JP2015029423A - 水耕栽培装置及び方法 - Google Patents

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将 中嶋
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Abstract

【課題】水または培養液及び光源の重量が大きいことに基づき、栽培棚を積層する段数が制約される、もしくは、栽培用建物の強度を得るためにコスト高になるという問題を解消する。
【解決手段】給水路に逐次に給水していく。これによって給水路に満水状態と小水状態を持たせることによって水または培養液の総量を減らす。また、少ない光量で栽培することを可能として光源の重量を減らす。このために、栽培ボードと給水路の水面との間において根に二酸化炭素を吸収させ、水流によって根を揺らす。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物、特に野菜類を水耕栽培する装置及び水耕栽培する方法に関するものである。
栽培用建物内で土壌及び太陽光線を利用せずに植物を育成する水耕栽培においては、例えば特許文献1に示されるように栽培される植物を保持する栽培ボードを多段に積層することで、栽培室の面積が小さくても多量の植物を栽培することができる。
栽培ボードを積層すると、単位面積当たりの栽培装置の重量が大きくなる。このため、栽培用建物の強度に起因して積層段数を少なくせざるを得ないことがあった。栽培装置の重量を大きくする要因としては、栽培ボードの下に配置されて植物の根に養分を与えるための水または培養液の重量が主なものであり、栽培ボードの上に配置されて植物に光を与えるための光源の重量も問題となった。
特許文献2には、貯留槽に培養液を循環させ、貯留槽の容積を小さくすることによって培養液の重量、ひいては栽培装置全体の重量を小さくした栽培装置が開示されている。
しかし、この栽培装置によっても、培養液の重量を、貯留槽の容積及び培養液の比重によって定まる重量よりも小さくすることはできない。
また、光源の重量は、植物を育成させるための光量を確保するために必要なものであり、光源装置自体の技術進歩を除けば、光量を減少させることによってのみ小さくすることができる。この栽培装置は、光量を減少させるものではなく、光源の重量は小さくなっていない。
特許文献3には、ニンニクの根を栽培するために、ニンニクの茎と培養液との間に間隔を空ける方法が開示されている。根の先端部を培養液の水面につけ、他の部分は外気に触れさせていることで、ニンニクの根の収量が良い。特許文献3には記載されていないが、この方法によれば、間隔を空ける分だけの培養液の量を減らして栽培装置全体の重量を小さくすることが可能である。
しかし、この方法は「根」の栽培に係るものであり、レタス等の「葉」を栽培する方法として根部を外気に触れさせることの効果は知られていなかった。
特公平6−61190号公報 特開2006−262750号公報 特開2010−063414号公報
解決しようとする課題は、水または培養液の重量が小さく、光源の重量が小さい水耕栽培装置を提供することである。
また、発明の実装の形態により、植物育成のためのジベレリン酸を被育成植物に分泌させる栽培装置を提供することである。
レタス等のいわゆる葉物野菜を含む広範な水耕栽培において短期に被栽培植物を育成できるような、小水量、小光量の水耕栽培装置及び方法を実現するにより、上記問題を解決する。
具体的には、従来と同様の根部全体への水(培養液を含む)の供給と特許文献3のような根の一部を外気に触れさせるような水の供給とを繰り返すことで、小水量、小光量の水耕栽培が可能となった。
また、出願人の実験によれば、植物成長ホルモンであるジベレリン酸を被栽培植物に貯蔵させるためには紫外線の照射と二酸化炭素の供給、が効果的であり、被育成植物に分泌させるためには、被育成植物の根を揺動させることと被育成植物の根を二酸化炭素に接触させること、が効果的である。これらを実現する水耕栽培装置及び方法により、上記問題を解決する。
本発明の水耕栽培装置は、
上面視略長方形の栽培ボードと、前記栽培ボードの上方に設けられた光源と、前記栽培ボードの下方に設けられた給水路とを備える栽培棚を2以上の段数に積層した水耕栽培装置であって、
前記給水路は前記長方形の長辺に沿って前記栽培ボードの下方に設けられ、
1段の給水路の水がその下段の給水路に流れることの有無を制御する水流制御機構を備え、
前記水流制御機構は、各段の給水路について十分に水を供給した満水状態と少量の水を供給した又は水を供給しない小水状態との両方を実現することを特徴とする。
この特徴により、本発明の水耕栽培装置は、積層された給水路の全部または一部を小水状態とすることができ、積層された給水路全体の水の総量を、全ての給水路が満水状態である従来技術よりも減らすことができる。したがって、水耕栽培装置の重量を減少させることができる。
なお、「水」とは、栄養分を含まない通常の水に加えて、肥料等が溶解した培養液をも含む。
本発明の水耕栽培装置は、
前記水流制御機構は、電気的に制御される弁であることを特徴とする。
電気的に制御される弁によって水流を制御する。
本発明の水耕栽培装置は、
前記水流制御機構は、給水路の水位が所定値以上の場合に通水するサイホンであることを特徴とする。
サイホンによって水流を制御することも可能である。
本発明の水耕栽培装置は、
前記水流制御機構は、前記給水路のうちの所定の数又はそれ以上の小水状態の給水路が含まれるようにすることを特徴とする。
この特徴により、本発明の水耕栽培装置は、少なくとも所定の数の給水路に従来技術によれば余分に供給されていた水の重量(満水状態と小水状態の水の重量の差)の分だけ、水耕栽培装置の重量を減少させることができる。所定の数を設計して、水耕栽培装置の総重量を制御することができる。
本発明の水耕栽培装置は、
前記各給水路について、
前記満水状態を継続することと、
前記小水状態を継続することとを、
繰り返し実現することを特徴とする。
この特徴により、本発明の水耕栽培装置は、全ての給水路について、定期的に満水状態となる。被栽培植物の根部からの摂水が確実に行われる。また、定期的に小水状態となる。根が外気に接することも確実に行われる。
本発明の水耕栽培装置は、
前記小水状態は、前記栽培ボードと前記給水路の水面との間に50mm以上の空隙があることを特徴とする。
この特徴により、根を外気に接触させる。ジベレリン酸を被栽培植物に貯蔵・分泌させるために、外気中の二酸化炭素等を活用することができる。また、空気中の窒素を水に吸収させて肥料分とすることができる。
本発明の水耕栽培装置は、
1段の給水路が前記小水状態から前記満水状態に遷移する際に、
前記水流制御機構は、該給水路において、上段の給水路から流入する水が該給水路の両端に到達するために要する時間の4倍以上の時間にわたって下段の給水路への排水を行わないことを特徴とする。
この特徴により、1段の給水路内で水が往復し、被育成植物の根を4回以上揺動させる。そして、ジベレリン酸を被栽培植物に分泌させる。
本発明の水耕栽培装置は、
前記各給水路について、
前記小水状態の継続時間が前記満水状態の継続時間の10倍〜25倍であることを特徴とする。
出願人の実験によれば、前記小水状態の継続時間が前記満水状態の継続時間の10倍〜25倍である場合に、被栽培植物の生育が最も速くなる。小水状態の給水路の数が多く、水耕栽培装置の総重量が小さくなる。
本発明の水耕栽培装置は、
前記光源は直線状の蛍光灯であり、
前記栽培ボードは複数の栽培ポットを長辺と平行に配して保持するものであり、
前記蛍光灯は前記栽培ポットの中心の真上に設けられることを特徴とする。
蛍光灯の光は紫外線を含み、ジベレリン酸を被育成植物に貯えるために効果的である。
また、全ての栽培ポットの中心に真上からの光が当たる。新芽の育成に効果が高い。
本発明の水耕栽培装置は、
前記栽培ボードの前記光源の直下の箇所の照度が10,000ルクス以下であることを特徴とする。
この特徴により、本発明の水耕栽培装置は、光量を減少させることができ、光源の重量を小さくすることができる。また、光源装置のコストや電気代を節約することができる。
水耕栽培においては被栽培植物の生育段階に応じて光量を調節するが、太陽光を併用しない場合には最大照度として10,000ルクスを超える照度が必要であった。しかし、後述の実施例に示すように、本発明の水耕栽培装置においては、10,000ルクス以下の最大照度であっても被栽培植物を十分に育成することができる。ジベレリン酸の貯蔵に必要な光量が照射されているためである。
本発明の水耕栽培方法は、
前段落までに述べた特徴を持つ水耕栽培装置を用いることを特徴とする。
したがって、本発明の水耕栽培方法は、前段落までに述べた水耕栽培装置による効果を得ることができる。
本発明の水耕栽培方法は、
前記水耕栽培装置を閉空間内に設置し、前記閉空間の二酸化炭素の濃度を1000〜1500PPMとすることを特徴とする。
ジベレリン酸を被育成植物に分泌させるためには、根を1000〜1500PPMの二酸化炭素に接触させることが好ましい。
本発明の水耕栽培方法は、
前記栽培ポットが前記栽培ボードに1列に並べて配置され、該栽培ポットの配置される位置を被栽培植物の栽培中に入れ替えることを特徴とする。
給水路に通水又は排水して満水状態又は小水状態を実現する過程において、その給水路の上の栽培ボードに並べられた栽培ポットの被栽培植物への給水時間は、給水路の上流側と下流側とで異なり得る。上流側が先に給水され後に排水されるためである。栽培ポットの配置される位置を被栽培植物の栽培中に入れ替えることにより、栽培期間全体の平均ではかかる異なりを解消し、各栽培ポットへの給水を正確に制御することができる。
本発明の水耕栽培方法は、
前記栽培ポットを栽培初期から栽培後期の順に前記栽培ボードに1列に並べて配置し、栽培後期の栽培ポットを除去すると共に該栽培ボードの反対側に栽培初期の栽培ポットを追加し、中間の栽培ポットを順次移動させることを特徴とする。
順次の移動はランダムな移動よりも容易で誤りが少ない。また、常に栽培ボードの片側の端から新たに栽培するための栽培ポットを追加し、反対側の端から出荷するための栽培ポットを取り出すことができ、出荷作業が容易である。
本発明の水耕栽培方法は、
1つの栽培ポット当たりの被栽培植物の株数が栽培初期から栽培終期に向けて減少し、前記順次移動に当たり、移動させる栽培ポットの被栽培植物を間引く、又は、株数の少ない他の栽培ポットに選定された株を移動して栽培ポットを該他の栽培ポットに入れ替えることを特徴とする。
被栽培植物の生育に従い、1つの栽培ポットで育成できる被栽培植物の株数が減少することに対応するものである。
本発明の水耕栽培装置及び水耕栽培方法は、使用する水の量が少なく栽培装置全体の重量が小さくなる。また、使用する光量が少なく光源の重量が小さくなることで栽培装置の重量が小さくなる。
したがって、本発明の水耕栽培装置及び水耕栽培方法を用いれば、栽培用建物の強度を高める必要が減少し、栽培用建物を低コストで構築できるという効果がある。あるいは、従来のものと同等強度の栽培用建物を用いて従来よりも多段数の栽培棚を設置することができ、より多くの植物を栽培できるという効果がある。
図1は、水耕栽培装置の構造を示す図である。(実施例1) 図2は、光源の位置を示す図である。(実施例1) 図3は、満水状態及び小水状態を示す図である。(実施例1) 図4は、弁の開閉の制御を示す図である。(実施例1) 図5は、サイホンを示す図である。(実施例2) 図6は、栽培ポットの入替の例を示す図である。(実施例3)
12段の栽培棚を積層した水耕栽培装置を構成し、実験により栽培効率を測定した。
なお、実施例に記載はないが、より小型化するために4段程度の栽培棚を積層した水耕栽培装置であってもよい。家庭での水耕栽培が可能となる。
図1は、本実施例に係る水耕栽培装置の構造を示す図である。
水耕栽培装置1は12段の栽培棚1a〜1lが備えられている。最上段の栽培棚1aは、栽培ボード11a、光源12a及び給水路13aを備えている。栽培ボード11aには植物を栽培する栽培ポットが置かれ、ポットの下端は給水路の中にあり、植物の根は給水路に供給された水を吸い上げることができる。給水路13aは、雨樋からなり、水が容易に流れるものである。2段目の栽培棚1b〜最下段の栽培棚1lまで同様である。
図2は、光源の位置を示す図である。図は、1段の栽培棚を上方から見た図である。光源12は、直線状の蛍光灯である。栽培ボード11には栽培ポット16が並べられ、光源12は栽培ポット16の中心の真上に配されている。
(a)のように各栽培ボードに1列の栽培ポット16を並べても、(b)のように各栽培ボードに2列の栽培ポット16を並べても、あるいは3列以上の栽培ポットを並べてもよい。いずれの場合においても、光源12を培ポットの中心の真上に設ける。
上下に隣接する2つの栽培棚の給水路13は雨樋による給水接続路4で結ばれ、上段の給水路の水が下段の給水路に流れ込むようになっている。最上段の給水路13aと2段目の給水路13bとを結ぶ給水接続路4には弁3bが設けられ、弁3bを開閉することによって最上段の給水路13aの水を2段目の給水路13bに流し込むこと、及び、最上段の給水路13aに堰き止めておくことのいずれをも実現できる。同様に、各段の給水路を結ぶ給水接続路4には弁3c〜弁3lが設けられている。この他に、水タンク2と最上段の給水路13aとを結ぶ給水路に弁3aが、最下段の給水路13lと水タンク2とを結ぶ給水路に弁3mが設けられている。弁3a〜弁3mは図示しない駆動機構によって開閉され、各段の給水路13a〜13lの水量を調節する。なお、弁3aを開いた際には、水タンク2に貯蔵された水が、図示しないポンプによって最上段の給水路13aに供給される。
図3は、満水状態及び小水状態を示す図である。図中で斜線を施した部分は給水路13の水を表す。図3(a)に示す満水状態では、給水路13の水の水面は満水状態の水面位置14であり、被栽培植物の根部21はその大半が水中にある。図3(b)に示す小水状態では、給水路13の水の水面は小水状態の水面位置15であり、被栽培植物の根部6はその先端のみが接水し他の部分は水に触れずに外気に触れている。
小水状態において水面から栽培ボード高さhは50mmである。
図4は、弁の開閉の制御を示す図である。図において、各弁に引かれた線は、上側にある時に弁が開かれ、下側にある時に弁が閉じられていることを表す。また、図の横軸方向は時間を表す。
今、最上段の給水路13aが満水状態で他の給水路は小水状態である。ここから、上から2段目の給水路13bを満水状態とし他の給水路を小水状態とするため、図4の左側のように全ての弁を開く。これにより、各給水路の水は1段下の給水路に流れる(ただし、最上段の給水路13aには水タンク2に貯蔵された水がポンプによって供給され、最下段の給水路13lの水は水タンク2に流れる。)。満水状態である最上段の給水路13aは、他の給水路よりも水量ガ多いので下段の給水路に水が流れるためにより長時間を要する。そこで、弁3bのみ、他の弁よりも長時間開いた状態にする。これにより、給水路13aの水が給水路13bに流れる。この水は弁3cが閉じることにより給水路13bに堰き止められ、給水路13bが満水状態、他の給水路が小水状態となる。
この後、図においてtで示す所定の時間の経過後に、同様にしてから上から3段目の給水路13cを満水状態とし他の給水路を小水状態とする。図4の右側は、このための弁の開閉を示す。同様の処理を逐次行い、12段の給水路のうち1段のみの給水路が満水状態で他の段の給水路が小水状態であることを満水状態となる給水路を巡回させつつ繰り返す。
全ての弁が閉じている時間(t)は、いずれかの弁が開いている時間(s)よりも十分に長い時間にする。例えば、水は1分未満で下段の給水路に流れるのでsは1分未満となり、tを10分とすることができる。このようにすることで、各給水路の小水状態の継続時間と満水状態の継続時間との比率について、sを無視してtのみによって計算して概略の値を求めることができる。本実施例においてはtの値は常に一定の「4分」とする。いずれの給水路についても満水状態が全ての給水路を一巡する12回のうち1回のみが満水状態で他の11回が小水状態となり、小水状態の継続時間は満水状態の継続時間の11倍である。
上段の給水路から小水状態の給水路に流入された水は、下段の給水路への弁が閉じているので、給水路内で往復し、根を揺動させる。tを、上段の給水路から流入する水が下段の給水路に通じる弁に到達するために要する時間の4倍以上とすることで、根を4往復させる揺動が可能となる。
なお、本実施例においては1段の満水状態を巡回させて、12段のうち1段を満水状態他の11段を小水状態として小水状態の継続時間と満水状態の継続時間との比率を制御しているが、この制御は段数に応じて変更し得る。段数が多い場合(例えば30段の場合)には満水状態の給水路を2段以上設ければよい。段数が少ない場合(例えば6段の場合)には全ての給水路が小水状態となる時間を設ければよい。
(実験結果)
上記実施例について、水耕栽培装置を設置した建物に1,250PPMの二酸化炭素を満たし、最大10,000ルクスの照度を与えてレタスに光合成を行わせて栽培したところ、種子をポットに入れて栽培を開始してから30日でおよそ200gの重量に育成することができた。二酸化炭素の濃度を、1,000PPM、1,500PPMとして場合も同様であった。
(本実施例の効果)
本実施例によれば、上記実験結果に示すように、10,000ルクス以下の照度で光合成を行わせて、短期間で植物を育成することができる。このように、給水路を常に満水状態に保たずに小水状態の時間を持たせても、植物の育成は妨げられず、むしろ少ない照度で育成することが可能となることが、本特許の出願人によって発見された。ジベレリン酸を効率的に貯蔵・分泌させたためと考えられる。
本実施例によれば、小さな重量で12段の栽培棚を積層することができる。上記実験において給水路に供給される水の重量が栽培棚1段につき約160kgである。したがって、全段の給水路に水を供給する従来方式によれば、水耕栽培装置全体の重量は、10段の栽培棚で1,600kg以上となっていた。本実施例では、小水状態においては満水状態の12分の1の水を供給する(満水状態における水面14は給水路13の底面から12cmの位置にあり、小水状態における水面15は給水路13の底面から1cmの位置にあるようにした。)ので、給水路に供給される水の重量は約260kgであり、光源、栽培ボード等を合わせた水耕栽培装置全体の重量を500kg未満にすることができる。
給水路に供給される水の重量が小さくなると、水耕栽培装置の重量に占める光源の重量が大きくなるが、本実施例によれば10,000ルクス以下の照度の光源を用いることができ、水耕栽培装置がさらに軽量になる。
本実施例は、サイホンによる水流制御機構を示すものである。他の部分は実施例1と同一であり、詳細の説明を省略する。
図5は、サイホンを示す図である。実施例1における弁3及びその上下のパイプに替えて、サイホン4が設けられている。小水状態においては、給水路の水位は、サイホンの口の高さであるh2にある。上段の給水路から通水されても、h1以下の水位であればサイホン4を介した下段の給水路への排水は行われない。水位がh1に到達すると、サイホンが流通し、下段の給水路への排水が行われる。
電気回路による制御を用いずに、水流制御機構を実現することができる。なお、最上段の給水路への通水は図示しないポンプによる。
実施例1において図4に示された制御は、給水路の容量とh1及びh2の値とを設計することで実現される。
本実施例は、栽培ポットの入替えに係るものである。水耕栽培装置は実施例1と同一である。
図6は、栽培ポットの入替の例を示す図である。図5(a)のように被栽培植物の育成段階の異なる栽培ポット16x、16y及び16zが2つずつ順に並べられている。最も育成の進んだ栽培ポット16zにおいては1つの栽培ポットで1株の被栽培植物が栽培される。栽培ポット16yにおいては1つの栽培ポットで4株の被栽培植物が栽培され、栽培ポット16xにおいては1つの栽培ポットで30株の被栽培植物が栽培される。
10日間の栽培により、被栽培植物が生育する。この時に手順を図5(b)に基づいて説明する。
栽培ポット16zの被栽培植物は出荷可能な大きさに成育し、栽培ポット16zは除去される。栽培ポット16yの被栽培植物は、最も生育の良い1株を残して間引かれる。栽培ポット16yは、図の矢印で示されるように、図の右側に移動される。この際、間引くことに替えて、別の栽培ポットに最も生育の良い1株を移し、該別の栽培ポットを図5(b)に示される位置に置いてもよい。同様に、栽培ポット16xの被栽培植物は最も生育の良い4株を残して間引かれ、栽培ポット11xは図の矢印で示されるように、図の右側に移動される。または、別の栽培ポットに最も生育の良い4株を移し、該別の栽培ポットが図5(b)に示される位置に置かれる。
栽培ポット16xが置かれていた場所には、新たな栽培ポットが置かれる。新たな栽培ポットには、30粒の種子が入れられている。
なお、本実施例は30株、4株及び1株の栽培ポットの3種類の栽培ポットを使用したが、栽培ポットの種類の数及び各栽培ポットで生育させる株数は任意に設定してよい、例えば、30株、8株、2株、1株を生育させる4種類の栽培ポットを用いてもよい。
図において、満水状態における水面14及び小水状態における水面15を点線で示す。十分に生育された栽培ポット11zの被栽培植物については、満水状態では根部の大半が水中にあり、小水状態では根部の先端のみが接水し他の部分は水に触れずに外気に触れている。
栽培ポット16x及び16yの被栽培植物については、満水状態では根部の大半が水中にあり、小水状態では根部の全体が水に触れずに外気に触れている。しかし、満水状態において十分に根部から水を得ることができ、小水状態で根部の全体が水に触れずとも効率的に生育する。
(本実施例の効果)
給水路の水を供給又は排水して満水状態又は小水状態を実現する過程において、栽培ボードに並べられた栽培ポットの被栽培植物の全てについて一時に満水状態又は小水状態にすることはできない。水の流速に依存して、他の栽培ボードよりも長時間又は短時間の満水状態または小水状態となる栽培ボードが存在する。すなわち、小水状態の継続時間と満水状態の継続時間の比が栽培ボードの配置される位置に依存して異なり得る。栽培ポットの配置される位置を被栽培植物の栽培中に入れ替えることにより、栽培期間全体の平均ではかかる異なりを解消し、小水状態の継続時間と満水状態の継続時間の比を正確に制御することができる。
栽培ポットの入替は、ランダムに行う等、任意の方法でよいが、本実施例のように被害栽培植物の生育に合わせて順次に移動させることで、容易で誤りが少なく、出荷作業が容易である。
軽量の水耕栽培装置であり、低コストの栽培用建物または多段積層の栽培棚が実現できるので、水耕栽培農家による活用が期待できる。
1 水耕栽培装置
11 栽培ボード
12 光源
13 給水路
16 栽培ポット
2 水タンク
3 弁
4 サイホン
6 根部

Claims (15)

  1. 上面視略長方形の栽培ボードと、前記栽培ボードの上方に設けられた光源と、前記栽培ボードの下方に設けられた給水路とを備える栽培棚を2以上の段数に積層した水耕栽培装置であって、
    前記給水路は前記長方形の長辺に沿って前記栽培ボードの下方に設けられ、
    1段の給水路の水がその下段の給水路に流れることの有無を制御する水流制御機構を備え、
    前記水流制御機構は、各段の給水路について十分に水を供給した満水状態と少量の水を供給した又は水を供給しない小水状態との両方を実現することを特徴とする水耕栽培装置。
  2. 前記水流制御機構は、電気的に制御される弁であることを特徴とする、請求項1に記載の水耕栽培装置。
  3. 前記水流制御機構は、給水路の水位が所定値以上の場合に通水するサイホンであることを特徴とする、請求項1に記載の水耕栽培装置。
  4. 前記水流制御機構は、前記給水路の中に所定の数又はそれ以上の小水状態の給水路が含まれるようにすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水耕栽培装置。
  5. 各給水路について、
    前記満水状態を継続することと、
    前記小水状態を継続することとを、
    繰り返し実現することを特徴とする、請求項4に記載の水耕栽培装置。
  6. 前記小水状態は、前記栽培ボードと前記給水路の水面との間に50mm以上の空隙があることを特徴とする、請求項4又は5に記載の水耕栽培装置。
  7. 1段の給水路が前記小水状態から前記満水状態に遷移する際に、
    前記水流制御機構は、該給水路において、上段の給水路から流入する水が該給水路の両端に到達するために要する時間の4倍以上の時間にわたって下段の給水路への排水を行わないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水耕栽培装置。
  8. 各給水路について、
    前記小水状態の継続時間が前記満水状態の継続時間の10倍〜25倍であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の水耕栽培装置。
  9. 前記光源は直線状の蛍光灯であり、
    前記栽培ボードは複数の栽培ポットを長辺と平行に配して保持するものであり、
    前記蛍光灯は前記栽培ポットの中心の真上に設けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水耕栽培装置。
  10. 前記栽培ボードの前記光源の直下の箇所の照度が10,000ルクス以下であることを特徴とする、請求項9に記載の水耕栽培装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の水耕栽培装置を用いることを特徴とする水耕栽培方法。
  12. 前記水耕栽培装置を閉空間内に設置し、前記閉空間の二酸化炭素の濃度を1000〜1500PPMとすることを特徴とする、請求項11に記載の水耕栽培方法。
  13. 前記栽培ポットが前記栽培ボードに1列に並べて配置され、該栽培ポットの配置される位置を被栽培植物の栽培中に入替ることを特徴とする、請求項11又は12に記載の水耕栽培方法。
  14. 前記栽培ポットを栽培初期から栽培後期の順に前記栽培ボードに1列に並べて配置し、栽培後期の栽培ポットを除去すると共に該栽培ボードの反対側に栽培初期の栽培ポットを追加し、中間の栽培ポットを順次移動させることを特徴とする、請求項13に記載の水耕栽培方法。
  15. 1つの栽培ポット当たりの被栽培植物の株数が栽培初期から栽培終期に向けて減少し、前記順次移動に当たり、移動させる栽培ポットの被栽培植物を間引く、又は、株数の少ない他の栽培ポットに選定された株を移動して栽培ポットを該他の栽培ポットに入替ることを特徴とする、請求項14に記載の水耕栽培方法。
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