JP2015047364A - 電気刺激装置用電極および電気刺激装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電極の取り付け直しを繰り返すことなく電気刺激を与える位置を変更することを可能とする電気刺激装置用電極を提供する。また、本発明は、電気刺激装置用電極の取り付け位置を正確に位置決めする必要がなく、電極の取り付け直しを繰り返すことなく所望の位置へ電気刺激を与えることが可能な電気刺激装置を提供する。
【解決手段】生体に対して電気刺激を与えるための電気刺激装置用電極であって、生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えることを特徴とする、電気刺激装置用電極である。また、生体に対して電気刺激を与える電気刺激装置であって、電気刺激用の電流を発振する発振部と、発振部が発振した電流を前記生体に伝えることが可能な、少なくとも2組のペア電極と、を備え、ペア電極を構成する2つの電極のうち少なくとも一方が、上記の電気刺激装置用電極である、電気刺激装置である。
【選択図】図3
【解決手段】生体に対して電気刺激を与えるための電気刺激装置用電極であって、生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えることを特徴とする、電気刺激装置用電極である。また、生体に対して電気刺激を与える電気刺激装置であって、電気刺激用の電流を発振する発振部と、発振部が発振した電流を前記生体に伝えることが可能な、少なくとも2組のペア電極と、を備え、ペア電極を構成する2つの電極のうち少なくとも一方が、上記の電気刺激装置用電極である、電気刺激装置である。
【選択図】図3
Description
本発明は、電気刺激装置用電極および電気刺激装置に関し、特には、生体に対して電気刺激を与えるための電気刺激装置用電極および電気刺激装置に関するものである。
生体の表面から電気刺激を与え、生体内の神経や筋肉を刺激する電気刺激装置が、種々知られている。このような電気刺激装置は、例えば、脳血管障害や脳性麻痺などの脳性疾患、または脊髄損傷などの脊髄性疾患等を有することによって身体機能に障害を持つ患者に対して、治療ないしリハビリテーションを目的として使用され、あるいは、健常者に対して、身体機能を向上させて健康を増進させることを目的として使用されている。そして、電気刺激装置を用いて、治療等の対象となる身体機能に関連する神経や筋肉に電気刺激を与えることで、患者または健常者の生活の質を向上させることができる。
ここで、このような電気刺激装置として、例えば、特許文献1では、嚥下障害を治療するための電気刺激装置が提案されている。この電気刺激装置は、患者に対して電流としての電気パルスを印加する2つの電極を有するチャンネルを2組備えており、各電極は、生体の表面に対して一定の接触面積(通電面積)で接触するように形成されている。そして、この電気刺激装置によれば、当該装置の一方の電極を、患者の頬筋の運動点を刺激する位置に取り付け、他方の電極を、患者の頚部傍脊柱筋を刺激する位置に取り付けた状態で電気パルスを印加することで、嚥下障害を治療することができるとされている。また、特許文献2では、頚部に対してクロス配置された4つの電極を用いた干渉中周波電気刺激で深部に存在する上喉頭神経を刺激することで嚥下障害を治療することができるとされている。
ところで、電気刺激装置を、例えば身体機能の障害の治療等に使用する場合、使用者は、その使用毎に電気刺激装置の電極を治療箇所付近の生体の表面に取り付けることとなる。そして、このような治療等では、電気刺激を与える対象となる生体の神経や筋肉、特に、生体の深部に位置する神経や筋肉に対して効果的かつ正確に電気刺激を与えることが可能な位置に電極を取り付けることが、治療等の効果を発揮させる観点から望まれている。
この点について、上述のような従来の電気刺激装置では、使用者が、生体の表面に装置の電極をそれぞれ取り付けた後、装置が発信する電気刺激用の電流が、目的とする生体の神経等に効果的かつ正確に与えられていない場合、電極を取り付け直して電気刺激を与える位置を適切な位置へと変更する必要があった。即ち、上記従来の電気刺激装置には、使用に際して電極を取り付ける位置を正確に位置決めする必要があり、所望の神経等に対して電気刺激を与えることができるまで電極の取り付け直しを繰り返す必要があるという問題があった。特に、複数の電極間を流れる電流の干渉効果を利用した電気刺激においては、干渉によって最も電気刺激が強くなる部位は電極下や電極周辺ではなく、2種の電流の交差領域になることが知られている。この場合、電気刺激を与える前の段階で正確に当該交差領域を認識することは困難であり、電極の取り付けなおしが必要になるという問題が存在するばかりか電気刺激を用いた治療の再現性などにも問題があり、改善が望まれていた。
この点について、上述のような従来の電気刺激装置では、使用者が、生体の表面に装置の電極をそれぞれ取り付けた後、装置が発信する電気刺激用の電流が、目的とする生体の神経等に効果的かつ正確に与えられていない場合、電極を取り付け直して電気刺激を与える位置を適切な位置へと変更する必要があった。即ち、上記従来の電気刺激装置には、使用に際して電極を取り付ける位置を正確に位置決めする必要があり、所望の神経等に対して電気刺激を与えることができるまで電極の取り付け直しを繰り返す必要があるという問題があった。特に、複数の電極間を流れる電流の干渉効果を利用した電気刺激においては、干渉によって最も電気刺激が強くなる部位は電極下や電極周辺ではなく、2種の電流の交差領域になることが知られている。この場合、電気刺激を与える前の段階で正確に当該交差領域を認識することは困難であり、電極の取り付けなおしが必要になるという問題が存在するばかりか電気刺激を用いた治療の再現性などにも問題があり、改善が望まれていた。
そこで、本発明は、電極の取り付け直しを繰り返すことなく電気刺激を与える位置を変更することを可能とする電気刺激装置用電極を提供することを目的とする。
また、本発明は、電気刺激装置用電極の取り付け位置を正確に位置決めする必要がなく、電極の取り付け直しを繰り返すことなく所望の位置へ電気刺激を与えることが可能な電気刺激装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、電気刺激装置用電極の取り付け位置を正確に位置決めする必要がなく、電極の取り付け直しを繰り返すことなく所望の位置へ電気刺激を与えることが可能な電気刺激装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を行った。そして、本発明者は、生体に対する電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更可能とすることにより、一度取り付けた電極の位置を変更することなく、電気刺激を与える位置を変更可能にすることに着想した。そこで、本発明者は更に研究を重ね、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更可能にすると、2組のペア電極を備える電気刺激装置を使用し、ペア電極からの電気刺激用の電流を、生体の深部の領域で干渉させて生体の深部に位置する神経等に対して電気刺激を与える場合には特に電気刺激を与える位置(電気刺激用の電流が干渉する位置)を変更し易いことを見出し、本発明を完成させた。
本発明の電気刺激装置用電極は、生体に対して電気刺激を与えるための電気刺激装置用電極であって、前記生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えることを特徴とする。
ここで、本発明の電気刺激装置用電極では、前記通電面積変更機構が、互いに離隔して配置され、前記生体の表面に取り付けられる複数の導電部と、前記導電部間に位置する絶縁部と、前記電気刺激用の電流を通電する導電部の数および範囲を変更する通電範囲変更部と、を備えることが好ましい。
また、本発明の電気刺激装置用電極では、前記通電範囲変更部が、前記導電部ごとに個別に設けられた導線であることが好ましい。
または、本発明の電気刺激装置用電極では、前記導電部は、導線が接続された導線付き導電部と、導線が接続されていない導線無し導電部とを有し、前記通電範囲変更部が、前記導線付き導電部に接続された前記導線と、1つ以上の前記導線無し導電部に接続された第1導電部材と、前記導線付き導電部に接続され、且つ、前記第1導電部材と接触/離隔可能に形成された第2導電部材と、を備えることが好ましい。
さらにまたは、本発明の電気刺激装置用電極では、前記通電範囲変更部は、導線が接続された移動式通電部材を備え、前記移動式通電部材が、少なくとも一つの前記導電部に接触して、前記移動式通電部材が接触した当該導電部と前記導線とを通電可能状態にする第一通電位置と、前記第一通電位置よりも接触する導電部の数が多く、前記移動式通電部材が接触した当該導電部と前記導線とを通電可能状態にする第二通電位置との間を移動可能であることが好ましい。
ところで、本発明の電気刺激装置用電極では、前記通電面積変更機構が、凹部と、当該凹部の周囲に位置して前記生体の表面へ取り付けられる取り付け面とを有するカバー部と、導線に連結されるとともに、前記凹部内に配置される通電部材と、導電性流体を前記凹部内に注入する注入管と、を備えることが好ましい。
または、本発明の電気刺激装置用電極では、前記通電面積変更機構が、凹部と、当該凹部の周囲に位置して前記生体の表面へ取り付けられる取り付け面とを有するカバー部と、導電性および弾性を有し、前記凹部内に配置される弾性通電部材と、前記弾性通電部材と電気的に接続された導線と、前記弾性通電部材を前記凹部の開口側に向かって押圧する押圧部材と、を備え、前記弾性通電部材は、前記押圧部材を介した押圧力を受けていない状態において、少なくとも一部が、前記凹部の開口位置よりも凹部底側に位置することが好ましい。
ここで、本発明の電気刺激装置は、生体に対して電気刺激を与える電気刺激装置であって、電気刺激用の電流を発振する発振部と、前記発振部が発振した前記電流を前記生体に伝えることが可能な、少なくとも2組のペア電極と、を備え、各ペア電極を構成する全ての電極のうち少なくとも1つの電極が、上記の何れかに記載の電気刺激装置用電極であることを特徴とする。
本発明の電気刺激装置用電極によれば、電気刺激装置用電極が、生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えるので、取り付けた電極の位置を変更することなく、生体に与える電気刺激用の電流の通電位置を変更することができる。したがって、電気刺激装置用電極の取り付け直しを繰り返すことなく電気刺激を与える位置を変更することが可能となる。
また、本発明の電気刺激装置によれば、少なくとも2組のペア電極を備え、各ペア電極を構成する全ての電極のうち少なくとも1つの電極が、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極であるので、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。従って、一度取り付けた電極の位置を変更することなく、電気刺激を与える位置、特に、通電面積変更機構を動作させることで、電極の電流密度を変化させることができるので、生体内で、それぞれの各ペア電極からの電気刺激用の電流が干渉する領域を移動させることができる。その結果、電気刺激装置用電極の取り付け位置を正確に位置決めすることなく、且つ、電極の取り付け直しを繰り返すことなく所望の位置へ電気刺激を与えることが可能となる。
以下に、図面を参照しつつ、この発明の実施形態について説明する。
本発明の電気刺激装置は、生体に対して電気刺激を与えるためのものである。具体的には、本発明の電気刺激装置は、生体の表面から与えた電気刺激用の電気によって生体内の神経を刺激する際に用いられる。そして、この電気刺激装置は、脳血管障害や脳性麻痺などの脳性疾患、または脊髄損傷などの脊髄性疾患等を有することによって身体機能に障害を持つ患者に対して、治療ないしリハビリテーションを目的として使用され、あるいは、健常者に対して、身体機能を向上させて健康を増進させることを目的として使用される。より具体的には、本発明の電気刺激装置は、特に、脳梗塞等により咽頭領域において感覚刺激に対する反射が鈍くなることに起因する咽頭機能障害の一種である嚥下機能障害や、睡眠時無呼吸症候群を持つ患者の治療ないしリハビリテーションを目的として使用することができる。
そして、本発明の電気刺激装置は、電気刺激用の電流を発振する発振部と、発振部が発振した電流を前記生体に伝えることが可能な、少なくとも2組のペア電極とを備えており、各ペア電極を構成する全ての電極のうち少なくとも1つの電極が、本発明の電気刺激装置用電極であることを特徴とする。
本発明の電気刺激装置は、生体に対して電気刺激を与えるためのものである。具体的には、本発明の電気刺激装置は、生体の表面から与えた電気刺激用の電気によって生体内の神経を刺激する際に用いられる。そして、この電気刺激装置は、脳血管障害や脳性麻痺などの脳性疾患、または脊髄損傷などの脊髄性疾患等を有することによって身体機能に障害を持つ患者に対して、治療ないしリハビリテーションを目的として使用され、あるいは、健常者に対して、身体機能を向上させて健康を増進させることを目的として使用される。より具体的には、本発明の電気刺激装置は、特に、脳梗塞等により咽頭領域において感覚刺激に対する反射が鈍くなることに起因する咽頭機能障害の一種である嚥下機能障害や、睡眠時無呼吸症候群を持つ患者の治療ないしリハビリテーションを目的として使用することができる。
そして、本発明の電気刺激装置は、電気刺激用の電流を発振する発振部と、発振部が発振した電流を前記生体に伝えることが可能な、少なくとも2組のペア電極とを備えており、各ペア電極を構成する全ての電極のうち少なくとも1つの電極が、本発明の電気刺激装置用電極であることを特徴とする。
また、本発明の電気刺激装置用電極は、本発明の電気刺激装置に用いることができ、生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えることを特徴とする。
<電気刺激装置>
まず、本発明の電気刺激装置の一例について、図1を用いて説明する。
本発明の一例の電気刺激装置1は、少なくとも2組(図示例では2組)のペア電極2と、操作部3と、ペア電極2と操作部3とを接続する配線5とを有している。また、操作部3の内部には、電気刺激用の電流を発振する発振部(図示せず)が配置されている。更に、ペア電極2は、2つの電極4から構成されている。
そして、電気刺激装置1は、発振部が発振した電気刺激用の電流、例えばパルス電流、正弦波電流等を、配線5および電極4を介して生体に伝えることが可能なように構成されている。
まず、本発明の電気刺激装置の一例について、図1を用いて説明する。
本発明の一例の電気刺激装置1は、少なくとも2組(図示例では2組)のペア電極2と、操作部3と、ペア電極2と操作部3とを接続する配線5とを有している。また、操作部3の内部には、電気刺激用の電流を発振する発振部(図示せず)が配置されている。更に、ペア電極2は、2つの電極4から構成されている。
そして、電気刺激装置1は、発振部が発振した電気刺激用の電流、例えばパルス電流、正弦波電流等を、配線5および電極4を介して生体に伝えることが可能なように構成されている。
さらに、電気刺激装置1では、操作部3に、電源部(図示せず)、入力部3a、表示部3b、制御部(図示せず)および増幅部(図示せず)を設けることもできる。
電源部は、例えば二次電池などからなり、操作部3の発振部や表示部3b等に電力を供給する。
入力部3aは、例えば、電気刺激用の電流をON/OFFするためのスイッチを含む、種々の操作を行うためのスイッチや、種々の設定を行うためスイッチが設けられている。そして電気刺激装置1の使用者が入力部3aのスイッチを押すと、当該スイッチに応じた信号が入力部3aから出力され、出力された各信号はそれぞれ制御部に入力される。そして、制御部は、信号に応じた処理を実行する。
表示部3bは、例えば入力部3aを介して入力した各種設定値を表示し、電気刺激装置1の使用者が設定内容を確認することができるようにされている。
増幅部は、発振部とペア電極2との間に位置し、発振部が発振した電気刺激用の電流を増幅する。増幅部での増幅により、適当な電力を有する電流を生体に与えることができる。
電源部は、例えば二次電池などからなり、操作部3の発振部や表示部3b等に電力を供給する。
入力部3aは、例えば、電気刺激用の電流をON/OFFするためのスイッチを含む、種々の操作を行うためのスイッチや、種々の設定を行うためスイッチが設けられている。そして電気刺激装置1の使用者が入力部3aのスイッチを押すと、当該スイッチに応じた信号が入力部3aから出力され、出力された各信号はそれぞれ制御部に入力される。そして、制御部は、信号に応じた処理を実行する。
表示部3bは、例えば入力部3aを介して入力した各種設定値を表示し、電気刺激装置1の使用者が設定内容を確認することができるようにされている。
増幅部は、発振部とペア電極2との間に位置し、発振部が発振した電気刺激用の電流を増幅する。増幅部での増幅により、適当な電力を有する電流を生体に与えることができる。
また、電気刺激装置1では、各ペア電極2を構成する全ての電極4のうち少なくとも1つの電極が、本発明の電気刺激装置用電極であることが好ましい。即ち、電気刺激装置1では、各ペア電極2を構成する全ての電極4のうち少なくとも1つの電極が、電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えている。なお、図示では、ペア電極2を構成する2つの電極4のうち少なくとも一方が、本発明の電気刺激装置用電極4A、4Bである。また、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極4A、4Bの具体例については、後に詳細に説明する。
そして、この電気刺激装置1によれば、2組のペア電極2を生体の表面に取り付け、発振部から任意に増幅部を介して電極4へと電気刺激用の電流を発振することにより、生体に電気刺激用の電流を与えることができる。
具体的には、例えば、ペア電極2を構成する電極4を、一方のペア電極2Aの2つの電極4の取付け位置を結ぶ仮想線と、他方のペア電極2Bの2つの電極4の取付け位置を結ぶ仮想線とが交差するように生体の表面に取り付けることで、各ペア電極2からの電気刺激用の電流を、生体の深部の領域で干渉させて、その領域に存在する神経や筋肉に対して、干渉した電流で電気刺激を与えることができる。
具体的には、例えば、ペア電極2を構成する電極4を、一方のペア電極2Aの2つの電極4の取付け位置を結ぶ仮想線と、他方のペア電極2Bの2つの電極4の取付け位置を結ぶ仮想線とが交差するように生体の表面に取り付けることで、各ペア電極2からの電気刺激用の電流を、生体の深部の領域で干渉させて、その領域に存在する神経や筋肉に対して、干渉した電流で電気刺激を与えることができる。
ここで、例えば上述したように電流を干渉させて電気刺激を与える場合、図2(a)に示すように、電流が干渉する位置(即ち、電気刺激が効果的に与えられる位置)は、各ペア電極を構成する電極4の同士を直線で結んでなる平面Pa,Pbが交差する領域Aiになる。従って、例えば図2(b)に示すように電極4の取り付け位置やサイズを変更すると、電流が干渉する位置(領域Ai)は、変化する。そのため、従来の電気刺激装置においては、生体内の所望の位置Adに電気刺激を与えて所望の効果が得られるように、電極4の取り付け位置を正確に位置決めする必要があった。
これに対し、上述した電気刺激装置1は、ペア電極2を構成する全ての電極4のうち少なくとも1つの電極(図示では2つ)が、電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えている。
従って、使用者が電気刺激装置1を使用するにあたり、使用毎に、電極4の、生体の表面に対する取付け位置を、正確に位置決めしなくても、図2(c)に示すように通電面積変更機構を備える電極4A、4Bの通電面積を変更することにより(図2(c)では電極4Aのみ変更)、電気刺激を与える位置(電流が干渉する領域Ai)を変更することができる(図2(b)、(c)に示すように電極4の取り付け位置を変更することなく電極4A、4Bの通電面積を大きくすることで、電流が干渉する領域Aiの位置を、生体内の所望の位置Adを含む位置に変更することができる)。
即ち、電気刺激装置1によれば、電極4を生体の表面に取り付けた後にその取り付け位置を変更することなく、電気刺激を与える生体の深部の領域の位置を変更することができる。その結果として、電極4の取り付け位置を正確に位置決めしなくても、生体の深部に位置する神経や筋肉に対して、使用毎に、効果的かつ正確に電気刺激を与えることができる。
従って、使用者が電気刺激装置1を使用するにあたり、使用毎に、電極4の、生体の表面に対する取付け位置を、正確に位置決めしなくても、図2(c)に示すように通電面積変更機構を備える電極4A、4Bの通電面積を変更することにより(図2(c)では電極4Aのみ変更)、電気刺激を与える位置(電流が干渉する領域Ai)を変更することができる(図2(b)、(c)に示すように電極4の取り付け位置を変更することなく電極4A、4Bの通電面積を大きくすることで、電流が干渉する領域Aiの位置を、生体内の所望の位置Adを含む位置に変更することができる)。
即ち、電気刺激装置1によれば、電極4を生体の表面に取り付けた後にその取り付け位置を変更することなく、電気刺激を与える生体の深部の領域の位置を変更することができる。その結果として、電極4の取り付け位置を正確に位置決めしなくても、生体の深部に位置する神経や筋肉に対して、使用毎に、効果的かつ正確に電気刺激を与えることができる。
なお、上記の電気刺激装置1では、各ペア電極2を構成する2つの電極4の両方を、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極とすることが好ましい。これによれば、それぞれのペア電極2からの電流が干渉する領域を、より効果的に移動させることができる。
<電気刺激装置の使用方法>
続いて、上述した本発明の電気刺激装置の使用方法について、図3、4を用いて説明する。
本発明の電気刺激装置の使用方法の一例では、まず、2組のペア電極41A、41Bを備えるとともに、ペア電極41A、41Bを構成する2つの電極42のうち少なくとも一方が、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極42A、42Bである電気刺激装置を使用し、図3(a)に示すように、一方のペア電極41Aのうちの一方の電気刺激装置用電極42Aを、頸部または顎下のうち生体の左右のどちらか一方側の表面(図示では被取り付け者側からみて顎下の左側表面)に取り付け、他方の電極42A1を、生体の他方側(被取り付け者側からみて右側)の頬部の表面に取り付ける。また、他方のペア電極41Bのうちの一方の電気刺激装置用電極42Bを、一方のペア電極41Aの電気刺激装置用電極42Aとは生体の中心線(正中線)を挟んで対称の位置の頸部または顎下の表面(図示では被取り付け者側からみて顎下の右側表面)に取り付け、他方の電極42B1を、一方のペア電極41Aの電極42A1とは生体の中心線を挟んで対称の位置の頬部の表面に取り付ける(すなわち、2組のペア電極41A、41Bを構成するそれぞれ2つの電極42の位置関係を交差させるとともに、それぞれの電気刺激装置用電極42A、42Bを、少なくとも生体の頸部または顎下の表面に取り付ける)。ついで、生体の表面に取り付けた電気刺激装置用電極42A、42Bの通電面積変更機構を動作させつつ、電気刺激を付与する。
この使用方法によれば、2組のペア電極41A、41Bを、生体の頬部の表面と、頸部または顎下の表面とに上記の位置関係で取り付けるので、それぞれのペア電極41A、41Bから発信された電気刺激用の電流を、生体の口腔・咽頭領域で、干渉させることができる。また、2組のペア電極41A、41Bを構成するそれぞれの電気刺激装置用電極42A、42Bを、少なくとも生体の頸部または顎下の表面に取り付けたので、電気刺激装置用電極42A、42Bの通電面積変更機構を動作させることで、電流が干渉する領域を、口腔・咽頭領域から喉頭挙上筋群が位置する領域に移動させることができる。すなわち、使用者が電気刺激装置を使用するにあたり、使用毎に、電極42の、生体の表面に対する取付け位置を、正確に位置決めせず、また、電極42を生体の表面に取り付けた後にその位置を変更することなく、電気刺激を与える生体の深部の領域を変更することができる。その結果として、咽頭機能障害である嚥下機能障害や睡眠時無呼吸症候群を持つ患者の治療ないしリハビリテーションを効果的に行うことができる。
続いて、上述した本発明の電気刺激装置の使用方法について、図3、4を用いて説明する。
本発明の電気刺激装置の使用方法の一例では、まず、2組のペア電極41A、41Bを備えるとともに、ペア電極41A、41Bを構成する2つの電極42のうち少なくとも一方が、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極42A、42Bである電気刺激装置を使用し、図3(a)に示すように、一方のペア電極41Aのうちの一方の電気刺激装置用電極42Aを、頸部または顎下のうち生体の左右のどちらか一方側の表面(図示では被取り付け者側からみて顎下の左側表面)に取り付け、他方の電極42A1を、生体の他方側(被取り付け者側からみて右側)の頬部の表面に取り付ける。また、他方のペア電極41Bのうちの一方の電気刺激装置用電極42Bを、一方のペア電極41Aの電気刺激装置用電極42Aとは生体の中心線(正中線)を挟んで対称の位置の頸部または顎下の表面(図示では被取り付け者側からみて顎下の右側表面)に取り付け、他方の電極42B1を、一方のペア電極41Aの電極42A1とは生体の中心線を挟んで対称の位置の頬部の表面に取り付ける(すなわち、2組のペア電極41A、41Bを構成するそれぞれ2つの電極42の位置関係を交差させるとともに、それぞれの電気刺激装置用電極42A、42Bを、少なくとも生体の頸部または顎下の表面に取り付ける)。ついで、生体の表面に取り付けた電気刺激装置用電極42A、42Bの通電面積変更機構を動作させつつ、電気刺激を付与する。
この使用方法によれば、2組のペア電極41A、41Bを、生体の頬部の表面と、頸部または顎下の表面とに上記の位置関係で取り付けるので、それぞれのペア電極41A、41Bから発信された電気刺激用の電流を、生体の口腔・咽頭領域で、干渉させることができる。また、2組のペア電極41A、41Bを構成するそれぞれの電気刺激装置用電極42A、42Bを、少なくとも生体の頸部または顎下の表面に取り付けたので、電気刺激装置用電極42A、42Bの通電面積変更機構を動作させることで、電流が干渉する領域を、口腔・咽頭領域から喉頭挙上筋群が位置する領域に移動させることができる。すなわち、使用者が電気刺激装置を使用するにあたり、使用毎に、電極42の、生体の表面に対する取付け位置を、正確に位置決めせず、また、電極42を生体の表面に取り付けた後にその位置を変更することなく、電気刺激を与える生体の深部の領域を変更することができる。その結果として、咽頭機能障害である嚥下機能障害や睡眠時無呼吸症候群を持つ患者の治療ないしリハビリテーションを効果的に行うことができる。
また、電気刺激装置の使用方法の変形例は、上述した電気刺激装置を使用し、図3(b)に示すように、一方のペア電極41Aのうちの一方の電気刺激装置用電極42Aを、生体の頸部または顎下の中央の表面(図示では顎下の表面)に取り付け、他方の電極42A1を、生体の頬部のうち左右の一方側の表面に取り付ける。また、他方のペア電極41Bのうちの一方の電気刺激装置用電極42Bを、一方のペア電極41Aの電気刺激装置用電極42Aよりも生体下方側の位置の頸部または顎下の表面(図示では顎下の表面)に取り付け、他方の電極42B1を、一方のペア電極41Aの電極42A1とは生体の中心線を挟んで対称の位置の頬部の表面に取り付ける(すなわち、2組のペア電極41A、41Bを構成するそれぞれ2つの電極42の位置関係を略V字状にするとともに、それぞれの電気刺激装置用電極42A、42Bを、少なくとも生体の頸部または顎下の表面に取り付ける)。ついで、生体の表面に取り付けた電気刺激装置用電極42A、42Bの通電面積変更機構を動作させつつ、電気刺激を付与する。
これによれば、2組のペア電極41A、41Bを、3次元的な電極配置、換言すれば、ねじれの位置関係にすることができる。したがって、図3(a)生じる干渉領域と異なり一部回転した領域に対して電気刺激を行うことが可能となり、より左右対称性の高い刺激を得ることが可能となる。
これによれば、2組のペア電極41A、41Bを、3次元的な電極配置、換言すれば、ねじれの位置関係にすることができる。したがって、図3(a)生じる干渉領域と異なり一部回転した領域に対して電気刺激を行うことが可能となり、より左右対称性の高い刺激を得ることが可能となる。
なお、図3(a)、(b)に示して説明した電気刺激装置の使用方法では、各ペア電極41A、41Bを構成する4つの電極42のうち1つの電極が、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極である電気刺激装置を使用する場合、頸部または顎下に取り付けることとなる2つの電極のうち1つを、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極にすることができる。
さらに、電気刺激装置の使用方法の他の変形例は、上述した電気刺激装置を使用し、図4(a)に示すように、一方のペア電極41Aのうちの一方の電気刺激装置用電極42Aを、顎下のうち生体の左右どちらかの表面に取り付け、他方の電極42A1を、生体の頸部のうち他方側の表面に取り付ける。また、他方のペア電極41Bのうちの一方の電気刺激装置用電極42Bを、一方のペア電極41Aの電気刺激装置用電極42Aとは生体の中心線を挟んで対称の位置の顎下の表面に取り付け、他方の電極42B1を、一方のペア電極41Aの電極42A1とは生体の中心線を挟んで対称の位置の頸部の表面に取り付ける(すなわち、2組のペア電極41A、41Bを構成するそれぞれ2つの電極42の位置関係を交差させるとともに、それぞれの電気刺激装置用電極42A、42Bを、少なくとも生体の顎下の表面に取り付ける)。ついで、生体の表面に取り付けた電気刺激装置用電極42A、42Bの通電面積変更機構を動作させつつ、電気刺激を付与する。
これによれば、より喉頭領域に特化して電気刺激を与えることができる。
これによれば、より喉頭領域に特化して電気刺激を与えることができる。
さらにまた、電気刺激装置の使用方法の他の変形例は、上述した電気刺激装置を使用し、図4(b)に示すように、一方のペア電極41Aのうちの一方の電気刺激装置用電極42Aを、生体の顎下の中央の表面に取り付け、他方の電極42A1を、生体の頸部のうち左右の一方側の表面に取り付ける。また、他方のペア電極41Bのうちの一方の電気刺激装置用電極42Bを、一方のペア電極41Aの電気刺激装置用電極42Aよりも生体下方側の位置の顎下の表面に取り付け、他方の電極42B1を、一方のペア電極41Aの電極42A1とは生体の中心線を挟んで対称の位置の頸部の表面に取り付ける(すなわち、2組のペア電極41A、41Bを構成するそれぞれ2つの電極42の位置関係を略逆V字状にするとともに、それぞれの電気刺激装置用電極42A、42Bを、少なくとも生体の顎下の表面に取り付ける)。ついで、生体の表面に取り付けた電気刺激装置用電極42A、42Bの通電面積変更機構を動作させつつ、電気刺激を付与する。
これによれば、2組のペア電極41A、41Bを、3次元的な電極配置、換言すれば、ねじれの位置関係にすることができる。したがって、図4(a)生じる干渉領域と異なり一部回転した領域に対して電気刺激を行うことが可能となり、より左右対称性の高い刺激を得ることが可能となる。
これによれば、2組のペア電極41A、41Bを、3次元的な電極配置、換言すれば、ねじれの位置関係にすることができる。したがって、図4(a)生じる干渉領域と異なり一部回転した領域に対して電気刺激を行うことが可能となり、より左右対称性の高い刺激を得ることが可能となる。
なお、図4(a)、(b)に示して説明した電気刺激装置の使用方法では、各ペア電極41A、41Bを構成する4つの電極42のうち1つの電極が、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極である電気刺激装置を使用する場合、顎下に取り付けることとなる2つの電極のうち1つを、通電面積変更機構を備える電気刺激装置用電極にすることができる。
<電気刺激装置用電極>
次に、上述した本発明の電気刺激装置用電極の具体例について、図5〜10を用いて説明する。なお、本発明の電気刺激装置用電極は、上述した本発明の電気刺激装置以外の刺激装置に適用してもよい。
次に、上述した本発明の電気刺激装置用電極の具体例について、図5〜10を用いて説明する。なお、本発明の電気刺激装置用電極は、上述した本発明の電気刺激装置以外の刺激装置に適用してもよい。
(第一の実施形態)
ここで、本発明の第一の実施形態に係る電気刺激装置用電極11について、図5を用いて説明する。
図5(a)に示すように、第一の実施形態の電気刺激装置用電極11は、円盤状の本体部111と、その略中央から延びる配線112とを有している。また、本体部111は、生体の表面に取り付けられて生体へ電気刺激用の電流を与える部分を含む取付側部分113と、後述の通電範囲変更部を内部に含むケース部分114とから形成されている。
また、電気刺激装置用電極11の底面図を図5(b)に示し、図5(b)のa−a線に沿う断面図を図5(c)に示すように、取付側部分113は、生体へ取り付けられる取付面P(図5(a)の下方の面)と、取付面Pとは逆側に位置する非取付面Nを有している。そして、ケース部分114は、接着や溶着などの既知の手段を用いて、非取付面N上に固着されている。
なお、図示では本体部111は円盤状であるが、任意の形状にすることができる。
ここで、本発明の第一の実施形態に係る電気刺激装置用電極11について、図5を用いて説明する。
図5(a)に示すように、第一の実施形態の電気刺激装置用電極11は、円盤状の本体部111と、その略中央から延びる配線112とを有している。また、本体部111は、生体の表面に取り付けられて生体へ電気刺激用の電流を与える部分を含む取付側部分113と、後述の通電範囲変更部を内部に含むケース部分114とから形成されている。
また、電気刺激装置用電極11の底面図を図5(b)に示し、図5(b)のa−a線に沿う断面図を図5(c)に示すように、取付側部分113は、生体へ取り付けられる取付面P(図5(a)の下方の面)と、取付面Pとは逆側に位置する非取付面Nを有している。そして、ケース部分114は、接着や溶着などの既知の手段を用いて、非取付面N上に固着されている。
なお、図示では本体部111は円盤状であるが、任意の形状にすることができる。
電気刺激装置用電極11の取付側部分113は、複数の導電部113aと、複数の絶縁部113bとよりなる。そして、導電部113aおよび絶縁部113bの少なくとも一方は、電気刺激装置用電極11を生体の表面に取り付けることができるように、粘着性を有する部材、例えば導電性高分子ゲル、または、電解質もしくは導電性物質を含むハイドロゲルもしくはゾル等で形成されている。また、ハイドロゲルおよびゾルは、例えば、ポリ(アミドアミン)、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリウレタン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコールモノメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)−コ−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、及びポリ(ビニル−ピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アミノプロルイメタクリルアミド)、及びポリ(N,N−ジメチル−2−アミノエチルメタクリレート)若しくはこれらのコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、並びにこれらのヘテロポリマー、又はこれらの組合せから選択される少なくとも1つのポリマーを含む。
また、図5(b)に示すように、電気刺激装置用電極11では、導電部113aと絶縁部113bとが同心円状に交互に配置されている。
なお、この実施形態では、3つの導電部113a(中心側から外周縁側に向かって、円盤状の導電部113c、円環状の導電部113dおよび113e)と、2つの円環状の絶縁部113bとを交互に有しているが、本発明の電気刺激装置用電極11では、導電部113aおよび絶縁部113bの個数は任意に増減させることができる。また、本発明の電気刺激装置用電極11では、導電部113aおよび絶縁部113bを同心円状以外の形状に配置してもよく、また、導電部113aおよび絶縁部113bを例えば直方体状や立方体状などの形状にすることも可能である。さらにこの実施形態では、導電部113aおよび絶縁部113bは粘着性を有する部材としているが、本発明の電気刺激装置用電極11では、導電部113aおよび絶縁部113bを非粘着性の部材にするとともに、取付側部分113の外周側に粘着材を設けてもよい。また、絶縁部113bは、絶縁性を有する部材を用いる他、各導電部113aを離間させて配置することで形成される空間を利用して空気絶縁するものであってもよい。
また、図5(b)に示すように、電気刺激装置用電極11では、導電部113aと絶縁部113bとが同心円状に交互に配置されている。
なお、この実施形態では、3つの導電部113a(中心側から外周縁側に向かって、円盤状の導電部113c、円環状の導電部113dおよび113e)と、2つの円環状の絶縁部113bとを交互に有しているが、本発明の電気刺激装置用電極11では、導電部113aおよび絶縁部113bの個数は任意に増減させることができる。また、本発明の電気刺激装置用電極11では、導電部113aおよび絶縁部113bを同心円状以外の形状に配置してもよく、また、導電部113aおよび絶縁部113bを例えば直方体状や立方体状などの形状にすることも可能である。さらにこの実施形態では、導電部113aおよび絶縁部113bは粘着性を有する部材としているが、本発明の電気刺激装置用電極11では、導電部113aおよび絶縁部113bを非粘着性の部材にするとともに、取付側部分113の外周側に粘着材を設けてもよい。また、絶縁部113bは、絶縁性を有する部材を用いる他、各導電部113aを離間させて配置することで形成される空間を利用して空気絶縁するものであってもよい。
配線112および当該配線112が接続されたケース部分114内には、図5(c)に示すように、導電部113aの数に対応した数(図示例では3本)の導線112aが通っている。そして、導線112aは、それぞれ、一端が導電部113aの何れかに接続され、他端が、図示しない電気刺激用の電流の供給源(例えば、電気刺激装置の発振部や増幅部)に接続可能に形成されている。そして、各導線112aは、配線112内で互いに接触して導通することが無いように、外周面が絶縁性部材で被覆されている。
なお、導線112aの一端と導電部113aとの接続は、直接的に導線112aの一端を導電部113aに接続させてもよく、間接的に、すなわち、導線112aの一端と導電部113aとを、その間に導電性金属板、金属シート、カーボンシート等の導電伝達部材を介して接続することも可能である。
また、電気刺激装置用電極11では、1本の配線112内に3本の導線112aを収容し、当該配線112をケース部分114に接続したが、本発明の電気刺激装置用電極11では、1本の導線112aを収容した複数本の配線112をケース部分114に接続してもよい。
なお、導線112aの一端と導電部113aとの接続は、直接的に導線112aの一端を導電部113aに接続させてもよく、間接的に、すなわち、導線112aの一端と導電部113aとを、その間に導電性金属板、金属シート、カーボンシート等の導電伝達部材を介して接続することも可能である。
また、電気刺激装置用電極11では、1本の配線112内に3本の導線112aを収容し、当該配線112をケース部分114に接続したが、本発明の電気刺激装置用電極11では、1本の導線112aを収容した複数本の配線112をケース部分114に接続してもよい。
そして、図5に示す電気刺激装置用電極11によれば、互いに離隔して配置された複数の導電部113aと、導電部113a間に位置する絶縁部113bと、各導電部113aに個別に接続された導線112aとを通電面積変更機構として機能させることにより、電極を取り付けた生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更することができる。
具体的には、この電気刺激装置用電極11では、例えば図示しない電気刺激装置の制御部を利用し、電気刺激用の電流を通電する導線112aおよび導電部113aの数および位置を変更することにより、電気刺激用の電流を通電する面積および位置を変更することができる。即ち、この電気刺激装置用電極11では、各導電部113aに個別に接続された導線112aは、電気刺激用の電流を通電する導電部113aの数および範囲を変更する通電範囲変更部として機能する。
その結果、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
その結果、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
なお、上述したような、互いに離隔して配置された複数の導電部113aと、導電部113a間に位置する絶縁部113bと、各導電部113aに個別に接続された導線112aとを通電面積変更機構として機能させる電気刺激装置用電極11では、導線112aが各導電部113aに個別に接続されているので、通電面積の変更を確実かつ迅速に行うことができる。また、導線112aが、各導電部113aに個別に接続されているので、例えば、使用者等が、電気刺激装置用電極11に対する物理的な衝撃による通電面積変化等を気にすることなく、電気刺激装置の操作部での操作や電気的制御により、通電面積の変更の操作を行うことができる。なお、電気的制御を行う場合には、通電面積、または生体内での刺激位置を、経時的に変化させる等の制御パターンで電気刺激を生体に与えることもできる。
また、導線112aが各導電部113aに個別に接続されているので、導電部113aおよび絶縁部113bの配置位置の設計自由度が高い。
また、導線112aが各導電部113aに個別に接続されているので、導電部113aおよび絶縁部113bの配置位置の設計自由度が高い。
[第一変形例]
次に、本発明の第一の実施形態の第一変形例に係る電気刺激装置用電極11について、図6を用いて説明する。
次に、本発明の第一の実施形態の第一変形例に係る電気刺激装置用電極11について、図6を用いて説明する。
図6(a)にその全体を示す第一変形例の電気刺激装置用電極11は、底面図を図6(b)に示し、図6(b)のb−b線に沿う断面図を図6(c)に示すように、配線112内に1本の導線112aしか配置されておらず、当該導線112aが、円盤状の導電部113cのみに接続している点において、図5に示す電気刺激装置用電極11と構成が異なっている。即ち、第一変形例の電気刺激装置用電極11は、導線112aが接続された導線付き導電部113cと、導線112aが接続されていない導線無し導電部113d、113eとを有している。
また、第一変形例の電気刺激装置用電極11は、図6(c)のc−c線に沿う断面図を図6(d)に示すように、ケース部分114内に、各導線無し導電部113d、113eに接続された第1導電部材13aと、導線付き導電部113cに接続され、且つ、第1導電部材13aと接触/離隔可能に形成された第2導電部材13bとを備えている点においても、図5に示す電気刺激装置用電極11と構成が異なっている。
具体的には、ケース部分114内には、平面視扇形で、2つの導電部113cおよび導電部113dの間に位置する絶縁部113bの上側の一部を覆うように配置された内側第1導電部材13cと、平面視扇形で、3つの導電部113c〜113eおよび2つの絶縁部113bの上側の一部を覆うように配置された外側第1導電部材13dとが配置されている。また、ケース部分114内には、平面視扇形の第2導電部材13bが、導電部113cの上側に、導電部113c上を摺動可能に、且つ、第1導電部材13aと接触/離隔可能に配置されている。
具体的には、ケース部分114内には、平面視扇形で、2つの導電部113cおよび導電部113dの間に位置する絶縁部113bの上側の一部を覆うように配置された内側第1導電部材13cと、平面視扇形で、3つの導電部113c〜113eおよび2つの絶縁部113bの上側の一部を覆うように配置された外側第1導電部材13dとが配置されている。また、ケース部分114内には、平面視扇形の第2導電部材13bが、導電部113cの上側に、導電部113c上を摺動可能に、且つ、第1導電部材13aと接触/離隔可能に配置されている。
内側第1導電部材13cは、金属などの導電性の部材よりなり、図6(c)に示すように、一部が、導線無し導電部113dの非取付面N側と接続されている。また、内側第1導電部材13cのうち、導線付き導電部113cおよび絶縁部113bの上側に位置する部分13eは、少なくとも導線付き導電部113c(図示例では導電部113cおよび絶縁部113bの双方)の非取付面N側と接触しないように(即ち、ケース部分114内の中空部に位置するように)形成されている。
外側第1導電部材13dは、金属などの導電性の部材よりなり、図6(c)に示すように、一部が、導線無し導電部113d、導線無し導電部113e、ならびに、導線無し導電部113dおよび導線無し導電部113eの間に位置する絶縁部113b、の非取付面N側と接続されている。また、外側第1導電部材13dのうち、導線付き導電部113cの上側、並びに、導線付き導電部113cおよび導線無し導電部113dの間に位置する絶縁部113bの上側に位置する部分13eは、少なくとも導線付き導電部113c(図示例では導電部113cおよび絶縁部113bの双方)の非取付面N側と接触しないように(即ち、ケース部分114内の中空部に位置するように)形成されている。
さらに、第2導電部材13bは、導線付き導電部113cの非取付面N上に、導電部113cと接触可能かつ導電部113c上を摺動可能に(図示例では、導電部113cの中央に接続された導線112aを中心に回転可能に)配置されている。そして、第2導電部材13bは、導線112aを中心に回転させた際に、第1導電部材13c,13dの部分13e(以下「接触部分13e」という)と接触するように構成されている。また、第2導電部材13bには、第2導電部材13bを摺動させる際に用いる取っ手部13fが固着されており、ケース部分114には、取っ手部13fが突出する孔13gが、第2導電部材13bを摺動させる範囲に合わせた円弧状に形成されている。なお、第2導電部材13bは、導線付き導電部113cの非取付面N上を、直接的に接触かつ摺動してもよく、または間接的に、すなわち、カーボンフィルムもしくは金属板、金属シートなどの導電性部材を介して接触かつ摺動してもよい。
具体的には、第2導電部材13bは、平面視円形の導線付き導電部113cの半径よりも短く、且つ、導線112aと接触部分13eとの間の最短距離よりも長い寸法を有している。また、第2導電部材13bは、導線付き導電部113cと接触部分13eとの間の、非取付面Nに直交する方向の距離D以上の厚み(図示例では、距離Dと等しい厚み)を有している。従って、この電気刺激装置用電極11では、第2導電部材13bを接触部分13eの下側に位置させれば、第2導電部材13bと接触部分13eとが接触(図示例では、第2導電部材13bの上面と接触部分13eの下面とが接触)する。
具体的には、第2導電部材13bは、平面視円形の導線付き導電部113cの半径よりも短く、且つ、導線112aと接触部分13eとの間の最短距離よりも長い寸法を有している。また、第2導電部材13bは、導線付き導電部113cと接触部分13eとの間の、非取付面Nに直交する方向の距離D以上の厚み(図示例では、距離Dと等しい厚み)を有している。従って、この電気刺激装置用電極11では、第2導電部材13bを接触部分13eの下側に位置させれば、第2導電部材13bと接触部分13eとが接触(図示例では、第2導電部材13bの上面と接触部分13eの下面とが接触)する。
なお、本発明の電気刺激装置用電極11では、第2導電部材13bの厚みを距離D以上とし、第2導電部材13bを摺動させた際に第2導電部材13bの側面と接触部分13eの側面とが接触するようにしてもよいし、或いは、第2導電部材13bの厚みを距離D未満とすると共に取っ手部13fを導電性の部材で形成し、第2導電部材13bを摺動させた際に取っ手部13fと接触部分13eの側面とが接触するようにしてもよい。
但し、第2導電部材13bと接触部分13eとを確実に接触させると共に、その接触状態を確実に維持する観点からは、第2導電部材13bの厚みは、距離Dと等しい大きさか、或いは、距離Dよりも若干大きい大きさとして、導線付き導電部113cの上面と接触部分13eの下面との間に第2導電部材13bが、挟み込まれた状態で嵌め合わされるようにすることが好ましい。第2導電部材13bが挟み込まれた状態で嵌め合わされれば、生体に対して電気刺激を与えている間に振動などが与えられても、第2導電部材13bが移動するのを防止することができるからである。
また、第2導電部材13bと接触部分13eとを確実に接触させると共に、その接触状態を確実に維持する観点からは、図6(e)に示すように、ケース部分114の、取っ手部13fが突出する孔13gの周辺部、または取っ手部13fの少なくとも一方を軟性材料にするとともに、孔13gを、当該孔13gの両端および中間の3箇所に設けた、幅が相対的に広い広幅部分13hと、各広幅部分13hの間に位置する、幅が相対的に狭い狭幅部分13iと、で形成することができる。具体的には、狭幅部分13iは、その幅が取っ手部13fの径よりも若干小さく形成され、広幅部分13hは、その幅が狭幅部分13iの幅よりも大きく且つ取っ手部13fが弱く嵌合するように形成されている。孔13gを広幅部分13hおよび狭幅部分13iで形成することで、取っ手部13fが、広幅部分13hから狭幅部分13iへ摺動する際に抵抗力が生じるので、取っ手部13fを、孔13gの一方の端側の広幅部分13hに位置させれば、第2導電部材13bを接触部分13eに接触させた状態に固定でき、また、取っ手部13fを、孔13gの中間の広幅部分13hに位置させれば、第2導電部材13bを接触部分13eに非接触な状態に固定できる。それゆえに、取っ手部13fを広幅部分13hに位置させれば、生体に対して電気刺激を与えている間に振動などが与えられても、第2導電部材13bが移動するのを防止することができる。
但し、第2導電部材13bと接触部分13eとを確実に接触させると共に、その接触状態を確実に維持する観点からは、第2導電部材13bの厚みは、距離Dと等しい大きさか、或いは、距離Dよりも若干大きい大きさとして、導線付き導電部113cの上面と接触部分13eの下面との間に第2導電部材13bが、挟み込まれた状態で嵌め合わされるようにすることが好ましい。第2導電部材13bが挟み込まれた状態で嵌め合わされれば、生体に対して電気刺激を与えている間に振動などが与えられても、第2導電部材13bが移動するのを防止することができるからである。
また、第2導電部材13bと接触部分13eとを確実に接触させると共に、その接触状態を確実に維持する観点からは、図6(e)に示すように、ケース部分114の、取っ手部13fが突出する孔13gの周辺部、または取っ手部13fの少なくとも一方を軟性材料にするとともに、孔13gを、当該孔13gの両端および中間の3箇所に設けた、幅が相対的に広い広幅部分13hと、各広幅部分13hの間に位置する、幅が相対的に狭い狭幅部分13iと、で形成することができる。具体的には、狭幅部分13iは、その幅が取っ手部13fの径よりも若干小さく形成され、広幅部分13hは、その幅が狭幅部分13iの幅よりも大きく且つ取っ手部13fが弱く嵌合するように形成されている。孔13gを広幅部分13hおよび狭幅部分13iで形成することで、取っ手部13fが、広幅部分13hから狭幅部分13iへ摺動する際に抵抗力が生じるので、取っ手部13fを、孔13gの一方の端側の広幅部分13hに位置させれば、第2導電部材13bを接触部分13eに接触させた状態に固定でき、また、取っ手部13fを、孔13gの中間の広幅部分13hに位置させれば、第2導電部材13bを接触部分13eに非接触な状態に固定できる。それゆえに、取っ手部13fを広幅部分13hに位置させれば、生体に対して電気刺激を与えている間に振動などが与えられても、第2導電部材13bが移動するのを防止することができる。
そして、上述した第一変形例の電気刺激装置用電極11によれば、互いに離隔して配置された複数の導電部113a(導線付き導電部113cおよび導線無し導電部113d)と、導電部113a間に位置する絶縁部113bと、第1導電部材13aと、第2導電部材13bとを通電面積変更機構として機能させることにより、電極を取り付けた生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更することができる。
具体的には、この電気刺激装置用電極11では、例えば図示しない電気刺激装置から導線112aを介して導線付き導電部113cに電気刺激用の電流を通電した状態において、第2導電部材13bを摺動させて第2導電部材13bの位置を変更することにより、電気刺激用の電流を通電する導電部113aの数および範囲を変更することができる。より具体的には、導線付き導電部113cに電気刺激用の電流を通電した状態において、第2導電部材13bを接触部分13eと接触しない場所に位置させれば、導線付き導電部113cのみに通電することができる。また、導線付き導電部113cに電気刺激用の電流を通電した状態において、第2導電部材13bを内側第1導電部材13cの接触部分13eと接触させれば、導線付き導電部113cおよび導線無し導電部113dに通電することができる。更に、導線付き導電部113cに電気刺激用の電流を通電した状態において、第2導電部材13bを外側第1導電部材13dの接触部分13eと接触させれば、導線付き導電部113cおよび導線無し導電部113d、113eに通電することができる。
即ち、この電気刺激装置用電極11では、導線付き導電部113cに接続された導線112aと、1つ以上の導線無し導電部113d、113eに接続された第1導電部材13aと、導線付き導電部113cに接続され、且つ、第1導電部材13aと接触/離隔可能に形成された第2導電部材13bとが、電気刺激用の電流を通電する導電部113aの数および範囲を変更する通電範囲変更部として機能する。
その結果、第2導電部材13bを移動させることで、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
即ち、この電気刺激装置用電極11では、導線付き導電部113cに接続された導線112aと、1つ以上の導線無し導電部113d、113eに接続された第1導電部材13aと、導線付き導電部113cに接続され、且つ、第1導電部材13aと接触/離隔可能に形成された第2導電部材13bとが、電気刺激用の電流を通電する導電部113aの数および範囲を変更する通電範囲変更部として機能する。
その結果、第2導電部材13bを移動させることで、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
なお、上述したような、導線付き導電部113cおよび導線無し導電部113d、113eを有する導電部113a、絶縁部113b、導線112a、第1導電部材13a並びに第2導電部材13bを通電面積変更機構として機能させる電気刺激装置用電極11では、導線112aの配線を複雑化することなく、通電面積が変更可能となる。また、電気刺激装置の、電気刺激装置用電極11以外の部分、例えば操作部に通電面積を変更するための設計を施す必要がない。さらに、導電部113aおよび絶縁部113bの配置位置の設計自由度が高い。
[第二変形例]
続いて、本発明の第一の実施形態の第二変形例に係る電気刺激装置用電極11について、図7を用いて説明する。
図7(a)にその全体を示す第二変形例の電気刺激装置用電極11は、底面図を図7(b)に示し、図7(b)のd−d線に沿う断面図を図7(c)に示すように、導線112aが内部に配置された配線112を有しておらず、移動式通電部材14を挿通する孔がケース部分114の側面に形成されている点において図5に示す電気刺激装置用電極11と構成が異なっている。
続いて、本発明の第一の実施形態の第二変形例に係る電気刺激装置用電極11について、図7を用いて説明する。
図7(a)にその全体を示す第二変形例の電気刺激装置用電極11は、底面図を図7(b)に示し、図7(b)のd−d線に沿う断面図を図7(c)に示すように、導線112aが内部に配置された配線112を有しておらず、移動式通電部材14を挿通する孔がケース部分114の側面に形成されている点において図5に示す電気刺激装置用電極11と構成が異なっている。
また、第二変形例の電気刺激装置用電極11は、図7(c)のe−e線に沿う断面図を図7(d)に示すように、導電部113aに導線112aが接続されておらず、非取付面Nの半面を覆う絶縁性部材15aと、フィルム状またはシート状の導電性部材15bと、絶縁部113bにフィルム状またはシート状の補助絶縁性部材15cとを備えている点においても、図5に示す電気刺激装置用電極11と構成が異なっている。
移動式通電部材14は、導線112aに接続されており、金属棒などの導電性の部材よりなる。そして、移動式通電部材14は、ケース部分114の側面に形成された孔に挿通されており、ケース部分114内を移動可能とされている。また、移動式通電部材14は、非取付面Nの中央から最も外側に位置する導電部113eまでの最短距離よりも長い寸法を有している。
なお、移動式通電部材14の移動は、移動式通電部材14に取り付けられ、ケース部分114の側方から貫通孔を介して外部に延びる導線112aを、ケース部分114に対して移動、図示ではケース部分114の半径方向にスライドさせることによって行うことがきる。この際、導線112aの周囲に剛性部材15dを設けることで、剛性部材15dをスライドさせて導線112aとともに移動式通電部材14を移動させことができる。ここで、移動式通電部材14を指向性高く移動させる観点からは、移動式通電部材14を移動させたい領域の両側に壁状のガイド部を設けてもよい。また、移動式通電部材14の移動は、ボールねじなどの機構を用いて行ってもよい。
なお、移動式通電部材14の移動は、移動式通電部材14に取り付けられ、ケース部分114の側方から貫通孔を介して外部に延びる導線112aを、ケース部分114に対して移動、図示ではケース部分114の半径方向にスライドさせることによって行うことがきる。この際、導線112aの周囲に剛性部材15dを設けることで、剛性部材15dをスライドさせて導線112aとともに移動式通電部材14を移動させことができる。ここで、移動式通電部材14を指向性高く移動させる観点からは、移動式通電部材14を移動させたい領域の両側に壁状のガイド部を設けてもよい。また、移動式通電部材14の移動は、ボールねじなどの機構を用いて行ってもよい。
絶縁性部材15aは、図7(d)に示すように、非取付面Nのうち、移動式通電部材14が挿通される孔が形成された側の半面を覆うように配置されている。従って、第二変形例の電気刺激装置用電極11では、孔から挿入された移動式通電部材14は、導電部113aと電気的に接触(通電)することなく、ケース部分114内を非取付面Nの中央まで移動可能である。
導電性部材15bは、導電部113aの上面のうち、絶縁性部材15aが配置されていない部分に配置されている。即ち、図7に示す電気刺激装置用電極11では、1つの半円状の導電性部材15bと、寸法の異なる2つの円環状の導電性部材15bとが、それぞれ導電部113c、113d、113eの上面に配置されている。
補助絶縁性部材15cは、絶縁部113bの上面のうち、絶縁性部材15aが配置されていない部分に配置されている。即ち、図7に示す電気刺激装置用電極11では、寸法の異なる2つの円環状の補助絶縁性部材15cが、各絶縁部113bの上面に配置されている。
そして、図7に示す電気刺激装置用電極11によれば、互いに離隔して配置された複数の導電部113aと、導電部113a間に位置する絶縁部113bと、導線112aが接続された移動式通電部材14とを通電面積変更機構として機能させることにより、電極を取り付けた生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更することができる。
具体的には、この電気刺激装置用電極11では、例えば図示しない電気刺激装置から導線112aを介して移動式通電部材14に電気刺激用の電流を通電した状態において、ケース部分114の孔から挿通した移動式通電部材14を摺動させることにより、電気刺激用の電流を通電する導電部113aの数および範囲を変更することができる。より具体的には、移動式通電部材14に電気刺激用の電流を通電した状態において、移動式通電部材14を半円状の導電性部材15bの上部(第一通電位置)に位置させれば、移動式通電部材14と導電部113cとを導電性部材15bを介して電気的に接触させ、導電部113cのみに通電することができる。また、移動式通電部材14に電気刺激用の電流を通電した状態において、移動式通電部材14を、半円状の導電性部材15b、導電部113c、113d間に位置する絶縁部113bの上面に位置する円環状の補助絶縁性部材15cおよび導電部113dの上面に位置する円環状の導電性部材15bの上部(第二通電位置)に位置させれば、移動式通電部材14と、導電部113c、113dとを導電性部材15bを介して電気的に接触させ、導電部113c、113dに通電することができる。更に、移動式通電部材14に電気刺激用の電流を通電した状態において、移動式通電部材14を、半円状の導電性部材15b、絶縁部113bの上面に位置する円環状の補助絶縁性部材15cおよび導電部113d、113eの上面に位置する円環状の導電性部材15bの上部(第三通電位置)に位置させれば、移動式通電部材14と、導電部113c、113d、113eとを導電性部材15bを介して電気的に接触させ、導電部113c、113d、113eに通電することができる。
即ち、この電気刺激装置用電極11では、導線112aが接続された移動式通電部材14が、電気刺激用の電流を通電する導電部113aの数および範囲を変更する通電範囲変更部として機能する。
その結果、導線112aが接続された移動式通電部材14を移動させることで、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
即ち、この電気刺激装置用電極11では、導線112aが接続された移動式通電部材14が、電気刺激用の電流を通電する導電部113aの数および範囲を変更する通電範囲変更部として機能する。
その結果、導線112aが接続された移動式通電部材14を移動させることで、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
ここで、上述したような、導電部113a、絶縁部113b、および移動式通電部材14を通電面積変更機構として機能させる電気刺激装置用電極11では、導線112aの配線を複雑化することなく、通電面積が変更可能となる。また、電気刺激装置の、電気刺激装置用電極11以外の部分、例えば操作部に通電面積を変更するための設計を施す必要がない。さらに、導電部113aおよび絶縁部113bの配置位置の設計自由度が高い。
なお、この電気刺激装置用電極11では、ケース部分114の孔付近の、導線112aまたは剛性部材15dに、目盛や小さい凹凸を設けることで、ケース部分114内での移動式通電部材14の位置ないし導電部113aの通電範囲を認識可能にしてもよい。或いは、電気刺激装置用電極11では、補助絶縁性部材15c上に小さい凹凸や爪を設け、移動式通電部材14を移動させる際に操作者が当該凹凸や爪を乗り越える際の抵抗を感じることができるようにすることで、ケース部分114内での移動式通電部材14の位置ないし導電部113aの通電範囲を認識可能にしてもよい。
ここで、上述した電気刺激装置用電極11では、絶縁性部材15a、導電性部材15bおよび補助絶縁性部材15cを用いることにより、移動式通電部材14が、少なくとも一つの導電部113cに接触して、移動式通電部材14が接触した導電部113cと導線112aとを通電可能状態にする第一通電位置と、第一通電位置よりも接触する導電部113aの数が多く、移動式通電部材14が接触した導電部113c、113dと導線112aとを通電可能状態にする第二通電位置と、第一通電位置および第二通電位置よりも接触する導電部113aの数が多く、移動式通電部材14が接触した導電部113c、113d、113eと導線112aとを通電可能状態にする第三通電位置との間を移動可能にした。
しかし、本発明の電気刺激装置用電極11は、図7に示す構成に限定されることはない。具体的には、図7に示す電気刺激装置用電極11では、半円状の絶縁性部材15aを配置することにより、移動式通電部材14と、導電部113d、113eとがケース部分114の孔側で電気的に接触(通電)してしまうのを回避したが、絶縁性部材15aは、移動式通電部材14と、導電部113d、113eとがケース部分114の孔側で電気的に接触(通電)するのを回避可能であれば、任意の形状(例えば、導電部113d、113eの上面のみを覆う形状)とすることができる。また、絶縁性部材15aを設けることなく、例えば移動式通電部材14の一部(導線112aと接続されている側)を絶縁性の部材で覆うことにより、移動式通電部材14と、導電部113d、113eとがケース部分114の孔側で電気的に接触(通電)してしまうのを回避してもよい。
しかし、本発明の電気刺激装置用電極11は、図7に示す構成に限定されることはない。具体的には、図7に示す電気刺激装置用電極11では、半円状の絶縁性部材15aを配置することにより、移動式通電部材14と、導電部113d、113eとがケース部分114の孔側で電気的に接触(通電)してしまうのを回避したが、絶縁性部材15aは、移動式通電部材14と、導電部113d、113eとがケース部分114の孔側で電気的に接触(通電)するのを回避可能であれば、任意の形状(例えば、導電部113d、113eの上面のみを覆う形状)とすることができる。また、絶縁性部材15aを設けることなく、例えば移動式通電部材14の一部(導線112aと接続されている側)を絶縁性の部材で覆うことにより、移動式通電部材14と、導電部113d、113eとがケース部分114の孔側で電気的に接触(通電)してしまうのを回避してもよい。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態に係る電気刺激装置用電極21について、図8を用いて説明する。
図8(a)に示すように、第二の実施形態の電気刺激装置用電極21は、略円盤状のカバー部22と、その略中央から延びる配線26と、導電性流体を収容した容器27と、導電性流体を注入する注入管24とを有している。
なお、図示ではカバー部22は円盤状であるが、任意の形状にすることができる。
次に、本発明の第二の実施形態に係る電気刺激装置用電極21について、図8を用いて説明する。
図8(a)に示すように、第二の実施形態の電気刺激装置用電極21は、略円盤状のカバー部22と、その略中央から延びる配線26と、導電性流体を収容した容器27と、導電性流体を注入する注入管24とを有している。
なお、図示ではカバー部22は円盤状であるが、任意の形状にすることができる。
カバー部22は、電気刺激装置用電極21の底面図を図8(b)に示し、図8(b)のf−f線に沿う断面図を図8(c)に示すように、円盤状の基板22aと、当該基板22aの、生体の表面を向く取付側面の周縁部に既知の手法で固着された、円環状の取り付け部22bとを有している。そして、円環状の取り付け部22bは、粘着性の部材で構成されており、円環状の取り付け部22bの、基板22a側とは反対側の面は、生体に取り付けられる円環状の取り付け面となる。そのため、このカバー部22では、円環状の取り付け面の内周側に、凹部が形成されることとなる。そして、凹部は、カバー部22を生体の表面に取り付けた際には、凹部の内面と生体の表面とで閉空間を画成する。
なお、図8(b)、(c)に示すように、カバー部22の凹部内は、絶縁材料よりなり、凹部内を複数の空間に仕切る仕切り板25、例えば図示のように通電部材23を中心とする同心円状の仕切り板25で区画されている。ここで、仕切り板25は、基板22aに固着されており、一部に、流体通過孔25aが形成されている。なお、流体通過孔25aは、同心円の外側に位置する仕切り板25に向かうほど、基板22a側に位置するように形成されている。なお、図8(b)、(c)で示すところでは、半径方向最も内側に位置する仕切り板25を内側仕切り板25bとし、内側仕切り板25bに隣接配置された仕切り板25を外側仕切り板25cとする。
カバー部22に接続された配線26には、1本の導線26aが収納されている。そして、導線26aは、カバー部22の凹部内に配置された通電部材23と接続されている。
なお、通電部材23は、任意形状の導電性部材とすることができる。また、通電部材23は、電気刺激装置用電極21を生体の表面に取り付けた状態で、生体の表面から離隔するように配置されている。また、通電部材23のカバー部22の凹部内の固定は、例えば、通電部材23の基板側部分を内部に嵌め込んで固定する固定部材を、基板22aの取付側面に、周知の手法で取り付けて行うことができる。
なお、通電部材23は、任意形状の導電性部材とすることができる。また、通電部材23は、電気刺激装置用電極21を生体の表面に取り付けた状態で、生体の表面から離隔するように配置されている。また、通電部材23のカバー部22の凹部内の固定は、例えば、通電部材23の基板側部分を内部に嵌め込んで固定する固定部材を、基板22aの取付側面に、周知の手法で取り付けて行うことができる。
容器27は、導電性流体を収容しており、容器27には、注入管24の一端が接続されている。そして、容器27は、カバー部22の基板22aの外表面上に配置されており、例えば樹脂製の変形可能な容器よりなる。
ここで、導電性流体は、導電性および流動性を有する流体であれば、任意の流体にすることができるが、例えば導電性を有するゾルが好ましい。
ここで、導電性流体は、導電性および流動性を有する流体であれば、任意の流体にすることができるが、例えば導電性を有するゾルが好ましい。
注入管24は、導電性流体を収容した容器27から、カバー部22の凹部内の通電部材23の近傍まで延在している。従って、この電気刺激装置用電極21では、容器27を圧縮変形させて容器27内の導電性流体を押し出すことにより、注入管24を介して導電性流体をカバー部22の凹部内に注入することができる。
なお、本発明の電気刺激装置用電極21では、上記容器27に代えてシリンジ状容器としてもよく、シリンジ状容器を用いた場合には、導電性流体の注入量を確認することができる。また、カバー部22の基板22aを透明素材とすることで、視覚的に注入量を確認できる設計にすることも可能である。
なお、本発明の電気刺激装置用電極21では、上記容器27に代えてシリンジ状容器としてもよく、シリンジ状容器を用いた場合には、導電性流体の注入量を確認することができる。また、カバー部22の基板22aを透明素材とすることで、視覚的に注入量を確認できる設計にすることも可能である。
そして、図8に示す電気刺激装置用電極21によれば、凹部を有するカバー部22と、カバー部22の凹部内に配置され且つ導線26aに接続された通電部材23と、導電性流体を凹部内に注入する注入管24とを通電面積変更機構として機能させることにより、電極を取り付けた生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更することができる。
具体的には、この電気刺激装置用電極21では、例えば図示しない電気刺激装置から導線26aを介して通電部材23に電気刺激用の電流を通電した状態において、凹部の内面と生体の表面とで画成された閉空間内に注入管24を介して導電性流体を注入することにより、電気刺激用の電流を通電する範囲を変更することができる。より具体的には、閉空間内のうち、半径方向最も内側に位置する内側仕切り板25bで区画された空間内にのみ導電性流体を注入し、導電性流体と通電部材23とを接触させれば、当該導電性流体が注入された領域のみに通電することができる。また、内側仕切り板25bの流体通過孔25aを介して導電性流体を半径方向外側に向かって越流させ、内側仕切り板25bと、内側仕切り板25bに隣接配置された外側仕切り板25cとの間の空間内にも導電性流体を注入し、導電性流体と通電部材23とを接触させれば、当該導電性流体が注入された2つの領域に通電することができる。
その結果、導電性流体の注入量および注入領域を変更することで、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
なお、この電気刺激装置用電極21では、同心円の外側に位置する仕切り板25に向かうほど、流体通過孔25aが基板22a側に位置するように形成されているので、中心から2番目の仕切り板(外側仕切り板25c)よりも外側に向かって導電性流体が越流する前に、上記の2つの領域(内側仕切り板25bで囲まれる領域、および内側仕切り板25bと外側仕切り板25cとで囲まれる領域)に通電することができる。
また、仕切り板25の、基板22aとは逆側(生体側)の端面を、粘着性を有する面として形成することができる。これによれば、仕切り板25の当該端面と、生体の表面との間で、導電性流体が、仕切り板25の内側から外側へ漏れるのを効果的に防止することができる。さらに、基板22aに、カバー部22の内側と外側との空気の出入りを可能にする、少なくとも一つの通気孔(図示せず)を設けることができる。これによれば、導電性流体を注入してもカバー部内の圧力を上昇させないようにすることができる。カバー部内の圧力が上昇しないので、導電性流体の注入を行いやすくすることができ、または、圧力に起因する生体の表面の変形が抑えられるので、導電性流体が仕切り板25の内側から外側へ漏れるのを効果的に防止することができる。
その結果、導電性流体の注入量および注入領域を変更することで、電極の接触面積(通電面積)を電極取り付け後に変更することができる。
なお、この電気刺激装置用電極21では、同心円の外側に位置する仕切り板25に向かうほど、流体通過孔25aが基板22a側に位置するように形成されているので、中心から2番目の仕切り板(外側仕切り板25c)よりも外側に向かって導電性流体が越流する前に、上記の2つの領域(内側仕切り板25bで囲まれる領域、および内側仕切り板25bと外側仕切り板25cとで囲まれる領域)に通電することができる。
また、仕切り板25の、基板22aとは逆側(生体側)の端面を、粘着性を有する面として形成することができる。これによれば、仕切り板25の当該端面と、生体の表面との間で、導電性流体が、仕切り板25の内側から外側へ漏れるのを効果的に防止することができる。さらに、基板22aに、カバー部22の内側と外側との空気の出入りを可能にする、少なくとも一つの通気孔(図示せず)を設けることができる。これによれば、導電性流体を注入してもカバー部内の圧力を上昇させないようにすることができる。カバー部内の圧力が上昇しないので、導電性流体の注入を行いやすくすることができ、または、圧力に起因する生体の表面の変形が抑えられるので、導電性流体が仕切り板25の内側から外側へ漏れるのを効果的に防止することができる。
そして、上述したような、凹部を有するカバー部22と、カバー部22の凹部内に配置され且つ導線26aに接続された通電部材23と、導電性流体を凹部内に注入する注入管24とを通電面積変更機構として機能させる電気刺激装置用電極21では、使用する部品数を低減しつつ、通電面積が変更可能となる。また、部品の故障の発生等により電極が使用不能になるのを抑制することができる。また、比較的高価な導電性ゲルを用いなくとも、比較的安価な導電性流体を洗浄除去することで、電極を繰り返し使用可能になる。
ここで、図8に示す電気刺激装置用電極21では、凹部内で導電性流体が位置する空間を規制するための規制機構として仕切り板25を用いたが、本発明の電気刺激装置用電極21では、導電性流体を例えば5〜15Pa・s程度の高粘度の流体にし、通電部材23の位置を凹部の開口側(生体の表面側)に近づけることにより、カバー部22の凹部内に注入された導電性流体が凹部内で不要に広く拡散することを防止してもよい。また、図8に示す電気刺激装置用電極21では、仕切り板25に流体通過孔25aを設けたが、本発明の電気刺激装置用電極21では、流体通過孔25aを設けることなく、仕切り板25で画成された空間毎に導電性流体を注入する注入管24および容器を設けてもよい。
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態に係る電気刺激装置用電極31について、図9を用いて説明する。
図9(a)に示すように、第三の実施形態の電気刺激装置用電極31は、略円盤状のカバー部36と、その略中央に位置する押圧部材と、押圧部材に接続された配線32とを有している。
なお、図示ではカバー部36は円盤状であるが、任意の形状にすることができる。
次に、本発明の第三の実施形態に係る電気刺激装置用電極31について、図9を用いて説明する。
図9(a)に示すように、第三の実施形態の電気刺激装置用電極31は、略円盤状のカバー部36と、その略中央に位置する押圧部材と、押圧部材に接続された配線32とを有している。
なお、図示ではカバー部36は円盤状であるが、任意の形状にすることができる。
カバー部36は、電気刺激装置用電極31の図9(a)のg−g線に沿う断面図を図9(b)に示すように、略円盤状の基板351と、当該基板351の、生体の表面を向く取付側面の周縁部に既知の手法で固着された、円環状の取り付け部34とを有している。そして、円環状の取り付け部34は、粘着性の部材で構成されており、円環状の取り付け部34の、基板351側とは反対側の面は、生体に取り付けられる円環状の取り付け面となる。そのため、このカバー部36では、円環状の取り付け面の内周側に、凹部が形成されることとなる。そして、凹部は、カバー部36を生体の表面に取り付けた際には、凹部の内面と生体の表面とで閉空間を画成する。
なお、カバー部36の基板351の中央には、後述する押圧部材の一部が貫通する貫通孔351aが形成されている。そして、基板351は、後述する押圧部材を動作させた際に大きく変形しない程度の剛性を有している。
またなお、円環状の取り付け部34は、非粘着性の部材で構成することもできる。
なお、カバー部36の基板351の中央には、後述する押圧部材の一部が貫通する貫通孔351aが形成されている。そして、基板351は、後述する押圧部材を動作させた際に大きく変形しない程度の剛性を有している。
またなお、円環状の取り付け部34は、非粘着性の部材で構成することもできる。
なお、図9(b)に示すように、カバー部36の凹部内には、弾性通電部材33と、弾性通電部材33を凹部の開口側に向けて押圧する押圧部材の一部を構成する通電部材352とが配置されている。
弾性通電部材33は、導電性および弾性を有するものであれば任意の材料とすることができ、例えば導電性ゲル、導電性ゴムを用いることができる。また、弾性通電部材33は、図9(b)に示すように、その周縁部分が円環状の取り付け部34の内周面に取り付けられている。また、弾性通電部材33は、電気刺激装置用電極31の生体表面への取付前の状態では、当該電極の取付面Pに直交する断面で、平坦または他端側(取付側)に撓んだ形状をなすとともに、凹部の開口位置よりも突出しないよう(即ち、凹部の開口位置よりも凹部底側に位置するように)に配置されている。
なお、弾性通電部材33は、円環状の取り付け部34の内周面ではなく、通電部材352に取り付けられていてもよい。
なお、弾性通電部材33は、円環状の取り付け部34の内周面ではなく、通電部材352に取り付けられていてもよい。
カバー部36に接続された配線32には、1本の導線32aが収納されている。そして、導線32aは、カバー部36の凹部内に配置された通電部材352と電気的に接続されている。具体的には、導線32aは、後述する押込み部材354および係合部材353を貫通して延在し、通電部材352と電気的に接続されている。
押圧部材は、基板351および弾性通電部材33の間に配置される通電部材352と、凹部の開口側(図9(b)では下側)に向けて押し込み可能であり、基板351の貫通孔351aに対して係合する係合部材353と、てこの原理を利用して係合部材353を凹部の開口側に押し込む板状の押込み部材354とを備えている。
通電部材352は、電気刺激装置用電極31の取付面Pに直交する断面で、弾性通電部材33の幅よりも小さい幅を有し、凹部の開口側に凸となる蒲鉾状の形状をしている。そして、通電部材352は、係合部材353を凹部の開口側に向けて押し込んでいない状態(図9(b)に示す状態)において、下面が弾性通電部材33に接触しており、上面が係合部材353に接触している。
なお、通電部材352の形状は、弾性通電部材33を凹部の開口側に向けて押圧することができれば、任意の形状にすることができる。
なお、通電部材352の形状は、弾性通電部材33を凹部の開口側に向けて押圧することができれば、任意の形状にすることができる。
係合部材353は、基板351に対する係合部材353の変位を制限する形状を有して基板351と係合している。具体的には、係合部材353の形状は、例えば、図示のように、係合部材353の長手方向に1つ以上(図示例では3つ)形成される返し353aを設けた形状とすることができ、返し353aにより係合部材353の非取付面N側への移動を制限することができる。なお、返し353aは、最大半径が貫通孔351aよりも少し大きく、凹部の開口側に向かって縮径するテーパー面を有している。そして、このような返し353aを有する係合部材353は、凹部の開口側に向けて返し353aが変形する大きさの力を加えることにより、凹部内へと圧入することができる。そして、凹部内へと圧入された返し353aは、凹部の開口側とは反対側に向かって返し353aが変形する大きさの力が加わるまでは、基板351と係合して係合部材353の位置を保持する。
押し込み部材354は、基板351に対して揺動可能なように一端が基板351に取り付けられており、中央部が係合部材353に当接している。そして、押し込み部材354によれば、他端側を基板351側に向けて押すことにより、てこの原理を利用して係合部材353をより容易に凹部内へと圧入することができる。
そして、図9に示す電気刺激装置用電極31では、図9(c)に示すように、押圧部材を介して弾性通電部材33を凹部の開口側に向けて押圧することにより、当該弾性通電部材33を、生体の表面に接触しない絶縁位置(図9(b)に示す位置)と、弾性通電部材33の少なくとも一部が凹部の開口まで到達する通電位置との間で移動させることができる。また、押圧部材の係合部材353の返し353aにより、弾性通電部材33を押圧した状態を維持することができる。
具体的には、図9に示す電気刺激装置用電極31では、生体の表面に電極を取り付けた状態において、押し込み部材354を介して係合部材353を圧入し、通電部材352を押し下げると共に弾性通電部材33を変形させて弾性通電部材33を凹部の開口位置まで到達させることにより、弾性通電部材33と生体の表面とを接触させることができる。そして、押圧部材の係合部材353の返し353aにより、弾性通電部材33を押圧した状態を維持しつつ、導線32aおよび通電部材352を介して弾性通電部材33に電気刺激用の電流を通電することができる。また、係合部材353を圧入する長さを変更することにより、弾性通電部材33と生体の表面とが接触する面積を変更して、生体の表面に対して与えられる電気刺激用の電流を通電する面積を変更することができる。
具体的には、図9に示す電気刺激装置用電極31では、生体の表面に電極を取り付けた状態において、押し込み部材354を介して係合部材353を圧入し、通電部材352を押し下げると共に弾性通電部材33を変形させて弾性通電部材33を凹部の開口位置まで到達させることにより、弾性通電部材33と生体の表面とを接触させることができる。そして、押圧部材の係合部材353の返し353aにより、弾性通電部材33を押圧した状態を維持しつつ、導線32aおよび通電部材352を介して弾性通電部材33に電気刺激用の電流を通電することができる。また、係合部材353を圧入する長さを変更することにより、弾性通電部材33と生体の表面とが接触する面積を変更して、生体の表面に対して与えられる電気刺激用の電流を通電する面積を変更することができる。
即ち、図9に示す電気刺激装置用電極31によれば、凹部を有するカバー部36と、弾性通電部材33と、導線32aと、押圧部材とを通電面積変更機構として機能させることにより、電極を取り付けた生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更することができる。
そして、上述したような、凹部を有するカバー部36と、弾性通電部材33と、導線32aと、押圧部材とを通電面積変更機構として機能させる電気刺激装置用電極31では、より細やかな面積調整をすることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の電気刺激装置用電極および電気刺激装置は、上記の例に限定されることは無く、適宜変更を加えることができる。
本発明の電気刺激装置用電極によれば、電気刺激装置用電極の取り付け直しを繰り返すことなく電気刺激を与える位置を変更することが可能とする電気刺激装置用電極を提供することができる。また、本発明の電気刺激装置によれば、電気刺激装置用電極の取り付け位置を正確に位置決めすることなく、且つ、電極の取り付け直しを繰り返すことなく所望の位置へ電気刺激を与えることが可能な電気刺激装置を提供することができる。
1 電気刺激装置
2、2A、2B ペア電極
3 操作部
3a 入力部
3b 表示部
4 電極
4A、4B 電気刺激装置用電極
5 配線
11 電気刺激装置用電極
111 本体部
112 配線
112a 導線
113 取付側部分
114 ケース部分
113a、113c、113d、113e 導電部
113b 絶縁部
13a 第1導電部材
13b 第2導電部材
13c 内側第1導電部材
13d 外側第1導電部材
13e 接触部分
13f 取っ手部
13g 孔
13h 広幅部分
13i 狭幅部分
14 移動式通電部材
15a 絶縁性部材
15b 導電性部材
15c 補助絶縁性部材
15d 剛性部材
21 電気刺激装置用電極の第二の実施形態
22 カバー部
22a 基板
22b 円環状の取り付け部
23 通電部材
24 注入管
25 仕切り板
25a 流体通過孔
25b 内側仕切り板
25c 外側仕切り板
26 配線
26a 導線
27 容器
31 電気刺激装置用電極の第三の実施形態
32 配線
32a 導線
33 弾性通電部材
34 円環状の取り付け部
351 基板
351a 貫通孔
352 通電部材
353 係合部材
353a 返し
354 押込み部材
36 カバー部
41A、41B ペア電極
42、42A1、42B1 電極
42A、42B 電気刺激装置用電極
Ad 所望の位置
Ai 交差する領域
P 取付面
Pa、Pb 平面
N 非取付面
2、2A、2B ペア電極
3 操作部
3a 入力部
3b 表示部
4 電極
4A、4B 電気刺激装置用電極
5 配線
11 電気刺激装置用電極
111 本体部
112 配線
112a 導線
113 取付側部分
114 ケース部分
113a、113c、113d、113e 導電部
113b 絶縁部
13a 第1導電部材
13b 第2導電部材
13c 内側第1導電部材
13d 外側第1導電部材
13e 接触部分
13f 取っ手部
13g 孔
13h 広幅部分
13i 狭幅部分
14 移動式通電部材
15a 絶縁性部材
15b 導電性部材
15c 補助絶縁性部材
15d 剛性部材
21 電気刺激装置用電極の第二の実施形態
22 カバー部
22a 基板
22b 円環状の取り付け部
23 通電部材
24 注入管
25 仕切り板
25a 流体通過孔
25b 内側仕切り板
25c 外側仕切り板
26 配線
26a 導線
27 容器
31 電気刺激装置用電極の第三の実施形態
32 配線
32a 導線
33 弾性通電部材
34 円環状の取り付け部
351 基板
351a 貫通孔
352 通電部材
353 係合部材
353a 返し
354 押込み部材
36 カバー部
41A、41B ペア電極
42、42A1、42B1 電極
42A、42B 電気刺激装置用電極
Ad 所望の位置
Ai 交差する領域
P 取付面
Pa、Pb 平面
N 非取付面
Claims (8)
- 生体に対して電気刺激を与えるための電気刺激装置用電極であって、前記生体の表面に対して電気刺激用の電流を通電する面積を変更可能な通電面積変更機構を備えることを特徴とする、電気刺激装置用電極。
- 前記通電面積変更機構が、
互いに離隔して配置され、前記生体の表面に取り付けられる複数の導電部と、
前記導電部間に位置する絶縁部と、
前記電気刺激用の電流を通電する導電部の数および範囲を変更する通電範囲変更部と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激装置用電極。 - 前記通電範囲変更部が、前記導電部ごとに個別に設けられた導線であることを特徴とする、請求項2に記載の電気刺激装置用電極。
- 前記導電部は、導線が接続された導線付き導電部と、導線が接続されていない導線無し導電部とを有し、
前記通電範囲変更部が、
前記導線付き導電部に接続された前記導線と、
1つ以上の前記導線無し導電部に接続された第1導電部材と、
前記導線付き導電部に接続され、且つ、前記第1導電部材と接触/離隔可能に形成された第2導電部材と、
を備えることを特徴とする、請求項2に記載の電気刺激装置用電極。 - 前記通電範囲変更部は、導線が接続された移動式通電部材を備え、
前記移動式通電部材が、
少なくとも一つの前記導電部に接触して、前記移動式通電部材が接触した当該導電部と前記導線とを通電可能状態にする第一通電位置と、前記第一通電位置よりも接触する導電部の数が多く、前記移動式通電部材が接触した当該導電部と前記導線とを通電可能状態にする第二通電位置との間を移動可能であることを特徴とする、請求項2に記載の電気刺激装置用電極。 - 前記通電面積変更機構が、
凹部と、当該凹部の周囲に位置して前記生体の表面へ取り付けられる取り付け面とを有するカバー部と、
導線に連結されるとともに、前記凹部内に配置される通電部材と、
導電性流体を前記凹部内に注入する注入管と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激装置用電極。 - 前記通電面積変更機構が、
凹部と、当該凹部の周囲に位置して前記生体の表面へ取り付けられる取り付け面とを有するカバー部と、
導電性および弾性を有し、前記凹部内に配置される弾性通電部材と、
前記弾性通電部材と電気的に接続された導線と、
前記弾性通電部材を前記凹部の開口側に向かって押圧する押圧部材と、
を備え、
前記弾性通電部材は、前記押圧部材を介した押圧力を受けていない状態において、少なくとも一部が、前記凹部の開口位置よりも凹部底側に位置することを特徴とする、請求項1に記載の電気刺激装置用電極。 - 生体に対して電気刺激を与える電気刺激装置であって、
電気刺激用の電流を発振する発振部と、
前記発振部が発振した前記電流を前記生体に伝えることが可能な、少なくとも2組のペア電極と、
を備え、
各ペア電極を構成する全ての電極のうち少なくとも1つの電極が、請求項1〜7の何れかに記載の電気刺激装置用電極である、電気刺激装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013181607A JP2015047364A (ja) | 2013-09-02 | 2013-09-02 | 電気刺激装置用電極および電気刺激装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013181607A JP2015047364A (ja) | 2013-09-02 | 2013-09-02 | 電気刺激装置用電極および電気刺激装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015047364A true JP2015047364A (ja) | 2015-03-16 |
Family
ID=52697875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013181607A Pending JP2015047364A (ja) | 2013-09-02 | 2013-09-02 | 電気刺激装置用電極および電気刺激装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015047364A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109806494A (zh) * | 2019-03-02 | 2019-05-28 | 白格(上海)贸易有限公司 | 一种微电流美容电极及装置 |
JP2021524772A (ja) * | 2018-06-01 | 2021-09-16 | ゼネア テクノロジーズ インコーポレイテツドZennea Technologies Inc. | 睡眠関連脳障害を治療するための方法および装置 |
-
2013
- 2013-09-02 JP JP2013181607A patent/JP2015047364A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021524772A (ja) * | 2018-06-01 | 2021-09-16 | ゼネア テクノロジーズ インコーポレイテツドZennea Technologies Inc. | 睡眠関連脳障害を治療するための方法および装置 |
CN109806494A (zh) * | 2019-03-02 | 2019-05-28 | 白格(上海)贸易有限公司 | 一种微电流美容电极及装置 |
CN109806494B (zh) * | 2019-03-02 | 2023-11-28 | 白格(上海)贸易有限公司 | 一种微电流美容电极及装置 |
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