JP2015037535A - 超音波信号処理装置、超音波信号処理方法およびコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体 - Google Patents

超音波信号処理装置、超音波信号処理方法およびコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2015037535A
JP2015037535A JP2014142955A JP2014142955A JP2015037535A JP 2015037535 A JP2015037535 A JP 2015037535A JP 2014142955 A JP2014142955 A JP 2014142955A JP 2014142955 A JP2014142955 A JP 2014142955A JP 2015037535 A JP2015037535 A JP 2015037535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
ultrasonic
code
ultrasonic signal
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014142955A
Other languages
English (en)
Inventor
泰彰 進
Yasuaki Shin
泰彰 進
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2014142955A priority Critical patent/JP2015037535A/ja
Priority to US14/331,823 priority patent/US9681854B2/en
Publication of JP2015037535A publication Critical patent/JP2015037535A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/52Devices using data or image processing specially adapted for diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/5207Devices using data or image processing specially adapted for diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves involving processing of raw data to produce diagnostic data, e.g. for generating an image
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/08Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings
    • A61B8/0891Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings for diagnosis of blood vessels
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S15/00Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems
    • G01S15/88Sonar systems specially adapted for specific applications
    • G01S15/89Sonar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S15/8906Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques
    • G01S15/8909Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques using a static transducer configuration
    • G01S15/8915Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques using a static transducer configuration using a transducer array
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S15/00Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems
    • G01S15/88Sonar systems specially adapted for specific applications
    • G01S15/89Sonar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S15/8906Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques
    • G01S15/8959Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques using coded signals for correlation purposes
    • G01S15/8961Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques using coded signals for correlation purposes using pulse compression
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/52Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S15/00
    • G01S7/52017Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S15/00 particularly adapted to short-range imaging
    • G01S7/52046Techniques for image enhancement involving transmitter or receiver
    • G01S7/52047Techniques for image enhancement involving transmitter or receiver for elimination of side lobes or of grating lobes; for increasing resolving power
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/72Signal processing specially adapted for physiological signals or for diagnostic purposes
    • A61B5/7228Signal modulation applied to the input signal sent to patient or subject; demodulation to recover the physiological signal

Abstract

【課題】メモリ規模の大規模化を抑制しつつも、復合信号の品質低下を避けることができる超音波信号処理装置を提供する。【解決手段】前半デコーダ部200i1,i2,i3・・・・は、超音波プローブ102の振動素子アレイを構成する複数の振動素子から出力される複数の出力信号のそれぞれに対して、インパルス応答波形を畳み込む。インパルス応答波形の畳み込みにあたって、送信イベントが発生する度に、タイムサイドローブにあたる箇所のフィルタ係数を変化させる。後半デコーダ部201は、一回の送信イベントに対応して、受信ビームフォーマ131から出力された受信ビーム信号をメモリに格納する。その後、新たな受信ビーム信号が出力されれば、当該新たな受信ビーム信号と、メモリに格納された直前の受信ビーム信号との相関演算を行う。【選択図】図6

Description

本発明は、超音波信号送受信処理の技術分野に属し、特に、パルス圧縮で符号化された符号シーケンスの復号に関する。
超音波信号の送受信処理とは、超音波プローブを構成する複数の振動素子に供されるべき送信信号を生成すると共に、複数の振動素子のそれぞれから出力される受信信号に対して受信ビームフォーマが整相加算を行い、1つの受信ビーム信号を得て、音線信号を生成する処理である。超音波診断では、かかる音線信号から、超音波画像の一ライン分の画素列が生成される。音線信号のS/N比は、超音波画像の品位に直結するので、S/N比向上のため手法として、上記のパルス圧縮符号化が利用されている。パルス圧縮では、2以上の送信イベントで、符号の正負が異なる2以上の符号シーケンスを送信する。超音波信号の受信処理では、2以上符号シーケンスのそれぞれに対応する受信信号に対して、デコーダがフィルタ処理、及び、イベント間の相関演算を実行する。
特許第4472802号公報 特許第3423935号公報
ところで、フィルタ処理、及び、イベント間の相関演算については、受信ビームフォーマの入力信号(以下、RF信号という)を対象とするRF復号方式、受信ビームフォーマの出力信号(以下、DAS信号という)を対象とするDAS復号方式がある。
RF復号方式においてアレイから受信ビームフォーマへの入力は、複数チャネルのRF信号であり、受信ビームフォーマの前段でデコードを行うのであれば、これら複数チャネルのRF信号をメモリに格納して、イベント間の相関演算を行わねばならない。複数チャネルのRF信号のそれぞれをメモリに格納する必要があるので、RF復号方式ではデコーダの規模が大規模になってしまう。対照的にDAS復号方式では、デコーダを受信ビームフォーマの後段に配置して、符号化状態のままRF信号を整相加算する。符号化状態のRF信号を整相加算の対象とするので、受信信号における符号形状が崩れてしまいメインローブ振幅低下と、タイムサイドローブ発生とが顕著化し、復号信号の品質が低下してしまう。
本発明の目的は、メモリ規模の大規模化を抑制しつつも、復号信号の品質低下を避けることができる超音波信号処理装置を提供することである。
上記目的は、複数の符号シーケンスを振動素子アレイに出力することで、超音波の送信と、反射超音波の受信とを振動素子アレイに行わせる超音波信号処理装置であって、
複数符号シーケンスのそれぞれは複数の符号語から構成され、各符号語の並びは符号シーケンス毎に異なり、
N個の振動素子信号のそれぞれに対して、インパルス応答信号の畳み込みを行い、N個の重畳信号を得るM個の前半デコーダ部(M、Nは、2≦M≦Nを満たす整数)と、
N個の重畳信号に対して整相加算を行い、前記複数の符号シーケンスのそれぞれに対応する複数の受信ビームを得る受信ビームフォーマと、
各符号シーケンスに含まれる符号語に基づく相関演算を前記複数の受信ビームに対して実行することで音線データを得るL個の後半デコーダ部(Lは、1≦L<Mを満たす整数)と
を備える超音波信号処置装置によって達成される。
上記構成の超音波信号処理装置によれば、複数の振動素子のそれぞれから出力される受信信号に対してフィルタ処理を行い、受信ビームフォーマの出力に対して、各イベントに対応する出力信号同士の相関演算を行うから、受信ビームフォーマの後段で、イベント間相関演算を行ったとしても、サイドロープの影響が目立つことはない。メインローブ振幅の低下と、タイムサイドローブ発生とを抑制しつつデコーダ部の記憶領域を削減することができる。
超音波信号処理装置を含む超音波診断システムの外観構成を示す。 超音波信号処理装置101の内部構成に、処理内容を書き加えた図である。 図2の符号化パルス列sc1,sc2,重畳信号ov1,ov2,音線データray1,立体形状shp1,超音波画像img1を抜き出して描いた図である。 超音波信号処理部112の内部構成を示す図である。 エンコード部120、遅延プロファイル生成部121、送信ビームフォーマ122、素子駆動部123を抜き出して、処理内容を書き加えた図である。 受信超音波信号処理部112bの内部構成を示す図である。 (a)は、前半デコーダ部200、受信ビームフォーマ131、後半デコーダ部201の内部構成を示す図である。(b)は、RF信号の波形と、FAとの関係を示す図である。 フィルタA、フィルタBの内部構成を示す図である。 (a)〜(c)は、RxDiがとり得る値を示すグラフである。 送信イベント1における記憶部201aによる信号記憶の過程を示す。 送信イベント2における加算部201bによる信号加算の過程を示す。 (a)は、第一不完全復号データ501を示し、図12(b)は、第一不完全復号音線データ502を示す。図12(c)は、第二不完全復号データ511を示し、図12(d)は、第二不完全復号音線データ512を示す。 超音波画像生成に関するシミュレーションモデルを示す。 受信超音波信号に対して信号処理を行い生成した音線データ520の振幅強度をプロットしたイメージ図である。 超音波信号処理装置の全体手順を示すフローチャートである。 超音波信号送信処理の処理手順を示すフローチャートである。 超音波信号受信処理の処理手順を示すフローチャートである。
発明の実施の形態
複数チャネルのRF信号のそれぞれに対してフィルタ処理を施してから受信ビームフォーマに供するか、受信ビームフォーマの出力であるDAS信号に対してフィルタ処理を施すかは実装負荷と復号信号の品質とのトレードオフ関係になる。このトレードオフ関係を解決するため本実施形態では、従来のデコーダ部を分割し、受信ビームフォーマの前段でフィルタ処理を行う前半デコーダ部と、受信ビームフォーマの後段で、イベント相関演算を行う後半デコーダ部201とを超音波信号処理装置に設ける。具体的には、本発明に係る超音波信号処理装置は、複数の符号シーケンスを振動素子アレイに出力することで、超音波の送信と、反射超音波の受信とを振動素子アレイに行わせる超音波信号処理装置であって、
複数符号シーケンスのそれぞれは複数の符号語から構成され、各符号語の並びは符号シーケンス毎に異なり、
N個の振動素子信号のそれぞれに対して、インパルス応答信号の畳み込みを行い、N個の重畳信号を得るM個の前半デコーダ部(M、Nは、2≦M≦Nを満たす整数)と、
N個の重畳信号に対して整相加算を行い、前記複数の符号シーケンスのそれぞれに対応する複数の受信ビームを得る受信ビームフォーマと、
各符号シーケンスに含まれる符号語に基づく相関演算を前記複数の受信ビームに対して実行することで音線データを得るL個の後半デコーダ部(Lは、1≦L<Mを満たす整数)と
を備える超音波信号処置装置によって達成される。
上記構成の超音波信号処理装置によれば、複数の振動素子のそれぞれから出力される受信信号に対してフィルタ処理を行い、受信ビームフォーマの出力に対して、各イベントに対応する出力信号同士の相関演算を行うから、受信ビームフォーマの後段で、イベント間相関演算を行ったとしても、タイムサイドロープの影響が目立つことはない。メインローブ振幅の低下と、タイムサイドローブ発生とを抑制しつつデコーダ部の記憶領域を削減することができる。
(第1実施形態)
本実施の形態に係る超音波診断装置の概略構成を説明する。図1は、超音波信号処理装置を含む超音波診断システムの外観構成を示す。
超音波診断システム100は、超音波信号処理装置101、超音波プローブ102、表示部103から構成される。
超音波信号処理装置101は、超音波診断のための超音波信号送受信と、受信した反射超音波信号の画像化とを実行する。
プローブ102は、内部に振動素子アレイを備え、超音波の送信を行い、被検体からの反射超音波信号を受信する。振動素子アレイは、複数の振動素子から構成される。一個の振動素子について着目すると、ある反射点から返ってきた反射波は球面上に広がって送信元の振動素子に到る。そのため反射点から垂直位置にある振動素子に最も早く反射波は到達し、反射点からの垂直位置から離れた位置にある振動素子ほど遅く反射波は遅く到達する。様々な時間遅延をもった反射波が、一個の振動素子に到達するため、超音波信号処理装置101による超音波信号処理では、反射波が到達する際の時間遅れを考慮した上、これらの反射波に対して整相加算を行う。
表示部103は、LCD(Liquid crystal display、液晶ディスプレイ)などであり、
反射超音波信号から生成されたBモード画像などを表示する。以上が超音波診断システム100についての説明である。続いて超音波信号処理装置101の内部構成について説明する。図2は、超音波信号処理装置101の内部構成を示す図である。本図に示すように超音波信号処理装置101は、制御部111、送信超音波信号処理部112a、受信超音波信号処理部112b、ミッドプロセス部113、バックエンドプロセス部114から構成される。
制御部111は制御信号を生成し、制御信号を送信超音波信号処理部112a、ミッドプロセス部113、バックエンドプロセス部114へ出力する。制御部111から出力される制御信号は、送信超音波信号により形成されるビーム形状を規定するビーム形状情報、信号増幅に基づいた符号シーケンス数を規定する符号数情報を有している。ビーム形状情報は、ビームの焦点位置を指定したり、送信超音波が集中する領域を指定することにより、ビーム形状を規定する。
送信超音波信号処理部112aは、複数の送信イベントのそれぞれにおいて、異なる符号シーケンスを生成して、これらの符号シーケンスによりエンコードされた超音波信号をプローブ102に出力し、超音波の照射を行わせる。図2におけるsc1は、2つの送信イベントのうち、1回目の送信イベント(送信イベント1)で送信される符号化パルス列である。sc2は、2回目のイベント(送信イベント2)で送信される符号化パルス列である。sc1は、+−++という符号の正負の並びを示し、sc2は、++−+という符号の正負の並びを示す。これら2つの符号化パルス列が、送信イベント1、2で送信される。ここで「送信イベント」とは、被検体内に送信超音波を送信してから、所定の期間が経過した後、次の送信超音波を被検体内に送信することになる事象をいう。
受信超音波信号処理部112bは、複数イベントのそれぞれにおいて超音波照射を行うことで反射超音波が得られれば、プローブ102の振動素子から出力される反射超音波信号に対して、AD変換、インパルス応答信号の畳込み、整相加算、イベント相関演算を行うことで、音線データを得る(尚、音線データの「データ」とはデジタル化された信号波形のことである。以降、本実施形態では「データ」をこの意味で用いる)。図中のec1、ec2は、送信イベント1、2に対応する反射超音波信号である。この反射超音波信号には、振動素子の特性による尾引きが存在する。この尾引きは、入力波形に対する振動素子の応答が充分でないことによって発生する。
図中のpls1は、ec1、ec2の加算を意味する。ov1は、ec1にインパルス応答波形を重畳することで得られた重畳波形である。ov2は、ec2にインパルス応答波形を重畳することで得られた重畳波形である。これらのov1,2は、1つのメインローブと、その前後のタイムサイドローブss1,ss2,ss3,ss4とから構成される。ov1,ov2の違いは、これらのタイムサイドローブが逆相になっている点である。送信イベント1に対応するデータと、送信イベント2に対応するデータとでは、この尾引きの部分までも逆相になる。
図中のray1は、pls1で得られた音線データである。音線データとは、整相加算処理後の超音波画像を構成する深さ方向に連続したデータのことである。深さ方向とは被検者の体表から体内へ送信超音波信号の進む方向である。音線データには、タイムサイドローブがキャンセルされている。一方、音線データのメインローブの波高は、符号シーケンスを構成するパルスの波数(P個)に応じた長さになっている(length・P・2)。
ミッドプロセス部113は音線データを入力とし、音線データから振幅データを生成し、振幅データをバックエンドプロセス部114へ出力する。ここで、振幅データとは受信超音波信号の振幅強度を表したデータである。図中のa1,a2,a3,a4・・・・は、複数の音線データを処理することで得られた振幅データを示す。図中のshp1は、複数の振幅データを縦方向に配置することで再現される被検体の立体形状である。各振幅データは、横方向が、画像の各ラインに対応していて、その波高がプローブ102から被検体までの深さを示すから、これら振幅データを縦方向に並べると、被検体の立体形状(本図の例示は、超音波診断システムにより診断された血管の立体形状である)が再現されることになる。
バックエンドプロセス部114は、受信超音波信号に対する振幅データを入力として、画像データを生成し、画像データを表示部103へ出力する。ここで、画像データとは振幅データを輝度値に変換したデータのことである。img1は、a1,a2,a3,a4・・・・・を元にして得られる超音波画像を示す。
図3は、図2のsc1,sc2,ov1,ov2,ray1,shp1,img1を抜き出して描いた図である。本図では、超音波プローブ102により超音波を被検体に照射してから、反射超音波を受信して、反射超音波信号に基づき画像を生成する過程を模式的に表している。本図に示すように超音波信号処理装置101は、符号化パルス波列(sc1,sc2)を被検体に照射することで反射超音波信号を得て、この反射超音波信号に対してインパルス応答を畳み込むことで、重畳波形ov1,ov2を得る(aw1,aw2)。そして、これらを加算することで音線データを得て(aw3,aw4)、かかる音線データから振幅データa1,a2,a3,a4・・・・を取得し(aw5)、画像データimg1を得る(aw6)。
パルス圧縮の概念を簡単にまとめると、パルス圧縮では、送信される超音波信号のパルスの波数をPにすることで、通常の振幅のP倍の長さをもつメインローブ(図3のlength・P・2)を、音線データ内に得ていることがわかる。
振動素子で受信した反射波にフィルタを畳み込み、2回の送受信(送信イベント1、送信イベント2)でタイムサイドローブを逆相するのがゴレイ符号方式の特徴である。
続いて超音波信号処理部112の内部構成について説明する。図4は、超音波信号処理部112の内部構成を示す図である。本図に示すように超音波信号処理部112は、送信超音波信号処理部112aと、受信超音波信号処理部112bとから構成される。
以下、送信超音波信号処理部112aの構成要件について説明する。図5は、エンコード部120、遅延プロファイル生成部121、送信ビームフォーマ122、素子駆動部123を抜き出して、処理内容を書き加えた図である。
エンコード部120は、パルス列の符号化に用いるべき符号シーケンスを生成する。かかる送信は、送信イベント1、送信イベント2の2回にかけてなされる。パルス圧縮の代表的な手法としてゴレイ符号を用いる。ゴレイ符号とは2つの符号系列の非周期自己相関関数の和が0シフト地点を除いて0になる符号系列のことである。以下の[数1]に示す系列S1、系列S2は、同一の長さLをもつ2相(+符号、-符号)のゴレイ符号を表す。図5の右上のパルス波形列は、S1,S2がどのような波形のパルス列で表現されるかを示す。S1,S2における正の符号は正弦波によって表現され、S1,S2における負の符号は逆相の正弦波によって表現される。
Figure 2015037535
ここで+符号と-符号は波形で表す場合少なくとも位相が異なっており、一般的には+符号と-符号の位相差は180度程度とする。以下本文では2相ゴレイを用いて説明する。図中のS1は、送信イベント1の送信に用いられるべき符号系列を示し、S2は、送信イベント2の送信に用いられるべき符号系列を示す。そして系列S1と系列S2は[数2]と[数3]の条件を満たす。
Figure 2015037535
数2において、RSは自己相関関数を示し、τは時間シフトを示す。超音波診断においてゴレイ符号を用いて超音波信号処理を行う場合には一般的に系列S1、系列S2のそれぞれに対応した2回の送信イベントが必要になる。数2においてS1n・S1L-n+1の項は、S1符号シーケンスのうち先頭からn個目の符号と、末尾からn-1個手前の符号との積を示し、S2n・S2L-n+1の項は、S2符号シーケンスのうち先頭からn個目の符号語と、末尾からn-1個手前の符号語との積を示す。Σ演算は、n=1から、t=1からL-τの範囲において、S1n・S1L-n+1と、S2n・S2L-n+1との総和をとることを意味する。
数2の数式は、図中にも記載されている。図中のmu1,mu2,mu3,mu4,mu5,mu6は、数2において乗算の対象となる符号語の組みを示す。rm1,rm2は、乗算の対象とはならない符号語を示す。数2では、上記のmu1,mu2,mu3,mu4,mu5,mu6による乗算の対象となる符号語を掛け合わせ、足し合わせてゆけばその総和が0になる。そしてrm1,rm2における符号語、つまり、S1τ,S2τが残ることになる。これらS1τ,S2τが、0シフト点にあたる。超音波信号処理装置では、互いに打ち消し合う符号を含めて送信することで、タイムサイドローブをキャンセルさせることを意図している。
送信イベント1に対応したゴレイ符号をc1とし、送信イベント2に対応したゴレイ符号をc2とすると第一符号シーケンス信号c1、第二符号シーケンス信号c2は以下の[数3]で表される。
Figure 2015037535
ここでmは1回の送信イベントにおいて生成する符号数を表している。
音線データの信号雑音比は、以下の数4における増加量Aで表される。増加量AはS/N比であり、数4の数式に示すように、mの平方根でmを割った値となる。
Figure 2015037535
以下、送信イベント1で生成された信号には「第一」という頭文字を付与し,送信イベント2では「第二」という頭文字を付与することで区別する。送信イベント1、送信イベント2のそれぞれにおいて、エンコード部120から出力される信号を「第一符号シーケンス信号」、「第二符号シーケンス信号」という。第一符号シーケンス信号、第二符号シーケンスは、予め送信超音波信号を符号化するための情報のことでありゴレイ符号で構成されている。以上がエンコード部120についての説明である。
遅延プロファイル生成部121は制御部111からの制御信号を入力とし、制御信号から送信遅延プロファイル信号を生成し、送信遅延プロファイル信号を送信ビームフォーマ122に出力する。ここで「送信遅延プロファイル信号」とは、送信超音波信号が形成する超音波ビームに対応した振動素子110を駆動するタイミングを示す送信遅延プロファイル情報のことである。
送信ビームフォーマ122は、超音波プローブ102における振動素子に対応した遅延時間を与えた上、超音波プローブ102における各振動素子に、符号化パルス列を引き渡す。超音波プローブ102における各振動素子に対応する遅延時間付与は、以下の[数5]で表される。
Figure 2015037535
数5においてTxDiは、単一焦点を有する送信遅延プロファイル信号のことである。fは送信超音波信号の焦点、pは振動素子の間隔、vは音速、iは素子番号である。振動素子アレイの中心を素子番号i=0とすると、i,mは以下の[数6]の条件を満たす。
Figure 2015037535
mは振動素子アレイにおける構成振動素子100の個数を表す。
数6において、iは-m/2からm/2までの範囲を変化し、中央の素子で「0」の値をとることから、(p・i)の項は、中央の素子で0になる。そうすると数5の分子は0になるから、TxDi は、中央の振動素子で「0」になる。一方、中央の振動素子から離れるにつれ、(p・i)の項は、相応の値をもつことになる。図5右下のグラフは、i=0を送信基準点として各振動素子の駆動タイミングの差を表した変化曲線cv1を示す。横軸は素子位置、縦軸は振動素子110の駆動タイミングとする。TxDiは振動素子アレイ110の端ほど送信基準点より早い駆動タイミングとなる。
送信イベント1、2のそれぞれで送信ビームフォーマ122から出力される信号を「第一送信ビームプロファイル信号」、「第二送信ビームプロファイル信号」という。第一送信ビームプロファイル信号、第二送信ビームプロファイル信号は、送信超音波信号が形成する焦点に対応した送信遅延プロファイルの各駆動タイミングを変更したものである。第一送信ビームプロファイル信号、第二送信ビームプロファイル信号は、振動素子110において各素子を駆動する駆動タイミングと、超音波により生成されるべき符号の符号形状とを示す。
上記の駆動タイミングは、遅延プロファイル生成部121で生成された送信遅延プロファイル信号により決定され、各振動素子を駆動する際の相対的な時間差を示す。
上記の符号形状は、エンコード部120で生成された第一符号シーケンス信号、第二符号シーケンス信号によって決定され、各振動素子を励起するための電圧パタンを示す。
素子駆動部123は、送信イベント1、2のそれぞれに対応する送信ビームプロファイル信号を入力とし、送信イベント1、2のそれぞれに対応する送信ビームプロファイル信号から駆動信号を生成して振動素子110に出力する。
超音波プローブ102は、同一の構成要素である振動素子110を複数配置したものである。
以上が送信超音波信号処理部112aについての説明である。続いて、受信超音波信号処理部112bの詳細について説明する。図6は、受信超音波信号処理部112bの内部構成を示す図である。本図に示すように、受信超音波信号処理部112bは、超音波プローブ102における振動素子と同数のAD変換器130i1,i2,i3・・・と、超音波プローブ102における振動素子と同数の前半デコーダ200i1,i2,i3・・・と、1つの受信ビームフォーマ131と、1つの後半デコーダ部201とから構成される。
AD変換部130i1,i2,i3・・・は、同一の構成要件であるAD変換部をm個配置したものである。個々のAD変換部は、1からmまでの値をとる変数iで指示される。参照符号130に続く英数字i1,i2,i3・・・は、このi=1,i=2,i=3・・・を簡略化したものである。各AD変換部は、各素子から出力された反射超音波信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。送信イベント1、送信イベント2のそれぞれにおいてAD変換部130から前半デコーダ部200に出力されるデータを、「第一符号超音波データ」第二符号超音波データ」という。第一符号超音波データと第二符号超音波データとは反射超音波信号をデジタル化し、符号情報を有している超音波データのことである。これらの第一符号超音波データ、第二符号超音波データには符号全体に実像・虚像の情報が含まれている。それを前半デコーダにおけるフィルタで分離し、尚且つ、後半デコーダによるイベント相関演算に供することで虚像成分を除去する。
前半デコーダ部200i1,i2,i3・・・は、同一の構成要件である前半デコーダ部200をm個配置したものである。個々の前半デコーダ部200i1,i2,i3・・・の内部構成は基本的に共通であり1からmまでの値をとる変数iで指示される。参照符号200に続く英数字i1,i2,i3・・・は、このi=1,i=2,i=3・・・を簡略化したものである。前半デコーダ部200i1,i2,i3・・・のそれぞれは、送信イベント1に対応する反射超音波信号CD1に対して系列FAのインパルス応答を畳み込むフィルタA200aと、送信イベント2に対応する反射超音波信号CD2に対して、系列FBのインパルス応答を畳み込むフィルタB200bとを含む。送信イベント1、送信イベント2において前半デコーダ部200から受信ビームフォーマ131に出力されるデータを「第一不完全復号データ」「第二不完全復号データ」という。第一不完全復号データ、第二不完全復号データは、符号超音波データに対してフィルタ処理を施すことで生成された、タイムサイドローブを有する復号超音波データのことである。
受信ビームフォーマ131は、前半デコーダ部200によりインパルス応答波形の畳み込みがなされた出力信号に対して、素子位置に応じた遅延時間を与えることで整相加算を行い、送信イベント1、送信イベント2のそれぞれに対応する受信ビームデータを得る。送信イベント1、送信イベント2において受信ビームフォーマ131から後半デコーダ部201に出力される受信ビームデータを「第一不完全復号音線データ」、「第二不完全復号音線データ」という。第一不完全復号音線データ、第二不完全復号音線データは、整相加算によって生成され、深さ方向の連続性をもつデータのことである。第一不完全復号音線データ、第二不完全復号音線データと、音線データとの違いは、音線データには、タイムサイドローブが存在しないのに対して、第一不完全復号音線データ、第二不完全復号音線データにはタイムサイドローブが存在するというものである。
ある反射点から返ってきた反射波は球面状に広がって振動素子に返ってくる。そのため反射点から垂直の振動素子に最も早く反射波は到達し、反射点から垂直の素子から離れるほど遅く反射波は遅く到達する。そこで受信ビームフォーマ131は、この時間遅れを考慮して各振動素子で受信した反射波を加算することで反射波のS/Nを高めている。
後半デコーダ部201は、イベントに対応して形成された受信ビームデータを音線データに変換する。
前半デコーダ部200、受信ビームフォーマ131、後半デコーダ部201の内部構成について、図7(a)を参照しながら説明する。図7(a)は、前半デコーダ部200、受信ビームフォーマ131、後半デコーダ部201を図6から抜き出して、処理内容を書き加えた図である。
受信ビームフォーマ131は、素子iからの出力信号に対して遅延時間を与えた上、整相加算を行うことにより受信ビームデータを得る。
後半デコーダ部201は、受信ビームフォーマ131から出力された受信ビームデータを格納する記憶部201aと、記憶部に記憶されたビーム信号と、送信イベント2に対応するビーム信号との加算を行う加算部201bと、記憶部201aによる記憶をスキップするかどうかの切り替えを行うスイッチ201cとから構成される。かかる加算部201bの加算により、音線データが得られる。
送信イベント1に対応するフィルタ処理(フィルタA)は、以下の[数7]によって表される。
Figure 2015037535
faiはフィルタ係数を表す。この数7の数式は、図7の中にも記載されている。図中のcr1,cr2,cr3,cr4は、数7のfa1,fa2,fan-1,fanと、数1のS11,S12,S1L-1,S1Lとの間に成立する対応関係を示す。音線データのメインローブは、数7の数式における複数のフィルタ係数全体から生成される。ここでZn(n=1,2,3・・・・)は零インタバルであり、[数8]によって表される。
Figure 2015037535
ここでLは零インタバルの長さを示す。図中の参照符号rf1は、このLが[数9]の数式で規定されることを表す。
Figure 2015037535
数9におけるfsはサンプリング周波数、fcは送信超音波信号の中心周波数,intは任意の零挿入数を表す。
図7(b)は、RF信号の波形と、FAとの関係を示す図である。wv1は、FA,FBのz1,z2,z3・・・に従い、メインローブ間のインターバルが与えられた波形を示す。波形において、メインローブの頂点が、フィルタ係数fa2,fa3のそれぞれに対応する。z1,z2,z3は、このメインローブの頂点の間隔を規定する。つまりz1,z2,z3のそれぞれが、任意の個数の「0」を定義することで、あるメインローブの頂点と、次のメインローブの頂点との間に、どれだけの間隔を開けるかが定義される。fa2の前のz1が「000」の符号シーケンスであることから、fa2の前の部分の間隔が規定され、z2が「00000」であることから、メインローブの頂点fa2,fa3間の間隔が規定されることになる。つまりz1,z2,z3のそれぞれが、任意の個数の零列を定義することで、2つのメインローブの頂点間に、時間的間隔をどれだけ設けるかが規定される。
ここで第一符号超音波データ500、第一不完全復号データ501、第一不完全復号音線データ502を対象として、フィルタA,Bによる畳込みについて説明する。
第一符号超音波データ500をCD1とし、第一不完全復号データ501をDD1とするとフィルタAによる重畳は[数10]で表される。ここで記号*は畳みこみを示す。数10におけるDD1=CD1*FAは、符号化データCD1に、フィルタ係数列FAを畳み込むというものである。
Figure 2015037535
整相加算処理を行うための受信遅延プロファイルRxDiは[数11]の数式で表される。
Figure 2015037535
dは不完全復号音線データの深さ位置を表している。
そして受信開口中心を基準とした、相対的な深さ関係を示す受信遅延プロファイルに応じて第一不完全復号音線データ502の深さ位置ごとの、加算を行う。
第一符号超音波データ500に対する畳み込みのためのフィルタBは以下の[数12]で表される。
Figure 2015037535
fbiはフィルタ係数を表している。同様の数式は図の中にも記載されている。図中のcr5,cr6,cr7,cr8は、数7のfb1,fb2,fbn-1,fbnと、数1のS21,S22,S2L-1,S2Lとの間に成立する対応関係を示す。
フィルタBによる重畳データをDD2とすると、フィルタBによる畳み込みは以下の[数13]で表される。
Figure 2015037535
ここでCD2は符号化された反射超音波データを表し、記号*は畳みこみを示す。DD2=CD2*FBは、符号化データCD2に、数12におけるフィルタ係数列FBを畳み込むというものである。
音線データをDDとすると、加算部201cによる加算は、[数14]によって表される。
Figure 2015037535
DD1ダッシュは第一不完全復号音線データを表し、DD2ダッシュは第二不完全復号音線データを表している。以上が前半デコーダ部200、受信ビームフォーマ131、後半デコーダ部201についての説明である。続いて、前半デコーダ部200の内部構成の詳細について説明する。
図8は、フィルタA、フィルタBの内部構成を示す図である。フィルタAは、n-1個の遅延回路(図中のZ1,Z2,Z3・・・・Zn-1)と、n個の乗算器(図中のfa1,fa2,fa3,fa4・・・・fan)と、n個の加算器(図中の複数の+記号)とから構成され、CD1を入力とし、DD1を出力とする。
フィルタBは、n-1個の遅延回路(図中のZ1,Z2,Z3・・・・Zn-1)と、n個の乗算器(図中のfa1,fa2,fa3,fa4・・・・fan)と、n個の加算器(図中のP1,P2,P3,P4・・・・Pn)とから構成され、CD2を入力とし、DD2を出力とする。
フィルタA,Bにおけるn-1個の遅延回路、n個の乗算器、n個の加算器のうち、任意のm番目のものをZm遅延回路、fam乗算回路、加算器Pmという。これらZm遅延回路、fam乗算回路、加算器Pmの構成は、 n-1個の遅延回路、n個の乗算器、n個の加算器の共通構成である。以下、Zm遅延回路、fam乗算回路、加算器Pmについて説明する。
Zm遅延回路(mは、1からn-1の値をとる任意の整数)は、Z1遅延回路からZm-1遅延回路までの遅延回路で遅延させられたCD1を入力とし、かかる入力信号に対して、Zmだけ時間的遅延を施す。Z1遅延素子についてはZm-1遅延回路が存在しないので、CD1に対してZ1だけ時間的遅延を施す。Z2遅延素子については入力段においてZ1遅延回路のみが存在するので、Z1だけ時間的遅延を施されたCD1に対してZ2の時間的遅延を施す。Z3遅延素子については入力段においてZ1遅延回路,Z2遅延回路が存在するので、Z1,Z2の時間的遅延を施されたCD1に対してZ3の時間的遅延を施す。
fam乗算回路(mは、1からnの値をとる任意の整数)は、Z1遅延回路からZm-1遅延回路までの遅延回路で遅延させられたCD1を入力とし、かかる入力信号に対してfamを乗じる。fa1乗算回路については入力段に遅延回路が存在しないので、CD1に対してfa1を乗じる。fa2乗算回路については入力段においてZ1遅延回路が存在するので、Z1の時間的遅延を施されたCD1に対してfa2を乗じる。fa3乗算回路については入力段においてZ1,Z2遅延回路が存在するので、Z1,Z2の時間的遅延を施されたCD1に対してfa3を乗じる。
加算器Pmは、Z1遅延回路からZm遅延回路までの複数の遅延回路による時間的遅延が施されたfam+1乗算回路の出力と、加算器P1から加算器Pm-2までの加算結果が足し合わせられた加算器Pm-1の出力とを加算する。加算器P1については、入力段に加算器が存在しないので、CD1と、Z1遅延回路による時間的遅延が施されたfa2乗算回路の出力とを加算する。加算器P2については、加算器P1の出力と、Z1,Z2遅延回路による時間的遅延が施されたfa3乗算回路の出力とを加算する。加算器P3については、加算器P2の出力と、Z1,Z2,Z3遅延回路による時間的遅延が施されたfa4乗算回路の出力とを加算する。以上の回路構成により、数10、数13による演算が、FIRフィルタで構成される。
次に、受信遅延プロファイル信号について説明する。図9(a)は、受信遅延プロファイル信号における時間遅延値RxDi(d)がとり得る値を示すグラフである。横軸は変数iがとり得る範囲を表し、縦軸は、RxDiがとり得る遅延差時間を示す。変数iは、超音波プローブ102における個々の素子を指示する変数であり、-m/2からm/2までの値をとる。変数iは、-m/2からm/2までの範囲を変化するから、数11の(p・i)の項は中央の素子で「0」となり、周辺の素子に向かう程、増減する。i=0の場合、p・iの項が0になるから、数11の分子が0になる。一方、中央の素子から離れる程、数11の分子の値は小さくなる。この減少の仕方を表したのが図9(a)のcv2である。cv2は、横軸を変数iとし、縦軸を遅延差時間RxDi(d)として、遅延差時間の時間的変化を表している。
受信ビームデータのその他のバリエーションを表したのが、図9(b)(c)である。図9(b)は、反射箇所が浅い部分での反射波についての受信ビームデータの波形であり、反射箇所が浅い場合、図9(b)に示すように、反射波は急峻な変化をなす。反射箇所が深い場合、図(c)に示すように、反射波に示される変化は平坦なものになる。
図10、図11を参照しながら、記憶部201aによる信号の記憶と、加算部201bによる信号加算とについて説明する。
図10は、送信イベント1における記憶部201aによる信号の記憶の過程を示す。第一符号超音波データ500i1,i2,i3・・・は、AD変換で得られる波形であり、2個のパルスから構成される。第一不完全復号データ501i1,i2,i3・・・は、前半デコーダ部200i1,i2,i3・・・によりインパルス応答の畳み込みがなされた重畳波形である。第一不完全復号音線データ502は、第一不完全復号データ501i1,i2,i3・・から形成され、後半デコーダ部201の記憶部201aに格納される波形データである。
図11は、送信イベント2における加算部201bによる信号加算の過程を示す。第二符号超音波データ510i1,i2,i3・・・は、AD変換部130i1によるAD変換で得られた符号化パルス列である。かかる第二符号超音波データ510i1,i2,i3・・・は、第一符号超音波データ500を構成するバルスと符号が異なっている。第二不完全復号データ511i1,i2,i3・・・は、第二符号超音波データ510i1,i2,i3・・・に対して、インパルス応答の重畳を行うことで得られる。かかる第二不完全復号データ511i1,i2,i3・・・は、タイムサイドローブが第一不完全復号データ501i1,i2,i3・・・と逆相になっている。第二不完全復号音線データ512は、第二不完全復号データ511i1,i2,i3・・・を整相加算することで得られる受信ビーム波形である。この第二不完全復号音線データ512では、メインローブの波高が高くなっている。音線データ520は、後半デコーダ部201に格納された第一不完全復号音線データ502と、第二不完全復号音線データ512とを加算することで得られる。第一不完全復号音線データ502と、第二不完全復号音線データ512とでは、タイムサイドローブが逆になっているから、後半デコーダ部201による加算により、タイムサイドローブが打ち消され、メインローブのみの波形が得られることがわかる。
図11における音線データ520はメインローブ520aから構成される。音線メインローブ520aは被検体内ターゲットからの受信超音波強度と深さ情報を有している。ここでメインローブ520aの振幅は後半デコーダ部201で増幅されてメインローブ502aより大きくなる。
第一不完全復号音線データ501と、第一不完全復号音線データ502と、第二不完全復号音線データ511と、第二不完全復号音線データ512との関係について説明する。
図12(a)は第一不完全復号データ501、図12(b)は第一不完全復号音線データ502を示す。図12(c)は第二不完全復号データ511、図12(d)は第二不完全復号音線データ512を示す。
メインローブ502aの振幅は受信ビームフォーマ131で増幅されてメインローブ501aより大きく、第一不完全復号音線タイムサイドローブ502bの振幅も、タイムサイドローブ501bより大きい。
メインローブ512aの振幅は受信ビームフォーマ131で増幅されてメインローブ511aより大きく、タイムサイドローブ512bの振幅も、タイムサイドローブ511bより大きい。
第一不完全復号メインローブ501aの振幅強度をAM1、第一不完全復号タイムサイドローブ501bの振幅強度をAS1とし、第二不完全復号メインローブ511aの振幅強度をAM2、第二不完全復号タイムサイドローブ511bの振幅強度をAS2とすると[数15]の条件を満たす。
Figure 2015037535
ここでメインローブ502aの振幅強度をAM‘1、タイムサイドローブ502bの振幅強度をAS’1とし、メインローブ512aの振幅強度をAM2'、タイムサイドローブ512bの振幅強度をAS2'とすると[数16]の条件を満たす。
Figure 2015037535
上記の数16におけるAM'1>AS'1は、図12(b)におけるメインローブ502aの振幅が、図12(b)におけるタイムサイドローブ502bの振幅よりも大きくなっていることを意味する。数16のAM'2>AS'2は、図12(d)のメインローブ512aの振幅が、図12(d)のタイムサイドローブ512bの振幅よりも大きくなっていることを意味する。
さらに、タイムサイドローブ502bと、タイムサイドローブ512bとでは、受信ビームフォーマ131による整相加算で誤差が生じる。このタイムサイドローブにおける整相加算の誤差はメインローブからの時間差(距離)が大きくなるほど増加する。その結果、メインローブとタイムサイドローブの比は[数17]の条件を満たす。
Figure 2015037535
数17のAM'1/AS'1>AM1/AS1は、図12(b)のメインローブ502aの振幅と、タイムサイドローブ502bの振幅との比率が、図12(a)のメインローブ501aの振幅と、タイムサイドローブ501bの振幅との比率よりも大きくなっていることを意味する
かかる数17の技術的意義は以下の通りである。
符号シーケンスにおける符号語の数が多くなると、タイムサイドローブ501bと、タイムサイドローブ502bのタイムサイドローブの数が増加し、タイムサイドローブの振幅も大きくなる。具体的にいうと、メインローブから遠方のタイムサイドローブになる程、振幅が小さくなる。しかしタイムサイドローブの振幅値が変化してもタイムサイドローブ501bとタイムサイドローブ511bとは同じようにメインローブより遠方のタイムサイドローブの振幅値が小さくなるため加算処理を行なうとキャンセルすることができる。よって、符号シーケンスが長くなったとしても、正しくサイドローブをキャンセルすることができる。
以上のようにして超音波信号処理装置は、前半デコーダ部200と、後半デコーダ部201とに分割してデコード処理を行うことでメインローブの振幅減少とタイムサイドローブの発生を生じることなくデコーダ部の記憶領域を削減することが可能になる。図13、図14を用いてシミュレーションによる本発明の効果を示す。図13は超音波画像生成に関するシミュレーションモデルを示す。このシミュレーションモデルは、任意の空間において、超音波プローブ102と、第一ターゲット600とが近接して存在するという状況を想定している。振動素子110は、第一ターゲット600に対して送信超音波信号を送信する。送信超音波信号が第一ターゲット600で反射することで生成された反射超音波信号を振動素子110は受信する。
図14は受信超音波信号に対して信号処理を行い生成した音線データ520の振幅強度をプロットしたイメージ図である。ここで各方式の信号強度をDAS復号方式610、RF復号方式611、提案復号方式612として表す。DAS復号方式610はRF復号方式611と比較して、受信ビームフォーマ131による符号劣化の影響を受けるため第一ターゲット600地点の音線データ520の振幅強度が低下しており、さらにタイムサイドローブを完全にキャンセルすることができずに虚像が発生している。
音線データ520の振幅強度が低下する理由を説明する。DAS復号方式610において600地点の音線データの振幅強度が低下するのは、DAS復号方式610では、符号化状態のまま受信信号を整相加算するため受信信号における符号形状が崩れてしまいメインローブ振幅低下と、タイムサイドローブ発生とが顕著化するからである。
音線データ520においてタイムサイドローブを完全にキャンセルできない理由を説明する。タイムサイドローブをキャンセルできないのは、受信遅延プロファイルの式(数11)における深さ位置dが関係している。数11の受信遅延プロファイルの式によると、dが、振動素子からある程度の距離を意味する場合、プロファイルの形状は緩やかな放物線になるのでプロファイル形状がほとんど変化しない。しかし、dが振動素子の近傍となる場合、プロファイル形状が急峻な放物線形状をなし、dが少し変化するだけでプロファイル形状が大きく変わる。
超音波プローブ102の近傍では受信遅延プロファイルが急激に変化するため、符号超音波データのまま整相加算処理を行うDAS復号方式610では、符号シーケンスの後半に存在する符号語ほど整相加算における誤差が顕著化してしまう。
対照的に提案復号方式612はRF復号方式611と比較して、第一ターゲット600地点の音線データ520の信号強度の低下が生じていない。この結果から本提案手法はRF符号号方式と同等の音線データ品質を確保しながらデコーダ部の記憶領域を削減することが可能である。
RF復号方式611と比較すると、本願ではインパルス応答の重畳後にイベント相関演算(後半デコーダにおける加算)を行わず、受信プロファイルによる整相加算を行う点が差異になる。本願発明がRF復号方式611と比較して品質面で同等であるのは、受信プロファイルによる整相加算前にイベント相関演算をおこなっても、受信プロファイルによる整相加算後にイベント相関演算をおこなっても、品質への影響が発生しないからである。
以上が超音波信号処理装置の構成要件についての説明である。以上の構成要件による処理は、コンピュータのハードウェア資源に対する一連の手続きとして実現することができる。超音波信号処理装置の実現にあたって、超音波信号処理装置のコンピュータに実行させるべき処理手順を、図15〜図17は、参照しながら説明する。
図15は、超音波信号処理装置の全体手順を示すフローチャートである。本フローチャートは、ステップS1〜ステップS5を繰り返すループ構造になっている。具体的にいうと、超音波信号処理部112による超音波信号の送信と、超音波信号処理部112による反射超音波信号の受信とをを行い(ステップS1)、音線データを得て、かかる音線データに対してミッドプロセス部113が音線データから振幅データへの変換を行い(ステップS2)、1フレーム分の振幅データが得られたかどうかを判定する(ステップS3)という処理を繰り返す。1フレーム分の振幅データが蓄積されれば、1フレーム分の振幅データをBモード画像データに変換して(ステップS4)、変換で得られた画像を表示部103に表示させて(ステップS5)、ステップS1に戻る。
図16は、超音波信号送信処理の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートは、変数iを初期化して(ステップS11)、ステップS12〜ステップS20からなるループを実行し、その後、変数iが198本になったどうかを判定して(ステップS21)、変数iが198でなければ、変数iをインクリメントし(ステップS22)、ステップS12に戻るという処理を繰り返すものである。
ステップS12〜ステップS20は、イベントを指示する変数であるjを1で初期化して(ステップS12)、変数jが1かどうかの判定を行い(ステップS13)、変数jが1であれば、符号シーケンスS1を生成し(ステップS14)という処理を選択的に実行して、その後、遅延プロファイル生成部121に送信遅延プロファイル信号を生成させ(ステップS16)、送信遅延プロファイル信号を用いて生成された符号シーケンスを送信ビームプロファイル信号に変換して(ステップS17)、イベントjに対応する送信ビームプロファイル信号を振動素子に送信させる(ステップS18)という処理を順次行い、その後、変数jが2かとうかを判定して(ステップS19)、2でなければ、変数jをインクリメントした後(ステップS20)、ステップS13に戻る。
変数jがインクリメントされれば、変数jが1かどうかの判定において(ステップS13)、Noと判断されることで、符号シーケンスS2を生成する(ステップS15)。その後、遅延プロファイル生成部121に送信遅延プロファイル信号を生成させ(ステップS16)、送信遅延プロファイル信号を用いて生成された符号シーケンスを送信ビームプロファイル信号に変換して(ステップS17)、イベントjに対応する送信ビームプロファイル信号を振動素子に送信させる(ステップS18)という処理を順次行い、その後、変数jが2かとうかを判定して(ステップS19)、2であれば、変数iが198になったかどうかを判定する。198に到達していなければ、変数iをインクリメントして、ステップS12に戻る。以降、変数iが198になるまで、ステップS12〜ステップS22の処理が繰り返される。
図17は、反射超音波信号受信処理の処理手順を示すフローチャートである。本フローチャートでは、先ず、変数iを1で初期化して(ステップS31)、変数jを1で初期化した後(ステップS32)、反射超音波信号の受信待ちを行い(ステップS33)、受信されれば、変数jが1かどうかを判定して(ステップS34)、変数jが1であれば、m個の振動素子の出力信号に対してFAのインパルス応答波形を重畳することでDD1を得て(ステップS35)、インパルス応答が重畳されたm個のDD1から、DD'を生成する(ステップS36)。その後、後半デコード部201のメモリ201cにDD'を書き込んだ後(ステップS37)、変数jをインクリメントして(ステップS38)、ステップS34に戻る。
変数jが2であれば、ステップS34からステップS39に移行して、プローブ102におけるm個の振動素子から出力されるm個のCD2に対してインパルス応答を重畳しm個のDD2を得て(ステップS39)、m個のDD2から、イベントjに対応するDD2'を生成する(ステップS40)。その後、DD1’を後半デコーダ部201のメモリ201aから読み出し、受信ビームDD2'と加算して(ステップS41)、加算結果であるDDをラインiに対応する音線データiとしてミッドプロセス部113内のメモリに書き込み(ステップS42)、その後、変数iが198に到達したかを判定する(ステップS43)。
変数iが198になったかどうかの判定において、変数iが198に達していなければ、変数iをインクリメントする(ステップS44)。変数iが198になれば198本の音線データをミッドプロセス部113に引き渡す(ステップS48)。
以上のように本実施形態によれば、m個の振動素子からの複数チャネルのRF信号のそれぞれに対してフィルタ処理にあたる応答波形の畳み込みがなされるので、RF信号のうち、サイドロープにあたる部分に存在するノイズが減衰させられてから、受信ビームフォーマによる合成に供されることになる。受信ビームフォーマでの合成に先立ち、サイドロープにあたる部分に存在するノイズを小さくするので、受信ビームフォーマの後段でフィルタを行う場合と比較して超音波映像の品位が低下することはない。
各送信イベント時に受信ビームフォーマから出力された受信ビームデータをメモリで格納し、新たなイベントで受信ビーム信号が受信ビームフォーマから出力された際、その受信ビームデータと、直前に出力され、メモリに格納された受信ビームデータとの加算を行うから、メモリの規模は、受信ビームデータを格納する容量で足りる。よって、受信ビームフォーマの前段にデコーダを設ける場合と比較して、メモリ規模が小さくて済む。
<備考>
以上、本願の出願時点において、出願人が知り得る最良の実施形態について説明したが、以下に示す技術的トピックについては、更なる改良や変更実施を加えることができる。
(非破壊検査装置への応用)
図1では、超音波信号処理装置が超音波診断システムに用いられるとの仮定下で超音波信号処理装置の実施形態を提示したが、これは一例に過ぎない。超音波信号処理装置は、機械や建造物の内部を超音波で検査するための非破壊検査システムで用いられてもよい。また、超音波信号の処理を行うものであれば、原子力施設の内部検査システムや海底探査システムで用いられてもよい。
(ゴレイ符号の位相数)
ゴレイ符号は2相符号としたが、3相以上の多相符号で構成してもよい。
(後半デコード部による相関演算の態様)
後半デコード部による相関演算は、メモリに格納された過去の送信イベント時の音線データと、新たな音線データとの加算演算であったが、これは2相のゴレイ符号を対象にした一例に過ぎない。後半デコード部による相関演算は、いわゆる相関器による演算であればどのようなものも包含する。具体的には、メモリに格納されるべき音線データは、過去の任意のイベントの音線データであってもよいし、また、音線データに対する加算演算は、積和演算でもよいし、ベクトル演算でもよい。加算にあたって、重み付けを行ってもよいし、この重み値を変化させてもよい。
(前半デコーダの個数)
前半デコーダの数は、振動素子数に対応した複数チャネルのRF信号の数と等しいとしたが、振動素子数よりも少なくしてもよい。一部の振動素子からのRF信号を、フィルタ処理から除外したとしても品質にさほど影響がでない場合もあるからである。逆に、前半デコーダの数は、振動素子数に対応した複数の出力信号数よりも多くしてもよい。大規模な集積回路においては、前半デコーダ部の個数を大目に設定しておくことも可能になるからである。
(後半デコーダの数)
後半デコーダ部201の数は1つとしたが、前半デコーダ部の数より少なければよい。複数の後半デコーダ部201をパラレルに接続しておいて、これらを交互に使用してもよい。
(超音波プローブ102における実装)
図2においてエンコード部120、遅延プロファイル生成部121、送信ビームフォーマ122、素子駆動部123、AD変換部130、受信ビームフォーマ131、前半デコーダ部200、後半デコード部201は、超音波信号処理部112に含まれるとしたが、一部の構成要件を超音波プローブ102に搭載しても良い。
(符号シーケンス信号の構成の仕方)
符号シーケンス信号を構成するゴレイ符号は、予めメモリ等に記憶していたゴレイ符号パタンを用いても良いし、操作者が設定したゴレイ符号パタンを用いても良い。
(コンピュータシステム上での実現)
上記の各装置の全部、もしくは一部を、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニットなどから構成されるコンピュータシステムで構成した場合、前記RAM又はハードディスクユニットに、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶させることが望ましい。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置はその機能を達成する。
(集積回路化)
上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1つのシステムLSI(Large Scale Integration(大規模集積回路))から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、上記各装置と同様の動作を達成するコンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。また、LSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
(モジュール化)
上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(プログラム化)
本発明は、上記に示すコンピュータの処理で実現する方法であるとしてもよい。また、本発明は、これらの方法をCPU等のプロセッサが実行することで実現するコンピュータプログラムとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したものとしてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray Disc)、半導体メモリなどである。また、本発明は、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
また前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を、前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(実施形態の組合せ)
上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
更に、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
本発明にかかる超音波信号処理装置、及び、超音波信号処理方法は、医療分野、非破壊検査の分野で利用される可能性がある。
100 超音波診断システム
101 超音波信号処理装置
102 超音波プローブ
103 表示部
110 振動素子
111 制御部
112a 送信超音波信号処理部
112b 受信超音波信号処理部
113 ミッドプロセス処理部
114 バックエンド処理部
120 エンコーダ部
121 遅延プロファイル生成部
122 送信ビームフォーマ
123 素子駆動部
130i1,i2,i3・・・・ AD変換部
131 受信ビームフォーマ
200i1,i2,i3・・・・ 前半デコーダ部
201 後半デコーダ部

Claims (9)

  1. 複数の符号シーケンスを振動素子アレイに出力することで、超音波の送信と、反射超音波の受信とを振動素子アレイに行わせる超音波信号処理装置であって、
    複数符号シーケンスのそれぞれは複数の符号語から構成され、各符号語の並びは符号シーケンス毎に異なり、
    N個の振動素子信号のそれぞれに対して、インパルス応答信号の畳み込みを行い、N個の重畳信号を得るM個の前半デコーダ部(M、Nは、2≦M≦Nを満たす整数)と、
    N個の重畳信号に対して整相加算を行い、前記複数の符号シーケンスのそれぞれに対応する複数の受信ビームを得る受信ビームフォーマと、
    各符号シーケンスに含まれる符号語に基づく相関演算を前記複数の受信ビームに対して実行することで音線データを得るL個の後半デコーダ部(Lは、1≦L<Mを満たす整数)と
    を備えることを特徴とする超音波信号処理装置。
  2. 前記受信ビームフォーマにより形成される受信ビーム信号は、メインローブ及びタイムサイドローブを有する不完全復号音線信号であり、
    不完全復号音線信号に含まれるメインローブの波高は、何れの振動素子からの出力信号に含まれるメインローブの波高よりも高く、不完全復号音線信号に含まれるタイムサイドローブの波高は何れの振動素子からの出力信号に含まれるタイムサイドローブの波高よりも高く、
    前記不完全復号音線信号におけるタイムサイドローブに対するメインローブの比率は、何れの振動素子からの出力信号に含まれるタイムサイドローブに対するメインローブの比率よりも高くなっている
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波信号処理装置。
  3. 前記前半デコーダ部の個数Mは、振動素子アレイにおける振動素子数Nと等しく、
    前記後半デコーダ部の個数Lは、前半デコーダ部の個数Mよりも少ない
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波信号処理装置。
  4. 前記複数の符号シーケンスは、第1符号シーケンスと、第2符号シーケンスとを含み、
    前記符号シーケンスにおける符号語の相関性とは、
    第1符号シーケンスに含まれる符号語と、第2符号シーケンスに含まれる符号語との自己相関関数の和が、一部の符号語を除いて零(ゼロ)になることである
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波信号処理装置。
  5. 前記複数の前半デコーダ部のそれぞれは、複数の有限インパルス応答フィルタを備え、
    前記複数の有限インパルス応答フィルタのそれぞれは、第1符号シーケンス、及び、第2符号シーケンスのそれぞれに対応していて、フィルタ係数の値が異なる
    ことを特徴とする、請求項4記載の超音波信号処理装置。
  6. 前記後半デコーダ部は、第1符号シーケンスに対応する第1受信ビーム信号が受信ビームフォーマから出力されれば、当該第1受信ビーム信号をメモリに格納し、
    前記相関演算は、
    第2符号シーケンスに対応する第2受信ビーム信号が受信ビームフォーマから出力された際、当該第2受信ビーム信号と、メモリに格納された第1受信ビーム信号との加算を行い、第2受信ビーム信号におけるタイムサイドローブをキャンセルすることでなされる
    請求項5に記載の超音波信号処理装置。
  7. 前記超音波信号処理装置は、
    送信イベントごとに、異なる並びの複数の符号語で構成される符号シーケンスを生成するエンコード部と、
    前記送信超音波により形成される焦点に対応した送信遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル組生成部と、
    前記符号シーケンスと前記送信遅延プロファイルとに基づいて、前記振動素子アレイを駆動する駆動信号の波形情報、及び、駆動タイミング情報を有する送信ビームプロファイルを生成する送信ビームフォーマとを備え、
    前記振動素子による符号シーケンスの送信は、
    送信ビームプロファイルに応じて前記振動素子を駆動することでなされる
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波信号処理装置。
  8. 複数の符号シーケンスを振動素子アレイに出力することで、超音波の送信と、反射超音波の受信とを振動素子アレイに行わせる超音波信号処理方法であって
    複数符号シーケンスのそれぞれは複数の符号語から構成され、各符号語の並びは符号シーケンス毎に異なり、
    N個の振動素子信号のそれぞれに対して、インパルス応答信号の畳み込みを行い、N個の重畳信号を得るM個の前半デコード(M、Nは、2≦M≦Nを満たす整数)と、
    N個の重畳信号に対して整相加算を行い、前記複数の符号シーケンスのそれぞれに対応する複数の受信ビームを得る受信ビームフォームと、
    各符号シーケンスに含まれる符号語に基づく相関演算を前記複数の受信ビームに対して実行することで音線データを得るL個の後半デコード(Lは、1≦L<Mを満たす整数)と
    を行う超音波信号処理方法。
  9. 請求項8の超音波信号処理方法をコンピュータに行わせるプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体。
JP2014142955A 2013-07-16 2014-07-11 超音波信号処理装置、超音波信号処理方法およびコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体 Pending JP2015037535A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014142955A JP2015037535A (ja) 2013-07-16 2014-07-11 超音波信号処理装置、超音波信号処理方法およびコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体
US14/331,823 US9681854B2 (en) 2013-07-16 2014-07-15 Ultrasound signal processing device, ultrasound signal processing method, and non-transitory computer-readable recording medium

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013147249 2013-07-16
JP2013147249 2013-07-16
JP2014142955A JP2015037535A (ja) 2013-07-16 2014-07-11 超音波信号処理装置、超音波信号処理方法およびコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015037535A true JP2015037535A (ja) 2015-02-26

Family

ID=52344119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014142955A Pending JP2015037535A (ja) 2013-07-16 2014-07-11 超音波信号処理装置、超音波信号処理方法およびコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9681854B2 (ja)
JP (1) JP2015037535A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11712221B2 (en) 2016-06-20 2023-08-01 Bfly Operations, Inc. Universal ultrasound device and related apparatus and methods
US10856840B2 (en) * 2016-06-20 2020-12-08 Butterfly Network, Inc. Universal ultrasound device and related apparatus and methods

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3423935B2 (ja) * 2000-02-01 2003-07-07 株式会社 メディソン 超音波撮像方法及び改良ゴールレイコードを用いたパルス圧縮方式に基づく装置
JP2004209087A (ja) * 2003-01-07 2004-07-29 Hitachi Medical Corp 超音波診断装置
WO2005058167A2 (ja) * 2003-12-02 2005-06-30 Hitachi Medical Corp 超音波診断装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7430257B1 (en) * 1998-02-12 2008-09-30 Lot 41 Acquisition Foundation, Llc Multicarrier sub-layer for direct sequence channel and multiple-access coding
US6113545A (en) 1998-04-20 2000-09-05 General Electric Company Ultrasonic beamforming with improved signal-to-noise ratio using orthogonal complementary sets
US5984869A (en) 1998-04-20 1999-11-16 General Electric Company Method and apparatus for ultrasonic beamforming using golay-coded excitation
US8804460B1 (en) * 2011-03-31 2014-08-12 Amazon Technologies, Inc. Ultrasonic location determination

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3423935B2 (ja) * 2000-02-01 2003-07-07 株式会社 メディソン 超音波撮像方法及び改良ゴールレイコードを用いたパルス圧縮方式に基づく装置
JP2004209087A (ja) * 2003-01-07 2004-07-29 Hitachi Medical Corp 超音波診断装置
WO2005058167A2 (ja) * 2003-12-02 2005-06-30 Hitachi Medical Corp 超音波診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20150025378A1 (en) 2015-01-22
US9681854B2 (en) 2017-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230000472A1 (en) Ultrasonic imaging compression methods and apparatus
US7508737B1 (en) Ultrasound receive beamformer
JP4269145B2 (ja) 超音波診断装置
JP5637725B2 (ja) 音響波イメージング装置
CN102755174B (zh) 波束形成器、医学图像系统以及用于显示诊断图像的方法
KR20110022440A (ko) 초음파 신호 빔포머 및 이를 이용한 빔포밍 방법
JP2015037535A (ja) 超音波信号処理装置、超音波信号処理方法およびコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体
Almekkawy et al. An optimized ultrasound digital beamformer with dynamic focusing implemented on fpga
KR101646626B1 (ko) 후치 기반 위상 회전을 수행하는 빔 집속기 및 빔 집속 방법
Camacho et al. A strict-time distributed architecture for digital beamforming of ultrasound signals
Dziewierz et al. A design methodology for 2D sparse NDE arrays using an efficient implementation of refracted-ray TFM
JP2008259863A5 (ja)
JP3600994B2 (ja) 超音波診断装置
JP2002186615A (ja) 超音波診断装置
JP2018183297A (ja) 超音波診断装置、及び超音波信号処理方法。
JP7155856B2 (ja) 超音波診断装置の受信ビームフォーマ、及び超音波診断装置の受信処理プログラム
CN101411627B (zh) 帧复合及帧相关处理的方法及其复用装置
KR101135065B1 (ko) 다중 주사선 생성 방법 및 장치
JP6863817B2 (ja) 超音波撮像装置
JP4520222B2 (ja) 超音波診断装置
JP6160166B2 (ja) 超音波信号処理装置及び超音波信号処理方法
JP2017136235A (ja) 超音波診断装置、および、超音波信号処理方法
JP2004271377A (ja) パルス圧縮法及びパルス圧縮装置
JP2018126218A (ja) 超音波信号変換装置、および、超音波信号変換方法
JP2001276076A (ja) 超音波診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180807