は波長掃引光を出力するための出力ファイバーである。
スリット鏡を形成した円板408をモーター409で60000rpmで回転させ、半導体光増幅媒体402を駆動し、1260nmから1360nmの波長範囲を250kHzで波長掃引出来る事を確認した。波長掃引の始端、終端近傍で波長が不安定にジャンプしたり、2波長で発振したりすることなく、安定に波長掃引する光源が出来た。また、250kHzで波長掃引中のコヒーレント長は3mmで、医用画像撮像装置に必要なコヒーレンス長を有していた。
また、実施例2の波長掃引光源において、スリット406のスリット幅、スリット位置を調整可能に構成すれば、波長掃引波長や波長掃引幅を調整可能な波長掃引光源とすることができる。
[実施例3]
実施例3として、実施例1の波長掃引光源を用いて光断層画像撮像装置(オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ装置)を構成した例を、図6を用いて説明する。
図6において、111は実施例1で示した波長掃引光源装置で、中心波長845nmで波長掃引幅50nmである。
波長掃引光源111の出力は光アイソレータ501、光カプラー502を通り、光カプラー(光分割手段)504で参照光学系505と測定光学系506に分岐(分割)される。参照光学系505からの反射光と、測定光を被検体に照射して得られる反射光である測定光学系506からの後方散乱光はカプラー504で干渉する。
510で示した部分がオプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ信号取得用干渉計である。光カプラー504で干渉した干渉光は、光カプラー502と光カプラー503に分配され、それぞれの出力光が差動検出器511で差動検出される。
実施例3として、実施例1の波長掃引光源を用いて光断層画像撮像装置(オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ装置)を構成した例を、図6を用いて説明する。
図6において、111は実施例1で示した波長掃引光源装置で、中心波長845nmで波長掃引幅50nmである。
波長掃引光源111の出力は光アイソレータ501、光カプラー502を通り、光カプラー(光分割手段)504で参照光学系505と測定光学系506に分岐(分割)される。参照光学系505からの反射光と、測定光を被検体に照射して得られる反射光である測定光学系506からの後方散乱光はカプラー504で干渉する。
510で示した部分がオプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ信号取得用干渉計である。光カプラー504で干渉した干渉光は、光カプラー502と光カプラー503に分配され、それぞれの出力光が差動検出器511で差動検出される。
ここで、光カプラー503は光カプラー502で分岐して差動検出器511に入力される干渉光と光強度を揃えるために配置したものである。
光カプラー503の代わりに、光減衰器を用いてもよい。または、差動検出器511に差動入力のバランス調整機能を有する物を用いてもよい。
差動検出され、光の干渉信号(光信号)から電気信号に変換された信号は、AD(アナログ・デジタル)変換器512でデジタル信号に変換される。
前記デジタル信号を信号処理装置513でフーリエ変換および各種補正処理を行って断層
画像を取得する。
また、光カプラー502の干渉計510に接続されない側の出力は、波数クロック生成装置520に接続されている。
波数クロック生成装置520は、マッハツェンダー干渉計と差動検出器で構成されている。
ここでは、前記マッハツェンダー干渉計の光路長差は、深達長2mmを実現するために必要な波数クロックを得るため4mmとした。波数クロック生成装置520で生成した波数クロックは、データサンプリングクロックとして制御装置514に入力する。
そして、前記波長掃引光源111とAD変換器512、信号処理装置513、測定光学系内の光ビーム走査機構507、508は制御装置514からの信号により同期して動作する。
このようにして、深さ分解能6.3μmで2mm以上の深達長があり、Aスキャン速度150kHzの光断層画像撮像装置が構成出来た。
光カプラー503の代わりに、光減衰器を用いてもよい。または、差動検出器511に差動入力のバランス調整機能を有する物を用いてもよい。
差動検出され、光の干渉信号(光信号)から電気信号に変換された信号は、AD(アナログ・デジタル)変換器512でデジタル信号に変換される。
前記デジタル信号を信号処理装置513でフーリエ変換および各種補正処理を行って断層
画像を取得する。
また、光カプラー502の干渉計510に接続されない側の出力は、波数クロック生成装置520に接続されている。
波数クロック生成装置520は、マッハツェンダー干渉計と差動検出器で構成されている。
ここでは、前記マッハツェンダー干渉計の光路長差は、深達長2mmを実現するために必要な波数クロックを得るため4mmとした。波数クロック生成装置520で生成した波数クロックは、データサンプリングクロックとして制御装置514に入力する。
そして、前記波長掃引光源111とAD変換器512、信号処理装置513、測定光学系内の光ビーム走査機構507、508は制御装置514からの信号により同期して動作する。
このようにして、深さ分解能6.3μmで2mm以上の深達長があり、Aスキャン速度150kHzの光断層画像撮像装置が構成出来た。
101:エンドリフレクタ
102:半導体光増幅媒体
103:コリメートレンズ
105:分散素子
106:集光光学系
107:スリット鏡を形成した円盤
108:円盤を回転させるためのモータ
111:波長掃引光源
102:半導体光増幅媒体
103:コリメートレンズ
105:分散素子
106:集光光学系
107:スリット鏡を形成した円盤
108:円盤を回転させるためのモータ
111:波長掃引光源
Claims (9)
- 共振器を構成する一方のミラーが、回転可能な円盤の円周上に一定の幅で一定のピッチにより形成されたスリット鏡によって構成され、
前記共振器内の光増幅媒体からの光を分散素子により波長分散させた分散光を、集光光学系により前記円盤のスリット鏡が形成された面上に結像させて該スリット鏡により波長選択を行い、前記波長選択された波長を前記円盤を回転させて波長掃引する光源装置であって、
前記スリット鏡の前記一定の幅をdとし、一定のピッチをpとするとき、
前記スリット鏡における(p−d)の値が、前記集光光学系により前記円盤上に結像させた分散光像の前記円盤の円周に沿った幅以上の値であることを特徴とする光源装置。 - 前記共振器内に、前記円盤上に前記分散光を結像させる際の分散光の波長幅を、前記
光増幅媒体のゲイン帯域よりも狭い波長幅に制限する波長幅制限手段を有することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。 - 前記波長幅制限手段が、共振器内に設けられたバンドパスフィルタによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
- 前記光増幅媒体のゲイン帯域のばらつきが、短波長端λ(min)がλaからλb(λa<λb)、長波長端λ(max)がλcからλd(λc<λd)の範囲であって、前記波長幅制限手段を通過する光の短波長側の波長をλ1とし、長波長側の波長をλ2とするとき、
前記バンドパスフィルタを通過する光の波長域が、λb<λ1<λ2<λcの関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。 - 前記波長λ1以下および前記波長λ2以上の光の透過率が、31%以下に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
- 前記波長λ1および前記波長λ2の光の透過率が、70%に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
- 前記λ1とλ2とが、
(λ2−λ1)≧λ0×λ0×32000(但し、λ0=(λ1+λ2)/2である。)の関係を満たすように設定されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。 - 前記波長幅制限手段が、共振器内に設けられた中間結像光学系を備え、該中間結像光学系が中間結像面に配されたスリットによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
- 光断層画像撮像装置であって、
光源と、
前記光源から出力された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、
前記測定光を被検体に照射して得られる反射光と前記参照光とを干渉させて干渉信号を生成する干渉計と、
前記干渉計からの光信号を電気信号に変換して出力する信号処理装置と、
を備え、
前記光源が、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光源で構成されていることを特徴とする光断層画像撮像装置。
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