JP2015031723A - 操作可能な中空構造体および中空構造体の操作方法 - Google Patents
操作可能な中空構造体および中空構造体の操作方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】作動操作に際して簡単な構造とされると共に、操作者が状況等に応じた作動操作で多様な動きを行わせることができる新規な構造とされた操作可能な中空構造体および中空構造体の操作方法を提供する。【解決手段】操作可能な中空構造体10が、胴部18と頭部20と腕部22と脚部24とを有する中空本体12と、送風機66と、支柱部材50と、支柱部材50を取り付ける取付部材52と、中空本体12を移動可能とする装着部48と、中空本体12の腕部22に対して一端側が取り付けられると共に他端側が操作者16の把持部28とされた操作ロッド26と、脚取付部34とを含んで構成されており、且つ、操作ロッド26が中空本体12から取り外し可能とされていると共に分割構造とされて短く収納可能とされており、更に、支柱部材50が中空本体12から取り外し可能とされていると共に分割構造とされて短く収納可能とされている。【選択図】図3
Description
本発明は、人形や動物,キャラクターなどを模した風船状構造で且つ人手による直接の操作が可能とされた中空構造体に係り、特に、各種の催事やパレード,宣伝,広告などにおいて事業上で活用することもできて、大きな注目度を得ることのできる操作可能な中空構造体および中空構造体の操作方法に関するものである。
従来から、各種の業界や行政,団体等において催されるパレードや発表会などの催事に際して、華やかさを演出したり注目度を向上させるなどの目的で、パネルや風船,音楽,映像などが活用されている。そのような一種として、人形や動物,キャラクターなどを模した構造体を、内部に空気を送り込んで風船状構造とすることにより大型化を可能にした中空構造体が知られている。
そして、このような中空構造体では、例えば特開2001−67033号公報(特許文献1)や特開2009−86467号公報(特許文献2)に示されているように、一部を動かすことにより、看者の注目をより集めるようにすることが検討されている。
ところが、特許文献1,2に記載の如き従来構造の動作可能な中空構造体は、一部を動かすために特別なアクチュエータやエア給排装置と、それらを作動制御するための制御機器が必要とされていた。そのために、中空構造体の構造が複雑で重量も大きくなって高価になることが避けられず、作動制御にも専門的知識が必要になって、気軽に利用することが難しいという問題があった。しかも、動きも単純になりがちであることに加えて、状況等に応じた臨機応変な対応作動も難しいという問題もあった。
本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、作動操作に際して複雑な電子制御装置を必要とすることがなく簡単な構造とされると共に、操作者が状況等に応じた作動操作で多様な動きを行わせることができる新規な構造とされた操作可能な中空構造体および中空構造体の操作方法を提供することにある。
本発明の第一の態様は、(A)軟質材製の外郭層からなる風船状構造とされて、胴部と頭部と左右の腕部と左右の脚部とを有する中空本体と、(B)該中空本体の内部へ空気を送り込む送風機と、(C)前記中空本体の前記胴部に沿って配される硬質材製の支柱部材と、(D)該支柱部材を前記胴部を構成する前記外郭層へ取り付ける取付部材と、(E)前記支柱部材の下部に設けられて、操作者の人胴部分に装着可能とされており、該操作者の人胴部分に装着されることによって前記中空本体を該操作者が担うようにして移動可能とする装着部と、(F)前記中空本体の前記左右の腕部に対してそれぞれ一端側が取り付けられると共に他端側が前記操作者の把持部とされた左右の操作ロッドと、(G)前記中空本体の前記左右の脚部をそれぞれ前記操作者の左右の人脚部分に取り付け可能とする左右の脚取付部とを含んで構成されており、且つ、(H)前記左右の操作ロッドが前記中空本体の前記左右の腕部から取り外し可能とされていると共に長さ方向で分割構造とされて短く収納可能とされており、更に、(I)前記支柱部材が前記中空本体の前記胴部から取り外し可能とされていると共に長さ方向で分割構造とされて短く収納可能とされている操作可能な中空構造体を、特徴とする。
本態様に従う構造とされた操作可能な中空構造体は、風船状構造とされた中空本体の胴部を、装着部や支柱部材を介して操作者が支持せしめつつ、その左右の腕部を、操作ロッドを介して操作者が直接に操作して作動させることができる。それ故、作動を制御するための複雑な電子制御装置も不要となり、状況等に応じて操作者が多様な動きを直接に操作して行わせることができると共に、構造が簡単で軽量とされることから、操作者が支持して操作しつつ容易に移動させることも可能である。
特に、本態様の中空構造体は、中空本体が軟質材とされて折畳み等でコンパクトにできるだけでなく、長尺となりがちな操作ロッドや支柱部材も分割構造とされた短く収納可能とされていることから、全体をコンパクトに収納パッケージすることが可能になる。それ故、多くの中空構造体が必要とされるような場合でも、催事等の会場にまで効率的に且つ容易に搬送することができる。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る操作可能な中空構造体において、前記装着部が硬質材製のベース部材を有しており、該ベース部材から上方に延び出して前記支柱部材が設けられているものである。
本態様の中空構造体では、硬質材製のベース部材を採用することで、かかるベース部材を操作者の人胴部分に対して装着せしめ、支柱部材をより安定して支持させることが可能になる。
本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係る操作可能な中空構造体であって、前記支柱部材に取り付けられる前記胴部において、前記ベース部材に対する該胴部の高さ方向の相対的な離隔距離が変更可能とされているものである。
本態様の中空構造体では、操作者の身長や状況等に応じて、中空構造体の胴部のベース部材や地表からの高さ位置を適宜に調節することが可能になる。
本発明の第四の態様は、前記第二又は第三の態様に係る操作可能な中空構造体において、前記ベース部材によって、前記送風機の駆動用バッテリーが固定的に且つ取り外し可能に支持されるようになっているものである。
本態様の中空構造体では、比較的重量が大きくなる駆動用バッテリーを硬質のベース部材によって安定して支持することができて、操作者の動きに対しても安定位置させることができる。また、駆動用バッテリーだけを取り外して充電や交換することも容易になる。
本発明の第五の態様は、前記第一〜四の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記装着部に対して取り付けおよび取り外し可能な着脱部を備えた設置スタンドが設けられており、地上に載置された該設置スタンドの該着脱部に対して該装着部を取り付けることにより、前記中空本体が操作者を必要とせずに起立状態で支持可能とされているものである。
本態様の中空構造体では、操作者等が支える必要なく、中空構造体を設置スタンドで支持することが可能になる。特に、自立式の設置スタンドにより装着部を支持せしめることで、装着部から延びる支柱部材を利用して、空気の送り込みを継続して中空構造体を膨らませたままの状態や或いは空気の送り込みを中止した状態でも、中空構造体を立位のままで人手の介助を必要とすることなく静置することも可能となる。なお、設置スタンドも、折り畳みや分割,分解などが可能な構造とすることでコンパクトに収納して搬送可能にすることが望ましい。
本発明の第六の態様は、前記第五の態様に係る操作可能な中空構造体において、前記装着部が硬質材製のベース部材を有しており、該ベース部材から上方に延び出して前記支柱部材が設けられている一方、該ベース部材に対して前記設置スタンドの前記着脱部が取り付け可能とされているものである。
本態様の中空構造体では、硬質のベース部材を介して、支柱部材を設置スタンドで強固に支持することが出来ると共に、比較的にスペースを確保しやすい硬質のベース部材において、設置スタンドの着脱部分を設けることも容易となる。
本発明の第七の態様は、前記第一〜六の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記中空本体の内部に発光体が収容配置されており、該中空本体の外郭層を透過して外部にまで該発光体の光が照射されるようになっているものである。
本態様の中空構造体では、発光体を中空本体の内部に収容したことで外部からの美観を損なわず、例えば夜間パレードに際して視認性を向上させて注目度を高める効果も期待できる。なお、本態様では、外郭層の特定部分について光透過性の高い材質として、眼や頭、胸まわりなどの特定部分だけを発光や点滅させることもできる。
本発明の第八の態様は、前記第一〜七の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記中空本体の前記外郭層による風船状構造を維持しつつ該中空本体の外部に対して取り外し可能とされた付加部品が装着されているものである。
本態様の中空構造体では、取り外し可能な付加部品を用いることで、中空構造体の外観意匠を容易に変更することが可能になる。例えば、付加部品としては、ネクタイや衣服、帽子、仮面などの他、たすきやプラカード、ゼッケンなどを適宜に採用することが可能になり、特定の商品に関連する文字やデザインが付された付加部品を装着することにより、商品の宣伝効果の向上を図ることも可能である。
本発明の第九の態様は、前記第一〜八の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記送風機が、前記支柱部材によって支持されているものである。
本態様の中空構造体では、比較的に重量のある送風機を、軟質の外郭層だけで支持させる場合に比して、支柱部材で支持させることで耐久性の向上等が図られ得る。特に支柱部材は、胴部に所定の大きさで配されることから、かかる支柱部材を利用することにより送風機の配置位置の設定自由度も大きく確保され得る。
本発明の第十の態様は、前記第一〜九の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記送風機が複数設けられているものである。
本態様の中空構造体では、複数の送風機を用いることにより、送風機による送風能力の総計を確保しつつ、各送風機の重量や大きさを小さくすることが可能になる。それにより、軟質材製の外郭層などで送風機を支持する場合にも、支持部分における耐久性や強度が確保しやすくなると共に、各一つの送風機の騒音や熱を抑えることも出来るから例えば操作者の頭部付近に設置される場合にも、送風機による操作者の不快感の軽減も図られ得る。
本発明の第十一の態様は、前記第十の態様に係る操作可能な中空構造体において、前記複数の送風機が前記左右の脚部のそれぞれに位置して設けられているものである。
本態様の中空構造体では、複数の送風機を採用することで各単体の送風機の重量や大きさが小さくされ得ることに加えて、外郭層における比較的低い位置に送風機が設置されることから、操作者の頭部から離れた位置に安定して配設することが可能になり、操作者の操作作業の環境改善も図られ得る。
本発明の第十二の態様は、前記第一〜十一の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記操作者の少なくとも顔部分を覆う覆顔部が、該操作者の透視部をもって設けられているものである。
本態様の中空構造体では、催事に際して操作者の人顔を覆い隠して直接に外部から見え難くすることで、中空構造体における空想的な世界をより効果的に看取させることが可能になる。それにより、中空構造体によるアピール力を高めることができて、広告効果などの向上も図られ得る。なお、覆顔部における透視部は、操作者が外部を目視可能とするものであれば良く、例えば操作者の前に設けられた小さな透視用孔の他、透光性の又は微細な多孔性のシート等で構成することも可能である。
本発明の第十三の態様は、前記第十二の態様に係る操作可能な中空構造体において、前記覆顔部として、前記中空本体において前記左右の脚部の各上端部分が前記胴部に対して接続された股間状部分を覆うようにしてシートが設けられているものである。
本態様の中空構造体では、股間状部分に操作者の人顔を位置させることで、不自然さを抑えて覆顔部を設けることが可能になる。例えば、本態様では、人形やキャラクターを模した中空構造体において、股間状部分を覆うスカートを装着させて、かかるスカートによって覆顔部を構成することも可能である。
本発明の第十四の態様は、前記第十二の態様に係る操作可能な中空構造体において、前記覆顔部が、前記操作者の顔部分に加えて人胴部まで覆う着ぐるみによって構成されているものである。
本態様の中空構造体では、覆顔部として、キャラクターや動物など、普通の人間としての認識を抱かせないようにした被りものからなる着ぐるみを採用したことにより、中空構造体と被りものとの相乗効果によって、空想的なアピールを一層効果的に行うことが可能になる。なお、着ぐるみとしては、例えば顔や上半身だけを覆うことで、普通の人間としての認識を抱かせないようにすることができるものであっても良いが、特に好適には、操作者がすっぽりと中に納まるようにして操作者の全身を覆うものが望ましく、それによって、普通の人間としての認識を一層抱かせ難くすることができる。
本発明の第十五の態様は、前記第一〜十四の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記支柱部材が、前記中空本体の高さ方向で前記胴部の半分よりも上方まで延びているものである。
本態様の中空構造体では、支柱部材によって胴部を安定して支持させることが可能になる。なお、かかる支柱部材は、例えば胴部の上端部や、更に頭部にまで延びださせることも可能である。
本発明の第十六の態様は、前記第一〜十五の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記左右の脚取付部が、前記中空本体の前記左右の脚部の下端部分にそれぞれ取り付けられて前記操作者の左右の人脚の足首部分に巻き付けられるバンド状部材によって構成されているものである。
本態様の中空構造体では、左右の脚部を操作者に対して容易に着脱させることができる。しかも、脚部の下端を操作者の足首などに取り付けることにより、脚部の屈曲を利用して、操作者の身長にも容易に対応させることが可能となる。
本発明の第十七の態様は、前記第一〜十六の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記左右の腕部と前記左右の脚部とにおいて、長さ方向の中間部分が絞られることにより屈曲可能な関節状部が設けられているものである。
本態様の中空構造体では、左右の腕部および脚部に予め屈曲可能な関節状部を設けることにより、特に、関節状部から先端側を操作することが容易とされ得る。これにより、腕部や脚部の操作が安定して実施されると共に、中空本体の動作がより自然なものとして認識され得る。
本発明の第十八の態様は、前記第一〜十七の何れかの態様に係る操作可能な中空構造体において、前記中空本体と前記装着部との少なくとも一方に取り付けられたスピーカーを含んで音出力装置が設けられているものである。
本態様の中空構造体では、声や音楽や広告音などをスピーカーを通じて外部出力することが出来、中空構造体の動作による視覚的効果と音による聴覚的効果との相乗作用で一層大きな注目を集めることが可能になる。
本発明の第十九の態様は、前記第十八の態様に係る操作可能な中空構造体において、前記操作者の声を入力するマイクロフォンを含んで音入力装置が設けられており、該音入力装置から入力された操作者の声が前記音出力装置の前記スピーカーから出力されるようになっているものである。
本態様の中空構造体では、操作者が状況などに応じて適切に発する音声を中空本体の発した音声のように見せかけて外部出力することが可能になることから、音による聴覚的効果を一層効率的に得ることが可能になる。
本発明の第二十の態様は、胴部と頭部と左右の腕部と左右の脚部とを有する軟質材製の外部層からなる風船状構造の中空本体を用い、外部から空気を送り込んで該中空本体を膨らませた状態で、操作者が該胴部を支持せしめつつ、前記左右の腕部に取り付けられた左右の操作ロッドを該操作者が手で動かして操作する中空構造体の操作方法であって、前記中空本体の前記胴部の下方において前記左右の脚部間に位置する股間スペースに着ぐるみを配し、該着ぐるみに前記操作者が入ることで外部から該操作者が直接に見えないようにした状態で前記左右の操作ロッドを操作する中空構造体の操作方法を、特徴とする。
本態様の操作方法に従えば、操作者が着ぐるみを着用することから、外部から操作者本人が直接見えないようにされる。かかる状態で操作者が中空構造体を操作することにより、看者が、空想的な中空構造体と現実的な人間との差異に違和感を感じることが軽減されて、中空構造体の動作も空想的なものとして看取され得る。
本発明によれば、中空構造体の操作において、例えば、電子制御装置等が必要とされるものではなく、中空構造体の構造および操作方法が簡単なものとされる。また、操作者の動きに応じて中空構造体を操作することができることから、中空構造体の多様な動きが実現され得る。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図1〜3には、本発明の第一の実施形態としての中空構造体10が示されている。この中空構造体10は、軟質材製の風船状構造とされた中空本体12を含んで構成されており、かかる中空本体12の表面である外郭層14により、中空本体12の内部空間と外部空間が仕切られている。そして、このような中空本体12を操作者16が操作することにより、中空構造体10が操作者16により操作可能とされている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図3の上下方向をいう。また、図1,2では、外観が異なる中空本体12が示されているが、基本的な構造は同一であることから、図中に同一の符号を付して説明する。
より詳細には、本実施形態では、中空本体12は1.5〜数倍程度の人型とされており、胴部18、頭部20、左右一対の腕部22,22、左右一対の脚部24,24を有している。これらの胴部18、頭部20、各腕部22,22、各脚部24,24は、内部空間で相互に連通しており、中空本体12の内部空間は、略密閉状の空間とされている。そして、中空本体12の外郭層14において、何れかの任意の箇所に設けられた給排気口から空気を供給することで全体が膨らむ一方、内部の空気を排出することで、全体がしぼむ構造とされている。かかる中空本体12は、空気を入れて膨張させることで、内圧により形状保持が可能であり、立位の状態でも形状が保持され得る。そして、このような形状とされた中空本体12の両脚部24,24間に対して、操作者16を配置することが可能なようにされており、操作者16の人顔部分40(後述)が中空本体12の股間状部分に位置することが可能なようにされている。
また、操作者16は、中空本体12を操作するための一対の操作ロッド26,26を把持可能とされている。この操作ロッド26のそれぞれ一方の端部は、中空本体12の左右腕部22,22に取り付けられていると共に、それぞれ他方の端部は、操作者16が把持可能な把持部28とされている。これにより、操作者16が操作ロッド26,26を操作することで、中空本体12の左右腕部22,22を操作可能とされている。
これらの操作ロッド26,26は、各腕部22,22から取り外し可能とされていると共に、長さ方向で分割構造とされている。本実施形態では、これらの操作ロッド26は、3本の筒状体から構成されている。そして、これら3本の筒状体における両端部分が相互に連結固定されることにより、操作ロッド26はストレートなロッド形状とされている。なお、かかる3本の筒状体は全て同一形状とされることが、製造や操作上の観点から好ましい。このように、操作ロッド26を短い筒状体からなる分割構造とすることにより、かかる複数の筒状体を束ねたり、適切なケースや袋に収納する等してコンパクトに収納することができる。
また、本実施形態では、中空本体12において、頭部20と胴部18の接続部分が絞られて、首状部分が形成されている。更に、胴部18の左右上端からは各腕部22,22が延び出していると共に、胴部18の左右下端からは、各脚部24,24が延び出している。そして、中空本体12には、これら胴部18の下端と各脚部24,24のそれぞれの上端により、股間状部分が形成されている。また、中空本体12の各腕部22,22および各脚部24,24の長さ方向中間部分において外郭層14が絞られている。これにより、各腕部22,22において絞り部分から胴部18側が上腕状部分とされていると共に、絞り部分から先端側が前腕状部分とされている。更に、各脚部24,24において、絞り部分から胴部18側が大腿状部分とされていると共に、絞り部分から先端側が下腿状部分とされている。この結果、中空本体12の各腕部22,22および各脚部24,24には、それぞれを屈曲可能とする関節状部30が形成されている。特に、本実施形態では、操作ロッド26の先端が、各腕部22,22における関節状部30よりも先端側、即ち前腕状部分の先端側に形成されている手首状部分から手状部分に至る部分に取り付けられている。これにより、操作者16が操作ロッド26を操作することにより、例えば各腕部22,22の関節状部30よりも先端側のみを屈曲させること等ができて、中空本体12の動さを一層自然に認識させることができる。また、本実施形態では、各腕部22と各脚部24が、何れも、略円形断面をもって直線的に延びる中空円筒形状とされており、曲げ強度が大きくされている。そのうえで、長さ方向の中間部分が、10〜50%程度に径寸法が小さくされた小径部分をもって上記関節状部30が構成されている。これにより、各腕部22と各脚部24が、何れも、関節状部30だけで屈曲変形されるようになっていると共に、関節状部30では任意の方向に屈曲変形させることが可能になっている。更にまた、本実施形態では、頭部20や胴部18も円形断面又は楕円形断面とされることにより、その強度が効率的に確保されている。
さらに、中空本体12の各脚部24,24は、操作者16の左右の人脚部分32,32に取り付けられており、かかる中空本体12における取付部分が、それぞれ脚取付部34,34とされている。
特に、本実施形態では、中空本体12の各脚部24,24の下端部分のそれぞれには、バンド状部材36,36が取り付けられている。このバンド状部材36,36により、中空本体12の各脚部24,24の下端部分が、操作者16の人脚部分32,32における足首部分に対して巻き付けられるようにされている。なお、かかるバンド状部材36,36の巻き付け固定手段は、何等限定されるものではないが、例えば面ファスナー等が採用され得る。このように、脚取付部34としてバンド状部材36を採用することにより、一層簡単に、中空本体12の各脚部24,24の下端部分が操作者16に取り付けられて、中空本体12の各脚部24,24の操作性を損なうおそれも低減され得る。
また、本実施形態では、中空本体12を操作する操作者16は、操作者16の全身を覆う着ぐるみ38を着用している。この着ぐるみ38において、操作者16の人顔部分40を覆う覆顔部42には、操作者16の視界を確保するための透視部44が形成されている。この透視部44は、例えば、複数の微細な透視用孔により形成されていてもよいし、透光性を有する部材で形成されて、覆顔部42に嵌め込まれる等してもよい。なお、例えば、図1に示されている着ぐるみ38においては、着ぐるみ38頭部の目に相当する部分が透視部44,44とされている。このような透視部44を形成することにより、操作者16が中空本体12をより安全に操作することができる。
ここにおいて、操作者16の人胴部分46には装着部48が装着されている。そして、この装着部48が操作者16の人胴部分46に装着されることによって、中空本体12が、操作者16に担われるようにして移動可能とされている。
さらに、中空本体12には、胴部18に沿って、硬質材製の支柱部材50が設けられている。また、中空本体12の胴部18を構成する外郭層14には、支柱部材50を取り付ける取付部材が設けられている。そして、かかる支柱部材50の下部が装着部48に固定されることにより、中空本体12が操作者16に担われるようにされている。
更に、本実施形態では、一対の支柱部材50,50が設けられており、それぞれが所定長さのロッド形状とされている。これらの支柱部材50,50の先端は、中空本体12において、胴部18の高さ方向中央よりも上方に位置しており、例えば、中空本体12の頭部20まで至っていてもよい。これにより、中空本体12の形状安定性を一層維持され易くできる。
また、本実施形態の装着部48は、硬質材製のベース部材54を有しており、このベース部材54は矩形板状とされている。そして、両支柱部材50,50の下部がベース部材54の上部に固定されている。換言すれば、ベース部材54の上部からは、一対の支柱部材50,50が上方に延び出して配設されている。なお、例えば、支柱部材50やベース部材54は、アルミニウム合金等の金属材や、必要に応じて繊維補強された合成樹脂材等が好適に採用され得る。
具体的には、ベース部材54の上部には、一対の支柱固定部56,56が設けられている。両支柱固定部56,56はそれぞれベース部材54と同様の硬質材により形成されており、有底円筒形状とされている。そして、これらの両支柱固定部56,56はベース部材54の幅方向(図3中の左右方向)において、所定距離を隔てて対向配置されている。また、両支柱固定部56,56における上面の高さ位置は、ベース部材54の上面と等しくされている。これらの支柱固定部56,56の円形凹所の内径寸法は支柱部材50の外径寸法と略等しくされており、かかる円形凹所の開口部から、支柱部材50,50の各一方の端部が挿通されることにより、ベース部材54に対して支柱部材50,50が固定されている。なお、本実施形態では、両支柱固定部56,56は、ベース部材54に対して、複数箇所において、結束バンド58で固定されているが、溶着や接着等の手段により固定されてもよい。
また、本実施形態では、取付部材は、中空本体12の胴部18から上部または頭部20を構成する外郭層14の内面に複数設けられている。この取付部材は、例えば外郭層14と同じ材質で形成された矩形状を有している。取付部材は、上端取付部材59aと中間取付部材59bにより構成されている。そして、上端取付部材59aは、支柱部材50の先端位置と対応する位置で、下方を除く三方において、接着や縫合等により外郭層14内面に固着されている。これにより、外郭層14の内面と上端取付部材59aが下方に開口する袋形状を構成している。一方、中間取付部材59bは、支柱部材50の中間部分と対応する位置において、上下方向を除く側方二方で、接着や縫合等により外郭層14内面に固着されている。これにより、外郭層14の内面と中間取付部材59bが上下方向に開口する筒形状を構成している。そして、装着部48のベース部材54から上方に延び出す支柱部材50,50の各他方の端部が、中空本体12の股間状部分および中間取付部材59bを貫通して、袋形状を構成する上端取付部材59aの内部に挿通される。かかる上端取付部材59aの位置を変更することにより支柱部材50の先端位置が変更せしめられて、これにより、ベース部材54に対して胴部18の高さ方向における相対的な離隔距離が変更可能とされている。なお、かかる支柱部材50,50の外郭層14内面への取付けについては、例えば中空本体12の胴部18の背面(背中状部分)に形成されたファスナー60等を開いて取り付けることにより実現され得る。尤も、取付部材は、外郭層14の外面に設けられていてもよく、支柱部材50,50の各他方の端部が中空本体12の外面側から胴部18に取り付けられていてもよい。また、取付部材は、上端取付部材59aおよび中間取付部材59bが一体とされた袋構造であってもよい。
さらに、本実施形態では、両支柱固定部56,56の上面に対して支持筒部62が接着等の手段により固定的に取り付けられている。一方、両支柱部材50,50の下部には締付キャップ64が外挿されている。具体的には、この支持筒部62は段付きの円筒形状とされており、段差部分より上側が小径とされた小径筒部とされている。また、締付キャップ64は円筒形状とされており、中央に貫通孔が形成されて支柱部材50が内挿されている。そして、支柱部材50の下端部分が支持筒部62を貫通して支柱固定部56に挿通されると共に、支持筒部62の小径筒部に対して締付キャップ64が外挿されることにより、更に確実に支柱部材50がベース部材54に対して固定されるようになっている。特に、支持筒部62における小径筒部および締付キャップ64の内周面には、雄ねじおよび雌ねじが形成されており、支持筒部62および締付キャップ64が螺着され得るようにされている。
なお、支柱部材50は、中空本体12から取り外し可能とされていると共に、長さ方向で分割構造とされている。本実施形態では、支柱部材50は複数の短い筒状体から構成されており、これら複数の筒状体の両端部分が連結部材65により連結されて支柱部材50が形成されている。この連結部材65には、長さ方向両端部分に、筒状体の外径寸法に応じた凹部が形成されており、連結部材65に支柱部材50を嵌め込むことにより、隣り合う筒状体が連結されるようにされている。このように、支柱部材50を分割構造とすることにより、支柱部材50が短く収容可能とされている。
さらに、中空構造体10には、中空本体12の内部へ空気を送り込む送風機66が設けられている。この送風機66は、例えば中空本体12の外部に設けられてホース等を通じて中空本体12の内部へ空気を送り込む等してもよいが、本実施形態では、中空本体12の内部に設けられている。特に、本実施形態では、送風機66は一対の支柱部材50,50によって支持されており、中空本体12内部の股間状部分に設置されている。そして、中空本体12の股間状部分を構成する外郭層14に貫通形成された給気口68を通じて、送風機66により、中空本体12の外部から内部へと空気を送り込むことが可能となっている。このように、送風機66が支柱部材50,50に支持されることにより、中空本体12内部に一層安定して配置される。なお、支柱部材50による送風機66の支持手段は何等限定されるものではないが、例えば結束バンドや面ファスナー等で取り外し可能に支持されることが好ましい。
また、本実施形態では、送風機66を駆動させるための駆動用バッテリー70とスイッチ72がベース部材54に取り付けられており、送風機66と駆動用バッテリー70、および駆動用バッテリー70とスイッチ72が相互に電気的に接続されている。これにより、スイッチ72を操作することで、駆動用バッテリー70から電力が供給または供給が停止されて送風機66の運転と停止を切り換えることができる。なお、かかる駆動用バッテリー70およびスイッチ72は、ベース部材54に対して、複数箇所において、結束バンド58により固定的に且つ取り外し可能に支持されるようになっている。これにより、駆動用バッテリー70の充電や交換が更に容易に実現され得る。
なお、本実施形態では、装着部48は、収納ケース74の内部に収納されており、操作者16が収納ケース74を背負うことにより、操作者16に対して装着部48が装着されている。そして、例えば収納ケース74のカバーは蝶番構造とされており、カバーを開けることによって、装着部48の内部に設置された駆動用バッテリー70等の調節や交換、またはスイッチ72の操作が容易に可能とされている。または、スイッチ72を収納ケース74の外面に取り付けることにより、カバーを開けることなくスイッチ72を操作することができて、更に容易に操作され得る。
次に、図4〜6には、本実施形態の中空本体12が設置スタンドとしての設置用三脚76に設置されている状態が示されている。本実施形態の中空構造体10では、設置用三脚76を使用することにより、中空本体12が操作者を必要とせずに起立状態で支持可能とされている。なお、このような設置状態においては、中空本体12の各脚部24,24が地面に接していることが好ましいが、地面から離れていてもよい。
かかる設置用三脚76は、従来公知の折畳式の三脚と基本的な構造は同じであるため、詳細な説明は省略するが、台座78と、台座78の中央下部から下方に延び出す中央支柱80と、台座78に一方の端部が揺動可能に固定された三本の接地脚部82,82,82を含んで構成されている。また、各接地脚部82の長さ方向中間部分と中央支柱80の下端部は接続部材84で連結されており、設置用三脚76の使用時には、接続部材84により各接地脚部82の他方の端部が地面に当接した状態で維持されるようにされている。更に、設置用三脚76の非使用時には、各接地脚部82が中央支柱80側に揺動して折り畳まれるようになっている。なお、折畳式の三脚は、上記の如き接地脚部82を揺動可能として折り畳む態様に限定されず、例えば、接地脚部が長さ方向で伸縮可能とされてもよい。
さらに、台座78の中央上部には所定長さの支持ロッド86が固定されて、支持ロッド86が上方に延び出している。また、装着部48のベース部材54の幅方向中央部分には、上下方向に延びる固定筒部材88が配設されている。この固定筒部材88は、ベース部材54と同様の材質とされて、円筒形状とされている。また、固定筒部材88の下端面とベース部材54の下端面が略同じ高さ位置とされている一方、固定筒部材88の上端面はベース部材54の上下方向中間部分に位置している。そして、支持ロッド86が固定筒部材88の中央貫通孔に挿通させられることによって、装着部48、および装着部48に取り付けられている中空本体12を設置用三脚76に対して取り付けることが可能とされている。なお、かかる固定筒部材88はベース部材54に対して結束バンド58により固定されているが、接着や溶着等により固着されていてもよい。
更にまた、かかる装着部48の設置用三脚76への取付時には、支持ロッド86の先端はベース部材54の上端よりも上方まで至っている。ここにおいて、ベース部材54上面の幅方向中央部分には、上述の支持筒部62と同様の構造とされた中央支持筒部90が固設されており、中央支持筒部90の中央貫通孔に対して支持ロッド86が挿通されている。そして、支持ロッド86の先端には、中央キャップ92が取り外し可能に取り付けられている。この中央キャップ92は、締付キャップ64と同様の形状とされており、中央支持筒部90に対して中央キャップ92を螺着させることによって、支持ロッド86の先端に対して中央キャップ92が取り外し可能に取り付けられている。
従って、設置用三脚76の使用時には、装着部48が設置用三脚76へ取り付けられる。即ち、設置用三脚76の支持ロッド86を、ベース部材54に取り付けられた固定筒部材88の中央貫通孔に対して下方から挿入する。そして、固定筒部材88を貫通した支持ロッド86の先端が中央支持筒部90の中央貫通孔を貫通した時点で、支持ロッド86の先端に対して中央キャップ92を取り付けて、中央支持部材90の小径筒部を中央キャップ92の外側の円筒に対して螺着させる。これにより、地上に載置された設置用三脚76に対して、装着部48が取り付けられる。
また、設置用三脚76の使用後は、中央支持筒部部材90と中央キャップ92との嵌合を解除して、中央キャップ92を取り外すことにより、支持ロッド86が装着部48から抜き取られ得る。従って、これら支持ロッド86と中央キャップ92により、装着部48のベース部材54に対して取付けおよび取外しが可能な着脱部が形成されている。即ち、ベース部材54を設置用三脚76を取り付けるために巧く利用することができて、中空本体12に対して設置用三脚76を取り付けるための部分を別途設ける必要がなく、構造が簡単とされ得る。
更に、図4に示されているように、中空本体12を設置用三脚76に設置する場合には、例えば操作ロッド26の把持部28側の端部を、装着部48に固定したり、地面に固定したりすることにより、中空本体12を特定のポーズで静置させることも可能である。
上述の如き構造とされた本実施形態の中空構造体10は、例えば、以下に示す如き操作方法によって操作される。
まず、空気が注入されていない状態の中空本体12内部の上端及び中間取付部材59a,59bに対して支柱部材50,50の一方の端部を挿入する。その後、支柱部材50,50のそれぞれの他方の端部側の所定位置に対して、締付キャップ64,64を外挿する。そして、支柱部材50,50の他方の端部を、装着部48に固定された支柱固定部56,56に挿入して、支持筒部62,62と締付キャップ64,64を螺着させる。これにより、中空本体12に対して装着部48が取り付けられる。かかる状態で送風機66を作動させて、風船状構造とされた中空本体12の内部に対して、給気口68を通じて外部から空気を送り込み、中空本体12を膨らませる。なお、このような中空本体12内部への空気の注入は、例えば中空本体12および装着部48を設置用三脚76に取り付ける等して実施されることが好ましい。
中空本体12への空気の注入後、操作者16は着ぐるみ38を着用して、装着部48が収納された収納ケース74を背負うことで、操作者16が中空本体12を担う状態とされる。即ち、中空本体12の胴部18の下方において、左右の脚部24,24間である股間状部分に操作者16の人顔部分40が位置するようにされる。そして、中空本体12の各腕部22,22に取り付けられた操作ロッド26,26の把持部28,28を操作者16が把持すると共に、各脚部24,24の下端部分に取り付けられたバンド状部材36,36が操作者16の足首に巻き付けられることにより、操作者16が中空本体12を安定して支持することが可能となる。また、着ぐるみ38は、操作者16の全身を覆うものであることから、外部から操作者16が直接見えないようにされている。
かかる状態で、中空本体12の各腕部22,22に取り付けられた操作ロッド26,26を操作者16が手で操作することにより、中空本体12の各腕部22,22が操作される。
上述の如き操作方法で操作される本実施形態の中空構造体10は、操作者16が担うように配置されて、操作者16の移動と共に移動可能とされる。また、操作ロッド26,26を手で操作するという簡単な操作により中空本体12の各腕部22,22を操作することができて、中空本体12の多様な動作が実現され得る。特に、中空本体12の動作を実現するために複雑な電子制御装置等が必要とされず、構造が簡単であることから、操作者16が操作方法を習熟する必要もない。更に、電子制御装置等による操作に比して、中空本体12が一層滑らかに動作し得ることから、看者が中空構造体10に対して一層親しみやすくなる。
また、操作ロッド26および支柱部材50の長さ寸法がそれぞれ分割構造とされており、操作者16の体格や中空本体12の形状に合わせて調節可能とされている。これにより、操作者16が限定されるというおそれや、操作ロッド26が長すぎたり短すぎたりして中空本体12の腕部22を操作できないというおそれが低減され得る。また、中空構造体10の非使用時には、中空本体12から操作ロッド26および支柱部材50を取り外して短くすることができることから、操作ロッド26および支柱部材50の収納や運搬が容易に実施され得る。
さらに、中空本体12が風船状構造とされていることから、内部の空気を排出することにより小さく折り畳むことができる。即ち、中空構造体10は複数のパーツ、例えば中空本体12、操作ロッド26、支柱部材50、装着部48に分割することができて、各パーツがコンパクト化可能であったり、容易に運搬可能であったりすることから、中空構造体10自体の収納や運搬が容易に実施され得る。
また、本実施形態では、装着部48に硬質材製のベース部材54が設けられており、このベース部材54に対して、両支柱部材50,50、ひいては中空本体12が取り付けられることから、中空本体12の形状が一層安定して確保され得る。特に、このような硬質材製のベース部材54を採用することにより、操作者16がベース部材54を安定して背負うことができることから、例えば突風等により中空本体12が転倒するおそれが一層低減されて、更なる安全性の向上も図られ得る。
さらに、本実施形態では、設置用三脚76を利用することにより、中空本体12が操作者16を必要とせずに起立状態で支持可能とされている。これにより、例えば中空本体12を同じ場所に長時間設置することができて、多くの看者に認識され易くすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、1つの送風機66が一対の支柱部材50,50に支持されて中空本体12の股間状部分に配置されていたが、かかる態様に限定されない。具体的には、図7に示されているように、一対の送風機94,94が中空本体12における左右脚部24,24の内部に取り付けられていてもよい。このように、送風機を複数設けることにより、送風量を十分に確保することができると共に、送風機を小型化することができて、送風機により生じる熱や騒音を低減させることができる。なお、送風機の個数や設置場所は何等限定されるものではないが、中空本体12の重心を低くすることができることから、中空本体12の下部、特に左右脚部24,24に設けることが好適である。また、中空本体12の脚部24のように、操作者16から離れた位置に設置することによって、送風機から生じる熱や騒音による操作者16の不快感が軽減され得る。
また、図7に示されているように、中空本体12の内部には、発光体96が設けられていてもよい。このような発光体96としては、何等限定されるものではないが、例えば発光ダイオード(LED)が好適に採用される。ここにおいて、中空本体12の材質として光透過性を有するものを採用することにより、中空本体12の外郭層14を透過して外部にまで発光体96の光を照射することができて、夜間でも看者が中空構造体10を認識することが容易とされ得る。なお、かかる場合には、中空本体12の全体が光透過性を有する材質により形成される必要はなく、部分的に光透過性を有する材質で形成されることにより、例えば文字を浮かび上がらせること等が可能となる。また、発光体96は中空本体12の外部に設けられてもよい。
さらに、前記実施形態では、操作者16は着ぐるみ38を着用していたが、図8に示されているように、着ぐるみを着用しなくてもよい。これにより、操作者16の動きを着ぐるみによって制限されることがなく、一層自然に中空本体12を操作することができる。
また、前記実施形態では、中空本体12の外郭層14に塗装が施されて、図1や図4に示されている中空本体12が衣服を着用しているような外観が形成されているが、例えば、図9に示されているように、塗装を施していない中空本体12に対して、取り外し可能な付加部品としての衣服98を装着してもよい。このような付加部品を採用することにより、共通の中空本体12に対して状況に応じた衣服98を装着することができて、様々な中空本体を製造する必要がない。なお、付加部品は衣服に限定されず、中空本体12にプラカードを保持させたり、帽子を着用させる等、付加部品は中空本体12に対して取り外し可能とされていればよい。また、付加部品は、中空本体12が膨らむことを妨げるものではなく、外郭層14による風船状構造が維持され得る。
更にまた、図9に示されているように、着ぐるみに代えて、または着ぐるみに加えて、操作者16の人顔部分40を覆う覆顔部42として、シートが設けられていてもよい。図9中では、このシートは中空本体12の股間状部分に取り付けられており、操作者16の人顔部分40を覆っている。そして、かかるシートは、例えばメッシュ状の構造を有しており、操作者16の視界が確保されている。なお、このシートは全体がメッシュ構造とされて、シート全体が操作者16の透視部44とされてもよいが、操作者16の眼前のみがメッシュ状構造とされた透視部44とされてもよい。なお、図9中では、このシートは、例えばスカートのような衣服98の一部とされており、取り外し可能とされた付加部品とされている。
また、操作ロッドや支柱部材は、必ずしも完全に分割可能とされる構造でなくてもよい。完全に分割可能とされない構造の場合、例えばロッドアンテナ等のように、伸縮可能なテレスコピック構造でもよいし、ピン等で連結された折曲げ部分をスリーブで覆って伸長状態に保持可能にした構造等、公知の構造が任意に採用され得る。なお、操作ロッドや支柱部材が完全に分割可能とされて、端部で嵌合連結される場合には、連結される端部同士をワイヤ等で接続して、ばらばらにならないようにすることも可能である。
さらに、前記実施形態では、中空本体12は、人型とされて、胴部18、頭部20、一対の腕部22,22、一対の脚部24,24を備えていたが、人型に限定されるものではない。例えば、中空本体12が、左右で3本以上の腕部や脚部を備えていてもよい。かかる場合には、特定の腕部に操作ロッドが取り付けられるようにしてもよいし、全ての腕部に操作ロッドを取り付けて、操作する腕部を選択等できるようにすることもできる。なお、中空本体12は、胴部と頭部や腕部と脚部が明確に区別されるものでなくてもよいし、複数の頭部等を有している仮想動物などであってもよい。
また、前記実施形態では、上端取付部材59aの取付位置に応じて、ベース部材54に対して胴部18の高さ方向における相対的な離隔距離が変更可能とされていたが、ベース部材54から突出する支柱部材50の長さ寸法を調節することにより、かかる離隔距離を変更可能としてもよい。即ち、支柱部材50が分割構造とされていることにより、支柱部材50の長さが容易に変更可能とされている。これにより、ベース部材54に対する支柱部材50の高さ位置、即ち支柱部材50の上端位置を調節することができる。この結果、中空本体12を操作者16が担いで操作する状態での中空本体12の股下寸法が変化することとなり、操作者16の身長等に応じて股間状部分の高さ位置が調節可能とされる。なお、中空本体12の立位での股下寸法の変化は、各脚部24,24の関節状部分30,30の屈曲によって、吸収および対応され得ることから、外観上で大きな違和感を生じることもない。
更にまた、前記実施形態では、設置スタンドは折り畳み可能な三脚構造とされていたが、かかる構造に限定されるものではない。例えば、折り畳み不能な三脚構造とされてもよいし、コンクリートブロックから支持ロッドが上方に延び出すような簡単な構造であってもよい。また、このような設置スタンドにキャスター等を設けることにより、設置スタンドに中空本体12を支持した状態で、設置スタンドと共に中空本体12を移動させることも可能である。
また、前記実施形態では、脚取付部34としてバンド状部材36が採用されていたが、ベルトや紐等が採用されてもよい。更に、バンド状部材36により人脚部分32の足首に固定されていたが、足の甲等に固定されてもよい。或いは、脚取付部として、中空本体12における脚部24,24の下端部に対して、操作者16の足先を差し入れる構造が採用されてもよい。
さらに、前記実施形態では、2本の支柱部材50,50が採用されていたが、1本或いは3本以上でもよい。尤も、支柱部材はロッド状である必要はなく、例えば板状とされていてもよい。
更にまた、送風機を駆動させるスイッチは、操作者による16による操作性を考慮してその位置や構造を適宜に変更することが可能である。例えば、ペンダントスイッチを用いて、操作者16の側方や前方に配したり、無線式のスイッチを用いて操作者16のポケットに装備させることも可能である。
また、中空構造体10には、例えばスピーカー等の音出力装置を設けることが可能である。この音出力装置は、例えば操作者16が担う収納ケース74内に収納されたり、中空本体12の内部または外部に設置することが可能である。また、かかる音出力装置は、予め記憶された音声や音楽等をスピーカーを通じて出力する他、マイク等の音入力装置を併せ備えて、音入力装置から入力された音声などを必要に応じて増幅して、音出力装置のスピーカーから出力するものであっても良い。これにより、例えば操作者16の声をワイアレスマイクを通じて外部に発信したり、予め録音されたコメントや音楽、広告ガイダンス等のあらゆる音響効果を外部に発信可能とされ得る。その結果、中空構造体10の動作による視覚的効果だけでなく、音声による聴覚的効果により、看者の注目を得ることができる。なお、スピーカーや増幅器等を含む音出力装置は、中空本体12の内部に埋め込んだり、外部に装着する他、図3等に例示されているように、かかる音出力装置100を、ベース部材54に対して固定的に取り付けて支持させることもできる。
10:中空構造体、12:中空本体、14:外郭層、16:操作者、18:胴部、20:頭部、22:腕部、24:脚部、26:操作ロッド、28:把持部、30:関節状部、32:人脚部分、34:脚取付部、36:バンド状部材、38:着ぐるみ、40:人顔部分、42:覆顔部、44:透視部、46:人胴部分、48:装着部、50:支柱部材、54:ベース部材、59a:上端取付部材、59b:中間取付部材、66,94:送風機、70:駆動用バッテリー、76:設置用三脚(設置スタンド)、96:発光体、98:衣服(付加部品)、100:音出力装置
Claims (20)
- 軟質材製の外郭層からなる風船状構造とされて、胴部と頭部と左右の腕部と左右の脚部とを有する中空本体と、
該中空本体の内部へ空気を送り込む送風機と、
前記中空本体の前記胴部に沿って配される硬質材製の支柱部材と、
該支柱部材を前記胴部を構成する前記外郭層へ取り付ける取付部材と、
前記支柱部材の下部に設けられて、操作者の人胴部分に装着可能とされており、該操作者の人胴部分に装着されることによって前記中空本体を該操作者が担うようにして移動可能とする装着部と、
前記中空本体の前記左右の腕部に対してそれぞれ一端側が取り付けられると共に他端側が前記操作者の把持部とされた左右の操作ロッドと、
前記中空本体の前記左右の脚部をそれぞれ前記操作者の左右の人脚部分に取り付け可能とする左右の脚取付部と
を含んで構成されており、且つ、
前記左右の操作ロッドが前記中空本体の前記左右の腕部から取り外し可能とされていると共に長さ方向で分割構造とされて短く収納可能とされており、更に、
前記支柱部材が前記中空本体の前記胴部から取り外し可能とされていると共に長さ方向で分割構造とされて短く収納可能とされている
ことを特徴とする操作可能な中空構造体。 - 前記装着部が硬質材製のベース部材を有しており、該ベース部材から上方に延び出して前記支柱部材が設けられている請求項1に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記支柱部材に取り付けられる前記胴部において、前記ベース部材に対する該胴部の高さ方向の相対的な離隔距離が変更可能とされている請求項2に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記ベース部材によって、前記送風機の駆動用バッテリーが固定的に且つ取り外し可能に支持されるようになっている請求項2又は3に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記装着部に対して取り付けおよび取り外し可能な着脱部を備えた設置スタンドが設けられており、地上に載置された該設置スタンドの該着脱部に対して該装着部を取り付けることにより、前記中空本体が操作者を必要とせずに起立状態で支持可能とされている請求項1〜4の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記装着部が硬質材製のベース部材を有しており、該ベース部材から上方に延び出して前記支柱部材が設けられている一方、該ベース部材に対して前記設置スタンドの前記着脱部が取り付け可能とされている請求項5に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記中空本体の内部に発光体が収容配置されており、該中空本体の外郭層を透過して外部にまで該発光体の光が照射されるようになっている請求項1〜6の何れか1項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記中空本体の前記外郭層による風船状構造を維持しつつ該中空本体の外部に対して取り外し可能とされた付加部品が装着されている請求項1〜7の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記送風機が、前記支柱部材によって支持されている請求項1〜8の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記送風機が複数設けられている請求項1〜9の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記複数の送風機が前記左右の脚部のそれぞれに位置して設けられている請求項10に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記操作者の少なくとも顔部分を覆う覆顔部が、該操作者の透視部をもって設けられている請求項1〜11の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記覆顔部として、前記中空本体において前記左右の脚部の各上端部分が前記胴部に対して接続された股間状部分を覆うようにしてシートが設けられている請求項12に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記覆顔部が、前記操作者の顔部分に加えて人胴部まで覆う着ぐるみによって構成されている請求項12に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記支柱部材が、前記中空本体の高さ方向で前記胴部の半分よりも上方まで延びている請求項1〜14の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記左右の脚取付部が、前記中空本体の前記左右の脚部の下端部分にそれぞれ取り付けられて前記操作者の左右の人脚の足首部分に巻き付けられるバンド状部材によって構成されている請求項1〜15の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記左右の腕部と前記左右の脚部とにおいて、長さ方向の中間部分が絞られることにより屈曲可能な関節状部が設けられている請求項1〜16の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記中空本体と前記装着部との少なくとも一方に取り付けられたスピーカーを含んで音出力装置が設けられている請求項1〜17の何れか一項に記載の操作可能な中空構造体。
- 前記操作者の声を入力するマイクロフォンを含んで音入力装置が設けられており、該音入力装置から入力された操作者の声が前記音出力装置の前記スピーカーから出力されるようになっている請求項18に記載の操作可能な中空構造体。
- 胴部と頭部と左右の腕部と左右の脚部とを有する軟質材製の外部層からなる風船状構造の中空本体を用い、外部から空気を送り込んで該中空本体を膨らませた状態で、操作者が該胴部を支持せしめつつ、前記左右の腕部に取り付けられた左右の操作ロッドを該操作者が手で動かして操作する中空構造体の操作方法であって、
前記中空本体の前記胴部の下方において前記左右の脚部間に位置する股間スペースに着ぐるみを配し、該着ぐるみに前記操作者が入ることで外部から該操作者が直接に見えないようにした状態で前記左右の操作ロッドを操作することを特徴とする中空構造体の操作方法。
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