JP2015028501A - 波長変換器およびレーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フラットトップな空間分布パワーを有するレーザ光を、空間位相分布の変化の影響を低減してから、波長変換を行う波長変換器を提供する。【解決手段】 波長変換器20は、シングルモードのレーザ光を入力する入力ポートと、入力ポートからのシングルモードのレーザ光を入力し、フラットトップな光強度分布の光を出力するビームホモジナイザ52と、ビームホモジナイザ52からのレーザ光の位相を平滑して出力する波面収差補償素子6と、ビームホモジナイザ52からのレーザ光を入力し、入力光と異なる波長の光をフラットトップな光強度分布のレーザ光として出力する非線形光学結晶の波長変換素子7とを有し、ビームホモジナイザ52は、ビームウェストの位置とフラットトップの空間光強度分布の位置が異なり、ビームホモジナイザ52からのレーザ光の位相を揃えて平行光として波長変換素子7へ出力する波面収差補償素子6を有することにより、レーザ光を波長変換出力する。【選択図】図1
Description
本発明は、波長変換前のパルス光のレーザ光を、非線形光学結晶の波長変換素子で、高出力のレーザ光パワーを高効率に波長変換する波長変換器およびその波長変換器を有するレーザ装置に関する。
単一モードのレーザ光の空間分布パワーは、ガウシアン分布である。このレーザ光をそのまま波長変換の非線形光学結晶素子に入力すると、波長変換効率は、光強度が高い部分は、高く、低い部分では、低い。高出力のレーザ光の場合は、結晶またはその反射防止膜のレーザ光による損傷閾値で、ピーク値が制限される。そのため、レーザ光パワーの高出力化が制限され、変換に有利な部分のレーザ光パワーの部分も制限される。その結果として、変換効率も制限される。これを解決するために、波長変換器に入力されるレーザ光の空間分布パワーをフラットトップの形状に近づける対応が行われている。
一般的に、ガウシアン分布の空間分布パワーを持つレーザ光をフラットトップ形状の空間分布パワーに変換するには、回折格子素子(DOE:Diffractive Optical Element)やg2T(Lissotschenko Mikrooptik GmbH社の商標)や非球面レンズタイプなどのビームホモジナイザが使用されている。特許文献1には、入力レーザビームの成分を均一分布であり平行な成分の整列済みレーザビームに再配置及び再方向付けするための補償器素子と整列済みレーザビームの成分を、フラットトップ形状のレーザビームに再配置するのに最適な円形ガウス分布形状を持つ整形済みレーザビームに再配置する再配置器素子とを有し、理想的なガウス分布形状に補正する補償器・再配置器が開示されている。ビームホモジナイザを正確に機能させた上で、フラットトップ形状のレーザビームを波長変換器に入力して、波長変換している。
図2に、従来のレーザ装置の構成の一例を示す。光源装置1は、レーザ光をシングルモードで出力する。光源装置1からのレーザ光を、シングルモードの光ファイバ2を介して波長変換器20へ出力する。波長変換器20は、光ファイバ2からの出力を、入力ポート3’へ入力し、コリメータ3で平行光とする。コリメータ3からの出力光をビームエキスパンダ−4で拡光し、所定のビーム径に拡大する。拡光した光をビームホモジナイザ51に入力し、ガウシアン分布の空間強度分布の光から、ピーク部分の強度分布が一定のトップハット状の空間分布パワーに変換する。波長変換素子7は、ビームホモジナイザ51により集光され、ビームウェストが形成された位置に設置される。この位置に設置されるのは、ビームの光強度が最大となり、波面に収差のない(空間位相分布が平坦な)平行光となるため、波長変換素子7の結晶光学軸を設定するのに最適な状態にできる。なお、本願では、ビームホモジナイザ51は、平行光が入射すると、出射光は集光され、ビームウェストを形成するものとして、取り扱っている。また、光ファイバ2の出射端面には、エンドキャップが設けられている。
ビームホモジナイザ51により、フラットトップ形状に変換されたレーザ光は、波長変換素子7へ入力し、入力されたレーザ光は、フラットトップ形状を維持した状態で、波長変換されて、レーザ出力される。
波長変換の変換効率は、非線形光学結晶の波長変換素子7の非線形光学定数に2乗に比例して大きくなる。非線形光学定数は、入射光の偏波の方向により値が異なり、例えば、QPM(擬似位相整合)法では、結晶光学軸に対しc軸に平行な偏波を有した光を入射した場合、最も高い非線形光学定数d33を活用できる。即ち、高効率な波長変換には、入射光の断面の位相面(波面)が等位相面(平坦)で、かつその位相面が結晶光学軸全長に亘って保たれていることが好ましい。その意味では、位相面が平坦なビームウェスト位置に波長変換素子7を設置する限りにおいては、結晶光学軸の設置向きの調整だけの問題で良かった。
図3は、サイドローブがあるタイプのビームホモジナイザのビームの空間強度分布と位相の空間分布を示す図である。この図をもとに、DOEと集光レンズからなるビームホジナイザ51の場合のビームの挙動を説明する。DOEと集光レンズからなるビームホジナイザ51は、一般に焦点深度が長く(深く)、ビームウェスト位置で最良となるように、フラットトップビームでありかつ矩形形状とすることができる。以下の図3(B)〜(D)は、波長変換素子7を配置していない状態での測定結果である。その場合、ビームの断面内の光強度は、図3(B)に示すように、図3(A)のビームウェスト位置にある領域Aにおいて、矩形形状となる。以下のそのビームウェスト位置を含むように波長変換素子7を配置することにより、高効率の波長変換を実現する。なお、光強度は、各図とも、A領域のピーク値を1として、規格化して表示している。この領域Aにおけるビームの光強度分布では、図3(B)に示すように矩形部の立ち上がり形状がかなり急峻な形状となる。しかし、矩形部の周辺においては、意図しないサイドローブのサブピークが発生する。図3(C)は、領域Aにおける波面収差を示す空間位相分布を示している。位相も理想的な状態である。領域A,B,Cにおける光強度分布を、図3(D)に示す。領域AとBとでは、中心部での光強度が若干変化するが、ほぼ同じビーム形状を維持する。サイドローブは、領域Bにおいても存在している。領域Cでは、サイドローブの影響が顕著になり、ピーク強度が下がり、空間強度分布が崩れている。領域Cを波長変換素子の領域に含めないことが望ましいが、サイドローブが存在することがその原因であれば、これがない方が好ましいことは明らかである。
図4は、サイドローブなしタイプのビームの空間強度分布と、空間位相分布について説明するものである。サイドローブなしタイプのビームホモジナイザ52としては、集光機能を有する(集光レンズを有さない)タイプのDOE、g2T、断面矩形の非球面レンズなどがある。このタイプのビームホモジナイザは、図4(A)のように、フラットトップとなる領域は、ビームウェスト位置になく、その前後のα又はβの位置に存在する。仮に、αの位置にフラットトップとなる領域が存在した場合の空間光強度分布、空間位相分布の例を、それぞれ図4(B)、(C)に示す。αの位置においては、ビームの矩形度、ビーム強度のフラット度ともに良好ではあるが、空間位相分布は、揃っておらず、波面収差を生じていることが分かる。
米国特許第7499207号公報
発明者らの調査では、ビームホモジナイザ52での空間分布形状の変換には、レーザ出力光の断面を円形のビームから矩形のビームに変換する場合、矩形度(矩形の各辺における平坦部の長さの和(矩形部の角の丸みの部分を除いた長さ)/矩形の各辺の長さの和)やその他の必要な特性に注意を払うことが重要で、これを調整しようとすると、ビームウェスト部以外の所定の位置に波長変換素子7を設置する必要が生じ、その場合には、レーザ光の空間位相分布の変化を伴うことが、分かった。なお、上記の矩形度は、ピーク強度の50%の光強度で特定されるビーム断面の矩形形状から、計算している。そのため、レーザ光ビームの断面内で位相が揃っていない状態でフラットトップなレーザビームが非線形光学結晶の波長変換素子7に入射することになり、ビーム内の中心部と周辺部とで非線形光学結晶の波長変換素子7での変換効率が異なり、周辺部分が傾きを有するため、変換効率がその分だけ低下することになると予想された。本願では、ビーム内での波面の傾き(収差)を空間位相分布として捉えている。
上記のほかに、ビームホモジナイザ52からの出射光のビームウェスト位置の焦点深度(ここでの焦点深度は、ビームウェスト位置のスポットサイズで決まる面積が2倍以内の領域の長さとする)の長さに比して、フラットトップ領域は長くなり、その結果、非線形光学結晶の波長変換素子7の厚さを厚くできるが、フラットトップ領域の波長変換素子7内では、レーザ光が平行光とはいえない状態になる。その場合は、平行光とは言えない部分の光や、平行光から外れた光成分は、変換効率が落ち、波長変換素子7の厚さを変換効率に十分に活用できないことになる。
サイドローブが発生しないタイプのビームホモジナイザは、図4に示すとおり、サイドローブがなく、その分波長変換効率が改善されるが、一方、ビームホモジナイザ51に比べてフラットトップ深度(ビームの光強度分布のPV値(=(ビームの光強度のフラット部分の最大値と最小値の差)/(ビームの光強度のフラット部分の平均値))が10%以下)が保持されているビームの長さ)が短く、ビームウェスト位置から外れた位置にビームフラット領域があり、そこでは、波面収差が大きくなっているという欠点があり、そのままでは、十分な波長変換効率を得るのが難しいと予想される。サイドローブなしのタイプのビームホモジナイザとして、g2Tや非球面レンズタイプがあり、これらは、一般的にDOEと比して、安価であった。
サイドローブが発生しないタイプのビームホモジナイザは、図4に示すとおり、サイドローブがなく、その分波長変換効率が改善されるが、一方、ビームホモジナイザ51に比べてフラットトップ深度(ビームの光強度分布のPV値(=(ビームの光強度のフラット部分の最大値と最小値の差)/(ビームの光強度のフラット部分の平均値))が10%以下)が保持されているビームの長さ)が短く、ビームウェスト位置から外れた位置にビームフラット領域があり、そこでは、波面収差が大きくなっているという欠点があり、そのままでは、十分な波長変換効率を得るのが難しいと予想される。サイドローブなしのタイプのビームホモジナイザとして、g2Tや非球面レンズタイプがあり、これらは、一般的にDOEと比して、安価であった。
本発明は上記の不都合を鑑みてなされたものであり、シングルモードのレーザ光をフラットトップな空間分布パワーのレーザ光に変換後、レーザ光の空間位相分布の変化の影響を低減して、レーザ光を平行光化することで、効率的な波長変換を行う波長変換器と、それを用いたレーザ装置とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る波長変換器は、シングルモードのレーザ光を入力する入力ポートと、入力ポートからのシングルモードのレーザ光を入力し、フラットトップな光強度分布の光を出力するビームホモジナイザと、ビームホモジナイザからのレーザ光を入力し、入力光と異なる波長に変換された光をフラットトップな光強度分布のレーザ光として出力する非線形光学結晶の波長変換素子とを有し、ビームホモジナイザは、ビームウェストの位置とフラットトップの空間強度分布の位置が異なり、ビームホモジナイザからのレーザ光の位相を揃えて平行光として出力する波面収差補償素子を有する。
上記の波長変換器では、入力ポートに入力する光は、断面が円形のビームであり、ビームホモジナイザは、円形ビームを断面矩形のビームに変更可能であり、波面収差補償素子の設置位置は、前記ビームホモジナイザからの出力光が、矩形度が60%以上となる所定の位置に選定することで、ビームホモジナイザからの出力光が、矩形度を好ましいものとすることが可能である。
上記の波長変換器では、ビームホモジナイザと入力ポートの間には、レーザ光の出射ビーム径を変更できるビームエキスパンダを有し、上記波面収差補償素子からの出射ビームの矩形サイズが所定のサイズとなるように、ビームエキスパンダは、ビームホモジナイザへの出射ビーム径が所定の径に設定されていることで、光強度分布がフラットトップな形状とすることができる。ビームホモジナイザを用途にあった所定の出射ビーム径のものを選択した場合、ビームエキスパンダがレーザ光の出射ビーム径を変更できると、ビームホモジナイザにあった入射ビーム径に変更することが可能となる。
上記の波長変換器を用いた本発明に係るレーザ装置は、上記の波長変換器の他に、シングルモードのレーザ光を出力する光源装置と、光源装置からのレーザ光を波長変換器に入力するもので、高効率の波長変換を行う。また、上記のレーザ装置において、光源装置からのレーザ光を入力し、シングルモードで波長変換器にシングルモードで出力入力する光ファイバを有し、簡易にシングルモードを維持して、波長変換器に出力することが可能である。
本発明によれば、波長変換するレーザ光をフラットトップなビームに空間分布パワーを変換するとともに、空間位相分布を補償して平坦化することにより、より高効率に波長変換を行うことができる波長変換器およびそれを用いたレーザ装置が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明のレーザ装置の構成図である。光源装置1としては、YAGレーザ、DPSS(Diode Pumping Solid State)レーザ、ファイバレーザなどが用いられる。シングルモード(ガウシアン分布の空間出力パワー)のレーザ光を出力するものであればよい。光源装置1からの出力光は、シングルモード光ファイバ2を介して、出力する。光ファイバ2は光源装置1に含まれていてもよく、高いビーム品質を有したビーム光の場合は無くてもよい。波長変換器20の入力ポート3’にシングルモードで入力する。波長変換器20からは、内部に搭載された非線形光学素子である波長変換素子7により、光源装置1のレーザ光の波長とは異なる波長のレーザ光を出射する。
波長変換器20は、入射ポート3’を有し、入射されたレーザ光は、コリメータレンズ3に入力され、コリメート(平行光化)され、ビームエキスパンダ4に入力される。ビームエキスパンダ4では、入力レーザ光の拡大倍率が可変で、次に入力されるビームホモジナイザ52に最適な特定のビーム径となるように拡光される。なお、当然ではあるが、拡光する必要がなければ、ビームエキスパンダ4は不要である。また、ビームエキスパンダ4のレンズは、一例の図であり、場合によっては入射側に凹形、出射側には平形、拡光後の両凸レンズは、平凸レンズでも構わない。ビームエキスパンダ4からの出力レーザ光をビームホモジナイザ52に特定のビーム径で入力し、フラットトップな形状の空間分布パワーのビームとして出力する。なお、ビームホモジナイザ52は、代表的には、g2Tのような出力光の形状を、矩形形状に変換する機能を有するものであってもよい。ビームホモジナイザ52からの出力光は、波長変換素子7に入力される。
波長変換素子7は、ビームホモジナイザ52からの出力位置によって、矩形度やPV値が変動するので、出力状態を確認して、最適な位置に設置するのが好ましい。波長変換素子7とビームホモジナイザ52の中間に、波面収差補償素子6を設置し、後述するとおり、位相を補償している。波面収差補償素子6は、上述の波長変換素子7の最適な位置に設置される。図1では、波面収差補償素子6は、ビームウェスト位置から波長変換素子7側の若干ビーム径の大きくなった位置に設置されているが、最適な位置が、ビームホモジナイザ側にある場合は、その位置になるだけであり、どちら側にないといけないというものではない。
図5(A)、(B)は、ビームホモジナイザ52後のビームの位置とビームの光強度分布との関係を説明する図である。光強度分布は、ビームの光軸方向(図ではz軸方向)の位置によってどうなるかを示したものである。図中で、「矩形フラットトップの光強度分布が得られる領域」としたのは、あくまでも発明者の主観で設定した領域である。図5(A)は、ビームホモジナイザ52として、g2Tを使用した場合の一例を示したものである。「矩形フラットトップの光強度分布が得られる領域」として評価した領域でのビームの光強度分布を示したものが、図5(B)である。z軸方向の0μmの位置は、光強度分布の断面が矩形のビームの矩形サイズ(断面が矩形のビームの矩形の辺の長さ)が80μmで最適となる位置であり、ビームホモジナイザ52への入射ビーム径も最適な1.8mmφとなるように設定されたケースである。この場合、PV値は10%以下となる。0μmの位置は、本事例では、ビームウェスト位置から離れた位置となっている。その位置を基準に、ビームホモジナイザ側に向かって、−100μm、−200μm、−500μm、ビームホモジナイザ側とは逆側に向かって、100μm、200μm、500μm、1000μmそれぞれ移動した位置でのビームの光強度分布を示している。何が最適な位置かは、いろいろな基準があるが、矩形度を基にして、設定した。必要があれば、他の基準を設けても良い。なお、光強度のピーク値は、図5(B)では高さを揃えているが、実際ピーク値は、ビームの面積に反比例したものとなる。ビームの強度だけを考慮するなら、ビームウェスト位置が最適な位置であることは確かである。他の要因を考慮するなら、評価項目に応じて、最適な位置を設定すべきである。なお、0μmより出射側では、4隅の光強度が増大しており、PV値は増大する傾向にあり、ビームホモジナイズの観点からは好ましくなかった。
図6は、サイドローブがないタイプのビームホモジナイザ52通過後の位置における波面収差補償素子と波長変換素子の設定と、ビームウェストなどのビームの伝搬とビームの光強度分布の関係を説明する図である。ビームホモジナイザ52からの出力されたレーザ光は、集光レンズと同様に、集光され、フラットトップの領域の波面収差補償素子により位相補償がなされ、ビームウェスト位置を形成すると共に、長い距離に亘ってフラットトップが保持される。ビームウェスト位置を含むフラットトップ深度の領域では、ビームは基本的に平行光と見なせる。その領域より入射側では、平行光に移行する過程であり、z軸と平行な光以外の光が多数存在し、平行な光を想定して、結晶光学軸の設置向きを調整しても、z軸と平行な光以外の光の存在すること、また、フラットトップ深度が短い(浅い)ために変換効率が低下する。ここで注視すべき点は、サイドローブがないタイプのビームホモジナイザ52では、ビームウェスト位置にフラットトップ光強度分布となる位置が存在せず、特別な対応が必要となることである。図6(A)では、ビームウェスト部より入射側に波長変換の最適な位置(フラットトップ光強度分布となる位置)があると想定して、ビームホモジナイザ52を通過後のレーザ光は、波面収差補償素子6をフラットトップ光強度分布となる位置より手前の適切位置に設定することで、波面収差が殆どない状態で、波長変換を行うことができる。図6(B)では、面収差補償素子6をフラットトップ光強度分布となる位置の直前の位置に配置した状態を示す。ビームウェスト位置は波長変換素子7のビーム入射面近傍の位置となる。そのため、ビーム入射面近傍の位置では、最善の状態となるが、波長変換素子7内をビームが進む内に、波面収差が拡大すると共に、矩形の光強度分布が崩れることになり、好ましくない状態となる。以上のとおりであり、図6(A)と図6(B)との対比では、図6(A)の方が好ましいことが分かる。
図7は、ビームホモジナイザ52からの出力されたレーザ光のPV値が最適となる最適な位置でのビームの矩形サイズ(図6(A)参照)と達成した場合のビームの光強度分布とそれを達成した際のビームエキスパンダ4からのレーザ光のビームホモジナイザ52での入射ビーム径(図6(A)参照)とを示す。最適な位置は、上記の最適PV値から個別に設定している。矩形サイズは、波長変換素子7がない状態で測定している。入射ビーム径は、ビームホモジナイザに入射する1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mmの5段階で評価している。なお、円形ビームでも良ければ、PV値を主に良好な範囲を設定し、矩形サイズではなく、直径サイズに対応して、入射ビーム径を決めても良い。
上記の評価の結果においては、矩形サイズの設定の際には、波面収差補償素子の最適な位置の他に、ビームホモジナイザへの入射ビーム径の設定も寄与している。なお、最適な位置、最適なビーム径は、条件設定によっても変わるので、その都度目的に応じた最適な条件を設定して、その条件に応じて決定すべきである。なお、上記は、矩形サイズと入射ビーム径の関係に着目し、説明したものである。矩形サイズ80μmは、波長変換素子の厚さとの関連では、フラットトップ深度が短い(浅い)。フラットトップ深度を長く(深く)するという意味では、実際の波長変換では、レーザ光源の出力に依存するが、矩形サイズが数百μmから数mm程度とすることが好ましいと思われる。
ビームウェスト位置とフラットトップ光強度分布となる位置が異なる場合には、本願で述べている波長変換器は、変換効率改善において有効である。上記の矩形度やPV値が最適となる位置に設置した場合、位相の問題が発生するが、それを改善するために、波面収差補償素子6を設けることで、改善している。また、所望の矩形サイズにもよるが、波長変換できる帯域幅に依存した非線形光学結晶の長さに最適な波面収差補償素子6を設計することが可能であり、即ち、平行光化の度合いを制御することができ、波長変換に寄与する相互作用長をコントロールすることができるため、高効率な波長変換が可能である。更には、これまでのビームホモジナイザ51とは異なり、サイドローブが発生しないために、レーザ光パワー密度の低下を抑制でき、その分大出力の波長変換を行えるというメリットが生じることになる。
図8は、図1のA〜Dにおけるレーザ光の空間分布パワーの状態のイメージを示している。ビームエキスパンダ4からの出力光(図1のAの部分)は、図8(A)に示すとおり、シングルモード光であり、ガウシアン分布の空間分布パワーの状態である。ビームホモジナイザ52からの出力光(図1のB,Cの部分)は、図8(B)に示すとおり、フラットトップなビーム形状となる。出力の空間分布のピーク部分がフラット化するので、ピーク部分出力強度で抑えられていた全体の出力を上げることができ、かつ、高効率に変換できる高強度部分レーザ出力の割合を増加できる。波長変換素子7を出力後の光(図1のDの部分)は、図8(C)に示すとおり、フラットトップなビーム形状が維持されたものとなる。なお、フラットトップな形状は、実際には、トップ部分の周辺に立ち上がり部分等が存在する。
ビームホモジナイザ52からの出力の空間位相分布は、図9(B)のとおりであり、図中のI、II、IIIは、図9(A)のとおりである。図9(B)のIに示すとおり、ビーム断面内で、光軸zに垂直な方向に空間位相分布が生じ、位相面が歪んでいることが推察される。波面収差補償素子6は、この歪を補償するため、図9(B)のIIに示すとおり、ビーム断面内で、Iとは逆の空間位相分布を有する。レーザ光は、波面収差補償素子6を通過後は、位相が補償された状態で固定され、図9(A)、9(B)のIIIに示すとおり、平行光として出力される。なお、図9(B)では、位相分布が不連続なように見えるが、縦方向が位相を表し、位相の上限と下限を、それぞれ+180°、−180°としたため、その位置になったところで、反転した表示となっているだけで、実際には連続している。
図10は、図1のA〜Dにおけるレーザ光の空間位相分布の状態のイメージを示している。ビームエキスパンダ4からの出力光(図1のAの部分)は、図10(A)に示すとおり、位相は揃っており、位相面に歪はない状態となっている。ビームホモジナイザ52からの出力光(図1のBの部分)は、図10(B)に示すとおり、ビーム断面内で、光軸zに垂直な方向に空間位相分布が生じ、位相面が歪んでいることが推察される。波面収差補償素子6からの出力光(図1のC,Dの部分)は、この歪を補償し、コリメート化されたことにより、図10(C)に示すとおり、ビーム断面内で、位相は揃っており、位相面に歪はない状態となっている。ビームの径は、ビームエキスパンダ4を通過後は、図10(A)に示すとおり拡光して大きいが、位相補償直前のビーム径は、ビームホモジナイザ52により集光され、細くなっている。その大きさは、所望の矩形フラットトップのサイズに設計されたビームホモジナイザの他に、波面収差補償素子の設定位置によっても変化する。波面収差補償素子6および波長変換素子7通過後は、図10(C)に示すとおり、図10(B)とほぼ変わらない径で出力される。
以上のように、本実施形態に係る波長変換器によれば、ビームの空間分布パワーのフラットトップ化だけでなく、空間位相分布の補償を行っており、波長変換効率を改善することが可能である。
ビームホモジナイザ52としては、g2Tや非球面レンズの他に、図11に示すような、z軸に垂直な方向に2つの非球面レンズ55、56を配した構造でもよい。非球面レンズ55、56は、それぞれxz面上、yz面上で、湾曲した面を有するとともに、出力面は、矩形面となっている。これにより、出力光は、矩形断面を有する出力光となる。出力光は、湾曲面の効果により、ビームホモジナイズとなっている。
1…光源装置、2…光ファイバ、3…コリメータレンズ、3’…入力ポート、4…ビームエキスパンダ、51、52…ビームホモジナイザ、6…波面収差補償素子、7…波長変換素子、11…入射面、12…出射面、20…波長変換器、30…レーザ装置。
Claims (5)
- シングルモードのレーザ光を入力する入力ポートと、
前記入力ポートからのシングルモードのレーザ光を入力し、フラットトップな光強度分布の光を出力するビームホモジナイザと、
前記ビームホモジナイザからのレーザ光を入力し、入力光と異なる波長に変換された光をフラットトップな光強度分布のレーザ光として出力する非線形光学結晶の波長変換素子とを有し、
前記ビームホモジナイザは、ビームウェストの位置とフラットトップの空間強度分布の位置が異なり、
前記ビームホモジナイザからのレーザ光の位相を揃えて平行光として前記波長変換素子へ出力する波面収差補償素子を有することを特徴とする波長変換器。 - 前記入力ポートに入力する光は、断面が円形のビームであり、
前記ビームホモジナイザは、円形ビームを断面が矩形のビームに変更可能であり、
前記波面収差補償素子の設置位置は、前記ビームホモジナイザからの出力光が、矩形度が60%以上となる所定の位置に選定されていることを特徴とする請求項1記載の波長変換器。 - 前記ビームホモジナイザと前記入力ポートの間には、前記レーザ光の出射ビーム径を変更できるビームエキスパンダを有し、
前記波面収差補償素子からの出射ビームの矩形サイズが所定のサイズとなるように、前記ビームエキスパンダは、前記ビームホモジナイザへの出射ビーム径が所定の径に設定されていることを特徴とする請求項2記載の波長変換器。 - シングルモードのレーザ光を出力する光源装置と、
前記光源装置からのレーザ光を入力する請求項1〜3の何れか1項記載の波長変換器とを有することを特徴とするレーザ装置。 - 前記光源装置からのレーザ光を入力し、シングルモードで前記波長変換器に出力する光ファイバを有することを特徴とする請求項4記載のレーザ装置。
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