JP2015046827A - アンテナ結合度推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のアンテナの一つに0次メタマテリアルアンテナを用いている場合に、簡便に、その0次メタマテリアルアンテナと他のアンテナとの結合度を推定することができるアンテナ結合度推定方法を提供する。【解決手段】0次メタマテリアルアンテナ10および他アンテナ20、30がグランドに接続され、他アンテナ20、30と整合回路50、60とが接続されている一方、0次メタマテリアルアンテナ10と整合回路40とは接続されていない状態で、0次メタマテリアルアンテナ10をネットワークアナライザ100に接続してレジスタンスを測定するレジスタンス測定工程と、整合回路50、60を調整する調整工程とを備える。調整工程の後にレジスタンス測定工程を行い、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値が高周波側に変化した場合には結合度が低下したと推定し、低周波側に変化した場合には結合度が高くなったと推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のアンテナ間の結合度を推定するアンテナ結合度推定方法に関する。
一つの無線機に複数のアンテナが備えられていることがある。たとえば、特許文献1には2つのアンテナを備えた無線機が開示されている。アンテナが複数備えられていても、個々のアンテナは、1つのみアンテナが備えられている場合と同じ性能を発揮することが望まれる。
そこで、通常、個々のアンテナを個別に設計を行い、その後、個別に設計した複数のアンテナを組み合わせて基板を製作する。複数のアンテナは個別には設計しているものの、それらを組み合わせると、アンテナ同士の結合が生じ、個別に設計したときと同じ方向に同じ性能が出ていないこともある。そればかりか、意図しない方向に電波を輻射してしまうこともある。そのため、複数のアンテナを組み合わせて基板を製作した後、各アンテナの性能を、個別に設計したときにできるだけ近づけるために、アンテナ整合回路などのパラメータの最適化が必要になる。
特許文献1では、電波暗箱に無線機を配置して、結合度を変化させるためのバリキャップダイオード3の調整と、ネットワークアナライザによる結合度の測定とを繰り返すことで、アンテナを組み合わせた後の調整を行なっている。
アンテナには種々の種類が知られており、0次メタマテリアルアンテナも公知である(特許文献2)。メタマテリアルは、材料固有の特性だけでは実現困難である特異な電波伝搬を、電波の波長λより十分に小さい周期的な構造を作り込むことで実現した材料である。その応用技術として、金属箔製のアンテナエレメントとアンテナグランドを絶縁性の基材を介して配置し、それらの間をビアでつないだ構造を基本構造とすると、共振モードが0次のアンテナ、すなわち、0次メタマテリアルアンテナとなることが知られている。
特許第3628562号公報 特表2010−502131号公報
アンテナの結合度を測定する方法として、アンテナの軸比を測定する方法がある。軸比は、垂直偏波利得と水平偏波利得の比であることから、軸比を測定するには、垂直偏波利得と水平偏波利得を測定しなければならない。よって、軸比を参照してアンテナ整合回路などのパラメータを最適化する場合、パラメータを調整するごとに、利得を測定する必要がある。
特許文献1では、電波暗箱に無線機を配置して結合度を測定しているが、結合度を変化させるパラメータを調整し、パラメータを調整するごとに無線機を電波暗箱内に配置して利得を測定するのは面倒である。
複数のアンテナの一つに0次メタマテリアルアンテナを用いた場合も、特別な結合度推定方法は知られておらず、他のアンテナと同様、結合度を変化させるパラメータを調整するごとに無線機を電波暗箱内に配置して利得を測定する必要があり、面倒であった。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、複数のアンテナの一つに0次メタマテリアルアンテナを用いている場合に、簡便に、その0次メタマテリアルアンテナと他のアンテナとの結合度を推定することができるアンテナ結合度推定方法を提供することにある。
その目的を達成するための請求項1記載の発明は、0次メタマテリアルアンテナを含む複数のアンテナと、それら複数のアンテナにそれぞれ接続されている複数の整合回路とを備えているアンテナ装置における、0次メタマテリアルアンテナと、複数のアンテナのうちの0次メタマテリアルアンテナ以外のアンテナである他アンテナとの結合度を推定するアンテナ結合度推定方法であって、0次メタマテリアルアンテナおよび他アンテナがグランドに接続され、他アンテナとそれに対応する整合回路とが接続されている一方、0次メタマテリアルアンテナとそれに対応する整合回路とは接続されていない状態で、0次メタマテリアルアンテナをインピーダンス測定装置に接続してレジスタンスを測定するレジスタンス測定工程と、他アンテナの整合回路を調整する調整工程とを備え、レジスタンス測定工程を行ってレジスタンスを測定した後、調整工程を行い、その後、再びレジスタンス測定工程を行なってレジスタンスを測定し、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化した場合には結合度が低下したと推定し、反対に、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化した場合には、結合度が高くなったと推定することを特徴とする。
本発明では、調整工程において、他アンテナの整合回路を調整する。これにより、0次メタマテリアルアンテナと他アンテナとの結合度は変化する。整合回路の調整を行った後、従来では、電波暗箱や電波暗室内にて結合度の測定を行う。しかし、本発明では、調整工程の後、レジスタンス測定工程において、整合回路と切り離した0次メタマテリアルアンテナをインピーダンス測定装置に接続してレジスタンスを測定する。
レジスタンスを測定する理由は、本発明者は、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値の変化が、0次メタマテリアルアンテナと他アンテナとの結合度の変化と相関するという知見を得たからである。上記知見は、詳しくは、上記レジスタンス測定工程のように、整合回路と切り離して0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス測定を行うと、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化した場合には結合度が低下する。反対に、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化した場合には結合度が高くなっているという知見である。
そこで、本発明では、調整工程の後にレジスタンス測定工程を行って0次メタマテリアルアンテナ単体のレジスタンスを測定する。そして、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化していれば結合度が低下したと推定し、低周波側に変化していれば結合度が高くなったと推定する。このレジスタンスの測定は電波暗室で行う必要はない。そのため、電波暗室で結合度を測定するよりも簡便に0次メタマテリアルアンテナの結合度を推定することができる。
そして、整合回路の調整と、その後の0次メタマテリアルアンテナ単体のレジスタンス測定を繰り返し、0次メタマテリアルアンテのレジスタンス極大値が高周波側に変化するように整合回路を調整する。これにより、整合回路の調整の都度、面倒な結合度の測定をしなくても結合度を低くすることができる。よって、簡便に、0次メタマテリアルアンテナと他アンテナとの結合度を低くすることができる。
請求項2記載の発明では、レジスタンス測定工程を行ってレジスタンスを測定した後、調整工程を行い、その後、再びレジスタンス測定工程を行なってレジスタンスを測定し、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化したことに加え、他アンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化した場合には結合度が低下したと推定し、反対に、その0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化したことに加え、他アンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化した場合には、結合度が高くなったと推定する。
本発明者は、前述した知見に加え、他アンテナのレジスタンス極大値の変化も、0次メタマテリアルアンテナと他アンテナの結合度の変化と相関するという知見も得た。詳しくは、整合回路と切り離して0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス測定を行うと、他アンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化した場合には結合度が高くなっており、反対に、他アンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化した場合には結合度が低くなっているという知見を得た。
そこで、上記請求項2のように、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値の変化に加えて、他アンテナのレジスタンス極大値の変化も用いて0次メタマテリアルアンテナと他アンテナの結合度を推定すれば、より精度よくそれらのアンテナの結合度を推定することができる。
本発明者は、前述したように、0次メタマテリアルアンテナおよび他アンテナのレジスタンスがそれらの結合度に対応して変化するとの知見を得た。さらに、それら0次メタマテリアルアンテナおよび他アンテナのレジスタンスを比較することで、0次メタマテリアルと他アンテナの結合度を判定できるという知見も得た。
詳しくは、他アンテナのレジスタンス極大値よりも0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が高い場合には、その反対である場合より、それらのアンテナの結合度は低いとの知見を得た。そこで、次の請求項3に記載のようにして結合度を推定することもできる。
その請求項3記載の発明は、0次メタマテリアルアンテナを含む複数のアンテナと、それら複数のアンテナにそれぞれ接続されている複数の整合回路とを備えているアンテナ装置における、0次メタマテリアルアンテナと、複数のアンテナのうちの0次メタマテリアルアンテナ以外のアンテナである他アンテナとの結合度を推定するアンテナ結合度推定方法であって、0次メタマテリアルアンテナおよび他アンテナがグランドに接続され、他アンテナとそれに対応する整合回路とが接続されている一方、0次メタマテリアルアンテナとそれに対応する整合回路とは接続されていない状態で、0次メタマテリアルアンテナをインピーダンス測定装置に接続してレジスタンスを測定するレジスタンス測定工程を備え、レジスタンス測定工程を行って0次メタマテリアルアンテナのレジスタンスおよび他アンテナのレジスタンスを測定し、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値の周波数が他アンテナのレジスタンス極大値の周波数より高い場合、0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値の周波数が他アンテナのレジスタンス極大値の周波数より低い場合よりも、結合度が低いと推定することを特徴とする。
発明によって結合度を推定するアンテナ装置1の要部を示すブロック図 0次メタマテリアルアンテナ10の構成の概略図 他アンテナ20、30の配置を示す図 レジスタンス測定工程で測定したレジスタンス(上段)、従来手法により電波暗室にて測定した垂直利得(下段)、軸比(中段)の周波数特性を示す図
(アンテナ装置1の構成)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明によって結合度を推定するアンテナ装置1において、本発明に関わる要素を示すブロック図である。アンテナ装置1は、0次メタマテリアルアンテナ10、2つの他アンテナ20、30、それらのアンテナ10、20、30に対応してそれぞれ設けられている整合回路40、50、60、アンテナスイッチ70、リーダ・ライタIC(RW−IC)72を備える。
0次メタマテリアルアンテナ10の構成は図2を用いて後述する。他アンテナ20、30、本実施形態ではチップアンテナである。
整合回路40、50、60は、アンテナのインピーダンスを調整するための公知の整合回路であり、コンデンサおよびコイルを備えている。
アンテナスイッチ70は、RW−IC72から入力される切り替え信号に基づいて、アンテナ10、20、30からいずれか一つのアンテナを選択する。
RW−IC72は、上記切り替え信号をアンテナスイッチ70に出力する。また、通信部を備えており、アンテナ10、20、30を介して、図示しないリーダとの通信を行う。
図2に0次メタマテリアルアンテナ10の構成の概要を示す。図2(A)に示すように、0次メタマテリアルアンテナ10は、絶縁性のアンテナ基板11の一方の面に、銅箔などの導体箔製のアンテナエレメント12が配置されている。そして、図2(B)に示すように、アンテナ基板11の他方の面に、同じく導体箔製のアンテナグランド13が配置されている。そして、アンテナ基板11を貫通するアンテナビア14(図2(A)参照)により、アンテナエレメント12とアンテナグランド13とは導通している。本実施形態では、アンテナビア14は2本設けられている。
アンテナ基板11の厚さはアンテナ装置1が放射する電波の波長よりも十分に短い厚さとなっている。たとえば、アンテナ装置1は2.4GHzの電波すなわち125mmの波長の電波を放射するのに対して、アンテナ基板11の厚さは約1.6mmである。
なお、図示していないが、アンテナ基板11の表面(アンテナエレメント12が配置されている面)には、一端がアンテナエレメント12に接続する給電ラインも設けられている。
アンテナエレメント12とアンテナグランド13とによりコンデンサを構成し、それらをつなぐアンテナビア14がインダクタとなるので、メタマテリアルの特性が現れる。これにより、0次メタマテリアルアンテナ10は、共振モードが0次のアンテナとして機能し、アンテナ基板11の厚み方向(z軸方向)に偏波を持つ。
図3は他アンテナ20、30の配置を示す図である。図3(A)に示すように、他アンテナ20、30は、回路基板80の一方の面の隅部に配置されている。また、一方の他アンテナ20と他方の他アンテナ30は、回路基板80の同一面において、互いに直交するように配置されている。これにより、他アンテナ20、30は、互いに直交する偏波に対してそれぞれ高い利得が得られる。
他アンテナ20、30は、回路基板80を貫通する図示しないビアにより、回路基板80の反対側の面に配置された回路グランド82と接続している。
図2に示したアンテナ基板11と図3に示した回路基板80とは互いに積層されている。なお、アンテナ装置1は、基板11、80の他に、他の基板層を備えていてもよい。図1に示した整合回路40、50、60、アンテナスイッチ70、RW−IC72は、たとえば、回路基板80の他アンテナ20、30が配置されている面に配置される。
また、アンテナ基板11と回路基板80が積層された状態では、アンテナグランド13と回路グランド82とは、図示しないビアにより互いに導通している。よって、0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30は、グランドが共通となっている。
このように構成されたアンテナ装置1は、0次メタマテリアルアンテナ10がアンテナ基板11の厚み方向に偏波を持つことから、薄型としつつも、X軸、Y軸、Z軸の相互に直交する3軸に対して偏波を持つことができる。
(0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30の結合度の調整)
各アンテナ10、20、30に接続されている整合回路40、50、60は、それらに対応するアンテナ10、20、30に対して個別に調整してある。その後、各アンテナ10、20、30や整合回路40、50、60をアンテナ装置1に組み込む。
個々には調整済みであっても、3つのアンテナ10、20、30をアンテナ装置1に組み込むと、グランドが共通になっているためにアンテナ間の結合が生じ、その結果、意図した方向に意図した性能を出すことができない可能性がある。そればかりか、意図しない方向に電波を輻射するおそれもある。そこで、アンテナ10、20、30や整合回路40、50、60をアンテナ装置1に組み込んだ後、アンテナ間の結合を最小化するための調整を行う。
0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30との結合を最小化するための調整においては、0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30との結合を推定するために、次に説明するレジスタンス測定工程と、調整工程とを必要回数行う。その後、0次メタマテリアルアンテナ10の利得と軸比を測定する。
(レジスタンス測定工程)
本実施形態では、0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30の結合度を推定するために、図1に×印を示したように、0次メタマテリアルアンテナ10を整合回路40から切り離す。なお、このとき、整合回路40、50、60や、他アンテナ20、30は、回路基板80などに取り付けられたままである。また、0次メタマテリアルアンテナ10も、整合回路40から切り離されている以外は上述した構成と同じである。
そして、0次メタマテリアルアンテナ10と接続している整合回路40の直列素子を取り外し、その直列素子を取り外したことにより空いたランドに同軸ケーブルの芯線を接続する。また、この同軸ケーブルの網線は回路基板80のグランドに接続する。この同軸ケーブルの他端を、ネットワークアナライザ100(請求項のインピーダンス測定装置)の同軸ケーブルと接続する。そして、ネットワークアナライザ100により0次メタマテリアルアンテナ10単体のレジスタンスを測定する。
(レジスタンスと結合度の相関)
図4(A)〜(E)は、このレジスタンス測定工程で測定したレジスタンス(上段)と、そのときのパラメータにおいて従来手法により電波暗室にて測定した0次メタマテリアルアンテナ10の垂直利得(下段)、その垂直利得と垂直利得と同様の手法で測定した水平利得から算出した軸比(中段)の周波数特性を示す図である。
図4(A)〜(E)において、中段のグラフと下段のグラフを通る線は、利得(下段)のピークを通る線である。0次メタマテリアルアンテナ10はZ軸方向の偏波を持つことから、各グラフ(A)〜(E)において、この線の位置において、下段に示す垂直偏波利得が高く、かつ、中段に示す軸比が大きいことが、結合度が低いことを意味する。
図4(A)〜(E)の垂直偏波利得および軸比を各線の位置で比較すると、垂直偏波利得および軸比は図右側ほど高く(大きく)なっている。つまり、図右側ほど結合度が低くなっていると言える。
図4上段の説明に移る。図4上段のレジスタンスには、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値R1と、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3が表示されている。ただし、図4(C)だけは、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンスの成分に埋もれてしまい、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3が観測できないため、極大値R2、R3は示していない。
なお、図4上段のグラフにおいて、複数のピークのうち最大となっているピークを0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値R1と判断する。一方、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3については、整合回路50、60のパラメータを調整することに対応して周波数が移動したピークを、そのレジスタンス極大値R2、R3と判断する。
図4の上段の推移を見ると、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値R1は、右側へ行くほど、つまり、結合度が低くなるほど、高周波側に推移していることが分かる。具体的には、図4(A)における極大値R1は2.323GHz、図4(B)における極大値R1は2.352GHz、図4(C)における極大値R1は2.377GHz、図4(D)における極大値R1は2.406GHz、図4(E)における極大値R1は2.412GHzとなっている。
これとは逆に、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3は、右側へ行くほど、つまり、結合度が低くなるほど、低周波側に推移していることが分かる。
さらに、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値R1と、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3との相対関係を見ると、結合度が低い場合には、レジスタンス極大値R1がレジスタンス極大値R2、R3よりも高周波側に存在している(図4(D)、(E))。反対に、結合度が高い場合には、図4(A)、(B)に示されているように、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値R1が、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3よりも低周波側に存在している。
つまり、レジスタンス極大値R1がレジスタンス極大値R2、R3よりも高周波側に存在している場合には、レジスタンス極大値R1がレジスタンス極大値R2、R3よりも低周波側に存在している場合よりも、結合度が低いと推定することができる。
(調整工程)
調整工程では、他アンテナ20、30の整合回路50、60のパラメータを調整する。これにより、0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30の結合度は変化することになる。
上述したレジスタンス測定工程を行い、レジスタンス極大値R1、R2、R3を測定した結果、0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30との結合度がまだ高いことを示す結果となっていれば調整工程を行う。
たとえば、図4(A)、(B)に示されているように、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値R1が、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3よりも低周波側に存在している場合には、調整工程を行う。
また、レジスタンス極大値R2、R3が観測できない場合、それまでの推移により、レジスタンス極大値R1がレジスタンス極大値R2、R3よりも高周波側に存在していると判断できれば調整工程は行わない。しかし、初回の測定時など、レジスタンス極大値R2、R3が0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス波形に埋もれているのか否かの判断ができないときは調整工程を行う。
調整工程を行った後は、再度、レジスタンス測定工程を行い、レジスタンス極大値R1、R2、R3を測定する。その再度の測定により、レジスタンス極大値R1がレジスタンス極大値R2、R3よりも高周波側に存在し、かつ、それらの周波数差が実験的に決定した所定の周波数差よりも大きくなったら、レジスタンス極大値R1、R2、R3による結合度の推定は終了する。なお、初回のレジスタンス測定工程において、レジスタンス極大値R1、R2、R3の周波数の関係が、レジスタンス極大値による結合度の推定を終了できる状態であると判断できれば、その後、調整工程を行うことなく結合度の推定を終了してもよい。
そして、最終的には、従来手法により、電波暗室にて利得を測定して結合度を確認する。最終的には電波暗室にて利得を測定する必要があるものの、本実施形態では、レジスタンス極大値R1、R2、R3から結合度が推定できる。
すなわち、調整工程の後にレジスタンス測定工程を行い、レジスタンス極大値R1が高周波側に変化していれば結合度が低下したと推定でき、低周波側に変化していれば結合度が高くなったと推定できる。
また、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3が高周波側に変化した場合には結合度が高くなったと推定でき、反対に、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3が低周波側に変化した場合には結合度が低くなったと推定できる。
よって、電波暗室で利得を測定しなくても、これらレジスタンス極大値R1、R2、R3の推移から結合度を推定しつつ、整合回路50、60を調整することで、0次メタマテリアルアンテナ10と他アンテナ20、30の結合度を低くしていくことができる。
さらに、十分に結合度が低くなった状態では、0次メタマテリアルアンテナ10のレジスタンス極大値R1は、他アンテナ20、30のレジスタンス極大値R2、R3よりも高周波側に存在する。そこで、レジスタンス極大値R1がレジスタンス極大値R2、R3よりも高周波側に存在し、かつ、それら極大値R1と極大値R2、R3との周波数差が所定周波数差よりも大きくなるまで、レジスタンス極大値R1、R2、R3に基づく結合度の推定を行う。これにより、レジスタンス極大値R1、R2、R3に基づく結合度の推定で、十分に低い結合度とすることができる。このレジスタンス極大値R1、R2、R3の測定は、電波暗室で行う必要はない。そのため、結合度を測定するよりも簡便に0次メタマテリアルアンテナの結合度を推定することができる。また、最終的には、電波暗室にて利得を測定する必要があるが、電波暗室にて利得を測定する回数を従来に比べて大きく減らすことができる。
さらに、レジスタンスの測定は、ネットワークアナライザ100を用いているため、レジスタンスの測定時に、併せて他アンテナ20、30のインピーダンスも測定することができる。この点でも、アンテナ装置全体としてのパラメータの調整を簡便にすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
たとえば、前述の実施形態では、他アンテナ20、30を2つ備えていたが、他アンテナ20、30の数は一つでもよい。また、3つ以上でもよい。
また、前述の実施形態では、他アンテナ20、30は、チップアンテナであったが、他アンテナのアンテナ種類はチップアンテナに限定されるものではない。
1 アンテナ装置、 10 0次メタマテリアルアンテナ、 11 アンテナ基板、 12 アンテナエレメント、 13 アンテナグランド、 14 アンテナビア、 20 他アンテナ、 30 他アンテナ、 40 整合回路、 50 整合回路、 60 整合回路、 70 アンテナスイッチ、 72 リーダ・ライタIC、 80 回路基板、 82 回路グランド、 100 ネットワークアナライザ(インピーダンス測定装置)

Claims (3)

  1. 0次メタマテリアルアンテナを含む複数のアンテナと、それら複数のアンテナにそれぞれ接続されている複数の整合回路とを備えているアンテナ装置における、前記0次メタマテリアルアンテナと、前記複数のアンテナのうちの前記0次メタマテリアルアンテナ以外のアンテナである他アンテナとの結合度を推定するアンテナ結合度推定方法であって、
    前記0次メタマテリアルアンテナおよび前記他アンテナがグランドに接続され、前記他アンテナとそれに対応する前記整合回路とが接続されている一方、前記0次メタマテリアルアンテナとそれに対応する前記整合回路とは接続されていない状態で、前記0次メタマテリアルアンテナをインピーダンス測定装置に接続してレジスタンスを測定するレジスタンス測定工程と、
    前記他アンテナの整合回路を調整する調整工程とを備え、
    前記レジスタンス測定工程を行ってレジスタンスを測定した後、前記調整工程を行い、その後、再び前記レジスタンス測定工程を行なってレジスタンスを測定し、前記0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化した場合には前記結合度が低下したと推定し、反対に、前記0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化した場合には、前記結合度が高くなったと推定することを特徴とするアンテナ結合度推定方法。
  2. 請求項1において、
    前記レジスタンス測定工程を行ってレジスタンスを測定した後、前記調整工程を行い、その後、再び前記レジスタンス測定工程を行なってレジスタンスを測定し、前記0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化したことに加え、前記他アンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化した場合には前記結合度が低下したと推定し、反対に、その0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値が低周波側に変化したことに加え、前記他アンテナのレジスタンス極大値が高周波側に変化した場合には、前記結合度が高くなったと推定することを特徴とするアンテナ結合度推定方法。
  3. 0次メタマテリアルアンテナを含む複数のアンテナと、それら複数のアンテナにそれぞれ接続されている複数の整合回路とを備えているアンテナ装置における、前記0次メタマテリアルアンテナと、前記複数のアンテナのうちの前記0次メタマテリアルアンテナ以外のアンテナである他アンテナとの結合度を推定するアンテナ結合度推定方法であって、
    前記0次メタマテリアルアンテナおよび前記他アンテナがグランドに接続され、前記他アンテナとその他アンテナに対応する前記整合回路とが接続されている一方、前記0次メタマテリアルアンテナとそれに対応する前記整合回路とは接続されていない状態で、前記0次メタマテリアルアンテナをインピーダンス測定装置に接続してレジスタンスを測定するレジスタンス測定工程を備え、
    前記レジスタンス測定工程を行って前記0次メタマテリアルアンテナのレジスタンスおよび前記他アンテナのレジスタンスを測定し、前記0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値の周波数が前記他アンテナのレジスタンス極大値の周波数より高い場合、前記0次メタマテリアルアンテナのレジスタンス極大値の周波数が前記他アンテナのレジスタンス極大値の周波数より低い場合よりも、前記結合度が低いと推定することを特徴とするアンテナ結合度推定方法。
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