JP2015049099A - 繊維状態測定装置、及び繊維状態測定方法 - Google Patents

繊維状態測定装置、及び繊維状態測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維補強コンクリートの繊維状態を効率的、かつ定量的に測定することができる。【解決手段】繊維状態測定装置1は、繊維補強コンクリートのX線画像から前記繊維補強コンクリート中の繊維の状態を測定する装置であって、前記X線画像の繊維部分をそれ以外の部分に対して判別可能に二値化処理した二値化画像を作成する二値化画像作成手段10と、前記二値化画像を複数の分割領域に分割すると共に、前記分割領域に存在する繊維を認識する二値化画像分割手段20と、繊維の状態に相関する指標に基づいて、前記分割領域に存在する繊維の状態を表す代表値を算出する代表値算出手段30と、前記代表値を出力する代表値出力手段40と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維補強コンクリート中の繊維状態を測定する繊維状態測定装置、及び繊維状態測定方法に関する。
鋼繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの繊維を混入した繊維補強コンクリートが知られている。ここで、繊維補強コンクリート中の特定の領域に含まれる繊維の量(分散状態)及び向き(配向状態)は、繊維補強コンクリートの曲げ強度(以下、単に「強度」と呼ぶ場合がある)や曲げタフネス等の強度特性に影響を及ぼす重要な要因であることが知られている。以下では、繊維補強コンクリート中の繊維の量(分散状態)や向き(配向状態)を単に「繊維状態」と呼ぶ場合がある。
従来から、繊維補強コンクリート中の繊維の量及び向きから繊維補強コンクリートの強度を推定する強度推定方法が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された強度推定方法では、X線画像の濃淡差や陰影に基づいて繊維の量や方向を評価し、それらに基づいて繊維補強コンクリートの強度を推定している。
特許文献1には、繊維の分散状態を評価する方法として、X線画像を任意に分割し、各分割画像(A,A・・等)における平均濃度を求め、その平均濃度の度合いを基準値と比較する方法が開示されている(特に、段落0014〜0015参照)。すなわち、特許文献1に記載された強度推定方法では、繊維の量を特定領域のX線撮影画像の平均濃度で評価している。
また、特許文献1には、繊維の方向を評価する方法として、X線画像を分割した各分割画像(A,A・・等)において、陰影から繊維の両端位置を確認して線分として抽出し、この線分の長さからX方向及びY方向の投影長さX(余弦長),Y(正弦長)を求め、その投影長さX(余弦長),Y(正弦長)から繊維がX,Y,Z方向のいずれを向いているのか方向を割り出す方法が開示されている(特に、段落0016〜0017)。
そして、特許文献1に記載された強度推定方法では、繊維の量から求めた強度に繊維の方向から求めた減少係数を乗算することにより、繊維補強コンクリートの強度を推定している(特に、段落0018〜0021)。
特許第3194826号公報(段落0015〜0022、図3)
特許文献1に記載された技術では、繊維の量を評価する場合に、骨材量,セメント比,コンクリート試料の厚さ等の影響が平均濃度に加味される。したがって、基準値に対する平均濃度の度合いと繊維の量との相関性を得るためには、コンクリート試料毎に繊維量と平均濃度との関係性を事前に明らかにしておく必要がある。その為、より効率的に繊維の分散状態を測定できる方法の開発が望まれている。
また、特許文献1に記載された技術では、繊維の方向を評価する場合に、目視によりX線撮像画像から一つずつ繊維を抽出し、その後に抽出した繊維の角度を計測する必要がある。その為、より効率的に繊維の方向を測定できる方法の開発が望まれている。
また、特許文献1に記載された技術では、最終的に繊維補強コンクリートの強度を推定しているものの、繊維補強コンクリートの強度特性に影響を及ぼす重要な要因である繊維状態(繊維の分散状態,配向状態など)を定量的に評価することが出来ない。したがって、強度以外の特性に基づく新たな品質管理手法を用いて繊維補強コンクリートを評価しようとした場合に、その評価を行うことが難しかった。その為、繊維状態(繊維の分散状態,配向状態など)を定量的に測定する方法の開発が強く望まれている。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、繊維補強コンクリートの繊維状態(繊維の分散状態,配向状態など)を効率的、かつ定量的に測定することができる、繊維状態測定装置、及び繊維状態測定方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る繊維状態測定装置は、繊維補強コンクリートのX線画像から前記繊維補強コンクリート中の繊維の状態を測定する繊維状態測定装置であって、前記X線画像の繊維部分をそれ以外の部分に対して判別可能に二値化処理した二値化画像を作成する二値化画像作成手段と、前記二値化画像を複数の分割領域に分割すると共に、前記分割領域に存在する繊維を認識する二値化画像分割手段と、繊維の状態に相関する指標に基づいて、前記分割領域に存在する繊維の状態を表す代表値を算出する代表値算出手段と、前記代表値を出力する代表値出力手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記二値化画像分割手段が、前記分割領域の繊維を線分として認識する場合には、前記代表値算出手段が、前記分割領域に存在する前記線分の中から所定角度範囲に含まれる前記線分を抽出し、抽出した前記線分の正弦長及び余弦長を前記所定角度範囲毎に決定される基準値を用いて算出し、算出した前記正弦長の総和と前記余弦長の総和との比率を前記代表値とするのがよい。
また、前記二値化画像分割手段が、前記分割領域の繊維を線分として認識する場合には、前記代表値算出手段が、前記分割領域に存在する前記線分の長さの総和を前記代表値としてもよい。
本発明によれば、繊維補強コンクリートの繊維状態(繊維の分散状態,配向状態など)を効率的、かつ定量的に測定することができる。
実施形態に係る繊維状態測定装置のブロック図である。 図2(a)は、実施形態に係る繊維状態測定装置が取得するX線画像を説明するための図であり、図2(b)は、実施形態に係る繊維状態測定装置が作成する二値化画像を説明するための図であり、図2(c)は、実施形態に係る繊維状態測定装置が二値化画像を分割した状態を説明するための図である。 実施形態に係る繊維状態測定装置が二値化画像を分割した分割領域を説明するための図である。 実施形態に係る繊維状態測定装置の分散性代表値算出手段の処理を説明するための図である。 実施形態に係る繊維状態測定装置の配向性代表値算出手段の処理を説明するための図である。 繊維の分散性を定量的に示したコンター図である。 繊維の配向性を定量的に示したコンター図である。 実施形態に係る繊維状態測定方法の全体処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施をするための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面において、本発明を構成する部材の寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態]
≪実施形態に係る繊維状態測定装置の構成≫
図1を参照して、実施形態に係る繊維状態測定装置1の構成について説明する。
繊維状態測定装置1は、繊維補強コンクリート中の繊維状態を測定するものである。ここで、繊維補強コンクリートとは、鋼繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの繊維を混入して補強したコンクリートのことである。また、繊維状態とは、繊維補強コンクリート中における繊維の状態であり、繊維補強コンクリート中の特定の領域に含まれる繊維の量(分散性)及び向き(配向性)で表す。繊維状態は、繊維補強コンクリートの強度特性に影響を与える。
繊維状態測定装置1は、X線画像撮影装置2からX線画像データを取得する。
X線画像撮影装置2は、繊維状態の測定対象となる繊維補強コンクリートのX線画像を撮影するものである。X線画像撮影装置2の構成や仕様は、特に限定されるものではない。撮影対象となる繊維補強コンクリートをX線が透過し、鮮明なX線画像が得られるものをX線画像撮影装置2として選定すればよい。X線画像撮影装置2は、例えば、X線を照射するX線照射装置(図示せず)と、このX線照射装置に対向して配置されるイメージングプレート(図示せず)とを備えて構成される。そして、X線画像撮影装置2は、撮影したX線画像をX線画像データとして記録する。
図2(a)は、X線画像撮影装置2が撮影して記録したX線画像データのイメージ(X線画像)である。図2(a)に示すX線画像で白い線状で表されているのが繊維である。繊維は、繊維補強コンクリート中の全体に分散した状態で存在する。X線画像撮影装置2は、X線画像データを繊維状態測定装置1に出力する。例えば、X線画像撮影装置2は、通信回線を用いてX線画像データを繊維状態測定装置1に出力する。また、X線画像撮影装置2は、X線画像データを搬送可能な記録媒体に出力する。
繊維状態測定装置1は、二値化画像作成手段10と、二値化画像分割手段20と、代表値算出手段30と、代表値出力手段40とを備えて構成される。
ここで、二値化画像作成手段10、二値化画像分割手段20、代表値算出手段30、及び代表値出力手段40は、CPU(Central Processing Unit)が図示しないROM等に格納されたプログラムをRAM(Random Access Memory)に展開することにより実現するプログラム実行処理や、専用回路等により実現される。以下、繊維状態測定装置1の各構成について詳細に説明する。
(二値化画像作成手段)
二値化画像作成手段10は、X線画像を二値化処理するものである。
二値化画像作成手段10には、X線画像撮影装置2からX線画像データが入力される。二値化画像作成手段10は、X線画像の繊維部分(繊維群)をそれ以外の部分(例えば、コンクリート)に対して判別可能に二値化処理した二値化画像を作成する(図2(b)参照)。例えば、二値化画像作成手段10は、繊維部分が鮮明に抽出できる輝度を閾値として、X線画像データの内でこの閾値を超える画素を繊維部分に対応する画素として白色画素に変換し、この閾値を超えない画素をそれ以外の部分(例えば、コンクリート)に対応する画素として黒色画素に変換する。なお、X線画像に鉄筋等が含まれる場合は、例えば、人間が判別をして強制的に除外したり、また、二値化画像作成手段10がある一定の両素数以上のときには鉄筋と自動で判定して除外するようにする。図2(b)では、繊維部分を白色で表し、繊維以外の部分を黒色で表している。
二値化画像作成手段10は、一般的な画像処理ソフトにより実現されてもよく、また、ひび割れ画像処理技術で用いられるウェーブレット変換処理などの高度な画像処理技術を利用したソフトウェアにより実現されてもよい。そして、二値化画像作成手段10は、二値化画像データを二値化画像分割手段20に出力する。
(二値化画像分割手段)
二値化画像分割手段20は、二値化画像を複数の領域(分割領域)に分割し、分割領域に存在する繊維を認識するものである。なお、二値化画像を分割領域に分割する処理と、存在する繊維を認識する処理との順番は逆であってもよい。その為、二値化画像分割手段20は、二値化画像に存在する繊維を認識し、その後に二値化画像を分割してもよい。
二値化画像分割手段20には、二値化画像作成手段10から二値化画像データが入力される。二値化画像分割手段20は、二値化画像を縦方向(Y方向)にM(正の整数)分割し、横方向(X方向)にN(正の整数)分割する(図2(c)参照)。例えば、二値化画像分割手段20は、二値化画像データを構成する画素がどの分割領域に属するのかを座標を用いて判定する。図2(c)では、縦方向(Y方向に)に6分割し、横方向(X方向)に25分割した場合を示している。
また、二値化画像分割手段20は、分割領域の繊維部分を図形として認識する。ここでいう図形とは、線分、矩形等を含む概念である。二値化画像分割手段20は、例えば、繊維部分の両端点を結ぶ素線化処理や輪郭線を追跡する輪郭線処理を行うことで、繊維部分を図形化する。二値化画像分割手段20は、一般的な画像処理ソフトにより実現されてもよい。二値化画像分割手段20が分割領域の繊維部分を線分Sとして図形化した場合を図3に示す。ここで、m(1≦m≦M)は分割領域の行を識別するための番号であり、n(1≦n≦N)は分割領域の列を識別するための番号である。そして、二値化画像分割手段20は、二値化画像を代表値算出手段30に出力する。
なお、一つの繊維が複数の分割領域に跨っている場合には、繊維を各々の領域毎に分割し、各々の領域に存在する複数の線分Sとして認識するのがよい。また、複数の繊維が重なり合っている場合には、重なり合い方によって線分としての認識方法を変更してもよい。例えば、二つの繊維が「略0°」で交差しているときには同一の線分Sと認識し、また、二つの繊維が「略0°以外(例えば、10°〜90°の範囲)」で交差しているときには別の線分Sと認識してもよい。別の線分として認識するときには、繊維を交点毎に分割し、交点と繊維の端点を線分Sとして認識してもよい。
(代表値算出手段)
代表値算出手段30は、繊維状態に相関する指標(繊維の角度、長さ等)に基づいて、分割領域(m,n)に含まれる複数の線分Sを代表する代表値を算出するものである。ここでは、繊維補強コンクリート中の繊維状態として、繊維の分散性及び配向性を想定する。そして、繊維の分散性の指標として「繊維の長さ」を用い、繊維の配向性の指標として「繊維の方向」を用いる。
代表値算出手段30は、算出する繊維状態の種類に応じて複数の手段で構成される。本実施形態における代表値算出手段30は、繊維状態の一つである「繊維の分散性」を定量的に評価する分散性代表値算出手段30Aと、繊維状態の一つである「繊維の配向性」を定量的に評価する配向性代表値算出手段30Bとを備えて構成される。
(分散性代表値算出手段)
分散性代表値算出手段30Aには、二値化画像分割手段20から二値化画像が入力される。分散性代表値算出手段30Aは、特定の分割領域(m,n)に含まれる線分Sの長さの総計を、繊維の分散性についての分割領域(m,n)の代表値として算出する。図4を参照して説明すると、一つの分割領域に2本の繊維が含まれている場合、分散性代表値算出手段30Aは、線分S1の長さL1と線分S2の長さL2とを加算し、(L1+L2)を繊維の分散性についての分割領域(m,n)の代表値として算出する。
ここで、分散性代表値算出手段30Aは、線分S(S1,S2)に配列する画素数(単位:ピクセル)を線分Sの長さL(L1,L2)とする。なお、分散性代表値算出手段30Aは、X線画像や二値化画像の解像度から1ピクセルあたりの長さ(m)を算出し、線分Sに配列する画素数に1ピクセルあたりの長さ(m)を乗算した値を線分Sの長さLとしてもよい。
なお、線分S(S1,S2)の長さL(L1,L2)は、繊維自体の長さや、奥行き方向(X方向及びY方向に直交する方向)への配向の影響を受ける。その為、繊維自体の長さが同じであっても、その繊維の線分Sの長さLは異なる場合がある。
そして、分散性代表値算出手段30Aは、M×N個の分割領域のそれぞれについて線分Sの長さLの総計を算出し、各分割領域の代表値(分散代表値)を代表値出力手段40に出力する。
(配向性代表値算出手段)
配向性代表値算出手段30Bには、二値化画像分割手段20から二値化画像が入力される。配向性代表値算出手段30Bは、特定の分割領域(m,n)に存在する線分Sの中から所定角度範囲に含まれる線分Sを抽出する。配向性代表値算出手段30Bは、所定角度範囲毎に決定される基準値(例えば、平均値、中央値等)を用いて抽出した線分Sの正弦長及び余弦長を算出し、所定角度範囲内における正弦長の総和と余弦長の総和との比率を繊維の配向性についての代表値として算出する。なお、線分Sが曲がっている場合には、例えば、線分Sの特定位置(例えば、真ん中)の接線を用いて所定角度範囲に含まれる線分Sを抽出してもよい。
例えば、配向性代表値算出手段30Bは、水平方向(X方向)を「0°」とし、「0°」から「180°」迄の範囲を「10°」ごとに18区分して、各々の角度範囲に含まれる線分Sの長さLを算出する。図5は、角度「45°」の線分S1と、角度「30°」の線分S2とが同じ分割領域に存在する場合を示している。配向性代表値算出手段30Bは、角度範囲「40°以上50°未満」に含まれるものとして線分S1を抽出し、抽出した線分S1の長さL1を算出する。また、配向性代表値算出手段30Bは、角度範囲「30°以上40°未満」に含まれるものとして線分S2を抽出し、抽出した線分S2の長さL2を算出する。ここで、線分S(S1,S2)の長さL(L1,l2)の算出方法は、分散性代表値算出手段30Aと同様である。
次に、配向性代表値算出手段30Bは、各々の角度範囲に含まれる線分Sの長さLの総計(総延長)を算出し、算出した総延長からその正弦長(鉛直成分長)、及び余弦長(水平成分長)を算出する。すなわち、配向性代表値算出手段30Bは、各々の角度範囲について「ΣLθ×sinθ」,「ΣLθ×cosθ」を算出する。ここで、「ΣLθ」はある角度範囲に含まれる線分Sの長さLの和であり、「θ」は角度範囲毎の基準値(例えば、ある角度範囲の平均値であり、角度範囲「40°以上50°未満」である場合は「45°」)である。
さらに、配向性代表値算出手段30Bは、各分割領域において、全ての角度範囲(本実施形態では18区分)での正弦長(鉛直成分長)の総和Lを求めるとともに、余弦長(水平成分長)の総和Lを求める。そして、配向性代表値算出手段30Bは、正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率の常用対数値、すなわち「log10(L/L)」を配向性の代表値として算出する。この配向性の代表値は、値が「0(ゼロ)」に近いほど正弦長と余弦長との割合が等しい(つまり特定の方向を向く繊維の割合が少ない)ことを示す。一方、この配向性の代表値は、正に大きくなるほど正弦長の割合が多く、負に小さくなるほど余弦長の割合が多いことを示す。
そして、配向性代表値算出手段30Bは、M×N個の分割領域のそれぞれについて線分の正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率の常用対数値を算出し、この常用対数値を各分割領域における配向性の代表値(配向代表値)として代表値出力手段40に出力する。
(代表値出力手段)
代表値出力手段40は、分割領域分の代表値を視認可能に出力(表示)するものである。代表値出力手段40には、分散性代表値算出手段30Aや配向性代表値算出手段30BからM×N個の分割領域の代表値が入力される。そして、代表値出力手段40は、例えば、代表値間を補完処理(例えば、線形補完処理)し、コンター図を作成する。
図6は、分割領域に含まれる線分の長さの総計(分散代表値)をコンター図で表したものである。すなわち、図6は、繊維の分散性を定量的に示したコンター図である。
図6では、メッシュの交点が分割領域に対応しており、分割領域の分散代表値を示している。そのため、各交点での数量は、各分割領域に含まれる線分の長さの総計を示している。交点間は線形補完している。図6では、分割領域に含まれる線分の長さの総計が大きいほど濃い色で表し、分割領域に含まれる線分の長さの総計が小さいほど淡い色で表している。
図7は、分割領域に含まれる線分の正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率の常用対数値(配向代表値)をコンター図で表したものである。すなわち、図7は、繊維の配向性を定量的に示したコンター図である。
図7では、メッシュの交点が分割領域に対応しており、分割領域の配向代表値を示している。そのため、各交点での数量は、各分割領域に含まれる線分の正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率の常用対数値を示している。交点間は線形補完している。図7では、分割領域に含まれる線分の正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率の常用対数値が大きいほど濃い色で表し、分割領域に含まれる線分の正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率の常用対数値が小さいほど淡い色で表している。
そして、代表値出力手段40は、図6及び図7に示すコンター図を、図示しない表示装置に出力する。
以上で、実施形態に係る繊維状態測定装置1の構成について説明を終了する。
≪実施形態に係る繊維状態測定方法≫
以下では、図8を参照して、繊維状態測定装置1を用いた繊維状態測定方法について説明する。
繊維状態測定装置1は、まず二値化画像を作成する。具体的には、二値化画像作成手段10がX線画像データを取得し、取得したX線画像データを二値化処理することで二値化画像を作成する(ステップS10)。続いて、繊維状態測定装置1は、二値化画像を分割するとともに存在する繊維を認識する。具体的には、二値化画像分割手段20が二値化画像を複数の分割領域に分割し、分割領域中の繊維部分を素線化処理することで繊維を線分として認識する(ステップS20)。
次に、繊維状態測定装置1は、繊維の分散性についての分割領域毎の代表値を算出する。具体的には、分散性代表値算出手段30Aが分割領域に存在する線分Sの長さLの総計を分散代表値として算出する(ステップS30)。続いて、繊維状態測定装置1は、繊維の配向性についての分割領域毎の代表値を算出する。具体的には、配向性代表値算出手段30Bが所定角度毎に線分Sの長さLの総計を算出し、算出した線分Sの長さLの総計の正弦長、余弦長をそれぞれ算出する。そして、全ての角度範囲での正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率を配向代表値として算出する(ステップS40)。ここで、正弦長の総和Lと余弦長の総和Lとの比率の常用対数値「log10(L/L)」を代表値として算出してもよい。
次に、繊維状態測定装置1は、繊維の分散性及び繊維の配向性を定量的に出力(表示)する。具体的には、分散性代表値算出手段30AがステップS30で算出した分割領域毎の分散代表値を基にして、繊維の分散性を示すコンター図(図6参照)を出力する。また、配向性代表値算出手段30BがステップS40で算出した分割領域毎の配向代表値を基にして、繊維の配向性を示すコンター図(図7参照)を出力する(ステップS50)。
以上で、実施形態に係る繊維状態測定方法について説明を終了する。
以上のように、本実施形態に係る繊維状態測定装置1は、X線画像を二値化処理した二値化画像から繊維の長さや角度を算出する。その為、本実施形態に係る繊維状態測定装置1は、繊維補強コンクリートの繊維状態(繊維の量(分散性)及び向き(配向性))に相関する指標となる繊維の長さや角度を効率的に取得することができる。
また、本実施形態に係る繊維状態測定装置1は、二値化画像を分割領域に分割し、繊維状態に相関する指標となる繊維の長さや角度に基づいて分割領域に存在する繊維を代表する代表値を算出する。その為、本実施形態に係る繊維状態測定装置1は、繊維補強コンクリートの繊維状態を場所毎に定量的に測定することができる。
また、本実施形態に係る繊維状態測定装置1は、分割領域に存在する繊維を代表する代表値間を補完処理(例えば、線形補完処理)し、コンター図を作成する。その為、本実施形態に係る繊維状態測定装置1は、繊維補強コンクリートの繊維状態を場所毎に定量的に表示することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。実施形態の変形例を以下に示す。
実施形態に係る繊維状態測定装置1は、図1に示すように、二値化画像作成手段10と、二値化画像分割手段20と、代表値算出手段30と、代表値出力手段40とを備えて構成されていたが、各々の手段が別々の装置に備えられる構成にしてもよい。その場合、オペレータが各装置のデータ入力や処理の開始を指示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、繊維状態測定装置1をX線画像撮影装置2とは別に設けた構成であったが、繊維状態測定装置1の内部にX線画像撮影装置を設けてもよい。
また、実施形態に係る繊維状態測定装置1は、二値化画像分割手段20が繊維部分の両端点を結ぶ素線化処理を行うことで、分割領域の繊維部分を線分Sとして図形化した場合を想定していた(図3参照)。しかしながら、二値化画像分割手段20は、繊維部分の輪郭線を追跡する輪郭線処理を行うことで、分割領域の繊維部分を矩形(例えば、長方形)として図形化してもよい。
その場合、分散性代表値算出手段30Aや配向性代表値算出手段30Bは、長方形の長手方向の辺を構成する画素数(単位:ピクセル)を長方形の長さとするのがよい。また、長方形の全ての辺の輪郭を構成する画素数(単位:ピクセル)を「2」で除算することで、長方形の長手方向に並ぶ概ねの画素数を算出し、長方形の長さとしてもよい。
また、実施形態に係る配向性代表値算出手段30Bは、水平方向(X方向)を「0°」として「180°」迄の範囲を「10°」ごとに18区分して、各々の角度範囲に含まれる線分Sの長さLを算出していた。しかしながら、区分は、18区分に限られず、角度範囲は任意に決定することができる。例えば、角度範囲は、「5°」でもよいし「20°」であってもよい。
また、実施形態に係る繊維状態測定装置1は、配向性代表値算出手段30Bが所定角度範囲の平均値を用いて抽出した線分Sの正弦長及び余弦長を算出していた。しかしながら、配向性代表値算出手段30Bは、所定角度範囲に含まれる複数の線分Sの角度の平均値、中央値や、標準偏差を用いてもよい。
また、実施形態に係る繊維状態測定装置1は、繊維の分散性を定量的に示したコンター図(図6参照)と、繊維の配向性を定量的に示したコンター図(図7)とを別々に作成していたが、繊維の分散性及び繊維の配向性を定量的に示す一つのコンター図を作成してもよい。例えば、図7の繊維の配向性の情報を矢印に置き換えて、図6に示す繊維の分散性を定量的に示したコンター図の交点上に重ねて表示する。この時に、矢印の長さや方向を用いて配向代表値を表すのがよい。
また、実施形態に係る繊維状態測定方法は、図8のステップS30で分散性代表値算出処理を行った後に、ステップS40で配向性代表値算出処理を行っていたが、これらの処理の順番は逆でもよい。すなわち、配向性代表値算出処理を行った後に分散性代表値算出処理を行ってもよい。また、これらの処理は並行して行うことも可能である。
1 繊維状態測定装置
2 X線画像撮影装置
10 二値化画像作成手段
20 二値化画像分割手段
30 代表値算出手段
30A 分散性代表値算出手段
30B 配向性代表値算出手段
40 代表値出力手段
S 線分

Claims (4)

  1. 繊維補強コンクリートのX線画像から前記繊維補強コンクリート中の繊維の状態を測定する繊維状態測定装置であって、
    前記X線画像の繊維部分をそれ以外の部分に対して判別可能に二値化処理した二値化画像を作成する二値化画像作成手段と、
    前記二値化画像を複数の分割領域に分割すると共に、前記分割領域に存在する繊維を認識する二値化画像分割手段と、
    繊維の状態に相関する指標に基づいて、前記分割領域に存在する繊維の状態を表す代表値を算出する代表値算出手段と、
    前記代表値を出力する代表値出力手段と、
    を備えることを特徴とする繊維状態測定装置。
  2. 繊維補強コンクリートのX線画像から前記繊維補強コンクリート中の繊維の状態を測定する繊維状態測定方法であって、
    前記X線画像の繊維部分をそれ以外の部分に対して判別可能に二値化処理した二値化画像を作成する二値化画像作成ステップと、
    前記二値化画像を複数の分割領域に分割すると共に、前記分割領域に存在する繊維を認識する二値化画像分割ステップと、
    繊維の状態に相関する指標に基づいて、前記分割領域に存在する繊維の状態を表す代表値を算出する代表値算出ステップと、
    前記代表値を出力する代表値出力ステップと、
    を有することを特徴とする繊維状態測定方法。
  3. 前記二値化画像分割ステップは、前記分割領域の繊維を線分として認識し、
    前記代表値算出ステップは、
    前記分割領域に存在する前記線分の中から所定角度範囲に含まれる前記線分を抽出し、抽出した前記線分の正弦長及び余弦長を前記所定角度範囲毎に決定される基準値を用いて算出するステップと、
    算出した前記正弦長の総和と前記余弦長の総和との比率を前記代表値とするステップと、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の繊維状態測定方法。
  4. 前記二値化画像分割ステップは、前記分割領域の繊維を線分として認識し、
    前記代表値算出ステップは、
    前記分割領域に存在する前記線分の長さの総和を前記代表値とするステップ、
    を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の繊維状態測定方法。
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