JP2015042013A - 充電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】充電器10の充電対象となる高圧バッテリ20の端子間電圧の検出精度を向上させることのできる充電装置を提供する。
【解決手段】高圧バッテリ20は、第1のセルグループ及び第2のセルグループの直列接続体からなる組電池である。ここで、第1のセルグループ及び第2のセルグループのそれぞれの端子間電圧を電池監視装置30によって検出する。電池監視装置30によって検出されたこれらセルグループの端子間電圧の合計値として高圧バッテリ20の端子間電圧を算出する。そして、算出された上記端子間電圧に基づき、高圧バッテリ20の充電制御処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、第1の出力端子及び第2の出力端子を有し、外部から供給される電力を所定の直流電力に変換して前記第1の出力端子及び前記第2の出力端子から蓄電池に供給することで、前記蓄電池を充電する充電器を備える充電装置に関する。
この種の充電装置としては、下記特許文献1に見られるように、充電器を構成するコンデンサが充電用リレーを介して蓄電池に接続可能とされるものが知られている。詳しくは、この装置では、上記コンデンサの端子間電圧を蓄電池の端子間電圧として検出する。そして、検出された端子間電圧に基づき、蓄電池の充電制御を行う。
特開2012−70518号公報
ところで、蓄電池の充電制御が行われる場合、充電器の出力端子及び蓄電池の間を接続する電気経路において電圧降下が生じる。ここで、上記特許文献1に記載された充電装置では、蓄電池の端子間電圧の検出位置を充電器内部のコンデンサの位置としている。このため、蓄電池に充電電流が流れる状況下において端子間電圧の検出値が蓄電池の実際の端子間電圧に対して高くなり、蓄電池の端子間電圧の検出精度が低下する懸念がある。したがって、上記端子間電圧の検出値に基づき蓄電池の充電制御を行う場合、蓄電池の充電状態が満充電状態でないにもかかわらず、満充電状態であると判断され、蓄電池を満充電状態とすることができなくなる懸念がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、充電器の充電対象となる蓄電池の端子間電圧の検出精度を向上させることのできる充電装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明は、第1の出力端子(Tout1)及び第2の出力端子(Tout2)を有し、外部から供給される電力を所定の直流電力に変換して前記第1の出力端子及び前記第2の出力端子から蓄電池(20)に供給することで、前記蓄電池を充電する充電器(10)を備え、前記第1の出力端子及び前記蓄電池の正極端子(Tp)を接続する電気経路であって、前記第1の出力端子を含まない電気経路を第1の電気経路(Lp)とし、前記第2の出力端子及び前記蓄電池の負極端子(Tn)を接続する電気経路であって、前記第2の出力端子を含まない電気経路を第2の電気経路(Ln)とし、前記充電器の備える検出端子(Td;Td1,Td2)を介して入力された前記第1の電気経路及び前記第2の電気経路の間の電位差を、前記蓄電池の端子間電圧として検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段によって検出された端子間電圧に基づき、前記蓄電池の充電制御を行う充電制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明では、第1の電気経路及び第2の電気経路の間の電位差を蓄電池の端子間電圧として検出する。このため、例えば充電器の第1の出力端子及び第2の出力端子の間の電位差を蓄電池の端子間電圧として検出する構成と比較して、蓄電池の実際の端子間電圧及び端子間電圧の検出値の誤差を小さくすることができる。これにより、蓄電池の端子間電圧の検出精度を向上させることができる。したがって、蓄電池の充電状態を精度よく把握することができ、ひいては充電制御手段によって蓄電池の充電状態を満充電状態とすることができる。
第1の実施形態にかかる充電システムの全体構成図。 同実施形態にかかる電池監視装置の構成図。 同実施形態にかかる充電制御処理の手順を示すフローチャート。 第2の実施形態にかかる充電システムの全体構成図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる充電装置を車載主機として回転機を備える車両(例えば、プラグインハイブリッド車や、電気自動車)に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車両は、充電器10、高圧バッテリ20、高圧バッテリ20の状態を監視する電池監視装置30、補機バッテリ40、3相インバータ50及びモータジェネレータ60を備えている。
充電器10は、パワー回路110、及びパワー回路110を制御する制御回路112を備えている。パワー回路110は、第1の整流回路120、昇圧チョッパ方式のコンバータ(PFC回路130)、「直流交流変換回路」としてのフルブリッジ回路140、トランス150、第2の整流回路160、並びにインダクタ170及びコンデンサ172からなるLCフィルタを備えている。
詳しくは、第1の整流回路120の入力側は、充電器10の有する第1の入力端子Tin1及び第2の入力端子Tin2と、充電器10外部のCCID62(Charging Circuit Interrupt Device)とを介して、交流電圧(交流電力)を出力する系統電源64(商用電源)に接続可能とされている。なお、系統電源64及び充電器10の間は、実際には、図示しない充電ケーブルによって接続可能とされている。この充電ケーブルは、系統電源64側から順に、系統電源64に接続するためのプラグと、CCID62と、充電器10に接続するためのプラグとを備えている。
CCID62は、充電ケーブル毎に規格が定まっている充電電流値を充電器10に通知する機能や、漏電検出機能、系統電源64及び充電器10の間を電気的に接続又は遮断する機能を有している。なお、CCID62は、充電器10の有するグランド端子Tgndを介してグランド(以下、低圧GND)に接続可能とされている。
第1の整流回路120は、系統電源64から入力される交流電圧を直流電圧に変換する機能を有する。本実施形態では、第1の整流回路120として、ブリッジ整流回路を用いている。
第1の整流回路120の出力側は、上記PFC回路130の入力側に接続されている。PFC回路130は、インダクタ132、スイッチング素子134、ダイオード136、及びコンデンサ138を備えている。PFC回路130は、スイッチング素子134がオンオフ操作されることにより、力率改善動作を行う。なお、本実施形態では、スイッチング素子134として、NチャネルMOSFETを用いている。
PFC回路130の出力側は、フルブリッジ回路140の入力側に接続されている。フルブリッジ回路140は、第1のスイッチング素子Q1及び第2のスイッチング素子Q2の直列接続体、並びに第3のスイッチング素子Q3及び第4のスイッチング素子Q4の直列接続体の並列接続体を備えている。なお、本実施形態では、第1〜第4のスイッチング素子Q1〜Q4として、NチャネルMOSFETを用いている。
第1のスイッチング素子Q1及び第2のスイッチング素子Q2の接続点は、トランス150を構成する1次側コイル152を介して、第3のスイッチング素子Q3及び第4のスイッチング素子Q4の接続点に接続されている。
トランス150を構成する2次側コイル154は、第2の整流回路160の入力側に接続されている。本実施形態では、第2の整流回路160として、上記第1の整流回路120と同様に、ブリッジ整流回路を用いている。
第2の整流回路160の出力側は、上記LCフィルタを介して、充電器10の有する第1の出力端子Tout1及び第2の出力端子Tout2に接続されている。第1の出力端子Tout1及び第2の出力端子Tout2は、第1の充電リレー66p及び第2の充電リレー66nを介して高圧バッテリ20に接続されている。ここで、本実施形態において、第1の出力端子Tout1及び高圧バッテリ20の正極端子Tpを直接接続する電気経路であって、第1の出力端子Tout1を含まない電気経路を第1の電気経路Lpと称すこととする。また、第2の出力端子Tout2及び高圧バッテリ20の負極端子Tnを直接接続する電気経路であって、第2の出力端子Tout2を含まない電気経路を第2の電気経路Lnと称すこととする。
第1の電気経路Lpには、第1の充電リレー66pが設けられており、第2の電気経路Lnには、第2の充電リレー66nが設けられている。第1の電気経路Lpは、第1の充電リレー66pがオン操作(閉操作)されることで閉状態とされ、第1の充電リレー66pがオフ操作(開操作)されることで開状態とされる。また、第2の電気経路Lnは、第2の充電リレー66nがオン操作されることで閉状態とされ、第2の充電リレー66nがオフ操作されることで開状態とされる。
高圧バッテリ20は、車載主機となるモータジェネレータ60の電力供給源となったり、モータジェネレータ60の回生制御によって生成される電力を貯蔵したりする蓄電池である。高圧バッテリ20は、電池セル(単電池)の直列接続体からなる組電池である。高圧バッテリ20の端子間電圧(例えば数百V)は、補機バッテリ40の端子間電圧(例えば14V)よりも高く設定されている。なお、高圧バッテリ20としては、リチウムイオン蓄電池や、ニッケル水素蓄電池を用いることができる。
高圧バッテリ20を構成する電池セルの状態は、電池監視装置30によって監視される。なお、本実施形態において、電池監視装置30が「外部装置」に相当する。また、電池監視装置30については、後に詳述する。
高圧バッテリ20の正極端子Tp及び負極端子Tnは、第1のメインリレー68p及び第2のメインリレー68nを介して、3相のインバータ50に接続されている。インバータ50は、高圧バッテリ20から出力される直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ60に印加する。これにより、モータジェネレータ60のロータが回転し、ロータに連結された駆動輪70が回転する。すなわち、モータジェネレータ60は、車両の走行動力源となる。
なお、第1の充電リレー66p、第2の充電リレー66n、第1のメインリレー68p、第2のメインリレー68n及びインバータ50は、例えば、制御回路112とは異なる制御装置によって操作される。上記異なる制御装置としては、例えば、制御回路112よりも上位の制御装置であって、車両制御を統括する制御装置が挙げられる。
制御回路112は、マイクロコンピュータを主体として構成されている。制御回路112には、充電器10の有する検出端子Tdを介して電池監視装置30から電圧検出信号Vdが入力されたり、充電器10の出力電流(充電電流)を検出する電流センサ174の検出値が入力されたりする。制御回路112は、これら入力信号に基づき、スイッチング素子134、及び第1〜第4のスイッチング素子Q1〜Q4のゲート電圧の調節によってこれら素子をオンオフ操作することで、高圧バッテリ20の充電制御処理を行う。なお、制御回路112は、充電器10の有する第4の入力端子Tin4及び第5の入力端子Tin5を介して補機バッテリ40に接続されている。これにより、制御回路112は、補機バッテリ40を電力供給源として駆動される。
上記充電制御処理は、例えば充電器10が系統電源64と接続されているとの条件を含む所定の充電実行条件が成立すると判断された場合に実行される処理であり、主に、PFC回路130による力率改善処理と、トランス150への給電処理とからなる。
PFC回路130による力率改善は、例えば、スイッチング素子134のオンオフ1周期に対するオン時間の時比率を調節する周知の手法によって行われる。
一方、トランス150への給電処理は、第1のスイッチング素子Q1及び第4のスイッチング素子Q4と、第2のスイッチング素子Q2及び第3のスイッチング素子Q3とを交互にオンオフ操作する処理である。詳しくは、第1のスイッチング素子Q1及び第4のスイッチング素子Q4をオンさせ、第2のスイッチング素子Q2及び第3のスイッチング素子Q3をオフ操作させるか、第2のスイッチング素子Q2及び第3のスイッチング素子Q3をオン操作させ、第1のスイッチング素子Q1及び第4のスイッチング素子Q4をオフ操作させることで、1次側コイル152に交流電圧を印加し、これにより2次側コイル154から高圧バッテリ20へと充電電流を流す。
なお、充電器10は、実際には、直方体状の筐体に収容されている。そして、第1,第2の出力端子Tout1,Tout2と検出端子Tdとは、筐体の同じ面(同サイド)に配置されている。
続いて、図2を用いて、高圧バッテリ20の状態を監視する電池監視装置30について説明する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、高圧バッテリ20を構成する電池セルの数を6つとしている。本実施形態では、以降、これら電池セルのそれぞれを第iの電池セルCi(i=1〜6)と称すこととする。
図示されるように、本実施形態では、高圧バッテリ20として、2つのセルグループである第1,第2のセルグループCG1,CG2によって構成されているものを例示した。ここで、これらセルグループCG1,CG2のそれぞれは、隣接する複数個の電池セルの直列接続体として構成されている。本実施形態では、隣接する3個の電池セルの直列接続体によって第1,第2のセルグループCG1,CG2のそれぞれが構成されているものを例示した。なお、本実施形態において、高圧バッテリ20を構成する電池セルのそれぞれは、個体差を除き、互いに同一の構成であるとする。より詳しくは、これら電池セルのそれぞれは、充電率(SOC:満充電電荷量に対する実際の充電量の比率)に対する開放端電圧の関係や、満充電電荷量、内部抵抗値等が互いに同一であるとする。また、本実施形態では、1つのセルグループが「単位電池」に相当する。
高圧バッテリ20を構成する複数の電池セルC1〜C6のそれぞれは、電池監視装置30によって監視される。電池監視装置30は、第1の監視回路32a、第2の監視回路32a、電圧検出回路33、AD変換器34及びマイコン36を備えている。なお、第1,第2の監視回路32a,32bは、例えば集積回路として構成されている。
第1,第2の監視回路32a,32bのそれぞれは、1つのセルグループを監視ブロックとし、監視ブロック毎に設けられている。これら監視回路32a,32bのそれぞれは、電池セルが過充電状態又は過放電状態であるか否かを監視する。
第1,第2の監視回路32a、32bと、第1〜第6の電池セルC1〜C6とは、一対の経路を介して接続されている。詳しくは、第1のセルグループCG1において、第1の電池セルC1の負極端子には、第1の経路L1を介して第1の監視回路32aが接続され、第1の電池セルC1の正極端子及び第2の電池セルC2の負極端子には、第2の経路L2を介して第1の監視回路32aが接続されている。また、第2の電池セルC2の正極端子及び第3の電池セルC3の負極端子には、第3の経路L3を介して第1の監視回路32aが接続され、第3の電池セルC3の正極端子には、第4の経路L4を介して第1の監視回路32aが接続されている。すなわち、第1のセルグループCG1において、電池セルC1,C2の正極端子に接続された経路と、この正極端子に隣接する電池セルC2,C3の負極端子に接続された経路とは共通化されている。
一方、第2のセルグループCG2において、第4の電池セルC4の負極端子には、第5の経路L5を介して第2の監視回路32bが接続され、第4の電池セルC4の正極端子及び第5の電池セルC5の負極端子には、第6の経路L6を介して第2の監視回路32bが接続されている。また、第5の電池セルC5の正極端子及び第6の電池セルC6の負極端子には、第7の経路L7を介して第2の監視回路32bが接続され、第6の電池セルC6の正極端子には、第8の経路L8を介して第2の監視回路32bが接続されている。すなわち、第2のセルグループCG2において、電池セルC4,C5の正極端子に接続された経路と、この正極端子に隣接する電池セルC5,C6の負極端子に接続された経路とは共通化されている。
第1の監視回路32aは、一対の経路である第1,第2の経路L1,L2を介して第1の電池セルC1の端子間電圧V1を検出し、第2,第3の経路L2,L3を介して第2の電池セルC2の端子間電圧V2を検出し、第3,第4の経路L3,L4を介して第3の電池セルC3の端子間電圧V3を検出する。また、第2の監視回路32bは、一対の経路である第5,第6の経路L5,L6を介して第4の電池セルC4の端子間電圧V4を検出し、第6,第7の経路L6,L7を介して第5の電池セルC5の端子間電圧V5を検出し、第7,第8の経路L7,L8を介して第6の電池セルC6の端子間電圧V6を検出する。
第1,第2の監視回路32a,32bは、これら電池セルの端子間電圧の検出結果に基づき、電池セルが過充電状態又は過放電状態であるか否かを監視する。
第1,第2の監視回路32a,32bのそれぞれによって検出された電池セルの監視結果は、マイコン36に伝達される。詳しくは、第1,第2の監視回路32a,32bは、これら監視回路32a,32bのそれぞれに対応する監視ブロックの監視を指示する指示信号が、第1,第2の監視回路32a,32bのうち高電位側の監視回路から低電位側の監視回路へと順次伝達可能なように形成されたシリアルラインSLによって接続(いわゆるディジチェーン接続)されている。詳しくは、シリアルラインSLは、上記指示信号がマイコン36から第1,第2の監視回路32a,32bを順次通り、マイコン36へと戻るリング状に形成されている。具体的には、マイコン36から出力される上記指示信号は、低電圧システム及び高電圧システムの間を絶縁しつつ低電圧システムから高電圧システムへと信号を伝達する第1の絶縁素子38a(例えばフォトカプラ)、及びシリアルラインSLを介して第2の監視回路32bに入力される。その後、シリアルラインSLを介して第1の監視回路32aまで伝達された指示信号は、高電圧システム及び低電圧システムの間を絶縁しつつ、高電圧システムから低電圧システムへと信号を伝達する第2の絶縁素子38b(例えばフォトカプラ)を介してマイコン36に入力される。
なお、絶縁素子を介した監視結果の伝達手法は、高圧バッテリ20を含む高電圧システムのグラウンド(以下、高圧GND)の電位と、マイコン36を含む低電圧システムの低圧GNDの電位とが相違しているために採用される。ちなみに、本実施形態では、高圧GND電位が高圧バッテリ20の正極端子Tpの電位と負極端子Tnの電位との中央値に設定されている。また、電圧検出信号の伝達手法としては、高電圧システム及び低電圧システムの間を絶縁しつつ信号伝達可能であれば、ディジチェーン接続方式に限らない。
電圧検出回路33は、高電圧システム及び低電圧システムの間を絶縁しつつ、第1,第2の監視回路32a,32bのそれぞれに対応する監視ブロックの端子間電圧を検出する機能を有する。本実施形態では、電圧検出回路33は、第1の経路L1及び第5の経路L5を介して第1のセルグループCG1の端子間電圧Vc1を検出し、第5の経路L5及び第8の経路L8を介して第2のセルグループCG2の端子間電圧Vc2を検出する構成を例示した。ここで、電圧検出回路33としては、マルチプレクサ、フライングキャパシタ及び差動増幅回路を備える周知の構成を採用すればよい。なお、本実施形態において、電圧検出回路33が「個別検出手段」を構成する。
電圧検出回路33から出力されるアナログ信号としての電圧検出値は、AD変換器34によってデジタル信号に変換される。AD変換器34によって変換されたデジタル信号は、マイコン36に入力される。マイコン36は、デジタル信号として、第1のセルグループCG1の端子間電圧Vc1及び第2のセルグループCG2の端子間電圧Vc2に関する情報である電圧検出信号Vdを出力する。出力された電圧検出信号Vdは、図1に示すように、充電器10の有する検出端子Tdを介して制御回路112に入力される。
続いて、本実施形態にかかる充電制御処理について更に説明する。
本実施形態では、電圧検出信号Vdを用いて充電制御処理を行う。これは、高圧バッテリ20の電圧検出精度を向上させるためである。つまり、電圧検出対象の電圧検出レンジが狭いほど、電圧検出値についての分解能(相互に識別可能な隣接した2つの検出値の間の最小間隔)を小さくすることができる。詳しくは、各セルグループの取り得る端子間電圧の最大値(以下、セル電圧最大値)を「Vcmax」とし、高圧バッテリ20の取り得る端子間電圧の最大値(以下、合計電圧最大値)を「Vpnmax(>Vcmax)」とすると、セルグループの電圧検出値についての分解能ΔV1と、高圧バッテリ20の電圧検出値についての分解能ΔV2とは、下記のように表すことができる。
Figure 2015042013
Figure 2015042013
ここで、上式(eq1),(eq2)において、「N」はデジタルデータのビット数である。上式(eq1),(eq2)によれば、「ΔV1<ΔV2」である。すなわち、高圧バッテリ20の端子間電圧を電圧検出レンジとする場合と比較して、高圧バッテリ20を構成するセルグループCG1,CG2のそれぞれの端子間電圧を電圧検出レンジとする方が、電圧検出値についての分解能を小さくすることができる。
そこで、本実施形態では、電池監視装置30によって検出されたセルグループCG1,CG2のそれぞれの電圧検出値Vc1,Vc2の合計値として高圧バッテリ20の端子間電圧を検出する。これにより、高圧バッテリ20の端子間電圧の検出精度を向上させる。
図3に、本実施形態にかかる充電制御処理の手順を示す。この処理は、制御回路112によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、本実施形態において、図3に示す処理が「充電制御手段」を構成する。
この一連の処理では、まずステップS10において、上記充電実行条件が成立しているか否かを判断する。なお、充電実行条件が成立していると判断された場合、第1,第2の充電リレー66p,66nがオン操作され、第1,第2のメインリレー68p,68nがオフ操作される。
続くステップS12では、電池監視装置30から出力された電圧検出信号Vdに基づき、高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnを算出する。具体的には、第1,第2のセルグループCG1,CG2のそれぞれの端子間電圧Vc1,Vc2の合計値として高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnを算出する。なお、本実施形態において、本ステップの処理が「電圧検出手段」を構成する。
続くステップS14では、算出された高圧バッテリ20の端子間電圧Vpn(高圧バッテリ20の充電状態)が閾値電圧Vth(所定の充電状態)以上であるか否かを判断する。
ステップS14において否定判断された場合には、ステップS16に進み、第1の定電力制御によって高圧バッテリ20を充電すべく、PFC回路130及びフルブリッジ回路140を構成するスイッチング素子をオンオフ操作する。ここで、第1の定電力制御とは、算出された端子間電圧Vpnと、電流センサ174によって検出された充電電流との乗算値(出力電力Pout)を第1の目標電力(例えば2.2kW)にフィードバック制御すべく、上記スイッチング素子をオンオフ操作する制御である。なお、ステップS16の処理の後、上記ステップS10に戻る。
一方、上記ステップS14において肯定判断された場合には、ステップS18に進み、第2の定電力制御によって高圧バッテリ20を充電すべく、PFC回路130及びフルブリッジ回路140を構成するスイッチング素子をオンオフ操作する。ここで、第2の定電力制御とは、上記出力電力Poutを第1の目標電力Pt1よりも小さい第2の目標電力Pt2(例えば0.5kW)にフィードバック制御すべく、上記スイッチング素子をオンオフ操作する制御である。なお、本実施形態において、本ステップの処理が、高圧バッテリ20への充電電力を低下させて充電制御を行う「押し込み充電手段」を構成する。
続くステップS20では、高圧バッテリ20の充電状態が満充電状態となったか否かを判断する。この判断は、例えば、ステップS14において算出された高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnが、閾値電圧Vthよりも高い所定電圧を超えたか否かで行うことができる。ステップS20において否定判断された場合には、上記ステップS10に戻る。
一方、上記ステップS20において肯定判断された場合には、ステップS22に進み、高圧バッテリ20の充電が完了したと判断する。
なお、上記ステップS10において否定判断された場合や、ステップS22の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)第1の電気経路Lp及び第2の電気経路Lnの間の電位差を、高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnとして検出した。そして、検出された端子間電圧Vpnに基づき、高圧バッテリ20の充電制御処理を行った。こうした構成によれば、例えば充電器10の第1の出力端子Tout1及び第2の出力端子Tout2の間の電位差を高圧バッテリ20の端子間電圧として検出する構成と比較して、高圧バッテリ20の実際の端子間電圧及び端子間電圧の検出値の誤差を小さくすることができる。これにより、高圧バッテリ20の端子間電圧の検出精度を向上させることができる。したがって、高圧バッテリ20の充電状態を精度よく把握することができ、ひいては充電制御処理によって高圧バッテリ20の充電状態を満充電状態とすることができる。
特に本実施形態では、電池監視装置30によって検出された第1,第2のセルグループCG1,CG2のそれぞれの端子間電圧Vc1,Vc2の合計値として高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnを検出したことが、高圧バッテリ20の端子間電圧の検出精度の向上に大きく寄与している。
(2)充電器10の充電対象をモータジェネレータ60の電力供給源となる高圧バッテリ20とした。車載電気負荷が要求する電力は、補機バッテリ40と、図示しない車載発電機等の発電電力とによって賄われる。このため、車載電気負荷の要求する電力の大部分を補機バッテリ40単独で賄う機会は少ない。したがって、補機バッテリ40に対して、通常、充電状態を必ずしも満充電状態にすることは要求されない。
これに対し、モータジェネレータ60の電力供給源となる高圧バッテリ20は、車両の航続距離を拡大させること等を目的として、充電時において充電状態を満充電状態とすることが要求される。このため、充電対象を高圧バッテリ20とする本実施形態では、電圧検出精度を向上させて高圧バッテリ20の充電状態を満充電状態とできる構成を採用するメリットが大きい。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図4に、本実施形態にかかる充電システムの全体構成を示す。なお、図4において、先の図1に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、充電制御処理で用いる高圧バッテリ20の端子間電圧の検出手法を変更する。詳しくは、充電器10は、第1の検出端子Td1及び第2の検出端子Td2を有している。そして、高圧バッテリ20の正極端子Tp及び第1の検出端子Td1の間は、「第1の導電部材」としての第1のワイアハーネス180pによって直接接続されている。また、高圧バッテリ20の負極端子Tn及び第2の検出端子Td2の間は、「第2の導電部材」としての第2のワイアハーネス180nによって直接接続されている。
なお、本実施形態において、第1,第2の出力端子Tout1,Tout2と第1,第2の検出端子Td1,Td2とは、充電器10の収容される上記筐体の同じ面(同サイド)に配置されている。これにより、第1のワイアハーネス180p及び第2のワイアハーネス180nの配線長を短くすることなどができる。
以上説明した本実施形態によれば、高圧バッテリ20の端子間電圧を直接的に検出することができる。このため、上記第1の実施形態と同様に、高圧バッテリ20の実際の端子間電圧及び端子間電圧の検出値の誤差を小さくすることができる。これにより、高圧バッテリ20の端子間電圧の検出精度を向上させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態において、第1,第2のセルグループCG1,CG2の端子間電圧Vc1,Vc2の合計値として高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnを算出する処理を電池監視装置30において行ってもよい。この場合、算出された端子間電圧Vpnが電池監視装置30から制御回路112に対して出力されることとなる。
・上記第1の実施形態において、「単位電池」としては、複数個の電池セルの直列接続体に限らず、1個の電池セルであってもよい。この場合、「個別検出手段」としては、高圧バッテリ20を構成するセルグループCG1,CG2のそれぞれの端子間電圧Vc1,Vc2を個別に検出するものに限らず、電池セルC1〜C6のそれぞれの端子間電圧V1〜V6を個別に検出するものであってもよい。このとき、例えば、電池監視装置30から検出端子Tdを介して制御回路112へと出力される電圧検出信号Vdを、第1〜第6の電池セルC1〜C6のそれぞれの端子間電圧V1〜V6に関する情報とする。そして、先の図3のステップS12において、第1〜第6の電池セルC1〜C6のそれぞれの端子間電圧V1〜V6の合計値として高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnを算出する。
なお、複数の単位電池のそれぞれを構成する電池セルの数は、互いに同一であることを要しない。
・「外部装置」としては、上記第1の実施形態に示した電池監視装置30に限らない。例えば、第1の電気経路Lp及び第2の電気経路Lnに接続され、高圧バッテリ20の出力電圧を降圧して補機バッテリ40に供給することで補機バッテリ40を充電するDCDCコンバータであってもよい。DCDCコンバータは、通常、充電制御処理が行われている場合に動作可能であり、また、入力電圧を検出する機能を有する。このため、DCDCコンバータによって検出された電圧に基づき、充電器10において充電制御処理を行えばよい。
また、「外部装置」としては、インバータ50であってもよい。インバータ50は、通常、充電制御処理が行われている場合に動作可能であり、また、インバータ50の入力電圧を検出する電圧センサを備えている。このため、この電圧センサによって検出された電圧に基づき、充電器10において充電制御処理を行えばよい。
・先の図4のステップS14、S20において、高圧バッテリ20の端子間電圧Vpnに代えて、上記端子間電圧Vpnに基づき算出された充電率SOCを各処理の判断に用いてもよい。
・上記第2の実施形態では、高圧バッテリ20の端子間電圧の検出位置を高圧バッテリ20の正極端子Tp及び負極端子Tnとしたがこれに限らない。例えば、第1の電気経路Lp及び第2の電気経路Ln上であるなら、これら電気経路の任意の位置を検出位置としてもよい。ここで、こうした検出位置として、例えば、第1の電気経路Lpのうち第1の充電リレー66pよりも高圧バッテリ20の正極端子側と、第2の電気経路Lnのうち第2の充電リレー66nよりも高圧バッテリ20の負極端子側とを採用することが考えられる。
・上記第2の実施形態において、高圧バッテリ20としては、組電池に限らない。
・上記各実施形態において、「押し込み充電手段」としては、第1の定電力制御から第2の定電力制御に切り替えるものに限らない。例えば、図3のステップS14で肯定判断されるまでは、定電力制御又は定電流制御を行い、ステップS14で肯定判断された場合に充電電力を低下させた定電圧制御に切り替えるものであってもよい。ここで、定電流制御は、高圧バッテリ20に対する充電電流を一定にする充電制御であり、定電圧制御は、高圧バッテリ20の印加電圧を一定にする充電制御である。
・上記第2の実施形態において、「第1,第2の導電部材」としては、ワイアハーネスに限らない。
・1次側コイル152に交流電圧を印加する「直流交流変換回路」としては、フルブリッジ回路に限らない。入力される直流電圧を交流電圧に変換して1次側コイル152に印加できるなら、ハーフブリッジ回路等、他の直流交流変換回路であってもよい。
10…充電器、20…高圧バッテリ、Tout1…第1の出力端子、Tout2…第2の出力端子、Lp…第1の電気経路、Ln…第2の電気経路、Td…検出端子。

Claims (6)

  1. 第1の出力端子(Tout1)及び第2の出力端子(Tout2)を有し、外部から供給される電力を所定の直流電力に変換して前記第1の出力端子及び前記第2の出力端子から蓄電池(20)に供給することで、前記蓄電池を充電する充電器(10)を備え、
    前記第1の出力端子及び前記蓄電池の正極端子(Tp)を接続する電気経路であって、前記第1の出力端子を含まない電気経路を第1の電気経路(Lp)とし、
    前記第2の出力端子及び前記蓄電池の負極端子(Tn)を接続する電気経路であって、前記第2の出力端子を含まない電気経路を第2の電気経路(Ln)とし、
    前記充電器の備える検出端子(Td;Td1,Td2)を介して入力された前記第1の電気経路及び前記第2の電気経路の間の電位差を、前記蓄電池の端子間電圧として検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段によって検出された端子間電圧に基づき、前記蓄電池の充電制御を行う充電制御手段と、
    を備えることを特徴とする充電装置。
  2. 前記充電器の外部には、前記第1の電気経路及び前記第2の電気経路の間の電位差を検出する機能を有し、前記充電制御手段によって充電制御が行われている場合に動作可能な外部装置(30)が設けられ、
    前記電圧検出手段は、前記検出端子(Td)を介して入力された前記外部装置の電圧検出値に基づき前記蓄電池の端子間電圧を検出することを特徴とする請求項1記載の充電装置。
  3. 前記蓄電池は、複数個の電池セル(C1〜C6)の直列接続体からなる組電池であり、
    前記電池セルの1個、又は前記電池セルの複数個の直列接続体のいずれかを単位電池(CG1,CG2)とし、
    前記外部装置は、前記組電池を構成する前記単位電池のそれぞれの端子間電圧を検出する個別検出手段(33)を備える電池監視装置(30)を含み、
    前記電圧検出手段は、前記組電池を構成する前記単位電池のそれぞれに対応する前記個別検出手段の電圧検出値の合計値として前記蓄電池の端子間電圧を検出することを特徴とする請求項2記載の充電装置。
  4. 前記検出端子は、第1の検出端子(Td1)及び第2の検出端子(Td2)を含み、
    前記蓄電池の正極端子及び前記第1の検出端子の間を直接接続する第1の導電部材(180p)と、
    前記蓄電池の負極端子及び前記第2の検出端子の間を直接接続する第2の導電部材(180n)と、
    をさらに備え、
    前記電圧検出手段は、前記第1の検出端子及び前記第2の検出端子の間の電位差を、前記蓄電池の端子間電圧として検出することを特徴とする請求項1記載の充電装置。
  5. 前記充電制御手段は、前記充電制御が行われる状況下、前記電圧検出手段の電圧検出値に基づき把握される前記蓄電池の充電状態が所定の充電状態以上になったことに基づき、前記蓄電池への充電電力を低下させて前記充電制御を行う押し込み充電手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の充電装置。
  6. 前記蓄電池及び前記充電器は、車両に搭載され、
    前記蓄電池は、車両の走行動力源となる回転機(60)の電力供給源であり、
    前記充電器は、系統電源(64)から供給される交流電力を所定の直流電力に変換して前記第1の出力端子及び前記第2の出力端子から前記蓄電池に供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の充電装置。
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