JP2015037643A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】特別役に当選となった場合に遊技者が不利益を被ることを抑制しつつ、遊技が単調化することを抑制することが可能な遊技機を提供する。【解決手段】スロットマシン１０に設けられたスタートレバー４１が操作されると、内部で役の抽選が行われるとともに、リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが回転を開始する。そして、ストップスイッチ４２〜４４が操作されると、ストップスイッチ４２〜４４と対応したリール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが停止する。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第１ＢＢ入賞及び第２ＢＢ入賞を成立させることができるよう、第１ＢＢ図柄及び第２ＢＢ図柄が配置されている。そして、通常遊技状態とＲＴ状態のいずれで第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選するかにより、遊技者の有利度合いが変化するようになっている。【選択図】 図１

Description

本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。

複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして、遊技者がメダルを投入することで有効ラインが設定され、その後、遊技者がスタートレバーを操作することでスロットマシンの内部にてビッグボーナス（以下、「ＢＢ」という）役や小役、再遊技といった役の抽選が行われるとともに各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップスイッチを操作することで各リールが順次停止して１回のゲームが終了する。そして、全てのリールが回転を停止した際に有効ライン上に当選した役と対応する図柄の組合せが停止すると入賞となり、メダルが払い出される特典や遊技状態が移行される特典等が遊技者に付与される。

かかるスロットマシンでは、役の抽選結果がＢＢ役当選であった場合に対応するＢＢ入賞が成立するまで当該結果が有効とされる一方、ＢＢ入賞を成立させる場合に所定のタイミングでストップスイッチを操作する所謂目押し操作を行う必要があることが一般的である（例えば特許文献１参照）。

特開２００７−２１１１３号公報

ＢＢ入賞を成立させる場合に目押し操作を必要とするスロットマシンでは、遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる一方、例えば目押し操作の技量の劣った遊技者等がＢＢ入賞を成立させることができずに不利益を被る可能性が懸念される。また、かかる懸念を解消すべくＢＢ入賞を成立させる場合に目押し操作を必要としない構成とした場合には、遊技が単調化する可能性が懸念される。

なお、以上の問題は、上記例示したようなスロットマシンに限らず、複数の遊技回にわたって当選が有効とされる特別役を備えたスロットマシンや、複数種の絵柄を循環表示させ、その後の停止操作手段の操作に基づいて循環表示を終了させる他の遊技機にも該当する問題である。

本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、特別役に当選となった場合に遊技者が不利益を被ることを抑制しつつ、遊技が単調化することを抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。

請求項１に記載の発明では、複数種の絵柄を循環表示させる循環表示手段と、前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、役の抽選を行う抽選手段と、前記役の抽選に当選した場合に当選役と対応する当選情報を記憶する当選情報記憶手段と、前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、前記当選情報記憶手段に特別役に当選したことを示す特別役当選情報が記憶され、特別絵柄が有効位置に停止した場合、特別入賞成立として特別特典を付与する特別特典付与手段と、前記当選情報記憶手段に前記特別役当選情報が記憶されている状況で前記特別絵柄が前記有効位置に停止しなかった場合、前記特別絵柄が前記有効位置に停止するまで前記特別役当選情報を前記当選情報記憶手段に記憶保持させる記憶保持手段とを備えた遊技機において、前記循環表示手段には、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記特別絵柄を前記有効位置に停止させることができるよう、前記特別絵柄を配置し、第１期間に移行させる第１期間移行手段と、第２期間に移行させる第２期間移行手段と、前記特別役と、第１役と、第２役と、について少なくとも前記役の抽選が行われるとともに、前記特別役と前記第１役に共に当選となる機会が生じる抽選情報を記憶する抽選情報記憶手段と、前記第１役と対応する第１絵柄が前記有効位置に停止した場合、第１入賞成立として第１特典を付与する第１特典付与手段と、前記絵柄の循環表示が第１停止結果となった場合、第１所定数の遊技媒体を付与し、前記絵柄の循環表示が第２停止結果となった場合、前記第１所定数以上の第２所定数の遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段と、前記特別役当選情報と、前記第１役に当選したことを示す第１役当選情報と、が共に前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記第１入賞を成立させることが可能であれば前記特別入賞より前記第１入賞を優先して成立させるように、前記循環表示手段を表示制御する第１役優先制御手段と、前記第２役に当選したことを示す第２役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶され、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されていない場合、前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役制御手段と、前記第２役当選情報と前記特別役当選情報とが共に前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記絵柄の循環表示を前記第１停止結果又は前記第２停止結果とすることが可能であれば、前記特別絵柄を前記有効位置に停止させるよりも優先して前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役優先制御手段とを備え、前記第２役優先制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合には、前記第２役制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合よりも前記第２停止結果となる割合が高くなり、前記第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなるものであって、前記第２期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合には、前記第１期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合よりも、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されてから前記特別入賞が成立するまでの間に期待できる遊技媒体の付与数が多くなり、前記第２期間では、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されていない場合と比して、１遊技回あたりに期待できる遊技媒体の付与数が多くなることを特徴とする。

特別役に当選となった場合に遊技者が不利益を被ることを抑制しつつ、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

一実施の形態におけるスロットマシンの正面図。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図。 前面扉の背面図。 筐体の正面図。 各リールの図柄配列を示す図。 表示窓から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図。 スロットマシンのブロック図。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 通常処理を示すフローチャート。 抽選処理を示すフローチャート。 通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図。 停止情報設定処理を示すフローチャート。 当選状況判定処理を示すフローチャート。 リール制御処理を示すフローチャート。 ＲＴ状態処理を示すフローチャート。 ＲＴ状態用抽選テーブルの一例を示す図。 ＢＢ状態処理を示すフローチャート。

以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図１はスロットマシン１０の正面図、図２はスロットマシン１０の前面扉１２を閉じた状態の斜視図、図３はスロットマシン１０の前面扉１２を開いた状態の斜視図、図４は前面扉１２の背面図、図５は筐体１１の正面図である。

図１〜図５に示すように、スロットマシン１０は、その外殻を形成する筐体１１を備えている。筐体１１は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。

筐体１１の前面側には、前面扉１２が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体１１には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸１３ａ，１３ｂが設けられており、前面扉１２には、各支軸１３ａ，１３ｂと対応する位置に軸受部１４ａ，１４ｂが設けられている。そして、各軸受部１４ａ，１４ｂに各支軸１３ａ，１３ｂが挿入された状態では、前面扉１２が筐体１１に対して両支軸１３ａ，１３ｂを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉１２の回動によって筐体１１の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉１２は、その裏面に設けられた施錠装置２０によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉１２の右端側上部には、施錠装置２０と一体化されたキーシリンダ２１が設けられており、キーシリンダ２１に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。

前面扉１２の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル２５が設けられている。遊技パネル２５には、縦長の３つの表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒが横並びに形成されており、各表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒを通じてスロットマシン１０の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒを１つにまとめて共通の表示窓としてもよい。

図３に示すように、筐体１１は仕切り板３０によりその内部が上下２分割されており、仕切り板３０の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット３１が取り付けられている。リールユニット３１は、円筒状（円環状）にそれぞれ形成された左リール３２Ｌ，中リール３２Ｍ，右リール３２Ｒを備えている。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが各表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒと１対１で対応している。したがって、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒを通じて視認可能な状態となっている。また、リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが正回転すると、各表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒを通じてリール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。

ここで、リールユニット３１の構成を簡単に説明する。

各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば５０４パルスの駆動信号（以下、励磁パルスとも言う。）を与えることにより１回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット３１には、リールが１回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが１回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置１０１に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置１０１は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの角度位置を１回転毎に確認するとともに補正することができる。

各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの外周面には、その長辺方向（周回方向）に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、２１個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、２４パルス（＝５０４パルス÷２１図柄）の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置１０１は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。

次に、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに描かれている図柄について説明する。

図６には、左リール３２Ｌ，中リール３２Ｍ，右リール３２Ｒの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、それぞれ２１個の図柄が一列に配置されている。また、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに対応して番号が０〜２０まで付されているが、これら番号は主制御装置１０１が表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。

図柄としては、「ベル」図柄（例えば、左リール３２Ｌの２０番目）、「チェリー」図柄（例えば、左リール３２Ｌの１９番目）、「青年」図柄（例えば、左リール３２Ｌの１８番目）、「リプレイ」図柄（例えば、左リール３２Ｌの１７番目）、「白７」図柄（例えば、左リール３２Ｌの１６番目）、「星」図柄（例えば、中リール３２Ｍの１９番目）、「スイカ」図柄（例えば、中リール３２Ｍの１４番目）、「赤７」図柄（例えば、中リール３２Ｍの１０番目）、「青７」図柄（例えば、中リール３２Ｍの６番目）の９種類がある。そして、図６に示すように、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。

各表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒは、対応するリールに付された２１個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が３個となるように形成されている。このため、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒがすべて停止している状態では、３×３＝９個の図柄が表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒを介して視認可能な状態となる。

本スロットマシン１０では、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計４本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図７に示すように、左リール３２Ｌの上段図柄，中リール３２Ｍの中段図柄，右リール３２Ｒの上段図柄を結んだ第１ラインＬ１と、左リール３２Ｌの上段図柄，中リール３２Ｍの中段図柄，右リール３２Ｒの下段図柄を結んだ第２ラインＬ２と、左リール３２Ｌの下段図柄，中リール３２Ｍの中段図柄，右リール３２Ｒの上段図柄を結んだ第３ラインＬ３と、左リール３２Ｌの下段図柄，中リール３２Ｍの中段図柄，右リール３２Ｒの下段図柄を結んだ第４ラインＬ４と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。

図８には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。

メダル払出が行われる小役入賞としては、ベル入賞，チェリー入賞，第１小役入賞〜第１１小役入賞がある。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの「ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として１２枚のメダル払出が行われる。中リール３２Ｍの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として３枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール３２Ｌと右リール３２Ｒについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール３２Ｍの「チェリー」図柄と、左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール３２Ｍの中段は４本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール３２Ｍの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、４本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として１２（＝３×４）枚のメダル払出が行われる。

左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「ベル」図柄と、中リール３２Ｍの「星」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第１小役入賞として１枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「ベル」図柄と、中リール３２Ｍの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第２小役入賞として１枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「ベル」図柄と、中リール３２Ｍの「赤７」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第３小役入賞として１枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「ベル」図柄と、中リール３２Ｍの「青７」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第４小役入賞として１枚のメダル払出が行われる。つまり、左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「ベル」図柄と、中リール３２Ｍの「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかと、が有効ライン上に停止した場合には、１枚のメダル払出が行われる。以下では、入賞成立となった場合に１枚のメダル払出が行われる第１小役〜第４小役を総称して「１枚役」ともいう。

左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「リプレイ」図柄と、中リール３２Ｍの「星」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第５小役入賞として２枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「リプレイ」図柄と、中リール３２Ｍの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第６小役入賞として２枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「リプレイ」図柄と、中リール３２Ｍの「赤７」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第７小役入賞として２枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「リプレイ」図柄と、中リール３２Ｍの「青７」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第８小役入賞として２枚のメダル払出が行われる。つまり、左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「リプレイ」図柄と、中リール３２Ｍの「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかと、が有効ライン上に停止した場合には、２枚のメダル払出が行われる。以下では、入賞成立となった場合に２枚のメダル払出が行われる第５小役〜第８小役を総称して「２枚役」ともいう。

左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「チェリー」図柄と、中リール３２Ｍの「スイカ」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第９小役入賞として１２枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「チェリー」図柄と、中リール３２Ｍの「赤７」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第１０小役入賞として１２枚のメダル払出が行われる。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「チェリー」図柄と、中リール３２Ｍの「青７」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第１１小役入賞として１２枚のメダル払出が行われる。つまり、左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの「チェリー」図柄と、中リール３２Ｍの「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかと、が有効ライン上に停止した場合には、１２枚のメダル払出が行われる。

遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第１ＢＢ入賞と第２ＢＢ入賞がある。左リール３２Ｌ及び中リール３２Ｍの「白７」図柄と右リール３２Ｒの「青年」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、第１ＢＢ入賞となり、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの「白７」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第２ＢＢ入賞となる。これらＢＢ入賞が成立した場合には、遊技状態がＢＢ状態に移行する。

メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞と特殊再遊技入賞がある。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、再遊技入賞となり、左リール３２Ｌ及び中リール３２Ｍの「リプレイ」図柄と右リール３２Ｒの「白７」図柄とが有効ライン上に停止した場合には、特殊再遊技入賞となる。特殊再遊技入賞が成立した場合には、再遊技の特典が付与されるとともに、遊技状態がＲＴ状態に移行する。

なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、第１ＢＢ図柄の組合せとは、第１ＢＢ入賞となる図柄の組合せ、すなわち「白７」図柄，「白７」図柄，「青年」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの図柄を入賞図柄ともいう。例えば、第１ＢＢ図柄とは、左リール３２Ｌ及び中リール３２Ｍにおいては「白７」図柄であり、右リール３２Ｒにおいては「青年」図柄である。

遊技パネル２５の下方左側には、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの回転を開始させるために操作されるスタートレバー４１が設けられている。スタートレバー４１はリール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー４１を操作された場合、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが回転を開始するようになっている。

スタートレバー４１の右側には、回転している各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ４２〜４４が設けられている。各ストップスイッチ４２〜４４は、停止対象となるリール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに対応する表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ４２が操作された場合には左リール３２Ｌの回転が停止し、中ストップスイッチ４３が操作された場合には中リール３２Ｍの回転が停止し、右ストップスイッチ４４が操作された場合には右リール３２Ｒの回転が停止する。ストップスイッチ４２〜４４はリール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。

表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口４５が設けられている。メダル投入口４５は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口４５が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。

メダル投入口４５から投入されたメダルは、前面扉１２の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ４６によって貯留用通路４７か排出用通路４８のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ４６にはメダル通路切替ソレノイド４６ａが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド４６ａの非励磁時にはメダルが排出用通路４８側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド４６ａの励磁時にはメダルが貯留用通路４７側に導かれるようになっている。貯留用通路４７に導かれたメダルは、筐体１１の内部に収納されたホッパ装置５１へと導かれる。一方、排出用通路４８に導かれたメダルは、前面扉１２の前面下部に設けられたメダル排出口４９からメダル受け皿５０へと導かれ、遊技者に返還される。

ホッパ装置５１は、メダルを貯留する貯留タンク５２と、メダルを遊技者に払い出す払出装置５３とより構成されている。払出装置５３は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路４８に設けられた開口４８ａへメダルを排出し、排出用通路４８を介してメダル受け皿５０へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置５１の右方には、貯留タンク５２内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク５４が設けられている。ホッパ装置５１の貯留タンク５２内部には、この貯留タンク５２から予備タンク５４へとメダルを排出する誘導プレート５２ａが設けられている。したがって、誘導プレート５２ａが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク５４に貯留されることとなる。

メダル投入口４５の下方には、ボタン状の返却スイッチ５５が設けられている。メダル投入口４５に投入されたメダルがセレクタ４６内に詰まった状況下で返却スイッチ５５を操作された場合、セレクタ４６が機械的に連動して動作され、当該セレクタ４６内に詰まったメダルがメダル排出口４９から返却されるようになっている。

表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に３枚投入するための第１クレジット投入スイッチ５６が設けられている。また、第１クレジット投入スイッチ５６の左方には、第２クレジット投入スイッチ５７と、第３クレジット投入スイッチ５８とが設けられている。第２クレジット投入スイッチ５７は仮想メダルを一度に２枚投入するためのものであり、第３クレジット投入スイッチ５８は仮想メダルを１枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ５６〜５８は前記メダル投入口４５とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口４５が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ５６〜５８は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。

スタートレバー４１の左方には、精算スイッチ５９が設けられている。すなわち、本スロットマシン１０では、所定の最大値（メダル５０枚分）となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ５９を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口４９から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ５９は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。

遊技パネル２５の表示窓２６Ｌ，２６Ｍ，２６Ｒ下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部６０と、ＢＢ状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部６１と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部６２とがそれぞれ設けられている。これら表示部６０〜６２は７セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。

前面扉１２の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ６３と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ６４と、遊技者に各種情報を与える補助表示部６５とが設けられている。補助表示部６５は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部６５と称している。補助表示部６５の背面には、上部ランプ６３やスピーカ６４、補助表示部６５を駆動させるための表示制御装置８１が設けられている。

筐体１１の内部においてホッパ装置５１の左方には、電源ボックス７０が設けられている。電源ボックス７０は、その内部に電源装置９１を収容するとともに、電源スイッチ７１やリセットスイッチ７２、設定キー挿入孔７３などを備えている。電源スイッチ７１は、主制御装置１０１を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ７２は、スロットマシン１０のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔７３は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔７３へ挿入してＯＮ操作することにより、スロットマシン１０の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ７２は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン１０の当選確率を変更する場合にも操作される。

リールユニット３１の上方には、遊技を統括管理する主制御装置１０１が筐体１１に取り付けられている。

次に、本スロットマシン１０の電気的構成について、図９のブロック図に基づいて説明する。

主制御装置１０１には、演算処理手段であるＣＰＵ１０２を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。ＣＰＵ１０２には、電源装置９１の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路１０３や、入出力ポート１０４などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置１０１は、スロットマシン１０に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。

主制御装置１０１の入力側には、リールユニット３１（より詳しくは各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが１回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ）、スタートレバー４１の操作を検出するスタート検出センサ４１ａ、各ストップスイッチ４２〜４４の操作を個別に検出するストップ検出センサ４２ａ〜４４ａ、メダル投入口４５から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ４５ａ、ホッパ装置５１から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ５１ａ、各クレジット投入スイッチ５６〜５８の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ５６ａ〜５８ａ、精算スイッチ５９の操作を検出する精算検出センサ５９ａ、リセットスイッチ７２の操作を検出するリセット検出センサ７２ａ、設定キー挿入孔７３に設定キーが挿入されてＯＮ操作されたことを検出する設定キー検出センサ７３ａ等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート１０４を介してＣＰＵ１０２へ出力されるようになっている。

また、主制御装置１０１の入力側には、入出力ポート１０４を介して電源装置９１が接続されている。電源装置９１には、主制御装置１０１を始めとしてスロットマシン１０の各電子機器に駆動電力を供給する電源部９１ａや、停電監視回路９１ｂなどが搭載されている。

停電監視回路９１ｂは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ７１による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路９１ｂは、電源部９１ａから出力されるこの例では直流１２ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば１０ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はＣＰＵ１０２と入出力ポート１０４のそれぞれに供給され、ＣＰＵ１０２ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置８１にも供給されるように構成されている。

電源部９１ａは、出力電圧が１０ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置１０１などの制御系において駆動電圧として使用される５ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置１０１による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。

主制御装置１０１の出力側には、リールユニット３１（より詳しくは各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒを回転させるためのステッピングモータ）、セレクタ４６に設けられたメダル通路切替ソレノイド４６ａ、ホッパ装置５１、クレジット表示部６０、残払出枚数表示部６１、払出枚数表示部６２、表示制御装置８１、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板１２１等が入出力ポート１０４を介して接続されている。

表示制御装置８１は、上部ランプ６３やスピーカ６４、補助表示部６５を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置１０１からの信号を受け取った上で、表示制御装置８１が独自に上部ランプ６３、スピーカ６４及び補助表示部６５を駆動制御する。したがって、表示制御装置８１は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置１０１との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部６０〜６２も表示制御装置８１が駆動制御する構成としてもよい。

上述したＣＰＵ１０２には、このＣＰＵ１０２によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したＲＯＭ１０５と、このＲＯＭ１０５に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのＲＡＭ１０６の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン１０において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ＲＯＭ１０５とＲＡＭ１０６によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図１０〜図１９のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したＲＯＭ１０５に記憶されている。

ＲＡＭ１０６は、スロットマシン１０の電源が遮断された後においても電源装置９１からバックアップ電圧が供給されてデータを保持（バックアップ）できる構成となっている。ＲＡＭ１０６には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア１０６ａ、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア１０６ｂ、ＢＢ状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア１０６ｃ等の他に、バックアップエリアが設けられている。

バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時（電源スイッチ７１の操作による電源遮断をも含む。以下同様）のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時（電源スイッチ７１の操作による電源投入をも含む。以下同様）には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン１０の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理（図１０参照）によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。

また、ＣＰＵ１０２のＮＭＩ端子（ノンマスカブル割込端子）には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路９１ｂからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのＮＭＩ割込み処理が即座に実行されるようになっている。

続いて、主制御装置１０１のＣＰＵ１０２により実行される各制御処理について説明する。かかるＣＰＵ１０２の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に（本実施の形態では１．４９ｍｓｅｃ周期で）起動されるタイマ割込み処理と、ＮＭＩ端子への停電信号の入力に伴い起動されるＮＭＩ割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図１０〜図１９のフローチャートを参照しながら説明する。

図１０は、主制御装置１０１で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置１０１のＣＰＵ１０２により例えば１．４９ｍｓｅｃごとにタイマ割込みが発生する。

先ず、ステップＳ１０１に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているＣＰＵ１０２内の全レジスタの値をＲＡＭ１０６のバックアップエリアに退避させる。ステップＳ１０２では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップＳ１０３に進み、停電処理を実行する。

ここで、停電処理について概略を説明する。

停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置９１の停電監視回路９１ｂから停電信号が出力され、当該停電信号がＮＭＩ端子を介して主制御装置１０１に入力される。主制御装置１０１は、停電信号が入力された場合、即座にＮＭＩ割込み処理を実行し、停電フラグをＲＡＭ１０６に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。

停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、ＣＰＵ１０２のスタックポインタの値をＲＡＭ１０６のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート１０４における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にＲＡＭ１０６のデータが正常か否かを判定するためのＲＡＭ判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のＲＡＭアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、ＲＡＭ１０６への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。

タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップＳ１０２にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップＳ１０４以降の各種処理を行う。

すなわち、ステップＳ１０４では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップＳ１０５では、ＣＰＵ１０２自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップＳ１０６では、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップＳ１０７では、入出力ポート１０４に接続されたストップ検出センサ４２ａ〜４４ａ，投入メダル検出センサ４５ａ，払出検出センサ５１ａ等の各種センサ（図９参照）の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップＳ１０８では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップＳ１０９では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板１２１へ出力するカウンタ処理を行う。

ステップＳ１１０では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置８１へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップＳ１１１では、クレジット表示部６０、残払出枚数表示部６１及び払出枚数表示部６２にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップＳ１１２では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部６０〜６２に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップＳ１１３では、入出力ポート１０４からＩ／Ｏ装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップＳ１１４では、先のステップＳ１０１にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれＣＰＵ１０２内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップＳ１１５にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。

次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図１１のフローチャートに基づき説明する。

先ずステップＳ２０１では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップＳ２０２では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置８１等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置８１等の初期化が終了した場合には、ステップＳ２０３〜ステップＳ２１３に示す遊技管理処理を行う。

遊技管理処理として、ステップＳ２０３では、ＲＡＭ１０６に格納された各種遊技情報等のデータ（例えば前回の遊技で用いた乱数値等）をクリアする。その後、ステップＳ２０４では開始待ち処理を行う。

開始待ち処理では、前回の遊技で再遊技入賞又は特殊再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞又は特殊再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部６０に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技で再遊技入賞又は特殊再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。再遊技入賞及び特殊再遊技入賞が成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップＳ１０７にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン１０をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ７２が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ５９が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ５９が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ５９が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ５６〜５８の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ５６〜５８の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。

開始待ち処理の終了後、ステップＳ２０５ではメダルのベット数が規定数（本実施の形態では３）に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップＳ２０４の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップＳ２０６にてスタートレバー４１が操作されたか否かを判定する。スタートレバー４１が操作されていない場合には、ステップＳ２０４の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。

一方、スタートレバー４１が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー４１が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップＳ２０７にて上述した第１ラインＬ１〜第４ラインＬ４の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップＳ２０８にてメダル通路切替ソレノイド４６ａを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップＳ２０９の抽選処理、ステップＳ２１０のリール制御処理、ステップＳ２１１のメダル払出処理、ステップＳ２１２のＲＴ状態処理、ステップＳ２１３のＢＢ状態処理を順に実行し、ステップＳ２０３に戻る。

次に、ステップＳ２０９の抽選処理について、図１２のフローチャートに基づき説明する。

ステップＳ３０１では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン１０では、スタートレバー４１が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは０〜６５５３５の乱数を生成しており、ＣＰＵ１０２は、スタートレバー４１の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をＲＡＭ１０６に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー４１が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン１０のハード回路は、スタートレバー４１が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。

乱数を取得した後、ステップＳ３０２では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン１０では、大別して通常遊技状態，ＲＴ状態，ＢＢ状態の３種類の遊技状態を有している。そこでステップＳ３０２では、状態情報格納エリア１０６ｃにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン１０の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア１０６ｃに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン１０では、「設定１」から「設定６」まで６段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してＯＮ操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップＳ３０２では、設定状態が「設定１」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定６」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。

抽選テーブルについて、簡単に説明する。図１３は、「設定３」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値ＩＶが設定されており、各インデックス値ＩＶには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値ＰＶが設定されている。

抽選テーブルを選択した後、ステップＳ３０３ではインデックス値ＩＶを１とし、続くステップＳ３０４では役の当否を判定する際に用いる判定値ＤＶを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値ＤＶに、現在のインデックス値ＩＶと対応するポイント値ＰＶを加算して新たな判定値ＤＶを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップＳ３０１にて取得した乱数値を現在の判定値ＤＶとし、この乱数値に現在のインデックス値ＩＶである１と対応するポイント値ＰＶを加算して新たな判定値ＤＶとする。

その後、ステップＳ３０５ではインデックス値ＩＶと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値ＤＶが６５５３５を超えたか否かを判定する。６５５３５を超えた場合には、ステップＳ３０６に進み、そのときのインデックス値ＩＶと対応する当選フラグをＲＡＭ１０６の当選フラグ格納エリア１０６ａにセットする。例えば、ＩＶ＝９のときに判定値ＤＶが６５５３５を超えた場合、ステップＳ３０６では、第１ＢＢに当選したことを示す第１ＢＢ当選フラグと、再遊技に当選したことを示す再遊技当選フラグと、を当選フラグ格納エリア１０６ａにセットする。

ちなみに、セットされた当選フラグが第１ＢＢ当選フラグ又は第２ＢＢに当選したことを示す第２ＢＢ当選フラグでない場合、当選フラグ格納エリア１０６ａにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる（通常処理のＳ２０３参照）。一方、当選フラグが第１ＢＢ当選フラグ又は第２ＢＢ当選フラグである場合、これら当選フラグは対応するＢＢ入賞が成立したことを条件の１つとしてリセットされる。詳細は後述するが、本スロットマシン１０では、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となる場合に必ず再遊技にも当選となる構成となっており、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選したゲームでは再遊技入賞が成立するようになっている。このため、第１ＢＢ当選フラグと第２ＢＢ当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされることとなる。なお、第１ＢＢ当選フラグ又は第２ＢＢ当選フラグを持ち越した状態におけるステップＳ３０６では、現在のインデックス値ＩＶが１〜８，１１であればインデックス値ＩＶと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値ＩＶが９又は１０であれば再遊技当選フラグのみをセットする。つまり、第１ＢＢ当選フラグ又は第２ＢＢ当選フラグが持ち越されているゲームでは、第１ＢＢ及び第２ＢＢ以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。

ステップＳ３０５にて判定値ＤＶが６５５３５を超えなかった場合には、インデックス値ＩＶと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップＳ３０７にてインデックス値ＩＶを１加算し、続くステップＳ３０８ではインデックス値ＩＶと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、１加算されたインデックス値ＩＶが抽選テーブルに設定されたインデックス値ＩＶの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップＳ３０４に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップＳ３０４では、先の役の当否判定に用いた判定値ＤＶ（すなわち現在の判定値ＤＶ）に現在のインデックス値ＩＶと対応するポイント値ＰＶを加算して新たな判定値ＤＶとし、ステップＳ３０５では、当該判定値ＤＶに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図１３に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、ＩＶ＝１の際に当選となってチェリーに当選となる確率は約２００分の１、ＩＶ＝２の際に当選となってベルに当選となる確率は約２００分の１、ＩＶ＝３の際に当選となってベル及び第１小役〜第８小役に当選となる確率は約２０．０分の１、ＩＶ＝４の際に当選となってベル及び第１小役〜第９小役に当選となる確率は約２０．０分の１、ＩＶ＝５の際に当選となってベル，第１小役〜第８小役及び第１０小役に当選となる確率は約２０．０分の１、ＩＶ＝６の際に当選となってベル，第１小役〜第８小役及び第１１小役に当選となる確率は約２０．０分の１、ＩＶ＝７の際に当選となってベル及び第１小役〜第１０小役に当選となる確率は約２０．０分の１、ＩＶ＝８の際に当選となって再遊技に当選となる確率は約８．２２分の１、ＩＶ＝９の際に当選となって第１ＢＢ及び再遊技に当選となる確率は約２００分の１、ＩＶ＝１０の際に当選となって第２ＢＢ及び再遊技に当選となる確率は約１０００分の１、ＩＶ＝１１の際に当選となって特殊再遊技に当選となる確率は約６５．５分の１である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約１．６８分の１である。

ステップＳ３０６にて当選フラグをセットした後、又はステップＳ３０８にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップＳ３０９にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置８１に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置８１に対してコマンドを送信しない。表示制御装置８１へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理Ｓ１１０にて行われる。

そして、ステップＳ３１０では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。

停止情報設定処理では、図１４のフローチャートに示すように、ステップＳ３３１において特殊再遊技に当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃに特殊再遊技当選フラグがセットされているか否かを判定する。特殊再遊技に当選している場合には、ステップＳ３３２に進み、特殊再遊技入賞を成立させるための特殊再遊技入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。ステップＳ３３１にて特殊再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップＳ３３３に進み、再遊技に当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃに再遊技当選フラグがセットされているか否かを判定する。再遊技に当選している場合には、ステップＳ３３４に進み、再遊技入賞を成立させるための再遊技入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。ステップＳ３３３にて再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップＳ３３５に進み、チェリーに当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃにチェリー当選フラグがセットされているか否かを判定する。チェリーに当選している場合には、ステップＳ３３６に進み、チェリー入賞を成立させるためのチェリー入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。ステップＳ３３５にてチェリーに当選していないと判定した場合には、ステップＳ３３７に進み、ベルに当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃにベル当選フラグがセットされているか否かを判定する。ベルに当選している場合には、ステップＳ３３８にて当選状況判定処理を行った後、本処理を終了する。

当選状況判定処理では、図１５のフローチャートに示すように、ステップＳ３５１にて第１小役〜第８小役に当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃに第１小役当選フラグ〜第８小役当選フラグがセットされているか否かを判定する。第１小役当選フラグ〜第８小役当選フラグがセットされていない場合には、抽選処理においてＩＶ＝２の際に当選となったことを意味する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるためのベル入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。一方、第１小役当選フラグ〜第８小役当選フラグがセットされている場合には、抽選処理においてＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となったことを意味する。かかる場合には、ステップＳ３５３及びステップＳ３５４において、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃに第１ＢＢ当選フラグ又は第２ＢＢ当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれのＢＢ当選フラグもセットされていない場合、すなわちＢＢ当選フラグが持ち越されていない状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ステップＳ３５５に進み、２本の有効ライン上で入賞を成立させるための２ライン入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。第１ＢＢ当選フラグがセットされている場合、すなわち第１ＢＢ当選フラグが持ち越されている状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ステップＳ３５６に進み、後述する停止指令の発生順序によって成立する入賞態様を変化させるための操作順序対応用停止情報を設定し、本処理を終了する。また、第２ＢＢ当選フラグがセットされている場合、すなわち第２ＢＢ当選フラグが持ち越されている状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ステップＳ３５２にて上述したベル入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。

停止情報設定処理の説明に戻り、ステップＳ３３７にてベルに当選していないと判定した場合には、ステップＳ３３９に進み、第１ＢＢに当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃに第１ＢＢ当選フラグがセットされているか否かを判定する。第１ＢＢに当選している場合には、ステップＳ３４０に進み、第１ＢＢ入賞を成立させるための第１ＢＢ入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。ステップＳ３３９にて第１ＢＢに当選していないと判定した場合には、ステップＳ３４１に進み、第２ＢＢに当選しているか否か、すなわち当選フラグ格納エリア１０６ｃに第２ＢＢ当選フラグがセットされているか否かを判定する。第２ＢＢに当選している場合には、ステップＳ３４２に進み、第２ＢＢ入賞を成立させるための第２ＢＢ入賞用停止情報を設定し、本処理を終了する。第２ＢＢに当選していない場合には、いずれの役にも当選していないことを意味するため、ステップＳ３４３にて入賞の成立を回避させるための外れ用停止情報を設定し、本処理を終了する。

次に、ステップＳ２１０のリール制御処理について、図１６のフローチャートに基づき説明する。

リール制御処理では、先ずステップＳ４０１において各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの回転を開始させる回転開始処理を行う。

回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間（例えば４．１秒）が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、ＲＡＭ１０６に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理Ｓ１０６にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー４１を操作したとしても、直ちに各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが回転を開始しない場合がある。その後、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、ＣＰＵ１０２は、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ４２〜４４の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。

回転開始処理に続き、ステップＳ４０２では、ストップスイッチ４２〜４４のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ４２〜４４も操作されていない場合には、ストップスイッチ４２〜４４のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ４２〜４４のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップＳ４０３に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップＳ４０２に戻り、ストップスイッチ４２〜４４のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップＳ４０４にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置８１に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップＳ４０５〜ステップＳ４１１に示す停止制御処理を行う。

ステップＳ４０５では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置（本実施の形態では下段）に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップＳ４０６では、停止情報格納エリア１０６ｂに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン１０では、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒを停止させる停止態様として、ストップスイッチ４２〜４４が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを１図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、２図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、３図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、４図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との５パターンの停止態様が用意されている。そこでステップＳ４０６では、停止情報格納エリア１０６ｂに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として０〜４のいずれかの値を算出する。その後、ステップＳ４０７では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップＳ４０８では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップＳ４０９にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップＳ４１０では、全リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが停止したか否かを判定する。全リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが停止していない場合には、ステップＳ４１１にて停止情報第２設定処理を行い、ステップＳ４０２に戻る。

ここで、停止情報第２設定処理とは、ＲＡＭ１０６の停止情報格納エリア１０６ｂに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第２設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン１０では、例えば第１ＢＢ当選フラグと、第１小役当選フラグ〜第８小役当選フラグと、が少なくともセットされている場合、すなわち第１ＢＢ当選フラグが持ち越されている状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合に、停止指令を発生させたストップスイッチ４２〜４４の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第２設定処理を行う。

ステップＳ４１０にて全リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが停止していると判定した場合には、ステップＳ４１２にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の１つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア１０６ａにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をＲＡＭ１０６に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン１０をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ７２が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップＳ４１３にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置８１に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。

ここで、役の抽選結果と成立する入賞態様との対応関係について説明する。

本スロットマシン１０では、リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒをストップスイッチ４２〜４４の操作されたタイミングから最大４図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール３２Ｌと右リール３２Ｒにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール３２Ｍにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール３２Ｌと右リール３２Ｒに関しては、同種図柄同士の間隔が６図柄以下で配置されていればストップスイッチ４２，４４の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール３２Ｍに関しては、同種図柄同士の間隔が４図柄以下で配置されていればストップスイッチ４３の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。

先ず、第１ＢＢ当選フラグ及び第２ＢＢ当選フラグが持ち越されていないＢＢ非当選状況における役の抽選結果と成立する入賞態様との対応関係について説明する。

ＩＶ＝１の際に当選となった場合、チェリーに当選となる。停止情報設定処理では、チェリーに当選した場合、チェリー入賞用停止情報が設定される。但し、中リール３２Ｍには、「チェリー」図柄が１７番の位置に１つ配置されているのみであって、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「チェリー」図柄が配置されていない。このため、ＢＢ非当選状況でＩＶ＝１の際に当選となった場合には、中ストップスイッチ４３の操作タイミングによってチェリー入賞が成立したり成立しなかったりする。具体的には、中リール３２Ｍの１２番〜１６番の図柄が下段に到達しているタイミング（以下、「第１タイミング」という。）で中ストップスイッチ４３が操作された場合には、チェリー入賞が成立し、中リール３２Ｍの０番〜１１番，１７番〜２０番の図柄が下段に到達しているタイミング（以下、「第２タイミング」という。）で中ストップスイッチ４３が操作された場合には、取りこぼしが発生する。

ＩＶ＝２の際に当選となった場合、ベルに当選となる。停止情報設定処理では、当選状況判定処理において第１小役〜第８小役に当選していないと判定され、ベル入賞用停止情報が設定される。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「ベル」図柄が配置されている。このため、ＢＢ非当選状況でＩＶ＝２の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。

ＩＶ＝３の際に当選となった場合、ベル，１枚役及び２枚役に当選となる。停止情報設定処理では、当選状況判定処理において第１小役〜第８小役に当選していると判定されるとともに第１ＢＢ及び第２ＢＢに当選していないと判定され、２ライン入賞用停止情報が設定される。

ここで、２ライン入賞用停止情報とは、左リール３２Ｌの「ベル」図柄が下段に停止するように、中リール３２Ｍの「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかが中段に停止するように、右リール３２Ｒの「ベル」図柄が上段に停止するように、設定された停止情報である。左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「ベル」図柄が配置されている。また、中リール３２Ｍには、２番の位置に「星」図柄が配置され、６番の位置に「青７」図柄が配置され、１０番の位置に「赤７」図柄が配置され、１４番の位置に「スイカ」図柄が配置され、１９番の位置に「星」図柄が配置されている。つまり、中リール３２Ｍには、「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかが所定位置を通過してから上記各図柄のいずれかが上記所定位置に到達するまでの間隔が４図柄以下となるように各図柄が配置されている。このため、２ライン入賞用停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、左リール３２Ｌの「ベル」図柄が下段に停し、中リール３２Ｍの「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかが中段に停止し、右リール３２Ｒの「ベル」図柄が上段に停止する。また、左リール３２Ｌの「リプレイ」図柄は、「ベル」図柄から上流側に１図柄分離れた位置にそれぞれ配置されており、右リール３２Ｒの「リプレイ」図柄は、「ベル」図柄から下流側に１図柄分離れた位置にそれぞれ配置されている。このため、左リール３２Ｌの「ベル」図柄が下段に停止した場合には、左リール３２Ｌの上段に「リプレイ」図柄が停止することとなり、右リール３２Ｒの「ベル」図柄が上段に停止した場合には、左リール３２Ｌの下段に「リプレイ」図柄が停止することとなる。つまり、２ライン入賞用停止情報が設定された場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、第２ラインＬ２上で第５小役入賞〜第８小役入賞のいずれかが成立するとともに、第３ラインＬ３上で第１小役入賞〜第４小役入賞のいずれかが成立する。第１小役入賞〜第４小役入賞のいずれかが成立した場合には１枚のメダル払出が行われ、第５小役入賞〜第８小役入賞のいずれかが成立した場合には２枚のメダル払出が行われるため、２ライン入賞用停止情報が設定された場合には、第２ラインＬ２及び第３ラインＬ３の２本の有効ライン上で入賞が成立するとともに３枚のメダル払出が行われることとなる。

ＩＶ＝４〜７の際に当選となった場合については、ＩＶ＝３の際に当選となった場合と同一の停止制御が行われる。すなわち、停止情報設定処理において２ライン入賞用停止情報が設定され、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、第２ラインＬ２上にて２枚役入賞が成立するとともに、第３ラインＬ３上にて１枚役入賞が成立する。

ＩＶ＝８の際に当選となった場合、再遊技に当選となる。停止情報設定処理では、再遊技入賞用停止情報が設定される。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、ＢＢ非当選状況でＩＶ＝８の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず再遊技入賞が成立する。

ＩＶ＝９の際に当選となった場合、再遊技と第１ＢＢに当選となる。停止情報設定処理では、ＩＶ＝８の際に当選となった場合と同様に、再遊技入賞用停止情報が設定される。このため、ＢＢ非当選状況でＩＶ＝９の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、第１ＢＢ入賞ではなく再遊技入賞が優先して成立する。

ＩＶ＝１０の際に当選となった場合、再遊技と第２ＢＢに当選となる。停止情報設定処理では、ＩＶ＝８の際に当選となった場合と同様に、再遊技入賞用停止情報が設定される。このため、ＢＢ非当選状況でＩＶ＝１０の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、第２ＢＢ入賞ではなく再遊技入賞が優先して成立する。

ＩＶ＝１１の際に当選となった場合、特殊再遊技に当選となる。停止情報設定処理では、特殊再遊技入賞用停止情報が設定される。左リール３２Ｌ及び中リール３２Ｍには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、右リール３２Ｒには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「白７」図柄が配置されている。このため、ＢＢ非当選状況でＩＶ＝１１の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず特殊再遊技入賞が成立する。

ＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならなかった場合、すなわち外れとなった場合には、停止情報設定処理において外れ用停止情報が設定され、いずれの入賞も成立しない。

次に、第１ＢＢ当選フラグが持ち越されている第１ＢＢ当選状況における役の抽選結果と成立する入賞態様との対応関係について説明する。

ＩＶ＝１の際に当選となった場合、第１ＢＢとチェリーに当選となる。停止情報設定処理では、第１ＢＢ入賞用停止情報ではなくチェリー入賞用停止情報が設定される。このため、第１タイミングで中ストップスイッチ４３が操作された場合には、第１ＢＢ入賞ではなくチェリー入賞が優先して成立する。一方、第２タイミングで中ストップスイッチ４３が操作された場合には、チェリー入賞を成立させることができないため、停止情報第２設定処理において停止情報が第１ＢＢ入賞用停止情報に変更される。左リール３２Ｌ及び中リール３２Ｍには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「白７」図柄が配置されており、右リール３２Ｒには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「青年」図柄が配置されている。このため、第２タイミングで中ストップスイッチ４３が操作された場合には、第１ＢＢ入賞が成立する。つまり、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝１の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、チェリー入賞又は第１ＢＢ入賞が成立する。

ＩＶ＝２の際に当選となった場合、第１ＢＢとベルに当選となる。停止情報設定処理では、第１ＢＢ入賞用停止情報ではなくベル入賞用停止情報が設定される。このため、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝２の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、第１ＢＢ入賞ではなくベル入賞が優先して成立する。

ＩＶ＝３の際に当選となった場合、第１ＢＢ，ベル，１枚役及び２枚役に当選となる。停止情報設定処理では、当選状況判定処理において第１小役〜第８小役に当選していると判定されるとともに第１ＢＢに当選していると判定され、操作順序対応用停止情報が設定される。

ここで、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝３の際に当選となった場合の停止制御について説明する。

ＩＶ＝３の際に当選となった場合の操作順序対応用停止情報には、左リール３２Ｌの「ベル」図柄が下段に停止するように、中リール３２Ｍの「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかが中段に停止するように、右リール３２Ｒの「ベル」図柄が上段に停止するように、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止情報が設定されている。

左ストップスイッチ４２が操作されて第１停止指令が発生した場合には、操作順序対応用停止情報に基づいて左リール３２Ｌの「ベル」図柄を下段に停止させるとともに、停止情報第２設定処理において、中リール３２Ｍの「ベル」図柄が中段に停止するとともに右リール３２Ｒの「ベル」図柄が上段に停止するよう設定された停止情報に変更する。そして、中ストップスイッチ４３が操作されて第２停止指令が発生するとともに右ストップスイッチ４４が操作されて第３停止指令が発生した場合には、上記変更した停止情報に基づいて中リール３２Ｍの「ベル」図柄を中段に停止させるとともに右リール３２Ｒの「ベル」図柄を上段に停止させる。この結果、左ストップスイッチ４２→中ストップスイッチ４３→右ストップスイッチ４４の順で操作されて停止指令が発生した場合には、第３ラインＬ３上でベル入賞が成立する。一方、右ストップスイッチ４４が操作されて第２停止指令が発生した場合には、上記変更した停止情報に基づいて右リール３２Ｒの「ベル」図柄を上段に停止させるとともに、停止情報第２設定処理において、中リール３２Ｍの「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかが中段に停止するように設定された停止情報に変更する。中ストップスイッチ４３が操作されて第３停止指令が発生した場合には、上記変更した停止情報に基づいて中リール３２Ｍの「星」図柄，「スイカ」図柄，「赤７」図柄，「青７」図柄のいずれかを中段に停止させる。上述したとおり、左リール３２Ｌの「ベル」図柄が下段に停止した場合には、左リール３２Ｌの上段に「リプレイ」図柄が停止することとなり、右リール３２Ｒの「ベル」図柄が上段に停止した場合には、左リール３２Ｌの下段に「リプレイ」図柄が停止することとなる。したがって、左ストップスイッチ４２→右ストップスイッチ４４→中ストップスイッチ４３の順で操作されて停止指令が発生した場合には、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに、第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。

中ストップスイッチ４３が操作されて第１停止指令が発生した場合と、右ストップスイッチ４４が操作されて第１停止指令が発生した場合と、には、操作順序対応用停止情報に基づいて各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御がなされる。この結果、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに、第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。

このように、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝３の際に当選となった場合には、左ストップスイッチ４２→中ストップスイッチ４３→右ストップスイッチ４４の順で操作された場合、第３ラインＬ３上でベル入賞が成立し、他の順序で操作された場合、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。

ＩＶ＝４〜７の際に当選となった場合については、ベル入賞の成立するストップスイッチ４２〜４４の操作順序が異なる点を除き、ＩＶ＝３の際に当選となった場合と同様である。

ＩＶ＝４の際に当選となった場合には、左ストップスイッチ４２→右ストップスイッチ４４→中ストップスイッチ４３の順で操作された場合、第３ラインＬ３上でベル入賞が成立し、他の順序で操作された場合、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。

ＩＶ＝５の際に当選となった場合には、中ストップスイッチ４３→左ストップスイッチ４２→右ストップスイッチ４４の順で操作された場合と、中ストップスイッチ４３→右ストップスイッチ４４→左ストップスイッチ４２の順で操作された場合と、に第３ラインＬ３上でベル入賞が成立し、他の順序で操作された場合、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。

ＩＶ＝６の際に当選となった場合には、右ストップスイッチ４４→中ストップスイッチ４３→左ストップスイッチ４２の順で操作された場合、第３ラインＬ３上でベル入賞が成立し、他の順序で操作された場合、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。

ＩＶ＝７の際に当選となった場合には、右ストップスイッチ４４→左ストップスイッチ４２→中ストップスイッチ４３の順で操作された場合、第３ラインＬ３上でベル入賞が成立し、他の順序で操作された場合、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。

ＩＶ＝８〜１０の際に当選となった場合については、ＢＢ非当選状況下でＩＶ＝９の際に当選となった場合と同じである。すなわち、停止情報設定処理において再遊技入賞用停止情報が設定され、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず再遊技入賞が成立する。

ＩＶ＝１１の際に当選となった場合、第１ＢＢと特殊再遊技に当選となる。停止情報設定処理では、第１ＢＢ入賞用停止情報ではなく特殊再遊技入賞用停止情報が設定される。このため、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝１１の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、第１ＢＢ入賞ではなく特殊再遊技入賞が優先して成立する。

ＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならなかった場合には、第１ＢＢ当選フラグが持ち越されているため、第１ＢＢに当選となる。停止情報設定処理では、第１ＢＢ入賞用停止情報が設定される。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして第１ＢＢ図柄が配置されている。このため、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝１〜１０のいずれでも当選とならなかった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第１ＢＢ入賞が成立する。

次に、第２ＢＢ当選フラグが持ち越されている第２ＢＢ当選状況における役の抽選結果と成立する入賞態様との対応関係について説明する。

ＩＶ＝１，２，８，９，１０，１１の際に当選となった場合及びＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならなかった場合については、第１ＢＢ当選状況と同じである。すなわち、ＩＶ＝１の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず、チェリー入賞又は第２ＢＢ入賞が成立する。ＩＶ＝２の際に当選となった場合には、第２ＢＢ入賞ではなくベル入賞が優先して成立する。ＩＶ＝８〜１０の際に当選となった場合には、第２ＢＢ入賞ではなく再遊技入賞が優先して成立する。ＩＶ＝１１の際に当選となった場合には、第２ＢＢ入賞ではなく特殊再遊技入賞が優先して成立する。ＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならなかった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第２ＢＢ入賞が成立する。

ＩＶ＝３の際に当選となった場合、第２ＢＢ，ベル，１枚役及び２枚役に当選となる。停止情報設定処理では、当選状況判定処理において第１小役〜第８小役に当選していると判定されるとともに第２ＢＢに当選していると判定され、ベル入賞用停止情報が設定される。この結果、ＩＶ＝３の際に当選となった場合には、第１ＢＢ当選状況と異なり、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序及び操作タイミングに関わらず、ベル入賞が成立する。ＩＶ＝４〜７の際に当選となった場合についても同様であり、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序及び操作タイミングに関わらず、ベル入賞が成立する。

このように、本スロットマシン１０では、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合、遊技状況がＢＢ非当選状況，第１ＢＢ当選状況，第２ＢＢ当選状況のいずれであるかにより、メダル払出数と、入賞が成立する有効ラインの数と、が変化するようになっている。

次に、ステップＳ２１１のメダル払出処理について、概略を説明する。

メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が０か否かを判定する。払出数が０の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて再遊技入賞又は特殊再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞及び特殊再遊技入賞が成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、再遊技入賞又は特殊再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理Ｓ２０４では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。

一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が０でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限（貯留されているメダル数が５０枚）に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部６０に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置５１からメダル排出口４９を介してメダル受け皿５０へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部６２に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がＢＢ状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部６１に表示される残払出数を減算する処理を行う。

次に、ステップＳ２１２のＲＴ状態処理を図１７のフローチャートに基づいて説明する。

ステップＳ５０１では、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップＳ５０２に進み、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて特殊再遊技入賞が成立したか否かを判定する。特殊再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了する。特殊再遊技入賞が成立した場合には、ステップＳ５０３にて状態情報格納エリア１０６ｃにＲＴ設定フラグをセットするとともに、ステップＳ５０４にて状態情報格納エリア１０６ｃに設けられたゲーム数をカウントするための残ゲーム数カウンタに２００をセットし、本処理を終了する。

ステップＳ５０３にてＲＴ設定フラグをセットした場合には、遊技状態がＲＴ状態に移行する。そして、抽選処理のステップＳ３０２では、状態情報格納エリア１０６ｃにＲＴ設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がＲＴ状態であると判別し、ＲＴ状態用抽選テーブルを選択する。

図１８は、「設定３」のＲＴ状態で選択されるＲＴ状態用抽選テーブルである。ＲＴ状態用抽選テーブルには、１０個のインデックス値ＩＶが設定されており、各インデックス値ＩＶには、通常遊技状態用抽選テーブル（図１３参照）と同一の当選役が設定されている。つまり、ＲＴ状態用抽選テーブルには、特殊再遊技に当選とならないように各インデックス値ＩＶ及び当選役が設定されている。そして、ＲＴ状態用抽選テーブルは、ＩＶ＝８のポイント値ＰＶすなわち再遊技のみに当選となるポイント値ＰＶのみが通常遊技状態用抽選テーブルと異なっている。かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、ＩＶ＝１〜７，９，１０の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、ＩＶ＝８の際に当選となる確率は約１．３６分の１となる。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約６５５００分の１となる。つまり、遊技状態がＲＴ状態に移行した場合には、非常に高確率で何らかの役に当選となる。

ステップＳ５０１にて現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合には、ステップＳ５０５に進み、現在の遊技状態がＲＴ状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がＲＴ状態でない場合には、そのまま本処理を終了し、現在の遊技状態がＲＴ状態である場合には、ステップＳ５０６〜ステップＳ５０９に示すＲＴ終了判定処理を行った後に本処理を終了する。

ＲＴ終了判定処理では、ステップＳ５０６にて残ゲーム数カウンタの値を１減算し、ステップＳ５０７にて残ゲーム数カウンタの値が０となったか否かを判定する。残ゲーム数カウンタの値が０でない場合には、ステップＳ５０８に進み、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて第１ＢＢ入賞又は第２ＢＢ入賞が成立したか否かを判定する。残ゲーム数カウンタの値が０でなく、第１ＢＢ入賞及び第２ＢＢ入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、残ゲーム数カウンタの値が０である場合と、第１ＢＢ入賞又は第２ＢＢ入賞が成立した場合と、には、ステップＳ５０９にてＲＴ設定フラグをクリアし、本処理を終了する。

このように、本スロットマシン１０では、特殊再遊技入賞が成立した場合に遊技状態がＲＴ状態に移行し、ＲＴ状態下で２００回のゲームが行われた場合と、第１ＢＢ入賞又は第２ＢＢ入賞が成立した場合と、にＲＴ状態が終了する。

次に、ステップＳ２１３のＢＢ状態処理を図１９のフローチャートに基づいて説明する。

ステップＳ６０１では、現在の遊技状態がＢＢ状態か否かを判定する。ＢＢ状態でない場合には、ステップＳ６０２〜ステップＳ６０６に示すＢＢ判定処理を行う。

ＢＢ判定処理では、ステップＳ６０２にて第１ＢＢ当選フラグ又は第２ＢＢ当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのＢＢ当選フラグがセットされている場合には、ステップＳ６０３に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第１ＢＢ入賞又は第２ＢＢ入賞が成立したか否かを判定する。そして、いずれかのＢＢ入賞が成立した場合には、ステップＳ６０４にてＲＡＭ１０６の当選フラグ格納エリア１０６ａにセットされているＢＢ当選フラグをクリアするとともに、ステップＳ６０５にてＲＡＭ１０６の状態情報格納エリア１０６ｃにＢＢ設定フラグをセットする。ステップＳ６０６では、状態情報格納エリア１０６ｃに設けられたＢＢ状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに５０をセットし、残払出枚数表示部６１に５０を表示させる処理を行う。ステップＳ６０５及びステップＳ６０６の処理を行うことにより、遊技状態がＢＢ状態に移行する。そして、抽選処理のステップＳ３０２では、状態情報格納エリア１０６ｃにＢＢ設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がＢＢ状態であると判別し、ＢＢ状態用抽選テーブルを選択する。

遊技状態がＢＢ状態に移行した場合には、ステップＳ６０１にて肯定判定をし、ステップＳ６０７にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が０となったか否かを判定し、０となった場合にＢＢ設定フラグをクリアして遊技状態を通常遊技状態とする処理を行う。

いずれのＢＢ当選フラグもセットされていない場合（ステップＳ６０２がＮＯの場合）と、いずれのＢＢ入賞も成立していない場合（ステップＳ６０３がＮＯの場合）と、ステップＳ６０６にて残払出数カウンタに５０をセットした場合と、ステップＳ６０７にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップＳ６０８に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態（すなわち次回のゲームの遊技状態）を把握させるべく表示制御装置８１に対して送信されるコマンドであり、ステップＳ６０８では、状態情報格納エリア１０６ｃにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。

ここで、ＢＢ非当選状況，第１ＢＢ当選状況，第２ＢＢ当選状況における１ゲームあたりのメダル払出の期待値を説明する。

先ず、ＢＢ非当選状況における１ゲームあたりのメダル払出の期待値を説明する。

ＢＢ非当選状況では、ＩＶ＝１の際に当選となった場合、中ストップスイッチ４３を第１タイミングで操作すればチェリー入賞が成立し、中ストップスイッチ４３を第２タイミングで操作すれば取りこぼしが発生する。ＩＶ＝２の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合、２本の有効ライン上で入賞を成立させるべく各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御が行われ、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず１枚役入賞と２枚役入賞が成立する。この結果、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず３枚のメダル払出が行われる。また、ＩＶ＝９の際に当選となった場合すなわち第１ＢＢと再遊技に当選となった場合と、ＩＶ＝１０の際に当選となった場合すなわち第２ＢＢと再遊技に当選となった場合とには、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず再遊技入賞が成立し、対応するＢＢ入賞は成立しない。つまり、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合には、対応するＢＢ当選フラグが次ゲーム以降に持ち越されることとなる。通常遊技状態下でＩＶ＝１１の際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず特殊再遊技入賞が成立する。

通常遊技状態では、チェリー当選時に取りこぼしを発生させなかった場合、約２００分の１の確率でチェリー入賞が成立し、約２００分の１の確率でベル入賞が成立し、約４．００分の１の確率で１枚役入賞と２枚役入賞が同時に成立し、約７．８３分の１の確率で再遊技入賞が成立し、約６５．５分の１の確率で特殊再遊技入賞が成立する。１ゲームあたりのメダル払出の期待値は、チェリー当選時に取りこぼしを発生させなかった場合、約１．３０枚である。１回のゲームを行うために３枚のメダルをベットする必要があるため、１ゲームあたりにメダルが約１．７０枚減少することを期待できる。

ＲＴ状態では、チェリー当選時に取りこぼしを発生させなかった場合、約２００分の１の確率でチェリー入賞が成立し、約２００分の１の確率でベル入賞が成立し、約４．００分の１の確率で１枚役入賞と２枚役入賞が同時に成立し、約１．３５分の１の確率で再遊技入賞が成立する。１ゲームあたりのメダル払出の期待値は、チェリー当選時に取りこぼしを発生させなかった場合、約３．０９枚である。１回のゲームを行うために３枚のメダルをベットする必要があるため、１ゲームあたりにメダルが約０．０９枚増加することを期待できる。

次に、第１ＢＢ当選状況における１ゲームあたりのメダル払出の期待値を説明する。

第１ＢＢ当選状況では、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合、ＢＢ非当選状況と異なる各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御が行われる。具体的には、停止情報設定処理において操作順序対応用停止情報が設定され、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序によって成立する入賞態様を変化させる停止制御が行われる。例えば、ＩＶ＝５の際に当選となった場合には、中ストップスイッチ４３→左ストップスイッチ４２→右ストップスイッチ４４の順で操作された場合と、中ストップスイッチ４３→右ストップスイッチ４４→左ストップスイッチ４２の順で操作された場合と、に第３ラインＬ３上でベル入賞が成立し、他の順序で操作された場合、第２ラインＬ２上で２枚役入賞が成立するとともに第３ラインＬ３上で１枚役入賞が成立する。この結果、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序により、１２枚又は３枚のメダル払出が行われることとなる。ちなみに、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合にベル入賞を成立させることができるストップスイッチ４２〜４４の操作順序は報知されないため、ＩＶ＝３，４，６，７のいずれかの際に当選となった場合には、６分の１の確率で１２枚のメダル払出が行われ、ＩＶ＝５の際に当選となった場合には、３分の１の確率で１２枚のメダル払出が行われることとなる。ＩＶ＝３，４，６，７のいずれかの際に当選となった場合のメダル払出の期待値は４．５枚であり、ＩＶ＝５の際に当選となった場合のメダル払出の期待値は６枚である。ＢＢ非当選状況においてＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合のメダル払出の期待値は３枚であるため、第１ＢＢ当選状況では、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合、ＢＢ非当選状況においてＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合よりも多くのメダル払出が行われるよう、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御が行われる。

また、第１ＢＢ当選状況では、通常遊技状態下でＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならなかった場合と、ＲＴ状態下でＩＶ＝１〜１０のいずれでも当選とならなかった場合と、に第１ＢＢのみに当選となり、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第１ＢＢ入賞が成立する。加えて、ＩＶ＝１の際に当選となった場合には、第２タイミングで中ストップスイッチ４３が操作された場合にチェリー入賞を成立させることができないため、第１ＢＢ入賞が成立する。

通常遊技状態では、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約２００分の１の確率でチェリー入賞が成立し、約１８．２分の１の確率でベル入賞が成立し、約５．００分の１の確率で１枚役入賞と２枚役入賞が同時に成立し、約７．８３分の１の確率で再遊技入賞が成立し、約６５．５分の１の確率で特殊再遊技入賞が成立する。また、通常遊技状態下でＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならない確率は約１．６８分の１であるため、約１．６８分の１の確率で第１ＢＢ入賞が成立する。１ゲームあたりのメダル払出の期待値は、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約１．７５枚である。１回のゲームを行うために３枚のメダルをベットする必要があるため、１ゲームあたりにメダルが約１．２５枚減少することを期待できる。なお、第２タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合には、１ゲームあたりのメダル払出の期待値が約１．６９枚となるとともに、第１ＢＢ入賞の成立する確率が約１．６６分の１となる。

ＲＴ状態では、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約２００分の１の確率でチェリー入賞が成立し、約１８．２分の１の確率でベル入賞が成立し、約５．００分の１の確率で１枚役入賞と２枚役入賞が同時に成立し、約１．３５分の１の確率で再遊技入賞が成立する。また、ＲＴ状態下でＩＶ＝１〜１０のいずれでも当選とならない確率は約６５５００分の１であるため、約６５５００分の１の確率で第１ＢＢ入賞が成立する。１ゲームあたりのメダル払出の期待値は、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約３．５４枚である。１回のゲームを行うために３枚のメダルをベットする必要があるため、１ゲームあたりにメダルが約０．５４枚増加することを期待できる。なお、第２タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合には、１ゲームあたりのメダル払出の期待値が約３．４８枚となり、第１ＢＢ入賞の成立する確率が約２００分の１となる。

次に、第２ＢＢ当選状況における１ゲームあたりのメダル払出の期待値を説明する。

第２ＢＢ当選状況では、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合、ＢＢ非当選状況と異なる各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御が行われる。具体的には、停止情報設定処理においてベル入賞用停止情報が設定され、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。この結果、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず１２枚のメダル払出が行われる。つまり、第２ＢＢ当選状況では、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合、ＢＢ非当選状況においてＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合よりも多くのメダル払出が行われるよう、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御が行われる。

また、第２ＢＢ当選状況では、通常遊技状態下でＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならなかった場合と、ＲＴ状態下でＩＶ＝１〜１０のいずれでも当選とならなかった場合と、に第２ＢＢのみに当選となり、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第２ＢＢ入賞が成立する。加えて、ＩＶ＝１の際に当選となった場合には、第２タイミングで中ストップスイッチ４３が操作された場合にチェリー入賞を成立させることができないため、第２ＢＢ入賞が成立する。

通常遊技状態では、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約２００分の１の確率でチェリー入賞が成立し、約３．９２分の１の確率でベル入賞が成立し、１枚役入賞と２枚役入賞が同時に成立する事象が発生せず、約７．８３分の１の確率で再遊技入賞が成立し、約６５．５分の１の確率で特殊再遊技入賞が成立する。また、通常遊技状態下でＩＶ＝１〜１１のいずれでも当選とならない確率は約１．６８分の１であるため、約１．６８分の１の確率で第２ＢＢ入賞が成立する。１ゲームあたりのメダル払出の期待値は、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約３．５５枚である。１回のゲームを行うために３枚のメダルをベットする必要があるため、１ゲームあたりにメダルが約０．５５枚増加することを期待できる。なお、第２タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合には、１ゲームあたりのメダル払出の期待値が約３．４９枚となるとともに、第１ＢＢ入賞の成立する確率が約１．６６分の１となる。

ＲＴ状態では、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約２００分の１の確率でチェリー入賞が成立し、約３．９２分の１の確率でベル入賞が成立し、１枚役入賞と２枚役入賞が同時に成立する事象が発生せず、約１．３５分の１の確率で再遊技入賞が成立する。また、ＲＴ状態下でＩＶ＝１〜１０のいずれでも当選とならない確率は約６５５００分の１であるため、約６５５００分の１の確率で第２ＢＢ入賞が成立する。１ゲームあたりのメダル払出の期待値は、チェリー当選時に第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、約５．３４枚である。１回のゲームを行うために３枚のメダルをベットする必要があるため、１ゲームあたりにメダルが約２．３４枚増加することを期待できる。なお、第２タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合には、１ゲームあたりのメダル払出の期待値が約５．２８枚となり、第２ＢＢ入賞の成立する確率が約２００分の１となる。

次に、本スロットマシン１０の遊技性について説明する。

本スロットマシン１０では、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となる場合に再遊技にも当選となるようになっており、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選したゲームではストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず再遊技入賞が成立し、第１ＢＢ当選フラグ又は第２ＢＢ当選フラグが次ゲーム以降に持ち越される。

第１ＢＢ当選状況又は第２ＢＢ当選状況となった場合には、ＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合における各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御が変化し、そのときの遊技状態に関わらず、ＢＢ非当選状況と比して１ゲームあたりのメダル払出の期待値が多くなる。具体的には、ＢＢ非当選状況から第１ＢＢ当選状況となった場合、１ゲームあたりのメダル払出の期待値が約０．４５枚増加し、ＢＢ非当選状況から第２ＢＢ当選状況となった場合、１ゲームあたりのメダル払出の期待値が約２．２５枚増加する。このため遊技者は、第１ＢＢ当選状況又は第２ＢＢ当選状況となった場合、所有メダルの減少を抑制しつつ又は所有メダルを増加させつつ、ＢＢ入賞の成立を待つことができる。

通常遊技状態下で第１ＢＢ当選状況又は第２ＢＢ当選状況となった場合には、第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作すればＢＢ入賞の成立する確率が約１．６８分の１となる。一方、ＲＴ状態下で第１ＢＢ当選状況又は第２ＢＢ当選状況となった場合には、第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作すればＢＢ入賞の成立する確率が約６５５００分の１となる。このため、通常遊技状態下で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合と、ＲＴ状態下で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合と、では、ＢＢ当選となったゲームからＢＢ入賞の成立するゲームまでの長さが異なることとなり、１ゲームあたりのメダル払出の期待値の増加量が等しい一方でＢＢ入賞成立までに遊技者が獲得できるメダル数が異なることとなる。

ＲＴ状態は、当該ＲＴ状態下で２００回のゲームが行われた場合と、ＢＢ入賞が成立した場合と、に終了する。第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合におけるＢＢ入賞の成立する確率は約６５５００分の１と極めて低いため、ＲＴ状態下で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合には、ＢＢ入賞が成立する前にＲＴ状態の残りゲームが行われて当該ＲＴ状態が終了し、その後の通常遊技状態下でＢＢ入賞が成立するという流れが一般的となる。このように所定回数の遊技が行われた場合にＲＴ状態が終了する構成においては、ＲＴ状態下で何回の遊技を行った際に第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選したかにより、ＢＢ入賞が成立するまでに遊技者が獲得できるメダル数が変化することとなる。例えば、ＲＴ状態下の１ゲーム目で第１ＢＢに当選となった場合には、第１ＢＢ入賞が成立するまでに所有メダルが約１０６枚増加することを期待でき、ＲＴ状態下の１００ゲーム目で第１ＢＢに当選となった場合には、第１ＢＢ入賞が成立するまでに所有メダルが約５２枚増加することを期待できる。したがって、ＲＴ状態では、少ないゲーム数で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることが可能となる。ちなみに、通常遊技状態下で第１ＢＢに当選となった場合には、第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、第１ＢＢ入賞が成立するまでに所有メダルが約２．１枚減少することを期待できる。通常遊技状態下で第２ＢＢに当選となった場合には、第１タイミングで中ストップスイッチ４３を操作した場合、第２ＢＢ入賞が成立するまでに所有メダルが約０．９２枚増加することを期待できる。

以上の結果、通常遊技状態においては、特殊再遊技入賞が成立して遊技状態がＲＴ状態に移行することを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、ＲＴ状態においては、１ゲームでも早く第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となる。

以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。

各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして第１ＢＢ図柄と第２ＢＢ図柄を配置した。かかる構成とすることにより、第１ＢＢ入賞用停止情報又は第２ＢＢ入賞用停止情報を設定した場合に、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず対応するＢＢ図柄を有効ライン上に停止させることができ、ＢＢ入賞を成立させることができる。故に、目押し技量の劣った遊技者等がＢＢ入賞を成立させることができずに所有メダルを減少させて不利益を被ることを抑制することが可能となる。

通常遊技状態用抽選テーブル及びＲＴ状態用抽選テーブルを、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となる場合に再遊技にも当選となる構成とした。そして、第１ＢＢ又は第２ＢＢと再遊技に共に当選となった場合には、対応するＢＢ入賞よりも再遊技入賞が優先して成立するよう、各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒが停止制御される構成とした。かかる構成とすることにより、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となったゲームと異なるゲームにおいて対応するＢＢ入賞を成立させることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

確かに、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第１ＢＢ入賞及び第２ＢＢ入賞を成立させることが可能であって、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となったゲームで対応するＢＢ入賞を成立させる構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、ＢＢ入賞が成立しなかったゲームにおいて遊技者がＢＢ当選に対する期待を抱かなくなる可能性が考えられ、遊技が単調化する可能性が懸念される。一方、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となる場合に再遊技にも当選となる構成とした場合には、再遊技入賞が成立したゲームにおいてＢＢ当選に対する期待を抱かせることが可能となり、当該期待を持続させたまま次ゲームを開始させることが可能となる。この結果、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

ＢＢ非当選状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず１枚役入賞と２枚役入賞が成立し、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序によって１枚役入賞と２枚役入賞が成立するかベル入賞が成立し、第２ＢＢ当選状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する構成とした。このように第１ＢＢ当選状況及び第２ＢＢ当選状況ではＢＢ非当選状況よりもベル入賞の成立する確率が高くなる構成とすることにより、ベル入賞の成立頻度が高くなったことを通じて遊技者にＢＢ当選を示唆することが可能となり、第１ＢＢ当選状況及び第２ＢＢ当選状況において遊技者を優越感に浸らせながらＢＢ入賞が成立するまでの遊技を行わせることが可能となる。

ＢＢ非当選状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には３枚のメダル払出が行われ、第１ＢＢ当選状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序によって３枚又は１２枚のメダル払出が行われ、第２ＢＢ当選状況でＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合には、ストップスイッチ４２〜４４の操作順序及び操作タイミングに関わらず１２枚のメダル払出が行われる構成とした。このように第１ＢＢ当選状況及び第２ＢＢ当選状況ではＢＢ非当選状況よりもＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合に期待できるメダル払出数が多くなる構成とすることにより、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となったゲームと異なるゲームにおいてＢＢ入賞を成立させるにあたり、遊技者の所有メダルが減少して不利益を被ることを抑制することが可能となる。

通常遊技状態用抽選テーブル及びＲＴ状態用抽選テーブルを、ベルに当選となる機会として、１枚役や２枚役等と共に当選となる機会と、ベルのみに当選となる機会と、が生じる構成とした。かかる構成とすることにより、ＢＢ非当選状況においてベル入賞の成立する機会を発生させることが可能となる。この結果、ＢＢ非当選状況であっても、例えばベル入賞が成立してから次にベル入賞が成立するまでに要したゲーム数が少なかった場合等においてＢＢ当選に対する期待を抱かせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

ＲＴ状態において第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合には、通常遊技状態において第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合よりも、ＢＢ入賞が成立するまでの間に所有メダルをより多く増加させることが期待できる構成とした。かかる構成とすることにより、通常遊技状態においては、ＲＴ状態に移行することを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、ＲＴ状態においては、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となる。この結果、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

ＢＢ状態以外の遊技状態として通常遊技状態とＲＴ状態を備える構成とした。そして、ＲＴ状態用抽選テーブルを、ベル等の小役当選確率及びＢＢ当選確率を通常遊技状態用抽選テーブルと等しくする一方、再遊技当選確率を通常遊技状態用抽選テーブルよりも高く設定し、役の抽選結果が外れとなる確率が通常遊技状態用抽選テーブルよりも低くなる構成とした。かかる構成とすることにより、ＲＴ状態におけるＢＢ入賞の成立確率を通常遊技状態におけるＢＢ入賞の成立確率よりも低くすることができる。この結果、通常遊技状態とＲＴ状態のいずれで第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となったかによってＢＢ入賞が成立するまでに要するゲーム数を変化させることが可能となり、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選してから対応するＢＢ入賞が成立するまでの流れが単調化することを抑制することが可能となる。

ＲＴ状態下で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合、１ゲームあたりに期待できるメダル払出数が１ゲームあたりに必要なメダル数より多くなる構成としたため、遊技者は、ＲＴ状態下で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合、所有メダルを増加させながらＢＢ入賞の成立を待つことができる。この結果、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となってから対応するＢＢ入賞が成立するまでの期間に所有メダルを増加させるという新たな遊技性を付与することが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。

ＲＴ状態は、当該ＲＴ状態下で２００回のゲームが行われた場合と、ＢＢ入賞が成立した場合と、に終了する構成とした。このようにＲＴ状態下におけるゲーム数が所定回数となった場合にＲＴ状態が終了する構成とすることにより、限られたゲーム数の中で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となることを強く期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。また、ＲＴ状態下で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合には、ＢＢ入賞が成立する前に２００回のゲームが行われてＲＴ状態が終了する機会の方が多くなる構成とした。かかる構成とすることにより、第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった時点でのＲＴ状態の残りゲーム数が多いほど、ＢＢ入賞が成立するまでの期間に所有メダルをより多く増加させることが可能となる。この結果、ＲＴ状態に移行した場合に１ゲームでも早く第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。

ＲＴ状態には、通常遊技状態下で特殊再遊技入賞が成立した場合に移行する構成とした。このように予め定めた停止出目が出現した場合にＲＴ状態に移行する構成とすることにより、通常遊技状態では特殊再遊技入賞が成立することを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。

なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。

（１）上記実施の形態では、入賞成立時のメダル払出数が異なる１枚役，２枚役及びベルに当選となるインデックス値ＩＶを設定し、ＢＢ当選フラグの持ち越し有無によって成立させる入賞態様を変化させる構成としたが、かかる構成を変更する。

例えば、入賞成立時のメダル払出数が等しい第１払出役，第２払出役及び第３払出役に当選となるインデックス値ＩＶを設定する。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第１払出役入賞を単独で成立させることができるよう第１払出役図柄を配置するとともに、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第２払出役入賞と第３払出役入賞を共に成立させることができるよう第２払出役図柄及び第３払出役図柄を配置する。そして、ＢＢ非当選状況では、第１払出役入賞を成立させるべく各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御を行い、ＢＢ当選状況では、第２払出役入賞及び第３払出役入賞を成立させるべく各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御を行う構成とする。かかる構成とした場合であっても、ＢＢ当選となった場合に、第２払出役入賞及び第３払出役入賞が成立する停止出目の出現する割合を高くするとともに、前記インデックス値ＩＶで当選となった際に期待できるメダル払出数を多くすることができる。

例えば、入賞成立時のメダル払出数が等しい第１払出役及び第２払出役に当選となるインデックス値ＩＶを設定する。各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒには、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず第１払出役入賞を単独で成立させることができるよう第１払出役図柄を配置するとともに、ストップスイッチ４２〜４４が所定のタイミングで操作された場合に限って第２払出役入賞を単独で成立させることができるよう第２払出役図柄を配置する。そして、ＢＢ非当選状況では、第２払出役入賞を成立させるべく各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御を行い、ＢＢ当選状況では、第１払出役入賞を成立させるべく各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御を行う構成とする。かかる構成とした場合には、ＢＢ非当選状況ではストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングによって取りこぼしが発生し、ＢＢ当選状況ではストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらず取りこぼしが発生しないため、ＢＢ当選状況において第１払出役入賞が成立する停止出目の出現する割合を高くするとともに、前記インデックス値ＩＶで当選となった際に期待できるメダル払出数を多くすることができる。

例えば、３枚のメダル払出が行われる３枚役に当選となるインデックス値ＩＶを設定する。３枚役入賞は、中リール３２Ｍの「ベル」図柄と、左リール３２Ｌ及び右リール３２Ｒの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合に成立する構成とする。中リール３２Ｍには、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして「ベル」図柄を配置する。また、上記実施の形態における４本の有効ラインに加えて、左リール３２Ｌの上段図柄，中リール３２Ｍの上段図柄，右リール３２Ｒの上段図柄を結んだ第５ラインＬ５を設定する。そして、ＢＢ非当選状況では、中リール３２Ｍの「ベル」図柄を上段に停止させるべく中リール３２Ｍの停止制御を行い、ＢＢ当選状況では、中リール３２Ｍの「ベル」図柄を中段に停止させるべく中リール３２Ｍの停止制御を行う構成とする。かかる構成とした場合には、ＢＢ非当選状況では第５ラインＬ５上で３枚役入賞が成立して３枚のメダル払出が行われ、ＢＢ当選状況では第１ラインＬ１〜第４ラインＬ４上で３枚役入賞が成立して１２枚のメダル払出が行われることとなる。したがって、ＢＢ当選状況において３枚役入賞が４本の有効ライン上で成立する停止出目の出現する割合を高くするとともに、前記インデックス値ＩＶで当選となった際に期待できるメダル払出数を多くすることができる。

（２）上記実施の形態における第１ＢＢ当選状況の停止制御をＢＢ非当選状況で行い、第２ＢＢ当選状況の停止制御を第１ＢＢ当選状況及び第２ＢＢ当選状況で行う構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、第１ＢＢ当選状況及び第２ＢＢ当選状況におけるベル入賞の成立確率をＢＢ非当選状況よりも高くすることができるとともに、第１ＢＢ当選状況及び第２ＢＢ当選状況におけるメダル払出数の期待値をＢＢ非当選状況よりも多くすることができ、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。

（３）上記実施の形態では、ＢＢ状態以外の遊技状態として通常遊技状態とＲＴ状態の２つの遊技状態を備え、いずれの遊技状態でＢＢに当選するかによって遊技者の有利度合いが変化する構成としたが、３つ以上の遊技状態を備える構成としても良いことは言うまでもない。

例えば、上記実施の形態における通常遊技状態及びＲＴ状態（以下、第１ＲＴ状態とする。）に加えて第２ＲＴ状態を備える構成とする。そして、第２ＲＴ状態を、有効ライン上に左から「白７」図柄，「リプレイ」図柄，「リプレイ」図柄と並んで停止した場合に移行し、当該第２ＲＴ状態下で２００回のゲームが行われるか、ＢＢ入賞が成立した場合に終了する構成とする。また、第２ＲＴ状態用抽選テーブルを、外れとなる確率が第１ＲＴ状態よりも高くなる（例えば約５０分の１）構成とする。かかる構成とした場合には、第１ＲＴ状態下でＢＢ当選状況となった場合、第１ＲＴ状態の残りゲームを全て行うまで所有メダルが増加することを期待できる一方、第２ＲＴ状態下でＢＢ当選状況となった場合、第１ＲＴ状態の残りゲームを全て行うよりも前にＢＢ入賞が成立する可能性が高くなる。

（４）上記実施の形態では、特殊再遊技入賞が成立した場合にＲＴ状態に移行する構成、すなわち所定の停止出目が出現した場合にＲＴ状態に移行する構成としたが、通常遊技状態下で所定回数の遊技が行われた場合にＲＴ状態に移行する構成としても良いし、第２ＢＢ入賞成立に基づくＢＢ状態が終了した場合にＲＴ状態に移行する構成としても良い。

（５）上記実施の形態では、ＢＢ当選の有無に関わらずＲＴ状態における１ゲームあたりのメダル払出の期待値が３枚より多くなる構成としたが、ＢＢ非当選状況では３枚より少なくなり、ＢＢ当選状況では３枚より多くなる構成としても良い。かかる構成とした場合には、ベル入賞の成立頻度に加えて、所有メダルが増加するという事象からもＢＢ当選を示唆することが可能となる。

（６）上記実施の形態では、ＲＴ状態下で第１ＢＢ又は第２ＢＢに当選となった場合、ＢＢ入賞が成立する前に２００回のゲームが行われてＲＴ状態が終了する機会の方が多くなる構成としたが、ＢＢ入賞が成立してＲＴ状態が終了する機会の方が多くなる構成としても良い。具体的には、ＲＴ状態下で役の抽選結果が外れとなる確率（すなわちＢＢ当選状況であればＢＢ入賞の成立確率）を例えば５０分の１とする。

（７）上記実施の形態では、２００回の遊技が行われた場合と、ＢＢ入賞が成立した場合と、にＲＴ状態が終了する構成としたが、かかる構成を変更する。

例えば、役の抽選結果が外れとなった場合と、ＢＢ入賞が成立した場合と、にＲＴ状態が終了する構成とする。かかる構成とした場合には、ＲＴ状態下で役の抽選結果が外れとなる前にＢＢに当選となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

（８）上記実施の形態では、ＢＢ当選有無によってベル入賞の成立する確率が変化するインデックス値ＩＶとしてＩＶ＝３〜７の５つを設定したが、前記インデックス値ＩＶの設定数は任意である。

（９）上記実施の形態では、第１ＢＢ当選状況においてＩＶ＝３，４，６，７の際に当選となった場合、６通りのストップスイッチ４２〜４４の操作順序のうち１通りの操作順序のみをベル入賞と対応付け、他の５通りの操作順序を１枚役入賞及び２枚役入賞と対応付ける構成としたが、ベル入賞と対応付ける操作順序の数は任意である。したがって、例えば６通りのストップスイッチ４２〜４４の操作順序のうち３通りの操作順序にベル入賞を対応付け、他の３通りの操作順序に１枚役入賞及び２枚役入賞を対応付ける構成としても良いし、６通りのストップスイッチ４２〜４４の操作順序のうち４通りの操作順序にベル入賞を対応付け、他の２通りの操作順序に１枚役入賞及び２枚役入賞を対応付ける構成としても良い。

（１０）上記実施の形態では、ＢＢ非当選状況において、第１ＢＢのみに当選となる事象や第２ＢＢのみに当選となる事象が発生しない構成としたが、これら事象が発生する構成としても良いことはいうまでもない。

（１１）上記実施の形態では、第１ＢＢと再遊技に当選となるインデックス値ＩＶと、第２ＢＢと再遊技に当選となるインデックス値ＩＶと、を通常遊技状態用抽選テーブルに設定したが、これに代えて又は加えて、第１ＢＢとチェリーに当選となるインデックス値ＩＶや、第２ＢＢとベルに当選となるインデックス値ＩＶ等を設定しても良い。また、上記実施の形態におけるＩＶ＝３〜７において第１ＢＢ又は第２ＢＢにも当選となる構成としても良い。

（１２）上記実施の形態では、同種図柄同士の間隔が４図柄以下となるようにして第１ＢＢ図柄と第２ＢＢ図柄を各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに配置したが、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらずＢＢ図柄を有効ライン上に停止させることが可能な構成であれば良い。すなわち、上記実施の形態における有効ラインを備えた構成であれば、左リール３２Ｌと右リール３２Ｒにおいて、同種図柄同士の間隔が６図柄以下となるようにしてＢＢ図柄を配置しても良い。

（１３）上記実施の形態では、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングに関わらずベル入賞を成立させることができるようにベル図柄を各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに配置したが、ストップスイッチ４２〜４４の操作タイミングによってはベル入賞を成立させることができないようにベル図柄を各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒに配置しても良い。但し、かかる構成とした場合には、例えば第２ＢＢ当選状況においてＩＶ＝３〜７のいずれかの際に当選となった場合に、ベル入賞を優先して成立させるべく各リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒの停止制御を行った結果としてベル入賞と第２ＢＢ入賞のいずれも成立しないという事象が発生し得る。一例として、上記実施の形態において中リール３２Ｍの１６番を「ベル」図柄ではなく「白７」図柄とした場合を説明する。例えば左ストップスイッチ４２が最初に操作された場合には、ベル入賞を優先して成立させるべく左リール３２Ｌの停止制御が行われ、左リール３２Ｌの「ベル」図柄が上段又は下段に停止する。このとき、左リール３２Ｌの「白７」図柄は有効ライン上に停止しない。中リール３２Ｍの１３番〜１５番の図柄が中段に到達している際に中ストップスイッチ４３が操作された場合には、第２ＢＢ図柄たる「白７」図柄を中段に停止させることができる一方、「ベル」図柄を中段に停止させることができない。したがって、ベル入賞と第２ＢＢ入賞のいずれも成立しないという事象が発生することとなる。

（１４）上記実施の形態において入賞成立となる各図柄の組合せは一例であり、これら図柄の組合せに限定されるものではない。また、入賞成立となる図柄の組合せの数も任意である。

（１５）上記実施の形態では、入賞が成立しなかった場合に当選フラグが持ち越される役として２種類のＢＢを備えたスロットマシンについて説明したが、１種類のＢＢのみを備えたスロットマシンや３種類以上のＢＢを備えたスロットマシンであっても良いことはいうまでもない。また、ＢＢに限らず、ＲＢ等の入賞が成立しなかった場合に当選フラグが持ち越される他の役を備えたスロットマシンであっても良い。

（１６）上記実施の形態では、メダルが３枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、１枚ベットされた後や２枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。

（１７）上記実施の形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。

（１８）上記実施の形態では、リールを３つ並列して備え、有効ラインとして４ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを５つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを７ライン有するスロットマシンであってもよい。

（１９）上記実施の形態では、スロットマシン１０について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。

以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。

遊技機１．複数種の絵柄（図柄）を循環表示させる循環表示手段（リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒ）と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段（スタートレバー４１、第１〜第３クレジット投入スイッチ５６〜５８）と、
役の抽選を行う抽選手段（主制御装置１０１の抽選処理機能）と、
前記役の抽選に当選した場合に当選役と対応する当選情報（当選フラグ）を記憶する当選情報記憶手段（ＲＡＭ１０６の当選フラグ格納エリア１０６ａ）と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段（ストップスイッチ４２〜４４）と、
前記当選情報記憶手段に特別役（第１ＢＢ、第２ＢＢ）に当選したことを示す特別役当選情報（第１ＢＢ当選フラグ、第２ＢＢ当選フラグ）が記憶され、特別絵柄（第１ＢＢ図柄の組合せ、第２ＢＢ図柄の組合せ）が有効位置（有効ライン）に停止した場合、特別入賞（第１ＢＢ入賞、第２ＢＢ入賞）成立として特別特典（ＢＢ状態への移行）を付与する特別特典付与手段（主制御装置１０１のＢＢ状態移行処理機能Ｓ６０５，Ｓ６０６）と、
前記当選情報記憶手段に前記特別役当選情報が記憶されている状況で前記特別絵柄が前記有効位置に停止しなかった場合、前記特別絵柄が前記有効位置に停止するまで前記特別役当選情報を前記当選情報記憶手段に記憶保持させる記憶保持手段（主制御装置１０１のＢＢ当選フラグ持越し機能）と
を備えた遊技機において、
前記循環表示手段には、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記特別絵柄を前記有効位置に停止させることができるよう、前記特別絵柄を配置し、
第１期間（通常遊技状態）に移行させる第１期間移行手段（主制御装置１０１のＲＴ状態終了処理機能Ｓ５０９及びＢＢ状態終了処理機能Ｓ６０７）と、
第２期間（ＲＴ状態）に移行させる第２期間移行手段（主制御装置１０１のＲＴ状態移行処理機能Ｓ５０３，Ｓ５０４）と、
前記特別役と、第１役（再遊技）と、第２役（ベル，１枚役及び２枚役によって構成される役）と、について少なくとも前記役の抽選が行われるとともに、前記特別役と前記第１役に共に当選となる機会（ＩＶ＝９，１０）が生じる抽選情報（通常遊技状態用抽選テーブル、ＲＴ状態用抽選テーブル）を記憶する抽選情報記憶手段（主制御装置１０１のＲＯＭ１０５）と、
前記第１役と対応する第１絵柄（再遊技図柄の組合せ）が前記有効位置に停止した場合、第１入賞（再遊技入賞）成立として第１特典（再遊技）を付与する第１特典付与手段（主制御装置１０１の自動投入処理機能）と、
前記絵柄の循環表示が第１停止結果（１枚役入賞と２枚役入賞が成立する停止出目）となった場合、第１所定数（３枚）の遊技媒体を付与し、前記絵柄の循環表示が第２停止結果（ベル入賞が成立する停止出目）となった場合、前記第１所定数以上の第２所定数（１２枚）の遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段（主制御装置１０１のメダル払出処理機能Ｓ２１１）と、
前記特別役当選情報と、前記第１役に当選したことを示す第１役当選情報（再遊技当選フラグ）と、が共に前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記第１入賞を成立させることが可能であれば前記特別入賞より前記第１入賞を優先して成立させるように、前記循環表示手段を表示制御する第１役優先制御手段（主制御装置１０１の再遊技入賞用停止情報設定処理機能Ｓ３３２及びリール制御処理機能Ｓ２１０）と、
前記第２役に当選したことを示す第２役当選情報（ベル当選フラグ及び第１小役当選フラグ〜第８小役当選フラグ）が前記当選情報記憶手段に記憶され、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されていない場合、前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役制御手段（主制御装置１０１の２ライン入賞用停止情報設定処理機能Ｓ３５５及びリール制御処理機能Ｓ２１０）と、
前記第２役当選情報と前記特別役当選情報とが共に前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記絵柄の循環表示を前記第１停止結果又は前記第２停止結果とすることが可能であれば、前記特別絵柄を前記有効位置に停止させるよりも優先して前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役優先制御手段（主制御装置１０１のベル入賞用停止情報設定処理機能Ｓ３５２，操作順序対応用停止情報設定処理機能Ｓ３５６及びリール制御処理機能Ｓ２１０）と
を備え、
前記第２役優先制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合には、前記第２役制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合よりも前記第２停止結果となる割合が高くなり、前記第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなるものであって、前記第２期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合には、前記第１期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合よりも、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されてから前記特別入賞が成立するまでの間に期待できる遊技媒体の付与数が多くなることを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、循環表示手段には、停止操作手段の操作タイミングに関わらず特別絵柄を有効位置に停止させることができるよう、特別絵柄が配置されている。かかる構成とすることにより、絵柄を狙って停止操作手段を操作する遊技者の技量に関わらず特別入賞を成立させることが可能となり、特別入賞を成立させる場合に遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。

また、特別役と、第１役と、第２役と、について少なくとも役の抽選が行われるとともに、特別役と第１役に共に当選となる機会が生じる抽選情報を記憶する構成とした。そして、特別役と第１役に共に当選している状況では、第１入賞を成立させることが可能であれば特別入賞より第１入賞を優先して成立させるよう、循環表示手段が表示制御される構成とした。かかる構成とすることにより、特別役に当選となった遊技回と異なる遊技回において特別入賞を成立させることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

確かに、停止操作手段の操作タイミングに関わらず特別入賞を成立させることが可能であって、特別役に当選となった遊技回で特別入賞を成立させる構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、特別入賞が成立しなかった遊技回において遊技者が特別役当選に対する期待を抱かなくなる可能性が考えられ、遊技が単調化する可能性が懸念される。一方、特別役と第１役に共に当選となる機会が生じる構成とした場合には、第１入賞が成立した遊技回等において特別役当選に対する期待を抱かせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

さらに、第２役と特別役に共に当選している場合には、絵柄の循環表示を第１停止結果又は第２停止結果とすることが可能であれば、特別絵柄を有効位置に停止させるよりも優先して絵柄の循環表示が第１停止結果又は第２停止結果となるよう、循環表示手段が表示制御される構成とし、特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合よりも第２停止結果となる割合が高くなり、第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなる構成とした。特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合よりも第２停止結果となる割合が高くなる構成とすることにより、絵柄の循環表示が第２停止結果となったことを通じて特別役当選を示唆したり、第２停止結果となってから次に第２停止結果となるまでに要した遊技回数が少なかった場合に特別役当選に対する期待を抱かせたりすることが可能となる。また、第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなる構成とすることにより、特別役に当選となった遊技回と異なる遊技回において特別入賞を成立させるにあたり、遊技者の所有する遊技媒体が減少して不利益を被ることを抑制することが可能となる。

加えて、第２期間に特別役当選情報が当選情報記憶手段に記憶された場合には、第１期間に特別役当選情報が当選情報記憶手段に記憶された場合よりも、特別役当選情報が当選情報記憶手段に記憶されてから特別入賞が成立するまでの間に期待できる遊技媒体の付与数が多くなる構成とした。かかる構成とすることにより、第２期間に特別役に当選となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

以上の結果、特別役に当選となった場合に遊技者が不利益を被ることを抑制しつつ、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。

遊技機２．上記遊技機１において、前記抽選情報として、前記第１期間に用いられる第１抽選情報（通常遊技状態用抽選テーブル）と、前記第２期間に用いられる第２抽選情報（ＲＴ状態用抽選テーブル）と、を備え、前記第２抽選情報を、前記第１抽選情報を用いて前記役の抽選を行った場合よりも前記特別入賞の成立する確率が低くなる構成としたことを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、第２期間では、第１期間よりも特別入賞の成立する確率が低くなる。かかる構成とすることにより、第１期間と第２期間のいずれで特別役に当選となったかによって特別入賞が成立するまでに要する遊技回数を変化させることが可能となり、特別役に当選してから特別入賞が成立するまでの流れが単調化することを抑制することが可能となる。

遊技機３．上記遊技機２において、前記第２抽選情報を、前記役の抽選結果が外れとなる確率を前記第１抽選情報より低くしたことを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、第２期間では役の抽選結果が外れとなる確率が第１期間よりも低くなるため、第２期間に特別役に当選となった場合には、第１期間に特別役に当選となった場合よりも特別入賞が成立するまでの間に期待できる遊技媒体の付与数を多くすることが可能となる。

遊技機４．上記遊技機２又は遊技機３において、前記当選情報記憶手段に前記特別役当選情報が記憶されている状況で前記第２抽選情報を用いて前記役の抽選を行った場合、１遊技回あたりに期待できる遊技媒体の付与数が１遊技回あたりに必要な遊技媒体の数より多くなることを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、第２期間では、特別役に当選となった場合、１遊技回あたりに期待できる遊技媒体の付与数が１遊技回あたりに必要な遊技媒体の数より多くなる。かかる構成とすることにより、遊技者は、第２期間に特別役に当選となった場合、自己の所有する遊技媒体を増加させながら特別入賞の成立を待つことができる。この結果、特別役に当選となってから特別入賞が成立するまでの期間に自己の所有する遊技媒体を増加させるという新たな遊技性を付与することが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。

遊技機５．上記遊技機４において、前記第２期間における遊技回数が所定回数（２００回）となった場合に前記第２期間を終了させる第２期間終了手段（主制御装置１０１のＲＴ状態終了処理機能Ｓ５０９）を備えたことを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、第２期間における遊技回数が所定回数となった場合に第２期間が終了するため、限られた遊技回数の中で特別役に当選となることを強く期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

遊技機６．上記遊技機５において、前記特別特典付与手段は、前記特別特典として特別期間に移行させる特典を付与するものであって、前記第２期間を、前記特別入賞が成立して前記第２期間が終了する機会よりも前記第２期間終了手段が前記第２期間を終了させる機会の方が多くなる構成としたことを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、第２期間に特別役に当選となった場合には、特別入賞が成立して第２期間が終了する機会よりも第２期間における遊技回数が所定回数となって当該第２期間が終了する機会の方が多くなる。かかる構成においては、特別役に当選となった時点での第２期間における遊技回数が少ないほど、特別入賞が成立するまでの期間に遊技媒体をより多く増加させることが可能となる。この結果、第２期間となった場合に少ない遊技回数で特別役に当選となることを強く期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

遊技機７．上記遊技機１乃至遊技機６のいずれかにおいて、前記第２期間移行手段は、前記第１期間において前記絵柄の循環表示が所定停止結果（特殊再遊技入賞が成立する停止出目）となった場合、前記第２期間に移行させることを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、第１期間において絵柄の循環表示が所定停止結果となった場合に第２期間に移行する。かかる構成とすることにより、第２期間においては特別役に当選となることを期待させながら遊技を行わせるとともに、第１期間においては絵柄の循環表示が所定停止結果となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。

遊技機８．上記遊技機１乃至遊技機７のいずれかにおいて、前記第２役制御手段は、前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果となるよう前記循環表示手段を表示制御し、前記第２役優先制御手段は、前記絵柄の循環表示が前記第２停止結果となるよう前記循環表示手段を表示制御することを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合には、絵柄の循環表示が第１停止結果となるよう循環表示手段が表示制御され、特別役に当選している状況で第２役に当選となった場合には、絵柄の循環表示が第２停止結果となるよう循環表示手段が表示制御される。かかる構成とすることにより、特別役に当選している状況で第２役に当選となった場合には、特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合よりも第２停止結果となる割合を高くすることができるとともに、第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数を多くすることができる。

遊技機９．上記遊技機１乃至遊技機７のいずれかにおいて、前記停止操作手段に特定操作（ベル入賞を成立させることができる操作順序での操作）がなされたか否かを判定する特定操作判定手段（主制御装置１０１のリール制御処理機能Ｓ２１０）を備え、前記第２役制御手段は、前記特定操作判定手段が前記特定操作をなされたと判定した場合、前記絵柄の循環表示が前記第２停止結果となるよう前記循環表示手段を表示制御するとともに、前記特定操作判定手段が前記特定操作をなされなかったと判定した場合、前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果となるよう前記循環表示手段を表示制御し、前記第２役優先制御手段は、前記特定操作判定手段の判定結果に関わらず、前記絵柄の循環表示が前記第２停止結果となるよう前記循環表示手段を表示制御することを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合、停止操作手段を特定操作すれば絵柄の循環表示が第２停止結果となるよう循環表示手段が表示制御され、停止操作手段を特定操作しなければ絵柄の循環表示が第１停止結果となるよう循環表示手段が表示制御される。一方、特別役に当選している状況で第２役に当選となった場合には、停止操作手段を特定操作したか否かに関わらず、絵柄の循環表示が第２停止結果となるよう循環表示手段が表示制御される。かかる構成とすることにより、特別役に当選している状況で第２役に当選となった場合には、特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合よりも第２停止結果となる割合を高くすることができるとともに、第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数を多くすることができる。

遊技機１０．上記遊技機８又は遊技機９において、前記第２役を第１特定役（１枚役及び２枚役）と第２特定役（ベル）を含む複数の役によって構成し、前記第１特定役を前記第１停止結果と対応付けるとともに、前記第２特定役を前記第２停止結果と対応付けたことを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、第１停止結果は第１特定役と対応付けられており、第２停止結果は第２特定役と対応付けられている。かかる構成とすることにより、第２役に当選となった場合に、第１特定役と第２特定役のいずれを優先させるかによって絵柄の循環表示の停止結果を変化させることが可能となる。

遊技機１１．上記遊技機１乃至遊技機１０のいずれかにおいて、前記循環表示手段には、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記第１絵柄を前記有効位置に停止させることができるよう、前記第１絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、循環表示手段には、停止操作手段の操作タイミングに関わらず第１絵柄を有効位置に停止させることができるよう、第１絵柄が配置されている。かかる構成とすることにより、第１役と特別役に当選となった場合に、絵柄を狙って停止操作手段を操作する遊技者の技量に関わらず第１入賞を成立させることが可能となり、特別役に当選となった遊技回と異なる遊技回において特別入賞を成立させることが可能となる。

遊技機１２．上記遊技機１乃至遊技機１１のいずれかにおいて、前記循環表示手段には、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記絵柄の循環表示を前記第２停止結果とできるよう、前記絵柄を配置したことを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、循環表示手段には、停止操作手段の操作タイミングに関わらず絵柄の循環表示を第２停止結果とできるよう、絵柄が配置されている。かかる構成とすることにより、第２役と特別役に当選となった場合に、絵柄を狙って停止操作手段を操作する遊技者の技量に関わらず絵柄の循環表示を第２停止結果とすることができ、遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。

遊技機１３．複数種の絵柄（図柄）を循環表示させる循環表示手段（リール３２Ｌ，３２Ｍ，３２Ｒ）と、
前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段（スタートレバー４１、第１〜第３クレジット投入スイッチ５６〜５８）と、
役の抽選を行う抽選手段（主制御装置１０１の抽選処理機能）と、
前記役の抽選に当選した場合に当選役と対応する当選情報（当選フラグ）を記憶する当選情報記憶手段（ＲＡＭ１０６の当選フラグ格納エリア１０６ａ）と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段（ストップスイッチ４２〜４４）と、
前記当選情報記憶手段に特別役（第１ＢＢ、第２ＢＢ）に当選したことを示す特別役当選情報（第１ＢＢ当選フラグ、第２ＢＢ当選フラグ）が記憶され、特別絵柄（第１ＢＢ図柄の組合せ、第２ＢＢ図柄の組合せ）が有効位置（有効ライン）に停止した場合、特別入賞（第１ＢＢ入賞、第２ＢＢ入賞）成立として特別特典（ＢＢ状態への移行）を付与する特別特典付与手段（主制御装置１０１のＢＢ状態移行処理機能Ｓ６０５，Ｓ６０６）と、
前記当選情報記憶手段に前記特別役当選情報が記憶されている状況で前記特別絵柄が前記有効位置に停止しなかった場合、前記特別絵柄が前記有効位置に停止するまで前記特別役当選情報を前記当選情報記憶手段に記憶保持させる記憶保持手段（主制御装置１０１のＢＢ当選フラグ持越し機能）と
を備えた遊技機において、
前記循環表示手段には、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記特別絵柄を前記有効位置に停止させることができるよう、前記特別絵柄を配置し、
第１期間（通常遊技状態）に移行させる第１期間移行手段（主制御装置１０１のＲＴ状態終了処理機能Ｓ５０９及びＢＢ状態終了処理機能Ｓ６０７）と、
第２期間（ＲＴ状態）に移行させる第２期間移行手段（主制御装置１０１のＲＴ状態移行処理機能Ｓ５０３，Ｓ５０４）と、
前記特別役と、第２役（ベル，１枚役及び２枚役によって構成される役）と、について少なくとも前記役の抽選が行われるとともに、前記特別役と前記第２役に共に当選となる機会が生じる抽選情報（通常遊技状態用抽選テーブル、ＲＴ状態用抽選テーブル）を記憶する抽選情報記憶手段（主制御装置１０１のＲＯＭ１０５）と、
前記絵柄の循環表示が第１停止結果（１枚役入賞と２枚役入賞が成立する停止出目）となった場合、第１所定数（３枚）の遊技媒体を付与し、前記絵柄の循環表示が第２停止結果（ベル入賞が成立する停止出目）となった場合、前記第１所定数以上の第２所定数（１２枚）の遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段（主制御装置１０１のメダル払出処理機能Ｓ２１１）と、
前記第２役に当選したことを示す第２役当選情報（ベル当選フラグ及び第１小役当選フラグ〜第８小役当選フラグ）が前記当選情報記憶手段に記憶され、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されていない場合、前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役制御手段（主制御装置１０１の２ライン入賞用停止情報設定処理機能Ｓ３５５及びリール制御処理機能Ｓ２１０）と、
前記第２役当選情報と前記特別役当選情報とが共に前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記絵柄の循環表示を前記第１停止結果又は前記第２停止結果とすることが可能であれば、前記特別絵柄を前記有効位置に停止させるよりも優先して前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役優先制御手段（主制御装置１０１のベル入賞用停止情報設定処理機能Ｓ３５２，操作順序対応用停止情報設定処理機能Ｓ３５６及びリール制御処理機能Ｓ２１０）と
を備え、
前記第２役優先制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合には、前記第２役制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合よりも前記第２停止結果となる割合が高くなり、前記第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなるものであって、前記第２期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合には、前記第１期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合よりも、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されてから前記特別入賞が成立するまでの間に期待できる遊技媒体の付与数が多くなることを特徴とする遊技機。

本遊技機によれば、循環表示手段には、停止操作手段の操作タイミングに関わらず特別絵柄を有効位置に停止させることができるよう、特別絵柄が配置されている。かかる構成とすることにより、絵柄を狙って停止操作手段を操作する遊技者の技量に関わらず特別入賞を成立させることが可能となり、特別入賞を成立させる場合に遊技者が不利益を被ることを抑制することが可能となる。

また、特別役と、第２役と、について少なくとも役の抽選が行われるとともに、特別役と第２役に共に当選となる機会が生じる抽選情報を記憶する構成とした。そして、特別役と第２役に共に当選している状況では、絵柄の循環表示を第１停止結果又は第２停止結果とすることが可能であれば、特別絵柄を有効位置に停止させるよりも優先して絵柄の循環表示が第１停止結果又は第２停止結果となるよう、循環表示手段が表示制御される構成とした。かかる構成とすることにより、特別役に当選となった遊技回と異なる遊技回において特別入賞を成立させることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

確かに、停止操作手段の操作タイミングに関わらず特別入賞を成立させることが可能であって、特別役に当選となった遊技回で特別入賞を成立させる構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、特別入賞が成立しなかった遊技回において遊技者が特別役当選に対する期待を抱かなくなる可能性が考えられ、遊技が単調化する可能性が懸念される。一方、特別役と第２役に共に当選となる機会が生じる構成とした場合には、絵柄の循環表示が第１停止結果又は第２停止結果となった遊技回等において特別役当選に対する期待を抱かせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

さらに、第２役と特別役に共に当選している場合には、特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合よりも第２停止結果となる割合が高くなり、第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなる構成とした。特別役に当選していない状況で第２役に当選となった場合よりも第２停止結果となる割合が高くなる構成とすることにより、絵柄の循環表示が第２停止結果となったことを通じて特別役当選を示唆したり、第２停止結果となってから次に第２停止結果となるまでに要した遊技回数が少なかった場合に特別役当選に対する期待を抱かせたりすることが可能となる。また、第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなる構成とすることにより、特別役に当選となった遊技回と異なる遊技回において特別入賞を成立させるにあたり、遊技者の所有する遊技媒体が減少して不利益を被ることを抑制することが可能となる。

加えて、第２期間に特別役当選情報が当選情報記憶手段に記憶された場合には、第１期間に特別役当選情報が当選情報記憶手段に記憶された場合よりも、特別役当選情報が当選情報記憶手段に記憶されてから特別入賞が成立するまでの間に期待できる遊技媒体の付与数が多くなる構成とした。かかる構成とすることにより、第２期間に特別役に当選となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。

以上の結果、特別役に当選となった場合に遊技者が不利益を被ることを抑制しつつ、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。

なお、本構成に上記遊技機２乃至遊技機１０、遊技機１２のいずれかの構成を適用しても良く、かかる場合であっても上述した作用効果を奏することが期待できる。

１０…スロットマシン、３２…リール、４１…スタートレバー、４２〜４４…ストップスイッチ、５６…第１クレジット投入スイッチ、５７…第２クレジット投入スイッチ、５８…第３クレジット投入スイッチ、６３…上部ランプ、６４…スピーカ、６５…補助表示部、８１…表示制御装置、１０１…主制御装置、１０２…ＣＰＵ。

Claims (1)

1. 複数種の絵柄を循環表示させる循環表示手段と、
   前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段と、
   役の抽選を行う抽選手段と、
   前記役の抽選に当選した場合に当選役と対応する当選情報を記憶する当選情報記憶手段と、
   前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、
   前記当選情報記憶手段に特別役に当選したことを示す特別役当選情報が記憶され、特別絵柄が有効位置に停止した場合、特別入賞成立として特別特典を付与する特別特典付与手段と、
   前記当選情報記憶手段に前記特別役当選情報が記憶されている状況で前記特別絵柄が前記有効位置に停止しなかった場合、前記特別絵柄が前記有効位置に停止するまで前記特別役当選情報を前記当選情報記憶手段に記憶保持させる記憶保持手段と
   を備えた遊技機において、
   前記循環表示手段には、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記特別絵柄を前記有効位置に停止させることができるよう、前記特別絵柄を配置し、
   第１期間に移行させる第１期間移行手段と、
   第２期間に移行させる第２期間移行手段と、
   前記特別役と、第１役と、第２役と、について少なくとも前記役の抽選が行われるとともに、前記特別役と前記第１役に共に当選となる機会が生じる抽選情報を記憶する抽選情報記憶手段と、
   前記第１役と対応する第１絵柄が前記有効位置に停止した場合、第１入賞成立として第１特典を付与する第１特典付与手段と、
   前記絵柄の循環表示が第１停止結果となった場合、第１所定数の遊技媒体を付与し、前記絵柄の循環表示が第２停止結果となった場合、前記第１所定数以上の第２所定数の遊技媒体を付与する遊技媒体付与手段と、
   前記特別役当選情報と、前記第１役に当選したことを示す第１役当選情報と、が共に前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記第１入賞を成立させることが可能であれば前記特別入賞より前記第１入賞を優先して成立させるように、前記循環表示手段を表示制御する第１役優先制御手段と、
   前記第２役に当選したことを示す第２役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶され、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されていない場合、前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役制御手段と、
   前記第２役当選情報と前記特別役当選情報とが共に前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記絵柄の循環表示を前記第１停止結果又は前記第２停止結果とすることが可能であれば、前記特別絵柄を前記有効位置に停止させるよりも優先して前記絵柄の循環表示が前記第１停止結果又は前記第２停止結果となるよう、前記循環表示手段を表示制御する第２役優先制御手段と
   を備え、
   前記第２役優先制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合には、前記第２役制御手段が前記循環表示手段を表示制御した場合よりも前記第２停止結果となる割合が高くなり、前記第２役に当選した場合に期待できる遊技媒体の付与数が多くなるものであって、
   前記第２期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合には、前記第１期間に前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶された場合よりも、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されてから前記特別入賞が成立するまでの間に期待できる遊技媒体の付与数が多くなり、
   前記第２期間では、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されている場合、前記特別役当選情報が前記当選情報記憶手段に記憶されていない場合と比して、１遊技回あたりに期待できる遊技媒体の付与数が多くなることを特徴とする遊技機。

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