図1は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した遊技機1の装置構成図の一例であって、図2は、本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている(図1、図2参照)。また、外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35と、少なくとも2方向(通常4方向)へ押圧操作が可能な十字キー36とが設けられている。
さらに、ガラス枠50には、複数の遊技球を貯留する受け皿40が設けられており、この受け皿40は、操作ハンドル3の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している(図2参照)。この受け皿40の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4bが駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ遊技球が1個ずつ送り出される。
そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図2参照)。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している発射ボリューム3bも回動し、発射ボリューム3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を自由落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。
これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、上記遊技領域6の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14および第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の第2始動口用可動片15bを有しており、これら一対の第2始動口用可動片15bが閉状態に維持される「第1の態様」と、一対の第2始動口用可動片15bが開状態となる「第2の態様」とに可動制御される。
このとき、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の第2始動口用可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには第1の態様に比べて遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。
また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検知したときと同様に所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。
この第2大入賞口17の右端には、第2大入賞口用可動片17bが設けられており、この第2大入賞口用可動片17bの一方を支点として可動することによって第2大入賞口17への入賞を容易にする開放状態と入賞ができない閉鎖状態とを制御する。
そして、第2大入賞口用可動片17bが開放状態となると、その第2大入賞口用可動片17bが遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には、第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。
このため、操作ハンドル3を大きく回動させ、遊技領域6の左側の領域に遊技球を打ち出すよりも大きな力で打ち出されないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とにはその遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。
特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、遊技領域6の左側の領域に遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の第2始動口用可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13aが設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。この普通図柄ゲート13は、遊技領域の右側の領域にも設けられている。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成される第1液晶表示装置31(以下、「メイン液晶」とも称する)が設けられており、この第1液晶表示装置31の上方には、装飾装置33aが設けられている。また、この第1液晶表示装置31の上方には第1液晶表示装置31に比べて小さいサイズの第2液晶表示装置37(33b)(以下、「サブ液晶」とも称する)が設けられている。
装飾装置33aおよび第2液晶表示装置37(33b)は、演出用駆動装置33によって駆動されるものであって、すなわち、第2液晶表示装置37(33b)は、演出画像を表示する機能と駆動する機能とを有していることとなる。この第2液晶表示装置37(33b)は、画像制御基板150からの信号によって演出画像を表示し、演出用駆動装置33によって駆動される。
上記および図1では、その一例として第1液晶表示装置31のサイズ(19インチ)よりも小さいサイズ(4.3インチ)の第2液晶表示装置37の例を示しているが、これに限定されることなく、同サイズの表示装置であってもよく、さらには、第2液晶表示装置37の方が第1液晶表示装置31よりも大きいサイズであってもよい。
第1液晶表示装置31には、演出が行われていない待機中にデモ画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。中でも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄38が表示され、特定の演出図柄38の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選の結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄38をそれぞれスクロール表示(回転表示)による変動表示を行うとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄38を停止表示するものである。また、この演出図柄38の変動表示中に、キャラクタ等によって構成される演出画像を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
上記演出用駆動装置33によって駆動される装飾装置33a等は、その演出画像を用いた動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。
この演出用駆動装置33によって駆動される装飾装置33aは、第2液晶表示装置37(33b)と同時に上下方向に移動することが可能(もちろん上下方向に限定されず上下左右に移動可能)であって、この上下方向の移動によって第1液晶表示装置31の前面に移動することとなる。また、装飾装置33aには、演出用照明装置34が搭載されており、装飾装置33aの移動と連動して若しくは単独で点灯する。
第2液晶表示装置37(33b)も装飾装置33aと同様に、演出用駆動装置33によって駆動されることにより移動することが可能であって、図1に示す第2液晶表示装置37は長辺を上下方向にした横向きの横向き態様で格納された状態を示している。
この横向き態様となっている状態で、第2液晶表示装置37は、下降する動作によって第1液晶表示装置の略中央部分の前面に移動することとなる。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしたものであって複数の位置に設けられている。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選の結果を報知するものであり、LED等によって構成される複数の点灯部材によって構成されている。大当たりの抽選の結果に応じて所定の1又は複数の点灯部材が点滅することとなり、点滅状態にある点灯部材が演出図柄38の停止表示と同時に点灯することとなる。
この第1特別図柄表示装置20は、7セグメントのLEDによっても構成することができる。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を所定回数(例えば、15回)行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。
つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。
より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留(第1保留および第2保留)は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。
なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から3つのLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の最左端から4つのLEDが点滅する。
また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52を支持している。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板52とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。
ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
遊技機1の裏面には、図3に示すように、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
次に、図4の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の第2始動口用可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口用可動片17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
このメインCPU110aでは、保留球における大当たり抽選を当該保留球における抽選処理よりも前に行い、抽選結果を先取得する(先読みする)ことも可能であって、このとき、先取得した抽選結果を演出制御基板120を介して画像制御基板150へと送出する。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、(1)大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、(2)普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル、(3)特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、(4)大当たり終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブル、(5)第1大入賞口16および第2大入賞口17の開閉扉の開閉条件を決定する特別電動役物作動態様決定テーブル、(6)第1大入賞口16および第2大入賞口17の開放態様を指定する大入賞口開放態様決定テーブル、(6)特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
次に、図5から図10を参照して、主制御基板110のメインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図5は、本発明の実施の形態における遊技機において行う特別図柄および普通図柄ごとの当たり判定を行う判定テーブルの一例を示す図である。
図5(a−1)および図5(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。
図5(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブル(第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブル)であり、図5(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブル(第2特別図柄表示装置用の大当り判定テーブル)である。この図5(a−1)と図5(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、現在の確率遊技状態と、取得された特別図柄判定用乱数値とに基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」を判定するものである。
例えば、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」および「8」という全2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される一方で、高確率遊技状態であるときには、「7」乃至「26」の全20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、この図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれかの場合であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」および「100」および「150」および「200」の全4個の特別図柄判定用乱数値であったときには「小当たり」と判定される。なお、図示していないが、上記に示す特別図柄判定用乱数値以外の他の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が「0」から「598」であるから、低確率遊技状態のときに「大当たり」と判定される確率は「1/299.5」であり、高確率遊技状態のときに「大当たり」と判定される確率は略10倍の「1/29.9」である。
また、第1特別図柄表示装置20においては、「小当たり」と判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても「1/149.75」となる。
続いて、図5(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、この当たり判定テーブルは、時短遊技状態の有無と、取得された普通図柄判定用乱数値とに基づいて、「当たり」か「ハズレ」を判定するものである。
例えば、図5(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される一方で、時短遊技状態であるときには、「0」乃至「65534」の全65535個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、図示していないが、上記に示す普通図柄判定用乱数値以外の他の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
従って、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が「0」から「65535」であるから、非時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「1/65536」であり、時短遊技状態のときに「当たり」と判定される確率は「65535/65536」である。
図6は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図6(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルであり、図6(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するために参照される図柄決定テーブルである。
具体的には、図6に示す図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置20においては、「大当たり」のときには図6(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変大当たり3))に決定する。
また、第1特別図柄表示装置20においては、「小当たり」のときには図6(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、取得された小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))に決定する。
また、「ハズレ」のときには図6(c)に示す図柄決定テーブルを参照し、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))に決定する。すなわち、「ハズレ」のときにはいずれの乱数値においても「00」の停止図柄データに決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、単位コマンドが「2バイト」のデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため「1バイト」分のMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す「1バイト」分のDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり遊技終了後の遊技状態(図7参照)、大当たり遊技の種類(図8参照)が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり遊技終了後の遊技状態と大当たり遊技の種類を決定するものといえる。
図7は、大当たり遊技終了後の遊技状態を決定するための大当たり遊技終了時設定データテーブルである。
この図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルによって、特別図柄の種類(停止図柄データ)と遊技状態バッファに記憶された状態とに基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数(J)の設定が行われる。
ここで、「遊技状態バッファ」とは、大当たり当選時の遊技状態を示す情報である。そして、遊技状態は、時短遊技状態(又は非時短遊技状態)および高確率遊技状態(又は低確率遊技状態)の組合せから構成されている。
具体的には、遊技状態バッファが「00H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグの両方がセットされていない低確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「01H」であれば、時短遊技フラグはセットされていないが高確率遊技フラグはセットされている高確率遊技状態かつ非時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「02H」であれば、時短遊技フラグがセットされているが高確率遊技フラグがセットされていない低確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。遊技状態バッファが「03H」であれば、時短遊技フラグと高確率遊技フラグとの両方がセットされている高確率遊技状態かつ時短遊技状態の遊技状態情報を示す。
図7に示す大当たり遊技終了時設定データテーブルでは、同じ特別図柄の種類であっても、遊技状態バッファに記憶された情報に基づいて、時短遊技フラグの設定や時短回数(J)を異ならせることを可能にしている。
具体的には、特別図柄の種類が特別図柄3(停止図柄データ03、第1確変大当たり「3」に対応)の場合には、高確率遊技フラグ及び高確率遊技回数(X)に関しては、遊技状態バッファに記憶されている情報に関わらず、大当たり遊技終了後には高確率遊技フラグをセットし、高確率遊技回数(X)を「10000回」に設定する。
一方、時短遊技フラグ及び時短回数(J)に関しては、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されていない遊技状態を示す情報(「00H」または「01H」)が記憶されていれば、大当たり終了後には時短遊技フラグの設定は行わず、時短回数(J)も「0回」に設定する。これに対して、遊技状態バッファに時短遊技フラグが設定されている遊技状態を示す情報(「02H」または「03H」)が記憶されていれば、大当たり遊技終了後には時短遊技フラグをセットして、時短回数(J)を「10000回」に設定する。
これにより、大当たり当選時の遊技状態によって時短回数(J)を変化させ、大当たり当選時の遊技状態に対する興味を遊技者に持たせることができる。
図8は、大入賞口開放態様決定テーブルを決定するための特別電動役物作動態様決定テーブルである。
図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルを参照して、特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大入賞口開放態様決定テーブルが決定される。
後述するように、この大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて、大当たり遊技が実行されることから、大入賞口開放態様決定テーブルが大当たり遊技の種類を示すものといえる。
また、図8に示す特別電動役物作動態様決定テーブルの特徴としては、第2始動口15に遊技球が入球した場合に作動される第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成されている。
これは、非時短遊技状態においては、第2始動口15に、ほとんど遊技球が入球しないのに、第2始動口15に遊技球が入球した場合に「短当たり」が決定されてしまうと、せっかく時短遊技状態を設けても、遊技者の遊技に対する意欲を減退させてしまうおそれがあるからである。
本実施形態では、第2特別図柄表示装置21においては、「短当たりテーブル」が決定されないように構成したが、もちろん、この第2特別図柄表示装置21においても「短当たりテーブル」を決定するように構成しても構わない。ただし、第2特別図柄表示装置21において「短当たりテーブル」を決定する場合には、第1始動口14に遊技球が入球した場合に作動される第1特別図柄表示装置20と比べて、上記のような理由によって「短当たりテーブル」が決定されにくく構成することで遊技意欲の減退を防止することができる。
図9は、図8で決定された大入賞口開放態様決定テーブルの構成を示す図であって、この大入賞口開放態様決定テーブルによって第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口用可動片17bの開閉条件が決定される。
図9(a)は、大当たり遊技のときに参照される大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群であり、長当たりテーブル、短当たりテーブル、発展当たりテーブルから構成されている。
図9(b)は、小当たり遊技のときに決定される小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブル群を示している。
そして、長当たりテーブルに基づいて長当たり遊技が実行され、短当たりテーブルに基づいて短当たり遊技が実行され、発展当たりテーブルに基づいて後述するような発展当たり遊技が実行され、小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルに基づいて小当たり遊技が実行されることになる。
図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の大当たり遊技における最大ラウンド遊技回数(R)と、1つのラウンドにおける大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、大当り遊技の開始から最初のラウンド遊技を実行するまでの開始インターバル時間と、各ラウンド遊技における大入賞口の最大開放回数(K)と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の開放時間と、各ラウンド遊技の1回の開放に対しての大入賞口の閉鎖時間と、1つのラウンド遊技の終了から次のラウンド遊技を実行するまでの大入賞口の閉鎖インターバル時間と、最後のラウンド遊技の終了から大当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
これに対して、図9(b)に示す小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルには、開放する大入賞口の種類(第1大入賞口16または第2大入賞口17)と、1回の小当たり遊技における最大開放回数(K)と、1回の小当たり遊技における大入賞口への最大入賞個数を示す規定個数と、小当り遊技の開始から最初に大入賞口が開放するまでの開始インターバル時間と、各開放回数における大入賞口の開放時間と、各開放回数における大入賞口の閉鎖時間と、最後の大入賞口の閉鎖時間の終了から小当り遊技の終了までの終了インターバル時間とが記憶されている。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの長当たりテーブルによれば、第1大入賞口開閉扉16bを作動させて、遊技領域6の右側にある第1大入賞口16を、1ラウンドあたり最大「略29秒」まで開放させることができる。
ただし、開放時間が「略29秒」を経過するまでに、規定個数(9個)の遊技球が第1大入賞口16に入賞すると、第1大入賞口開閉扉16bの作動が終了して、1ラウンド分の遊技が終了することになる。
ここで、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの短当たりテーブルと図9(b)の小当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルとは、最大ラウンド遊技回数(R)と最大開放回数(K)、閉鎖インターバル時間と各開放回数における大入賞口の閉鎖時間において、データの差異こそあるものの、同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が「0.052秒」間の開放と「2.0秒」間の閉鎖とを「15回」繰り返し)、遊技者は外見から「短当たり遊技」であるか「小当たり遊技」であるかを判別することはできない。
これにより、遊技者に「短当たり遊技」であるか「小当たり遊技」であるかを推測させることができる。
なお、本実施形態では、「短当たり遊技」における開放時間と「小当たり遊技」における開放時間とを同じ開放時間(「0.052秒」)に設定し、「短当たり遊技」における閉鎖時間と「小当たり遊技」における閉鎖時間とを同じ閉鎖時間(「2秒」)に設定した例を示している。
もちろん、これに限定されることなく、「短当たり遊技」であるか「小当たり遊技」であるかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けた構成であってもよい。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルの発展当たりテーブルも、3回目の大入賞口の開放(K=3)までは、上述した短当たり遊技と小当たり遊技と同じ第2大入賞口17が同じ開閉動作を行い(第2大入賞口17が「0.052秒」の開放時間と「2.0秒」の閉鎖時間とを繰り返し)、遊技者は外見から「発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技」のいずれであるのかを判別することはできない。
しかしながら、4回目の大入賞口の開放(最大ラウンド遊技回数(R)=「2」、大入賞口の最大開放回数(K)=「1」)からは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間が長くなり(「略29秒」)、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別することができる。
このため、最初は遊技者に短当たり遊技または小当たり遊技であると認識させ、その後、遊技者に遊技球が獲得可能な大当たり遊技であると認識させる遊技(これを「発展当たり遊技」という)を行うことができる。
なお、本実施形態では、発展当たり遊技を短当たり遊技と小当たり遊技とから判別不能となる大入賞口の開放までは、発展当たり遊技の大入賞口の開放時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の開放時間と同じ開放時間(「0.052秒」)に設定し、発展当たり遊技の大入賞口の閉鎖時間を短当たり遊技と小当たり遊技との大入賞口の閉鎖時間と同じ閉鎖時間(「2秒」)に設定した。しかしながら、同じ時間に設定せずとも、発展当たり遊技、短当たり遊技、小当たり遊技のいずれであるのかを遊技者が判別不能な時間の差異を設けてもよい。
また、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の短い開放時間(「0.052秒」)、「発展当たり遊技」の前半部の短い開放時間(「0.052秒」)は、上述したように遊技球が1個発射される時間(「略0.6秒」)よりも短いため、第2大入賞口用可動片17bが作動したとしても、第2大入賞口17に入賞することが困難である。
このため、「短当たり遊技」と「小当たり遊技」の開放態様、「発展当たり遊技」の前半部の開放態様は遊技者にとって「不利な開放態様」といえる。
一方、「長当たり遊技」の長い開放時間(「略29秒」)、「発展当たり遊技」の後半部の長い開放時間(「略29秒」)は、遊技球が1個発射される時間(「略0.6秒」)よりも長いため、遊技者にとって「有利な開放態様」といえる。
また、図9(a)に示す大当たり用の大入賞口開放態様決定テーブルによれば、長当たり遊技、短当たり遊技、発展当たり遊技に関わらず、全ての大当たりのときの最大ラウンド遊技回数(R)を同一の回数に設定している。このため、従来のようにラウンド遊技回数を識別させるための表示装置を設ける必要がなくなる。
図10は、後述するように特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数(U1またはU2)、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。
そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが特定される。この変動パターン指定コマンドの一例を図11に示す。
したがって「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果及び特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値及び特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0から99)に設定されている。
ここで、特別図柄の変動パターン指定コマンドは、コマンドの分類を識別するため「1バイト」分のMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示す「1バイト」分のDATAデータとから構成されている。
そして、MODEデータとして「E6H」であるときには第1始動口14に遊技球が入賞したことに対応する(第1特別図柄表示装置20の)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示し、MODEデータとして「E7H」であるときには、第2始動口15に遊技球が入賞したことに対応する(第2特別図柄表示装置21)特別図柄の変動パターン指定コマンドを示している。
また、この図10に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルは、大当たりの判定結果がハズレの場合であって時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が「2」のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて「95%」の確率で変動時間が「3000ms」の変動パターン「9」(短縮変動)が決定される。それに対して、非時短遊技状態であるときには、変動時間が「3000ms」を超える変動パターンが決定される。
このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
以上に示すようなテーブルを主制御基板110のメインROM110bに記憶している。
続いて、主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
このときの記憶領域の例として、例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、第1大入賞口16および第2大入賞口17の大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。
この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、十字キー検出スイッチ36a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータ(後述する演出パターン指定コマンド等)をランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、第1液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34、第2液晶表示装置37に所定の演出を実行させるためのデータ(後述する演出パターン指定コマンド等)を特定する。そして、特定したデータ(演出パターン指定コマンド等)を画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
このときの変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターン指定コマンドを特定する際に用いるテーブルの一例を図11に示している。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄38の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。
このときの演出パターン決定テーブルには、大当たり抽選がリーチ状態にあってそのリーチ状態におけるリーチ演出において大当たり抽選結果が、「ハズレ」であることを示唆させた後に、復活して大当たり抽選結果が「大当たり」となった演出を行う演出パターン(復活大当たり演出パターン)を記憶しているほか、遊技状態(遊技モード)を切り替える演出の演出パターン等を記憶している。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120は、図11に示すような演出パターン決定テーブル等を用いて演出パターン指定コマンドを作成してランプ制御基板140や画像制御基板150へと送出する。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
図11は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37において表示する演出図柄38の変動態様を決定するための演出パターン決定テーブルを示す図である。
図11(b)は、演出制御基板120が画像制御基板150から所定の時間を計時した通知を受け付けることによって移行し、その時間から一定時間経過したことの通知を受け付けることによって終了する演出モード(「特定演出モード」)において決定される変動演出パターンおよび演出パターン指定コマンドを示すテーブルである。
それに対して、図11(a)は、図11(b)に示す特定演出モードへと移行した状態以外の状態(「非特定演出モード」)において決定される変動演出パターンおよび演出パターン指定コマンドを示すテーブルである。
図11(a)および図11(b)に示す変動パターン指定コマンドは、主制御基板110から受信した情報であって、また、演出用乱数値1(0から99)は、乱数発生器(図示せず)によって発生された演出に用いられる乱数値であって、これらの情報を元に、サブCPU120aが変動演出パターン(およびその変動演出パターンにおける演出パターン指定コマンド)を決定するものである。
この図11では、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドをサブCPU120aが受信した場合であっても演出用乱数値1に基づいて異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、演出制御基板120で記憶する変動演出パターンに比べて主制御基板110で記憶する特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させている。
これにより、主制御基板110における記憶容量の削減を図ることができるとともに、バリエーション豊富な演出が可能となる。
この「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出内容(第1液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34、第2液晶表示装置37)における具体的な演出態様をいう。例えば、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37においては、この変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄38の変動態様が決定される。
また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せの一部が停止表示され、他の演出図柄38が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄38の組合せとして「777」の3つの演出図柄38の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄38が「7」で停止表示され、残りの演出図柄38が変動表示を行っている状態を「リーチ」という。
このようにして、変動パターン指定コマンドおよび演出用乱数値1を元に、サブCPU120aが変動演出パターンを決定すると、サブCPU120aは、この変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを特定して画像制御基板150の液晶制御CPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、「1コマンド」が2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため「1バイト」分のMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す「1バイト」分のDATAデータとから構成される。
また、図11(a)に示す変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、「非特定演出モード」の場合であって、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、さらに、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
また、図11(b)に示す変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、「特定演出モード」の場合であって、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「Z1H」で設定され、さらに、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「Z2H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」等があり、サブCPU120aは、この各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
続いて、図4に示す払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。
この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。
また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。
このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、装飾装置33aを動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記第1液晶表示装置31および音声出力装置32および第2液晶表示装置37が接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37における画像の表示制御や、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
この画像制御基板150は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示する演出画像の画像表示制御を行うため液晶制御CPU150a、液晶制御RAM150b、液晶制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、RTC装置154、画像制御部(VDP(Video Display Processor))2000(以下、「VDP2000」と称する)、音声出力装置32から音情報を出力する制御を行う音制御回路3000を備えている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から受信した「演出パターン指定コマンド」に基づいて後述するディスプレイリストを作成し、このディスプレイリストをVDP2000に対して送信することによってCGROM151に記憶されている画像データを第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に表示させる指示を行う。
この画像制御基板150では、2つの非同期の計数装置(このほか、「計数機」、「数取器」、「カウンタ」とも称される)を有している。
一方の計数装置は、演出に用いられる第1カウンタ値(以下、「フレームカウンタ値」と称する)を計数する第1計数装置150d(「第1カウンタ制御装置」若しくは「フレームカウンタ制御装置」とも称され、以下では「フレームカウンタ150d」と称する)であって、他方の計数装置は、フレームカウンタ150dにおいて計数する計数間隔(計数幅)とは異なる計数間隔で第2カウンタ値(以下では「RTCカウンタ値」と称する)を計数するRTC装置154(「第2計数装置154」とも称する)である。
このフレームカウンタ150dは、液晶制御CPU150aが具備している。また、RTC装置154は、画像制御基板150が具備しており、このRTC装置154と液晶制御CPU150aとはバスを介して接続されている。
もちろん、この構成は一例であって、フレームカウンタ150dを液晶制御CPU150aに接続した構成としてもよいし、RTC装置154を液晶制御CPU150aが具備していてもよい。
さらに、RTC装置154は、画像制御基板150が備えるのではなく、演出制御基板120が具備していてもよい。この場合、後述するように、RTCカウンタ値に基づく演出時間情報を画像制御基板150における演出制御CPU150aの液晶制御RAM150bで記憶するのではなく、演出制御基板120のサブRAM120cにおいて記憶する。
このときのフレームカウンタ150dは、後述する電源基板170からの電力供給を受け付けることにより、電力が供給されていない状態(電断状態)から電力が供給された状態(通電状態)へと復帰する際に、後述するRTC装置154において不揮発性メモリに記憶されたRTCカウンタ値を元に、演出に用いられる演出時間情報を所定の演出時間情報へと更新する「電断対応処理」を行う。
この所定の演出時間情報は、一定時間内の電断状態である場合に、電断状態とならずに通電状態が継続したとしたときに計時される演出時間情報(本演出時間情報)を示しており、電断対応処理によってこの本演出時間情報を液晶制御RAM150bに記憶させることが可能となる。なお、この電断対応処理の詳細については後述する。
次に、フレームカウンタ150dは、後述する電源基板170からの電力供給を受け付けると、そのときからのフレームカウンタ値を計数するものであって、この電源基板170からの電力の供給が停止されると、フレームカウンタ値の計数を停止する。
これに対して、RTC装置154は、電池やコンデンサなどの内部電源を備えており、フレームカウンタ150dとは異なり電源基板170による電力の供給が停止されることによっても内部電源を利用してRTCカウンタ値を継続して計数する。
また、このRTC装置154は、フレームカウンタ150dへの電源基板170からの電力供給状態を監視しており、フレームカウンタ150dを具備する液晶制御CPU150aからの電力供給状態の変更が通知されるとこれを検知して電断状態からの復帰における「電断復帰処理」を行う。
この「電断復帰処理」は、電力供給状態の変更を検知し、この検知によって電力供給状態が変更された際のRTCカウンタ値を不揮発性メモリに登録して記憶する処理である。この電断復帰処理の詳細については後述する。
このときの不揮発性メモリは、RTC装置154において設けられたメモリ領域(図示せず)若しくは画像制御基板150上に設けられたメモリ領域(図示せず)のいずれかであって、電力供給しない状態としても情報を記憶し続けるメモリを示すものである。
このことから、フレームカウンタ150dは、電源基板170による電力供給状態に応じてフレームカウンタ値の計数処理が実行若しくは停止されるものであるが、RTC装置154は、電源基板170による電力供給状態の如何に直接的に関わらずRTCカウンタ値の計数処理が行われることを示している。
この液晶制御CPU150aが具備するフレームカウンタ150dは、水晶発振器152において発生させるVブランク割込信号に基づく所定の割込タイミング(後述する「演出処理タイミング通知信号受信時」)をVDP2000から受信したときにフレームカウンタ値を計数する。
すなわち、Vブランク割込信号が発生するたびにVDP2000から「演出処理タイミング通知信号」が通知されることで、フレームカウンタ150dは、フレームカウンタ値を計数するほか、所定回数のVブランク割込信号が発生したときにVDP2000によって通知される「演出処理タイミング通知信号」を受け付けることによりフレームカウンタ値を計数するようにしてもよい。
また、RTC装置154は、高周波モジュールである水晶振動体(「水晶振動子」とも称する)による発振周波数(例えば、32768Hz)に基づいてRTCカウンタ値を計数するRTC(Real Time Clock)であって、計数したRTCカウンタ値をRTCカウンタ値レジスタ(以下では、「時刻情報記憶部」とも称している)へと記憶する。
このRTCカウンタ値レジスタに記憶される情報は、RTCカウンタ値である時刻情報となる。RTCカウンタ値レジスタは、時刻情報を構成する時刻構成情報(時、分、秒など)ごとの詳細なレジスタによって構成されている。RTC装置154に、水晶振動体を用いることでフレームカウンタ150dに比べて高精度でRTCカウンタ値を計数することが可能となる。
上記に示す例では、RTC装置154によって計数されるRTCカウンタ値が時刻情報としているが、これに限定されることなく、RTC装置154は、所定の時間間隔を示すRTCカウンタ値を計数することによって時刻情報を設定するような構成とし、結果として、時刻情報を計時するようなものであってもよい。
このとき、液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dとRTC装置154は、相互通信が可能であって、フレームカウンタ150dは、RTC装置154へとRTCカウンタ値を要求することにより、RTC装置154からRTCカウンタ値として時刻情報を読み取る。
また、RTC装置154は、「アラート機能」を有している。このRTC装置154は、RTCカウンタ値を計数することによりフレームカウンタ150dに対してRTCカウンタ値の読み取りを指示する(アラート機能)。そして、この読み取り指示を受け付けたフレームカウンタ150dは、RTC装置154へとRTCカウンタ値を要求することによってそのRTCカウンタ値を読み取る。
RTC装置154において計数したRTCカウンタ値は、演出に用いられる時刻情報(時間情報)であって「演出時間情報」として登録される。
このRTC装置154において計数されるRTCカウンタ値は、フレームカウンタ150dが意図しない状態で演出時間情報が登録されて不定となることを防止するために、フレームカウンタ150dがホストとなって「演出時間情報」として管理する必要がある。
よって、RTC装置154がフレームカウンタ150dに対してRTCカウンタ値を出力するのではなく、フレームカウンタ150dが、RTC装置154において計数したRTCカウンタ値の読み取りを行うことで演出時間情報として記憶する。
このようにしてRTCカウンタ値を読み取ったフレームカウンタ150dは、読み取ったRTCカウンタ値で後述する液晶制御RAM150bにおいて記憶する「演出時間情報」を更新する。
この演出時間情報は、液晶制御CPU150aにおける処理および演出制御基板120によって行われる演出制御処理において用いられる情報である。
フレームカウンタ150dが液晶制御RAM150bにおいて記憶する演出時間情報を更新するたびに、液晶制御CPU150aは、その演出時間情報が、液晶制御ROM150cにおいて記憶している特定演出に関する情報が対応付けられた時間情報となったかを判定する。
その演出時間情報が特定演出に関する情報が対応付けられた時間情報となったと判定することにより、液晶制御CPU150aは、特定演出が行われる特定演出モードを液晶制御RAM150bに設定する。さらに、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120へと特定演出モードとなったことを通知する。
なお、上記において示すように、RTCカウンタ値に基づく演出時間情報を、演出制御基板120のサブRAM120cにおいて記憶する場合、演出制御CPU150aは、サブRAM120cから演出時間情報を読み出して処理を行うこととなる。
このときの特定演出が対応付けられた時間情報は、液晶制御ROM150cで記憶しており、その時間情報を計時することにより行われる特定演出の演出内容に関する情報が対応付けられている。
演出制御基板120では、液晶制御CPU150aから特定演出モードが設定されたことが通知されると、特定演出モードに関するモードフラグ情報をサブRAM120cに設定記憶する。
演出制御基板120では、サブRAM120cに特定演出モードに関するモードフラグ情報が設定されていることにより、この特定演出モードに関するモードフラグ情報が設定されていない状態において変動演出パターンを決定するテーブルとは異なるテーブルを用いて変動演出パターンを決定する。
すなわち、特定演出モードに関する情報がサブRAM120cに設定されていない状態では、図11(a)に示す変動演出パターン決定テーブルを用いて画像制御基板150へと出力する演出パターン指定コマンドを決定するのに対して、特定演出モードに関するモードフラグ情報がサブRAM120cに設定されている状態では、図11(b)に示す変動演出パターン決定テーブル(特定演出モード用)を用いて画像制御基板150へと出力する演出パターン指定コマンドを決定する。
このときの液晶制御ROM150cに記憶された特定演出は、例えば、キャラクタによる楽曲公演を行う演出であって、遊技球を用いて行われる特典の抽選遊技における演出とは異なる演出である。
このときの特定演出は、遊技球を用いて行われる特典の抽選遊技における演出と連動して行われるものではないものであって、特典の抽選遊技の抽選結果とは関係しない演出である。
ただし、特典の抽選遊技における演出と特定演出とは共通のコンテンツ(題材)を用いることができ、この場合、特典の抽選遊技における演出とは異なる種類の興趣性を提供することができ、その特典の抽選遊技における演出をより盛り上げることとすることができる。
演出時間情報がその特定演出に対応付けられた時間情報となり、特定演出として楽曲公演が行われる状態で、演出制御基板120から特定演出モードにおける演出パターン指定コマンドを受信した液晶制御CPU150aは、例えば、図35に示すような演出画像を表示する。
図35に示す演出画像は、画像表示領域上部に楽曲公演に基づく楽曲公演演出画像を表示するものであり、演出制御基板120から特定演出モードにおける演出パターン指定コマンドに基づく演出画像(図35に示す例では、ドット変動表示画像)を画像表示領域下部に表示するものである。
このときの演出画像の表示形態は、遊技における図柄の変動状態や特定演出モードとなったタイミングに応じて異なるものであって、図34にこれらの状態に対する演出画像の表示形態の一例を示し、後述する。
画像制御基板150の液晶制御CPU150aでは、演出制御基板120から図11(b)に示す変動演出パターン決定テーブル(特定演出モード用)を用いて決定した演出パターン指定コマンドを受信すると、その演出パターン指定コマンドに基づいてディスプレイリストを作成してそのディスプレイリストをVDP2000へと送出する。
液晶制御RAM150bにおいて記憶している時間情報として、例えば、12個の時間を記憶している場合における演出モードの状態を図33(a)に示している。すなわち、フレームカウンタ150dが更新した「演出時間情報」がこれらの時間情報となることによって、特定演出モードにおける特定演出が行われることになる。
この図33(a)に示す例では、液晶制御ROM150cに、「10時29分」、「11時29分」、「12時29分」、「13時29分」、「14時29分」、「15時29分」、「16時29分」、「17時29分」、「18時29分」、「19時29分」、「20時29分」、「21時29分」の12個の時間情報を記憶している例を示している。
このときの特定演出は、図33(b)に示すように、指定した時間情報となってからの最初の60秒間で特定演出モードにおける公演告知モードとして「スタンバイ演出(「事前特定演出」や「公演告知演出」ともいう)」を行う。そして、そのスタンバイ演出が終了すると(特定演出モードとなってから1分が経過すると)、特定演出モードにおける楽曲公演モードとして「楽曲公演演出」が行われる。
このときの楽曲公演演出は、上述するように、キャラクタを用いて行われる楽曲公演を行う演出であって、キャラクタのダンス映像データおよび音データが報知される。
図33(b)に示す例では、60秒間のスタンバイ演出が終了後、継続して300秒間の楽曲公演演出を行っている。このときのスタンバイ演出として、例えば、楽曲公演演出が行われるまでの残り時間をカウントダウンする画像を表示する演出である。
液晶制御CPU150aが演出制御基板120に対して特定演出モードとなったことを通知してからその特定演出モードが終了するまでの特定演出において表示される特定演出画像(スタンバイ演出に基づく演出画像および楽曲公演演出に基づく演出画像)と、特定演出モードにおいて演出制御基板120から送出されてきた演出パターン指定コマンドに基づいて表示する演出画像とを表示した例を図34に示している。
このときの図34において示している表示形態は、演出状態(特定演出モードにあるか否か、特定演出モードにある場合には公演告知モードにあるか楽曲公演モードであるか)に応じて決定され、その決定された表示形態で表示する表示制御が行われる。
液晶制御CPU150aは、さらに、音制御回路3000にも、演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる指示を行う。
液晶制御RAM150bは、液晶制御CPU150aに内蔵されており、液晶制御CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、液晶制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
このとき液晶制御RAM150bに記憶する情報として、所定時間を計時することによって行われる特定演出を実行するために用いられる「演出時間情報」がある。
また、液晶制御ROM150cは、マスクROM等で構成されており、液晶制御CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報、特定演出に関する特定演出情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定した情報等などの情報を記憶している。
このアニメーション情報の一例を図13に示し、以下で説明する。
また、液晶制御ROM150cに記憶する特定演出情報は、特定演出を行う特定演出モードの時間情報とその時間情報となることによって行う特定演出に関する情報(映像データ、音データ等からなるムービーデータ)からなり、さらに、その特定演出におけるスタンバイ演出(事前特定演出)の「スタンバイ演出時間情報(日付、時刻情報)」および楽曲公演演出の「楽曲公演演出時間情報(日付、時刻情報)」を対応付けた構成であってもよい。
液晶制御CPU150aでは、画像制御基板150において演出画像を第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示させるときの表示形態を決定する際に用いる「演出状態情報」を、フレームカウンタ150dがRTC装置154から読み出したRTCカウンタ値における時刻情報を用いて決定し、その演出状態情報を液晶制御RAM150bへと記憶する。
このときの演出状態情報は、スタンバイ演出時間情報による時間を計時後、楽曲公演演出時間情報による時間を計時するまでのスタンバイ演出状態にあることを示すスタンバイフラグ情報、楽曲公演演出時間情報による時間を計時してからその楽曲公演演出が終了する終了時間を計時するまでの楽曲公演演出状態にあることを示す楽曲公演演出フラグ情報によって構成される。
すなわち、液晶制御CPU150aは、スタンバイ演出時間情報を計時するとスタンバイ演出状態であることを示すスタンバイフラグ情報を「有効(ON)」に設定し、この状態で、楽曲公演演出時間情報を計時すると楽曲公演演出状態であることを示す楽曲公演演出フラグ情報を「有効(ON)」に設定する。
これにより、スタンバイフラグ情報が「有効(ON)」となっている場合若しくは楽曲公演演出フラグ情報が「有効(ON)」となっている場合、画像制御基板150において「特別演出モード」となっていることを示している。
このときスタンバイフラグ情報と楽曲公演演出フラグ情報のいずれか少なくとも一方が「有効(ON)」となっているような場合、すなわち、「特定演出モード」となっている場合、上述するように、図11(a)に示すような変動演出パターン決定テーブルに代えて、図11(b)に示すような特定演出モードにおける変動演出パターン決定テーブルを用いて画像制御基板150に対して演出パターン指定コマンドを出力する。
また、液晶制御CPU150aでは、特定演出の終了時間を計時することによりこれらのフラグ情報(「スタンバイフラグ情報」および「楽曲公演演出フラグ情報」)全てを「無効(OFF)」と設定(初期設定)する。これにより、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120へと演出状態情報として、「特別演出モード」以外の演出モードである「非特定演出モード」を通知する。
これにより、演出制御基板120は、画像制御基板150における演出状態情報(非特定演出モード)を受け付けて記憶する。
このとき、図11(b)に示すような特定演出モード用の変動演出パターン決定テーブルに代えて、図11(a)に示すような変動演出パターン決定テーブルを用いて画像制御基板150に対して演出パターン指定コマンドを出力する。
汎用基板39は、画像制御基板150と、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37との間に設けられ、画像データを表示させる際に所定の画像形式に変換して出力するブリッジ機能を有している。
この汎用基板39は、画像データを表示する第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37の性能に対応する画像形式に変換するブリッジ機能を有しており、例えば、SXGA(1280ドット×1080ドット)の19インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときと、XGA(1024ドット×768ドット)の17インチのメイン液晶を第1液晶表示装置31として接続したときとの解像度の違い等を吸収する。
続いて、CGROM151は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32ピクセル×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、この画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
このCGROM151は、VDP2000によって画像データ単位で読み出しが行われ、このフレームの画像データ単位で画像処理が行われる。
さらに、CGROM151には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM151は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器152は、約16.6ミリ秒ごとにパルス信号(Vブランク割込信号)をVDP2000に出力し、VDP2000が、このパルス信号を分周することで制御を行うためのシステムクロック、第1液晶表示装置31や第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。また、このVRAM153は、図12に示すようなメモリマップによって構成されている。
図12は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において用いるフレームバッファの構成を示す構成図の例である。
図12(a)は、第1液晶表示装置31若しくは第2液晶表示装置37のいずれかを用いて画像データを表示する場合であって、特に、第1液晶表示装置31のみが画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、図4に示しているように第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37が接続された構成でなく、この第2液晶表示装置37を有していない場合の構成におけるメモリマップである。
図12(a)に示すメモリマップは、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域によって構成されている。
画像データ展開領域153bは、VDP2000に含まれる後述するような伸長回路により伸長された画像データを記憶する領域であって、ディスプレイリスト記憶領域153aは、液晶制御CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶する領域である。
また、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153dは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第1液晶表示装置31に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
ちなみに、その他の領域には、例えば、パレットデータ等が記憶される。
なお、このメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
図12(b)は、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37の両表示装置に画像制御基板150から受信した画像データを表示するような構成である場合、すなわち、図4に示しているように第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37が接続された構成におけるメモリマップである。
この図12(b)においても、図12(a)に示すメモリマップと同様、任意領域からなる画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域を具備し、さらに、サブ液晶用第1フレームバッファ153e、サブ液晶用第2フレームバッファ153fを具備して構成されている。
画像データ展開領域153b、ディスプレイリスト記憶領域153a、メイン液晶用第1フレームバッファ領域153c、メイン液晶用第2フレームバッファ領域153d、その他領域については、上記に示すと同様であり、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fは、ディスプレイリスト記憶領域153aに記憶しているディスプレイリストに基づいて第2液晶表示装置37に表示する演出画像を描画するための作業領域である。
なお、このサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fの2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。すなわち、一方のフレームバッファが描画用フレームバッファとして機能しているときには他方のフレームバッファが表示用フレームバッファとして機能することとなる。
以上に示す以外にも、第2液晶表示装置37を有しない構成、すなわち、第1液晶表示装置31のみを有する構成であっても、図12(b)に示すような第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37のフレームバッファを有するメモリマップを用いることも可能である。
この場合、サブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのフレームバッファは作業領域として用いられることはない。
続いて、VDP2000は、いわゆる画像プロセッサであり、液晶制御CPU150aからの指示に基づいて、第1液晶表示装置31についてはメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cとメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dとのいずれか、第2液晶表示装置37についてはサブ液晶用第1フレームバッファ153eとサブ液晶用第2フレームバッファ153fのいずれか、のフレームバッファのうち「表示用フレームバッファ」から画像データを読み出す。
そして、読み出した画像データに基づいて、映像信号(LVDS信号やRGB信号等)を生成して、第1液晶表示装置31および/または第2液晶表示装置37に出力して表示させるものである。
このVDP2000は、図示しない制御レジスタ、CGバス I/F、CPU I/F、クロック生成回路、伸長回路、描画回路、表示回路、メモリコントローラを備えており、これらはバスによって接続されている。
制御レジスタは、VDP2000が描画や表示の制御を行うためのレジスタであり、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。液晶制御CPU150aは、CPU I/Fを介して、制御レジスタに対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタは、VDP2000が動作するために必要な基本的な設定を行う「システム制御レジスタ」と、データの転送に必要な設定をする「データ転送レジスタ」と、描画の制御をするための設定をする「描画レジスタ」と、バスのアクセスに必要な設定をする「バスインターフェースレジスタ」と、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする「伸長レジスタ」と、表示の制御をするための設定をする「表示レジスタ」との6種類のレジスタを備えている。
CGバス I/Fは、CGROM151との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/Fを介して、CGROM151からの画像データがVDP2000に入力される。
また、CPU I/Fは、液晶制御CPU150aとの通信用のインターフェース回路であり、このCPU I/Fを介して液晶制御CPU150aがVDP2000にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP2000からの各種の割込信号を液晶制御CPU150aに入力したりする。
データ転送回路は、各種デバイス間のデータ転送を行う。具体的には、液晶制御CPU150aとVRAM153とのデータ転送、CGROM151とVRAM153とのデータ転送、VRAM153の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路は、水晶発振器152よりパルス信号(Vブランク割込信号)を入力し、VDP2000の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介して同期信号を第1液晶表示装置31に出力する。
伸長回路は、CGROM151に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データを画像データ展開領域153bに記憶させる。
描画回路は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路は、VRAM153にあるメイン液晶用第1フレームバッファ領域153cおよびメイン液晶用第2フレームバッファ領域153dおよびサブ液晶用第1フレームバッファ153eおよびサブ液晶用第2フレームバッファ153fのうち、「表示用フレームバッファ」として機能するフレームバッファに記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示す映像信号を生成する。
そして、表示回路は、生成した映像信号を第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に出力する回路である。さらに、この表示回路は、第1液晶表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力し、第2液晶表示装置37と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も出力する。
メモリコントローラは、液晶制御CPU150aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを相互に役割を切り替える制御を行うものである。
音制御回路3000には、音声データが多数格納されている音声ROM(図示せず)が備えられており、音制御回路3000が、演出制御基板120から送信された音声出力指示のコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御をする。
図13は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において用いるアニメーション情報を示す図である。
図13(a)に示すアニメパターンは、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37に表示する演出画像を構成する構成情報であるオブジェクト等のほか、その演出画像の表示を行うタイミングや場面であるシーンが指定された情報であって、演出に際して表示する演出画像を成形する画像成形情報である。
このアニメパターンが1または複数、束ねられることによってグループ(以下、「アニメグループ」ともいう)を形成しており、例えば、図13(a)では、背景のアニメーションを表示するための背景グループ、予告Aに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Aグループ、予告Bに用いるキャラクタのアニメーションを表示するための予告Bグループ、リーチキャラクタのアニメーションを表示するためのリーチグループ、大当り演出のアニメーションを表示するための大当り演出グループ、演出図柄38のアニメーションを表示するための演出図柄グループを示している。
もちろん、これらはグループの一例を示したものに過ぎず、その他多数のグループが設けられているものである。
このアニメグループは、液晶制御ROM150cに記憶されている。
液晶制御CPU150aは、演出制御基板120におけるサブCPU120aから演出パターン指定コマンドを受信し、この演出パターン指定コマンドに基づいて実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
図13(b)から図13(d)および図13(e)は、図11に示す演出パターン決定テーブルにおいて指定された演出パターン指定コマンドのうち、「A1H07H」の演出パターン指定コマンドを受信したときに、決定されるアニメパターンの一例を示している。
この演出パターン指定コマンド(A1H07H)は、図11の変動パターン指定コマンドテーブルに示す通り、通常変動演出を「変動演出パターン7」の変動演出パターンによって行うことを指示するコマンドであって、例えば、その通常変動演出を行う際に用いる構成要素が属するアニメグループであって、変動演出に用いられる役割ごとに別けたアニメグループの少なくとも1つを特定するものである。
すなわち、液晶制御ROM150cには、演出パターン指定コマンドとその演出パターン指定コマンドの演出パターンに用いるアニメグループとが対応付けられたアニメグループ対応テーブル(図示せず)を記憶しておき、液晶制御CPU150aでは、このアニメグループ対応テーブルを用いて演出パターン指定コマンドに対して用いるアニメグループを決定する。
例えば、変動演出パターン「7」に対応する演出パターン指定コマンド(A1H07H)を受信すると、液晶制御CPU150aは、「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ、演出図柄グループ」の4つのグループを決定し、これら各アニメグループからアニメパターンの決定を可能とする。
一例として、背景グループから「アニメパターン1」を決定し、予告Aグループから「アニメパターン11」を決定し、予告Bグループから「アニメパターン21」を決定し、演出図柄グループから「アニメパターン501」を決定する。
このアニメパターンは、図13(b)から図13(d)および図13(e)に示すように、アニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序や表示する表示装置を指定した情報等を記憶している。
例えば、図13(e)に示す演出図柄グループのアニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「サブ液晶(第2液晶表示装置37)」が指定されていることから、1番目にアニメシーン501が実行され、このアニメシーン501に続いて2番目にアニメシーン511が実行されて、サブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
液晶制御RAM150bには、1フレーム毎に計数して更新する「シーン切換カウンタ」を有しており、1番目のアニメシーン501を実行している間にこの「シーン切換カウンタ」が540を計数することによって、2番目のアニメシーン511へとアニメシーンが切り替わる。
そして、2番目のアニメシーン511を実行している間に「シーン切換カウンタ」によって「60」(60フレーム分)を計数されると、演出図柄グループのアニメパターンのアニメシーンが終了する。
なお「1フレーム」とは、表示装置の更新タイミング(垂直同期信号の更新タイミング)であって、例えば、第1液晶表示装置31が1秒間に60フレームを表示する場合には、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されて行く。
上記の例では、「1/60秒(約16.6ms)」ごとに1フレームが更新されていく例を示しているが、これに限定されることなく、「1/30秒(約33.3ms)」ごとに1フレームが更新されていくような構成であってもよい。この場合、表示装置は1秒間に30フレームを表示することとなる。
また、各アニメシーンには、アニメシーン情報が記憶されており、アニメーション情報として、1フレーム毎に更新されるウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法、演出画像を表示する表示装置を指定する情報等などを記憶している。
例えば、図13(e)に示すアニメシーンでは、最初に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が所定の座標(第1図柄は座標(x30、y30)、第2図柄は座標(x40、y40)、第3図柄は座標(x50、y50)、第4図柄は座標(x60、y60))に20フレーム(約0.33秒)分、表示され続ける。
その後、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が別の座標(第1図柄は座標(x31、y31)、第2図柄は座標(x41、y41)、第3図柄は座標(x51、y51)、第4図柄は座標(x61、y61))に15フレーム(約0.25秒)分、表示され続ける。
以降も同様に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が予め定められたフレーム分、指定された座標に表示され続けていくと、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄が移動して表示していくようなアニメーションとなる。
また、図13(b)から図13(d)に示す「背景グループ、予告Aグループ、予告Bグループ」の各アニメパターンでは、表示する表示装置を指定した情報において「メイン液晶(第1液晶表示装置31)」が指定されており、背景グループでは図13(b)に示すようにアニメシーン1が「600」フレーム実行され、予告Aグループでは図13(c)に示すようにアニメ−シーン0が「120」フレーム実行された後にアニメシーン11が「180」フレーム実行され、予告Bグループでは図13(d)に示すようにアニメシーン0が「180」フレーム実行された後にアニメシーン21が「240」フレーム実行されて、メイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンの演出画像が表示されることとなる。
以上のようなことから、図13(b)から図13(d)に示すように「背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21と」の複数のアニメパターンが決定されてこれらのアニメパターンのアニメーションが時系列に並列して実行されることでメイン液晶(第1液晶表示装置31)にアニメパターンに基づく演出画像が表示され、図13(e)に示すように、「演出図柄グループからはアニメパターン501」のアニメパターンが決定され、このアニメパターンのアニメーションが実行されることでサブ液晶(第2液晶表示装置37)にアニメパターンに基づく演出画像が表示される。
これによって、第1液晶表示装置31の表示領域には、アニメパターンの開始から終了に至るまで、背景としてBG1(山)とBG2(雲)の画像が表示され続け、アニメパターンの開始から2秒(120フレーム)後にキャラAの予告表示のアニメーションを行う画像が3秒(180フレーム)表示され、アニメパターンの開始から3秒(180フレーム)後に、キャラBの予告表示のアニメーションを行う画像が4秒(240フレーム)表示される。
なお、これらの画像は、第1液晶表示装置31の表示領域に重複して表示されることになり、最初に描画された画像は、後に描画された画像によって上書きされて画像として視認できない状態となる。
さらに、第2液晶表示装置37の表示領域には、演出図柄の通常変動表示のアニメーションを行う画像が9秒間(540フレーム)行われ、その後1秒間(60フレーム)(停止時間)の仮停止表示のアニメーションを行う画像が表示される。なお、第2液晶表示装置37には演出図柄のみを表示する例を示しているが、これに限定することなく、例えば、第1液晶表示装置31において表示した背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して表示するようにしてもよい。
図14は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの例であって、表示する表示装置ごとのディスプレイリストの例を示している。
図14(a)は、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第1ディスプレイリストの一例であり、図14(b)は、第2液晶表示装置37において表示する演出画像を成形するための画像成形情報である第2ディスプレイリストの一例である。
液晶制御CPU150aにおいて、上記で説明した図13に示すようなアニメーション情報を元にアニメパターンを決定すると、第1液晶表示装置31および第2液晶表示装置37それぞれに表示する所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)にディスプレイリストをそれぞれ生成する。すなわち、表示装置の数に応じて単位フレームごとにディスプレイリストが生成されることとなる。
液晶制御CPU150aは、このようにして生成したディスプレイリストそれぞれをVDP2000に出力する。
ここで、ディスプレイリストの生成方法は、液晶制御CPU150aが、現在のフレームを示す「フレームカウンタ」と、決定されたアニメパターン(アニメシーン)とに基づいて、現在のフレーム数におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを、各アニメグループの優先順位(描画順序)に従って生成することで現在のフレーム数におけるディスプレイリストが生成される。
以下に、第1液晶表示装置31において表示する演出画像を構成するディスプレイリストの例を示す。
図14(a)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには最も低い「優先順位9」のデータが対応づけられ、予告Aグループには「優先順位8」のデータが対応づけられ、予告Bグループには「優先順位7」のデータが対応づけられ、・・(中略)・・、大当り演出グループには最も高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。
また、図14(b)では、上記の図13(a)に示すアニメグループの優先順位として、背景グループには優先順位の低い「優先順位2」のデータが対応づけられ、演出図柄グループには優先順位の高い「優先順位1」のデータが対応づけられているものとする。この図14(b)に示す例では、上記において、背景グループからなるアニメパターン1と演出図柄グループからはアニメパターン501とを時系列的に並行して第2液晶表示装置37に表示する場合におけるディスプレイリストの例を示している。もちろん、背景グループからなるアニメパターン1のみを表示するような場合には演出図柄グループのアニメシーン501のみを指定したディスプレイリスト、すなわち、図14(b)のアニメグループのカラムで「背景グループ」が指定されているレコードを含まないディスプレイリストとする。
そして、図14(a)では、上記の図13(b)から図13(d)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、予告Aグループからはアニメパターン11と、予告Bグループからはアニメパターン21との複数のアニメパターンが決定されたものとし、図14(b)では、上記の図13(e)に示すように、背景グループのアニメパターン1と、演出図柄グループからはアニメパターン501との複数のアニメパターンが決定されたものとする。
次に、第1液晶表示装置31に表示する演出画像に対応するディスプレイリストとして、最も低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1から、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで最も高い優先順位のアニメグループ(大当り演出グループ)までの描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(a)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
次に、第2液晶表示装置37に表示する演出画像に対応するディスプレイリストとして、低い優先順位のアニメグループ(背景グループ)のアニメパターン1と、現在のフレームカウンタ(現在のフレーム数)におけるアニメシーンの内容に従った描画制御コマンドを順次生成していき、決定したアニメグループのうちで高い優先順位のアニメグループ(演出図柄グループ)との描画制御コマンドが生成されると、最後に描画終了コマンドを生成することによって図14(b)に示すようなディスプレイリストを完成させる。
この図14(a)および図14(b)に示すようなディスプレイリストは、液晶制御CPU150aが必要なデータを参照しながら生成される。
このように、所定単位のフレーム毎(1フレーム毎)に描画制御コマンド群をまとめた表示装置ごとのディスプレイリスト(第1ディスプレイリストおよび第2ディスプレイリスト)を、液晶制御CPU150aがVDP2000に出力することによってVDP2000を構成する描画回路がディスプレイリストごとに演出画像を描画する描画処理を行い、描画処理された演出画像を対応する表示装置(第1液晶表示装置31若しくは第2液晶表示装置37)に表示する。
続いて、以下では、図15から図24までの全10図を用いて、本発明の実施の形態における遊技機において行われる各種の処理について説明する。
図15は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、メインCPU110aは、初期化処理を行う(S1501)。この初期化処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じてメインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されているフラグなどの初期化を行う処理を行う。
続いて、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う(S1502)。
そして、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う(S1503)。
このような処理が行われると、電源が遮断される電断処理が行われたかを判断し(S1504)、電断処理が行われるまで(S1504でNO)は割り込み処理が行われることによって演出用乱数値更新処理(S1502)以降を繰り返し行う。また、電断処理が行われると(S1504でYES)処理を終了する。
図16は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる(S1601)。
メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う(S1602)。
メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う(S1603)。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタをインクリメント(単位数加算)して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを「0(ゼロ)」に戻してその時の初期乱数値「0(ゼロ)」からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
続いて、メインCPU110aは、S1503と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う(S1604)。
メインCPU110aは、入力制御処理を行う(S1605)。
この入力制御処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。
具体的には、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15aからの各種検出信号を入力した場合には、それぞれの入賞口毎に設けられた賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
さらに、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
同様に、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力した場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1を加算し、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得した各種乱数値を第2特別図柄乱数値記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
また、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶する。
さらに、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aからの検出信号を入力した場合には、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新する。
次に、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う(S1606)。続いて、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う(S1607)。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
そして、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
そして、メインCPU110aは、払出制御処理を行う(S1608)。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、それぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う(S1609)。
メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う(S1610)。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。
メインCPU110aは、S1601で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる(S1611)。
図17は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われる特図特電制御処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、特図特電処理データの値をロードし(S1701)、ロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照する(S1702)。
このとき、特図特電処理データが「0(ゼロ)」であれば、特別図柄記憶判定処理を行い(S1703)、また、特図特電処理データが「1」であれば、特別図柄変動処理を行い(S1704)、さらに、特図特電処理データが「2」であれば、特別図柄停止処理を行う(S1705)。
また、特図特電処理データが「3」であれば、大当たり遊技処理を行い(S1706)、特図特電処理データが「4」であれば、大当り遊技終了処理を行い(S1707)、特図特電処理データが「5」であれば小当り遊技処理を行う(S1708)。
この「特図特電処理データ」は、特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
このときの特別図柄記憶判定処理として、メインCPU110aは、大当たり判定処理、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄決定処理、特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定処理等を行う。この特別図柄記憶判定処理の詳細な流れを図18を用いて説明する。
図18は、本発明の実施の形態における遊技機の主制御基板110で行われる特別図柄記憶判定処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定する(S1801)。
そして、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていなければ(S1801でNO)、特図特電処理データが「0(ゼロ)」を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば(S1801でYES)、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う(S1802)。
具体的には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、第1特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各種乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。このときにも、既に第0記憶部に書き込まれていた各種乱数値は上書きされて消去されることとなる。そして、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
本実施形態では、第1特別図柄乱数値記憶領域よりも第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶された乱数値が優先してシフト(消化)されることになる。
これに限定されることなく、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
次に、メインCPU110aは、停止表示する特別図柄の種類を決定するための特別図柄決定処理を行う(S1803)。
この特別図柄決定処理では、上記大当り判定処理(S1802)において、「大当たり」と判定された場合には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄を決定する。
また、上記大当り判定処理(S1802)において、「小当たり」と判定された場合には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄を決定する。
さらに、上記大当り判定処理(S1802)において、「ハズレ」と判定された場合には、ハズレ図柄を決定する。
以上のようにして決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
次に、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間決定処理を行う(S1804)。
具体的には、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶されたリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。その後、決定した特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を決定する。そして、決定した特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。
メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。
これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、上記の処理によってLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータが出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
さらに、メインCPU110aは、特別図柄の変動表示が開始されるとき(S1805)に、決定された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動パターン指定コマンド(第1特別図柄用変動パターン指定コマンドまたは第2特別図柄用変動パターン指定コマンド)をメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
メインCPU110aは、「特図特電処理データ=0」から「特図特電処理データ=1」にセットして(S1806)、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行って特別図柄記憶判定処理を終了する。
図19は、本発明の実施の形態における遊技機の演出制御基板120で行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
まず、サブCPU120aは、初期化処理を行う(S1901)。
この初期化処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化して設定する処理を行う。
次に、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う(S1902)。
この演出用乱数更新処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。
続いて、電源が遮断される電断処理が行われたかを判断し(S1903)、電断処理が行われるまで(S1903でNO)は、所定の割込み処理が行われるまで演出用乱数更新処理以降を繰り返し行う。また、電断処理が行われた場合(S1903でYES)には処理を終了する。
図20は、本発明の実施の形態における遊技機の演出制御基板120で行われるタイマ割込処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例である。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させ(S2001)、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う(S2002)。
次に、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う(S2003)。
このコマンド解析処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図21および図22を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、受信したコマンドの解析処理が行われる。
サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35a、十字キー検出スイッチ36aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行い(S2004)、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う(S2005)。
そして、サブCPU120aは、S1810で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる(S2006)。
図21は、本発明の実施の形態における遊技機の演出制御基板120で行われるコマンド解析処理の詳細な流れを示すフローチャートの一例であって、図22は、図21に示すコマンド解析処理の続きを示すフローチャートである。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する(S2101)。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければ(S2101でNO)、コマンド解析処理を終了する。また、受信バッファにコマンドがあれば(S2101でYES)続いて、受信バッファに格納されているそのコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する(S2102)。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば(S2102でYES)、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う(S2103)。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドでもなければ(S2102でNO)、続いて、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する(S2104)。
受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば(S2104でYES)、その特別図柄記憶指定コマンドを解析して第1液晶表示装置31及び/又は第2液晶表示装置37に表示させる特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う(S2105)。
受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドでもなければ(S2104でNO)、続いて、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する(S2106)。
受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば(S2106でYES)、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、第1液晶表示装置31及び/又は第2液晶表示装置37に停止表示させる演出図柄38を決定する演出図柄決定処理を行う(S2107)。
この演出図柄決定処理は、具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄38の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データを示している停止図柄指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
このとき、サブCPU120aは、さらに、上記において示すように更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う(S2108)。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドでもなければ(S2106でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する(S2109)。
受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば(S2109でYES)、サブCPU120aは、更新されている演出用乱数値1から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値1、受信した変動パターン指定コマンド及び演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う(S2110)。
その後、かかる演出パターンに基づいて、第1液晶表示装置31、音声出力装置32、装飾装置33a、演出用照明装置34、第2液晶表示装置37が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄38の変動態様が決定されることとなる。
受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドでもなければ(S2109でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する(S2111)。
受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば(S2111でYES)、サブCPU120aは、演出図柄38を停止表示させるために演出図柄を停止表示させるための停止指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う(S2112)。
受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドでもなければ(S2111でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する(S2113)。
受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであれば(S2113でYES)、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域に設定する(S2114)。
受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドでもなければ(S2113でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを確認する(S2115)。
受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであれば(S2115でYES)、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う(S2116)。
具体的には、オープニングコマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドでもなければ(S2115でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、第1大入賞口16及び/又は第2大入賞口17の開放を指示する大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する(S2117)。
受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであれば(S2117でYES)、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う(S2118)。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドでもなければ(S2117でNO)、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを確認する(S2119)。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであれば(S2119でYES)、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う(S2120)。
具体的には、エンディングコマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
また、いずれのコマンドでもない場合(S2119でNO)には、本処理を終了することによってコマンド解析処理を終了する。
次に、図23は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われるメイン処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
電源基板170により電源が供給されると、液晶制御CPU150aにシステムリセットが発生し、液晶制御CPU150aは、以下に示すようなメイン処理を行う。
液晶制御CPU150aは、初期化処理を行う(S2301)。
この初期化処理において、液晶制御CPU150aは、電源投入に応じて、液晶制御ROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、液晶制御CPU150aの各種モジュールやVDP2000の初期設定を指示する。
ここで、液晶制御CPU150aは、VDP2000の初期設定の指示として、(1)VDP2000を構成する表示回路に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に「1」をセットしたり)、(2)VDP2000を構成する伸長回路に使用頻度の高い画像データ(演出図柄38等の画像データ)をVRAM153の画像データ展開領域153bに伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、(3)VDP2000を構成する描画回路に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
続いて、液晶制御CPU150aは、描画実行開始処理を行う(S2302)。
この描画実行開始処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP2000に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。
すなわち、電源投入開始時には上記のステップ(S2301)で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS2050で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
次に、液晶制御CPU150aは、演出制御基板120から送信された演出パターン指定コマンド(液晶制御RAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出パターン指定コマンド解析処理を行う(S2303)。
なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出パターン指定コマンド解析処理は、受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されていなければ、継続して行うが、受信バッファに演出パターン指定コマンドが記憶されていれば、新たな演出パターン指定コマンドを読み込む処理を行う。読み込んだ演出パターン指定コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
そして、アニメパターンを決定すると、読み込んだ演出パターン指定コマンドを送信バッファから消去する。
次に、液晶制御CPU150aは、アニメーション制御処理を行う(S2304)。
このアニメーション制御処理において、後述する、更新される上記の「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」と、上記に示すような処理によって決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
これにより、液晶制御CPU150aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していき、ディスプレイリストの生成が完了することによってそのディスプレイリストをVDP2000に出力する(S2305)。なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP2000におけるCPU I/F2030を介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域153aに記憶される。
そして、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する(S2306)。
ここで、FB切換えフラグは、図24(b)で後述するように、「1/60秒(約16.6ms)」毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
FB切換えフラグが「01」であれば(S2306でYES)、液晶制御CPU150aは、FB切換えフラグを「00」に設定して(S2307)(FB切換えフラグをオフにして)処理を終了する。
それに対して、FB切換えフラグが「00」であれば(S2306でNO)、FB切換えフラグが「01」になるまで待機をする。
次に、図24は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われる割込処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。
なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図24を用いて説明を行うが、コマンド受信割込処理については、上記において説明をした通りであることから図示は省略する。
図24(a)は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われる描画終了割込処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
VDP2000は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、液晶制御CPU150aに描画終了割込信号を出力する。
液晶制御CPU150aは、VDP2000から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する
描画終了割込処理においては、液晶制御CPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(S2401)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
図24(b)は、本発明の実施の形態における遊技機の画像制御基板150において行われるVブランク割込処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
画像制御基板150を構成する水晶発振器152は、「1/60秒(約16.6ms)」毎にパルス波形のVブランク割込信号(垂直同期信号)を発生させ、このVブランク割込信号を検知したVDP2000が所定のタイミングにおいて液晶制御CPU150aに対してそのVブランク割込信号に基づく「演出処理タイミング通知信号」を出力する。
これにより、液晶制御CPU150aでは、VDP2000からVブランク割込信号に基づく「演出処理タイミング通知信号」を受信し、この演出処理タイミング通知信号を受け付けることによって演出を行うために割込処理を行う。この割込処理による割込タイミングに演出処理が行われることとなる。
なお、VDP2000が「演出処理タイミング通知信号」を液晶制御CPU150aに対して出力する所定のタイミングとは、発生させたVブランク割込信号に基づいて決定される。
画像制御基板150によって行われる割り込み処理として、まず、液晶制御CPU150aは、「シーン切換えカウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを既存の値から単位数量だけ更新する処理を行う(S2402)。
続いて、液晶制御CPU150aは、これらの各種カウンタを更新する処理を行うと、「描画終了フラグ」に「01」が設定されているか否かを判断する(S2403)。この「描画終了フラグ」は、直前のフレームにおける演出画像の描画処理が終了しているか否かを判断するフラグ情報である。
液晶制御CPU150aは、「描画終了フラグ」が「01」であると判定する場合(S2403でYES)、すなわち、フレームにおける演出画像の描画が終了していると判断する場合には、「描画終了フラグ」に「00」を設定する(S2404)。
それに対して、「描画終了フラグ」に「01」が設定されていない場合(S2403でNO)、すなわち、フレームにおける演出画像の描画が終了していないと判断する場合には、今回のVブランク割込処理を終了する。これは、VDP2000からVブランク割込信号に基づく演出処理タイミング通知信号を受信したとしても、液晶制御CPU150aにおいて直前のフレームにおける演出画像の描画処理が終了していなければ以降の割り込み処理が行われないことを示している。
そして、直前のフレームにおける演出画像の描画が終了しており、「描画終了フラグ」に「00」が設定される(S2404)と、続いて、液晶制御CPU150aは、VDP2000を構成するメモリコントローラに対して、「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示とともに「演出処理タイミング通知信号」を出力する(S2405)。
この「演出処理タイミング通知信号」は、液晶制御CPU150aにおける演出処理タイミングを通知する信号である。
そして、液晶制御CPU150aは、「FB切換えフラグ」に「01」を設定し(FB切換えフラグをオンにし)(S2406)、待機状態を解除してVブランク割込処理を終了する。
これによって、液晶制御CPU150aでは、VDP2000のメモリコントローラに対して切替後の描画用フレームバッファに演出制御基板120から受信した演出パターン指定コマンドに対応するフレーム単位の演出画像の生成を指示する。
これにより、VDP2000では、CGROM151に記憶しているその演出画像を構成する画像情報を読み出してVRAM153上の描画用フレームバッファにフレームからなる演出画像を記憶する。
このほか、VDP2000では、水晶発振器152によって発生されたVブランク割込信号を検出しても直前にVブランク割込信号を検出したときに液晶制御CPU150aに対して演出処理タイミング通知信号を通知している場合には当該Vブランク割込信号のときには演出処理タイミング通知信号の通知を行わないようにし、反対に、直前にVブランク割込信号を検出したときに液晶制御CPU150aに対して演出処理タイミング通知信号を通知していない場合には当該Vブランク割込信号のときには演出処理タイミング通知信号の通知を行うこととしてもよい。
これは、例えば、VDP2000においてVブランク割込信号を検出したときに割込フラグが「有効(ON)」となっていることから演出処理タイミング通知信号を液晶制御CPU150aに通知し、その後、その割込フラグを「有効(ON)」から「無効(OFF)」と設定する。続いて、次のVブランク割込信号を受信したときには割込フラグが「無効(OFF)」と設定されていることから演出処理タイミング通知信号を液晶制御CPU150aに対して通知せずに割込フラグを「有効(ON)」と設定することによって、一回おきに(間隔をあけて)演出処理タイミング通知信号を通知することができるようになる。
図25は、本発明の実施の形態における遊技機において行われる信号処理の詳細な流れを示すタイミングチャートを示す図である。
図25は、画像制御基板150が構成する、フレームカウンタ150d、VDP2000、RTC装置154における処理のタイミングチャートである。
RTC装置154は、上述するように、内部電源を搭載していることから工場出荷時に電源投入されてから継続してRTCカウンタ値を計数している状態にある。このときのRTC装置154は、「1秒単位」でRTCカウンタ値を計数するものであって、日付情報のほか、時刻情報を有する。
図25に示す例では、「23時24分50秒」、「23時24分51秒」、「23時24分52秒」、「23時24分53秒」、「23時24分54秒」をそれぞれRTCカウンタ値として計時した例を示しており、RTCカウンタ値レジスタ(時刻情報記憶部ともいう)には、各時間情報における「時、分、秒」が記憶されることとなる。
また、VDP2000は、水晶発振器152によって「約16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出し、Vブランク割込信号を検出した所定のタイミングで「演出処理タイミング通知信号」をフレームカウンタ150dに通知している例を示している。
図25に示す例では、VDP2000は、水晶発振器152によって「約16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号の2回に1回に「演出処理タイミング通知信号」をフレームカウンタ150dに通知する例を示している。すなわち、VDP2000では、およそ「33ms(ミリ秒)」(より正確には33.3ms(ミリ秒))ごとに液晶制御CPU150aに演出処理タイミング通知信号を通知していることとなる。
よって、フレームカウンタ150dでは、この演出処理タイミング通知信号の通知を受けることによってフレームカウンタ値を計数することとなり、このフレームカウンタ150dを具備する液晶制御CPU150aは、「33ms(ミリ秒)」ごとに1フレーム当たりの演出画像を描画して表示させる処理を行う。
また、演出処理タイミング通知信号が通知されてフレームカウンタ150dがフレームカウンタ値を計数すると、液晶制御CPU150aでは、演出制御基板120から通知された演出パターン指定コマンドに基づく演出画像を表示させるためのディスプレイリストの生成処理およびこのディスプレイリストに基づく演出画像の表示指示をVDP2000へと行う。
このときの液晶制御CPU150aで行われる処理時間およびウェイト時間の様子を図25において拡大表示している。
図25に示すフレームカウンタ150dは、RTC装置154において「23時24分50秒」を計数したときに遊技機の電源が投入された状態にあることを示しており、電源が投入されることにより、画像制御基板150へと電源供給が行われて液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dによるフレームカウンタ値の計数が開始されたことを示している。
フレームカウンタ150dは、「33ms(ミリ秒)」ごとにVDP2000から液晶制御CPU150aに対して演出処理タイミング通知信号が通知されてフレームカウンタ値を計数すると、RTC装置154に対してRTCカウンタ値レジスタに記憶しているRTCカウンタ値である時刻情報の取得要求を行う。
これにより、フレームカウンタ150dは、RTCカウンタ値レジスタからRTCカウンタ値である時刻情報を読み出し、この時刻情報で液晶制御RAM150bにおいて記憶している演出時間情報を更新する。
例えば、図25において、電源投入から「990ms」を経過したときにVDP2000がフレームカウンタ150dに演出処理タイミング通知信号を通知することで、フレームカウンタ150dがフレームカウンタ値を計数すると、このフレームカウンタ150dは、RTC装置154によって計数するRTCカウンタ値として「23時24分50秒」の時刻情報を読み出し、この時刻情報で演出時間情報を更新する。このとき、演出時間情報として「23時24分50秒」が設定された状態にあることを示している。
この更新後の演出時間情報は、直前の演出処理タイミング通知信号が通知されたことによって読み出した演出時間情報から変更されているものではない。これは、RTC装置154が直前のRTCカウンタ値の更新タイミングから単位時間(1秒)を経過しておらず、RTC装置154が新たなRTCカウンタ値を計数していないことによるものである。
それに対して、電源投入から「1023ms」を経過したときにもVDP2000がフレームカウンタ150dに演出処理タイミング通知信号を通知してフレームカウンタ値を計数すると、フレームカウンタ150dは、RTC装置154によって計数するRTCカウンタ値として「23時24分51秒」の時刻情報を読み出し、この時刻情報で演出時間情報を更新する。
この更新後の演出時間情報は、直前の演出処理タイミング通知信号が通知されたときに読み出したRTCカウンタ値における時刻情報「23時24分50秒」とは異なるRTCカウンタ値における時刻情報が読み出されて演出時間情報が更新されることとなる。これは、RTC装置154が直前のRTCカウンタ値の更新タイミングから単位時間(1秒)を経過してRTC装置154により新たなRTCカウンタ値を計数していることによるものである。
これにより、RTC装置154によってRTCカウンタ値が更新されてからそのRTCカウンタ値で液晶制御RAM150bの演出時間情報が更新されるまでの乖離時間は、最大、演出処理タイミング通知信号の通知間隔となる。これは、演出処理タイミング通知信号の通知間隔でしかズレを生じないことを示している。特に、上記のように「33ms(ミリ秒)」ごとにVDP2000が演出処理タイミング通知信号をフレームカウンタ150dに通知しているような場合には遊技者にとってその時間間隔(33ms)を感じることは難しい。
これによって、演出時間情報は、RTC装置154によって計数したRTCカウンタ値に基づいて決定されることとなる。
図36に示すように、複数の遊技機が設置されたホール等において、これらの遊技機に対して同時に電力を供給する通電処理を行うと、各遊技機における液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dにおけるフレームカウンタ値の開始タイミングが揃うこととなる。
よって、液晶制御CPU150aが具備するフレームカウンタ150dによるフレームカウンタ値の計数タイミングが各遊技機でずれていても(誤差が生じていても)、RTC装置154によって計数したRTCカウンタ値に基づく時刻情報で更新した演出時間情報を用いて、液晶制御CPU150aが演出に基づく演出画像を表示させることができるようになる。
このことから、ホール等に設置した遊技機の電源投入時間(電源基板170からの電力供給を開始する開始時間)を同時にすれば、液晶制御CPU150aが具備するフレームカウンタ150dによるフレームカウンタ値の計数タイミングが時間経過によってずれたとしても、液晶制御RAM150bに記憶する演出時間情報は、フレームカウンタ値の計数タイミングの間隔でしかずれないこととなる。
上記においても示しているように、このフレームカウンタ値の計数タイミングの間隔は遊技者にとってズレを感じない程度の誤差となることから複数の遊技機において、各遊技機間で相互に同期する処理を行うことなく、略同じタイミングを計時することができるようになる。
したがって、この演出時間情報に対して全ての遊技機で同じ特定演出を設定すれば、全ての遊技機において略同じタイミングでその特定演出が行われることとなる。
図26は、本発明の実施の形態における遊技機に搭載されたフレームカウンタ150dにおける詳細な構成を示す図である。
図26において、フレームカウンタ150dは、初期化処理部150d1、演出時間情報記憶部150d2、更新処理制御部150d3、読み取り制御部150d4、割込信号検出部150d5、タイミング制御部150d6、回数情報記憶部150d7、電断復帰処理部150d8を具備して構成される。
電源基板170から画像制御基板150に電力が供給されると、初期化処理部150d1が通電信号を受け付け、この初期化処理部150d1は、電断復帰処理部150d8に対して通電されたことを通知する。
これにより、電断復帰処理部150d8は、電力供給が遮断された状態から通電された状態とへ復帰させる際に、その電断されていた時間情報(「電断継続時間」と称する)を考慮して演出時間情報を新たに設定して復帰させる電断復帰処理を行う。
以下に、この電断復帰処理について詳細に説明する。
電断復帰処理部150d8は、後述する図27に示すような構成からなるRTC装置154において不揮発性メモリに、電断された際にそのRTC装置154が計数したRTCカウンタ値が登録されて記憶している状態にあるか否かを判断する。不揮発性メモリにRTCカウンタ値が登録されていない場合にはRTCカウンタ値を用いた特定演出(上記においては楽曲公演演出)が行われていない状態にあることを示している。
これは、後述する図31に示すようなフローチャートにおける処理に示すように、RTCカウンタ値を用いた特定演出(上記においては楽曲公演演出)を行っている場合に、RTCカウンタ値を不揮発性メモリに登録するためである。
それに対して、不揮発性メモリにRTCカウンタ値が登録されている場合、すなわち、RTCカウンタ値を用いた特定演出(上記においては楽曲公演演出)を行っている場合にRTCカウンタ値を不揮発性メモリに登録している場合には、電断された状態が継続した「電断継続時間」を算出する。
この電断継続時間の算出処理は、電断処理によって不揮発性メモリに記憶されたRTCカウンタ値と、電断処理後に内部電源を用いてRTC装置154によって計数され、電源基板170からの電力供給が開始されたタイミングに計数したRTCカウンタ値との差分データを算出する処理である。
続いて、電断復帰処理では、この電断継続時間が、予め指定された一時的な電断処理によるものであると判断するための時間情報(最大カウンタ値)を満たすかを判断する。
この電断継続時間が最大カウンタ値における時間情報以下であって、この時間情報を満たすと判断する場合には、メンテナンスや障害対応等による一時的な電断であると判断することができることを示したものであることから、この電断継続時間を、電断された際に液晶制御RAM150b(不揮発性メモリの一種)において記憶している演出時間情報に加算することで、電断が行われなかったと仮定した場合において計時する演出時間情報を算出する。
さらに、この電断復帰処理では、続いて、電断継続時間の電断開始タイミングと電断終了タイミングとのタイミング情報に基づいて特定演出の実行状態を設定して記憶する特定演出実行状態記憶処理を行う。
この特定演出実行状態記憶処理は、楽曲公演演出等の特定演出を行う時間情報として液晶制御RAM150bにおいて記憶したその特定演出を行う1または複数の時間情報ごとに対応付けられた、各時間情報に特定演出を実行したか否か(実行有無)の情報を記憶する処理である。
すなわち、液晶制御RAM150bでは、予め指定された指定日に対して特定の楽曲公演演出を行う1または複数の時間情報を記憶した状態にあって、その各時間情報に楽曲公演演出の実行有無の状態を対応付けて記憶している。
図37には、楽曲公演演出の演出タイミングと、電断継続時間における電断開始タイミングおよび電断終了タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。
図37において、図37(a)乃至図37(d)に示すタイミングチャートは、電断継続時間が一時的な電断であると判断する時間(1時間(60分))以内である場合におけるタイミングチャートであって、図37(e)に示すタイミングチャートは、電断継続時間が一時的な電断であると判断する時間(1時間(60分))を超える場合におけるタイミングチャートである。
まず、図37(a)に示すタイミングチャートは、2回分の楽曲公演演出が示されているとともに、最初の(1回目の)楽曲公演演出の演出終了タイミング後であって1回目の楽曲公演演出に続いて行われる2回目の次楽曲公演演出の演出開始タイミング前に、電断状態となったことを示したタイミングチャートである。
すなわち、電断状態の電断継続時間の電断開始タイミングは、最初の(1回目の)楽曲公演演出の演出終了タイミング後であり、電断継続時間の電断終了タイミングが、1回目の楽曲公演演出に続いて行われる2回目の次楽曲公演演出の演出開始タイミング前であることを示している。このことから、図37(a)では、いずれの楽曲公演演出の演出時間と電断継続時間とが重畳することがない状態を示したものである。
よって、この図37(a)に示すような場合には、楽曲公演演出等の特定演出の実行有無の情報を変更して設定することは不要である。
次に、図37(b)に示すタイミングチャートは、電断継続時間の電断開始タイミングが、楽曲公演演出の演出開始タイミング前であって、電断継続時間の電断終了タイミングが、楽曲公演演出の演出開始タイミング後でありその楽曲公演演出の演出終了タイミング前までである場合の例を示したタイミングチャートである。
すなわち、電断復帰処理によって算出された算出後の演出時間情報が、液晶制御ROM150cで記憶している、楽曲公演演出等の特定演出を行う演出開始タイミングを経過していると判断できることから、この特定演出実行状態記憶処理において、その演出開始タイミングにおける特定演出の演出実行状態を未完了から完了済へと設定して記憶する。
また、図37(d)に示すタイミングチャートは、図37(b)に示すタイミングチャートと類似し、電断継続時間の電断開始タイミングについては図37(b)に示すタイミングチャートにおける電断開始タイミングと同様であるが、電断継続時間の電断終了タイミングが楽曲公演演出の演出終了タイミング後まで継続していた例を示すタイミングチャートである。
この図37(d)では、電断継続時間が一時的な電断であると判断する時間(1時間(60分))以内であって、電断継続時間の電断開始タイミングが楽曲公演演出の演出開始タイミング前であることから、電断継続時間の電断終了タイミングは、その楽曲公演演出に続いて行われる次楽曲公演演出の演出開始タイミング前である。
この図37(d)に示すようなタイミングチャートにおいても、図37(b)に示すタイミングチャートと同様に、特定演出実行状態記憶処理において、その楽曲公演演出(電断継続時間内に行われる予定であった楽曲公演演出)の演出実行状態を未完了から完了済へと設定して記憶する。
次に、図37(c)に示すタイミングチャートは、電断継続時間の電断開始タイミングが、楽曲公演演出の演出開始タイミング後であり楽曲公演演出の演出終了タイミング前であって、電断継続時間の電断終了タイミングが、楽曲公演演出の演出終了タイミング後まで、電断継続時間となっている場合の例を示したタイミングチャートである。
この図37(c)に示すようなタイミングチャートにおいて、電断継続時間の電断開始タイミングにおいて行われている楽曲公演演出は、この楽曲公演演出の演出開始タイミングに当該楽曲公演演出の演出実行状態を未完了から完了済へと設定して記憶していることから、電断継続時間の電断終了タイミングにおいて、演出実行状態を変更して設定することは不要である。
そして、図37(e)に示すタイミングチャートは、電断継続時間が一時的な電断であると判断する時間(1時間(60分))を超える場合におけるタイミングチャートであることから、楽曲公演演出を行うことが指定された指定日における全ての楽曲公演演出を未完了から完了済へと設定して記憶する。
この図37に示すように、電断復帰処理によって楽曲公演演出等の特定演出における実行状態を管理した状態となる。
続いて、電断復帰処理では、上記の演出時間情報の算出処理によって算出した演出時間情報であって、上記の電断継続時間を電断された際に液晶制御RAM150bで記憶している演出時間情報に加算して算出された新たな演出時間情報を、その液晶制御RAM150bへと上書き更新する。
そして、この電断復帰処理では、不揮発性メモリを初期状態へと更新する初期化処理を行う。この初期化処理によって、不揮発性メモリにRTCカウンタ値が登録されていない状態となる。
なお、この電断復帰処理において、算出した電断継続時間が最大カウンタ値における時間情報を超えるものであって、この時間情報を満たさない判断する場合には、メンテナンスや障害対応等による一時的な電断ではないことを示したものであることから、液晶制御RAM150bにおいて記憶している特定演出を行う時間情報における全ての特定演出を未完了から完了済へと設定して記憶する。そして、上記と同様に、不揮発性メモリにRTCカウンタ値が登録されていない状態とする初期化処理を行う。
このような電断復帰処理が行われると、続いて、画像制御基板150を構成する液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dにおける初期化処理部150d1は、演出時間情報記憶部150d2で記憶する演出時間情報の初期化処理を行う。
この初期化処理は、演出時間情報記憶部150d2を初期値設定するとともに、RTC装置154において計測するRTCカウンタ値を演出時間情報として演出時間情報記憶部150d2へと記憶させる処理である。
後者のRTCカウンタ値を演出時間情報記憶部150d2へと記憶させる処理では、初期化処理部150d1が読み取り制御部150d4へとRTCカウンタ値の読み取り要求を行い、これにより読み取り制御部150d4がRTC装置154からRTCカウンタ値を読み取る。
具体的には、図27を用いて後述する時刻情報記憶部154dからRTCカウンタ値として時刻情報のほか、日付情報を読み取り、読み取ったこれらのRTCカウンタ値を更新処理制御部150d3へと送出する。
これにより、更新処理制御部150d3は、初期化処理におけるRTCカウンタ値の更新処理として読み取り制御部150d4によって読み取ったRTCカウンタ値の時刻情報および日付情報を演出時間情報記憶部150d2に記憶する。このときの日付情報は、初期化処理によってのみ読み取られる情報の一例を示している。
このような初期化処理が行われた状態となり、割込信号検出部150d5によってVDP2000によって出力された演出処理タイミング通知信号を検出すると、割込信号検出部150d5は、タイミング制御部150d6へと演出処理タイミング通知信号を検出したことを通知する。
タイミング制御部150d6は、割込信号検出部150d5から演出処理タイミング通知信号を受信すると、フレームカウンタ値を計数して演出処理タイミングを決定するタイミング制御を行う。
このタイミング制御部150d6は、割込信号検出部150d5から演出処理タイミング通知信号を受信するとフレームカウンタ値を計数して演出処理タイミングとする。すなわち、演出処理タイミング通知信号を受信してフレームカウンタ値を計数したときが演出処理タイミングとなる。
このほか、このタイミング制御部150d6では、タイミングフラグ情報を設定しておき、演出処理タイミング通知信号を受信したときのタイミングフラグが「有効(ON)」となっている時に演出処理タイミングとする。この演出処理タイミング通知信号を受信すると、タイミングフラグを「有効(ON)」から「無効(OFF)」へと変更する。
また、タイミングフラグが「有効(ON)」となっておらず「無効(OFF)」となっているとき、タイミング制御部150d6は、演出処理タイミング通知信号を破棄するとともにタイミングフラグを「無効(OFF)」から「有効(ON)」へと変更する。
タイミング制御部150d6によって演出処理タイミングが決定されると、タイミング制御部150d6は、読み取り制御部150d4に対してRTCカウンタ値の読み取りを指示する。
読み取り制御部150d4は、RTC装置154からRTCカウンタ値の読み出しを行う。具体的には、図27に示すRTC装置154の時刻情報記憶部154dに記憶している時刻情報であるRTCカウンタ値の読み出しを行う。この場合、初期化処理とは異なる読み取り処理であることからRTCカウンタ値のみが読み取られることになる。
このとき、読み取り制御部150d4では、直前のRTCカウンタ値の読み取り処理が行われてRTCカウンタ値によって演出時間情報が更新されたときに設定される更新フラグが「有効(ON)」となってから、演出処理タイミングであると通知された回数を計数し、その回数が予め指定された回数以上となったかを判断する。
その予め指定された回数に満たない場合における演出処理タイミング通知である場合にはRTCカウンタ値の読み取り処理は行われず、回数情報記憶部150d7に通知された回数を記憶する。それに対して、予め指定された回数を満たす場合における演出処理タイミング通知である場合には、読み取り制御部150d4は、それまでに計数した回数情報記憶部150d7に記憶する回数情報を初期化して更新フラグを「無効(OFF)」へと変更してRTC装置154から時刻情報であるRTCカウンタ値を読み取る。
これにより、読み取り回数を軽減することができるとともに、確実に時刻情報を読み取ることが可能となる。
このようにしてRTCカウンタ値をRTC装置154から読み取ると、読み取り制御部150d4は、更新処理制御部150d3へとRTCカウンタ値を送出する。
これにより、更新処理制御部150d3は、読み取り制御部150d4からRTCカウンタ値における時刻情報を受信すると、演出時間情報記憶部150d2で記憶する演出時間情報を読み出し、RTCカウンタ値における時刻情報と演出時間情報とを比較する。
RTCカウンタ値における時刻情報と演出時間情報とが異なると判断する場合、更新処理制御部150d3は、読み出したRTCカウンタ値における時刻情報で、演出時間情報記憶部150d2によって記憶している演出時間情報を上書き更新する。そして、更新処理制御部150d3は、演出時間情報が更新されたことを示す更新フラグを有効化(更新フラグを「有効(ON)」に設定)する。
それに対して、RTCカウンタ値における時刻情報と演出時間情報とが同一であると判断する場合、更新処理制御部150d3は、RTCカウンタ値における時刻情報で演出時間情報を更新せずに、受信したRTCカウンタ値を破棄する。
もちろん、更新処理制御部150d3は、同一である場合であっても、読み取り制御部150d4から受信したRTCカウンタ値における時刻情報を常に演出時間情報として上書き更新するような構成であってもよい。
このようにして演出時間情報記憶部150d2で記憶する演出時間情報は、液晶制御CPU150aにより特定演出に際して用いられる情報である。
図27は、本発明の実施の形態における遊技機に搭載されたRTC装置154における詳細な構成を示す図である。
図27において、RTC装置154は、水晶振動体154a、RTCカウンタ値更新部154b、情報保持部154c、時刻情報記憶部154d、電断対応処理部154eを具備して構成されており、図示しない内部電源を用いてRTCカウンタ値の更新処理を行う。この内部電源は、電源基板170からの電力供給を受けることにより蓄電するような蓄電装置であってもよい。
工場出荷時の電源投入や遊技機のセットアップが行われると、水晶振動体154aは、所定の発振周波数(例えば、32768Hz)の発振を開始する。この水晶振動体154aは、高周波モジュールであって「水晶振動子」とも称される。
水晶振動体154aによる発振周波数の発振は、RTCカウンタ値更新部154bへと通知される。
これにより、RTCカウンタ値更新部154bは、所定の発振周波数を発振した旨の通知を受け付けた状態となり、情報保持部154cにおいて保持する直前の時刻情報を元にRTCカウンタ値を更新する。電源投入等から初めてRTCカウンタ値を更新する場合には情報保持部154cにおいて保持する初期時刻情報を記憶するものである。
続いて、RTCカウンタ値更新部154bは、RTCカウンタ値を更新するとその更新後のRTCカウンタ値である時刻情報を時刻情報記憶部154dへと記憶する。
時刻情報記憶部154dは、RAM領域からなり、RTCカウンタ値レジスタとも称される。
この時刻情報記憶部154dは、日付情報記憶領域および時刻情報記憶領域からなり、RTCカウンタ値を構成する更新後の時刻情報を時刻情報記憶領域に記憶し、その時刻情報記憶領域に記憶する時刻情報に基づく日付情報を日付情報記憶領域に記憶する。
この時刻情報記憶部154dは、液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dからの読み取り処理によって読み出されるRTCカウンタ値における時刻情報を記憶する。
なお、図26に示すフレームカウンタ150dの読み取り制御部150d4からの読み取り要求に応じて、時刻情報記憶部154dの日付情報記憶領域に記憶している日付情報および時刻情報記憶領域に記憶している時刻情報は、少なくとも一方が読み出されるものである。
より詳細には、フレームカウンタ150dにおいて初期化処理における読み取りでは、これらの情報(時刻情報および日付情報)が読み取られ、初期化処理以外の読み取りでは時刻情報のみが読み出される。
さらに、電断対応処理部154eでは、電源基板170からの電力供給が切断されたこと(電断されたこと)を液晶制御CPU150aから受け付けると、内部電源を用いてこの電断に対応する処理を行う。
このとき、電断対応処理部154eにおいて行われる電断対応処理について詳細に説明する。
この電断対応処理において、電断対応処理部154eは、まず、RTCカウンタ値更新部154bでRTCカウンタ値の更新に用いる、内部電源により供給される電力量を調整する処理を行う。この調整処理では、RTCカウンタ値の更新に用いる電力量に比べて以下のような処理を行うために必要な電力量(処理量に基づいて算出される電力量や予め指定された電力量)へと供給する電力量を増減幅させる。
そして、電断対応処理部154eでは、増減幅して調整した調整後の電力量の内部電力を用いて、楽曲公演演出を行うためにRTCカウンタ値更新部154bがRTCカウンタ値を更新しているか否かを判断する処理を行う。
この判断処理によって、RTCカウンタ値を更新していない場合のほか、このRTCカウンタ値を用いて演出を行うことがない場合等のRTCカウンタ値が利用される状態にある場合には、電断されたときにRTCカウンタ値更新部154bにおいて更新したRTCカウンタ値を読み出す。
そして、電断対応処理部154eは、読み出したRTCカウンタ値を不揮発性メモリに登録して記憶させた状態とする。
このときの不揮発性メモリは、RTC装置154において設けられたメモリ領域(図示せず)若しくは画像制御基板150上に設けられたメモリ領域(図示せず)のいずれかであって、電力供給しない状態であって、情報を記憶し続ける不揮発性の記憶領域を示すものである。
これによって、電断対応処理では、電源基板170からの電力供給が切断された電断状態となったときに、RTCカウンタ値更新部154bにおいて更新したRTCカウンタ値を登録しておくことができる。
すなわち、図26に示すフレームカウンタ150dにおいて用いられる不揮発性メモリに登録されたRTCカウンタ値とは、上記のRTCカウンタ値を示すものである。
図28は、本発明の実施の形態における遊技機におけるフレームカウンタ150dにおいて行われる処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図28において、フレームカウンタ150dでは、遊技機の電源が投入され、電力が供給されて通電された状態となったかを判断する(S2800)。通電された状態となるまで(S2800でNO)は電力供給されていないことから処理を行うことができない状態にある。
また、通電された状態となると(S2800でYES)、フレームカウンタ150dは、電力供給が切断された状態から通電状態へと復帰させる「電断復帰処理」を行う(S2801)。この電断復帰処理は、フレームカウンタ150dを含む遊技機に対して電力供給が行われずに経過した電断経過時間を考慮し、その電断がされなかったとした場合に計時される演出時間情報を決定、設定して復帰させる処理である。
この電断復帰処理が行われると、フレームカウンタ150dは、フレームカウンタ値を計測したときに更新される「演出時間情報」の初期化処理を行う(S2802)。この初期化処理は、例えば、図29に示すような処理であって、電源投入時におけるRTC装置154により計数するRTCカウンタ値を時刻情報記憶部に登録して更新する処理を行う。この図29に示す初期化処理についての詳細は後述する。
このような初期化処理が行われると、フレームカウンタ150dは、水晶発振器152により発振されるVブランク割込信号に基づいてVDP2000から受け付けた演出処理タイミングでフレームカウンタ値を計数する処理を行う(S2803)。この計時処理は、上述するように、水晶発振器152によって「16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出することによってVDP2000から演出処理タイミング通知信号が通知されたときにフレームカウンタ値を計数する処理である。
この計数処理によってフレームカウンタ値が計数されると、フレームカウンタ150dは、演出処理タイミングとなったか否かを判断する(S2804)。
すなわち、「16.6ms」毎に発振されるVブランク割込信号を検出してそのたびにVDP2000から演出処理タイミング通知信号が通知される場合には、このVブランク割込信号を検出することによって検出フラグを「有効(ON)」、「無効(OFF)」で切り替え、演出処理タイミング通知信号が通知されたときに、検出フラグが「有効(ON)」となっていると演出処理タイミングとなったと判断する。反対に、演出処理タイミング通知信号が通知したときに、検出フラグが「無効(OFF)」となっていると演出処理タイミングではないと判断する。
以上に示すようにフレームカウンタ150dによって演出処理タイミングとなるまでは(S2804でNO)、引き続きフレームカウンタ値の計数処理を行う。また、フレームカウンタ150dによって演出処理タイミングとなると(S2804でYES)、演出処理タイミングとなった回数(タイミング検出回数)を計数する処理を行う(S2805)。
続いて、RTC装置154によって計数されるRTCカウンタ値による時刻情報で演出時間情報を更新したときに設定される更新フラグが「有効(ON)」となってから、予め指定された回数を計数したか否かを判断する(S2806)。
このとき予め指定された回数は、演出時間情報をRTCカウンタ値で更新してから所定回数だけフレームカウンタ150dによるRTCカウンタ値の読み取りを停止する回数である。特に、この予め指定された回数を「0(ゼロ)」とすると、演出処理タイミングとなるたびにRTCカウンタ値の読み取り処理が行われることとなる。
また、予め指定された回数を計数するまで(S2806でNO)は、演出処理タイミングとなってもフレームカウンタ150dは、RTC装置154により計数したRTCカウンタ値の読み取りを行わない。
それに対して、更新フラグが「有効(ON)」となってから、予め指定された回数を計数すると(S2806でYES)、フレームカウンタ150dは、計数したタイミング検出回数および更新フラグを初期化(リセット)する(S2807)。
この初期化処理として、タイミング検出回数を「0」とし、更新フラグを「OFF(無効)」に設定する処理が行われる。
続いて、フレームカウンタ150dは、RTC装置154によって計数したRTCカウンタ値の読み取りを行い(S2808)、読み取ったRTCカウンタ値が液晶制御RAM150bに記憶している演出時間情報と異なっているか否かを判断する(S2809)。RTCカウンタ値が演出時間情報と異なっていると判断する場合(S2809でYES)には、読み取ったRTCカウンタ値で演出時間情報を上書きして更新する(S2810)。
さらに、フレームカウンタ150dは、RTCカウンタ値で演出時間情報を更新したことを示す更新フラグを「有効(ON)」とする(S2811)。
このようにして更新フラグを「有効(ON)」とするほか、読み取ったRTCカウンタ値が液晶制御RAM150bに記憶している演出時間情報と同一であると判断する場合(S2809でNO)、フレームカウンタ150dは、次に、フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われたかを判断する(S2812)。この計数の停止処理として、例えば、電断処理がある。
フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われたと判断する場合(S2812でYES)には本フローチャートにおける処理を終了する。また、フレームカウンタ150dは、フレームカウンタ値の計数を停止する処理が行われるまで(S2812でNO)は、続いて、Vブランク割込信号を用いたフレームカウンタ値の計数処理(S2803)以降を行う。
図29は、図28に示す演出時間情報の初期化処理の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図29において、フレームカウンタ150dは、電源が投入されると処理が開始され、RTC装置154において計数するRTCカウンタ値の読み取りを行う(S2901)。
そして、フレームカウンタ150dは、液晶制御RAM150bに記憶する演出時間情報における日付情報として、RTCカウンタ値に含まれる若しくはRTCカウンタ値とともに読み取る日付情報を更新する(S2902)。また、フレームカウンタ150dは、液晶制御RAM150bに記憶する演出時間情報における時刻情報として、RTCカウンタ値に含まれる時刻情報を更新する(S2903)。
図30は、本発明の実施の形態における遊技機におけるRTC装置154において行われる処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図30において、RTC装置154は、初期設定された日付情報および時刻情報に基づくRTCカウンタ値の計時が開始されたかを判断する(S3001)。
この開始処理は、例えば、工場出荷時やホールで遊技機をセットアップした時に行われる。RTCカウンタ値の計時が開始されるまで(S3001でNO)は以降の処理は行われない。
RTCカウンタ値の計時が開始されると(S3001でYES)、続いて、RTC装置154は、単位時間の振動が行われたかを判断する(S3002)。この判断処理は、RTC装置154が水晶振動体によって構成されているときに最小単位時刻を計測するための周波数の振動が行われたか否かを判断する処理である。
単位時間の振動が行われるまで(S3002でNO)は処理を繰り返し行い、単位時間の振動が行われたと判断すると(S3002でYES)、RTC装置154は、最小単位時刻(秒、ミリ秒等)を計数する(S3003)。上記において示す例では、1秒ごとに計数していることから最小単位時刻として「1秒(=1000ミリ秒)」を計数する。
続いて、RTC装置154は、計数した最小単位時刻に基づく時刻情報でRTCカウンタ値を更新する(S3004)。
さらに、RTC装置154は、「電断対応処理」を行う(S3005)。この電断対応処理は、電源基板170からの電力供給が切断されたことにより遊技機における遊技ができない状態となったときに対応するために行う処理であって、詳細な処理の流れを図31に示しており、詳細については後述する。
そして、RTC装置154は、RTCカウンタ値の計数を停止する処理が行われたか否かを判断する(S3006)。
この判断処理によって、RTCカウンタ値の更新が停止する処理が行われた場合(S3006でYES)には、RTCカウンタ値の計数を停止して本フローチャートにおける処理を終了する。それに対して、RTC装置154は、RTCカウンタ値の計数を停止する処理が行われるまで(S3006でNO)引き続き単位時間の振動が行われたか否かの判断処理(S3002)以降を行う。
このときのRTCカウンタ値の更新が停止する処理とは、内部電源が切断された場合や規定の電力量以下の電力しか供給できない状態(電力低下状態)となったときに行われる処理である。
図31は、本発明の実施の形態における遊技機を構成するRTC装置において行われる電断対応処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
この電断対応処理は、遊技に用いられる電力の供給が停止した電断状態となったときに対応して行われる処理である。
図31において、RTC装置154は、電源基板170からの電力供給が遮断されたことを検知したか否かを判断する(S3101)。
この判断処理によって、RTC装置154は、画像制御基板150への電力供給が遮断されたかを判断することができるものであって、これにより、楽曲公演演出に用いられる液晶制御CPU150aのフレームカウンタ150dによってフレームカウンタ値を計数することができない状態となったことを検知することとなる。
また、フレームカウンタ150dのフレームカウンタ値を計数することができないことにより、楽曲公演演出に用いられる時間情報を計時することができないことを示すものであるから、指定された時間となっても楽曲公演演出が行われるものではない。
よって、電源基板170からの電力供給が遮断された電断状態を検知したことは、指定された時間となっても楽曲公演演出が行われない状態を検知したことと同等であることとなる。
RTC装置154において、電源基板170からの電力供給が遮断されたことを検知するまで(S3101でNO)は本電断対応処理については行われることない。
それに対して、RTC装置154において、電源基板170からの電力供給が遮断されたことを検知すると(S3101でYES)、RTC装置154が内部電源を用いてRTCカウンタ値の更新処理を行うために供給する供給電力量を調整する処理を行う(S3102)。
この調整処理は、RTC装置154がRTCカウンタ値の更新を行う際に用いる電力量から、後述するS3103に示す処理を行う際に必要な電力を調整する処理である。
このようにして、電断を検知したことによって内部電源による電力供給量の調整処理が行われると、RTC装置154は、電源基板170からの電力供給が切断されたことを検知したときに計数しているRTCカウンタ値を不揮発性メモリに登録する(S3103)。これにより登録されるRTCカウンタ値は、時間情報である。
また、不揮発性メモリは、RTC装置154に搭載されたものであってもよいし、画像制御基板150に設けられた構成であってもよい。
そして、RTC装置154は、上記の調整処理によって調整することによって供給される供給電力量を調整前の電力量に再調整する処理を行う(S3104)。この再調整処理は、上記の調整処理によって調整されるまでに供給していた電力量へと復帰させる処理である。
これによって、RTC装置154は、電源基板170からの電力供給が停止したことによって不揮発性メモリに、その停止時に更新したRTCカウンタ値が登録されることとなる。すなわち、停止時のRTCカウンタ値(時間情報)が判別できることを示している。
図32は、本発明の実施の形態における遊技機を構成する液晶制御CPUのフレームカウンタにおいて行われる電断復帰処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図32において、フレームカウンタ150dは、電源基板170からの電力供給が開始されたことを受け付けると(S3201)、時間情報であるRTCカウンタ値が不揮発性メモリに記憶されているか否かを判断する(S3202)。このときの不揮発性メモリは、上記において示すように、RTC装置154が搭載するほか、図示しないが画像制御基板150上に設けられた構成とすることができ、後者の場合、RTC装置154およびフレームカウンタ150dとがバス回線を介して接続されている。
フレームカウンタ150dは、不揮発性メモリにRTCカウンタ値が記憶されているか否かの判断処理(S3202)において、RTCカウンタ値が記憶されていると判断しない場合(S3202でNO)、図31に示すような電断対応処理を行っていない等によるものであることから、本電断復帰処理の詳細な流れを終了する。
それに対して、RTCカウンタ値が不揮発性メモリに記憶されていると判断する場合(S3202でYES)、すなわち、図31に示すような電断対応処理を行って電断された状態にあったことを示している場合には、フレームカウンタ150dは、続いて、液晶制御RAM150bに記憶された演出時間情報を元に、楽曲公演演出を行うために指定された指定日であるか否かを判断する(S3203)。
楽曲公演演出を行うために指定された指定日であると判断しない場合(S3203でNO)、フレームカウンタ150dは、電断の有無にかかわらず楽曲公演演出が行われないことから、本電断復帰処理の詳細な流れを終了する。このことから、楽曲公演演出は、RTCカウンタ値を用いて行う演出の一例を示すものに過ぎず、他のRTCカウンタ値を用いた演出が行われていないときにも同様の処理が行われる。
また、楽曲公演演出を行うために指定された指定日であるか否かの判断処理(S3203)において、楽曲公演演出を行うために指定された指定日であると判断する場合(S3203でYES)、フレームカウンタ150dは、続いて、不揮発性メモリに記憶したRTCカウンタ値と、RTC装置154において更新している電力供給が開始されたことを受け付けたときのRTCカウンタ値との差分データである電断継続時間を算出する(S3204)。
そして、フレームカウンタ150dは、算出した電断継続時間を用いて一時的な電断によるものであると判断するための最大カウンタ値以上であるか否かを判断する(S3205)。
まず、この電断継続時間が、一時的な電断によるものであると判断するための最大カウンタ値以上であると判断しない場合(S3205でNO)、すなわち、一時的な電断であると判断する場合について説明する。
なお、この電断継続時間は、例えば、「60分」と設定することができ、各楽曲公演演出間の時間とすることができる。
この場合、フレームカウンタ150dは、RTC装置154が内部電源を用いてカウントしているRTCカウンタ値と、不揮発性メモリに記憶しているRTCカウンタ値とに基づく電断継続時間を、液晶制御RAM150bにおいて記憶している演出時間情報に加算する(S3206)
このフレームカウンタ150dは、続いて、液晶制御RAM150bに記憶している演出時間情報(A)に電断継続時間を加算した加算後の新たな演出時間情報(B)が、楽曲公演演出を行う時間情報(C)を経過した情報であるか否かを判断する(S3207)。例えば、楽曲公演演出を行う時間情報(C)が「10時29分」であって、また、液晶制御RAM150bに記憶している演出時間情報(A)が「10時25分」であって、新たな演出時間情報(B)が「10時35分」である場合、この新たな演出時間情報(B)が楽曲公演演出を行う時間情報(C)を経過していると判断する。
演出時間情報(A)に電断継続時間を加算した加算後の新たな演出時間情報(B)が、楽曲公演演出を行う時間情報(C)を経過した情報であると判断する場合(S3207でYES)、フレームカウンタ150dは、未完了の楽曲公演演出のうち、直近の楽曲公演演出を未完了から完了済へと演出実行状態を設定する(S3208)。
上記に示す例の場合、「10時29分」に行われる予定であった楽曲公演演出を未完了から完了済へと設定することとなる。
そして、フレームカウンタ150dは、液晶制御RAM150bに記憶している演出時間情報に電断継続時間を加算した加算後の新たな演出時間情報(B)をその液晶制御RAM150bに上書き更新して設定する(S3209)。続いて、フレームカウンタ150dは、不揮発性メモリを初期化する(S3210)。
そして、フレームカウンタ150dは、この上書き更新された新たな演出時間情報(B)を初期設定情報とし、電断前と同様に、RTC装置154から時間を読み出して演出時間情報を更新していく。
なお、液晶制御RAM150bに記憶している演出時間情報(A)に電断継続時間を加算した加算後の新たな演出時間情報(B)が、楽曲公演演出を行う時間情報(C)を経過した情報であるか否かの判断処理(S3207)において、フレームカウンタ150dが、演出時間情報(A)に電断継続時間を加算した加算後の新たな演出時間情報(B)が、楽曲公演演出を行う時間情報(C)を経過した情報であると判断しない場合(S3207でNO)には、液晶制御RAM150bに記憶している演出時間情報(A)に電断継続時間を加算した加算後の新たな演出時間情報(B)をその液晶制御RAM150bに上書き更新して設定する(S3209)。
これにより、フレームカウンタ150dは、この上書き更新された新たな演出時間情報(B)を初期設定情報とし、RTC装置154から時間を読み出して演出時間情報を更新していく。(S3210)。
次に、算出した電断継続時間が、一時的な電断によるものであると判断するための最大カウンタ値以上であるか否かの判断処理(S3205)において、この電断継続時間が、一時的な電断によるものであると判断するための最大カウンタ値以上であると判断する場合(S3205でYES)、すなわち、一時的な電断でなく、ホール営業の終了や遊技機の改修等による、一時的な電断とは判断されない場合について説明する。
この場合、フレームカウンタ150dは、楽曲公演演出を行うために指定された指定日における全ての楽曲公演演出を未完了から完了済へと演出実行状態を設定する(S3211)。
続いて、フレームカウンタ150dは、不揮発性メモリを初期化する(S3212)。
そして、フレームカウンタ150dは、RTC装置154から時間情報を読み出して、読み出した時間情報である演出時間情報を液晶制御RAM150bに設定する。
すなわち、正規の電断後に行われる処理と同様の処理である。
図34は、特定演出モードと図柄変動の関係について記載したタイミングチャートの一例を示す図である。このときの図柄変動とは、大当たり抽選処理に用いられる演出図柄が変動した状態(抽選処理状態)にあることを示す。
まず、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が公演告知モード中に終了した場合について説明する。
図34(a)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が公演告知モード中に終了した場合の演出表示例を示す。
図34(a)に示すように、遊技機の液晶制御CPU150aは、通常の遊技演出モード中に図柄変動を開始することによって図柄変動表示を行う。
この液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動表示では、例えば、演出図柄38の変動表示や変動用の演出表示画面等の表示を行う。そして、液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動中に公演告知モードの開始時刻となってもそれまでの図柄変動における演出表示を継続する。
また、液晶制御CPU150aは、公演告知モードの開始時刻となると、演出制御基板120に公演告知モードとなったことを通知する。演出制御基板120は、この公演告知モードの通知により、次回変動以降の演出表示を、特定演出モードにおける公演告知モードの演出表示に変更する。ここで、特定演出モードにおける公演告知モード演出表示とは、特定演出モード用の変動演出パターン決定テーブルによって決定される変動演出パターンによる演出である。
次いで、液晶制御CPU150aは、公演告知モード中に当該図柄変動が終了し、次の図柄変動を開始する場合には、表示画面領域を、上大画面領域と、下小画面領域とに分割する。
液晶制御CPU150aは、下小画面領域に上記演出制御基板120に選択された下小画面領域用の変動演出パターンによる変動画像を表示する。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、楽曲公演モードがもうすぐ開始されることの告知画面を表示する。この告知画面は、例えば、図34(a)に示すように、楽曲公演モードで行われる楽曲名や、楽曲公演モードが開始されるまでの時間のカウントダウン等が表示される。
また、液晶制御CPU150aは、告知画面でカウンタダウンする時間を、液晶制御RAM150bによって記憶している演出時間情報に基づいて表示する。
次いで、液晶制御CPU150aは、公演告知モード中に当該図柄変動が終了せず、楽曲公演モードの開始時刻となると、上大画面領域に、楽曲公演モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。また、液晶制御CPU150aは、下小画面領域に、図柄変動を示す表示画面を、演出図柄38の変動表示のみ等で継続して表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの開始時刻となると、演出制御基板120に楽曲公演モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この楽曲公演モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、楽曲公演モード用の演出表示に変更する。
ここで、楽曲公演モード用の演出表示は、上記公演告知モードの演出表示と同様である。なお、本実施の形態においては、楽曲公演モード用の演出表示と、公演告知モードの演出表示と、を同様のものとしたが、楽曲公演モード用の演出表示と、公演告知モードの演出表示と、を異なるものとしても良い。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
次に、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、公演告知モードを経て、楽曲公演モード中まで継続した場合について、説明する。
図34(b)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が公演告知モードを経て、楽曲公演モード中まで継続した場合の演出表示例を示す。
図34(b)に示すように、遊技機1の液晶制御CPU150aは、通常の遊技演出モード中に図柄変動を開始した場合には、図34(a)の場合と同様に、図柄変動表示を行う。そして、液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動中に公演告知モードの開始時刻となっても、それまでの図柄変動における演出表示を継続する。
また、液晶制御CPU150aは、公演告知モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に公演告知モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この公演告知モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、公演告知モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。ただし、本例の場合、公演告知モード中に次変動は開始されず、楽曲公演モードに突入する。
次いで、液晶制御CPU150aは、公演告知モード中に当該図柄変動が終了せず、楽曲公演モードの開始時刻となった場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と、小窓縮小画面(いわゆる、ワイプ画面)領域と、に分割する。液晶制御CPU150aは、全面大画面領域に継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、小窓縮小画面領域に、楽曲公演モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に楽曲公演モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この楽曲公演モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、楽曲公演モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
次いで、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モード中に当該図柄変動が終了し、次の図柄変動を開始する場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と小窓縮小画面領域との分割から、上大画面領域と下小画面領域との分割に変更する。液晶制御CPU150aは、下小画面領域に次の図柄変動を示す表示画面を表示する。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、楽曲公演モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
次に、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、公演告知モードを経て、楽曲公演モード中まで継続するが、当該図柄変動が複数の演出(例えば、リーチ演出、発展リーチ演出、スペシャルリーチ演出等)に分割され、図柄変動中に演出の境界を有している場合について、説明する。図34(c)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中に開始し、当該図柄変動が公演告知モードを経て、楽曲公演モード中まで継続するが、公演告知モード中に演出の境界が発生する場合の演出表示例を示す。
図34(c)に示すように、遊技機1の液晶制御CPU150aは、通常の遊技演出モード中に図柄変動を開始した場合には、図34(a)、図34(b)の場合と同様に、図柄変動表示を行う。
そして、液晶制御CPU150aは、通常の図柄変動中に公演告知モードの開始時刻となっても、それまでの図柄変動における演出表示を継続する。
また、液晶制御CPU150aは、公演告知モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に公演告知モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この公演告知モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、公演告知モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。ただし、本例の場合、公演告知モード中に次変動は開始されず、演出制御基板120による演出表示の変更は行われない。
次いで、液晶制御CPU150aは、公演告知モード中に当該図柄変動における演出の境界があった場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と、小窓縮小画面領域と、に分割する。液晶制御CPU150aは、全面大画面領域に継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、小窓縮小画面領域に、楽曲公演モードがもうすぐ開始されることの告知画面を表示する。
次いで、液晶制御CPU150aは、公演告知モード中に当該図柄変動が終了せず、楽曲公演モードの開始時刻となった場合には、全面大画面領域と小窓縮小画面領域との分割表示を継続する。そして、液晶制御CPU150aは、全面大画面領域に継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、小窓縮小画面領域に、楽曲公演モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。したがって、楽曲公演は、縮小表示される。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に楽曲公演モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この楽曲公演モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、楽曲公演モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
次いで、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モード中に当該図柄変動が終了し、次の図柄変動を開始する場合には、表示画面領域を、全面大画面領域と小窓縮小画面領域との分割から、上大画面領域と下小画面領域との分割に変更する。
液晶制御CPU150aは、下小画面領域に次の図柄変動を示す表示画面を表示する。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、楽曲公演モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
次に、図柄変動が通常の遊技演出モード中にない状態で公演告知モードに突入し、公演告知モード中に図柄変動が発生し、楽曲公演モード中まで継続した場合について説明する。
図34(d)は、図柄変動が通常の遊技演出モード中にない状態で公演告知モードに突入し、公演告知モード中に図柄変動が発生し、楽曲公演モード中まで継続した場合の演出表示例を示す。
図34(d)に示すように、遊技機1の液晶制御CPU150aは、図柄変動表示がなく、公演告知モードの開始時刻となった場合には、表示画面領域を、上大画面領域と、下小画面領域と、に分割する。
液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、楽曲公演モードがもうすぐ開始されることの告知画面を表示する。なお、上記と同様に、液晶制御CPU150aは、告知画面でカウントダウンする時間を液晶制御RAM150bによって記憶している演出時間情報に基づいて表示する。
また、液晶制御CPU150aは、下小画面領域に、前回変動表示において停止表示した演出図柄38を表示する。このとき、下小画面領域に表示する演出図柄38を、簡略化したドット表示画像等で表示する。
また、液晶制御CPU150aは、公演告知モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に公演告知モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この公演告知モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、公演告知モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
次いで、液晶制御CPU150aは、公演告知モード中に図柄変動が発生した場合には、上大画面領域と下小画面領域との分割表示を継続する。液晶制御CPU150aは、下小画面領域に当該図柄変動を示す表示画面を表示する。
また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、楽曲公演モードがもうすぐ開始されることの告知画面を継続して表示する。また、このときも上記と同様に、液晶制御CPU150aは、告知画面でカウンタダウンする時間を液晶制御RAM150bによって記憶している演出時間情報に基づいて表示する。
次いで、液晶制御CPU150aは、公演告知モード中に当該図柄変動が終了せず、楽曲公演モードの開始時刻となった場合には、上大画面領域と下小画面領域との分割表示を継続する。液晶制御CPU150aは、下小画面領域には継続して、図柄変動表示を行う。また、液晶制御CPU150aは、上大画面領域に、楽曲公演モードにおけるライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの開始時刻となると、上記と同様に、演出制御基板120に楽曲公演モードの開始時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この楽曲公演モードの開始通知により、次回変動以降の演出表示を、楽曲公演モード(特定演出モード)用の演出表示に変更する。
さらに、液晶制御CPU150aは、楽曲公演モードの終了時刻、すなわち、特定演出モードの終了時刻となると、演出制御基板120に特定演出モードの終了時刻となったことを通知する。演出制御基板120は、この特定演出モードの終了通知により、次回変動以降の演出表示を、通常の遊技演出モード用の演出表示に変更する。
このように、遊技機1は、液晶制御RAM150bによって記憶している演出時間情報によって、所定の時刻となると、楽曲公演モードとなり、ライブ映像、ビデオ映像、プロモーションビデオ等を表示する。
図36には、複数の遊技機が通路を挟んで左右横一列にそれぞれ整列された状態を示している。
上記に示すような構成とすることによって、各遊技機が略同時に、特定演出モードとなることによって一斉に同じ特定演出(スタンバイ演出(公演告知演出)、楽曲公演演出)が行われることとなる。すなわち、同じ映像が表示され、同じ音データが報知されることとなる。
これにより、各遊技機が連動して特定演出を行っているように感じられ、一体感を持った演出が可能となる。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。