JP2015044204A - プレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品 - Google Patents

プレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2015044204A
JP2015044204A JP2013175231A JP2013175231A JP2015044204A JP 2015044204 A JP2015044204 A JP 2015044204A JP 2013175231 A JP2013175231 A JP 2013175231A JP 2013175231 A JP2013175231 A JP 2013175231A JP 2015044204 A JP2015044204 A JP 2015044204A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
press
flange
stress
press molding
step shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013175231A
Other languages
English (en)
Inventor
遼 揚場
Ryo Ageba
遼 揚場
健太郎 佐藤
Kentaro Sato
健太郎 佐藤
靖廣 岸上
Yasuhiro Kishigami
靖廣 岸上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2013175231A priority Critical patent/JP2015044204A/ja
Publication of JP2015044204A publication Critical patent/JP2015044204A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】部品長手方向に沿って湾曲する湾曲部を有するプレス成形部品に対して、「反り」と「捩り」の両方のスプリングバックを軽減できるプレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形方法は、基本となる金型の形状データを用いてプレス成形解析を行い、下死点における外側フランジ部7と内側フランジ部11の応力分布を取得するプレス成形解析工程(S1)と、該プレス成形解析工程で取得した応力分布において、圧縮応力部C及び/又は弱応力部Nにステップ形状19が形成されるようにプレス成形を行うプレス成形工程(S2)とを備えたことを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車車体の部品などに用いられる、天板部と、該天板部の両側に連続するように形成された縦壁部と、該両側の縦壁部の端部に形成されたフランジ部とを有し、平面視で長手方向に沿って湾曲する湾曲部を備えてなるプレス成形部品をフォーム成形により成形するプレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品に関する。
近年、車体の軽量化のため、自動車部品に高強度鋼板が多用されつつある。自動車部品の製作には、製作コストに優れたプレス成形が用いられることが多いが、高強度鋼板のプレス成形後に発生するスプリングバックによる形状不良が問題となっている。
このような問題を解決するための技術として、例えば特許文献1には、「ダイとパンチの相対的な直進移動によって金属板を成形するプレス成形方法において、プレス末期工程のプレス下死点前で縮みフランジ成形部位となる部分に複数の余肉ビードを形成し、縮みフランジ成形部位に引張応力を与えて、縮みフランジ成形部位の残留応力を平準化することで、プレス成形品の残留応力を平準化することを特徴とする形状凍結性に優れたプレス成形方法。」(特許文献1の請求項1参照)が提案されている。
特開2009-255117号公報
部品長手方向に沿って湾曲する湾曲部を有するハット断面形状のプレス成形部品31(図10参照)においては、部品が天板部33側に湾曲する「反り」と、部品の軸回りに回転する「捩り」と言われるスプリングバックが生ずる。
以下に、「反り」と「捩り」について図11、図12に基づいて説明する。なお、図11及び図12において、点線が離型前の形状を表し、実線が離型後(スプリングバック後)の形状を表している。
「反り」(図11参照)を発生させる駆動力は、板厚表裏の応力差及び、天板部の下死点における引張応力である。この下死点における引張応力は、離型後においては圧縮変形の駆動力となり、そのため天板部が長手方向に縮もうとして、「反り」が発生するのである。図11は平面視で部品長手方向に真っ直ぐで中央が凸になっているプレス成形部品43における「反り」を説明する説明図であり、プレス成形部品43は離型後においてその両端が図11中の白抜き矢印で示す方向に引き上げられ、全体として反りが発生する。なお、「反り」は、プレス成形部品43のように、側面視で天板部45の中央が凸になるように湾曲している部品により顕著に表れる。
「捩り」(図12参照)を発生させる駆動力は、湾曲部を有するハット断面形状における湾曲のフランジ部に発生する圧縮応力及び引張応力である。
特許文献1に開示されたプレス成形方法は、湾曲の外側に位置するフランジ部を縮みフランジ成形部位、湾曲の内側に位置するフランジ部を伸びフランジ成形部位と捉え(特許文献1の図1を参照)、縮みフランジ成形部位となる部分に複数の余肉ビードを形成して引張応力を与え、伸びフランジ成形部となる部分には中間品の段階でエンボスを成形してプレス下死点でエンボスを潰すことで圧縮応力を付与するというものである。
しかしながら、このように、湾曲の外側のフランジ部を縮みフランジ成形部位として捉え、湾曲の内側のフランジ部を伸びフランジ成形部位として捉えると、湾曲の外側のフランジ部には一律に引張応力を付与し、湾曲の内側のフランジ部には一律に圧縮応力を付与することとなる。このような対策は、「捩り」の防止に対して効果があるが、「反り」の防止には効果がない。特に、湾曲の内側のフランジ部には圧縮応力を付与しているので、「反り」の防止に対しては逆効果となる。
以上のように、特許文献1のプレス成形方法によれば、「捩り」を緩和することはできるが、「反り」を緩和することはできないという問題点がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、部品長手方向に沿って湾曲する湾曲部を有するプレス成形部品に対して、「反り」と「捩り」の両方のスプリングバックを軽減できるプレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品を提供することを目的としている。
「反り」を防止するためには、金型の離型後において天板部を長手方向に引っ張るような変形を生じさせればよい。そのためには、フランジ部に引張力を付与し、離型後においてフランジ部が縮むようなスプリングバックを生じさせることが考えられる。
他方、「捩り」を防止するためには、フランジ部における引張応力を有する部位には、プレス成形中に圧縮応力を付与することで、離型後においてフランジ部が伸びるようなスプリングバックを生じさせ、圧縮応力を有する部位にはプレス成形中に引張応力を付与することで、離型後においてフランジ部が縮むようなスプリングバックを生じさせることが考えられる。
しかしながら、特許文献1のように、湾曲の外側のフランジ部は縮みフランジ成形部位であり、湾曲の内側のフランジ部は伸びフランジ成形部位であるとうように一律に捉えると、フランジ部に引張力又は圧縮力を一律に付与することで「反り」と「捩り」の両方を緩和することはできない。
そこで発明者は、下死点におけるフランジ部の応力分布が実際にはどのような状態になっているのかを調査した。
調査に際して、基本となる金型の形状データを用いてプレス成形解析を行い、下死点におけるフランジ部の応力分布を取得した。これを図3に示す。
図3に示すように、湾曲の外側のフランジ部(外側フランジ部7)でも、内側のフランジ部(内側フランジ部11)でも圧縮応力となっている部位や引張応力となっている部位がある。このように、湾曲の外側が縮みフランジ成形部となり、湾曲の内側が伸びフランジ成形部となるという単純なものではないことが判明した。
このことから、湾曲の外側及び内側のいずれのフランジ部においても下死点において圧縮力を有する部位が存在し、湾曲の外側及び内側のいずれのフランジ部にもプレス成形中に引張力を付与することが可能であり、「反り」の防止と「捩り」の防止を両立できるとの知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係るプレス成形方法は、天板部と、該天板部の両側に連続するように形成された縦壁部と、該両側の縦壁部の端部に形成されたフランジ部とを有し、平面視で長手方向に沿って湾曲する湾曲部を備えてなるプレス成形部品をフォーム成形により成形するプレス成形方法であって、
基本となる金型の形状データを用いてプレス成形解析を行い、下死点における前記フランジ部の応力分布を取得するプレス成形解析工程と、
該プレス成形解析工程で取得したフランジ部の応力分布において、下死点での圧縮応力を有する部位及び/又は下死点での応力の絶対値が材料の引張強度の20%以下になっている部位にステップ形状が形成されるようにプレス成形を行うプレス成形工程とを備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記フランジ部に形成するステップ形状は、フランジ部と同一平面上にある下フランジ面部と、該下フランジ面部に連続する傾斜フランジ面部と、該傾斜フランジ面部の上端に連続する上フランジ面部によって構成されていることを特徴とするものである。
(3)本発明に係るプレス成形部品は、天板部と、該天板部の両側に連続するように形成された縦壁部と、該両側の縦壁部の端部に形成されたフランジ部とを有し、平面視で長手方向に沿って湾曲する湾曲部を備えてなるプレス成形部品であって、
前記フランジ部にステップ形状を有し、該ステップ形状が上記(1)又は(2)に記載のプレス成形方法によって形成されたことを特徴とする。
本発明においては、基本となる金型の形状データを用いてプレス成形解析を行い、下死点におけるフランジ部の応力分布を取得し、該取得した応力分布において、下死点での圧縮応力を有する部位及び/又は下死点での応力の絶対値が材料の引張強度の20%以下となる部分にステップ形状が形成されるようにプレス成形を行うことにより、部品長手方向に沿って湾曲する湾曲部を有するプレス成形部品に対して、「反り」と「捩り」の両方のスプリングバックを軽減できる。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法のフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法のプレス成形対象となるプレス成形部品の斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法のプレス成形解析工程における解析結果の一例の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法のステップ形状の一例の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法のプレス成形工程によって成形されたプレス成形部品の一例の説明図である。 本発明の実施例に係るステップ形状の説明図である。 本発明の実施例に係る実験結果の評価方法の説明図である(その1)。 本発明の実施例に係る実験結果の評価方法の説明図である(その2)。 本発明の一実施の形態に係るプレス成形部品の他の態様の説明図である。 本発明の課題を説明するための図であり、プレス成形対象であるプレス成形部品の一例の斜視図である。 本発明の課題の説明図である(その1)。 本発明の課題の説明図である(その2)。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法は、図1に示すように、基本となる金型の形状データを用いてプレス成形解析を行うプレス成形解析工程(S1)と、該プレス成形解析工程で取得した解析結果に基づいて基本となる金型の形状に変更を加えた金型を用いてプレス成形を行うプレス成形工程(S2)とを備えている。
以下、各工程について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、図2に示すフォーム成形によって成形されるプレス成形部品1を成形対象とする。
プレス成形部品1は、図2に示すように、天板部3と、該天板部3の両側に連続するように形成された外側縦壁部5及び内側縦壁部9、これら外側縦壁部5及び内側縦壁部9のそれぞれの端部に形成された外側フランジ部7及び内側フランジ部11を有しており、平面視で長手方向に沿って湾曲している。
天板部3は、図2に示すように、一端に幅方向に広がる平坦面部3aと、平坦面部3aよりも幅狭の幅狭面部3bと、他端に幅狭面部3bから下方になだらかに傾斜する傾斜面部3cとを有している。このように、プレス成形部品1の天板部3は平坦でないが、本発明のプレス成形の対象としているプレス成形部品は天板部と、該天板部の両側に連続するように形成された縦壁部と、該両側の縦壁部の端部に形成されたフランジ部とを有していればよく、天板部3のような形状も本発明の天板部に含まれる。
<プレス成形解析工程>
プレス成形解析工程は、基本となる金型の形状データを用いたプレス成形解析を行い、下死点における外側フランジ部7及び内側フランジ部11の応力分布を取得する工程である(S1)。
解析結果の一例を図3に示す。図3は、プレス成形部品1全体について取得した下死点(離型前)における長手方向の板厚中央の応力分布を、プレス成形部品1の形状上にコンター図として表したものである。なお、図3において、図1のプレス成形部品1と同様の部位には同一の符号を付している。また、このように、フランジ部(外側フランジ部7及び内側フランジ部11)以外の部分についても応力分布を取得してもよい。
図3に示すように、外側フランジ部7及び内側フランジ部11において、圧縮応力を有する部位(以下、「圧縮応力部C」という)と引張応力を有する部位(以下、「引張応力部T」という)が交互に存在している。
また、圧縮応力部Cと引張応力部Tの境界部分は弱応力部Nとなっている。ここでいう弱応力部Nとは、下死点応力の最大値と比較して応力が十分に小さい部分(圧縮応力部Cと引張応力部Tの中間(ニュートラル)の状態の部分)であり、引張、圧縮ともに、応力の絶対値が材料鋼板(ブランク)の引張強さの20%以下であればこれに含む。
上記応力分布は下死点(離型前)におけるものであるので、離型後において、各部分には逆向きの変形が発生する。つまり、圧縮応力部Cであった部分には引張変形が発生し、引張応力部Tであった部分には圧縮変形が発生する。
これにより、フランジ部(外側フランジ部7と内側フランジ部11)と天板部3において変形のバランスが不均衡となり、部品長手方向両端が反り上がるスプリングバック(反り変形)が生じる。
また、外側フランジ部7と内側フランジ部11においても変形のバランスが不均衡となり、部品長手方向に捩れるスプリングバック(捩れ変形)が生じる。
<プレス成形工程>
プレス成形工程は、プレス成形解析工程で取得した応力分布において、外側フランジ部7及び内側フランジ部11における圧縮応力部C及び/又は弱応力部Nに、ステップ形状が形成されるようにプレス成形を行う工程である(S2)。
プレス成形は、上述した基本となる金型の形状に、ステップ形状を形成可能なように変更を加えた金型を用いて行う。
ステップ形状は、これを形成することで、長手方向のフランジ線長が長くなるような形状であれば良い。この点について以下に詳細に説明する。なお、ステップ形状は、外側フランジ部7に形成される場合と内側フランジ部11に形成される場合とで同様であるので、以下の説明では、外側フランジ部7に形成される場合を例に挙げる。
図4は、外側フランジ部7に形成されたステップ形状の一例の断面を模式的に表したものである。
図4のステップ形状19は、点線の枠で囲んだ部分に示すように、外側フランジ部7と同一平面上にある下フランジ面部19aと、下フランジ面部19aに連続する傾斜フランジ面部19bと、傾斜フランジ面部19bの上端に連続する上フランジ面部19cによって構成されている。本実施形態では下フランジ面部19aと上フランジ面部19cは水平になっている。傾斜フランジ面部19bは、幅がw、高さがhとなっており、傾斜に沿う長さは√(w2+h2)で表すことができる。また、傾斜フランジ面部19bの傾きはh/wで表すことができる。
なお、図4には厳密に図示していないが、実際にプレス成形をする場合において、下フランジ面部19aと傾斜フランジ面部19bの境界(以下、「屈曲部」という)には、半径Rのアール部が形成されて下フランジ面部19aと傾斜フランジ面部19bとが滑らかに連続している。この点は傾斜フランジ面部19bと上フランジ面部19cにおいても同様である。
外側フランジ部7にステップ形状19が形成される際、外側フランジ部7の一部(線長がw)が伸ばされて傾斜フランジ面部19bとなる。外側フランジ部7の線長は、ステップ形状19形成前がwであり、形成後が√(w2+h2)であるので、√(w2+h2)-wだけ長くなる。
このように線長が長くなることに起因するひずみは、下死点において引張応力を生じさせ、離型後において部品長手方向にフランジ部に圧縮変形を生じさせる駆動力となる。
ただし、ステップ形状19を形成した部分のひずみが鋼材の一様伸びの値を超えると、ステップ形状19の形成の効果は十分に得られず、最悪の場合、製品にワレが発生する可能性がある。なお、ステップ形状19の形成によるフランジのひずみ量は長手方向の材料流入に依存するため、手計算での予測は困難であるが、数値解析によって予測可能である。
ステップ形状19は、下死点(離型前)の圧縮応力部Cや弱応力部Nに相当する部分に形成することが効果的である。
図5は、ステップ形状19が形成されたものの一例としてのプレス成形部品1を図示したものである。プレス成形部品1は、外側フランジ部7及び内側フランジ部11における弱応力部N(図3参照)にステップ形状19が形成されている。
このようにすることで、ステップ形状19によって離型後に圧縮変形が発生し、天板部3に発生する圧縮変形とのバランスが最適化されて反り変形を低減することができる。
また、外側フランジ部7と内側フランジ部11とで変形のバランスを最適化することができ、捩れ変形を大幅に低減させることができる。
一方で、下死点(離型前)の引張応力部Tにステップ形状19を形成しても十分な効果は得られない。これは、離型前の引張応力に加えて、さらにステップ形状19にて引張応力を加えるため、線長変化がフランジの引張弾性限界歪みを超えて塑性域まで到達し、与えた線長変化に対して弾性変形と比較して塑性変形の占める割合が大きくなるためである。さらに、ひずみ量が大きくなりすぎるとワレの危険も大きくなる。従って、ステップ形状19を引張応力部Tに形成することは好ましくない。
以上のように、本実施の形態においては、外側フランジ部7及び内側フランジ部11における圧縮応力部C及び/又は弱応力部Nにステップ形状19を形成することにより、反り変形と捩れ変形の低減を両立させることができる。
次に、本発明の効果を確認する実験を行ったのでその結果について説明する。
実験は、図2に示す形状のプレス成形部品1を対象とし、ステップ形状を形成する位置によって、スプリングバック量がどのように変化するかを数値解析により確認するというものである。
材料は厚さ1.4mmの980MPa級鋼板とした。
ステップ形状は、形成した部位に十分な引張応力が与えられ、かつワレなどの成形不良が生じなければどのような形状でも良いが、ここでは図6に示す断面を持つ形状とした。
図6のステップ形状21は、図4に示すステップ形状19の屈曲部を、半径がR(mm)の滑らかなアール形状としたものである。ステップ形状21の各寸法(高さh、幅w、半径R)は、ワレを生じることなく成形可能なようにh=5mm、w=10mm、R=5mmとした。ステップ形状21はステップを形成させる位置とステップ形状21の傾斜フランジ面部21bの中央とが一致するように形成した。なお、図6は外側フランジ部7に形成した場合を図示したものであるが、内側フランジ部11に形成する場合も同様である。
ステップ形状21の形成位置は以下のように決定した。
まず、上記実施の形態で説明したように、ステップ形状21を形成する前の部品形状についてプレス成形解析を行い、成形下死点における応力分布を取得した(図3参照)。
そして、取得した応力分布に基づいて、プレス成形部品1の外側フランジ部7及び内側フランジ部11にそれぞれ6箇所ずつ、計12箇所となるように、引張応力部T、圧縮応力部C、弱応力部Nのいずれかを選択した。
選択のパターンは、全て弱応力部N、全て圧縮応力部C、全て引張応力部T、弱応力部Nと圧縮応力部Cの組み合わせ、外側フランジ部7は引張応力部Tで内側フランジ部11は圧縮応力部Cなど、様々にした。
スプリングバック量は、金型形状を基準としたプレス成形部品1の離型後の形状の乖離量で定義した。スプリングバック量の定義について図7及び図8に基づいて詳細に説明する。図7及び図8は、金型形状23とプレス成形部品1の離型後の形状とを比較した図である。
乖離量の測定は、図7中の点線の枠で囲んだ部分に示すように金型と部品の一端の位置合せを行い、他端において行った。本実施例では、プレス成形部品1の平坦面部3aの端部について金型23と位置合わせを行い、他端である傾斜面部3cの端部において乖離量の測定を行った。そして、該他端において、図8(a)に示すように、プレス成形部品1の天板部3中央(図8(a)中に黒丸で示す)と金型23の天板部中央との鉛直方向変位dを反り量(mm)とし、図8(b)に示すように、金型23の天板部の水平方向を基準とした、プレス成形品1の天板部3の捩れ角θを捩れ量(°)とした。
実験結果を表1に示す。
表1は、成形条件(ステップ形状21の各寸法(mm)及びステップ形状21の形成位置や数)毎に成形結果(成形可否と稜線反り変形及び捩れ変形)についてまとめたものである。
表1の成形結果における成形可否には、ワレが発生しない場合を成形可と記載している。また、稜線反り変形及び捩れ変形については、スプリングバック量としての反り量(mm)、捩れ量(°)の他に、ステップ形状21を形成しない場合(従来例)のスプリングバック量(反り量及びねじれ量)を基準としたスプリングバック量の低減率(%)を示した。低減率は値が大きければスプリングバック抑制の効果が高いことを意味している。
表1に示すとおり、本発明例1〜4は、圧縮応力部Cもしくは弱応力部Nとなる位置にステップ形状21を形成したものであり、いずれもスプリングバック量の低減率が大きくて、効率よくスプリングバックを抑制できることが確認された。
比較例1は、ステップ形状21を内側フランジ部11の圧縮応力部Cしか形成しなかったため、スプリングバック量の低減率が小さかった。
比較例2及び比較例3は、引張応力部Tにステップ形状21を形成したものであり、スプリングバック量の低減率が小さくて、スプリングバック抑制に大きな効果が期待できないことが確認された。
以上のように、本発明に係るプレス成形方法によれば、圧縮応力部Cもしくは弱応力部Nとなる位置にステップ形状21を形成することで、反り変形及び捩れ変形の両方を低減可能であることが確認された。
なお、上記ではステップ形状として、ステップ形状19(図4参照)、ステップ形状21(図6参照)を例に挙げたが、本発明のステップ形状は上記のものに限られず、種々のものに変更可能である。
もっとも、ステップ形状の傾斜部の傾き(h/w)は30°〜45°が好ましい。また、ステップ形状の屈曲部は、ステップ形状21のように滑らかなアール形状とすることが好ましく、屈曲部の半径Rは5mm〜10mmとするのが好ましい。
なお、上記の説明では、図2に示すように天板部3が平坦でないプレス成形部品1を例に挙げて説明したが、発明が解決しようとする課題において例示した図10に示した天板部33が平坦なプレス成形部品31の場合であっても、図9に示すように、外側フランジ部37、内側フランジ部41にステップ形状19を形成することで、天板部3が平坦でない場合と同様に本発明の効果が得られることはいうまでもない。
C 圧縮応力部
T 引張応力部
N 弱応力部
1 プレス成形部品
3 天板部
3a 平坦面部
3b 幅狭面部
3c 傾斜面部
5 外側縦壁部
7 外側フランジ部
9 内側縦壁部
11 内側フランジ部
19 ステップ形状
19a 下フランジ面部
19b 傾斜フランジ面部
19c 上フランジ面部
21 ステップ形状(実施例)
21a 下フランジ面部
21b 傾斜フランジ面部
21c 上フランジ面部
23 金型形状
31 プレス成形部品
33 天板部
35 外側縦壁部
37 外側フランジ部
39 内側縦壁部
41 内側フランジ部
43 プレス成形部品
45 天板部

Claims (3)

  1. 天板部と、該天板部の両側に連続するように形成された縦壁部と、該両側の縦壁部の端部に形成されたフランジ部とを有し、平面視で長手方向に沿って湾曲する湾曲部を備えてなるプレス成形部品をフォーム成形により成形するプレス成形方法であって、
    基本となる金型の形状データを用いてプレス成形解析を行い、下死点における前記フランジ部の応力分布を取得するプレス成形解析工程と、
    該プレス成形解析工程で取得したフランジ部の応力分布において、下死点での圧縮応力を有する部位及び/又は下死点での応力の絶対値が材料の引張強度の20%以下になっている部位にステップ形状が形成されるようにプレス成形を行うプレス成形工程とを備えたことを特徴とするプレス成形方法。
  2. 前記フランジ部に形成するステップ形状は、フランジ部と同一平面上にある下フランジ面部と、該下フランジ面部に連続する傾斜フランジ面部と、該傾斜フランジ面部の上端に連続する上フランジ面部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
  3. 天板部と、該天板部の両側に連続するように形成された縦壁部と、該両側の縦壁部の端部に形成されたフランジ部とを有し、平面視で長手方向に沿って湾曲する湾曲部を備えてなるプレス成形部品であって、
    前記フランジ部にステップ形状を有し、該ステップ形状が請求項1又は2に記載のプレス成形方法によって形成されたことを特徴とするプレス成形部品。
JP2013175231A 2013-08-27 2013-08-27 プレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品 Pending JP2015044204A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013175231A JP2015044204A (ja) 2013-08-27 2013-08-27 プレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013175231A JP2015044204A (ja) 2013-08-27 2013-08-27 プレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015044204A true JP2015044204A (ja) 2015-03-12

Family

ID=52670209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013175231A Pending JP2015044204A (ja) 2013-08-27 2013-08-27 プレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015044204A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110402218A (zh) * 2017-03-15 2019-11-01 日本制铁株式会社 成形体、构造构件以及成形体的制造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110402218A (zh) * 2017-03-15 2019-11-01 日本制铁株式会社 成形体、构造构件以及成形体的制造方法
CN110402218B (zh) * 2017-03-15 2022-09-27 日本制铁株式会社 成形体、构造构件以及成形体的制造方法
US11623260B2 (en) 2017-03-15 2023-04-11 Nippon Steel Corporation Formed body, structural member, and method for producing formed body

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101979528B1 (ko) 프레스 성형 방법 및 그 프레스 성형 방법을 사용한 부품의 제조 방법
JP5783339B2 (ja) プレス成形金型及びプレス成形品の製造方法
JP6590071B2 (ja) プレス成形品の製造方法
TWI619564B (zh) 壓製成形品之製造方法及壓製模具
JP6359171B2 (ja) プレス成形方法
JP2006272413A (ja) 湾曲状チャンネル部材の成形方法
JP5353329B2 (ja) 形状凍結性に優れたプレス成形方法とプレス成形装置並びに同プレス成形装置の製造方法
CN106029248B (zh) 冲压成形方法及冲压产品的制造方法以及冲压成形装置
JP2008119736A (ja) プレス成形金型装置およびプレス成形方法
JP5020858B2 (ja) 部材長手方向の平面内に屈曲部を有する金属製断面ハット型形状部材およびそのプレス成形方法
KR20170103952A (ko) 프레스 성형 방법 및 프레스 성형 금형
MX2020001203A (es) Metodo para la fabricacion de producto estampado.
JPWO2019167793A1 (ja) プレス部品の製造方法、プレス成形装置、及びプレス成形用の金属板
JP6738055B2 (ja) プレス成形品の設計方法、プレス成形金型、プレス成形品およびプレス成形品の製造方法
JP6036768B2 (ja) プレス成形方法
JP6152841B2 (ja) プレス成形方法およびプレス成形用金型の製造方法
JP2015044204A (ja) プレス成形方法及び該プレス成形方法によって成形されたプレス成形部品
JP2018164918A (ja) プレス成形装置及びプレス成形品の製造方法
JP6112226B2 (ja) プレス成形方法、及びプレス成形部品の製造方法
JP7070287B2 (ja) プレス成形部品の製造方法、及びプレス成形部品
TWI554343B (zh) 壓製成形模具及壓製成形品之製造方法
JP2020069534A (ja) プレス部品の製造方法及び下金型の設計方法
KR20170081215A (ko) 프레스 성형 방법 및 그 방법을 사용한 부품의 제조 방법 그리고 프레스 성형 장치 및 그 장치를 사용하여 프레스 성형된 성형 부품
JP6741268B2 (ja) エンボス形状を有する鋼板の製造方法及び製造装置
TWI555592B (zh) 壓製成形模具及壓製成形品之製造方法