JP2015035743A - 光回線終端装置及び光送信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】光伝送システムの信頼性を向上させることが可能になる、光回線終端装置及び光送信機を提供すること。
【解決手段】光回線終端装置20は、光送信機10から光伝送路30を介して送信された下り信号を受信して電気信号に変換する光回線終端装置20であって、光送信機10に対して送信すべき上り信号に含めるための送信情報を取得する送信情報取得部27aと、光送信機10に対して上り信号を送信するための送信タイミングの到来を判定する送信タイミング判定部27bと、送信タイミングが到来したと判定された際に、送信情報を含む上り信号を、光伝送路30を介して光送信機10に送信する送信制御部27cを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光回線終端装置及び光送信機に関する。
近年では、光通信技術の進展に伴い、光ケーブルを用いた光伝送システムが普及している。この光伝送システムによれば、数10km程度の無中継伝送が可能となるため、伝送システムを容易に広域化できる。この光伝送システムは、概略的には、送信者側に配置した光送信機と、受信者側に配置した光回線終端装置(ONU : Optical Network Unit)とを、光ケーブルにて構成された光伝送路を介して接続して構成されている。そして、送信者側においてTV信号や告知放送信号を混合し、この混合された電気信号を光送信機によって光信号に変換し、この光信号を光伝送路を介して光回線終端装置に送信する。この光回線終端装置では、光信号を電気信号(RF信号)に変換して、TV受像機や告知放送受信機に出力する(例えば特許文献1参照)。
特開2006−174211号公報
しかしながら、従来の光伝送システムにおいては、光送信機から光回線終端装置への下り信号の送信しか行うことができなかったので、例えば、光送信機から光回線終端装置を遠隔制御するための制御電文を送信した場合において、光伝送路にノイズ等が発生したことによりこの制御電文が光回線終端装置で正しく受信されなかった場合であっても、この状態を光送信機において検知することができず、異常の復旧が遅延する等、光伝送システムの信頼性の観点から改善の余地があった。あるいは、光伝送路や光回線終端装置に異常が発生した場合において、光回線終端装置における下り信号の受信レベルが定格レベルに達しなくなったような場合であっても、この状態を光送信機において検知することができず、異常の復旧が遅延する等、光伝送システムの信頼性の観点から改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光伝送システムの信頼性を向上させることが可能になる、光回線終端装置及び光送信機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の光回線終端装置は、光送信機から光伝送路を介して送信された下り信号を受信して電気信号に変換する光回線終端装置であって、前記光送信機に対して送信すべき上り信号に含めるための送信情報を取得する送信情報取得手段と、前記光送信機に対して前記上り信号を送信するための送信タイミングの到来を判定する送信タイミング判定手段と、前記送信タイミング判定手段によって前記送信タイミングが到来したと判定された際に、前記送信情報取得手段にて取得された送信情報を含む上り信号を、前記光伝送路を介して前記光送信機に送信する送信制御手段とを備える。
また、請求項2に記載の光回線終端装置は、請求項1に記載の光回線終端装置において、前記送信タイミング判定手段は、前記下り信号に、前記上り信号の送信を要求するための送信要求情報が含まれている場合に、前記送信タイミングが到来したと判定する。
また、請求項3に記載の光回線終端装置は、請求項1又は2に記載の光回線終端装置において、前記送信タイミング判定手段は、前記下り信号に、当該光回線終端装置における前記上り信号の送信機能の停止を要求するための停止要求情報が含まれている場合に、前記送信タイミングが到来したと判定する。
また、請求項4に記載の光回線終端装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の光回線終端装置において、前記送信タイミング判定手段は、当該光回線終端装置において前記上り信号の送信機能を停止している場合においても、前記下り信号に、前記上り信号の送信を要求するための送信要求情報が含まれている場合には、前記送信タイミングが到来したと判定する。
また、請求項5に記載の光回線終端装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の光回線終端装置において、前記送信タイミング判定手段は、当該光回線終端装置に所定の状態変化があった場合に、前記送信タイミングが到来したと判定する。
また、請求項6に記載の光回線終端装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載の光回線終端装置において、前記送信情報取得手段は、前記送信情報の少なくとも一部として、当該光回線終端装置における前記下り信号の受信状態に関する情報、又は、当該光回線終端装置における前記下り信号又は前記上り信号の制御状態に関する情報、の少なくとも一方を取得する。
また、請求項7に記載の光送信機は、光回線終端装置に対して光伝送路を介して下り信号を送信する光送信機であって、前記光回線終端装置から前記光伝送路を介して送信された上り信号に基づいて、所定制御を行う終端監視制御手段を備える。
また、請求項8に記載の光送信機は、請求項7に記載の光送信機において、前記光回線終端装置に対して前記上り信号の送信を要求するための送信要求タイミングの到来を判定する送信要求タイミング判定手段と、前記送信要求タイミング判定手段によって前記送信要求タイミングが到来したと判定された際に、前記上り信号の送信を要求するための送信要求情報を含む下り信号を、前記光伝送路を介して前記光回線終端装置に送信する送信制御手段とを備える。
また、請求項9に記載の光送信機は、請求項7又は8に記載の光送信機において、前記終端監視制御手段は、前記上り信号に基づいて、前記光回線終端装置の状態に関する情報を出力手段を介して出力する。
また、請求項10に記載の光送信機は、請求項7から9のいずれか一項に記載の光送信機において、前記終端監視制御手段は、前記光回線終端装置からの前記上り信号の送信状態、又は、前記光回線終端装置から送信された前記上り信号、の少なくとも一方に基づいて、前記光回線終端装置における異常の有無を判定し、当該判定結果に関する情報を出力手段を介して出力する。
請求項1に記載の光回線終端装置によれば、送信タイミングが到来したと判定された際に、送信情報を含む上り信号を光送信機に送信するので、例えば、光回線終端装置における下り信号の受信レベルを特定可能な送信情報を含む上り信号を送信することで、光伝送路や光回線終端装置や光伝送路における異常発生を光送信機側において容易かつ確実に検知することが可能になり、異常の復旧を迅速に行うことが可能になる等、光伝送システムの信頼性を向上させることが可能になる。
また、請求項2に記載の光回線終端装置によれば、下り信号に送信要求情報が含まれている場合に、送信タイミングが到来したと判定するので、送信要求情報が含まれている下り信号を光送信機から光回線終端装置に送信することにより、光回線終端装置から光送信機に上り信号が送信されることになり、光送信機側において上り信号の送信タイミングを制御することが可能になる。
また、請求項3に記載の光回線終端装置によれば、下り信号に停止要求情報が含まれている場合に、送信タイミングが到来したと判定するので、停止要求情報が含まれている下り信号を光送信機から光回線終端装置に送信することにより、光回線終端装置の上り信号送信機能を停止制御すると共に、その時点の送信情報を含む上り信号が光回線終端装置から光送信機に送信されることになり、停止制御を行った時点の送信情報を光送信機側において取得することが可能になる。
また、請求項4に記載の光回線終端装置によれば、光回線終端装置において上り信号の送信機能を停止している場合においても、下り信号に送信要求情報が含まれている場合には、送信タイミングが到来したと判定するので、光回線終端装置の上り信号送信機能を停止制御している場合においても、送信情報を含む上り信号が光回線終端装置から光送信機に送信されることになり、停止制御中の送信情報を光送信機側において取得することが可能になる。
また、請求項5に記載の光回線終端装置によれば、光回線終端装置に所定の状態変化があった場合に、送信タイミングが到来したと判定するので、例えば、光回線終端装置に異常がある場合には、下り信号の有無やその内容に関わらず、光回線終端装置が自律的に上り信号を送信するので、光伝送システムの信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、請求項6に記載の光回線終端装置によれば、送信情報の少なくとも一部として、下り信号の受信状態に関する情報、又は、下り信号又は上り信号の制御状態に関する情報、の少なくとも一方が取得されるので、これらの情報を光送信機側で取得することが可能になり、例えば、光回線終端装置に異常があるか否かを光送信機において判定することが可能になるので、光伝送システムの信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、請求項7に記載の光送信機によれば、光回線終端装置から送信された上り信号に基づいて所定制御を行うので、例えば、光回線終端装置に異常があるか否かを光送信機において判定することが可能になり、光伝送システムの信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、請求項8に記載の光送信機によれば、送信要求タイミングが到来したと判定された際に、送信要求情報を含む下り信号を光回線終端装置に送信するので、光送信機側において上り信号の送信タイミングを制御することが可能になる。
また、請求項9に記載の光送信機によれば、上り信号に基づいて、光回線終端装置の状態に関する情報を出力手段を介して出力するので、例えば、光回線終端装置に異常があるか否かの判定結果を光送信機において出力することが可能になり、光伝送システムの信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、請求項10に記載の光送信機によれば、光回線終端装置からの上り信号の送信状態、又は、光回線終端装置から送信された上り信号、の少なくとも一方に基づいて、光回線終端装置における異常の有無を判定し、当該判定結果に関する情報を出力手段を介して出力するので、光伝送システムの信頼性を一層向上させることが可能になる。
本発明の実施の形態に係る光伝送システムの電気的構成を機能概念的に示すブロック図である。 終端装置情報の構成例を示す図である。 上り信号送信処理のフローチャートである。
以下、本発明に係る光回線終端装置及び光送信機の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。最初に、本実施の形態の基本的概念について説明し、次に、本実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔本実施の形態の基本的概念〕
まず、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態は、光伝送システムを構成する光送信機及び光回線終端装置に関するものである。この光伝送システムは、概略的に、光送信機と光回線終端装置とを、光伝送路を介して通信可能に接続して構成されている。
「光送信機」は、光回線終端装置に対して光伝送路を介して下り信号を送信する光送信手段であり、例えば、CATV放送局の如きセンター局に設置される。「光回線終端装置」は、光送信機から光伝送路を介して送信された下り信号を受信して電気信号に変換する光回線終端手段(R-ONU)であり、例えば、集合住宅の各住戸や、戸建住宅に設置される。「光伝送路」は、光信号を伝送する光信号伝送手段であり、光ファイバの如き光信号伝送線路を備えて構成され、中空架設、地上敷設、あるいは地中埋設の如き様々な形態で配設される。なお、光送信機と光回線終端装置との相互は、全ての区間において光伝送路で接続されていなくてもよく、例えば、一部の区間が電気伝送路(光電変換手段、導電線路、電光変換手段を順次接続して構成された伝送路)で接続されていてもよい。これら光送信機、光回線終端装置、及び光伝送路は、それぞれ少なくとも1台(又は1系統)設けられるものであり、必要に応じて複数台(又は複数系統)設けてもよい。以下では、1台の光送信機、複数台の光回線終端装置、及び複数系統の光伝送路が設けられている場合について説明する。
このような光伝送システムにおいて、光送信機から光伝送路を介して光回線終端装置に対して光信号を送信することに加えて、光回線終端装置から光伝送路を介して光送信機に対して光信号を送信する。以下では、前者の光信号を「下り信号」と称し、後者の光信号を「上り信号」と称する。ただし、これら2つの信号を相互に区別する必要がない場合には、これら2つの信号を「光信号」と総称する。
この光信号の具体的な構成は任意であるが、以下では、光信号が、制御情報と内容情報とを含む例について説明する。「制御情報」とは、光信号を受信した機器を制御するための情報であり、例えば、送信元の機器を一意に識別するための送信元識別情報、送信先の機器を一意に識別するための送信先識別情報、送信先の機器を制御するための制御コマンドを含む。「内容情報」とは、光信号を受信した機器において利用される情報であり、例えば、TV放送や告知放送を行う際の映像データや音声データ、あるいは、インターネット通信を行うための通信パケットを含む。
上り信号の具体的な構成は任意であるが、以下では、終端装置IDと送信情報とを上り信号に含める場合について説明する。「終端装置ID」とは、上り信号を送信した光回線終端装置を一意に特定するための終端装置特定情報であり、光回線終端装置の工場出荷時等の任意のタイミングで当該光回線終端装置に設定される。「送信情報」とは、光送信機に送信するために光回線終端装置によって取得される情報である。本実施の形態においては、送信情報として、当該光回線終端装置における下り信号の受信状態に関する情報と、当該光回線終端装置における下り信号又は上り信号の制御状態に関する情報とを取得する場合について説明する。「光回線終端装置における下り信号の受信状態に関する情報」とは、下り信号の受信レベル、下り信号の受信タイミング(日時等の履歴情報)、あるいは下り信号の受信間隔の少なくとも一つを特定することが可能になる情報であり、本実施の形態においては、「下り信号の受信レベル」を取得するものとする。「回線終端装置における下り信号又は上り信号の制御状態に関する情報」とは、回線終端装置における下り信号又は上り信号に関する、制御の有無、制御の種別、あるいは制御の開始や終了のタイミング(日時等の履歴情報)、の少なくとも一つを特定することが可能になる情報であり、本実施の形態においては、光送信機からの下り信号に基づいて行われる回線終端端末装置における制御であって、下り信号に基づく出力が許可されているか否かを特定する「下り信号制御状態」と、上り信号の送信が許可されているか否か及び上り信号の判定タイミングの基準を特定する「上り信号制御状態」とを取得するものとする。
〔実施の形態の具体的内容〕
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
まず、光伝送システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る光伝送システムの電気的構成を機能概念的に示すブロック図である。この図1に示すように、光伝送システム1は、1台の光送信機10と、複数台の光回線終端装置20を、複数系統の光伝送路30を介して通信可能に接続して構成されている。
(構成−光送信機)
光送信機10は、入力部11、出力部12、変換入出力部13、記憶部14、及び制御部15を備えて構成されている。ただし、図示は省略するが、光送信機10には、さらに公知の電気的構成要素や光学的構成要素を設けることができ、例えば、電気信号を増幅する増幅器、光信号を増幅する増幅器、スケルチやアッテネータの如き制御素子を設けることができる。
(構成−光送信機−入力部)
入力部11は、光送信機10を利用するために必要な情報を受け付ける入力手段である。この入力部11の具体的な構成は任意であるが、例えば、入力部11は、電気信号を入力するための入力端子や、各種の情報の入力を受け付けるキーボード及びマウスを備えて構成されている。
(構成−光送信機−出力部)
出力部12は、光送信機10を利用するために必要な情報を出力する出力手段である。この出力部12の具体的な構成は任意であるが、例えば、出力部12は、電気信号を出力するための出力端子、各種の情報を出力するディスプレイ、音声情報を出力するスピーカ、及び点灯又は点滅を行うLEDの如き表示灯を備えて構成されている。
(構成−光送信機−変換入出力部)
変換入出力部13は、電気信号を光信号に変換して下り信号として光伝送路30を介して光回線終端装置20に送信する電光変換手段(例えば、LD : Laser Diode)、及び光回線終端装置20から光伝送路30を介して受信した上り信号である光信号を電気信号に変換して出力する光電変換手段(例えば、PD : Photo Diode)を備えて構成されている。
(構成−光送信機−記憶部)
記憶部14は、光送信機10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスクの如き磁気的記憶媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記憶媒体を含む、その他の任意の記憶媒体を用いることができる。
この記憶部14は、終端装置データベース(以下、データベースをDBと略記する)14aを備えている。この終端装置DB14aは、光回線終端装置20に関する情報である終端装置情報を格納する終端装置情報格納手段である。図2は、終端装置情報の構成例を示す図である。この図2に示すように、終端装置情報は、項目「終端装置ID」に対応する情報と、項目「下り信号の受信レベル」に対応する情報と、項目「下り信号制御状態」に対応する情報と、項目「上り信号制御状態」に対応する情報と、項目「情報取得日時」に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「終端装置ID」に対応する情報、項目「下り信号の受信レベル」に対応する情報、項目「下り信号制御状態」に対応する情報、及び項目「上り信号制御状態」に対応する情報は、それぞれ、上述した終端装置ID、下り信号の受信レベル、下り信号制御状態、上り信号制御状態である。例えば、「下り信号制御状態」=「なし」が格納されている場合には、下り信号に関する制御を行っていない状態(デフォルトの状態であり、本実施の形態では、光送信機10から下り信号を受信した場合であって、当該下り信号に含まれる終端装置IDが自己に設定されている終端装置IDに合致する場合には、当該下り信号に応じた制御や出力を行う状態)を意味する。また、「下り信号制御状態」=「停波」が格納されている場合には、下り信号の停波制御を行っている状態(光回線終端装置20のユーザによる受信料不払い等の任意の理由により、光送信機10からの遠隔制御や、光回線終端装置20の自律的な制御によって、光回線終端装置20において下り信号を電気信号に変換して出力することを停止している状態)を意味する。また、「上り信号制御状態」=「なし」が格納されている場合には、上り信号に関する制御を行っていない状態(デフォルトの状態であり、本実施の形態では、送信タイミングが到来した場合に、光送信機10に対して上り信号を送信する状態)を意味する。また、「上り信号制御状態」=「停波」が格納されている場合には、上り信号の停波制御を行っている状態(光回線終端装置20が故障等によって上り信号を出し続けている等の任意の理由により、光送信機10からの遠隔制御や、光回線終端装置20の自律的な制御によって、光回線終端装置20から光送信機10への上り信号の送信を停止している状態)を意味する。項目「情報取得日時」に対応する情報とは、光送信機10が光回線終端装置20から終端装置情報を取得した日時を示す情報である。例えば、「情報取得日時」=「201307011300」が格納されている場合には、2013年07月01日の13時00分に、終端装置情報を取得したことを意味する。このように構成された終端装置情報は、後述する上り信号送信処理によって格納される。
(構成−光送信機−制御部)
図1において、制御部15は、光送信機10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態1に係る光送信プログラムは、任意の記憶媒体又はネットワークを介して光送信機10にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する。
この制御部15は、機能概念的に、終端監視制御部15a、送信要求タイミング判定部15b、及び送信制御部15cを備えて構成されている。終端監視制御部15aは、光回線終端装置20から光伝送路30を介して送信された上り信号に基づいて、所定制御を行う終端監視制御手段である。送信要求タイミング判定部15bは、光回線終端装置20に対して上り信号の送信を要求するための送信要求タイミングの到来を判定する送信要求タイミング判定手段である。送信制御部15cは、送信要求タイミング判定部15bによって送信要求タイミングが到来したと判定された際に、上り信号の送信を要求するための送信要求情報を含む下り信号を、光伝送路30を介して光回線終端装置20に送信する送信制御手段である。これらの制御部15の各部によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−光回線終端装置)
次に、光回線終端装置20について説明する。光回線終端装置20は、入力部21、出力部22、変換入出力部23、下り増幅部24、上り増幅部25、記憶部26、及び制御部27を備えて構成されている。ただし、図示は省略するが、光回線終端装置20には、さらに公知の電気的構成要素や光学的構成要素を設けることができ、例えば、スケルチやアッテネータの如き制御素子を設けることができる。
(構成−光回線終端装置−入力部)
入力部21は、光回線終端装置20を利用するために必要な情報を受け付ける入力手段である。この入力部21の具体的な構成は任意であるが、例えば、入力部21は、電気信号を入力するための入力端子や、各種の情報の入力を受け付けるスイッチ及びボリュームを備えて構成されている。
(構成−光回線終端装置−出力部)
出力部22は、光回線終端装置20を利用するために必要な情報を出力する出力手段である。この出力部22の具体的な構成は任意であるが、例えば、出力部22は、電気信号を出力するための出力端子、各種の情報を出力するディスプレイ、音声情報を出力するスピーカ、及び点灯又は点滅を行うLEDの如き表示灯を備えて構成されている。
(構成−光回線終端装置−変換入出力部)
変換入出力部23は、光送信機10から光伝送路30を介して受信した下り信号である光信号を電気信号に変換して出力する光電変換手段(例えば、PD)、及び電気信号を光信号に変換して上り信号として光伝送路30を介して光送信機10に送信する電光変換手段(例えば、LD)を備えて構成されている。
(構成−光回線終端装置−下り増幅部)
下り増幅部24は、変換入出力部23にて光信号から変換された電気信号を増幅する増幅手段であり、例えば、アンプや、AGC(Auto Gain Controller)回路を備えて構成されている。
(構成−光回線終端装置−上り増幅部)
上り増幅部25は、電気信号を増幅して変換入出力部23に出力する増幅手段であり、例えば、アンプや、AGC(Auto Gain Controller)回路を備えて構成されている。
(構成−光回線終端装置−記憶部)
記憶部26は、光回線終端装置20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、例えば、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体を含む、任意の記憶媒体を用いて構成されている。
(構成−光回線終端装置−制御部)
図1において、制御部27は、光回線終端装置20を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係る光回線終端プログラムは、任意の記憶媒体又はネットワークを介して光回線終端装置20にインストールされることで、制御部27の各部を実質的に構成する。
この制御部27は、機能概念的に、送信情報取得部27a、送信タイミング判定部27b、及び送信制御部27cを備えて構成されている。送信情報取得部27aは、光送信機10に対して送信すべき上り信号に含めるための送信情報を取得する送信情報取得手段である。送信タイミング判定部27bは、光送信機10に対して上り信号を送信するための送信タイミングの到来を判定する送信タイミング判定手段である。送信制御部27cは、送信タイミング判定部27bによって送信タイミングが到来したと判定された際に、送信情報取得部27aにて取得された送信情報を含む上り信号を、光伝送路30を介して光送信機10に送信する送信制御手段である。この送信制御部27cによる具体的な上り信号の送信は任意であるが、例えば、上り増幅部25の前段の線路上に設けられた混合器(図示省略)に対して、送信情報取得部27aにて取得された送信情報を出力することにより、上り信号に送信情報を混合して、上り増幅部25及び変換入出力部23を順次介して、上り信号を光信号として光送信機10に送信することができる。これらの制御部27の各部によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−光伝送路)
光伝送路30は、上述のように、光信号を伝送する光信号伝送手段であり、光ファイバの如き光信号伝送線路を備えて構成されている。ただし、図示は省略するが、光伝送路30には、さらに公知の電気的構成要素や光学的構成要素を設けることができ、例えば、光増幅器を設けることができる。
(処理)
次に、上述のように構成された光伝送システム1が実行する処理について説明する。この処理は、光送信機10から光回線終端装置20に対して放送用の下り信号を送信する下り信号送信処理と、光回線終端装置20から光送信機10に対して上り信号を送信する上り信号送信処理とに大別される。ただし、下り信号送信処理については、公知の光伝送システム1と同様に行うことができるため、その詳細な説明については省略することとし、以下では、上り信号送信処理について説明する。図3は、上り信号送信処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この処理は、例えば、光送信機10及び光回線終端装置20に電源が投入された場合に起動される。なお、特記なき場合には、各ステップは、光送信機10の制御部15又は光回線終端装置20の制御部27で実行されるものとする。
最初に、光送信機10の送信要求タイミング判定部15bは、光回線終端装置20に対して上り信号の送信を要求するための送信要求タイミングの到来を判定する(SA1)。この送信要求タイミングは、任意の基準に基づいて決定することができ、例えば、1)光送信機10の起動直後、2)光伝送システム1に新規に配置された光回線終端装置20の終端装置IDが光送信機10の記憶部14に記憶された直後、3)所定時間(例えば、30分)が経過する毎、あるいは、4)光回線終端装置20に対する下り信号制御又は上り信号制御を行うことが、光送信機10のユーザによる入力部11を介して操作で手動で指示された際や、送信制御部15cの公知の制御により自動的に決定された際 (例えば、終端装置DB14aに格納された情報に基づいて、公知の異常判定基準により、下り信号制御又は上り信号制御を行う必要があると判定された際)に、送信要求タイミングが到来したと判定する。
そして、送信要求タイミング判定部15bによって送信要求タイミングが到来したと判定された際に(SA1、Yes)、送信制御部15cは、上り信号の送信を要求するための送信要求情報を含む下り信号を、光伝送路30を介して光回線終端装置20に送信する(SA2)。この送信要求情報は、制御情報として、下り信号の送信先とする(上り信号の送信を要求する対象とする)光回線終端装置20の終端装置IDと、上り信号の送信を要求する旨の制御コマンドとを、含んで構成されている。
なお、この際、上り信号の送信を要求する対象とする光回線終端装置20としては、全ての光回線終端装置20を対象としてもよく、あるいは、特定の一部の光回線終端装置20(例えば、光伝送システム1に新規に配置された光回線終端装置20の終端装置IDが光送信機10の記憶部14に記憶された直後においては、当該新規に配置された光回線終端装置20)を対象としてもよい。本実施の形態においては、全ての光回線終端装置20を対象とするものとする。このように、全ての光回線終端装置20を対象とする場合、全ての光回線終端装置20に対して一斉に上り信号の送信を要求してもよいが、本実施の形態では、各光回線終端装置20毎に上り信号の送信を要求するポーリング処理を行うものとする。このため、送信制御部15cは、記憶部14に記憶された終端装置IDの中から、所定順序(例えば、終端装置IDが小さい順)で1つの終端装置IDを取得し、当該取得した終端装置IDを制御情報として含む送信要求情報を生成し、当該生成した送信要求情報を含む下り信号を生成して送信する。次いで、2番目の終端装置IDを取得し、当該取得した終端装置IDを制御情報として含む送信要求情報を生成し、当該生成した送信要求情報を含む下り信号を生成して送信する。以降同様に、全ての終端装置IDを順次取得して、送信要求情報を生成して送信する。
一方、各光回線終端装置20の制御部27は、下り信号を介して受信した場合には、当該受信した下り信号の制御情報に含まれている終端端末IDが、自己の記憶部26に予め設定されている当該光回線終端装置20の終端装置IDと一致するか否かを判定する。そして、一致しない場合には、当該下り信号が、当該光回線終端装置20を送信先として送信されたものではないと考えられるため、当該下り信号を無視する。一方、一致する場合には、当該下り信号が、当該光回線終端装置20を送信先として送信されたものであると考えられるため、制御部27は、当該下り信号に含まれる制御情報に基づく動作を行う(このような終端装置IDの一致判定に基づく動作は、以下の各ステップの動作のうち、光回線終端装置20が下り信号を受信した場合の動作において同様とする)。
下り信号に含まれる制御情報に基づく動作の具体的な内容は、制御情報に応じて当然に異なり得るが、例えば、下り信号制御を行う場合において、下り信号に基づいて出力する電気信号が複数チャンネル帯域を含む放送信号である場合には、放送信号の全帯域をOFF又はONする制御、BS/CS帯のみOFF又はONする制御、CATV帯のみOFF又はONする制御を行ってもよい。このような制御は、例えば、光回線終端装置20が備える増幅器や帯域通過フィルタ(図示省略)をOFF又はONすることにより行うことができる。
あるいは、上り信号制御を行う場合において、変換入出力部23に対する電気信号の出力をOFF又はONする制御や、この電気信号を所定レベルだけ増加又は低減させるために変換入出力部23の前段に配置したアッテネータ(図示省略)をOFF又はONする制御、あるいは、変換入出力部23のLDをOFF又はONする制御を行うことができる。
本実施の形態においては、SA2において送信された送信要求情報を含む下り信号が光回線終端装置20において受信されるため、光回線終端装置20の制御部27は、当該下り信号に含まれる送信要求情報に基づく動作を行う(SA3)。具体的には、送信タイミング判定部27bは、SA3において、下り信号の受信の有無を監視していると共に、光送信機10に対して上り信号を送信するための送信タイミングが到来したか否かを常時監視している(SA4)。
変化があった場合に、送信タイミングが到来したと判定する。
この送信タイミングは、任意の基準に基づいて決定することができ、例えば、1)光回線終端装置20の起動直後、2)光伝送システム1に光回線終端装置20が新規に配置された直後、3)光伝送路30を介して光送信機10から受信した下り信号が当該光回線終端装置20を送信先として送信された信号であって、当該下り信号に、上り信号の送信を要求するための送信要求情報が含まれている場合、4)光伝送路30を介して光送信機10から受信した下り信号が当該光回線終端装置20を送信先として送信された信号であって、当該下り信号に、当該光回線終端装置20に対する下り信号制御又は上り信号制御を行う制御コマンド(上り信号の送信機能の停止を要求するための停止要求情報)が含まれている場合、あるいは、5)光回線終端装置20に所定の状態変化があった場合に、送信タイミングが到来したと判定する。
そして、本実施の形態においては、光伝送路30を介して光送信機10から受信した下り信号が当該光回線終端装置20を送信先として送信された信号であって、当該下り信号に、上り信号の送信を要求するための送信要求情報が含まれているため、光送信機10に対して上り信号を送信するための送信タイミングが到来したものと判定する(SA4、Yes)。
このように送信タイミングが到来したものと判定された場合(SA4、Yes)、送信情報取得部27aは、光送信機10に対して送信すべき上り信号に含めるための送信情報を取得する(SA5)。この送信情報の具体的な内容は任意であり、例えば、送信タイミングが到来したものと判定した原因に応じて、異なる所定の情報を取得することができる。本実施の形態においては、送信情報として、受信レベル、下り信号制御状態、及び上り信号制御状態を取得する。受信レベルは、例えば、変換入出力部23から出力された電気信号(RF信号)の電圧をA/D変換し、そのA/D変換値を光信号の受信レベルとして取得する。下り信号制御状態及び上り信号制御状態は、例えば、記憶部26に設定されている制御パラメータを参照することにより取得する。
次いで、送信制御部27cは、送信情報取得部27aにて取得された送信情報を含む上り信号を生成し、当該上り信号を変換入出力部23にて光信号に変換し、この光信号を光伝送路30を介して光送信機10に送信する(SA6)。この際、送信制御部27cは、記憶部26に設定されている当該光回線終端装置20の終端装置IDを送信情報に含める。
一方、光送信機10の終端監視制御部15aは、SA2において光回線終端装置20に下り信号を送信した後、当該光回線終端装置20からの上り信号の送信状態を監視し、当該送信状態に基づいて、光回線終端装置20における異常の有無を判定し、当該判定結果に関する情報を出力部12を介して出力する。例えば、終端監視制御部15aは、SA2において光回線終端装置20に下り信号を送信してから所定時間(例えば1分)以内に、当該下り信号の送信先となった光回線終端装置20から上り信号を受信したか否かを判定する(SA7)。この判定は、例えば、光回線終端装置20から当該所定時間以内に上り信号を受信した場合であって、当該受信した上り信号に含まれる終端装置IDが、当該下り信号の送信先となった光回線終端装置20の終端装置ID(当該下り信号に含めたものと同一の終端装置ID)である場合に、下り信号の送信先となった光回線終端装置20から上り信号を受信したと判定し、それ以外の場合には、下り信号の送信先となった光回線終端装置20から上り信号を受信しなかったと判定する。
そして、上り信号を受信しなかったと判定した場合(SA7、No)、終端監視制御部15aは、光伝送路30又は光回線終端装置20に何らかの異常が発生した可能性があるため、異常発生の可能性を報知するための異常出力を出力部12を介して行う(SA8)。これにて上り信号処理が終了する。この出力の具体的な形態は任意であるが、例えば、上り信号が受信できなかった光回線終端装置20の終端装置IDと異常発生の可能性を知らせるテキストメッセージとを表示出力すると共に、異常発生の可能性を知らせるブザー音を音出力する。この際、光回線終端装の名称や設置位置が終端装置IDと関連付けて記憶部14に記憶されている場合には、終端装置IDに基づいて、異常発生の可能性がある光回線終端装置20の名称や設置位置を記憶部14から取得して、表示出力に加えてもよい。また、この光回線終端装置20に至る光伝送路30の敷設経路が終端装置IDと関連付けて記憶部14に記憶されている場合には、終端装置IDに基づいて、異常発生の可能性がある光回線終端装置20に至る光伝送路30の敷設経路を記憶部14から取得して、表示出力に加えてもよい。
一方、終端監視制御部15aは、上り信号を受信したと判定した場合には(SA7、Yes)、当該上り信号から、光回線終端装置20の状態に関する情報を取得し、当該取得した情報と、公知の方法で取得したその時点の日時である情報取得日時とを、相互に関連付けて、終端装置情報として終端装置DB14aに格納する(SA9)。
次いで、終端監視制御部15aは、光回線終端装置20から送信された前記上り信号に基づいて、当該光回線終端装置20における異常の有無を判定する(SA10)。例えば、終端監視制御部15aは、上り信号に含まれる下り信号の受信レベルが、光回線終端装置20において映像信号や音声信号を出力可能な最小受信レベル(例えば、−20dBm)以上であるか否かを判定し、最小受信レベル以上である場合には異常がないと判定し、最小受信レベル未満である場合には異常があると判定する。あるいは、当該光回線終端装置20からこれまでに取得された上り信号に含まれる下り信号の受信レベルを終端装置DB14aから取得し、当該取得した下り信号の受信レベルの変化傾向が所定の異常傾向(例えば、レベル低減率が所定率以上である場合)には、異常があると判定する。
そして、異常があると判定した場合(SA10、Yes)、終端監視制御部15aは、SA8に移行して、異常発生の可能性を報知するための異常出力を出力部12を介して行う。これにて上り信号処理が終了する。
一方、異常がないと判定した場合(SA10、No)、終端監視制御部15aは、SA9において終端装置DB14aに格納した情報を、出力部12を介して表示出力する(SA11)。この際、SA8と同様に、光回線終端装置20の名称や設置位置、あるいは、光回線終端装置20に至る光伝送路30の敷設経路を、記憶部14から取得して、表示出力に加えてもよい。これにて上り信号処理が終了する。
なお、これまでの説明では、SA1において送信要求タイミングが到来したと判定した場合に、SA2において送信要求情報を送信する場合について例示したが、この他にも、任意のタイミングで、送信要求情報を含む上り信号や、それ以外の上り信号を送信してもよい。例えば、光送信機10のユーザは、入力部11を介した所定操作を行うことで、任意のタイミングで送信要求情報を送信してもよい。また、送信要求情報以外にも、種々の情報を光送信機10から光回線終端装置20に送信するようにしてもよく、例えば、光回線終端装置20のユーザによる受信料不払い等の任意の理由により、光送信機10からの遠隔制御によって光回線終端装置20の下り信号を停波したい場合には、当該制御の対象とすべき光回線終端装置20の終端装置IDと、下り信号の停波制御を行うための制御コマンドとを含んだ情報を光回線終端装置20に送信するようにしてもよい。
また、これまでの説明では、SA3において送信要求情報を受信した場合に、送信タイミングが到来したと判定して上り信号を送信する場合について例示したが、この他にも、任意のタイミングで上り信号を送信してもよい。例えば、光回線終端装置20の送信制御部27cは、自己における異常発生の有無や、自己における下り信号制御や上り信号制御の如き制御状態の変化の有無を、公知の方法で定期的に監視し、異常が発生したと判定した場合や、制御状態が変化したと判定した場合に、送信タイミング判定部27bが、上り信号の送信タイミングが到来したと判定することで、これら異常発生や制御状態変化の内容を示す情報を含んだ上り信号を送信するようにしてもよい。
上り信号の停波中であっても、所定条件に合致した場合には、上り信号を送信するようにしてもよい。例えば、光伝送路30を介して光送信機10から受信した下り信号が当該光回線終端装置20を送信先として送信された信号であって、当該下り信号に、当該光回線終端装置20に対する上り信号制御を行う制御コマンド(上り信号の送信機能の停止を要求するための停止要求情報)が含まれていたことに基づいて、上り信号の送信を停止している場合においても、ポーリング処理等によって送信要求情報を受信した場合には、送信タイミング判定部27bが、上り信号の送信タイミングが到来したと判定することで、上り信号を送信するようにしてもよい。
(効果)
このように実施の形態によれば、光回線終端装置20によれば、送信タイミングが到来したと判定された際に、送信情報を含む上り信号を光送信機10に送信するので、例えば、光回線終端装置20における下り信号の受信レベルを特定可能な送信情報を含む上り信号を送信することで、光伝送路30や光回線終端装置20や光伝送路30における異常発生を光送信機10側において容易かつ確実に検知することが可能になり、異常の復旧を迅速に行うことが可能になる等、光伝送システム1の信頼性を向上させることが可能になる。
また、下り信号に送信要求情報が含まれている場合に、送信タイミングが到来したと判定するので、送信要求情報が含まれている下り信号を光送信機10から光回線終端装置20に送信することにより、光回線終端装置20から光送信機10に上り信号が送信されることになり、光送信機10側において上り信号の送信タイミングを制御することが可能になる。
また、下り信号に停止要求情報が含まれている場合に、送信タイミングが到来したと判定するので、停止要求情報が含まれている下り信号を光送信機10から光回線終端装置20に送信することにより、光回線終端装置20の上り信号送信機能を停止制御すると共に、その時点の送信情報を含む上り信号が光回線終端装置20から光送信機10に送信されることになり、停止制御を行った時点の送信情報を光送信機10側において取得することが可能になる。
また、光回線終端装置20において上り信号の送信機能を停止している場合においても、下り信号に送信要求情報が含まれている場合には、送信タイミングが到来したと判定するので、光回線終端装置20の上り信号送信機能を停止制御している場合においても、送信情報を含む上り信号が光回線終端装置20から光送信機10に送信されることになり、停止制御中の送信情報を光送信機10側において取得することが可能になる。
また、光回線終端装置20に所定の状態変化があった場合に、送信タイミングが到来したと判定するので、例えば、光回線終端装置20に異常がある場合には、下り信号の有無やその内容に関わらず、光回線終端装置20が自律的に上り信号を送信するので、光伝送システム1の信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、送信情報の少なくとも一部として、下り信号の受信状態に関する情報、又は、下り信号又は上り信号の制御状態に関する情報、の少なくとも一方が取得されるので、これらの情報を光送信機10側で取得することが可能になり、例えば、光回線終端装置20に異常があるか否かを光送信機10において判定することが可能になるので、光伝送システム1の信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、光回線終端装置20から送信された上り信号に基づいて所定制御を行うので、例えば、光回線終端装置20に異常があるか否かを光送信機10において判定することが可能になり、光伝送システム1の信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、送信要求タイミングが到来したと判定された際に、送信要求情報を含む下り信号を光回線終端装置20に送信するので、光送信機10側において上り信号の送信タイミングを制御することが可能になる。
また、上り信号に基づいて、光回線終端装置20の状態に関する情報を出力手段を介して出力するので、例えば、光回線終端装置20に異常があるか否かの判定結果を光送信機10において出力することが可能になり、光伝送システム1の信頼性を一層向上させることが可能になる。
また、光回線終端装置20からの上り信号の送信状態、又は、光回線終端装置20から送信された上り信号、の少なくとも一方に基づいて、光回線終端装置20における異常の有無を判定し、当該判定結果に関する情報を出力手段を介して出力するので、光伝送システム1の信頼性を一層向上させることが可能になる。
〔本実施の形態に対する変形例〕
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、光伝送システム1の信頼性が従来と同程度である場合であっても、当該同程度の信頼性を従来とは異なる手段で達成できている場合には、本願の課題は解決されている。
(送信情報について)
上記実施の形態では、上り信号に含める送信情報として、光回線終端装置20に関する情報を取得する場合を例示したが、送信情報は任意に定めることができ、例えば、光回線終端装置20に接続された他の装置の情報を含めるようにしてもよい。また、送信情報は種々の条件に応じて動的に変更することもでき、例えば、光送信機10からの送信要求情報に基づいて上り信号を送信する場合と、光回線終端装置20が自律的に上り信号を送信する場合とで、送信情報を変えてもよい。
また、上り信号に含める送信情報としては、下り信号の受信レベルであって、最新レベル、最大レベル、あるいは、最小レベルを含めるようにしてもよい。このためには、例えば、光回線終端装置20において、下り信号の受信レベルを所定間隔で取得して記憶部26に記憶させておき、上り信号を送信する際に、この記憶部26を参照して、各レベルを取得するようにしてもよい。
(送信タイミングについて)
送信タイミングは種々の条件に応じて動的に変更することもでき、例えば、光送信機10からの遠隔制御や、光回線終端装置20の入力部21を介した設定によって、当該光回線終端装置20が第1モードと第2モードに切り替えられる場合において、第1モードでは、光送信機10からの送信要求情報を受信した場合にのみ送信タイミングが到来したものと判定し、第2モードでは、光送信機10からの送信要求情報を受信した場合と下り信号の受信レベルが所定レベル未満になった場合に送信タイミングが到来したものと判定するようにしてもよい。
1 光伝送システム
10 光送信機
11、21 入力部
12、22 出力部
13、23 変換入出力部
14、26 記憶部
14a 終端装置DB
15、27 制御部
15a 終端監視制御部
15b 送信要求タイミング判定部
15c、27c 送信制御部
20 光回線終端装置
24 下り増幅部
25 上り増幅部
27a 送信情報取得部
27b 送信タイミング判定部
30 光伝送路

Claims (10)

  1. 光送信機から光伝送路を介して送信された下り信号を受信して電気信号に変換する光回線終端装置であって、
    前記光送信機に対して送信すべき上り信号に含めるための送信情報を取得する送信情報取得手段と、
    前記光送信機に対して前記上り信号を送信するための送信タイミングの到来を判定する送信タイミング判定手段と、
    前記送信タイミング判定手段によって前記送信タイミングが到来したと判定された際に、前記送信情報取得手段にて取得された送信情報を含む上り信号を、前記光伝送路を介して前記光送信機に送信する送信制御手段と、
    を備える光回線終端装置。
  2. 前記送信タイミング判定手段は、前記下り信号に、前記上り信号の送信を要求するための送信要求情報が含まれている場合に、前記送信タイミングが到来したと判定する、
    請求項1に記載の光回線終端装置。
  3. 前記送信タイミング判定手段は、前記下り信号に、当該光回線終端装置における前記上り信号の送信機能の停止を要求するための停止要求情報が含まれている場合に、前記送信タイミングが到来したと判定する、
    請求項1又は2に記載の光回線終端装置。
  4. 前記送信タイミング判定手段は、当該光回線終端装置において前記上り信号の送信機能を停止している場合においても、前記下り信号に、前記上り信号の送信を要求するための送信要求情報が含まれている場合には、前記送信タイミングが到来したと判定する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の光回線終端装置。
  5. 前記送信タイミング判定手段は、当該光回線終端装置に所定の状態変化があった場合に、前記送信タイミングが到来したと判定する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の光回線終端装置。
  6. 前記送信情報取得手段は、前記送信情報の少なくとも一部として、当該光回線終端装置における前記下り信号の受信状態に関する情報、又は、当該光回線終端装置における前記下り信号又は前記上り信号の制御状態に関する情報、の少なくとも一方を取得する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の光回線終端装置。
  7. 光回線終端装置に対して光伝送路を介して下り信号を送信する光送信機であって、
    前記光回線終端装置から前記光伝送路を介して送信された上り信号に基づいて、所定制御を行う終端監視制御手段を備える、
    光送信機。
  8. 前記光回線終端装置に対して前記上り信号の送信を要求するための送信要求タイミングの到来を判定する送信要求タイミング判定手段と、
    前記送信要求タイミング判定手段によって前記送信要求タイミングが到来したと判定された際に、前記上り信号の送信を要求するための送信要求情報を含む下り信号を、前記光伝送路を介して前記光回線終端装置に送信する送信制御手段と、
    を備える請求項7に記載の光送信機。
  9. 前記終端監視制御手段は、前記上り信号に基づいて、前記光回線終端装置の状態に関する情報を出力手段を介して出力する、
    請求項7又は8に記載の光送信機。
  10. 前記終端監視制御手段は、前記光回線終端装置からの前記上り信号の送信状態、又は、前記光回線終端装置から送信された前記上り信号、の少なくとも一方に基づいて、前記光回線終端装置における異常の有無を判定し、当該判定結果に関する情報を出力手段を介して出力する、
    請求項7から9のいずれか一項に記載の光送信機。
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