JP2015045630A - 穀粉生地の物性評価装置及び物性評価方法 - Google Patents

穀粉生地の物性評価装置及び物性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】穀粉生地の物性評価を精度よく行うことが可能で再現性の良いデータを得ることができる穀粉生地の物性評価装置及び物性評価方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の穀粉生地の物性評価装置は、1〜100gの前記穀粉生地からなるリング形状の試験片の内周部分を引掛け保持するために、互いに対向するように配置された2つの治具と、一方の治具を他方の治具に対して一方向に所定の速度で離間させる移動手段と、2つの治具の間にかかる引張力及び2つの治具間の離間距離を測定する測定手段と、を備え、治具の形状は、円筒体であり、測定手段による測定結果に基づいて穀粉生地の物性を評価する装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、穀粉生地の物性評価装置及び物性評価方法に関する。特に、穀粉生地の伸展性を評価するための物性評価装置及び物性評価方法に関する。
パン生地の主原料となる小麦粉が製パン用として適しているか否かを検討する際、その対象となる小麦粉から作られたパン生地の物性、例えば、伸展性や強度を評価する必要がある。
例えば、特許文献1に示されるような装置、小麦粉や各種の原料に水を加え混練したドウ(パン生地)をボウルに入れ、ドウを2本の混練ピンにより混練する際、ボウルにかかる力を測定、解析を行うことにより、パン生地になる小麦粉の二次加工特性を判定する装置が用いられている。
また、特許文献2に示されるように、試験片であるパン生地を把持して引張試験を行う装置が用いられている。
特開2001−153863号公報 特開2003−344248号公報
しかし、特許文献1および2に示される装置は容易にパン生地の物性測定ができるものの、よりデータの再現性が良く、より測定精度の高い装置が求められている。
特許文献2に示す方法は、生地を把持する治具に固定する際、人手でおこなうため、把持力が変わってくる。そのため、生地を伸張させたときに、治具付近で切断される場合が多く、生地の弾性を正確に測定することができない。
また、一般的に、製パン原料としての適否を検討する穀粉は、試験的に栽培された新種のものや試験場から譲ってもらうものであるため、わずかな量しか手に入れることができない。そのため、少量の穀粉でも再現性が良く精度の高い小麦の物性評価をすることができる装置が求められている。
そこで、本発明は、従来用いられている測定装置や測定方法よりもより精度が良い測定結果を取得し、穀粉生地の物性評価を行える穀粉の物性評価装置及び物性評価方法を提供することを目的とする。
本発明に係る穀粉生地の物性評価装置は、穀粉生地の物性評価を行う穀粉生地の物性評価装置であって、1〜100gの穀粉生地からなるリング形状の試験片の内周部分を引掛け保持するために、互いに対向するように配置された2つの治具と、一方の治具を他方の治具に対して一方向に所定の速度で離間させる移動手段と、2つの治具の間にかかる引張力及び2つの治具間の離間距離を測定する測定手段と、を備え、治具の形状は、円筒体であり、測定手段による測定結果に基づいて穀粉生地の物性を評価するものである。
所定の速度は、0.05〜1000mm/minであることが好ましい。
円筒体の表面粗さRaは、0.02〜0.5μmであることが好ましい。
円筒体の表面の材質は、アルミ、銅、ステンレス、チタン、ニッケル、クロムおよびテフロン(登録商標)から選択することができる。
試験片の内径は、6〜30mmであり、外径は、14〜70mmであり、厚さは、2〜20mmであり、円筒体の外径は、3〜10mmであることが好ましい。
本発明に係る穀粉生地の物性評価方法は、1〜100gの穀粉生地からリング形状の試験片を作製し、この試験片の内周部分を、互いに対向するように配置された2つの治具のそれぞれの円筒体に引掛け保持させ、一方の治具を他方の治具に対し所定の速さで離間させた時の2つの治具の間にかかる引張力及び2つの治具間の離間距離を測定し、測定結果に基づいて穀粉生地の物性を評価する方法である。
所定の速度は、0.05〜1000mm/minが好ましい。
円筒体の表面粗さRaは、0.02〜0.5μmであることが好ましい。
円筒体の外径は、3〜10mmであることが好ましい。
試験片の内径は、6〜30mmであり、外径は、14〜70mmであり、厚さは、2〜20mmであることが好ましい。
また、上記2つの治具間の最大離間距離に基づいて穀粉生地の物性を評価することが好ましく、2つの治具間の最大離間距離をCとし、2つの治具間の離間距離/引張力の傾きが2つの治具の間に引張力がかかりはじめてから最初に変化する点における引張力をAとする場合、C値及びC/A値に基づいて穀粉生地の物性を評価することがより好ましい。
本発明の穀粉生地の物性評価装置及び物性評価方法によれば、少量の穀粉生地からなる試験片から、再現性が良いデータを得ることができるとともに、穀粉の物性を精度よく評価することができる。
また、少量の穀粉生地からなる試験片しかなくても、穀粉生地の物性を評価する方法としてスタンダードな方法であるアルベオグラフを用いた評価方法と高い相関性のある精度の高い物性評価方法を提供することができる。
この発明の一実施形態に係る穀粉生地の物性評価装置の構成を示すブロック図である。 試験片の形状を説明するための図である。 図1に示す装置の動作を説明するための図である。 図4(A)及び(B)は、図1に示す穀粉生地の物性評価装置を用いた測定結果を示す典型的なチャートであり、図4(C)は、典型的なアルベオグラムである。 図5は伸展性評価試験の結果を示す図であり、(A)は、実施例の結果を示す図であり、(B)は、比較例の結果を示す図である。 図6は、実施例2の測定結果から得られたC値とアルベオグラフを用いた測定結果(参考例2)から得られたL値との相関関係を示す図である。 図7は、実施例2の測定結果から得られたC/A値とアルベオグラフを用いた測定結果(参考例2)から得られたL値との相関関係を示す図である。
以下に、添付の図面に示す好適な実施形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、この発明の一実施形態に係る穀粉生地の物性評価装置を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る穀粉生地の物性評価装置であり、ドーナツ形状の試験片を引掛け保持する一対の治具1a、1bと、一対の治具をそれぞれ支持する支持部材2a、2bと、固定子3と、一方の治具1aを支持部材2aを介して他方の冶具1bに対して昇降移動させる移動子4と、治具1aにかかる引張荷重を計測するとともに試験片の伸びを測定する測定手段5と、支持部材2aを移動子4に取り付ける連結部材6と、移動子4を昇降駆動する駆動手段7と、基台8と、基台8に対し垂直に配置される支柱9を備えている。
固定子3は、基台8上に固定されているものであり、移動子4は、基台8に対し垂直に配置される支柱9に係着され、矢印Aに示すように昇降運動するものである。また、固定子3には、支持部材2bが固定され、移動子4には、支持部材2aが固定されている。なお、支柱9には、装置の安全性のために、昇降運動する移動子4を移動下限位置及び移動上限位置に停止させるためのストッパ(図示せず)をそれぞれ設けておくのが好ましい。
支持部材2aと2bは、支柱9の長手方向に一定の長さを有する柱状物からなり、その長手方向が支柱9に平行になるように固定子3及び移動子4にそれぞれ配置されている。また、支持部材2aには治具1aが固定され、支持部材2bには治具1bが固定されている。そのため、移動子4の直線的な昇降運動により、移動子4に連結部材6を介して固定された支持部材2aが昇降運動し、支持部材2aに取り付けられた冶具1aが固定子3に固定された支持部材2bに固定された冶具1bに対して昇降することにより、治具1aと1bを介して保持された試験片に負荷(引張力)が与えられる。
治具1a及び1bは、その長手方向が基台8に対し平行になるように支持部材2a及び2bにそれぞれ固定されている。また、両治具1a、1bの試験片を保持する部分の長手方向が、支柱9に対して垂直、且つ、1直線上に並ぶように支持部材2a、2bに固定されている。また、両治具1a、1bが所定の間隔を持って配置されるように、治具1aは支持部材2aの下縁部に、治具1bは支持部材2bの上縁部に固定されている。両治具1a及び1bの間隔の長さは、ドーナツ形状の試験片の寸法に基づいて適宜設定することができる。固定子3は、基台8に載置され、支持部材2bに取り付けられている治具1bを所定の高さに固定している。
測定手段5は、治具aが移動する軸上に配置されるよう移動子4に取り付けられ、治具1aや支持部材2aにかかる荷重、すなわち、2つの治具1aと1bの間にかかる引張力を測定するとともに、試験片である生地が切断されるまでの伸び、すなわち、2つの治具1a及び1bの離間距離を測定するものである。測定手段5は、2つの治具1aと1bとの間にかかる引張力、及び両者の離間距離を測定できるものであれば、どのようなものでも良く、例えば、引張力の測定手段としては、ロードセル等の応力測定手段を挙げることができ、離間距離を測定手段としては、例えば、変位センサや駆動手段の駆動源に取り付けられるロータリーエンコーダ等を用いることもできる。
連結部材6は、移動子4を支持部材2a及び測定手段5を取り付けるための部材である。
駆動手段7は、移動子4を昇降移動させるものであり、例えば、ラックアンドピニオン、ボールねじとナット等及びモータ等の駆動源と、又は、エアシリンダ、油圧のような流体圧などのアクチュエータ及びその駆動源等を用いることができる。
支柱9は、基台8に対し垂直に配置されるとともに、移動子4を移動(昇降)可能に支持するためのもので、移動子4が移動するためのガイド溝が形成されている。
なお、本発明の穀粉生地の物性評価装置には、さらに、測定手段5の駆動のオンオフや各種の設定を行うボタン、スイッチ、キーボード等の操作手段や、測定手段5による測定結果を表示するディスプレイ等の表示手段や、非常時に駆動手段7の駆動を停止する非常停止手段等を有していても良い。
治具1aおよび1bは、いずれも同じ寸法の円筒体からなる。円筒体の外径や高さは、試験片を引掛け保持できる大きさや長さであればよいが、その中でも、試験片が、図2に示すようなドーナツ形状の穀粉生地からなり、試験片10の内径L1が、6〜30mmであり、試験片10の外径L2が、14〜70mmであり、試験片10の厚さL3が、2〜20mmであるとき、円筒体の外径が、3〜10mmであり、円筒体の高さが2〜20mmであることが好ましい。
円筒体の外径を3mm未満にすれば、試験片である生地が切れ易くなり、10mm超にすれば、試験片の内径を大きくする必要があるため、試験片の取扱いが面倒になるからである。また、円筒体の高さをこのような数値範囲にすれば、生地を安定に引掛け保持させることができるからである。
治具1a及び治具1bの円筒体の表面粗さRaは、0.02〜0.5μmであることが好ましい。このような数値範囲の表面粗さを有していれば、試験片の一部、すなわち、治具近傍にだけに張力がかかることがないため、より精密な測定値を得ることができる。
治具1aおよび治具1bの円筒体の表面の材質は、アルミ、銅、ステンレス、チタン、ニッケル、クロムおよびテフロン(登録商標)から選択することができるが、その中でも試験片である生地がつきにくいテフロン(登録商標)を用いることが特に好ましい。
穀粉生地の引張試験を行う際、試験片を2つの治具で挟み固定し引き延ばす装置や、生地の両端を治具にそれぞれ巻き付け引き延ばす装置もあるが、このような装置を用いて伸展性を評価した場合、試験時、生地の一部にのみ、例えば、治具周辺部だけに張力が集中してしまうため、その特性を適正に評価することができない。しかし、このような本願の装置を用いれば、生地の一部にのみ応力がかかったりすることがないので生地の伸展性を精度よく評価することができる。また、再現性も良いため、再試験を繰り返す必要もないし、再試験を行うための試料も必要ない。
次に、図1に示す穀粉生地の物性評価装置の作用を説明する。
まず、図3(A)に示すように、移動子4を動かして支持部材1aを降下させ、所定の間隔に治具1aと治具1bを近接させ、図2に示すドーナツ状の試験片10を治具1aと治具1bに引掛け保持する。
試験片10は、試験片の内径L1は、治具1a及び1bの円筒体の外径の2〜3倍であり、試験片の外径L2が、試験片の内径L1+4〜20mmであり、試験片の厚さL3が、2〜20mmであればよい。このような形状の試験片を用いれば、引張力が一点に集中せず、治具表面に分散されるため、応力集中による生地の切断ではなく、測定で加えられる引張力により生地を切断することができる。そのため、再現性の高い測定値を得ることができる。
なお、上記数値範囲の中でも、治具1a及び1bの円筒体の外径が、6〜30mmであり、試験片の寸法が、内径L1は、6〜30mmであり、外径L2は、14〜70mmであり、厚さL3は、2〜20mmであることが好ましい。試験片が扱いやすい大きさであるため、治具への取り付けが容易にでき、短時間で正確な精度の高い測定を行うことができる。
次いで、図3(B)に示すように、駆動手段7により移動子4を移動させ支持部材2aを所定の速度で上昇させることにより治具1aを治具1bから離間するように移動させ、試験片10を伸張させる。
ここで、治具1aを移動させる速度は、0.05〜1000mm/minとなるように移動処理手段4を駆動する。そのなかでも、50〜250mm/minで移動させることが好ましい。このような速度で治具1aを移動させれば、試験片10に一気に張力がかかり、試験片の一部にだけ負荷がかかることを回避することができる。
次いで、測定手段5は、下部に固定されている治具1aや支持部材2aにかかる荷重を測定するとともに、試験片10である生地が切断されるまでの伸びを測定する。試験片10の生地の伸びは、測定手段5の移動距離を測定することにより取得することができる。
ここで、図1に示す穀粉生地の物性評価装置を用いて取得された測定値は、穀粉の物性評価方法として通常用いられるアルベオグラフにより取得された測定値と高い相関関係を有する。
図4(A)及び(B)は、図1に示す穀粉生地の物性評価装置を用いた測定結果を示す典型的なチャートであり、図4(C)は、典型的なアルベオグラムである。
図4(A)に示されるチャートは、縦軸は、引張力、すなわち、治具にかかる荷重を表わし、横軸は、測定手段のストローク、すなわち、試験片の伸展性を表わす。また、A値は、2つの治具の間に引張力がかかりはじめてから、チャートの傾きが最初に変化する点の引張力(変曲点張力抵抗)を示し、B値は、チャートの傾きが最大に変化する点の引張力(最大張力抵抗)を示し、C値は、2つの治具1aと1bの最大離間距離であり、最大伸展性を示す。穀粉によっては図4(B)のパターンを示す場合もあるが、その場合は、A値は、変曲点張力抵抗であり最大張力抵抗でもある値を示し、C値は、最大伸展性を示す。
また、図4(C)に示されるP値は、試料の変形に必要な最大圧力を示す粘性特性値であり、L値は、バブル破裂時の最大伸び、すなわち、伸展性を示す。
図1に示す穀粉生地の物性評価装置を用いて取得されたC値、及びC/A値は、アルベオグラフを用いて取得された測定値L値と高い相関性を有する。
このように測定された結果に基づいて、試験片10の伸展性、強度等の物性を評価することができる。
このような物性評価装置により、試験片である穀粉生地が少量しかなくとも、伸展性や強度等の物性評価のための再現性のよいデータを取得することができる。
また、このように、精度の高い測定を行うことができるため、少量の穀粉生地中に含まれる材料のわずかな違いも判別することもできる。
以上、本発明に係る穀粉生地の物性評価装置について詳細に説明したが、本発明はこの実施形態には限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
(生地調製方法)
穀粉生地からなる試験片は、AACC International Method 54-30.02に記載される方法にならい、粉水分に応じた2.5%塩水を小麦粉250gに入れ、8分間ミキシングすることにより生地を調製した。
(伸展性評価)
[実施例1]
調製生地をドーナツ型に型抜きし、約3g、外径32mm、内径16mmの試験片を5つ(サンプル番号1〜5)用意した。25℃のインキュベータで生地(試験片)を寝かせた後、図1に示される物性評価装置を用いて、生地の伸展性の評価を行った。物性評価装置で用いた治具1a及び1bの直径は、6mmのものを使用した。試験片10の内径に治具1aと1bを通し、移動子4により治具1aを速度200mm/minで移動させることにより生地を伸長させ、生地が切断されるまで治具1aを移動させた。生地の伸展性は、サンプル番号1〜5の平均値とその標準偏差、相対標準偏差(RSD)を求めた。
[比較例]
調製した生地を棒状にした試験片を5つ(サンプル6〜10)用意した。試験片は、25℃のインキュベータで生地(試験片)を寝かせた後、図1に示される物性評価装置の治具1aと1bを棒状の試験片の端部をそれぞれ把持できる形状の治具に交換した装置を用いて、実施例と同様に、生地の伸展性の測定を行った。
これら実施例及び比較例の結果を下記表1と図5に示す。図5の縦軸は、引張力(N)、すなわち、治具にかかる荷重を表わし、横軸は、測定手段のストローク(mm)、すなわち、試験片の伸び(mm)を表わす。図5Aは、実施例の結果を示し、図5Bは、比較例の結果を示す。
[参考例1]
参考例として、一定条件下で調製した生地に空気を吹き込んで風船状に膨らませ、破れるまでの生地性質を自動記録するアルべオグラフを用いて、生地の物性を測定した。
(生地調製方法及び伸展性評価)
AACC International Method 54-30.02に記載される方法にならい、粉水分に応じた2.5%塩水を小麦粉250gに入れ、8分間ミキシングすることにより調製した生地から円型に片抜きされた5つの試験片からなるサンプルを5つ(サンプル11〜15)用意した。各試験片は25℃のインキュベータで寝かせた後、ミキシング開始から28分後にChopin社製 Alveo−consistographを使用して1サンプルにつき5つの試験片を用いて5回測定し、その平均値を各サンプルの測定値、すなわち、伸展性(mm)、L値とした。また、各サンプルの測定値をもとに相対標準偏差(RSD)を求めた。その結果を表2に示す。
表1や図5に示されるように、実施例の相対標準偏差(RSD)の値が、比較例の相対標準偏差の値よりも約1/3以下であることから、実施例は比較例に比べ、再現性が高く、より正確なデータを得ることができることがわかる。
また、実施例の相対標準偏差(RSD)の値4.9は、表2に示されるアルベオグラフで測定した結果、すなわち、参考例の相対標準偏差(RSD)の値5.7よりも小さいことから、実施例による測定が従来の測定装置および方法と同程度またはそれ以上の高い再現性を有し、高精度のデータを取得することができることがわかる。
また、表3に、サンプル1〜10の生地が切断された後、装置から生地を外し、生地を牽引する2つの治具からそれぞれ切断部位までの位置を測定した結果を示す。
表3に示されるように、生地がドーナツ形状である実施例は、治具1a及び1b、すなわち、上端部及び下端部から切断部位までの位置が分散しているが、生地が棒状である比較例は、切断部位が生地を把持し牽引する治具に付近に集中していることがわかる。
これは、試験片がドーナツ形状であれば、荷重が分散されるが、棒状である場合は、生地を把持し牽引する治具に荷重が集中し生地が破断してしまうからである。また、そのため、表1に示されるように、比較例は、実施例よりも測定値にばらつきが生じていることがわかる。
[実施例2]
実施例1と同様の方法を用いて、表4に示される8品種の小麦粉について生地を調製し、伸縮性評価を行った。伸展性評価は、実施例1で行った最大伸展性以外に、変曲点張力抵抗及び最大張力抵抗も測定した。結果を表4に示す。表4に示されるA値は、変曲点張力抵抗、B値は、最大張力抵抗、及びC値は、最大伸展性を示す。
[参考例2]
参考例1と同様の方法を用いて、実施例2と同一試料である8品種の小麦粉について生地を調製し、伸縮性評価を行った。結果を表5に示す。表5に示されるP値は、粘性特性値(試料の変形に必要な最大圧力)、L値は、伸展性(バブル破裂時の最大伸び)を示す。
図6は、実施例2の測定から得られたC値と参考例2(アルベオグラフ)の測定から得られたL値との相関関係を示した図であり、図7は、実施例2の測定結果から得られたC/A値と参考例2の測定から得られたL値との相関関係を示した図である。
図6に示されるように、実施例2のC値と参考例2のL値は、高い相関性(R>0.954)を有し、さらに、図7に示されるように、実施例2のC/A値と参考例2のL値は、高い相関性(R>0.903)を有していることがわかる。
また、表4及び表5の各品種の相対標準偏差(RSD)の結果から、実施例2による測定がアルベオグラフを用いた方法(参考例2)と同程度またはそれ以上の高い再現性を有し、高精度のデータを取得できることがわかる。
そのため、試験片が少量であっても、実施例2による評価方法は、再現性が良く、アルベオグラフと同等またはそれ以上の精度で穀物の物性を評価することができることがわかる。
以上、本発明に係る穀粉生地の物性評価装置を一実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行っても良いのはもちろんである。
1a、1b 治具
2a、2b 支持部材
3 固定子
4 移動子
5 測定手段
6 連結部材
7 駆動手段
8 基台
9 支柱
10 試験片(穀粉生地)

Claims (12)

  1. 穀粉生地の物性評価を行う穀粉生地の物性評価装置であって、
    1〜100gの前記穀粉生地からなるリング形状の試験片の内周部分を引掛け保持するために、互いに対向するように配置された2つの治具と、
    一方の治具を他方の治具に対して一方向に所定の速度で離間させる移動手段と、
    前記2つの治具の間にかかる引張力及び前記2つの治具間の離間距離を測定する測定手段と、
    を備え、
    前記治具の形状は、円筒体であり、
    前記測定手段による測定結果に基づいて前記穀粉生地の物性を評価することを特徴とする穀粉生地の物性評価装置。
  2. 前記所定の速度は、0.05〜1000mm/minである請求項1に記載の物性評価装置。
  3. 前記円筒体の表面粗さRaは、0.02〜0.5μmである請求項1または2に記載の物性評価装置。
  4. 前記円筒体の表面の材質は、アルミ、銅、ステンレス、チタン、ニッケル、クロム及びテフロン(登録商標)から選択されるいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載の物性評価装置。
  5. 前記試験片の内径は、6〜30mmであり、前記試験片の外径は、14〜70mmであり、前記試験片の厚さは、2〜20mmであり、
    前記円筒体の外径は、3〜10mmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の物性評価装置。
  6. 穀粉生地の物性評価を行う穀粉生地の物性評価方法であって、
    1〜100gの穀粉生地からリング形状の試験片を作製し、
    この試験片の内周部分を、互いに対向するように配置された2つの治具のそれぞれの円筒体に引掛け保持させ、
    一方の治具を他方の治具に対し所定の速さで離間させた時の前記2つの治具の間にかかる引張力及び前記2つの治具間の離間距離を測定し、
    測定結果に基づいて前記穀粉生地の物性を評価することを特徴とする穀粉生地の物性評価方法。
  7. 前記所定の速度は、0.05〜1000mm/minである請求項6に記載の物性評価方法。
  8. 前記円筒体の表面粗さRaは、0.02〜0.5μmである請求項6または7に記載の物性評価方法。
  9. 前記円筒体の外径は、3〜10mmである請求項6〜8のいずれか1項に記載の物性評価方法。
  10. 前記試験片の内径は、6〜30mmであり、前記試験片の外径は、14〜70mmであり、前記試験片の厚さは、2〜20mmである請求項6〜9のいずれか1項に記載の物性評価方法。
  11. 前記2つの治具間の最大離間距離に基づいて前記穀粉生地の物性を評価することを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の穀粉生地の物性評価方法。
  12. 前記2つの治具間の最大離間距離をCとし、前記離間距離/前記引張力の傾きが前記2つの治具の間に前記引張力がかかりはじめてから最初に変化する点における引張力をAとする場合、C値及びC/A値に基づいて前記穀粉生地の物性を評価することを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の穀粉生地の物性評価方法。
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