JP2015035941A - エネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

エネルギー管理システム、エネルギー管理方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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圭久 石垣
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Abstract

【課題】 対象のエネルギー系において所定の目的をより最適に達する制御ができるエネルギー管理システム等を提供する。
【解決手段】 本発明のエネルギー管理装置は、複数または単数のエネルギー機器を含む系におけるエネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を取得する取得部と、取得された前記予測値に基づいて、前記エネルギー機器の一種であるエネルギー発生装置、エネルギー消費装置及びエネルギー蓄積装置のうちの少なくとも1つの対象装置についての、所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返す計画演算部と、を備える。前記計画演算部は、前記計画期間よりも短い再計画期間が経過するごとに前記運転計画を改めて演算する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のエネルギー機器を含むデバイス系の電力需給を管理するエネルギー管理システム、このシステムが実行するエネルギー管理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
近年、東日本大震災による電力危機、エネルギー資源の枯渇やその高騰により、限られたエネルギー資源を効率的に利用することが重要となっている。
その解決策の1つとして、「スマートグリッド」と呼ばれる次世代電力網に期待が寄せられている。スマートグリッドは、電力の流れを需要側と供給側から制御することにより、エネルギーを高効率で利用できるシステムである。その中でも、分散型電源と負荷が組み合わされた小規模系統を、「マイクログリッドシステム」と呼ぶ。
例えば、発電装置として太陽光発電と風力発電、蓄電池としてレドックスフロー(RF)電池を持ち、既存の電力会社の系統から独立して運用が可能な自立型のマイクログリッドシステムが既に開発されている(非特許文献1参照)。
しかし、自立型のマイクログリッドシステムでは、発電装置の供給能力に限界があるととともに、発電装置として安定した出力を得ることが難しい自然エネルギーを用いることが多いため、安定した運用が困難である。
そこで、上記従来のマイクログリッドシステムでは、安定した運用を実現するため、数理計画法を用いて、複数のエネルギー機器の総体である系に含まれる対象装置(例えば、蓄電池)について、運転計画を策定するエネルギー管理システム(Energy Management System:EMS)が導入される。
特開2003−9391号公報 特開2013−87991号公報 特開2013−13240号公報
住友電気工業株式会社 プレスリリース 2011年6月11日 「マイクロスマートグリッド実証システムの開発について」(http://www.sei.co.jp/news/press/11/prs921_s.html)
従来のエネルギー管理システムでは、系内でのエネルギーの需要量や発生量(電力の場合は、消費電力や発電量)の予測値に基づき、所定の目的が最適となるように、所定の計画期間にて対象装置の運転計画を演算し、その計画期間の全範囲で対象装置の制御を実行するのが通常である。
しかし、エネルギーの需要量や発生量の予測値はあくまでも予測であって、何らかの原因で実際値から外れることもあるので、予測値が正しいという前提で演算した運転計画は、必ずしも計画期間の全範囲に渡って正確であるとは限らない。
従って、電力の需要量や発生量の予測値に基づいて演算した運転計画を、その計画期間の全範囲に渡って運転計画通りの制御を実行すると、予期しなかった外乱(例えば、予想外の気象変動など)が計画期間内に発生した場合に、それ以後の運転計画自体の信頼性が低下し、対象装置を所定の目的が最適となるように制御することができなくなる可能性がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、対象装置を所定の目的が最適となるように制御することができるエネルギー管理システム等を提供することを目的とする。
本発明のエネルギー管理システムは、複数または単数のエネルギー機器を含む系におけるエネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を取得する取得部と、取得された前記予測値に基づいて、前記エネルギー機器の一種であるエネルギー発生装置、エネルギー消費装置及びエネルギー蓄積装置ののうちの少なくとも1つの対象装置についての、所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返す計画演算部と、を備え、前記計画演算部は、前記計画期間よりも短い再計画期間が経過するごとに前記運転計画を改めて演算する。
本発明のエネルギー管理システムによれば、複数または単数のエネルギー機器で構成される系のエネルギー需給を管理する場合に、その系に含まれる対象装置を所定の目的が最適となるように制御することができる。
本発明の実施形態に係るマイクログリッドシステムの全体構成を示すブロック図である。 計画演算部が扱う入力データと出力データを示す概念図である。 計画演算部の処理内容を示すフローチャートである。 計画期間、再計画期間及び実行間隔のタイミング例を示すタイムチャートである。 (a)は計画演算に必要な変数の数の例を示す表であり、(b)は計画演算に必要な制約式の数の例を示す表である。 従来のEMSを用いた場合の運用結果を示すグラフである。 本発明の実施形態のEMSを用いた場合の運用結果を示すグラフである。 計画演算部による解の選択方法の変形例を示す表である。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本発明の実施形態に係るエネルギー管理システム(以下、「EMS」ともいう。)は、複数または単数のエネルギー機器を含む系におけるエネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を取得する取得部と、取得された前記予測値に基づいて、前記エネルギー機器の一種であるエネルギー発生装置、エネルギー消費装置及びエネルギー蓄積装置のうちの少なくとも1つの対象装置についての、所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返す計画演算部と、を備え、前記計画演算部は、前記計画期間よりも短い再計画期間が経過するごとに前記運転計画を改めて演算する。
なお、本明細書において、「予測値」とは、現時点以後に発生する将来のデータ値の推定値のことを意味し、推定手法については特に問わない趣旨である。
従って、本明細書の「予測値」には、外部から取得した気象情報などに基づいて予測した需要量や発電量の予測値が含まれるだけでなく、それらの情報を使わずに過去の統計データをそのまま用いた需要量や発電量の予測値も含まれる。
本実施形態のEMSによれば、計画演算部が、計画期間よりも短い再計画期間が経過するごとに運転計画を改めて演算するので、実際とずれが少ない予測値および計算時点の系の状態に基づく正確な運転計画に更新される。
従って、更新後の最新の運転計画に従って計画を実行して対象装置の動作を制御することにより、対象装置を所定の目的が最適となるように制御することができる。
(2) 具体的には、前記計画期間の先頭から前記再計画期間の経過前までの一部の時間範囲についてのみ、前記運転計画に従って前記対象装置の動作を制御する計画実行部を、更に設けることにすればよい。
この場合、計画実行部が、計画期間の先頭から再計画期間の経過間までの間の一部の時間範囲についてのみ、対象装置の動作を制御するので、計画期間の先頭部分に位置する最新の正確な運転計画により、対象装置の動作を制御することができる。
(3) 本実施形態のEMSにおいて、前記計画実行部は、前記対象装置に対する動作の制御を実行する間隔(以下、「実行間隔」ともいう。)を、前記再計画期間よりも短く設定することが好ましい。
このようにすれば、例えば、上記実行間隔を再計画期間と一致させる場合に比べて、正確な運転計画に基づく対象装置の動作の制御をより頻繁に実行することができ、対象装置を精度よく制御できるようになる。
(4) 本実施形態のEMSにおいて、前記予測値は、前記計画期間以上の予測期間に渡って予測された前記エネルギーの需要量又は発生量の予測値であることが好ましい。
この場合、計画演算部が、計画期間以上の予測期間に渡って予測された予測値に基づいて、計画期間における運転計画を演算することになるので、その運転計画を正確に求めることができる。
(5) 本実施形態のEMSにおいて、前記計画演算部は、前記再計画期間内に前記運転計画の演算を完了できない場合は、過去に演算した前記運転計画(例えば、前回の運転計画)を今回の前記運転計画として採用することが好ましい。
このようにすれば、既に演算した過去の運転計画を今回の運転計画として代用することができ、運転計画の演算を所定時間内に完了できない場合でも、計画が存在しない事態を回避し、システムが停止する異常状態を防いで適切に運用を継続することができる。
(6) 本実施形態のEMSにおいて、前記複数または単数のエネルギー機器で構成される系が、電力系統に接続されており、前記エネルギー消費装置及び前記エネルギー蓄積装置を含むが前記エネルギー発生装置を含まない場合には、前記予測値として、前記エネルギーの需要量の予測値を採用し、前記対象装置として、前記エネルギー蓄積装置を採用すればよい。
この場合、取得部は、エネルギーの需要量の予測値を取得し、計画演算部は、取得された予測値に基づいて、エネルギー蓄積装置についての所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返すことになる。
(7) また、本実施形態のEMSにおいて、前記複数または単数のエネルギー機器で構成される系が、前記エネルギー発生装置、前記エネルギー消費装置及び前記エネルギー蓄積装置を含む場合には、前記予測値として、前記エネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を採用し、前記対象装置として、前記エネルギー発生装置及び前記エネルギー蓄積装置の少なくとも1つを採用すればよい。
この場合、取得部は、エネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つを取得し、計画演算部は、取得された予測値に基づいて、エネルギー発生装置及びエネルギー蓄積装置の少なくとも1つについての所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返すことになる。
(8) また、上記の場合において、前記エネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を採用し、前記対象装置として、前記エネルギー消費装置及び前記エネルギー蓄積装置の少なくとも1つを採用してもよい。
この場合、取得部は、エネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つを取得し、計画演算部は、取得された予測値に基づいて、エネルギー消費装置及びエネルギー蓄積装置の少なくとも1つについての所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返すことになる。
(9) 本実施形態のEMSにおいて、前記エネルギー蓄積装置としてレドックスフロー電池が含まれることが好ましい。
その理由は、レドックスフロー電池は、電池温度や充電残量に依存した、充電容量の低下がほぼない特徴があるため、充電による劣化を考慮した制約条件を設定する必要がなく、その分だけ計画演算部による演算時間を短縮させることができるからである。
(10) 本実施形態のEMSにおいて、前記エネルギー発生装置として自然エネルギーによる発電装置(例えば、太陽光発電装置)が含まれ、その発電量に関する前記予測値として予測期間が異なる複数種類のものが含まれる場合において、一般的に遠い未来の予測ほど精度は低下するため、中期や長期の予測の信頼性が低い場合には、中期や長期の予測を用いることなく、前記計画期間は、前記予測期間よりも短く設定されることが好ましい。
このようにすれば、計画期間の開始時点から終了時点のすべての時間帯において、信頼度の高い予測値のみを使用することになり、運転計画の信頼性を高く維持することができる。
(11) 本実施形態のEMSにおいて、前記計画期間は、前記予測値の予測期間の範囲内に収まるように、可変に設定されることが好ましい。
このようにすれば、計画期間が予測期間から外れることがなくなり、再計画の計算可能性が保証される。
(12) 本実施形態のEMSにおいて、前記計画演算部は、今回の前記運転計画の演算終了を前記再計画期間の経過と見なして次の前記運転計画の演算に移行することが好ましい。
このようにすれば、再計画期間が固定の時間長である場合に比べて、予測の外れや外乱に伴う計画と現実のかい離を考慮した計画を演算し直すことができ、より高い信頼性の運転計画を実行することが可能になる。
(13) 本実施形態のエネルギー管理方法は、上述の(1)〜(12)のいずれかに記載のEMSが行う管理方法であり、当該EMSと同様の作用効果を奏する。
(14) 本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述の(1)〜(12)のEMSとして機能させるためのプログラムであり、当該EMSと同様の作用効果を奏する。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。
〔マイクログリッドシステムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るマイクログリッドシステムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、マイクログリッドシステム(Micro-Grid System:以下、「MGS」ともいう。)は、複数のエネルギー機器4〜6の総体であるエネルギー系1と、このエネルギー系1に含まれるエネルギー機器4〜6の運転状態を管理するエネルギー管理システム(EMS)2とから構成されている。
エネルギー系1(以下、単に「系」ともいう。)には、直流配電線3にそれぞれ接続された発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6が含まれる。
発電装置4には、例えば、太陽光や風力などの自然エネルギーを電気エネルギーに変換する自然エネルギー発電装置4Aや、ガスやディーゼル油などの燃焼エネルギーを電気エネルギーに変換する非常用発電装置4Bなどが含まれる。
これらの発電装置4A,4Bは、それぞれDC/DCコンバータ7を介して直流配電線3に接続されている。
負荷装置5には、例えば、照明、エアコンなどの消費電力の調整が可能な負荷装置5Aと、工場の生産機械などの電力調整が不可能あるいは可能であっても実際上調整が許されない負荷装置5Bとが含まれる。
これらの負荷装置5A,5Bは、DC/ACコンバータ8を介して直流配電線3に接続された電力線に、それぞれスマートタップ(図示せず)を介して接続されている。
蓄電装置6は、例えば、レドックスフロー(RF)電池よりなる。この蓄電装置6は、DC/DCコンバータ9を介して直流配電線3に接続されている。
なお、本実施形態の系1は、商用電源11に接続されない自立型であってもよいし、図1に示すように、直流配電線3がAC/DCコンバータ10を介して商用電源11に系統連系されていてもよい。または、発電装置4を備えておらず、商用電源11からのみエネルギー供給を受ける系1であってもよい。
EMS2は、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置15と、RAM(Random Access Memory)よりなるメモリやHDD(Hard Disk Drive)を有する記憶装置16とを含む、コンピュータ装置により構成されている。
EMS2を構成するコンピュータ装置には、マウスやキーボードなどを含む入力装置17と、有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、或いはその他の通信手段によって系1の各種の機器と通信可能な通信装置18とが接続されている。
EMS2の処理装置15は、記憶装置16に格納したコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、通信装置18に対する通信制御や、後述のエネルギー管理などの各種の処理を実行することができる。
通信装置18は、処理装置15が出力した制御指令E1〜E3を系1に含まれる通信可能な複数の機器に送信可能であるとともに、その複数の機器から系1の運転状況を示す現在情報S1を受信することができる。
例えば、発電装置4のDC/DCコンバータ7は、通信装置18からの制御指令E1によって接続または接続解除が可能である。発電量を調整できる発電装置4の場合には、制御指令E1によってその調整も行われる。
また、負荷装置5が接続されたスマートタップは、通信装置18からの制御指令E2に応じて接続または接続解除が可能である。消費電力を調整できる負荷装置5Aの場合には、制御指令E2によってその調整も行われる。
更に、蓄電装置6のDC/DCコンバータ9も、通信装置18からの制御指令E3に応じて接続または接続解除が可能である。DC/DCコンバータ9には、PWM回路が含まれており、制御指令E3によってPWM回路のデューティー比を可変に設定することにより、接続中の蓄電装置6の充電電力又は放電電力を調整することができる。
また、通信装置18は、コンバータ7〜10やスマートタップの接続状況や装置の状態、系1に含まれるエネルギー機器4〜6の電力値などの現在情報S1を収集可能である。
〔処理装置の構成〕
図1に示すように、EMS2の処理装置15は、系1のエネルギー管理装置として機能し、その機能部分として、発電予測部20、需要予測部21、計画演算部22、計画実行部23及びデータ作成部24を備えている。
発電予測部20は、例えば、気象情報の提供サービスを業とする提供主体(以下、「気象情報提供者」という。)のデータベースなどから取得した所定の気象情報K1〜K4に基づいて、所定の予測期間だけ先までの自然エネルギー発電装置4Aの発電量の予測値を算出する。
例えば、特定の気象情報提供者は、1日に4回、それぞれ次の各時刻に、次の予測期間だけ先の気象情報K1〜K4を配信する。
6:00→27時間先までの気象情報K1
9:00→27時間先までの気象情報K2
12:00→27時間先までの気象情報K3
15:00→45時間先までの気象情報K4
そこで、発電予測部20は、6:00の気象情報K1に含まれる日射量や風速などに基づいて、6:00から27時間先までの自然エネルギー発電装置4Aの発電量の予測値を単位時間(例えば、15分)ごとに算出し、その予測値を計画演算部22に出力する。
また、発電予測部20は、9:00の気象情報K2に含まれる日射量や風速などに基づいて、9:00から27時間先までの自然エネルギー発電装置4Aの発電量の予測値を単位時間ごとに算出し、その予測値を計画演算部22に出力する。
また、発電予測部20は、12:00の気象情報K3に含まれる日射量や風速などに基づいて、12:00から27時間先までの自然エネルギー発電装置4Aの発電量の予測値を単位時間ごとに算出し、その予測値を計画演算部22に出力する。
更に、発電予測部20は、15:00の気象情報K4に含まれる日射量や風速などに基づいて、15:00から45時間先までの自然エネルギー発電装置4Aの発電量の予測値を単位時間ごとに算出し、その予測値を計画演算部22に出力する。
需要予測部21は、負荷装置5の稼働実績や気象情報K1〜K4などに基づいて、系1に含まれる負荷装置5における電力需要の予測値を算出する。
例えば、記憶装置16には、負荷装置5の種別ごとの稼働実績が、月別、曜日別、時間別及び天候別などのエントリで記録されている。需要予測部21は、現時点以後の予測期間と同じエントリから抽出した稼働実績に基づいて、現時点から先の予測期間における電力需要の予測値を単位時間(例えば、15分)ごとに算出し、その予測値を計画演算部22に出力する。
計画演算部22は、各予測部20,21から取得した予測値や、系1に含まれる各装置のステータスを表す現在情報S1などから、発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6のうちの少なくとも1つの対象装置についての、所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返して行い、演算した運転計画を計画実行部23とデータ作成部24に出力する。なお、かかる運転計画の演算方法を含む、計画演算部22の処理内容については後述する。
計画実行部23は、所定の対象装置に関する運転計画が計画演算部22から入力されると、その運転計画に基づいて単位時間ごとに制御指令E1〜E3を生成し、生成した制御指令E1〜E3を、通信装置18を介して系1の対象機器に送信する。
具体的には、計画実行部23は、発電装置4の接続または接続解除や発電量の調整のための制御指令E1を取得した場合には、その制御指令E1を、発電装置用のDC/DCコンバータ7や、発電量の調整対象である発電装置4A,4Bに送信する。
また、計画実行部23は、負荷装置5の接続または接続解除や消費電力の調整のための制御指令E2を取得した場合には、その制御指令E2を、系1内のスマートタップや、消費電力の調整対象である負荷装置5Aに送信する。
更に、計画実行部23は、蓄電装置6の接続または接続解除や充放電電力の調整のための制御指令E3を取得した場合には、その制御指令E3を、蓄電装置6用のDC/DCコンバータ9に送信する。
データ作成部24は、計画演算部22から運転計画が入力されると、入力された運転計画を、インターネットなどの公衆通信網を介してサーバー装置25に送信する。
サーバー装置25は、公衆通信網を介して他のコンピュータ端末26とも通信可能である。従って、エネルギー管理システム2のユーザーは、他のコンピュータ端末26からサーバー装置25にアクセスすることにより、計画演算部22が生成した運転計画の内容を閲覧することができる。
〔計画演算部の処理内容〕
図2は、計画演算部22が扱う入力データと出力データを示す概念図である。また、図3は、計画演算部22の処理内容を示すフローチャートである。
図2に示すように、計画演算部22の入力データには、「制約条件」、「目的関数」、「予測値」及び「現在情報」が含まれる。
「制約条件」は、遵守する必要がある「ハード制約」と、遵守しようとされるが、ハード制約に準拠する解決策を見つけるために、必要であれば破ることができる「ソフト制約」とが含まれる。
「ハード制約」の具体例としては、例えば、コンバータ7〜10などの各機器における電力損失などの他、蓄電装置6の充放電容量や、蓄電装置6の充電容量の最大値及び最小値や、負荷装置5ごとに定められた消費電力などの物理的な制約が含まれる。また、系統連系の場合の電気料金の単価などのような条件的な制約も含まれる。
更に、ハード制約には、動作を所定の目的とするために、任意に設定するハード制約もある。
その具体例としては、例えば、平日の夜間や土日の祝日などの非活動の時間帯には、負荷装置5をすべてオフにしておくという条件や、指定された負荷装置5を所定の時間帯にオンにするという条件や、指定された発電装置4を所定の時間帯にオンにするという条件、もしくは、蓄電残量を5%以下又は95%以上としないという条件などが含まれる。
「ソフト制約」の具体的としては、例えば、対象装置が蓄電装置6である場合に、蓄電残量が可能である限り50%の±10%の範囲内となるように維持するという条件や、対象装置が電力調整可能な負荷装置5Aである場合に、単位時間当たりの消費電力ができる限り所定の範囲内となるように維持するという条件などが含まれる。
また、ソフト制約としては、電力の需要が商用電源11の契約電力よりも低くなる度に、余剰電力をできる限り蓄電装置6の蓄電に回すという条件も採用し得る。
「目的関数」は、最小化または最大化したい対象を記述したものである。本実施形態では、所定の目的をソフト制約として記述しているため、ソフト制約を最大に満足する条件を求める関数である。
「制約条件」と「目的関数」は、入力装置17を通じてユーザーが処理装置15に入力する。
「予測値」には、発電予測部20が算出した自然エネルギー発電装置4Aの発電量の予測値と、需要予測部21が算出した負荷装置5における電力需要の予測値が含まれる。これらの、予測値は、それぞれ発電予測部20と需要予測部21から入力される。
なお、発電量の予測値と電力需要の予測値は、必ずしも双方が必要である訳ではなく、いずれか一方の予測値しか取得できない場合には、取得できた一方の予測値だけを採用することにしてもよい。
「現在情報」は、系1を構成する各装置のステータス(現状)を表す情報である。現在情報の具体例としては、発電装置4や負荷装置5の接続状況や、蓄電装置6の蓄電残量などが含まれる。
また、現在情報には、発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6の装置の状態も含まれる。例えば、状態が故障である装置は運転計画を演算する必要がないので、これを運転計画の対象から外すなど、系1に与える影響を鑑みて計画に反映させるためである。
図3に示すように、計画演算部22は、需要・発電量の予測値の取得(ステップST1)→現在情報の取得(ステップST2)→制約条件の設定(ステップST3)→目的関数の設定(ステップST4)→計画演算(ステップST5)→計画出力(ステップST6)の処理を、所定の演算周期(後述の「再計画周期」:例えば15分)で繰り返し行う。
なお、図3において、ステップST1〜ST4までの処理は、入力データの取得と設定の処理であるから、順序が任意に入れ替わってもよい。
計画演算部22は、所定の演算周期ごとに「運転計画」を算出すると、算出した運転計画を計画実行部23に出力する。
計画演算部22が行うステップST5の計画演算は、例えば、「線形計画法」に代表される数理計画法を応用することができる。
すなわち、計画演算部22は、発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6のうちの少なくとも1つの対象装置について、所定の計画期間Tpにおける運転計画を演算する。
具体的には、計画演算部22は、現在から未来の所定時間長の計画期間Tpを、所定の時間間隔ΔTごとの時刻ステップti(i=1〜N:N=Tp/ΔT)に区切り、系1に含まれる装置ごとの状態変数(当該装置のオンオフや接続、接続解除、電力量などを表す変数)を、N次元の時間ステップti(時間変数)の関係式に展開する。
計画演算部22は、目的関数が最小(または最大)となる各時間ステップtiの変数値を求めることにより、発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6のうちの少なくとも1つについての、時間ステップtiごとの「運転計画」を演算する。すなわち、運転計画は、所定の計画期間Tpに含まれる時間ステップtiごとの、対象装置の運転状態を表す。
なお、本実施形態では、計画演算部22の計算手法として線形計画法を用いているが、その解法はこれに限定されない。
例えば、その他の解法として、PSO(Particle Swarm Optimization)、SA(Simulated Annealing)、GA(Genetic Algorithm)、GP(Genetic Programming)、ES(Evolution Strategy)、SE(Simulated Evolution)、AIS (Artificial Immune System) 、Dynamic Tunneling Algorithm、Ant Colony Optimization、NN(Neural network)、Tabu Search、tree search、ニュートン法、局所探索法、欲張り法、勾配法又は山登り法等の他の手法を用いてもよい。
〔計画期間、再計画期間及び実行間隔のタイミング例〕
図4は、計画期間Tp、再計画期間Tr及び実行間隔Teのタイミング例を示すタイムチャートである。
図4において、横軸の「t」は時間である。「Pj」(j=1,2,…)で示す時間帯は、最適化演算の後に出力される運転計画を示し、「Tr」は、各運転計画Pjを改めて演算する周期、すなわち、再計画期間を示している。
また、図4において、「Te」は、計画実行部23が、計画演算部22から取得した運転計画Pjに従って対象装置に対する動作の制御を実行する間隔、すなわち、図1に示す制御指令E1〜E3を系1の各装置に送信する間隔を示しており、「ei」(i=1,2,…)は、計画実行部23による制御の実行時点を示している。
更に、「Tf」は、発電予測部20や需要予測部21が出力する予測値の予測期間、すなわち、発電予測部20や需要予測部21が発電量や需要の予測値を出力する場合に、その予測値が含まれる現時点以後の時間長を示している。
図4に示す通り、計画期間Tpは、予測期間Tf以下に設定されている。例えば、本実施形態では、最長で、予測期間Tf=45時間に設定され、計画期間Tp=45時間に設定されている。
その理由は、仮に、計画期間Tpを予測期間Tfよりも長く設定すると、発電量や電力需要が予測されていない期間まで計画期間Tpが延びることになり、予測期間Tfから外れた期間分の運転計画Pjが信頼できなくなるからである。
なお、本実施形態の計画期間Tpは、ある1日の0時を基準時刻とした場合、最長で15時〜60時までの45時間であり、最短で14時45分〜36時までの21時間15分であり、毎時計画期間Tpが変化する。
その原因は、前述の通り、気象情報提供者からの予測気象データ(気象情報K1〜K4)の配信が4回/日であり、45時間先までの場合(気象情報K4)と27間先までの場合(気象情報K1〜K3)があることによる。
また、再計画期間Trは、各運転計画Pjの計画期間Tpよりも短くなるように設定されている。例えば、本実施形態では、再計画期間Tf=15分に設定されている。従って、計画演算部22は、計画期間Tp(=45時間)よりも非常に短い再計画期間Tr(=15分)が経過するごとに、各運転計画Pjを改めて演算する。
すなわち、着目する運転計画を「P2」とし、その運転計画P2とその1つ前の運転計画P1を例に取ると、計画演算部22は、前回の運転計画P1の開始時刻から所定の再計画期間Tr(<Tp)が経過するまでに、今回の運転計画P2の計画演算を開始してこの演算を終了させ、計算が終了した時点で、演算が終了した今回の運転計画P2を出力する。なお、運転計画P2の出力については、Tr経過時点であっても構わない。
更に、実行間隔Teは、再計画期間Tpと同じもしくは、再計画期間Tpよりも短くなるように設定されている。例えば、図4では、実行間隔Te=7.5分に設定されている場合を例示している。計画実行部23は、運転計画Pjを計画演算部22から取得すると、取得した運転計画Pjに従って制御指令E1〜E3を即座に送信する。
その後、所定の実行間隔Teが経過した時点で、その時点で保持している最新の運転計画Pjに従って制御指令E1〜E3を再度送信する。
すなわち、着目する運転計画を「P2」とし、その運転計画P2とその1つ後の運転計画P3を例に取ると、計画実行部23は、運転計画P2の取得時点である実行時点e3に当該運転計画P2を実行した後、運転計画P2が最新の期間中(再計画期間Trの経過前)は、実行間隔Teごとに運転計画P2を実行する。従って、計画実行部23は、次の実行時点e4にも運転計画P2を実行する。
また、計画実行部23は、次の運転計画P3に更新されると、運転計画P3の取得時点である実行時点e5に当該運転計画P3を実行した後、運転計画P3が最新の期間中(再計画期間Trの経過前)は、実行間隔Teごとに運転計画P3を実行する。従って、計画実行部23は、次の実行時点e6にも運転計画P2を実行する。
このように、計画実行部23は、各々の運転計画Pjを実行する場合に、その計画期間Tpの先頭から再計画期間Trの経過前までの一部の時間範囲に含まれるデータ部分のみを使用して、系1に含まれる対象装置の動作を制御する。
すなわち、計画実行部23は、各々の運転計画Pjを実行する場合に、再計画期間Trが経過した後の残りの時間範囲のデータ部分を使用せず、この残りのデータ部分に従って対象装置の動作を制御することはない。
ところで、上記の通り、再計画期間Trを非常に短時間に設定すると、計画演算を行う時間が不足し、計画演算が解を出力できない可能性もある。また、予測値などの入力データの不足などが原因で計画演算を行えない可能性もある。
そこで、再計画期間Trが経過する時点において、計算時間の不足などによって計画演算が解の出力に失敗した場合や、予測値などの入力データの不足などが原因で計画演算を行えない場合には、計画演算部22は、既に演算した過去の運転計画Pj(例えば、直近である前回の運転計画)を計画実行部23に出力すればよい。
なお、図4の例では、再計画期間Trが固定周期の期間となっているが、再計画期間Trは必ずしも一定である必要はなく、規則的に或いはランダムに変動する期間でもよい。
同様に、計画期間Tpも一定である必要はなく、規則的にあるいはランダムに変動する期間であってもよい。
〔本実施形態の効果〕
ここで、従来のEMSでは、1つの運転計画Pjの計画期間Tpが終了するまで当該運転計画Pjの実行を継続し、今回の計画期間Tpが終了するまでに次の運転計画Pj+1を演算し、今回の計画期間Tpが完全に終了してから次の運転計画Pj+1を実行する。
しかし、入力データの1つである予測値はあくまでも不確定である以上、計画期間Tpの全範囲に渡って運転計画Pjが正確とは限らず、予想値と異なる外乱(例えば、予想外の気象変動など)が発生すると、それ以後の運転計画Pjは信頼できなくなる。
従来のEMSにおいて、演算した運転計画Pjを計画期間Tpの全範囲で実行していた理由の1つとしては、1つの運転計画Pjを演算するのに必要な処理負荷が、非常に大きいことが考えられる。
例えば、図5(a)は、本実施形態における計画演算に必要な変数の数の例を示す表であり、図5(b)は、計画演算に必要な制約式の数の例を示す表である。これらの表では、計画期間Tp=45時間とし、これを15分間隔で180の時間ステップとしている。
図5に示すように、計画期間Tpとこれを刻む時間間隔ΔTを上記に設定した場合、計画演算に必要な変数の数は7745個となり、制約式の数は8100個となる。また、より詳細な運転計画Pjを演算するために、時間間隔ΔTをもっと小さくすると、これに応じて変数及び制約式の数は更に膨大となる。
このように、従来では、1つの運転計画Pjの演算に膨大な処理負荷がかかるとの固定概念があったために、折角求めた運転計画Pjを最後まで実行すべきと考えられていたものと推定される。
しかし、昨今のコンピュータ装置は処理能力が格段に向上したことと、数理計画法のアルゴリズムの進歩などにより、時間間隔ΔTの適切な調整と、定式化に工夫を凝らせば、1つの運転計画Pjを演算するのに従来ほど処理時間がかかることはない。
従って、必ずしも、1つの運転計画Pjを計画期間Tpの全範囲に渡って実行する必要はなく、再計画をできるだけ頻繁に行うことにより、入力データである予測値の不確定さを再計画の頻度で吸収することが好ましい。
本実施形態のEMS2は、上記の知見に基づいて、比較的短い再計画期間Trで運転計画Pjを改めて演算することを本旨とする。すなわち、本実施形態のEMS2によれば、計画演算部22が、計画期間Tpよりも短い再計画期間Trが経過するごとに、最新の予測値と系の状態を入力して運転計画Pjを改めて演算するので、実際とずれが少ない予測値に基づく正確な運転計画Pjに更新される。そして、計画実行部23が、更新後の正確な運転計画Pjに従って対象装置の動作を制御するので、対象装置を従来よりも所定の目的が最適となるように制御することができる。
換言すると、本実施形態のEMS2では、計画実行部23が、計画期間Tpの先頭から再計画期間Trの経過前までの間の一部の時間範囲についてのみ、対象装置の動作を制御するので、計画期間Pjの先頭部分に位置する最新の正確な運転計画Pjにより、対象装置の動作を制御することができる。
なお、本実施形態のEMS2において、計画実行部23が対象装置に対する動作の制御を実行する間隔(実行間隔)Teを、再計画期間Trよりも短く設定することにしてもよい(例えば、Te=7.5分)。
このように設定すれば、実行間隔Teを再計画期間Trと一致させる場合に比べて、正確な運転計画Trに基づく対象装置の動作の制御がより頻繁に実行される。このため、対象装置を精度よく制御することができる。
更に、本実施形態のEMS2では、過去の統計データから求めた統計値ではなく、計画期間Tp以上の予測期間Tfに渡って予測された電力の需要量又は発生量の予測値を、計画演算の入力データとして採用しているので、過去の統計データのみから求めた統計値や、計画期間Tp未満の予測期間で予測された予測値を用いる場合に比べて、運転計画Pjを正確に求めることができる。
〔系の設備構成のバリエーション〕
上述の実施形態(図1)では、系1に発電装置4が含まれているが、発電装置4が含まれておらず、商用電源11のみから電力供給される系1でもよい。
すなわち、本実施形態のEMS2は、電力系統(商用電源11)に繋がっており、負荷装置5及び蓄電装置6が含まれるが発電装置4が含まれない、例えば「工場」などに採用される系1に適用することができる。
この場合、EMS2の計画演算部22は、負荷装置5の電力の需要量の予測値を入力データとして取得し、取得した予測値を用いて、蓄電装置6についての所定の計画期間Tpにおける運転計画Pjの演算を繰り返すようにすればよい。
より具体的には、計画演算部22は、需要量の予測値に応じて、受電電力のピークを抑え、電力会社との契約電力料金を引き下げることを目的とし、需要電力のピーク以外の時間帯に充電し、需要電力のピークの時間帯に放電するように蓄電装置6を制御する運転計画Pjを採用することができる。
また、例えば、電力の需要が商用電源11の契約電力よりも低くなる度に、その余剰電力を蓄電装置6に回すことにより、頻繁に蓄電を行う運転計画Pjを採用することにしてもよい。
このようにすれば、例えば、電力料金が安価であるという理由で、夜間の電力のみを蓄電に回す単純な制御の場合に比べて、蓄電を頻繁に行えるようになるので、電力会社との契約電力料金の引き下げを考慮する場合に、蓄電容量がより少ない蓄電装置6を採用して高価な蓄電設備コストを低減できる可能性がある。
上述の実施形態(図1)のように、発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6を含む、例えば「工場」などに採用される系1の場合には、EMS2の計画演算部22は、発電装置4の発電電力の予測値と、負荷装置5の需要量の予測値のうちの少なくとも1つを入力データとして取得し、取得した予測値を用いて、発電装置4及び蓄電装置6の少なくとも1つについての所定の計画期間Tpにおける運転計画Pjの演算を繰り返すようにすればよい。
この場合、例えば、受電電力のピークを抑え、電力会社との契約電力料金を引き下げることを目的とし、需要電力のピーク以外の時間帯に充電し、需要電力のピークの時間帯に放電するように蓄電装置6を制御する運転計画Pjを採用することができる。
また、例えば、発電量及び需要量のうちの少なくとも1つの予測値に応じて、ガス発電装置などの自然エネルギー以外の発電装置4Bでの発電量が所定の範囲内となるように、当該発電装置4Bを制御する運転計画Pjを採用することにしてもよい。
また、上述の実施形態(図1)のように、発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6を含む、例えば「オフィスビル」や「家庭」などに採用されるデバイス系1の場合には、EMS2の計画演算部22は、発電装置4の発電電力の予測値と、負荷装置5の需要量の予測値のうちの少なくとも1つを入力データとして取得し、取得した予測値を用いて、負荷装置5及び蓄電装置6の少なくとも1つについての所定の計画期間Tpにおける運転計画Pjの演算を繰り返すようにしてもよい。
この場合も、例えば、発電量及び需要量のうちの少なくとも1つの予測値に応じて、受電電力のピークを抑え、電力会社との契約電力料金を引き下げることを目的とし、需要電力のピーク以外の時間帯に充電し、需要電力のピークの時間帯に放電するように蓄電装置6を制御する運転計画Pjを採用することができる。
また、例えば、発電量及び需要量のうちの少なくとも1つの予測値に応じて、オンオフ制御や電力調整が可能な負荷装置5Aの消費電力が所定の範囲内となるように、当該負荷装置5Aを制御する運転計画Pjを採用することにしてもよい。
〔運転計画の数式例〕
以下に、計画演算部22が演算する運転計画の数式例を示す。
ここでは、系1が発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6を含み、系1の発電量及び需要量の予測値に応じて、蓄電容量を所定範囲に収めることを目的としている。
計画演算部22は、例えば、下記の1)〜18)の制約条件(図3のステップST3の制約条件)の下において、下記の式a)で定義される評価値(図3のステップST4の目的関数)が最小となる、パラメータk,tごとの発電電力と負荷電力を演算することにより、蓄電容量を所定範囲に収めるための運転計画を演算する。
Minimize:a)
a) Σt Σk Evaluate(k,t)
Subject to:1)-18)
1) Gtotal(t) =Σi ( Gest(i,t)*GSW(i,t) )
2) Ltotal(t) = Σj( Lest(j,t)*LSW(j,t) ) + (Lloss_inv+ Lloss_trance)* LSW_INV(t)
3) if Σj LSW(j,t)≠0 then LSW_INV(t) =1
4) if Σi GSW(i,t)≠0 or LSW(j,t)≠0 then BSW(t) =1
5) if Gtotal(t) - Ltotal(t) > 0 then Bio(t) = Bloss_in(t) * ( Gtotal(t) - Ltotal(t) )
6) if Gtotal(t) - Ltotal(t) < 0 then Bio(t) = Bloss_out(t) * ( Gtotal(t) - Ltotal(t) )
7) Bsoc(t+1) = Bsoc(t) + Bio(t)
8) Bsoc(0) = Bsoc_initial
9) if 土日祝日or夜間 then LSW_INV(t) = 0
10) if 負荷必須使用時間帯 then LSW_INV(t) = 1, LSW(j,t) = 1 (j =任意)
11) Evaluate(k,t) =Σn penalty(i,t) * GSW(i,t)
12) Evaluate(k,t) =Σm penalty(j,t) * LSW(j,t)
13) if xL < Bsoc(t) < xH then Evaluate(k,t) = penalty(xL,xH,t)
14) 0 < Gtotal(t) < Gmax
15) 0 < Ltotal(t) < Lmax
16) Bout_max (Bsoc(t),t) < Bio(t) < Bin_max(Bsoc(t),t)
17) 0 < Bsoc(t) < Bsoc_max
18) 0 < Evaluate(k,t)
上記の数式表現における各変数の意味を纏めると、次の通りである。
なお、各変数には、一度の計画演算中に変動しないものと変動し得るものが含まれるので、これらの場合に分けて各変数の意味を記述する。
(一度の計画演算中に変動し得る変数)
Gtotal(t):発電電力合計値
Ltotal(t):消費電力合計値
Bsoc(t):蓄電残量
Bio(t) :充放電電力値
Evaluate(k,t):評価値
GSW(i,t):発電装置用コンバータスイッチ
LSW(j,t):負荷装置スイッチ
LSW_INV(t):インバータスイッチ
BSW(t):蓄電池用コンバータスイッチ
(一度の計画演算中に変動しない変数)
Gest(i,t):発電電力予測値
Lest(j,t):消費電力予測値
Lloss_inv:インバータ損失
Lloss_trance:トランス損失
Bloss_in(t):蓄電池充電損失
Bloss_out(t):蓄電池放電損失
Bsoc_initial:蓄電残量初期値
penalty( ):ペナルティ
また、各変数が取りうる値の範囲を纏めると、次の通りである。なお、添え字に「SW」を用いるスイッチに関する変数において、「0」はスイッチオフを意味し、「1」はスイッチオンを意味する。
Gtotal(t), Ltotal(t) , Bsoc(t), Bio(t) , Evaluate(k,t)∈ R R:実数
GSW(i,t), LSW(j,t), LSW_INV(t), BSW(t) ∈ {0,1}
i = { 1,...,n }, j = { 1,...,m }, k = { 1,..., l }
上述の1)〜18)の条件のうち、1)は発電電力の合計値の計算式である。
2)は、負荷電力の合計値の計算式であり、3)は、各種の負荷装置5が、動作時にインバータを動作させる場合の制約条件である。
4)は、蓄電池の動作の制約条件を示し、5)は、充電損失の計算式であり、6)は、放電損失の計算式であり、7)は、蓄電残量の計算式であり、8)は、蓄電残量の初期値の計算式である。
9)は、土日祝日夜間の場合の動作条件を規定する制約条件であり、10)は、負荷装置5の必須使用時間帯を規定する制約条件である。
11)は、発電装置4を動作させるためのソフト制約であり、12)は、負荷装置5を動作させるためのソフト制約であり、13)は、蓄電残量を指定範囲に制御するためのソフト制約である。14)〜18)は、各変数の変動範囲を示す不等式(定義域の制約条件)である。
〔運用結果の実例〕
図6は、従来のEMSを用いた場合の運用結果を示すグラフであり、図7は、本実施形態のEMS2を用いた場合の運用結果を示すグラフである。
これらのグラフにおいて、横軸は時間を示し、左側の縦軸は、発電装置の発電電力又は負荷装置の消費電力(以下、「消費電力」という。)を示している。また、右側の縦軸は、蓄電装置の蓄電残量を示している。
EMSの管理対象のエネルギー系は、電力系統から独立した自立型であり、太陽光発電装置や風力発電などの自然エネルギー発電装置と、RF電池よりなる蓄電装置と、各種の家電機器及びコンピュータ機器や充電ステーションなどの負荷装置とを含む。また、EMSは、例えば上述の数式表現を用いた運転計画の演算を行うものとする。
図6及び図7において、ハッチングで示す帯領域は蓄電残量の目標範囲であり、各時間帯で蓄電容量が図示の範囲に収まることを目的としている。
また、図6及び図7のいずれの場合も、8:30〜17:30までの営業時間帯のみで発電装置と負荷装置をオンまたはオフにし、それ以外の時間帯はそれらをオフにするなど、制御条件は同じである。
図6の運用結果は、従来のEMSにおいて、午前0時の入力データを元に運転計画を1回演算し、演算した運用結果を、その日の19:00以後まで実行した場合の運用結果である。
このように、運転計画を1度しか行わないと、例えば気象予測が外れたことなどが原因で、発電量の実績値が計画値から外れることがあり、この場合、蓄電残量が制御目標から大きく外れて初期の目的が達成できなくなる。
これに対して、本実施形態のEMS2では、前述の通り、15分の再計画期間ごとに運転計画を改めて演算するので、発電量の実績値が計画値から外れる時間帯が短くなり、発電量のずれの影響が小さい段階で計画を修正することになる。
このため、蓄電残量が制御目標の範囲内にほぼ収束するようになり、蓄電装置を所期の目的通りに制御することができる。
〔系にRF電池を含む場合の効果〕
本実施形態のEMS2は、上述の通り、できるだけ短い再計画期間Trで運転計画Pjを改めて演算して、ずれの影響が小さい段階で修正される運転計画Pjにて対象装置の動作を制御することを特徴とする。
このため、できるだけ制約条件が少ない方が、演算時間が短くなって再計画期間Trをできるだけ短く設定でき、予測値とのずれが少ない正確な運転計画Pjが得られる。
かかる観点から、本実施形態のEMS2により管理される系1に蓄電装置6が含まれる場合には、レドックスフロー電池(図1参照)を採用することが好ましい。
その理由は、RF電池は電池温度や充電残量および充放電量に依存した電池の劣化がほとんどないという特徴があるため、リチウム電池などの電池温度や充電残量および充放電量に依存して電池が劣化するその他の二次電池に比べて、電池の劣化が著しい条件を考慮した制約条件を設定する必要がなく、その分だけ計画演算部22による演算時間を短縮させることができるからである。
すなわち、例えばリチウム電池の場合には、電池の劣化が激しい電池温度や充電残量および充放電量の範囲と劣化が少ない電池温度や充電残量および充放電量の範囲がある。このため、できるだけ劣化が少ない条件で運転できるようにするなど、電池の劣化を考慮した制約条件を設定する必要がある。
これに対して、RF電池の場合には、劣化の心配がないことから、電池の劣化を考慮した上記のような制約条件を設定する必要がなく、その分だけ演算時間を短縮させることができる。
〔系に太陽光発電装置を含む場合の再計画期間〕
前述のとおり、太陽光発電装置4Aを含むエネルギー系1を管理する本実施形態のEMS2では、発電予測部20が、気象情報提供者から取得した気象情報K1〜K4に含まれる日射量などに基づいて発電量の予測値を算出し、計画演算部22は、その予測値を、所定の計画期間Tpにおける計画演算の入力データとして用いる。
そして、発電予測部20が取得可能な気象データとしては、上記気象データK1〜K4を含めて、予測期間が異なる次の3種類の気象データDa〜Dcに分類できる。
a) 短期気象データDa
2〜3時間程度先までの気象予測データである。短期気象データDaは、例えば、太陽電池の設置場所に設けたカメラで撮影した動画像から、上空の雲の動きを予測し、予測した雲の動きから2〜3時間先までの日射量をはじめとした気象を予測する。
b) 中期気象データDb
1〜2日程度先までの気象予測データである。この中期気象データDbは、現在の気象情報、天気予報などから推測する他、例えば気象情報提供サービスにより提供される、前述の気象情報K1〜K4がこれに該当する。
c) 長期気象データDc
1週間程度先までの気象予測データである。この長期気象データDcは、例えば週間天気予報を元に1週間ごとに取得することができる気象データである。
上記のように、予測期間が異なる3種類の気象データ(予測データ)Da〜Dcが得られる場合において、一般的に遠い未来の予測ほど精度が下がることを鑑み、中期、または長期の予測の信頼性が低いと判断される場合においては、信頼性がある程度以上である短期気象データDaの予測期間(=2〜3時間)よりも短時間となるように、計画期間Tpの時間長を設定することが好ましい。
その理由は、計画期間Tpが短期予測データDaの予測時間よりも長時間であると、信頼性の低い予測を考慮した運用計画を計算することになり、その運用計画の最適性が低下するからである。
なお、予測期間が異なる3種類の気象データDa〜Dcを例示したが、手法の異なる気象データは、少なくとも2種類以上であるならば、上記の例があてはまる。この場合、本実施形態のEMS2において、信頼性の高い予測期間以下となるように、計画期間Tpの時間を設定すればよい。
〔計画期間の可変設定〕
前述のとおり、予測時間Tfから外れた期間の運転計画Pjは計算できないため、運転計画Pjの計画期間Tpは予測期間Tfから外れないように設定する必要がある。
従って、再計画期間Tr(例えば、Tr=15分)が経過するごとに演算する運転計画Pjの計画期間Tpの時間長が一定であるとすると、予測期間Trの終了時点が一定時刻である場合は、計画期間Tpの終了時点が予測期間Tfの終了時点よりも遅れてしまい、再計画の計算ができなくなる。
例えば、前述の気象情報K1〜K4のうち、6:00に取得する気象情報K1を例に取ると、この気象情報K1は、27時間先(次の日の9:00)までの予測データを含んでいるので、予測期間Tf=27時間となる。
この場合、計画期間Tp=27時間(一定値)に設定した場合を想定すると、最初の運転計画P1については、終了時点が次の日の9:00となり、予測期間Tfの終了時点と一致するので、運転計画P1の計算は可能である。
しかし、2番目の運転計画P2では、1回分の再計画期間Tr(=15分)だけ後にずれて終了時点が次の日の9:15となり、3番目の運転計画P3では、2回分の再計画期間Tr×2(=30分)だけ後にずれて終了時点が次の日の9:30となる。
同様に、4番目以後の運転計画Pj(j=4,5…)についても、繰り返し行った過去の再計画期間Trの時間分だけ、計画期間Tpの終了時点が予測期間Tfの終了時点から遅れることになる。
なお、計画期間Tpの終了時点が予測期間Tfの終了時点から遅れる場合には、計画計算が不可能であるが、予測期間Tfの終了時点におけるデータを使い回すなどの対応をとれば、計画の信頼性は低下するが計画を計算することは可能である。
そこで、本実施形態のEMS2のように、再計画期間Trの経過するごとに運転計画Pjの演算を改めて行う場合には、計画期間Tpの終了時点を維持しつつその開始時点を過去の再計画期間Trに要した時間分だけ遅らせることにより、計画期間Tpを予測期間Tfの範囲内に収まるように可変に設定することが好ましい。
具体的には、例えば次の1)〜3)のようにして、計画期間Tpの「開始時点」と「終了時点」の時刻を設定すればよい。
1) 計画期間Tpの終了時点を、現時点で取得している予測期間Tfの終了時点と一致させるか、或いは、予測期間Tfの終了時点よりも少し早めに設定する。
2) 予測期間Tfの更新時点(気象情報K1の場合には、その日の6:00)に行う最初の運転計画P1の場合には、計画期間Tpの開始時点を、その予測期間Tfの開始時点と一致させるか、或いは、予測期間Tfの終了時点よりも少し遅めに設定する。
3) 予測期間Tfの更新時点よりも後に行う2番目以後の運転計画Pj(j=2,3…)の場合には、計画期間Tpの開始時点を、最初の計画運転P1の開始時点にこれまでに経過した再計画期間Trの時間長を加えた時刻に設定する。
このように、計画期間Tpの時間長を、取得可能な予測データの予測期間Tfの範囲内に収まるように可変に設定すれば、計画期間Tpが予測期間Tfから外れることがなくなり、再計画の計算可能性が保証される。
〔解の選択方法の変形例〕
図8は、計画演算部22による解の選択方法の変形例を示す表である。
図8において、「A」は最適解を示し、「B」は準最適解を示し、「C」は最適解A及び準最適解Bがいずれも得られなかった場合(解なし)を示している。また、各解の添え字jは、再計画ごとに得られる運転計画Pjの添え字と同じであり、「j」は今回の演算を表し、「j−1」は前回の演算を表す。
ここで、最適解Aとは、最適性が保証された解のことをいう。
また、準最適解Bとは、所定の打ち切り時間(例えば、12分とする。)が経過した時点において、最適解Aにまでは至っていないが、制約条件を全て満たす解のことをいう。
更に、解なしCは、所定の演算打ち切り時間において、最適解Aと準最適解Bのいずれもが得られなかった場合を意味する。
図8の1行目に示すように、前回の運転計画Pjの演算により最適解Aj−1が得られ、今回の運転計画Pjの演算では解なしCjであった場合には、計画演算部22は、前回の最適解Aj−1を採用すればよい。
同様に、図8の2行目に示すように、前回の運転計画Pjの演算により準最適解Bj−1が得られ、今回の運転計画Pjの演算では解なしCjであった場合には、計画演算部22は、前回の準最適解Bj−1を採用すればよい。
図8の3行目に示すように、前回の運転計画Pjの演算により最適解Aj−1が得られ、今回の運転計画Pjの演算により準最適解Bjが得られた場合には、計画演算部22は、今回の準最適解Bjと前回の最適解Aj−1のいずれを採用してもよい。
同様に、図8の4行目に示すように、前回の運転計画Pjの演算により準最適解Bj−1が得られ、今回の運転計画Pjの演算により準最適解Bjが得られた場合には、計画演算部22は、今回の準最適解Bjと前回の準最適解Bj−1のいずれを採用してもよい。
図8の5行目に示すように、前回の運転計画Pjの演算により最適解Aj−1が得られ、今回の運転計画Pjの演算により最適解Ajが得られた場合には、計画演算部22は、今回の最適解Ajを採用すればよい。
同様に、図8の6行目に示すように、前回の運転計画Pjの演算により準最適解Bj−1が得られ、今回の運転計画Pjの演算により最適解Ajが得られた場合には、計画演算部22は、今回の最適解Ajを採用すればよい。
〔再計画期間の可変判定〕
上述の実施形態では、再計画期間Trを固定の時間長(例えば15分)に設定しているが、今回の運転計画Pjの演算終了を再計画期間Trの経過と見なして次の計画演算に移行することにより、再計画期間Trを可変に設定してもよい。
このように設定すれば、再計画期間Trが固定の時間長である場合に比べて、次の運転計画Pj+1の演算を開始するタイミングが早くなり、予測のずれや外乱等の影響による計画との差異を早い段階で反映した新たな計画を演算することができる。
ここで、今回の運転計画Pjの演算が終了したか否かの判定に用いる条件としては、例えば下記の条件1〜3を採用することができる。
条件1:最適解Ajが見つかった場合
条件2:準最適解Bjが見つかり、かつ、所定の閾値以下の評価値(目的関数を最大化する場合は、所定の閾値以上の評価値)が見つかった場合
条件3:準最適解Bjが見つかった場合
この場合、計画演算部22は、条件1が成立した場合、条件2が成立した場合、或いは、条件3が成立した場合に、今回の運転計画Pjが終了したと判定することができる。
なお、本実施形態のEMS2において、計画演算部22は、演算した運転計画Pjと実績との乖離が所定の閾値を超えたことを契機として、次の運転計画Pj+1の演算を開始する方法を採用することにしてもよい。
〔その他の変形例〕
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の実施形態では、系1における電力の需要量や発生量を予測しているが、熱を利用するエネルギー機器(ヒーターなど)を含む場合には、熱量などの電力以外のエネルギーの需要量や発生量の予測値を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、蓄電装置6がRF電池であったが、電池の種類はこれに限らず、例えば加温によって動作する溶融塩電池やNAS電池などを採用することにしてもよい。
更に、上述の実施形態では、系1内の「電力」の需給を管理するEMS2を例示したが、本発明のエネルギー管理システムは、熱量などの電力以外のエネルギーの需給を管理対象とする場合にも適用することができる。
このように、管理対象をエネルギー全般に一般化すると、上述の実施形態における発電装置4、負荷装置5及び蓄電装置6は、それぞれ、「エネルギー発生装置」、「エネルギー消費装置」及び「エネルギー蓄積装置」と表現することもできる。
1:エネルギー系 2:エネルギー管理システム 3:直流配電線
4:発電装置(エネルギー機器)
4A:自然エネルギー発電装置 4B:非常用発電装置
5:負荷装置(エネルギー機器)
5A:負荷装置(調整可) 5B:負荷装置(調整不可)
6:蓄電装置(エネルギー機器)
7:DC/DCコンバータ 8:DC/ACコンバータ
9:DC/DCコンバータ 10:AC/DCコンバータ 11:商用電源
15:処理装置 16:記憶装置 17:入力装置 18:通信装置
20:発電予測部 21:需要予測部 22:計画演算部 23:計画実行部
24:データ作成部 25:サーバー装置 26:コンピュータ端末

Claims (14)

  1. 複数または単数のエネルギー機器を含む系におけるエネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を取得する取得部と、
    取得された前記予測値に基づいて、前記エネルギー機器の一種であるエネルギー発生装置、エネルギー消費装置及びエネルギー蓄積装置のうちの少なくとも1つの対象装置についての、所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返す計画演算部と、を備え、
    前記計画演算部は、前記計画期間よりも短い再計画期間が経過するごとに前記運転計画を改めて演算するエネルギー管理システム。
  2. 前記計画期間の先頭から前記再計画期間の経過前までの一部の時間範囲についてのみ、前記運転計画に従って前記対象装置の動作を制御する計画実行部を、更に備えている請求項1に記載のエネルギー管理システム。
  3. 前記計画実行部は、前記対象装置に対する動作の制御を実行する間隔を、前記再計画期間よりも短く設定する請求項2に記載のエネルギー管理システム。
  4. 前記予測値は、前記計画期間以上の予測期間に渡って予測された前記エネルギーの需要量又は発生量の予測値である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  5. 前記計画演算部は、前記再計画期間内に前記運転計画の演算を完了できない場合には、過去に演算した前記運転計画を今回の前記運転計画として採用する請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  6. 前記系が、電力系統に接続されており、前記エネルギー消費装置及び前記エネルギー蓄積装置を含むが前記エネルギー発生装置を含まない場合には、
    前記予測値は、前記エネルギーの需要量の予測値であり、前記対象装置は、前記エネルギー蓄積装置である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  7. 前記系が、前記エネルギー発生装置、前記エネルギー消費装置及び前記エネルギー蓄積装置を含む場合には、
    前記予測値は、前記エネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値であり、前記対象装置は、前記エネルギー発生装置及び前記エネルギー蓄積装置の少なくとも1つである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  8. 前記系が、前記エネルギー発生装置、前記エネルギー消費装置及び前記エネルギー蓄積装置を含む場合には、
    前記予測値は、前記エネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値であり、前記対象装置は、前記エネルギー消費装置及び前記エネルギー蓄積装置の少なくとも1つである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  9. 前記エネルギー蓄積装置としてレドックスフロー電池が含まれる請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  10. 前記エネルギー発生装置として自然エネルギーによる発電装置が含まれ、その発電量に関する前記予測値として予測期間が異なる複数種類のものが含まれる場合には、
    前記再計画期間は、最短の前記予測期間よりも短く設定される請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  11. 前記計画期間は、前記予測値の予測期間の範囲内に収まるように可変に設定される請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  12. 前記計画演算部は、今回の前記運転計画の演算終了を前記再計画期間の経過と見なして次の前記運転計画の演算に移行する請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のエネルギー管理システム。
  13. 複数または単数のエネルギー機器を含む系におけるエネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を取得する第1のステップと、
    取得された前記予測値に基づいて、前記エネルギー機器の一種であるエネルギー発生装置、エネルギー消費装置及びエネルギー蓄積装置のうちの少なくとも1つの対象装置についての、所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返す第2のステップと、を含み、
    前記第2のステップにおいて、前記計画期間よりも短い再計画期間が経過するごとに前記運転計画を改めて演算するエネルギー管理方法。
  14. コンピュータをエネルギー管理システムとして機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    複数または単数のエネルギー機器を含む系におけるエネルギーの需要量及び発生量の少なくとも1つの予測値を取得する第1のステップと、
    取得された前記予測値に基づいて、前記エネルギー機器の一種である発電装置、負荷装置及び蓄電装置のうちの少なくとも1つの対象装置についての、所定の計画期間における運転計画の演算を繰り返す第2のステップと、を含み、
    前記第2のステップにおいて、前記計画期間よりも短い再計画期間が経過するごとに前記運転計画を改めて演算するコンピュータプログラム。
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